以下、内燃機関の排気浄化装置を具体化した一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。本実施形態にかかる排気浄化装置が適用される内燃機関はディーゼルエンジンであり、以下においては、単に「エンジン」という。
図1に示すように、エンジン1には、シリンダブロックの長手方向に向かって順番に、第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3、及び第4気筒#4が並んで設けられている。シリンダヘッド2には複数の燃料噴射弁4a〜4dが取り付けられている。これら燃料噴射弁4a〜4dは各気筒#1〜#4の燃焼室に燃料をそれぞれ噴射する。また、シリンダヘッド2には新気を気筒内に導入するための吸気ポートと、燃焼ガスを気筒外へ排出するための排気ポート6a〜6dとが各気筒#1〜#4に対応して設けられている。
燃料噴射弁4a〜4dは、高圧燃料を蓄圧するコモンレール9に接続されている。コモンレール9はサプライポンプ10に接続されている。サプライポンプ10は燃料タンク内の燃料を吸入するとともにコモンレール9に高圧燃料を供給する。コモンレール9に供給された高圧燃料は、各燃料噴射弁4a〜4dの開弁時に同燃料噴射弁4a〜4dから気筒内に噴射される。
吸気ポートには、エンジン1の出力軸であるクランク軸の回転に同期して開閉動作する吸気バルブが設けられている。また、吸気ポートには、インテークマニホールド7が接続されている。インテークマニホールド7は吸気通路3に接続されている。この吸気通路3内には吸入空気量を調整するための吸気絞り弁16が設けられている。
排気ポート6a〜6dには、エンジン1の出力軸であるクランク軸の回転に同期して開閉動作する排気バルブが設けられている。また、排気ポート6a〜6dには、エキゾーストマニホールド8が接続されている。エキゾーストマニホールド8は排気通路26に接続されている。
排気通路26の途中には、排気圧を利用して気筒に導入される吸入空気を過給するターボチャージャ11が設けられている。同ターボチャージャ11の吸入空気側コンプレッサと吸気絞り弁16との間の吸気通路3にはインタークーラ18が設けられている。このインタークーラ18によって、ターボチャージャ11の過給により温度上昇した吸入空気の冷却が図られる。
また、排気通路26の途中にあって、ターボチャージャ11の排気側タービンの下流には、排気を浄化するNOX吸蔵触媒30が設けられている。
NOX吸蔵触媒30は、例えばアルミナからなる触媒担体上に貴金属触媒が担持されるとともに、貴金属触媒の周りの部分に塩基性層が形成されている。貴金属触媒は、白金Ptと、ロジウムRh及びパラジウムPdの少なくとも一方とにより構成される。また、塩基性層は、カリウムK、ナトリウムNa、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類金属、ランタノイドのような希土類および銀Ag、銅Cu、鉄Fe、イリジウムIrのようなNOXに電子を供与しうる金属のうちの少なくとも一つを含んでいる。
NOX吸蔵触媒30では、以下のようにしてNOXが還元浄化される。すなわち、エンジン1において、リーン空燃比での燃焼が行われると、排気の酸素濃度が高い状況となる。そのため、NOX吸蔵触媒30では、排気に含まれるNOが白金において酸化されてNO2となり、さらにNO2が白金から電子を供与されてNO2 −となる。そして、酸素濃度が高い状況がさらに一定時間以上継続すると、NO2 −が酸化されて硝酸イオン(NO3 −)となり、硝酸塩として塩基性層に吸収される。すなわち、NOX吸蔵触媒30にNOXが吸蔵される。
こうしてNOX吸蔵触媒30にNOXが吸蔵されている状況で、NOX吸蔵触媒30に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチにされると、排気中の酸素濃度が低下するために、塩基性層内に吸収されている硝酸塩がNO2として塩基性層から放出される。そして、放出されたNO2は排気中に含まれるHC及びCOによって還元される。
