JP6436241B2 - シミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置 - Google Patents

シミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、シミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置に関する。
従来、ショッピングモールや空港等において、各種案内を提示する標識(サイン)、案内人等(以下、まとめてサインとよぶ)の配置にかかるサインシステム計画の検討に、人流シミュレーションが活用されている。
この人流シミュレーションでは、ショッピングモールや空港等に対応する仮想空間に、サインシステム計画に従ったサインと、歩行者を模した歩行者エージェントとを配置する。そして、仮想空間に配置されたサインより取得(認知)した情報に基づく歩行者エージェントの行動をシミュレーションすることで、サインシステム計画での歩行者の流れを模擬している。
特開2000−259603号公報
しかしながら、上記の従来技術では、サインより認知された情報のままに歩行者エージェントの行動がシミュレーションされるが、実際の人間の行動においては、認知された情報は、時間や行動の経過により劣化し、また、大人と子供等の属性によっても劣化の度合が異なる点で、シミュレーションによる再現度合が劣るという問題がある。
例えば、従来技術では、現実の人の動きである「うろうろする」、「道に迷う」等の目的地と自分の位置との関係性を見失った行動を再現することは難しい。
1つの側面では、人間の行動における認知情報の劣化を再現できる人流シミュレーションを行うシミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置を提供することを目的とする。
第1の案では、シミュレーションプログラムは、コンピュータに、案内情報が設定される仮想空間に、それぞれが認知情報を有し当該仮想空間内を当該認知情報に基づき行動するエージェントを配置する処理を実行させる。また、シミュレーションプログラムは、コンピュータに、エージェントの位置に応じて提供された案内情報により前記エージェントの認知情報を更新する処理を実行させる。また、シミュレーションプログラムは、コンピュータに、認知情報を、エージェントの行動または属性の少なくとも一方に基づいて、劣化させる処理を実行させる。
本発明の1実施態様によれば、人間の行動における認知情報の劣化を再現できる人流シミュレーションを行うことができる。
図1は、実施形態にかかるシミュレーション装置の構成を例示するブロック図である。 図2は、空間情報を説明する説明図である。 図3は、サインシステム計画を説明する説明図である。 図4は、歩行者情報を説明する説明図である。 図5は、シミュレーション装置の動作例を示すフローチャートである。 図6は、仮想空間を説明する説明図である。 図7は、サインによる案内情報の到達範囲を説明する説明図である。 図8は、歩行者エージェントの生成を説明する説明図である。 図9は、歩行者エージェントの認知情報の更新処理を例示するフローチャートである。 図10は、認知情報の更新を説明する説明図である。 図11は、歩行者エージェントの意思決定の処理を例示するフローチャートである。 図12は、仮想空間、歩行者エージェントの描画を説明する説明図である。 図13は、シミュレーション結果の出力例を説明する説明図である。 図14は、歩行者エージェントの行動を説明する説明図である。 図15は、歩行者エージェントの行動を説明する説明図である。 図16は、歩行者エージェントの行動を説明する説明図である。 図17は、実施形態にかかるシミュレーション装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して、実施形態にかかるシミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明するシミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
図1は、実施形態にかかるシミュレーション装置1の構成を例示するブロック図である。図1に示すシミュレーション装置1は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置である。シミュレーション装置1は、入力された情報に基づいて、仮想空間における歩行者エージェントの行動をシミュレーションし、歩行者の流れを模した人流シミュレーションを実施する。図1に示すように、シミュレーション装置1は、入力部10、入力情報格納部20、シミュレーション管理部30、サインシステム変更部40、歩行者行動実行部50、シミュレーション結果出力部60およびエージェント情報格納部70を有する。
入力部10は、例えばマウスやキーボードなどの入力装置より、空間情報11、サインシステム計画12および歩行者情報13等のシミュレーションにかかる入力情報を受け付ける。
入力情報格納部20は、入力部10より入力された空間情報11、サインシステム計画12および歩行者情報13等の入力情報をRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置に格納する。
