JP6436481B2 - 耐圧容器、鋳型、容器側体及びその製造方法 - Google Patents

耐圧容器、鋳型、容器側体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋳造により形成される外圧用又は内圧用の耐圧容器、鋳型、容器側体及びその製造方法に関するものである。
従来、数千乃至一万メートルという大深度の海域で観測・調査活動を行う場合には、深海用の探査機が用いられている。探査機に搭載する通信装置やカメラ、観測装置、電源などの機器は、可能な限り地上環境で用いられる機器を使用することが好ましい。これらの地上環境で用いられる機器は、一般に深海における耐圧性能を備えていないために、地上環境と同じ条件を確保した耐圧容器内に格納して、深海で使用される。
従来の耐圧容器の製造方法として、特開昭64−26065号公報(特許文献1)には、チタン合金を鍛造して得た母材を切削加工して、両端部にフランジを有する立壁部と、開口縁部にフランジを有するキャップ部とを製造するチタン合金製耐圧容器の製造方法が開示されている。
特許文献1に記載されているチタン合金製耐圧容器は、溶接箇所を無くすことができるので信頼性が高く、高強度にすることができるとしている。
また、特開平8−90211号公報(特許文献2)には、鋳造により形成する箱体の四面側壁のうちの側壁の一部にコ字状の欠壁部(外部装置接続用孔)を有し、この欠壁部の底壁側部に厚肉の湯口ゲート相当部を形成した電子機器用箱体が開示されている。
特許文献2に記載されている電子機器用箱体は、鋳造型から取出した状態では湯口から箱体外方向に延長するような形状で湯口ゲートが形成されている。また、欠壁部の底壁側部分を厚肉にしてあるので、この湯口ゲートを切断線に沿ってハンマーやプレスなどで切断した際に、箱体の底壁側部分の欠けや変形を防止することができるとしている。
特開昭64−26065号公報 特開平8−90211号公報
特許文献1に記載されているチタン合金製耐圧容器は、製造する耐圧容器よりも大きなチタン合金のインゴットを準備して、保護対象の電子機器を格納する内部空間を形成するための中ぐり加工を行い、外周を切削加工すると共にフランジを形成して制作する。
ところが、チタン合金は難削材に分類されるものであり、切削加工に用いる工具寿命は鋳鉄の1/100程度である上に、寸法精度を出しにくいという問題がある。従って、外周切削はもとより、中実素材からの中ぐり加工は困難を究め、中実素材の価格が高価であることに加えて切削加工のコストも高くなるために、耐圧容器の単価は数百万円にもなる場合がある。また、チタン合金の省資源化を図る必要もある。
特許文献2に記載されている電子機器用箱体は、耐圧性や防水性が要求されない自動車用であり、素材にアルミニウム合金を用いている。アルミニウム合金は鋳造が容易であるが、海底探査用の耐圧容器として用いる場合には腐食が生じ易いという問題がある。耐蝕性を向上させるためにアルミニウム合金の表面にアルマイト等の表面処理を行っても、傷などが発生した部分から腐食が拡大してしまう可能性がある。
また、耐圧容器の素材に鉄系の合金やアルミニウム合金を用いると、耐圧性を確保した場合に耐圧容器の質量/体積比が水の比重に対して大きくなり過ぎてしまい、浮上用の浮きを大量に装備する必要が生じる。これに対して、耐圧容器にチタン又はチタン合金を用いると、耐圧容器の質量/体積比が小さくなり、水中での重量が軽くなるため、水中探査機の構成が簡単になり、価格面での競争力が向上するという利点がある。
本発明の目的は、比強度が高く耐腐食性が良好な金属を用いた外圧用又は内圧用の耐圧容器を安価にて生産することである。
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明による耐圧容器(10、10A、10B、10C)は、鋳造製の容器側体(20、20B、20C、20D)を含んでいる。容器側体(20、20B、20C、20D)は、凸状のキャップ部(26)を有する。キャップ部(26)は、頂部に湯口部(22)を有し、湯口部(22)の下流にキャップ終端部(26E)を有する。湯口部(22)は、コネクタ取付面(22A)と、コネクタ取付面(22A)から容器側体(20、20B、20C、20D)の内部に貫通する貫通孔(25)とを有する。更に本発明による耐圧容器(10、10A、10B、10C)は、キャップ部(26)の湯口部(22)の周囲における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)とした場合に、tm≧4であって、減厚比tM/tmが、1≦tM/tmである。
本発明による容器側体(20、20B、20C、20D)は、鋳造製であり、耐圧容器(10、10A、10B、10C)を構成するものである。容器側体(20、20B、20C、20D)は、凸状のキャップ部(26)を有する。キャップ部(26)は、頂部に湯口部(22)と、湯口部(22)の下流にキャップ終端部(26E)とを有する。本発明による容器側体(20、20B、20C、20D)は、キャップ部(26)の湯口部(22)の周囲における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)とした場合に、tm≧4であって、減厚比tM/tmが、1≦tM/tmである。
