JP6436863B2 - 無停電電源装置および無停電電源システム - Google Patents
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また、高い信頼性を得るために複数台の無停電電源装置に対して1台のバックアップ用無停電電源装置を設けたものが提案されている。(例えば、特許文献2)
一方、1台の無停電電源装置ではあるがバックアップ動作を開始したとき、電源線を介してバックアップ動作の開始を電圧の周波数を変えることによって負荷の設備機器に通知して、負荷の設備機器が省電力運転をすることでバックアップ時間を延ばすものが提案されている。(例えば、特許文献3)
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における無停電電源装置を使用した無停電電源システムの一例を示す概略構成図、図2はこの発明の実施の形態1における無停電電源装置を示す構成図である。
力側に交流電源2が接続されており、出力側には電源ケーブル3によって下位モード(後で詳細に説明する)に設定された無停電電源装置101が接続され、その出力側は負荷4に接続されている。無停電電源装置1の入力側と出力側はバイパス線5およびバイパススイッチ6によりバイパス接続されている。交流電源2から入力された交流電力はコンバータ部10で直流電力に変換され、直流電源部36に与えられ、インバータ部20によって直流電源部36の直流電力を交流電力に変換して出力側から出力する。また、コンバータ部10の出力である直流電源部36から、充放電部46を介して蓄電部50に直流電力が充放電される。制御回路60は入力電圧センサ61や出力電流センサ64などの各種センサの検出値を入力して、バイパススイッチ6などのスイッチの開閉制御およびコンバータ部10とインバータ部20と充放電部46の動作を制御する。設定部65は制御回路60が上位モードまたは下位モードあるいは単独モードのいずれのモードで動作するかを設定するものであり、上位モードでの制御回路60はインバータ部20の出力電圧を所定パターンで変化させることにより、例えば下位モードに設定された無停電電源装置101に対して連動制御の開始終了を指令し、下位モードでの制御回路60は入力された交流電力に所定パターンの電圧変化を検出したとき少なくとも一部の動作を停止する消費電力抑制動作の開始終了を行う。また、単独モードは一台のみで使用される場合に設定される。
入力側に接続された交流電源2とコンバータ部10との間には、交流電源2と並列に接続された入力側コンデンサ16と、入力側コンデンサ16とフィルタ回路を構成する入力側リアクトル17が設けられており、入力側コンデンサ16と入力側リアクトル17の間には交流電源2からの入力と蓄電部50からの出力を切換える切換スイッチ53が設けられ、切換スイッチ53と蓄電部50の正極との間には蓄電部運転スイッチ54が接続されている。
また、出力側に接続された負荷4と並列に出力側コンデンサ27が接続されており、インバータ部20の出力線に直列接続された出力側リアクトル28とでフィルタ回路を形成している。
通常運転時はバイパススイッチ6が開成されており、切換スイッチ53を図2に示すa側にしてコンバータ部10に入力してコンバータ部10により直流電力に変換する。コンバータ部10により変換された直流電力はインバータ部正側コンデンサ21とインバータ部負側コンデンサ22に与えられて、インバータ部20によって交流電力に変換されて出力側から負荷4に出力されるとともに、負極側昇降圧部40を介して蓄電部50に蓄えられる。また、インバータ部正側コンデンサ21とインバータ部負側コンデンサ22の電位が不平衡になった場合はバランス部30を動作させて平衡に保っている。
図3aおよび図3bはこの発明の実施の形態1における無停電電源装置の交流電源の電圧が正の時のインバータ部正側コンデンサの充電動作を説明する説明図である。
通常運転時において交流電源2の電圧が正の場合には、図3aに示すようにコンバータ部半導体スイッチ15を導通(オン)させて、交流電源2→切換スイッチ53→入力側リアクトル17→コンバータ部第一ダイオード11→コンバータ部半導体スイッチ15→コンバータ部第四ダイオード14→交流電源2のルートで電流を流して、入力側リアクトル17にエネルギーを貯める。
続いて、図3bに示すようにコンバータ部半導体スイッチ15を非導通(オフ)させることにより、入力側リアクトル17→正側逆流防止ダイオード18→正極側電圧線8→インバータ部正側コンデンサ21→共通線7→交流電源2→切換スイッチ53→入力側リアクトル17のルートで電流を流して、入力側リアクトル17に貯められたエネルギーをインバータ部正側コンデンサ21に充電する。この充電により正極側電圧線8は共通線7に対して正の電位Pとなる。
通常運転時において交流電源2の電圧が負の場合には、図4aに示すようにコンバータ部半導体スイッチ15を導通(オン)させて、交流電源2→コンバータ部第二ダイオード12→コンバータ部半導体スイッチ15→コンバータ部第三ダイオード13→入力側リアクトル17→切換スイッチ53→交流電源2のルートで電流を流して、入力側リアクトル17にエネルギーを貯める。