ここでNOX吸蔵触媒30では、酸素濃度が高い状況が上記一定時間経過する前、すなわちNO2 −が酸化されて硝酸イオンとなる前に、NO2 −周りのHC濃度を高くすると、触媒において炭素数が少なくラジカル状となったHCと反応し、イソシアネート化合物R−NCOおよびアミン化合物R−NH2等の還元性中間体が生成される。このとき、還元性中間体は塩基性層の表面上に付着又は吸着されるとともに、還元性中間体の周りをHCが取り囲んだ状態となる。この状態で、空燃比をリーンとして、HC濃度を低下させて排気の酸素濃度を高くすると、還元性中間体周りのHCが酸化され、還元性中間体とNO2 −とが反応してN2,CO2,H2Oとなり、NOXが浄化される。すなわち、NOX吸蔵触媒30では、酸素濃度が高い状態を、NOXが硝酸塩の形で塩基性層内に吸収されるための期間よりも短い期間とし、同触媒30に流入するHCの濃度を、上記還元性中間体が生成され得る十分高い濃度まで高くすることにより還元性中間体が生成される。そして、生成された還元性中間体がNO2 −と反応可能な程度にHCの濃度を低くして酸素濃度を高くすることによりNOXが浄化される。したがって、NOX吸蔵触媒30に流入するHCの濃度を予め定められた範囲内の振幅で、予め定められた範囲内の所定周期で振動させることにより、NOX吸蔵触媒30にNOXを吸蔵することなく、還元性中間体を生成してNOXが浄化されることになる。なお、予め定められた範囲内の周期よりも長い周期でHCの濃度を変化させた場合には、NOX吸蔵触媒30におけるNOXがNOX吸蔵触媒30に吸蔵され、同触媒30におけるNOX吸蔵量が増大する。
以上のようにして、NOX吸蔵触媒30では、吸蔵されたNOXを、一時的に空燃比を理論空燃比またはリッチ化することにより還元可能であるとともに、NOX吸蔵触媒に供給されるHCの濃度を予め定められた範囲内の振幅で、所定周期で振動させることによってNOX吸蔵触媒30にNOXが吸蔵される前に、NOXを浄化可能に構成されている。
また、排気通路26において、NOX吸蔵触媒30の上流には、排気に燃料を添加するための燃料添加弁5が設けられている。この燃料添加弁5は、燃料供給管27を介して前記サプライポンプ10に接続されている。なお、燃料添加弁5の配設位置は、排気系にあってNOX吸蔵触媒30の上流側であれば適宜変更することも可能である。
この他、エンジン1には排気再循環装置(以下、EGR装置という)が設けられている。このEGR装置は、排気の一部を吸気通路3に戻すことで気筒内での混合気の燃焼温度を低下させ、これによりエンジン1から発生するNOXの量を低減させる装置である。このEGR装置は、吸気通路3の一部を構成するインテークマニホールド7とエキゾーストマニホールド8とを連通するEGR通路13、EGR通路13に設けられたEGR弁15、及びEGR通路13の途中に設けられたEGRクーラ14等により構成されている。そして、機関運転状態に応じてEGR弁15の開度が調整されることにより、排気通路26から吸気通路3に戻される排気の量であるEGR量が調整される。また、EGRクーラ14によってEGR通路13内を流れる排気の温度が低下される。
エンジン1には、機関運転状態を検出するための各種センサやスイッチが取り付けられている。例えば、エアフロメータ19は吸気通路3内の吸入空気量GAを検出する。湿度センサ20は、湿度検出機構として、吸入空気の湿度を検出する。絞り弁開度センサ21は吸気絞り弁16の開度を検出する。吸気温度センサ22は、吸入空気の温度を検出する。クランク角センサ23はクランク軸の回転速度、すなわち機関回転速度NEを検出する。アクセル操作量センサ24はアクセルペダルの踏み込み量、すなわちアクセル操作量ACCPを検出する。第1排気温度センサ28は、排気通路26におけるNOX吸蔵触媒30の上流を流れる排気の温度を検出する。第2排気温度センサ29は、排気通路26におけるNOX吸蔵触媒30の下流を流れる排気の温度を検出する。
これら各種センサ等の出力は制御装置40に入力される。この制御装置40は、中央処理制御装置(CPU)、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、記憶した数値を電気的に書き換えることができる不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)、各種インターフェース等を備えている。
そして、制御装置40により、例えば燃料噴射弁4a〜4dや燃料添加弁5の燃料噴射量制御・燃料噴射時期制御、サプライポンプ10の吐出圧力制御、吸気絞り弁16を開閉するアクチュエータ17の駆動量制御、EGR弁15の開度制御及び排気浄化制御等、エンジン1の各種制御が行われる。
制御装置40は、EGR弁15の開度制御として、吸入空気量GAと機関回転速度NE等の機関運転状態に基づいてEGR弁15の開度を調整することにより、EGR量を機関運転状態に応じた量に調整する。詳細には、制御装置40は、予め機関運転状態とEGR弁15の開度との関係を示すマップを記憶しており、このマップに基づいてEGR弁15の開度を制御する。なお、以下においては、こうしたマップに基づいたEGR弁15の開度制御を通じて調整されるEGRの量を、機関運転状態に基づくEGR量といい、後記するポスト噴射の燃焼状態を加味しないEGR量を意味する。
