JP6436281B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを噴射するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
インクジェット式プリンターやプロッター等のインクジェット式記録装置に代表される液体噴射装置は、カートリッジやタンク等に貯留されたインクなどの液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを具備する。このような液体噴射ヘッドは、液体を噴射する複数のヘッド本体と、該ヘッド本体を保持するケース部材(本発明のホルダー部材に対応するものである)と、流路部材の外部に露出してカートリッジ等に接続される供給針を有する流路部材本体(本発明の流路部材に対応するものである)と、ケース部材とで流路部材本体を内部に収容するカバー部材とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
流路部材本体に設けられた供給針は、カバー部材に設けられた開口部から外部に露出している。このような液体噴射ヘッドにおいては、供給針から溢れたインクがカバー部材の内部に侵入して回路基板等に到達することを抑制するために、シールされている。
具体的には、流路部材本体のカバー部材側の表面において供給針の周囲を囲むように凸条部を設け、カバー部材の流路部材本体側の表面には、凸条部が係合される係合凹部を設け、これらを係合することでシールを確保している。さらには、凸条部と係合凹部との間を接着剤により接着させることで、より確実なシールを確保している。
特開2011−056920号公報
しかしながら、凸条部と係合凹部との係合は、カバー部材をケース部材の接合し、これらを互いに押圧することで行われる。このカバー部材とケース部材とが接合される方向は、インクを吐出する液体噴射面であるノズルプレートに垂直な方向である。したがって、凸条部と係合凹部との係合のためにノズルプレートに垂直な方向の力が加わることになり、ノズルプレートが歪んだり反ってしまい、インクの噴射品質が低下する虞がある。また、凸条部と係合凹部とを接着剤で接着すると、これらを取り外すことが困難となり、液体噴射ヘッドを部品の交換等が行いにくくなってしまう。
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、液体の浸入を抑制するシールを確保し、かつ液体噴射面の変形を抑えて噴射品質が向上した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体噴射面に設けられたノズル開口から液滴を噴射するヘッド本体と、複数の前記ヘッド本体が固定され、前記ヘッド本体への第1流路を有するホルダー部材と、前記ホルダー部材の前記第1流路への第2流路と、前記第2流路へ液体を供給し、前記液体噴射面に交差する方向に伸びる針形状の供給針とを有する流路部材と、前記ヘッド本体と電気的に接続される回路基板と、前記ホルダー部材と固定され前記回路基板と前記流路部材とを収容し、前記供給針を露出させる露出部を有するカバー部材と、前記液体噴射面の面内方向に、前記供給針と前記露出部との隙間を封止するシール部材と、複数の前記ヘッド本体が固定された金属製の固定板を備え、前記露出部は、前記供給針の周方向の外周を囲む側壁部であって、針形状に沿って伸びる側面を有する側壁部と、前記側壁部に設けられた切り欠け部と、前記側壁部を覆い、前記供給針を露出させる開口を有する天井部と、を有し、前記露出部の開口の径は、前記供給針の周方向の外周の径よりも大きく、前記シール部材は、前記側壁部と前記供給針との隙間を前記液体噴射面の面内方向に封止し、前記切り欠け部は、前記天井部から前記側壁部のうち前記シール部材と当接する部分よりも、前記供給針の先端側に設けられ、前記固定板は、前記液体噴射面に平行なノズル面形成部と、前記ノズル面形成部に対して曲げられた折り曲げ部とを有し、前記折り曲げ部には、符号化部が設けられ、前記切り欠け部と前記符号化部とは、鉛直方向に並ばないことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、シール部材は、露出部と供給針とに挟持され、周方向に圧縮する力が作用する。すなわち、液体噴射面に垂直な方向には力が作用していない。したがって、シール部材に生じる残留応力が液体噴射ヘッド全体に対して当該方向に作用することが抑制される。これにより、液体噴射面の変形を抑制することができる。さらに、供給針が液体噴射面に交差するように設けることで、液体噴射面の面内方向の寸法を小さくすることができ、液体噴射ヘッドの面内方向における小型化を図ることができる。
切り欠け部により供給針から溢れた液体の流れを特定の方向に制御することができる。また、切り欠け部は、シール部材よりも液体噴射面に垂直な方向において供給針の先端側に設けられている。このような切り欠け部によれば、シール部材は側壁部の側面に確実に接触し、シール部材によるシールをより確実なものとすることができる。
シール部材を取り付ける際に、カバー部材にシール部材を位置合わせしやすい。さらに、露出部は、側壁部のみで構成する態様の液体噴射ヘッドの露出部と比較して、天井部をさらに備えるため、剛性が向上したものとなる。
符号化部に供給針から漏れた液体が到達する可能性を低減することができ、符号化部を良好に読み取ることができる。
また、上記課題を解決する本発明の態様は、液体噴射面に設けられたノズル開口から液滴を噴射するヘッド本体と、複数の前記ヘッド本体が固定され、前記ヘッド本体への第1流路を有するホルダー部材と、前記ホルダー部材の前記第1流路への第2流路と、前記第2流路へ液体を供給し、前記液体噴射面に交差する方向に伸びる針形状の供給針とを有する流路部材と、前記ヘッド本体と電気的に接続される回路基板と、前記ホルダー部材と固定され前記回路基板と前記流路部材とを収容し、前記供給針を露出させる露出部を有するカバー部材と、前記液体噴射面の面内方向に、前記供給針と前記露出部との隙間を封止するシール部材と、前記露出部は、前記供給針の周方向の外周を囲む側壁部であって、針形状に沿って伸びる側面を有する側壁部と、前記側壁部に設けられた切り欠け部と、前記側壁部を覆い、前記供給針を露出させる開口を有する天井部と、を有し、前記露出部の開口の径は、前記供給針の周方向の外周の径よりも大きく、前記シール部材は、前記側壁部と前記供給針との隙間を前記液体噴射面の面内方向に封止し、前記切り欠け部は、前記天井部から前記側壁部のうち前記シール部材と当接する部分よりも、前記供給針の先端側に設けられ、前記カバー部材は、環状の開口を有する側面であって、前記回路基板と前記流路部材とを収容する側面と、前記側面の開口側において、前記側面と連なるシール部分であって、前記ホルダー部材と前記側面との間をシールするシール部分と、を有し、前記シール部分は、環状に沿って前記側面よりも環状の内側に凹んでおり、前記切り欠け部からこぼれた液体を収容することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、シール部材は、露出部と供給針とに挟持され、周方向に圧縮する力が作用する。すなわち、液体噴射面に垂直な方向には力が作用していない。したがって、シール部材に生じる残留応力が液体噴射ヘッド全体に対して当該方向に作用することが抑制される。これにより、液体噴射面の変形を抑制することができる。さらに、供給針が液体噴射面に交差するように設けることで、液体噴射面の面内方向の寸法を小さくすることができ、液体噴射ヘッドの面内方向における小型化を図ることができる。
切り欠け部により供給針から溢れた液体の流れを特定の方向に制御することができる。また、切り欠け部は、シール部材よりも液体噴射面に垂直な方向において供給針の先端側に設けられている。このような切り欠け部によれば、シール部材は側壁部の側面に確実に接触し、シール部材によるシールをより確実なものとすることができる。
シール部材を取り付ける際に、カバー部材にシール部材を位置合わせしやすい。さらに、露出部は、側壁部のみで構成する態様の液体噴射ヘッドの露出部と比較して、天井部をさらに備えるため、剛性が向上したものとなる。
シール部分の凹部に、カバー部材の側面を伝って落ちてきた液体を貯留することができ、当該液体が液体噴射面等に付着することを抑制することができる。
また、前記供給針は、複数あり、前記切り欠け部は、複数あり、前記シール部分は、複数の前記切り欠け部からこぼれた液体を共通して収容し、前記ホルダー部材は、前記シール部分により収容される液体の量が、前記シール部分が収容可能な量を超えた場合に、前記ヘッド本体から液体が噴射される被記録媒体上に液体を導くための排出流路を有することが好ましい。これによれば、排出流路により、シール部分の凹部に収容された液体を被記録媒体上に排出することができる。したがって、供給針において液体漏れが生じると、当該液体は、速やかに被記録媒体に排出される。被記録媒体には、意図しない液滴が付着することになるので、液体噴射ヘッドにて液体漏れが生じたことを早く発見することができる。さらに、本態様では、複数の供給針で漏れた液体を一つのシール部分に集中的に収容することができる。このため、シール部分に流入する液体の量が、シール部分に収容可能な液体の量を超えるまでに要する時間は短縮される。すなわち、このような液体噴射記録ヘッドによれば、短時間で供給針から被記録媒体に液体が到達するので、供給針で生じた液体漏れをより一層早く発見することができる。
また、前記液体噴射面に垂直な方向において、前記シール部材と前記天井部とは離間し、前記シール部材と前記流路部材とは接していることが好ましい。これによれば、シール部材の天井部側の一方面と該天井部との間に隙間があるので、液体噴射面に垂直な方向に残留応力が生じることをより確実に抑制できる。
本発明の他の態様は、上記液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体の浸入を抑制するシールを確保し、かつ液体噴射面の変形を抑えて噴射品質が向上した液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置が提供される。
上記課題を解決する本発明の他の態様は、液体噴射面に設けられたノズル開口から液滴を噴射するヘッド本体と、複数の前記ヘッド本体が固定され、前記ヘッド本体への第1流路を有するホルダー部材と、前記ホルダー部材の前記第1流路への第2流路と、前記第2流路へ液体を供給し、前記液体噴射面に交差する方向に伸びる針形状の供給針とを有する流路部材と、前記ヘッド本体と電気的に接続される回路基板と、前記ホルダー部材と固定され前記回路基板と前記流路部材とを収容し、前記供給針を露出させる露出部を有するカバー部材と、前記液体噴射面の面内方向に、前記供給針と前記露出部との隙間を封止するシール部材とを備えることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、シール部材は、露出部と供給針とに挟持され、周方向に圧縮する力が作用する。すなわち、液体噴射面に垂直な方向には力が作用していない。したがって、シール部材に生じる残留応力が液体噴射ヘッド全体に対して当該方向に作用することが抑制される。これにより、液体噴射面の変形を抑制することができる。さらに、供給針が液体噴射面に交差するように設けることで、液体噴射面の面内方向の寸法を小さくすることができ、液体噴射ヘッドの面内方向における小型化を図ることができる。
こで、前記露出部は、前記供給針の周方向の外周を囲む側壁部であって、針形状に沿って伸びる側面を有する側壁部と、前記側壁部に設けられた切り欠け部と、を有し、前記露出部の開口の径は、前記供給針の周方向の外周の径よりも大きく、前記シール部材は、前記側壁部と前記供給針との隙間を前記液体噴射面の面内方向に封止し、前記切り欠け部は、前記側壁部のうち前記シール部材と当接する部分よりも、前記供給針の先端側に設けられていることが好ましい。これによれば、切り欠け部により供給針から溢れた液体の流れを特定の方向に制御することができる。また、切り欠け部は、シール部材よりも液体噴射面に垂直な方向において供給針の先端側に設けられている。このような切り欠け部によれば、シール部材は側壁部の側面に確実に接触し、シール部材によるシールをより確実なものとすることができる。
、前記露出部は、前記側壁部を覆い、前記供給針を露出させる開口を有する天井部を有し、前記切り欠け部は、前記天井部から前記側壁部のうち前記シール部材と当接する部分までに亘って設けられていることが好ましい。これによれば、シール部材を取り付ける際に、カバー部材にシール部材を位置合わせしやすい。さらに、露出部は、側壁部のみで構成する態様の液体噴射ヘッドの露出部と比較して、天井部をさらに備えるため、剛性が向上したものとなる。
、前記液体噴射面に垂直な方向において、前記シール部材と前記天井部とは離間し、シール部材と前記流路部材とは接していることが好ましい。これによれば、シール部材の天井部側の一方面と該天井部との間に隙間があるので、液体噴射面に垂直な方向に残留応力が生じることをより確実に抑制できる。
、複数の前記ヘッド本体が固定された金属製の固定板を備え、前記固定板は、前記液体噴射面に平行なノズル面形成部と、前記ノズル面形成部に対して曲げられた折り曲げ部とを有し、前記折り曲げ部には、符号化部が設けられ、前記切り欠け部と前記符号化部とは、鉛直方向に並ばないことが好ましい。これによれば、符号化部に供給針から漏れた液体が到達する可能性を低減することができ、符号化部を良好に読み取ることができる。
、前記カバー部材は、環状の開口を有する側面であって、前記回路基板と前記流路部材とを収容する側面と、前記側面の開口側において、前記側面と連なるシール部分であって、前記ホルダー部材と前記側面との間をシールするシール部分と、を有し、前記シール部分は、環状に沿って前記側面よりも環状の内側に凹んでおり、前記切り欠け部からこぼれた液体を収容することが好ましい。これによれば、シール部分の凹部に、カバー部材の側面を伝って落ちてきた液体を貯留することができ、当該液体が液体噴射面等に付着することを抑制することができる。
、前記供給針は、複数あり、前記切り欠け部は、複数あり、前記シール部分は、複数の前記切り欠け部からこぼれた液体を共通して収容し、前記ホルダー部材は、前記シール部分により収容される液体の量が、前記シール部分が収容可能な量を超えた場合に、前記ヘッド本体から液体が噴射される被記録媒体上に液体を導くための排出流路を有することが好ましい。これによれば、排出流路により、シール部分の凹部に収容された液体を被記録媒体上に排出することができる。したがって、供給針において液体漏れが生じると、当該液体は、速やかに被記録媒体に排出される。被記録媒体には、意図しない液滴が付着することになるので、液体噴射ヘッドにて液体漏れが生じたことを早く発見することができる。さらに、本態様では、複数の供給針で漏れた液体を一つのシール部分に集中的に収容することができる。このため、シール部分に流入する液体の量が、シール部分に収容可能な液体の量を超えるまでに要する時間は短縮される。すなわち、このような液体噴射記録ヘッドによれば、短時間で供給針から被記録媒体に液体が到達するので、供給針で生じた液体漏れをより一層早く発見することができる。
発明の他の態様は、上記液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体の浸入を抑制するシールを確保し、かつ液体噴射面の変形を抑えて噴射品質が向上した液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置が提供される。
インクジェット式記録装置の平面図である。 インクジェット式記録装置の側面図及びその拡大図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの底面図である。 記録ヘッドのカバー部材を取り外した平面図である。 記録ヘッドのカバー部材及び流路部材を取り外した平面図である。 図9のB−B′線断面図である。 図9のC−C′線断面図である。 図9のD−D′線断面図である。 ホルダー部材の底面図である。 カバー部材の底面図である。 図7のE−E′線断面図である。 カバー部材の剛性部分を示す要部断面図である。 変形例に係る記録ヘッドの平面図である。 図18のF−F′線断面図である。 変形例に係る記録ヘッドの概略側面図及び概略平面図である。 記録ヘッド及びローラーユニットの斜視図である。 記録ヘッド及びローラーユニットの液体噴射面側からの平面図である。 図22のG−G′線断面図である。 図22のH−H′線断面図である。 ヘッド本体の分解斜視図である。 ヘッド本体の液体噴射面側の平面図である。 図26のI−I′線断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの露出部周辺を拡大した平面図及びその断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの露出部周辺を拡大した平面図及びその断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの露出部周辺を拡大した平面図及びその断面図である。 実施形態3に係る記録ヘッドを第2の方向Yからみた側面図である。 実施形態4に係る記録ヘッドを第2の方向Yからみた側面図である。
〈実施形態1〉
本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。インクジェット式記録ヘッドは液体噴射ヘッドの一例であり、単に記録ヘッドともいう。インクジェット式記録装置は、液体噴射装置の一例である。図1は、本実施形態1に係るインクジェット式記録装置を模式的に示した平面図であり、図2は、インクジェット式記録装置の側面図及びその拡大図である。
インクジェット式記録装置1は、被噴射媒体である記録シートSを搬送するだけで印刷を行う、所謂ライン式のインクジェット式記録装置1である。
記録シートSの搬送方向を第2の方向Yと称し、記録シートSのインクが着弾する着弾面S1の面内方向において、第2の方向Yに直交する方向を第1の方向Xと称する。また、第1の方向X及び第2の方向Yの双方に直交する方向、すなわち、記録シートSの着弾面S1に直交する方向を第3の方向Zと称する。本実施形態では、各方向(X、Y、Z)が互いに直交するものを例示したが、必ずしもこれに限定されない。
インクジェット式記録装置1は、記録ヘッド2と、記録ヘッド2が搭載されたキャリッジ3と、インクを貯留したインクタンク等の液体貯留手段4と、第1搬送手段5と、第2搬送手段6と、装置本体7と、メンテナンス手段400とを具備する。
記録ヘッド2は、第1の方向Xに沿って延在している。本実施形態では、詳しくは後述するが、記録ヘッド2には、複数のヘッド本体200(図8参照)が第1の方向Xに沿って並設されたヘッド列202を、第2の方向Yに複数列、本実施形態では、2列設けるようにした。もちろん、ヘッド本体200のヘッド列202の数は、特にこれに限定されず、3列以上であってもよい。このようなヘッド本体200は、インクを噴射する液体噴射面20aがZ1側となるように配置されている。
液体貯留手段4は、記録ヘッド2にインクを供給するためのものであり、本実施形態では、装置本体7に固定されている。装置本体7に固定された液体貯留手段4からのインクはチューブ等の供給管8を介して記録ヘッド2に供給される。なお、ヘッドユニット2が液体貯留手段4を具備する態様、例えば、記録ヘッド2の第3の方向Zの上方、すなわち、記録シートSとは反対側に、ヘッドユニット2が液体貯留手段4を搭載するようにしてもよい。
