JP6436298B2 - 炭素触媒の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素触媒の製造方法に係わる。
燃料電池において、酸化還元反応触媒として、白金が用いられている。
しかし、白金は高価であるため、白金を使用しない触媒の開発が進められている。
白金代替触媒として、触媒活性を有する炭素材料が提案されている。
特に、窒素を含む炭素材料は、酸素還元活性を有することが知られている。
そして、例えば、窒素を含有する前駆体高分子化合物を使用して、この前駆体高分子化合物を炭素化して、窒素を含有する炭素触媒を製造することが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、燃料電池の燃料となる水素を水の電気分解により製造する工程においても貴金属触媒が利用されており、この分野においても炭素触媒の開発が望まれている。
国際特許公開第2004/112174号
特許文献1に記載された製造方法は、前駆体高分子化合物として、ポリアクリロニトリル系高分子化合物やポリイミド系高分子化合物等の合成ポリマーを使用している。
合成ポリマーを使用しているため、環境に負荷がかかる。
また、白金代替触媒として、特許文献1の製造方法によって製造される炭素触媒よりも、さらに高い触媒活性を有することが望まれている。
上述した問題の解決のために、本発明においては、環境への負荷を低減すると共に、高い触媒活性を実現することができる、炭素触媒の製造方法を提供するものである。
本発明の炭素触媒の製造方法は、タンパク質を熱処理する工程と、タンパク質に金属の化合物を混合する工程と、混合物を粉砕する工程と、粉砕したその後、混合物を炭素化する工程とを有し、金属として鉄又はコバルトを使用する。
そして、さらに、タンパク質を熱処理する工程を、250℃〜500℃の範囲内で行う、もしくは、タンパク質に金属の化合物を混合する工程において、さらにカーボンブラックを混合する。
上述の本発明の炭素触媒の製造方法によれば、タンパク質を熱処理してから金属の化合物を混合するので、タンパク質と金属の化合物を均一に混合することが容易になる。そして、熱処理したタンパク質に金属(鉄又はコバルト)の化合物を混合した後に、混合物を炭素化することにより、タンパク質由来の窒素を多く含有し、高い触媒活性を有する炭素触媒を製造することが可能になる。
他の本発明の炭素触媒の製造方法は、タンパク質に金属の化合物を混合する工程と、混合物を熱処理する工程と、熱処理した混合物にカーボンブラックを添加する工程と、カーボンブラックを添加した後に粉砕する工程と、その後に炭素化する工程とを有し、金属として、鉄又はコバルトを使用する。
上述の他の本発明の炭素触媒の製造方法によれば、タンパク質と金属の化合物の混合物を熱処理してカーボンブラックを添加してから粉砕するので、タンパク質と金属の化合物とカーボンブラックを均一に混合することが容易になる。そして、粉砕した後に炭素化することにより、タンパク質由来の窒素を多く含有し、高い触媒活性を有する炭素触媒を製造することが可能になる。
上述の本発明によれば、高い触媒活性を有する炭素触媒が得られる。
また、原料として、タンパク質と鉄又はコバルトの化合物を使用するので、環境への負荷を低減することや、原料コストを低減することができる。
本発明の炭素触媒の製造方法の一実施の形態のフローチャートである。
本発明の炭素触媒の製造方法は、各種のタンパク質を使用して、タンパク質を熱処理し、金属の化合物を添加して混合し、混合物を粉砕してから炭素化して、炭素触媒を製造する。そして、金属として、鉄又はコバルトを使用する。
また、他の本発明の炭素触媒の製造方法は、タンパク質に金属の化合物を混合して、混合物を熱処理してからカーボンブラックを添加して、カーボンブラックを添加した後に粉砕して、その後炭素化して、炭素触媒を製造する。そして、金属として、鉄又はコバルトを使用する。
各製造方法において、好ましくは、炭素化後に、さらに、金属(鉄又はコバルト)を除去する工程を行って、炭素触媒を製造する。鉄又はコバルトの除去は、酸、例えば塩酸を用いて、行うことができる。
金属を除去する工程を行うことにより、得られる炭素触媒では、炭素化の際の混合物の金属の少なくとも一部(一部又は全部)が除去されている。
本発明の炭素触媒の製造方法により得られる炭素触媒は、タンパク質に由来するため、窒素を含有している。