また、制御装置40は、排気浄化制御の1つとして、排気に含まれるNOXを浄化するNOX浄化制御を行う。詳細には、エンジン1は、基本的にはリーン空燃比での燃焼が行われ、これにより、NOX吸蔵触媒30のNOXの吸蔵量が所定量以上となったときに、一時的に、燃料噴射弁4a〜4dから燃焼室へメイン噴射を行った後に規定量の燃料を噴射するポスト噴射を行うことで、空燃比をリッチ化する。これにより、排気の酸素濃度を低い状態にして、還元剤としてのCOやHCをNOX吸蔵触媒30に供給することで、NOX吸蔵触媒30に吸蔵されたNOXが放出されて還元浄化される。
ここで、図2は、所定の運転条件における燃焼室内の温度を、本願発明者らが実験により測定した結果を示しており、線L1は、湿度28%における測定結果を示し、線L2は、湿度が47%における測定結果を示している。この実験では、圧縮上死点(図2のTDC)の前にパイロット噴射を実行し、圧縮上死点直後にメイン噴射を実行する。そして、圧縮上死点から所定のクランク角後の規定クランク角Cにポスト噴射を行っている。ポスト噴射を実行する規定クランク角Cは、メイン噴射による燃焼後において燃焼室内の温度がさほど低下しない時期に設定されている。これにより、ポスト噴射によって噴射された燃料を燃焼させて、還元剤のうち還元能力の高いCOを生成するようにしている。ここで、この図2に示すように、線L2の湿度47%における測定結果は、湿度がより低い線L1の湿度28%の測定結果よりも、メイン噴射の燃焼後に燃焼室内の温度が上昇しにくく、ポスト噴射実行後の燃焼室内の温度も上昇しにくくなっている。このような測定結果が得られた理由としては、吸入空気の湿度が高い場合には、吸入空気の熱容量が大きくなるためであると考えられる。すなわち、吸入空気の湿度が高い場合には、低い場合よりも、燃焼反応に必要な活性化エネルギーの壁を越えにくくなるため、ポスト噴射での燃焼が進行しにくくなる。そのため、ポスト噴射を行って生成される還元剤のうち還元能力が高いCOが生成されにくくなり、還元能力がCOよりも低いHCが残存しやすくなる。そのため、湿度が高い場合には、低い場合よりもポスト噴射によって生成される還元剤全体としての還元能力が低下してしまう。
なお、図3は、所定の運転条件においてポスト噴射を行って空燃比をリッチにした場合の吸入空気の湿度と排気中のHCの濃度を、本願発明者らが実験により測定した結果を示している。また、図4は、所定の運転条件においてポスト噴射を行って空燃比をリッチにした場合の吸入空気の湿度と排気中のCOの濃度を、本願発明者らが実験により測定した結果を示している。これら図3及び図4からも、吸入空気の湿度が高いほど、還元能力が高いCOが生成されにくく、還元能力がCOに比べて低いHCが残存しやすいという実験結果が得られた。
このように吸入空気の湿度が高い場合は、ポスト噴射を行っても還元能力の高いCOが生成されにくく、還元能力の低いHCが残存しやすい。そのため、吸入空気の湿度が高いときに、NOXを浄化するために燃焼室に供給される燃料として、吸入空気の湿度が低いときと同じ量の燃料を供給した場合には、吸入空気の湿度が低いときよりもHCの残存量が増加し燃焼室及び排気ポート6a〜6dにデポジットが付着してしまうとともに、生成される還元剤全体の還元能力が低下する。また、吸入空気の湿度が低い場合には、ポスト噴射によるHCの残存量が増加するため、残存したHCが排気とともに排気通路26を流れ、排気通路26の内壁やEGR通路13の内壁、さらにはターボチャージャ11のタービンホイールに付着してデポジット化することもある。また、ポスト噴射を行っても吸入空気の湿度が高い場合には、ポスト噴射で噴射された燃料が燃焼せず失火する場合もある。
そこで、本実施形態では、制御装置40が、吸入空気の湿度が高いときには、低いときよりも、燃料噴射弁4a〜4dによってNOX吸蔵触媒30に還元剤を供給するために噴射する燃料の量、すなわちポスト噴射により噴射される燃料の量を少なくするとともに、燃料添加弁5が噴射する燃料の量を多くするようにしている。すなわち、本実施形態の内燃機関の排気浄化装置は、制御装置40、燃料噴射弁4a〜4d、燃料添加弁5及び湿度センサ20を備えて構成されている。
詳細には、本実施形態では、湿度センサ20によって検出される吸入空気の湿度が所定値未満であるときには、ポスト噴射を実行することによりNOX吸蔵触媒30に吸蔵されたNOXを還元浄化する。
