JP6431145B2 - Led素子を備えた照明装置 - Google Patents
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Description
以下に記載の実施例では、LED素子を流れる電流(以下発光用LED電流と記す)が、電流量が多い期間と電流量が少ない期間とを少なくとも有している。前記電流量が多い期間も前記電流量が少ない期間も、LED素子は発光用LED電流により発光状態にあり、厳密には何れの前記期間も照明作用をなすが、それぞれの期間は異なる主目的を有している。前記電流量が多い期間(以下主照明期間と記す)は、LED群を構成するLED素子がそれぞれ照明のための発光作用をなす期間であり、この主照明期間は照明作用が主である。一方LED素子を流れる電流量が少ない期間(以下冷却期間と記す)は、冷却を主目的とする期間である。以下の実施例では、LED素子を流れる発光用LED電流は、主照明期間と冷却期間とを有し、主照明期間と冷却期間とは、周期的に繰り返えし、存在する。従ってLED素子の温度上昇を抑制することができる。
前記冷却期間では、LED素子を流れる電流をゼロにして発光作用を停止しても良い。しかし以下の実施例では、照明装置のちらつき現象を抑制する作用効果を奏するため、前記冷却期間でもLED素子を流れる発光用LED電流6が確保され、ゼロにはならない。このためLED素子の発光作用が前記冷却期間に於いても維持される。
(1)以下に記載の実施例では、前記LED群を流れる発光用LED電流を、少なくとも、主電流供給回路から供給される主電流と、バイアス電流供給回路から供給されるバイアス電流との合成により、生成している。前記主電流供給回路が供給する主電流のみをLED群の構成するLED素子に供給した場合には、前記LED群を流れる発光用LED電流は、電流が流れない期間である電流遮断期間を有する。例えば前記電流遮断期間では、前記主電流供給回路が供給する主電流による発熱は略ゼロとなり、前記LED群の温度上昇を抑制するために大きな効果を奏する。一方バイアス電流供給回路は、前記電流遮断期間に少なくとも電流を供給する。このように主電流供給回路とバイアス電流供給回路を設けることで、比較的簡単な回路で、ちらつき現象を低減できる。
主電流供給回路に交流電流を供給する、電流値の変化と直列接続された前記LED素子の段数により、上述した発光用LED電流6の波形を制御しているので、ノイズの発生を非常に低く抑えることができる。このため、ノイズの影響を受け易い場所の証明に極めて有効である。商用電源は、例えば日本では50HZあるいは60HZなど低い周波数の交流電流や交流電圧を供給する。この周波数は、前記主照明期間と前記冷却期間の繰り返しに好適な周波数である。この商用電源の交流電流を利用して、LED素子252を流れる発光用LED電流6を生成することにより、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated-Gate Bipolar Transistors)を使用
しなくても、主電流供給回路を作ることができる。このため、ノイズの発生を抑制できる。
図1を用いて照明装置200の電気回路を説明する。照明装置200の電気回路は、照明用の光を発生するLED群250と、前記LED群250に発光用の主電流2を供給する主電流供給回路104と、前記LED群250にバイアス電流4を供給するバイアス電流供給回路700と、を備えている。LED群250は後述する樹脂製基板に保持されており、LED群250は、LED素子252が少なくとも1個、あるいは複数個、例えば2個あるいは3個、並列に接続されたLED回路254を5個以上好ましくは9個以上直列に接続して構成している。この明細書では、少なくとも1個あるいは複数並列に接続され回路部分をLED回路254と記し、直列接続された各LED回路254の数を本明細書では段と記す。
LED群250が発行用として備えている各LED素子252の一般的な特性について説明する。LED素子252に純方向の電圧VLを加え、この電圧VLを略ゼロ(V)の状態から徐々に上昇させると、電圧VLが電圧VLC(V)を超える状態から順方向に電流ILが流れ始め、LED素子252が発光を開始する。電流ILは電圧VLの増加と共に上昇するが一般のダイオードよりは傾斜が緩やかである。このことは、LED素子252は内部抵抗が大きいことを示しており、LED素子252を流れる電流ILに基づく発熱が整流用ダイオードに比較し非常に大きいことを示している。
図1のLED群250を構成するLED回路254の発光動作について説明する。商用電源である交流電源100から供給される交流電圧が、照明装置200のコンセント105を介して、主電流供給回路104のコンデンサ222および抵抗220を有する並列回路110と整流回路230とヒューズ抵抗224とを有している直列回路に加えられる。交流電圧波形の振幅の増大に基づいて整流回路230の入力端子232に加わる電圧が増大し、整流回路230の出力端子234の端子間から出力され、LED群250に印加される電圧が増大する。LED群250に設けられている各LED素子252はそれぞれ、前述のとおり印加される電圧が電圧VLCを超えると、各LED素子252に電流が流れ始め、各LED素子252は発光し始める。