本発明による容器側体(20、20B、20C、20D)は、鋳造製であり、耐圧容器(10、10A、10B、10C)を構成するものである。容器側体(20、20B、20C、20D)は、凸状のキャップ部(26)と、筒状の立壁部(27)とを有する。キャップ部(26)は、頂部に湯口部(22)と、湯口部(22)の下流にキャップ終端部(26E)とを有する。立壁部(27)は、キャップ終端部(26E)から下流に延出する。キャップ部(26)の湯口部(22)の周囲における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)、キャップ終端部(26E)から立壁終端部(27E)までの長さを立壁長Lとした場合に、tm≧4であって、減厚比tM/tmが、1.3≦tM/tm≦2であって、少なくとも20(mm)の立壁長Lを有している。
また、tm≧5であって、減厚比tM/tmが、1.4≦tM/tm≦1.8であって、少なくとも40(mm)の立壁長Lを有する構成を採用することもできる。
また、tm≧6であって、減厚比tM/tmが、1.35≦tM/tm≦1.7であって、少なくとも60(mm)の立壁長Lを有する構成を採用することもできる。
また、tm≧7であって、減厚比tM/tmが、1.4≦tM/tm≦1.65であって、少なくとも80(mm)の立壁長Lを有する構成を採用することもできる。
また、tm≧8であって、減厚比tM/tmが、1≦tM/tmであって、少なくとも80(mm)の立壁長Lを有する構成を採用することもできる。
容器側体(20、20B、20C、20D)の立壁部(27)の下流側に立壁終端部(27E)を有し、立壁終端部(27E)における立壁終端部肉厚をtn(mm)とした場合に、立壁部(27)における肉厚の傾斜は、0〜1°の断面形状(tm≧tn)である。
容器側体(20、20B、20C、20D)における湯口部(22)には、コネクタ取付面(22A)と、コネクタ取付面(22A)から容器側体(20、20B、20C、20D)の内部に貫通する貫通孔(25)とを有する。
容器側体(20、20B、20C、20D)のキャップ部(26)の外形は、半球形、皿形、半楕円体又は錐体である。
容器側体(20、20B、20C、20D)のキャップ部(26)又は立壁部(27)における裾部(29)にフランジ(28)が形成されている。
容器側体(20、20B、20C、20D)のキャップ部(26)又は立壁部(27)における裾部(29)の全周に水密性又は気密性を確保する接合部(21、21A)を有する。
容器側体(20、20B、20C、20D)は、チタン又はチタンを主成分とする合金により鋳造される。
容器側体(20、20B、20C、20D)は、ロストワックス鋳造により成形される。
本発明による鋳型(40)は、耐圧容器(10、10A、10B、10C)を構成する容器側体(20、20B、20C、20D)の鋳造に用いられる。鋳型(40)は、容器側体(20、20B、20C、20D)における凸状のキャップ部(26)を成形するキャップ部キャビティ(26C)と、キャップ部(26)の頂部に湯口部(22)を成形する湯口部キャビティ(22C)を有している。鋳型(40)の湯口部キャビティ(22C)の周囲における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)とした場合に、tm≧4であって、減厚比tM/tmが、1≦tM/tmである。
本発明による容器側体(20、20B、20C、20D)の製造方法は、ワックス型を成形する工程と、鋳型(40)を製造する工程と、鋳込工程と、処理工程と、加工工程とを含む。ワックス型を成形する工程では、凸状のキャップ部(26)と、キャップ部(26)の頂部には湯口部(22)、湯口部(22)の下流側にはキャップ終端部(26E)とを有し、キャップ部(26)の湯口部(22)の周囲における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)とした場合に、tm≧4であって、減厚比tM/tmが、1≦tM/tmであるワックス型を成形する。
鋳型(40)を製造する工程では、ワックス型を用いてロストワックス鋳造用の鋳型(40)を製造する。鋳込工程では、不活性ガス環境下又は真空環境下において、鋳型(40)に溶融した金属(チタン又はチタン合金など)を流し込む作業を行う。処理工程では、溶体化処理及び時効処理を行う。加工工程では、湯口部(22)に対して切削加工を行い、コネクタ取付面(22A)及びコネクタ取付面(22A)から容器側体(20、20B、20C、20D)の内部に貫通する貫通孔(25)を形成する。
本発明の耐圧容器、鋳型、容器側体及びその製造方法によれば、耐腐食性に優れた耐圧容器を安価にて生産することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る耐圧容器の外観斜視図である。 図2は、図1に示す容器側体の断面図である。 図3は、容器側体及び容器側体を鋳造する際に用いる鋳型の断面図である。 図4は、鋳造後の容器側体におけるコネクタ取付面及び裾部の加工工程を説明する図である。 図5は、鋳型のキャビティ内部における溶融金属の流れをシミュレーションし、可視化した結果を表した図である。 図6は、シミュレーション結果について湯口部肉厚tM及びキャップ終端部肉厚tmの比を横軸に、縦軸に最小流動限界長Lmを表した図である。 図7は、二つの容器側体の間に容器胴体を配置した耐圧容器の構成例を説明する図である。 図8は、二つの半球形の容器側体から構成される耐圧容器の構成例を説明する図である。 図9は、裾部に対して垂直な接合部を有する容器側体を用いた耐圧容器における一部断面図である。
添付図面を参照して、本発明による耐圧容器、鋳型、容器側体及びその製造方法を実施するための形態を、以下に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る耐圧容器10の外観斜視図である。図2は、図1に示す容器側体20の断面図である。