一方、湿度センサ20によって検出される吸入空気の湿度が所定値以上であるときには、基本的には、ポスト噴射を停止して燃料添加弁5により排気通路26に燃料を添加することによりNOXを浄化する。なお、本実施形態では、燃料添加弁5から排気に燃料を添加する場合には、上記還元性中間体を生成することにより、NOXがNOX吸蔵触媒30に吸蔵される前にNOXを還元浄化する。すなわち、燃料添加弁5から排気に燃料を添加する場合には、NOX吸蔵触媒30に流入するHCの濃度を予め設定した所定範囲内の振幅で予め設定した所定範囲内の所定周期で振動させるように、燃料添加弁5から噴射される燃料の量が制御されるとともに、その燃料噴射時期が上記周期に対応するように制御される。なお、以下では、燃料添加弁5から燃料を噴射して、HCの濃度を予め設定した所定範囲内の振幅で予め設定した所定範囲内の所定周期で振動させることを、単に排気燃料添加という。
ここで、この排気燃料添加は、NOX吸蔵触媒30に吸蔵される前のNOXを還元浄化する処理であり、NOX吸蔵触媒30に吸蔵されたNOXを浄化する処理ではない。また、この排気燃料添加は、NOX吸蔵触媒30の温度が所定温度未満である場合には、NOX吸蔵触媒30に吸蔵される前のNOXを還元浄化することができない。そこで、吸入空気の湿度が所定値以上である場合であっても、NOX吸蔵触媒30におけるNOXの吸蔵量が所定量以上であったり、NOX吸蔵触媒30の温度が所定温度未満であったりすることにより、排気燃料添加によるNOX浄化が適さない状況では、ポスト噴射によるNOX浄化制御を行うようにしている。
こうしたポスト噴射によるNOX浄化制御と排気燃料添加によるNOX浄化制御との切り替えは、図5のフローチャートに基づく処理を通じて、ポスト噴射実行フラグを「ON」と「OFF」とに切り換えることにより実行される。すなわち、このポスト噴射実行フラグは「ON」に設定されることにより、ポスト噴射によるNOX浄化制御が行われ、「OFF」に設定されることにより、排気燃料添加によるNOX浄化制御を行うためのフラグである。図5に示す処理は、機関運転中に制御装置40により所定周期毎に繰り返し実行される。
図5に示すように、NOX浄化制御の切り替え処理がスタートすると、まずステップS11において、湿度センサ20によって検出される吸入空気の湿度が所定値未満であるか否かが判定される。この所定値は、吸入空気の湿度が所定値未満である状況で、機関運転状態に基づくEGR量で且つ上記規定クランク角Cで規定量の燃料をポスト噴射で噴射した場合に、生成される還元剤のうちのCOの生成量が所定量以上であることにより、NOX吸蔵触媒30に吸蔵されたNOXを還元するために適した所望の還元能力が得られる値に設定されている。この所定値は、図4に示した湿度とCOの生成量との関係等の実験データや、シミュレーション等により予め設定されている。すなわち、ステップS11では、吸入空気の湿度が所定値未満であると判定されることにより、機関運転状態に基づくEGR量で且つ上記規定クランク角Cでポスト噴射を実行した場合に、NOX吸蔵触媒30に吸蔵されたNOXを適切に還元浄化することができることを判定するための処理である。
ステップS11において、肯定判定がなされた場合には(ステップS11:YES)、ステップS12に移り、ポスト噴射実行フラグが「ON」に設定される。そして、ステップS12の後に、ステップS13に移り、燃焼促進処理実行フラグを「OFF」に設定し、本処理を一旦終了する。すなわち、ステップS11で吸入空気の湿度が所定値未満であると判定された場合には、後記するポスト噴射による燃焼を促進する処理を行うことなく、機関運転状態に基づくEGR量で且つ上記規定クランク角Cでポスト噴射を行うことで、生成される還元剤が所望の還元能力を有していると推定される。したがって、ポスト噴射実行フラグが「ON」に設定されるとともに、燃焼促進処理実行フラグが「OFF」に設定される。
一方、ステップS11において、検出された吸入空気の湿度が所定値以上であることにより、ステップS11において否定判定がなされた場合には(ステップS11:NO)、ステップS14に移る。ステップS14では、排気燃料添加の許可条件が成立しているか否かが判定される。ここで、上記の通り、排気燃料添加は、NOX吸蔵触媒30に吸蔵されたNOXを還元浄化するための処理ではない。また、排気燃料添加では、NOX吸蔵触媒30の温度が所定温度未満である場合にも排気中のNOXを適切に浄化することができない。そこで、排気燃料添加の許可条件は、排気燃料添加の実行に適した状況であることを判定するための条件として設定されている。具体的には、NOX吸蔵触媒30におけるNOXの吸蔵量が所定量未満であること、及びNOX吸蔵触媒30の温度が所定温度以上であることの2つの条件が共に成立することが、排気燃料添加の許可条件とされている。
