JP6430204B2 - 表面清浄度判定装置および表面清浄度判定プログラム - Google Patents

表面清浄度判定装置および表面清浄度判定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、鋼材素地の表面清浄度(除錆度)を判定する表面清浄度判定装置および表面清浄度判定プログラムに関する。
レーザー光のようなコヒーレント光に近い状態の光を物体表面に照射すると、表面のランダムな凹凸により、スペックルパターンと呼ばれるランダムな干渉縞が発生する。従来、この干渉縞を検出して分析することにより、表面粗さを測定する測定装置が開発されている(例えば、特許文献1,2、非特許文献1参照。)。
一方、鋼材素地の表面清浄度の評価方法として制定されている国際規格ISO8501−1:1988には、鋼材表面のさび度および仕上げ等級が規定されている。
さび度としては、4段階のさび度A,B,C,Dが、代表的写真例とともに、次のように文章で定義されている。
A 鋼材の表面は大部分が固いミルスケールで覆われており、さびは、もしあってもごく僅かである。
B 鋼材の表面はさびが発生し始めており、ミルスケールは剥離し始めている。
C 鋼材の表面のミルスケールは、既にさびになっているが、あるいはかき落とすことが出来る。しかし孔食は、肉眼で僅かに認められる程度である。
D 鋼材の表面のミルスケールは既にさびとなっており、かなりの孔食が肉眼で認められる。
また、仕上げ等級としては、素地調整の方法と清浄化の程度を示す多数の仕上げ等級が規定されており、代表写真例とともに、清浄作業後の表面の外観についての記述により定義されている。各仕上げ等級は清浄方法の種類を示す特有の文字を用いて“Sa”(ブラスト処理)、“St”(手工具及び動力工具仕上げ)、“FI”(火炎処理)と付けられており、文字に続く数字はミルスケールやさび、旧塗膜を除去する程度を示している。
例えば、ブラスト処理による素地調整については、以下の文章とともに写真例で定義されている。
Sa 1 軽いブラスト処理
拡大鏡なしで、表面には目に見える油、グリース、泥土、及び弱く付着したミルスケール、さび、塗膜、異物がないこと。
Sa 2 充分なブラスト処理
拡大鏡なしで、表面には目に見える油、グリース、泥土、及び殆どのミルスケール、さび、塗膜、異物がないこと。残存した全ての汚れは固着したものであること。
Sa 2 1/2 さらに充分なブラスト処理
拡大鏡なしで、表面には目に見える油、グリース、泥土、及びミルスケール、さび、塗膜、異物がないこと。汚れの全ての残存している痕跡は、斑点あるいはすじ状の僅かな染みとしてのみ認められること。
Sa 3 目視上清浄な鋼材を得るためのブラスト処理
拡大鏡無しで、表面には目に見える油、グリース、泥土、及びミルスケール、さび、塗膜、異物がないこと。表面は、均一な金属色をしていること。
特開2013−83581号公報 特開2013−68636号公報
吉村武晃ら、「レーザ散乱法を用いたオンライン表面粗さの測定法とその応用」、計測自動制御学会論文集、計測自動制御学会、1995年1月、第31巻、第1号、ページp.1−7
上記のように、従来、鋼材素地の表面清浄度の評価は、国際規格ISO8501−1:1988に規定されている方法に基づいて目視により行われているが、適切な評価を行うためには専門的な技量が必要となる。また、このような目視による方法では、評価する人によって個人差も出るし、狭隘で薄暗い現場環境などでは適切な評価を行うことが困難であるという問題がある。
一方、前述のように、表面粗さは光干渉法によりスペックルパターンを検出して分析することにより機械的に測定することが可能となっている。
そこで、本発明においては、光干渉法により鋼材素地の表面清浄度を判定することが可能な表面清浄度判定装置および表面清浄度判定プログラムを提供することを目的とする。
本発明の表面清浄度判定装置は、鋼材表面の計測面のスペックルパターンを取得するスペックルパターン取得手段と、スペックルパターン取得手段により取得した計測面のスペックルパターンから、予め定義された評価指標を算出する演算手段と、予め基準となる表面清浄度が異なる複数の試験片からスペックルパターンを取得して評価指標を算出し、複数の試験片のそれぞれの表面清浄度に対応して設定された評価指標に対するしきい値を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されたしきい値に基づいて演算手段により算出された計測面の評価指標から計測面の表面清浄度を判定する判定手段と、判定手段による判定結果を表示する表示手段とを有するものである。
