JP6431410B2 - バンパ構造体 - Google Patents

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本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂を射出成形して形成したエネルギー吸収体をバンパビームに取り付けたバンパ構造体に関する。
一般的に、自動車車体等の前後部には、衝撃荷重が加えられたときにエネルギーを吸収するべく、バンパ構造体が設けられる。具体的には、バンパ構造体は、バンパビームにエネルギー吸収体が取り付けられて構成されている。このバンパビームが車体の車幅方向に沿って延在し、且つエネルギー吸収体の本体部が車体の前後方向に沿って延在するように車体に設けられる。
すなわち、エネルギー吸収体は、その本体部の一端側がバンパビームに取り付けられ、且つ他端側が車体のフレーム等に取り付けられる。これによって、バンパビームは、例えば、その延在方向の両端がエネルギー吸収体に支持された状態で、車体に対して位置決め固定される。
このバンパ構造体では、主に、車体の前後方向に沿って荷重が加えられる。この場合、バンパビームが変形してエネルギーを吸収する。このようにバンパビームが変形すると、該バンパビームを支持しているエネルギー吸収体に対して、バンパビームの延在方向に沿って引張荷重が加えられることになる。なお、バンパ構造体に、バンパビームの変形によって吸収可能なエネルギーを上回る荷重が付与された場合、バンパビームからエネルギー吸収体に荷重が伝達され、該エネルギー吸収体が圧縮破壊されながらエネルギーを吸収する。
このようなエネルギー吸収体の材料としては、金属等に比して軽量であり且つ成形も容易である繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)を用いることが好ましい。例えば、特許文献1には、バンパビームに対して、FRTPからなるエネルギー吸収体を取り付けたバンパ構造体が提案されている。
特開2007−15626号公報
FRTPからエネルギー吸収体を得る場合、生産効率の向上や低コスト化等を図るべく射出成形方法を採用することが好ましい。この場合、成形時に金型内で溶融樹脂の流れが合流して融着した部分に、他部位に比して強度が低いウェルドラインが形成される。
従って、FRTPからなるエネルギー吸収体では、他部位より低強度であるウェルドラインに過剰な荷重が加えられてしまい、割れ等が生じる懸念がある。この場合、エネルギー吸収体によりバンパビームを支持することができなくなってしまい、バンパビームが十分に変形してエネルギーを吸収することが困難になる。その結果、バンパ構造体によってエネルギーを効率的に吸収することが困難になる懸念がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、エネルギー吸収体にウェルドラインを起点とした割れ等が生じることを抑制できることにより、エネルギーを効率的に吸収可能なバンパ構造体を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂を射出成形して形成した閉断面構造の本体部を有し、ウェルドラインが形成されたエネルギー吸収体を、車体の車幅方向に沿って延在するバンパビームに取り付けることで、前記本体部が前記車体の前後方向に沿って延在するバンパ構造体であって、前記ウェルドラインの一端と他端は、前記エネルギー吸収体の前記前後方向の前端部と後端部にそれぞれ配置され、前記バンパビームに臨む前記本体部の前端の開口のうち、前記車体の上下方向の上端と下端の中点である第1中点を通って前記バンパビームの延在方向に沿って延在する第1仮想線と、前記開口のうち、前記バンパビームの延在方向の一端と他端の中点である第2中点を通って前記車体の上下方向に延在する第2仮想線との交点と、前記ウェルドラインの一端と、を通る仮想線を配置線としたとき、前記第1仮想線に対する前記配置線の傾斜角度が30°以内であることを特徴とする。
バンパ構造体に荷重が加えられると、バンパビームが変形することに伴い、該バンパビームを支持するエネルギー吸収体には引張荷重が加えられる。この際、引張荷重は、バンパビームに取り付けられたエネルギー吸収体の前端側に対して、該バンパビームの延在方向に沿って作用する。エネルギー吸収体では、後端側が車体のフレーム等に対して固定されているため、本体部に、車幅方向外方に膨出するような曲げ応力が作用する。