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る耐圧容器10は、二つの容器側体20を構成部品に含んでいる。耐圧容器10の内部には、電子機器19を格納する内部空間23を有している。耐圧容器10は、容器の外部と容器内部の内部空間23との間に生ずる圧力差に耐える耐圧性を有する容器である。
図1及び図2に示す容器側体20の外観形状は、フランジ28の端部の全周を裾部29とする凸状である。容器側体20は、凸状のキャップ部26を有している。キャップ部26は、頂部に湯口部22を有し、湯口部22の下流にキャップ終端部26Eを有する。キャップ終端部26Eから更に下流の裾部29に向けて、筒状の立壁部27が延出している。立壁部27の長さ(立壁長L)は、内部空間23に格納する電子機器19の大きさに応じて適宜設定することができる。図1に示す実施形態において立壁長Lの長さを短くすると、耐圧容器10の外観形状は球形に近づく。
容器側体20の頂部には、鋳造時に溶融した金属を流し込む湯口部22を有している。少なくとも一つの容器側体20における湯口部22の頂部には、切削加工により形成したコネクタ取付面22Aを有している。フランジ28の底部端面の全周には、他の容器側体20に接合して水密性又は気密性を確保する接合部21を有している。
図1及び図2に示す実施形態では、二つの容器側体20は、複数のボルト18を用いてフランジ28の接合部21にて結合している。なお、二つの容器側体20同士を結合させる手段として、ボルト18を用いる他にも、一方の容器側体20のフランジ28に雄螺子を形成し、他方の容器側体20のフランジ28に雌螺子を形成しておき、それぞれの螺子同士を螺合することによって二つの容器側体20同士を結合させる構成を用いることもできる。
耐圧容器10の内部に配置されている電子機器19と外部との間での電力の供給及び信号の入出力は、湯口部22のコネクタ取付面22Aに取り付けた水中コネクタ12を介して、耐圧容器10の外部と内部空間23との間で行われる。
接合部21及び水中コネクタ12は水密構造を有しており、耐圧容器10を深海に沈めた場合であっても、耐圧容器10の内部空間23は大気圧に保たれる。
図1及び図2に示す実施形態では、容器側体20は、半球形のキャップ部26と、キャップ部26から裾部29に至る筒状の立壁部27とを備えている。キャップ部26の形状は、強度及び質量の面からは半球形が好適であるが、半球形の他にも用途に応じて皿形、半楕円体又は錐体の形状を用いることができる。湯口部22は、キャップ部26の中央頂部に配置されている。湯口部22を、キャップ部26の中央頂部に配置することによって、溶融金属を鋳型に流入させる鋳込工程において、湯口部22から裾部29の全周に向かって放射状に溶融金属を流すことができる。
図2を参照して、容器側体20の断面形状について説明する。図2に示すように、少なくとも一つの容器側体20における湯口部22には、切削加工により形成したコネクタ取付面22Aと、コネクタ取付面22Aから内部空間23に貫通する貫通孔25とが形成されている。貫通孔25には、水中コネクタ12を螺合する螺子部25Aが形成されている。貫通孔25及び螺子部25Aは、必要に応じて複数開設することができる。また、水中コネクタ12の仕様に応じて、貫通孔25と螺子部25Aとを別々に開設することもできる。
水中コネクタ12とコネクタ取付面22Aとの間には、水密用のパッキン13が配置されている。一方の容器側体20の接合部21には、水密用のパッキン14を配置するためのパッキン溝14Aが形成されている。耐圧容器10を深海用として用いる場合には、浅い海域ではパッキン14を用いて水密性又は気密性を確保する。それ以上の深海では、接合部21同士のメタルタッチにより水密性を確保することができる。
図2に示す実施形態では、容器側体20の肉厚は、湯口部22から下流の遠方にゆく程薄くなるように形成してある。耐圧容器10を鋳造する際には、溶融した金属を湯口部22を経由して鋳型40のキャップ部キャビティ26C、立壁部キャビティ27C(後段にて説明する図3参照。)に流し込むが、耐蝕性に優れた軽量な金属(特にチタン合金)を流し込む際においても、溶融金属が末端の裾部29やフランジ28の全周に均一に流れ込むことが好ましい。また、溶融金属が凝固する際にも、末端の裾部29やフランジ28の部分から凝固してゆくことが好ましい。
もし、溶融金属が裾部29やフランジ28の末端まで到達する前に凝固してしまうと、湯まわり不良や外引け、引け巣、湯境いなどの欠陥が発生し易くなる。これらの欠陥は、耐圧容器10の耐圧性や水密性を低下させる要因となる。特にチタン合金を用いた鋳造品を成形しようとすると、融点が高いことに加えて酸化等の反応性が高く、溶融金属の流動性が悪いために、鋳造が困難であった。なお、従来チタン合金による鋳造は、湯流れが問題となるために小物を除き鋳造が困難であった。
本発明では、このような鋳造の困難性に鑑みて、図2に示す湯口部22の周囲における湯口部肉厚tM(mm)と、キャップ終端部肉厚tm(mm)との肉厚との関係を定めて容器側体20の成形を行う。また、必要に応じてキャップ終端部26Eから立壁終端部27Eまでの立壁長Lと立壁終端部肉厚tnとの関係も含めて容器側体20の成形を行う。これにより、容器側体20における立壁部27や裾部29、フランジ28の全周に対する溶融金属の流動性の向上を図っている。また、溶融金属が凝固する際にも、容器側体20の裾部29やフランジ28の部分からの凝固の促進を図る(指向性凝固)ことで、容器側体20の品質を維持している。
例えば、立壁部27の内径IDが100〜300mm、容器側体20の高さが50〜500mmの場合に、湯口部肉厚tMを4乃至12mm、キャップ終端部肉厚tmを4乃至12mm、必要に応じて立壁部27の肉厚の傾斜を0〜1°の漸次減少する断面形状(tm≧tn)とすることが好ましい。
