JP6433459B2 - 防護体用の支柱及びその施工方法 - Google Patents

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本発明は、山間地の道路等の山側斜面に構築され、土砂や落石等を受け止めて道路等への落下、流入を阻止する防護体に使用される支柱及びその施工方法に関する。
従来、この種の防護体用の支柱として、例えば特許文献1に開示されているように、基礎に固定する支柱下部と、この支柱下部の上部に設ける支柱上部とを連結した支柱であって、支柱下部の上側に、支柱上部の下端を挿入固定する受筒部を設けた支柱があった。
支柱下部、支柱上部及び受筒部はそれぞれ鋼管により形成され、支柱下部及び支柱上部の外径は互いに等しく、受筒部の内径は、支柱下部及び支柱上部の外径よりもゆとりをもって大きく設定されている。受筒部の上端部と支柱上部の外周面には、それぞれフランジ状の鍔継手が延設されている。また、受筒部の軸方向のほぼ中央部の外周面が、肉厚部により補強されている。
この支柱を施工するときは、支柱下部の上端部を受筒部の下端側に挿入し、受筒部の下端部を支柱下部の上端部の外周面に溶着する。さらに、支柱上部の下端部を、受筒部の上端側に挿入し、受筒部と支柱上部の鍔継手同士をボルトのナットを用いて接合し、受筒部と支柱上部を仮固定する。その後、支柱上部及び支柱下部と受筒部とが対向する隙間にエポキシ系接着剤等の接合剤を充填し、支柱上部、支柱下部及び受筒部を一体に接合する。
複数の支柱を地面に立設した後、例えば、各支柱の先端部と斜面との間を控えロープで接続し、各支柱の間にネット等を張設することによって、防護柵等を形成する。
通常の一体物の支柱の場合、外形が大きいので、工場等で防錆用のメッキ処理を行うとき、特別な大きさのメッキ槽が必要になる。また、山間地の施工現場への輸送が大変であり、現場での据え付け作業を行う際にも専用の重機が必要になるケースがある。しかし、この支柱のように小形のパーツを組み合わせて大形の支柱を形成する構造は、小形のパーツの状態でメッキ処理、輸送及び据え付け作業を行うことができるので、各作業を容易に行うことができる。
特開2008−31742号公報
特許文献1の支柱は、支柱上部と受筒部の鍔継手をナット等で接合する作業が生じ、非常に面倒である。さらに、落石等の耐衝撃性能について見ると、一体物の支柱よりも劣るという問題がある。
図13のグラフは、支柱の耐荷重性を評価するため、特許文献1に開示された従来の構造の支柱2の中央部両側の2箇所に荷重を加えて支柱の変位を測定し、「荷重−変位」特性を描いたものである。一体物の支柱の場合、塑性変形の後においてもなだらかなカーブになるので、一定の耐荷重性及び衝撃吸収性が得られる。
これに対して、特許文献1の支柱の場合、最大荷重がほぼ同様となるように設計した場合、塑性変形が進行する過程で、鍔継手同士を接合するボルト等が瞬間的に破損し、図13の従来の支柱の曲線に示すように、耐荷重性がピークPaから急激に低下する。したがって、防護柵は、一定以上の大きさの落石等を受けると、支柱の連結部分が急激に折れ曲がり、衝撃エネルギーの吸収が少なく、落石等を保持しているネット等にも大きな衝撃が加わって破損し、防護柵全体の耐衝撃性が急激に低下する可能性がある。また、この支柱は、連結部分を補強するため受筒部に肉厚部が設けられているが、引用文献1の図1等に記載されているような構造の場合、補強の効果は限定的である。
なお、ボルト等による接合は仮固定用なので、支柱を施工した後で接合を解除することによって、ボルト等の破損による急激な変化は発生しなくなる。しかし、ボルト等による接合を解除する作業が追加になるので、作業者の負担がさらに大きくなる上、受筒部に対して支柱下部及び支柱上部が僅かの隙間を有して嵌合し接合剤で接着されているだけであるので、この鍔部の接合を解除すると、耐荷重性のピークが上記のPaよりも大きく低下し、全体として、一体物の支柱に近い耐荷重性を得ることは難しい。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、複数のパーツを組み合わせた構造でありながら、一体物の支柱に近い耐荷重性を得ることができ、施工作業も容易な防護体用の支柱及びその施工方法を提供することを目的とする。
