JP6834722B2 - シミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置 - Google Patents

シミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、シミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置に関する。
従来、ショッピングモールや空港等において、各種案内を提示する標識(サイン)、案内人等(以下、まとめてサインとよぶ場合がある。)の配置にかかるサインシステム計画の検討に、人流シミュレーションが活用されている。
この人流シミュレーションでは、ショッピングモールや空港等に対応する仮想空間に、サインシステム計画に従ったサインと、歩行者を模した歩行者エージェントとを配置する。そして、仮想空間に配置されたサインより取得(認知)した情報に基づく歩行者エージェントの行動をシミュレーションすることで、サインシステム計画での歩行者の流れを模擬している。
国際公開第2017/029698号 特開2005−50117号公報 特開2009−181187号公報
しかしながら、従来技術では、サインの配置位置などによってシミュレーション結果の精度が下がる場合がある。
1つの側面では、精度の変動が少ない人流シミュレーションを実現することができるシミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置を提供することを目的とする。
第1の案では、シミュレーションプログラムは、コンピュータに、複数の案内表示が設定される仮想空間に、それぞれが認知情報を有し当該仮想空間内を当該認知情報に基づき行動するエージェントを配置させる。複数の案内表示それぞれについて、第1の範囲と第1の範囲と異なる第2の範囲とが設定される。シミュレーションプログラムは、コンピュータに、エージェントが案内表示の第1の範囲内に入り、かつ、第1の範囲に対応した第1の案内情報がエージェントの目的地と関連する場合、目的地までの認知情報を変化させる。また、シミュレーションプログラムは、コンピュータに、エージェントが第2の範囲内に入り、かつ、第2の範囲に対応した第2の案内情報がエージェントの目的地と関連する場合、エージェントに対して目的地に直接関連しない認知情報を変化させる。
本発明の1実施態様によれば、精度の変動が少ない人流シミュレーションを実現することができる。
図1は、実施形態にかかるシミュレーション装置の構成を例示するブロック図である。 図2は、空間情報を説明する説明図である。 図3は、サインシステム計画を説明する説明図である。 図4は、サインによる案内情報の情報伝達可能範囲と認識可能範囲とを説明する説明図である。 図5は、歩行者情報を説明する説明図である。 図6は、位置情報および認知情報を説明する説明図である。 図7は、シミュレーション装置の動作例を示すフローチャートである。 図8は、仮想空間を説明する説明図である。 図9は、歩行者エージェントの生成を説明する説明図である。 図10は、歩行者エージェントの認知情報の更新処理および意思決定処理を例示するフローチャートである。 図11は、モード1における認知情報の更新処理および意思決定処理を例示するフローチャートである。 図12は、モード1における歩行者エージェントの行動を説明する説明図である。 図13は、モード1における歩行者エージェントの認知情報の更新を説明する説明図である。 図14は、モード2における認知情報の更新処理および意思決定処理を例示するフローチャートである。 図15Aは、モード2における歩行者エージェントの行動の一例を説明する説明図である。 図15Bは、モード2における歩行者エージェントの行動の一例を説明する説明図である。 図16は、モード2における歩行者エージェントの認知情報の更新の一例を説明する説明図である。 図17Aは、モード2における歩行者エージェントの行動の他の例を説明する説明図である。 図17Bは、モード2における歩行者エージェントの行動の他の例を説明する説明図である。 図17Cは、モード2における歩行者エージェントの行動の他の例を説明する説明図である。 図17Dは、モード2における歩行者エージェントの行動の他の例を説明する説明図である。 図18は、モード2における歩行者エージェントの認知情報の更新の他の例を説明する説明図である。 図19は、仮想空間、歩行者エージェントの描画を説明する説明図である。 図20は、シミュレーション結果の出力例を説明する説明図である。 図21は、変形例にかかる認知情報の更新処理および意思決定処理を例示するフローチャートである。 図22は、変形例にかかるサインシステム計画を説明する説明図である。 図23は、変形例にかかる歩行者情報を説明する説明図である。 図24Aは、変形例にかかるモード1における歩行者エージェントの行動を説明する説明図である。 図24Bは、変形例にかかるモード1における歩行者エージェントの行動を説明する説明図である。 図25は、変形例にかかるモード1における歩行者エージェントの認知情報の更新を説明する説明図である。 図26Aは、変形例にかかるモード2における歩行者エージェントの行動を説明する説明図である。 図26Bは、変形例にかかるモード2における歩行者エージェントの行動を説明する説明図である。 図27は、変形例にかかるモード2における歩行者エージェントの認知情報の更新を説明する説明図である。 図28Aは、実施形態に係るシミュレーション装置の利点について説明するための図である。 図28Bは、実施形態に係るシミュレーション装置の利点について説明するための図である。 図28Cは、実施形態に係るシミュレーション装置の利点について説明するための図である。 図28Dは、実施形態に係るシミュレーション装置の利点について説明するための図である。 図29Aは、実施形態に係るシミュレーション装置の利点について説明するための図である。 図29Bは、実施形態に係るシミュレーション装置の利点について説明するための図である。 図29Cは、実施形態に係るシミュレーション装置の利点について説明するための図である。 図29Dは、実施形態に係るシミュレーション装置の利点について説明するための図である。 図30は、実施形態にかかるシミュレーション装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。 図31は、サイン配置の例と当該サイン配置を用いたシミュレーション結果を説明するための図である。 図32は、シミュレーションモデルが現実と乖離する場合について説明するための図である。 図33Aは、アロー型のサインについて説明するための図である。 図33Bは、マップ型のサインについて説明するための図である。
実施例にかかるシミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置について説明する前に、シミュレーションモデルが現実と乖離する場合、および、シミュレーション結果の精度が不安定になる場合について説明する。
図31は、サイン配置の例と当該サイン配置を用いたシミュレーション結果を説明するための図である。図32は、シミュレーションモデルが現実と乖離する場合について説明するための図である。図31および図32の例は、以下の条件を前提としてシミュレーションを行っている。なお、サインとは、案内表示である。たとえば、サインとは、歩行者エージェントに所定の情報(案内情報)を伝達する物体である。
(1)歩行者エージェントには予め目的地が設定される。
(2)歩行者エージェントは目的地の方向をサインによって認知するまではランダムウォークする。
(3)歩行者エージェントは目的地の方向をサインによって認知すると、ランダムウォークをやめて目的に向けて移動を開始する。
(4)歩行者エージェントはサインから所定距離範囲にくるとサインの表示内容を認知する。
(5)歩行者エージェントはサインを認知してから所定時間経過するとサインの表示内容を忘却する。
まず図31の例について説明する。図31の上部に、歩行者エージェントが行動する仮想空間の概略図を示す。図中、点を付した箇所は店舗やカウンター等の構造物が配置される箇所を示す。また、白地の箇所は、歩行者エージェントが移動する通路を示す。また、黒丸は、歩行者エージェントに店舗等の情報を提供するサインを示す。また、歩行者エージェントの出現ポイントは、図中下側の通路の端であるとする。
図31に示す配置1では、2つのサインが中央の通路上に配置される。他方、配置2では、4つのサインが中央の通路から離れた位置に配置される。
図31の下部のグラフは、実際に配置1および配置2に基づきシミュレーションを行って得られるデータである。配置1の場合、歩行者エージェントは仮想空間に出現した直後にサインを認知する。このため、最初にサインを見るまでの時間は短い。しかし、最初にサインを見てから目的地に辿り着くまでの時間には大きなばらつきがある。他方、配置2の場合、歩行者エージェントが仮想空間に出現した後最初のサインを認知するまでの時間に大きなばらつきがある。また、最初にサインをみてから目的地に辿り着くまでの時間も大きくばらついている。
実際に人間が行動する際には、配置1と配置2との間で図31のグラフが示すほどの大きな違いは生じない。しかし、シミュレーション結果では、配置1と配置2との間に大きな違いが生じている。この理由として、シミュレーションにおいて、歩行者エージェントはサインから所定の範囲内に入らなければサインを認識しないという前提条件を設定している点が考えられる。実際の人間はサインから遠くにいる場合でも、サインらしいものの存在を認知してサインを確認しに行ったりする。また、実際の人間はサインの外形や色等の概観から、サインが表示しているものを予測してサインを確認するか否かを決定したりする。しかし、図31のシミュレーションでは、歩行者エージェントはサインから所定距離内に入った場合にサインを認知し、所定距離内に入らなければ認知しないという条件設定である。このため、シミュレーションにおいて歩行者エージェントがサインを探して移動し続けるランダムウォークの時間が実際の人の動きの場合よりも長くなっていると考えられる。このため、配置1と配置2とのシミュレーション結果の差が大きくなる。
次に、図32の例について説明する。図32中、歩行者エージェントAは、移動方向前方にサインが存在していても図中略半円形で示す所定距離範囲に入らず、逆方向に方向転換を繰り返している。歩行者エージェントBは、移動方向前方にサインがあるにもかかわらず、所定距離範囲の近くまで来ても、所定距離範囲内に入っていない。実際の人間であれば、サインの近くまでくればサインから情報入手できると考えてサインに近寄ることが通常と考えられる。したがって、シミュレーションによって得られる歩行者エージェントA,Bの行動は現実的でない。他方、図面右側の歩行者エージェントCは、サインから所定距離範囲に到達して移動している。このように、上記のような条件でシミュレーションを行った場合、シミュレーションモデルが人間の現実的な行動パターンから乖離する場合がある。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、実施形態にかかるシミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明するシミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
第1の実施形態では、シミュレーションモデルの現実からの乖離や、シミュレーション結果の変動を抑制する。そのため、第1の実施形態は以下の点を考慮した構成とする。
(1)歩行者エージェントによるサインの認知の態様をサインからの距離に応じて複数レベルに設定する。