本発明の表面清浄度判定装置によれば、鋼材表面の計測面のスペックルパターンを取得して、予め記憶手段に記憶されたしきい値に基づいて演算手段により算出された計測面の評価指標から計測面の表面清浄度が判定され、表示手段により判定結果が表示される。
また、本発明の表面清浄度判定プログラムは、鋼材表面の計測面のスペックルパターンを取得するスペックルパターン取得手段および表示手段が接続されるコンピュータを、スペックルパターン取得手段により取得した計測面のスペックルパターンから、予め定義された評価指標を算出する演算手段と、予め基準となる表面清浄度が異なる複数の試験片からスペックルパターンを取得して評価指標を算出し、複数の試験片のそれぞれの表面清浄度に対応して設定された評価指標に対するしきい値を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されたしきい値に基づいて演算手段により算出された計測面の評価指標から計測面の表面清浄度を判定し、判定結果を表示手段に表示させる判定手段として機能させるためのものである。
本発明の表面清浄度判定プログラムを実行したコンピュータによれば、鋼材表面の計測面のスペックルパターンを取得して、予め記憶手段に記憶されたしきい値に基づいて演算手段により算出された計測面の評価指標から計測面の表面清浄度が判定され、表示手段により判定結果が表示される。
本発明によれば、スペックルパターンから鋼材素地の表面清浄度が判定され、適切な評価を行うために専門的な技量が不要となり、評価する人によって個人差も出なくなる。また、狭隘で薄暗い現場環境などであっても、適切な評価を行うことが可能となる。
本発明の実施の形態における表面清浄度判定装置の全体構成図である。 図1の表面清浄度判定装置の機能ブロック図である。 図1の計測器本体の内部を示す概略構成図である。 図1のコントローラーの正面図である。 スペックルパターンの一例を示す図である。 鋼材表面の計測面の粗面プロファイルの例を示す図である。 理想的な鏡面である対象物表面に対してレーザー光を照射した場合の反射光を示す説明図である。 浅い凹凸の粗面である対象物表面に対してレーザー光を照射した場合の反射光を示す説明図である。 深い凹凸の粗面である対象物表面に対してレーザー光Lを照射した場合の反射光を示す説明図である。 ビデオカメラの光電面の像を示す図であって、(a)は対象物表面が鏡面の場合、(b)は浅い凹凸の粗面の場合、(c)は深い凹凸の粗面の場合をそれぞれ示す図である。 (a)粗面の凹凸が浅い場合のスペックルパターン画像およびスペックルパターンプロファイルを示す図、(b)は粗面の凹凸が深い場合のスペックルパターン画像およびスペックルパターンプロファイルを示す図である。 二次元の広い範囲で平坦な計測面を評価する場合の第1領域および第2領域を示す説明図である。 コバ面について評価する場合の第1領域および第2領域を示す説明図である。 予め基準となる表面清浄度が異なる複数の試験片からスペックルパターンを取得して算出した評価指標をグラフに表した図である。 計測手順を示すフロー図である。
図1は本発明の実施の形態における表面清浄度判定装置の全体構成図、図2は図1の表面清浄度判定装置の機能ブロック図、図3は図1の計測器本体の内部を示す概略構成図、図4は図1のコントローラーの正面図である。
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態における表面清浄度判定装置1は、鋼材表面の計測面のスペックルパターンを取得するスペックルパターン取得手段10としての計測器本体2と、各種演算処理を行うコンピュータとしての小型PC3と、各種操作を行う操作手段および各種表示を行う表示手段14としてのコントローラー4と、小型PC3に電源を供給するバッテリー5とから構成される。
なお、本実施形態においては、計測器本体2およびコントローラー4は、それぞれUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)ケーブル6,7によって小型PC3に有線接続されるが、無線通信により無線接続される構成とすることも可能である。また、本実施形態においては、バッテリー5は、小型PC3に電源ケーブル8により接続され、小型PC3を通じて計測器本体2およびコントローラー4に電源供給されるが、小型PC3、計測器本体2およびコントローラー4にそれぞれ内蔵される構成とすることも可能である。
