JP6433981B2 - 体液に対する溶解性に優れたミネラルウール繊維製造用組成物及びそれにより製造されたミネラルウール繊維 - Google Patents

体液に対する溶解性に優れたミネラルウール繊維製造用組成物及びそれにより製造されたミネラルウール繊維 Download PDF

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Description

本発明は、体液に対する溶解性に優れたミネラルウール繊維製造用組成物及びそれにより製造されたミネラルウール繊維に関する。さらに詳しくは、SiO 29〜42wt%、Al 17〜23wt%、FeO 3.6〜7.2wt%、Fe 0.1〜4.8wt%、CaO 18〜28wt%、MgO 7〜13wt%及びNaO+KO 1〜5wt%を含み、体液(ヒトの体液)に対する溶解性に優れるだけでなく、高い耐熱性と耐水性、低い熱伝導率などを示し、無機繊維断熱材として特に適宜使用できるミネラルウール繊維製造用組成物及びそれにより製造されたミネラルウール繊維に関するものである。
ミネラルウール(‘岩綿’ともいう)は、用途に応じて、大きく、通常、ストーンウール又はロックウールと称される一般的なミネラルウールと、ベールウールと称される天井板用ミネラルウールとの2種類に分けられる。一般に、ミネラルウールは、フェノール樹脂のような有機バインダーを用い、マット(Mat)、ボード(Board)、パイプカバー(Pipe Cover)などの様々な形状に加工生産され、天井板用ミネラルウールは、湿式成形を通して天井板の主材料として使われる。
ミネラルウールが有する通常的な特徴としては、高い耐熱性と耐水性、低い熱伝導率などがある。耐熱性の場合、火災のような高温の状況でミネラルウールが断熱材としての役割をどれほど維持するかを示す。耐水性の場合、ミネラルウール繊維がオープンセル形状を有することから、雨、雪などの外部水分がミネラルウールの内部に浸透するか、或いは温度差によりミネラルウール内部に結露現象が生じて、熱伝導率を落とすことがあるため、このような水分をどれほど效果的に遮断するかの特性を示す。そして、熱伝導率の場合、断熱材が有する最も基本的な性質であり、断熱材に接したとき、どれほど熱をよく遮断するかを示す。この3つの点は、無機繊維断熱材の共通的な要求物性である。
ミネラルウールは、通常、ケイ酸塩系鉱石に高温の熱を加えて溶融した後、これを遠心回転するディスク形状のスピナー表面に落とし、その遠心力を利用して繊維を引っ張り、同時に後面から高圧のエアーを噴射し、繊維を細繊維化させる方式で製造される。
前記方式で生産されたミネラルウールの場合、他の有機断熱材に比べて、耐熱性が非常に優れて、火災のような非常状況で顕著な安全性を示すという長所がある。しかし、繊維状の塵埃が飛散し、呼吸器を介して体内に吸入された場合、人体に影響を及ぼす虞があり、体内に入ったミネラルウール繊維を、どのようにすれば効率的に排出させるのかに対する多くの研究が鋭意行われてきた。即ち、特定組成の設計を通して、肺内部で繊維がヒトの体液に接したとき、容易に分解され、体液に溶解できるようにすれば、ミネラルウール繊維の有害可能性を最小化することができる。
このような生分解性は、呼吸器などを介して無機繊維が人体内部に侵入したとき、これをどの程度効率的に分解し、体外に排出可能な状態に作るかに関係する。そのメカニズムは、pHに応じて異なるように進められる。呼吸器を介して肺に吸引された無機繊維は、基本的に中性(pH7.4)の体液に露出される。このような中性の体液に接触する場合、反応速度は遅いが、SiOをはじめとする網目形成剤(Network Former)の溶解反応が継続して行われ、繊維表面にOH基の形成により無機繊維の表面に水の吸着がさらに容易になる。一方、肺胞内部で外部の異質物を処理する役割をする大食細胞内部の体液は、弱酸性(pH4.5)であり、この場合には、イオン交換が先に発生し、水溶液上にアルカリイオンが豊富な状態になり、肺胞のように流速の速い状態では、持続的にpHが維持されるため、この過程での繊維重量減少は、イオンの拡散(Diffusion)により支配される傾向がある。生分解性を評価するためには、このような過程を模式した生体外試験が用いられるのが好ましく、ここでは、持続的に体液が供給される状況を最大限類似に再現するために、流入法(Flow-through Method)が用いられる。