第1搬送手段5は、記録ヘッド2の第2の方向Yの一方側、本実施形態では、Y1側に設けられている。なお、本実施形態では、第2の方向Yにおいて、記録ヘッド2に対して一方側をY1側と称し、他方側をY2側と称する。
第1搬送手段5は、第1搬送ローラー501と、第1搬送ローラー501に従動する第1従動ローラー502と、を具備する。第1搬送ローラー501は、記録シートSの着弾面S1とは反対側の裏面S2側に設けられており、第1駆動モーター503の駆動力によって駆動される。また、第1従動ローラー502は、記録シートSの着弾面S1側に設けられており、第1搬送ローラー501との間で記録シートSを挟持する。このような第1従動ローラー502は、図示しないばね等の付勢部材によって記録シートSを第1搬送ローラー501側に向かって押圧している。
第2搬送手段6は、搬送ベルト601、第2駆動モーター602、第2搬送ローラー603、第2従動ローラー604、テンションローラー605及びローラーユニット610を具備する。
第2搬送ローラー603は、第2駆動モーター602の駆動力によって駆動される。搬送ベルト601は、無端ベルトからなり、第2搬送ローラー603と第2従動ローラー604との外周に掛けられている。このような搬送ベルト601は、記録シートSの裏面S2側に設けられている。テンションローラー605は、第2搬送ローラー603と第2従動ローラー604との間に設けられて、搬送ベルト601の内周面に当接し、ばね等の付勢部材606の付勢力によって搬送ベルト601に張力を付与している。これにより、搬送ベルト601は、第2搬送ローラー603と第2従動ローラー604との間で記録ヘッド2に相対向する面が平坦になっている。
ローラーユニット610は、記録シートSの着弾面S1側に設けられたものであり、記録シートSの着弾面S1側に複数のヘッド内ローラー及びヘッド外ローラーを有する。このローラーユニット610は、ヘッド内ローラー及びヘッド外ローラーと搬送ベルト601との間で記録シートSを挟持する。なお、ローラーユニット610については詳しくは後述する。
このようなインクジェット式記録装置1では、第1搬送手段5及び第2搬送手段6によって記録シートSを、記録ヘッド2に対して第2の方向YにY1からY2側に向かって搬送しながら、記録ヘッド2の各インクジェット式記録ヘッドからインクを噴射させて、噴射したインクを記録シートSの着弾面S1に着弾させる、所謂、印刷を行う。
また、インクジェット式記録装置1のキャリッジ3は、複数の記録ヘッド2を搭載し、キャリッジ軸9に軸方向移動可能に設けられている。キャリッジ軸9は、軸方向が第1の方向Xと一致するように配置されており、図示しない駆動モーターの駆動力が歯車やベルトを介してキャリッジ3に伝達されることで、キャリッジ3は、キャリッジ軸9の軸方向に移動される。また、キャリッジ3又はキャリッジ軸9は、図示しない昇降手段によって装置本体7に対して着弾面S1に直交する方向、すなわち、第3の方向Zに移動可能に設けられている。本実施形態では、印刷時の記録シートSの着弾面S1に直交する方向に記録ヘッド2が移動することを昇降と称する。すなわち、第3の方向Zにおいて、印刷時の記録シートS側であるZ1側から記録シートSとは離れたZ2側に記録ヘッド2が移動することを上昇すると言い、印刷時の記録シートSとは離れたZ2側から記録シートS側であるZ1側に記録ヘッド2が移動することを下降すると言う。
このようなキャリッジ3は、記録ヘッド2が搬送ベルト601に相対向してインクを噴射して記録シートSに着弾させる着弾位置から、図示しない昇降手段によって第3の方向ZのZ2側に上昇した後、キャリッジ軸9の軸方向である第1の方向Xに移動することで、記録シートSや搬送ベルト601に相対向しないメンテナンス位置に移動する。そして、メンテナンス位置には、記録ヘッド2をメンテナンスするメンテナンス手段400が設けられている。なお、本実施形態では、第1の方向Xにおいて、装置本体7の内部の搬送ベルト601等の第2搬送手段6が設けられた側をX1側と称し、メンテナンス手段400が設けられたメンテナンス位置側をX2側と称する。
メンテナンス手段400は、本実施形態では、液体噴射面をワイピングするブレードを有するワイピング手段410と、液体噴射面を覆うキャップを有するキャッピング手段420と、を具備する。
ワイピング手段410は、記録ヘッド2の各ヘッド本体200の液体噴射面20aを払拭する部材であり、第2の方向Yに沿って相対移動が可能なように装置本体7に設けられている。メンテナンス位置に移動された記録ヘッド2に対し、ワイピング手段410をヘッド本体200の液体噴射面20aに接触させ、第2の方向Yに移動させることで、ヘッド本体200の液体噴射面20aを払拭することができる。
キャッピング手段420は、ヘッド本体200毎に設けられたゴム等で形成されたキャップと、当該キャップを保持するキャップ保持部とを具備する。キャップは、各ヘッド本体200の液体噴射面20aに当接して、複数のノズル開口の全てを覆う大きさで設けられている。キャップが液体噴射面20aを覆うと、それらの間に密封空間が形成される。キャップ保持部の内部には図示しない吸引路が設けられている。この吸引路は、一端が前記密封空間に連通し、他端が吸引ポンプ等の吸引装置に連通している。このようなキャッピング手段420は、キャップによってヘッド本体200の液体噴射面20aを覆った状態で、吸引装置に吸引動作を行わせる。このような吸引動作により、キャップにより形成された密封空間の内部が負圧となり、ノズル開口21から流路内のインクが気泡等の異物と共に吸引される。また、非印刷時に液体噴射面20aをキャップで覆うことで、ノズル開口21近傍のインクの乾燥を抑制してもよい。
なお、メンテナンス位置には、メンテナンス手段400として、ワイピング手段410のみ、又はキャッピング手段420のみを設けてもよい。さらには、インクジェット式記録装置1にメンテナンス位置に記録ヘッド2を移動させる機構や、メンテナンス位置自体を設けなくてもよい。
図3は本実施形態に係る記録ヘッドの斜視図であり、図4は記録ヘッドの分解斜視図であり、図5は記録ヘッドの分解斜視図であり、図6は記録ヘッドの分解斜視図である。
図示するように、上述した記録ヘッド2は、複数のヘッド本体200と、第3の方向Zの一方面側であるZ1側に複数のヘッド本体200を保持するホルダー部材210と、ホルダー部材210の第3の方向ZのZ2側の面に固定された回路基板220と、ホルダー部材210のZ2側の面に固定された第1矯正板230と、ホルダー部材210のZ1側の面に固定された第2矯正板280と、ホルダー部材210のZ2側の面に固定された流路部材240と、ホルダー部材210のZ2側の面に固定されて内部に回路基板220、第1矯正板230及び流路部材240を収容するカバー部材250と、複数のヘッド本体200を固定する固定板260とを具備する。
まず、液滴の一例としてインク滴を噴射するヘッド本体200について、図25〜図27を参照して説明する。図25はヘッド本体の分解斜視図であり、図26はヘッド本体の液体噴射面側の平面図であり、図27は図26のI−I′線断面図である。
ヘッド本体200は、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20、保護基板30、コンプライアンス基板45及びケース部材40等の複数の部材で構成されている。
流路形成基板10には、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12が並設されている。記録ヘッド2は、ヘッド本体200の圧力発生室12の並設方向が第1の方向Xとなるようにインクジェット式記録装置1に搭載される。以降、圧力発生室12の並設方向を第1の方向Xとも称する。また、流路形成基板10には、第1の方向Xに圧力発生室12が並設された列が複数列、本実施形態では2列、第1の方向Xと直交する第2の方向Yに並設されている。
流路形成基板10は、ステンレス鋼やNiなどの金属、ZrOあるいはAlを代表とするセラミック材料、ガラスセラミック材料、MgO、LaAlOのような酸化物などを用いることができる。本実施形態では、流路形成基板10は、シリコン単結晶基板からなる。この流路形成基板10には、一方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12がインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。
流路形成基板10の第3の方向ZのZ1側には、連通板15とノズルプレート20とが順次積層されている。すなわち、流路形成基板10の第3の方向ZのZ1側の面に設けられた連通板15と、連通板15の流路形成基板10とは反対面側、すなわち連通板15のZ1側の面に設けられたノズル開口21を有するノズルプレート20と、を具備する。
連通板15には、圧力発生室12とノズル開口21とを連通するノズル連通路16が設けられている。連通板15は、流路形成基板10よりも大きな面積を有し、ノズルプレート20は流路形成基板10よりも小さい面積を有する。このように連通板15を設けることによってノズルプレート20のノズル開口21と圧力発生室12とを離せるため、圧力発生室12の中にあるインクは、ノズル開口21付近のインクで生じるインク中の水分の蒸発による増粘の影響を受け難くなる。また、ノズルプレート20は圧力発生室12とノズル開口21とを連通するノズル連通路16の開口を覆うだけでよいので、ノズルプレート20の面積を比較的小さくすることができ、コストの削減を図ることができる。
また、連通板15には、マニホールド100の一部を構成する第1マニホールド部17と、第2マニホールド部18(絞り流路、オリフィス流路)とが設けられている。
第1マニホールド部17は、連通板15を厚さ方向に貫通して設けられている。ここでいう厚さ方向とは、連通板15と流路形成基板10とが積層された第3の方向Zである。第2マニホールド部18は、連通板15を厚さ方向に貫通することなく、連通板15のノズルプレート20側に開口して設けられている。
連通板15には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部に連通する供給連通路19が、圧力発生室12毎に独立して設けられている。この供給連通路19は、第2マニホールド部18と圧力発生室12とを連通する。
このような連通板15としては、ステンレスやニッケル(Ni)などの金属、またはジルコニウム(Zr)などのセラミックス等を用いることができる。なお、連通板15は、流路形成基板10と線膨張係数が同等の材料が好ましい。すなわち、連通板15として流路形成基板10と線膨張係数が大きく異なる材料を用いた場合、加熱や冷却されることで、流路形成基板10及び連通板15に反りが生じてしまう。本実施形態では、連通板15として流路形成基板10と同じ材料、すなわち、シリコン単結晶基板を用いることで、熱による反りや熱によるクラック、剥離等の発生を抑制することができる。
ノズルプレート20には、各圧力発生室12とノズル連通路16を介して連通するノズル開口21が形成されている。このようなノズル開口21は、第1の方向Xに並設され、この第1の方向Xに並設されたノズル開口21の列が第2の方向Yに2列形成されている。また、ノズルプレート20の両面のうちインク滴を吐出する面、すなわち圧力発生室12とは反対側の面を液体噴射面20aと称する。
このようなノズルプレート20としては、例えば、ステンレス(SUS)等の金属、ポリイミド樹脂のような有機物、又はシリコン単結晶基板等を用いることができる。なお、ノズルプレート20としてシリコン単結晶基板を用いることで、ノズルプレート20と連通板15との線膨張係数を同等として、加熱や冷却されることによる反りや熱によるクラック、剥離等の発生を抑制することができる。
一方、流路形成基板10の連通板15とは反対面側には、振動板50が形成されている。本実施形態では、振動板50として、流路形成基板10側に設けられた酸化シリコンからなる弾性膜51と、弾性膜51上に設けられた酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜52と、を設けるようにした。なお、圧力発生室12等の液体流路は、流路形成基板10を一方面側(ノズルプレート20が接合された面側)から異方性エッチングすることにより形成されており、圧力発生室12等の液体流路の他方面は、弾性膜51によって画成されている。
流路形成基板10の振動板50上には、本実施形態の圧力発生手段である、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とを有する圧電アクチュエーター130が設けられている。ここで、圧電アクチュエーター130は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電アクチュエーター130の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極を圧力発生室12毎にパターニングして構成する。本実施形態では、第1電極60を複数の圧電アクチュエーター130に亘って連続して設けることで共通電極とし、第2電極80を圧電アクチュエーター130毎に独立して設けることで個別電極としている。もちろん、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。なお、上述した例では、振動板50が弾性膜51及び絶縁体膜52で構成されたものを例示したが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、振動板50として弾性膜51及び絶縁体膜52の何れか一方を設けたものであってもよく、また、振動板50として弾性膜51及び絶縁体膜52を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電アクチュエーター130自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
圧電体層70は、分極構造を有する酸化物の圧電材料からなり、例えば、一般式ABOで示されるペロブスカイト型酸化物からなることができ、鉛を含む鉛系圧電材料や鉛を含まない非鉛系圧電材料などを用いることができる。
このような圧電アクチュエーター130の個別電極である各第2電極80には、供給連通路19とは反対側の端部近傍から引き出され、振動板50上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90の一端部がそれぞれ接続されている。
また、リード電極90の他端部には、圧電アクチュエーター130を駆動するための駆動回路120が設けられた配線基板121が接続されている。配線基板121は、可撓性(フレキシブル)のあるシート状のもの、例えば、COF基板等を用いることができる。なお、配線基板121には、駆動回路120を設けなくてもよい。つまり、配線基板121は、COF基板に限定されず、FFC、FPC等であってもよい。
流路形成基板10の圧電アクチュエーター130側の面には、流路形成基板10と略同じ大きさを有する保護基板30が接合されている。保護基板30は、圧電アクチュエーター130を保護するための空間である保持部31を有する。保持部31は、保持部31は、保護基板30を厚さ方向である第3の方向Zに貫通することなく、流路形成基板10側に開口する凹形状を有する。また、保持部31は、第1の方向Xに並設された複数の圧電アクチュエーター130により構成される列毎に独立して設けられている。すなわち、保持部31は、圧電アクチュエーター130の第1の方向Xに並設された列を収容するように設けられており、圧電アクチュエーター130の列毎、すなわち2つが第2の方向Yに並設されている。このような保持部31は、圧電アクチュエーター130の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
保護基板30は、厚さ方向である第3の方向Zに貫通した貫通孔32を有する。貫通孔32は、第2の方向Yに並設された2つの保持部31の間に複数の圧電アクチュエーター130の並設方向である第1の方向Xに亘って設けられている。つまり、貫通孔32は、複数の圧電アクチュエーター130の並設方向に長辺を有した開口とされている。リード電極90の他端部は、この貫通孔32内に露出するように延設され、リード電極90と配線基板121とが貫通孔32内で電気的に接続されている。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。また、流路形成基板10と保護基板30との接合方法は特に限定されず、例えば、本実施形態では、流路形成基板10と保護基板30とは接着剤(図示せず)を介して接合されている。
ケース部材40は、平面視において上述した連通板15と略同一形状を有し、保護基板30に接合されると共に、上述した連通板15にも接合されている。具体的には、ケース部材40は、保護基板30側に流路形成基板10及び保護基板30が収容される深さの凹部41を有する。この凹部41は、保護基板30の流路形成基板10に接合された面よりも広い開口面積を有する。そして、凹部41に流路形成基板10等が収容された状態で凹部41のノズルプレート20側の開口面が連通板15によって封止されている。これにより、流路形成基板10の外周部には、ケース部材40によって第3マニホールド部42が画成されている。そして、連通板15に設けられた第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18と、ケース部材40によって画成された第3マニホールド部42と、によって本実施形態のマニホールド100が構成されている。すなわち、マニホールド100は、第1マニホールド部17、第2マニホールド部18及び第3マニホールド部42を具備する。
本実施形態のマニホールド100は、第2の方向Yにおいて、2列の圧力発生室12の両外側に配置されており、2列の圧力発生室12の両外側に設けられた2つのマニホールド100は、ヘッド本体200内では連通しないようにそれぞれ独立して設けられている。すなわち、本実施形態の圧力発生室12の列毎に1つのマニホールド100が連通して設けられている。言い換えると、ノズル群毎にマニホールド100が設けられている。もちろん、2つのマニホールド100は、連通していてもよい。
また、ケース部材40は、マニホールド100に連通した導入口44を有している。導入口44からインクがマニホールド100に導入される。なお、詳細は後述するが、導入口44は、ホルダー部材210に形成された第1接続流路213、第2接続流路214に連通しており、第1接続流路213及び第2接続流路214からインクが導入口44に供給されるようになっている。
また、ケース部材40には、保護基板30の貫通孔32に連通して配線基板121が挿通される接続口43が設けられている。なお、詳細は後述するが、接続口43は、ホルダー部材210に形成された第1配線挿通孔212、及びホルダー部材210を補強する第2矯正板280に形成された第2配線挿通孔282に連通している。すなわち、接続口43、第1配線挿通孔212及び第2配線挿通孔282は連通して一つの挿通孔を形成し、当該挿通孔に配線基板121が挿通されている。
ケース部材40の材料としては、例えば、樹脂や金属等を用いることができる。ちなみに、ケース部材40として、樹脂材料を成形することにより、低コストで量産することができる。