ステップS14の処理では、制御装置40が、まず、NOX吸蔵触媒30におけるNOX吸蔵量を検出する。詳細には、制御装置40は、この処理とは別の処理において、NOX吸蔵触媒30におけるNOX吸蔵量を所定周期毎に検出している。この検出処理では、まず、予め記憶した機関運転状態とNOXの発生量との関係に基づいて、単位時間あたりのNOXの発生量を導出する。そして、排気燃料添加の実行されている状況では、単位時間あたりのNOXの発生量を積算せず、排気燃料添加が実行されていない状況では、導出された単位時間あたりのNOXの発生量を積算してNOX吸蔵触媒30の吸蔵量とする。また、ポスト噴射が実行されると、NOX吸蔵触媒30におけるNOXの吸蔵量を「0」とする。こうした演算によりNOX吸蔵量を検出し、検出されるNOX吸蔵量が所定量未満であるときには、NOX吸蔵触媒30におけるNOXの吸蔵量が所定量未満であると判定される。なお、この所定量は、NOX吸蔵触媒30におけるNOX吸蔵量の上限値よりも小さく且つ上限値近傍の値に設定され、NOX吸蔵触媒30の吸蔵量が所定量以上であることにより、NOX吸蔵触媒30が吸蔵可能なNOXの量が少なく、吸蔵されたNOXを放出して還元する必要がある状況であることを推定することができる値に設定されている。また、制御装置40は、第1排気温度センサ28の検出値及び第2排気温度センサ29の検出値の平均値をNOX吸蔵触媒30の温度として検出し、検出されるNOX吸蔵触媒30の温度が、排気燃料添加によりNOX浄化が適切に行われる所定値以上であるか否かの判定を行う。
ステップS14において、排気燃料添加の許可条件が成立していると判定されるときには(ステップS14:YES)、ステップS15に移り、ポスト噴射実行フラグが「OFF」に設定された後に、ステップS16に移り、燃焼促進処理実行フラグが「OFF」に設定され、本処理が一旦終了される。すなわち、吸入空気の湿度が所定値以上であって且つ排気燃料添加の許可条件が成立しているときには、ポスト噴射によるNOX浄化制御に代わって排気燃料添加によるNOX浄化制御を実行すべく、ポスト噴射実行フラグが「OFF」に設定される。また、ポスト噴射を実行しないため、ポスト噴射の燃焼状態を促進するための燃焼促進処理実行フラグも「OFF」に設定される。
一方、ステップS14において、排気燃料添加の許可条件が成立していないと判定されるときには(ステップS14:NO)、ステップS17に移り、ポスト噴射実行フラグが「ON」に設定された後に、ステップS18に移り、燃焼促進処理実行フラグが「ON」に設定される。すなわち、吸入空気の湿度が所定値以上である場合であって、排気燃料添加の許可条件が成立していない場合には、機関運転状態に基づくEGR量で且つ上記規定クランク角Cでポスト噴射を行っても所望の還元能力の還元剤が得られないと推定されるものの、排気燃料添加によりNOXを還元浄化することもできない。そのため、ポスト噴射によるNOX浄化制御を実行しつつ、ポスト噴射による燃料の燃焼状態を促進する処理を実行して、ポスト噴射により生成される還元剤の還元能力の低下を抑制するために、燃焼促進処理実行フラグが「ON」に設定される。そして、ステップS18の処理の後、本処理を一旦終了する。
制御装置40は、図6のフローチャートに示す処理手順に従い、上記態様で設定されたフラグに応じたNOX浄化制御を実行する。図6に示す処理は、機関運転中に所定周期毎に繰り返し実行される。
図6に示すように、NOX浄化制御が開始されると、ステップS21において、ポスト噴射実行フラグが「ON」に設定されているか否かが判定される。ステップS21において、ポスト噴射実行フラグが「ON」に設定されていると判定されると(ステップS21:YES)、ステップS22に移り、排気燃料添加を停止する。ステップS22では、排気燃料添加が実行されている場合には、排気燃料添加を停止し、排気燃料添加が実行されていない場合には、そのまま排気燃料添加を停止した状態を維持する。
次に、ステップS23において、NOX吸蔵触媒30におけるNOX吸蔵量が所定量以上であるか否かが判定される。この所定量は、例えば、図5のステップS14において、排気燃料添加の許可条件の1つとして、NOX吸蔵量が所定量未満であるか否かを判定したのと、同様の態様でNOX吸蔵量が検出されるとともに、同様の態様で設定される所定量に基づいて判定がなされる。すなわち、ステップS23における、NOX吸蔵量の所定量は、NOX吸蔵量が所定量以上であることによって、NOX吸蔵触媒30が吸蔵可能なNOXの量が少ないことにより、吸蔵されたNOXを放出して還元する必要がある状況であることを示す値に設定される。したがって、ステップS23の処理は、ポスト噴射を実行してNOX吸蔵触媒30に吸蔵されたNOXを還元すべき時期であるか否かを判定するための処理である。
