様々な例示的な実施形態に関する以下の記載では、本明細書の一部を形成し、本開示の態様を実施することができる様々な実施形態を例示として示す添付図面を参照する。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、構造的および機能的な修正を行うことができることを理解されたい。
ここで、例示的な実施形態による太陽光発電(PV)システムを示す図1Aを参照する。PVシステム100は、接地バスと電力バスとの間に並列に接続する複数のPVストリング104を備えてもよい。PVストリング104のそれぞれは、複数の直列接続するPV発電機101および複数の安全スイッチ102を備えてもよい。PV発電機101は、一つまたは複数の太陽電池セル、モジュール、パネル、またはシングルを備えてもよい。いくつかの実施形態では、PV発電機101を直流(DC)電池または代替の直流もしくは交流(AC)電源に置き換えてもよい。
図1Aの例示的な実施形態では、安全スイッチ102は、PV発電機101の各組の間に配置される。いくつかの実施形態(例えば、図2に示される実施形態)では、安全スイッチ102は、複数の直列接続されたPV発電機のグループ間に配置されてもよい。安全スイッチ102は、制御装置および通信装置を備えてもよく、PV発電機の接続を切断するためのコマンドを(例えば、通信装置を介して)受信する場合、隣接するPV発電機の接続を切断するよう作動してもよい。
いくつかの実施形態では、電力バスおよび接地バスはシステム電力装置110に入力されてもよい。いくつかの実施形態では、システム電力装置110は、DC/ACインバーターを備えることができ、交流(AC)電力を送電網、家庭、またはその他の目的地に出力することができる。一部の実施形態では、システム電力装置110は、コンバイナボックス、変圧器、および/または安全切断回路を備えてもよい。例えば、システム電力装置110は、複数のPVストリング104からDC電力を受け取り、合成したDC電力を出力するためのDCコンバイナボックスを備えてもよい。いくつかの実施形態では、システム電力装置110は、過電流保護のために各ストリング104に接続されたヒューズ、および/または一つもしくは複数のPVストリング104の接続を切断するための一つもしくは複数の切断スイッチを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、システム電力装置110は、安全スイッチ102を制御または安全スイッチ102と通信するための制御装置および/または通信装置を備えるか、またはそれらに接続してもよい。例えば、システム電力装置110は、制御装置、例えばシステム電力装置110の作動を制御するように構成されるマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備えてもよい。いくつかの実施形態では、システム電力装置110は、複数の相互作用する制御装置を備えてもよい。システム電力装置110は、安全スイッチ102に備えられる接続する通信装置と通信するように構成される通信装置(例えば、電力線通信回路および/または無線トランシーバ)をさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、システム電力装置110は、制御デバイスおよび通信装置の両方を備えてもよく、制御デバイスは、PV電力装置(例えば、電力装置103)の望ましい作動モードを決定するように構成され、通信装置は、作動コマンドを送信し、PV電力装置に備えられる通信装置からレポートを受信するように構成される。
システム電力装置110は、多くの他の装置ならびに/またはシステム、例えばPVシステム100(例えば、様々な個別のおよび/もしくは相互接続した装置、例えばディスコネクト、PVセル/アレイ、インバーター、マイクロインバーター、PV電力装置、安全装置、メーター、ブレーカー、ACメイン、接続箱、カメラなど)、ネットワーク/イントラネット/インターネット、コンピューティングデバイス、スマートフォンデバイス、タブレットデバイス、カメラ、データベースおよび/もしくはワークステーショを含む一つまたは複数のサーバーに接続してもよい。システム電力装置110は、PVシステム100内の構成要素の作動を制御するために、および/またはPVシステム100に接続する他の要素との相互作用を制御するために構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、電力バスおよび接地バスは、エネルギー貯蔵デバイス、例えばバッテリー、フライホイール、または他のエネルギー貯蔵デバイスにさらに接続してもよい。
安全規制は、通常の作動状態の間および潜在的に危険な状態の間の両方で、PVシステム100の接地バスと他のいずれの電圧ポイントとの間の最大許容電圧を定義する場合がある。同様に、安全規制では、PVシステム100の任意の二つの電圧ポイント間の最大許容電圧を定義する場合がある。いくつかのシナリオでは、PVシステム100の危険な状態は、PVストリング104内のPV発電機101のうちの一つまたは複数の接続を切断することまたは短絡させることを必要とする場合がある。
数値例として、例示的なPVストリング104は20個の直列接続されたPV発電機101を備えてもよい。各PV発電機101は、45Vの開回路電圧を有することができる。危険な状態の場合(例えば、火災、アークの検出、またはPVシステム100のどこかの危険な短絡)、安全規制により、システム電力装置110はPVストリング104からの電力の取り出しを停止し、その結果、PVストリング104の両端に45・20=900Vの開放電圧が生じることが必要になる場合がある。安全規制は、危険な状態の場合、PVシステム100の任意の二点間の最大電圧が、例えば80Vを超えてはならないことをさらに要求する場合がある。安全規制に準拠するために、安全スイッチ102はPVストリング104を備える複数のPV発電機101の接続を切断し、その結果、グランドに対して「フローティング」電圧と、各PV発電機の二つの端子間に約45Vの電圧降下と、を有するPV発電機101(接地バスおよび電力バスに接続されるPV発電機101を除く)をもたらす。
いくつかの実施形態では、システム電力装置110は、各PVストリング104の両端の電圧を制限することにより、潜在的に危険なシステム状態に対応することができる。例えば、システム電力装置110は、潜在的に危険な状態の場合に各PVストリング104の両端の電圧を約60Vに制御するように構成されたインバーターを備えてもよい。
ここで図1Bを参照すると、図1Bは、システム電力装置110に接続する単一のPVストリング104を例示する。潜在的に危険なシステム状態の場合、安全スイッチ102が接続を切断する可能性があり(すなわち、各スイッチがオフ状態に移行する可能性があり)、システム電力装置110はPVストリング104に電圧を印加する可能性がある。図1Bの数値例では、各PV発電機は45Vの開回路電圧で作動していると想定され、システム電力装置110はPVストリング104の両端に60Vの電圧を印加することができる。本明細書に開示される実施形態による安全スイッチ102は、PV発電機と反対の極性の電圧降下を提供し、それに耐えるように構成されることができる。図1Bの数値例では、PVストリング104は、20個のPV発電機101および20個の安全スイッチ102を備える。各PV発電機は45Vの正の電圧降下を有し、各安全スイッチ102は42Vの負の電圧降下を有し、(45−42)・20=60Vのストリング電圧を提供する。PVシステムの各位置の組の間の電圧降下は、60Vを超えないことに注意されたい。
太陽光発電機の安全スイッチに対する比、および安全スイッチの位置は、太陽光発電機の電気パラメータと安全規制に応じて変化する場合があることに留意されたい。例えば、低電圧PV発電機(例えば、開回路電圧が10VのPV発電機)がPV発電機101として使用され、安全規制により、潜在的に危険な状態の場合に最大55Vのポイント・ツー・ポイント電圧が許可される場合、五つのPV発電機101ごとに単一の安全スイッチ102を配置することができる。潜在的に危険な状態の場合に45Vの最大ポイント・ツー・ポイント電圧を許可するように安全規制が変更される場合、追加の安全スイッチ102を追加することができる。
安全スイッチ102は、スイッチがオフ状態にある場合に安全スイッチ102を通る電流を調整するための抵抗器を備えてもよい。例えば、安全スイッチ102の各々は、約1kΩの抵抗を有するシャント抵抗器(例えば、図3の抵抗器R31)を備え、オフ状態の電流を約42V/1kΩ=42mAに調整することができる。一般に、シャント抵抗器の値は、予想されるオフ状態の電圧と電流に応じて変化する可能性があり、10Ω〜5kΩになる場合がある。
いくつかの実施形態では、値は、システム電力装置110によって提供される調整電圧および各PV発電機101の開回路電圧に応じて変化することができる。例えば、ストリング104は10個のPV発電機と10個の安全スイッチを備えることができ、各PV発電機は30Vの開回路電圧を有し、システム電力装置110はPVストリング104両端に50Vの電圧を供給することができる。その場合、25Vの負電圧を有するように各安全スイッチを作動させ、(30−25)・10=50Vのストリング電圧を供給する。
ここで、例示的な実施形態による太陽光発電ストリングを示す図2を参照する。PVストリング204は、複数のPV発電機101および安全スイッチ102を備えることができる。PV発電機101は、図1AのPV発電機101と類似または同一であってもよく、安全スイッチ102は、図1の安全スイッチ102と類似または同一であってもよい。安全スイッチ102は、各PV発電機101の組の間に設置され、(接地バスおよび電力バスに接続するPV発電機を除く)各PV発電機101は、別のPV発電機101に接続する第一の端子および安全スイッチ102に接続する第二の端子を有する。図2に例示する配置は、最大許容安全電圧が単一のPV発電機101の開回路電圧の二倍以上であるシステムに適することができる。例えば、各PV発電機101の開回路電圧が45Vで最大許容安全電圧が100Vである場合、または各PV発電機101の開回路電圧が30Vで最大許容安全電圧が80Vである場合、図2に例示する配置は、安全規制に準拠しながら必要な安全スイッチの数を減らすことによりコストを削減することができる。