連通板15の第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18が開口する面には、コンプライアンス基板45が設けられている。コンプライアンス基板45は、平面視において上述した連通板15と略同じ大きさを有し、ノズルプレート20を露出する第1露出開口部45aが設けられている。そして、このコンプライアンス基板45が第1露出開口部45aによってノズルプレート20を露出した状態で、第1マニホールド部17と第2マニホールド部18の液体噴射面20a側の開口を封止している。すなわち、コンプライアンス基板45がマニホールド100の一部を画成している。
本実施形態に係るコンプライアンス基板45は、封止膜46と、固定基板47と、を具備する。封止膜46は、可撓性を有するフィルム状の薄膜(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等により形成された厚さが20μm以下の薄膜)からなり、固定基板47は、ステンレス鋼(SUS)等の金属等の硬質の材料で形成される。この固定基板47のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部48となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜46のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部49となっている。本実施形態では、1つのマニホールド100に対応して1つのコンプライアンス部49が設けられている。すなわち、本実施形態では、マニホールド100が2つ設けられているため、ノズルプレート20を挟んで第2の方向Yの両側に2つのコンプライアンス部49が設けられている。
このような構成のヘッド本体200では、インクを噴射する際に、導入口44を介してインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで流路内部をインクで満たす。その後、駆動回路120からの信号に従い、圧力発生室12に対応する各圧電アクチュエーター130に電圧を印加することにより、圧電アクチュエーター130と共に振動板50をたわみ変形させる。これにより、圧力発生室12内の圧力が高まり所定のノズル開口21からインク滴が噴射される。
上述したヘッド本体200は、記録ヘッド2に保持されている。ここで、記録ヘッド2について、図3〜図6、さらに図7〜図17を参照して説明する。図7は記録ヘッドの平面図であり、図8は記録ヘッドの底面図であり、図9は記録ヘッドのカバー部材を取り外した平面図であり、図10は記録ヘッドのカバー部材及び流路部材を取り外した平面図であり、図11は図9及び図10のB−B′線断面図であり、図12は図7〜図9のC−C′線であり、図13は図7〜図9のD−D′線断面図であり、図14(a)は第2矯正板が固定されたホルダー部材の底面図であり、図14(b)はホルダー部材の底面図であり、図15はカバー部材の底面図であり、図16は図7〜図9及び図15のE−E′線断面図であり、図17はカバー部材の剛性部分を示す要部断面図である。なお、図7、図9、図10の平面とは第3の方向ZにおけるZ2側の面であり、図8、図14、図15の底面とは第3の方向ZにおけるZ1側の面である。
図5、図6及び図8に示すように、本実施形態では、1つの記録ヘッド2に、4個のヘッド本体200が第1の方向Xに沿って千鳥状に配置されている。具体的には、第1の方向Xに第1の間隔203Aを空けて配置された第1ヘッド列202Aと、第1の方向Xに第2の間隔203Bを空けて配置された第2ヘッド列202Bとを有している。各ヘッド本体200は、ノズル開口21の並設方向が記録ヘッド2の第1の方向Xとなるように保持される。
Y1側に設けられたヘッド列202を第1ヘッド列202Aと称し、Y2側に設けられたヘッド列202を第2ヘッド列202Bと称する。また、第1ヘッド列202AのX1側のヘッド本体200をヘッド本体200A1と称し、X2側のヘッド本体200をヘッド本体200A2と称する。また、第2ヘッド列202BのX1側のヘッド本体200をヘッド本体200B1と称し、X2側のヘッド本体200をヘッド本体200B2と称する。
各ヘッド本体200は、第1ヘッド列202Aと第2ヘッド列202Bとが、第1の方向Xに直交する第2の方向Yにおいて異なる位置に配置され、かつ、第1ヘッド列202Aの何れかのヘッド本体200が、第1の方向Xにおいて第2の間隔203Bが設けられた位置に配置され、第2ヘッド列202Bの何れかのヘッド本体200が第1の間隔203Aが設けられた位置に配置されている。
すなわち、第1ヘッド列202Aと第2ヘッド列202Bとは、第1の方向Xに互いにずれて配置されている。第1ヘッド列202Aと第2ヘッド列202Bとの第1の方向Xへのずれ量は、ヘッド列202を構成するヘッド本体200のピッチの半分である。本実施形態では、第1ヘッド列202Aを第2ヘッド列202Bに対してX2側にずらして配置した。すなわち、第1ヘッド列202Aにおいて第1の方向Xで互いに隣り合うヘッド本体200の第1の間隔203Aは、第2ヘッド列202Bを構成するヘッド本体200、本実施形態では、ヘッド本体200B2に第2の方向Yで相対向して設けられている。また、第2ヘッド列202Bにおいて第1の方向Xで互いに隣り合うヘッド本体200の第2の間隔203Bは、第1ヘッド列202Aを構成するヘッド本体200、本実施形態では、ヘッド本体200A1に第2の方向Yで相対向して設けられている。このように第1ヘッド列202A及び第2ヘッド列202Bを配置することで、4つのヘッド本体200によって、ノズル開口21を同一ピッチで第1の方向Xに亘って連続して並設することができる。
図9〜図14及び図27に示すように、ホルダー部材210は、記録シートSに相対向する面、すなわち、第3の方向ZのZ1側の面に複数のヘッド本体200を保持する。具体的には、ホルダー部材210のZ1側の面には、当該Z1側に開口する凹形状を有するヘッド保持部211が設けられている。ヘッド保持部211は、後述する第2矯正板280を収容し、さらに、固定板260により固定された複数のヘッド本体200を収容する。ヘッド保持部211の開口は固定板260により封止される。すなわち、ヘッド保持部211及び固定板260により形成された内部にヘッド本体200及び第2矯正板280が収容されている。
ヘッド保持部211は、第1ヘッド列202A及び第2ヘッド列202Bを構成するように配置された各ヘッド本体200が収容可能な形状となっている。本実施形態では、第1ヘッド列202A及び第2ヘッド列202Bを構成するヘッド本体200の位置に対向するように、各ヘッド本体200よりも若干大きな長方形状の開口を有する4つの凹部を連通させることでヘッド保持部211が形成されている。換言すると、略長方形状の外形を有するホルダー部材210のZ1側の表面に、後述する第1収容部215及び第2収容部216以外の領域に凹部を設けることでヘッド保持部211が形成されている。
また、詳細は後述するが、ホルダー部材210には第1流路の一例として第1接続流路213A、213B、第2接続流路214A、214Bが設けられている。第1流路は、ホルダー部材210に設けられた流路であって、流路部材240からインクが供給され、該インクをヘッド本体200に供給する流路である。
第1接続流路213は、第3の方向Zに対して傾斜してホルダー部材210に設けられた流路である。本実施形態では、ホルダー部材210には、X1側の流路部材240、ヘッド本体200A1及びヘッド本体200B1に対して、第1接続流路213として第1接続流路213A及び第1接続流路213Bの2つが設けられている。また、ホルダー部材210には、X2側の流路部材240、ヘッド本体200A2及びヘッド本体200B2についても同様に、第1接続流路213として第1接続流路213A及び第1接続流路213Bの2つが設けられている。
第1接続流路213Aは、流路部材240の第2供給流路323(2つあるうちのX2側の第2供給流路323a)と、第1ヘッド列202AのX1側のヘッド本体200A1のY2側の導入口44とを連通する。第1接続流路213Bは、流路部材240の第1供給流路313(2つあるうちのX1側の第1供給流路313b)と、第2ヘッド列202BのX1側のヘッド本体200B1のY1側の導入口44とを連通する。なお、X2側の流路部材240とヘッド本体200A2及びヘッド本体200B2とを接続する第1接続流路についても同様である。
また、ヘッド保持部211の底面には、第3の方向ZのZ1側に突出した突起部217が設けられており、第1接続流路213A及び213BのZ1側の開口は、突起部217の頂面に開口している。第1接続流路213AのZ2側の開口は、後述する流路部材240の第2供給路323aに対向する位置に開口している。第1接続流路213BのZ2側の開口は、後述する流路部材240の第1供給路313bに対向する位置に開口している。なお、X2側の流路部材240とヘッド本体200A2及びヘッド本体200B2とを接続する第1接続流路についても同様である。
第2接続流路214は、第3の方向Zに沿ってホルダー部材210に延設された流路である。本実施形態では、ホルダー部材210には、X1側の流路部材240、ヘッド本体200A1及びヘッド本体200B1に対して、第2接続流路214として第2接続流路214A及び第2接続流路214Bの2つが設けられている。また、ホルダー部材210には、X2側の流路部材240、ヘッド本体200A2及びヘッド本体200B2についても同様に、第2接続流路214として第2接続流路214A及び第2接続流路214Bの2つが設けられている。
第2接続流路214Aは、流路部材240の第1供給流路313(2つあるうちのX2側の第1供給流路313a)と、第1ヘッド列202AのX1側のヘッド本体200A1のY1側の導入口44とを連通する。第2接続流路214Bは、流路部材240の第2供給流路323(2つあるうちのX1側の第2供給流路323b)と、第2ヘッド列202BのX1側のヘッド本体200B1のY2側の導入口44とを連通する。なお、X2側の流路部材240とヘッド本体200A2及びヘッド本体200B2とを接続する第2接続流路についても同様である。
また、ヘッド保持部211の底面には、第3の方向ZのZ1側に突出した突起部217が設けられており、第2接続流路214A及び214BのZ1側の開口は、突起部217の頂面に開口している。第2接続流路214AのZ2側の開口は、後述する流路部材240の第1供給路313aに対向する位置に開口している。第2接続流路214BのZ2側の開口は、後述する流路部材240の第2供給路323bに対向する位置に開口している。なお、X2側の流路部材240とヘッド本体200A2及びヘッド本体200B2とを接続する第1接続流路についても同様である。
さらに、ホルダー部材210には、ヘッド保持部211の底面に開口した第1配線挿通孔212が設けられている。第1配線挿通孔212は、ヘッド保持部211と、ホルダー部材210のZ2側とを貫通している。
このようなヘッド保持部211には、第2矯正板280が収容されている。第2矯正板280は、ホルダー部材210のZ1側の面に固定された板状部材からなり、液体噴射面20aの面方向、すなわち、第1の方向X及び第2の方向Yを含む方向が面方向となるように配置されている。本実施形態では、ヘッド保持部211に収容可能な形状に形成されており、具体的には、略長方形状の板状部材のうち第1収容部215及び第2収容部216に対向する領域を切り欠くことで形成されている。
また、第2矯正板280は、液体噴射面20aに対する平面視において、全てのヘッド本体200の液体噴射面20a、すなわちノズルプレート20を覆う大きさを有している。このような第2矯正板280は、例えば、接着剤によりヘッド保持部211に収容されて接着されている。もちろん、ヘッド保持部211は接着剤によらず、例えばネジなどの固定手段によってホルダー部材210に固定されていてもよいし、ホルダー部材210と他の部材(例えば、ヘッド本体200など)との間に挟持されることでホルダー部材に固定されていてもよい。
第2矯正板280には、ホルダー部材210に設けられた第1配線挿通孔212に連通する第2配線挿通孔282が形成されている。第1配線挿通孔212と第2配線挿通孔とが連通して一つの連通孔となっている。ヘッド保持部211内に保持されたヘッド本体200の配線基板121は、第1配線挿通孔212及び第2配線挿通孔282を介してホルダー部材210のZ2側に引き出されて、配線基板121の引き出された端部が回路基板220と接続される。
また、第2矯正板280には、第3の方向Zに貫通した開口281が設けられている。開口281は、ホルダー部材210に設けられた突起部217が挿通する程度の開口形状とされている。この開口281を挿通した突起部217は、ヘッド本体200のケース部材40に接着され、突起部217の頂面に開口した第1接続流路213及び第2接続流路214がヘッド本体200の導入口44に連通している。
このように、ホルダー部材210には、第2接続流路214が第3の方向Zに沿って直線状に延設されている。また、第2矯正板280には、第3の方向Zに貫通した開口281が設けられている。第2接続流路214が開口した突起部217を第3の方向Zに沿って開口281に挿通させることで、第2接続流路214をヘッド本体の導入口44に連通させることができる。このような構成の第2矯正板の開口281によれば、第3の方向Zに沿った貫通孔として形成すればよいので、第2矯正板280の加工が容易である。すなわち、第2接続流路214と同様に第3の方向Zに対して傾斜して設ける必要はない。
第2矯正板280は、ホルダー部材210よりも高い剛性を有する材料、例えば、金属板等からなり、ホルダー部材210に接合することで、ホルダー部材210の第1の方向X及び第2の方向Yを含む平面における歪みやねじれを矯正する。つまり、ホルダー部材210の製造時や加熱時に歪みやねじれが生じたとしても、ホルダー部材210の歪みやねじれを矯正した状態でホルダー部材210に第2矯正板280を接合することで、ホルダー部材210の歪みやねじれを矯正した状態を維持することができる。これにより、ホルダー部材210のヘッド本体200が接合されるZ1側の面の平面度を向上して、記録シートSへのインクの着弾位置ずれを抑制することができる。
また、上述したように第2矯正板280は、全てのヘッド本体200の液体噴射面20aであるノズルプレート20を覆う大きさを有し、ホルダー部材210に接合されている。すなわち、第2矯正板280は、全てのヘッド本体200を保持するホルダー部材210に接着されるので、製造時等における歪みやねじれをより確実に矯正することができる。さらには、第2矯正板280により記録ヘッド2の剛性を向上することができる。
図3、図5、図6、図8及び図27に示すように、第2矯正板280及びヘッド本体200をヘッド保持部211に保持したホルダー部材210のZ1側の面には、ヘッド保持部211の開口を覆う固定板260が設けられている。
固定板260は、ヘッド本体200が固定される部材である。本実施形態では、固定板260は、平板状の部材を折り曲げることで形成されており、液体噴射面20a側に設けられたノズル面形成部263と、ノズル面形成部263の外縁の一部が第3の方向ZのZ2側に屈曲して設けられた折り曲げ部261とを具備する。
また、固定板260のノズル面形成部263には、ヘッド本体200の液体噴射面20aを露出する第2露出開口部262が形成されている。第2露出開口部262は、各ヘッド本体200の液体噴射面20aを独立して露出するように4つ形成されている。
このような固定板260は、ヘッド本体200のコンプライアンス基板45の連通板15とは反対側である第3の方向ZのZ1側に接合されている。なお、固定板260は、コンプライアンス部49を封止しており、コンプライアンス部49にインクが付着することを抑制している。
そして、固定板260のノズル面形成部263のうちホルダー部材210に対向する部分と、折り曲げ部261とがホルダー部材210に接着剤やネジなどの固定手段により固定されている。すなわち、複数のヘッド本体200が固定板260に固定された状態でホルダー部材210のヘッド保持部211に収容されている。
また、固定板260に固定された各ヘッド本体200は、ケース部材40のZ2側の表面が第2矯正板280のZ1側の面に接着剤により接着されている。なお、当該接着剤は、ケース部材40の導入口44と、導入口44に連通した第1接続流路213及び第2接続流路214との境界からインクが漏れることを抑制するシールとしても機能する。
なお、ヘッド本体200を第2矯正板280に接着せずに、ヘッド本体200と第2矯正板280とを離間した構成としてもよい。
本実施形態のように、ヘッド本体200と第2矯正板280とが接着されていると、ホルダー部材210と固定板260との間に配置される部品は、ヘッド本体200と第2矯正板280の2種である。したがって、それらが収容されるヘッド保持部211の第3の方向Zにおける深さは、ヘッド本体200と第2矯正板280の2種を考慮して寸法公差を設計する必要がある。
一方、ヘッド本体200と第2矯正板280とを離間した構成としては、例えば、ヘッド本体200は、導入口44が第1接続流路213及び第2接続流路214に連通した状態で、Z2側の面がホルダー部材210のZ1側の面に接着され、液体噴射面20a側が固定板260に接着された構成が挙げられる。そして第2矯正板280は、ホルダー部材210のZ1側の面にのみ接着され、ヘッド本体200には接着されていない構成が挙げられる。
このような構成の記録ヘッド2においては、ホルダー部材210と固定板260との間に配置される部品は、実質的にヘッド本体200のみである。したがって、ヘッド保持部211の第3の方向Zにおける深さは、ヘッド本体200の1種を考慮して寸法公差を設計すればよい。このように、ホルダー部材210と固定板260との間の部品点数が減った分、第3の方向Zにおける寸法公差を小さくすることができるので、記録ヘッド2の第3の方向Zにおける小型化を図ることができる。
一方、ホルダー部材210には、第3の方向ZのZ2側の面に、回路基板220、第1矯正板230、流路部材240及びカバー部材250が固定される。
図4、図9〜図13に示すように、回路基板220は、液体噴射面20aに垂直な方向である第3の方向Zに沿った基板225と、基板225の両面に設けられて配線基板121に電気的に接続される接続部226とを備えている。回路基板220は、ホルダー部材210のZ2側の面に起立した状態で固定されている。すなわち、回路基板220は、第1の方向X及び第3の方向Zを含む方向が面方向となった状態で、ホルダー部材210のZ2側の面に固定されている。この回路基板220の固定位置は、ホルダー部材210の第2の方向Yの略中央であって、2列のヘッド列202の間に対応する位置に設けられている。すなわち、各ヘッド列202は、回路基板220を挟んで配置されている。
また、回路基板220には、各ヘッド本体200から引き出された可撓性を有する配線基板121がそれぞれ電気的に接続されている。本実施形態では、回路基板220の第2の方向YのY1側に設けられた第1ヘッド列202Aを構成するヘッド本体200の配線基板121は、回路基板220のY1側の第1面222に接続されている。同様に、回路基板220の第2の方向YのY2側に設けられた第2ヘッド列202Bを構成するヘッド本体200の配線基板121は、回路基板220のY2側の第2面223に接続されている。つまり、各ヘッド本体200の配線基板121は、回路基板220を第2の方向Yに跨ぐことなく、回路基板220の両面にそれぞれ接続されている。