また、バンパ構造体のエネルギー吸収量は、該バンパ構造体の変位−荷重(反力)線図における、変位−荷重曲線と変位軸との間の面積として表すことができる。変位−荷重線図は、例えば、インパクタによってバンパ構造体に荷重を加える際のインパクタの変位と、該インパクタとバンパ構造体の間に発生する反力とから求めることができる。このため、バンパ構造体のエネルギー吸収量は、上記の変位量及び反力の大きさに基づいて定められる。
本発明に係るバンパ構造体では、上記の傾斜角度を30°以内とする。すなわち、上記の引張荷重が加えられる方向である、バンパビームの延在方向に応じて、ウェルドラインが配置されている。この傾斜角度を0°に近づけるほど、上記の曲げ応力に対するエネルギー吸収体の断面二次モーメントの低下を抑制することができる。このため、ウェルドラインが形成されていないエネルギー吸収体の剛性に近づけることができる。
同様に、傾斜角度を0°に近づけるほど、上記の反力を大きくすることができ、且つ傾斜角度を30°に近づけるほど、上記の変位量を大きくすることができる。このため、上記の通り、傾斜角度を30°以内とすることで、変位量及び反力の大きさに基づいて定められるエネルギー吸収量を十分な大きさとすることができる。
以上から、本発明に係るバンパ構造体では、繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形によりエネルギー吸収体を形成できるため、軽量性及び生産性を向上させることができる。また、上記の射出成形により形成されたエネルギー吸収体であっても、ウェルドラインに過剰な荷重が加えられることを抑制できるため、該ウェルドラインに割れ等が生じることを抑制できる。従って、荷重により変形するバンパビームをエネルギー吸収体によって十分に支えつつ、エネルギーを効率的に吸収することが可能になる。
上記のバンパ構造体において、前記バンパビームの延在方向に前記配置線が沿うことが好ましい。この場合、傾斜角度を0°とすることができるため、エネルギー吸収体にウェルドラインが形成されていても、ウェルドラインが形成されていない場合と同様の剛性を示すバンパ構造体を得ることができる。また、上記の反力を最大とすることができる。このため、荷重により変形するバンパビームをエネルギー吸収体によって一層効果的に支えつつ、エネルギーを効率的に吸収することが可能になる。
上記のバンパ構造体において、前記ウェルドラインは、前記車体の前後方向に沿って延在することが好ましい。このバンパ構造体では、ウェルドラインの延在方向に沿って荷重が加えられる。従って、エネルギー吸収体に荷重が加えられた際に、主せん断応力が作用する面(主せん断応力面)に、他部位よりも強度が低いウェルドラインが配置されることを回避できる。また、車体の前後方向に対して傾斜した方向から荷重が加えられた場合であっても、ウェルドラインに過大な曲げ応力が加えられることを回避できる。その結果、ウェルドラインに割れ等が生じることを抑制してエネルギーを効率的に吸収することが可能になる。
本発明に係るバンパ構造体では、繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形によりエネルギー吸収体を形成できるため、軽量性及び生産性を向上させることができる。また、引張荷重が加えられる方向である、バンパビームの延在方向に応じて、ウェルドラインが配置されているため、該ウェルドラインに過剰な荷重が加えられることを抑制できる。これにより、ウェルドラインに割れ等が生じることを抑制でき、荷重により変形するバンパビームをエネルギー吸収体によって十分に支えつつ、エネルギーを効率的に吸収することが可能になる。