ここで、例示的な実施形態による安全スイッチを例示する図3を参照する。安全スイッチ302は、図1Aおよび図2の安全スイッチ102として使用されることができる。安全スイッチは、オス型コネクタ306およびメス型コネクタ307を備えることができ、オス型コネクタ306はPV発電機(例えば、PV発電機101)に近接してメス型コネクタの機能に適合するように設計され、およびメス型コネクタ307はPV発電機に近接してオス型コネクタの機能に適合するように設計される。導体308は、オス型コネクタ306へ電気的に接続することができ、導体309は、メス型コネクタ307へ電気的に接続することができる。いくつかの実施形態では、様々な相互接続コネクタを使用することができる。安全スイッチ302は、導体308と導体309との間に配置されるスイッチング素子を備えることができる。図3の例示的な実施形態では、トランジスタQ1は、導体308と導体309との間に配置されるスイッチング素子として使用されることができる。安全スイッチ302は、トランジスタQ1の作動を制御するためのコントローラ303をさらに備えることができる。トランジスタQ1は、様々な電気デバイス、例えば金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラ接合トランジスタ(IGBT)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)、またはその他の好適なデバイスを使用して実現されることができる。いくつかの実施形態において、トランジスタQ1は、電気的性能を改善するために(例えば、損失を低減するために)並列に接続される複数のトランジスタを用いて実現されることができる。本明細書で開示される例示的な実施形態では、トランジスタQ1および同様のスイッチング素子は、ボディダイオードを備えるMOSFETであるとされる。ダイオードD31は、トランジスタQ1のボディダイオードであることができる。いくつかの実施形態では(例えば、Q1が低品質のボディダイオードを備えるMOSFETである場合)、別のダイオードをダイオードD31と並列に接続して、代替バイパスダイオードとして機能させることができる。ダイオードD31は、トランジスタがオフ位置にある場合にダイオードD31の順方向バイアスを防ぐように方向付けられてもよい。抵抗器R31は、トランジスタQ1の端子間に配置されることができる。抵抗器R31は、トランジスタQ1の端子間のオフ状態抵抗を調整するようにサイズ設定されることができる。例えば、トランジスタQ1で予想されるオフ状態の電圧降下が40Vであり、安全スイッチ302を介した望ましいオフ状態の漏れ電流が20mAである場合、R31は約40V/20mA=2000Ωになる。いくつかの実施形態では、(例えば、オフ状態の漏れ電流を調整する必要性または希望がない場合)R31は用いられない場合がある。
安全スイッチ302は、他のデバイスと通信するための通信装置305と、トランジスタQ1の作動を制御する(例えば、オンおよびオフにする)コントローラ303とを備えてもよい。コントローラ303は、アナログ回路、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってもよい。いくつかの実施形態では、通信装置305は、外部デバイスからコマンドを受信してトランジスタQ1の状態を変更し、通信装置305はコマンドをコントローラ303に伝達することができる。通信装置305は、様々な技術、例えば電力線通信(PLC)、導体308および309を介して送信される音響通信、ならびに無線通信プロトコル(例えば、Wi−Fi(商標)、ZigBee(商標)、Bluetooth(登録商標)、セルラー通信など)を用いて外部デバイスと通信することができる。
補助電力回路304は、導体308および/または309に接続されてもよく、コントローラ303、センサー/センサーインターフェース310および/または通信装置305に電力を供給してもよい。補助電力回路304は、本明細書に開示される例示的な実施形態(例えば、図7A〜7C、7E、7Hにおいて)で様々に実現されることができる。いくつかの実施形態では、コントローラ303、補助電力回路304、および通信装置305のうちの二つ以上は、単一ユニットとして一体化されてもよい。例えば、図7Cでは、通信装置305は、コントローラ303にも電力を供給するPLC信号を受信する場合がある。
いくつかの実施形態では、安全スイッチ302は、パラメータ、例えば電流、電圧および/または温度を測定するための測定センサーおよび/またはセンサーインターフェース310をさらに備えてもよい。例えば、センサー/センサーインターフェース310は、導体308または導体309を通る電流を測定するための電流センサー、ならびに/またはトランジスタQ1の両端の電圧降下を測定するための電圧センサー、ならびに/またはオス型コネクタ306、メス型コネクタ307および/もしくはトランジスタQ1におけるもしくはその近傍の温度を測定するための温度センサーを備える。いくつかの実施形態では、センサー/センサーインターフェース310は、コントローラ303に測定値を提供し、コントローラ303は、受信した測定値にしたがってアクションを行う(例えば、トランジスタQ1の状態を変更する)ように構成される。例えば、高電流が導体309を通って測定される場合、またはオス型コネクタ306の近くで高温が測定される場合、コントローラ303はQ1の状態をOFFに設定するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、図1のシステム電力装置110のように、コントローラ303はセンサー/センサーインターフェース310から得られる測定値を通信装置305に提供することができ、通信装置305はシステムコントローラまたはデータ収集装置(明示的には図示せず)に測定値を送信するように構成される。いくつかの実施形態では、センサー/センサーインターフェース310は、コントローラ303をバイパスして、測定値を通信装置305に直接提供することができる。
本開示の好ましい実施形態は、安全機能のためにトランジスタQ1を提供すること(例えば、二つのPV発電機の接続を互いに切り離す能力)を含むが、本明細書に含まれる他の実施形態はトランジスタQ1を含まない場合もあることに留意されたい。安全トランジスタQ1によって提供される安全上の利点(例えば、太陽光発電機の接続を切断する能力)がなくても、測定およびデータ報告機能を提供するためにセンサー/センサーインターフェース310、補助電力回路304、および通信装置305を組み合わせることができる。
ここで、例示的な実施形態による安全スイッチの接続を例示する図4A〜4Bを参照する。安全スイッチ402は、図3の安全スイッチ302と類似または同一であってもよい。安全スイッチ402は、コネクタ403に接続するためのオス型コネクタ406を備えてもよく、コネクタ403は第一のPV発電機(明示的には図示せず)によって生成される電力を運ぶ導体404に接続される。同様に、安全スイッチ402は、コネクタ408に接続するためのメス型コネクタ407を備えてもよく、コネクタ408は第二のPV発電機(明示的には図示せず)によって生成される電力を運ぶ導体409に接続される。いくつかの従来の太陽光発電システムでは、コネクタ403をコネクタ408に接続することにより、第一および第二の太陽光発電機を直列に接続することができる。安全スイッチ402は、一端でコネクタ403に、および別の端でコネクタ408にシームレスに接続するように設計され、設置の構築中にまたは後付けの改造機構としてのいずれかで、太陽光発電設備に安全な接続の切断、制御、および/または監視機能を追加する。
図4Aは、例示的な実施形態による、接続前のコネクタ408および403と共に安全スイッチ402を示し、図4Bは、コネクタ408および403に接続する安全スイッチ402を備える接続点400を示す(構成要素の境界は破線で示される)。
いくつかの実施形態では、安全スイッチ402を太陽光発電機コネクタまたはPV発電機接続箱に統合することにより利点を得ることができる。例えば、安全スイッチ402は、PV発電機のコネクタ403またはコネクタ408に組み込まれ、追加の構成要素および接続を必要とせずにPV発電機内に安全スイッチング機能を提供することができる。PV発電機のコネクタまたは接続箱に安全スイッチを統合すると、(例えば、安全スイッチに別の筐体とコネクタを必要としないため)コストを削減でき、(追加の構成要素を接続する必要がないため)設置を簡素化することができる。
ここで、例示的な実施形態による安全スイッチを用いる太陽光発電(PV)ストリングの一部を示す図5Aを参照する。PVストリング500は、接続ポイント400を介して互いに接続されるPV発電機101のストリングの一部(例えば、図1Aおよび図2のPV発電機101と類似のまたは同一の発電機を備える、図1AのPVストリング104と類似のまたは同一のストリングの一部)であってもよい。接続点400は、図4Aおよび図4Bの接続点400と類似または同一であってもよく、二つのPV発電機コネクタ(例えば、コネクタ403および408)の間に接続される安全スイッチ(例えば、安全スイッチ402)を備えてもよい。各PV発電機101は、PV発電機を備えるPVセルから太陽光発電電力を運ぶための導体404および409と、安全スイッチ402に接続するためのコネクタ403および408とを備えることができる。
ここで、例示的な実施形態による安全スイッチを備えるPV発電機を例示する図5Bを参照する。PV発電機101は接続箱511と、導体404および409とを備えてもよい。図5BはPV発電機の背面を例示し、PVセルはPV発電機(明示的には図示せず)の前面上に取り付けられている。いくつかの実施形態では、PVセルは、PV発電機の両側に取り付けられてもよく、またはPV発電機の背面は、太陽放射照度がPV発電機の両側からPVセルに到達できるように構成されてもよい。接続箱511は、PVセルから太陽光発電電力を収集し、導体409および404を介して太陽光発電電力を供給するための電気接続512および513を備えてもよい。
本明細書に開示される例示的な実施形態では、安全スイッチ502は、導体404と電気接続512との間に配置されてもよい。安全スイッチ502は、物理的な筐体ならびにコネクタ306および307を必要とせずに、図3の安全スイッチ302と機能的に類似または同じであってもよい。トランジスタQ1、ダイオードD31、センサー/センサーインターフェース510、コントローラ503、通信装置505、および/または補助電力回路504は、接続箱511に統合されてもよい。いくつかの実施形態では、安全スイッチ502を通るオフ状態電流を調整するために、(図3の抵抗器R31と同様に)抵抗器がトランジスタQ1の端子間に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、補助電力回路504は、PV発電機101によって生成された太陽光発電電力を受け取るために導体404と409の間に接続されてもよく、コントローラ503、通信装置505および/またはセンサー/センサーインターフェース510に電力を供給してもよい。
いくつかの実施形態では、接続箱511は、図9のPV電力装置903と類似のまたは同一の統合PV電力装置をさらに備えることができる。PV電力装置903を、導体404および409と電気接続512および513との間に接続することができる。例えば、図9の電力コンバータ900は、電気接続512および513から電力を受け取ることができ、導体404および409に電力を出力することができる。安全スイッチ502は、PV電力装置903と電気接続512との間に配置されてもよく、あるいは、いくつかの実施形態では、PV電力装置903に統合されてもよい。