本発明は、下側部分が地中に埋設される支柱下部と、前記支柱下部の上側に前記支柱下部と同軸に配置された支柱上部と、前記支柱下部と前記支柱上部とを連結する受筒部とを備え、傾斜地の山側斜面に設置される防護体用の支柱であって、
前記支柱下部は、円柱状外形の本体である下部本体を有し、前記下部本体の上端部の外周面に、前記下部本体の軸方向に設けられた複数の突条あって、複数の棒鋼が前記下部本体に溶着して成る下部突条が設けられ、前記支柱上部は、円柱状外形の本体である上部本体を有し、前記上部本体の下端部の外周面に、前記上部本体の軸方向に設けられた複数の突条あって、複数の棒鋼が前記上部本体に溶着して成る上部突条が設けられ、前記受筒部は、本体である受鋼管を有し、前記受鋼管の内周面に、前記受鋼管の軸方向に設けられた複数の突条あって、複数の棒鋼が前記受鋼管に溶着して成る受突条が設けられ、
組み立てた状態で、前記支柱下部の上端部は、前記受筒部の下端側の内側に配置され、前記下部突条が前記受突条に係合し、前記受筒部の下端部は、前記支柱下部の上端部の外周面に溶着され、前記支柱上部の下端部は、前記受筒部の上端側の内側に配置され、前記上部突条が前記受突条に係合し、前記支柱下部、支柱上部及び前記受筒部は、前記支柱下部及び支柱上部と前記受筒部との隙間に充填された充填材により一体に接合している防護体用の支柱である。
前記支柱上部の上部本体及び前記支柱下部の下部本体は鋼管で成り、前記各鋼管の内側に補強用鋼材が配置され充填材で埋められていることが好ましい。また、前記支柱上部は、表面全体が耐候性メッキにより覆われ、前記支柱下部及び前記受筒部も、表面全体が耐候性メッキによりに覆われていることが好ましい。
また本発明は、下側部分が地中に埋設される支柱下部と、前記支柱下部の上側に前記支柱下部と同軸に配置された支柱上部と、前記支柱下部と前記支柱上部とを連結する受筒部とを備え、傾斜地の山側斜面に設置される防護体用の支柱の施工方法であって、
前記支柱下部は、円柱状外形の本体である下部本体を有し、前記下部本体の上端部の外周面に、前記下部本体の軸方向に設けられた複数の突条あって、複数の棒鋼が前記下部本体に溶着して成る下部突条が設けられ、前記支柱上部は、円柱状外形の本体である上部本体を有し、前記上部本体の下端部の外周面に、前記上部本体の軸方向に設けられた複数の突条あって、複数の棒鋼が前記上部本体に溶着して成る上部突条が設けられ、前記受筒部は、本体である受鋼管を有し、前記受鋼管の内周面に、前記受鋼管の軸方向に設けられた複数の突条あって、複数の棒鋼が前記受鋼管に溶着して成る受突条が設けられ、
前記支柱下部の上端部を前記受筒部の下端側に挿入し、前記下部突条を前記受突条に係合させ、この状態で、前記受筒部の下端部を前記支柱下部の上端部の外周面に溶着させる第一の工程と、前記第一の工程の後、前記支柱上部の下端部を前記受筒部の上端側に挿入し、前記上部突条を前記受突条に係合させることによって仮固定する第二の工程と、前記第二の工程の後、前記支柱下部及び支柱上部と前記受筒部との隙間に充填材を充填し、前記支柱下部、支柱上部及び前記受筒部を一体に接合する第三の工程とを行う防護体用の支柱の施工方法である。
前記支柱上部の上部本体及び前記支柱下部の下部本体は鋼管で成り、前記上部本体は、前記鋼管の内側に補強用鋼材が挿通されて充填材で埋められており、前記下部本体は、前記鋼管の内側に補強用鋼材が挿通されて充填材で埋められているものを用いて施工すると良い。