そして、本発明の炭素触媒の製造方法では、タンパク質として、例えば、羊毛(ウール)、カシミア、動物の毛・皮、シルク等のタンパク質含有繊維、カゼイン、豆乳や鶏卵等のタンパク質含有食品を使用することができる。
羊毛等のタンパク質含有繊維では、廃棄繊維や羽毛布団等を原料として用いることができる。そして、これらの原料を用いることにより、原料となる廃棄物の廃棄コストを削減することが期待できる。
タンパク質含有食品では、割れた鶏卵や賞味期限切れの食品を原料として用いることも可能である。これらの原料を用いることにより、鶏卵や食品の廃棄コストを低減することが期待できる。
本発明の炭素触媒の製造方法において、鉄又はコバルトの化合物としては、各種の鉄化合物やコバルト化合物を使用することが可能である。例えば、塩化鉄、塩化コバルト、硝酸鉄、硝酸コバルト、酢酸コバルト、硫酸鉄、硫酸コバルト、酸化コバルト、酸化鉄(FeO,Fe)等が挙げられる。
鉄又はコバルトの化合物として、水溶性の鉄の塩や水溶性のコバルトの塩を使用した場合には、タンパク質との混合を容易にかつより均一に行うことができる。水溶性の鉄の塩や水溶性のコバルトの塩としては、例えば、上述の鉄又はコバルト化合物のうち、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩が挙げられる。
一方、鉄又はコバルトの化合物として、水に不溶性の化合物を使用した場合には、タンパク質と混合するときに均一に混合することが難しくなる。水に不溶性の化合物としては、酸化コバルト、酸化鉄(FeO,Fe)等が挙げられる。
本発明の炭素触媒の製造方法では、タンパク質を単独で熱処理し、鉄又はコバルトの化合物と混合してから粉砕するので、タンパク質と鉄又はコバルトの化合物との混合が容易にかつ均一になる。これにより、水溶性の鉄の塩や水溶性のコバルトの塩を使用した場合だけでなく、水に不溶性の化合物を使用した場合でも、タンパク質と鉄又はコバルトの化合物を均一に混合することが可能になる。
また、他の本発明の炭素触媒の製造方法では、タンパク質と金属の化合物の混合物を熱処理してカーボンブラックを添加してから粉砕するので、タンパク質と金属の化合物とカーボンブラックを均一に混合することが容易になる。
また、鉄又はコバルトの化合物として、水溶性の鉄の塩や水溶性のコバルトの塩を使用して、さらに、タンパク質として水溶性のタンパク質を使用した場合には、タンパク質と、鉄塩又はコバルト塩を均一に混合することができる。この場合、タンパク質と金属塩(鉄塩又はコバルト塩)の混合比も自由に変えることができる。
本発明の炭素触媒の製造方法では、タンパク質を単独で熱処理し、鉄又はコバルトの化合物と混合してから粉砕するので、水溶性のタンパク質を使用した場合だけでなく、水に不溶性のタンパク質を使用した場合でも、タンパク質と鉄又はコバルトの化合物を均一に混合することが可能になる。水に不溶性のタンパク質としては、例えば、羊毛、ケラチンタンパク質、絹が挙げられる。
例えば、羊毛に水に不溶性の添加物を加えると、均一に分散させることは困難である。それは、羊毛の比重が小さく、伸度が大きく、ヤング率が小さいために、機械的に微粉化することが困難であることによる。
そこで、本発明の製造方法を適用して、羊毛を単独で熱処理して、熱処理した羊毛を添加物と混合してから粉砕することが有効である。
羊毛は、一度融解すると、一部炭素化して黒くなり、ボールミルで容易に粉砕できるようになる。
羊毛単独での熱処理温度は、羊毛のアルファへリックスが融解する温度より高い温度で行う必要がある。羊毛のアルファへリックスの融解温度がおよそ230℃であるが、230℃・1時間の熱処理では、羊毛の粉砕がうまくいかないので、羊毛単独での熱処理温度は、250℃〜500℃の範囲内が望ましい。熱処理温度が500℃を超えると熱処理を行わない場合よりも触媒活性が低下する。
本発明の炭素触媒の製造方法において、炭素化の温度は、800〜1200℃とすることが好ましい。
また、タンパク質と鉄又はコバルトの化合物の混合比は、タンパク質100質量部に対して、化合物中の鉄又はコバルトの金属成分が1〜15質量部であることが好ましく、3〜5質量部であることがより好ましい。
本発明の炭素触媒の製造方法によれば、タンパク質と鉄又はコバルトの化合物を混合してから炭素化を行っていることにより、タンパク質由来の窒素を多く含有し、高い触媒活性を有する炭素触媒が得られる。