続いて、図4bに示すようにコンバータ部半導体スイッチ15を非導通(オフ)させることにより、入力側リアクトル17→切換スイッチ53→交流電源2→共通線7→インバータ部負側コンデンサ22→負極側電圧線9→負側逆流防止ダイオード19→入力側リアクトル17のルートで電流を流して、入力側リアクトル17に貯められたエネルギーをインバータ部負側コンデンサ22に充電する。この充電により負極側電圧線9は共通線7に対して負の電位Nとなる。
通常運転時における蓄電部50への充電動作は、まず図5aに示すように、負極側昇降圧部負側半導体スイッチ43を導通(オン)させて、インバータ部負側コンデンサ22→負極側昇降圧部リアクトル45→負極側昇降圧部負側半導体スイッチ43→インバータ部負側コンデンサ22のルートで電流を流して、負極側昇降圧部リアクトル45にエネルギーを貯める。
続いて、負極側昇降圧部負側半導体スイッチ43を非導通(オフ)にして、図5bに示すように、負極側昇降圧部リアクトル45→負極側昇降圧部正側ダイオード42→蓄電部50→負極側昇降圧部リアクトル45のルートで電流を流して、負極側昇降圧部リアクトル45に貯められたエネルギーを蓄電部50に充電する。
交流電源2の停電を入力電圧センサ61からの入力により検出すると、制御回路60は、切換スイッチ53を図6aおよび図6bに示すようにb側に切換えるとともに蓄電部運転スイッチ54を閉成して蓄電部50に蓄えられた直流電力をインバータ部20に与えることでバックアップ運転を行う。
続いて、図6bに示すようにコンバータ部半導体スイッチ15を非導通(オフ)させることにより、入力側リアクトル17→正側逆流防止ダイオード18→インバータ部正側コンデンサ21→蓄電部50→蓄電部運転スイッチ54→切換スイッチ53→入力側リアクトル17のルートで電流を流して、入力側リアクトル17に貯められたエネルギーをインバータ部正側コンデンサ21に充電する。
続いて、図7bに示すように負極側昇降圧部正側半導体スイッチ41を非導通(オフ)させることにより、負極側昇降圧部リアクトル45→インバータ部負側コンデンサ22→負極側昇降圧部負側ダイオード44→負極側昇降圧部リアクトル45のルートで電流を流して、負極側昇降圧部リアクトル45に貯められたエネルギーをインバータ部負側コンデンサ22に充電する。
上述したように、インバータ部正側コンデンサ21およびインバータ部負側コンデンサ22に充電された直流電力を使用して、インバータ部20で直流電力を交流電力に変換して負荷4に供給するが、負荷4の不平衡などによりインバータ部正側コンデンサ21とインバータ部負側コンデンサ22の電圧が不平衡になる場合がある。この場合には電圧検出器29で検出したインバータ部正側コンデンサ21とインバータ部負側コンデンサ22の電圧を制御回路60に入力し、制御回路60からの制御によりバランス部30を動作させて電圧を平衡にバランスさせる。一例として、インバータ部負側コンデンサ22の電圧がインバータ部正側コンデンサ21の電圧よりも高くなった場合について、図8aおよび図8bにもとづき説明する。
続いて、図8bに示すように、バランス部負側半導体スイッチ33を非導通(オフ)させることにより、バランス部リアクトル35→バランス部正側ダイオード32→インバータ部正側コンデンサ21→バランス部リアクトル35のルートで電流を流して、バランス部リアクトル35に貯められたエネルギーをインバータ部正側コンデンサ21に充電することで、インバータ部正側コンデンサ21の電圧を上昇させる。
なお、逆にインバータ部正側コンデンサ21の電圧がインバータ部負側コンデンサ22の電圧よりも高くなった場合については、インバータ部負側コンデンサ22とインバータ部正側コンデンサ21が逆になり、バランス部負側半導体スイッチ33がバランス部正側半導体スイッチ31に、バランス部正側ダイオード32がバランス部負側ダイオード34に変わるのみで、上記説明の動作と同様であり、図示および説明を省略する。
図9はこの発明の実施の形態1における無停電電源装置の停電補償連動開始時の上位モードの無停電電源装置の出力電圧と出力電流を説明する説明図、図10はこの発明の実施の形態1における無停電電源装置の停電補償連動終了時の上位モードの無停電電源装置の出力電圧と出力電流を説明する説明図、図11はこの発明の実施の形態1における無停電電源装置の上位モードの無停電電源装置と下位モードの無停電電源装置の連動動作を説明する説明図である。
図9のT1において通常時の電源電圧100Vよりも高い例えば101Vの電圧を1サイクル出力し、T2において通常電圧よりも低い例えば99Vの電圧を1サイクル出力し、T3およびT4において通常電圧よりも高い例えば101Vの電圧を2サイクル出力して、T5以降は通常電源電圧100Vを出力する。このように上位モードに設定された制御回路60からの制御によりインバータ部20の出力電圧に連動制御の開始を指令する第一パターンの電圧変化を生じさせる。
ここで、消費電力抑制動作のパターンとしては以下に示す4つのパターンがあり、必要に応じて適宜適用可能である。
パターン1は、コンバータ部110とインバータ部120と充放電部146の全ての動作を停止する。
パターン2は、インバータ部120と充放電部146の動作を停止する。
パターン3は、コンバータ部110とインバータ部120の動作を停止する。
パターン4は、インバータ部120の動作を停止する。