(2)歩行者エージェントの行動をサインの表示態様に応じて変化させる。
図32の例に示すように、サインから所定の距離範囲内に入らなければ歩行者エージェントが当該サインを認知しない、とすると、実際の人の行動態様に適合しない。現実には人間の行動は、人間が明確には知覚していない曖昧な情報も判断材料として決定される。したがって、人間の行動に影響を与える曖昧な情報をシミュレーションに反映することができると、シミュレーションの精度を安定させることができると考えられる。そこで、本実施形態では、サインの認知の態様を、複数のレベルに設定する。第1に、歩行者エージェントがサインが表示している正確な情報内容まで把握するレベルを設定する(第1のモード)。第2に、歩行者エージェントがサインの正確な情報内容までは把握できないが、サインの存在や表示内容についての判断材料を得ることができるレベルを設定する(第2のモード)。
また、本実施形態では、サインの表示態様として、以下のような違いを想定する。図33Aおよび図33Bは、サインの表示態様の違いについて説明するための図である。図33Aは、アロー型のサインについて説明するための図である。アロー型とは、目的地が存在する場所を矢印で示すサインの種類である。図33Bは、マップ型のサインについて説明するための図である。マップ型とは、複数の店舗等の目的地をまとめて地図上に表示するサインの種類である。アロー型は特定の目的地のおおまかな位置を表示するサインといえる。また、マップ型は複数の目的地の正確な位置を表示するサインといえる。アロー型とマップ型の違い等のサインの表示態様の違いは、遠方からでも歩行者エージェントが知覚できると考えられる。そして、歩行者エージェントはアロー型の場合とマップ型の場合とで異なる行動をとることが予想される。そこで、本実施形態では、歩行者エージェントの認知態様を複数レベルに区別するのに加えて、サインの表示態様に応じて歩行者エージェントの行動変化を区別する。なお、以下、サインの表示態様の種類として、アロー型とマップ型を例に説明するが、表示態様の種類はこれに限定されない。たとえば、サインの大きさ、サインに表示される図形の色、形状、文字の大小等の表示態様に応じて歩行者エージェントの行動を変化させるようシミュレーション条件を設定することも可能である。また、サインの見易さ、たとえばサインに照明光が当たっているか、方向に変化があるか(回転するサイン等)等も表示態様として加味してシミュレーション条件を設定することも可能である。
図1は、実施形態にかかるシミュレーション装置1の構成を例示するブロック図である。図1に示すシミュレーション装置1は、たとえばPC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置である。シミュレーション装置1は、入力された情報に基づいて、仮想空間における歩行者エージェント(以下、単に「エージェント」と表記する場合もある。)の行動をシミュレーションし、歩行者の流れを模した人流シミュレーションを実施する。図1に示すように、シミュレーション装置1は、入力部10、入力情報格納部20、シミュレーション管理部30を有する。シミュレーション装置1はさらに、サインシステム変更部40、歩行者行動実行部50、シミュレーション結果出力部60および歩行者エージェント情報格納部70を有する。
入力部10は、たとえばマウスやキーボードなどの入力装置より、空間情報11、サインシステム計画12および歩行者情報13等のシミュレーションにかかる入力情報を受け付ける。
入力情報格納部20は、入力部10より入力された空間情報11、サインシステム計画12および歩行者情報13等の入力情報をRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置に格納する。
空間情報11は、ショッピングモールや空港等のシミュレーションにかかる仮想空間の構造を示す情報である。具体的には、空間情報11には、シミュレーションにおける歩行者エージェントが回遊する仮想空間(広さ、フロア数、壁、通路および施設の位置等)についてのセル環境が記述されている。また、空間情報11には、仮想空間内のノード(通路、施設等)の接続についてのネットワーク環境が記述されている。ユーザは、シミュレーションの検討対象とする仮想空間の空間情報11をシミュレーション装置1に入力する。
図2は、空間情報11を説明する説明図である。図2に示すように、空間情報11には、仮想空間の広さ、フロア数、歩行者エージェントの進入不可能なセル(壁)を示す壁番号、壁の位置等のセル環境が記述されている。また、空間情報11には、ノードを示すノード番号ごとに、ノードの位置(座標)、歩行目標(Waypoint)、施設(Facility)などのノードの種類等のネットワーク環境が記述されている。また、ネットワーク環境には、移動可能なノード間のエッジごとに、エッジ番号と、互いに接続されているノードを示すノード番号とが記述されている。
サインシステム計画12は、ショッピングモールや空港等において、各種案内を提示するサインの配置や内容を示す情報である。具体的には、サインシステム計画12には、各サインについて特徴となる属性(位置、情報伝達可能範囲、認識可能範囲)が記述されている。また、サインシステム計画12には、各サインが歩行者エージェントに渡す(認知させる)ことにかかる情報(施設情報、案内意図)が記述されている。ユーザは、シミュレーションの検討対象とするサインシステム計画12をシミュレーション装置1に入力する。
図3は、サインシステム計画12を説明する説明図である。図3に示すように、サインシステム計画12は、サインを識別するサイン番号ごとに、各サインの特徴となる属性(位置、情報伝達可能範囲、認識可能範囲)が記述されている。
「位置」は、仮想空間におけるサインの設置位置である。「情報伝達可能範囲」は、歩行者エージェントに対してサインが情報を渡す(認知させる)ことができる範囲を示す。「情報伝達可能範囲」は、サインが表示している情報の具体的内容を歩行者エージェントが認知できる範囲である。「情報伝達可能範囲」は、「距離」と「角度」とを含む。「距離」は、歩行者エージェントに対してサインが情報を渡すことができる仮想空間内における距離を示す値である。「角度」は、歩行者エージェントに対してサインが情報を渡すことができる角度を示す値である。「認識可能範囲」は、歩行者エージェントがサインを認識することができる範囲を示す。「認識可能範囲」は、歩行者エージェントがサインの存在、表示態様(色、形等)等を認識できるが、サインが表示する情報の具体的内容、詳細までは認知できない範囲である。「認識可能範囲」はたとえば、歩行者エージェントが、サインがマップ型かアロー型かを認識することができる範囲である。「認識可能範囲」は、「距離」と「角度」とを含む。「距離」は、歩行者エージェントがサインを認識することができる仮想空間内における距離を示す値である。「角度」は、歩行者エージェントがサインを認識することができる角度を示す値である。このほか、歩行者エージェントがサインが示す内容を認知するのに要する時間の記述等をサインシステム計画12に含めてもよい。
サインシステム計画12における各サインの特徴となる属性については、設置を計画している各サインの大きさや内容などをもとに評価された値が入力される。たとえば、大きな標識で伝達する内容が少ない(たとえば内容を遠くからでも容易に読み取れる)サインについては、情報伝達可能範囲および認識可能範囲の距離および角度を大きな値とする。また、同じ大きさの標識でも伝達する内容が多い(たとえば内容を遠くからは読取にくい)サインについては、情報伝達可能範囲の距離および角度を小さな値とする。
また、サインシステム計画12は、サインを識別するサイン番号ごとに、歩行者エージェントの認知にかかる情報(施設情報、案内意図)が記述されている。
「施設情報」は、歩行者エージェントに渡す(認知させる)施設についての情報であり、たとえば施設を示す番号などがある。施設情報は、仮想空間内に配置されるエリア(たとえばレストランエリア、両替エリア、飲食店エリア等)を含んでもよい。「案内意図」は、サインによって歩行者エージェントに情報を渡す意図である。また、「案内意図」は、サインの表示態様である。たとえば、「案内意図」は、歩行者エージェントに仮想空間内の店舗等のおおまかな配置を伝達することである。この場合、「案内意図」は「アロー型」である。またたとえば、「案内意図」は、歩行者エージェントに、特定の施設の正確な位置を伝達することである。この場合、「案内意図」は「マップ型」である。このほか、サインシステム計画12は、各サインが伝達する情報の歩行者エージェントによる忘れやすさの指標を含んでもよい。
サインシステム計画12における各サインの認知にかかる情報については、設置を計画している各サインの内容などをもとに評価された値が入力される。また、施設情報および案内意図は、合致度(後述)の算出のための数値を含む。施設情報および案内意図の数値は、情報の合致度が適切に表現されるよう予め調整され入力される。
たとえば、図3の例では、「サイン番号、1」のサインに対応づけて、「位置、(20,80,10)」、「情報伝達可能範囲、距離、10」、「情報伝達可能範囲、角度、2/3Π」が記述される。また、「サイン番号、1」に対応づけて、「認識可能範囲、距離、30」、「認識可能範囲、角度、2/3Π」が記述される。また、「サイン番号、1」に対応づけて、「施設情報、0:エリア(レストラン)」、「案内意図、0:アロー型」が記述される。これは、サイン番号「1」で識別されるサインは、座標(20,80,10)で表わされる仮想空間内の位置に配置されることを示す。また、サイン番号「1」のサインが表示する情報の具体的内容は、当該サインから10メートルの距離まで歩行者エージェントが認知することができることを示す。また、サイン番号「1」のサインが表示する情報の具体的内容は、当該サインを中心に角度2/3Πの範囲内で歩行者エージェントが認知できることを示す。また、サイン番号「1」のサインの表示態様は、当該サインから30メートルの距離まで歩行者エージェントが認知することができることを示す。また、サイン番号「1」のサインの表示態様は、当該サインを中心に角度2/3Πの範囲内で歩行者エージェントが認知できることを示す。また、サイン番号「1」のサインは、数値「0」で表わされる、レストランが存在するエリアを表示することを示す。また、サイン番号「1」のサインは、数値「0」で表わされるアロー型であって、大まかな位置を表示する表示態様であることを示す。
図4は、サインP3による案内情報の情報伝達可能範囲と認識可能範囲とを説明する説明図である。図4に示すように、仮想空間P内に配置されたサインP3には、サインシステム計画12における情報伝達可能範囲、認識可能範囲に対応する二つの範囲、情報伝達可能範囲H1および認識可能範囲H2が設定される。情報伝達可能範囲H1内にいる歩行者エージェントA1はサインP3から案内情報の具体的な内容を取得(認知)できる。他方、情報伝達可能範囲H1外にいる歩行者エージェントA2は、サインP3から案内情報の具体的な内容を取得(認知)できない。しかし、歩行者エージェントA2は、情報伝達可能範囲H1外だが認識可能範囲H2内にいるため、サインP3の存在および表示態様(マップ型かアロー型か)を取得(認知)できる。他方、情報伝達可能範囲H1および認識可能範囲H2の外にいる歩行者エージェントA3は、サインP3の存在自体認識しない。
以下、サインの情報伝達可能範囲H1内に歩行者エージェントが存在し、サインが歩行者エージェントの認識視野内に存在する場合の処理を「モード1」における処理とも呼ぶ。また、サインの情報伝達可能範囲H1外かつ認識可能範囲H2内に歩行者エージェントが存在し、サインが歩行者エージェントの認識視野内に存在する場合の処理を「モード2」における処理とも呼ぶ。
