JP6213864B2 - Led素子を備えた照明装置 - Google Patents

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Description

本発明はLED素子を備えた照明装置に関する。
Light Emitting Diode(以下LEDと記す)を備えた照明装置は、LED素子を多数備え、電流を前記LED素子に供給して前記LED素子を発光させるように構成されている。光源として使用されているLED素子は、順方向の供給電圧を略ゼロ(V)の状態から徐々に上昇させると所定の電圧VLC(V)で前記LED素子に電流が流れ始め、発光動作が始まる。さらに供給電圧を上昇すると、前記LED素子を流れる電流は増大し、前記LED素子の発光量は増大する。しかしLED素子は一般のダイオード素子と異なり、順方向での電圧降下が大きく、このため消費電力が大きい。この消費電力は発光に使用されるだけでなく、かなりの電力量が熱に変換され、LED素子の温度を上昇させる。
このようなLED素子を備えた照明装置は、一般的には、明るさを確保するために前記LED素子に直流電流を供給する構造に成っている。LED素子へ供給される直流電流によりLED素子が発熱するので、照明装置では通常は冷却フィンを備えた基板にLED素子を取り付け、冷却フィンによりLED素子の温度が所定温度以上に上昇しない構造にしている。現在さらに、冷却フィンを備える冷却構造の冷却効率を向上する研究が色々行われている。
LED素子が照明装置に用いられる以前のLED素子が世の中に出てきた当初は、LED素子は保安灯等、明るさがあまり要求されない装置に使用された。このようにLED素子が発売された初期の時代は、LED素子に供給される電流値が小さく、発熱が問題にされなかった。電球や蛍光灯よりも発光効率が高いため、むしろLED素子は発熱しない素子として注目された。しかし明るさが要求される照明装置にLED素子が使用され始めると、LED素子に供給される電流値が大きくなり、LED素子の発熱が大きな問題となるようになった。
現状の照明装置では、LED素子の発熱を放熱するための冷却構造を有しているにもかかわらず、LED素子が発熱することによりLED素子自身の温度が上昇し、LED素子その物の寿命に大きな影響を及ぼしている。LED素子の寿命を延ばすにはLED素子その物の温度上昇を抑制することが大変重要である。
発明者は、従来の考え方では、LED素子の温度上昇を抑制することは難しいと考えた。すなわち冷却フィンにのみ頼っていたのでは、LED素子の温度上昇を抑制することは難しいと考えた。発想を変え、LED素子の発熱を抑制できる回路構成を、照明装置において実現し、その結果としてLED素子の温度上昇が抑制されることが望ましいと考えた。
このような考えの基に、発明者は特許出願を行った。特許出願番号は、特願2012−9596であり、該特許出願の出願日は2012年1月20日である。本特許出願は、2013年3月29日付で登録され、特許番号は5232311号(特許文献1)である。
特許第5232311号
特許文献1に記載の照明装置では、LED素子からの発熱量を大幅に低減できる。特許文献1に記載の発明に基づく試作を行い、この試作品により発明者は、冷却フィンを備えていないにもかかわらず、LED素子そのものの温度上昇を抑制することができ、また連続照明の試験でLED素子が長寿命であることを確認している。
発明者は、さらなる改良について検討した結果、ちらつき現象を抑制することが望ましいことが分かった。特許文献1に記載の照明装置は、LED素子を流れる電流が周期的に脈動すると共に、LED素子を流れる電流が、周期的に電流が流れない期間(以下遮断期間と記す)を有している。このためLED素子が発光しない期間が周期的に発生し、特許文献1に記載の照明装置はちらつき現象が生じる。このちらつき現象の抑制の必要性や抑制方法について、特許文献1では、触れられていない。
本発明の目的は、ちらつき現象を抑制できる、LED素子を備えた照明装置を提供することである。
前記課題を解決する第1発明は、5個以上のLED素子を直列に接続して構成したLED素子の直列回路を有するLED群と、所定の周波数で周期的に変化する交流電圧を受け、前記交流電圧の周期的な変化に同期した電流遮断期間を有すると共に前記交流電圧の前記周期的な変化に応じて周期的に電流値が変化する主電流を供給する主電流供給回路と、バイアス用コンデンサを備え、前記交流電圧の前記周期的な変化に応じて充放電動作を繰り返し、前記バイアス用コンデンサの電圧によりバイアスLED電流を供給するバイアス電流供給回路と、設け、前記主電流供給回路から供給される前記主電流により、前記交流電圧の前記周期的な変化に応じて電流値が変化すると共に電流遮断期間を有する主LED電流が、前記LED群に流れ、前記LED群にはさらに、前記主LED電流の少なくとも前記電流遮断期間に、前記バイアス電流供給回路の前記バイアス用コンデンサから前記バイアスLED電流が供給され、前記LED群が有する前記LED素子は、前記主LED電流と前記バイアスLED電流に基づいて発光する、LED素子を備えた照明装置において、前記バイアス電流供給回路はさらに充電用ダイオードとバイアス電流調整抵抗を備え、前記バイアス用コンデンサの充電電流は前記充電用ダイオードを介して流れ、前記バイアス用コンデンサから前記LED群に供給される前記バイアスLED電流は前記バイアス電流調整抵抗を介して供給される、ことを特徴とするLED素子を備えた照明装置である。
本発明によれば、ちらつき現象を抑制することができる照明装置を提供することができる。
本発明の実施形態における、LED素子を使用した照明装置の電気回路を示す電気回路図である。 図1に記載の電気回路のバイアス電流供給回路の一例を示す実施例1の回路図である。 図2に記載の電気回路の動作を示す電流の波形図である。 図2に記載の電気回路の動作を示す主電流等の波形図である。 図2に記載の電気回路の発光用LED電流等の波形図である。 図5に記載の波形図の部分拡大図である。 図2に記載の電気回路で、LED素子の段数を変えた場合の発光用LED電流波形の変化を示す説明図である。 図2に記載の電気回路で、LED素子の段数を変えた場合の主電流の遮断状態を示すグラフである。 図2に記載の電気回路で、LED素子の特性を変えた場合の主電流の波形の変化を説明する波形図である。 図2に記載の電気回路で、バイアス用コンデンサの容量を変化させた場合のバイアス電流の電流値の変化を説明するグラフである。 図2に記載の電気回路で、バイアス電流供給回路の他の実施例を示す実施例2の電気回路図である。 図2に記載の電気回路で、バイアス電流供給回路のさらに他の実施例を示す実施例3の電気回路図である。 図2に記載の電気回路で、バイアス電流供給回路のさらに他の実施例を示す実施例4の電気回路図である。 図1に記載の電気回路で、主電流供給回路の他の実施例を示す実施例5の電気回路図である。 図14に記載の実施例5で、発光用LED電流などの波形を説明する波形図である。 図14の記載の実施例5で、主電流の波形を説明する波形図である。 実施例1乃至実施例5で説明の電気回路が使用された直管型照明装置の正面図である。 図17に記載の直管型照明装置の平面図である。 図17に記載の直管型照明装置の管状部分の断面図である。 実施例1乃至実施例5で説明の電気回路が使用されたダウンライトの側面図の部分断面図である。 図20に記載のダウンライトの底面図である 図20に記載のダウンライトの回路基板の説明図である。
本発明の実施例を説明するための図面において、略同一の構成に対して同一符号を付す。同一符号を付した構成は略同様の作用をなし、効果を奏する。同一符号の構成に関して繰り返し説明を省略する場合がある。
以下に記載の実施例は色々な作用をなし、色々な効果を奏する。以下に記載の実施例は、前記発明が解決しようとする課題の欄に記載した課題はもちろんのこと、前記欄に記載の課題以外の課題も解決することができる。さらに以下に記載の実施例は、前記発明の効果の欄に記載した効果はもちろんのこと、前記欄に記載の効果以外の効果ついても奏することができる。次に以下に記載の実施例が有する基本的な作用あるいは効果に付いてその幾つかを記載する。記載した作用あるいは効果は、前記発明が解決しようとする課題の欄に記載した課題や発明の目的、さらに発明の効果の欄に記載した効果、以外の作用あるいは効果も含んでいる。これらの効果の内の1つの効果を奏するだけでも、大変有意義であり、以下の効果を同時に奏する必要は無い。ただ複数の効果を合わせ持つことで、その相乗効果により照明装置としてより大きな効果が得られる。