計測器本体2は、図3に示すように、筐体20内に、被判定物である鋼材表面の計測面Fに照射するレーザー光Lを発生するレーザーモジュール21と、レーザー光Lを反射して計測面Fに導くとともに計測面Fの凹凸により反射した反射光Gを透過するハーフミラー22と、レーザーモジュール21により発生したレーザー光Lを反射してハーフミラー22に導くミラー23,24と、ハーフミラー22を透過した反射光Gを集光するレンズ25と、レンズ25により集光した反射光Gを撮影するエリアセンサーとしてのビデオカメラ26とを有する。
また、筐体20の上部には、取っ手27が設けられている。取っ手27には、計測データを記録するための記録ボタン28が設けられている。また、筐体20の下部には、鋼材表面の計測面Fに向けてレーザー光Lを照射するためのレーザー照射口29が設けられている。
この計測器本体2では、記録ボタン28が押下されている間、レーザーモジュール21により発生させたレーザー光Lがミラー23,24およびハーフミラー22により反射されて計測面Fに照射され、計測面Fの凹凸により反射した反射光Gがハーフミラー22を透過してレンズ25により集光され、ビデオカメラ26により撮影され、二次元の画像として小型PC3へ入力される。反射光Gは、一定の直径を有するレーザー光Lが計測面Fの凹凸によりランダムに散乱された散乱波であり、各点からの散乱波が計測面Fで重なり合うことによりスペックルパターン(干渉縞)を形成する。
小型PC3は、表面清浄度判定プログラムを実行することにより、図2に示す演算手段11、記憶手段12および判定手段13として機能するものである。演算手段11は、スペックルパターン取得手段10(計測器本体2)により取得した計測面Fのスペックルパターンから、予め定義された評価指標を算出する。
ここで、スペックルパターン取得手段10により取得される計測面Fのスペックルパターンについて説明する。図5はスペックルパターンの一例を示す図、図6は計測面Fの粗面プロファイルの例を示す図である。
一定の直径を有するレーザー光が計測面Fで散乱するとき、計測面Fの凹凸により図5に示すような干渉模様(スペックルパターン)が発生する。計測面Fの凹凸の間隔Rc(図6参照。)がほぼ同じである場合、図5に示すスペックルパターンは、平均的な凹凸の深さRs(図6参照。)が深ければ、画面全体に渡り一様な明るさに近付く。一方、Rsが浅ければ、画面中央と端の差が大きくなる。
図7Aに示すように、理想的(完全)な鏡面である対象物表面F0に対してレーザー光Lを照射した場合、対象物表面F0で反射された反射光Gは同一方向に返るだけである。また、光路も等しいため、位相が揃っており、干渉は起こらない(スペックルパターンは発生しない)。このような状況においては、ビデオカメラ26の光電面の像は、図8(a)に示すようなレーザー光Lの直径と同じ大きさの小さな点となる。但し、現実の物体は光学鏡であっても微小レベルでは凹凸があるため、完全な鏡面というものは存在せず、このような現象は起こりえない。
次に、図7Bに示すように、浅い凹凸の粗面である対象物表面F1に対してレーザー光Lを照射した場合を考える。もし対象物表面F1の全ての凹凸の各面が同一角度の傾斜を持っている場合、レーザー光Lは浅い角度で反射される。この場合、ビデオカメラ26の光電面の像は、図8(b)に示すようなレーザー光Lの直径の幅を持つドーナツ型の領域となる。但し、実際には光路に差が出るため干渉が発生し、同心円の縞模様となる。一方、図7Cに示すように、深い凹凸の粗面である対象物表面F2に対してレーザー光Lを照射した場合、レーザー光Lは図7Bの場合と比較して広い角度でより外側に反射される。この場合、ビデオカメラ26の光電面の像は、図8(c)に示すようにドーナツ型の中空領域の直径が大きくなる。
なお、実際の粗面では図7Bおよび図7Cに示すように凹凸の各面の傾きが一定であることはなく、様々な角度となっている。そのため、図8に示すように明暗がはっきりせず、中央が最も明るく外に向かって暗くなる。また、凹凸の各面に様々な角度が存在するため、干渉がランダムに起こり、結果として二次元方向にランダムな模様が発生する。その結果、図5に示すような二次元のスペックルパターンが得られることになる。すなわち、スペックルパターンの輝度分布は中心付近は粗面の平坦部分の大きさを示し、周辺に行くほど傾きの強い面の部分の大きさを示すことになる。
図9(a)は粗面の凹凸が浅い(凹凸各面の角度が緩い)場合のスペックルパターン画像(上段)およびスペックルパターンプロファイル(下段)を示し、図9(b)は粗面の凹凸が深い(凹凸各面の角度がきつい)場合のスペックルパターン画像(上段)およびスペックルパターンプロファイル(下段)を示している。図9(a)に示すように粗面の凹凸が浅い場合、スペックルパターンプロファイルは鋭い山型となる。一方、図9(b)に示すように粗面の凹凸が深い場合、スペックルパターンプロファイルはなだらかな山型となる。