空間情報11は、ショッピングモールや空港等のシミュレーションにかかる仮想空間の構造を示す情報である。具体的には、空間情報11には、シミュレーションにおける歩行者エージェンが回遊する仮想空間(広さ、フロア数、壁、通路および施設の位置等)についてのセル環境および空間内のノード(通路、施設等)の接続についてのネットワーク環境が記述されている。ユーザは、シミュレーションの検討対象とする仮想空間の空間情報11をシミュレーション装置1に入力する。
図2は、空間情報11を説明する説明図である。図2に示すように、空間情報11には、仮想空間の広さ、フロア数、歩行者エージェントの進入不可能なセル(壁)を示す壁番号、壁の位置等のセル環境が記述されている。また、空間情報11には、ノードを示すノード番号ごとに、ノードの座標、歩行目標(Waypoint)、施設(Facility)などのノードの種類等のネットワーク環境が記述されている。また、ネットワーク環境には、移動可能なノード間のエッジごとに、エッジ番号と、互いに接続されているノードを示すノード番号とが記述されている。
サインシステム計画12は、ショッピングモールや空港等において、各種案内を提示するサインの配置や内容を示す情報である。具体的には、サインシステム計画12には、各サインについて特徴となる属性(位置、伝達度、距離、角度、視認時間)と、各サインが歩行者エージェントに渡す(認知させる)ことにかかる情報(エリア情報、施設情報、案内情報、記憶難易度)とが記述されている。ユーザは、シミュレーションの検討対象とするサインシステム計画12をシミュレーション装置1に入力する。
図3は、サインシステム計画12を説明する説明図である。図3に示すように、サインシステム計画12は、サインを識別するサイン番号ごとに、各サインの特徴となる属性(位置、伝達度、距離、角度および視認時間)が記述されている。
「位置」は、仮想空間におけるサインの設置位置である。「伝達度」は、歩行者エージェントへの伝達度合いを示す値(例えばA〜Cの三段階の評価値)である。「距離」は、歩行者エージェントに対してサインを認知させることができる仮想空間内における距離を示す値である。「角度」は、歩行者エージェントに対してサインを認知させることができる角度を示す値である。「視認時間」は、歩行者エージェントがサインが示す内容を認知するのに要する時間を示す値である。
サインシステム計画12における各サインの特徴となる属性については、設置を計画している各サインの大きさや内容などをもとに評価された値が入力される。例えば、大きな標識で伝達する内容が少ない(例えば、細かい施設の案内を省き、エリアの案内を行う)サインについては、伝達度、距離を大きな値とし、視認時間を短い値とする。また、同じ大きさの標識でも伝達する内容が多い(例えば、細かい施設の案内を含む)サインについては、伝達度、距離を小さな値とし、視認時間を長い値とする。
また、サインシステム計画12は、サインを識別するサイン番号ごとに、歩行者エージェントの認知にかかる情報(エリア情報、施設情報、案内情報、記憶難易度)が記述されている。
「エリア情報」は、歩行者エージェントに渡す(認知させる)エリアについての情報であり、例えば、restaurant(レストラン)、exchange(両替)、shop(お店)などがある。「施設情報」は、歩行者エージェントに渡す(認知させる)施設についての情報であり、例えば施設を示す番号などがある。「案内情報」は、エリア情報で示されたエリアや、施設情報で示された施設についての位置を歩行者エージェントに対して案内する情報である。例えば、「案内情報」は、サインのある位置からエリアや施設へ向かう方位、経路等を、仮想空間におけるノード番号やエッジ番号などで示した情報であってもよい。「記憶難易度」は、案内情報を認知した歩行者エージェントにおける、認知した案内情報(以後、認知情報ともよぶ)の忘れ難さを示す値である。例えば、「記憶難易度」は、値が大きいほど、歩行者エージェントが認知情報を忘却しづらいことを示す。
サインシステム計画12における各サインの認知にかかる情報については、設置を計画している各サインの内容などをもとに評価された値が入力される。例えば、サイン番号が「1」のサインであり、エリアの案内を行うサイン(施設の案内は省かれている)については、エリア情報と、案内情報と、記憶難易度とに所定値が記述され、施設情報はNULLデータ(図示例では「−」)が記述される。また、サイン番号が「2」のサインであり、エリアだけでなく施設の案内も行うサインについては、エリア情報、施設情報、案内情報および記憶難易度に所定値が記述される。このように、エリアの案内を行うサイン、エリアとともに施設の案内を行うサインなど、サインにおける案内の内容に階層や分類等のカテゴリを持たせてもよい。
また、エリアとともに施設の案内を行うサインの内容よりも、施設の案内が省かれたエリアの案内を行うサインの内容の方が、平易な内容となる。このような平易な案内内容は、歩行者において忘却しずらい内容と評価できる。したがって、記憶難易度については、平易な案内内容のサインほど高い値を設定する。例えば、サイン番号が「2」のサインであり、エリアだけでなく施設の案内も行うサインよりも、サイン番号が「1」のサインであり、エリアの案内を行うサインの方の記憶難易度を高い値とする。
歩行者情報13は、仮想空間における歩行者エージェントを示す情報である。具体的には、歩行者情報13には、仮想空間における出入口などに対応した出現ポイントにおいて歩行者エージェントが発生する発生確率や、発生する歩行者エージェントの種類(属性)についての情報である。なお、歩行者エージェントの種類については、例えば、男性または女性などの性別、子供(幼児、小、中、高校生)、成人(20〜40歳、40〜60歳、60歳以上)などの年齢別によるものがある。ユーザは、シミュレーションの検討対象とする歩行者についての歩行者情報13をシミュレーション装置1に入力する。