また、本実施形態では、図10に示すように、第1ヘッド列202Aのヘッド本体200から引き出された配線基板121が接続される領域L1と、第2ヘッド列202Bのヘッド本体200から引き出された配線基板121が接続される領域L2とは、第2の方向Yにおいて少なくとも一部が重なるように配置されている。このように回路基板220と配線基板121との接続を回路基板220の第1面222及び第2面223の両面で行うため、第2の方向Yでヘッド本体200の一部が重なり、それぞれの配線基板121の回路基板220に接続される領域L1、L2の一部が互いに第2の方向Yで重なる場合であっても、ヘッド本体200の配線基板121と回路基板220との接続を容易に行うことができる。
これに対して、例えば、回路基板220の一方面のみに全てのヘッド本体200の配線基板121を接続する場合、配線基板121同士が干渉してしまう。このため、配線基板121の接続部分が互いに干渉しないようにするには、配線基板121が回路基板220に接続される部分を第3の方向Zに異なる位置に変更する必要があり、回路基板220が第3の方向Zに大型化してしまう。本実施形態では、回路基板220の両面に配線基板121を接続するため、回路基板220を第3の方向Zに小型化することができる。
なお、第1ヘッド列202Aのヘッド本体200から引き出された配線基板121が接続される領域L1と、第2ヘッド列202Bのヘッド本体200から引き出された配線基板121が接続される領域L2とが第2の方向Yにおいて少なくとも一部が重なる配置となるのは、第1の方向Xの幅が幅広の配線基板121を用いるからである。すなわち、第1の方向Xの幅が幅狭の配線基板121を用いた場合には、配線基板121の回路基板220への接続部分同士が第2の方向Yで重なる位置となることはない。
ただし、ヘッド本体200は、近年、多くのノズル開口を設けた多ノズル化やノズル開口を高密度に配置した高密度化が求められているため、ノズル開口の高密度化に伴い小型化が図られていると共に、多ノズル化に伴い配線数が増加している。したがって、配線基板121の第1の方向Xの幅を狭くするのは困難であり、実質的に配線基板121の第1の方向Xの幅は、ヘッド本体200の第1の方向Xの幅と略同じになる。
また、配線基板121の第1面222と第2面223とに接続される配線基板121が互いに一部が重なるように配置することができるため、第1の方向Xで隣り合うヘッド本体200を第2の方向Yにオーバーラップさせる量を自由に設計することが可能となる。したがって、第1の方向Xで隣り合うヘッド本体200の第2の方向Yで同じ位置となるノズル開口21の数を増やすことができ、ヘッド本体200の第1の方向Xのつなぎ目における印刷品質の劣化を低減することができる。
なお、図12及び図13に示すように、回路基板220の配線基板121が接続される領域L1、L2は、第3の方向Zにおいて、ホルダー部材210の流路部材240の流路300が接続される面よりも液体噴射面20aとは反対側に設けられている。これにより、配線基板121と回路基板220とをヒートツール等によって接続する際に、ホルダー部材210の流路300が接続される部分が干渉することなく、配線基板121と回路基板220とを容易に且つ確実に接続することが可能となる。
また、回路基板220を液体噴射面20aに対して垂直に起立させたので、液体噴射面20aの面方向において、回路基板220が占める領域を小さくできる。これにより記録ヘッド2を液体噴射面20aの面方向で小型化することができる。
また、回路基板220には、第3の方向Zにおいて、ホルダー部材210とは反対側、すなわちZ2側の端部に電子部品の一例であるコネクター221が設けられている。回路基板220のコネクター221は、本実施形態では、2つの流路部材240の間で回路基板220をZ2側に延設し、延設した端部のY1側の面及びY2側の面のそれぞれに設けられている。このようなコネクター221には、図示しない外部配線を介して制御部が接続される。これにより、制御部からの信号等がコネクター221を介して回路基板220に供給され、回路基板220から配線基板121を介してヘッド本体200に供給される。なお、カバー部材250には、コネクター221に対応する領域にコネクター221を外部に露出するためのコネクター露出孔251が設けられており、コネクター露出孔251によって露出されたコネクター221に外部配線が接続される。
図10〜図13に示すように、第1矯正板230は、平面形状であり、ホルダー部材210を矯正するための部材である。具体的には、第1矯正板230は、第1の方向X及び第3の方向Zを含む平面を有する矯正本体部231と、矯正本体部231に設けられて配線基板121が挿通する開口部233と、開口部233の第1の方向Xの両側に設けられた脚部232とを備える。
このような第1矯正板230は、ホルダー部材210のZ2側の面に固定され、回路基板220の両面のそれぞれに対して、相対向するように配置されている。本実施形態では、一組の第1矯正板230がホルダー部材210のZ2側の面に回路基板220を挟んで固定されている。なお、第1矯正板230は二組以上備えられていてもよい。
また、図11に示すように、第1矯正板230は、液体噴射面20aに垂直な方向である第3の方向Zにおいて、回路基板220の接続部226を跨いでいる。ここでいう第1矯正板230が接続部226を跨ぐとは、回路基板220の平面視において、矯正本体部231および脚部233の第3の方向Zの位置が、少なくとも接続部226の第3の方向Zの位置に重なった状態をいう。換言すれば、第3の方向Zに沿った直線が矯正本体部231及び脚部233の少なくとも一部と、接続部226の一部とを通る。本実施形態では、矯正本体部231は、接続部226の第1の方向Xにおける全幅に亘って、第3の方向Zにおいて重なっている。このように矯正本体部231は、接続部226を跨ぐ大きさが接続部226の第1の方向Xにおける全幅になるように形成されているので、ホルダー部材210の矯正をより強固にすることができる。なお、矯正本体部231は、必ずしも回路基板220の接続部226を跨いでいなくてもよい。
また、矯正本体部231に開口部233が設けられていることで、開口部233を有さない第1矯正板230を用いた場合に比較して、記録ヘッド2を第3の方向Zに小型化することができる。
ちなみに、開口部233を有さない第1矯正板を用いた場合、第3の方向Zにおいて第1矯正板のZ2側の頂部を越えるようにして配線基板121を迂回させて回路基板220の接続部226に接合しなければならない。すなわち、回路基板220の接続部226は、第1矯正板230よりも第3の方向ZのZ2側に配置しなければならなくなり、第3の方向Zにおける回路基板220の大きさが大きくなってしまう。
本実施形態では、矯正本体部231が接続部226を跨いでいるので、配線基板121は開口部233を通して接続部226に接続することができる。すなわち、接続部226を少なくとも一部が矯正本体部231に重なる位置に形成することができるので、回路基板220の第3の方向Zにおける回路基板の大きさを小さくすることができる。これにより、記録ヘッド2の第3の方向Zにおける小型化を図ることができる。
このような第1矯正板230は、回路基板220よりも小さな面積を有し、回路基板220の両面側において回路基板220と間隔を開けて配置されている。また、第1矯正板230は、回路基板220と配線基板121とを接続する接続部226と第2の方向Yで対向する位置に、配線基板121を挿通可能な開口部233を有する。この開口部233は、第1矯正板230のホルダー部材210に固定されたZ1側の端部からZ2側の途中まで凹状に切り欠いて形成されている。なお、本実施形態では、第1矯正板230は、ホルダー部材210の第1の方向Xよりも短い長さを有し、2枚の第1矯正板230は、それぞれホルダー部材210の第1の方向XのX1側及びX2側の端部側に配置されている。具体的には、回路基板220よりもY1側に設けられた第1矯正板230は、ホルダー部材210に対してX1側の端部側に設けられており、X2側のヘッド本体200A2の配線基板121に達しない長さで形成されている。つまり、Y1側の第1矯正板230には、ヘッド本体200A1の配線基板121を挿通する開口部233が1つだけ設けられており、X2側のヘッド本体200A2の配線基板121は、第1矯正板230の外側であるX2側で回路基板220に接続されている。また、Y2側に設けられた第1矯正板230は、ホルダー部材210に対してX2側の端部側に設けられており、X1側のヘッド本体200B1に達しない長さで形成されている。つまり、Y2側の第1矯正板230には、ヘッド本体200B2の配線基板121を挿通する開口部233が1つだけ設けられており、X1側のヘッド本体200A1の配線基板121は、第1矯正板230の外側であるX1側で回路基板220に接続されている。このようなY1側及びY2側に設けられた第1矯正板230は、ホルダー部材210の第1の方向Xの中央部において、一部が第2の方向Yで互いに相対向して設けられている。すなわち、2枚の第1矯正板230は、第2の方向Yにおいて重なってホルダー部材210の第1の方向Xの略全体に亘って設けられている。
第1矯正板230は、ホルダー部材210よりも高い剛性を有する材料、例えば、金属板等からなり、ホルダー部材210に接合することで、ホルダー部材210の第3の方向Zへの反りを矯正する。つまり、ホルダー部材210の製造時や加熱時に反りが生じたとしても、ホルダー部材210の反りを矯正した状態でホルダー部材210に第1矯正板230を接合することで、ホルダー部材210の反りを矯正した状態で維持することができる。これにより、ホルダー部材210のヘッド本体200が接合されるZ1側の面の平面度を向上して、記録シートSへのインクの着弾位置ずれを抑制し、噴射品質が向上した記録ヘッド2が得られる。
また、第1矯正板230は、回路基板220と相対向するように回路基板220の両面に配置されている。これにより、第1矯正板230は、製造時等における歪みやねじれを矯正するだけでなく、記録ヘッド2の剛性を向上することにも寄与している。
このようなホルダー部材210の反りを矯正することができる記録ヘッド2の製造方法としては、固定板260が固定されていないホルダー部材210に対して、ホルダー部材210の固定板260が固定される側の面である第3の方向ZにおけるZ1側の面を、例えば、常磐の上に置くなど平坦を担保できる部材の上に載置し、当該ホルダー部材210側に第1矯正板230を押し付けるようにしてホルダー部材210に固定する。これにより、ホルダー部材の成型によって生じた反りを矯正することができる。
なお、第1矯正板230は、上述のように1枚ではホルダー部材210の第1の方向Xの全体に亘る長さで形成されていないが、2枚の第1矯正板230を第1の方向Xに互いにずらして配置することで、2枚の第1矯正板230を第2の方向Yにおいて重なってホルダー部材210の第1の方向Xの略全体に亘って形成することができ、ホルダー部材210の反りを効果的に矯正することができる。ちなみに、1枚の第1矯正板230の長さをホルダー部材210の第1の方向Xの略全体に亘って形成することも考えられるが、第1矯正板230に配線基板121を挿通する開口部233が2つ必要になると共に、開口部233を形成するための余分な領域が必要になり、ホルダー部材210が第1の方向Xに大型化してしまう。本実施形態では、2枚の第1矯正板230のそれぞれに開口部233を1つずつ設けることで、第1矯正板230に余分な領域が不要となり、ホルダー部材210を第1の方向Xに小型化することができる。
また、図10に示すように、回路基板220は、上述したように電子部品の一例としてコネクター221を有する。一組の第1矯正板230が相対向する方向、すなわち第2の方向Yにおけるコネクター221の寸法である幅をW1とする。また、第2の方向Yにおいて、回路基板220と第1矯正板230との間隔をW2とする。
このコネクター221の幅W1は、回路基板220と第1矯正板230との間隔W2よりも大きくなっている。そして、図11に示すように、コネクター221は、回路基板220のうち第1矯正板230が対向しない位置に配置されている。すなわち、回路基板220に対する平面視において、コネクター221は、回路基板220のうち第1矯正板230に重ならない位置に配置されている。本実施形態では、第3の方向Zにおいて、コネクター221は、第1矯正板230よりもZ2側に配置されている。
このように、コネクター221の幅W1が間隔W2よりも大きい場合であっても、コネクター221を第1矯正板230よりもZ2側に配置することで、第1矯正板230を幅W1よりも短い間隔W2となるように回路基板220に近接して配置することができる。換言すれば、コネクター221に干渉しないように幅W1以上に第2の方向Yにおいて第1矯正板230を回路基板220から離隔する必要がない。したがって、記録ヘッド2を第2の方向Yにおいて小型化することができる。
なお、電子部品の一例としては、上述したコネクター221の他に、例えば、コンデンサー、トランジスター及び集積回路等が挙げられる。
上述したように、回路基板220及び第1矯正板230はホルダー部材210のZ2側の面に起立した状態で固定されている。具体的には、図4及び図12に示すように、ホルダー部材210のZ2側の表面には、回路基板220が挿通される凹部として回路基板固定部275及び第1矯正板230が挿通される凹部として矯正板固定部276が設けられている。
回路基板固定部275は、第1の方向Xに沿って長尺に形成され、回路基板220の第1の方向Xにおける幅と略同じ幅で形成されている。また、回路基板固定部275は、第2の方向Yにおいて、ホルダー部材210の略中央に位置している。
回路基板固定部275には、回路基板固定部275の第3の方向ZにおけるZ1側の端部が挿入される。回路基板固定部275に回路基板220が挿入されることで、回路基板220が第3の方向Zに沿って起立した状態でホルダー部材210に固定されている。
矯正板固定部276は、第1の方向Xに沿って長尺に形成され、第1矯正板230の脚部232の第1の方向Xにおける幅と略同じ幅で形成されている。本実施形態では、第1矯正板230の脚部232は2つであるので、一つの第1矯正板230について、2つの矯正板固定部276が第1の方向Xに沿って配置されている。そして、第1の方向Xに並設された二つの矯正板固定部276は、回路基板固定部275を挟んで第2の方向Yの両側に設けられている。
矯正板固定部276には、脚部232の第3の方向ZにおけるZ1側の端部が挿入される。矯正板固定部276に脚部232が挿入されることで、第1矯正板230が第3の方向Zに沿って起立した状態でホルダー部材210に固定されている。なお、矯正板固定部276の深さは、脚部232が矯正板固定部276に挿入された状態において開口部233がホルダー部材210のZ2側の表面上に開口し、配線基板121が挿通できる程度とされている。
そして、第1矯正板230と回路基板220とは、第3の方向Zに対して傾斜した第1接続流路213に沿うようにホルダー部材210に固定されている。
すなわち、図12に示すように、第1接続流路213が延設された方向である第2の方向Y及び第3の方向Zを含む平面視において、第1接続流路213は、第2の方向Yの外側から中心に向かうほど、ホルダー部材210のZ1側の表面との距離が長くなっている。一方、第2の方向Yにおいて第1矯正板230よりも中心側に位置する回路基板220は、第1矯正板230よりもZ1側に深くホルダー部材210の回路基板固定部275に挿入されている。
このように傾斜した第1接続流路213をホルダー部材210に設けることで、第2の方向Yにおける中心部分には、回路基板固定部275を形成可能な領域を矯正板固定部276よりも大きくすることができる。換言すれば、回路基板固定部275を第1接続流路213に干渉させずに形成しやすくなる。
これにより、回路基板固定部275を矯正板固定部276よりも深く形成することができ、回路基板220を深く挿入することができる。これにより、回路基板220の接続部226をZ1側に近づけることが可能となり、接続部226に接続される配線基板121を短くすることができる。特に、配線基板121をフレキシブルケーブルとして形成した場合、高価であるが、配線基板121を短くすることができるので、配線基板121に係るコストを低減することができる。
図9、図11〜図13に示すように、流路部材240は、液体貯留手段4から導入されたインクをヘッド本体200に供給するものであり、内部には第2流路の一例である流路300が設けられている。
本実施形態の流路部材240は、第2の方向Yで近接する2つのヘッド本体200に対して1つずつ設けられている。すなわち、第1ヘッド列202AのX1側のヘッド本体200と第2ヘッド列202BのX1側のヘッド本体200とに共通する流路部材240と、第1ヘッド列202AのX2側のヘッド本体200と第2ヘッド列202BのX2側のヘッド本体200とに共通する流路部材240との2つが設けられている。
この流路部材240は、回路基板220を第2の方向Yに跨いで回路基板220の両面側に配置されている。本実施形態では、流路部材240は、回路基板220と2つの第1矯正板230とを第2の方向Yに跨ぐように連続して設けられている。具体的には、流路部材240は、ホルダー部材210の第2の方向Yの幅と略同じ幅を有し、第2の方向Yの中央部にはZ1側の面に開口する凹部241が形成されている。凹部241は、回路基板220及び2枚の第1矯正板230を挿入可能な幅で、第3の方向Zにおいてホルダー部材210のZ2側の面から回路基板220のZ2側の端部(コネクター221の設けられた部分を除く)までの高さよりも深く形成されている。これにより、流路部材240の凹部241内に回路基板220及び2枚の第1矯正板230を挿入することで、回路基板220及び2枚の第1矯正板230の両側でホルダー部材210のZ2側の面に固定することができる。
このような流路部材240の内部には、流路300が設けられている。流路300は、供給管8(図1参照)が接続される導入路301と、導入路301から2つに分岐して回路基板220のY1側に設けられた第1液体流路310と、回路基板220のY2側に設けられた第2液体流路320とを具備する。
導入路301は、流路部材240の第3の方向ZのZ2側の面に突出して設けられた供給針242の先端に開口して設けられている。供給針242は、液体噴射面20aに交差する方向に沿って延びる針形状を有する部位である。本実施形態では、供給針242は、液体噴射面20aに直交する第3の方向Zに沿っている。このように供給針242が液体噴射面20aに交差するように設けることで、液体噴射面20aの面内方向の寸法を小さくすることができる。ここでいう面内方向とは、液体噴射面20aを含む第1の方向Xのみ、第2の方向Yのみ、又は第1の方向Xと第2の方向Yとを合成した任意の方向をいう。
カバー部材250には、供給針242をカバー部材250の外側に露出させる露出部290が設けられている。このような露出部290から露出した供給針242に供給管8が接続されることで、供給管8と導入路301とは連通する。なお、露出部290の詳細については後述する。
第1液体流路310及び第2液体流路320は、ヘッド本体200の各々に設けられた2つの導入口44にそれぞれ連通して設けられている。具体的には、第1液体流路310は、導入路301に連通する第1連通路311と、第1連通路311に連通する第1液体溜まり部312と、第1液体溜まり部312に連通する2つの第1供給路313と、を具備する。