すなわち、スペックルパターンの中心近傍の領域とその外側の領域との差を数値化することで、粗面の粗さを計測することが可能である。実際には、明るさの絶対値に影響されないように差ではなく、スペックルパターンの中心近傍の領域とその外側の領域との比率を評価指標として算出する。本実施形態における表面清浄度判定装置1では、スペックルパターンの中心近傍の領域(第1領域)の輝度と第1領域の外側の領域(第2領域)の輝度との比に基づく評価指標を採用する。
第1領域の輝度平均値をW1、第2領域の輝度平均値をW2としたとき、評価指標SをW1とW2の比として次式により算出する。
S=((W1/W2)−1)×100 ・・・(式1)
なお、本実施形態における表面清浄度判定装置1では、スペックルパターン取得手段10は、図10に示すように、スペックルパターンの最も明るい部分の中心を中心点C0として認識し、この中心点C0を中心とする半径R1の円内の領域A1を第1領域とし、この第1領域A1の輝度平均値をW1としている。但し、中心部分は極端に明るくなってしまい、正しく評価できなくなる可能性があるため、第1領域A1は、スペックルパターンの中心部を囲む円環状領域、すなわち中心点C0を中心とする半径R0の円内の領域A0を除外した領域としている。
また、第2領域は、第1領域A1の外側の領域A2であるが、第1領域A1との境界部分(中心点C0を中心とする半径R1〜半径R2の領域A3)については除外している。R0、R1、R2は、予め試験を行い、計測面Fの粗さ変化に対して最も感度(SN比)が高かった半径を予め設定する。第2領域A2から領域A3を除外するのは、本来第1領域A1に入れるべき明るい領域が第2領域A2に入ってしまうことにより、正しく評価できなくなるのを防止するためである。
なお、図10に示す第1領域A1は、評価しようとする計測面Fが二次元の広い範囲で平坦な場合に適している。一方、計測面Fが、いわゆるコバ面のように、平坦性が一定方向について崩れてしまっている場合、図10に示すような放射状に拡がるスペックルパターンを取得することができない。そこで、本実施形態における表面清浄度判定装置1では、コバ面のように平坦性が一定方向について崩れてしまっている計測面について評価する場合、図11に示すように、第1領域A1をスペックルパターンの中心部を挟む2つの平行な直線状領域とする。第1領域A1は、スペックルパターンの中心部の直線状の領域A0を挟む2つの平行な直線状の領域である。また、第2領域A2は、前述と同様、第1領域A1の外側の領域であるが、第1領域A1との境界部分の領域A3については除外している。
記憶手段12は、予め基準となる表面清浄度が異なる複数の試験片からスペックルパターンを取得して評価指標Sを算出し、複数の試験片のそれぞれの表面清浄度に対応して設定された評価指標Sに対するしきい値を記憶する。本実施形態においては、予め基準となる表面清浄度が異なる複数の試験片を並べ、この複数の試験片上で計測器本体2を移動させながらスペックルパターンを取得し、演算手段11により評価指標Sを算出する。
図12は予め基準となる表面清浄度が異なる複数の試験片からスペックルパターンを取得して上記式1により算出した評価指標Sをグラフに表した図である。グラフの横軸は計測器本体2を移動させた累積時間、すなわち複数の試験片上の測定位置を表している。図12の例では、グラフの横軸の位置と各試験片の実際の表面清浄度との関係から、S=28およびS=34.5を表面清浄度Sa3およびSa2のしきい値として記憶手段12に記憶する。
判定手段13は、記憶手段12に記憶されたしきい値に基づいて演算手段11により算出された計測面Fの評価指標Sから計測面の表面清浄度を判定する。判定手段13は、上述のように記憶手段12に記憶されたしきい値に基づき、S≧34.5を表面清浄度Sa2以下、34.5>S≧28を表面清浄度Sa2〜Sa3、28>Sを表面清浄度Sa3以上として判定する。なお、しきい値については表面清浄度判定装置1の個体差があるため、装置ごとに個別に調整する。
コントローラー4は、判定手段による判定結果を表示する表示手段14として2つの判定用LED41,42を備える。判定用LED41は赤色LED、判定用LED42は緑色LEDである。判定手段13により表面清浄度Sa2以下と判定された場合、判定用LED41のみ点灯し、表面清浄度Sa3以上と判定された場合、判定用LED42のみ点灯する。表面清浄度Sa2〜Sa3の場合、判定用LED41,42の両方を点灯する。なお、判定不可能な場合は判定用LED41,42のいずれも点灯しない。