図4は、歩行者情報13を説明する説明図である。図4に示すように、歩行者情報13は、歩行者エージェントの発生確率と、歩行者種類を示す番号ごとの、発生する歩行者エージェントの特徴とが記述されている。歩行者エージェントの特徴には、「発生割合」、「視認距離」、「視野角」、「記憶時間」、「目的カテゴリー集合」、「効用値(施設1)…(施設30)」などがある。
「発生割合」は、各歩行者エージェントの発生する割合を示す。「視認距離」および「視野角」は各歩行者エージェントが仮想空間内で視認できる距離と角度を示す。「記憶時間」は、各歩行者エージェントが認知した情報を記憶する時間を示す。「目的カテゴリー集合」は、各歩行者エージェントの行動の目的(例えば食事、買い物等)を示す値を列挙している。「効用値(施設1)…(施設30)」は、各歩行者エージェントにおける施設ごとの効用を値で示す。
歩行者情報13の内容については、ショッピングモールや空港等のシミュレーションにかかる仮想空間を訪れる歩行者を想定した値が入力される。例えば、成人(20〜40歳、40〜60歳)の利用が多く、子供(幼児、小、中、高校生)の利用が少ない場合には、成人に対応した歩行者種類の発生割合を大きくし、子供に対応した歩行者種類の発生割合を小さく設定する。
シミュレーション管理部30は、入力情報格納部20に格納された入力情報(空間情報11、サインシステム計画12および歩行者情報13)に基づいて歩行者行動実行部50において行われる、仮想空間における歩行者エージェントの行動をシミュレーションする処理を管理する。具体的には、シミュレーション管理部30は、入力情報格納部20に格納された入力情報と、エージェント情報格納部70に格納された歩行者エージェントの行動を逐次シミュレーションをした結果(歩行者エージェントの位置情報および歩行者エージェントの認知情報)とを読み出して歩行者行動実行部50へ出力する。
また、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントの認知情報について、シミュレーションにおける歩行者エージェントの行動または属性の少なくとも一方に基づいて劣化させる。例えば、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントの認知情報について、歩行者行動実行部50におけるシミュレーションの経過に応じて、当初の認知情報よりも制限をして歩行者行動実行部50へ出力する(詳細は後述する)。これにより、歩行者行動実行部50では、シミュレーション管理部30により劣化された認知情報をもとに、歩行者エージェントの行動をシミュレーションすることとなる。
また、シミュレーション管理部30は、歩行者行動実行部50が歩行者エージェントの行動を逐次シミュレーションした結果(歩行者エージェントの位置情報および歩行者エージェントの認知情報)をシミュレーション結果出力部60へ出力する。
サインシステム変更部40は、例えばマウスやキーボードなどの入力装置においてユーザより受け付けた操作指示をもとに、入力情報格納部20に格納されたサインシステム計画12の変更を行う。これにより、ユーザは、サインシステム計画12を適宜変更することができる。
歩行者行動実行部50は、入力情報(空間情報11、サインシステム計画12および歩行者情報13)を初期条件として、歩行者エージェントの行動を逐次シミュレーションする。具体的には、歩行者行動実行部50は、前の時刻まで歩行者エージェントの行動をシミュレーションした結果(歩行者エージェントの位置情報および歩行者エージェントの認知情報)をもとに、次の時刻における歩行者エージェントの行動をシミュレーションする。歩行者行動実行部50は、逐次シミュレーションした結果をシミュレーション管理部30へ出力する。
シミュレーション結果出力部60は、歩行者エージェントの行動を逐次シミュレーションした結果(歩行者エージェントの位置情報および歩行者エージェントの認知情報)をエージェント情報格納部70へ格納する。また、シミュレーション結果出力部60は、エージェント情報格納部70に格納されたシミュレーション結果を表示装置への表示や印刷装置への印字により出力する。このシミュレーション結果の出力は、逐次シミュレーションした結果を逐次出力してもよい。また、所定時間にわたってシミュレーションした結果の集計結果を出力してもよい。
エージェント情報格納部70は、逐次シミュレーションした結果である歩行者エージェントの情報(位置情報および認知情報)等のシミュレーション結果をRAM、HDD等の記憶装置に格納する。
次に、シミュレーション装置1の動作の詳細について説明する。図5は、シミュレーション装置1の動作例を示すフローチャートである。
図5に示すように、処理が開始されると、入力部10は、空間情報11、歩行者情報13およびサインシステム計画12の入力を受け付けて入力情報格納部20へ格納する(S1)。次いで、シミュレーション管理部30は、入力された空間情報11およびサインシステム計画12をもとに、仮想空間の生成および仮想空間内におけるサインシステムの配置を行う(S2)。
図6は、仮想空間Pを説明する説明図である。図6に示すように、シミュレーション管理部30は、空間情報11のセル環境(空間の広さ、フロア数、壁の位置)に基づいた仮想空間Pを生成する。そして、シミュレーション管理部30は、空間情報11のネットワーク環境(ノードの位置、種類、ノードの接続関係)をもとに、仮想空間P内に出現ポイントP1、施設P2等を配置する。また、シミュレーション管理部30は、サインシステム計画12の位置をもとに、仮想空間P内にサインP3を配置する。