〔作用効果1、LED素子の温度上昇の抑制〕
以下に記載の実施例では、LED素子を流れる電流(以下発光用LED電流と記す)が、電流量が多い期間と電流量が少ない期間とを少なくとも有している。前記電流量が多い期間も前記電流量が少ない期間も、LED素子は発光用LED電流により発光状態にあり、厳密には何れの前記期間も照明作用をなすが、それぞれの期間は異なる主目的を有している。前記電流量が多い期間(以下主照明期間と記す)は、LED群を構成するLED素子がそれぞれ照明のための発光作用をなす期間であり、この主照明期間は照明作用が主である。一方LED素子を流れる電流量が少ない期間(以下冷却期間と記す)は、冷却を主目的とする期間である。以下の実施例では、LED素子を流れる発光用LED電流は、主照明期間と冷却期間とを有し、主照明期間と冷却期間とは、周期的に繰り返えし、存在する。従ってLED素子の温度上昇を抑制することができる。
さらに上記冷却期間は、LED素子の温度上昇を抑制するだけでなく、主電流供給回路の発熱を抑制し、主電流供給回路の構成部品の温度上昇を抑制することができる。
〔作用効果2、ちらつき現象の抑制〕
前記冷却期間では、LED素子を流れる電流をゼロにして発光作用を停止しても良い。しかし以下の実施例では、照明装置のちらつき現象を抑制する作用効果を奏するため、前記冷却期間でもLED素子を流れる発光用LED電流6が確保され、ゼロにはならない。このためLED素子の発光作用が前記冷却期間に於いても維持される。
以下の実施例では、前記主照明期間の電流のピーク値を100mA以上になるように回路定数を定めている。これにより必要な明るさを確保することができる。一方例えば冷却期間の最低電流値は10mA以下となるように回路定数を定めている。ただし前記冷却期間の電流はゼロでは無く、流れ続ける。より具体的には冷却期間の最低電流値が、10mA以下、2mA以上、好ましくは3mA以上となるように、回路定数を定めている。このように前記冷却期間の電流値を低く抑えることにより、照明装置のちらつき現象を抑制とLED素子の温度上昇の抑制と、必要な明るさの確保の相反する課題を解決することができる。
〔作用効果3、回路の簡素化〕
(1)以下に記載の実施例では、前記LED群を流れる発光用LED電流を、少なくとも、主電流供給回路から供給される主電流と、バイアス電流供給回路から供給されるバイアス電流との合成により、生成している。前記主電流供給回路が供給する主電流のみをLED群の構成するLED素子に供給した場合には、前記LED群を流れる発光用LED電流は、電流が流れない期間である電流遮断期間を有する。例えば前記電流遮断期間では、前記主電流供給回路が供給する主電流による発熱は略ゼロとなり、前記LED群の温度上昇を抑制するために大きな効果を奏する。一方バイアス電流供給回路は、前記電流遮断期間に少なくとも電流を供給する。このように主電流供給回路とバイアス電流供給回路を設けることで、比較的簡単な回路で、ちらつき現象を低減できる。
(2)主電流供給回路からの前記主電流の供給により、前記LED群を流れる主LED電流は、前記電流遮断期間を有している。以下の実施例では、前記電流遮断期間を、複数個のLED素子の直列接続と電流値が徐々に変化する脈流電流との組み合わせにより、作り出している。例えば前記主電流供給回路に商用交流電流を供給することにより、LED素子の直列接続回路に脈流電流を流すことができる。さらに直列接続された前記LED素子の直列接続の数である段数Nを増加すると、前記LED素子を流れる電流に段数Nに基づいて定まる前記電流遮断期間を備える主LED電流が流れる。
直列接続された前記LED素子の直列接続の段数Nを増加すると、前記主LED電流の前記電流遮断期間が増大する。すなわち前記LED素子の直列接続の段数Nを増加すると前記主照明期間が減少し、前記冷却期間が増大する。このように照明用に設けられた前記LED素子と商用電源から供給される商用交流電流を利用して前記冷却期間を確保することが可能となり、簡単な回路で照明用の前記LED素子の温度上昇を低減できる。
また前記主電流供給回路自身も大変簡単な回路構成と成る。さらにこの簡単な回路構成の発熱が、前記冷却期間によって、抑制され、前記主電流供給回路を構成する部品の温度上昇が抑制される。以下の実施例では、前記LED素子を冷却するための金属製の冷却用フィンを設けなくても、以下の実施例に基づく照明装置は正常に動作する。また、前記主電流供給回路を冷却するための金属製の冷却用フィンを設けなくても、以下の実施例に基づく照明装置は正常に動作する。
〔作用効果4、低ノイズ〕
主電流供給回路に交流電流を供給する、電流値の変化と直列接続された前記LED素子の段数により、上述した発光用LED電流6の波形を制御しているので、ノイズの発生を非常に低く抑えることができる。このため、ノイズの影響を受け易い場所の証明に極めて有効である。商用電源は、例えば日本では50HZあるいは60HZなど低い周波数の交流電流や交流電圧を供給する。この周波数は、前記主照明期間と前記冷却期間の繰り返しに好適な周波数である。この商用電源の交流電流を利用して、LED素子252を流れる発光用LED電流6を生成することにより、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated-Gate Bipolar Transistors)を使用しなくても、主電流供給回路を作ることができる。このため、ノイズの発生を抑制できる。
1.照明装置200の回路構成
図1を用いて照明装置200の電気回路を説明する。照明装置200の電気回路は、照明用の光を発生するLED群250と、前記LED群250に発光用の主電流2を供給する主電流供給回路104と、前記LED群250にバイアス電流4を供給するバイアス電流供給回路700と、を備えている。LED群250は後述する樹脂製基板に保持されており、LED群250は、LED素子252が少なくとも1個、あるいは複数個、例えば2個あるいは3個、並列に接続されたLED回路254を5個以上好ましくは9個以上直列に接続して構成している。この明細書では、少なくとも1個あるいは複数並列に接続され回路部分をLED回路254と記し、直列接続された各LED回路254の数を本明細書では段と記す。
図1に記載の実施例では、LED回路254は2個のLED素子252の並列接続で構成されている。またLED回路254が16個直列に接続されている、なおこの状態を、本明細書ではLED回路254が16段直列接続されていると記す。図1ではLED回路254を全て記載すると煩雑となるので、一部のみ表示し、他は省略している。なお以下の実施例では、LED回路254の段数は16段であるが、LED回路254が5段以上好ましくは9段以上直列接続されていれば、LED素子252や主電流供給回路104の温度上昇を抑制する効果が得られる。
図1に記載の回路の一例として、図2の記載の実施例の動作に基づく電圧あるいは電流波形を図3から図6に示し、図1に記載の回路の動作を説明する。なお、図3乃至図6に記載の電圧あるいは電流波形は、図2に記載の回路を山梨大学および鳥取大学から使用方法などが公開されている、QUCS Teamが提供しているシミュレーションプログラムQUCSを使用してシミュレーションした結果である。
以下で説明するが、図1に記載の回路は電源電圧が実行値で100Vの場合に、温度上昇を低減する観点では、LED回路254の直列接続の段数が、9段以上が望ましい。また照明装置としての明るさを確保するためには、実効値100Vの交流電源では40段以下が好ましい。明るさを確保するためにさらにLED素子252の数を増やす場合は、並列接続することにより、LED素子252を増やすことが望ましい。電源電圧の実行値が200Vの場合に、段数が倍の18段以上で80段以下が望ましい。
