JP6429939B1 - 内燃機関のアイドル回転数制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキ操作に伴う回転数変動やエンジンストールを解消するアイドル回転数制御装置を得る。【解決手段】ブレーキの倍力源としてエンジンの吸入負圧を用いる内燃機関において、PI制御にて吸入空気量を電子スロットル5にて調節することにより、エンジン回転数を目標回転数に制御する第1の回転数フィードバック制御手段8aと、P制御にて点火時期を進角または遅角に調節することにより、エンジン回転数を目標回転数に制御する第2の回転数フィードバック制御手段8bを備え、エンジンがアイドル状態で、ブレーキ操作を検出した場合は、第1の回転数フィードバック制御手段での減量側操作量が小さくなるように下限制限値を切り替え、第1の回転数フィードバック制御手段での減量側操作量が下限制限値となったときは、第2の回転数フィードバック制御手段によるP制御からPI制御に切り替える。【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関のアイドル回転数制御装置に係り、特にブレーキの倍力源としてエンジンの吸気負圧が用いられる内燃機関のアイドル回転数制御装置に関するものである。
車両のブレーキペダルの操作力を低減するために、バキュームサーボブレーキの倍力源としてエンジンの吸入負圧を利用し、操作力を倍力するブレーキブースタ(マスタバッグ)装置が採用されている。
このようなブレーキブースタは図5に示すように、エンジンから負圧が導入される定圧室151と、大気が導入される変圧室152とで構成されている。ブレーキペダル18が操作されていない場合は、変圧室152への大気の導入が遮断された負圧状態であり、定圧室151と変圧室152とが連通状態にある。つぎに、ブレーキペダル18が操作されると、定圧室151と変圧室152とはバルブプランジャー153により遮断され、かつ変圧室152に大気が導入されることにより、定圧室151と変圧室152との圧力差により倍力作用が生じ、ブレーキペダル18の操作力が低減されるものである。
上記ブレーキブースタと、アイドル時の回転数を目標回転数に制御を行うアイドル回転数制御装置(ISC)を備えた内燃機関において、アイドル回転数制御中にブレーキペダル操作を繰り返した際、ブレーキブースタから吸気マニホルドに空気が流入するため、アイドル回転数制御に影響を及ぼし、エンジン回転数が変動する問題がある。
アイドル回転数を目標回転数に制御可能なアイドル回転数制御装置(ISC=アイドル・スピード・コントロール)を備え、ブレーキペダル操作時のブレーキブースタから吸気マニホルドへ戻される空気によるエンジン回転数の変動を抑制したものとして、特許文献1(特開2002−106396号公報)に開示されたものがある。
この特許文献1に開示された装置は、ISCバルブを開閉制御してアイドル回転数を目標回転数に制御可能な制御手段を備え、ブレーキペダル位置変位検出手段と、マスタバッグと吸気マニホルドとの連通路と、この連通路の途中に設けられた一方向弁と、この一方向弁の作動状態を検出する一方向弁作動検出手段とを設け、一方向弁作動検出手段によって一方向弁の作動を検出した時に、一方向弁の作動中及び一方向弁の作動終了後から所定時間が経過するまでの間、ISCバルブのISC制御を停止、またはISCバルブのISC制御のフィードバック補正幅を最小レベルとすべく制御する機能を制御手段に付加して設けている。
また、ブレーキペダル位置変位量検出手段を設け、ブレーキペダル位置変位量検出手段により検出された変位量が、予め設定された判定値よりも大きい場合に、ISCバルブのISC制御を停止、またはISCバルブのISC制御のフィードバック補正幅を最小レベルとすべく制御する機能を制御手段に付加して設け、ブレーキペダル操作時の吸気流量の増加を、ISCで減量することを制限し、マスタバッグからの空気の供給が止まった瞬間に回転落ち込みやエンジンストールが発生してしまうという不具合を防止しようとしたものが提案されている。
