JP2015163437A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】可撓性配線基板をヘッド基板に確実に接合して信頼性が向上した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】インクを噴射するヘッドユニットと、実装領域である第1端子列310を有するヘッド基板300と、ヘッドユニットを保持し、ヘッド基板300が載置されるホルダ部材である第1下流流路部材240及び第2下流流路部材と、ヘッドユニット及び第1端子列310に電気的に接続される配線基板121とを備え、ヘッド基板300に向けて選択的に突出し、ヘッド基板300を面で支持する受け面246が設けられ、受け面246は、第1端子列310に対応して選択的に突出して設けられ、受け面246の領域は第1端子列310全体を含む。
【選択図】図11

Description

本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを噴射するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液体を吐出する液体噴射ヘッドの代表例としては、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。このインクジェット式記録ヘッドとしては、例えばインクを噴射するノズル開口を有するヘッド本体、該ヘッド本体に供給されるインクが導入される導入口を有する流路形成部材、及びヘッド本体に電気的に接続されるCOF基板等の可撓性配線基板を有するヘッドユニットと、該ヘッドユニットを保持するホルダ部材と、ヘッド基板とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ホルダ部材の一方面(液体噴射面)側にヘッド本体が保持されており、他方面側にヘッド基板が保持されている。このホルダ部材には、COF基板が挿通される挿通孔と、前記導入口に連通するインクの流路が設けられている。ヘッド基板には、COF基板が挿通される挿通孔と実装領域が設けられており、スリットを挿通したCOF基板は、折り曲げられて実装領域に電気的に接続されている。
ここで、COF基板が実装領域に実装される際には、ヒートツールによって行われる。すなわち、ヒートツールにより、折り曲げたCOF基板をヘッド基板に設けられた実装領域に押し当てながら熱圧着する。ヘッド基板は、ヒートツールにより押圧されるが、ヘッド基板の実装領域とは反対面側はホルダ部材に保持されているため、ヘッド基板の撓みが抑制され、実装領域とCOF基板の面同士を隙間なく接合することができる。
特開2012−81644号公報
しかしながら、実際には、ホルダー部材に形成される流路の配置や配線の引き回しなどにより、ヘッド基板の実装領域全体をホルダー部材で保持できない場合がある。したがって、ホルダー部材に保持されていないヘッド基板の実装領域の一部がヒートツールでCOF基板とともに押圧された際にヘッド基板の当該一部が撓み、COF基板と実装領域との間に隙間が生じる場合がある。これにより、COF基板と実装領域との接続不良が生じ、信頼性が低下する虞がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドに限定されず、他の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明は、このような事情に鑑み、可撓性配線基板をヘッド基板に確実に接合して信頼性が向上した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を噴射するノズル開口を有するヘッドユニットと、複数の電極端子が配列された実装領域を有するヘッド基板と、前記ヘッドユニットを一方の側で保持するとともに、該一方の側と反対の他方の側に前記ヘッド基板が載置されるホルダー部材と、前記ホルダー部材の前記一方と前記他方とに開口した挿通孔に挿通され、一端に設けられた複数の配線端子が前記実装領域に電気的に接続され、他端が前記ヘッドユニットと電気的に接続された可撓性配線基板とを備え、前記ホルダー部材の前記他方の側には、前記ヘッド基板に向けて選択的に突出して設けられ、前記ヘッド基板を面で支持する受け面が設けられ、前記受け面は、前記実装領域に対応して選択的に突出して設けられ、前記受け面の領域は前記実装領域の全体を含む領域とされていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、受け面はヘッド基板の実装領域の全体を保持することができる。これにより、可撓性配線基板を実装領域に実装する際に荷重が掛かっても、ヘッド基板が撓んだり、屈曲することを抑制することができる。したがって、実装領域と電極端子との接続を隙間なく良好なものとすることができ、接続の信頼性が向上した液体噴射ヘッドが提供される。
ここで、前記ホルダー部材は複数の部材から構成され、前記受け面は、前記複数の部材の前記他方の側に設けられていることが好ましい。これによれば、複数の部材から構成されるホルダー部材においても、実装領域の全面を保持する受け面を形成することができる。
また、前記ホルダー部材は、第1部材、及び前記第1部材と前記ヘッドユニットとの間に配置された第2部材を備えており、前記第1部材は、前記ヘッド基板を支持するとともに前記第2部材との間で前記ヘッドユニットに供給される液体の流路を構成し、前記受け面は、前記第1部材及び前記第2部材の前記他方の側に設けられていることが好ましい。これによれば、第1部材及び第2部材との間に流路が設けられたホルダー部材においても、実装領域の全面を保持する受け面を形成することができる。これにより、例えば、第1部材又は第2部材の一方のみでは、流路を形成する構造上、実装領域の全面を保持する受け面を形成できない場合であっても、第1部材及び第2部材の双方により実装領域の全面を保持する受け面を形成することができる。
また、前記ホルダー部材は、第1部材、及び前記第1部材と前記ヘッドユニットとの間に配置された第2部材を備えており、前記受け面は、前記第1部材及び前記第2部材の前記他方の側に設けられており、前記第1部材の受け面は、該第1部材の前記ヘッド基板側の面に設けられた充填部材によって構成されていることが好ましい。これによれば、第1部材及び第2部材との間に流路が設けられたホルダー部材においても、実装領域の全面を保持する受け面を形成することができる。これにより、例えば、第1部材又は第2部材の一方のみでは、流路を形成する構造上、実装領域の全面を保持する受け面を形成できない場合であっても、第1部材、第2部材及び充填部材により実装領域の全面を保持する受け面を形成することができる。
さらに本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、可撓性配線基板をヘッド基板に確実に接合して信頼性が向上した液体噴射装置が提供される。
実施形態1に係るヘッドユニットの分解斜視図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの平面図である。 図2のA−A’線断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図である。 図5のB−B’線断面図である。 実施形態1に係る第2下流流路部材(第2部材)の平面図である。 実施形態1に係る第1下流流路部材(第1部材)の平面図である。 実施形態1に係る記録ヘッド基板の平面図である。 実施形態1に係るヘッド基板の要部を拡大した平面図である。 図10のC−C’線断面図である。 実施形態2に係るヘッド基板の要部を拡大した平面図である。 図12のD−D’線断面図である。 実施形態3に係るヘッド基板の要部を拡大した平面図である。 図14のE−E’線断面図である。 インクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
〈実施形態1〉
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。インクジェット式記録ヘッドは液体噴射ヘッドの一例であり、単に記録ヘッドとも言う。
まず、本実施形態に係る記録ヘッドが備えるヘッドユニットの一例について説明する。図1は本実施形態に係るヘッドユニットの分解斜視図であり、図2はヘッドユニットの平面図であり、図3はヘッドユニットの断面図である。
ヘッドユニット2は、ヘッド本体11、ヘッド本体11の一方面側に固定された流路形成部材40等の複数の部材を備える。