なお、停電補償連動開始時に上位モードの無停電電源装置1は、下位モードの無停電電源装置101に停電補償(バックアップ)動作の開始を通知しても、出力電流センサ64で検出した電流値がT6からT8においてもT1からT4での電流値のままで減少しない場合は、連動運転が失敗したものとみなして、再度図9に示すT1からT8の動作を繰返すことで、上位モードの無停電電源装置1と下位モードの無停電電源装置101は確実に連動運転を実施することが可能となる。
上位モードの無停電電源装置1は出力電流センサ64の検出電流値の増加により、下位モードの無停電電源装置101が通常運転動作に復帰したことを認識できる。この時点が図11のS3で示す停電補償連動終了である。
なお、上位モードの無停電電源装置1が停電補償(バックアップ)運転中であり、下位モードの無停電電源装置101が停電補償連動動作中に交流電源2の電圧が設定値範囲内に復帰(復電)した場合には、上位モードの無停電電源装置1から停電補償連動終了時と同様の第二パターンで下位モードの無停電電源装置101に通知することで、下位モードの無停電電源装置101も通常運転動作に切替る。
また、単独モードでは、上述の連動制御、上位モード時の出力の電圧変化、および下位モード時の消費電力抑制動作を行わない普通の動作モードであり、上位モードで代用することも可能である。
また、連動制御のための通知等は上位モードの無停電電源装置1から出力電圧値を変えた所定パターンの電圧により下位モードの無停電電源装置101に行うため、例えば負荷4に電源の周波数を基準として動作するような機器が接続されていたとしても、周波数は変動しないため誤動作を発生することは無い。
また、この発明は、その発明の範囲内において実施の形態を自由に組み合わせたり、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
Claims (6)
- 上位の無停電電源装置の出力側に下位の無停電電源装置が縦列接続された無停電電源システムを構成するため、前記上位の無停電電源装置および前記下位の無停電電源装置のいずれにも用いることができる無停電電源装置であって、
交流電源の交流電力を直流電力に変換して直流電源部に与えるコンバータ部と、前記直流電源部の直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ部と、前記交流電源の電圧正常時に前記直流電源部の直流電力を蓄電部に充電させるとともに前記交流電源の電圧低下時に前記蓄電部に蓄えられた直流電力を前記直流電源部に放電する充放電部と、前記コンバータ部および前記インバータ部ならびに前記充放電部の動作を制御するとともに、当該無停電電源装置を前記上位の無停電電源装置として機能させるための上位モードか、前記下位の無停電電源装置として機能させるための下位モードかに設定するための制御回路と、を備え、前記制御回路が前記上位モードに設定された場合、前記交流電源または前記蓄電部の状態に応じて、前記インバータ部の出力電圧を2種類のパターンに変化させ、
前記制御回路が前記下位モードに設定された場合、入力された交流電力に前記2種類のパターンのうちのいずれかのパターンの電圧変化を検出したとき、検出したパターンの種類に応じて、少なくとも一部の動作を停止する消費電力抑制動作の開始または終了を行うことを特徴とする無停電電源装置。 - 前記制御回路が前記上位モードに設定された場合、前記交流電源の電圧低下時に前記インバータ部の出力電圧に第一パターンの電圧変化を生じさせ、
前記制御回路が前記下位モードに設定された場合、入力された交流電力に前記第一パターンの電圧変化を検出したときに前記消費電力抑制動作を開始することを特徴とする請求項1に記載の無停電電源装置。 - 前記制御回路が前記上位モードに設定された場合、前記蓄電部に蓄えられた直流電力の残量が所定値を下回ったときに前記インバータ部の出力電圧に第二パターンの電圧変化を生じさせ、
前記制御回路が前記下位モードに設定された場合、入力された交流電力に前記第二パターンの電圧変化を検出したときに前記消費電力抑制動作を終了させることを特徴とする請求項1または2に記載の無停電電源装置。 - 前記コンバータ部の入力側と前記インバータ部の出力側を短絡するバイパススイッチを備え、
前記制御回路が前記下位モードに設定された場合、当該制御回路は、前記消費電力抑制動作を行うとき前記バイパススイッチを閉成(短絡)させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無停電電源装置。 - 前記制御回路が前記下位モードに設定された場合、当該制御回路は、前記消費電力抑制動作を行うとき前記コンバータ部と前記インバータ部の動作を停止させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の無停電電源装置。
- 前記制御回路が前記上位モードに設定された請求項1から5のいずれか1項に記載の第一の無停電電源装置と、前記制御回路が前記下位モードに設定された請求項1から5のいずれか1項に記載の第二の無停電電源装置とを備え、
前記第一の無停電電源装置の出力側に前記第二の無停電電源装置が縦列接続されたことを特徴とする無停電電源システム。
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