例えば図2に示す実施形態において、立壁部27の内径ID=220mm、湯口部肉厚tM=11mm、キャップ終端部肉厚tm=8mm、立壁終端部肉厚tn=7mmとすることが好ましい。この場合における、キャップ終端部26Eから立壁終端部27Eまでの立壁部27の肉厚の傾斜は、0.37°である。立壁部27の肉厚の傾斜を0〜1°の断面形状(tm≧tn)とすることによって、立壁部27における溶融金属の流れを安定させて、湯まわり不良や外引け、引け巣、湯境いなどの欠陥を減少させることができる。
なお、鋳造時には、真空中で溶融した金属を鋳型のキャビティに流し込むことが好ましく、また、精度や製造の容易性の側面からロストワックス鋳造法により鋳造することが好ましい。鋳造に用いる金属として、耐蝕性に優れる軽量な素材、純チタン、Ti−5Al−2.5Sn、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、Ti−13V−11Cr−3Al、Ti−20V−4Al−1Sn、その他のチタンを主成分とする合金(チタン合金)を用いることができる。また、耐圧容器の用途に応じて、炭素鋼やニッケルクロム鋼、クロムモリブデン鋼、工具鋼、ステンレス鋼、銅合金、アルミニウム合金、コバルト基合金、ニッケル基合金等を用いることもできる。
なお、図2に示す実施形態では、キャップ部26の内面を半径R一定の半球形とし、キャップ部26の湯口部22の周囲における湯口部肉厚tMをキャップ終端部肉厚tmよりも厚く設定している。これとは逆に、キャップ部26の外形を半径R一定の半球形とし、キャップ部26の湯口部22の周囲における湯口部肉厚tMを、キャップ終端部肉厚tmよりも厚く設定することもできる。
また、図2に示す実施形態では、立壁部27の外形を円柱形状に設定し、立壁部27の内面側において立壁終端部肉厚tnをキャップ終端部肉厚tmよりも薄くなるように傾斜を設定している。これとは逆に、立壁部27の内面を円筒形状に設定し、立壁部27の外面側において立壁終端部肉厚tnをキャップ終端部肉厚tmよりも薄くする傾斜を設定することもできる。
次に、図1及び図2に示した容器側体20の製造方法について説明する。図3は、容器側体20及び容器側体20を鋳造する際に用いる鋳型40及び容器側体20の鋳造時の断面図である。図4は、鋳造後の容器側体20において、コネクタ取付面22A及び裾部29等の加工工程を説明する図である。なお、図1及び図2に示した部位と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
(ワックス型を成形する工程)
鋳造は、精度が良好で型代も安価なロストワックス鋳造法を用いることが好ましい。ロストワックス鋳造法では、先ず容器側体20の形状に相当するワックスモデルを成形するための金型(キャビティ)を制作し、製品毎にワックスモデルを成形する。このワックスモデルにおいて、容器側体20の湯口部22の周囲における湯口部肉厚tM(mm)と、キャップ終端部肉厚tm(mm)の肉厚との関係、及び必要に応じてキャップ終端部26Eから立壁終端部27Eまでの立壁長Lと立壁終端部肉厚tnとの関係を予め成形しておく。
(鋳型40を製造する工程)
次に、必要に応じてワックスモデルのツリーを制作し、ワックスモデルにセラミックスラリー、セラミックパウダー、セラミックサンド等を複数回コーティングして鋳型40を制作する。容器側体20の素材に反応性の高い金属(チタン合金等)を用いる場合には、鋳型40の初層にイットリアを塗布しておくと良い。次に、ワックスモデルを溶かして脱蝋して、鋳型40の焼成を行う。
この鋳型40において、湯口部キャビティ22C、キャップ部キャビティ26C、及び立壁部キャビティ27C等が形成されている。湯口部キャビティ22Cは、容器側体20における湯口部22を成形するためのキャビティである。キャップ部キャビティ26Cは、容器側体20の湯口部肉厚tM及びキャップ終端部肉厚tmを成形するためのキャビティである。立壁部キャビティ27Cは、キャップ終端部26Eから立壁終端部27Eまでと立壁終端部肉厚tnとを成形するキャビティである。
(鋳込工程)
次に、重力鋳造又は遠心鋳造等により鋳型40内のキャビティに溶融金属を流入させて押し湯を行い、容器側体20を成形する。容器側体20の材質に反応性の高い金属(チタン合金等)を用いる場合には、真空環境下や不活性ガス環境下で鋳込みを行うことが好ましい。
本願の実施形態では、図3に示すように、湯口部22から裾部29に至る容器側体20の肉厚を調節することによって、流動性が良くないとされている金属であっても、湯液が裾部29の全周に行き渡るようにしている。また、溶融金属の凝固も、裾部29の全周から凝固させることができ、湯まわり不良や外引け、引け巣、湯境いなどの欠陥を減少させることができる。
なお、耐圧容器10の容器側体20に加わる応力は、強度解析を行うことによってシミュレーションし、形状と肉厚との関係を定めることができる。容器側体20の各部における肉厚の違いは、溶融金属の融点、凝固点、流動性、鋳込み時における鋳型40の温度、内部形状等を条件に用いた流動解析結果に基づいて定めることができる。
(離型工程)
鋳込みが終了し、鋳型40の内部の溶融金属が凝固したら、鋳型40を壊して容器側体20を取り出し、ブラスト処理を行って鋳型40の砂を落とす。
(検査工程)
鋳造後の容器側体20に対して目視検査やX線検査、染色探傷検査等を行って、外引け、引け巣、湯境い、内部欠陥等の検査項目について、許容値を下回っているか否かの判断を行う。
(溶体化処理工程・時効処理工程)
次に、鋳造後の容器側体20に対して溶体化処理、時効処理(エージング ageing)を行って強度を上昇させ、形状を安定化させる。このとき、治具を用いて容器側体20の裾部29を固定し、形状を矯正することもできる。溶体化処理は、素材にTi−6Al−4Vを用いた場合に、例えば926℃で30分保持した後に水冷を行う。この条件で圧縮強度1260MPaを得ることができるので、耐圧容器10の素材に要求される性能を満たすことができる。