図1において、交流電源100は一般家庭用の商用電力が提供される家庭用電源である。日本では、一般家庭用の商用電源は、実効値が100ボルトの交流電源で、周波数が50Hzあるいは60Hzである。商用電源である交流電源100から照明装置200に、実効値100Vで50Hzの商用電力が供給されているとして、以下説明する。主電流供給回路104は主電流2を出力し、主電流2によってLED群250には、主LED電流3が流れる。主電流供給回路104は、コンデンサ222と抵抗220とからなる並列回路110と、整流回路230と、ヒューズ224を備えており、これらは直列に接続されている。なお、本実施例では、230は全波整流回路である。さらに照明装置200の電源端子としてコンセント105が設けられており、このコンセント105を介して照明装置200に家庭用電源である交流電源100から交流電力が供給される。
2.LED素子252の一般的な特性
LED群250が発行用として備えている各LED素子252の一般的な特性について説明する。LED素子252に純方向の電圧VLを加え、この電圧VLを略ゼロ(V)の状態から徐々に上昇させると、電圧VLが電圧VLC(V)を超える状態から順方向に電流ILが流れ始め、LED素子252が発光を開始する。電流ILは電圧VLの増加と共に上昇するが一般のダイオードよりは傾斜が緩やかである。このことは、LED素子252は内部抵抗が大きいことを示しており、LED素子252を流れる電流ILに基づく発熱が整流用ダイオードに比較し非常に大きいことを示している。
LED素子252に前記VLC(V)より十分に大きな電圧を供給すると、LED素子252には電流ILが流れ、LED素子252は発光する。LED素子252が発行している状態で、LED素子252に供給される電圧を徐々に減少させると、LED素子252を流れる電流値ILがそれに伴って減少し、発光量が減少する。LED素子252に加わる電圧がVLC以下に減少なると、LED素子252を流れていた電流ILが遮断され、LED素子252の発光が停止する。
LED素子252としては、緑色LEDや赤色LED、青色LED、白色LED、等があるが、白色LEDは、前記VLC(V)が他の色のLEDに比べ高い傾向がある。また白色LEDは他の色のLEDに比べ、内部電圧降下が大きい傾向がある。このことは、照明用の白色LEDは電流に対する発熱量が大きいことを示している。さらに赤色LEDに比べて、緑色LEDの方が、前記VLC(V)が高い傾向がある。
3.図1に記載の回路の基本動作
図1のLED群250を構成するLED回路254の発光動作について説明する。商用電源である交流電源100から供給される交流電圧が、照明装置200のコンセント105を介して、主電流供給回路104のコンデンサ222および抵抗220を有する並列回路110と整流回路230とヒューズ抵抗224とを有している直列回路に加えられる。交流電圧波形の振幅の増大に基づいて整流回路230の入力端子232に加わる電圧が増大し、整流回路230の出力端子234の端子間から出力され、LED群250に印加される電圧が増大する。LED群250に設けられている各LED素子252はそれぞれ、前述のとおり印加される電圧が電圧VLCを超えると、各LED素子252に電流が流れ始め、各LED素子252は発光し始める。
図1の実施例で、例えば、LED回路254が16段直列に接続されていると仮定すると、整流回路230の出力端子234からLED群250に電圧が供給される。LED群250の印加電圧V12が、LED群250を構成する各LED素子252の電圧VLCの約16倍の電圧を超えると、LED群250に発光用LED電流6が流れ始める。この状態では、交流電源100からコンセント105を介して、並列回路110と、整流回路230と、LED群250と、ヒューズ224と、を介して電流11が流れる。この電流11に基づき、整流回路230の出力端子234から主電流2が出力され、LED群250には主LED電流3が流れ、この主LED電流3を含むLED群250を流れる発光用LED電流6に基づいて、LED群250を構成する各LED素子252が発光する。
交流電流である電流11の絶対値の増大に基づいて、主電流2が増大し、LED群250を流れる主LED電流21が増大する。主LED電流21はLED群250を流れる発光用LED電流6の内の、主電流2に基づく電流である。さらにLED群250には、以下で説明するバイアス電流供給回路700からバイアス電流4が供給され、バイアス電流4の供給に従って、バイアスLED電流41がLED群250を流れる。発光用LED電流6は、主LED電流21とバイアスLED電流41に基づいて定まる電流である。
主電流供給回路104を流れる電流11は、交流電源100から供給される交流電圧に基づいて定まるので、主電流2は交流電源100から供給される交流電圧に同期した脈流となる。電流11の電流値が徐々に増大し、脈流電流である電流11の絶対値のピークが過ぎると、電流11の絶対値が減少し始める。電流11の絶対値の減少に基づき、主電流2が減少し、それに伴って主LED電流21が減少する。電流11の絶対値が減少し主LED電流21が減少する状態では、以下でシミュレーション波形を提示するが、整流回路230の2つの出力端子234からLED群250に加えられる印加電圧V12が徐々に減少する。LED群250の印加電圧V12が、前記電圧VLCの約16倍の電圧より小さくなると、LED群250を流れていた主LED電流21は遮断される。ここで16倍は、LED群250を構成するLED素子252の直列接続の段数に基づいている。主LED電流21が遮断状態となると、LED群250に主電流2のみが供給され、他に供給電流が無い場合には、主LED電流21の遮断によりLED群250の発光は停止する。整流回路230が全波整流器であるので、上記動作が交流電源100から供給される交流電圧の半サイクルに同期して繰り返し行われ、主LED電流21は交流電圧の半サイクルに同期して遮断状態となる。少なくともこの遮断状態では、LED素子252の発熱が抑えられる。すなわち主LED電流21が遮断している遮断期間は、LED素子252の温度上昇を抑える前記冷却期間として作用する。一方LED回路254を流れる主LED電流21が大きな値を有している状態では、LED素子252が明るく輝く。主LED電流21が大きな値を有している期間は、照明装置としての明るさを確保する前記主照明期間として作用する。
バイアス電流供給回路700は少なくとも主電流2が減少した期間に、すなわち前記冷却期間に、バイアス電流4を供給する。バイアス電流供給回路700は以下で説明するが、バイアス用コンデンサを有しており、回路770を介してあるいは回路772を介して、前記バイアス用コンデンサを充電するための電流が供給される。主電流2が減少して印加電圧V12が減少すると、バイアス電流供給回路700からバイアス電流4がLED群250に供給される。バイアス電流4によりLED群250にはバイアスLED電流41が流れる。従って主LED電流21が遮断する遮断期間であってもLED群250にはバイアスLED電流41が流れ、LED群250に設けられたLED素子252が消灯するのを防止する。
バイアスLED電流41が供給されないと主LED電流21の遮断期間で、LED素子252は消灯し、照明装置200には大きなちらつき現象が生じる。しかし、バイアス電流4により、バイアスLED電流41がLED群250に流れ、LED素子252の発光量は低下するが消灯するのを防止することにより、照明装置200のちらつき現象を大幅に改善することが可能となる。また、バイアス電流4は主電流2に比べ電流値が非常に少ないので、例えば主電流2のピーク値に対してバイアス電流4のピーク値は10分の1程度あるいはそれ以下であり、LED素子252の冷却期間としての作用は維持される。このように、バイアス電流供給回路700を設けることで、LED素子252の温度上昇を抑制し、さらに照明装置200のちらつき現象を改善するとの効果を奏することが可能となる。
4.バイアス電流供給回路700の具体的な実施例1
