JP6431328B2 - 異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法 - Google Patents

異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6431328B2
JP6431328B2 JP2014199820A JP2014199820A JP6431328B2 JP 6431328 B2 JP6431328 B2 JP 6431328B2 JP 2014199820 A JP2014199820 A JP 2014199820A JP 2014199820 A JP2014199820 A JP 2014199820A JP 6431328 B2 JP6431328 B2 JP 6431328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
head
shaft portion
ferrous
aluminum alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014199820A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016068116A (ja
Inventor
達則 松永
達則 松永
高橋 和也
和也 高橋
山本 昇
昇 山本
清水 純
純 清水
雄二郎 三井
雄二郎 三井
浩 島崎
浩 島崎
正俊 小池
正俊 小池
功介 河合
功介 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2014199820A priority Critical patent/JP6431328B2/ja
Publication of JP2016068116A publication Critical patent/JP2016068116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6431328B2 publication Critical patent/JP6431328B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法に関する。
近年、自動車等の車体には軽量化や、衝突時の安全性向上の要求が高められ、自動車の車体構造においても従来から使用される鉄系材料である鋼材に代わって、より軽量で衝撃吸収性に優れた非鉄系材料、例えばアルミニウム合金材やマグネシウム材等の軽合金材の使用が増加しつつある。
例えば、自動車のルーフ、フード、フェンダ、ドア等の各パネルや、車体衝突時の安全性を確保するためバンパ補強材及びドア補強材、さらに、サスペンションアーム等の懸架部品等にアルミニウム合金材等の軽合金材が使用されている。
これら軽合金材、例えばアルミニウム合金材は、一般に従来から使用されている鋼板や型鋼等の鋼材と組み合わせて使用され、必然的に、鋼材とアルミニウム合金材との異種金属の接合、いわゆる異材接合が必要になる。
しかし、この鋼材とアルミニウム合金材との異材接合を、生産性に優れたスポット溶接により行おうとすると、互いの接合界面において、これらの鋼材やアルミニウム合金材とは性質が全く異なる高硬度で極めて脆いFeとAlとの金属間化合物層が生成される。この金属間化合物層の生成が要因となって十分な接合強度が得られないおそれがある。
このため、スポット溶接の前工程にて、予め非鉄系材料に鉄系材料製のピアスメタルを接合しておき、ピアスメタルと鉄系材料との間をスポット溶接する異材接合方法が知られている。この種の異材接合方法の一例として特許文献1の異材接合方法の概要を図12及び図13を参照して説明する。
図12に示すように、ピアスメタル100は、頭部101と軸部102からなり、頭部101の下面に、軸部102の付け根部分に沿って矩形断面形状の凹溝104が形成される。また、軸部102の外周にテーパ105が設けられ、これら環状の凹溝104を含む頭部101の下面とテーパ105が設けられた軸部102の外周によってかしめ用凹部103が形成される。
このピアスメタル100は、予めアルミニウム合金板106に接合される。具体的には、先ず、図13(a)に示すように、環状の凸部111が形成された下型110上にアルミニウム合金板106をセットし、上型115によってピアスメタル100の頭部101を上方から押圧して軸部102をアルミニウム合金板106に埋め込む。この埋め込みにより、同図(b)に示すように軸部102の平坦な先端102aによってアルミニウム合金板106が打ち抜かれ、貫通孔107が形成される。