図1に示すバイアス電流供給回路700の具体的な回路の一例(以下実施例1と記す)を、図2に示す。図2に示す回路に基づくQUCS Teamが提供しているシミュレーションプログラムQUCSを使用したシミュレーション結果を図3から図6に示す。このシミュレーションでは、交流電源100は実効値100Vで50Hzの交流電源、主電流用コンデンサ222は3.2(μF)、抵抗220は1MΩ、バイアス用コンデンサ720は2.0(μF)、抵抗724は500(kΩ)である。また、LED回路254はLED素子252が2個並列接続され、LED回路254が16段直列接続されている。従って、LED素子252の総数は32個である。
シミュレーション結果に基づく電源電圧波形102と並列回路110を流れる電流11との関係を図3に示す。電圧V102は交流電源100から供給される電圧波形であり、電圧の実効値は100(V)であり、また正方向電圧のピーク値は約140(V)、負方向電圧のピーク値は約−140(V)であり、ピークツーピークの電圧値は、約280(V)の正弦波である。電源電圧波形102の周波数は50Hzであり、周期が0.02(mS)である。
図2に記載の実施例1の回路についてシミュレーションを行った結果を説明する。図5および図6は、主電流2とバイアス電流4と発光用LED電流6との関係を示す波形であり、上述の条件でシミュレーションした結果である。なお、図6は図5の波形の部分拡大図である。これらの図に記載の波形によれば、主電流供給回路104から出力される主電流2は、期間P2で略ゼロとなる。一方主電流2は、期間P1では大きな値を示し、そのピーク値は約140(mA)である。この主電流2のピーク値は主電流用コンデンサ222の容量で定まる。主電流2の流れ始め時である期間P1の初めの部分で、バイアス用コンデンサ720を充電するための充電電流12が流れ、バイアス用コンデンサ720が充電される。その後主電流2が減少し始めると、これに伴いバイアス用コンデンサ720に蓄えられた電荷に基づきバイアス電流4が流れ始め、バイアス電流4はLED群250に供給される。バイアス電流4に基づいてLED群250にはバイアスLED電流41が流れる。
図7は、図2に記載の実施例1の回路において、LED群250を構成するLED回路254の直列接続の段数を変えた場合の発光用LED電流6の波形の変化を示す。グラフ1は、LED群250のLED回路254の直列接続の段数を2段にした場合、グラフ2は、LED回路254の直列接続の段数を8段にした場合、グラフ3は、LED回路254の直列接続の段数を16段にした場合、グラフ4は、LED回路254の直列接続の段数を24段にした場合、グラフ5は、LED回路254の直列接続の段数を32段にした場合である。LED回路254の直列接続の段数を増加する毎に、期間P2が増加し、期間P1が減少する。期間P2は略前記冷却期間と一致する。すなわち、LED素子252の温度上昇を抑える前記冷却期間が、LED回路254の直列接続の段数の増加に従って増加し、照明装置としての明るさを確保する前記主照明期間が減少する。このグラフでは例示していないが、LED回路254の直列接続の段数を8段あるいは9段とすることで、LED素子252の温度上昇を抑えることができる。また、LED回路254の直列接続の段数を32段とすることで、前記冷却期間を十分長くすることができる。一方前記主照明期間がまだ十分に確保できる。
図9は、図2の電気回路における、LED素子の特性を変化させた場合の発光用LED電流6の波形を示す波形図である。LED回路254の直列接続された段数を16段とし、LED回路254を構成するLED素子252を赤色LED素子とした場合の波形をグラフ12で示す。またLED回路254の直列接続された段数を16段とし、LED回路254を構成するLED素子252を緑色LED素子とした場合の波形をグラフ13で示す。
図5および図6は、図2に記載の回路の主電流2とバイアス電流4の波形を示す。図6は図5の波形の部分拡大図であり、期間P2では主電流2が流れないため、LED群250を流れる発光用LED電流6はバイアス電流4により定まる。バイアス電流4はバイアス電流供給回路に設けたバイアス用コンデンサ720の充電電荷に基づいて流れるため、バイアス電流4が流れ始めてからの時間の経過と共にバイアス電流4の電流値が減少する。図6に記載のとおり、期間P2の開始時点T1やT2に比べ期間P2の終了時点T3やT4では、バイアス電流4の電流値が減少する。LED群250のLED素子252が安定して発光するためには、期間P2におけるバイアス電流4があまり変化しない方が望ましい。バイアス用コンデンサ720の容量を変化させた場合の期間P2の開始時点T1やT2のバイアス電流4の値と、期間P2の終了時点T3やT4でのバイアス電流4の電流値との関係を図10に示す。
5.1 図1の実施例の他の実施例2の説明
図10に記載のように、図2に記載の実施例1は、期間P2の開始時点T1やT2のバイアス電流4の値と期間P2の終了時点T3やT4でのバイアス電流4の値との差が大変大きい。この点を改良した実施例2を次に説明する。図2に示す実施例1では、バイアス用コンデンサ720への充電電流12と放電電流であるバイアス電流4とが同じ開路を流れるので、充電電流12やバイアス電流4を単独に調整することが難しい。このために図10に示すごとく、期間P2の開始時点T1やT2のバイアス電流4の値と、期間P2の終了時点T3やT4でのバイアス電流4の値との差が、大きくなる。