図1に示すバイアス電流供給回路700の具体的な回路の一例(以下実施例1と記す)を、図2に示す。図2に示す回路に基づくQUCS Teamが提供しているシミュレーションプログラムQUCSを使用したシミュレーション結果を図3から図6に示す。このシミュレーションでは、交流電源100は実効値100Vで50Hzの交流電源、主電流用コンデンサ222は3.2(μF)、抵抗220は1MΩ、バイアス用コンデンサ720は2.0(μF)、抵抗724は500(kΩ)である。また、LED回路254はLED素子252が2個並列接続され、LED回路254が16段直列接続されている。従って、LED素子252の総数は32個である。
この実施例1では、電流11は実質的に主電流用コンデンサ222により定まる。抵抗220は保護用であり、例えば図示しない電源スイッチの遮断により、照明装置200が交流電源100から切り離されると、主電流用コンデンサ222には電荷が蓄えられた状態となり、主電流用コンデンサ222の放電回路は抵抗220を介する回路となる。もし抵抗220が設けられていないと、主電流用コンデンサ222に蓄えられた電荷が放電しないで蓄えられることとなる。これは大変危険である。また主電流用コンデンサ222に電荷が溜まっていると、次に前記図示しない電源スイッチが投入されたときに、交流電源100からの供給電圧と主電流用コンデンサ222に蓄えられている電荷との関係で、電流投入時の電流が流れることとなる。主電流用コンデンサ222に蓄えられている電荷と前記図示しない電源スイッチの投入時の交流電源100の位相との関係で電流投入時の状態が色々変わることとなる。前記図示しない電源スイッチの遮断後、速やかに主電流用コンデンサ222に蓄えられた電荷を放電することが望ましい。抵抗220は前記図示しない電源スイッチの遮断時に主電流用コンデンサ222に蓄えられた電荷を放電させるための作用をなす。
バイアス電流供給回路700に設けられているバイアス用コンデンサ720に並列に接続された抵抗724は、バイアス用コンデンサ720に蓄えられた電荷を放電するために設けられている。前記図示しない電源スイッチが遮断された場合に、バイアス用コンデンサ720に蓄えられた電荷を速やかに放電することが望ましい。バイアス用コンデンサ720の端子電圧が高い場合には、LED群250を介して放電することができるが、バイアス用コンデンサ720の端子電圧が減少するとLED群250を介して放電することが困難となる。抵抗724をバイアス用コンデンサ720に対して並列に接続することにより、バイアス用コンデンサ720の電荷を完全に放電することが可能となる。
4.1 シミュレーション結果に基づく主電流供給回路104の動作説明
シミュレーション結果に基づく電源電圧波形102と並列回路110を流れる電流11との関係を図3に示す。電圧V102は交流電源100から供給される電圧波形であり、電圧の実効値は100(V)であり、また正方向電圧のピーク値は約140(V)、負方向電圧のピーク値は約−140(V)であり、ピークツーピークの電圧値は、約280(V)の正弦波である。電源電圧波形102の周波数は50Hzであり、周期が0.02(mS)である。
抵抗220が1MΩとたいへん大きな値であり、並列回路110を流れる電流11は、この実施例では実質的に主電流用コンデンサ222の容量により定まる。従って電流11は電源電圧波形102に対して位相が略90度進んだ状態である。時点T1と時点T2との間の期間P2は、電流11が流れていない。すなわち期間P2は電流遮断期間であり、LED素子252の温度上昇を抑制する。時点T2と時点T3との間の期間P1では、電源電圧波形102の変化に対応して電流11が変化する。期間P1は、上述した主照明期間として作用する。電流11が全波整流され、主電流2として整流回路230から出力される。電流11の電流遮断期間P2では、主電流2の電流値はゼロとなり、主照明期間P1では、主電流2の電流値は電源電圧波形102の絶対値に基づいて変化する。
図4は、主電流供給回路104から出力される主電流2と印加電圧V12との関係を示す波形図である。ただし、図4のシミュレーション波形は、図2示すとおり、バイアス電流供給回路700のバイアス用コンデンサ720からバイアス電流4が流れ込んでおり、バイアス用コンデンサ720の端子電圧がLED群250に進化されているので、主電流2の電流値の遮断条件は、出力端子234の端子間電圧とバイアス用コンデンサ720との端子電圧とに関係で定まり、LED群250のLED素子252の直列回路の電流流れ始め電圧との関係で定まるものではない。
主電流2は図3に記載の電流11を全波整流した波形であり、期間P2と期間P1とを有し、電源電圧波形102の半サイクルである0.01(mS)を周期として繰り返される。LED群250への印加電圧V12が減少すると時点T1で主電流2が遮断され、時点T2で再び主電流2がLED群250を流れ始める。時点T1で主電流2が遮断されるのは、バイアス用コンデンサ720の端子電圧より整流回路230の出力端子234の端子間電圧が低下したためと考えられる。また時点T2で再び主電流2がLED群250を流れ始めるのは、整流回路230の出力端子234の端子間電圧が、バイアス用コンデンサ720の端子電圧より大きくなると、バイアス電流4に変わって主電流2がLED群250に供給される。主電流供給回路104の主電流2は、LED群250に供給されるだけでなく、バイアス用コンデンサ720を充電する作用もなす。
主電流供給回路104の主電流2が遮断される時点T1での印加電圧V12の値はバイアス用コンデンサ720の端子電圧を表しており、時点T1から時点T2の間のLED群250の印加電圧V12の値は、バイアス用コンデンサ720の端子電圧に依存する。バイアス用コンデンサ720からLED群250に対してバイアス電流4が供給されることにより、バイアス用コンデンサ720の端子電圧は徐々に減少する、このため時点T1から時点T2あるいは時点T3から時点T4の印加電圧V12の値は、徐々に減少する。
本実施例では、印加電圧V12の値は常に、LED群250のLED素子252の直列回路の電流が遮断する値より大きな値を維持している。例えば時点T2あるいは時点T4での印加電圧V12の最低値は、LED群250のLED素子252の直列回路の電流が遮断する値より大きな値に設定されている。従ってLED群250には常に電流が流れ続け、LED素子252の発光量は減少するが、LED素子252は消灯しない。このことにより、照明装置200のちらつき現象が抑制される。なおかつバイアス用コンデンサ720から供給される電圧が低く、バイアス電流4が小さい値に抑えられているので、LED素子252の温度上昇が抑制される。
4.2 主電流2とバイアス電流4と発光用LED電流6の説明
図2に記載の実施例1の回路についてシミュレーションを行った結果を説明する。図5および図6は、主電流2とバイアス電流4と発光用LED電流6との関係を示す波形であり、上述の条件でシミュレーションした結果である。なお、図6は図5の波形の部分拡大図である。これらの図に記載の波形によれば、主電流供給回路104から出力される主電流2は、期間P2で略ゼロとなる。一方主電流2は、期間P1では大きな値を示し、そのピーク値は約140(mA)である。この主電流2のピーク値は主電流用コンデンサ222の容量で定まる。主電流2の流れ始め時である期間P1の初めの部分で、バイアス用コンデンサ720を充電するための充電電流12が流れ、バイアス用コンデンサ720が充電される。その後主電流2が減少し始めると、これに伴いバイアス用コンデンサ720に蓄えられた電荷に基づきバイアス電流4が流れ始め、バイアス電流4はLED群250に供給される。バイアス電流4に基づいてLED群250にはバイアスLED電流41が流れる。
主電流2に基づいてLED群250を流れる電流を主LED電流21とし、バイアス電流4に基づいてLED群250を流れる電流をバイアスLED電流41とすると、LED群250を流れる発光用LED電流6は主LED電流21とバイアスLED電流41の合成の電流となる。期間P2では、主電流2に基づく主LED電流21がゼロとなるので、期間P2の発光用LED電流6はバイアス電流4の電流値となる。なお、この実施例1では、整流回路230の回路の働きで、バイアス電流4は整流回路230に流れ込まないので、バイアス電流4とバイアスLED電流41とは同じ電流値となる。一方主電流2により充電電流12と主LED電流21とが流れるため、充電電流12が流れることにより、主LED電流21の電流値が少し減少する。
4.3 LED群250の段数を変えた場合の期間P1と期間P2の説明