さらに、上型115によってピアスメタル100の頭部101が押圧されると、軸部102の先端102aがアルミニウム合金板106を貫通し、これとともに下型110の凸部111によってアルミニウム合金板106の下面が押圧されて、同図(c)に示すようにピアスメタル100の凹溝104及びテーパ105によって形成されたかしめ用凹部103内にアルミニウム合金材料が塑性流動してピアスメタル100がかしめ固定される。
そして、溶接工程において、同図(d)に示すように、アルミニウム合金板106から突出するピアスメタル100の軸部102の先端102aを鋼板108に当接させた状態で、ピアスメタル100の頭部101と鋼板108とを、溶接電極116及び117で挟持加圧し、かつ通電して軸部102の先端102aと鋼材108との接合界面に溶接ナゲット109を形成すスポット溶接を行う。同図(e)にアルミニウム合金材106に設けたピアスメタル100と鋼板108との接合状態を示す。
特開2009−285678号公報
上記特許文献1によると、アルミニウム合金板106と鋼板108とをスポット溶接する際に、予めアルミニウム合金材106に鉄系材料製のピアスメタル100を接結合しておき、このピアスメタル100の軸部102と鋼板108とをスポット溶接することでアルミニウム合金板106と鋼材108の接合が得られる。
しかし、アルミニウム合金板106の貫通孔107に、ピアスメタル100の軸部102が挿入されて貫通孔107とかしめ用凹部103との間に大きな間隙を有する状態で、上型115でピアスメタル100の頭部101を押圧するとともにアルミニウム合金板106の貫通孔107の周囲を下型の凸部111により押圧してアルミニウム合金板106をかしめ固定することから、比較的大きな空間となる凹部103内に十分なアルミニウム合金材料が塑性流動しないことが懸念され、特に軸部102の外周とアルミニウム合金板106が十分に密着しないおそれがあり、かつ凹溝104内等に隙間が形成される、いわゆるかしめ固定が不安定となることが懸念される。
このかしめ固定の不安定に起因して、アルミニウム合金板106に対してピアスメタル100が回転やがたつきが発生すると、ピアスメタル100と鋼板108との安定したスポット溶接作業性や溶接品質が低下し、アルミニウム合金板106と鋼板108との接合品質に影響を及ぼすことが懸念される。また、アルミニウム合金板106から突出するピアスメタル100の軸部先端102aと鋼材108とをスポット溶接することから、アルミニウム合金材106と鋼板108との密着が阻害されて隙間が形成される。
これらアルミ合金板106とピアスメタル100の頭部101の下側面との密着が阻害されると、該部から水滴等の水分が浸入し、或いはアルミ合金板106と鋼板108との隙間から水滴等の水分が侵入してピアスメタル100の頭部下面及び軸部102とアルミニウム合金材料106との接触部に電食が発生すること懸念される。
また。ピアスメタル100のかしめ固定等の際に負荷が最も作用する頭部101と軸部102の連続部分となる頭部101の下面に形成された凹溝104によって該部の剛性強度が局部的に低下し、破断強度が不安定となり、アルミニウム合金板106と鋼板108との安定した接合が維持されないおそれがある。
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、経年信頼性に優れ安定した高品質の異材接合を可能にする異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の異材接合用ピアスメタルは、鉄系材料製で頂面及び外周面を有する頭部と該頭部の下面に基端が連続して延設された軸部が一体形成され、かつ前記下面に軸部外周に沿って形成された環状の凹溝を備え、前記軸部が前記軸部先端面側から非鉄系材に打ち込み貫通してかしめ固定され、かつ該軸部先端面に当接する鉄系材料と前記頭部とを一対の溶接電極で挟持加圧及び通電して前記軸部先端が前記鉄系材料とスポット溶接される異材接合用ピアスメタルにおいて、前記凹溝は、断面形状において前記軸部に連続する内周縁から頭部の頂面側に移行するとともに凹面状に湾曲して径方向外方に変移して前記頭部外周面の下端に連続する周面を有する略放物線状に形成され、該凹溝の周面と頭部外周面とにより頭部外周面の下端に沿って略断面鋭角で環状に連続する外周突起部が形成されたことを特徴とする。
これによると、頭部及び軸部を備えたピアスメタルの頭部下面に、軸部に連続する内周縁から滑らかな凹面状に湾曲して頭部外周面の下端に連続する周面を有する略放物線状に形成された凹溝及びこの凹溝の周面と頭部外周面の下端によって環状に連続する外周突起部を形成する簡単な構成で、ピアスメタルを非鉄系材料に接合するあたり、頭部を押圧して非鉄系材料に打ち込むと、頭部の外周突起部が非鉄系材料の表面を塑性変形させて食い込み、ピアスメタルが非鉄系材料に対して回転及びがたつきが抑制されて強固に保持される。
