JP6430915B2 - 加速度補正装置、加速度補正プログラム、及び、タイヤ状態検出装置 - Google Patents

加速度補正装置、加速度補正プログラム、及び、タイヤ状態検出装置

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Description

本発明は、加速度補正装置、加速度補正プログラム、及び、タイヤ状態検出装置に関する。
回転体に作用する加速度を検出したい場合、回転体に加速度センサを設けて、回転体と加速度センサとを一体回転させる。加速度センサは、自身に作用する加速度に応じた出力信号を出力する。この出力信号から回転体に作用する加速度検出値を得ることができる。特許文献1では、回転体となる車輪に加速度センサを設けて、車輪に作用する加速度を検出している。
特許文献1に記載のように、タイヤの状態を監視するタイヤ状態監視装置では、車輪に設けられたタイヤ状態検出装置がタイヤの状態を検出するとともに、検出した情報を車体などに設けられた受信機に送信する。タイヤ状態検出装置は、車輪と一体となって回転する加速度センサを有しており、加速度センサは加速度を検出して、加速度に応じた出力信号(出力電圧)を出力する。タイヤ状態検出装置は、出力信号から加速度の検出値である加速度検出値を得ることができる。
加速度センサには、遠心加速度と重力加速度が作用する。ここで、加速度センサは検出軸に沿った方向の加速度を検出する。車輪の遠心力を遠心加速度として検出する場合、遠心力が作用する方向に検出軸が向くように加速度センサが取り付けられる。加速度センサが車輪の最下位置(あるいは最上位置)に位置しているときに、検出軸が鉛直方向を向くようにすれば、車輪の回転位置に関わらず、車輪に作用する遠心加速度を検出することができる。一方で、重力加速度は常に鉛直方向に作用しているため、車輪が回転し、検出軸の向きが変化すると、検出軸で検出することができる重力加速度が変動し、車輪の回転位置によっては重力加速度の全部、あるいは、一部を検出することができなくなる。
加速度センサによって検出された遠心加速度は出力信号の直流成分として、重力加速度は出力信号の交流成分として出力される。このため、図9に示すように、加速度センサの出力信号は、直流成分と交流成分を含んだ信号となる。直線L1で示すように、車両の速度が速くなると、車輪の回転速度が速くなることで車輪の遠心加速度が大きくなり、出力電圧が大きくなる。一方で、加速度センサによって検出される重力加速度は、速度の変化に関わらず車輪が1回転する間に一定の変化量(±1G)であり、車両の速度が速くなると、出力電圧に含まれる交流成分は直流成分に比べて相対的に小さくなっていく。
特開2013−159265号公報
ところで、加速度センサから出力される出力信号には、遠心加速度成分及び重力加速度成分が含まれているため、出力信号から得た加速度検出値は、遠心加速度値に重力加速度成分に応じた値を加えた値となる。ここで、加速度検出値から遠心加速度値のみを得たい場合、重力加速度成分が誤差成分となる。例えば、車両の速度に関わらず車輪が予め定められた角度回転する毎に加速度検出値を取得したい場合、車両の速度に応じて加速度検出値の取得間隔を変更する必要がある。車輪に作用する遠心加速度は車両の速度に相関しているため、車輪に作用する遠心加速度に応じて取得間隔を決定することができれば車輪が予め定められた角度回転する毎に加速度検出値を取得することができる。しかしながら、加速度検出値には重力加速度成分が含まれているため、最大で±1G分の誤差成分を含んでいることになる。誤差成分を含んだ加速度検出値から取得間隔を決定した場合には、予め定められた角度に角度誤差が生じてしまう。
また、車両が走行しているか否かの判定を加速度検出値によって行う場合、走行判定用閾値を設定し、加速度検出値が走行判定用閾値を超えた場合に車両が走行していると判定する。走行判定用閾値は、車両が停止している場合の加速度検出値よりも大きな値に設定されるが、加速度検出値には車両の速度に関わらず、最大で±1G分の重力加速度成分が含まれている。このため、重力加速度成分を考慮して走行判定用閾値を設定する必要がある。具体的にいえば、車両が停止しているときの遠心加速度値を0Gと仮定した場合、重力加速度成分を考慮しなければ、0Gより大きい値を走行判定用閾値として設定すればよい。しかしながら、重力加速度成分を考慮すると車両が停止している場合でも、最大で+1Gの加速度検出値を検出する。このため、走行判定用閾値として、+1Gよりも大きい値を設定する必要があり、遠心加速度のみを考慮して走行判定用閾値を設定する場合に比べて、走行判定用閾値が大きくなる。結果として、車両が低速で走行している場合には加速度検出値から走行を検知できないおそれがある。
本発明の目的は、加速度検出値から重力加速度成分を除いた補正加速度検出値を得ることができる加速度補正装置、加速度補正プログラム、及び、タイヤ状態検出装置を提供することにある。
上記課題を解決する加速度補正装置は、回転体の回転により生じる遠心力が作用する方向と検出軸の延びる方向が同一方向となる態様で前記回転体に取り付けられた加速度センサの出力信号が入力される入力部と、前記検出軸に作用する加速度に応じた前記出力信号から加速度検出値を導出する導出部と、前記導出部から、前記回転体が1回転する間に前記加速度検出値を複数回取得する取得部と、前記回転体が1回転する間に取得された前記複数の加速度検出値に基づいて、重力加速度成分を除いた補正加速度検出値を導出する除去部と、を備える。
加速度センサによって検出される加速度は、重力加速度の影響で正弦波状に変化する。加速度検出値から遠心加速度値のみを得たい場合、重力加速度成分(交流成分)が誤差成分となる。仮に、回転体が1回転する間に加速度検出値を1回取得したときに、正弦波状に変化する加速度の正のピーク又は負のピークで加速度検出値を取得したとすると、遠心加速度値との差が最も大きくなる。ここで、回転体の回転速度を一定とし、回転体が1回転する間に加速度検出値を複数回取得すると、遠心加速度値を中心として、重力加速度成分が取り得る範囲内で複数の加速度検出値が取得される。