ヘッド本体11は、流路形成基板10と、流路形成基板10の一方面側に設けられた連通板15と、連通板15の流路形成基板10とは反対面側に設けられたノズルプレート20と、流路形成基板10の連通板15とは反対側に設けられた保護基板30と、連通板15のノズルプレート20が設けられた面側に設けられたコンプライアンス基板45とを具備する。
流路形成基板10は、ステンレス鋼やNiなどの金属、ZrOあるいはAlを代表とするセラミック材料、ガラスセラミック材料、MgO、LaAlOのような酸化物などを用いることができる。本実施形態では、流路形成基板10は、シリコン単結晶基板からなる。この流路形成基板10には、一方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12がインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。
以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、流路形成基板10には、圧力発生室12が第1の方向Xに並設された列が複数列、本実施形態では、2列設けられている。この圧力発生室12の列が複数列並べられた方向を、以降、第2の方向Yと称する。さらに、第1の方向X及び第2の方向Yに交差する方向を、インク滴(液滴)の噴射方向、又は第3の方向Zと称する。第3の方向は、請求項に記載するヘッドユニットとヘッド基板とが積層される方向である。なお、本実施形態では、説明理解を容易にするために各方向(X、Y、Z)の関係を直交とするが、各構成の配置関係が必ずしも直交するものに限定されるべきものでないことを言及しておく。
また、流路形成基板10には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部側に、当該圧力発生室12よりも開口面積が狭く、圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を付与する供給路等が設けられていてもよい。
流路形成基板10の一方面側(第3の方向Zであり、−Z方向)には、連通板15と、ノズルプレート20とが第3の方向Zに積層されている。すなわち、記録ヘッド1は、流路形成基板10の一方面に設けられた連通板15と、連通板15の流路形成基板10とは反対面側に設けられたノズル開口21を有するノズルプレート20とを具備する。
連通板15には、圧力発生室12とノズル開口21とを連通するノズル連通路16が設けられている。連通板15は、流路形成基板10よりも大きな面積を有し、ノズルプレート20は流路形成基板10よりも小さい面積を有する。このように連通板15を設けることによってノズルプレート20のノズル開口21と圧力発生室12とを離せるため、圧力発生室12の中にあるインクは、ノズル開口21付近のインクで生じるインク中の水分の蒸発による増粘の影響を受け難くなる。また、ノズルプレート20は圧力発生室12とノズル開口21とを連通するノズル連通路16の開口を覆うだけでよいので、ノズルプレート20の面積を比較的小さくすることができ、コストの削減を図ることができる。
また、連通板15には、マニホールド100の一部を構成する第1マニホールド部17と、第2マニホールド部18(絞り流路、オリフィス流路)とが設けられている。
第1マニホールド部17は、連通板15を厚さ方向(連通板15と流路形成基板10との積層方向(第3の方向Z))に貫通して設けられている。第2マニホールド部18は、連通板15を厚さ方向に貫通することなく、連通板15のノズルプレート20側に開口して設けられている。
さらに、連通板15には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部に連通する供給連通路19が、圧力発生室12毎に独立して設けられている。この供給連通路19は、第2マニホールド部18と圧力発生室12とを連通する。
このような連通板15としては、ステンレスやニッケル(Ni)などの金属、またはジルコニウム(Zr)などのセラミックス等を用いることができる。なお、連通板15は、流路形成基板10と線膨張係数が同等の材料が好ましい。すなわち、連通板15として流路形成基板10と線膨張係数が大きく異なる材料を用いた場合、加熱や冷却されることで、流路形成基板10及び連通板15に反りが生じてしまう。本実施形態では、連通板15として流路形成基板10と同じ材料、すなわち、シリコン単結晶基板を用いることで、熱による反りや熱によるクラック、剥離等の発生を抑制することができる。
ノズルプレート20には、各圧力発生室12とノズル連通路16を介して連通するノズル開口21が形成されている。このようなノズル開口21は、第1の方向Xに並設され、この第1の方向Xに並設されたノズル開口21の列が第2の方向Yに2列形成されている。また、ノズルプレート20の両面のうちインク滴を吐出する面、すなわち圧力発生室12とは反対側の面を液体噴射面20aと称する。
このようなノズルプレート20としては、例えば、ステンレス(SUS)等の金属、ポリイミド樹脂のような有機物、又はシリコン単結晶基板等を用いることができる。なお、ノズルプレート20としてシリコン単結晶基板を用いることで、ノズルプレート20と連通板15との線膨張係数を同等として、加熱や冷却されることによる反りや熱によるクラック、剥離等の発生を抑制することができる。
一方、流路形成基板10の連通板15とは反対面側には、振動板50が形成されている。本実施形態では、振動板50として、流路形成基板10側に設けられた酸化シリコンからなる弾性膜51と、弾性膜51上に設けられた酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜52と、を設けるようにした。なお、圧力発生室12等の液体流路は、流路形成基板10を一方面側(ノズルプレート20が接合された面側)から異方性エッチングすることにより形成されており、圧力発生室12等の液体流路の他方面は、弾性膜51によって画成されている。
流路形成基板10の振動板50上には、本実施形態の圧力発生手段である、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とを有する圧電アクチュエーター130が設けられている。ここで、圧電アクチュエーター130は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電アクチュエーター130の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極を圧力発生室12毎にパターニングして構成する。本実施形態では、第1電極60を複数の圧電アクチュエーター130に亘って連続して設けることで共通電極とし、第2電極80を圧電アクチュエーター130毎に独立して設けることで個別電極としている。もちろん、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。なお、上述した例では、振動板50が弾性膜51及び絶縁体膜52で構成されたものを例示したが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、振動板50として弾性膜51及び絶縁体膜52の何れか一方を設けたものであってもよく、また、振動板50として弾性膜51及び絶縁体膜52を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電アクチュエーター130自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
圧電体層70は、分極構造を有する酸化物の圧電材料からなり、例えば、一般式ABOで示されるペロブスカイト型酸化物からなることができ、鉛を含む鉛系圧電材料や鉛を含まない非鉛系圧電材料などを用いることができる。
さらに、このような圧電アクチュエーター130の個別電極である各第2電極80には、供給連通路19とは反対側の端部近傍から引き出され、振動板50上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90の一端部がそれぞれ接続されている。
また、リード電極90の他端部には、圧電アクチュエーター130を駆動するための駆動回路120が設けられた可撓性配線基板の一例である配線基板121が接続されている。配線基板121は、可撓性(フレキシブル)のあるシート状のもの、例えば、COF基板等を用いることができる。
配線基板121の一方面には、後述するヘッド基板300の第1端子311に電気的に接続する第2端子(配線端子)122が複数個並設された第2端子列123が形成されている。本実施形態の第2端子122は、第1の方向Xに沿って複数個並設されて第2端子列123をなしている。なお、配線基板121には、駆動回路120を設けなくてもよい。つまり、配線基板121は、COF基板に限定されず、FFC、FPC等であってもよい。