図7は、サインP3による案内情報の到達範囲を説明する説明図である。図7に示すように、仮想空間P内に配置されたサインP3には、サインシステム計画12における伝達度、距離、角度に対応した到達範囲Hが設定される。したがって、到達範囲H内にいるエージェントA1、A2はサインP3から案内情報を取得(認知)でき、到達範囲H外のエージェントA3はサインP3から案内情報を取得(認知)できないものとする。
次いで、シミュレーション管理部30は、シミュレーションの開始時刻に対応するステップ数の初期値(Step=0)を設定する(S3)。以後、シミュレーション管理部30は、S4〜S10の処理を繰り返す際に、設定されたステップをインクリメントすることで、シミュレーションの時刻を進める。これにより、シミュレーション管理部30は、S4〜S10の処理において、ステップに対応して進行する時刻ごとに歩行者行動実行部50でのシミュレーションを実行させる。なお、ステップのインクリメントにより進むシミュレーションの時間幅は、任意に設定してよく、例えば数秒から数十秒単位でユーザが事前に設定する。
次いで、シミュレーション管理部30は、歩行者情報13の発生確率および歩行者種類ごとの発生割合をもとに、出現ポイントP1において歩行者エージェントを生成する(S4)。具体的には、シミュレーション管理部30は、生成した乱数をもとに、設定された発生確率および発生割合で歩行者エージェントの生成の有無を検証する。そして、シミュレーション管理部30は、検証結果をもとに、発生有りとする種類の歩行者エージェントを生成する。なお、シミュレーション管理部30は、生成した歩行者エージェントごとに、ID(Identification Data)等の識別情報を割り当て、歩行者エージェントの位置および認知情報をエージェント情報格納部70に格納する。
図8は、エージェントAの生成を説明する説明図である。図8に示すように、発生確率および歩行者種類ごとの発生割合をもとに、発生有りとする種類のエージェントAが出現ポイントP1に生成される。例えば、発生確率が0.8の場合は、1ステップにおいて8割の確率でエージェントAが生成されることとなる。
次いで、シミュレーション管理部30は、仮想空間P内に生成されている各エージェントAの認知情報をエージェント情報格納部70より読み出して更新する更新処理を行う(S5)。図9は、エージェントAの認知情報の更新処理を例示するフローチャートである。なお、図9では一人のエージェントAについての更新処理を例示しているが、シミュレーション管理部30は、仮想空間P内に生成されているすべてのエージェントAに対して図9の更新処理を行う。
図9に示すように、更新処理が開始されると、シミュレーション管理部30は、エージェント情報格納部70に格納されたエージェントAの認知情報を参照し、エージェントAの認知情報内のすべての案内情報(認知情報とされた案内情報)に設定されている残り記憶時間を1減らす(S20)。このS20の処理により、シミュレーションの時刻の経過に従って、案内情報に設定されている残り記憶時間が減らされることとなる。
次いで、シミュレーション管理部30は、既得の案内情報の残り記憶時間=0であるか否かを判定する(S21)。残り記憶時間=0である場合(S21:YES)、シミュレーション管理部30は、残り記憶時間=0となっている案内情報を認知情報より削除し(S23)、S24へ処理を進める。残り記憶時間=0でない場合(S21:NO)、シミュレーション管理部30は、案内情報を認知情報より削除することなく、S24へ処理を進める。
これにより、残り記憶時間が0まで減らされていない間は、認知された案内情報がエージェントAのシミュレーションにおいて利用されることとなる。そして、シミュレーションの時刻の経過に従って、残り記憶時間が0まで減らされたところで、認知された案内情報が削除され、認知された案内情報のシミュレーションへの利用が制限されることとなる。
なお、本実施形態では認知された案内情報(認知情報)を削除することで、当初の認知情報を劣化させているが、認知情報の劣化については、削除以外の方法で実現してもよい。例えば、認知情報の読み出しを制限することで、認知情報の劣化を実現してもよい。また、認知情報の削除は、全部の情報を削除してもよいし、一部の情報を削除してもよい。また、一部の情報を削除する場合には、残り記憶時間が0に近づくのに従い、削除する情報量を増やしてもよい。
S24において、シミュレーション管理部30は、仮想空間P内のエージェントAの位置をもとに、エージェントAがサインP3から案内情報を取得(認知)したか否かを判定する。具体的には、シミュレーション管理部30は、エージェントAの位置が仮想空間Pに設置されたサインP3の到達範囲H内であるか否かをもとに、エージェントAがサインP3から案内情報を取得したか否かを判定する。
エージェントAがサインP3から案内情報を取得した場合(S24:YES)、シミュレーション管理部30は、取得した案内情報の残り記憶時間=(サインP3が持つ記憶難易度)*(エージェントAの記憶時間)とする。そして、シミュレーション管理部30は、残り記憶時間とともに、案内情報をエージェントAの認知情報に追加する(S25)。