(裾部29に接合部21を形成する工程)
次に、容器側体20における裾部29端部の切除部24を切除する加工を行って、接合部21を成形する。接合部21は、他の容器側体20の接合部21と接合して、気密を保つ部分である。
図4に示す実施形態では、一方の容器側体20の接合部21にパッキン溝14Aを形成してある。また、他の容器側体20と結合するためのボルト18を通すボルト孔18Aを複数開設する。
(コネクタ取付面22Aを形成する加工工程)
次に、押し湯を行うために形成してあった湯口部22のうち、不要な切除部24を切除する加工を行う(図4参照)。この加工により、湯口部直径GDのコネクタ取付面22Aが形成される(図3、図4参照)。
(必要に応じてコネクタ取付面22Aに貫通孔25を開設する加工工程)
次に、切除した湯口部22の表面(コネクタ取付面22A)から容器側体20の内部空間23に貫通する貫通孔25を開設する。そして、必要に応じて貫通孔25の側壁に水中コネクタ12(図1、図2参照)を螺合させるための螺子部25Aを形成する。
本願の実施形態では、容器側体20の湯口部22にコネクタ取付面22Aを形成して、水中コネクタ12を取り付ける構成を用いている。この構成とは別に、容器側体20の立壁部27の側壁にコネクタ取付面を配置する場合には、そのコネクタ取付面付近の肉厚を厚くしなくてはならない。すると、鋳込工程において、そのコネクタ取付面付近に溶融金属(湯液)が回り込むことができずに、引け巣ができるなどの不具合を生ずる可能性が高くなる。
本願発明では、必ず加工が必要となる湯口部22にコネクタ取付面22Aを成形することによって、加工の工数を削減すると共に、溶融金属の湯回りを改善している。そして、不良品の発生を減少させ、安価な耐圧容器10を提供することができる。また、湯口部22は必ず切除加工を行うので、改めてコネクタ取付面22A用の水密加工面を形成する工程も簡略化される。また、本願発明では押し湯を行う関係上、予め湯口部22を厚くして鋳造しているので、水中コネクタ12用の貫通孔25を開設することに伴う耐圧強度維持(応力集中を含む)のための肉厚の調節が容易であるという利点がある。
(組立工程)
組立工程においては、パッキン13を水中コネクタ12のパッキン溝に配置して、水中コネクタ12を貫通孔25の螺子部25Aに螺合する(図2参照)。パッキン13は、水中コネクタ12の螺合によってパッキン溝とコネクタ取付面22Aとの間で潰れて水密性を確保する。このようにして、図2に示す容器側体20が完成する。次に、水中コネクタ12に対して結線を行い、内部空間23に所定の電子機器19(図1参照)を配置し、パッキン溝14Aにパッキン14を配置する。そして、他の容器側体20を接合部21にて接合し、ボルト孔18Aにボルト18を挿通して螺合し、二つの容器側体20同士を結合する。このようにして、図1に示す耐圧容器10の組立が終了する。
(耐圧試験工程)
次に、耐圧容器10の外部に圧力を加えて、加圧による耐圧試験を行う。耐圧試験に合格すると、耐圧容器10が完成する。
このように鋳造したチタン合金製の耐圧容器10は、従来のチタン合金の鍛造素材を切削加工して制作した耐圧容器と比べて、1/8程度の安価な費用で製造することができる。
(流動解析・凝固解析)
次に、鋳造時における湯流れの流動解析及び凝固解析の結果について、図5及び図6を用いて説明する。
図5は、鋳型40のキャビティ内部における溶融金属の流れをシミュレーションし、可視化した結果を表した図である。図6は、図5に示すシミュレーション結果について湯口部肉厚tM及びキャップ終端部肉厚tmの比(減厚比tM/tm)を横軸に、縦軸に最小流動限界長Lm(mm)を表した図である。なお、図1乃至図2に説明した部位と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図5及び図6に示すシミュレーション結果は、図2に示す実施形態において、キャップ部26の内法をR=110(mm)、立壁部27の内径ID=220mm、キャップ終端部肉厚tm及び立壁終端部肉厚tnを3乃至8mmとし、減厚比tM/tmを1〜2まで変化させた場合の最小流動限界長Lmを表した図である。また、図5及び図6に示すシミュレーションでは、鋳造に用いる溶融金属はチタン合金(Ti−6Al−4V、融点=1540〜1650℃、密度=4.4g/cm3)であり、鋳込温度を1650〜1750℃、鋳型40の温度を600〜1000℃として重力鋳造を行った条件で算出した。
図5に示すように、一般に鋳型40の釣り鐘型のキャビティ内部に溶融金属を流し込むと、キャビティ内部において湯流れの分岐点SPが発生する。分岐点SPは、鋳型40への注湯途中で湯の流れが止まり、左右へ流れを分ける点である。
この分岐点SPのうち、最も湯口部22に近い位置にあるものを、最小流動限界点と呼び、キャップ終端部26Eからの距離を最小流動限界長Lmと呼ぶことにする。なお、分岐点SPが下方に存在する方が鋳造品の品質を維持する上で好ましく、最小流動限界長Lmは長い値であることが好ましい。
次に、図6を用いて湯口部肉厚tMと、キャップ終端部肉厚tmと、最小流動限界長Lm(立壁長L)との関係について説明する。図6に示すように、キャップ終端部肉厚tmが5〜7mmの範囲では、最小流動限界長Lmが長くなる特異範囲SAが存在している。
キャップ終端部肉厚tmが5〜7mmの範囲は、立壁部27の内径IDが100〜300mmの範囲の耐圧容器の強度を維持する上で頻繁に使われる肉厚である。従って、少ない金属材料を用いて立壁部27をなるべく長く設定したい場合には、図6に示す特異範囲SAを用いることが好ましい。