除去部は、複数回取得された加速度検出値から、重力加速度成分を除いた補正加速度検出値を導出することができる。例えば、回転体が1回転する間に加速度検出値を複数回取得し、複数回取得した加速度検出値の平均値を算出したときの期待値は、遠心加速度値となる。また、加速度は正弦波状に変化しているため、複数回取得した加速度検出値の中央値は、正のピーク又は負のピークで取得した加速度検出値よりも遠心加速度値に近い値となる。いずれの場合でも、補正加速度検出値は、正のピーク又は負のピークで取得した加速度検出値に比べて遠心加速度値との差が小さくなっている。すなわち、加速度検出値から重力加速度成分の少なくとも一部を除き、重力加速度成分を低減させた補正加速度検出値を得ることができる。
上記加速度補正装置について、前記除去部は、前記回転体が1回転する間に取得された複数の加速度検出値の平均値を前記補正加速度検出値としてもよい。
前述したように、回転体が1回転する間には、加速度センサによって検出される加速度が正弦波状に変化する。このため、回転体の回転速度を一定とし、複数回取得した加速度検出値の平均値を算出すると、期待値は正弦波の中心、すなわち、遠心加速度となる。このため、加速度検出値の平均値を補正加速度検出値とすることで、加速度検出値から重力加速度成分の少なくとも一部を除いた補正加速度検出値を得ることができる。
上記加速度補正装置について、前記取得部は、前記回転体が1回転する間に前記加速度検出値を4回以上取得し、前記除去部は、前記回転体が1回転する間に取得された複数の加速度検出値のうち、最大値及び最小値を除いた加速度検出値の平均値を前記補正加速度検出値としてもよい。
これによれば、誤差成分の大きいと予想される加速度検出値を除いた加速度検出値の平均値が補正加速度検出値となるため、重力加速度成分が除かれやすい。
上記加速度装置について、前記取得部は、前記回転体が1回転する間に前記加速度検出値を3回以上取得し、前記除去部は、前記回転体が1回転する間に取得された複数の加速度検出値のうち中央値を前記補正加速度としてもよい。
加速度検出値を3回以上取得した場合、中央値は、正弦波状に変化する加速度の正のピーク又は負のピークで取得される加速度検出値とは異なる値となる。このため、中央値を補正加速度検出値とすることで、正のピーク又は負のピークで加速度検出値を取得した場合に比べて、重力加速度成分の少なくとも一部が除かれた加速度検出値を得ることができる。
上記課題を解決する加速度補正プログラムは、回転体の回転により生じる遠心力が作用する方向と検出軸の延びる方向が同一方向となる態様で前記回転体に取り付けられた加速度センサの出力信号が入力される入力部と、前記検出軸に作用する加速度に応じた前記出力信号から前記加速度の検出値である加速度検出値を導出する導出部と、前記導出部から、前記加速度検出値を取得する取得部と、重力加速度成分を除いた補正加速度検出値を導出する除去部と、を備えた加速度補正装置に前記補正加速度検出値を導出させる加速度補正プログラムであって、前記取得部に前記回転体が1回転する間に前記加速度検出値を複数回取得させ、前記除去部に前記回転体が1回転する間に取得された複数の前記加速度検出値に基づいて、前記重力加速度成分を除いた前記補正加速度検出値を導出させる。
これによれば、加速度補正装置に加速度補正プログラムを実行させることで、加速度補正装置に補正加速度検出値を導出させることができる。
上記課題を解決するタイヤ状態検出装置は、複数の車輪それぞれの回転位置を検出する回転位置検出部を有する車両の各車輪に設けられるタイヤ状態検出装置であって、タイヤの状態を検出する状態検出部と、前記状態検出部によって検出された前記タイヤの状態を示すデータを含む送信信号を、当該送信信号の受信を契機として前記回転位置検出部によって検出される前記車輪の回転位置を取得することで各タイヤ状態検出装置がどの車輪に設けられているかを特定する車輪位置特定装置に向けて送信する送信部と、回転体としての前記車輪の回転により生じる遠心力が作用する方向と検出軸の延びる方向が同一方向となる態様で前記車輪に取り付けられ、前記検出軸に作用する加速度に応じた出力信号を出力する加速度センサと、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の加速度補正装置と、前記加速度補正装置によって導出された補正加速度検出値に基づいて設定された取得間隔で前記加速度の検出値である加速度検出値を取得することで、前記車輪が1回転する間に予め定められた角度置きに前記加速度検出値を取得する加速度取得部と、前記加速度取得部によって前記加速度検出値が取得されるときの前記車輪の角度を取得角とするとともに、1回前の取得角で取得された加速度検出値よりも大きい加速度検出値を取得した取得角を増加取得角とし、1回前の取得角で取得された加速度検出値よりも小さい加速度検出値を取得した取得角を減少取得角とすると、前記増加取得角と前記減少取得角が特定のパターンで並んだときに前記送信信号を前記送信部から送信させる制御部と、を備える。
加速度取得部は、車輪が1回転する間に予め定められた角度置きに加速度検出値を取得する。車輪が1回転する間に車両の速度が急激に変化することは稀であり、車輪が1回転する間には遠心加速度の変化は少ない。一方で、車輪が1回転する間には、加速度センサによって検出される重力加速度が+1G〜−1Gの間で変化する。これらより、車輪が1回転する間に複数回加速度検出値を取得したときの各加速度検出値同士の差は、重力加速度に起因した差であるとみなすことができる。そして、重力加速度に起因した加速度検出値の変化は正弦波状に現れる。
車輪が1回転する間の加速度検出値の差が重力加速度のみに起因し、車輪が1回転する間に予め定められた角度置きに加速度検出値を取得したと仮定すると、増加取得角と減少取得角は車輪の回転毎に同一のパターンで並ぶ。そして、増加取得角と減少取得角が特定のパターンで並んだときに送信信号を送信させると、車輪の回転位置(回転角度)が一定位置で送信信号が送信されることになる。車輪位置特定装置においては、各タイヤ状態検出装置が送信信号を送信する車輪の回転位置(角度)と、回転位置検出部によって検出される回転位置との同期からタイヤ状態検出装置がどの車輪に設けられているかを特定する。