特開2002−106396号公報
内燃機関のアイドル回転数制御装置において、図6に示すように、ブレーキ操作をオンからオフ、またはオフからオンとすると、マスタバッグから吸気マニホルドに空気が流入し、これによりエンジン回転数Neが上昇する場合がある。このような状態の時に回転フィードバック制御を行うと、空気量を絞る(低減する)方向に制御を行うことになる。ISC制御にて空気量を絞った状態時にマスタバッグからの空気の供給が止まった瞬間に、図6のNGで示すように回転落ち込みやエンジンストールが発生してしまうという不具合がある。
この回転落ち込みや、エンジンストールの不具合を防止するための方策として、ブレーキ操作時にISC制御の機能の一つである回転フィードバック制御を停止するものがある。ブレーキ操作時に回転数フィードバック制御を停止することでエンストや回転数の落ち込みはなくなるものの、マスタバッグからの空気の流入により、エンジン回転数は上昇してしまう。また、ブレーキ操作とマスタバッグからの空気の流入は必ずしも一致しないため、ブレーキ操作時に空気流入がない場合は不要にISC制御を停止することとなり、アイドル時の目標回転数制御の制御精度が低下する場合がある。また、マスタバッグからの空気流入を検出する検出手段を設置するとコストUPにつながる。
特許文献1に記載された構成のものでは、図7に示すように、ブレーキ操作によるマスタバッグからの空気流入が所定量を超えた場合、吸気負圧を上昇させるために、エンジン回転数Neが上昇するので、ブレーキをかけている場合にエンジン回転数Neが上昇する、不要なエンジンの運転状態を発生させる結果となる。したがって、運転者は、減速しているにもかかわらず、図7のNGで示すようにエンジン回転数Neが上昇することで、運転感覚に違和感を生じることとなる。
また、自動変速機を搭載しているものにあっては、エンジン回転数Neが上昇することによりクリープ力が増加し、ブレーキの操作を注意しないと、制動距離が運転感覚とは異なるものとなる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、アイドル状態でのブレーキ操作に伴う回転数変動やエンジンストール、また回転上昇による運転者の違和感を解消するようにした内燃機関のアイドル回転数制御装置を提供することを目的とするものである。
この発明に係わる内燃機関のアイドル回転数制御装置は、ブレーキペダルのオン、オフ操作の状態を検出するブレーキ操作検出手段と、エンジンに供給する吸入空気量を制御する電子スロットルとを有し、ブレーキの倍力源としてエンジンの吸入負圧が用いられる内燃機関において、エンジンの目標回転数と実回転数との差に応じて、PI制御にて吸入空気量を電子スロットルにて調節することにより、エンジン回転数を目標回転数に制御する第1の回転数フィードバック制御手段と、目標回転数と実回転数との差に応じて、P制御にて点火時期を進角または遅角に調節することによりエンジン回転数を目標回転数に制御すると共に、P制御をPI制御に切り替え可能な第2の回転数フィードバック制御手段を備え、エンジンがアイドル状態で、第1および第2の回転数フィードバック制御手段による実行時に、ブレーキ操作検出手段がブレーキオン操作を検出した場合は、第1の回転数フィードバック制御手段での減量側操作量が小さくなるように下限制限値を切り替え、かつ第1の回転数フィードバック制御手段での減量側操作量が下限制限値となったときは、第2の回転数フィードバック制御手段による点火時期の制御をP制御からPI制御に切り替えるようにしたものである。
この発明によれば、ブレーキ操作中の第1の回転数フォードバック制御手段による減量側操作量制限により、ブレーキブースタ(マスタバッグ)から吸気マニホルドへの空気流入を検出する検出手段を用いずに、ブレーキブースタ(マスタバッグ)から吸気マニホルドへの一定量の空気流入を検出することができ、かつ第1の回転数フォードバック制御の制御量を通常より制限することで、ブレーキ非操作後も、吸気マニホルドへの流入空気量を確保でき、回転数の落ち込みやエンストを回避することが出来る。