図1に戻って、歩行者情報13は、仮想空間における歩行者エージェントを示す情報である。具体的には、歩行者情報13は、仮想空間における出入口などに対応した出現ポイントにおいて歩行者エージェントが発生する発生確率についての情報である。また、歩行者情報13は、発生する歩行者エージェントの種類(属性)についての情報である。なお、歩行者エージェントの種類は、たとえば、男性または女性などの性別、子供(幼児、小、中、高校生)、成人(20〜40歳、40〜60歳、60歳以上)などの年齢別によるものがある。ユーザは、シミュレーションの検討対象とする歩行者についての歩行者情報13をシミュレーション装置1に入力する。
図5は、歩行者情報13を説明する説明図である。図5に示すように、歩行者情報13は、歩行者エージェントの発生確率と、歩行者種類を示す番号ごとの、発生する歩行者エージェントの特徴とが記述されている。歩行者エージェントの特徴には、「発生割合」、「視認距離」、「視野角」、「目的地」などがある。
「発生割合」は、各歩行者エージェントの発生する割合を示す。「視認距離」および「視野角」は各歩行者エージェントが仮想空間内で視認できる距離と角度を示す。「目的地」は、各歩行者エージェントの目的地(たとえばレストラン、ショッピング等)を示す値である。
歩行者情報13の内容については、ショッピングモールや空港等のシミュレーションにかかる仮想空間を訪れる歩行者を想定した値が入力される。たとえば、成人(20〜40歳、40〜60歳)の利用が多く、子供(幼児、小、中、高校生)の利用が少ない場合には、成人に対応した歩行者種類の発生割合を大きくする。また、子供に対応した歩行者種類の発生割合を小さく設定する。
たとえば、図5の例では、「歩行者種類、1」、「発生割合、0.1」、「視認距離、100」、「視野角、2Π」、「目的地、0:エリア(レストラン)」が記憶される。これは、歩行者種類「1」(たとえば成人男性)の歩行者エージェントは0.1の割合で発生されることを示す。また、歩行者種類「1」の歩行者エージェントは、半径100メートル、視野角2Πの範囲を視野範囲として、視野範囲内の物体を認知することを示す。また、歩行者種類「1」の歩行者エージェントは、レストランが存在するエリアを目的地として移動することを示す。
なお、図5には図示しないが、歩行者情報13は各歩行者エージェントについて、ランダムウォーク時の速度や目的地が設定された場合の速度等、他の情報を含んでよい。
図1に戻って、シミュレーション管理部30は、入力情報格納部20に格納された入力情報(空間情報11、サインシステム計画12および歩行者情報13)に基づいて仮想空間における歩行者エージェントの行動をシミュレーションする処理を管理する。仮想空間における歩行者エージェントの行動のシミュレーションは、歩行者行動実行部50において行われる。具体的には、シミュレーション管理部30は、入力情報格納部20に格納された入力情報を読み出して歩行者行動実行部50へ出力する。また、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェント情報格納部70に格納された歩行者エージェントの行動を逐次シミュレーションをした結果を読み出す。そして、シミュレーション管理部30は、読み出したシミュレーション結果を歩行者行動実行部50へ出力する。出力されるシミュレーション結果はたとえば、歩行者エージェントの位置情報および歩行者エージェントの認知情報を含む。
また、シミュレーション管理部30は、歩行者行動実行部50が歩行者エージェントの行動を逐次シミュレーションした結果(歩行者エージェントの位置情報および歩行者エージェントの認知情報)をシミュレーション結果出力部60へ出力する。
また、シミュレーション管理部30は、歩行者行動実行部50によるシミュレーション結果により、歩行者エージェント情報格納部70に格納される歩行者エージェントの位置情報および認知情報を更新する。
サインシステム変更部40は、たとえばマウスやキーボードなどの入力装置においてユーザより受け付けた操作指示をもとに、入力情報格納部20に格納されたサインシステム計画12の変更を行う。これにより、ユーザは、サインシステム計画12を適宜変更することができる。
歩行者行動実行部50は、入力情報(空間情報11、サインシステム計画12および歩行者情報13)を初期条件として、歩行者エージェントの行動を逐次シミュレーションする。具体的には、歩行者行動実行部50は、前の時刻まで歩行者エージェントの行動をシミュレーションした結果(歩行者エージェントの位置情報および認知情報)をもとに、次の時刻における歩行者エージェントの行動をシミュレーションする。歩行者行動実行部50は、逐次シミュレーションした結果をシミュレーション管理部30へ出力する。
シミュレーション結果出力部60は、歩行者エージェントの行動を逐次シミュレーションした結果(歩行者エージェントの位置情報および認知情報)を歩行者エージェント情報格納部70へ格納する。また、シミュレーション結果出力部60は、歩行者エージェント情報格納部70に格納されたシミュレーション結果を表示装置への表示や印刷装置への印字により出力する。このシミュレーション結果の出力は、逐次シミュレーションした結果を逐次出力してもよい。また、所定時間にわたってシミュレーションした結果の集計結果を出力してもよい。
歩行者エージェント情報格納部70は、逐次シミュレーションした結果である歩行者エージェントの情報(位置情報および認知情報)等のシミュレーション結果をRAM、HDD等の記憶装置に格納する。
図6は、位置情報および認知情報を説明する説明図である。位置情報および認知情報は、歩行者エージェント情報格納部70に格納される。位置情報は、シミュレーションの各時点における各歩行者エージェントの存在位置を示す。位置情報はたとえば、空間情報11と同様に各歩行者エージェントの仮想空間における存在位置を座標で表示する。歩行者行動実行部50によるシミュレーションステップ(所定の時点を示す)ごとに、各歩行者エージェントについて新しい位置情報が歩行者エージェント情報格納部70に格納される。
認知情報は、各歩行者エージェントの各シミュレーションステップにおける認知状態を示す。シミュレーション管理部30は歩行者エージェントを生成すると、歩行者エージェントごとにID(Identification Data)等の識別情報を割り当てて、認知情報を歩行者エージェント情報格納部70に格納する。認知情報は、位置情報と対応づけて格納される。認知情報は、シミュレーション管理部30の処理によって更新され、歩行者エージェント情報格納部70に格納される。たとえば、歩行者行動実行部50は、シミュレーションを実行し、歩行者エージェントの位置を変化させる。歩行者行動実行部50は、歩行者エージェントの変化後の位置情報をシミュレーション管理部30に渡す。シミュレーション管理部30は、変化後の位置情報を歩行者エージェント情報格納部70に格納する。シミュレーション管理部30は、シミュレーション後の位置情報に基づき認知情報の更新処理を実行する。歩行者行動実行部50は、更新された認知情報に基づきシミュレーションを行い、次のシミュレーションステップ時の歩行者エージェントの位置情報をシミュレーション管理部30に渡す。このようにして認知情報は逐次更新され更新前の認知情報および更新後の認知情報がともに記憶される。
図6の例では、認知情報は、「歩行者ID」、「ステップ番号」、「サイン番号」、「施設情報」、「案内意図」、「目的地」、「合致度」、「視認距離」、「視野角」、「移動方向」を含む。また、認知情報には位置情報が対応付けられる。
「歩行者ID」はシミュレーションにおいて歩行者エージェントが生成されるごとに歩行者エージェントに付与される。「歩行者ID」は、各歩行者エージェントを一意に識別するための識別子である。「ステップ番号」は、シミュレーションにおいて設定される所定の時点を示す。図6の例では、ステップ番号はシミュレーションの時間の経過とともに大きくなる。「サイン番号」は、対応するステップ番号の時点で、歩行者エージェントが認知しているサインのサイン番号である(図3参照)。「施設情報」は、この時点で歩行者エージェントが認知しているサインの施設情報である(図3参照)。「案内意図」は、この時点で歩行者エージェントが認知しているサインの案内意図である(図3参照)。「目的地」は、歩行者エージェントの目的地である(図5参照)。「合致度」は、対応する「施設情報」と「目的地」との合致度を示す。「合致度」はまた、対応する「案内意図」と「目的地」との合致度を示す。「視認距離」は、「案内意図」と「目的地」との合致度に基づいて設定される歩行者エージェントの視認距離である。「視野角」は、「案内意図」と「目的地」との合致度に基づいて設定される歩行者エージェントの視野角である。「移動方向」は、「案内意図」または「施設情報」と「目的地」との合致度に基づいて設定される歩行者エージェントの移動方向である。認知情報の更新処理および合致度の算出手法については、さらに後述する。なお、図6の例では、「歩行者ID」と「ステップ番号」とを認知情報の一部として表示した。しかし、実際の装置の構成としては、認知情報は歩行者エージェントにつき1つの情報が随時記憶され、更新されるため、「歩行者ID」「ステップ番号」を除く部分を認知情報と呼んでもよい。
次に、シミュレーション装置1の動作の詳細について説明する。図7は、シミュレーション装置1の動作例を示すフローチャートである。
図7に示すように、処理が開始されると、入力部10は、空間情報11、サインシステム計画12および歩行者情報13の入力を受け付けて入力情報格納部20へ格納する(S1)。次いで、シミュレーション管理部30は、入力された空間情報11およびサインシステム計画12をもとに、仮想空間の生成および仮想空間内におけるサインシステムの配置を行う(S2)。
図8は、仮想空間Pを説明する説明図である。図8に示すように、シミュレーション管理部30は、空間情報11のセル環境(仮想空間の広さ、フロア数、壁の位置)に基づいた仮想空間Pを生成する。そして、シミュレーション管理部30は、空間情報11のネットワーク環境(ノードの位置、種類、ノードの接続関係)をもとに、仮想空間P内に出現ポイントP1、施設P2等を配置する。また、シミュレーション管理部30は、サインシステム計画12の位置をもとに、仮想空間P内にサインP3を配置する。
次いで、シミュレーション管理部30は、シミュレーションの開始時刻に対応するステップ数の初期値(Step=0)を設定する(S3)。以後、シミュレーション管理部30は、S4〜S9の処理を繰り返す際に、設定されたステップをインクリメントすることで、シミュレーションの時刻を進める。これにより、シミュレーション管理部30は、S4〜S9の処理において、ステップに対応して進行する時刻ごとに歩行者行動実行部50でのシミュレーションを実行させる。なお、ステップのインクリメントにより進むシミュレーションの時間幅は、任意に設定してよく、たとえば数秒から数十秒単位でユーザが事前に設定する。
次いで、シミュレーション管理部30は、歩行者情報13の発生確率および歩行者種類ごとの発生割合をもとに、出現ポイントP1において歩行者エージェントを生成する(S4)。具体的には、シミュレーション管理部30は、生成した乱数をもとに、設定された発生確率および発生割合で歩行者エージェントの生成の有無を検証する。そして、シミュレーション管理部30は、検証結果をもとに、発生有りとする種類の歩行者エージェントを生成する。なお、シミュレーション管理部30は、生成した歩行者エージェントごとに、ID等の識別情報を割り当て、歩行者エージェントの位置情報および認知情報を歩行者エージェント情報格納部70に格納する。