前記支柱上部と前記支柱下部及び前記受筒部は、前記下部突条と前記上部突条及び前記受突条とにより形成される隙間に、前記充填剤であるモルタルを充填し硬化させることにより、これらの接合が完了するものである。
さらに、前記第二及び第三の工程は、前記支柱下部、前記支柱上部及び前記受筒部を施工現場に輸送し、前記支柱下部の下側部分を地中に埋設した後に行うことが好ましい。
本発明の防護体用の支柱及びその施工方法によれれば、小形のパーツを組み合わせて大形の支柱を形成する構造なので、施工現場への輸送、現場での据え付け作業等を容易に行うことができる。さらに、支柱を施工するとき、鍔継手をナット等で接合したり解除したりする面倒な作業が不要であり、作業者の負担を軽減することができる。
また、本発明の支柱の「荷重−変位」特性は、塑性変形の後においても、なだらかに変化する耐荷重性が得られ、しかも、支柱上部、支柱下部及び受筒部に溶着された棒鋼等の突条により、連結部分が効果的に補強されているので、一体物の支柱に近い耐荷重性及び衝撃吸収性を得ることができる。さらに、支柱上部と支柱下部の内側に補強用鋼材を配置し充填材で埋めることによって、支柱の耐荷重性をさらに向上させることができる。
本発明の防護体用の支柱の一実施形態を用いて施工された防護柵を示す図である。 この実施形態の支柱の支柱下部及び支柱上部を示す正面図(a)、平面図(b)である。 この実施形態の支柱の支柱下部及び支柱上部の内側に配置される補強用鋼材を示す正面図(1)、側面図(b)、平面図(c)である。 この実施形態の支柱の受筒部を示す正面図(a)、平面図(b)である。 支柱下部及び受筒部の製作手順を示すフローチャートである。 図5に示す第五の工程を行った後の支柱下部及び受筒部の状態を示す側面図(a)、A−A断面図(b)である。 支柱上部の製作手順を示すフローチャートである。 支柱下部及び受筒部に支柱上部を連結する手順を示すフローチャートである。 図8に示す第三の工程を行った後の支柱の受筒部及びその近傍の状態を示す側面図である。 図9のB−B断面図である。 図1に示す防護柵の施工手順の一例を示すフローチャート(a)、施工手順の他の例を示すフローチャート(b)である。 この実施形態の支柱の「荷重−変位」特性を示すグラフである。 従来の支柱の「荷重−変位」特性を示すグラフである。
以下、本発明の防護体用の支柱及びその施工方法の一実施形態について、図面に基づいて説明する。図1に示す防護体は、山間地の道路や線路等の山側の斜面Sに設けられた防護柵10であり、落石や土砂崩れ等が発生しやすい危険箇所に沿って設置されている。防護柵10は、この実施形態の支柱12を略均等間隔に立設し、必要に応じて各支柱12の上端部と斜面Sとの間を控えロープ14で接続し、隣り合う支柱12同士の間にネット16を張設することにより形成されている。
支柱12は、下側部分が地中に埋設された支柱下部18と、支柱下部18の上側に支柱下部18と同軸に配置された支柱上部20と、支柱下部18と支柱上部20とを連結する受筒部22とを備えている。
支柱下部18は、図2に示すように、円筒形の鋼管で成る下部本体18aを有し、下部本体18aの上端部の外周面に、下部本体18aの軸方向に配置された複数の下部突条18bが設けられている。下部突条18bは、複数の棒鋼24が下部本体18aの外周面に溶着したものである。下部突条18bは、外周面の山側に2つ、谷側に2つ、それぞれ所定の間隔を空けて設けられている。
また、図6に示すように、支柱下部18の内側には補強用鋼材26が配置され充填材28で埋められている。補強用鋼材26は、図3に示すように、支柱下部18とほぼ同じ長さの型鋼26aを有している。型鋼26aの断面形状は略H形で、2つのフランジが外向きの円弧状に湾曲し、その外側面に補強用の棒鋼26bが溶着して一体になっている。2つのフランジは、それぞれ山側と谷側に配置される。充填材28については後で説明する。