このように、S25において、シミュレーション管理部30は、エージェントAが案内情報を認知した際に、案内情報の劣化にかかる初期値として残り記憶時間を設定する。例えば、サインP3に設定された記憶難易度が高く、忘却しづらい案内情報については、残り記憶時間の値が大きく設定される。また、記憶時間が長く、認知した案内情報を長く覚えているエージェントAについては、残り記憶時間の値が大きく設定される。なお、残り記憶時間については、サインP3が持つ記憶難易度およびエージェントAの記憶時間の両方をもとに設定してもよいし、いずれか一方をもとに設定してもよい。
なお、上述した認知情報の更新処理は、ステップの経過(シミュレーションの時間経過)に従ったものを例示したが、シミュレーションの経過に伴うものであれば、時間に限定しない。例えば、シミュレーションの経過に伴うエージェントAの歩数、方向転換した回数などのエージェントAの行動経過をもとに、認知情報を劣化させてもよい。例えば、シミュレーションの経過に伴うエージェントAの歩数、方向転換した回数を残り記憶時間と同様にカウントし、カウントされた値が所定値以上となった場合に認知された案内情報の削除を行ってもよい。このように、シミュレーションの時間経過だけでなく、エージェントAの行動経過をもとに認知情報を劣化させることで、エージェントAの行動に則した認知情報の劣化を再現できる。
図10は、認知情報の更新を説明する説明図である。図10に示すように、step=1のタイミングでエージェントAがサイン番号2の案内情報を取得したものとする。このとき、エージェントAの認知情報Iには、サイン番号2の案内情報が残り記憶時間=5とともに格納される。
次いで、step=3のタイミングでエージェントAがサイン番号5の案内情報を取得したものとする。このとき、エージェントAの認知情報Iには、サイン番号5の案内情報が残り記憶時間=10とともに格納される。また、サイン番号2の案内情報については、2ステップ経過していることから、残り記憶時間が3とされる。そして、step=7のタイミングで、サイン番号2の案内情報は、残り記憶時間=0となることから、削除される。
図5に戻り、S5に次いで、シミュレーション管理部30は、歩行者情報13および認知情報Iをもとに、仮想空間P内に生成されている各エージェントAの意思決定を行う(S6)。図11は、エージェントAの意思決定の処理を例示するフローチャートである。なお、図11では一人のエージェントAについての意思決定の処理を例示しているが、シミュレーション管理部30は、仮想空間P内に設定されているすべてのエージェントAに対して図11の処理を行う。
図11に示すように、処理が開始されると、シミュレーション管理部30は、エージェントAの目的カテゴリー=NULLであるか否か、すなわち目的カテゴリーの選択が済んでいるか否かを判定する(S30)。目的カテゴリーが未選択であり、目的カテゴリー=NULLである場合(S30:YES)、シミュレーション管理部30は、歩行者情報13の目的カテゴリー集合の中から1つのカテゴリーを選択する(S31)。
なお、目的カテゴリーが選択済みであり、目的カテゴリー=NULLでない場合(S30:NO)、シミュレーション管理部30は、選択済みとしたままでS32へ処理を進める。
次いで、シミュレーション管理部30は、エージェントAが目標とするエリア=NULLであるか否か、すなわち目的カテゴリー集合の中で選択済みのカテゴリーに対応するエリアの選択が済んでいるか否かを判定する(S32)。
目標とするエリアが未選択である場合(S32:YES)、シミュレーション管理部30は、目的カテゴリー集合の中で選択済みのカテゴリーに対応するエリアのエリア情報(エリアへの案内情報)をこのステップで入手(認知)しているか否かを判定する(S33)。具体的には、シミュレーション管理部30は、このステップにおける認知情報Iを参照し、選択済みのカテゴリーに対応する目的エリアの案内情報が認知情報Iに含まれているか否かを判定する。
エージェントAが目標とするエリアのエリア情報(案内情報)を入手(認知)している場合(S33:YES)、シミュレーション管理部30は、入手しているエリアを選択する(S34)。これにより、エージェントAについては、案内情報を認知しているエリアへの行動が決定される。なお、目標とするエリアが選択済みである場合(S32:NO)およびエージェントAが目標とするエリアの案内情報を認知していない場合(S33:NO)、シミュレーション管理部30は、S34の処理をスキップしてS35へ処理を進める。
次いで、シミュレーション管理部30は、エージェントAの現在位置が目的カテゴリー集合の中で選択済みである目的エリアであるか否かを判定する(S35)。現在位置=目的エリアである場合(S35:YES)、シミュレーション管理部30は、このステップで施設情報(施設への案内情報)を入手(認知)しているか否かを判定する(S36)。具体的には、シミュレーション管理部30は、このステップにおける認知情報Iを参照し、現在位置である目的エリア内の施設についての案内情報が認知情報Iに含まれているか否かを判定する。
エージェントAが施設への案内情報を入手(認知)している場合(S36:YES)、シミュレーション管理部30は、想起集合から選択集合への絞り込みを行う(S37)。具体的には、エージェントAが認知している施設(想起集合)の中から、エージェントAの目的や状況により選択集合へと選択肢を絞る。例えば、シミュレーション管理部30は、想起集合の中で施設を利用し終わるまでの時間が所定の閾値を超えるものはカットオフすることで、選択集合への絞り込みを行う。一例として、(施設までの見込み移動時間)+(待ち時間)+(利用時間)<閾値である施設へ絞り込む。