図9は、歩行者エージェントAの生成を説明する説明図である。図9に示すように、発生確率および歩行者種類ごとの発生割合をもとに、発生有りとする種類の歩行者エージェントAが出現ポイントP1に生成される。たとえば、発生確率が0.8の場合は、1ステップにおいて8割の確率で歩行者エージェントAが生成されることとなる。
次いでシミュレーション管理部30は、仮想空間P内に生成される各歩行者エージェントAの認知情報を歩行者エージェント情報格納部70より読み出して更新する更新処理と認知情報に基づき歩行者エージェントの意思を決定する意思決定処理を行う(S5)。図10は、歩行者エージェントAの認知情報の更新処理および意思決定処理を例示するフローチャートである。なお、図10では一人の歩行者エージェントAについての更新処理を例示しているが、シミュレーション管理部30は、仮想空間P内に生成されているすべての歩行者エージェントAに対して図10の更新処理を行う。
図10に示すように、更新処理が開始されると、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェント情報格納部70に格納された歩行者エージェントAの位置情報および認知情報を読み出す。また、シミュレーション管理部30は、入力情報格納部20に格納された情報を読み出す。そして、シミュレーション管理部30は、読出した情報に基づき、歩行者エージェントAの認識視野内にサインが存在するか否かを判定する(ステップS51)。存在しないと判定した場合(ステップS51:No)、シミュレーション管理部30は、更新処理および意思決定処理を終了する。そして、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェント情報格納部70から読み出した認知情報をそのまま歩行者行動実行部50に渡す。
他方、歩行者エージェントAの認識視野内にサインが存在すると判定した場合(ステップS51:Yes)、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントAがサインのモード1の範囲内にいるか否かを判定する(ステップS52)。モード1の範囲内とはたとえば、サインの情報伝達可能範囲H1内である。モード1の範囲内であると判定した場合(ステップS52:Yes)、シミュレーション管理部30は、モード1における認知情報の更新処理を実行する(ステップS53)。続けて、シミュレーション管理部30は、モード1における歩行者エージェントの意思決定処理を実行する(ステップS54)。そしてシミュレーション管理部30は処理を終える。
他方、歩行者エージェントがモード1の範囲内ではないと判定した場合(ステップS52:No)、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントがサインのモード2の範囲内か否かを判定する(ステップS55)。モード2の範囲内とはたとえば、認識可能範囲H2内である。モード2の範囲内ではないと判定した場合(ステップS55:No)、シミュレーション管理部30は、更新処理および意思決定処理を終了する。そして、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェント情報格納部70から読み出した認知情報をそのまま歩行者行動実行部50に渡す。
他方、歩行者エージェントがモード2の範囲内であると判定した場合(ステップS55:Yes)、シミュレーション管理部30は、モード2における認知情報の更新処理を実行する(ステップS56)。続けて、シミュレーション管理部30は、モード2における歩行者エージェントAの意思決定処理を実行する(ステップS57)。そしてシミュレーション管理部30は処理を終える。
図11は、モード1における認知情報の更新処理および意思決定処理を例示するフローチャートである。図11の処理は、図10のステップS53およびS54における処理に相当する。
シミュレーション管理部30は、モード1における認知情報の更新処理が開始すると、サインシステム計画12を参照して歩行者エージェントAが情報伝達可能範囲H1内にいるサインの施設情報を特定する。また、シミュレーション管理部30は、歩行者情報13を参照して歩行者エージェントAの目的地を特定する。そして、シミュレーション管理部30は、特定した施設情報と目的地との合致度を算出する(ステップS111)。シミュレーション管理部30は算出した合致度で認知情報を更新する(ステップS112)。そして、シミュレーション管理部30は、算出した合致度が所定値以上か否かを判定する(ステップS113)。シミュレーション管理部30は、合致度が所定値以上の場合(ステップS113:Yes)、サインの施設情報によって特定される施設を、移動方向に決定する(ステップS114)。他方、合致度が所定値未満の場合(ステップS113:No)、シミュレーション管理部30は、移動方向を変更しない(ステップS115)。
図12は、モード1における歩行者エージェントの行動を説明する説明図である。図13は、モード1における歩行者エージェントの認知情報の更新を説明する説明図である。図12、13を参照し、さらに、モード1における歩行者エージェントの行動と認知情報の更新について説明する。
図12および図13の例では、歩行者エージェントの歩行者情報13および例示する4つのサインの施設情報および案内意図は、以下の通りとする。
(歩行者エージェントの歩行者情報13)
視認距離10メートル、視野角2Π、目的地「0:エリア(レストラン)」
(サインのサイン番号、施設情報および案内意図)
P3−1、0:レストラン、0:アロー型(レストラン)
P3−2、0:レストラン、1:マップ型(レストラン)
P3−3、3:洋服売り場、3:アロー型(洋服売り場)
P3−4、3:洋服売り場、4:マップ型(洋服売り場)
(1)歩行者エージェントがサインP3−1の情報伝達範囲H1に入った場合
シミュレーションが開始すると、所定の時点で歩行者エージェントが生成される(図7のステップS4参照)。歩行者エージェントは、目的地(「0:エリア(レストラン)」)の位置を認知するまではランダムウォークする。ランダムウォーク中に、歩行者エージェントがまだいずれのサインの情報伝達可能範囲H1にも認識可能範囲H2にも入っていない時点の認知情報は、図13のステップ番号「STEP0001」で示すようになる。ステップ番号「STEP0001」の認知情報には、「目的地、0:エリア(レストラン)」、「視認距離、10」、「視野角、2Π」、「移動方向、RW」が記述されている。「RW」はランダムウォークを示す。これは、ステップ番号「STEP0001」の時点では、歩行者エージェントは、歩行者情報13に記述された設定どおりの視認距離、視野角、目的地であることを示す。また、歩行者エージェントは、まだ目的地の方向を認知していないため、ランダムウォーク中であることを示す。
歩行者エージェントはランダムウォークを続けた後(図12の(1))、サインP3−1の情報伝達可能範囲H1に入る(図12の(2))。また、歩行者エージェントの視認距離および視野角によって決定される認識視野内にサインP3−1が存在する。この場合、シミュレーション管理部30は、モード1の更新処理および意思決定処理を実行する。シミュレーション管理部30は、サインP3−1の施設情報「0:レストラン」と、歩行者エージェントの目的地「0:エリア(レストラン)」と、の合致度を算出する。合致度はたとえば、式(1)に基づき算出する。
Figure 0006834722
このとき、合致度は1/(1+(0−0))=1となる。歩行者エージェントがサインP3−1の情報伝達可能範囲H1に入り、歩行者エージェントの認識視野内にサインP3−1が入ったときをステップ番号「STEP0020」とする。すると、「ステップS0020」時点の認知情報は、図13のステップ番号「STEP0020」で示す状態のうち(1)の状態となる。図13に示すように、(1)の認知情報は、「サイン番号、P3−1」、「施設情報、0:レストラン」、「案内意図、0:アロー型」を含む。さらに、(1)の認知情報は、「合致度、1」を含む。図12の例では、合致度と比較する所定値は0.5とする。ここで、合致度「1」は「0.5」よりも大きいため、歩行者エージェントの移動方向は施設情報によって特定された施設の方向「0:レストラン」となる。歩行者エージェントは認知情報に設定された移動方向に移動するようシミュレーションされる。歩行者は、ステップ「STEP0020」の後は「0:レストラン」の方向へと移動する(図12の(3))。
(2)歩行者エージェントがサインP3−2の情報伝達範囲H1に入った場合
次に、歩行者エージェントがステップ番号「STEP0020」の時点でサインP3−2の情報伝達可能範囲H1内に入った場合を考える。この場合、認知情報には、「サイン番号、P3−2」、「施設情報、0:レストラン」、「案内意図、1:マップ型」、「目的地、0:エリア(レストラン)」が記述される(図13の(2))。シミュレーション管理部30は、モード1の合致度=1/(1+0−0)=1を算出し、認知情報に記述する。合致度1は所定値0.5以上であるため、移動方向は「0:レストラン」に設定される(図13の(2))。
(3)歩行者エージェントがサインP3−3の情報伝達範囲H1に入った場合
次に、歩行者エージェントがステップ番号「STEP0020」の時点でサインP3−3の情報伝達可能範囲H1内に入った場合を考える。この場合、認知情報には、「サイン番号、P3−3」、「施設情報、3:洋服売り場」、「案内意図、0:アロー型」、「目的地、0:エリア(レストラン)」が記述される(図13の(3))。シミュレーション管理部30は、モード1の合致度=1/(1+3−0)=1/4を算出し、認知情報に記述する。合致度1/4は、0.5未満であるため、シミュレーション管理部30は、移動方向をSTEP0001と同じ「RW」とする。
(4)歩行者エージェントがサインP3−4の情報伝達範囲H1に入った場合
次に、歩行者エージェントがステップ番号「STEP0020」の時点でサインP3−4の情報伝達可能範囲H1内に入った場合を考える。この場合、認知情報には、「サイン番号、P3−4」、「施設情報、3:洋服売り場」、「案内意図、1:マップ型(洋服売り場)」、「目的地、0:エリア(レストラン)」が記述される(図13の(4))。シミュレーション管理部30は、モード1の合致度=1/(1+3−0)=1/4を算出し、認知情報に記述する。合致度1/4は、0.5未満であるため、シミュレーション管理部30は、移動方向をSTEP0001と同じ「RW」とする。
このように図12および図13の例では、モード1の処理において「施設情報」と「目的地」の比較結果(合致度)に応じて歩行者エージェントの移動方向が決定される。
図14は、モード2における認知情報の更新処理および意思決定処理を例示するフローチャートである。図14の処理は、図10のステップS56およびS57における処理に相当する。
シミュレーション管理部30は、モード2における認知情報の更新処理が開始すると、サインシステム計画12からサインの案内意図を読み出す。また、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェント情報格納部70から認知情報を読み出す。そして、シミュレーション管理部30は、案内意図(表示態様)と認知情報が含む目的地との合致度を算出する(ステップS121)。シミュレーション管理部30は、合致度に応じて、歩行者エージェントの認知情報(認知態様)を更新する(ステップS122)。たとえば、シミュレーション管理部30は、合致度に応じて、歩行者エージェントの視野角を更新する。また、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントの移動方向を決定する(ステップS123)。