また、コントローラー4は、データ書き込みスイッチ43と、3つのシステム表示用LED44,45,46と、平面・コバ面切り替えスイッチ47とを備える。データ書き込みスイッチ43は測定した評価指標Sと測定範囲の記録データを小型PC3に接続した外部メモリ(図示せず。)に書き込むためのスイッチである。システム表示用LED44は小型PC3が起動後、計測可能状態となったときに点灯する。システム表示用LED45は計測器本体2が斜めに傾いたり、測定表面に疵があったりして計測不可能なときに点灯する。システム表示用LED46は記録データを外部メモリに書き込む際に点滅し、書き込み終了時に消灯する。
平面・コバ面切り替えスイッチ47は、前述の表面清浄度判定プログラムを平面測定用プログラムまたはコバ面測定用プログラムに切り替えることにより、第1領域A1を図10に示すようなスペックルパターンの中心部を含む円環状領域とする第1の状態と、第1領域A1を図11に示すようなスペックルパターンの中心部を挟む2つの平行な直線状領域とする第2の状態とのいずれかに切り替える切替手段である。なお、第1の状態のとき、第2領域A2は図10に示すように第1領域A1の外側の領域となり、第2の状態のとき、第2領域A2は図11に示すような第2領域A1の外側の領域となる。
上記構成の表面清浄度判定装置1では、以下の手順により計測を行う。図13は計測手順を示すフロー図である。
まず、小型PC3の電源ボタン3aを押して、システムを起動する(ステップS101)。システムの起動後、計測可能な状態になるとシステム表示用LED44が点灯する。計測器本体2を計測する計測面F上に置いて記録ボタン28を押すと(ステップS102)、計測が開始され(ステップS103)、記録ボタン28を離すと(ステップS104)、計測が終了する(ステップS105)。
その後、データを保存する場合(ステップS106)、データ書き込みスイッチ43を押すと(ステップS107)、システム表示用LED(データ書き込みランプ)46が点滅し(ステップS108)、外部メモリに記録データが保存される(ステップS109)。そして、計測を終了する場合(ステップS110)、電源ボタン3aを押し(ステップS111)、システムを終了する(ステップS112)。
なお、ステップS103の計測中、小型PC3により計測面Fの表面清浄度判定が行われ、判定結果が判定用LED41,42により表示される。すなわち、スペックルパターン取得手段10(計測器本体2)により計測面Fのスペックルパターンを取得して演算手段11により計測面Fの評価指標Sを算出し、この演算手段11により算出された計測面Fの評価指標Sから予め記憶手段12に記憶されたしきい値に基づいて判定手段13により計測面Fの表面清浄度が判定され、表示手段14(判定用LED41,42)により判定結果が表示される。
このように、本実施形態における表面清浄度判定装置1によれば、スペックルパターンから鋼材素地の表面清浄度が判定される。そのため、適切な評価を行うために専門的な技量が不要となり、評価する人によって個人差も出なくなる。また、狭隘で薄暗い現場環境などであっても、適切な評価を行うことが可能である。
また、本実施形態における表面清浄度判定装置1は、計測面Fに向けて照射したレーザー光Lの反射光Gをエリアセンサーとしてのビデオカメラ26により撮影してスペックルパターンを取得するものであるため、レーザー光Lおよびビデオカメラ26の光軸に対して計測面Fが多少正対していない場合であっても、前述のようにスペックルパターンの最も明るい部分の中心を中心点C0とすることにより光軸中心位置を補正して正しい評価指標Sを算出することが可能となっている。なお、フォトダイオードなどのスポットセンサーの場合には光軸を計測面Fに正対させる必要がある。また、この場合、光軸が計測面Fに正対していても計測面Fが局所的に傾いていると、表面清浄度を正しく判定可能な評価指標Sを算出することは難しくなる。
また、本実施形態における表面清浄度判定装置1では、コバ面のように、計測面の平坦性が一定方向について崩れてしまっている場合には、平面・コバ面切り替えスイッチ47によって、第1領域Aをスペックルパターンの中心部を挟む2つの平行な直線状領域とする第2の状態に切り替え、コバ面の長手方向に沿って第1領域Aおよび第2領域A2のそれぞれの輝度平均値W1,W2の比(評価指標)Sを算出することで、表面清浄度を正しく判定することができる。
本発明の表面清浄度判定装置および表面清浄度判定プログラムは、鋼材素地の表面清浄度(除錆度)を判定するための装置およびプログラムとして有用である。
1 表面清浄度判定装置
2 計測器本体
3 小型PC
4 コントローラー