流路形成基板10の圧電アクチュエーター130側の面には、流路形成基板10と略同じ大きさを有する保護基板30が接合されている。保護基板30は、圧電アクチュエーター130を保護するための空間である保持部31を有する。保持部31は、保持部31は、保護基板30を厚さ方向である第3の方向Zに貫通することなく、流路形成基板10側に開口する凹形状を有する。また、保持部31は、第1の方向Xに並設された圧電アクチュエーター130で構成される列毎に独立して設けられている。すなわち、保持部31は、圧電アクチュエーター130の第1の方向Xに並設された列を収容するように設けられており、圧電アクチュエーター130の列毎、すなわち2つが第2の方向Yに並設されている。このような保持部31は、圧電アクチュエーター130の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
保護基板30は、厚さ方向である第3の方向Zに貫通した貫通孔32を有する。貫通孔32は、第2の方向Yに並設された2つの保持部31の間に複数の圧電アクチュエーター130の並設方向である第1の方向Xに亘って設けられている。つまり、貫通孔32は、複数の圧電アクチュエーター130の並設方向に長辺を有した開口とされている。リード電極90の他端部は、この貫通孔32内に露出するように延設され、リード電極90と配線基板121とが貫通孔32内で電気的に接続されている。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。また、流路形成基板10と保護基板30との接合方法は特に限定されず、例えば、本実施形態では、流路形成基板10と保護基板30とは接着剤(図示せず)を介して接合されている。
このような構成のヘッドユニット2は、複数の圧力発生室12に連通するマニホールド100をヘッド本体11と共に画成する流路形成部材40を備えている。流路形成部材40は、平面視において上述した連通板15と略同一形状を有し、保護基板30に接合されると共に、上述した連通板15にも接合されている。具体的には、流路形成部材40は、保護基板30側に流路形成基板10及び保護基板30が収容される深さの凹部41を有する。この凹部41は、保護基板30の流路形成基板10に接合された面よりも広い開口面積を有する。そして、凹部41に流路形成基板10等が収容された状態で凹部41のノズルプレート20側の開口面が連通板15によって封止されている。これにより、流路形成基板10の外周部には、流路形成部材40とヘッド本体11とによって第3マニホールド部42が画成されている。そして、連通板15に設けられた第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18と、流路形成部材40とヘッド本体11とによって画成された第3マニホールド部42と、によって本実施形態のマニホールド100が構成されている。すなわち、マニホールド100は、第1マニホールド部17、第2マニホールド部18及び第3マニホールド部42を具備する。また、本実施形態のマニホールド100は、第2の方向Yにおいて、2列の圧力発生室12の両外側に配置されており、2列の圧力発生室12の両外側に設けられた2つのマニホールド100は、ヘッドユニット2内では連通しないようにそれぞれ独立して設けられている。すなわち、本実施形態の圧力発生室12の列(第1の方向Xに並設された列)毎に1つのマニホールド100が連通して設けられている。言い換えると、ノズル群毎にマニホールド100が設けられている。もちろん、2つのマニホールド100は、連通していてもよい。
このように、流路形成部材40は、ヘッド本体11に供給されるインクの流路(マニホールド100)を形成する部材であり、マニホールド100に連通した導入口44を有している。すなわち、導入口44は、ヘッド本体11に供給されるインクをマニホールド100に導入する入口となる開口部である。
また、流路形成部材40には、保護基板30の貫通孔32に連通して配線基板121が挿通される接続口43が設けられている。そして、配線基板121の他端部は、貫通孔32及び接続口43の貫通方向、すなわち、第3の方向Zであって、インク滴の噴射方向とは反対側に延設されている。
なお、このような流路形成部材40の材料としては、例えば、樹脂や金属等を用いることができる。ちなみに、流路形成部材40として、樹脂材料を成形することにより、低コストで量産することができる。
また、連通板15の第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18が開口する面には、コンプライアンス基板45が設けられている。このコンプライアンス基板45は、平面視において上述した連通板15と略同じ大きさを有し、ノズルプレート20を露出する第1露出開口部45aが設けられている。そして、このコンプライアンス基板45が第1露出開口部45aによってノズルプレート20を露出した状態で、第1マニホールド部17と第2マニホールド部18の液体噴射面20a側の開口を封止している。すなわち、コンプライアンス基板45がマニホールド100の一部を画成している。
このようなコンプライアンス基板45は、本実施形態では、封止膜46と、固定基板47と、を具備する。封止膜46は、可撓性を有するフィルム状の薄膜(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等により形成された厚さが20μm以下の薄膜)からなり、固定基板47は、ステンレス鋼(SUS)等の金属等の硬質の材料で形成される。この固定基板47のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部48となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜46のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部49となっている。本実施形態では、1つのマニホールド100に対応して1つのコンプライアンス部49が設けられている。すなわち、本実施形態では、マニホールド100が2つ設けられているため、ノズルプレート20を挟んで第2の方向Yの両側に2つのコンプライアンス部49が設けられている。
このような構成のヘッドユニット2では、インクを噴射する際に、導入口44を介してインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで流路内部をインクで満たす。その後、駆動回路120からの信号に従い、圧力発生室12に対応する各圧電アクチュエーター130に電圧を印加することにより、圧電アクチュエーター130と共に振動板50をたわみ変形させる。これにより、圧力発生室12内の圧力が高まり所定のノズル開口21からインク滴が噴射される。
このようなヘッドユニット2を有する記録ヘッド1について詳細に説明する。図4は本実施形態に係る記録ヘッドの分解斜視図であり、図5は本実施形態に係る記録ヘッドの平面図であり、図6(a)は図5のB−B’線断面図、図6(b)及び図6(c)は当該断面図の要部を拡大した断面図であり、図7は第2下流流路部材の平面図であり、図8は第1下流流路部材の平面図であり、図9はヘッド基板の平面図である。なお、図5は、シール部材230及び上流流路部材210の図示を省略している。
図4〜図9に示すように、記録ヘッド1は、4つのヘッドユニット2と、ヘッドユニット2を保持すると共にヘッドユニット2にインクを供給するホルダー部材を含む流路部材200と、流路部材200に保持されたヘッド基板300と、可撓性配線基板の一例である配線基板121とを備えている。
流路部材200は、上流流路部材210と、ホルダー部材の一例である下流流路部材220と、上流流路部材210と下流流路部材220との間に配置されるシール部材230とを具備する。
上流流路部材210は、インクの流路となる上流流路500を有している。本実施形態では、上流流路部材210は、第1上流流路部材211と、第2上流流路部材212と、第3上流流路部材213とが第3の方向Zに積層されて構成されている。そして、これらの各部材には、第1上流流路501、第2上流流路502、第3上流流路503が設けられ、これらが連結することで上流流路500が構成されている。
なお、上流流路部材210はこのような態様に限定されるものではなく、単一の部材であっても、2以上の複数の部材で構成されていてもよい。また、上流流路部材210を構成する複数の部材の積層方向も特に限定されず、第1の方向X、第2の方向Yであってもよい。