図15Aおよび図15Bは、モード2における歩行者エージェントの行動の一例を説明する説明図である。図16は、モード2における歩行者エージェントの認知情報の更新の一例を説明する説明図である。図15A、図15Bおよび図16を参照し、モード2における歩行者エージェントの行動と認知情報の状態について説明する。
図15A、図15Bおよび図16の例における歩行者エージェントの歩行者情報13および例示する4つのサインの施設情報および案内意図は、図12および図13と同様とする。
(1)歩行者エージェントが先にサインP3−1の認識可能範囲H2に入った場合
図16のステップ番号「STEP0001」の認知情報は図13のSTEP0001の認知情報と同様である。歩行者エージェントはこの時点では目的地を認知できずランダムウォークしている(図15Aの(1))。次に、歩行者エージェントは、まずサインP3−1の認識可能範囲H2に入る(図15Aの(2))。サインP3−1は歩行者エージェントの認識視野内にある。そこで、シミュレーション管理部30はモード2の処理を開始する。認知情報には、この時点「STEP0020」で、「サイン番号、P3−1」、「施設情報、0:レストラン」、「案内意図、0:アロー型」、「目的地、0:エリア(レストラン)」が記述される。シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントの目的地「0:エリア(レストラン)」と、サインP3−1の案内意図「0:アロー型」との合致度を算出する。合致度の算出は以下の式(2)による。
Figure 0006834722
したがって、「STEP0020」時点では、合致度=1/(1+0−0)=1となる。
モード2の処理では、シミュレーション管理部30は、合致度に応じて歩行者エージェントの認知態様たとえば認知視野を調整する。これは、人が何かに注意を集中している場合と、漠然と回りを眺めている場合とでは、認知視野の広さに変化があると考えられるためである。実施形態では、特定のサインに注意が向けられた状態になる条件が満足されると、たとえば、案内意図と目的地の合致度が所定値以上になると、歩行者エージェントの視野角を狭くする。変更後の歩行者エージェントの視野角と、合致度との対応は以下の通りである。なおこの例は、デフォルトの視野角を2Πとして設定している。
視野角 合致度
Π・・・・・合致度<1/6
Π/2・・・1/6<合致度≦1/3
Π/3・・・1/3<合致度≦1/2
Π/6・・・1/2<合致度≦1
図15Bの例では、STEP0020において合致度が「1」であるため、上の対応付けにより、視野角はΠ/6まで狭められる。視認距離に変更はない。そして、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントの認識視野内にあるサインP3−1を移動方向に設定する(図16の(1))。
ステップ「STEP0020」の後、歩行者エージェントは、移動方向であるサインP3−1に向けて移動する。そして、サインP3−1に近づく過程で他のサインP3−2の認識可能範囲H2を横切る。しかし、サインP3−2は歩行者エージェントの認識視野内にはないため(図10のS51参照)、サインP3−2に基づく認知情報の更新はない。そして、歩行者エージェントは、さらに移動を続けてサインP3−1の情報伝達可能範囲H1に入る。この時点をステップ「STEP0030」とする(図16の(2))。歩行者エージェントは、サインP3−1の情報伝達可能範囲H1内にいるため、モード1の処理が実行される。シミュレーション管理部30は、施設情報と目的地との合致度を算出する。ステップ「STEP0030」の合致度は「1」であり、所定値0.5以上であるため、移動方向は施設情報「0:レストラン」に設定される。シミュレーション管理部30は、モード1の処理を始めると、歩行者エージェントの視認距離および視野角をデフォルトの2Πに戻す(図16の(2))。
(2)歩行者エージェントが先にサインP3−2の認識可能範囲H2に入った場合
図15A、図15Bおよび図16の例では、歩行者エージェントは二つのサインP3−1およびP3−2のうち、アロー型の表示態様のサインP3−1の認識可能範囲H2に先に入った。図17A乃至図17Dおよび図18の例では、歩行者エージェントがマップ型の表示態様のサインP3−2の認識可能範囲H2に先に入る場合を説明する。
図17A乃至図17Dは、モード2における歩行者エージェントの行動の他の例を説明する説明図である。図18は、モード2における歩行者エージェントの認知情報の更新の他の例を説明する説明図である。図17A乃至図17Dおよび図18を参照し、モード2における歩行者エージェントの行動と認知情報の状態についてさらに説明する。
図18のステップ番号「STEP0001」の認知情報は図13、図16のSTEP0001の認知情報と同様である。歩行者エージェントはこの時点では目的地を認知できずランダムウォークしている(図17Aの(1))。次に、歩行者エージェントは、まずサインP3−2の認識可能範囲H2に入る(図17Aの(2))。サインP3−2は歩行者エージェントの認識視野内にある(図17B)。そこで、シミュレーション管理部30はモード2の処理を開始する。認知情報には、この時点「STEP0020」で、「サイン番号、P3−2」、「施設情報、0:レストラン」、「案内意図、1:マップ型」、「目的地、0:エリア(レストラン)」が記述される。
シミュレーション管理部30は、ステップ「STEP0020」時点の合致度を算出する。合致度=1/(1+1−0)=1/2である。上記対応付けより、合致度1/2の時の変更後の視野角はΠ/3である。そこで、シミュレーション管理部30は、ステップ「STEP0020」時点の視野角を変更し、移動方向をサインP3−2の方向とする(図18、(1))。
歩行者エージェントは、サインP3−2の方向に向けて移動を続ける(図17B)。このとき、歩行者エージェントは、サインP3−2の情報伝達可能範囲H1に入る前に、サインP3−1の認識可能範囲H2に入る(図17C)。このとき、サインP3−1は、歩行者エージェントの認識視野内にある。このため、シミュレーション管理部30は、サインP3−1についてモード2の処理を実行する。ステップ番号「STEP0030」での案内意図と目的地との合致度は、1/(1+0−0)=1となる。このため、シミュレーション管理部30は、合致度1に対応する認識視野Π/6に視野角を変更する。そして、シミュレーション管理部30は移動方向をサインP3−1とする(図18、(2))。
続いて歩行者エージェントはサインP3−1の方向に移動し(図17D)、サインP3−1の情報伝達可能範囲H1に入る。シミュレーション管理部30は、モード1の処理を実行する。シミュレーション管理部30は、サインP3−1の施設情報と歩行者エージェントの目的地との合致度を算出する。合致度は、1/(1+0−0)=1となる。1は所定値0.5より大きいため、シミュレーション管理部30は、施設情報「0:レストラン」を移動方向に設定する。また、シミュレーション管理部30は、モード1の処理を開始したため、視野角をデフォルトの2Πに戻す(図18、(3))。
このように、モード2の処理においては、サインの案内意図と歩行者エージェントの目的地との合致度に応じて、歩行者エージェントの視野角を変更する。このため、一つのサインを発見して当該サインに気を取られている歩行者エージェントの状態がシミュレーションに反映され、より現実に即したシミュレーション結果を得ることができる。また、モード2の処理においては、歩行者エージェントの視野角を合致度に応じて変更する。このため、サインの表示態様を加味して案内意図の数値を設定することで、サインの表示態様を加味したシミュレーション結果を得ることができる。このように実施形態によれば、人間の知覚に影響する様々な要因を数字に表現してシミュレーション結果に反映することができる。なお、以上の例では、合致度に応じて歩行者エージェントの視野角を変更することで注意の分散および集中の度合いをシミュレーション上に表現するように構成した。ただし、これに限らず、視野角以外の要素によって表現される歩行者エージェントの知覚範囲を変更するように構成してもよい。
図7に戻り、歩行者行動実行部50は、各歩行者エージェントAについてS5で更新された認知情報および決定された意思をもとに、各歩行者エージェントAの歩行行動をシミュレーションする(S6)。具体的には、歩行者行動実行部50は、各歩行者エージェントAの認知情報および決定した意思に従い、ステップ内に歩行する方向および歩行量を算出する。このS6のシミュレーション結果は、シミュレーション管理部30に出力されて歩行者エージェント情報格納部70に格納される。
なお、各歩行者エージェントAが認知している認知情報において目標とするエリアが決まっていない場合には、周囲のWaypointをランダムに選択し、選択したWaypointを目指す歩行(方向および歩行量)を算出する。これにより、現実の人の動きである「うろうろする」、「道に迷う」等の目的地と自分の位置との関係性を見失った行動を再現することができる。
次いで、シミュレーション結果出力部60は、歩行者エージェント情報格納部70に格納されたシミュレーション結果をもとに、仮想空間Pおよび仮想空間P内の各歩行者エージェントAを表示装置の画面に描画する(S7)。
図19は、仮想空間P、歩行者エージェントAの描画を説明する説明図である。図19に示すように、シミュレーション結果出力部60は、ステップごとに算出されたシミュレーション結果をもとに、仮想空間P内における各歩行者エージェントAの現在位置および移動した経路を描画する。このとき、シミュレーション結果出力部60は、回遊中、待機中、探索中などの歩行者エージェントAの状態に応じて表示態様(たとえば色)を変えてもよい。また、シミュレーション結果出力部60は、ステップごとに算出されたシミュレーション結果をもとに、各施設P2の状態(集客人数、待機人数)を描画してもよい。これにより、ユーザは、ステップごとの各歩行者エージェントAの動きを容易に認識できる。
たとえば、目標とするエリアが決まっていない状態の歩行者エージェントAについては、「うろうろする」、「道に迷う」などの動きをする回遊中として描画する。また、目的とする施設P2に到着している歩行者エージェントAについては、待機中として描画する。また、目標とするエリアのエリア情報(案内情報)を認知して移動中である歩行者エージェントAについては、探索中として描画する。これにより、ユーザは、各歩行者エージェントAの状態を容易に認識できる。
次いで、シミュレーション管理部30は、予め設定された最終ステップ(シミュレーションを終了する時刻)まで処理が終了したか否かを判定する(S8)。処理が終了していない場合(S8:No)、シミュレーション管理部30は、ステップ数をインクリメントし(S9)、S4へ処理を戻す。
処理が終了した場合(S8:Yes)、シミュレーション結果出力部60は、歩行者エージェント情報格納部70のシミュレーション結果を集計した集計結果を、たとえば表示装置の画面に出力する(S10)。これにより、ユーザは、シミュレーションの集計結果を容易に認識できる。
図20は、シミュレーション結果R1、R2の出力例を説明する説明図である。図20に示すように、シミュレーション結果出力部60は、サインシステム計画(計画A、B、C)ごとにシミュレーション結果R1、R2を集計し、表示装置の画面に出力する。たとえば、サインシステム計画(計画A、B、C)について、エリアごとの混雑状況を棒グラフで示したシミュレーション結果R1を出力してもよい。エリアごとの混雑状況にはたとえば、各施設の利用人数、待ち時間、移動時間、各歩行者エージェントAの利用した施設数などが含まれる。また、サインシステム計画(計画A、B、C)について、各施設の利用人数を棒グラフで示したシミュレーション結果R2を出力してもよい。