第1連通路311の一部及び第1液体溜まり部312は、流路部材240の側面、すなわち、回路基板220とは反対側の面であって、Y1側の面に開口して設けられた凹形状を有する。そして、第1連通路311の一部及び第1液体溜まり部312の開口部分は、フィルム243によって封止されている。
また、第1液体溜まり部312にはゴミや気泡等の異物を除去するためのフィルター244が設けられており、第1連通路311から第1液体溜まり部312に流入したインクは、フィルター244を通過して第1液体溜まり部312から2つの第1供給路313に供給される。
2つの流路部材240のうち第1の方向XのX1側の流路部材240について、第1液体溜まり部312は、第1の方向Xに並設された第1ヘッド列202AのX1側のヘッド本体200A1と、第2ヘッド列202BのX1側のヘッド本体200B1との2つに跨がるように、第1の方向Xに延在している。そして、第1供給路313は、第1の方向Xに2つ並設されており、2つの第1供給路313は、流路部材240のZ1側の面に開口している。ここでは各第1供給路313a、313bとも称する。一方の第1供給路313aは、第2接続流路214Aを介して、ヘッド本体200A1のY1側の導入口44に接続される。他方の第1供給路313bは、ホルダー部材210に形成された第1接続流路213Bを介して、ヘッド本体200B1のY1側の導入口44に接続される。
第2液体流路320は、導入路301に連通する第2連通路321と、第2連通路321に連通する第2液体溜まり部322と、第2液体溜まり部322に連通する2つの第2供給路323と、を具備する。
第2連通路321の一部及び第2液体溜まり部322は、流路部材240の側面、すなわち、回路基板220とは反対側の面であって、Y2側の面に開口して設けられた凹形状を有する。そして、第2連通路321の一部及び第2液体溜まり部322の開口部分は、フィルム243によって封止されている。
また、第2液体溜まり部322にはゴミや気泡等の異物を除去するためのフィルター244が設けられており、第2連通路321から第2液体溜まり部322に流入したインクは、フィルター244を通過して第2液体溜まり部322から2つの第2供給路323に供給される。
2つの流路部材240のうち第1の方向XのX1側の流路部材240について、第2液体溜まり部322は、第1の方向Xに並設された第1ヘッド列202AのX1側のヘッド本体200A1と、第2ヘッド列202BのX1側のヘッド本体200B1との2つに跨がるように、第1の方向Xに延在している。そして、第2供給路323は、第1の方向Xに2つ並設されており、2つの第2供給路323は、流路部材240のZ1側の面に開口している。ここでは各第1供給路313a、313bとも称する。一方の第2供給路323aは、第1接続流路213Aを介して、ヘッド本体200A1のY2側の導入口44に接続される。他方の第2供給路323bは、ホルダー部材210に形成された第2接続流路214Bを介して、ヘッド本体200B1のY2側の導入口44に接続される。
2つの流路部材240のうち第1の方向XのX2側の流路部材240についても同様の構成を備える。すなわち、当該流路部材240は、ヘッド本体200A2のY1側の導入口44と連通する第1供給路313a、ヘッド本体200B2のY2側の導入口44と連通する第1供給路313b、ヘッド本体200A2のY2側の導入口44と連通する第2供給路323a、ヘッド本体200B2のY2側の導入口44と連通する第2供給路323bとを有する。
ホルダー部材210には、1つのヘッド本体200に対して、第1流路の一例である第1接続流路213と、第2接続流路214とが設けられている。本実施形態では、ホルダー部材210に4つのヘッド本体200が固定されているため、第1接続流路213と第2接続流路214とは合計8個設けられている。
具体的には、第1ヘッド列202AのX1側のヘッド本体200A1のY1側の導入口44に連通する第2接続流路214Aは、回路基板220のY1側に、第3の方向Zに沿った直線状に延設されて、第1供給路313aと連通する。また、ヘッド本体200A1のY2側の導入口44に連通する第1接続流路213Aは、第3の方向Zに対して傾斜した方向に沿った直線状に延設されている。第1接続流路213Aのインクの入口となるZ2側の開口は、回路基板220よりも第2の方向YのY2側にあり、インクの出口となるZ1側の開口は、回路基板220よりも第2の方向YのY1側にある。つまり、第1接続流路213Aは、回路基板220に対して第2供給路323aに接続されるY2側からヘッド本体200A1が設けられた回路基板220のY1側に向かって傾斜して設けられている。これにより、回路基板220のY2側に設けられた第2供給路323aと、Y1側に設けられたヘッド本体200A1のY2側の導入口44とを第1接続流路213Aを介して容易に接続することができる。なお、本実施形態の第1接続流路213Aは、第3の方向Zに対して傾斜して設けられたものであるが、第1接続流路213Aは特にこれに限定されず、例えば、第3の方向Zに沿って設けられた垂直流路と第2の方向Yに沿って設けられた水平流路とで構成するようにしてもよい。ただし、本実施形態のように傾斜した第1接続流路213Aを設けることで、ホルダー部材210を成形によって1部品で形成することができ、水平流路等を設ける場合に比べて部品点数を減少させてコストを低減することができる。
同様に、第2ヘッド列202BのX1側のヘッド本体200B1のY2側の導入口44に連通する第2接続流路214Bは、回路基板220のY2側に、第3の方向Zに沿った直線状に延設されて、第2供給路323と連通する。また、ヘッド本体200B1のY1側の導入口44に連通する第1接続流路213Bは、第3の方向Zに対して傾斜した方向に沿った直線状に延設されている。第1接続流路213Bのインクの入口となるZ2側の開口は、回路基板220よりも第2の方向YのY1側にあり、インクの出口となるZ1側の開口は、回路基板220よりも第2の方向YのY2側にある。つまり、第1接続流路213Bは、回路基板220に対して第1供給路313bに接続されるY1側からヘッド本体200B1が設けられた回路基板220のY2側に向かって傾斜して設けられている。これにより、回路基板220のY1側に設けられた第1供給路313bと、Y2側に設けられたヘッド本体200B1のY1側の導入口44とを第1接続流路213Bを介して容易に接続することができる。なお、本実施形態の第1接続流路213Bは、第3の方向Zに対して傾斜して設けられたものであるが、第1接続流路213Aと同様に、例えば、第3の方向Zに沿って設けられた垂直流路と第2の方向Yに沿って設けられた水平流路とで構成するようにしてもよい。
また、第1ヘッド列202AのX2側のヘッド本体200A2と、第2ヘッド列202BのX2側のヘッド本体200B2とに対応して設けられた流路部材240についても、上述した流路部材240と同様の構成であるため、重複する説明は省略する。
以上説明したように、1つのヘッド本体200に接続される第1接続流路213と第2接続流路214とは、搬送方向である第2の方向Yにおいてヘッド本体200に接続される部分の幅が、流路300に接続される部分の幅よりも狭くなっている。つまり、第2の方向Yに並設された2列のノズル列の間隔を狭くすることができ、2列のノズル列から噴射されたインクの着弾位置ずれが生じ難い。
また、図11及び図12に示すように、本実施形態では、ヘッド本体200A1及びヘッド本体200B1に接続される2つの第1接続流路213は、第1の方向Xから見た場合に、互いに交わるように配置されている。したがって、2つの第1接続流路213を収容する第2の方向Yのスペースを減少させて小型化することができる。ヘッド本体A2及びヘッド本体B2の2つの第1接続流路213についても同様である。
このようなホルダー部材210には、図8、図12〜図14に示すように、各ヘッド列202において、第1の方向Xに並設されたヘッド本体200の間の間隔203に凹形状に切り欠いた第1収容部215が設けられている。すなわち、ホルダー部材210には、第1ヘッド列202Aの第1の間隔203A、及び第2ヘッド列202Bの第2の間隔203Bに対応して、第1収容部215が設けられている。
第1収容部215は、ホルダー部材210のZ1側の面に開口すると共に、第2の方向Yの一側面に開口して設けられている。すなわち、Y1側に設けられた第1ヘッド列202Aの第1の間隔203Aに設けられた第1収容部215は、ホルダー部材210のY1側の側面に開口する。また、Y2側に設けられた第2ヘッド列202Bの第2の間隔203Bに設けられた第1収容部215は、ホルダー部材210のY2側の側面に開口する。なお、本実施形態では、ヘッド列202は2つのヘッド本体200で構成されて、1つの間隔203が設けられているため、ヘッド列202毎に1つの第1収容部215が設けられている。もちろん、ヘッド列202が3個以上のヘッド本体200で構成されている場合には、間隔203は、2つ以上形成されるため、ヘッド列202毎に2つ以上の第1収容部215を設けるようにしてもよい。このような第1収容部215は、第1接続流路213に干渉しない深さで形成されている。すなわち、第1接続流路213を第3の方向Zに対して傾斜して設けることで、第1接続流路213のZ1側に第1収容部215を形成することが可能である。これに対して、第1接続流路213をホルダー部材210のZ1側を通るように設けると、第1収容部215を設けることができなくなってしまう。もちろん、第1収容部215が第1接続流路213に干渉する場合には、第1収容部215の一部に第1接続流路213が内部に形成された部分が突出して設けられていてもよい。
また、ホルダー部材210には、第1ヘッド列202Aと第2ヘッド列202Bとを互いに第1の方向Xにずらして配置することで、第1ヘッド列202Aの端部と、第2ヘッド列202Bの端部との間に第1の方向Xに隙間204が設けられている。すなわち、第1ヘッド列202AのX1側と、第2ヘッド列202BのX2側とにそれぞれ隙間204が設けられている。本実施形態では、第1ヘッド列202AのX1側に設けられた隙間204を隙間204Aとも称し、第2ヘッド列202BのX2側に設けられた隙間204を隙間204Bとも称する。
そして、各隙間204には、凹形状に切り欠いた第2収容部216が設けられている。第2収容部216は、ホルダー部材210のZ1側の面に開口すると共に、第1の方向Xの一側面及び第2の方向Yの一側面に開口して設けられている。すなわち、Y1側の隙間204Aに設けられた第2収容部216は、ホルダー部材210のY1側の側面とX2側の側面とに開口して設けられている。また、Y2側の隙間204Bに設けられた第2収容部216は、ホルダー部材210のY2側の側面とX1側の側面とに開口して設けられている。すなわち、隙間204Aに設けられた第2収容部216は、第2ヘッド列202Bのヘッド本体200B1に第2の方向Yで相対向し、隙間204Bに設けられた第2収容部216は、第1ヘッド列202Aのヘッド本体200A2に第2の方向Yで相対向する。
このような第1収容部215及び第2収容部216には、詳しくは後述するが、本実施形態では、ローラーユニット610のヘッド内ローラー630の少なくとも一部が収容される。
また、このような記録ヘッド2は、図2に示すように、キャリッジ3に当該キャリッジ3よりも液体噴射面20a側が記録シートS側に突出するように搭載される。
上述したように、ホルダー部材210には、複数のヘッド本体200と、回路基板220と、該ヘッド本体200にインクを供給する流路部材240が保持されている。このようなホルダー部材210のZ2側には、回路基板220及び流路部材240を収容するカバー部材250が設けられている。
図3、図6、図7、図11〜図13、図15、図17に示すように、カバー部材250は、ホルダー部材210と一体化されて、内部に回路基板220及び流路部材240を収容する部材である。すなわち、カバー部材250は、ホルダー部材210に一体化され、回路基板220及び流路部材240を収容することが可能な大きさの内部空間259を形成可能な部材である。
本実施形態では、カバー部材250は、第3の方向ZにおいてZ1側に開口し、Z2側の底部を有する箱形状となっている。そして、カバー部材250のZ1側の開口がホルダー部材210のZ2側の面で封止されることで内部空間259が形成される。
このようなカバー部材250は、ホルダー部材210に当接するシール部分253と、シール部分253よりもヤング率の高い剛性部分254とを有する。
シール部分253は、ホルダー部材210に当接し、後述する剛性部分254よりもヤング率が高い異なる材料から形成された部分である。シール部分253は、カバー部材250がホルダー部材210側に押圧されることで弾性変形し、カバー部材250とホルダー部材210との境界の隙間を埋め、インクが内部空間259に浸入することを防止する作用を有する。
剛性部分254は、ホルダー部材210とともに内部空間259を実質的に形成する部分であり、シール部分253よりもヤング率が高い材料から形成されている。このような材料により剛性部分254を形成することで、カバー部材250の剛性を向上することができ、内部空間259に収容した回路基板220や流路部材240を保護することができる。
また、剛性部分254は、第3の方向ZにおいてZ1側に開口し、Z2側の底部を有する箱形状となっている。具体的には、剛性部分254は、第1の方向X及び第2の方向Yに直交し、シール部分253につながる4つの側面255、及びこれら全ての側面255につながり第3の方向ZのZ2側に設けられた天井256を含み、全体が略直方体状に形成されている。このように側面255のみならず、天井256を含むので、カバー部材250の強度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、カバー部材250は箱形状となっているがこのような態様に限定されない。例えば、ホルダー部材210をZ2側に開口した箱形状とし、カバー部材250を、当該開口を封止する板状の部材としてもよい。
シール部分253は、剛性部分254の第3の方向ZのZ1側に開口した端部、すなわち、シール部分253を設けなければホルダー部材210のZ2側の面に当接する部位に設けられている。このようなシール部分253及び剛性部分254とは、二色成型により形成されている。上述したように、剛性部分254がシール部分253よりもヤング率が高い材料で形成されていれば、特に限定はないが、例えば、剛性部分254に樹脂材料を用い、シール部分253に弾性材料としてエラストマーを用いることができる。
二色成型により形成されたシール部分253は、液体噴射面20aに対する平面視、本実施形態では、第3の方向Zからみた平面視において、回路基板220及び流路部材240を収容する輪郭を有する。本実施形態に係るシール部分253の輪郭は、剛性部分254のZ1側の開口形状に合わせて、環状であり、略長方形となっている。すなわち、シール部分253は、2つの長辺部253aと2つの短辺部253bとから構成されている。長辺部253aは、シール部分253のうち第1の方向Xに延設された部分であり、第2の方向Yに2つ並設されている。短辺部253bは、シール部分253のうち長辺部253aよりも短く第2の方向Yに延設された部分であり、第1の方向Xに二つ並設されている。
このような輪郭に回路基板220及び流路部材240が収容されるとは、前記平面視において、シール部分253の輪郭の内側に回路基板220と流路部材240とが配置されていることをいう。
そして、このようなシール部分253の輪郭は、少なくとも記録シートSが搬送される搬送方向である第2の方向Yに交差する部分が記録ヘッド2の最も外側をなす。輪郭のうち、第2の方向Yに交差する部分とは、前記平面視において、第2の方向Yに交差する成分を含む部分をいう。本実施形態では、第2の方向Yに直交した第1の方向Xに延設された長辺部253aが第2の方向Yに交差する部分である。
シール部分253の輪郭の一部である長辺部253aが記録ヘッド2の最も外側をなすとは、液体噴射面20aに平行な断面であって、シール部分253を含む断面において、長辺部253aが記録ヘッド2全体の輪郭の一部を構成することをいう。換言すれば、少なくとも第2の方向Yにおいては、長辺部253aよりも外側に記録ヘッド2を構成する部品が存在しない。
本発明は、少なくとも第2の方向Yに交差する部分が記録ヘッド2の最も外側をなすものであるが、シール部分253の輪郭のうち第2の方向Yに交差しない部分についても記録ヘッド2の最も外側をなしていてもよい。
本実施形態では、第2の方向Yに交差しない部分、すなわち第2の方向Yに平行な短辺部253bについても記録ヘッド2の最も外側をなすようにシール部分253を形成した。
具体的には、前記平面視において、ホルダー部材210及びカバー部材250の輪郭が記録ヘッド2全体の輪郭を構成するようにしてある。すなわち、ホルダー部材210の側面(つまり、第1の方向X及び第2の方向Yに直交する側面である。)及びカバー部材250の側面255が記録ヘッド2の最も外側を構成している。そして、シール部分253は、カバー部材250の側面255のZ1側の端面に環状に形成されている。
このようにカバー部材250を形成することで、シール部分253は、液体噴射面20aに平行な断面においてホルダー部材210及びカバー部材250により形成される記録ヘッド2全体の輪郭の最も外側を構成している。
上述したように、本実施形態に係る記録ヘッド2では、カバー部材250にシール部分253を形成した。これにより、ホルダー部材210とカバー部材250との境界部分がシール部分253により封止され、当該境界部分からインクが内部空間259に浸入することをより確実に抑制することができる。これにより、記録ヘッド2を構成する回路基板220などの電子部品を保護することができる。
そして、カバー部材250は、二色成型により形成されたシール部分253と剛性部分254とを有している。二色成型によれば、幅が狭い側面255のZ1側の端面であっても、その幅に収まるようにシール部分253を形成することができる。これにより、剛性が高い剛性部分254を有するカバー部材250及びホルダー部材210によって平面視における記録ヘッド2の輪郭を規定すれば、その輪郭よりも外側にはみ出すことなくシール部分253を設けることができる。
ここで、仮に、二色成型ではなく、剛性部分254とは別のシール部材によりシール部分253を代替させる場合、シール部材の幅を剛性部分254の側面255の幅に合わせることになる。このようなシール部材を、ホルダー部材210のZ2側の表面及び剛性部分254の側面255のZ1側の端面により挟持することでシール部材によるシールを図ろうとすると、シール部材の幅が狭いために、側面255がシール部材からずれてしまい、シールを確保することが困難である。また、シール部材の幅を側面255の幅よりも広げることで、側面255がシール部材からずれることを抑制し、確実なシールを図ろうとすると、シール部材の幅を広げた分、記録ヘッド2の少なくとも第2の方向Yにおける大きさが大きくなってしまう。
本実施形態に係る記録ヘッド2では、上述したように二色成型により剛性部分254と一体的にシール部分253を形成したため、シール部分253が剛性部分254の外形よりも大きくなることがないので、記録ヘッド2の大型化を抑制することができる。
さらに、本実施形態に係る記録ヘッド2では、シール部分253は少なくとも搬送方向である第2の方向Yに交差する長辺部253aが記録ヘッド2全体の輪郭をなしている。すなわち、第2の方向Yにおいて記録ヘッド2を小型化することができる。