第1上流流路部材211は、下流流路部材220とは反対面側に、インク(液体)が保持されたインクタンクやインクカートリッジなどの液体保持手段に接続される接続部214を有する。本実施形態では、接続部214として針状に突出したものとした。なお、接続部214には、インクカートリッジなどの液体保持部が直接接続されてもよく、また、インクタンクなどの液体保持部がチューブ等の供給管などを介して接続されてもよい。
第1上流流路部材211には、第1上流流路501が設けられている。第1上流流路501は、接続部214の頂面に開口し、後述する第2上流流路502の位置に応じて、第3の方向Zに延びる流路や、第3の方向Zに直交する方向、すなわち第1の方向X及び第2の方向Yを含む面内に延びる流路等で構成されている。また、第1上流流路部材211の接続部214の周囲には、液体保持部を位置決めするためのガイド壁215が設けられている。
第2上流流路部材212は、第1上流流路部材211の接続部214とは反対面側に固定されて、第1上流流路501に連通する第2上流流路502を有する。また、第2上流流路502の下流側(第3上流流路部材213側)には、第2上流流路502よりも内径が広く拡幅された第1液体溜まり部502aが設けられている。
第3上流流路部材213は、第2上流流路部材212の第1上流流路部材211とは反対側に設けられている。また、第3上流流路部材213には、第3上流流路503が設けられている。第3上流流路503の第2上流流路502側の開口部分は、第1液体溜まり部502aに応じて拡幅された第2液体溜まり部503aとなっている。第2液体溜まり部503aの開口部分(第1液体溜まり部502aと第2液体溜まり部503aとの間)には、インクに含まれる気泡や異物を除去するためのフィルター216が設けられている。これにより、第2上流流路502(第1液体溜まり部502a)から供給されたインクは、フィルター216を介して第3上流流路503(第2液体溜まり部503a)に供給される。
第3上流流路503は、第2液体溜まり部503aよりも下流側(第2上流流路とは反対側)で2つに分岐されており、第3上流流路503は第3上流流路部材213の下流流路部材220側の面に第1排出口504A及び第2排出口504Bとして開口している。以下、第1排出口504A及び第2排出口504Bを区別しない場合は排出口504と称する。
すなわち、1つの接続部214に対応する上流流路500は、第1上流流路501、第2上流流路502及び第3上流流路503を有し、上流流路500は、下流流路部材220側に2つの排出口504(第1排出口504A及び第2排出口504B)として開口する。言い換えると、2つの排出口504(第1排出口504A及び第2排出口504B)は、共通する流路に連通して設けられている。
また、第3上流流路部材213の下流流路部材220側には、下流流路部材220側に向かって突出する第3突起部217が設けられている。第3突起部217は、第3上流流路503毎に設けられており、第3突起部217の先端面に排出口504が開口して設けられている。
このような上流流路500が設けられた第1上流流路部材211、第2上流流路部材212及び第3上流流路部材213は、例えば、接着剤や、溶着等によって一体的に積層されている。なお、第1上流流路部材211、第2上流流路部材212及び第3上流流路部材213をネジやクランプ等で固定することもできるが、第1上流流路501から第3上流流路503に至るまでの接続部分からインク(液体)が漏出するのを抑制するためにも、接着剤や溶着等で接合するのが好ましい。
本実施形態では、1つの上流流路部材210に4つの接続部214を設け、1つの上流流路部材210には4つの独立した上流流路500が設けられている。そして、各上流流路500には、4つのヘッドユニット2のそれぞれに対応してインクが供給される。一つの上流流路500は2つに分岐し、後述する下流流路600に連通してヘッドユニット2の2つの導入口44のそれぞれに接続されている。
なお、本実施形態では、上流流路500がフィルター216よりも下流(下流流路部材220側)で2つに分岐した構成を例示したが、特にこれに限定されず、フィルター216よりも下流側で上流流路500が3つ以上に分岐されていてもよい。また、1つの上流流路500がフィルター216よりも下流で分岐されていなくてもよい。
下流流路部材220は、上流流路部材210に接合され、上流流路500に連通する下流流路600を有するホルダー部材の一例である。本実施形態に係る下流流路部材220は、第1部材の一例である第1下流流路部材240と、第2部材の一例である第2下流流路部材250とから構成されている。請求項のホルダー部材のヘッドユニットを保持する一方とは、本実施形態では第3の方向Zにおける+Z側、すなわち液体噴射面20a側である。また、一方とは反対の他方とは、本実施形態では、第3の方向Zにおける−Z側、すなわちヘッド基板300側である。以下、前記一方を下方、前記他方を上方とも称する。
下流流路部材220は、インクの流路となる下流流路600を有する。本実施形態に係る下流流路600は、形状の異なる2種の下流流路600A及び下流流路600Bで構成されている。
第1下流流路部材240は、ほぼ平板状に形成された部材である。また、第2下流流路部材250は、上流流路部材210側の面に凹部として第1収容部251、上流流路部材210とは反対側の面に凹部として第2収容部252が設けられた部材である。
第1収容部251は、第1下流流路部材240が収容される程度の大きさとされている。また、第2収容部252は、4つのヘッドユニット2が収容される程度の大きさとされている。本実施形態に係る第2収容部252は、4つのヘッドユニット2を収容可能である。
第1下流流路部材240には、上流流路部材210側の面に、第1突起部241が複数個形成されている。各第1突起部241は、上流流路部材210に設けられた第3突起部217のうち、第1排出口504Aが設けられた第3突起部217に対向して設けられている。本実施形態では、4つの第1突起部241が設けられている。
また、第1下流流路部材240には、第3の方向Zに貫通し、第1突起部241の頂面(上流流路部材210に対向する面)に開口した第1流路601が設けられている。第3突起部217と第1突起部241とは、シール部材230を介して接合され、第1排出口504Aと第1流路601とが連通している。
また、第1下流流路部材240には、第3の方向Zに貫通した第2貫通孔242が複数個形成されている。各第2貫通孔242は、第2下流流路部材250に形成された第2突起部253が挿通される位置に形成されている。本実施形態では、4つの第2貫通孔242が設けられている。
さらに、第1下流流路部材240には、ヘッドユニット2に電気的に接続された配線基板121が挿通される第1挿通孔243が複数個形成されている。具体的には、各第1挿通孔243は、第3の方向Zに貫通し、第2下流流路部材250の第2挿通孔255と、ヘッド基板300の第3挿通孔302とに連通するように形成されている。本実施形態では4つのヘッドユニット2に設けられた各配線基板121に対応して4つの第1挿通孔243が設けられている。
また、第1下流流路部材240には、ヘッド基板300側に突出し、受け面を有する支持部245が設けられている。このような受け面に関する詳細な構成は後述する。
第2下流流路部材250には、第1収容部251の底面に、第2突起部253が複数個形成されている。各第2突起部253は、上流流路部材210に設けられた第3突起部217のうち第2排出口504Bが設けられた第3突起部217に対向して設けられている。本実施形態では、4つの第2突起部253が設けられている。また、第2下流流路部材250には、第3の方向Zに貫通し、第2突起部253の頂面及び第2収容部252の底面(ヘッドユニット2に対向した面)に開口した下流流路600Bが設けられている。第3突起部217と第2突起部253とは、シール部材230を介して接合され、第2排出口504Bと下流流路600Bとが連通している。
また、第2下流流路部材250には、第3の方向Zに貫通した第3流路603が複数個形成されている。各第3流路603は、第1収容部251及び第2収容部252の底面に開口している。本実施形態では、4つの第3流路603が設けられている。
第2下流流路部材250の第1収容部251の底面には、第3流路603に連続した溝部254が複数個形成されている。この溝部254は、第1収容部251に収容された第1下流流路部材240に封止されることで、第2流路602を構成する。すなわち、第2流路602は、溝部254と第1下流流路部材240の第2下流流路部材250側の面とで画成された流路である。なお、この第2流路602が請求項に記載する第1部材と第2部材との間に設けられた流路に相当する。