支柱上部20は、ここでは支柱下部18と同じものが兼用されている。以下、支柱上部20と支柱下部18とを区別するため、支柱上部20の各部分について、下部本体18aに対応する部分を上部本体20a、下部突条18bに対応する部分を上部突条20bと称する。なお、支柱上部20の場合は、上部突条20bが設けられた側が下端側となる。
受筒部22は、図4に示すように、本体である受鋼管22aを有し、受鋼管22aの内周面に、受鋼管22aの軸方向に配置された複数の受突条22bが設けられている。受突条22bは、複数の棒鋼24が下部本体18aの外周面に溶着したものである。受突条22bは、内周面の山側に3つ、谷側に3つ、それぞれ所定の間隔を空けて設けられている。
以下、支柱12の施工方法の一実施形態を説明しながら、支柱12の組み立て状態の構造について説明する。
図5は、支柱下部18及び受筒部22の製作手順を示しており、この中のJ1,J2,J3は、施工の前準備の工程である。準備工程J1は、上記の支柱下部18を製作する工程であり、下部本体18aの内周面に異形棒鋼等の棒鋼24を抵抗溶接等の方法で溶着し、下部突条18bを形成する。準備工程J2は、上記の補強用鋼材26を製作する工程であり、型鋼26aのフランジの外側面に異形棒鋼等の棒鋼26を抵抗溶接等の方法で溶着する。準備工程J3は、上記の受筒部22を製作する工程であり、受鋼管22aの内周面に異形棒鋼等の棒鋼24を抵抗溶接等の方法で溶着し、受突条22bを形成する。
支柱下部18及び受筒部22が用意できると、まず、第一の工程K1を行う。第一の工程K1は、支柱下部18の上端部を受筒部22の下端側に挿入し、下部突条18bを受突条22bに係合させ、この状態で、受筒部22の下端部を支柱下部18の上端部の外周面に溶着させる工程である。
支柱下部18を受筒部22に挿入するときは、各下部突条18bが相手方の受突条22bの間に入り込むように挿入する。したがって、下部突条18bが受突条22bにガイドされる形になり、支柱下部18を規定の向きに正確に挿入することができる。また、突条18b,22bは、支柱下部18と受筒部22が互いに隙間を空けて同軸に配置されるように位置決めするスペーサの働きをし、下部突条18bと受突条22bが適度に係合することによって、支柱下部18と受筒部22が仮固定される。受筒部22を支柱下部18に溶着させるときは、例えば抵抗溶接等の方法を用いる(溶着部22c)。
第一の工程K1の後、支柱下部18及び受筒部22の表面全体を耐候性メッキで覆うメッキ工程(K11)に移る。耐候性メッキは、例えば防錆性を向上させるための溶融亜鉛メッキ等が好適で、一体化した支柱下部18及び受筒部22をメッキ槽のメッキ液の中に浸漬して行う。完成した支柱12の状態でメッキ処理を行うと、通常よりも大きいメッキ槽が必要になるが、支柱下部18及び受筒部22の状態(パーツの状態)であれば、通常の大きさのメッキ槽でも十分対応できる。
そして、メッキ工程K11の後、補強工程K12を行う。補強工程K12は、下部本体18の内側に補強用鋼材26を配置して充填材28で埋めて硬化させる工程である。充填材28は、セメントや無収縮モルタル等が好適である。
以上の工程J1,J2,J3,K1,K11,K12を行うことによって、図6(a)、(b)に示す支柱下部18及び受筒部22が製作される。
図7は、支柱上部20の製作手順を示しており、この中のJ4,J2は、施工の前準備の工程である。準備工程J4は支柱上部20を製作する工程であり、ここでは支柱下部18が兼用されるので、作業内容は上記の準備工程J1と同様である。準備工程J2は、上記のように、補強用鋼材26を製作する工程である。
支柱上部20が用意できると、まず、メッキ工程K13を行う。メッキ工程K13は、支柱上部20の表面全体を耐候性メッキで覆う工程である。耐候性メッキは、上記のように、例えば防錆性を向上させるための溶融亜鉛メッキ等が好適で、支柱上部20をメッキ槽のメッキ液の中に浸漬して行う。支柱上部20の状態(パーツの状態)であれば、通常の大きさのメッキ槽でも十分対応できる。