ここで、第2の方向Yに交差する長辺部が記録ヘッド2全体の輪郭をなしていない態様としては、例えば、第2の方向Yにおいてシール部分253よりも外側に、記録ヘッド2を構成する他の部材が設けられている構成が挙げられる。このような態様では、記録ヘッド2としては、第2の方向Yにおいて当該他の部材を設けた分だけ大型化してしまう。
本実施形態に係る記録ヘッド2では、上記態様のようにシール部分253よりも外側に、記録ヘッド2を構成する他の部材が存在しないので、第2の方向Yにおける記録ヘッド2の大型化を抑制することができる。
特に、本実施形態に係る記録ヘッド2では、第2の方向Yに交差する長辺部253aのみではなく短辺部253bについても記録ヘッド2の最も外側の輪郭をなすようにした。したがって、記録ヘッド2は、第1の方向Xにおいても大型化を抑制することができる。
また、図17(a)に示すように、シール部分253とホルダー部材210とが接する部分の厚みD1は、シール部分253と剛性部分254とが接する部分の厚みD2よりも厚い。
シール部分253とホルダー部材210とが接する部分とは、ホルダー部材210のうちシール部分253が接触可能な部分である。本実施形態では、シール部分253とホルダー部材210とが接する部分は、ホルダー部材210のカバー部材250側の表面210aである。表面210aの厚みD1は、表面210aの第1の方向X又は第2の方向Yにおける厚さ(同図には第2の方向Yにおける厚さを示してある)である。
シール部分253と剛性部分254とが接する部分とは、剛性部分254のうちシール部分253が接触可能な部分である。本実施形態では、剛性部分254を構成する側面255のZ1側の端面である。当該端面の厚みD2は、第1の方向X又は第2の方向Yにおける厚さ(同図には第2の方向Yにおける厚さを示してある)である。
この厚さD1は、厚さD2よりも厚くなっている。すなわち、シール部分253が当接するホルダー部材210との接触部分の厚さD1の方が、二色成型により一体化されたシール部分253と剛性部分254との接触部分の厚さD2よりも厚い。つまり、シール部分253が接触可能な範囲としては、剛性部分254の端面の方が狭く、ホルダー部材210の表面210aの方が広い。
このように、厚みD1よりも相対的に薄い厚みD2の剛性部分254に二色成型によりシール部分253を設けるので、精度よくシール部分253と剛性部分254とを固定することができる。また、厚みD2よりも相対的に厚い厚みD1のホルダー部材210に対してシール部分253を当接させるので、シール部分253とホルダー部材210との位置合わせが容易に行える。
仮に、ホルダー部材210にシール部分253を二色成型で設けた場合、シール部分253を、狭い厚みD2の剛性部分254の端面に合わせなければならないため、位置合わせが困難となってしまう。
ここで、シール部分253の厚みとは、シール部分253の第1の方向X又は第2の方向Yにおける最大の厚さをいう。本実施形態では、シール部分253は弾性変形によりホルダー部材210側の先端部分が拡幅しているため、厚みD3が最大の厚みとなる。
このシール部分253の厚みD3は、剛性部分254の側面255の厚みよりも薄くなっている。すなわち、カバー部材250の内部空間259内に、弾性変形したシール部分253がはみ出していない。このようにシール部分253がカバー部材250の内側である内部空間259側にはみ出さないので、内部空間259が回路基板220や流路部材240を収容する容積を広く確保することができる。
ここで、図17(b)及び図17(c)に、シール部分253の変形例を示す。図17(b)に示すように、シール部分253は、シール部分253とホルダー部材210との接触部258aのうち厚み方向の中心Pが、シール部分253と剛性部分254の側面255との接触部258bのうち厚み方向の中心Qよりもカバー部材250の内側にある。
接触部258aとは、シール部分253のホルダー部材210と接触した部分をいう。接触部258aの厚み方向とは、第1の方向X又は第2の方向Yである。長辺部253aであれば、接触部258aの厚み方向は長辺部253aに交差する第2の方向Yであり、短辺部253bであれば、接触部258aの厚み方向は短辺部253bに交差する第1の方向Xである。中心Pとは、接触部258aの厚み方向(同図には第2の方向Yを例示してある)における中心位置である。
接触部258bとは、シール部分253の剛性部分254の側面255と接触した部分をいう。接触部258bの厚み方向とは、第1の方向X又第2の方向Yはである。長辺部253aであれば、接触部258aの厚み方向は長辺部253aに交差する第2の方向Yであり、短辺部253bであれば、接触部258aの厚み方向は短辺部253bに交差する第1の方向Xである。中心Pとは、接触部258aの厚み方向(同図には第2の方向Yを例示してある)における中心位置である。
上述したように、シール部分253が二色成型により設けられたカバー部材250は、ホルダー部材210側に押圧されて一体化される。すなわち、シール部分253は、ホルダー部材210及びカバー部材250により挟持され、押圧されている。これによりシール部分253は弾性変形するが、上述したような中心Pと中心Qとの位置関係とすることで、シール部分253が弾性変形して拡幅しても、カバー部材250よりも外側にはみ出すことを抑制することができる。
このようにシール部分253が第1の方向X及び第2の方向Yにおいてカバー部材250よりも外側にはみ出すことが抑制されるので、記録ヘッド2の第1の方向X及び第2の方向Yに大型化することを抑制することができる。
なお、このような中心P及び中心Qの位置関係となるようなシール部分253及び剛性部分254の態様としては、図17(c)に示すものが挙げられる。すなわち、シール部分253のホルダー部材210側の先端をカバー部材250の内側である内部空間259側に傾斜させておく。そして、シール部分253をホルダー部材210とカバー部材250とで挟持することで、図17(b)に示した中心P及び中心Qの位置関係を維持することができる。
さらに、図17(d)にシール部分253の変形例を示す。図示するように、剛性部分254を構成する側面255は、天井256からシール部分253へ向けて、カバー部材250の外側に向けて傾斜している。図17(e)に示すように、このような態様のカバー部材250と、ホルダー部材210とでシール部分253を挟持すると、シール部分253の側面255側が外側に力が掛かって傾斜した状態となり、シール部分253のホルダー部材210側が内部空間259側に位置した状態となる。このような変形例に係るシール部分253であっても、図17(b)と同様に、中心P及び中心Qの位置関係を維持することができる。
なお、図17(d)に示すカバー部材250は、Z2側からZ1側に向けて開口部が拡がっているので、二色成形時に型を抜くことが容易である。
さらに、図18及び図19にシール部分253の変形例を示す。図18は、変形例に係る記録ヘッドの平面図であり、図19は図18のF−F′線断面図である。図示するように、ホルダー部材210は、カバー部材250の外側からカバー部材250の内側へのインクの浸入を規制する規制部218を有する。本実施形態に係る規制部218は、ホルダー部材210のZ2側の表面、すなわち、シール部分253が当接する表面に設けられており、当該表面よりも第3の方向ZのZ2側に向けて突出している。また、規制部218は、カバー部材250に収容され、回路基板220や流路部材240よりも外側に配置されている。本実施形態では、回路基板220を囲むように環状に形成されている。
このような規制部218を形成することで、万が一、シール部分253からインクが内部空間259側に浸入したとしても、規制部218によりインクの浸入が抑制され、回路基板220にインクが到達することを抑制できる。
また、図20にホルダー部材の変形例を示す。図20は変形例に係る記録ヘッドの概略側面図及び概略平面図である。
カバー部材250は、上述したように平面視において長方形であり、シール部分253も上述したように長方形の輪郭を有し環状に形成されている(図15等参照)。
一方、ホルダー部材210Aは、長方形の短辺部分、本実施形態では、第2の方向Yに平行な短辺部分に、カバー部材250をガイドするガイド部219が設けられている。具体的には、ホルダー部材210Aには、第3の方向Zに沿って延設されたガイド部219が第1の方向Xの両端にそれぞれ設けられている。
この両端のガイド部219同士の間隔は、カバー部材250の第1の方向Xにおける幅と略同じとなっている。すなわち、ホルダー部材210AのZ2側に接合されたカバー部材250と、両端のガイド部219とは接触しているか、又は若干の遊びがホルダー部材210A及びガイド部219の間に存在している。
このようなガイド部219によれば、カバー部材250を第3の方向ZのZ2側からZ1側に向けて、2つのガイド部219の間に嵌め込むだけで、ホルダー部材210に対してカバー部材250を所定の位置に接合することができる。このように、ガイド部219を設けることで、ホルダー部材210とカバー部材250との位置合わせが容易となり、シール部分253によるホルダー部材210とカバー部材250との間をより確実にシールすることができる。
また、ガイド部219の第2の方向Yにおける幅は、カバー部材250の第2の方向Yにおける幅と略同じ幅となっている。すなわち、液体噴射面20aを平面視した場合に、第2の方向Yにおいては、ガイド部219が記録ヘッド2の最も外側の輪郭を構成している。したがって、第2の方向Yにおける記録ヘッド2の大型化を回避することができる。
また、ホルダー部材210のヤング率は、カバー部材250の剛性部分254のヤング率よりも高いことが好ましい。これにより、ホルダー部材210の剛性を向上させることができる。ホルダー部材210は、複数のヘッド本体200を保持する部材であるので、各ヘッド本体200をより強固に固定することができ、各ヘッド本体200の液体噴射面20aの平面度が悪化することを抑制することができる。また、二色成型できる材料でホルダー部材210を形成しなくてもよいので、材料の選択肢が増え、用途目的に応じたホルダー部材210を形成しやすくなる。
また、カバー部材250及びホルダー部材210により形成された内部空間259に、回路基板220及び第1矯正板230の双方を収容した。これにより、カバー部材250により回路基板220のみを収容する場合に比べて、記録ヘッド2を小型化することができる。
ここで、図3、図4、図7、図15及び図16を用いて、露出部290について詳細に説明する。
図示するように、流路部材240のカバー部材250に対向する面、すなわち、Z2側の面には、第2流路である導入路301を有する供給針242が設けられている。また、環状のシール部材270が供給針242に挿通されている。シール部材270はエラストマーなどの弾性材料から形成されている。
一方、カバー部材250には、供給針242をカバー部材250の外側に露出させる露出部290が設けられている。露出部290は、供給針242をカバー部材250の外側に露出させることで供給針242を介して流路部材240にインクを供給可能する構成を有する。具体的には、露出部290は、側壁部291と、天井部292とを備える。
側壁部291は、供給針242の周方向の外周を囲み、供給針242の延びる方向である第3の方向Zに沿って伸びる側面291aを有する。本実施形態では、側壁部291は、カバー部材250の内部空間259とは反対側の面、すなわちZ2側の面に、供給針242を囲むように円筒状に形成されている。そして、この円筒状に形成された側壁部291の内面が供給針242の延びる方向である第3の方向Zに沿って延びる側面291aとなっている。
天井部292は、側壁部291につながり、供給針242を露出させる開口である挿通孔293を備える部位である。本実施形態では、天井部292は、円筒状の側壁部291の開口を覆うように形成された板状の部位である。また、挿通孔293は露出部290の開口に対応するものである。この挿通孔293の径は、供給針242の周方向の外周の径よりも大きく形成されている。すなわち、挿通孔293は、供給針242が挿通する大きさに形成され、かつ供給針242の周方向の外周と挿通孔293とは接触しない形状となっている。
このような露出部290によれば、流路部材240を保持したホルダー部材210にカバー部材250が取り付けられることで、供給針242が挿通孔293を介してカバー部材250の外部に露出する。
また、供給針242の周囲に設けられた側壁部291は、側面291aと供給針242との間にシール部材270を収容可能な隙間を形成する。この隙間をシール収容部294と称する。
シール収容部294は、シール部材270の外形よりも若干小さく形成されている。本実施形態では、平面視において、シール部材270は供給針242が挿通する円環状に形成されており、シール収容部294はシール部材270の外形状よりも若干小さな円形状に形成されている。
供給針242が挿通されたシール部材270は、カバー部材250のシール収容部294に挿入されている。また、シール部材270は、周方向にのみシール収容部294に接触している。そして、上述したようにシール収容部294はシール部材270よりも若干小さい円形状であるため、シール部材270は周方向に圧縮されてシール収容部294に収容される。これにより、側壁部291と供給針242との間はシール部材270によりシールされる。
このようにシール収容部294にシール部材270を設けることで、供給管8を供給針242に着脱する際などにインクが溢れて挿通孔293内に進入したとしても、シール部材270によりカバー部材250の内部空間259にまで到達することを抑制することができる。
また、シール部材270は、側壁部291と供給針242とに挟持され、周方向に圧縮する力が作用する。すなわち、液体噴射面20aに垂直な方向である第3の方向Zには力が作用していない。したがって、シール部材270に生じる残留応力が記録ヘッド2全体に対して第3の方向Zに作用することが抑制される。これにより、液体噴射面20aの変形を抑制することができる。
また、露出部290には、側壁部291及び天井部292の一部を切り欠いた切り欠け部295が形成されている。この切り欠け部295は、側壁部291のうち、シール部材270と当接する部分よりも供給針242の先端側、すなわち第3の方向ZのZ2側に設けられている。すなわち、図16に示すように、切り欠け部295は、シール部材270よりも第3の方向ZのZ2側に設けられており、第3の方向Zにおいて、切り欠け部295とシール部材270とが重なっていない。
また、本実施形態では露出部290は天井部292を有する。このような天井部292を有する場合、切り欠け部295は、天井部292から側壁部291のうちシール部材270と当接する部分まで亘って設けられていてもよい。ここでいう、側壁部291のうちシール部材270と当接する部分までとは、シール部材270と当接する部分を含まない。
本実施形態では、切り欠け部295は、天井部292においては挿通孔293から天井部292の外縁部まで切り欠かれるとともに、天井部292から連続して側壁部291のシール部材270と当接する部分までに亘って設けられている。また、切り欠け部295は、本実施形態では記録ヘッド2の短辺方向である第2の方向Yに切り欠かれている。
さらに、カバー部材250には、露出部290を内側に含む溝部296が形成されている。具体的には、溝部296は、平面視において、カバー部材250の天井256のZ2側の表面に形成された第1溝部296a及び第2溝部296bを備える。第1溝部296aは、露出部290を内部に含む円形状に形成されている。第2溝部296bは、第1溝部296aに連続し、側面255及び天井256の境界まで直線状に形成されている。第2溝部296bの延びる方向は、切り欠け部295の延びる方向と同じ方向である第2の方向YにおけるY2からY1に向けた方向とされている。
上述したように、供給針242から溢れたインクは、シール部材270によりカバー部材250の内部空間259に到達することが抑制される。この溢れたインクは、シール収容部294、側壁部291及び天井部292に付着する。
このようにシール収容部294等に付着したインクは、一定量を超えると露出部290の外部、すなわちカバー部材250の天井256や側面255に流れ出す虞がある。しかしながら、露出部290に切り欠け部295を設けたことで、インクは切り欠け部295に誘導される。このインクが流れる方向は、切り欠け部295が伸びる方向となる。すなわち、切り欠け部295によれば、供給針242から溢れたインクの流れを特定の方向に制御することができる。露出部290の開口である挿通孔293が供給針242の外周の径よりも大きくても、切り欠け部295を設けたことで、シール収容部294から外部にインクを逃すことができる。
また、本実施形態では、切り欠け部295の伸びる方向を第2の方向YにおいてY2からY1に向かう方向とした。この方向は、回路基板220が露出するコネクター露出孔251に向かわない方向である。したがって、露出部290から溢れたインクをコネクター露出孔251に向けて流出させないことができる。万が一、インクが露出部290から溢れたとしても、コネクター露出孔251にインクが流入することを抑制できるので、回路基板220にインクが到達してしまうことを抑制することができる。
また、切り欠け部295は、シール部材270よりも第3の方向ZのZ2側に設けられている。このような切り欠け部295によれば、シール部材270は側壁部291の側面291aに確実に接触し、側壁部291の一部が欠けた切り欠け部295にはシール部材270は接触しない。したがって、露出部290の挿通孔293からシール収容部294に浸入したインクを、内部空間259に浸入させることなく、切り欠け部295を介してカバー部材250の外部に排出することができる。
また、このような露出部290は、側壁部291とつながる天井部292を有するので、シール部材270を取り付ける際に、カバー部材250にシール部材270を位置合わせしやすい。さらに、露出部290は、側壁部291のみで構成する態様に比較して、天井部292をさらに備えるため、剛性を向上させることができる。
また、液体噴射面20aに垂直な方向である第3の方向Zにおいて、シール部材270と天井部292とは離間し、シール部材270と流路部材240とは接触している。
このような構成によれば、シール部材270の第3の方向Zにおける少なくとも一方面であるZ2側には、隙間があるので、液体噴射面20aに第3の方向Zに残留応力が生じることをより確実に抑制できる。
また、シール部材270の位置合わせを、針形状の供給針242に対して行うことができる。すなわち、針形状の供給針242にシール部材270を挿入するだけで、シール部材270の位置決めを行うことができる。仮に、シール部材270のZ2側の面を天井部292に接触させる場合、シール部材270をカバー部材250のシール収容部294に位置合わせする必要があるが、カバー部材250の内部のシール収容部294にシール部材270を配置しなければならない。このような態様に比較して、シール部材270のZ2側の面を天井部292とは離間させ、流路部材240には接触させる構成においては、シール部材270の位置決めを容易に行うことができる。