また、第1の回転数フォードバック制御手段による補正量が下限制限値に達したのち、第2の回転数フィードバック制御手段による点火時期制御を行うことで、エンジンの回転数の上昇を抑制することができ、運転感覚の違和感やクリープ力増加による制動と運転感覚との違和感を抑えることが出来る。
この発明の実施の形態1における内燃機関のアイドル回転数制御装置を備えた車両用内燃機関の概略構成図である。 この発明の実施の形態1におけるアイドル回転数制御装置の制御用フローチャート図である。 ブレーキ装置の判定用フローチャート図である。 この発明の実施の形態1におけるアイドル回転数制御装置および点火制御装置のタイムチャート図である。 一般的なブレーキブースタ(マスタバッグ)の概略構成図である。 この発明の問題点であるブレーキオンでの減速(停止)時に、ストールが発生した際のタイムチャート図である。 先行技術に示されたアイドル回転数制御装置のタイムチャート図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置について図1から図4に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係わる内燃機関のアイドル回転数制御装置を備えた車両用内燃機関(エンジン)の概略構成図を示す。
内燃機関(エンジン)1には、吸気系として、吸気マニホルドとしての吸気管4に流入する空気の量を調整する電子スロットル5、吸気脈動を抑制するサージタンク14、流入した空気に最適な空燃比となるよう燃料を噴射する燃料噴射弁(インジェクタ)10、吸気ポート9を介して燃焼室2に吸入された空気と燃料の混合気を燃焼させる点火プラグ3を備え、排気系として、排気管11には燃焼ガスから有害物質を還元する触媒13などが備えられている。
なお、電子スロットル5は、スロットル弁の開閉を制御して電子スロットル5による吸入空気量を調節する電子スロットルモータ7を備えている。
また、サージタンク14には、図5に示すようなブレーキブースタ(マスタバッグ)15に繋がる負圧管路16が設けられており、この負圧管路16の途中には一方向バルブ17が設けられている。ブレーキペダル18を踏んだ時に、ブレーキブースタ15の定圧室151から負圧を引き込み、定圧室151と変圧室152との圧力差による倍力作用で、ブレーキペダル18の操作力を低減している。
また、ブレーキペダル18の操作に連動して、ブレーキ信号kを出力するブレーキスイッチ18aが設けてあり、このブレーキスイッチ18aはブレーキペダル18のオン、オフ操作の状態を検出するブレーキ操作検出手段として機能する。
また電子制御系として、吸気管4に流入する空気の量や、燃料噴射弁10から噴出する燃料量、点火プラグ3の点火タイミングなどを制御する電子制御装置8が備えられており、この電子制御装置8にはアイドル回転数制御装置も備えられている。
このため、電子スロットル5にはスロットル弁の開度を検出しスロットル開度信号dを出力するスロットル開度センサ22、吸気管4にはサージタンク14の吸気圧を検出し吸気圧信号aを出力するする吸気圧センサ19、エンジン1の冷却水温度を検出し水温信号eを出力する水温センサ23、クランク軸にはクランク軸の回転を検出してクランク角信号bを出力するクランク角センサ20、エンジン回転数を検出して回転数信号cを出力する回転数センサ21、排気管11には燃焼ガス中の酸素濃度を検出して酸素濃度信号fを出力するO2センサ12、などが備えられている。
電子制御装置8の入力部8cは、上記したこれらの信号a〜f、kを入力して、電子スロットルモータ7への出力信号g、燃料噴射弁10への出力信号h、点火プラグ3への点火信号m等を電子制御装置8の出力部8dから出力することで、エンジン制御を行っている。