そして、メッキ工程K13の後、補強工程K14を行う。補強工程K14は、上部本体20の内側に補強用鋼材26を配置して充填材28で埋めて硬化させる工程である。充填材28は、無収縮モルタル等が好適である。
以上の工程J4,J2,K13,K14を行うことによって、図6(a)、(b)と同様の構造であって、受筒部22を省略した状態の支柱上部20が製作される。なお、図7では省略しているが、支柱上部20の場合、メッキ工程K14の後、ネット16を支持するための金具等を取り付ける工程が設けられる。
図8は、図5に示す手順で製作された支柱下部18及び受筒部22に、図7に示す手順で製作された支柱上部20を連結する手順を示している。
第二の工程K2は、支柱上部20の下端部を受筒部22の上端側に挿入し、上部突条20bを受突条22bに係合させることによって仮固定する工程である。支柱上部20を受筒部22に挿入するときは、上述した支柱下部18の場合と同様に、各上部突条20bが相手方の受突条22bの間に入り込むように挿入する。したがって、上部突条20bが受突条22bにガイドされる形になり、支柱上部20を規定の向きに正確に挿入することができる。また、突条20b,22bは、支柱上部20と受筒部22が互いに隙間を空けて同軸に配置されるように位置決めするスペーサの働きをし、上部突条20bと受突条22bが適度に係合することによって、支柱上部20と受筒部22が仮固定される。
そして、第二の工程K2の後、第三の工程K3を行う。第三の工程K3は、支柱下部18及び支柱上部20と受筒部22との隙間に充填材30に充填し硬化させて、支柱下部18、支柱上部20及び受筒部22を一体に接合する工程である。充填材30は、いわゆる間詰め材であり、例えば、無収縮モルタルが好適であり、セメントやエポキシ系接着剤でも良い。
以上の工程K2,K3を行うことによって、支柱下部18及び受筒部22に支柱上部20が連結され、図9、図10に示す支柱12の状態になる。
ここまで、支柱12の施工方法の一例を説明したが、上述した各工程は、防護柵10を施工する一連の作業の中の一部として行われる。
図11(a)は、防護柵10の施工手順の好ましい一例を示している。この例では、支柱下部18及び受筒部22を製作する工程(J1,J2,J3,K1,K11,K12)と、支柱上部20を製作する工程(J2,J4,K13,K14)を工場等で行い、各部材をパーツの状態で山間地の施工現場に輸送する。そして、施工現場で支柱下部18を斜面Sに埋設した後、支柱下部18及び受筒部22と支柱上部20とを連結する工程(K2,K3)を行って支柱12を完成させ、控えロープ14及びネット16等を設営する。
この施工手順によれば、工場等から現場までの支柱12の輸送を、小形のパーツの状態で行うことができるので、特別な大型トラック等を用意しなくてもよいという利点がある。また、支柱12を組み立てる作業の一部(K2,K3)を現場で行うことになるが、どちらも容易な作業なので、現場作業者の負担の増加は小さい。
また、図11(b)は、防護柵10の施工手順の他の例を示している。この例では、支柱下部18及び受筒部22を製作する工程(J1,J2,J3,K1,K11,K12)と、支柱上部20を製作する工程(J2,J4,K13,K14)と、支柱下部18及び受筒部22と支柱上部20とを連結する工程(K2,K3)をすべて工場等で行い、支柱12に組み立てられた状態で山間地の施工現場に輸送する。そして、施工現場で支柱下部18の部分を斜面Sに埋設し、ネット16及び必要に応じて控えロープ14等を設営する。この施工手順は、輸送用の大型トラックが確保できる場合に有効であり、現場で支柱12を組み立てる作業が不要になるので、現場作業者の負担を最小限に抑えることができる。
組み立てられた支柱12の「荷重−変位」特性は、図12に示すように、塑性変形の後においてもなだらかなカーブになり、一体物の支柱に近い耐荷重性及び衝撃吸収性が得られる。