また、ピアスメタルの頭部の外周に形成され外周突起部は非鉄系材料に塑性変形を伴って強固にかしめ固定されて頭部の外周と非鉄系材料との相互間に隙間がなく液密的にシールされ、軸部及び頭部の下面と非鉄系材料との接合部に外部からの水滴等の水分の侵入が確実に阻止されて非鉄系材料とピアスメタルの軸部外周及び頭部下面との接合面における電食の発生が防止され、優れた経年信頼性が得られる。
さらに、頭部下面の凹溝が軸部に連続する内周縁から凹面状に湾曲して径方向外方に変移して頭部外周面の下端に連続する略放物線状に形成されることから、非鉄系材料でかしめ固定する際の塑性流動する非鉄系材料からの応力が分散され、かつかしめ固定後においても応力が分散されてピアスメタルの破損等が回避されて経年信頼性に優れる。
また、前記軸部先端面に、前記非鉄系材料に打ち込められた際に該非鉄系材料の表面から頂端が突出するプロジェクションが突設されたことを特徴とする。
これによると、異材接合用ピアスメタルの軸部先端面にプロジェクションが突設することで、スポット溶接装置の溶接電極を鉄系材料の表面及びピアスメタルの頭部の頂面に当接して挟持加圧した状態では軸部先端面と鉄系材料との間に間隙が形成され、かつ非鉄系材料と鉄系材料とが非接触状態に維持されて両溶接電極の間に通電した際の分流が抑制されて所期の通電状態が確保される。
また、前記プロジェクションは、前記スポット溶接に伴って溶融・圧潰して前記非鉄系材料と鉄系材料とを面一接触させることを特徴とする。
これによると、スポット溶接に伴ってプロジェクションの圧潰及び溶融に伴って非鉄系材料と鉄系材料が面一接触してこの接触部が液密的にシールされ、軸部先端面と非鉄系材料及び鉄系材料等によって形成されるナゲット周辺への外部から水滴等の水分の侵入が確実に阻止されて、該部における電食の発生が阻止されて経年信頼性に優れた安定した高品質の異材接合が得られる。
上記目的を達成する請求項に記載の異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法は、前記異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法であって、前記ピアスメタルの軸部が嵌挿可能な内孔及び外周を有する円筒状で端部に前記内孔側から外周側に径方向外方に移行するに従って突出する円錐環状の押圧面を有する第1ダイスと該第1ダイスと対向する第2ダイスとを備え、該第1ダイス側に配置された非鉄系材料に、前記第2ダイスにより前記異材接合用ピアスメタルの頭部を押圧して前記異材接合用ピアスメタルの軸部先端側から前記非鉄系材料に打ち込み前記異材接合用ピアスメタルを前記鉄系材料にかしめ固定するピアスメタル固定工程と、前記異材接合用ピアスメタルの前記頭部と前記鉄系材料とを一対の溶接電極で挟持加圧しつつ通電して軸部と前記鉄系材料とをスポット溶接するスポット溶接工程とを有することを特徴とする。

これによると、第2ダイスで頭部を押圧すると、頭部の外周突起部が非鉄系材料の表面を塑性変形させて食い込み、ピアスメタルが非鉄系材料に確実に保持された状態で、第1ダイスの傾斜する環状の押圧面によって軸部の周囲が押圧されて、ピアスメタルの軸部の先端側から軸部周面に向けて強く塑性流動させて先端の外周から周面に亘って圧着し、かつ軸部の周面に沿って塑性流動して軸部に滑らかに連続する凹溝内に塑性流動して強固にかしめ固定される。
一方、スポット溶接工程において、一対の溶接電極で鋼板及びピアスメタルの頭部を挟持加圧し、通電して軸部先端面と軽合金材間にナゲットを形成する。
本発明によると、頭部及び軸部を備えたピアスメタルの頭部下面に、軸部に連続する内周縁から滑らかな凹面状に湾曲して頭部外周面の下端に連続する周面を有する略放物線状に形成された凹溝及びこの凹溝の周面と頭部外周面の下端によって略断面鋭角で環状に連続する外周突起部を形成する簡単な構成で、ピアスメタルが非鉄系材料に強固にかしめ固定され、非鉄系材料と鉄系材料との安定した接合が得られる。さらにピアスメタルの頭部の外周に形成され外周突起部は非鉄系材料に塑性変形を伴って強固にかしめ固定されて頭部の外周と非鉄系材料との相互間に隙間がなく液密的にシールされ、ピアスメタル及び非鉄系材料との接合部に外部からの水滴等の水分の侵入が確実に阻止されて、該部の電食の発生が防止され、経年信頼性に優れた安定した高品質の異材接合が得られる。
一実施の形態における異材接合用ピアスメタルの概要を示す斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 ピアスメタル接合工程を模式的に示す図である。 ピアスメタル接合工程を模式的に示す図である。 ピアスメタル接合工程を模式的に示す図である。 ピアスメタル接合工程を模式的に示す図である。 スポット溶接工程を模式的に示す図である。 スポット溶接工程を模式的に示す図である。 スポット溶接工程を模式的に示す図である。 スポット溶接工程を模式的に示す図である。 ピアスメタルの他の例を示す断面図である。 従来のピアスメタルの概要を示す図である。 従来のピアスメタルによる異材接合方法の説明図である。