図7は、図2に記載の実施例1の回路において、LED群250を構成するLED回路254の直列接続の段数を変えた場合の発光用LED電流6の波形の変化を示す。グラフ1は、LED群250のLED回路254の直列接続の段数を2段にした場合、グラフ2は、LED回路254の直列接続の段数を8段にした場合、グラフ3は、LED回路254の直列接続の段数を16段にした場合、グラフ4は、LED回路254の直列接続の段数を24段にした場合、グラフ5は、LED回路254の直列接続の段数を32段にした場合である。LED回路254の直列接続の段数を増加する毎に、期間P2が増加し、期間P1が減少する。期間P2は略前記冷却期間と一致する。すなわち、LED素子252の温度上昇を抑える前記冷却期間が、LED回路254の直列接続の段数の増加に従って増加し、照明装置としての明るさを確保する前記主照明期間が減少する。このグラフでは例示していないが、LED回路254の直列接続の段数を8段あるいは9段とすることで、LED素子252の温度上昇を抑えることができる。また、LED回路254の直列接続の段数を32段とすることで、前記冷却期間を十分長くすることができる。一方前記主照明期間がまだ十分に確保できる。
LED群250におけるLED素子252の直列接続の段数と、前記冷却期間および前記主照明期間との関係を図8に示す。図8は、図1に記載の回路で直列接続されたLED回路254の数すなわち段数を変化させた場合の期間P2の変化を示す。グラフ10は半サイクルにおける期間P2の割合を表し、グラフ電流11は期間P2の時間、すなわち主LED電流21の電流遮断時間を表す。グラフ10によれば、LED回路254の9段直列の状態で、期間P2が15%となる。期間P2は前記冷却期間として作用し、冷却期間を15%確保できれば、LED素子252の温度上昇を十分に抑制できる。
またグラフ10によれば、LED回路254の段数が40段で、期間P2が約40%となる。期間P2が増大するとLED回路254を発光させる割合が少なくなり、照明装置としての明るさの確保が困難となる。冷却期間が15%から40%前後の間とすることが望ましい。この結果、LED回路254の段数が9段あるいは10段から40段あるいは45段の間が適切と思われる。なお、グラフ電流11は期間P2すなわち冷却期間の時間幅を表している。LED回路254の段数が9段あるいは10段で、期間P2が約1.5mセックとなる。またLED回路254の段数が40段あるいは45段で、期間P2すなわち冷却期間が約4mセックとなる。
4.4 LED素子252の特性と期間P2との関係の説明
図9は、図2の電気回路における、LED素子の特性を変化させた場合の発光用LED電流6の波形を示す波形図である。LED回路254の直列接続された段数を16段とし、LED回路254を構成するLED素子252を赤色LED素子とした場合の波形をグラフ12で示す。またLED回路254の直列接続された段数を16段とし、LED回路254を構成するLED素子252を緑色LED素子とした場合の波形をグラフ13で示す。
赤色LED素子を使用した場合のグラフ12に比べ、緑色LED素子を使用した場合のグラフ12は、期間P2が大きい。これは赤色LED素子に比べ緑色LED素子の方が電流流れ開始電圧が高いためと考えられる。
4.5 バイアス用コンデンサ720の容量とバイアス電流4との関係の説明
図5および図6は、図2に記載の回路の主電流2とバイアス電流4の波形を示す。図6は図5の波形の部分拡大図であり、期間P2では主電流2が流れないため、LED群250を流れる発光用LED電流6はバイアス電流4により定まる。バイアス電流4はバイアス電流供給回路に設けたバイアス用コンデンサ720の充電電荷に基づいて流れるため、バイアス電流4が流れ始めてからの時間の経過と共にバイアス電流4の電流値が減少する。図6に記載のとおり、期間P2の開始時点T1やT2に比べ期間P2の終了時点T3やT4では、バイアス電流4の電流値が減少する。LED群250のLED素子252が安定して発光するためには、期間P2におけるバイアス電流4があまり変化しない方が望ましい。バイアス用コンデンサ720の容量を変化させた場合の期間P2の開始時点T1やT2のバイアス電流4の値と、期間P2の終了時点T3やT4でのバイアス電流4の電流値との関係を図10に示す。
グラフ16は、期間P2の開始時点T1やT2のバイアス電流4の値の変化を示し、グラフ17は、期間P2の終了時点T3やT4でのバイアス電流4の値の変化を示す。バイアス電流4の最低値が考慮されるべきであり、1μから10μが望ましい。ただ、グラフ16とグラフ17との差が非常に大きい。このような差の大きい状態でも、照明装置としてのちらつき現象の防止には、大変効果があり、また合わせて発熱防止にも大きな効果がある。
5.他の実施例の説明
5.1 図1の実施例の他の実施例2の説明
図10に記載のように、図2に記載の実施例1は、期間P2の開始時点T1やT2のバイアス電流4の値と期間P2の終了時点T3やT4でのバイアス電流4の値との差が大変大きい。この点を改良した実施例2を次に説明する。図2に示す実施例1では、バイアス用コンデンサ720への充電電流12と放電電流であるバイアス電流4とが同じ開路を流れるので、充電電流12やバイアス電流4を単独に調整することが難しい。このために図10に示すごとく、期間P2の開始時点T1やT2のバイアス電流4の値と、期間P2の終了時点T3やT4でのバイアス電流4の値との差が、大きくなる。
図11は、図2に記載の実施例1の他の実施例(以下実施例2と記す)を示す。この実施例2では、バイアス電流供給回路700は、さらに充電用ダイオード726とバイパス電流調整用抵抗728を備える。バイアス用コンデンサ720の充電電流12は充電用ダイオード726を介して流れ、バイアス用コンデンサ720からLED群250に供給されるバイアス電流4はバイパス電流調整用抵抗728を介して流れる。
重要な点は、充電電流12が充電用ダイオード726を介して流れ、充電用ダイオード726の働きのためバイアス電流4はバイパス電流調整用抵抗728を流れる点である。なお、ダイオード702は無くても問題ない。また、バイパス電流調整用抵抗728は、バイアス用コンデンサ720の放電電流の時定数を決める抵抗であり、大き過ぎるとバイアス電流4の電流が減少する問題が生じる。シミュレーションによればバイパス電流調整用抵抗728は、700(Ω)から2(kΩ)の範囲が良い。
5.2 他の実施例3の説明
図12は、さらに他の実施例(以下実施例3と記す)を示す。この実施例では、主電流供給回路104は他の実施例と同様、主電流用コンデンサ222と抵抗220を有する並列回路110と、入力端子232および出力端子234を備える整流回路230とを有している。整流回路230の入力端子232に主電流用コンデンサ222を介して交流電流が供給され、整流回路230の出力端子234からLED群250へ、供給された交流電流を整流することにより作られた脈動する主電流2が供給される。
実施例1や実施例2との相違点は、バイアス電流供給回路700のバイアス用コンデンサ720の充電電流12が、主電流供給回路104からではなく、主電流供給回路104より電源側から供給される点である。コンセント105と主電流供給回路104との間から交流電圧が、バイアス電流供給回路700の充電用ダイオード726に供給されることにより、充電電流12が充電用ダイオード726と充電電流調整用抵抗748を介してバイアス用コンデンサ720に供給される。充電電流調整用抵抗748に充電された電荷は、バイパス電流調整用抵抗728およびバイアス用ダイオード702を介して放電する。
この実施例において例えば、バイアス用コンデンサ720は2.0(μF)、抵抗742は2000(kΩ)、抵抗728は5(kΩ)および抵抗748は1(kΩ)とすると好ましい動作を得ることができる。この回路は、主電流供給回路104の出力を使用するのではなく、バイアス電流4を流すための充電電流12を電源から取り込んでおり、主電流供給回路104の影響を受けない状態で、バイアス電流4を流すための電荷を確保することができる。このため照明装置200のちらつき現象を抑制し易い特徴を有する。