以上説明したように、この実施形態の支柱12及びその施工方法によれれば、小形のパーツを組み合わせて大形の支柱12を形成する構造なので、耐候性メッキの処理、施工現場への輸送、現場での据え付け作業を容易に行うことができる。さらに、支柱12を施工するとき、鍔継手をナット等で接合したり解除したりする面倒な作業が不要であり、作業者の負担を軽減することができる。
また、支柱12の「荷重−変位」特性は、塑性変形の後においても、なだらかな耐荷重性が得られ、しかも、支柱上部20、支柱下部18及び受筒部22に溶着された棒鋼24により、連結部分が効果的に補強されているので、一体物の支柱に近い耐荷重性及び衝撃吸収性を得ることができる。特に、連結部分の隙間に無収縮モルタルの充填材30を充填して硬化させた場合、連結部分に荷重が作用して圧力がかかっても、モルタルが破壊しにくく、破壊した後も圧縮荷重に対して高い強度を有し、且つ支柱上部20、支柱下部18及び受筒部22との間で大きな間摩擦力を有するので、大きな耐荷重性及び衝撃吸収性を得ることができる。さらに、支柱上部20と支柱下部18の内側に補強用鋼材26を配置し充填材28で埋めてあるので、支柱12の耐荷重性がさらに向上している。
なお、本発明の防護体用の支柱及びその施工方法は、上記実施形態に限定されるものではない。支柱10の場合、支柱上部20として、支柱下部18と同じものが使用されているが、支柱上部は、受筒部を介して支柱下部と連結可能なものであればよく、外形(長さ等)が異なるものを使用してもよい。なお、外形が異なる場合は、その外形に合わせて適切な外形の補強用鋼材を新規に設けるとよい。また、支柱下部18、支柱上部20及び受筒部22に形成された突条18b,20b,22bは、連結部分を補強するための棒鋼24により形成されたものであればよく、各突条18b,20b,22bの数や幅や高さは、上記の各工程を実施する際の作業性を考慮して、適宜変更することができる。
さらに、補強用鋼材26は、支柱上部20と支柱下部18を貫通していても良く、少なくとも支柱下部18から受筒部22を経て支柱上部20に入るような長さに形成されていると良い。また、補強用鋼材26を設ける補強工程K12,K14は、支柱12の施工現場で行っても良い。
この他、施工現場の環境条件が合えば、耐候性メッキの処理は省略することができる。また、上記の支柱上部18及び支柱下部20は、内側に補強用鋼材26が埋め込まれて補強されているが、補強用鋼材26以外の形状の補強用鋼材を使用してもよい。また、補強用鋼材26は耐候性メッキ処理を行わなくてもよく、メッキ槽内に収まるように短くする必要がない。したがって、補強用鋼材26以外の各部材を支柱12の状態に組み立てた後、上部本体20及び下部本体18内を通貫する長尺の補強用鋼材26を埋め込むようにしてもよい。また、上部本体及び下部本体の強度が十分であれば、補強用鋼材及び充填材を省略してもよく、上部本体及び下部本体として鋼管以外の部材を使用することも可能である。
また、この支柱及び施工方法が適用できる防護体は特に限定されず、ネットが張設される防護柵以外の様々な防護体に適用することができる
10 防護柵(防護体)
12 支柱
18 支柱下部
18a 下部本体(鋼管)
18b 下部突条
20 支柱上部
20a 上部本体(鋼管)
20b 上部突条
22 受筒部
22a 受鋼管
22b 受突条
22c 溶着部
24 棒鋼
26 補強用鋼材
28,30 充填材
K1 第一の工程
K2 第二の工程
K3 第三の工程

Claims (7)

  1. 下側部分が地中に埋設される支柱下部と、前記支柱下部の上側に前記支柱下部と同軸に配置された支柱上部と、前記支柱下部と前記支柱上部とを連結する受筒部とを備え、傾斜地の山側斜面に設置される防護体用の支柱において、