ステップS23においてNOXの吸蔵量が所定量以上ではないと判定されると(ステップS23:NO)、本処理が一旦終了される。すなわち、ポスト噴射実行フラグは「ON」に設定されていても、NOX吸蔵触媒30のNOX吸蔵量が所定量未満である場合には、未だNOX吸蔵触媒30にNOXを吸蔵可能な状態であることから、ポスト噴射を実行することなく本処理を終了する。
一方、ステップS23においてNOXの吸蔵量が所定量以上であると判定された場合には(ステップS23:YES)、ステップS24において、燃焼促進処理実行フラグが「ON」に設定されているか否かが判定される。ステップS24において、燃焼促進処理実行フラグが「ON」に設定されていない場合は(ステップS24:NO)、ステップS25に移り、ポスト噴射が実行されて、本処理が一旦終了される。すなわち、燃焼促進処理実行フラグが「ON」に設定されていない場合は、機関運転状態に基づくEGR量で規定クランク角Cにポスト噴射を実行した場合に、生成される還元剤全体として所望の還元能力が得られると推定されるため、燃焼促進処理を実行することなく、ポスト噴射を実行する。これにより、エンジン運転中において一時的に、ポスト噴射が継続して実行される。なお、ポスト噴射が継続して実行される期間は、ポスト噴射により供給された燃料により、NOX吸蔵触媒30におけるNOXの吸蔵量が予め設定した量以下となり「0」とみなせる程度にまで減少させることができる期間に設定される。
一方、ステップS24において、燃焼促進処理実行フラグが「ON」に設定されている(ステップS24:YES)と判定される場合には、ステップS26において、燃焼室内のガス温度の推移を推定する。ステップS26では、制御装置40は、エアフロメータ19によって検出される吸入空気量、湿度センサ20によって検出される吸入空気の湿度、機関運転状態に基づくEGR量等に基づいて燃焼室内におけるガスの熱容量を算出する。そして、算出された熱容量が大きいほど、また吸気温度センサ22によって検出される吸入空気の温度が高いほど、またメイン噴射による燃料噴射量が多いほど、燃焼室内の燃焼ガス温度が高い温度で変化すると推定する。
次に、ステップS27に移り、燃焼促進処理が実行される。この処理では、ステップS26において推定された燃焼ガス温度の推移が低いほど、機関運転状態に基づくEGR量よりも少ないEGR量となるように、EGR弁15の開度を機関運転状態に基づいて設定される開度よりも小さい開度に制御する。これにより、メイン噴射における燃焼温度を上昇させるとともに、燃焼室内の酸素濃度を上昇させることにより、ポスト噴射により噴射された燃料が失火せず、燃焼が進みやすくする処理を行う。また、ステップS26において推定された燃焼ガス温度の推移が低いほど、ポスト噴射時期を規定クランク角Cよりも進角させるようにポスト噴射時期を設定する。これにより、メイン噴射による燃焼後の早期にポスト噴射を実行することにより、ポスト噴射により噴射された燃料が失火せず、燃焼が進みやすくなるようにする。
そして、ステップS25において、機関運転状態に基づくEGR量よりも低減されたEGR量において、ステップS27において規定クランク角Cよりも進角されるように設定された噴射時期でポスト噴射が実行され、本処理が一旦終了される。これにより、吸入空気の湿度が高い場合でも、ポスト噴射による燃料が失火することを抑制して、ポスト噴射によって噴射された燃料から生成される還元剤の還元能力が低下することが抑制される。
一方、ステップS21において、ポスト噴射実行フラグが「ON」ではないと判定された場合には(ステップS21:NO)、ステップS31に移り、排気燃料添加の実行条件が成立しているか否かが判定される。ステップS31では、制御装置40は、予め記憶した機関運転状態とNOXの発生量との関係に基づいて、単位時間あたりのNOXの発生量を導出する。そして、単位時間あたりのNOXの発生量が基準量以上である場合には、排気燃料添加の実行条件が成立する。ここで、単位時間あたりのNOXの発生量が多い場合には、NOX吸蔵触媒30に流入するNOXの量が多くなり、NOX吸蔵触媒30へのNOXの吸蔵量の増加度合いも大きくなる。一方、排気燃料添加では、エンジン1の出力に寄与しない燃料が排気中に添加されるため、燃費の低下を抑制するという点においては、単位時間あたりにNOX吸蔵触媒30に流入するNOXの量がさほど多くない場合には、排気燃料添加を行うことなく、NOX吸蔵触媒30に流入するNOXを同触媒30に吸蔵させておくことが適している状況もある。そこで、ステップS31では、単位時間あたりにNOX吸蔵触媒30に流入するNOXの量が、基準量以上である場合に、排気燃料添加の実行条件が成立したとの判定がなされる。