5 バッテリー
6,7 USBケーブル
8 電源ケーブル
10 スペックルパターン取得手段
11 演算手段
12 記憶手段
13 判定手段
14 表示手段
20 筐体
21 レーザーモジュール
22 ハーフミラー
23,24 ミラー
25 レンズ
26 ビデオカメラ
27 取っ手
28 記録ボタン
29 レーザー照射口
41,42 判定用LED
43 データ書き込みスイッチ
44,45,46 システム表示用LED
47 平面・コバ面切り替えスイッチ

Claims (6)

  1. 鋼材表面の計測面のスペックルパターンを取得するスペックルパターン取得手段と、
    前記スペックルパターン取得手段により取得した前記計測面のスペックルパターンから、予め定義された評価指標であり、前記スペックルパターンの中心近傍の第1領域の輝度と前記第1領域の外側の第2領域の輝度との比に基づく評価指標を算出する演算手段と、
    前記第1領域を前記スペックルパターンの中心部を囲む円環状領域とする平面測定用の第1の状態と、前記第1領域を前記スペックルパターンの中心部を挟む2つの平行な直線状領域とするコバ面測定用の第2の状態とのいずれかに切り替える切替手段と、
    予め基準となる表面清浄度が異なる複数の試験片からスペックルパターンを取得して前記評価指標を算出し、前記複数の試験片のそれぞれの表面清浄度に対応して設定された前記評価指標に対するしきい値を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されたしきい値に基づいて前記演算手段により算出された前記計測面の評価指標から前記計測面の表面清浄度を判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果を表示する表示手段と
    を有する表面清浄度判定装置。
  2. 前記スペックルパターン取得手段は、前記計測面上に置かれる筐体内に、前記計測面に照射するレーザー光を発生するレーザーモジュールと、前記レーザー光を反射して前記計測面に導くとともに前記計測面の凹凸により反射した反射光を透過するハーフミラーと、前記レーザーモジュールにより発生したレーザー光を反射して前記ハーフミラーに導くミラーと、前記ハーフミラーを透過した反射光を集光するレンズと、前記レンズにより集光した反射光を撮影するエリアセンサーとを備え、前記計測面に向けて照射した前記レーザー光の反射光を前記エリアセンサーにより撮影して前記スペックルパターンを取得するものである請求項1記載の表面清浄度判定装置。
  3. 前記評価指標は、前記第1領域の輝度平均値をW1、前記第2領域の輝度平均値をW2としたとき、W1とW2の比により定義したものである請求項1または2に記載の表面清浄度判定装置。
  4. 前記判定手段は、前記計測面の評価指標から、前記計測面の表面清浄度がSa2以下、Sa2〜Sa3、または、Sa3以上のいずれかに判定するものである請求項1から3のいずれか1項に記載の表面清浄度判定装置。
  5. 前記表示手段は、前記計測面の表面清浄度がSa2以下、Sa2〜Sa3、または、Sa3以上のいずれかであることを2つの判定用LEDにより表示するものである請求項4記載の表面清浄度判定装置。
  6. 鋼材表面の計測面のスペックルパターンを取得するスペックルパターン取得手段および表示手段が接続されるコンピュータを、
    前記スペックルパターン取得手段により取得した前記計測面のスペックルパターンから、予め定義された評価指標であり、前記スペックルパターンの中心近傍の第1領域の輝度と前記第1領域の外側の第2領域の輝度との比に基づく評価指標を算出する演算手段と、
    前記第1領域を前記スペックルパターンの中心部を囲む円環状領域とする平面測定用の第1の状態と、前記第1領域を前記スペックルパターンの中心部を挟む2つの平行な直線状領域とするコバ面測定用の第2の状態とのいずれかに切り替える切替手段と、
    予め基準となる表面清浄度が異なる複数の試験片からスペックルパターンを取得して前記評価指標を算出し、前記複数の試験片のそれぞれの表面清浄度に対応して設定された前記評価指標に対するしきい値を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されたしきい値に基づいて前記演算手段により算出された前記計測面の評価指標から前記計測面の表面清浄度を判定し、判定結果を前記表示手段に表示させる判定手段と
    して機能させるための表面清浄度判定プログラム。
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