送信信号を一定位置で送信するためには、車輪が1回転する間に予め定められた角度置きに加速度検出値を取得する必要がある。車両の速度は加減速によって変化し、車輪が1回転するのに要する時間(1周期)も変化する。車両の速度が変化したときにも予め定められた角度置きに加速度検出値を取得するには、車両の速度に応じて取得間隔を変更する必要がある。車両の速度が変化すると、車輪に作用する遠心力も変化するため、車輪の遠心力を遠心加速度として検出し、遠心加速度に応じて取得間隔を決定することで予め定められた角度置きに加速度検出値を取得することができる。取得間隔を決定する際に、加速度検出値から重力加速度成分の少なくとも一部を除いた補正加速度検出値から取得間隔を決定することで、予め定められた角度置きに加速度を取得することができる。特に、車両の速度が遅く、遠心加速度が小さいときには重力加速度が相対的に大きくなるため、重力加速度を除くことで、車両が低速で走行しているときにも一定位置で送信信号を送信させることができる。
本発明によれば、加速度検出値から重力加速度成分を除いた補正加速度検出値を得ることができる。
(a)は実施形態における加速度補正装置が搭載された車両の概略構成図、(b)は加速度センサの検出軸と車輪との関係を示す図。 (a)は実施形態における回転センサユニットを示す概略構成図、(b)は実施形態における検出器に発生するパルスと、パルスのカウント態様を説明するための図。 送信機の概略構成図。 (a)は加速度センサによって検出される加速度の変化を示す図、(b)は重力加速度値による加速度の変化を示す図。 ID「1」の送信機から送信された送信信号を受信した時点での各回転センサユニットのパルスカウント値を示す概略図。 加速度センサによって検出される加速度の変化を示す図。 加速度センサによって検出される加速度の変化を示す図。 コントローラが行う処理を示すフローチャート。 加速度センサの出力信号と車両の速度との関係を示す図。
以下、加速度補正装置、加速度補正プログラム、及び、タイヤ状態検出装置の一実施形態について説明する。
図1(a)に示すように、車両10は、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)20及びタイヤ状態監視装置30を搭載している。ABS20は、ABSコントローラ25と、車両10の4つの車輪11にそれぞれ対応する回転センサユニット21〜24とを備えている。第1回転センサユニット21は、前側左側に設けられた左前車輪FLに対応し、第2回転センサユニット22は、前側右側に設けられた右前車輪FRに対応している。第3回転センサユニット23は、後側左側に設けられたに左後車輪RLに対応し、第4回転センサユニット24は、後側右側に設けられた右後車輪RRに対応している。各車輪11は、車両用ホイール12と車両用ホイール12に装着されたタイヤ13とから構成されている。ABSコントローラ25はマイクロコンピュータ等よりなり、回転センサユニット21〜24からのパルスカウント値に基づき各車輪11の回転位置(回転角度)を求める。
図2(a)に示すように、回転位置検出部としての各回転センサユニット21〜24は、車輪11と一体回転する歯車26と、歯車26の外周面に対向するように配置された検出器27とからなる。歯車26の外周面には複数本(本実施形態では48本)の歯が等角度間隔おきに設けられている。そして、検出器27は、歯車26が回転することで生じるパルスを検出する。ABSコントローラ25は、各検出器27に有線接続され、各検出器27のパルスのカウント値(以下、パルスカウント値)に基づき、各車輪11の回転位置を求める。具体的にいえば、歯車26は1回転する毎に、歯の数に対応した数のパルスを検出器27に発生させる。ABSコントローラ25は、検出器27に発生したパルスをカウントする。車輪11が1回転(360度)する間に検出器27に発生するパルス数で360度を除算することでパルスカウント1につき、歯車26が何度回転したかを把握することができる。
図2(b)に示すように、本実施形態において、ABSコントローラ25は、パルスの立ち上がりと立ち下がりをカウントすることで0〜95までカウントを行う。本実施形態では、車輪11が3.75度回転する毎にパルスカウント値が1増加する。
次に、タイヤ状態監視装置30について説明する。
図1(a)に示すように、タイヤ状態監視装置30は、4つの車輪11にそれぞれ取り付けられた送信機31と、車両10の車体に設置される受信機50とを備えている。各送信機31は、タイヤ13の内部空間に配置されるように、そのタイヤ13が装着された車両用ホイール12に対して取り付けられている。タイヤ状態検出装置としての各送信機31は、対応するタイヤ13の状態を検出して、検出されたタイヤ状態を示すデータを含む信号を無線送信する。
図3に示すように、各送信機31は、圧力センサ32、温度センサ33、加速度センサ34、コントローラ35、送信回路36、送信アンテナ38、及び、送信機31の電力源となるバッテリ37を備える。送信機31は、バッテリ37からの供給電力によって動作し、コントローラ35は送信機31の動作を統括的に制御する。圧力センサ32は、対応するタイヤ13内の圧力(タイヤ内圧力)を検出し、圧力に応じた信号をコントローラ35に出力する。温度センサ33は、対応するタイヤ13内の温度(タイヤ内温度)を検出して、温度に応じた信号をコントローラ35に出力する。本実施形態では、状態検出部としての圧力センサ32及び温度センサ33を用いて、タイヤ13の状態としてタイヤ13内の圧力及びタイヤ13内の温度を検出している。
図1(b)に示すように、加速度センサ34は、回転体としての車輪11と一体となって回転して自身に作用する加速度を検出する。本実施形態の加速度センサ34は、送信機31が車輪11の最下位置に位置しているときに、検出軸34aが鉛直方向(下方)を向くように設けられている。加速度センサ34は、この検出軸34aに沿う方向の加速度を検出する。検出軸34aの延びる方向は、車輪11の回転位置に関わらず遠心力の作用する方向と同一方向となり、加速度センサ34は車輪11の回転位置に関わらず遠心加速度を検出する。一方、重力加速度は常に鉛直方向に作用するため、検出軸34aが鉛直方向を向いていない場合、加速度センサ34は重力加速度の分力(重力加速度成分)を検出する。加速度センサ34は、遠心加速度に重力加速度を加えた加速度に応じた出力信号(出力電圧)を出力する。