本実施形態に係るバンパ構造体の概略斜視図である。 図1のバンパ構造体の要部拡大斜視図である。 図1のエネルギー吸収体の射出成形に用いられるキャビティの概略斜視図である。 図1のバンパ構造体に荷重が加えられた様子を説明する概略正面図である。 図1のバンパ構造体のエネルギー吸収体に引張荷重が加えられた様子を説明する概略平面図である。 比較例に係るバンパ構造体のエネルギー吸収体に引張荷重が加えられた様子を説明する概略平面図である。 本体部が四角柱形状のバンパ構造体と、本体部が円筒形状のバンパ構造体の各々についての傾斜角度と断面二次モーメントとの関係を示す解析図である。 バンパ構造体の傾斜角度ごとに解析した変位−荷重線図である。 傾斜角度とエネルギー吸収量との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例に係るバンパ構造体について、それぞれ圧壊試験を行って得られた変位−荷重線図である。
以下、本発明に係るバンパ構造体につき好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係るバンパ構造体は、例えば、自動車車体等の前後部に設けられ、衝撃力等の荷重が加えられた際に、エネルギーを吸収するものである。以下では、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態に係るバンパ構造体10が、自動車車体(不図示)の前方に取り付けられている例について説明する。なお、図1は、バンパ構造体10の概略斜視図である。図2は、バンパ構造体10の要部拡大斜視図であり、説明の便宜上、バンパビーム12を二点鎖線で示している。
図1及び図2では、車体(不図示)の前後方向Xの前方をX1側、後方をX2側としている。主に、この前後方向Xに沿ってX1側からX2側へバンパ構造体10に荷重が加えられる。
図1に示すように、バンパ構造体10は、バンパビーム12の延在方向の両端にエネルギー吸収体14がそれぞれ取り付けられて構成される。また、後述するように、このバンパ構造体10は、バンパビーム12が車体の車幅方向Yに沿って延在し、且つエネルギー吸収体14の本体部16が前後方向Xに沿って延在するように車体に設けられる。
バンパビーム12は、例えば、アルミニウム合金や高張力鋼等の金属材料や、繊維強化樹脂等からなり、車幅方向Yに沿って延在し、上記の荷重が加えられた方向に応じて変形しながらエネルギーを吸収する。
エネルギー吸収体14は、繊維強化熱可塑性樹脂を射出成形することにより成形される。この繊維強化熱可塑性樹脂を構成するマトリックス樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチロール樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アセタール樹脂等の種々の熱可塑性樹脂等から、用途に応じて適宜選択することができる。
一方、強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、セルロース繊維等の有機繊維等が挙げられる。バンパビーム12を金属製とした場合、電食が生じる懸念を払拭するため、電気絶縁性を示すものが好ましい。また、強化繊維の長さは、例えば1.0〜2.0mmとすることができるが、特にこれに限定されるものではなく、射出成形することが可能な範囲内で適宜設定されればよい。
図2に示すように、エネルギー吸収体14は、閉断面構造からなる本体部16を有する。本実施形態では、本体部16は、前後方向Xの先端側(X1側)から後端側(X2側)に向かって拡開する中空の八角柱形状であるものとするが、該本体部16の形状は、特にこれに限定されるものではない。例えば、本体部16は、前後方向Xの先端側から後端側にかけて同一寸法であってもよい。また、八角柱形状以外にも種々の角柱形状や円筒形状であってもよい。
この本体部16の先端側の開口18の縁部には、第1フランジ部20が一体に形成され、且つ後端側の開口22の縁部には、第2フランジ部24が一体に形成されている。第1フランジ部20は、ボルト(不図示)が挿通される複数のボルト穴26が形成されている。これらのボルト穴26と、バンパビーム12に設けられた複数のボルト穴28とを重ね合わせた状態でボルトを挿通し、ナット(不図示)と螺合させることで、エネルギー吸収体14のX1側の端部をバンパビーム12に取り付けることができる。
第2フランジ部24は、第1フランジ部20と同様に複数のボルト穴30が形成され、該ボルト穴30に挿通されるボルトを介して車体の所定の固定部位にねじ止めされている。すなわち、エネルギー吸収体14の本体部16の先端側がバンパビーム12に取り付けられ、且つ他端側が車体のフレーム等に取り付けられる。