以下、本発明にかかる異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法の一実施の形態を、異材が非鉄系材料の軽合金材であるアルミニウム合金板及び鉄系材料である鋼板を例に図を参照して説明する。
図1、異材接合用ピアスメタルの概要を示す斜視図、図2は図1のII−II線断面図である。
ピアスメタル1は、鉄系材料製、例えば鋼製であって、頂面11及び外周面12を有する円柱状の頭部10と、この頭部10の下面に基端21が連続して軸方向に突出する円柱状の軸部20とからなる。外周面12の下端縁12aとなる下面の外周縁は軸方向において軸部20の基端21と同位置となる。
頭部10の下面に、軸部20の基端21の外周に沿って環状に連続する凹溝15が形成される。凹溝15は、断面形状において軸部20の基端21に滑らかに連続する内周縁16aから頭部10の頂面11側に延在する軸方向に移行するとともに緩やかな凹面状に湾曲して径方向外方に変移する内側周面16と、凹溝15の最奥面となる内側周面16の頂端17から径方向外方に向かって移行するに従って凹面状に緩やかに湾曲して外周面12の下端縁12a或いは下端縁12a近傍に連続する外側周面18を有する緩やかな略放物線状に形成される。
この凹溝15の外側周面18と外周面12の下端12aによって略断面鋭角で頭部外周に沿って環状に連続する外周突起部19が形成される。
軸部20は、基端21から先端22に連続する周面23を有する円柱状であって、円形平面状の先端面24を有し、先端面24の中央に円錐状のプロジェクション25が突出形成される。この軸部20の軸長Laは後述するアルミニウム合金材料30の厚さWより僅かに小さく設定される。一方、プロジェクション25の高さLb、すなわち先端面24からプロジェクション25の頂端25aまでの寸法は、後述するアルミニウム合金材料30の上表面32に頭部10が当接した状態でアルミニウム合金材30の下表面31から若干突出する高さ、すなわち軸部20の高さLaとプロジェクション25の高さLbの合計がアルミニウム合金材30の厚さWより若干大きく設定される。
このように構成されたピアスメタル1は、アルミニウム合金板30の予め設定された溶接位置に接合される。このピアスメタル1をアルミニウム合金板30に接合するピアスメタル接合装置及びピアスメタル接合工程の概要を模式的に示す図3乃至図6を参照して説明する。
ピアスメタル接合装置は、図4に模式的に示すように第1ダイス51を備えた下型及び第2ダイス55を備えた上型を有し、下型の第1ダイス51はピアスメタル1の軸部20が嵌挿可能な内孔52及び外周53を有する円筒状であって、上端部に内孔52側から外周53側に移行する径方向外方に変移するに従って次第に上方、すなわち第2ダイス55側に突出するように傾斜角θで傾斜する円錐環状の押圧面54が形成される。上型の第2ダイス55は、第1ダイス51と接離する同軸上で昇降してピアスメタル1の頭部10を押圧する。
ピアスメタル1をアルミニウム合金板30に接合するあたり、予め図3に示すように、アルミニウム合金板30の上表面32の溶接位置Sに、プロジェクション25の頂端25aが対向するようにアルミニウム合金板30に対してピアスメタル1を位置決する。
このピアスメタル1とアルミニウム合金板30とが位置決めされた状態で、図4に示すようにプレス装置の下型の第1ダイス51の先端51a上にアルミニウム合金板30の下側面31を当接させて第1ダイス51と上型の第2ダイス55との間にピアスメタル1及びアルミニウム合金板30をセットし、かつ上型の第2ダイス55によりピアスメタル1を下降してプロジェクション25の頂端25aをアルミニウム合金板30の上表面32の溶接位置Sに当接してアルミニウム合金材30のピアス加工を開始する。
さらに、上型の第2ダイス55を下降してピアスメタル1の頭部10を押圧して軸部21を打ち込む。この打ち込みにより図5に示すように、軸部21が貫通して先端面24によってアルミニウム合金板30が打ち抜かれ、かつピアスメタル1の頭部10に形成された環状の外周突起部19がアルミ合金板30の上表面32に当接乃至食い込む。
さらに、図6に示すように上型の第1ダイス55を下降して頭部10を押圧すると、頭部10の外周突起部19がアルミニウム合金板30の上表面32を塑性変形させて食い込み、ピアスメタル1がアルミニウム合金材11に確実に保持される。すなわち、アルミニウム合金板30の上表面32を塑性変形させて食い込む外周突起部19がアンカー効果として作用して、アルミニウム合金板30に対するピアスメタル1の回転及びがたつきが抑制される。一方、下型の第1ダイス51によってアルミニウム合金材30が貫通孔33の周囲を押圧して塑性流動を生じさせながらピアスメタル1をかしめ固定する。