図4(a)に示すように、車両10が時刻T1まで加速し、時刻T1から時刻T2まで等速で走行し、時刻T2から減速した場合を想定する。加速度センサ34によって検出される加速度は、車両10の加速による遠心加速度の増加によって時刻T1まで増加し、車両10の減速による遠心加速度の減少によって時刻T2から減少する。また、車両10が等速で走行している時刻T1から時刻T2の間には、加速度は略一定となる。重力加速度は、常に鉛直方向に向けて作用しているが、検出軸34aは車輪11の回転とともに向きを変化させるため、加速度センサ34によって検出される重力加速度は車輪11の回転位置によって変動する。加速度は、重力加速度によって正弦波状に変化する。
図4(b)では図4(a)の符号A1で示す部分を拡大して示している。加速度に含まれている交流成分は、車輪11の回転により±1G(に相当する電圧)の間で正弦波状に変化する。車輪11の最前位置に送信機31が位置しているときの車輪11の角度を0度とし、車両10が前進する方向に車輪11が前進したときの角度を正とすると、車輪11の角度が0度のときには、加速度センサ34は遠心加速度に重力加速度として0Gを加えた加速度を検出する。車輪11の角度が+90度のときには、送信機31(加速度センサ34)が車輪11の最下位置に位置し、加速度センサ34は遠心加速度に重力加速度として+1Gを加えた加速度を検出する。車輪11の角度が+180度のときには、送信機31が車輪11の最後位置に位置し、加速度センサ34は遠心加速度に重力加速度として0Gを加えた加速度を検出する。車輪11の角度が+270度のときには、送信機31が最上位置に位置し、加速度センサ34は遠心加速度に重力加速度として−1Gを加えた加速度を検出する。
図3に示すように、コントローラ35は、CPU35a、記憶部(RAMやROM等)35b及びタイマ35cを含むマイクロコンピュータ等よりなり、記憶部35bには各送信機31に固有の識別情報であるIDが登録されている。このIDは、各送信機31を受信機50において識別するために使用される情報である。本実施形態では、左前車輪FLに設けられた送信機31のIDを「1」、右前車輪FRに設けられた送信機31のIDを「2」、左後車輪RLに設けられた送信機31のIDを「3」、右後車輪RRに設けられた送信機31のIDを「4」としている。なお、説明の便宜上IDを「1」〜「4」で表現しているが、IDはこれに限られない。
コントローラ35は、圧力センサ32からの信号が入力される圧力入力部I1、温度センサ33からの信号が入力される温度入力部I2、及び、加速度センサ34からの出力信号が入力される入力部I3と、を備えている。
コントローラ35は、圧力センサ32によって検出されたタイヤ内圧力、温度センサ33によって検出されたタイヤ内温度、及び、加速度センサ34によって検出された加速度検出値を、それぞれ予め定められた取得間隔で取得する。具体的にいえば、コントローラ35は、ADコンバータ35dを備えており、各センサから出力された信号は、デジタル信号に変換される。CPU35aは、所定の取得間隔でADコンバータ35dからデジタル信号を取得することで、タイヤ内圧力、タイヤ内温度、及び、加速度検出値を取得する。本実施形態において、ADコンバータ35dが導出部となり、CPU35aが取得部となる。
加速度取得部としてのCPU35aは、図4(b)に示すように、車輪11が1回転する間(1周期)に、10個の取得角P1〜P10に位置する毎に加速度検出値を取得するように制御を行う。車輪11の回転速度は、運転者による加減速によって変化するが、加速度センサ34の加速度検出値に基づいて車輪11が1回転するのに要する時間を算出することができる。上記したように、加速度センサ34の加速度検出値は車両10の速度によって変化するため、加速度検出値に基づいて車両10の速度、ひいては、車輪11が1回転するのに要する時間を算出することができる。CPU35aは、車輪11が1回転するのに要する時間を10等分した取得間隔を決定し、決定された取得間隔で加速度検出値を取得する。結果的に、CPU35aは、車輪11が1回転する間に各取得角P1〜P10間の角度差である36度置きに加速度検出値を取得することになる。
制御部としてのCPU35aは、タイヤ内圧力データ、タイヤ内温度データ、及び、IDを含むデータを、送信回路36に出力する。送信部としての送信回路36は、CPU35aからのデータを変調して送信信号を生成し、送信信号を送信アンテナ38から無線送信する。
図1(a)に示すように、受信機50は、受信コントローラ51、受信回路52、及び、受信アンテナ54を備えている。受信機50の受信コントローラ51には、表示器53が接続されている。受信コントローラ51は受信側CPU51a、受信側記憶部(ROMやRAM等)51b、及び、受信側タイマ51cを含むマイクロコンピュータ等よりなり、受信側記憶部51bには受信機50の動作を統括的に制御するプログラムが記憶されている。受信回路52は、各送信機31から受信アンテナ54を通じて受信された送信信号を復調して、受信コントローラ51に送る。
受信コントローラ51は、受信回路52からの送信信号に基づき、送信元の送信機31に対応するタイヤ13の状態(タイヤ内圧力及びタイヤ内温度)を把握する。受信コントローラ51は、タイヤ内圧力に関する情報等を表示器53に表示させる。
また、受信コントローラ51は、ABSコントローラ25に接続され、各回転センサユニット21〜24のパルスカウント値を、ABSコントローラ25を通じて取得可能である。
次に、各送信機31が各車輪11のうちのどの車輪11に設けられているかを特定する車輪位置特定処理について説明する。まず、送信機31について詳細に説明する。