これによって、一組のエネルギー吸収体14は、バンパビーム12の延在方向(車幅方向Y)の両端を支持した状態で、該バンパビーム12を車体に対して位置決め固定する。
また、エネルギー吸収体14は、上記の通り、射出成形により形成されるため、成形時に溶融樹脂の流れが合流して融着した部分として、ウェルドライン32が形成されている。ここでは、ウェルドライン32は、開口18、22を介して車幅方向Yに互いに対向する位置に一組(2本)形成されている。
これらのウェルドライン32のそれぞれは、エネルギー吸収体14に対して、前後方向Xに沿って延在するように配置される。従って、ウェルドライン32の一端32aは、エネルギー吸収体14の前端部に配置され、他端32bは、エネルギー吸収体14の後端部のうち、上記の一端32aと前後方向Xに沿って対向する箇所に配置される。
また、このウェルドライン32は、バンパビーム12の延在方向(第1仮想線L2)に対する配置線L1の傾斜角度θが30°以内となるように配置されている。ここで、配置線L1とは、第1仮想線L2と第2仮想線L3との交点Qと、ウェルドライン32の一端32aとを通る仮想線である。
第1仮想線L2は、本体部16の前端の開口18のうち、車体の上下方向Zの上端と下端の中点である第1中点を通って車幅方向Y(バンパビーム12の延在方向)に沿って延在する仮想線である。また、第2仮想線L3は、開口18のうち、車幅方向Yの一端と他端の中点である第2中点を通って上下方向Zに延在する仮想線である。なお、図1及び図2では、傾斜角度θが0°の場合を例示している。
このように、ウェルドライン32の配置を設定したエネルギー吸収体14の製造方法の一例として、例えば、図3に示すキャビティ34を形成することが可能な金型(不図示)を用いた射出成形が挙げられる。なお、図3に示すキャビティ34では、エネルギー吸収体14を成形した際に、ウェルドライン32が形成されるウェルドライン形成予定部位36を二点鎖線で示している。また、図3では、傾斜角度θが0°となるウェルドライン32を得る場合のウェルドライン形成予定部位36を例示している。
図3に示すように、キャビティ34は、エネルギー吸収体14を一体的に射出成形により得ることが可能な形状に形成されている。また、キャビティ34には、溶融樹脂を供給するための湯口38が連通している。湯口38は、ウェルドライン形成予定部位36と略平行に延在している。この湯口38が二股に分岐することで、該湯口38を中心とする直線状に一組の注入路40、42が形成される。
注入路40、42は、一組のウェルドライン形成予定部位36の両方を通る平面に直交する面内において、互いに対向してキャビティ34に連通するように配置されている。後述するように、注入路40、42の延在方向を調整することで、エネルギー吸収体14に設けられる配置線L1の方向を調整することができる。すなわち、この射出成形により得られるエネルギー吸収体14では、注入路40、42の延在方向と直交する方向に配置線L1が設けられる。
上記の湯口38から供給された溶融樹脂は、注入路40、42のそれぞれからキャビティ34内に充填されていく。この際、キャビティ34内では、溶融樹脂が、矢印Aで示す方向に回り込むように流動する。その結果、注入路40から流入する溶融樹脂の流れと、注入路42から流入する溶融樹脂の流れとが、互いの中間地点であるウェルドライン形成予定部位36で合流することになる。そして、このように合流した溶融樹脂が融着することで、ウェルドライン形成予定部位36にウェルドライン32が形成される。
すなわち、上記の射出成形によって、前後方向Xに沿って延在し、且つ配置線L1の傾斜角度θが30°以内となるように配置されたウェルドライン32を形成することができる。
そして、キャビティ34内に充填した溶融樹脂が固化した後に、型開きを行うことで、エネルギー吸収体14を得ることができる。なお、エネルギー吸収体14の製造方法としては、上記した配置となるようにウェルドライン32を形成することが可能であればよく、上記の成形方法に限定されるものではない。
このバンパ構造体10に前後方向Xに沿って荷重が加えられた様子について、図4及び図5を参照しつつ説明する。図4は、バンパ構造体10に荷重が加えられた様子を説明する概略正面図であり、図5は、バンパ構造体10のエネルギー吸収体14に引張荷重が加えられた様子を説明する概略平面図である。なお、図5では、傾斜角度θが0°の場合を例示している。