次いで、シミュレーション管理部30は、選択集合=空集合であるか否かを判定し(S38)、選択集合=空集合でない場合(S38:NO)は選択集合の中から施設を選択する(S39)。また、選択集合=空集合である場合(S38:YES)、シミュレーション管理部30は、エージェントAが目的とする施設を空とする(S40)。
選択集合の中からの施設の選択は、離散選択モデルなどの公知の方法を用いて行う。例えば、施設iを選択する確率は、P(i)=expU(i)/ΣexpU(n)(ただし、nは選択集合の要素である施設)によって計算され、値の高いものを選択する。なお、U(i)=(施設iの効用値)+β1・(施設iまでの見込み移動時間)+β2・(施設iの待ち時間)であり、β1、β2は予め設定された重み付け値である。
図5に戻り、歩行者行動実行部50は、各エージェントAについてS5で更新された認知情報IおよびS6で決定された意思をもとに、各エージェントAの歩行行動をシミュレーションする(S7)。具体的には、歩行者行動実行部50は、各エージェントAが認知している認知情報Iおよび決定した意思に従い、ステップ内に歩行する方向および歩行量を算出する。このS7のシミュレーション結果は、シミュレーション管理部30に出力されてエージェント情報格納部70に格納される。
なお、各エージェントAが認知している認知情報Iが劣化されている場合または目標とするエリアが決まっていない場合には、周囲のWaypointをランダムに選択し、選択したWaypointを目指す歩行(方向および歩行量)を算出する。これにより、現実の人の動きである「うろうろする」、「道に迷う」等の目的地と自分の位置との関係性を見失った行動を再現することができる。
次いで、シミュレーション結果出力部60は、エージェント情報格納部70に格納されたシミュレーション結果をもとに、仮想空間Pおよび仮想空間P内の各エージェントAを表示装置の画面に描画する(S8)。
図12は、仮想空間P、エージェントAの描画を説明する説明図である。図12に示すように、シミュレーション結果出力部60は、ステップごとに算出されたシミュレーション結果をもとに、仮想空間P内における各エージェントAの現在位置および移動した経路を描画する。このとき、シミュレーション結果出力部60は、回遊中、待機中、探索中などのエージェントAの状態に応じて表示態様(例えば色)を変えてもよい。また、シミュレーション結果出力部60は、ステップごとに算出されたシミュレーション結果をもとに、各施設P2の状態(集客人数、待機人数)を描画してもよい。これにより、ユーザは、ステップごとの各エージェントAの動きを容易に認識できる。
例えば、認知している認知情報Iが劣化されている場合または目標とするエリアが決まっていない状態のエージェントAについては、「うろうろする」、「道に迷う」などの動きをする回遊中として描画する。また、目的とする施設P2に到着しているエージェントAについては、待機中として描画する。また、目標とするエリアのエリア情報(案内情報)を認知して移動中であるエージェントAについては、探索中として描画する。これにより、ユーザは、各エージェントAの状態を容易に認識できる。
次いで、シミュレーション管理部30は、予め設定された最終ステップ(シミュレーションを終了する時刻)まで処理が終了したか否かを判定する(S9)。処理が終了していない場合(S9:NO)、シミュレーション管理部30は、ステップ数をインクリメントし(S10)、S4へ処理を戻す。
処理が終了した場合(S9:YES)、シミュレーション結果出力部60は、エージェント情報格納部70のシミュレーション結果を集計した集計結果を、例えば表示装置の画面に出力する(S11)。これにより、ユーザは、シミュレーションの集計結果を容易に認識できる。
図13は、シミュレーション結果R1、R2の出力例を説明する説明図である。図13に示すように、シミュレーション結果出力部60は、サインシステム計画(計画A、B、C)ごとにシミュレーションしたシミュレーション結果R1、R2を集計し、表示装置の画面に出力する。例えば、サインシステム計画(計画A、B、C)について、エリアごとの混雑状況(各施設の利用人数、待ち時間、移動時間、各エージェントAの利用した施設数など)を棒グラフで示したシミュレーション結果R1を出力してもよい。また、サインシステム計画(計画A、B、C)について、各施設の利用人数を棒グラフで示したシミュレーション結果R2を出力してもよい。
図14〜図16は、歩行者エージェントの行動を説明する説明図である。図14のケースC1は、施設Aを認知したエージェントAについて、シミュレーションの経過に応じた認知情報の劣化が行われなかった場合を示す。ケースC2は、施設Aを認知したエージェントAについて、シミュレーションの経過に応じた認知情報の劣化が行われた場合を示す。
図14に示すように、ケースC1では、シミュレーションの経過に応じて認知情報の劣化が行われていないことから、最短経路でエージェントAが移動する結果が得られることとなる。これに対し、ケースC2では、シミュレーションの経過に応じて認知情報の劣化が行われていることから、「うろうろする」、「道に迷う」などエージェントAの動きがシミュレーション結果として得られる場合がある。この場合は、「うろうろする」、「道に迷う」などの回遊時に、サインP3での案内によって認知する施設が変化することもあり、より現実の人の動きに則した人流シミュレーションを実現できる。