ここで、安全スイッチ(例えば、図1Aの安全スイッチ102、図3の安全スイッチ302)を操作する方法を示す図6を参照する。方法600は、図3のコントローラ303と類似のまたは同一のコントローラによって実行されることができる。工程601で、初期条件は、スイッチがオン状態にあり、スイッチに接続される二つの導体(例えば、図5Aの導体404および409)間に電流が流れることとすることができる。工程601の間、安全スイッチに接続する補助電力回路は、スイッチをオン状態に維持するために、コントローラおよび/またはゲートドライバに電力を供給することができる(例えば、安全スイッチを実装する一部のタイプのトランジスタは「通常オフ」である場合があり、その場合、補助電力回路はトランジスタゲートノードに印加される電圧信号に電力を供給してオン状態を維持する)。工程602で、コントローラは、スイッチをオフ状態にするコマンドを受信することができる。いくつかの実施形態では、コマンドは、システム制御装置と通信する通信装置(例えば、通信装置305)を介して受信され得る。いくつかの実施形態では、工程602で、スイッチをオフ状態にするコマンドを受信する代わりに、コントローラは、(例えば、高電流または温度を報告するセンサー、もしくはスイッチを流れる電流の急激な変化を検出するセンサーによって、または二つの電気パラメータを比較して実質的な不一致を検出することに基づいて)危険な状態が存在する可能性があることを独立して判定し、スイッチをオフ状態にする必要があるかを判定することができる。いくつかの実施形態では、信号を受信しないことに応答して、スイッチをオフ状態にする必要があるという決定を下すことができる。例えば、いくつかの例示的なシステムでは、システム制御装置は、関連する安全スイッチおよびPV電力装置に「キープアライブ」信号を継続的に提供する。「キープアライブ」信号を受信しない場合、潜在的に危険な状態を示している可能性があり、スイッチをオフ状態にする必要があると判定される場合がある。
さらに図6を参照すると、工程603で、コントローラはスイッチをオフ状態にする。いくつかの実施形態(例えば、スイッチが「ノーマリーオン形」トランジスタである場合)、スイッチをオフ状態にすることは、トランジスタ端子へ電圧を印加することを含み、いくつかの実施形態(例えば、スイッチが「ノーマリーオフ形」トランジスタである場合)、スイッチをオフ状態にすることは、トランジスタ端子へ電圧を印加することを停止することを含むことができる。工程604で、コントローラは、スイッチをオン状態に戻すコマンドを受信することができる。一般的に、危険な状態が解決されると、システム制御装置は、PV発電機を再接続し、電力供給を再開しても安全であることを示す信号を提供することができる。いくつかの実施形態では、工程604で、(例えば、危険な状態がもはや存在しないことをセンサーが報告するため、)コントローラは、スイッチをオン位置に戻すことが安全であると独立して決定することができる。
工程605で、コントローラは、スイッチをオン状態に切り替えるためのコマンド(または、いくつかの実施形態では、自己決定)が受信されたかを判定する。このようなコマンド(または判定)が受信されていない場合、方法600を実行するコントローラは工程604に戻る。スイッチをオン状態にするコマンド(または、いくつかの実施形態では、自己判定)が受信された場合、方法600を実行するコントローラは工程606に進み、(例えば、トランジスタのノードに電圧を印加することにより、またはトランジスタのノードから印加電圧を除去することにより)スイッチをオン状態に戻し、工程601に戻る。
本明細書に開示の実施形態による安全スイッチへの連続的な電力供給を提供するための補助回路は、様々に実装されることができる。補助電力回路は、様々な条件下で様々な時間に安全スイッチを作動させるための電力を供給することができる。例えば、補助電力回路は、三回、安全スイッチに作動電力を提供する場合がある:最初の起動時(すなわち、安全スイッチを備えるシステムが最初に展開される時)、定常状態のオンの時間(すなわち、システムが稼働している時、通常の動作状態の間、スイッチがオンの時)、および定常状態のオフの時間(すなわち、システムが稼働している時、潜在的に危険な状態の間、スイッチがオフの時)。
ここで、例示的な実施形態による補助電力回路を備える安全スイッチ702aを例示する図7Aを参照する。安全スイッチ702aは、導体708および709、トランジスタQ1、コントローラ710、ならびに補助電力回路704を備えることができる。安全スイッチ702aは、図3の通信装置305と類似のまたは同一の通信装置をさらに備えてもよい(視覚ノイズを低減するために、明示的には図示せず)。トランジスタQ1は図3に関して説明したトランジスタQ1と類似または同一であってもよく、抵抗器R31は図3のR31と同一であってもよく、ダイオードD31は図3のD31と同一であってもよく、コントローラ710は図3のコントローラ303と類似または同一であってもよく、導体708および709はそれぞれ図3の導体308および309と類似または同一であってもよい。
補助電力回路704は、トランジスタQ1に並列に接続されてもよい。補助電力回路704の第一の入力は導体708に接続されてもよく、補助電力回路704の第二の入力は導体709に接続されてもよい。
いくつかの実施形態では、補助電力回路704は、トランジスタQ1に好適な制御信号を提供するように構成されるアナログ回路を備えてもよい。いくつかの実施形態では、補助電力回路704は、コントローラ710に電力を供給し、コントローラ710は、制御信号をトランジスタQ1に提供するように構成される。
ここで、例示的な実施形態による補助電力回路を備える安全スイッチ702bを例示する図7Bを参照する。安全スイッチ702bは、導体708および709、トランジスタQ1、コントローラ710、ならびに補助電力回路714を備えることができる。安全スイッチ702bは、図3の通信装置305と類似のまたは同一の通信装置をさらに備えてもよい(視覚ノイズを低減するために、明示的には図示せず)。トランジスタQ1は図3に関して説明したトランジスタQ1と類似または同一であってもよく、抵抗器R31は図3のR31と同一であってもよく、ダイオードD31は図3のD31と同一であってもよく、コントローラ710は図3のコントローラ303と類似または同一であってもよく、導体708および709はそれぞれ図3の導体308および309と類似または同一であってもよい。
補助電力回路714は、トランジスタQ1に直列に接続されてもよい。補助電力回路714の第一の入力は導体708に接続されてもよく、補助電力回路704aの第二の入力はトランジタQ1に接続されてもよい。
ここで、例示的な実施形態による補助電力回路を示す図7Cを参照する。補助電力回路704aは、図7Aの補助電力回路704として用いられてもよい。補助電力回路704aへの第一の入力は、トランジスタのソース端子(例えば、図7AのQ1)に接続されることができ、補助電力回路704aへの第二の入力は、トランジスタのドレイン端子に接続されることができる。補助電力回路704aの出力は、トランジスタのゲート端子に接続されてもよい。補助電力回路704aは、超低電圧直流−直流(DC/DC)コンバータ(ULVC)720を備えてもよい。コントローラ710は、アナログまたはデジタルコントローラであってもよく、図3のコントローラ303と類似であってもよい。コントローラ710は、補助電力回路304aと統合されてもよく、または別個であってもよい。いくつかの実施形態では、ULVC720の出力は、コントローラ710がトランジスタのゲートに電圧を印加する状態で、コントローラ710の入力に接続されてもよい。ULVC720は、その入力で非常に低い電圧(例えば、数十または数百ミリボルト)を受け取り、実質的により大きな電圧(例えば、数ボルト)を出力するように構成されてもよい。ULVC720は多様に実装されることができる。いくつかの実施形態では、ULVCは、発振器チャージポンプおよび/またはいくつかの変換ステージを備えてもよい。「0.18−V Input Charge Pump with Forward Body Biasing in Startup Circuit using 65nm CMOS」(P.H.Chenら、(著作権)IEEE 2010)、「Low voltage integrated charge pump circuits for energy harvesting applications」(W.P.M.Randhika Pathirana、2014)に記載されている例示的な回路の変形は、ULVC 720として、またはULVC 720の一部として用いられることができる。
ここで、例示的な実施形態による図7Cの補助電力回路704aを作動させるためのタイミング図を示す図7Dを参照する。数値例として、補助電力回路704aは、上記のようにMOSFETの端子に接続されてもよい。ULVC720は、MOSFETのソース(Vs)端子とドレイン(Vd)端子との間に接続されることができる。MOSFETがオフの位置にある場合、端子VsとVdとの間の電圧降下はかなり大きく、PV発電機の開回路電圧に近い場合がある。MOSFETがオフ位置にある場合、ULVC720はバイパスされるか、または無効化され、端子VsとVdとの間のかなり大きな電圧降下は、コントローラ710に電力を供給するために処理される。コントローラ710は、MOSFETのゲート端子とソース端子との間の電圧を低い値(例えば、2Vの最小ソースゲート閾値の下で0Vまたは1V)に保持し、MOSFETをオフ位置に維持することができる。
さらに図7Dを参照すると、コントローラ710は、通信回路(明示的には図示せず)を介してコマンドを受信して、MOSFETをオン状態にすることができる。コントローラ710は、ゲート−ソース間の電圧を約5Vまで増加させることができる。例示的なPVシステムでは、特定の作動点でPVストリングを流れる電流は約10Aであってもよい。5Vのゲート−ソース間電圧と10Aのドレイン−ソース間電流では、ドレイン−ソース間電圧は約90mVになる場合がある。ULVC720は、コントローラ710に電力を供給するために、90mVのドレイン−ソース間電圧を数ボルト以上の電圧(例えば、5V、10V、12V、または20V)に上げることができる。コントローラ710は、コマンドが受信されてMOSFETをオフにするまで、ゲート−ソース間電圧を約5Vに継続的に保持することができる。いくつかの実施形態では、MOSFETは、毎日の終わり、すなわちPV発電機が日暮れにより大量の電力生成を停止する場合にオフにされる。MOSFETをオフにする時間になると、コントローラはゲート−ソース間電圧を約0Vまたは1Vに戻すことができる。
図7Dの例示的なタイミング図にしたがって補助電力回路704aを作動させることは、いくつかの利点を提供することができる。例えば、補助電力回路704aを用いて安全スイッチ702aによって消費される定常状態の電力は低い可能性があり、この例示的な例では、オン位置にある場合、90mV*10A=900mW、オフ位置にある場合、30V*10uA=0.3mWとすることができる。さらに、安全スイッチ702aの両端の定常状態の電圧は、オン位置(例えば、90mV)にある場合、実質的に一定であることができる。