また、図6には、比較例に係るバンパ構造体44として、傾斜角度θが90°であるエネルギー吸収体46に対して同様に引張荷重が加えられた様子を説明する概略平面図を示す。図4〜図6では、説明の便宜上、バンパビーム12を二点鎖線で示す。
図4の矢印で示すように、バンパ構造体10に前後方向Xに沿って荷重が加えられると、バンパビーム12が変形しつつエネルギーを吸収する。このため、図5に示すように、バンパビーム12を支持しているエネルギー吸収体に対して、バンパビーム12の延在方向に沿って引張荷重Pが加えられることになる。
この際、引張荷重Pは、バンパビーム12に取り付けられたエネルギー吸収体14の前端側に対して作用する。エネルギー吸収体14では後端側が車体のフレーム等に対して固定されているため、本体部16には車幅方向外方に膨出するような曲げ応力が作用することになる。
ここで、図7に、傾斜角度θと、断面二次モーメントとの関係を示す解析図を示す。図7では、本体部16が四角柱形状である場合を実線で示し、本体部16が円筒形状である場合を一点鎖線で示す。また、図7の縦軸は、ウェルドライン32が形成されていないエネルギー吸収体14の断面二次モーメントを1とした場合の比率を示している。また、図7では、本体部16がウェルドライン32に沿って破断している場合を想定して解析を行っている。
図7から明らかな通り、本体部16の形状に関わらず、傾斜角度θを0°に近づけるほど、上記の曲げ応力に対するエネルギー吸収体14の断面二次モーメントの低下を抑制することができる。すなわち、傾斜角度θを0°に近づけるほど、ウェルドライン32が形成されていない状態のエネルギー吸収体14の剛性に近づけることができる。
また、傾斜角度θを90°まで大きくすると、傾斜角度θを0°にした場合に比して、断面二次モーメントの大きさが1/5程度となってしまうことが分かる。
また、図8に、傾斜角度θを0°、20°、30°、45°、90°としたバンパ構造体のそれぞれについて解析した変位−荷重線図を示す。また、図8に示す変位−荷重線図における、変位−荷重曲線と変位軸との間の面積からバンパ構造体のエネルギー吸収量を求めた。図9は、傾斜角度θと、上記のようにして得たエネルギー吸収量との関係を示すグラフである。
なお、変位−荷重線図は、例えば、インパクタによってバンパ構造体に荷重を加える際のインパクタの変位と、該インパクタとバンパ構造体の間に発生する反力とから求めることができる。このため、バンパ構造体のエネルギー吸収量は、上記の変位量及び反力の大きさに基づいて定められる。
図8から、傾斜角度θを0°に近づけるほど、上記の反力を大きくすることができることが分かる。また、傾斜角度を30°に近づけるほど、上記の変位量を大きくすることができることが分かる。
さらに、図9から、傾斜角度θを30°以内とすることで、変位量及び反力の大きさに基づいて定められるエネルギー吸収量を十分な大きさとすることができることが分かる。一方、傾斜角度θを30°を超えて大きくすると、エネルギー吸収量が低下しはじめる。そして、傾斜角度θが90°に達すると、傾斜角度θが0°の場合に比して、エネルギー吸収量が大幅に低下することが分かる。
本実施形態に係るバンパ構造体10では、引張荷重Pが加えられる方向である、バンパビーム12の延在方向に対する配置線L1の傾斜角度θが30°以内となるように設定されている。これによって、例えば、図6に示すような、傾斜角度θが90°であるバンパ構造体44に比して、断面二次モーメント(剛性)を大幅に大きくすることができる。また、図5に示すように、本実施形態に係るバンパ構造体10の傾斜角度θを0°とした場合、ウェルドライン32が形成されていない状態のエネルギー吸収体14と略同様の剛性を得ることができる。
さらに、本実施形態に係るバンパ構造体10では、傾斜角度を30°以内とすることで、変位量及び反力の大きさに基づいて定められるエネルギー吸収量を十分な大きさとすることができる。つまり、上記の剛性や反力に優れたバンパ構造体10を得る必要がある場合には、傾斜角度θを0°に近づければよい。また、エネルギー吸収量が大きいバンパ構造体10を得る必要がある場合には、傾斜角度θを30°に近づければよい。