(tm≧4の場合)
図6に示すように、キャップ終端部肉厚tm≧4の場合には、減厚比tM/tm≧1の場合に、キャップ部26の湯口部22から下流のキャップ終端部26Eまで、分岐点SPを発生することなく鋳造を行うことができる。従って、湯まわり不良や外引け、引け巣、湯境いなどの欠陥が少ない容器側体20を製造することができる。
(tm≧4であって、1.3≦tM/tm≦2の場合)
図6に示すように、キャップ終端部肉厚tm≧4であって、減厚比tM/tmが、1.3≦tM/tm≦2の場合には、少なくとも20mmの立壁長Lを有する容器側体20を鋳造することができる。
(tm≧5であって、1.4≦tM/tm≦1.8の場合)
図6に示すように、キャップ終端部肉厚tm≧5であって、減厚比tM/tmが、1.4≦tM/tm≦1.8の場合には、少なくとも40mmの立壁長Lを有する容器側体20を鋳造することができる。
(tm≧6であって、1.15≦tM/tm≦1.95の場合)
図6に示すように、キャップ終端部肉厚tm≧6であって、減厚比tM/tmが、1.15≦tM/tm≦1.95の場合には、少なくとも40mmの立壁長Lを有する容器側体20を鋳造することができる。
(tm≧6であって、1.35≦tM/tm≦1.7の場合)
図6に示すように、キャップ終端部肉厚tm≧6であって、減厚比tM/tmが、1.35≦tM/tm≦1.7の場合には、少なくとも60mmの立壁長Lを有する容器側体20を鋳造することができる。
(tm≧7であって、1.3≦tM/tm≦1.85の場合)
図6に示すように、キャップ終端部肉厚tm≧7であって、減厚比tM/tmが、1.3≦tM/tm≦1.85の場合には、少なくとも60mmの立壁長Lを有する容器側体20を鋳造することができる。
(tm≧7であって、1.4≦tM/tm≦1.65の場合)
図6に示すように、キャップ終端部肉厚tm≧7であって、減厚比tM/tmが、1.4≦tM/tm≦1.65の場合には、少なくとも80mmの立壁長Lを有する容器側体20を鋳造することができる。
(tm≧8の場合)
図6に示すように、キャップ終端部肉厚tm≧8であって、減厚比tM/tmが、1≦tM/tmの場合には、少なくとも80mmの立壁長Lを有する容器側体20を鋳造することができる。
(tm≧8であって、1.5≦tM/tm≦2の場合)
図6に示すように、キャップ終端部肉厚tm≧8であって、減厚比tM/tmが、1.5≦tM/tm≦2の場合には、少なくとも100mmの立壁長Lを有する容器側体20を鋳造することができる。
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、二つの容器側体20から構成されている耐圧容器10の構成例について説明した。これに対し第2の実施形態では、二つの容器側体20及び容器胴体30から構成される耐圧容器10Aの構成について説明する。図7は、二つの容器側体20の間に容器胴体30を配置した耐圧容器10Aの構成例を説明する図である。なお、図1に示した部位と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図7に示す耐圧容器10Aの内部には,電子機器19(図1参照)を格納する内部空間を有している。耐圧容器10Aは、容器の外部と内部空間との間に生ずる圧力差に耐える耐圧性を有する容器である。図7に示すように、二つの容器側体20の間に容器胴体30を挿入することによって、内部空間の容積を変更することができる。また、容器胴体30の長さを変更したり、容器胴体30を複数連結したり、容器胴体30を省いたりすることによって、電子機器19(図1参照)の形状や個数に応じた複数のバリエーションを容易に展開することができる。
(第3の実施形態)
上述の第1の実施形態では、立壁部27を有する容器側体20から構成されている耐圧容器10の構成例について説明した。これに対し第3の実施形態では、二つの容器側体20Bがキャップ部26及びフランジ28から構成される耐圧容器10Bについて説明する。図8は、二つの容器側体20Bから構成される耐圧容器10Bの構成例を説明する図である。なお、図1に示した部位と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
容器側体20Bの外観形状は、凸状のキャップ部26とキャップ終端部26Eとを有する半球形である。容器側体20Bの凸状頂部の中央には、鋳造時に溶融した金属を流し込む湯口部22を有している。湯口部22、コネクタ取付面22A、水中コネクタ12、ボルト18、フランジ28、接合部21等の構成は、図1に示した容器側体20における構成と同一のものを用いることができる。
図8に示す実施形態において、二つの容器側体20Bは、複数のボルト18を用いてフランジ28の接合部21にて結合している。なお、二つの容器側体20B同士を結合させる手段として、ボルト18を用いる他にも、一方の容器側体20Bと他方の容器側体20Bに形成されている螺子同士を螺合することによって、二つの容器側体20同士を結合させる構成を用いることもできる。
図8に示す容器側体20Bの断面形状も、第1の実施形態にて説明した容器側体20におけるキャップ部26の断面形状と同様に、湯口部22の周囲における湯口部肉厚tM(mm)と、キャップ終端部肉厚tm(mm)の肉厚との関係を定めて容器側体20Bの成形を行うことが好ましい。これにより、容器側体20Bにおける裾部29やフランジ28の全周に対する溶融金属の流動性の均一化を図り、溶融金属が凝固する際にも、容器側体20Bの裾部29やフランジ28の部分からの凝固の促進を図ることで、安定した容器側体20Bの品質を維持することができる。容器側体20Bの材質も、第1の実施形態にて説明した容器側体20と同様の素材を用いることができる。