図4(b)に示すように、送信機31のコントローラ35は、各取得角P1〜P10で加速度検出値を取得する。コントローラ35は、一つの取得角で取得された加速度検出値と、その取得角の1回前の取得角で取得された加速度検出値とを比較して、各取得角で取得された加速度検出値が1回前の取得角で取得された加速度検出値よりも増加しているか減少しているかを判定する。1回前の取得角で取得された加速度検出値よりも大きい加速度検出値を取得した取得角を増加取得角とし、1回前の取得角で取得された加速度検出値よりも小さい加速度検出値を取得した取得角を減少取得角とする。なお、本実施形態では、1回前の取得角で取得された加速度検出値と同一の加速度検出値を取得した取得角については、1回前の取得角とは異なる取得角としている。具体的にいえば、1回前の取得角が増加取得角であれば減少取得角、1回前の取得角が減少取得角であれば増加取得角としている。
図4(b)では、増加取得角に「+」を付し、減少取得角に「−」を付している。以下の説明において、適宜、増加取得角を「+」と表現し、減少取得角を「−」と表現する。加速度検出値は、遠心加速度値に重力加速度成分を加えたものであるが、車輪11が1回転するのに要する時間は僅かであり、その間に車両10の速度が急激に変化することは稀である。したがって、遠心加速度の変化を無視して、各取得角P1〜P10間での加速度検出値の変化は重力加速度成分に起因する変化とみなすことができる。
車輪11が1回転する間に予め定められた角度毎に加速度検出値が取得された場合、増加取得角と減少取得角は、車輪11の回転毎に同一のパターンで並ぶ。そして、CPU35aは、車輪11が1回転する間の増加取得角と減少取得角が特定のパターンで並んだときに送信信号を送信回路36に送信させる。
本実施形態では、送信機31が車輪11の最下位置を跨いだときに送信信号が送信される。送信機31が車輪11の最下位置を跨ぐと、車両10の前進方向において取得角は「+」「−」の順に並ぶ。取得角が「+」「−」の順に並ぶと、送信機31が車輪11の最下位置を跨いだと把握することができ、「−」のタイミングで送信信号が送信されることで送信機31が車輪11の最下位置を跨いだタイミングで送信信号が送信される。
本実施形態では、外乱などによる偶発的な加速度検出値の増減の反転によって送信信号が送信されることを抑止するために、取得角が特定のパターンである「+」「+」「−」「−」の順に並んだときに、送信機31が車輪11の最下位置を跨いだとみなす。そして、コントローラ35は、特定のパターンの二つ目の「−」となる取得角で送信信号を送信させる。
車輪11が1回転する間にCPU35aが加速度検出値を取得する回数は10回である。0度〜359度が10個の取得角P1〜P10で等分され、0度をP1として36度置きに取得角が設定されているとする。特定のパターンの二つ目の「−」は、144度である。そして、特定のパターンの二つ目の「−」となる取得角P5で送信信号を送信することで、送信信号は常に車輪11が144度のときに送信されることになる。
次に、受信機50について説明する。
車輪位置特定装置としての受信機50の受信コントローラ51は、送信信号を受信した時点でABSコントローラ25から各回転センサユニット21〜24のパルスカウント値(車輪11の回転位置)を取得し、これによって各送信機31がどの車輪11に設けられているかを特定する。
4つの車輪11のうち、例えば、ID「1」の送信機31が設けられた車輪11に着目して説明を行う。受信コントローラ51は、ID「1」の送信機31から送信された送信信号を受信すると、送信信号を受信した時点での各回転センサユニット21〜24のパルスカウント値(車輪11の回転位置)をABSコントローラ25から取得する。各車輪11の回転数は、ディファレンシャルギアの影響などによって異なる。このため、ID「1」の送信機31から送信された送信信号を受信した時点での各回転センサユニット21〜24のパルスカウント値を複数回取得すると、ID「1」の送信機31が設けられた車輪11に対応する回転センサユニット21〜24のパルスカウント値のみばらつきが小さくなる。仮に、送信信号が常に一定位置(144度)で送信されていれば、複数の回転センサユニット21〜24のうち、一つの回転センサユニットのパルスカウント値は常に同一の値となる。送信信号を複数回受信し、送信信号を受信する毎に各回転センサユニット21〜24のパルスカウント値を取得したときに、各回転センサユニット21〜24のパルスカウント値同士の差を求め、最もばらつきが小さい回転センサユニットに対応した車輪にID「1」の送信機31が設けられていると特定することができる。
図5に示すように、本実施形態では、左前車輪FLに対応する回転センサユニット21のパルスカウント値が一定の値を示す。このため、ID「1」の送信機31が設けられた車輪11は、車両10の左前車輪FLに設けられていると把握することができる。そして、ID「2」「3」「4」の送信機31についても、同様の処理を行うことで、各IDの送信機31が、どの車輪11に設けられているかを特定することができる。
上記したように、送信機31が送信信号を常に一定位置で送信すれば、どの送信機31がどの車輪11に設けられているかを特定することができる。しかしながら、実際には、加速度検出値を取得する取得間隔や、送信機31を構成する部材の公差、加速度検出値の計測誤差などに起因して、送信機31が送信信号を送信する回転位置にはばらつきが生じる。送信機31が送信信号を送信する角度のばらつきが大きくなると、送信信号を受信した時点で、当該送信信号を送信した送信機31が設けられている車輪11に対応する回転センサユニットによって取得されるパルスカウント値のばらつきも大きくなる。すると、送信信号を送信した送信機31が設けられている車輪11に対応する回転センサユニットによって取得されるパルスカウント値と、その他の回転センサユニットによって取得されるパルスカウント値との差が大きくなりにくく、送信機31がどの車輪11に設けられているかの特定に要する時間が長くなるおそれがある。なお、本実施形態では、説明の便宜上、加速度検出値を取得する取得間隔のみに起因して送信信号が送信される車輪11の回転位置にずれが生じ、送信機31を構成する部材の公差などは考慮せずに説明を行う。以下、送信信号が送信される車輪11の回転位置のずれについて詳細に説明する。
前述したように、加速度検出値を取得する取得間隔は、加速度検出値に基づいて決定している。車両10の速度(車輪11の回転速度)によって変動するのは加速度検出値に含まれる遠心加速度値であり、重力加速度成分は車輪11の回転位置によってのみ変動する。