ここで、例示的な実施形態による補助電力回路を示す図7Eを参照する。補助電力回路704bは、図7Aの補助電力回路704として用いられてもよい。補助電力回路704bへの第一の入力は、トランジスタのソース端子(例えば、図7AのQ1)に接続されることができ、補助電力回路704bへの第二の入力は、トランジスタのドレイン端子に接続されることができる。補助電力回路704bの出力は、トランジスタのゲート端子に接続されてもよい。補助電力回路704bは、キャパシタC2、ダイオードD2、ダイオードZ2、トランジスタQ70、およびDC−DCコンバータ721を備えてもよい。いくつかの実施形態では、キャパシタC2を、異なる充電装置(例えば、バッテリー)に置き換えてもよい。コントローラ710は、アナログまたはデジタルであってもよく、図3のコントローラ303と類似であってもよい。コントローラ710は、補助電力回路304aと統合されてもよく、または別個であってもよい。ダイオードZ2は、逆バイアス電圧を所定の値に制限および保持するように設計されたツェナーダイオードであってもよい。この例示的な実施形態では、ダイオードZ2は4Vの逆バイアス電圧を有すると想定される。補助電力回路704bへの第一の入力は、トランジスタのソース端子(例えば、図7AのQ1)に接続されることができ、補助電力回路704bへの第二の入力は、トランジスタ(例えば、Q1)のドレイン端子に接続されることができる。補助電力回路704bの出力は、トランジスタ(例えば、Q1)のゲート端子に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、コンバータ721の出力は、コントローラ710がトランジスタのゲートに電圧を印加する状態で、コントローラ710の入力に接続されてもよい。コンバータ721は、その入力で数ボルト(例えば、3V〜10Vの間)の電圧を受け取り、コントローラ710に電力を供給するための、またはトランジスタのゲート端子のゲート電圧を制御するための電圧を出力するように構成されることができる。
ダイオードD2のアノードは、トランジスタのドレイン端子(Vd)に接続されてもよく、ダイオードD2のカソードは、ダイオードZ2のカソードおよびキャパシタC2の第一の端子に接続されてもよい。ダイオードZ2のアノードは、トランジスタQ70のドレイン端子に接続され、トランジスタQ70のソース端子は、トランジスタのソース端子(Vs)およびキャパシタC2の第二の端子に接続されてもよい。トランジスタQ70のゲート電圧は、コントローラ710によって制御されることができる(制御線は明示的には図示されていない)。コンバータ721の入力は、キャパシタC2と並列に接続されてもよい。
補助電力回路704a〜bおよび714を、安全および有効なシステム作動要件に従って、安全スイッチ702の端子間に電圧降下を提供するように作動させることができる。安全スイッチ702が「定常オン状態」にある場合、すなわち、スイッチが太陽光発電電力がPVストリングを流れるために低インピーダンス経路を提供する場合、通常のシステム作動中にドレイン−ソース電圧が低いことが望ましい場合がある。安全スイッチ702が「定常オフ状態」にある場合、安全スイッチ702は、電流の流れのための低インピーダンス経路を提供することなく、PV発電機のほぼ開回路電圧のドレイン−ソース間電圧を提供する必要がある場合がある。
再び図7Eを参照すると、コントローラ710は、図7AのトランジスタQ70およびトランジスタQ1を作動させて、安全なおよび有効なシステム作動要件に従って安全スイッチ702の端子間に電圧降下を提供することができる。「定常オフ状態」では、トランジスタQ1およびQ70はオフ状態に保持されることができる。「定常オン状態」では、トランジスタQ1はオンであり、ドレイン端子とソース端子との間に低インピーダンス経路を提供し、トランジスタQ70はオンまたはオフのいずれでもよい。「定常オン状態」の間、Q1を一時的に「一時オフ状態」に移行して、キャパシタC2を再充電し、コントローラ710に作動電力を供給し続けることが望ましい場合がある。「一時的にオフ」状態では、トランジスタQ1はオフであり、トランジスタQ70はオンであってもよい。ダイオードZ2は、キャパシタC2の端子間に制限された充電電圧(例えば、4V)を提供し、キャパシタC2はPVストリングの電流の電流経路を提供する。
ここで、例示的な実施形態による図7Eの補助電力回路704bを作動させるためのタイミング図を示す図7Fを参照する。数値例として、補助電源回路704aは、上記のようにMOSFETの端子に接続されてもよい。コンバータ721は、MOSFETのソース(Vs)端子とドレイン(Vd)端子との間に接続されることができる。MOSFETが定常オフ状態にある場合、端子VsとVdとの間の電圧降下はかなり大きく、PV発電機の開回路電圧に近い場合がある。MOSFETが定常オフ状態にある場合、コンバータ721はバイパスされるか、または無効化され、端子VsとVdとの間のかなり大きな電圧降下は、コントローラ710に電力を供給するために処理される。いくつかの実施形態では、MOSFETが定常オフ状態にある場合、コンバータ721は、ドレイン−ソース間電圧を処理して、コントローラ710に電力を供給することができる。コントローラ710は、MOSFETのゲート端子とソース端子との間の電圧を低い値(例えば、2Vの最小ソースゲート閾値の下で0Vまたは1V)に保持し、MOSFETをオフ位置に維持することができる。MOSFETが定常オフ状態にある場合、キャパシタC2は、ドレイン端子とソース端子との間の電圧付近まで充電されることができる。いくつかの実施形態では、MOSFETが定常オフ状態にある場合に、(例えば、Q70をオフ状態にすることにより)ダイオードZ2の接続を切断してドレイン−ソース間電圧を増加させることができる。いくつかの実施形態では、MOSFETが定常オフ状態にある場合に大きなドレイン−ソース間電圧(例えば、PV発電機の開回路電圧とほぼ同じ電圧)を有することにより、PV発電機と付随する安全スイッチとの間の総電圧を下げることにより、システムの安全性を高める。
さらに図7Fを参照すると、コントローラ710は、通信回路(明示的には図示せず)を介してコマンドを受信して、MOSFETをオン状態にすることができる。コントローラ710は、Q1のゲート−ソース間の電圧を約6Vまで増加させることができる。例示的なPVシステムでは、特定の作動点でPVストリングを流れる電流は約10Aであってもよい。6Vのゲート−ソース間電圧と10Aのドレイン−ソース間電流では、ドレイン−ソース間電圧は約65mVになる場合がある。ダイオードD2は順方向バイアスされていない場合があり(例えば、ダイオードの順方向電圧が0.6Vの場合、65mVのドレイン−ソース間電圧はダイオードD2を順方向バイアスしない場合がある)、ドレイン端子からキャパシタC2の接続を切断する。キャパシタC2は、コンバータ721に電力を供給することによりゆっくり放電する場合がある。コンバータ721は、キャパシタC2の両端の電圧を監視する回路(例えば、アナログコンパレータ)を備えることができ、キャパシタC2の両端の電圧が第一の閾値を下回ることに応答することができる。キャパシタ両端の電圧が第一の閾値を下回ると、コントローラ710はゲート−ソース間電圧を約0Vまたは1Vに低下させ、結果としてMOSFETをオフ状態に移行させる可能性がある。そして、ダイオードD2が順方向バイアスになり、ダイオードZ2がドレイン−ソース間電圧を第二の閾値に制限する可能性がある。トランジスタQ70をオン状態に保持すると、ダイオードZ2はドレイン−ソース間電圧を調整することができる。そして、キャパシタC2は第二の閾値の電圧レベル付近まで急速に再充電され、キャパシタC2が第二の閾値電圧に達すると、コントローラ710はゲート−ソース間電圧を上げて6Vに戻すように構成される。MOSFETが「定常オン状態」モードで作動している間、この反復プロセスが繰り返される場合がある。図7Fに示される例示的な実施形態では、第一の閾値は2Vであり、第二の閾値は4Vである。キャパシタC2の両端の電圧は二つのレベル間で変化し、ゲート−ソース間電圧は約0V〜約6Vの間で変化し、ドレイン−ソース間電圧は4V〜65mVの間で変化する。
図7Fの例示的なタイミング図にしたがって補助電力回路704bを作動させることは、いくつかの利点を提供することができる。例えば、2〜30Vの入力電圧を受け入れるように設計されたコンバータ(例えば、コンバーター721)は、安価で効率的で、実装が簡単である。いくつかの実施形態では、別のツェナーダイオードをダイオードZ2と直列に接続して、第一の電圧を増加させることができる。第一の閾値電圧を(例えば、それぞれ10V、15V、または20Vに)上げると、キャパシタC2での充放電サイクルの頻度を下げるなどの利点が得られ、処理が容易なコンバータ721に電圧が供給される。
65mVおよび90mVのMOSFETのドレイン−ソース間電圧、5Vおよび6VのMOSFETのゲート−ソース間電圧、および10AのMOSFETのドレイン−ソース間電流を含む例示的な作動点は説明のために用いられ、本明細書で開示される例示的な実施形態と併せて用いられる作動点を限定することを意図するものではない。いくつかの実施形態では、複数のMOSFETトランジスタを並列に接続してオン状態抵抗を低減し、それにより、オン状態にある場合にMOSFETのドレイン−ソース電圧を低減することができる。例えば、五つのMOSFETを並列に接続すると、ドレイン−ソース間のオン状態電圧が65mVから15mVに低下する場合がある。
ここで、例示的な実施形態による補助電力回路を示す図7Gを参照する。補助電力回路704cは、図7Aの補助電力回路704として用いられてもよい。補助電力回路704cは、ダイオードZ2のアノードがトランジスタQ1のドレイン端子(Vs)に接続され、トランジスタQ70のドレイン端子もトランジスタQ1のソース端子(Vs)に接続されるという点で修正を加えて、補助電力回路704bと類似であってもよい。安全スイッチ702が「定常オン状態」にある場合、トランジスタQ1およびQ70はオンであってもよく、PVストリング電流のために低インピーダンス経路をもたらすことができる。安全スイッチ702が「定常オフ状態」にある場合、トランジスタQ1およびQ70はオフであり、PVストリング電流の低インピーダンス経路を防止し、安全スイッチ702の端子間でかなり大きな電圧降下をもたらす(例えば、PV発電機の開回路電圧とほぼ同じ電圧またはわずかに低い電圧)。安全スイッチ702が「一時的にオフ状態」にある場合、トランジスタQ1はオフであり、トランジスタQ70はオンであってもよく、ダイオードZ2はキャパシタC2に充電電圧を提供し、Q70はPVストリング電流のために低インピーダンス電流経路を提供することができる。
ここで、例示的な実施形態による補助電力回路を備える安全スイッチを例示する図7Hを参照する。安全スイッチ702cは、導体708および709、トランジスタQ1、コントローラ710、ならびに補助電力回路715を備えることができる。補助電力回路715は、図7Bの補助電力回路714として用いられてもよい。この例示的な実施形態では、補助電力回路715は、電力線通信(PLC)装置を兼ねることができる。インダクタL4、キャパシタC3および抵抗器Rは、導体708に接続するインダクタL4の第一のノード、およびトランジスタQ1のソース端子に接続するインダクタL4の第二のノードと並列に接続することができる。インダクタL4とキャパシタC3の値は、共振周波数(例えば60kHz)で共振するように選択されることができる。
さらに図7Hを参照すると、外部デバイス(例えば、図1のシステム電力装置110)は、導体708を介してPLC高周波交流信号を(例えば、周波数シフトキーイング、振幅変調または他の変調スキームを用いて)送信することができる。PLC信号は、抵抗器Rの両端の高周波交流電圧降下を誘発し、抵抗器Rの両端の電圧が正の場合(すなわち、導体708の電圧がトランジスタQ1のソース端子電圧よりも高い場合)、ダイオードD7がコントローラ710に電圧を供給する。いくつかの実施形態では、ダイオードD7を、Rの両端の電圧がゼロでない(正または負のいずれか)場合にコントローラ710に電圧を提供するダイオードの「フルブリッジ」に置き換えることができる。いくつかの実施形態では、抵抗器Rの両端のPLC誘導電圧は、二つの目的に用いられることができる。PLC信号は、抵抗器Rの両端の電圧降下を変化させることにより、コントローラ710に作動情報を提供することができる。さらに、いくつかの実施形態では、PLC信号はコントローラ710に作動電力を提供することができる。コントローラ710は、抵抗器R、キャパシタC3、およびインダクタL4を備える共振回路から電力を引き出し、引き出した電力を用いてトランジスタQ1の状態を設定することができる。