さらに、第2下流流路部材250には、ヘッドユニット2に電気的に接続された配線基板121が挿通される第2挿通孔255が複数個形成されている。具体的には、各第2挿通孔255は、第3の方向Zに貫通し、第1下流流路部材240の第1挿通孔243とヘッドユニット2の接続口43に連通するように形成されている。本実施形態では4つのヘッドユニット2に設けられた各配線基板121に対応して4つの第2挿通孔255が設けられている。
下流流路600Aは、上述した第1流路601、第2流路602及び第3流路603が連通して形成されたものである。ここで、第2流路602は、第1下流流路部材240の一方面に形成された溝が第2下流流路部材250により封止されることで形成されている。このような第1下流流路部材240と第2下流流路部材250とを接合することで、第2流路602を下流流路部材220内に容易に形成することができる。
また、第2流路602は、水平方向に延在した流路の一例である。第2流路602が水平方向に延在しているとは、第2流路602の延在方向に、第1の方向X又は第2の方向Yの成分(ベクトル)が含まれていることをいう。第2流路602が水平方向に延在していることで、第3の方向Zにおける記録ヘッド1の高さを小型化することができる。仮に、第2流路602が水平方向に対して傾いていると、若干記録ヘッド1の高さを要してしまう。
ちなみに、第2流路602の延在方向とは、第2流路602内のインク(液体)が流れる方向のことである。したがって、第2流路602は、水平方向(第3の方向Zに直交する方向)に設けられているものも、第3の方向Z及び水平方向(第1の方向X及び第2の方向Yの面内方向)に交差して設けられているものも含む。本実施形態では、第1流路601及び第3流路603を第3の方向Zに沿って設け、第2流路602を水平方向(第2の方向Y)に沿って設けるようにした。なお、第1流路601と第3流路603とは、第3の方向Zに交差する方向に設けられていてもよい。
もちろん、下流流路600Aは、これに限定されず、第1流路601、第2流路602、第3流路603以外の流路が存在してもよい。また、下流流路600Aは、第1流路601、第2流路602及び第3流路603から構成されず、一本の流路から構成されていてもよい。
下流流路600Bは、上述したように、第2下流流路部材250を第3の方向Zに貫通した貫通孔として形成されている。もちろん、下流流路600Bはこのような態様に限定されず、例えば、第3の方向Zに交差する方向に沿って形成されていてもよいし、下流流路600Aのように複数の流路を連通させて構成したものであってもよい。
このような下流流路600A及び下流流路600Bは一つのヘッドユニット2に対して一つずつ形成されている。すなわち下流流路部材220には、下流流路600Aと下流流路600Bの一組が計4つ設けられている。
下流流路600Aの両端の開口のうち、第1排出口504Aが連通される第1流路601の開口を第1流入口610とし、第2収容部252に開口する第3流路603の開口を第1流出口611とする。
下流流路600Bの両端の開口のうち、第2排出口504Bが連通される下流流路600Bの開口を第2流入口620とし、第2収容部252に開口する下流流路600Bの開口を第2流出口621とする。以降、下流流路600A及び下流流路600Bを区別しない場合は、下流流路600と称する。
下流流路部材220(ホルダー部材)は、ヘッドユニット2を下方の側で保持する。具体的には、下流流路部材220の第2収容部252には、複数のヘッドユニット2、本実施形態では、4個のヘッドユニット2が収容されている。1つのヘッドユニット2には、ノズル列が第2の方向Yに並んで形成されており(図1、図2参照)、記録ヘッド1には4個のヘッドユニット2が第2の方向Yに並設されている。以降、ヘッドユニット2の第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zは、記録ヘッド1の第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zとそれぞれ同じ方向を示す。
なお、請求項に記載する「ホルダー部材がヘッドユニット2を下方の側で保持する」とは、ホルダー部材の少なくとも一部(本実施形態では第3の方向Zにおいてホルダー部材のうちヘッドユニット2に対向した領域)よりも下方側にヘッドユニット2が配置され、直接又は間接的にホルダー部材に固定されていることをいう。
各ヘッドユニット2は、それぞれ導入口44が2個設けられている。下流流路600(下流流路600A及び下流流路600B)の第1流出口611及び第2流出口621は、各導入口44の開口する位置に合わせて下流流路部材220に設けられている。
ヘッドユニット2の各導入口44は、第2収容部252の底面部に開口した下流流路600の第1流出口611及び第2流出口621に連通するように位置合わせされている。ヘッドユニット2は、各導入口44の周囲に設けられた接着剤227により第2収容部252に固定されている。このようにヘッドユニット2が第2収容部252に固定されることで、下流流路600の第1流出口611及び第2流出口621と導入口44とが連通し、ヘッドユニット2にインクが供給されるようになっている。
下流流路部材220(ホルダー部材)は、ヘッド基板300が上方の側で載置される。具体的には、下流流路部材220の上流流路部材210側の面には、ヘッド基板300が載置されている。ヘッド基板300は、配線基板121が接続され、該配線基板121を介して記録ヘッド1の噴射動作等を制御する回路や抵抗などの電装部品が実装された部材である。
なお、請求項に記載する「上方の側にヘッド基板が載置される」とは、少なくとも、後述するホルダー部材に設けられた受け面にヘッド基板が載置されることをいい、受け面以外のホルダー部材の上方に臨む面にヘッド基板が載置されていてもよい。
ヘッド基板300の上流流路部材210側の面には、配線基板121の第2端子列123が電気的に接続される第1端子(電極端子)311が複数個並設された第1端子列310が形成されている。本実施形態の第1端子311は、第1の方向Xに沿って複数個並設されて第1端子列310をなしている。本実施形態では、この第1端子列310が、配線基板121に電気的に接続される実装領域の一例となる。
また、ヘッド基板300には、ヘッドユニット2に電気的に接続された配線基板121が挿通される第3挿通孔302が複数個形成されている。具体的には、各第3挿通孔302は、第3の方向Zに貫通し、第1下流流路部材240の第1挿通孔243に連通するように形成されている。本実施形態では4つのヘッドユニット2に設けられた各配線基板121に対応して4つの第3挿通孔302が設けられている。
さらに、ヘッド基板300には、第3の方向Zに貫通した第3貫通孔301が設けられている。第3貫通孔301は、第1下流流路部材240の第1突起部241及び第2下流流路部材250の第2突起部253が挿通されるものである。本実施形態では、合計8つの第3貫通孔301が第1突起部241及び第2突起部253に対向するように設けられている。
なお、ヘッド基板300に形成する各第3貫通孔301の形状は上述したような態様に限定されない。例えば、第1突起部241及び第2突起部253が挿通される共通の貫通孔を挿通孔としてもよい。すなわち、ヘッド基板300は、下流流路部材220の下流流路600と、上流流路部材210の上流流路500とを接続する際の妨げとならないように挿通孔や切り欠き等が形成されていればよい。
ヘッド基板300と上流流路部材210との間には、シール部材230が設けられている。シール部材230の材料としては、記録ヘッド1に用いられるインク等の液体に対して耐液体性を有し、且つ弾性変形可能な材料(弾性材料)、例えば、ゴムやエラストマー等を用いることができる。
シール部材230は、第3の方向Zに貫通した連通路232及び下流流路部材220側に突出した第4突起部231が形成された板状の部材である。本実施形態では、連通路232及び第4突起部231は、各上流流路500及び下流流路600に対応して8つ形成されている。
シール部材230の上流流路部材210側には、第3突起部217が挿入される環状の第1凹部233が設けられている。第1凹部233は、第4突起部231に対向する位置に設けられている。
第4突起部231は、下流流路部材220側に突出しており、下流流路部材220の第1突起部241及び第2突起部253に対向する位置に設けられている。第4突起部231の頂面(下流流路部材220に対向する面)には、第1突起部241及び第2突起部253が挿入される第2凹部234が設けられている。