図15のケースC3は、「施設A」、「施設B」への案内を直接行うサインシステム計画のシミュレーション結果を示す。ケースC4は、「エリア1」への案内と、「施設A」への案内とを分けて、階層化したサインシステム計画のシミュレーション結果を示す。なお、エージェントA11は「エリア1」の「施設A」を行きたい目標とし、エージェントA12は、「エリア1」の「施設B」を行きたい目標とする。
図15に示すように、ケースC3では、大量のサインP3を設置することで、エージェントA11、A12を誘導するという非現実的なサインシステム計画を検討することとなる。例えば、「施設A」を案内するサインP3の設置が漏れた場合には、案内を途中で忘却したエージェントA11が途中で道に迷うこととなる。これに対し、ケースC4では、階層化したサインシステム計画により、エージェントA11、A12の記憶時間を考慮した計画を検討できる。
図16のケースC5はサインP3の到達範囲Hを大きく設定したシミュレーション結果を示す。また、ケースC6は、到達範囲Hを小さく設定した場合のシミュレーション結果を示す。図16に示すように、サインシステム計画におけるサインP3の到達範囲Hを適宜設定することで、エージェントA11、A12が「うろうろする」、「道に迷う」などの動きのない計画を検討できる。
以上のように、シミュレーション装置1は、案内情報が設定される仮想空間Pに、それぞれが認知情報Iを有し当該仮想空間P内を当該認知情報Iに基づき行動するエージェントAを配置する処理を行う。また、シミュレーション装置1は、エージェントAの位置に応じて提供された案内情報によりエージェントの認知情報Iを更新する処理を行う。また、シミュレーション装置1は、認知情報Iを、エージェントAの行動または属性の少なくとも一方に基づいて、劣化させる処理を行う。このため、シミュレーション装置1では、例えば現実の人の動きである「うろうろする」、「道に迷う」等の目的地と自分の位置との関係性を見失った行動を再現することができ、人間の行動における認知情報の劣化を再現できる人流シミュレーションを行うことができる。
シミュレーション装置1で行われる各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよい。また、各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行されるプログラム上、またはワイヤードロジックによるハードウエア上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよいことは言うまでもない。
ところで、上記の実施形態で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータ(ハードウエア)の一例を説明する。図17は、実施形態にかかるシミュレーション装置1のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図17に示すように、シミュレーション装置1は、各種演算処理を実行するCPU101と、データ入力を受け付ける入力装置102と、モニタ103と、スピーカ104とを有する。また、シミュレーション装置1は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置105と、各種装置と接続するためのインタフェース装置106と、有線または無線により外部機器と通信接続するための通信装置107とを有する。また、シミュレーション装置1は、各種情報を一時記憶するRAM108と、ハードディスク装置109とを有する。また、シミュレーション装置1内の各部(101〜109)は、バス110に接続される。
ハードディスク装置109には、上記の実施形態で説明した各種の処理を実行するためのプログラム111が記憶される。また、ハードディスク装置109には、プログラム111が参照する各種データ112が記憶される。入力装置102は、例えば、シミュレーション装置1の操作者から操作情報の入力を受け付ける。モニタ103は、例えば、操作者が操作する各種画面を表示する。インタフェース装置106は、例えば印刷装置等が接続される。通信装置107は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークと接続され、通信ネットワークを介した外部機器との間で各種情報をやりとりする。
CPU101は、ハードディスク装置109に記憶されたプログラム111を読み出して、RAM108に展開して実行することで、各種の処理を行う。なお、プログラム111は、ハードディスク装置109に記憶されていなくてもよい。例えば、シミュレーション装置1が読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラム111を、シミュレーション装置1が読み出して実行するようにしてもよい。シミュレーション装置1が読み取り可能な記憶媒体は、例えば、CD−ROMやDVDディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN等に接続された装置にこのプログラムを記憶させておき、シミュレーション装置1がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
1…シミュレーション装置
10…入力部
11…空間情報
12…サインシステム計画
13…歩行者情報
20…入力情報格納部
30…シミュレーション管理部
40…サインシステム変更部
50…歩行者行動実行部
60…シミュレーション結果出力部