そして、タンパク質と鉄又はコバルトの化合物を混合してから炭素化を行っていることにより、タンパク質のみを炭素化した場合と比較して、より高い触媒活性が得られる。なお、炭素化後に、酸処理によって鉄又はコバルトを除去しても、高い触媒活性が得られる。これは、炭素化の際に、鉄又はコバルトの化合物が存在していることにより、タンパク質との間で相互作用が生じているためと考えられる。
また、タンパク質と鉄又はコバルトの化合物を混合してから炭素化を行っていることにより、窒素を含有する合成ポリマー(例えば、ポリアクリロニトリル)と鉄又はコバルトの化合物を混合して炭素化した場合と比較して、より高い触媒活性が得られる。これは、窒素を含有する合成ポリマーと鉄又はコバルトの化合物を混合して炭素化した場合と比較して、炭素化後の窒素の含有率が多くなっており、タンパク質由来の窒素が炭素化後も多く残存しているためと考えられる。
また、鉄又はコバルトを使用することにより、鉄及びコバルト以外の金属(カルシウム、マグネシウム、ニッケル、チタン等)を使用した場合と比較して、より高い触媒活性が得られる。
また、原料として、タンパク質と鉄又はコバルトの化合物を使用するので、合成ポリマーを使用した場合と比較して、環境への負荷を低減することや、原料コストを低減することができる。
また、特に、コバルトを使用した場合には、水電解触媒としての活性が、鉄を使用した場合と比較して、さらに高くなる。
続いて、本発明の炭素触媒の製造方法の一実施の形態について説明する。本発明の炭素触媒の製造方法の一実施の形態のフローチャートを、図1に示す。
まず、図1のステップS1において、タンパク質を単独で熱処理する。
続いて、ステップS2において、熱処理したタンパク質と、金属塩の水溶液又は金属化合物の懸濁液を、混合する。金属塩としては、前述した鉄やコバルトの塩を使用する。
金属化合物(鉄やコバルトの化合物)のうち、例えば、酸化コバルトCoOや酸化鉄FeO,Feは、水に溶解しないため、懸濁液とする。
次に、ステップS3において、ボールミル等を用いて、混合物を粉砕する。
タンパク質のうち、羊毛等の繊維は水に不溶性であるが、タンパク質を単独で熱処理した後に粉砕したことにより、繊維を金属塩の水溶液又は金属化合物の懸濁液の中に容易に分散させることができる。
その後、ステップS4において、混合物の炭素化工程を行う。
次に、ステップS5において、炭素化したものを、ボールミル等を用いて粉砕する。
さらに、ステップS6において、粉砕したものを酸処理する。例えば、濃度1Mの塩酸を用いて、70℃で2時間の処理を3回繰り返す。
この酸処理工程により、ステップS2で混合した金属塩や金属化合物が除去される。
このようにして、タンパク質から炭素触媒を製造することができる。
実際に炭素触媒を作製して、触媒活性等の各種の特性を調べた。
<実験1>
タンパク質単独で熱処理し金属化合物を混合してから粉砕し炭素化した場合と、タンパク質を熱処理しないで金属化合物を混合して炭素化した場合とで、触媒活性を比較した。
また、他の比較対照として、タンパク質を単独では熱処理しないで金属化合物を混合してから熱処理して、その後炭素化した試料や、金属化合物を混合しないで炭素化した試料も作製した。
各試料において、タンパク質として羊毛(ウール)を使用し、金属化合物として塩化コバルト(CoCl)或いは酸化コバルト(CoO)を使用した。
(羊毛単独熱処理の試料作製)
羊毛を、窒素気流下、昇温速度10℃/分で、所定の熱処理温度まで昇温させ、1時間その温度で保持した後、窒素気流下で室温まで自然冷却した。熱処理した羊毛に、コバルト化合物(CoCl或いはCoO)を混合し、ボールミルで粉砕した。混合比は、熱処理前の羊毛100質量部に対して、コバルト化合物中のコバルト元素を5質量部とした。
その後、再び窒素気流下、1000℃で1時間熱処理した。このようにして、羊毛とコバルト化合物の混合物の炭素化を行った。
炭素化後、窒素気流下で室温まで自然冷却してから、ボールミルで粉砕した。
その後、目開き106μmの篩にかけて、106μm以下のカーボンのみを得た。
次に、濃度1Mの塩酸で洗浄して表面のコバルトを除去し、さらに、減圧乾燥した。
このようにして、羊毛単独熱処理をした炭素触媒の試料を作製した。
以下、このようにして調製した試料を「羊毛−1回目の熱処理温度−コバルト化合物−1000」のように表記する。
そして、1回目の熱処理温度を、250℃、500℃、750℃、1000℃と変えて、コバルト化合物をCoCl或いはCoOで変えて、それぞれ炭素触媒の試料を作製した。
(比較対照の試料作製1)
羊毛と塩化コバルト水溶液を混合した。混合比は、羊毛100質量部に対して、塩化コバルト中のコバルト元素を5質量部とした。