図7Hに例示するように、補助電力回路715を実装することにより特定の利点を得ることができる。例えば、図7Hの補助電力回路715は、通信装置を兼ねることができ、安全スイッチ702cの総部品数を減らすことができる。さらに、制御信号と電力信号を統合することにより、コントローラ710のプログラミングに必要な複雑さを低減することができる。例えば、「ON」信号は高電力のシステムコントローラによって送信されることができ、「OFF」信号は低電力のシステムコントローラによって送信されることができる。補助電力回路715は、変換された電力信号をトランジスタQ1のゲートに直接適用することができ、「ON」信号の電力はQ1をON状態に保持するのに十分であり、「OFF」信号の電力はQ1をオン状態に保持するのに十分ではない可能性がある。
補助電力回路704a、704b、および715の要素を様々に組み合わせることができる。例えば、図7Bの補助電力回路714は、図7Aの安全スイッチ702aに追加されてもよく、補助電力回路714は補助電力回路704の故障の場合にコントローラ710に電力を供給するように構成されるだけでなく、PLC回路として機能することができる。いくつかの実施形態では、補助電力回路714は、システム設定時にコントローラ710に初期電力を供給し、補助電力回路704は、「定常状態」作動中にコントローラ710に電力を供給する。
ここで、例示的な実施形態によるMOSFETデータシートの一部を例示する図7Iを参照する。プロット770は、MOSFETを通るドレイン−ソース間電圧とドレイン−ソース間電流との間の関係を示すことができる。曲線771は、MOSFETに印加されるゲート−ソース間電圧が5Vの場合の電流−電圧の関係を示すことができる。曲線771は、MOSFETに印加されるゲート−ソース間電圧が6Vの場合の電流−電圧の関係を示すことができる。作動点Aは、MOSFETに印加されるゲート−ソース間電圧が6Vで、MOSFETを流れるドレイン−ソース間電流が10Aである場合、MOSFETのドレイン−ソース間電圧は約65mVであることを示すことができる。これは、図7Fに従って作動するMOSFETの可能な作動点に対応する場合がある。作動点Bは、MOSFETに印加されるゲート−ソース間電圧が5Vで、MOSFETを流れるドレイン−ソース間電流が10Aである場合、MOSFETのドレイン−ソース間電圧は約90mVであることを示すことができる。これは、図7Dに従って作動するMOSFETの可能な作動点に対応する場合がある。上記のように、これらの作動点は単なる例示であり、複数のMOSFETを並列に接続することに適応させ、新しい作動点を取得することができる。
ここで、例示的な実施形態による太陽光発電(PV)システムを示す図8を参照する。PVシステム800は、接地バスと電力バスとの間に並列に接続する複数のPVストリング804を備えてもよい。PVストリング804のそれぞれは、複数の太陽光発電機801、複数の安全スイッチ802、および複数のPV電力装置803を備えてもよい。PV発電機801は、図1AのPV発電機101と類似または同一であってもよく、安全スイッチ802は、図1Aの安全スイッチ102、図3の安全スイッチ302、および/または図7A〜7Cの安全スイッチ702a〜702cと類似または同一であってもよい。
いくつかの実施形態では、電力バスおよび接地バスはシステム電力装置810に入力されてもよい。いくつかの実施形態では、システム電力装置810は、DC/ACインバーターを備えることができ、交流(AC)電力を送電網、家庭、またはその他の目的地に出力することができる。一部の実施形態では、システム電力装置810は、コンバイナボックス、変圧器、および/または安全切断回路を備えてもよい。例えば、システム電力装置810は、複数のPVストリング804からDC電力を受け取り、合成したDC電力を出力するためのDCコンバイナボックスを備えてもよい。いくつかの実施形態では、システム電力装置810は、過電流保護のために各PVストリング804に接続されたヒューズ、および/または一つもしくは複数のPVストリング804の接続を切断するための一つもしくは複数の切断スイッチを備えてもよい。いくつかの実施形態では、システム電力装置810は、PV電力装置803および安全スイッチ802にコマンドを提供し、およびそれらからデータを受信するためのシステムコントローラ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))を備えてもよい。
各安全スイッチ802は、第一のPV発電機の第一の出力と第二の出力発電機の第二の出力との間に接続されてもよく、各PV電力装置は二つの入力端子:第一のPV発電機の第二の出力に接続する第一の入力端子、および第二のPV発電機の第一の出力に接続する第二の入力端子、を有してもよい。この「2対1」配置では、PV発電機801の各対は効果的に直列に接続し、二つのPV発電機の合成電圧および合成電力を、PV電力装置803の入力に供給する。各安全スイッチ802は、二つのPV発電機の間に配置され、潜在的に危険な状態の場合に1対のPV発電機の接続を切断する。
いくつかの従来のPV設備は類似の配置を特徴とするが、発電機間に安全スイッチが配置されることなく、PV発電機801の各対は互いに直接接続される。危険な状態の場合、PV電力装置803はPV発電機からの電力の供給を停止し、その結果、PV電力装置の入力端子での開回路電圧は、各PV発電機の開回路電圧の約2倍になる。一部のシステムでは、この電圧は80、100、または120ボルトになる場合があり、これらの電圧は安全規制で規定される許容安全電圧よりも高い場合がある。
本明細書で開示される装置および方法に従って安全スイッチ802を作動させることにより、(例えば、システム電力装置810、PV電力装置803、および/または安全スイッチ802によって検出される)危険な状態の場合、一つまたは複数の安全スイッチ802がオフ状態に移行し、各PV電力装置803の入力端子間の電圧降下を約40〜60ボルトに低減させることができ、これは十分に安全な電圧レベルであることができる。
各PV電力装置803は、PV電力装置803の入力に接続する二つの太陽光発電機801から電力を受け取り、PV電力装置803の出力で二つの太陽光発電機の合成電力を供給することができる。複数のPV電力装置803の出力を直列に接続してPVストリング804を形成し、複数のPVストリング804を並列に接続してシステム電力装置810に電力を供給することができる。
図8は、二つのPV発電機801が各PV電力装置803に並列に接続される配置を例示しているが、様々な配置を容易に得ることができる。例えば、各PV電力装置は、三つ以上の直列接続されるPV発電機801から電力を受け取り、安全スイッチ802はPV発電機の間に配置される。いくつかの実施形態では、いくつかのPV電力装置803は、単一のPV発電機801から電力を受け取ることができ、いくつかのPV電力装置は、二つのPV発電機801から電力を受け取ることができ、いくつかのPV電力デバイスは、三つ以上のPV発電機801から電力を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、PV電力装置803は、PV発電機801の複数の並列接続された直列ストリングから電力を受け取ることができ、安全スイッチ802は直列ストリングに配置される。本明細書で開示される実施形態は、前述の修正、および当業者に明らかである他の修正を含む。
ここで、例示的な実施形態による電力装置、例えば電力装置903に見られる回路を例示する図9を参照する。PV電力装置903は、図8のPV電力装置803と類似または同一であってもよい。いくつかの実施形態では、PV電力装置903は、電力コンバータ900を備えることができる。電力コンバータ900は、直流−直流(DC/DC)コンバータ、例えばバック、ブースト、バック/ブースト、バック+ブースト、チューク、フライバックおよび/またはフォワードコンバータを備えてもよい。いくつかの実施形態では、電力コンバータ900は、直流−交流(DC/AC)コンバータ(インバーターとしても知られる)、例えばマイクロインバーターを備えてもよい。電力コンバータ900は、PV電力装置903の入力端子および出力端子と同じであってもよい二つの入力端子および二つの出力端子を有してもよい。いくつかの実施形態では、PV電力装置903は、電力装置が接続する電源から増加した電力を抽出するように構成される最大電力点追従制御(MPPT)回路906を備えることができる。いくつかの実施形態では、電力コンバータ900はMPPT機能を備えることができる。いくつかの実施形態では、MPPT回路906は、インピーダンス整合アルゴリズムを実装して、電力装置が電力装置903に接続される電源から増加した電力を抽出することができ、コントローラ905、例えばマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)をさらに備えることができる。
さらに図9を参照すると、コントローラ905は、共通バス920を介して電力装置903の他の要素を制御および/または通信することができる。いくつかの実施形態では、パワーデバイス903は、パラメータを直接測定するように構成される回路および/もしくはセンサー/センサーインターフェース904を備えること、または電源上のもしくは近傍のパラメータ、例えば電源による電圧出力および/もしくは電流出力ならびに/もしくは電源による電力出力を測定するように構成される接続されたセンサーならびに/もしくはセンサーインターフェース904から測定パラメータを受信することができる。いくつかの実施形態では、電源は、PVセルを備えるPV発電機であってもよく、センサーまたはセンサーインターフェースは、PVセルによって受け入れられる放射照度、および/またはPV発電機上または近傍の温度の測定値を直接測定または受信することができる。
さらに図9を参照すると、いくつかの実施形態では、電力装置903は、他のデバイスからデータおよび/またはコマンドを送信および/または受信するように構成される通信装置911を備えることができる。通信装置911は、電力線通信(PLC)技術、または無線技術、例えばZigBee(商標)、Wi−Fi、セルラー通信、もしくは他の無線方法を用いて通信してもよい。いくつかの実施形態では、電源装置903は、コード、作動プロトコル、または他の作動情報を保存するために、センサー/センサーインターフェース904によって取得される測定値を記録するためのメモリ装置909を備えることができる。メモリデバイス909は、フラッシュ、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ソリッドステートデバイス(SSD)、またはその他のタイプの好適なメモリデバイスであってもよい。