連通路232は、シール部材230を第3の方向Zに貫通し、一端が第1凹部233に開口し、他端が第2凹部234に開口している。そして、第1凹部233に挿入された第3突起部217の先端面と、第2凹部234に挿入された第1突起部241及び第2突起部253の先端面との間で、第4突起部231が第3の方向Zに所定の圧力が印加された状態で保持されている。したがって、上流流路500と下流流路600とは連通路232を介して密封された状態で連通されている。
下流流路部材220の第2収容部252側には、カバーヘッド400が取り付けられている。
カバーヘッド400は、ヘッドユニット2が固定され、下流流路部材220に固定される部材であり、ノズル開口21を露出する第2露出開口部401が設けられている。本実施形態では、第2露出開口部401は、ノズルプレート20を露出する大きさ、つまり、コンプライアンス基板45の第1露出開口部45aと略同じ開口を有する。
カバーヘッド400は、コンプライアンス基板45の連通板15とは反対面側に接合されており、コンプライアンス部49の流路(マニホールド100)とは反対側の空間を封止する。このようにコンプライアンス部49をカバーヘッド400で覆うことにより、コンプライアンス部49が紙等の被記録媒体が接触しても破壊されるのを抑制することができる。また、コンプライアンス部49にインク(液体)が付着するのを抑制して、カバーヘッド400の表面に付着したインク(液体)を例えばワイパーブレード等で払拭することができ、被記録媒体をカバーヘッド400に付着したインク等で汚すのを抑制することができる。なお、特に図示していないが、カバーヘッド400とコンプライアンス部49との間の空間は、大気開放されている。もちろん、カバーヘッド400は、ヘッドユニット2毎に独立して設けられていてもよい。
上述したように、ヘッドユニット2を保持した下流流路部材220、ヘッド基板300、シール部材230、上流流路部材210の順に積層されて記録ヘッド1が構成されている。すなわち、上流流路部材210と下流流路部材220とは、ヘッド基板300及びシール部材230を間に挟んで接合されている。
なお、下流流路部材220が上流流路部材210に接合されるとは、上流流路部材210と下流流路部材220とが直接的に接触することの他に、上流流路部材210と下流流路部材220との間に他の部品が介在し、間接的に組み付けられる場合も含む。
特に図示しないが、上流流路部材210と下流流路部材220とを接合すると、それらの部材の間には、ヘッド基板300及びシール部材230を収容可能な空間が形成される。そして、下流流路部材220の上流流路部材210側の面に載置されたヘッド基板300、該ヘッド基板300の上流流路部材210側の面に載置されたシール部材230が当該空間に収容されている。
また、ヘッド基板300には、第2の方向Yの両端部側にコネクター320が設けられている。コネクター320はヘッド基板300に設けられた回路等に接続されており、図示しない外部配線が接続される。このコネクター320は、第2下流流路部材250の上流流路部材210側に突出した壁部256を一部切り欠いたコネクター接続口257から外部に露出している。
また、各第1挿通孔243、第2挿通孔255、第3挿通孔302が連通して、下流流路部材220(ホルダー部材)の上方と下方とに開口した一つの挿通孔を構成している。ヘッドユニット2に接続された配線基板121は、そのような挿通孔を挿通し、第3挿通孔302を挿通した一端部がヘッド基板300の第1端子列310側に折り曲げられている。
そして、ヘッド基板300に設けられた第1端子列310は、配線基板121に設けられた第2端子列123に電気的に接続されている。すなわち、各第1端子311と各第2端子122が電気的に接続されている。これらの第1端子311及び第2端子122の接続態様に特に限定はないが、例えば、半田接続などの溶接、異方性導電性接着剤(ACP、ACF)、非導電性接着剤(NCP、NCF)等を介在させて圧着することで電気的な接続を図ることができる。
このように、配線基板121を屈曲してヘッド基板300に電気的に接続することで、配線基板121の第3の方向Zの高さを小さくすることができ、記録ヘッド1の第3の方向Zを小型化することができる。
また、上述したように記録ヘッド1では、第1下流流路部材240に設けられた第1突起部241は、ヘッド基板300の第3貫通孔301を挿通し、第1流路601がシール部材230の連通路323を介して第1排出口504Aに連通している。これにより、上流流路500、第1排出口504A、下流流路600Aからなる一連の流路が形成されている。
同様に、第2下流流路部材250に設けられた第2突起部253は、第1下流流路部材240に設けられた第2貫通孔242及びヘッド基板300の第3貫通孔301を挿通し、下流流路600Bがシール部材230の連通路323を介して第2排出口504Bに連通している。これにより、上流流路500、第2排出口504B、下流流路600Bからなる一連の流路が形成されている。
このような構成の記録ヘッド1では、インクを噴射する際に、接続部214から供給されたインクを、上流流路500及び下流流路600を介してヘッドユニット2に供給する。そして、外部からの制御信号がヘッド基板300に送信され、上述したように、該制御信号にしたがってヘッドユニット2によりインクが噴射される。
ここで、配線基板121をヘッド基板300に実装した実装領域の一例である第1端子列310と、ホルダー部材の一例である下流流路部材220に設けられた受け面とについて詳細に説明する。図10は上流流路部材210側から第3の方向Zに沿って見たヘッド基板300の要部を拡大した平面図であり、図11は図10のC−C’線断面図である。
上述したように、本実施形態に係るホルダー部材の一例である下流流路部材220は2つの部材である第1下流流路部材240及び第2下流流路部材250を備えている。このうち第1下流流路部材240の上方の側には、ヘッド基板300に向けて選択的に突出し、ヘッド基板300を面で支持する受け面246が設けられている。本実施形態では、平板状の第1下流流路部材240のヘッド基板300側の上面247に、第3の方向Zにおいてヘッド基板300側に突出した支持部245を設け、該支持部245のヘッド基板300を面で支持する頂面を受け面246としてある。なお、第2下流流路部材250の第1収容部251以外のヘッド基板300側に面した上面258は、第1下流流路部材240の上面247とほぼ面一となっている。
受け面246は、ヘッド基板300の実装領域である第1端子列310に対応して選択的に突出し、かつ、受け面246の領域、すなわち受け面246の表面全体に第1端子列310が含まれている。
ヘッド基板300のうち、実装領域である第1端子列310が設けられた部分を領域Rとする。すなわち領域Rは、ヘッド基板300の第1端子列310に対向する部分となる。したがって、受け面246が第1端子列310に対応して選択的に突出し、受け面246の領域Rに第1端子列310が含まれるとは、図11に示す平面視において受け面246の内側に領域Rが含まれることをいう。
本実施形態では、受け面246は平面状に形成され、ヘッド基板300の受け面246に載置される領域Rの表面(受け面246側の表面)も平面状に形成されている。なお、受け面246は平面状に形成され、かつ液体噴射面20aに水平である必要はない。受け面246は、領域Rの表面と面接触するように形成されていればよい。
このような支持部245及び受け面246は、第1下流流路部材240に、第1端子列310の数に合わせて合計4つ形成され、各受け面246が面一となるように形成されている。
このような支持部245に設けられた受け面246は、ヘッド基板300のうち第1端子列310が設けられた領域Rを第1端子列310とは反対側から支持することになる。一方、第1端子列310に第2端子列123が接合される際には、ヒートツール等の工具により、上流流路部材210側からヘッド基板300の第1端子列310に力がかかる。
しかしながら、本実施形態に係る記録ヘッド1によれば、第1端子列310が設けられたヘッド基板300の領域Rは、その全面が受け面246により支持されているため、当該工具による押圧によって撓んだり、屈曲することが抑制される。したがって、第1端子列310を平坦に保つことができ、第2端子列123との接続を隙間なく良好なものとすることができる。
そして、受け面246は、ヘッド基板300の全体ではなく、ヘッド基板300の領域Rに対向して選択的に突出している。これにより、荷重が掛かるヘッド基板300の領域Rを保持することになるので、ヘッド基板300の撓みをより確実に抑制し、第1端子列310と第2端子列123との接続をより確実に隙間なく行うことができる。