乾燥後、炭素化を行った。炭素化は、窒素気流下、1000℃で1時間熱処理した。
炭素化後は、羊毛単独熱処理の試料と同様にして、炭素触媒の試料を作製した。
以下、このようにして調製した試料を、「羊毛−CoCl−1000」と表記する。
(比較対照の試料作製2)
羊毛と塩化コバルト水溶液を混合した。混合比は、羊毛100質量部に対して、塩化コバルト中のコバルト元素を5質量部とした。
乾燥後、昇温速度10℃/分で、所定の熱処理温度まで昇温させ、1時間その温度で保持して1回目の熱処理を行った。その後、窒素気流下で室温まで自然冷却した。
次に、混合物を粉砕した後に、再び窒素気流下、1000℃で1時間熱処理した。このようにして、羊毛とコバルト化合物の混合物の炭素化を行った。
炭素化後は、羊毛単独熱処理の試料と同様にして、炭素触媒の試料を作製した。
以下、このようにして調製した試料を、「羊毛−CoCl−1回目の熱処理温度−1000」のように表記する。
そして、1回目の熱処理温度を、250℃、500℃と変えて、それぞれ炭素触媒の試料を作製した。
(比較対照の試料作製3)
羊毛単独で1000℃で熱処理して炭素化した試料(羊毛−1000)と、羊毛単独で1回目の熱処理を250℃で行ってから1000℃で熱処理して炭素化した試料(羊毛−250−1000)をそれぞれ作製した。1回目の熱処理や炭素化の手順は前述した試料と同様とした。
(水電解触媒性能の評価)
各試料について、水電解触媒としての性能を、評価した。
ポテンシオスタット(ALS 700シリーズ)と、その付属品である回転リングディスク電極(BAS社製RRDE)を使用して、電解液に濃度0.5Mの硫酸を用いて、対極をガラス状炭素とし、参照極を可逆水素電極(RHE)として、室温、電極回転数1500rpmにて、触媒としての性能の評価を行った。
走査範囲を0〜−1Vvs.RHEとして、−1mA/cmの電流が流れ始める電位EH2と、電圧−0.5Vのときの電流密度i―0.5Vを、それぞれ測定した。
各試料のEH2及びi−0.5Vを、表1に示す。
Figure 0006436298
表1の結果から、1回目の熱処理と1000℃での2回目の熱処理の2段階で熱処理して得られた炭素触媒は、以下に述べる特徴を有する。
(1)コバルト化合物を混合していない羊毛単独の試料(羊毛−1000と羊毛−250−1000)でも、1回目の熱処理温度を250℃として2段階で熱処理を行うことにより、EH2及び電流密度の増加の両面から、水電解触媒活性が増加する。
(2)コバルト化合物を加えることにより、羊毛のみを炭素化して得たカーボンより、EH2及び電流密度の増加の両面から、水電解触媒活性が増加する。
(3)コバルト化合物の添加効果は、CoClでもCoOでも認められる。反応開始電位は両者でほとんど差がないが、電流密度増加効果はCoClの方が大きい。
(4)1回目の熱処理を羊毛単独で行い、それにコバルト化合物を加えてから2回目の熱処理を行って得られた試料の方が、羊毛とコバルト化合物の混合物に1回目の熱処理を行ってから2回目の熱処理を行って得られた試料よりも、活性が高い。
(5)1回目の熱処理は500℃以下が望ましい。1回目の熱処理を750℃や1000℃で行った試料は、1回目の熱処理を行っていない試料よりも活性が低いからである。
これは、1回目の熱処理温度が500℃を超えると炭素化が起こり、その後コバルトを添加しても活性向上に結びつかないことを表す。
250℃の熱処理では、羊毛のアルファへリックスが溶融し、ボールミルで粉砕できるようになり、金属化合物との混合が均一になり、2回目の熱処理により活性部位がつくられ、活性が向上するものと考えられる。
<実験2>
炭素触媒の触媒活性をさらに高めることを目的として、ケッチェンブラックを添加して、触媒活性を調べた。
ケッチェンブラック(KB)の添加量は、熱処理前の羊毛100質量部に対して、50質量部とした。
まず、羊毛を250℃で1時間熱処理した後に、CoCl及びKBを添加してボールミルで粉砕し、1000℃で1時間熱処理して炭素化した試料(羊毛−250−CoCl−KB−1000)を作製した。
また、羊毛にCoClを添加して250℃で1時間熱処理した後に、KBを添加してボールミルで粉砕し、1000℃で1時間熱処理して炭素化した試料(羊毛−CoCl−250−KB−1000)を作製した。
各試料に対して、実験1と同様にして、水電解触媒活性を調べた。
各試料のEH2及びi−0.5Vを、表2に示す。
Figure 0006436298
表2と表1の結果の比較により、KBを添加すると活性が大幅に向上することがわかる。