さらに図9を参照すると、いくつかの実施形態では、PV電力装置903は、安全装置907(例えば、ヒューズ、回路遮断器、および残留電流検出器)を備えることができる。安全装置907は、受動的または能動的であってもよい。例えば、安全装置907は、電力装置903内に配置され、特定の電流がそれを流れると溶けるように設計された一つまたは複数の受動ヒューズを備え、損傷を避けるために電力装置903の一部の接続を切断することができる。いくつかの実施形態では、安全装置907は、コントローラ(例えば、コントローラ905または外部コントローラ)からコマンドを受信して電力装置903の部分の接続を切断するように構成される、またはセンサーによって測定される測定値(例えば、センサー/センサーインターフェース904によって測定または取得される測定値)に応答して、電力装置903の部分の接続を切断するように構成される、アクティブ切断スイッチを備えてもよい。いくつかの実施形態では、電力装置903は、電力装置903に接続する電源から電力を受け取り、他の回路構成要素(例えば、コントローラ905、通信装置911)の作動に好適な電力を出力するように構成される補助電力回路908を備えてもよい。電力装置903の様々な構成要素間の通信、電気的接続、および/またはデータ共有は、共通バス920を介して実行されることができる。
さらに図9を参照すると、いくつかの実施形態では、PV電力装置903は、電力コンバータ900の入力間に接続されるトランジスタQ9を備えてもよい。トランジスタQ9は、コントローラ905により制御されることができる。危険な状態が検出される場合、コントローラ905はトランジスタQ9をオンに設定し、電力コンバータ900への入力を短絡させることができる。トランジスタQ9は、図8の安全スイッチ802と連動して制御されることができる。安全スイッチ802およびトランジスタQ9がオフの場合、図8のPV発電機801の各ペアの接続は切断され、各PV発電機はその出力端子が開回路電圧となる。安全スイッチ802およびトランジスタQ9がオンの場合、図8のPV発電機801の各ペアが接続されおよび短絡され、PV発電機のペアは電力コンバータ900に約ゼロの電圧を供給する。両方のシナリオで、全てのシステム位置で安全な電圧が維持され、二つのシナリオを調整して、PV発電機の開回路と短絡を交互に切り替えることができる。この作動モードでは、安全な電圧を維持するためのバックアップメカニズムを提供するだけでなく、システム制御装置への連続的な電力供給を可能にする(つまり、安全スイッチ802が誤動作した場合、トランジスタQ9を作動させると安全な作動状態を継続させることができる)。
ここで、例示的な実施形態による太陽光発電(PV)システムを示す図10を参照する。PVシステム1000は、接地バスと電力バスとの間に並列に接続する複数のPVストリング1004を備えてもよい。PVストリング1004のそれぞれは、複数の太陽光発電機1001、および複数のPV電力装置1003を備えてもよい。PV発電機1001は、図8のPV発電機801と類似または同一であってもよい。いくつかの実施形態では、電力バスおよび接地バスは、図8のシステム電力装置810と類似または同一であってもよいシステム電力装置1010に入力されてもよい。
太陽光発電電力装置1003は4つの入力端子:T1、T2、T3およびT4を備えることができる。T1およびT2は、第一のPV発電機に結合され、それから電力を受け取ることができ、T3およびT4は、第二のPV発電機に結合され、それから電力を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、PV電力装置1003は、PV電力装置1003に統合され、PV電力装置1003の端子T2とT3との間に接続される安全スイッチ802が追加されると、図8のPV電力装置803と実質的に同じであることができる。
ここで、例示的な実施形態による太陽光発電電力装置を示す図11Aを参照する。PV電力装置1103aは、図10のPV電力装置1003として用いられてもよい。PV電力装置1103aは、図8のPV電力装置803または図9のPV電力装置903と類似のまたは同一のPV電力装置を備えてもよい。便宜上、図11Aおよび図11Bの例示的な実施形態では、PV電力装置1103aは、図9のPV電力装置903を備えると想定される。
PV電力装置1103aは、トランジスタQ3、Q4、およびQ5を備えることができる。トランジスタQ3〜Q5は、MOSFET、JFET、IGBT、BJT、またはその他の好適なトランジスタであってもよい。図11Aの例示的な実施形態では、トランジスタQ3〜Q5はMOSFETであると想定される。トランジスタQ3は、入力端子T2とT3との間に接続してもよい。トランジスタQ4は、入力端子T2とT4との間に接続してもよい。トランジスタQ1は、入力端子T1とT3との間に接続してもよい。トランジスタQ3〜Q5を、一つまたは複数のコントローラ、例えばPV電力装置903のコントローラ905によって制御する(例えば、ゲート信号を提供する)ことができる。PV電力装置1103aを備える要素は、筐体1108によって一緒に囲まれてもよい。
第一のPV発電機(明示的には図示せず)は端子T1とT2との間に接続され、第二のPV発電機(明示的には図示せず))は端子T3とT4との間に接続される。通常の作動条件下では、トランジスタQ3がオンになり、トランジスタQ4およびQ5がオフになる場合がある。これらの条件下では、二つの太陽光発電機を直列に接続し、二つのPV発電機の合成した直列電圧を端子T1とT4との間に供給する。潜在的に危険な状態が検出されると、トランジスタQ3を制御するコントローラがQ3をオフ状態にして、端子T1とT4との間の電圧降下を減少させる。
トランジスタQ3がオフであっても、電力は依然としてPV電力装置903への入力に供給されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、トランジスタQ4およびQ5を制御するコントローラは、Q3がオフの場合にQ4およびQ5をオン状態に切り替え、その結果、端子T1が端子T3に短絡し、端子T2が端子T4に短絡する場合がある。これらの条件下で、第一および第二の太陽光発電機は端子T1とT4との間に並列に接続され、(例えば、装置、例えばコントローラ905、通信装置911、補助電力回路908および図9に示すその他のデバイスに電力を供給するため)PV電力装置903がPV発電機から電力を引き出すことができる。いくつかの実施形態では、Q4またはQ5は、PV電力装置1103aに備えられない場合がある。例えば、Q4を備えていない場合があり、この場合、Q3がオフの場合にQ5をオン位置にすると、(T3とT4との間に接続された)単一のPV発電機によってPV電力装置903に電力が供給される。同様に、Q5を備えていない場合があり、この場合、Q3がオフの場合にQ4をオン位置にすると、(T1とT2との間に接続された)単一のPV発電機によってPV電力装置903に電力が供給される。
ここで、例示的な実施形態による太陽光発電電力装置を示す図11Bを参照する。PV電力装置1103bは、図10のPV電力装置1003として用いられてもよい。PV電力装置1103bは、図8のPV電力装置803または図9のPV電力装置903と類似のまたは同一のPV電力装置を備えてもよい。便宜上、図11Aおよび図11Bの例示的な実施形態では、PV電力装置1103aは、図9のPV電力装置903を備えると想定される。
トランジスタQ6は、図11AのトランジスタQ3と類似または同一であってもよい。PV電力装置1103bは、ダイオードD3およびD4をさらに備えてもよい。ダイオードD3のアノードは端子T3に接続されてもよく、ダイオードD3のカソードはノードN1でPV電力装置903の正の入力に接続されてもよい。ダイオードD4のアノードは端子T1に接続されてもよく、ダイオードD3のカソードは、ノードN1でPV電力装置903の正の入力に接続されてもよい。PV電力装置1103bを備える要素は、筐体1108によって一緒に囲まれていてもよい。
さらに図11Bを参照すると、第一のPV発電機(明示的には図示せず)は端子T1とT2との間に接続され、第二のPV発電機(明示的には図示せず)は端子T3とT4との間に接続される。通常の作動状態では、トランジスタQ3がオンになり、端子T2とT3が接続される。端子T1の電圧は端子T2の電圧よりも高い場合があり(例えば、PV発電機の正の出力は端子T1に接続され、PV発電機の負の出力は端子T2に接続される)、そのため、ダイオードD4は順方向にバイアスされ、ダイオードD3は逆方向にバイアスされる。(ダイオードD4間の電圧降下がわずかであると仮定すると)ノードN1の電圧はほぼ端子T1の電圧であり、その結果、PV電力装置903への電圧入力は、端子T1とT4との間の電圧にほぼ等しくなる。
潜在的に危険な状態が検出される場合、トランジスタQ6を制御するコントローラがQ6をオフ状態に切り替え、端子T2およびT3の接続を切断することができる。ノードN1の電圧は、端子T1の電圧または端子T3の電圧の二つの電圧うちの大きい方である。ノードN1の電圧は事前に決定されていない場合があるが、いずれの起こりうるシナリオでも、PV発電機をPV電力装置903の入力に接続し、PV電力装置903(例えば、装置、例えばコントローラ905、通信装置911、補助電力回路908、および図9に示す他の装置に電力を供給するために)に電力を供給することができる。
ここで、例示的な実施形態による太陽光発電(PV)システムを示す図12を参照する。PVシステム1200は、接地バスと電力バスとの間に並列に接続する複数のPVストリング1204を備えてもよい。PVストリング1204のそれぞれは、複数の太陽光発電機1201、複数の安全スイッチ1202、および複数のPV電力装置1203を備えてもよい。PV発電機1001は、図8のPV発電機801と類似または同一であってもよい。いくつかの実施形態では、電力バスおよび接地バスは、図8のシステム電力装置810と類似または同一であってもよいシステム電力装置1210に入力されてもよい。
各PV電力装置1203は、二つ以上のPV発電機1201に接続するように設計されてもよい。例えば、PVシステム1200では、(電力バスに接続されるPV電力装置を除く)各PV電力装置1203は、二つのPV発電機および二つの安全スイッチ1202に接続され、(接地バスに接続される安全スイッチ1202を除く)各安全スイッチ1202は、二つのPV発電機1201および二つのPV電力装置1203に接続される。
通常の作動条件下では、各PV電力装置1203は、二つのPV発電機1201から電力を受け取り、PVストリング1204に沿って電力バスに向かって電力を送ることができる。通常の作動条件下では、各安全スイッチ1202は、二つのPV発電機1201間で接続し、PVストリング1204に沿って電力を送るために二つのPV電力装置1203間で接続することができる。例えば、通常の作動条件下では、安全スイッチ1202aはPV発電機1201aと1201bとの間で接続する。PV電力装置1203aは、PV発電機1201aおよび1201bによって発生させる電力を受け取ることができ、安全スイッチ1202bはPV電力装置1203aと1203bとの間に配置され、PV電力装置1203aにPV電力装置1203bに電力を送る接続を提供する。同様に、安全スイッチ1202bは、PV発電機1201cと1201dとの間で接続し、PV電力装置1203bはPV発電機1201cおよび1201dから電力を受け取る。