しかし、このような体液に対する生分解性を有するようになれば、耐水性が低下される虞があり、一般的な環境で接するようになる水分にも弱くなる可能性があるため、適切な耐水性と体液に対する生分解性を同時に有する組成を見出すのが核心である。また、ミネラルウール繊維として有するべき基本的な物性である高い耐熱性及び断熱性は、必須的に有しなければならない要素である。
このような生分解性を保持した無機繊維については、多くの研究が行われてきた。特許文献1には、SiO含量を相対的に高め、Alの含量を低くし、無機繊維の生分解性を向上させた組成物が開示されている。ここでは、特に中間酸化物として作用するAlの含量を低減し、修飾酸化物の割合を相対的に増加させる方式で生分解性を高めた。しかし、このような方式は、原料構成上、一定量以上のAlを必須的に含有しなければならないミネラルウールの場合には、現実的に適用が困難であるという問題がある。
韓国公開特許公報第2011−0097010号
本発明は、前記した従来技術等の問題点を解決するためのものであり、体液に対する溶解性に優れるだけでなく、高い耐熱性と耐水性、低い熱伝導率などを示し、無機繊維断熱材として特に適宜使用することができ、原料構成上、一定量以上のAlを必須的に含有しなければならない場合にも適したミネラルウール繊維製造用組成物及びそれにより製造されたミネラルウール繊維を提供することを技術的課題とする。
前記技術的課題を達成するために、本発明は、SiO 29〜42wt%、Al 17〜23wt%、FeO 3.6〜7.2wt%、Fe 0.1〜4.8wt%、CaO 18〜28wt%、MgO 7〜13wt%及びNaO+KO 1〜5wt%を含むミネラルウール繊維製造用組成物を提供する。
本発明の好ましい一側面によれば、前記ミネラルウール繊維製造用組成物内の鉄分の酸化還元値[FeO wt%/(FeO wt%+Fe wt%)]が0.6以上である。
本発明の他の側面によれば、本発明のミネラルウール繊維製造用組成物から製造されることを特徴とする、体液に対して生分解性であるミネラルウール繊維が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明のミネラルウール繊維を含むことを特徴とする断熱材製品が提供される。
本発明によれば、体液に対する溶解性に優れるだけでなく、高い耐熱性と耐水性、低い熱伝導率などを示し、無機繊維断熱材として特に適宜使用でき、原料構成上、一定量以上のAlを必須的に含有しなければならない場合にも、適したミネラルウール繊維を従来の繊維化装置(Fiberizer)を使用して生産することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、SiOは、網目形成酸化物(Network Former oxide)であり、ガラスの基本的な骨格を形成する役割を果たす。本発明のミネラルウール繊維製造用組成物には、SiOが29〜42wt%(重量%)含まれ、より好ましくは、30〜38wt%含まれる。組成物内のSiO含量が29wt%未満のとき、組成物から製造されたミネラルウール繊維の物性が低下され、42wt%を超えると、組成物粘度が高くなり、繊維が粗くなり、繊維径が大きくなる問題がある。