(第4の実施形態)
上述の第1乃至3の実施形態では、容器側体20、20Bの裾部29にフランジ28を形成して容器側体20、20B同士を結合する実施例について説明した。これに対し第4の実施形態は、接合部21に対して垂直な接合部21Aを用いて、容器側体20Cと容器胴体30C(又は他の容器側体20D)とを結合する実施形態である。図9は、接合部21に対して垂直な接合部21Aを有する容器側体20Cを用いた耐圧容器10Cにおける一部断面図である。なお、図1に示した部位と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図9を参照して、本発明の第4の実施形態に係る耐圧容器10Cは、容器側体20C及び容器胴体30C(又は他の容器側体20D)を構成部品に含んでいる。耐圧容器10Cの内部には、電子機器19(図1参照)を格納する内部空間23を有している。
図9に示す容器側体20Cの外観形状は凸状であり、裾部29の全周に接合部21及び接合部21に垂直な接合部21Aを有している。接合部21Aにおける一部の全周には、他の容器胴体30C(又は容器側体20D)の接合部21Aに接合して水密性又は気密性を確保するパッキン14を配置するためのパッキン溝14Aを開設してある。
図9に示す実施形態では、例えば螺合部SLにボルトを配置して、容器側体20Cと容器胴体30C(又は容器側体20D)とを結合する。なお、容器側体20Cと容器胴体30C(又は容器側体20D)とを結合させる他の手段として、容器側体20Cの接合部21Aに雄螺子を形成し、他方の容器胴体30C(又は容器側体20D)の接合部21Aに雌螺子を形成しておき、それぞれの螺子同士を螺合することによって、容器側体20Cと容器胴体30C(又は容器側体20D)とを結合する構成を用いることもできる。
耐圧容器10Cを深海用として用いる場合には、浅い海域ではパッキン14を用いて水密性又は気密性を確保する。それ以上の深海では、接合部21同士のメタルタッチにより水密性を確保することができる。
以上、実施の形態を参照して本発明による耐圧容器、鋳型、容器側体及びその製造方法を説明したが、本発明による耐圧容器及びその製造方法は上記実施形態に限定されない。上記実施形態に様々の変更を行うことが可能である。上記実施形態に記載された事項と上記他の実施形態に記載された事項とを組み合わせることが可能である。本発明に係る耐圧容器は、外圧に耐える圧力容器としても、内圧に耐える圧力容器としても用いることができる。
10、10A、10B、10C...耐圧容器
12...水中コネクタ
13、14...パッキン
14A...パッキン溝
18...ボルト
18A...ボルト孔
19...電子機器
20、20B、20C、20D...容器側体
21、21A...接合部
22...湯口部
22C...湯口部キャビティ
22A...コネクタ取付面
23...内部空間
24...切除部
25...貫通孔
25A...螺子部
26...キャップ部
26C...キャップ部キャビティ
26E...キャップ終端部
27...立壁部
27C...立壁部キャビティ
27E...立壁終端部
28...フランジ
29...裾部
30、30C...容器胴体
40...鋳型
GD...湯口部直径
ID...内部空間内法
L...立壁長
Lm...最小流動限界長
SA...特異範囲
SL...螺合部
SP...分岐点
tM...湯口部肉厚
tm...キャップ終端部肉厚
tn...立壁終端部肉厚

Claims (16)

  1. チタン又はチタン合金の重力鋳造製の容器側体を含む耐圧容器であって、
    前記容器側体は、凸状のキャップ部を有し、
    前記キャップ部は、頂部に湯口部と、前記湯口部の下流にキャップ終端部とを有し、
    前記湯口部は、コネクタ取付面と、前記コネクタ取付面から前記容器側体の内部に貫通する貫通孔とを有し、
    前記キャップ部における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)とした場合に、
    tm≧4であって、減厚比tM/tmが、1≦tM/tmである
    耐圧容器。
  2. 耐圧容器を構成し、チタン又はチタン合金の重力鋳造製の容器側体であって、
    前記容器側体は、凸状のキャップ部を有し、
    前記キャップ部は、頂部に湯口部と、前記湯口部の下流にキャップ終端部とを有し、
    前記キャップ部における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)とした場合に、
    tm≧4であって、減厚比tM/tmが、1≦tM/tmである
    容器側体。
  3. 耐圧容器を構成し、チタン又はチタン合金の重力鋳造製の容器側体であって、
    前記容器側体は、凸状のキャップ部と、筒状の立壁部とを有し、
    前記キャップ部は、頂部に湯口部と、前記湯口部の下流にキャップ終端部とを有し、
    前記立壁部は、前記キャップ終端部から下流に延出するものであり、
    前記キャップ部における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)、前記キャップ終端部から立壁終端部までの長さを立壁長Lとした場合に、
    tm≧4であって、減厚比tM/tmが、1.3≦tM/tm≦2であって、少なくとも20(mm)の立壁長Lを有している
    容器側体。
  4. 耐圧容器を構成し、チタン又はチタン合金の重力鋳造製の容器側体であって、
    前記容器側体は、凸状のキャップ部と、筒状の立壁部とを有し、
    前記キャップ部の頂部には、湯口部を有し、