図6に示すように、加速度センサ34によって検出される加速度は正弦波状に変化する。車輪11の回転速度が一定とすると、正弦波の中央(半周期)P12で加速度検出値を取得できた場合、当該加速度検出値には重力加速度成分が含まれず、遠心加速度値となる。一方で、正弦波状に変化する加速度の正のピークP11、あるいは、負のピークP13で加速度検出値を取得した場合、重力加速度成分が誤差成分となり、遠心加速度値±1Gの加速度検出値となる。この加速度検出値に基づいて加速度検出値の取得間隔が決定されると、送信信号が送信される車輪11の回転位置にばらつきが生じる。
例えば、遠心加速度が5Gのときに、負のピークP13で加速度検出値を取得し、この加速度検出値に基づき取得間隔が決定された場合を想定する。CPU35aは、加速度検出値に基づき、車輪11が1回転する間に加速度検出値を10回取得するように取得間隔を決定する。この際、車両10の速度(車輪11の回転速度)は5Gに相当する速度であるが、CPU35aは4Gに相当する速度で車両10が走行していると判断している。CPU35aは、4Gに相当する速度で回転している車輪11が1回転する間に加速度検出値を10回取得するように取得間隔を決定することになる。
すると、決定される取得間隔は5Gの場合に比べて、長くなる。結果として、車輪11が1回転する間に加速度検出値を10回取得する必要とするところが、車輪11が1回転する間に8回しか加速度検出値を取得できなくなる。上記した説明では、遠心加速度が5Gであり、取得した加速度検出値が4Gなので、加速度検出値の誤差が20%である。このため、取得間隔にも20%の誤差が生じ、結果として、車輪11が1回転する間に、加速度検出値を8回しか取得できなくなる。
車輪11が1回転する間に加速度検出値が取得される回数が8回になると、各取得点間の角度差に差が生じる。前述したように、車輪11が1回転する間に取得される加速度検出値が10回の場合、各取得転点P1〜P10間の角度差は36度である。一方で、図7に示すように、車輪11が1回転する間に取得される加速度検出値が8回の場合、各取得点P21〜P28間の角度差は45度である。この結果、車輪11が1回転する間に加速度検出値が8回しか取得されない場合、特定のパターンで送信信号を送信すると、180度で送信信号が送信されることになる。車輪11が1回転する間に加速度検出値が10回取得される場合には、144度で送信信号が送信されるのに対して、8回の場合には180度となるため、送信信号が送信される車輪11の回転位置に36度の差が生じることになる。
また、遠心加速度が5Gのときに、正のピーク(6G)で加速度検出値を取得した場合には、各取得点間の角度差が30度となり、特定のパターンで送信信号を送信すると、150度で送信信号が送信されることになる。受信機50においては、送信信号が送信される車輪11の回転位置のずれに起因して、送信信号を受信したときに各回転センサユニット21〜24から取得するパルスカウント値にずれが生じる。
遠心加速度は車両10の速度が速くなることで大きくなるが、重力加速度は車両10の速度に関わらず一定である。このため、車両10の速度が速ければ速いほど、重力加速度は遠心加速度に比べて相対的に小さくなり、重力加速度成分を含んだ加速度検出値によって取得間隔を決定しても、重力加速度成分による影響は少ない。
一方で、車両10の速度が低速であれば、重力加速度の影響が大きく、送信信号が送信される回転位置のずれが大きくなる。結果として、車両10の低速時にはどの送信機31がどの車輪11に設けられているかを特定できなかったり、特定するのに要する時間が長くなる。本実施形態では、加速度検出値から重力加速度成分の少なくとも一部を除いた補正加速度検出値を導出し、この補正加速度検出値によって取得間隔を決定することで、重力加速度成分による影響を低減させている。
本実施形態では、記憶部35bに記憶された加速度補正プログラムがCPU35aによって実行されることで、コントローラ35が加速度補正装置として機能し、補正加速度検出値を導出する。以下、CPU35aが加速度補正プログラムによって実行する処理について、作用とともに説明する。
図8に示すように、CPU35aは、加速度検出値を1回取得する(ステップS11)。ステップS12において、CPU35aは加速度検出値から仮取得間隔を決定する。仮取得間隔は、加速度検出値を取得するときの取得間隔と同様な方法で決定される。
ステップS13において、CPU35aは仮取得間隔で加速度検出値を取得する。一例として、図6に示す負のピークP13で加速度検出値を取得した場合を説明する。前述したように、この場合、車輪11が1回転する間に加速度検出値が8回取得される。
ステップS14において、CPU35aは、8回取得された加速度検出値の平均値を算出する。加速度検出値は、正弦波状に変化するため、車輪11の回転速度が一定とすると、車輪11が1回転する間に取得された加速度検出値の平均値の期待値は正弦波の中心、すなわち、遠心加速度値となる。前述したように、車輪11が1回転するのに要する時間は僅かであり、車輪11が1回転する間には、車両10の速度が急激に変化することは稀であると考えられる。このため、車輪11の回転速度を一定とみなしている。
除去部としてのCPU35aは、加速度検出値の平均値を、補正加速度検出値として、処理を終了する。補正加速度検出値は、車輪11が1回転する間に加速度検出値を取得する回数、加速度検出値を取得する車輪11の回転位置に関わらず、正負のピークで加速度検出値を取得する場合に比べて、重力加速度成分が小さい値となる。
CPU35aは、補正加速度検出値から加速度検出値の取得間隔を決定する。補正加速度検出値は、重力加速度成分の少なくとも一部が除かれているため、この補正加速度検出値から取得間隔を決定すると、送信信号が送信される車輪11の回転位置のばらつきが小さくなる。特に、重力加速度成分による影響が大きい低速走行時であっても、送信信号が送信される回転位置のばらつきを小さくすることができる。上記した取得間隔の決定は、所定間隔毎に行われ、そのときの車両10の速度に応じた取得間隔が決定される。