本発明において、Alは中間酸化物(Intermediate oxide)であり、その含量は、組成物の生分解性に影響を及ぼす。Al3+の配位数によって一部がSiOの役割を代替することもでき、修飾酸化物(Modifier oxide)の役割をすることもできる。これは、その他の修飾酸化物の含量により変わる。本発明のミネラルウール繊維製造用組成物には、Alが17〜23wt%含まれ、より好ましくは、17〜21wt%含まれる。組成物内のAl含量が17wt%未満であるか、23wt%を超えると、生分解性が低下される虞がある。
本発明の一具体例によれば、主原料として、Al含量が約30%の灰長岩(Anorthite)を、全投入された原料配合の35%以上用いて、組成物内Al含量を前記のような水準に具現することができる。
本発明において、鉄分(FeO及びFe)は、ミネラルウール繊維の耐熱性の向上のために使われる。本発明のミネラルウール繊維製造用組成物には、FeOが3.6〜7.2wt%、Feが0.1〜4.8wt%含まれ、より好ましくは、FeOが4.5〜7.2wt%、Feが0.1〜4.2wt%含まれる。組成物内のFeO及びFeそれぞれの含量が前記した水準の未満のときは高温で繊維収縮率が上昇するか、熱的安定性が低下する問題点があり、これを超えると繊維製造設備に過負荷を与え、耐久性が劣る問題が発生する。
組成物内鉄分の酸化還元値[FeO wt%/(FeO wt%+Fe wt%)]は、総鉄分含量中のFeO含量の割合を示す。従って、酸化還元値が高くなれば、FeOの含量が相対的に高まるようになり、これは繊維内の全体鉄分中のFe2+の割合がFe3+に比して高くなることを意味する。大気中で製繊された繊維が高温に露出される場合に、FeOがFeに酸化(即ち、Fe2+がFe3+に酸化)しながら、繊維表面と内部の結晶化挙動が生じるようになる。この過程で、繊維表面にナノスケールの薄いペリクレース(MgO結晶)結晶相が生じ、これに伴い、物理/化学的耐久性が上昇し、繊維の耐熱性を向上される。このような現象は、特に鉄分含量が高いミネラルウール組成物でさらに明確に現れる(P.M. Sorensen et al., Effect of the redox state and concentration of iron on the crystallization behavior of iron-rich aluminosilicate glasses, Journal of Non-Crystalline Solids 351, (2005), pp. 1246-1253)。
従って、組成物内鉄分の酸化還元値を適宜高い水準にすれば、繊維の耐熱性をさらに向上させる側面から特に好ましい。特に、火災状況のように瞬間的に高温に露出されるミネラルウール製品には、このような熱的安定性が必須となる。本発明の好ましい一具体例において、組成物内の鉄分の酸化還元値は0.6以上(例えば、0.6以上1未満)である。
高い水準の鉄分酸化還元値は、黒鉛電極棒(Graphite Electrode)を使用する電気抵抗方式の電気炉を使用し、原料を溶融することによって得られる。この方式の場合、黒鉛の持続的な酸化により炉内還元雰囲気が形成され、その結果、鉄分の酸化還元を上昇させることができる。
また、従来のミネラルウールは、主に溶銑炉で溶融されており、これは、化石燃料であるコークス(Cokes)を燃料として使用する方式であり、溶融時、COのような温室ガスを多く発生させる短所がある。電気抵抗方式の電気炉を使用して溶融させる場合、このような温室ガス排出を大幅低減することができ、炉内温度制御が容易になり、溶融物の均質度も向上させて、繊維品質を安定化することができるなど様々な長所を有する。
本発明において、アルカリ土類金属酸化物であるCaO及びMgOは修飾酸化物であり、融剤の役割をし、さらに化学的耐久性を上昇させる。本発明のミネラルウール繊維製造用組成物には、CaOが18〜28wt%、MgOが7〜13wt%含まれ、より好ましくは、CaOが20〜25wt%、MgOが8〜13wt%含まれる。組成物内のCaO及びMgOそれぞれの含量が前記した水準の未満のとき溶融温度が上昇し、溶融に必要な熱量消耗が大きくなる問題があり、これを超えると結晶化温度と繊維化温度の差が低減して、繊維化時の結晶発生可能性が増加し、これはまもなくShot含量増加など繊維品質の悪化を引き起こす。