図12は、さらに他の実施例(以下実施例3と記す)を示す。この実施例では、主電流供給回路104は他の実施例と同様、主電流用コンデンサ222と抵抗220を有する並列回路110と、入力端子232および出力端子234を備える整流回路230とを有している。整流回路230の入力端子232に主電流用コンデンサ222を介して交流電流が供給され、整流回路230の出力端子234からLED群250へ、供給された交流電流を整流することにより作られた脈動する主電流2が供給される。
図12に記載の実施例では、バイアス電流4を供給するためのバイアス用コンデンサ720が1サイクルに一度充電されるのに対し、バイアス用コンデンサ720の放電電流であるバイアス電流4は半サイクルに一度流れる。このためバイアス用コンデンサ720の充電直後のバイアス電流4の大きさと、次の半サイクルで流れるバイアス電流4の大きさにはむらが生じ易い。この点を改良した実施例4を次に説明する。
今まで説明した実施例では、バイアス電流供給回路700に関する具体例を色々述べた。主電流供給回路104についても上述の回路に限るものではない。LED群250を流れる電流の内主電流供給回路104の出力に基づく主LED電流21が電流遮断期間を有することが重要である。主LED電流21が電流遮断期間を有するための主電流供給回路104の他の実施例(以下実施例5と記す)を図14に示す。
図17は、本発明が適用された照明装置の具体的な構造の一例を示す実施例(以下実施例6と記す)である、直管型照明装置の正面図である。また、図18は、図17の直管型照明装置の平面図の一例を示す。天井や壁、その他照明を必要とする場所に、直管型照明装置500を直接取り付けることができる。また1つあるいは複数組の直管型照明装置500を、取り付け板600を介して設置することができる。取り付け板600は必ずしも必要ではなく、直管型照明装置500の取り付け具502や取り付け具504を用いて、照明を必要とする場所に直管型照明装置500を取り付けることができることは当然であるが、取り付け板600を用いることにより、複数個の直管型照明装置500を一旦取り付け板600に取り付け、その後複数個の直管型照明装置500を一度に照明を必要とする場所に取り付けることができる。
図20は、上記実施例の回路を備えた照明装置の構造に関する一実施例である、ダウンライトの側面図の部分断面図である。図21は、図20のダウンライトの底面図である。また、図22は、上述のダウンライトに使用する回路基板上の部品の配置を示す説明図である。本実施例は上述した実施例1から実施例5の電気回路を適用している。照明装置200のハウジング400は、取り付け金具420と内側ケース422、外側ケース424、ガラスあるいは透明樹脂からなる、光透過部となる内カバー426を備えている。このハウジング400の内部にLED群250を保持するための平らな板状の基板20がねじ432により固定されている。取り付け金具420と外側ケース424で天井などの固定部480を挟み、取り付け金具420に固定されたブラケット442に外側ケース424がねじ止めされることで、ハウジング400が天井などの固定部480に固定される。
Claims (3)
- 所定の周波数で周期的に変化する交流電圧を受け、LED群に供給するLED電流の値を定めるための交流電流を供給する主電流供給回路と、
上記主電流供給回路を介して供給される上記交流電流を整流することによりその出力端から脈流電流を出力する整流回路と、
電流が流れることにより発光するLED素子を5個以上直列に接続して構成した上記LED群と、
を備えており、
上記脈流電流は上記直列接続されたLED素子の数に基づいて定まる電流遮断期間を有しており、
上記主電流供給回路は、上記交流電流の大きさを制御する主電流供給コンデンサと上記主電流供給コンデンサに蓄えられた電荷を放電させるために該主電流供給コンデンサに並列に接続された第1放電用抵抗とで構成される主電流供給並列回路を備えており、
上記LED群は、上記整流回路の上記出力端に並列に接続されており、
さらに、上記脈流電流の少なくとも上記電流遮断期間に、上記LED群へバイアス電流を供給するために、上記整流回路の上記出力端に並列に接続されたバイアス電流供給回路を備えており、
上記バイアス電流供給回路は、上記脈流電流の一部を受けて電荷を蓄積し、少なくとも上記脈流電流の上記電流遮断期間に、上記蓄積した電荷に基づき上記バイアス電流を上記LED群に供給するバイアス用コンデンサを備えており、
上記バイアス用コンデンサの端子電圧は、電荷を蓄積することにより増大し、上記蓄積した電荷に基づくバイアス電流を上記LED群に供給することにより減少し、上記バイアス用コンデンサの端子電圧が連続的に変化する、
ことを特徴とするLED素子を備えた照明装置。 - 請求項1に記載のLED素子を備えた照明装置において、
上記バイアス用コンデンサに並列に第2放電用抵抗が設けられ、上記第2放電用抵抗を介して、上記バイアス用コンデンサに蓄積された電荷が放電する、ことを特徴とするLED素子を備えた照明装置。 - 請求項2に記載のLED素子を備えた照明装置において、
上記バイアス用コンデンサに直列に上記バイアス電流を供給するためのバイアス電流調整用抵抗を設け、上記バイアス電流調整用抵抗を介して上記バイアス用コンデンサから上記バイアス電流が上記LED群へ供給される、ことを特徴とするLED素子を備えた照明装置。
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