なお、上記したように、補正加速度検出値は、加速度センサ34によって検出される加速度の正負のピークで加速度検出値を取得する場合に比べて、重力加速度成分が低減された値となる。しかしながら、全ての重力加速度成分を除けない場合も生じ得るため、補正加速度検出値を用いて取得間隔を決定した場合であっても、加速度検出値を取得する「予め定められた角度」にはずれが生じ得る。そして、これにより、送信信号が送信される車輪11の回転位置にもずれが生じ得る。しかしながら、送信信号が送信される車輪11の回転位置のずれ幅(角度差)は、加速度検出値を1回取得して、当該加速度検出値に基づいて取得間隔を決定した場合に比べて小さくなり、送信機31がどの車輪11に設けられているかを特定しやすくなる。すなわち、加速度検出値を取得する「予め定められた角度」とは、許容範囲を有し、送信信号が送信される一定位置についても同様に、許容範囲を有する。
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)送信機31は、加速度センサ34を備えている。コントローラ35のCPU35aは、車輪11が1回転する間に加速度検出値を複数回取得する。そして、CPU35aは複数回取得した加速度検出値から重力加速度成分の少なくとも一部を除いた補正加速度検出値を導出する。実施形態では、複数回取得した加速度検出値の平均値を補正加速度検出値としている。加速度センサ34によって検出される加速度は正弦波状に変化しているため、複数回取得した加速度検出値の平均値の期待値は、遠心加速度値となる。これにより、重力加速度成分の少なくとも一部を除いた補正加速度検出値を得ることができる。
(2)CPU35aは、補正加速度検出値に基づいて加速度検出値の取得間隔を決定している。加速度検出値から重力加速度成分の少なくとも一部を除いた補正加速度検出値に基づいて取得間隔を決定することで、特定のパターンで送信信号が送信される際に、車輪11の回転位置のばらつき(角度差)が小さくなる。このため、受信機50にて、どの送信機31がどの車輪11に設けられているかを特定しやすい。特に、車両10の低速走行時には、重力加速度の影響が大きく、送信信号が送信される車輪11の回転位置のばらつきが大きくなりやすい。加速度検出値から重力加速度成分の少なくとも一部を除去することで、車両10の低速走行時であっても、送信信号が送信される車輪11の回転位置のばらつきを小さくすることができる。このため、車両10の低速走行時であっても、どの送信機31がどの車輪11に設けられているかを受信機50に特定させることができる。
なお、実施形態は以下のように変更してもよい。
・車輪11が1回転する間に取得された複数の加速度検出値から、最大値及び最小値を除いて、残りの加速度検出値の平均値を補正加速度検出値としてもよい。加速度検出値の最大値及び最小値は、遠心加速度値との差が大きいと予想されるため、最大値及び最小値を除いた加速度検出値の平均値を補正加速度検出値とすることで、遠心加速度値との差が小さい補正加速度検出値を取得し得る。なお、この場合、仮取得間隔として、車輪11が1回転する間に加速度検出値を4回以上取得できるような間隔を設定する。
・車輪11が1回転する間に取得された複数の加速度検出値のうち、最大値と最小値の平均値を補正加速度検出値としてもよい。この場合であっても、加速度の正負のピークで加速度検出値を取得した場合に比べて補正加速度検出値に含まれる重力加速度成分を低減させることができる。
・車輪11が1回転する間に取得された複数の加速度検出値のうち、中央値を補正加速度検出値としてもよい。この場合であっても、加速度の正負のピークで加速度検出値を取得した場合に比べて補正加速度検出値に含まれる重力加速度成分を低減させることができる。なお、この場合、仮取得間隔として、車輪11が1回転する間に加速度検出値を3回以上取得できるような間隔を設定する。また、車輪11が1回転する間に取得された加速度検出値が偶数の場合、2つの中央値のうち、いずれか一方を補正加速度検出値としてもよいし、2つの中央値の平均値を補正加速度検出値としてもよい。
・車輪11が半回転する毎に少なくとも1回の加速度検出値を取得することができる場合、複数の加速度検出値のうちの最大値に−1した値を補正加速度検出値としてもよい。また、複数の加速度検出値のうちの最小値に+1した値を補正加速度検出値としてもよい。
・実施形態では、加速度検出値を取得する前に、加速度検出値を1回取得し、仮取得間隔を決定したが、仮取得間隔は、予め定められていてもよい。仮取得間隔を予め定める場合、送信機31の位置特定を車両10の速度が何km以上のときに行いたいかを想定し、その速度で車両10が走行している状況において、車輪11が1回転する間に加速度検出値を複数回取得できるように仮取得間隔を定める。
・実施形態に記載したように、車両10の速度が速くなるほど重力加速度による影響が少なくなり、重力加速度の影響を無視したとしても送信信号が送信される車輪11の回転位置のばらつきは小さくなる。このため、車両10の速度が遅いときにのみ補正加速度検出値から加速度検出値の取得間隔を決定し、車両10の速度が、重力加速度の影響を無視できる速度になった場合には、補正加速度検出値を導出することなく、加速度検出値から取得間隔を決定してもよい。車両10の速度が、重力加速度の影響を無視できる速度になったか否かは、加速度センサ34によって検出される加速度検出値が閾値を超えたか否かによって判断すればよい。なお、閾値を超えたか否かの判断は、加速度検出値によって行われてもよいし、補正加速度検出値から行われてもよい。
・実施形態では、補正加速度検出値を用いて加速度検出値の取得間隔を決定したが、補正加速度検出値は加速度検出値の取得間隔を決定すること以外に用いられてもよい。例えば、車両10が走行しているかの判定を加速度センサ34によって検出される加速度によって行う場合、加速度検出値が走行判定用閾値を上回ったか否かによって判定が行われる。この際、補正加速度検出値が走行判定用閾値を上回っている場合には車両10が走行していると判定し、補正加速度検出値が走行判定用閾値以下の場合には車両10が停止していると判定してもよい。すなわち、加速度検出値の重力加速度成分が誤差成分となる場合であれば、どのような用途であっても補正加速度検出値を用いることができ、加速度補正装置は、タイヤ状態検出装置以外に用いられてもよい。