本発明において、アルカリ金属酸化物であるNaO及びKOはさらに別の修飾酸化物であり、ガラスの非架橋酸素を生成させ、溶融時溶融が円滑に行われるようにし、繊維の生分解性を向上させる役割をする。本発明のミネラルウール繊維製造用組成物には、NaO+KOの合計量で1〜5wt%が含まれ、より好ましくは、NaO+KOが1.5〜4.0wt%含まれる。NaO及びKOそれぞれの含量は、前記した合計量の範囲を満たす範囲内で自由に選択されてもよい。即ち、NaO及びKOそれぞれの含量は、0〜5wt%範囲内であり、その合計量は1〜5wt%である。
組成物内のNaO+KO合計量が1wt%未満のとき溶融が難しくなり、溶融エネルギーが多く消耗されるだけでなく、溶融粘度が高くなり、繊維柔軟性が劣り、細繊維化粒子の発生可能性が高くなる。5wt%を超えると耐水性を悪化し、また、高温安定性が低下される虞がある。
一方、本発明に係るミネラルウール繊維製造用組成物には、用いられる原料によってTiO、SO、Pのような成分が不純物として含まれ得るが、その量を全体組成物中に1wt%以下の水準に維持すれば、それにより繊維の熱的特性や物性に影響を及ぼさない。
本発明に係るミネラルウール繊維製造用組成物を製造する方法には、特に制限がなく、前記した成分を前記含量範囲で用いて、通常のミネラルウール繊維用組成物を製造する方法により製造可能である。例えば、電気溶融工法のような方法で製造されていてもよいが、これに限定されるものではない。好ましくは、黒鉛電極棒(Graphite Electrode)を使用する電気抵抗方式の電気炉を用いて、原料を溶融していてもよい。
本発明のミネラルウール繊維製造用組成物を繊維化する方法には、特に制限がなく、従来の繊維化方法、例えば、ブロー法又はスピニング法を適用することができる。このような繊維化方法の適用の際に、繊維製造用組成物に求められる粘度範囲は20〜100ポアズが好ましい。溶融物の粘度は、温度と当該組成の関数であり、同じ組成を有する溶融物の粘度は温度に依存するようになる。繊維化時、溶融液の温度が高いとき、粘度が低くなり、逆に、繊維化温度が低いとき、粘度が高くなり、繊維化に影響を与える。もし、繊維化温度で繊維組成物の粘度が低すぎる場合、生成された繊維の長さが短くて細いだけでなく、微細なショット(Shot)と呼ばれる未繊維化粒子が多く生成され、繊維化収率が低くなり、また、粘度が高すぎる場合にも繊維の直径が大きな繊維が形成され、太いショットが増加する問題が生ずる。
従って、本発明の他の側面によれば、前述したような本発明のミネラルウール繊維製造用組成物から製造されることを特徴とする、体液に対して生分解性リンミネラルウール繊維が提供される。
本発明のミネラルウール繊維は、好ましくは、1)pH4.5の人工体液に対する溶解速度定数が300ng/cm・hr以上、より好ましくは、350ng/cm・hr以上、2)加熱線収縮率(1,000℃/1時間維持)が5%以下、より好ましくは、4%以下、3)耐水性テスト(100℃/5時間維持)時の減量率が1%以下、より好ましくは、0.7%以下、及び4)熱伝導率が0.037W/mK以下、より好ましくは、0.036W/mKであるという条件中のいずれか1つ以上を満たし、好ましくは2つ以上を、より好ましくは、3つ以上を、最も好ましくはこれらの条件を全部満たす。
本発明のさらに別の側面によれば、前述したような本発明のミネラルウール繊維を含むことを特徴とする断熱材製品が提供される。断熱材製品の具体的な形状には特別な制限がなく、例えば、板状、ボード、ブランケット、パイプカバー、又はその外の他の形状であってもよい。
本発明の好ましい具体例によれば、本発明の断熱材製品は、繊維間に有機バインダーを噴射した後、硬化させ、繊維間の結合力を強化させることができる。