ただ本実施例では、主電流2の電流遮断期間は、交流電源100から供給される交流電流の半サイクル毎に存在するのに対して、充電用ダイオード726や充電電流調整用抵抗748を介してバイアス用コンデンサ720に供給される充電電流12は1サイクル毎に流れるので、一回の充電でバイアス電流4を二回供給することとなる。このためバイアス電流4の電流が、充電後の最初の半サイクルの値に対して次の半サイクルの値が減少し易い傾向がある。
充電電流12の電流値は充電電流調整用抵抗748で調整することができ、バイアス電流4であるバイアス用コンデンサ720の放電電流はバイパス電流調整用抵抗728で調整することができる。充電電流12による一回の充電で、バイアス電流4を2回供給することが必要となるので、充電電流12をできるだけ大きくし、バイアス電流4を小さくするように、充電電流調整用抵抗748の抵抗値はバイパス電流調整用抵抗728の抵抗値よりかなり小さくなっている。バイパス電流調整用抵抗728の値が充電電流調整用抵抗748の値より大きいことにより、バイアス電流4による放電時定数を大きくし、一回目と二回目の放電電流であるバイアス電流4の差をできるだけ小さくしている。
充電用ダイオード726は充電電流12を流すためのダイオードで、この充電電流12が無いと、バイアス用コンデンサ720に充電された電荷が充電電流調整用抵抗748を介して放電する。充電用ダイオード726は充電電流調整用抵抗748を介して放電電流が流れるのを防止している。またバイアス用ダイオード702はバイアス電流4を流すための作用をしている。バイアス用ダイオード702が無いとバイパス電流調整用抵抗728からバイアス用コンデンサ720の充電電流が流れるのを防止する。
ただ、バイアス用ダイオード702を設けなくても本実施例は動作する。その場合はバイパス電流調整用抵抗728とバイアス用コンデンサ720は図2で説明した実施例1と同様の作用をなす。従ったバイアス用ダイオード702がもし無い場合には、図2で説明した動作に加えて、さらに新たに充電用ダイオード726と充電電流調整用抵抗748からなる充電回路が追加されたのと同様の動作をする。この場合は、実施例1に新たに充電用ダイオード726と充電電流調整用抵抗748からなる充電回路が追加された状態となるので、実施例1よりバイアス電流4の電流値を大きくとることが可能となる。
5.3 他の実施例4の説明
図12に記載の実施例では、バイアス電流4を供給するためのバイアス用コンデンサ720が1サイクルに一度充電されるのに対し、バイアス用コンデンサ720の放電電流であるバイアス電流4は半サイクルに一度流れる。このためバイアス用コンデンサ720の充電直後のバイアス電流4の大きさと、次の半サイクルで流れるバイアス電流4の大きさにはむらが生じ易い。この点を改良した実施例4を次に説明する。
図13は、さらに他の実施例(以下実施例4と記す)を示す電気回路である。実施例4では、バイアス電流供給回路700が第1と第2の充電用ダイオード778と776を備えており、交流電源100から供給される前記交流電圧が一方の状態すなわち端子1が正で端子2が負の場合、第1の前記充電用ダイオード778および抵抗758を介して充電電流14がバイアス用コンデンサ720に供給され、バイアス用コンデンサ720を通って充電電流14が抵抗784およびダイオード782を介して、交流電源100の端子2に流れる。この充電電流14によりバイアス用コンデンサ720が充電され、整流回路230から供給される主電流2の少なくとも遮断期間に於いて、すなわち少なくとも期間P2において、バイアス用コンデンサ720に充電された電荷がバイパス電流調整用抵抗728とバイアス用ダイオード702を介して放電する。
他方端子2が正で端子1が負の状態では、充電電流16が充電用ダイオード776、抵抗756を介してバイアス用コンデンサ720に流れ、バイアス用コンデンサ720を通って充電電流16が抵抗788、ダイオード786を介して充電電流16が端子1に流れる。このように、実施例4は半サイクル毎にバイアス用コンデンサ720が充電されるので、一回の充電でバイアス電流4を一回供給することとなり、より大きなバイアス電流4を供給することが可能となる。
この実施例において、バイアス用コンデンサ720は2.0(μF)、抵抗742は500(kΩ)、抵抗728は1.5(kΩ)、抵抗784は30(Ω)、抵抗788は50(Ω)、抵抗756は30(Ω)、および抵抗758は450(Ω)とすると良好に動作する。
この実施例4では、主電流2の電流遮断期間である期間P2に他の実施例より大きなバイアス電流4を供給することができ、期間P2における発光用LED電流6を十分に確保することができる。このため遮断期間中である期間P2でのLED素子252の発光量を十分に確保することができる。このためよりちらつき現象を低減することができる。また期間P2に於いて主電流2によるLED群250を流れる主LED電流21を遮断しているので、LED素子252の発熱量は低減できる。他の実施例に比較し、バイアス電流4が大きい分発熱は少し増加するが、LED素子252が高温な成ることはない。
6.主電流供給回路104の他の実施例である実施例5の説明
今まで説明した実施例では、バイアス電流供給回路700に関する具体例を色々述べた。主電流供給回路104についても上述の回路に限るものではない。LED群250を流れる電流の内主電流供給回路104の出力に基づく主LED電流21が電流遮断期間を有することが重要である。主LED電流21が電流遮断期間を有するための主電流供給回路104の他の実施例(以下実施例5と記す)を図14に示す。
実施例5と他の実施例(実施例1〜4)との大きな相違点は、主電流用コンデンサ222を用いてLED群250を流れる発光用LED電流6のピーク値を決めるのではなく、抵抗320で発光用LED電流6のピーク値を決めることである。なお、実施例1〜4に示す抵抗220は、整流回路230と作用が異なっており、抵抗220は発光用LED電流6のピーク値を定めるものではなく、主電流用コンデンサ222に蓄えられた電荷を放電させるために設けられている。例えば電源スイッチが切られたときに主電流用コンデンサ222に蓄えられた電荷を速やかに放電する方がより安全である。このため抵抗220を設け、抵抗220を介して主電流用コンデンサ222に蓄えられた電荷を放電する。上述のとおり抵抗320は、発光用LED電流6のピーク値を制御する抵抗である。具体的な値として、200Ωから700Ωが望ましい。
図15は、図14の回路において、抵抗320を400Ωとし、LED群250を16段とした場合の、発光用LED電流6およびバイアス用コンデンサ720の充放電電流、を示している。グラフ21が交流電源100から供給される電源電圧の波形、グラフ22がLED群250を流れる発光用LED電流6の波形、グラム23がバイアス用コンデンサ720の充放電電流のはけいである。グラフ22が示すピーク値が抵抗320とヒューズ抵抗224の抵抗値で定まる。主電流供給回路104から供給される主電流2は電流遮断期間である期間P2を有しているが、バイアス用コンデンサ720の放電電流であるバイアス電流4により少なくとも期間P2において、LED群250にバイアスLED電流41が供給され、発光用LED電流6は期間P2においても電流が流れ続けている。この結果ちらつき現象が抑制される。また主電流2が電流遮断期間である期間P2を有しているので、LED群250に設けられたLED素子252の温度上昇が抑制される。
図16は、図14の実施例で、LED群250の段数を32段に変更し、抵抗320の抵抗値を300Ωとした場合の主電流供給回路104の出力電流である主電流2の波形を示している。グラフ21が交流電源100から供給される電源電圧の波形、グラム26が主電流供給回路104の出力である主電流2の波形である。
抵抗320の抵抗値を小さくしたことにより、図16のグラフ26のピーク値が図15のグラフ22のピーク値より大きくなっている。またLED群250の段数を増加させたことにより、主電流2の電流遮断期間が非常に大きくなっている。図14の回路では、LED群250の打数を増やすと他の実施例と同様に、主LED電流21の電流遮断期間が増大する。すなわち図7で説明した状態となる。また抵抗320とヒューズ抵抗224との抵抗値の合計値を増大させるとグラフ26のピーク値が減少する。先の実施例1〜4では、主電流用コンデンサ222の容量を大きくすると、主LED電流21のピーク値が増大し、主電流用コンデンサ222の容量を小さくすると主LED電流21のピーク値が減少するのと同じ動作となる。