さらに、本実施形態では、露出部290は、溝部296内に収容されている。したがって、露出部290からは、インクが切り欠け部295により流れを制御されて流出し、さらに、溝部296を通ってカバー部材250の側面にまで誘導される。このように、カバー部材250の天井256上においては、供給針242からインクが溢れたとしても、露出部290の切り欠け部295及び溝部296によりインクの流れ出す方向が制御される。したがって、供給針242から溢れたインクが意図しない領域、例えばコネクター露出孔251に浸入することをより確実に抑制することができる。
また、カバー部材250の側面255に誘導されたインクは、第3の方向Zに沿ってホルダー部材210側に向かうが、カバー部材250とホルダー部材210との間には、シール部分253が設けられている。シール部分253により、カバー部材250とホルダー部材210との間から内部空間259にインクが浸入することが抑制されるため、内部空間259に収容された回路基板220を保護することができる。
なお、図17(a)、図17(b)、図17(e)に示すように、シール部分253、カバー部材250及びホルダー部材210は、シール部分253が側面255よりも内部空間259側に若干窪んだ凹部299を有していてもよい。このような凹部299に、側面255を伝って落ちてきたインクを貯留することができる。すなわち、凹部299から第3の方向ZのZ1側にインクが流れ落ちることを抑制することができる。これにより、例えば、インクが液体噴射面20a等に付着することを抑制することができる。
また、このようなインクを収容する凹部299は、記録ヘッド2の液体噴射面20aの面内方向において側面255よりも外側にはみ出していない。すなわち、シール部分253が側面255よりも外側にはみ出して液体噴射面20aの面内方向に大型化することが抑制されている。
このようにシール部分253は、上述した凹部299を形成する程度に内部空間259側に窪んでいてもよい。すなわち、シール部分253が記録ヘッド2の最も外側の輪郭をなすとは、このような凹部299を含み、液体噴射面20aに平行な断面であって、シール部分252を含む断面において、実質的に記録ヘッド2の最も外側の輪郭をなす態様も含む。
ここで、ローラーユニット610について図1及び図2と、図21〜図24とを参照して説明する。なお、図21は記録ヘッド及びローラーユニットの斜視図であり、図22は記録ヘッド及びローラーユニットの液体噴射面側からの平面図である。また、図23は図22のG−G′線断面図であり、図24は図22のH−H′線断面図である。
ローラーユニット610は、装置本体7に固定されるフレーム611と、フレーム611に設けられたヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630と、を具備する。
フレーム611は、キャリッジ3と記録シートSのS1との間に配置されるものであって、記録ヘッド2の液体噴射面20a側を挿入可能なヘッド開口部612を有する。すなわち、フレーム611は、第3の方向Zから見た場合に、記録ヘッド2を囲む環状構造を有する。このようなフレーム611は、本実施形態では、記録ヘッド2よりも第2の方向YのY1側に設けられた第1フレーム部613と、Y2側に設けられた第2フレーム部614と、を具備し、第1フレーム部613と第2フレーム部614とが第1の方向Xの両端部で連続して設けられている。これにより、第1フレーム部613と第2フレーム部614との間にヘッド開口部612が形成されている。なお、フレーム611は、環状構造に限定されず、例えば、第1フレーム部613と第2フレーム部614とが個別に設けられていてもよい。ただし、本実施形態のように、環状構造を有するフレーム611とすることで、フレーム611の剛性を向上することができる。
第1フレーム部613及び第2フレーム部614には、ヘッド外ローラー620とヘッド内ローラー630とが設けられている。ヘッド外ローラー620は、図23に示すように、フレーム611に両端が固定された付勢手段であるバネ619によって軸支されている。具体的には、ヘッド外ローラー620は、バネ619が挿通するバネ挿通孔621が設けられたベース部622と、ベース部622の外周に周方向に亘って設けられたローラー部623と、を具備する。ローラー部623の外周には凹凸が周方向に亘って繰り返して設けられている。すなわち、本実施形態のヘッド外ローラー620は、所謂スターホイールである。もちろん、ヘッド外ローラー620は、スターホイールに限定されず、ゴムローラー等であってもよい。このようなヘッド外ローラー620は、フレーム611のZ1側の面に開口する凹形状を有するヘッド外ローラー保持部616内に、ローラー部623の少なくとも一部が、フレーム611のZ1側の面よりも記録シートS側に突出した状態で収容されている。
このヘッド外ローラー620は、記録シートSの搬送方向である第2の方向Yにおいて、記録ヘッド2の外側に配置されている。すなわち、ヘッド外ローラー620は、図22に示すように第3の方向Zから平面視した際に、記録ヘッド2の少なくとも液体噴射面20aに重ならない位置に配置されている。
本実施形態では、ヘッド外ローラー620は、第1の方向Xにおいて、第1収容部215及び第2収容部216の間と、2つの第1収容部215の間と、にそれぞれ1つずつ設けるようにした。すなわち、第1フレーム部613と第2フレーム部614との各々に3つのヘッド外ローラー620を設けるようにした。
ヘッド内ローラー630は、図24に示すように、フレーム611に回転可能に軸支されたアーム640に保持されている。アーム640は、第3の方向Zに延在する第1アーム部641と、第1アーム部641のZ1側の端部に連続して設けられて、第2の方向Yに延在する第2アーム部642と、を具備する。第2アーム部642の第1アーム部641に連続する端部とは反対側の端部は、フレーム611のヘッド開口部612内に突出して設けられている。そして、このヘッド開口部612内に突出した第2アーム部642の端部にヘッド内ローラー630が回転軸633によって回転可能に軸支されている。ここで、ヘッド内ローラー630は、ヘッド外ローラー620と同様に、ベース部631と、ローラー部632とを具備し、ローラー部632の外周には凹凸が周方向に繰り返し形成されている。すなわち、本実施形態のヘッド内ローラー630は、所謂、スターホイールである。もちろん、ヘッド内ローラー630は、スターホイールに限定されず、ゴムローラー等であってもよい。
このようなヘッド内ローラー630を軸支するアーム640は、第1アーム部641のZ1側の端部がフレーム611に回転可能に軸支されている。また、第1アーム部641のZ2側の端部とフレーム611との間には、当該第1アーム部641のZ2側の端部を第2の方向Yに付勢する付勢手段であるアーム付勢バネ643が設けられている。アーム640は、回転可能に設けられているため、アーム640は、アーム付勢バネ643によって第2の方向Yに付勢されることで、第2アーム部642の端部に設けられたヘッド内ローラー630を記録シートS側に向かって、第3の方向Zに付勢する。つまり、アーム付勢バネ643がアーム640を付勢する方向は、着弾面S1と直交する方向である第3の方向Zとは異なる方向である。もちろん、アーム付勢バネ643の付勢方向は第3の方向Zとは異なる方向であれば特にこれに限定されず、第1の方向Xであってもよく、また、第1の方向Xと第2の方向Yとを含む面内方向の何れかであってもよい。また、アーム付勢バネ643は、第3の方向Zの成分と第1の方向X及び第2の方向Yの成分とを含む斜め方向に付勢するようにしてもよい。このようにヘッド内ローラー630は、アーム640を介して付勢されるので、ヘッド内ローラー630をヘッド外ローラー620と同じ構造によって付勢する場合と比べて、第1収容部215及び第2収容部216内でのローラーユニット610の第3の方向Zの大きさを小さくすることができる。したがって、記録ヘッド2を第3の方向Zに小型化することができると共に、記録ヘッド2を記録シートSの着弾面S1に近づけて配置することが可能となる。また、ヘッド外ローラー620は、ヘッド内ローラー630のようにアーム640を介さずに、直接第3の方向Zに付勢されるので、部品点数を減少させてコストを低減することができる。また、ヘッド外ローラー620にはアーム640を設けないことで、第1フレーム部613及び第2フレーム部614にアーム640を設けるスペースが不要となって、第1フレーム部613及び第2フレーム部614の第2の方向Yの幅を小さくして、記録ヘッド2を第2の方向Yで挟んで配置される2つのヘッド外ローラー620の間隔を狭くすることができ、2つのヘッド外ローラー620の間で記録シートSを安定して保持することができる。
このようなヘッド内ローラー630は、第1フレーム部613及び第2フレーム部614に記録ヘッド2の間隔203と隙間204との各々に対して1つずつ設けられている。すなわち、第1フレーム部613には、2つのヘッド内ローラー630が設けられ、第2フレーム部614には、2つのヘッド内ローラー630が設けられている。そして、ヘッド内ローラー630は、アーム640によってヘッド開口部612内に突出して設けられている。したがって、ヘッド内ローラー630は、当該ヘッド内ローラー630の少なくとも一部が記録ヘッド2の間隔203及び隙間204に相対向して設けられている。なお、ヘッド内ローラー630の少なくとも一部と、記録ヘッド2とが第3の方向Zで相対向して設けられているとは、第3の方向Zにおいてヘッド内ローラー630を記録ヘッド2に射影した際に、ヘッド内ローラー630の少なくとも一部が記録ヘッド2に重なることを言う。また、ヘッド内ローラー630が記録ヘッド2に重なるとは、記録ヘッド2の液体噴射面20a側の面に重なることを言う。つまり、記録ヘッド2のZ2側において、記録ヘッド2がヘッド外ローラー620に第3の方向Zで相対向するように延設されていても、ヘッド外ローラー620が記録ヘッド2に第3の方向Zで相対向するとは言わない。なお、本実施形態では、ヘッド内ローラー630は、回転軸633が記録ヘッド2に第3の方向Zで相対向するように設けた。また、ヘッド内ローラー630と、ヘッド外ローラー620とは、回転軸633の軸方向、すなわち、第1の方向Xにおいて、互いに少なくとも一部が相対向して設けられている。これにより、第1フレーム部613及び第2フレーム部614の第2の方向Yの幅を狭くして、インクジェット式記録装置1の小型化を図ることができる。もちろん、ヘッド内ローラー630は特にこれに限定されず、回転軸633が記録ヘッド2に第3の方向Zで相対向しない位置にヘッド内ローラー630を配置するようにしてもよい。また、ヘッド内ローラー630とヘッド外ローラー620とは、第1の方向Xで互いに相対向しない位置となるように設けてもよい。
このように、ヘッド内ローラー630を、少なくとも一部が第3の方向Zで記録ヘッド2に相対向するように設けることで、記録ヘッド2の搬送方向である第2の方向Yの両側に設けられた2つのヘッド内ローラー630の間隔を狭くすることができる。したがって、第2の方向Yにおいて記録ヘッド2の両側でヘッド内ローラー630によって記録シートSを押さえる距離を短くすることができる。すなわち、ヘッド内ローラー630を設けずにヘッド外ローラー620のみを設けた場合、ヘッド外ローラー620は記録ヘッド2に第3の方向Zで相対向しない領域に設けられているため、第2の方向Yで記録シートSを押さえるヘッド外ローラー620の距離は、記録ヘッド2の第2の方向Yの幅よりも広くなる。これに対して、本実施形態では、記録ヘッド2の第2の方向Yの両側において、ヘッド外ローラー620よりも記録ヘッド2側に配置したヘッド内ローラー630によって記録シートSを押さえるため、ヘッド内ローラー630の間隔が記録ヘッド2の第2の方向Yよりも狭くなる。したがって、記録ヘッド2の第2の方向Yの両側のヘッド内ローラー630の間隔を短くして、このヘッド内ローラー630の間で保持した記録シートSの浮き上がり等を抑制することができる。そして、第2の方向Yにおいて、記録シートSの着弾面S1には、2つのヘッド内ローラー630の間でインクが着弾するため、ヘッド内ローラー630の間で記録シートSの浮き上がりを抑制することで、記録シートSへのインクの着弾位置ずれが生じるのを抑制することができる。なお、本実施形態では、ヘッド内ローラー630の回転軸633が、記録ヘッド2に第3の方向Zで相対向するように設けることで、記録シートSを記録ヘッド2の第2の方向Yの両側で押さえるヘッド内ローラー630の距離をさらに短くすることができ、さらに記録シートSの姿勢を安定させることができる。もちろん、ヘッド内ローラー630は、回転軸633が記録ヘッド2に第3の方向Zで相対向する領域の外側となるように配置されていても、ヘッド外ローラー620に比べてヘッド内ローラー630の第2の方向Yの間の距離を短くすることができる。
また、本実施形態では、第1の方向Xにおいて、互いに隣り合うヘッド内ローラー630の間にヘッド外ローラー620を設けることで、ヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630によって記録シートSを第1の方向Xに狭い間隔で押さえることができる。したがって、ヘッド内ローラー630のみを設ける場合に比べて、第1の方向Xで互いに隣り合うヘッド内ローラー630の間において記録シートSの浮き上がりを抑制して、記録シートSへのインクの着弾位置ずれが生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、ホルダー部材210の間隔203には第1収容部215が設けられ、隙間204には第2収容部216が設けられている。このため、本実施形態のヘッド内ローラー630は、少なくとも一部が第1収容部215及び第2収容部216内に収容されている。すなわち、第1の方向Xから見た場合に、ヘッド内ローラー630の少なくとも一部が第1収容部215内に重なる位置に配置されている。このように、ヘッド内ローラー630の少なくとも一部を第1収容部215及び第2収容部216内に収容することで、記録ヘッド2の液体噴射面20aを記録シートSの着弾面S1に近づけて配置することができる。したがって、記録ヘッド2から噴射されたインクの着弾位置ずれを抑制して高速印刷が可能となる。ちなみに、ヘッド内ローラー630を第1収容部215及び第2収容部216内に収容せずに、外側に配置する場合、ヘッド内ローラー630が記録ヘッド2に第3の方向Zで相対向するには、記録ヘッド2を記録シートSから第3の方向Zに離して配置する必要がある。このため、記録ヘッド2の液体噴射面20aと記録シートSの着弾面S1とが離れてしまい、インクの着弾位置ずれが発生すると共に、高速印刷を行うことができなくなってしまう。
なお、ヘッド内ローラー630の少なくとも一部を収容する第1収容部215は、上述のように、第1接続流路213を第3の方向Zに対して傾斜して設けることで形成することができる。したがって、ヘッド内ローラー630は、第3の方向Zにおいて、第1接続流路213の流路300と接続される側の部分と、記録ヘッド2の液体噴射面20aとの間に設けられている。このように、ホルダー部材210に第1接続流路213及び第2接続流路214を形成するので、ホルダー部材210の外にチューブ等によって第1接続流路213及び第2接続流路214を形成する場合に比べて、第1接続流路213及び第2接続流路214をヘッド外ローラー620及びヘッド内ローラー630から保護することができる。
また、本実施形態では、ヘッド内ローラー630は、フレーム611に保持されており、フレーム611は、インクジェット式記録装置1の装置本体7に固定されている。このため、記録ヘッド2を搭載したキャリッジ3を第3の方向Zに上昇させることで、ヘッド内ローラー630は、第1収容部215及び第2収容部216の外側に相対的に移動する。したがって、メンテナンス手段400が記録ヘッド2のメンテナンスを行う際に、ヘッド内ローラー630が干渉することがなく、メンテナンスを容易に且つ短時間で行うことができる。
〈実施形態2〉
実施形態1に係る記録ヘッド2の露出部290は、側壁部291及び天井部292を備え、切り欠け部295が側壁部291及び天井部292に形成されていたが、このような態様に限定されない。本実施形態では、図28〜図30を用いて実施形態1とは異なる態様の露出部について説明する。図28〜図30に示す各露出部は、それぞれ本発明に係る記録ヘッド2の露出部の変形例を示すものである。
図28(a)は本実施形態に係る記録ヘッドの露出部周辺を拡大した平面図であり、図28(b)は図28(a)のJ−J′線断面図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図28に示すように、記録ヘッド2Aの露出部290Aは、天井部を有さず、側壁部291を備えている。すなわち、側壁部291が本実施形態の露出部290Aとなっている。側壁部291は、第3の方向ZのZ2側に開口した円筒形状に形成されており、側壁部291の開口は、供給針242が挿通される挿通孔293となっている。また、露出部290Aには、切り欠け部は形成されていない。なお、実施形態1と同様に、露出部290Aは溝部296の内部に収容されているが、必ずしも、溝部296を設けなくてもよい。
この側壁部291の内面である側面291aと、供給針242の外周との間は、シール部材270が収容されるシール収容部294となっている。
シール部材270は、供給針242に挿入された状態で供給針242とともに挿通孔293に挿通されている。そして、シール部材270は、側壁部291と供給針242とに挟持され、周方向に圧縮する力が作用している。
このような態様の露出部290Aにおいても、実施形態1と同様に、供給針242と側壁部291との間のシールが確保されている。また、シール部材270には、周方向に圧縮されているが、第3の方向Zに沿って力が掛かっていない。したがって、シール部材270に生じる残留応力が記録ヘッド2全体に対して第3の方向Zに作用することが抑制される。これにより、液体噴射面20aの変形を抑制することができる。
図29を用いて、さらに別態様の露出部について説明する。図29(a)は本実施形態に係る記録ヘッドの露出部周辺を拡大した平面図であり、図29(b)は図29(a)のK−K′線断面図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図29に示すように、記録ヘッド2Bの露出部290Bは、天井部を有さず、側壁部291を備えている。すなわち、側壁部291が本実施形態の露出部290Bとなっている。側壁部291は、第3の方向ZのZ2側に開口した円筒形状に形成されており、側壁部291の開口は、供給針242が挿通される挿通孔293となっている。また、露出部290Bには、側壁部291の一部を切り欠いた切り欠け部295Bが形成されている。この切り欠け部295Bは、側壁部291のうち、シール部材270と当接する部分よりも供給針242の先端側、すなわち第3の方向ZのZ2側に設けられている。なお、実施形態1と同様に、露出部290Bは溝部296の内部に収容されているが、必ずしも、溝部296を設けなくてもよい。
この側壁部291の内面である側面291aと、供給針242の外周との間は、シール部材270が収容されるシール収容部294となっている。
シール部材270は、供給針242に挿入された状態で供給針242とともに挿通孔293に挿通されている。そして、シール部材270は、側壁部291と供給針242とに挟持され、周方向に圧縮する力が作用している。