以下、実施例及び比較例で本発明を詳細に説明する。しかし、本発明の範囲がこれらにより限定されるものではない。
実施例
実施例1〜6及び比較例1〜7
三相黒鉛電極棒を用いた電気通電方式の溶融工法で表1(実施例)及び表2(比較例)に示した成分及び含量を有するミネラルウール繊維製造用組成物を製造した後、従来のミネラルウール製造用スピニング工程(溶融物を遠心回転するディスク状のスピナー表面に落とし、繊維を引っ張り、同時に後面から高圧のエアーを噴射し、繊維を微細繊維化する方式)でミネラルウール繊維を製造した。各成分の含量分析は、高周波誘導結合プラズマ(ICP:inductively coupled plasma)方法で測定した。
前記実施例及び比較例で製造されたミネラルウール繊維に対して人工体液に対する溶解速度定数(Kdis)値、酸化還元値、加熱線収縮率、耐水性テスト時の減量率及び熱伝導率を下記のような方法で測定〜計算し、下記表3(実施例)及び表4(比較例)に示した。
人工体液の溶解速度定数(Kdis
製造された繊維の生体溶解性を評価するために、下記方法で人工体液に対する溶解度を求めた。セラミック繊維の体内生分解性は、人工体液に対する繊維の溶解度を基準に評価しており、前記溶解度を基準にある体内残留時間を比較した後、下記数式(1)を利用して溶解速度定数(Kdis)を計算した。
[式中、dは初期平均繊維粒径(μm)、ρは繊維の初期密度(g/cm)、Mは初期繊維の質量(mg)、Mは溶解され、残った繊維の質量(mg)及びtは実験時間(hr)を表す。]
測定対象繊維をプラスチックフィルタ支持台で固定された0.2μmのポリカーボネート薄膜フィルタ間の薄い層の間に置き、このフィルタ間に人工体液をろ過さして、溶解速度を測定した。実験が行われる間、続けて人工体液の温度を37℃、流量を135mL/日に調節し、塩酸(HCl、35.0〜37.0%)を用いて、pHを4.5±0.1に維持した。
長時間の間に起こる繊維の溶解度を正確に測定するために、繊維を21日間浸出(leaching)しながら、特定間隔(1日、4日、7日、11日、14日、21日)でろ過された人工体液を誘導結合プラズマ分析法で溶解されたイオンを分析した後、この結果を利用して前記数式(1)により溶解速度定数(Kdis)を求めた。
繊維の溶解速度を測定するために使用した人工体液1Lに入っている組成成分の含量(g)は下記の通りであった。
酸化還元値
500mLビーカーに、約300mLの水を入れ、沸騰させた後、COを追放した後、冷却した。そこに、硫酸(1:1)10mLとホウ酸飽和溶液10mLを添加し、試験用溶液として使用した。ミネラルウール溶融物を凝固し、粒度約50μm以下に細かく粉砕した粉末試料0.2〜0.5gを密閉可能なプラスチックビーカーに取り、前記試験用溶液(10mL)で濡らし、硫酸(1:1)と弗酸を同じ量(10mL)で混合した溶液を添加し、撹拌した。粉末試料が完全に分解された後、飽和ホウ酸水を過剰添加した溶液を分析用試料とした。この分析用試料に、Reinhard Zimmermann溶液10mLを添加し、1/50−N KMnO溶液で滴定した。淡紅色が30秒間なくならない点を終点(end point)とした。ブランク試験も併行実施した後、下記数式(2)及び(3)により酸化還元値を計算した。このとき、FeOとFeの総和である全体鉄分の含量は、ICP分析で求めた値を適用した。
[式中、SW:試料重量、
F:1/50−N KMnOの量(mL)、
Vt:Feo滴定に消費された1/50−N KMnOの量(mL)、
Vb:ブランク試験に消費された1/50−N KMnOの量(mL)]
加熱線収縮率
製造されたミネラルウールでパッド(pad)を作製し、高温炉方式で測定した。一定規格のパッドを製造した後、50×50mmのサイズに切断し、切断されたパッドの横と縦長さをノギスで測定した。その後、エレベータ炉を1,000℃に設定し、エレベータ炉が設定された温度に達すればパッドをエレベータ炉に入れ、1時間維持させた。1時間後にパッドを取り出し、横と縦を測定した後、下記数式(4)により線収縮率を計算した。