また、バンパ構造体10では、上記の通り、ウェルドライン32が、前後方向Xに沿って延在している。このため、図4に示す通り、前後方向Xに沿って荷重が加えられると、ウェルドライン32の延在方向に沿って荷重が加えられることになる。従って、エネルギー吸収体14に荷重が加えられた際に、主せん断応力が作用する面(主せん断応力面)に、他部位よりも強度が低いウェルドライン32が配置されることを回避できる。ここで、主せん断応力面は、荷重が加えられる前後方向Xに対して45°傾斜した面である。
以上から、バンパ構造体10では、繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形によりエネルギー吸収体14を形成できるため、軽量性及び生産性を向上させることができる。また、上記の射出成形により形成されたエネルギー吸収体14であっても、ウェルドライン32に過剰な荷重が加えられることを抑制できるため、該ウェルドライン32に割れ等が生じることを抑制できる。従って、荷重により変形するバンパビーム12をエネルギー吸収体14によって十分に支えつつ、エネルギーを効率的に吸収することが可能になる。
本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態に係るエネルギー吸収体14では、開口18、22を介して車幅方向Yに互いに対向する位置に一組(2本)のウェルドライン32が形成されることとした。しかしながら、ウェルドライン32の本数は特にこれに限定されるものではなく、1本であってもよい。
また、一組のウェルドライン32同士が上記の通り対向して配置されていなくてもよい。この場合、ウェルドライン32の各々について、その一端32aと交点Qとを通る配置線L1が、車幅方向Yとなす角度である傾斜角度θが30°以内となるように設定すればよい。これによって、上記の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
図5に示すバンパ構造体10と、図6に示すバンパ構造体44の各々に対して、ペンデュラム形状圧子を備えた試験機を用いて、20mm/分の速度で圧壊試験を行った。その結果得られた変位−荷重線図を図10に示す。
図10から、本実施形態に係るバンパ構造体10では、反力及び変位量の何れも、比較例に係るバンパ構造体44に比して大きいことがわかる。すなわち、傾斜角度θを0°としたバンパ構造体10では、傾斜角度θを90°とした場合に比して、エネルギーを効率的に吸収することが可能になる。
10、44…バンパ構造体 12…バンパビーム
14、46…エネルギー吸収体 16…本体部
18、22…開口 20…第1フランジ部
24…第2フランジ部 26、28、30…ボルト穴
32…ウェルドライン 32a…一端
32b…他端 34…キャビティ
36…ウェルドライン形成予定部位 38…湯口
40、42…注入路

Claims (3)

  1. 繊維強化熱可塑性樹脂を射出成形して形成した閉断面構造の本体部を有し、ウェルドラインが形成されたエネルギー吸収体を、車体の車幅方向に沿って延在するバンパビームに取り付けることで、前記本体部が前記車体の前後方向に沿って延在するバンパ構造体であって、
    前記ウェルドラインの一端と他端は、前記エネルギー吸収体の前記前後方向の前端部と後端部にそれぞれ配置され、
    前記バンパビームに臨む前記本体部の前端の開口のうち、前記車体の上下方向の上端と下端の中点である第1中点を通って前記バンパビームの延在方向に沿って延在する第1仮想線と、前記開口のうち、前記バンパビームの延在方向の一端と他端の中点である第2中点を通って前記車体の上下方向に延在する第2仮想線との交点と、
    前記ウェルドラインの一端と、を通る仮想線を配置線としたとき、
    前記第1仮想線に対する前記配置線の傾斜角度が30°以内であることを特徴とするバンパ構造体。
  2. 請求項1記載のバンパ構造体において、
    前記バンパビームの延在方向に前記配置線が沿うことを特徴とするバンパ構造体。
  3. 請求項1又は2記載のバンパ構造体において、
    前記ウェルドラインは、前記車体の前後方向に沿って延在することを特徴とするバンパ構造体。
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