危険な状態の場合、安全スイッチ1202aを操作して、PV発電機1201bからPV発電機1201aの接続を切断し、接地バスからPV電力装置1203aの接続を切断することができる。同様に、安全スイッチ1202bを操作して、PV発電機1201dからPV発電機1201cの接続を切断し、PV電力装置1203bからPV電力装置1203aの接続を切断することができる。このように安全スイッチ1202を操作すると、PVシステム1200の様々な場所の電圧を安全な電圧レベルに低下させることができる。
ここで、例示的な実施形態による安全スイッチ1205を示す図13Aを参照する。安全スイッチ1205は、端子T1〜T4、トランジスタ(例えば、MOSFET)Q7およびQ8、キャパシタC4およびC5、ならびにインダクタL4およびL5を備えてもよい。インダクタL4を端子T3と端子T1との間に設けて、端子T1から端子T3に流れる電流のリップルおよび/またはスパイクを低減することができ、インダクタL5を端子T4と中間点ノードXとの間に設けて、トランジスタQ7から端子T4に流れる電流のリップルおよび/またはスパイクを低減することができる。いくつかの実施形態では、インダクタL4もL5も設けない場合がある。いくつかの実施形態では、トランジスタQ7およびQ8を別のスイッチング素子、例えばIGBT、BJT、JFET、または他のスイッチング素子に置き換えてもよい。キャパシタC4は、端子T1とT2との間に接続してもよい。トランジスタQ7は端子T2と中間点ノードXとの間に接続してもよく、キャパシタC5は端子T1と中間点ノードXとの間に接続してもよい。トランジスタQ8は、端子T1と中間点ノードXとの間で、キャパシタC5に並列に接続することができる。いくつかの実施形態では、キャパシタC5および/またはキャパシタC4を設けない場合がある。
通常のシステム作動中、トランジスタQ7はオン状態に保持されてもよく、トランジスタQ8はオフ状態であってもよい。そして、キャパシタC5はキャパシタC4と並列になり、第一のPV発電機は端子T1とT2との間に接続され、キャパシタC4とC5に電圧を印加し、端子T1とT2に電力を供給する。端子T4は、第二のPV発電機の出力端子に結合されてもよく、端子T3は、PV電力装置1203の入力端子に接続されてもよい。端子T1およびT2で安全スイッチ1205に入力される電力は、端子T3およびT4で第二のPV発電機およびPV電力装置1203に出力されてもよい。
トランジスタQ7およびQ8は、図7Aのコントローラ710と類似のまたは同一のコントローラ(明示的には図示せず)により制御されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、キャパシタC4によって電力供給されてもよい(例えば、コントローラ入力電力端子は、キャパシタC4から電力を受け取るために端子T2または端子T1に接続されてもよい)。安全スイッチ1205は、システム制御デバイスから作動コマンドを受信するための(例えば、図3の通信装置305と類似のまたは同一の)通信装置をさらに備えてもよい。
危険な状態が検出されると、コントローラはトランジスタQ7をオフ状態に、トランジスタQ8をオン状態に切り替える。キャパシタC5は、トランジスタQ8によって短絡される場合があるが、キャパシタC4は、端子T1とT2との間に印加される電圧を維持することができる。
ここで、例示的な一実施形態による太陽光発電電力装置の内部回路の一部を示す図13Bを参照する。いくつかの実施形態では、PV電力装置1203は、バック+ブーストDC/DCコンバータのバリエーションを備えることができる。電力装置は、Vinおよび共通で示される二つの入力端子、および同じ電圧Voutを出力する二つの出力端子を備える回路を備えることができる。出力電圧は共通端子に関連する。回路は、共通端子とVin端子との間に接続される入力キャパシタCin、共通端子とVout端子との間に接続される出力キャパシタを備えることができる。回路は、参照に用いられる二つの中心点を備える場合がある。回路は、複数のスイッチ(例えば、MOSFETトランジスタ)Q11、Q12、Q13、およびQ14を備えることができ、Q11はVinと第一の中心点との間に接続され、Q12は共通端子と第一の中心点との間に接続される。Q13はVout端子と第二の中心点との間に接続されることができ、Q14は共通端子と第二の中心点との間に接続されることができる。回路は、二つの中心点の間に接続するインダクタL6をさらに備えることができる。
PV電力装置1203内のバック+ブーストDC/DCコンバータの作動は、様々に構成されることができる。入力電圧よりも低い出力電圧が必要な場合、Q13は静的にオンであり、Q14は静的にオフであり、Q11とQ12は相互に補完的な方法でパルス幅変調(PWM)で切り替えられると、回路は一時的にバックコンバータに相当し、入力電圧は降圧される。入力電圧よりも高い出力電圧が必要な場合、Q11は静的にオンであり、Q12は静的にオフであり、Q13とQ14が相互に補完的な方法でPWMで切り替えられると、入力電圧がブーストされる。スイッチQ11およびQ12のスイッチングをずらして、回路は入力電圧Vinを出力電圧Voutに変換することができる。電流がVinおよび共通端子によって回路に入力され、キャパシタCinおよびCoutの電圧降下がそれぞれほぼ一定の電圧VinおよびVoutである場合、回路への電流入力はインダクタL6で結合され、Vinおよび共通端子での電流入力の合計に等しいインダクタ電流を形成する。インダクタ電流には、キャパシタCinとCoutの充電と放電によるリップルが含まれる場合があるが、キャパシタCinとCoutの間の電圧降下がほぼ一定の場合、キャパシタの電圧リップルは小さく、同様にインダクタの電流リップルは小さい。インダクタ電流は、一対の出力端子Voutから出力される。いくつかの実施形態では、単一の出力端子を備えることができ、システム設計者は必要に応じて出力端子を外部(すなわち、PV電力装置の回路の外部)に分割することができる。
例示的な実施形態では、PV電力装置1203は、図9のPV電力装置903と類似または同一であってもよく、図9の電力コンバータ900は、図13Bのバック+ブーストコンバータを備える。いくつかの実施形態では、PV電力装置1203への電圧入力をブーストすることは必要でない場合があるが、その場合、PV電力装置1203は図13Bのバック+ブーストコンバータと類似のバックコンバータを備えることができ、スイッチQ14を取り外し(すなわち、開回路に交換し)、スイッチQ13を配線に交換(すなわち、Vout端子を第二の中心点に接続)する。
図12に戻って参照すると、安全スイッチ1202bは、太陽光発電機1201cおよび1201d、ならびにPV電力装置1203aおよび1203bに結合することができる。端子T2は、PV発電機1201cの正の出力に接続されてもよく、端子T4は、PV発電機1201dの負の出力に接続されてもよい。端子T1は、PV電力装置1203aの第一のVout端子に接続されてもよく、端子T3は、PV電力装置1203bの共通端子に接続されてもよい。PV発電機1201dの正の出力端子は、PV電力装置1203bのVin端子に接続されてもよく、PV発電機1201cの負の出力端子は、PV電力装置1203aの第二のVout端子に接続されてもよい。通常の作動条件下では、PV発電機1201cおよび1201dは直列に接続され、PV発電機1201cおよび1201dの合成電圧は、PV電力装置1203bの共通端子とVin端子の間に入力される。危険な状態が検出される場合、安全スイッチ1202bは、(例えば、図13AのトランジスタQ7をOFFに設定することにより)端子T2とT4との間の接続を切断し、(例えば、図13AのトランジスタQ8をONに設定することにより)端子T3とT4を接続する。その結果、PV発電機1201dは、PV電力装置1203bの共通端子とVin端子との間に接続されてもよく、PV発電機1201cは、安全スイッチ1202bの端子T1とT2との間に接続されてもよい。
図12に例示されるシステムトポロジには、特定の利点がある。例えば、通常のシステム作動中に、二つのPV発電機1201は、PV発電装置1203に合成電圧および合成電力を供給し、PV発電機によって生成される電力を処理するためのPV電力装置の数を減らす必要がある。さらに、連続作動電力(すなわち、装置部品、例えばコントローラやトランジスタに電力を供給するために使用される電力)は、通常作動中および潜在的に危険な状態の間の両方で、全てのPV電力装置1203および安全スイッチ1202に供給される。
ここで、例示的な実施形態による太陽光発電装置のチェーンの一部を示す図14を参照する。チェーン1400は、複数のPV電力装置1203および複数の安全スイッチ1202を備えてもよい。各安全スイッチ1202は、導体を用いて、二つのPV電力装置1203の間に接続することができる。安全スイッチ1202の端子T1は、第一のPV電力装置のVout端子に接続されてもよく、安全スイッチ1202の端子T3は、第二のPV電力装置の共通端子に接続されてもよい。端子T2およびT4は、図4Aのコネクタ406および407と類似のまたは同一の外部コネクタを介してアクセス可能であってもよい。同様に、各PV電力装置1203のVout端子およびVin端子は、図4Aのコネクタ406および407と類似のまたは同一の外部コネクタを介してアクセス可能であってもよい。図12に示すように、PV電力装置の端子(例えば、共通端子)を安全スイッチ端子(例えば、端子T3)に接続する導体は、チェーン1400を複数のPV発電機に容易に接続するようにサイズ設定することができる。例えば、PV発電機の幅が通常1〜2メートルである場所では、安全スイッチ1202とPV電力装置1203との間に配置される各導体は約1〜2メートルの長さであってもよい。チェーン1400は、単一ユニットとして組み立てられて販売されることができ、図12のPVシステム1200と類似のまたは同一のPV設備を構築する場合のコストと時間を節約することができる。
図15を参照すると、スマートフォン、タブレット、コンピューター、ワークステーション、モバイルデバイス(例えば、セルラーデバイス)および/または同様のコンピューティングデバイスで実行される例示的なアプリケーションが示されている。アプリケーションには、電力システム(例えば、図1のシステム100)に配置される安全スイッチも載っている。アプリケーションは、各安全スイッチのシリアル番号またはその他の識別情報、ならびに接続されたPV発電機の識別情報および/または各安全スイッチが接続されたPVストリングの識別情報を示してもよい。いくつかの実施形態では、アプリケーションは、各安全スイッチの状態および/または一つまたは複数の安全スイッチの電気パラメータ、例えば一つまたは複数の安全スイッチの両端の電圧またはそれを通る電流を示してもよい。いくつかの実施形態では、アプリケーションは、一つまたは複数のスイッチの状態を制御するためのタッチスクリーンボタンまたは類似の入力コントローラが設けられてもよい。例えば、ボタン151を起動すると、関連する安全スイッチがオフ状態に移行することができ、ボタン152を起動すると、関連する安全スイッチがオン状態に移行することができる。ボタン153を起動すると、全ての安全スイッチがオフ状態に移行することができ、ボタン154を起動すると、全ての安全スイッチがオン状態に移行することができる。いくつかの実施形態では、ボタン151〜154を起動することは、ユーザアクセスレベルに基づいて制限されることができる。例えば、アプリケーションは、「インストーラー/アドミニストレータ−」モードで実行している場合にのみボタン151〜154を有効にして、不慣れなユーザーのアクションを制限することができる。