具体的には、上型の第2ダイス55に押圧されて、頭部10の形成された外周突起部19がアルミニウム合金板30の上表面32を変形させてピアスメタル1がアルミニウム合金材30に対して強固に保持された状態で、下型の第2ダイス51の外周側が突出するように傾斜する環状の押圧面54によって貫通孔33の周囲が押圧されて、ピアスメタル1の軸部20の先端22側から軸部周面23に向けて強く塑性流動させて先端22の外周から周面23に亘って圧着し、かつ軸部22の周面23に沿って塑性流動して軸部22に滑らかに連続する凹溝15内に塑性流動して強固にかしめ固定される。
このピアスメタル1がアルミニウム合金材30にかしめ結合された状態を図7に示すように、ピアスメタル1の頭部10の外周に形成された外周突起部10がアルミニウム合金材30の上表面32に強く圧接し、軸部先端面24をアルミニウム合金材30の下表面32からアルミニウム合金材30の厚さWと軸部20の軸長L1との差分αに相当する位置に設定される。さらに、プロジェクション25の頂端25aは、アルミニウム合金材30の下表面31より突出する。
次に、スポット溶接工程を図8乃至図10を参照して説明する。
スポット溶接工程において、図8に示すように、接合工程においてピアスメタル1が接合されたアルミニウム合金板30を、鋼板40の上表面42にピアスメタル1のプリジェクション25の頂端25aを当接させて鋼板40上に位置めしてセットする。
この鋼板40上にアルミニウム合金板30が位置決めされた状態で、図9に示すようにスポット溶接装置の溶接電極56を鋼板40の下表面41及び溶接電極57をメタルピアス1の頭部10の頂面11に当接してピアスメタル1と鋼板40を挟持加圧する。この状態ではピアスメタル1のプロジェクション25の先端25aが鋼材40の上表面42に圧接し、軸部先端面24と鋼板40との間にプロジェクション25の高さLbに相当する間隙が形成され、アルミニウム合金材30の下面31と鋼材40の上表面42との間がアルミニウム合金材30の下表面41から突出するプロジェクション25の突出量βに設定される。
このようにアルミ合金板30と鋼板40とが離反した状態でアルミ合金板30に設けたピアスメタル1に突設されたプロジェクション25の頂端25aと鋼材40との上表面42に圧接することで、溶接電極56と57による安定した所期の挟持加圧力が得られ、かつアルミ合金材30と鋼材40とが非接触状態に維持されて溶接電極56と溶接電極57との間に通電した際の分流が抑制されて所期の通電状態が確保される。
このように溶接電極56及び57によりメタルピアス1と鋼材40を所期の加圧力で挟持加圧した状態で通電してする。通電はプロジェクション25を通って鋼板40側に流れるためプロジェクション25が集中抵抗となり、プロジェクション25及び鋼材40が効率的に加熱されプロジェクション25と鋼板40の接合接触面が相互に溶融し始め、加熱の進展に伴ってプロジェクション25が圧潰して軸部先端面24と鋼板40の間隔が次第に消滅して所定の通電及び加圧によってプロジェクション25を中心として溶融層が形成されて軸部先端面24と鋼板40に亘りナゲット37が形成される。このときプロジェクション25の圧潰及び溶融に伴ってアルミニウム合金板30の下表面31と鋼板40の上表面42が面一接触する。
このように接合されたアルミニウム合金板30及び鋼板40は、図10に示すように、アルミニウム合金板30に強固に接合されたピアスメタル1の軸部先端面24と鋼板40との間に安定したナゲット37が生成されてアルミニウム合金板30と鋼板40との安定した接合が得られる。さらにピアスメタル1の頭部10の外周に形成され外周突起部19はアルミニウム合金材30の上表面32に塑性変形を伴って強固にかしめ固定されて頭部10の外周とアルミニウム合金板30との相互間に隙間なく液密的にシールされ、かつ軸部20の先端面24の外周がアルミニウム合金板20によってかしめられて軸部先端22がアルミニウム合金板30により液密的にシールされて、軸部外周23及び頭部10の下面とアルミ合金材30との接合面に外部からの水滴等の水分の侵入が確実に阻止されてアルミニウム合金板11とピアスメタル1の軸部外周22及び頭部下面との接合面における電食の発生が防止され、かつアルミニウム合金板30の下表面31と鋼板41の上表面42とが面一接触して液密的にシールされ、軸部先端面24とアルミニウム合金板31及び鋼板40等によって形成されるナゲット27周辺の空間部に外部から水滴等の水分の侵入が確実に阻止されて、該部における電食の発生が阻止され、経年信頼性に優れた安定した高品質の異材接合が得られる。
また、ピアスメタル1の頭部下面の凹溝15が軸部20に連続する内周縁から凹面状に湾曲して径方向外方に変移して頭部外周面13の下端に連続する略放物線状に形成されることから、アルミニウム合金板30でかしめ固定する際の塑性流動するアルミニウム合金材料からの応力が分散され、かつかしめ固定後においても各応力が分散されてピアスメタル1の破損等が回避されて経年信頼性に優れる。