ここで、下流流路600の両端の開口である第1流入口610及び第1流出口611との配置について説明する。
ヘッドユニット2には、二つの導入口44が設けられている。2つの導入口44のそれぞれを導入口44a、導入口44bとも称する。一方の導入口44bは、下流流路600Bの第2流出口621に接続され、そのまま第3の方向Zに沿って第2流入口620が上流流路500に接続されている(図6参照)。すなわち、導入口44bは、平面視においてヘッド基板300上で折り曲げられた配線基板121やこれに接続される第1端子列310に重なっていない。
しかしながら、他方の導入口44aは、平面視において、ヘッド基板300上で折り曲げられた配線基板121やこれに接続される第1端子列310(実装領域)に重なっている。一方で、下流流路600Aに供給されるインクの入口となる第1流入口610は、平面視において配線基板121やこれに接続される第1端子列310とは重なっていない。
このような第1端子列310とは平面で重ならない第1流入口610、第1流路601及び第2流路602を介して第3流路603及び導入口44bが接続されている。すなわち、導入口44bやこれに接続される第3流路603が配線基板121及び第1端子列310に重なっていたとしても、これらを避けてインクをヘッドユニット2に導入する流路を形成することができる。
仮に、導入口44aに接続された第3流路603を第3の方向Zに沿って設け、上流流路500に接続する場合、配線基板121及び第1端子列310に重なるため、配線基板121、第1端子列310及びヘッド基板300の領域Rを一部切り欠いたり、分割するなどして、第3流路603と上流流路500との接続を阻害しないようにしなければならない。この結果、受け面246は、領域R全体を支えることができず、ヒートツール等の工具による押圧でヘッド基板300の一部が撓み、第1端子列310と第2端子列123との接続不良を起こす虞がある。
しかしながら、本実施形態に係る記録ヘッド1では、配線基板121、第1端子列310及びヘッド基板300の領域Rを分割等する必要がない。これにより、受け面246は領域R全体を保持し、配線基板121を一体的に第1端子列310に電気的に接続することができるので、実装工程が簡略化され、かつ、配線基板121の第2端子列123とヘッド基板300の第1端子列310との接続をより確実に行うことができ、接続の信頼性を向上することができる。
また、本実施形態に係る記録ヘッド1によれば、導入口44aを第1端子列310と重なる位置に配置することができるため、導入口44aを第1端子列310とは重ならない位置に配置したヘッドユニットよりも、ヘッドユニット2の大きさの増大を抑制し、小型化を図ることができる。
なお、導入口44aが平面視にて第1端子列310と重ならないように、例えば同図における第2の方向Yの右に寄せて配置してもよい。この場合、導入口44aを配線基板121から遠ざけることになり、ヘッドユニット2の第2の方向Yにおける幅が若干大きくなってしまう。しかしながら、導入口44aと第1端子列310が重ならないため、配線基板121、第1端子列310及びヘッド基板300の領域Rを分割等する必要がなく、受け面246でヘッド基板300の領域R全体を保持することができる。
〈実施形態2〉
実施形態1に係る記録ヘッド1では、受け面246は単一の部材である第1下流流路部材240に設けられていたが、このような態様に限定されず、複数部材に亘って受け面が設けられていてもよい。
図12は上流流路部材210側から第3の方向Zに沿って見たヘッド基板300の要部を拡大した平面図であり、図13は図12のD−D’線断面図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図示するように、本実施形態に係るホルダー部材である下流流路部材220Aは、第1下流流路部材240A及び第2下流流路部材250Aとを備えている。第2下流流路部材250Aは、実施形態1に係る第2下流流路部材250に第1収容部251以外の構成は同じであり、ヘッド基板300に対向する上面258Aは平坦に形成されている。この第2下流流路部材250Aの上面258Aには、第2流路602及び第3流路603の近傍を除き、ヘッド基板300の領域Rに対向する位置に選択的に突出した支持部259が形成されている。
すなわち、第1下流流路部材240Aの平面視において、第1下流流路部材240Aの第1端子列310に対向した一部が除去されて第2下流流路部材250A、溝部254及び第3流路603が露出している。支持部259としては、二つに分断されており、これらの二つの支持部259のヘッド基板300に臨む頂面が受け面259aとなっている。
さらに、第2下流流路部材250Aの上面258A上には、二つの支持部259の間に、溝部254及び第3流路603を封止する第1下流流路部材240Aが設けられている。第1下流流路部材240Aが設けられることで、溝部254が封止されて第2流路602が形成され、第3流路603及び第2流路602が第1流路601に連通して下流流路600Aが形成されている。
この第1下流流路部材240Aのヘッド基板300側に臨む頂面が受け面246となっている。第1下流流路部材240Aの受け面246及び第2下流流路部材250Aの受け面259aとは、面一となっており、ヘッド基板300の領域Rの全体を保持するように形成されている。
このように、第2下流流路部材250Aのみでは、第2流路602を形成する構造上、領域Rの全面を保持する受け面を形成できない場合であっても、第1下流流路部材240A及び第2下流流路部材250Aにより領域Rの全面を保持する受け面259a及び受け面246を形成することができる。
そして、複数の部材の他方(上方)の側に亘って受け面が形成された本実施形態に係る記録ヘッドにおいても、実施形態1と同様に、第1端子列310が設けられたヘッド基板300の領域Rは、その全面が受け面246及び受け面259aにより支持されているため、ヒートツール等の工具による押圧によって撓んだり、屈曲することが抑制される。したがって、第1端子列310を平坦に保つことができ、第2端子列123との接続を隙間なく良好なものとすることができる。
そして、受け面246及び受け面259aは、ヘッド基板300の全体ではなく、ヘッド基板300の領域Rに対向して選択的に突出している。これにより、荷重が掛かるヘッド基板300の領域Rを保持することになるので、ヘッド基板300の撓みをより確実に抑制し、第1端子列310と第2端子列123との接続をより確実に隙間なく行うことができる。
〈実施形態3〉
実施形態2に係る記録ヘッド1では、第2流路602を形成する第1下流流路部材240Aに受け面246を設けたが、このような態様に限定されず、第1下流流路部材240A上に他の部材を設け、該部材に受け面を設けてもよい。
図14は上流流路部材210側から第3の方向Zに沿って見たヘッド基板300の要部を拡大した平面図であり、図15は図14のE−E’線断面図である。なお、実施形態1及び実施形態2と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図示するように、本実施形態に係るホルダー部材である下流流路部材220Bは、第1下流流路部材240B及び第2下流流路部材250Aとを備えている。
第2下流流路部材250Aの上面258A上には、二つの支持部259の間に、溝部254及び第3流路603を封止する第1下流流路部材240Bが設けられている。第1下流流路部材240Bが設けられることで、溝部254が封止されて第2流路602が形成され、第3流路603及び第2流路602が第1流路601に連通して下流流路600Aが形成されている。
第1下流流路部材240Bのヘッド基板300側に臨む頂面248は、ヘッド基板300には接触しておらず、第2下流流路部材250Aの受け面259aよりも上面258A側に位置している。
この頂面248上には、充填部材270が設けられている。充填部材270は、ヘッド基板300に臨む頂面が受け面271としてある。すなわち充填部材270は、ヘッド基板300と第1下流流路部材240Bの頂面248との間において、受け面271が受け面259aと面一となるように形成されている。このような充填部材270としては、例えば、接着剤やポリイミドテープなどを挙げることができる。すなわち、第1下流流路部材240B(第1部材)については、上方の側に設けられ、ヘッド基板300側に設けられた充填部材270によって受け面271が構成されている。
上述した第1下流流路部材240B上に設けられた充填部材270の受け面271及び第2下流流路部材250Aの受け面259aとは、面一となっており、ヘッド基板300の領域Rの全体を保持するように形成されている。