[式中、L:熱処理前の岩綿パットの横の長さ(mm)、
:熱処理後の岩綿パットの横の長さ(mm)]
減量率(耐水性テスト)
DGG(Deutchen Glastechnischen Gesellschaftev)重量減量方法を使用した。10g程度のミネラルウールを100mLの蒸留水で加熱し、5時間、100℃に維持した後、急速冷却し、フィルタリングした。その後、フィルタのまま150℃で乾燥させた後、初期重量対比減量された重量を測定(数式(5))し、百分率で示した。
[式中、:試料重量、
:W+アルミナ坩堝
:乾燥後の試料重量+アルミナ坩堝]
熱伝導率
製造されたミネラルウール繊維を板状に成形し、サンプル(300×300×20mm)を製作した。このサンプルに対して、平均温度20℃、上板と下板の温度差を28℃にし、平板熱流計(Heat Flow Meter)方式で最終的に収束される熱伝導率を測定した。
前記実験結果から確認できるように、本発明によって製造されたミネラルウールの場合、Kdis値が300ng/cmh以上の優れた生分解性を示すと同時に、優れた耐熱性(即ち、低い線収縮率)及び優れた耐水性(即ち、低い減量率)を示しており、熱伝導率においても満足のいく水準であった。
しかし、比較例1及び2は、劣悪な耐熱性(即ち、高い熱水軸率)を示し、比較例3は、上昇した粘度により繊維内部に直径の大きなショット含量が増加し、高い熱伝導率を示し、比較例4は耐熱性と耐水性に問題があり、粘度が低過ぎて溶湯がスピナーにぶつかるとき、繊維化されずに弾み、微細ショットの含量が増加し、熱伝導率が高くなった。また、比較例5も繊維化時、粘度増加により熱伝導率が高くなり、比較例6は低い生分解性を示し、比較例7は粘度の低下による熱伝導率下降、耐熱性、耐水性減少などの問題を示した。

Claims (7)

  1. SiO 29〜42wt%、Al 17〜23wt%、FeO 3.6〜7.2wt%、Fe 0.1〜4.8wt%、CaO 18〜28wt%、MgO 8〜13wt%及びNaO+KO 1〜5wt%を含む組成物であり、
    組成物内の鉄分のRedox値[FeO/(FeO+Fe)]が0.85以上1未満であり、
    前記組成物から製造されたミネラルウール繊維が、pH4.5の人工体液に対する溶解速度定数が426ng/cm・hr以上であり、加熱線収縮率(1,000℃/1時間維持):2.1%以下であることを特徴とする、
    ミネラルウール繊維製造用組成物。
  2. 請求項1に記載のミネラルウール繊維製造用組成物から製造されることを特徴とする、体液に対して生分解性であるミネラルウール繊維。
  3. 下記1)〜2)のいずれか一つ以上の物性を満たすことを特徴とする、請求項2に記載のミネラルウール繊維:
    1)耐水性テスト(100℃/5時間維持)時の減量率:0.8%以下
    2)熱伝導率:0.037W/mK以下
  4. 前記1)〜2)の物性を全部満たすことを特徴とする、請求項3に記載のミネラルウール繊維。
  5. 請求項2に記載のミネラルウール繊維を含むことを特徴とする、断熱材製品。
  6. 前記繊維間に有機バインダーを噴射した後、硬化して、繊維間の結合力を強化させたことを特徴とする、請求項5に記載の断熱材製品。
  7. 板状、ボード、ブランケット又はパイプカバー状であることを特徴とする、請求項5に記載の断熱材製品。
JP2016507871A 2013-04-15 2013-04-15 体液に対する溶解性に優れたミネラルウール繊維製造用組成物及びそれにより製造されたミネラルウール繊維 Ceased JP6433981B2 (ja)

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