<実験3>
実験1及び実験2で作製した炭素触媒の試料について、酸素還元触媒としての性能を調べた。
酸素還元触媒としての性能の評価は、走査範囲を1〜0Vvs.RHEとして、ボルタモグラムと、−10μA/cmの電流が流れ始める電位(反応開始電位)EO2と、電圧0.7Vのときの電流密度i0.7Vを、それぞれ測定した。また、電解液には濃度0.5Mの硫酸を用いた。
各試料のEO2及びi0.7Vを、表3に示す。
Figure 0006436298
表3の結果より、コバルト化合物を混合していない羊毛単独の試料(羊毛−1000と羊毛−250−1000)では、1回目の熱処理温度を250℃として2段階で熱処理を行うことにより、EO2及び電流密度の増加の両面から、酸素還元触媒活性が増加することがわかる。
また、250℃で単独熱処理した羊毛にCoClを混合した場合、単独熱処理しないでCoClを混合した場合と比較して、EO2はほとんど変わらないが、電流密度の著しい増大が認められた。
しかしながら、前記のケースを除き、他のコバルト化合物を添加した場合では、2段階の熱処理の効果は認められなかった。
また、羊毛−CoCl−250−KB−1000は、KBを添加していない羊毛−CoCl―250−1000と比較して、電流密度が2倍以上になった。
<実験4>
表3に示した値は、濃度0.5Mの硫酸中で測定したが、羊毛−CoCl−250−KB−1000について、電解液を濃度0.1MのKOHに変えて、同様に測定した。電解液を濃度0.5Mの硫酸にした場合と濃度0.1MのKOHとした場合について、それぞれのEO2及びi0.7Vを並べて、表4に示す。
Figure 0006436298
濃度0.5Mの硫酸で測定した結果だけでなく、濃度0.1MのKOH中で測定した結果からも、この試料がEO2及びi0.7Vが共に優れている触媒であることを示している。
<実験5>
羊毛−250−CoCl−KB−1000について、濃度0.1MのKOHの電解液中において、同様にEO2及びi0.7Vを測定した。羊毛−250−CoCl−KB−1000と、実験4で測定した羊毛−CoCl−250−KB−1000の、それぞれのEO2及びi0.7Vを並べて、表5に示す。
Figure 0006436298
羊毛−250−CoCl−KB−1000は、水電解触媒性能と同様に、EO2及びi0.7Vが共に優れている触媒であることを示している。
本発明は、上述の実施の形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。

Claims (8)

  1. タンパク質を熱処理する工程と、
    前記タンパク質に金属の化合物を混合する工程と、
    混合物を粉砕する工程と、
    その後、混合物を炭素化する工程とを有し、
    前記金属として、鉄又はコバルトを使用し、
    前記タンパク質を熱処理する工程を、250℃〜500℃の範囲内で行う
    炭素触媒の製造方法。
  2. タンパク質を熱処理する工程と、
    前記タンパク質に金属の化合物を混合する工程と、
    混合物を粉砕する工程と、
    その後、混合物を炭素化する工程とを有し、
    前記金属として、鉄又はコバルトを使用し、
    前記タンパク質に金属の化合物を混合する工程において、さらにカーボンブラックを混合する
    炭素触媒の製造方法。
  3. 前記炭素化する工程の後に、前記金属を除去する工程を行う、請求項1又は請求項2に記載の炭素触媒の製造方法。
  4. 前記タンパク質として、水に不溶性のタンパク質を使用する、請求項1に記載の炭素触媒の製造方法。
  5. タンパク質に金属の化合物を混合する工程と、
    混合物を熱処理する工程と、
    熱処理した前記混合物にカーボンブラックを添加する工程と、
    前記カーボンブラックを添加した後に、粉砕する工程と、
    その後に、炭素化する工程とを有し、
    前記金属として、鉄又はコバルトを使用する
    炭素触媒の製造方法。
  6. 前記炭素化する工程の後に、前記金属を除去する工程を行う、請求項5に記載の炭素触媒の製造方法。
  7. 前記タンパク質として、水に不溶性のタンパク質を使用する、請求項5に記載の炭素触媒の製造方法。
  8. 前記混合物を熱処理する工程を、250℃〜500℃の範囲内で行う、請求項5に記載の炭素触媒の製造方法。
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