(変形例)
上記実施形態では、サインが伝達する視覚的情報(表示態様)に応じた歩行者エージェントの行動(認知)変化をシミュレーションした。しかし、人間の行動に影響する情報は視覚的情報だけではない。そこで、変形例として、聴覚や嗅覚を刺激する情報に応じた歩行者エージェントの行動(認知)変化をシミュレーションする例について説明する。また、人間の行動に影響する情報を提供するソースはサインだけではない。そこで、変形例として、店舗が発する情報に応じた歩行者エージェントの行動(認知)変化のシミュレーションについて説明する。
変形例にかかるシミュレーションプログラム、シミュレーション方法およびシミュレーション装置の基本的構成および機能は上記実施形態と同様であるため(図1、図7参照)、以下に相違点のみを説明する。
変形例にかかるシミュレーション装置1A(図1参照)は、認知情報の変更処理および意思決定処理の内容が、第1の実施形態と異なる。図21は、変形例にかかる認知情報の更新処理および意思決定処理を例示するフローチャートである。
図21の処理は、第1の実施形態の図10の処理に代えてまたは図10の処理と共に実行される。図21の処理を実現するため、変形例では、サインシステム計画12および歩行者情報13を修正する。図22は、変形例にかかるサインシステム計画12Aを説明する説明図である。また、図23は、変形例にかかる歩行者情報13Aを説明する説明図である。
図22に示すように、変形例のサインシステム計画12Aは、サインの情報だけでなく、仮想空間内に配置される店舗等、サイン以外の構造物についての情報を含む。変形例のサインシステム計画12Aは、歩行者エージェントの知覚に変化を生ぜしめる情報を提供するものであれば任意の構造物についての情報を含んでよい。たとえば、変形例のサインシステム計画12Aは、店舗から漂ってくる料理の匂いや、香水等の匂い、音楽等、聴覚や嗅覚を刺激する情報についての情報を含んでよい。変形例のサインシステム計画12Aは、図22の情報に加えて、図3のサインシステム計画12を含んでよい。
図22の例では、「店舗番号」、「位置」、「情報伝達可能範囲」、「認識可能範囲」、「サービス情報」、「知覚情報」が記述される。「店舗番号」は、仮想空間内に配置される店舗を特定する番号である。「位置」は仮想空間内に店舗が配置される位置を示す。「位置」はたとえば、仮想空間内の座標である。「情報伝達可能範囲」および「認識可能範囲」は、図3の情報伝達可能範囲および認識可能範囲と同様である。「サービス情報」は、対応する店舗が提供しているサービスを特定する。「知覚情報」は、対応する店舗が提供する任意の種類の情報である。「知覚情報」はたとえば、歩行者エージェントの嗅覚、味覚、聴覚等を刺激する情報である。
図22の例では、「店舗番号、1」に対応付けて、「位置、(20,80,60)」、「情報伝達可能範囲、距離、10」「情報伝達可能範囲、角度、2/3Π」、「認識可能範囲、距離、30」、「認識可能範囲、角度、2/3Π」が記述される。さらに、「店舗番号、1」に対応付けて、「サービス情報、0:洋食」、「知覚情報、0:洋食の匂い」が記述される。これは、店舗番号「1」で特定される店舗の仮想空間内の位置は座標(20,80,60)で特定されることを示す。また、店舗番号「1」で特定される店舗の情報伝達可能範囲は、半径10メートル圏内であり、角度は2/3Πであることを示す。また、店舗番号「1」で特定される店舗の認識可能範囲は、半径30メートル圏内であり、角度は2/3Πであることを示す。また、店舗番号「1」で特定される店舗が提供するサービスは、数値「0」で表わされる洋食の提供、たとえば洋食レストランであることを示す。また、店舗番号「1」で特定される店舗は、認識可能範囲内に、数値「0」で表わされる「洋食の匂い」という知覚を刺激する情報を伝達することを示す。
また、図23に示すように変形例の歩行者情報13Aは、図5の歩行者情報13に加えて、目的地の情報として、店舗のカテゴリ以外の情報を含む。変形例の歩行者情報は、歩行者エージェントの嗜好や、一時的な欲求などであって、知覚情報に関連する情報を含む。たとえば、図23の例は、「目的地」として「0:ハンバーグが食べたい」、「1:ラーメンが食べたい」を記述する。これは、歩行者エージェントには特定の目的地はないが、ハンバーグを提供する場所一般を目的地とする、ということを意味する。また、歩行者エージェントには特定の目的地はないが、ラーメンを提供する場所一般を目的地とする、ということを意味する。ここで、「ハンバーグが食べたい」に付与する数値と、図3の「施設情報」および「案内意図」のうち、ハンバーグを供する施設に付与する数値とを同一にしておければ、第1の実施形態においても、歩行者情報の「目的地」として歩行者エージェントの嗜好等を記述することができる。なお、図23の例では「目的地」は「歩行者種類」に対応づけているが、「歩行者ID」に対応づけてさらに細かい条件を「目的地」として設定してもよい。
図21に戻り、変形例の認知情報更新処理および意思決定処理の流れについて説明する。図21の処理は、図7のステップS5において実行される。図21の処理以外は、変形例における処理は上記実施形態と同様である。
まず、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントの認識視野内に店舗があるか否かを判定する(ステップS201)。店舗がないと判定した場合(ステップS201:No)、シミュレーション管理部30は、認知情報更新処理および意思決定処理を終了する。他方、店舗があると判定した場合(ステップS201:Yes)、シミュレーション管理部30は、店舗の情報伝達可能範囲H1内(モード1の範囲内)に歩行者エージェントがいるか否かを判定する(ステップS202)。いると判定した場合(ステップS202:Yes)、シミュレーション管理部30は、店舗のサービス内容に関する情報を取得して歩行者エージェントの認知情報を更新する(ステップS203)。たとえば、シミュレーション管理部30は、店舗の「サービス情報」を取得する。そして、シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントの「目的地」と店舗の「サービス情報」との合致度を算出する。シミュレーション管理部30は、合致度が所定値以上であれば目的のサービス内容を得られたものとして、歩行者エージェントを店舗に入店させる(ステップS204)。
店舗の情報伝達可能範囲H1内に歩行者エージェントがいないと判定した場合(ステップS202:No)、シミュレーション管理部30は、店舗の認識可能範囲H2内(モード2の範囲内)に歩行者エージェントがいるか否かを判定する(ステップS205)。歩行者エージェントがいないと判定した場合(ステップS205:No)、シミュレーション管理部30は、処理を終了する。他方、歩行者エージェントがいると判定した場合(ステップS205:Yes)、シミュレーション管理部30は店舗の知覚情報と歩行者エージェントの目的地(嗜好)との合致度(店舗適合度)を算出する(ステップS206)。そして、シミュレーション管理部30は、算出した合致度に基づき歩行者エージェントが店舗に近づくか否かを判定する(ステップS207)。たとえば、シミュレーション管理部30は、合致度が所定値以上であれば歩行者エージェントが店舗に近づくと判定し、所定値未満であれば歩行者エージェントが店舗から遠ざかると判定する。これで変形例における認知情報更新処理および意思決定処理が終了する。
(1)変形例にかかるモード1における処理
図24Aおよび図24Bは、変形例にかかるモード1における歩行者エージェントの行動を説明する説明図である。図25は、変形例にかかるモード1における歩行者エージェントの認知情報の更新を説明する説明図である。
歩行者エージェントAT1,AT2の歩行者情報13Aおよび店舗T1のサインシステム計画12Aは、図22および図23に示す情報に対応するものとする。図24Aの例において、歩行者エージェントAT1は、ランダムウォークした後、店舗T1の情報伝達可能範囲H1に入る。店舗T1は歩行者エージェントAT1の認識視野内に位置する。シミュレーション管理部30は、モード1の処理を開始する。シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントAT1の目的地と、店舗T1のサービス情報との合致度を算出する。目的地「0:ハンバーグが食べたい」と「知覚情報、0:洋食の匂い」は同一数値であるため、シミュレーション管理部30は合致度1を算出する。ここでは、所定値を0.5とする。合致度1は0.5以上であるため、シミュレーション管理部30は、店舗T1を歩行者エージェントAT1の移動方向に設定する。この結果、歩行者行動実行部50は、歩行者エージェントAT1を店舗T1に入店させるよう行動させる。
図24Bの例において、歩行者エージェントAT2は、図24Aの歩行者エージェントAT1と同様に、店舗T1の情報伝達可能範囲H1に入る。店舗T1は歩行者エージェントAT2の認識視野内に位置する。シミュレーション管理部30は、モード1の処理を開始する。シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントAT2の目的地と、店舗T1のサービス情報との合致度を算出する。目的地「1:ラーメンが食べたい」と「知覚情報、0:洋食の匂い」は異なる数値であるため、シミュレーション管理部30は合致度0を算出する。合致度0は所定値0.5未満であるため、シミュレーション管理部30は、店舗T1を歩行者エージェントAT1の移動方向に設定せず、ランダムウォークを続けさせる。
なお、ここでは、合致度は、サービス情報の数値と目的地の数値が一致する場合「1」、不一致の場合「0」とした。また、合致度が0.5以上の場合、店舗に歩行者エージェントを入店させ、合致度が0.5未満の場合、入店させないものとした。しかし、具体的な数値や合致度の算出方法はこれに限定されない。
図25は、図24Aおよび図24Bの歩行者エージェントAT1の行動に対応する認知情報である。まず、歩行者エージェントAT1は、最初は目的地の位置を認知していないためランダムウォークする。ステップ番号「STEP0001」時点の認知情報は、「目的地、0:ハンバーグが食べたい」、「視認距離、10」、「視野角、2Π」等、歩行者エージェントAT1の歩行者情報から取得される情報である。また目的地の情報を認知していないため、移動方向は「RW」(ランダムウォーク)である。
店舗T1の情報伝達可能範囲H1に入ると(すなわち位置情報から情報伝達可能範囲H1内と判定されると)、「店舗番号、T1」、「サービス情報、0:洋食」、「知覚情報、0:洋食の匂い」等の店舗に関する情報が認知情報に記述される。そして、シミュレーション管理部30は、店舗のサービス情報と歩行者エージェントAT1の目的地との合致度を算出する(図25の(1))。合致度の算出は、上記実施形態と同様でよい。そして、合致度「1」がステップ「STEP0020」に対応づけて記述される。合致度「1」は所定値0.5以上であるため、店舗T1が移動方向に設定される。歩行者エージェントAT1は店舗T1に向けて移動する。たとえば、歩行者エージェントA1は店舗T1に入店する。
他方、ステップ「STEP0020」において歩行者エージェントAT1が情報伝達可能範囲H1に入った店舗が中華料理屋である店舗T2であった場合、認知情報は図25の(2)のようになる。この場合、合致度は0であり0.5未満であるため、シミュレーション管理部30は、店舗T2を移動方向には設定せずRWのままとする。
(2)変形例にかかるモード2における処理