7.照明装置200の構造に関する実施例6の説明
図17は、本発明が適用された照明装置の具体的な構造の一例を示す実施例(以下実施例6と記す)である、直管型照明装置の正面図である。また、図18は、図17の直管型照明装置の平面図の一例を示す。天井や壁、その他照明を必要とする場所に、直管型照明装置500を直接取り付けることができる。また1つあるいは複数組の直管型照明装置500を、取り付け板600を介して設置することができる。取り付け板600は必ずしも必要ではなく、直管型照明装置500の取り付け具502や取り付け具504を用いて、照明を必要とする場所に直管型照明装置500を取り付けることができることは当然であるが、取り付け板600を用いることにより、複数個の直管型照明装置500を一旦取り付け板600に取り付け、その後複数個の直管型照明装置500を一度に照明を必要とする場所に取り付けることができる。
本実施例では取り付け板600に2組の直管型照明装置500が取り付けられている。各直管型照明装置500には、LED群250(図1参照)や駆動回路550を備える樹脂製基板570を内部に保持している直管型LEDランプ部510と直管型LEDランプ部510を取り付け板600に、場合によっては天井や壁などの照明を必要とする場所に、固定するための取り付け具502と取り付け具504を有している。
従来、蛍光灯などの照明器具では、蛍光灯が劣化や故障し易く寿命が短いため、蛍光灯のみを簡単に交換できる構造となっている。しかし、本実施例では直管型LEDランプ部510の寿命が非常に長くなるため、直管型LEDランプ部510のみを交換する必要性がほとんどない。このため、直管型LEDランプ部510と取り付け具502と取り付け具504とは、接着剤などで一体に固定し、直管型LEDランプ部510のみを簡単に取り外す構造にはなっていない。
直管型LEDランプ部510の内部に設けられた樹脂製基板570には、LED素子を備えるLED回路254を多数直列に接続して構成したLED群250(図1参照)やLED群250に電流を供給するための駆動回路550(図1参照)が設けられている。本実施例では、LED群250や駆動回路550の発熱を大幅に低減することが可能であり、LED群250や駆動回路550の温度上昇が極めて少ない。このため、樹脂製基板570にLED群250や駆動回路550を設けることが可能であり、さらに樹脂製基板570に熱伝達や放熱のための冷却用金属板あるいは放熱フィンが設けられていない。このため直管型LEDランプ部510の太さを従来品より小さくできる、また構造が極めてシンプルである。
取り付け具502は直管型LEDランプ部510の一方の端部に接着剤などで接着されており、同様に取り付け具504は直管型LEDランプ部510の他方の端部に接着剤などで接着されている。この実施例では、直管型LEDランプ部510は取り付け板600に固定されているが、取り付け具502や504により直管型LEDランプ部510を直接天井や壁、その他照明を必要とする場所に設置できる。
取り付け具502と取り付け具504は同じ形状を成しており、これらに付いて次に説明する。取り付け具502は、直管型LEDランプ部510の一端に固着されるランプ保持体520と、直管型照明装置500を取り付け板600あるいは照明の必要な場所に固定するための取り付け台540と、ランプ保持体520を取り付け台540に固定するための支持体530を備えている。同様に取り付け具504は、直管型LEDランプ部510の他端に固着されるランプ保持体522と、取り付け台542と、ランプ保持体522を取り付け台542に固定するための支持体532を備えている。取り付け具502や取り付け具504は樹脂で作られ、ランプ保持体520と支持体530と取り付け台540は樹脂の一体成形で作られ、またランプ保持体522と支持体532と取り付け台542は樹脂の一体成形で作られ、この実施例ではさらにこれらの表面にクロムメッキが施されている。取り付け具502や取り付け具504の内部に、連通孔が形成されている。
直管型LEDランプ部510の内部には樹脂製基板570が固定され、樹脂製基板570には、電気的に直列に接続された多数のLED回路254で構成されるLED群250(図1参照)が設けられている。ただし、図示されたLED回路254の全てに参照符号を付すと、煩雑になる為、1つにのみ参照符号を付すことにする。以下で詳細に説明するが、LED群250や駆動回路550の発熱が本実施例では非常に少ないため、樹脂製基板570は放熱のための金属板が不要であり、樹脂製基板570の表面は耐水性の処理を施しているだけで、樹脂製基板570の表裏の面が空気に接している。
また樹脂製基板570を1枚の基板としても良いが複数の樹脂製基板、例えば4枚の樹脂製基板で構成しても良い。各樹脂製基板は以下で説明する筒状ケース512の内部に形成された2つの溝の間に順に挿入することで、1体の樹脂製基板の場合と同様に容易に固定することができる。このように複数に樹脂製基板570を分割することで各樹脂製基板の反りを低減できる。本実施例では、各樹脂製基板570が放熱用の金属板を必要としていないので、樹脂製基板570を1枚とすることも、複数に分割することも、何れも極めて容易である。
駆動回路550を動作させるための交流電力は、取り付け具502あるいは取り付け具504の内部の連通孔内に設けられた電源コード590を利用して供給される。電源コードは通常の家庭用交流電流を供給するコードであり、図示が省略されているが、電源コード590の先端にはコンセントに接続するためのプラグ(plug)が付いている。また電源コード590の内側の端は樹脂製基板570に接続され、駆動回路550に交流電力を供給する。
図2の実施例は、図1に示す実施例の平面図であり、2組の直管型照明装置500が取り付け板600に固定されている。取り付け具502の取り付け台540や取り付け具504の取り付け台542には、ねじ孔が設けられ、ねじ546により取り付け台540や取り付け台542が取り付け板600に固定されている。この状態で、照明を必要とする天井あるいは壁、その他に対して、取り付け板600に形成されたねじ孔612によりねじ止めすることが可能である。
また、取り付け具502や取り付け具504には、直管型照明装置500を固定するためのねじ孔が設けられ、さらに直管型LEDランプ部510内とつながる連通孔が設けられている。取り付け具502あるいは取り付け具504のどちらか一方の連通孔を介して、図示していないが電源コードを引き出すことができる。
取り付け具502や取り付け具504と直管型LEDランプ部510の各端部とを機密に密着させることで、取り付け具502や取り付け具504と直管型LEDランプ部510の各端部との間から塵や水分などが侵入するのを防止できる。また取り付け具502や取り付け具504と直管型LEDランプ部510とが互いに動かないように固定することが望ましい。このため、取り付け具502や取り付け具504に形成された第1空間328と直管型LEDランプ部510の端部とを接着剤で固定することが望ましい。
筒状ケース512はその端部がランプ固定部520やランプ固定部522内部の第1空間の外壁に接着剤で固定されるが、さらに樹脂製基板570が筒状ケース512に形成された溝に挿入されて固定されると共に、樹脂製基板570の端部がランプ固定部520やランプ固定部522の内部に形成された溝に挿入されるので、高い信頼性を持って筒状ケース512と取り付け具502や取り付け具504とが固定される。接着剤のみによる固定に比べ、たいへん強い強度で固定することができる。
また、電源コード590から例えば家庭用交流電力が供給され、図示しない駆動回路550の電源端子208から樹脂製基板570の裏面に設けられた配線を介して駆動回路550に交流電源が導かれ、駆動回路550から直列接続された9個以上のLED回路254で構成されるLED群250に脈動電流が供給される。供給された脈動電流によりLED群250が発光する。