すなわち、この判定に用いる基準量は、NOXの発生量が基準量以上であることを条件に排気燃料添加を実行することで、NOX吸蔵触媒30におけるNOXの吸蔵量の増加を抑制しつつ、燃費の低下を抑制することができるような値が適宜設定されている。ステップS31において、排気燃料添加の実行条件が成立していると判定されると(ステップS31:YES)、ステップS32に移り、排気燃料添加を実行する。排気燃料添加は、ステップS32の処理がなされた後に、先のステップS22における排気燃料添加停止処理がなされるまで、又は後述するステップS33において排気燃料添加停止処理がなされるまで、継続される。また、ステップS32において、排気燃料添加が既に実行されている場合には、排気燃料添加を継続して実行する。そして、ステップS32の後に、本処理が一旦終了される。
一方、ステップS31において、排気燃料添加の実行条件が成立していないと判定される場合には(ステップS31:NO)、ステップS33において排気燃料添加を停止し、本処理が一旦終了される。すなわち、排気燃料添加が実行されている場合には、排気燃料添加を停止し、排気燃料添加が実行されていない場合には、そのまま排気燃料添加が停止される。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、湿度センサ20によって検出される吸入空気の湿度が所定値未満である場合には、ポスト噴射を実行することにより、NOX吸蔵触媒30に吸蔵されたNOXを還元する。そして、本実施形態では、湿度センサ20によって検出される吸入空気の湿度が所定値以上である場合には、排気燃料添加の許可条件が成立するときに、ポスト噴射を禁止して、燃料添加弁5により排気通路26中の排気に燃料を添加する排気燃料添加を実行する。すなわち、湿度センサ20によって検出される吸入空気の湿度が高いときであって、排気燃料添加の許可条件が成立するときには、湿度が低いときよりも、燃料噴射弁4a〜4dにおいてNOX吸蔵触媒30に還元剤を供給するために噴射する燃料の量を少なくして、ポスト噴射量を「0」にするとともに、燃料添加弁5が噴射する燃料の量を多くする。これにより、燃焼室に燃料を噴射しても、吸入空気の湿度が高いことによって還元剤のうち還元能力が高いCOが生成されにくくHCが残存しやすい状況では、還元剤を供給するために燃焼室に噴射する燃料の量が少なくされる。したがって、吸入空気の湿度が高い状況で、還元剤を供給するためのポスト噴射を、吸入空気の湿度が低いときと同様に実行することに起因した燃焼室及び排気ポート6a〜6dへのデポジット付着を抑制することができる。また、吸入空気の湿度が高い場合には、このように燃焼室に噴射する燃料の量を少なくするものの、この減量分は、燃料添加弁5による排気燃料添加により補われる。したがって、NOX吸蔵触媒30においてNOXを浄化することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態の排気浄化装置は、湿度センサ20によって検出される吸入空気の湿度が所定値未満のときには、ポスト噴射が実行されて排気燃料添加が停止される。一方、湿度センサ20によって検出される吸入空気の湿度が所定値以上のときであって、排気燃料添加の許可条件が成立するときには、ポスト噴射が停止されて排気燃料添加が実行される。したがって、ポスト噴射によるHCが残存しやすい状況で、ポスト噴射を実行することに起因した燃焼室及び排気ポート6a〜6dへのデポジット付着を抑制することができる。また、排気通路26の内壁やEGR通路13の内壁、さらにはターボチャージャ11のタービンホイールにおけるHC由来のデポジット付着も抑制することができる。また、吸入空気の湿度が高い場合には、このように燃焼室に噴射する燃料の量を少なくするものの、この減量分は、燃料添加弁5による排気燃料添加により補われるため、NOX吸蔵触媒30においてNOXを浄化することができる。
(2)本実施形態の排気浄化装置では、湿度センサ20によって検出される吸入空気の湿度が所定値以上である場合であっても、排気燃料添加の許可条件が成立していないときには、ポスト噴射が実行されるとともに、ポスト噴射による燃焼を促進させる処理が実行される。これにより、吸入空気の湿度が所定値以上である場合であることにより、機関運転状態に基づくEGR量で規定クランク角Cでのポスト噴射を行った場合に、ポスト噴射により噴射された燃料の燃焼が進みにくい状況では、ポスト噴射による燃料の燃焼を促進する処理が行われる。したがって、ポスト噴射で噴射された燃料により生成される還元剤の還元能力が低下することを抑制することができる。