図26Aおよび図26Bは、変形例にかかるモード2における歩行者エージェントの行動を説明する説明図である。図27は、変形例にかかるモード2における歩行者エージェントの認知情報の更新を説明する説明図である。
歩行者エージェントAT1,AT2および店舗T1は、図22および図23に示す情報に対応するものとする。図26Aの例において、歩行者エージェントAT1は、ランダムウォークした後、店舗T1の認識可能範囲H2に入る。店舗T1は歩行者エージェントAT1の認識視野内に位置する。シミュレーション管理部30は、モード2の処理を開始する。シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントAT1の目的地と、店舗T1の知覚情報との合致度を算出する。目的地「0:ハンバーグが食べたい」と「知覚情報、0:洋食の匂い」は同一数値であるため、シミュレーション管理部30は合致度1を算出する。そして、シミュレーション管理部30は、店舗T1を歩行者エージェントAT1の移動方向に設定する。この結果、歩行者行動実行部50は、歩行者エージェントAT1を店舗T1の方向に移動するよう行動させる。
図26Bの例においては、歩行者エージェントAT2は、ランダムウォークした後、店舗T1の認識可能範囲H2に入る。店舗T1は歩行者エージェントAT2の認識視野内に位置する。シミュレーション管理部30は、モード2の処理を開始する。シミュレーション管理部30は、歩行者エージェントAT2の目的地と、店舗T1の知覚情報との合致度を算出する。目的地「1:ラーメンが食べたい」と「知覚情報、0:洋食の匂い」は異なる数値であるため、シミュレーション管理部30は合致度0を算出する。そして、シミュレーション管理部30は、店舗T1を歩行者エージェントAT2の移動方向に設定せず、移動方向を店舗T1とは反対の方向に設定する。この結果、歩行者行動実行部50は、歩行者エージェントAT2を店舗T1から遠ざかる方向に移動するよう行動させる。
図27は、図26Aの歩行者エージェントAT1の行動に対応する認知情報である。まず、歩行者エージェントAT1は、最初は目的地の位置を認知していないためランダムウォークする。ステップ番号「STEP0001」時点の認知情報は、「目的地、0:ハンバーグ食べたい」、「視認距離、10」、「視野角、2Π」等、歩行者エージェントAT1の歩行者情報から取得される情報である。また目的地の情報を認知していないため、移動方向は「RW」(ランダムウォーク)である。
店舗T1の情報伝達可能範囲H1に入ると、「店舗番号、T1」、「サービス情報、0:洋食」、「知覚情報、0:洋食の匂い」等の店舗に関する情報が認知情報に記述される。そして、シミュレーション管理部30は、店舗の知覚情報と歩行者エージェントの目的地との合致度を算出する(図27の(1))。そして、合致度「1」がステップ「STEP0020」に対応づけて記述される。合致度「1」は所定値0.5以上であるため、店舗T1が移動方向に設定される。歩行者エージェントAT1は店舗T1に向けて移動する。
他方、ステップ「STEP0020」において歩行者エージェントAT1が情報伝達可能範囲H1に入った店舗が中華料理屋である店舗T2であったとする。この場合、認知情報は図27の(2)のようになる。この場合、合致度は0であり0.5以下であるため、シミュレーション管理部30は、店舗T2を移動方向には設定せずT2と反対方向を移動方向とする。
なお、変形例ではモード1およびモード2のいずれにおいても、合致度に応じて歩行者エージェントの移動方向を変化させるように構成した。しかし、これに限定されず、変形例1においても、モード2の場合は歩行者エージェントの認知態様たとえば視野角を変化させるように構成してもよい。また合致度の算出手法についても上記実施形態と同様にしてもよい。
(実施形態の効果)
上記のように、実施形態に係るシミュレーション装置は、複数の案内表示が設定される仮想空間に、それぞれが認知情報を有し当該仮想空間内を当該認知情報に基づき行動するエージェントを配置する。シミュレーション装置はまた、複数の案内表示それぞれについて、第1の範囲と第1の範囲と異なる第2の範囲とを設定する。シミュレーション装置は、エージェントが案内表示の第1の範囲内に入り、かつ、第1の範囲に対応した第1の案内情報がエージェントの目的地と関連する場合、目的地までの認知情報を変化させる。また、シミュレーション装置は、エージェントが第2の範囲内に入り、かつ、第2の範囲に対応した第2の案内情報がエージェントの目的地と関連する場合、エージェントに対して目的地に直接関連しない認知情報を変化させる。このため、実施形態に係るシミュレーション装置は、案内情報から歩行者エージェントが取得する情報のレベルに応じて、歩行者エージェントの行動をシミュレーションすることができる。また、実施形態に係るシミュレーション装置は、案内情報がエージェントの目的地と関連する場合に、認知情報を変化させる。また、シミュレーション装置は、エージェントが案内表示の第1の範囲内に入ったか、第2の範囲に入ったかを区別して、認知情報を変化させる。このため、シミュレーション装置は、より現実に即したシミュレーションを実現することができる。さらに、実施形態に係るシミュレーション装置は、設定条件によるシミュレーション結果の変動幅が大きくなることを防止することができる。
また、実施形態に係るシミュレーション装置は、複数の案内表示それぞれについて、エージェントが第1の範囲と異なり第1の範囲よりも広い第2の範囲内に入り、かつ、第2の範囲に対応した第2の案内情報がエージェントの目的地と関連する場合、エージェントに対して目的地に直接関連しない認知情報を変化させる。このため、シミュレーション装置は、認知情報の変化態様と、案内表示について設定される複数の範囲と、を対応付けて、現実に即した態様で認知情報を変化させることができる。このため、シミュレーション装置は、精度の変動が少ない人流シミュレーションを実現することができる。
また、実施形態に係るシミュレーション装置は、歩行者エージェントが第2の範囲に入ったとき、歩行者エージェントの知覚範囲を変化させることで、歩行者エージェントの認知情報を更新する。このため、シミュレーション装置は、歩行者エージェントの注意が所定の案内情報に集中している状態をシミュレーション上に表現することができる。したがって、シミュレーション装置は、現実の人間の行動により即したシミュレーションを実現することができる。また、シミュレーション装置は、設定条件によるシミュレーション結果の不自然な変動を抑制することができる。
また、実施形態に係るシミュレーション装置は、歩行者エージェントが第2の範囲に入ったとき、歩行者エージェントの視野角を変化させることで、歩行者エージェントの認知情報を更新する。このため、シミュレーション装置は、歩行者エージェントの注意が所定の案内情報に集中している状態を視野角を狭くすることで表現し、シミュレーションに反映することができる。したがって、シミュレーション装置は、現実の人間の行動により即したシミュレーションを実現することができる。また、シミュレーション装置は、設定条件によるシミュレーション結果の不自然な変動を抑制することができる。
また、実施形態に係るシミュレーション装置は、歩行者エージェントが第2の範囲に入ったとき、歩行者エージェントの移動方向を、第2の案内情報と合致しない方向に更新することで、歩行者エージェントの認知情報を更新する。このため、シミュレーション装置は、人が明確には認識できなくても判断材料とする情報の影響をシミュレーションに反映することができる。また、シミュレーション装置は、設定条件によるシミュレーション結果の不自然な変動を抑制することができる。
また、実施形態に係るシミュレーション装置は、歩行者エージェントが第2の範囲に入ったとき、歩行者エージェントの視覚、聴覚および嗅覚の少なくとも一つを刺激する、第2の案内情報の特徴に応じて、歩行者エージェントの認知情報を更新する。たとえば、シミュレーション装置は、店舗から漂ってくる料理の匂いや、香水等の匂い、音楽等、聴覚や嗅覚を刺激する情報に応じて歩行者エージェントの行動を変化させる。このため、シミュレーション装置は、視覚情報だけでなく、人間の行動に影響する様々な情報を考慮してシミュレーションを実行することができる。このため、シミュレーション装置は、人が明確には認識できなくても判断材料とする情報の影響をシミュレーションに反映することができる。また、シミュレーション装置は、設定条件によるシミュレーション結果の不自然な変動を抑制することができる。
また、実施形態に係るシミュレーション装置は、歩行者エージェントが第2の範囲に入ったとき、第2の案内情報の表示態様に応じて、歩行者エージェントの認知情報を更新する。このため、シミュレーション装置は、歩行者エージェントの認知情報に影響する条件を適切に評価してシミュレーションに反映することができる。
また、実施形態に係るシミュレーション装置は、第1および第2の案内情報と歩行者エージェントの認知情報との合致度に応じて、歩行者エージェントの認知情報を更新する。このため、シミュレーション装置は、歩行者エージェントの歩行者情報(認知情報)を適切に設定することで、現実に即したシミュレーション結果を提供することができる。
また、実施形態に係るシミュレーション装置は、歩行者エージェントの目的地、サインの施設情報、案内意図等を数値として表現する。このため、シミュレーション装置は、歩行者エージェントの目的と、サインや店舗との合致度を容易に算出してシミュレーションを実現することができる。また、シミュレーション装置は、合致度算出のための数値を一度設定すれば、様々な設定の仮想空間についてシミュレーションを容易に実行することができる。
図28A乃至図28Dおよび図29A乃至図29Dは、実施形態に係るシミュレーション装置の利点について説明するための図である。
図28A乃至図28Dは、上記実施形態によらずにシミュレーションを実行した場合を示す。図28Aは、サインから所定距離内に入った場合に歩行者エージェントがサインの表示内容を認知する、という前提に基づきシミュレーションした場合の歩行者エージェントの動きを表示している。先述したように、歩行者エージェントはサインの近くまで来ているにもかかわらず、サインを認知せずに方向転換している。このシミュレーションを行った場合、オペレータは、シミュレーション結果を検討して、サインの配置を修正することになる。たとえば、オペレータは、図28Aの例では、歩行者エージェントがいずれもサインに到達できず、そのため目的地を認知できないことに着目する。そして、図28Bに示すように、歩行者エージェントが確実にサインを認知できるよう、サインの数を増やす。そして、オペレータは再度、新しい配置にもとづきシミュレーション装置にシミュレーションを実行させる。すると、歩行者エージェントはサインから所定距離内に入って情報を認知する、というシミュレーション結果が得られる(図28C)。このシミュレーション結果を得て、オペレータは再度サイン配置をチェックし、さらに実際の現場で評価を行う(図28D)。その結果、オペレータは、シミュレーション上では必要と見えた図上中央のサインは実際には、左右のサインが提供する情報以上の情報を提供しておらず不要であることを発見する。また、オペレータは、左壁面下側のサインに近づく人は、すぐに図上左端のサインに気づくため、左壁面下側のサインは実質的には不要であることを発見する。そして、オペレータは不要と判断したサインをあらためて削除する。
このように、実施形態によらずシミュレーションを行った場合、オペレータは、シミュレーションの実行、シミュレーションに基づく配置の評価と再配置、再配置後の条件に基づくシミュレーションの実行、という手順を経ることになる。さらに、再配置後の条件に基づくシミュレーションの後、オペレータは、シミュレーション結果を検証して再度配置調整を行っている。このように図28A乃至図28Dの例の場合、シミュレーションを通じて最適なサイン配置に到達するまでに手間や時間がかかる。