この実施例では、LED回路254がチドリ状に配置されている。もちろん直線的に配置しても良いが、このようにチドリ状にLED回路254を配置することにより、発光のむらを低減できる。なお、本実施例では、ピーク電流設定用コンデンサ222を1個のセラミックコンデンサで構成しているが必要に応じ複数のセラミックコンデンサを並列接続しても良い。寿命を長くするには、セラミックコンデンサを用いることが望ましい。セラミックコンデンサは小型であり、さらに寿命が長い優れた特徴を有する。しかし、得られる容量が電解コンデンサに比べ小さい欠点を有する。従ってセラミックコンデンサを1個で使用しても良いが、必要に応じで複数個並列に接続することにより前記欠点を補い、ピーク電流設定用コンデンサ222を構成しても良い。
本願の実施例では、LED回路254や駆動回路550の発熱が極めて少なく、樹脂製基板570に熱伝導のための金属板を設ける必要が無い。またLED回路254の発熱が少ないために、LED回路254に設けられているLED素子の劣化が少なく、寿命が長い。このため、直管型LEDランプ部510を短期間で取り換える必要性が無く、直管型LEDランプ部510に取り付け具502や取り付け具504を取り付け、直管型LEDランプ部510を天井や壁など、照明を必要とするところに設置することができる。
図19は、本発明のLED素子を備えた照明装置の1実施例である直管型照明装置の別の例における管状部分の断面図である。この実施例では、筒状ケース512は、この筒状ケース512の長軸に対する垂直面において、凸レンズ作用を成す肉厚部602と肉厚部602より薄いほぼ等しい厚さを有する薄肉部604とを有し、肉厚部602の両側が曲線形状を成して薄肉部504に繋がる形状を成し、肉厚部602と前記曲線形状を成して薄肉部604に繋がる形状が前記筒状ケース512の長軸に沿って連続して続く形状を成している。
このようにすることで、樹脂製基板570に設けられたLED素子から発光があった際、発光された光が薄肉部604に入射すると屈折現象を起こし、屈折された発光が光線610の領域で収束して発光されるようになる。従い、発光された光は広い指向性を成さず610の領域に向かう、指向性を有した収束した光となるので、天井に管状照明装置を取り付けて使用した場合に、むらなくあるいは明るさの違いによる線が表れることなく、下方に向かって明るい光を照射することができる。例えば階段等の場所を照らす場合に、明るさのむらあるいは明るさの違いによる線が表れると危険である。このような危険性を低減できる。
8.照明装置200の構造に関する実施例7の説明
図20は、上記実施例の回路を備えた照明装置の構造に関する一実施例である、ダウンライトの側面図の部分断面図である。図21は、図20のダウンライトの底面図である。また、図22は、上述のダウンライトに使用する回路基板上の部品の配置を示す説明図である。本実施例は上述した実施例1から実施例5の電気回路を適用している。照明装置200のハウジング400は、取り付け金具420と内側ケース422、外側ケース424、ガラスあるいは透明樹脂からなる、光透過部となる内カバー426を備えている。このハウジング400の内部にLED群250を保持するための平らな板状の基板20がねじ432により固定されている。取り付け金具420と外側ケース424で天井などの固定部480を挟み、取り付け金具420に固定されたブラケット442に外側ケース424がねじ止めされることで、ハウジング400が天井などの固定部480に固定される。
上述したようにLED群250は極めて低温に維持されているので、放熱のための金属板は設けられていない。前記基板20は一方の面にLED群250やコンデンサ222、抵抗220、整流回路230、ヒューズ224、コンデンサ720、抵抗724が設けられており、他方の面は狭い空間を介して内側ケース422の内側の面と対向している。
この照明装置200は、LED群250の発熱が低減され、温度上昇が抑制されているので、金属製の放熱板が不要であり、また基板20と内側ケース422との間の空間を狭くでき、基板20と内カバー426の間の空間も狭くできるので、照明装置200の厚み方向の幅を抑制できる。
更にハウジング400の温度を低く抑えられるので、仮に綿埃などがハウジング400にくっ付いても発化する心配がない。また、動作中に不用意にハウジング400に手で触っても火傷する心配がない。
図29に示す平らな板状の基板20には、その中央部に抵抗220やコンデンサ222、整流回路230、ヒューズ224、コンデンサ720、抵抗724が設けられており、その外周にLED回路254が円形に同心円状に配置されている。抵抗220やコンデンサ222、整流回路230が電源供給回路104となり、コンデンサ720、抵抗724がバイアス電流供給回路700となる。さらにその外側にねじ432で固定するためのねじ穴22が3か所設けられている。なお、LED回路254の全てに符号を付すと煩雑となるため、直列接続されたLED回路254の一部にのみ符号を付している。LED回路254同士を接続する線は、LED回路254を直列に接続するための配線である。これらが、電気部品30として用いられる。
このように基板20の中央部に抵抗220やコンデンサ222、整流回路230ヒューズ224を配置し、その外周側にLED回路254を等角度で同心円状に配置しているので、使用スペースが少なく、小型化が可能である。また外周側にLED回路254を等角度で同心円状に配置することで、中央部が暗くても、明るさのむらに対する違和感を低減できる。
2・・・主電流、4・・・バイアス電流、6・・・発光用LED電流、12・・・充電電流、21・・・主LED電流、41・・・バイアスLED電流、100・・・交流電源、104・・・主電流供給回路、220・・・抵抗、222・・・コンデンサ、230・・・整流回路、224・・・ヒューズ、250・・・LED群、252・・・LED素子、254・・・LED回路、400・・・ハウジング、420・・・取り付け金具、422・・・内側ケース、424・・・外側ケース、426・・・内カバー、446・・・照明用の円筒管、456・・・照明用の円筒管、510・・・直管型LEDランプ部、512・・・筒状ケース、502・・・取り付け具、504・・・取り付け具、520・・・ランプ固定部、522・・・ランプ固定部、530・・・支持体、532・・・支持体、540・・・取り付け台、542・・・前記取り付け台、550・・・駆動回路、570・・・樹脂製基板、580・・・電気回路、590・・・電源コード、600・・・取り付け板、700・・・バイアス電流供給回路、720・・・バイアス用コンデンサ、724・・・抵抗、726・・・ダイオード、728・・・抵抗。

Claims (1)

  1. 5個以上のLED素子を直列に接続して構成したLED素子の直列回路を有するLED群と、
    所定の周波数で周期的に変化する交流電圧を受け、前記交流電圧の周期的な変化に同期した電流遮断期間を有すると共に前記交流電圧の前記周期的な変化に応じて周期的に電流値が変化する主電流を供給する主電流供給回路と、
    バイアス用コンデンサを備え、前記交流電圧の前記周期的な変化に応じて充放電動作を繰り返し、前記バイアス用コンデンサの電圧によりバイアスLED電流を供給するバイアス電流供給回路と、設け、
    前記主電流供給回路から供給される前記主電流により、前記交流電圧の前記周期的な変化に応じて電流値が変化すると共に電流遮断期間を有する主LED電流が、前記LED群に流れ、
    前記LED群にはさらに、前記主LED電流の少なくとも前記電流遮断期間に、前記バイアス電流供給回路の前記バイアス用コンデンサから前記バイアスLED電流が供給され、
    前記LED群が有する前記LED素子は、前記主LED電流と前記バイアスLED電流に基づいて発光する、LED素子を備えた照明装置において
    前記バイアス電流供給回路はさらに充電用ダイオードとバイアス電流調整抵抗を備え、前記バイアス用コンデンサの充電電流は前記充電用ダイオードを介して流れ、前記バイアス用コンデンサから前記LED群に供給される前記バイアスLED電流は前記バイアス電流調整抵抗を介して供給される、ことを特徴とするLED素子を備えた照明装置。
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