なお、保発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨と逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態ではピアスメタル1の頭部10の下面に形成される凹溝15が、内周縁16aから頭部10の頂面11側に延在するとともに緩やかな凹面状に湾曲して径方向外方に変移する内側周面16及び比較的径方向内方に位置する内側周面16の頂端17から径方向外方に向かって移行するに従って緩やかに湾曲して外周面12の下端縁12a或いは下端縁12a近傍に連続する外側周面18を有する略放物線状に形成したが、図11に示すように内周縁16aから緩やかな凹面状に湾曲して径方向外方に変移する内側周面16及び比較的径方向外方に位置する内側周面16の頂端17から凹面状に湾曲して外周面12の下端縁12a或いは下端縁12a近傍に連続する外側周面18を有略放物線状に形成することもできる。
また、上記実施の形態では軽合金材としてアルミニウム合金板30の場合を例に説明したが、マグネシウム材等他の適宜非鉄系材料の場合にも同様に適用できる。
1 ピアスメタル
10 頭部
11 頂面
12 外周面
12a 下端縁
15 凹溝
16 内側周面
18 外側周面
19 外周突起部
20 軸部
21 基端
22 先端
23 周面
24 先端面
25 プロジェクション
25a 頂端
30 アルミニウム合金板(非鉄系材料)
37 ナゲット
40 鋼板(鉄系材料)
51 第1ダイス
54 押圧面
55 第2ダイス。
56、57 溶接電極

Claims (3)

  1. 鉄系材料製で頂面及び外周面を有する頭部と該頭部の下面に基端が連続して延設された軸部が一体形成され、かつ前記下面に軸部外周に沿って形成された環状の凹溝を備え、前記軸部が前記軸部先端面側から非鉄系材に打ち込み貫通してかしめ固定され、かつ該軸部先端面に当接する鉄系材料と前記頭部とを一対の溶接電極で挟持加圧及び通電して前記軸部先端が前記鉄系材料とスポット溶接される異材接合用ピアスメタルにおいて、
    前記凹溝は、断面形状において前記軸部に連続する内周縁から頭部の頂面側に移行するとともに凹面状に湾曲して径方向外方に変移して前記頭部外周面の下端に連続する周面を有する略放物線状に形成され、
    該凹溝の周面と頭部外周面とにより頭部外周面の下端に沿って略断面鋭角で環状に連続する外周突起部が形成され
    前記軸部先端面に、前記非鉄系材料に打ち込められた際に該非鉄系材料の表面から頂端が突出するプロジェクションが突設され、
    前記プロジェクションは、前記スポット溶接に伴って溶融・圧潰して前記非鉄系材料と鉄系材料とを面一接触せしめることを特徴とする異材接合用ピアスメタル。
  2. 前記プロジェクションの突設部以外の前記軸部先端面は、前記非鉄系材料に打ち込められた際に該非鉄系材料の表面より奥方に位置することを特徴とする請求項1に記載の異材接合用ピアスメタル。
  3. 前記請求項1又は2の異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法であって、
    前記ピアスメタルの軸部が嵌挿可能な内孔及び外周を有する円筒状で端部に前記内孔側から外周側に径方向外方に移行するに従って突出する円錐環状の押圧面を有する第1ダイスと該第1ダイスと対向する第2ダイスとを備え、該第1ダイス側に配置された非鉄系材料に、前記第2ダイスにより前記異材接合用ピアスメタルの頭部を押圧して前記異材接合用ピアスメタルの軸部先端側から前記非鉄系材料に打ち込み前記異材接合用ピアスメタルを前記鉄系材料にかしめ固定するピアスメタル固定工程と、
    前記異材接合用ピアスメタルの前記頭部と前記鉄系材料とを一対の溶接電極で挟持加圧しつつ通電して軸部と前記鉄系材料とをスポット溶接するスポット溶接工程と、を有することを特徴とする異材接合方法。
JP2014199820A 2014-09-30 2014-09-30 異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法 Active JP6431328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014199820A JP6431328B2 (ja) 2014-09-30 2014-09-30 異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014199820A JP6431328B2 (ja) 2014-09-30 2014-09-30 異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016068116A JP2016068116A (ja) 2016-05-09