なお、内燃機関の排気浄化装置は、上記実施形態に例示した態様に限定されず、以下のように変形して実施するようにしてもよい。また、以下の変形例において組み合わせ可能なものは、適宜組み合わせて上記実施形態に適用することもできる。
・上記実施形態では、燃焼室に燃料を噴射することによりNOX吸蔵触媒30に還元剤を供給するにあたって、燃料噴射弁4a〜4dからメイン噴射後の燃料噴射であるポスト噴射を実行するようにしている。しかしながら、燃焼室に燃料を噴射することによりNOX吸蔵触媒に還元剤を供給する際には、メイン噴射による噴射量を還元剤の供給を行わない燃料噴射時よりも増量することにより、NOX吸蔵触媒30に還元剤を供給するようにしてもよい。また、燃料噴射弁4a〜4dから燃焼室に燃料を噴射することによりNOX吸蔵触媒に還元剤を供給する際には、空燃比をリッチ化するだけでなく、理論空燃比とするようにしてもよい。
・上記実施形態における燃焼促進処理では、EGR弁15の開度を機関運転状態に基づく開度よりも小さくするとともに、ポスト噴射の噴射時期を規定クランク角Cよりも進角させるようにしている。しかしながら、燃焼促進処理では、EGR弁15の開度制御とポスト噴射の噴射時期制御とのうちのいずれか一方のみを行うようにしてもよい。また、そのほかの制御により、燃焼状態を促進させるようにしてもよい。
・上記実施形態において、図5のステップS14の処理を省略してもよい。すなわち、吸入空気の湿度が所定値以上である場合には、常にステップS15に移り、ポスト噴射実行フラグが「OFF」に設定されて、排気燃料添加が実行されるようにしてもよい。なおこの場合は、燃焼促進処理を行わないポスト噴射と排気燃料添加との切り換えが行われることになる。
・上記実施形態において、図6のステップS31の処理は省略してもよい。すなわち、ポスト噴射実行フラグが「OFF」になっているときには、単位時間あたりのNOXの発生量に依らず、排気燃料添加を行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、燃料添加弁5により排気燃料添加を行う場合には、NOX吸蔵触媒30に流入するHCの濃度を予め定められた範囲内の振幅で、予め定められた範囲内所定周期で振動させるように、燃料添加弁5の噴射時期及び噴射量を制御するようにしている。しかしながら、燃料添加弁5により燃料を噴射してNOX吸蔵触媒30においてNOXを浄化するにあたっては、NOX吸蔵触媒30に吸蔵される前のNOXを浄化する場合に限らず、排気に燃料を添加して還元剤をNOX吸蔵触媒30に供給することで、NOX吸蔵触媒30に吸蔵されたNOXを浄化するようにしてもよい。
・上記実施形態では、NOX吸蔵触媒30に還元剤を供給するために、燃料噴射弁4a〜4dによる燃料噴射及び燃料添加弁5による燃料噴射のうちの何れか一方を実行するようにしている。しかしながら、NOX吸蔵触媒30に還元剤を供給するための燃料噴射を燃料噴射弁4a〜4dと燃料添加弁5との双方により実行しつつ、吸入空気の湿度が高いほど、燃料噴射弁4a〜4dにより供給される燃料の量を減量するとともに、燃料添加弁5により添加される燃料の量を増量するようにしてもよい。なお、この場合において、NOX吸蔵触媒30に吸蔵される前のNOXを浄化する場合には、燃料噴射弁4a〜4dと燃料添加弁5との双方により供給される燃料によって、NOX吸蔵触媒30に供給されるHCの濃度を予め設定した所定範囲内の振幅で予め設定した所定範囲内の所定周期で振動させる必要がある。
・NOX吸蔵触媒30におけるNOXの吸蔵量の導出態様、NOX吸蔵触媒30の温度検出態様、燃焼室内における燃焼ガスの温度推移の推定態様、各判定に用いた値等は、上記実施形態に例示した態様に限定されない。例えば、燃焼室内の燃焼ガスの温度推移を推定するにあたっては、大気圧等も考慮してもよい。NOX吸蔵触媒30の温度は、第1排気温度センサ28及び第2排気温度センサ29の検出温度の一方のみから推定してもよいし、外気温度が高いほど、機関始動からの経過時間が長いほど高いと推定することにより導出するようにしてもよい。
・排気浄化装置が適用される内燃機関は、上記実施形態で限定した構成に限定されない。例えば、内燃機関は直列4気筒以外の内燃機関であってもよいし、ガソリンエンジンであってもよい。また、ガソリンエンジンに適用する場合には、ガソリンエンジンは、内燃機関の燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁として、筒内噴射弁とポート噴射弁との少なくとも一方を備えるものであればよい。排気通路26にNOX吸蔵触媒30以外の触媒や排気中の粒子状物質を捕集するフィルタが設けられていてもよい。