さらに図15を参照すると、起動ボタン155は、ユーザーが閾値を再構成することを可能にすることができる。例えば、アーク放電状態を示し、システム応答をトリガーする(例えば、一つまたは複数の安全スイッチをオフ状態に移動する)電圧、電流、または電力の閾値は、図15のアプリケーションを用いてユーザーが再構成することができる。起動ボタン156は、一つまたは複数の安全スイッチの物理的位置の詳細を含む、アプリケーションによって表される電気システムの図式的レイアウトを表示することができる。起動ボタン157により、現在または過去の作動システムデータ、例えば安全スイッチの状態、および/または安全スイッチによって測定される電気パラメータ測定値をダウンロードすることができる。ボタン155〜157は同様に、ユーザー認証のレベルに応じて制限される場合がある。
図15のアプリケーションは、無線通信(例えば、セルラー通信、またはインターネット経由)を介して安全スイッチと直接通信することができる。一部の実施形態では、アプリケーションは、システム電力装置(例えば、図1のシステム電力装置110)と通信し、システム電力装置は、無線通信または有線通信(例えば、電力線通信)を介してアプリケーションと安全スイッチと間の通信を中継するように構成される。
ここで、本開示の別の態様を例示する図16を参照する。PV電力装置1603は、図9のPV電力装置903、および同様に図8のPV電力装置803と類似または同一であってもよい。図9に関連して上で示され、および説明される部品は、図16に同様に示される。したがって、電力コンバータ1600は、図9の電力コンバータ900に類似する場合がある。同様に、センサー1604は図9のセンサー904に類似してもよく、コントローラ1605は図9のコントローラ905に類似してもよい。PV電力装置903の他の部品、例えば最大電力点追跡(MPPT)回路1606、安全装置1607、補助電力回路1608、メモリデバイス1609、通信デバイス1611、共通バス1620等についても同様である。
本開示のいくつかの態様によれば、PV電力装置1603は、例えばPV電力コンバータ900と同様の電力コンバータ1600を備えることができる。電力コンバータ1600は、直流−直流(DC/DC)コンバータ、例えばバック、ブースト、バック/ブースト、バック+ブースト、チューク、フライバックおよび/またはフォワードコンバータを備えてもよい。いくつかの実施形態によれば、電力コンバータ1600は、直流−交流(DC/AC)コンバータ(インバーターとしても知られる)、例えばマイクロインバーターを備えてもよい。PV電力装置1603は、三つの入力端子、Tin1、Tin2、およびTin3、ならびに二つの出力端子(表示を明確にするため、表示されていない)を有することができる。
さらに図16を参照すると、本開示のいくつかの態様によれば、PV電力装置1603は、入力端子Tin1、Tin2の間に接続することができるスイッチS16を備えることができる。太陽光発電機1601aは、PV電力装置1603の入力端子に、例えば入力端子Tin1に接続される出力端子を備えてもよい。太陽光発電機1601aはまた、太陽光発電機1601bの負の出力端子に接続されることができる第二の出力端子を備えることができる。太陽光発電機1601aから太陽光発電器1601bの負の出力端子への出力はまた、入力端子Tin2でPV電力装置1603に接続することができる。太陽光発電機1601bの負の出力端子とPV電力装置1603の入力端子の両方への接続は、例えば、Tコネクタ1631を介してもよい。Tコネクタ1631は、入力端子Tin2を介してPV電力装置1603に接続することができる。端子Tin2は、PV電力装置1603に備えられるスイッチS16で終端してもよい。スイッチS16は、図9のトランジスタQ9と類似のトランジスタを備えてもよい。あるいは、スイッチS16は、リレーまたは異なるタイプのスイッチ(例えば、IGBT、BJT等)を備えてもよい。太陽光発電機1601bは、端子Tin3を介してPV電力装置1603の入力端子に接続される出力端子を備えてもよい。
スイッチS16は、制御端末を備えてもよい。スイッチS16の制御端子は、コントローラ1605によって制御されることができる。同様に、コントローラ1605は、スイッチS16を制御するように構成されることができる。危険な状態、例えばグリッドの停止、過電圧、低電圧、インバーター(例えば、電力コンバータ900に関連する上記のインバーターであるが、それらに限定されない)の問題、もしくは潜在的に危険な状態を引き起こす可能性のある他のあらゆる問題、または太陽光発電機1601aの故障、が検出される場合、電力コンバータ1600および/またはPV電力装置1603の物理的近傍にいる人員の保護、リスク低減などのために、コントローラ1605は、スイッチS16をオンにして、太陽光発電機1601aの入力端子を短絡させる。スイッチS16がオフである場合、二つのPV発電機1601aおよび1601bは、電力コンバータ1600の入力端子に直列に接続されることができる。どちらのシナリオでも、システム内の場所で安全な電圧が維持される。スイッチS16がオンである場合、PV発電機1601aは短絡され、端子Tin3とTin1との間に低減された電圧が得られる。スイッチS16がオフになっていることは、通常の作動状態を示している可能性があり、通常の作動状態では、端子Tin3とTin1との間の電圧の増加は許容される場合がある。
システム作動の態様の一例では、通信デバイス1611は、センサー1604が、図6を参照して上述したように、「キープアライブ」信号について共通バス1620上の全体にわたって本明細書に記載のシステムを監視できるようにすることができる。前記「キープアライブ」信号がない場合、センサー1604は、潜在的に危険な状態が発生している可能性があることをコントローラ1605に伝える。そして、コントローラ1605は、PV発電機1601aを短絡させるために、(例えば、既に述べたように、トランジスタを備えてもよい)スイッチS16を作動させてもよい。ウェイクアップまたは「キープアライブ」信号を受信すると、スイッチS16がオンの場合、コントローラはスイッチS16をオフにすることによりPV発電機1601a間の短絡を解消できる。
本明細書で上述した本開示の態様では、PV発電機1601aが故障した場合、PV電力装置1603は、スイッチS16がオンである限り作動し続けることが理解される。このような場合、PV電力装置1603は、PV発電機1601bから電力を受け取り続けることができる。Tコネクタ1631は、PV発電機1601aの両端の電圧を測定するためのテストポイントを提供し、それにより、PV発電機1601aおよびPV発電機1601bのそれぞれの個々の作動パラメータの計算を可能にすることも理解される。電圧計1642は、この態様を示すためにスイッチS16と並列に図16に示される。
本開示の別の態様によれば、別のスイッチ(図示せず)が、端子Tin2とTin3との間に配置されてもよい。別のスイッチはまた、コントローラ1605によって制御されてもよい。そのような態様では、別のスイッチとスイッチS16の両方がオフである場合、二つのPV発電機1601aおよび1601bは、電力コンバータ1600の入力端子に直列に接続される。スイッチS16がオンであり、別のスイッチがオフである場合、太陽光発電機1601aの出力端子は短絡され、太陽光発電機1601bは、電力を電力コンバータ1600の入力端子へ供給する。それに対応して、別のスイッチがオンでスイッチS16がオフの場合、太陽光発電機1601bの出力端子は短絡され、太陽光発電機1601aは電力を電力コンバータ1600の入力端子に供給する。太陽光発電機1601aまたは太陽光発電機1601bのいずれか一つを短絡させる能力は、二つの太陽光発電機1601aおよび1601bのそれぞれについてシステムの耐故障性を形成することができる。スイッチS16と別のスイッチの両方がオンである場合、両方のPV発電機1601aおよび1601bの出力端子は短絡され、それにより電力コンバータ1600の入力端子も短絡される。(上記のような)スイッチS16および別のスイッチは、MOSFET、IGBT、BJT、JFETなど、または別の好適なスイッチング素子を備えるが、これらに限定されない、リレー、トランジスタを備えてもよい。
本開示のさらに別の態様では、太陽光発電機1601aおよび太陽光発電機1601bではなく、単一の太陽光発電機(図示せず)を利用することができる。単一の太陽光発電機は、少なくとも三つの出力端子(例えば、第一の出力端子と第二の出力端子との間に接続される太陽電池の第一の直列ストリング、および第二の出力端子と第三の出力端子との間に接続される太陽電池の第二の直列ストリング)を有してもよい。三つの出力端子は、それぞれ、入力端子Tin1、Tin2、およびTin3を介してPV電力装置1603に接続することができる。上記のように、危険な状態、例えばグリッドの停止、過電圧、低電圧、インバーター(例えば、電力コンバータ900に関連する上記のインバーターであるが、それらに限定されない)の問題、もしくは潜在的に危険な状態を引き起こす可能性のある他のあらゆる問題、または単一の太陽光発電機の故障、が検出される場合、電力コンバータ1600および/またはPV電力装置1603の物理的近傍にいる人員の保護、リスク低減などのために、コントローラ1605は、スイッチS16をオンにして、単一太陽光発電機の端子のうちの二つを短絡させる。本明細書で上記のように、スイッチS16がオフの場合、単一の太陽光発電機の出力端子は、電力コンバータ1600の入力端子に直列に接続されてもよい(すなわち、「通常作動」)。
本明細書で開示される例示的な実施形態では、開示される新規の特徴を利用することができる電源の例として、太陽光発電機が用いられる。各PV発電機は、一つまたは複数の太陽電池、一つまたは複数の太陽電池ストリング、一つまたは複数のソーラーパネル、一つまたは複数のソーラーシングル、またはそれらの組み合わせを備えることができる。いくつかの実施形態では、電源は、太陽光発電パネルに加えて、もしくはその代わりに、バッテリー、フライホイール、風力もしくは水力タービン、燃料電池、または他のエネルギー源を含むことができる。PV発電機を使用する本明細書に開示されるシステム、装置、および方法は、別の電源を用いる別のシステムに等しく適用可能であり、これらの別のシステムは本明細書に開示される実施形態に含まれる。
本明細書の要素間に様々な接続が示されていることに留意されたい。これらの接続は一般的に説明されており、特に明記しない限り、直接または間接の場合があり、この明細書は、この点で制限することを意図していない。さらに、一実施形態の要素は、好適な組み合わせまたは部分的組み合わせで他の実施形態の要素と組み合わせることができる。例えば、一実施形態のPV電力装置の回路は、異なる実施形態の電力装置の回路と組み合わされ、および/または交換されてもよい。例えば、PV電力装置903のトランジスタQ9は、ジャンクションボックス511の電気接続512と513との間に配置され、図5AのPV発電機101への入力を短絡するように作動されてもよい。