このように、第2下流流路部材250Aのみでは、第2流路602を形成する構造上、領域Rの全面を保持する受け面を形成できない場合であっても、第1下流流路部材240B、第2下流流路部材250A及び充填部材270により領域Rの全面を保持する受け面259a及び受け面271を形成することができる。
そして、複数の部材の一例として第1下流流路部材240B及び第2下流流路部材250Aとからホルダー部材である下流流路部材220を設けた場合において、受け面はこれらの部材にのみ設ける必要はない。すなわち、第1下流流路部材240B及び第2下流流路部材250Aとは別に設けた充填部材270の他方(上方)の側に受け面の一部を形成してもよい。
実施形態1及び実施形態2と同様に、本実施形態に係る記録ヘッドにおいても、第1端子列310が設けられたヘッド基板300の領域Rは、その全面が受け面271及び受け面259aにより支持されているため、ヒートツール等の工具による押圧によって撓んだり、屈曲することが抑制される。したがって、第1端子列310を平坦に保つことができ、第2端子列123との接続を隙間なく良好なものとすることができる。
そして、受け面271及び受け面259aは、ヘッド基板300の全体ではなく、ヘッド基板300の領域Rに対向して選択的に突出している。これにより、荷重が掛かるヘッド基板300の領域Rを保持することになるので、ヘッド基板300の撓みをより確実に抑制し、第1端子列310と第2端子列123との接続をより確実に隙間なく行うことができる。
なお、本実施形態では、充填部材270は第1下流流路部材240Bに設けられていたが、これには限定されず、第2下流流路部材250Aに設けてもよい。すなわち、第1下流流路部材240Bのヘッド基板300側の頂面を受け面とし、第2下流流路部材250Aのヘッド基板300側の頂面をヘッド基板300には接触させない。そして、第2下流流路部材250Aのヘッド基板300側の頂面に、充填部材270を設けて受け面271を形成する。この場合、請求項に記載する第1部材は第2下流流路部材250Aが該当し、第2部材は第1下流流路部材240Bが該当する。
〈他の実施形態〉
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、実施形態1に係る記録ヘッド1は、ホルダー部材の一例である下流流路部材220のみならず、上流流路部材210を更に備えて流路部材200を有していたが、このような態様に限定されない。例えば、上流流路部材210を備えず、下流流路部材220のみを備える記録ヘッドであってもよいし、上流流路部材210及び下流流路部材220以外の流路を構成する部材を備えていてもよい。
また、ホルダー部材の一例である下流流路部材220は、第1部材の一例として第1下流流路部材240及び第2部材の一例として第2下流流路部材250とを備えていたが、このような態様に限定されない。例えば、ホルダー部材は一体的な部材から構成されていてもよいし、3つ以上の部材から構成されていてもよい。
4つのヘッドユニット2に共通して1つのヘッド基板300を設けたが、このような態様に限定されない。例えば、1つのヘッドユニット2毎に複数のヘッド基板300を設けてもよい。
圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電アクチュエーター130を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、実施形態1の記録ヘッド1は、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備するインクジェット式記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図16は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
インクジェット式記録装置Iにおいて、記録ヘッド1は、インク供給手段を構成するカートリッジ9が着脱可能に設けられ、記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に沿って軸方向(主走査方向)に移動可能に設けられている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により主走査方向とは直交する副走査方向に搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
なお、上述したインクジェット式記録装置Iでは、記録ヘッド1がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、記録ヘッド1が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
また、上述した例では、インクジェット式記録装置Iは、液体貯留手段であるカートリッジ9がキャリッジ3に搭載された構成であるが、特にこれに限定されず、例えば、インクタンク等の液体貯留手段を装置本体4に固定して、貯留手段と記録ヘッド1とをチューブ等の供給管を介して接続してもよい。また、液体貯留手段がインクジェット式記録装置に搭載されていなくてもよい。
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 1 記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 2 ヘッドユニット、 20 ノズルプレート、 20a 液体噴射面、 21 ノズル開口、 44 導入口、 100 マニホールド、 120 駆動回路、 121 配線基板(可撓性配線基板)、 130 圧電アクチュエーター、 200 流路部材、 210 上流流路部材、 220 下流流路部材、 230 シール部材、 240 第1下流流路部材(第1部材)、 250 第2下流流路部材(第2部材)、 246、259a、271 受け面、 300 ヘッド基板、 310 第1端子列(実装領域)、 500 上流流路、 600 下流流路

Claims (5)

  1. 液体を噴射するノズル開口を有するヘッドユニットと、
    複数の電極端子が配列された実装領域を有するヘッド基板と、
    前記ヘッドユニットを一方の側で保持するとともに、該一方の側と反対の他方の側に前記ヘッド基板が載置されるホルダ部材と、
    前記ホルダ部材の前記一方と前記他方とに開口した挿通孔に挿通され、一端に設けられた複数の配線端子が前記実装領域に電気的に接続され、他端が前記ヘッドユニットと電気的に接続された可撓性配線基板と、
    を備え、
    前記ホルダ部材の前記他方の側には、前記ヘッド基板に向けて選択的に突出して設けられ、前記ヘッド基板を面で支持する受け面が設けられ、
    前記受け面は、前記実装領域に対応して選択的に突出して設けられ、前記受け面の領域は前記実装領域の全体を含む領域とされている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 請求項1に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記ホルダ部材は複数の部材から構成され、
    前記受け面は、前記複数の部材の前記他方の側に設けられている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 請求項2に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記ホルダ部材は、第1部材、及び前記第1部材と前記ヘッドユニットとの間に配置された第2部材を備えており、
    前記第1部材は、前記ヘッド基板を支持するとともに前記第2部材との間で前記ヘッドユニットに供給される液体の流路を構成し、
    前記受け面は、前記第1部材及び前記第2部材の前記他方の側に設けられている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項2に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記ホルダ部材は、第1部材、及び前記第1部材と前記ヘッドユニットとの間に配置された第2部材を備えており、
    前記受け面は、前記第1部材及び前記第2部材の前記他方の側に設けられており、
    前記第1部材の受け面は、該第1部材の前記ヘッド基板側の面に設けられた充填部材によって構成されている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
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