この点、図28Aの配置と同じ配置を用いて実施形態にかかるシミュレーションを実行した場合を図29Aに示す。図29Aの場合、歩行者エージェントは距離が離れた場所からでもサインの存在を認知してサインを確認にいく。このため、全ての歩行者エージェントが目につきやすいサインを確認して移動するシミュレーション結果が得られる。オペレータはシミュレーション結果を得て、サインの配置を再検討する。その結果、オペレータは上部中央のサインはいずれの歩行者エージェントによっても目的地の認知に利用されていないことに着目して、このサインを削除する(図29B)。そして、オペレータは、サインを一つ減らした配置でシミュレーションを再度実行する(図29C)。そして、オペレータはシミュレーションした配置を現場において最終的に評価を行う(図29D)。この結果、図28Dの例では右壁面下側に配置されたサインが削減される。また、最終的に人が判断を行う前に、サインの数を抑制できる。このため、サインの無駄な配置をなくすとともに、シミュレーションを通じて最適なサイン配置に到達するまでの手間や時間を抑制することができる。このように、実施形態のシミュレーションによれば、シミュレーション自体の計算コストを軽減するとともに、最適配置に到達するまでの人手や時間的コストを大幅に低減することができる。また、実施形態のシミュレーションによれば、歩行者エージェントの非現実的な動きが排除され、シミュレーション結果の変動が抑制される。
(その他の変形例)
なお、上記実施形態では、サインの表示態様のバリエーションとしてマップ型とアロー型の二つの表示態様を例として説明した。しかし、これに限らず、サインの大きさ、サインに表示される図形や文字の色、形状、大小等、多様な表示態様に基づき歩行者エージェントの行動変化を設定することができる。たとえば、所定の商品が大きく表示されたサインや、所定の食材が大きく表示されたサインなどは、遠方からでも視認が容易である。また、サインの色に応じて注意をひかれる歩行者エージェントの歩行者種類を区別する等の細やかな設定も可能である。
また、上記実施形態では、案内情報としてサインと店舗が提供する情報を例として説明したが、サインと店舗以外にも人の行動に影響する情報を発している物体をシミュレーションにおいて同様に評価することが可能である。たとえば、バックグラウンドミュージックを流しているスピーカや、料理等を販売する屋台、照明態様が変化する照明機器等が、人の行動に影響する情報を発している物体として考えられる。
(シミュレーションプログラム)
シミュレーション装置1で行われる各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよい。また、各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行されるプログラム上、またはワイヤードロジックによるハードウエア上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよいことは言うまでもない。また、機能ブロックの一部を別のコンピュータで実現してもよい。
ところで、上記の実施形態で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータ(ハードウエア)の一例を説明する。図30は、実施形態にかかるシミュレーション装置1のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図30に示すように、シミュレーション装置1は、各種演算処理を実行するCPU101と、データ入力を受け付ける入力装置102と、モニタ103と、スピーカ104とを有する。また、シミュレーション装置1は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置105と、各種装置と接続するためのインタフェース装置106と、有線または無線により外部機器と通信接続するための通信装置107とを有する。また、シミュレーション装置1は、各種情報を一時記憶するRAM108と、ハードディスク装置109とを有する。また、シミュレーション装置1内の各部(101〜109)は、バス110に接続される。
ハードディスク装置109には、上記の実施形態で説明した各種の処理を実行するためのプログラム111が記憶される。また、ハードディスク装置109には、プログラム111が参照する各種データ112が記憶される。入力装置102は、たとえば、シミュレーション装置1の操作者から操作情報の入力を受け付ける。モニタ103は、たとえば、操作者が操作する各種画面を表示する。インタフェース装置106は、たとえば印刷装置等が接続される。通信装置107は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークと接続され、通信ネットワークを介した外部機器との間で各種情報をやりとりする。
CPU101は、ハードディスク装置109に記憶されたプログラム111を読み出して、RAM108に展開して実行することで、各種の処理を行う。なお、プログラム111は、ハードディスク装置109に記憶されていなくてもよい。たとえば、シミュレーション装置1が読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラム111を、シミュレーション装置1が読み出して実行するようにしてもよい。シミュレーション装置1が読み取り可能な記憶媒体は、たとえば、CD−ROMやDVDディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN等に接続された装置にこのプログラムを記憶させておき、シミュレーション装置1がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
1 シミュレーション装置
10 入力部
11 空間情報
12 サインシステム計画
13 歩行者情報
20 入力情報格納部
30 シミュレーション管理部
40 サインシステム変更部
50 歩行者行動実行部
60 シミュレーション結果出力部
70 歩行者エージェント情報格納部
101 CPU
111 プログラム
112 各種データ
A、A1〜A3 歩行者エージェント
H1 情報伝達可能範囲
H2 認識可能範囲
P 仮想空間
P1 出現ポイント
P2 施設
P3 サイン

Claims (10)

  1. コンピュータに、
    複数の案内表示が設定される仮想空間に、それぞれが認知情報を有し当該仮想空間内を当該認知情報に基づき行動するエージェントを配置し、
    前記複数の案内表示それぞれについて、前記エージェントが前記案内表示の第1の範囲内に入り、かつ、前記第1の範囲に対応した第1の案内情報が前記エージェントの目的地と関連する場合、前記エージェントの前記認知情報を変化させて前記エージェントが前記第1の案内情報に示される情報に対応する方向または位置に移動するように制御し
    前記複数の案内表示それぞれについて、前記エージェントが前記第1の範囲と異なり前記第1の案内情報に対応する第2の範囲内に入り、かつ、前記第1の案内情報が前記エージェントの目的地と関連する場合、前記エージェントに対して前記エージェントが前記第1の案内情報に近づく移動をするように前記認知情報を変化させる
    処理を実行させることを特徴とするシミュレーションプログラム。
  2. 前記複数の案内表示それぞれについて、前記エージェントが前記第1の範囲と異なり前記第1の範囲よりも広い前記第2の範囲内に入り、かつ、前記第2の範囲に対応した第2の案内情報が前記エージェントの目的地と関連する場合、前記エージェントに対して前記エージェントが前記第1の案内情報に近づく移動をするように前記認知情報を変化させることを特徴とする請求項1に記載のシミュレーションプログラム。
  3. 前記エージェントが前記第2の範囲に入ったとき、前記エージェントの知覚範囲を変化させることで、前記エージェントの認知情報を更新することを特徴とする請求項1に記載のシミュレーションプログラム。
  4. 前記エージェントが前記第2の範囲に入ったとき、前記エージェントの視野角を変化させることで、前記エージェントの認知情報を更新することを特徴とする請求項3に記載のシミュレーションプログラム。
  5. 前記エージェントが前記第2の範囲に入ったとき、前記エージェントの移動方向を、前記第の案内情報と合致しない方向に更新することで、前記エージェントの認知情報を更新することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシミュレーションプログラム。
  6. 前記エージェントが前記第2の範囲に入ったとき、前記エージェントの視覚、聴覚および嗅覚の少なくとも一つを刺激する、前記第の案内情報の特徴に応じて、前記エージェントの認知情報を更新することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシミュレーションプログラム。
  7. 前記エージェントが前記第2の範囲に入ったとき、前記第の案内情報の表示態様に応じて、前記エージェントの認知情報を更新することを特徴とする請求項6に記載のシミュレーションプログラム。
  8. 前記第1の案内情報と前記エージェントの認知情報との合致度に応じて、前記エージェントの認知情報を更新することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のシミュレーションプログラム。
  9. コンピュータが、
    複数の案内表示が設定される仮想空間に、それぞれが認知情報を有し当該仮想空間内を当該認知情報に基づき行動するエージェントを配置し、
    前記複数の案内表示それぞれについて、前記エージェントが前記案内表示の第1の範囲内に入り、かつ、前記第1の範囲に対応した第1の案内情報が前記エージェントの目的地と関連する場合、前記エージェントの前記認知情報を変化させて前記エージェントが前記第1の案内情報に示される情報に対応する方向または位置に移動するように制御し
    前記複数の案内表示それぞれについて、前記エージェントが前記第1の範囲と異なり前記第1の案内情報に対応する第2の範囲内に入り、かつ、前記第1の案内情報が前記エージェントの目的地と関連する場合、前記エージェントに対して前記エージェントが前記第1の案内情報に近づく移動をするように前記認知情報を変化させる
    処理を実行することを特徴とするシミュレーション方法。
  10. 複数の案内表示が設定される仮想空間に、それぞれが認知情報を有し当該仮想空間内を当該認知情報に基づき行動するエージェントを配置し、
    前記複数の案内表示それぞれについて、前記エージェントが前記案内表示の第1の範囲内に入り、かつ、前記第1の範囲に対応した第1の案内情報が前記エージェントの目的地と関連する場合、前記エージェントの前記認知情報を変化させて前記エージェントが前記第1の案内情報に示される情報に対応する方向または位置に移動するように制御し
    前記複数の案内表示それぞれについて、前記エージェントが前記第1の範囲と異なり前記第1の案内情報に対応する第2の範囲内に入り、かつ、前記第1の案内情報が前記エージェントの目的地と関連する場合、前記エージェントに対して前記エージェントが前記第1の案内情報に近づく移動をするように前記認知情報を変化させる
    処理を実行する処理部を有することを特徴とするシミュレーション装置。
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