・実施形態では、コントローラ35に加速度補正プログラムを実行させることで、コントローラ35を加速度補正装置として機能させたが、これに限られない。加速度センサ34とコントローラ35との間に、加速度補正装置を設けて、加速度補正装置からコントローラ35に補正加速度検出値が出力されるようにしてもよい。
・車輪11が1回転する間に取得される加速度検出値の回数は、2回以上であれば何回であってもよい。加速度検出値を取得する回数を増やせば増やすほど、補正加速度検出値と遠心加速度値との差は小さくなる一方で、バッテリ37の電力消費は多くなるため、これらの兼ね合いから加速度検出値を取得する回数(仮取得間隔)を決定すればよい。
・実施形態では、「+」「+」「−」「−」を特定のパターンとしたが、これに限られない。例えば、「+」「−」を特定のパターンとしてもよいし、「−」「−」「+」「+」を特定のパターンとしてもよい。また、「−」「+」、「+」「+」、「−」「−」などでもよく、車輪11が1回転する間に生じるパターンから任意の特定のパターンを設定することができる。更に、これらのパターンを組み合わせることで特定のパターンとしてもよい。
・加速度センサ34が車輪11の最上位置に位置しているときに検出軸34aが鉛直方向を向くようにしてもよい。この場合、車輪11が1回転する間に加速度センサ34によって検出される重力加速度(±1G)の正負が実施形態と反転する。
・歯車26の歯数を変更することで、車輪11が1回転する毎に検出器27に発生するパルスの数は適宜変更してもよい。また、立ち上がり又は立ち下がりの一方をカウントすることで、車輪11が1回転する間のパルスカウント数を変更してもよい。
・車輪11以外の回転体に加速度補正装置が設けられてもよい。回転体としては、遠心加速度成分に加えて重力加速度成分を含んだ加速度を検出している加速度センサ34(検出軸34aが水平方向に対して傾いた状態で取り付けられている加速度センサ34)が設けられた回転体であれば、どのような回転体を採用してもよい。
10…車両、11…車輪、31…送信機、32…圧力センサ、33…温度センサ、34…加速度センサ、34a…検出軸、35…コントローラ、35a…CPU、35d…ADコンバータ、36…送信回路、50…受信機。

Claims (6)

  1. 回転体の回転により生じる遠心力が作用する方向と検出軸の延びる方向が同一方向となる態様で前記回転体に取り付けられた加速度センサの出力信号が入力される入力部と、
    前記検出軸に作用する加速度に応じた前記出力信号から加速度検出値を導出する導出部と、
    前記導出部から、前記回転体が1回転する間に前記加速度検出値を複数回取得する取得部と、
    前記回転体が1回転する間に取得された前記複数の加速度検出値に基づいて、重力加速度成分を除いた補正加速度検出値を導出する除去部と、を備える加速度補正装置。
  2. 前記除去部は、前記回転体が1回転する間に取得された複数の加速度検出値の平均値を前記補正加速度検出値とする請求項1に記載の加速度補正装置。
  3. 前記取得部は、前記回転体が1回転する間に前記加速度検出値を4回以上取得し、
    前記除去部は、前記回転体が1回転する間に取得された複数の加速度検出値のうち、最大値及び最小値を除いた加速度検出値の平均値を前記補正加速度検出値とする請求項2に記載の加速度補正装置。
  4. 前記取得部は、前記回転体が1回転する間に前記加速度検出値を3回以上取得し、
    前記除去部は、前記回転体が1回転する間に取得された複数の加速度検出値のうち中央値を前記補正加速度検出値とする請求項1に記載の加速度補正装置。
  5. 回転体の回転により生じる遠心力が作用する方向と検出軸の延びる方向が同一方向となる態様で前記回転体に取り付けられた加速度センサの出力信号が入力される入力部と、
    前記検出軸に作用する加速度に応じた前記出力信号から前記加速度の検出値である加速度検出値を導出する導出部と、
    前記導出部から、前記加速度検出値を取得する取得部と、
    重力加速度成分を除いた補正加速度検出値を導出する除去部と、を備えた加速度補正装置に前記補正加速度検出値を導出させる加速度補正プログラムであって、
    前記取得部に前記回転体が1回転する間に前記加速度検出値を複数回取得させ、
    前記除去部に前記回転体が1回転する間に取得された複数の前記加速度検出値に基づいて、前記重力加速度成分を除いた前記補正加速度検出値を導出させる加速度補正プログラム。
  6. 複数の車輪それぞれの回転位置を検出する回転位置検出部を有する車両の各車輪に設けられるタイヤ状態検出装置であって、
    タイヤの状態を検出する状態検出部と、
    前記状態検出部によって検出された前記タイヤの状態を示すデータを含む送信信号を、当該送信信号の受信を契機として前記回転位置検出部によって検出される前記車輪の回転位置を取得することで各タイヤ状態検出装置がどの車輪に設けられているかを特定する車輪位置特定装置に向けて送信する送信部と、
    回転体としての前記車輪の回転により生じる遠心力が作用する方向と検出軸の延びる方向が同一方向となる態様で前記車輪に取り付けられ、前記検出軸に作用する加速度に応じた出力信号を出力する加速度センサと、
    請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の加速度補正装置と、
    前記加速度補正装置によって導出された補正加速度検出値に基づいて設定された取得間隔で前記加速度の検出値である加速度検出値を取得することで、前記車輪が1回転する間に予め定められた角度置きに前記加速度検出値を取得する加速度取得部と、
    前記加速度取得部によって前記加速度検出値が取得されるときの前記車輪の角度を取得角とするとともに、1回前の取得角で取得された加速度検出値よりも大きい加速度検出値を取得した取得角を増加取得角とし、1回前の取得角で取得された加速度検出値よりも小さい加速度検出値を取得した取得角を減少取得角とすると、前記増加取得角と前記減少取得角が特定のパターンで並んだときに前記送信信号を前記送信部から送信させる制御部と、を備えたタイヤ状態検出装置。
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