    前記支柱下部は、円柱状外形の本体である下部本体を有し、前記下部本体の上端部の外周面に、前記下部本体の軸方向に設けられた複数の突条あって、複数の棒鋼が前記下部本体に溶着して成る下部突条が設けられ、
    前記支柱上部は、円柱状外形の本体である上部本体を有し、前記上部本体の下端部の外周面に、前記上部本体の軸方向に設けられた複数の突条あって、複数の棒鋼が前記上部本体に溶着して成る上部突条が設けられ、
    前記受筒部は、本体である受鋼管を有し、前記受鋼管の内周面に、前記受鋼管の軸方向に設けられた複数の突条あって、複数の棒鋼が前記受鋼管に溶着して成る受突条が設けられ、
    組み立てた状態で、前記支柱下部の上端部は、前記受筒部の下端側の内側に配置され、前記下部突条が前記受突条に係合し、前記受筒部の下端部は、前記支柱下部の上端部の外周面に溶着され、前記支柱上部の下端部は、前記受筒部の上端側の内側に配置され、前記上部突条が前記受突条に係合し、前記支柱下部、支柱上部及び前記受筒部は、前記支柱下部及び支柱上部と前記受筒部との隙間に充填された充填材により一体に接合していることを特徴とする防護体用の支柱。
  2. 前記支柱上部の上部本体及び前記支柱下部の下部本体は鋼管で成り、前記各鋼管の内側に補強用鋼材が配置され充填材で埋められている請求項1記載の防護体用の支柱。
  3. 前記支柱上部は、表面全体が耐候性メッキにより覆われ、前記支柱下部及び前記受筒部は、耐候性メッキによりに覆われている請求項1又は2記載の防護体用の支柱。
  4. 下側部分が地中に埋設される支柱下部と、前記支柱下部の上側に前記支柱下部と同軸に配置された支柱上部と、前記支柱下部と前記支柱上部とを連結する受筒部とを備え、傾斜地の山側斜面に設置される防護体用の支柱の施工方法において、
    前記支柱下部は、円柱状外形の本体である下部本体を有し、前記下部本体の上端部の外周面に、前記下部本体の軸方向に設けられた複数の突条あって、複数の棒鋼が前記下部本体に溶着して成る下部突条が設けられ、
    前記支柱上部は、円柱状外形の本体である上部本体を有し、前記上部本体の下端部の外周面に、前記上部本体の軸方向に設けられた複数の突条あって、複数の棒鋼が前記上部本体に溶着して成る上部突条が設けられ、
    前記受筒部は、本体である受鋼管を有し、前記受鋼管の内周面に、前記受鋼管の軸方向に設けられた複数の突条あって、複数の棒鋼が前記受鋼管に溶着して成る受突条が設けられ、
    前記支柱下部の上端部を前記受筒部の下端側に挿入し、前記下部突条を前記受突条に係合させ、この状態で、前記受筒部の下端部を前記支柱下部の上端部の外周面に溶着させる第一の工程と、前記第一の工程の後、前記支柱上部の下端部を前記受筒部の上端側に挿入し、前記上部突条を前記受突条に係合させることによって仮固定する第二の工程と、前記第二の工程の後、前記支柱下部及び支柱上部と前記受筒部との隙間に充填材を充填し、前記支柱下部、支柱上部及び前記受筒部を一体に接合する第三の工程とを行うことを特徴とする防護体用の支柱の施工方法。
  5. 前記支柱上部の上部本体及び前記支柱下部の下部本体は鋼管で成り、
    前記上部本体は、前記鋼管の内側に補強用鋼材が挿通されて充填材で埋められており、前記下部本体は、前記鋼管の内側に補強用鋼材が挿通されて充填材で埋められているものを用いる請求項4記載の防護体用の支柱の施工方法。
  6. 前記支柱上部と前記支柱下部及び前記受筒部は、前記下部突条と前記上部突条及び前記受突条とにより形成される隙間に、前記充填剤であるモルタルを充填し硬化させることにより、これらの接合が完了する請求項4記載の防護体用の支柱の施工方法。
  7. 前記第二及び第三の工程は、前記支柱下部、前記支柱上部及び前記受筒部を施工現場に輸送し、前記支柱下部の下側部分を地中に埋設した後に行う請求項4乃至6のいずれか記載の防護体用の支柱の施工方法。
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