    前記キャップ部における前記湯口部の下流には、キャップ終端部を有し、
    前記立壁部は、前記キャップ終端部から下流に延出するものであり、
    前記キャップ部における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)、前記キャップ終端部から立壁終端部までの長さを立壁長Lとした場合に、
    tm≧5であって、減厚比tM/tmが、1.4≦tM/tm≦1.8であって、少なくとも40(mm)の立壁長Lを有している
    容器側体。
  5. 耐圧容器を構成し、チタン又はチタン合金の重力鋳造製の容器側体であって、
    前記容器側体は、凸状のキャップ部と、筒状の立壁部とを有し、
    前記キャップ部の頂部には、湯口部を有し、
    前記キャップ部における前記湯口部の下流には、キャップ終端部を有し、
    前記立壁部は、前記キャップ終端部から下流に延出するものであり、
    前記キャップ部における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)、前記キャップ終端部から立壁終端部までの長さを立壁長Lとした場合に、
    tm≧6であって、減厚比tM/tmが、1.35≦tM/tm≦1.7であって、少なくとも60(mm)の立壁長Lを有している
    容器側体。
  6. 耐圧容器を構成し、チタン又はチタン合金の重力鋳造製の容器側体であって、
    前記容器側体は、凸状のキャップ部と、筒状の立壁部とを有し、
    前記キャップ部の頂部には、湯口部を有し、
    前記キャップ部における前記湯口部の下流には、キャップ終端部を有し、
    前記立壁部は、前記キャップ終端部から下流に延出するものであり、
    前記キャップ部における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)、前記キャップ終端部から立壁終端部までの長さを立壁長Lとした場合に、
    tm≧7であって、減厚比tM/tmが、1.4≦tM/tm≦1.65であって、少なくとも80(mm)の立壁長Lを有している
    容器側体。
  7. 耐圧容器を構成し、チタン又はチタン合金の重力鋳造製の容器側体であって、
    前記容器側体は、凸状のキャップ部と、筒状の立壁部とを有し、
    前記キャップ部の頂部には、湯口部を有し、
    前記キャップ部における前記湯口部の下流には、キャップ終端部を有し、
    前記立壁部は、前記キャップ終端部から下流に延出するものであり、
    前記キャップ部における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)、前記キャップ終端部から立壁終端部までの長さを立壁長Lとした場合に、
    tm≧8であって、減厚比tM/tmが、1≦tM/tmであって、少なくとも80(mm)の立壁長Lを有している
    容器側体。
  8. 前記立壁部の下流側に立壁終端部を有し、
    前記立壁終端部の立壁終端部肉厚をtn(mm)とした場合に、
    前記立壁部における肉厚の傾斜は、0〜1°の断面形状(tm≧tn)である
    請求項3乃至7のいずれか一項に記載の容器側体。
  9. 前記容器側体における前記湯口部には、コネクタ取付面と、前記コネクタ取付面から前記容器側体の内部に貫通する貫通孔とを有する
    請求項2乃至8のいずれか一項に記載の容器側体。
  10. 前記キャップ部の外形は、半球形、皿形、半楕円体又は錐体である
    請求項2乃至9のいずれか一項に記載の容器側体。
  11. 前記キャップ部又は前記立壁部における裾部にフランジを形成した
    請求項2乃至10のいずれか一項に記載の容器側体。
  12. 前記キャップ部又は前記立壁部における裾部の全周に水密性又は気密性を確保する接合部を有する
    請求項2乃至11のいずれか一項に記載の容器側体。
  13. 前記容器側体は、ロストワックス鋳造により成形される
    請求項2乃至12のいずれか一項に記載の容器側体。
  14. 請求項2乃至13のいずれか一項に記載の容器側体を備える耐圧容器。
  15. チタン又はチタン合金の耐圧容器を構成する容器側体の重力鋳造に用いる鋳型であって、
    前記鋳型は、
    前記容器側体における凸状のキャップ部を成形するキャップ部キャビティと、
    前記キャップ部の頂部に湯口部を成形する湯口部キャビティと、
    を有し、
    前記キャップ部キャビティにおける湯口部肉厚をtM(mm)、下流側のキャップ終端部肉厚をtm(mm)とした場合に、
    tm≧4であって、減厚比tM/tmが、1≦tM/tmである
    ロストワックス鋳造用の鋳型。
  16. 凸状のキャップ部を有し、
    前記キャップ部の頂部には湯口部と、前記湯口部の下流側にはキャップ終端部とを有し、
    前記キャップ部における湯口部肉厚をtM(mm)、キャップ終端部肉厚をtm(mm)とした場合に、tm≧4であって、減厚比tM/tmが、1≦tM/tmであるワックス型を成形する工程と、
    前記ワックス型を用いてロストワックス鋳造用の鋳型を製造する工程と、
    不活性ガス環境下又は真空環境下において、前記鋳型に溶融したチタン又はチタン合金を流し込んで重力鋳造する鋳込工程と、
    溶体化処理及び時効処理を行う処理工程と、
    前記湯口部に対して切削加工を行い、コネクタ取付面と、前記コネクタ取付面から前記容器側体の内部に貫通する貫通孔とを形成する加工工程と
    を含む
    容器側体の製造方法。
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