JP6431328B2 true JP6431328B2 (ja) 2018-11-28

Family

ID=55863581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014199820A Active JP6431328B2 (ja) 2014-09-30 2014-09-30 異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6431328B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004025492A1 (de) * 2004-05-21 2009-08-06 Volkswagen Ag Verfahren zum Fügen mittels mechanischen Eintreibens und Verschweißens eines Fügeelementes, sowie derartiges Fügeelement
JP5876775B2 (ja) * 2012-06-18 2016-03-02 株式会社神戸製鋼所 異材接合体、及び、異材接合体用構造体
WO2015008589A1 (ja) * 2013-07-16 2015-01-22 トヨタ自動車株式会社 接合構造
JP5722479B2 (ja) * 2013-07-22 2015-05-20 株式会社神戸製鋼所 異材接合用リベット、異材接合用部材、異材接合体の製造方法及び異材接合体
JP5729429B2 (ja) * 2013-07-29 2015-06-03 トヨタ自動車株式会社 接合構造、及び接合構造の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016068116A (ja) 2016-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6009004B2 (ja) 異材接合用鍛造リベット及び異材接合方法
WO2015012058A1 (ja) 異材接合用リベット、異材接合用部材、異材接合体の製造方法及び異材接合体
JP6148136B2 (ja) 異材接合体の製造方法
US8461484B2 (en) Conductive stud welding
JP6619388B2 (ja) 異材接合体の製造方法
US20170216956A1 (en) Method for joining at least two structural parts
CN111801189B (zh) 异种材料接合用电弧焊接法
CN108778609B (zh) 接合结构
JP2016161078A (ja) 異材接合用リベット及び異材接合方法
JP6431329B2 (ja) 異材接合用ピアスメタル及び異材接合方法
JP2009226446A (ja) 異種板材のスポット溶接方法
JP6431328B2 (ja) 異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを用いた異材接合方法
JP7301032B2 (ja) 接合方法
JP6574884B2 (ja) 異材接合用リベット、異材接合体、及び異材接合方法
JP6104427B2 (ja) 異材接合体
KR102394629B1 (ko) 핫스탬핑 강판의 접합방법
WO2022045014A1 (ja) 異材接合方法、及びこれに用いるリベット
US11090756B2 (en) Joining method
CN110582650B (zh) 接合体、汽车用座椅框架以及接合方法
KR20210126124A (ko) 알루미늄재의 스폿 용접 방법 및 알루미늄재
JP6857003B2 (ja) 接合方法
JP2016186344A (ja) 異材接合用リベット、異材接合体、及び異材接合方法
JP4857110B2 (ja) 圧入接合用のナット、その圧入接合構造及びその圧入接合方法
JP2020185602A (ja) 異材接合用ピアスメタル及び該ピアスメタルを用いた異材接合方法
JP7295487B2 (ja) リベット継手の製造方法、リベット継手、自動車部品、及び通電加熱用リベット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180410

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181009

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6431328

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250