70…エージェント情報格納部
101…CPU
111…プログラム
112…各種データ
A、A1〜A3…エージェント
H…到達範囲
I…認知情報
P…仮想空間
P1…出現ポイント
P2…施設
P3…サイン

Claims (18)

  1. コンピュータに、
    案内情報が設定される仮想空間に、それぞれが認知情報を有し当該仮想空間内を当該認知情報に基づき行動するエージェントを配置し、
    前記エージェントの位置に応じて提供された案内情報により前記エージェントの認知情報を更新し、
    前記認知情報を、前記エージェントの行動または属性の少なくとも一方に基づいて、劣化させる
    処理を実行させることを特徴とするシミュレーションプログラム。
  2. 前記劣化させる処理は、前記案内情報に規定された第1の制限情報に基づき、前記認知情報を劣化させることを特徴とする請求項1記載のシミュレーションプログラム。
  3. 前記劣化させる処理は、前記エージェントの属性に関連づけて規定された第2の制限情報に基づき、前記認知情報を劣化させることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシミュレーションプログラム。
  4. 前記劣化させる処理は、前記案内情報による前記認知情報の更新からの前記エージェントの行動経過に応じて前記認知情報を劣化させる、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシミュレーションプログラム。
  5. 前記劣化させる処理は、前記案内情報による前記認知情報の更新からの前記仮想空間内の時間経過に応じて前記認知情報を劣化させる、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシミュレーションプログラム。
  6. 前記第1の制限情報は、前記案内情報それぞれに規定されたカテゴリ情報に応じて設定されていることを特徴とする請求項2に記載のシミュレーションプログラム。
  7. コンピュータが、
    案内情報が設定される仮想空間に、それぞれが認知情報を有し当該仮想空間内を当該認知情報に基づき行動するエージェントを配置し、
    前記エージェントの位置に応じて提供された案内情報により前記エージェントの認知情報を更新し、
    前記認知情報を、前記エージェントの行動または属性の少なくとも一方に基づいて、劣化させる
    処理を実行することを特徴とするシミュレーション方法。
  8. 前記劣化させる処理は、前記案内情報に規定された第1の制限情報に基づき、前記認知情報を劣化させることを特徴とする請求項記載のシミュレーション方法。
  9. 前記劣化させる処理は、前記エージェントの属性に関連づけて規定された第2の制限情報に基づき、前記認知情報を劣化させることを特徴とする請求項または請求項記載のシミュレーション方法。
  10. 前記劣化させる処理は、前記案内情報による前記認知情報の更新からの前記エージェントの行動経過に応じて前記認知情報を劣化させる、
    ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のシミュレーション方法。
  11. 前記劣化させる処理は、前記案内情報による前記認知情報の更新からの前記仮想空間内の時間経過に応じて前記認知情報を劣化させる、
    ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のシミュレーション方法。
  12. 前記第1の制限情報は、前記案内情報それぞれに規定されたカテゴリ情報に応じて設定されていることを特徴とする請求項に記載のシミュレーション方法。
  13. 案内情報が設定される仮想空間に、それぞれが認知情報を有し当該仮想空間内を当該認知情報に基づき行動するエージェントを配置し、
    前記エージェントの位置に応じて提供された案内情報により前記エージェントの認知情報を更新し、
    前記認知情報を、前記エージェントの行動または属性の少なくとも一方に基づいて、劣化させる
    各処理を実行する処理部を有することを特徴とするシミュレーション装置。
  14. 前記劣化させる処理は、前記案内情報に規定された第1の制限情報に基づき、前記認知情報を劣化させることを特徴とする請求項13記載のシミュレーション装置。
  15. 前記劣化させる処理は、前記エージェントの属性に関連づけて規定された第2の制限情報に基づき、前記認知情報を劣化させることを特徴とする請求項13または請求項14記載のシミュレーション装置。
  16. 前記劣化させる処理は、前記案内情報による前記認知情報の更新からの前記エージェントの行動経過に応じて前記認知情報を劣化させる、
    ことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のシミュレーション装置。
  17. 前記劣化させる処理は、前記案内情報による前記認知情報の更新からの前記仮想空間内の時間経過に応じて前記認知情報を劣化させる、
    ことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のシミュレーション装置。
  18. 前記第1の制限情報は、前記案内情報それぞれに規定されたカテゴリ情報に応じて設定されていることを特徴とする請求項14に記載のシミュレーション装置。
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