このような態様の露出部290Bにおいても、実施形態1と同様に、供給針242と側壁部291との間のシールが確保されている。また、シール部材270には、周方向に圧縮されているが、第3の方向Zに沿って力が掛かっていない。したがって、シール部材270に生じる残留応力が記録ヘッド2全体に対して第3の方向Zに作用することが抑制される。これにより、液体噴射面20aの変形を抑制することができる。
さらに、切り欠け部295Bを設けたことで、シール収容部294に溢れたインクは、切り欠け部295Bから外部に排出される。また、同図に示す露出部290Bは溝部296に収容されているので、切り欠け部295Bから排出されたインクの流れる方向を切り欠け部295B及び溝部296により制御して、カバー部材250の側面255にまで排出することができる。
図30を用いて、さらに別態様の露出部について説明する。図30(a)は本実施形態に係る記録ヘッドの露出部周辺を拡大した平面図であり、図30(b)は図30(a)のL−L′線断面図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図30に示すように、記録ヘッド2Cの露出部290Cは、天井部を有さず、側壁部291を備えている。すなわち、側壁部291が本実施形態の露出部290Cとなっている。側壁部291は、第3の方向ZのZ2側に開口した円筒形状に形成されており、側壁部291の開口は、供給針242が挿通される挿通孔293となっている。また、露出部290Cには、側壁部291の一部を切り欠いた切り欠け部295Cが形成されている。
この切り欠け部295Cは、側壁部291を液体噴射面20aの面内方向に沿って貫通した貫通孔として形成されている。切り欠け部295Cの位置は、側壁部291のうちシール部材270と当接する部分よりも供給針242の先端側、すなわち第3の方向ZのZ2側であり、かつ、側壁部291の先端よりも第3の方向ZのZ1側である。なお、実施形態1と同様に、露出部290Cは溝部296の内部に収容されているが、必ずしも、溝部296を設けなくてもよい。
この側壁部291の内面である側面291aと、供給針242の外周との間は、シール部材270が収容されるシール収容部294となっている。
シール部材270は、供給針242に挿入された状態で供給針242とともに挿通孔293に挿通されている。そして、シール部材270は、側壁部291と供給針242とに挟持され、周方向に圧縮する力が作用している。
このような態様の露出部290Cにおいても、実施形態1と同様に、供給針242と側壁部291との間のシールが確保されている。また、シール部材270には、周方向に圧縮されているが、第3の方向Zに沿って力が掛かっていない。したがって、シール部材270に生じる残留応力が記録ヘッド2全体に対して第3の方向Zに作用することが抑制される。これにより、液体噴射面20aの変形を抑制することができる。
さらに、切り欠け部295Cを設けたことで、シール収容部294に溢れたインクは、切り欠け部295Cから外部に排出される。また、同図に示す露出部290Cは溝部296に収容されているので、切り欠け部295Cから排出されたインクの流れる方向を切り欠け部295C及び溝部296により制御して、カバー部材250の側面255にまで排出することができる。
また、特に図示しないが、露出部290Cは、実施形態1と同様の側壁部291を覆う天井部292を有していてもよい。すなわち、側壁部291と天井部292とを有し、側壁部291に貫通孔として形成された切り欠け部295Cを有する露出部であってもよい。
〈実施形態3〉
図31を用いて、本実施形態に係る記録ヘッド2Dについて説明する。図31は、記録ヘッドを第2の方向Yからみた側面図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本実施形態に係る記録ヘッド2Dは、実施形態1と同様のカバー部材250を有する。すなわち、第3の方向ZのZ1側に環状の開口を有する側面255及び側面255を覆う天井256を有する剛性部分254と、剛性部分254に連なるシール部分253とを有する。
また、実施形態1に係る記録ヘッド2と同様に、記録ヘッド2Dのシール部分253は、カバー部材250の側面255よりも内部空間259(図17等参照)側に若干窪んだ凹部299を有している。
ホルダー部材210Bは、シール部分253の凹部299に収容されるインクの量が、シール部分253に収容可能な量を超えた場合に、記録シートS(図示せず)が位置する第3の方向ZのZ1側にインクを導くための排出流路298が設けられている。具体的には、ホルダー部材210Bの第2の方向YのY1に面した側面に溝として排出流路298が設けられている。排出流路298は、第3の方向Zに沿って設けられており、Z2側の一端はシール部分253の凹部299に達し、Z1側の一端はホルダー部材210BのZ1側の表面に達している。
このような記録ヘッド2Dにおいては、供給針242から溢れたインクは、切り欠け部295及び溝部296を経由して、カバー部材250の天井256及び側面255を伝って第3の方向Zに落下する。そして、側面255を伝って落下するインクは、凹部299に収容される。
このシール部分253の凹部299に収容可能なインクの量を超えてインクが流入すると、インクは第3の方向ZのZ1側にこぼれ落ちる。このとき、シール部分253には、排出流路298が連通しているので、この排出流路298を伝ってインクが記録シートSに排出される。
本実施形態に係る記録ヘッド2Dは、シール部分253の凹部299に排出流路298を設けることで、凹部299内のインクを記録シートSに排出することができる。すなわち、記録ヘッド2Dは、凹部299にインクを貯留することよりも、記録シートSに積極的に排出することが可能な構成となっている。したがって、このような記録ヘッド2Dの供給針242においてインク漏れが生じると、当該インクは、速やかに記録シートSに排出される。記録シートSには、印刷データとは無関係にインク滴が付着することになるので、記録ヘッド2Dにてインク漏れが生じたことを早く発見することができる。
また、供給針242や切り欠け部295の個数は1個又は2個以上、任意の数を設けることができる。そして、シール部分253の凹部299は、複数の供給針242や切り欠け部295に共通して一つ設けられている。
これにより、複数の供給針242で漏れたインクを一つのシール部分253に集中的に収容することができる。このため、シール部分253に流入するインクの量が、シール部分253に収容可能なインクの量を超えるまでに要する時間は短縮される。すなわち、このような記録ヘッド2Dによれば、短時間で供給針242から記録シートSにインクが到達するので、供給針242で生じたインク漏れをより一層早く発見することができる。
〈実施形態4〉
図32を用いて、本実施形態に係る記録ヘッド2Eについて説明する。図32は、記録ヘッドを第2の方向Yからみた側面図である。なお、実施形態1及び実施形態3と同一のものには同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本実施形態に係る記録ヘッド2Eは、実施形態3に係る記録ヘッド2Dのうち、シール部分253が凹部299を有さず、また、排出流路298が設けられておらず、固定板260と符号化部297を備えた構成である。
すなわち、ホルダー部材210C、シール部分253及びカバー部材250の第1の方向X及び第2の方向Yに面した側面は略面一となっている。
一方、記録ヘッド2には、記録ヘッド2のヘッド本体200を特定する情報が符号化されて表示された部位として符号化部297が設けられている。符号化部297は、例えば、ヘッド本体200のロット番号、シリアル番号、ヘッド本体200の圧電特性などの各種特性が符号化されたものであり、例えば、バーコードなどの態様で表されている。本実施形態では、符号化部297は、固定板260の折り曲げ部261に設けられている。もちろん、符号化部297を設ける位置は特に限定されない。
折り曲げ部261は、液体噴射面20aに平行なノズル面形成部263から第3の方向ZのZ2側に折り曲げられた部位であり、ホルダー部材210の第2の方向YのY1側に面した側面に接着されている。すなわち、折り曲げ部261は、ホルダー部材210の側面に略面一となっている。
また、切り欠け部295と符号化部297とは、鉛直方向である第3の方向Zにおいて並んでいない。すなわち、切り欠け部295によって誘導されるインクの流れる方向(本実施形態では第2の方向Yである)に垂直な平面(本実施形態では第1の方向X及び第3の方向Zを含む平面)に対する平面視において、切り欠け部295と符号化部297とは、第3の方向Zに沿って並んでいない。
このような記録ヘッド2Eにおいては、供給針242から溢れたインクは、切り欠け部295及び溝部296を経由して、インクの流れが第2の方向Yに制御され、矢印に示すように、略直線状になって、カバー部材250の側面255を伝って第3の方向Zに落下する。そして、側面255を伝って落下するインクは、シール部分253で収容されずに、ホルダー部材210のZ1側の底面まで達する。
上述したように、切り欠け部295と符号化部297とは第3の方向Zにおいて並んでいないため、符号化部297に供給針242から漏れたインクが到達する可能性を低減することができる。
これにより、符号化部297にインクが付着することが抑制され、符号化部297を良好に読み取ることができる。
〈他の実施形態〉
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、針形状の供給針242としては円筒状のものを例示したがこれに限定されない。供給針242は、第3の方向Zに交差する方向に延び、第2流路である流路300に連通したものであればよい。例えば円筒状に限らず、頂面に流路300が開口した柱状に形成された供給針であってもよいし、頂点に流路300が開口した錐状に形成された供給針であってもよい。
また、実施形態1に係る記録ヘッド2は、第1矯正板230及び第2矯正板280を備えていたがこのような態様に限定されない。すなわち、記録ヘッド2は、第1矯正板230及び第2矯正板280の何れか一方を備えるか、何れも備えない態様の記録ヘッドであってもよい。
実施形態1に係る記録ヘッド2は、ホルダー部材210とカバー部材250との間に二色成型によるシール部分253を設けていたがこのような態様に限定されない。例えば、二色成型ではない別部材の環状の弾性材料からなるシール部材を用いてもよい。
例えば、上述した実施形態では、シール部分253とホルダー部材210とが接触する部分の厚みD1はシール部分253と剛性部分254とが接触する部分の厚みD2より厚いとしたが、これに限定されない。
また、シール部分253の厚みD2が剛性部分254の厚みD3よりも薄いとしたが、これに限定されない。さらに、また、シール部分253は、シール部分253とホルダー部材210との接触部258aの厚み方向の中心Pが、シール部分253と剛性部分254との接触部258bの厚み方向の中心Qよりもカバー部材250の内側にあるとしたが、これに限定されない。
また、シール部分253は、長方形の環状に形成されていたがこれに限定されず、カバー部材250の形状に合わせて任意の形状であっても本発明の作用効果を奏する。さらに、シール部分253及び剛性部分254は、カバー部材250に設けたがこのような態様に限定されず、ホルダー部材210側に設けてもよい。
また、液体噴射面20aに対する平面視において、シール部分253の輪郭が少なくとも第1の方向Xにおける記録ヘッド2の最も外側をなしていればよく、シール部分253自体は、液体噴射面20aに対して平行な平面に設けられている必要はない。シール部分253は、例えば、液体噴射面20aに対して傾斜した平面に設けられていてもよい。
ホルダー部材210に規制部218を設けたが、これに限定されず、規制部を設けなくてもよい。また、規制部218はホルダー部材210と一体であっても別部材であってもよい。
実施形態1に係る記録ヘッド2は、ホルダー部材210のヤング率がカバー部材250の剛性部分254のヤング率よりも高いが、このような態様に限定されない。
上述した実施形態1では、キャリッジ3に記録ヘッド2を1つ設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、キャリッジ3に記録ヘッド2を2つ以上設けるようにしてもよい。
上述した実施形態1では、1つの記録ヘッド2から1種類のインクが噴射される構成を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、ノズル列毎に異なるインクが噴射されるようにしてもよい。
上述した実施形態1では、記録ヘッド2のヘッド本体200の並設方向を、インクジェット式記録装置1に搭載された際の第1の方向Xとしたが、特にこれに限定されない。例えば、ヘッド本体200の並設方向、すなわち、ノズル開口21の並設方向をインクジェット式記録装置1の第1の方向Xに対して傾いた方向としてもよい。すなわち、ヘッド列202を構成するヘッド本体200が、キャリッジ軸の軸方向に対して傾いた方向に並設されていてもよい。同様に、ヘッド列202の並設方向を第2の方向Yとしたが、これに限定されず、例えば、ヘッド列202の並設方向が第2の方向Yに対して傾いた方向となってもよい。
上述した実施形態1では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電アクチュエーター130を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッドを有する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射ヘッド及び液体噴射装置にも適用できる。
1 インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 2 記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 121 配線基板、 200 ヘッド本体、 202 ヘッド列、 210、210A ホルダー部材、 213 第1接続流路(第2流路)、 214 第2接続流路(第2流路)、 218 規制部、 219 ガイド部、 220 回路基板、 221 コネクター(電子部品)、 225 基板、 226 接続部、 230 第1矯正板、 231 矯正本体部、 232 脚部、 233 開口部、 240 流路部材、 242 供給針、 250 カバー部材、 253 シール部分、 254 剛性部分、 255 側面、 256 天井、 260 固定板、 270 シール部材、 280 第2矯正板、 290 露出部、 291 側壁部、 291a 側面、 292 天井部、 295 切り欠け部、 296 溝部、 300 流路(第2流路)

Claims (5)

  1. 液体噴射面に設けられたノズル開口から液滴を噴射するヘッド本体と、
    複数の前記ヘッド本体が固定され、前記ヘッド本体への第1流路を有するホルダー部材と、
    前記ホルダー部材の前記第1流路への第2流路と、前記第2流路へ液体を供給し、前記液体噴射面に交差する方向に伸びる針形状の供給針とを有する流路部材と、
    前記ヘッド本体と電気的に接続される回路基板と、
    前記ホルダー部材と固定され前記回路基板と前記流路部材とを収容し、前記供給針を露出させる露出部を有するカバー部材と、
    前記液体噴射面の面内方向に、前記供給針と前記露出部との隙間を封止するシール部材と
    複数の前記ヘッド本体が固定された金属製の固定板を備え、
    前記露出部は、
    前記供給針の周方向の外周を囲む側壁部であって、針形状に沿って伸びる側面を有する側壁部と、
    前記側壁部に設けられた切り欠け部と、
    前記側壁部を覆い、前記供給針を露出させる開口を有する天井部と、
    を有し、
    前記露出部の開口の径は、前記供給針の周方向の外周の径よりも大きく、
    前記シール部材は、前記側壁部と前記供給針との隙間を前記液体噴射面の面内方向に封止し、
    前記切り欠け部は、前記天井部から前記側壁部のうち前記シール部材と当接する部分よりも、前記供給針の先端側に設けられ、
    前記固定板は、前記液体噴射面に平行なノズル面形成部と、前記ノズル面形成部に対して曲げられた折り曲げ部とを有し、
    前記折り曲げ部には、符号化部が設けられ、
    前記切り欠け部と前記符号化部とは、鉛直方向に並ばない
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 液体噴射面に設けられたノズル開口から液滴を噴射するヘッド本体と、
    複数の前記ヘッド本体が固定され、前記ヘッド本体への第1流路を有するホルダー部材と、
    前記ホルダー部材の前記第1流路への第2流路と、前記第2流路へ液体を供給し、前記液体噴射面に交差する方向に伸びる針形状の供給針とを有する流路部材と、
    前記ヘッド本体と電気的に接続される回路基板と、
    前記ホルダー部材と固定され前記回路基板と前記流路部材とを収容し、前記供給針を露出させる露出部を有するカバー部材と、
    前記液体噴射面の面内方向に、前記供給針と前記露出部との隙間を封止するシール部材と
    前記露出部は、
    前記供給針の周方向の外周を囲む側壁部であって、針形状に沿って伸びる側面を有する側壁部と、
    前記側壁部に設けられた切り欠け部と、
    前記側壁部を覆い、前記供給針を露出させる開口を有する天井部と、
    を有し、
    前記露出部の開口の径は、前記供給針の周方向の外周の径よりも大きく、
    前記シール部材は、前記側壁部と前記供給針との隙間を前記液体噴射面の面内方向に封止し、
    前記切り欠け部は、前記天井部から前記側壁部のうち前記シール部材と当接する部分よりも、前記供給針の先端側に設けられ、
    前記カバー部材は、
    環状の開口を有する側面であって、前記回路基板と前記流路部材とを収容する側面と、
    前記側面の開口側において、前記側面と連なるシール部分であって、前記ホルダー部材と前記側面との間をシールするシール部分と、
    を有し、
    前記シール部分は、環状に沿って前記側面よりも環状の内側に凹んでおり、前記切り欠け部からこぼれた液体を収容する
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 請求項に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記供給針は、複数あり、
    前記切り欠け部は、複数あり、
    前記シール部分は、複数の前記切り欠け部からこぼれた液体を共通して収容し、
    前記ホルダー部材は、前記シール部分により収容される液体の量が、前記シール部分が収容可能な量を超えた場合に、前記ヘッド本体から液体が噴射される被記録媒体上に液体を導くための排出流路を有する
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1から請求項3の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記液体噴射面に垂直な方向において、前記シール部材と前記天井部とは離間し、前記シール部材と前記流路部材とは接している
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 請求項1から請求項の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
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