アイドル(アクセルペダルを操作していない停車)時には、水温信号eから演算した目標回転数とクランク角信号bから演算した実回転数の偏差に応じ、P(比例)I(積分)制御によるフィードバック制御にて電子スロットルモータ7に信号gを出力し、電子スロットル5の開度を制御して吸入空気量を調整している。以下、この制御を第1の回転数フィードバック制御と称し、電子制御装置8の第1の回転数フィードバック制御手段8aが実行する。
また、目標回転数と実回転数の偏差に応じ、P(比例)制御によるフィードバック制御にて点火プラグ3に点火信号mを出力し、点火時期を進角または遅角に調整している。以下、この制御を第2の回転数フィードバック制御と称し、電子制御装置8の第2の回転数フィードバック制御手段8bが実行する。
図2は、アイドル回転数制御装置の制御用フローチャート図として、回転数フィードバック制御の補正量演算処理を表しているフローである。
まず、ステップS101でブレーキ操作中のフラグが「1」であるか否かを判定する。ブレーキ操作中フラグが「1」とは、後述する図3のフロー処理で、ブレーキスイッチ18aがONで所定時間以上継続、かつブレーキスチッチ18aがOFF後所定時間セットされている状態を言う。
ステップS101において、ブレーキ操作中フラグが「1」であれば(YES)、ステップS102で第1の回転数フィードバック制御による減量側操作量が小さくなるように下限制限値を切り替える。すなわちフィードバック制御の下限制限値を上乗せする。ステップS101において、ブレーキ操作中フラグが「1」でない場合は(NO)、ステップS103で第1の回転数フィードバック制御による減量側操作量を小さくするための下限制限値の切り替えを解除する。すなわちフィードバック制御の下限制限値上乗せを解除する。ステップS104では、第1の回転数フィードバック制御による補正量を演算する。
ここで、フィードバック制御の補正量は下限制限値以下にならないように制御(クリップ)されている。
次に、ステップS105でブレーキ操作中のフラグが「1」であるか否かを判定する。ステップS105において、ブレーキ操作中フラグが「1」の場合(YES)は、ステップS106にてステップS104で演算した第1の回転数フィードバック制御による補正量が下限制限値となっているかどうかを判定する。
ステップS106において、第1の回転数フィードバック制御による補正量が下限制限値となっている場合(YES)は、ステップS107にて第2の回転数フィードバック制御をP制御からPI制御に切換え、ステップS109にて第2の回転数フィードバック制御の補正量を演算する。
ステップS106において、ステップS104で演算した第1の回転数フィードバック制御による補正量が下限制限値となっていない場合(NO)は、ステップS109にてP制御による第2の回転数フィードバック制御の補正量を演算する。ステップS105において、ブレーキ操作中フラグが「0」の場合(NO)は、ステップS108にて第2の回転数フィードバック制御をP制御に切り替え、I値をリセットする。
図3は回転数フィードバック制御を切り替えるためのブレーキ操作中か否かを判定する処理を表している。まず、ステップS201でブレーキスイッチ18aのON状態が所定時間継続しているかどうかを判定し、所定時間以上継続している場合(YES)に、ステップS202でブレーキ操作フラグに「1」をセットし、ステップS203でブレーキ操作中フラグ解除タイマをセットする。これは、例えば、ブレーキペダル18のチョイ踏みやポンピングブレーキ等の場合に、回転数フィードバック下限値の切り替えおよび解除が頻繁に実施されることを防止するためである。
ここで、ステップS203でセットする解除タイマは、常時一定の間隔で減算処理を行うタイマであり、解除タイマセット処理を行わない場合は、一定の間隔で「0」になるまで減算を継続する。
ステップS201でブレーキスイッチ18aがOFF、または所定時間以上ONでなかった場合(NO)は、ステップS204にてブレーキ操作中フラグ解除タイマが「0」であるかどうかを判定し、「0」であった場合(YES)に、ステップS205にてブレーキ操作中フラグをクリアする。
以上の処理により、ブレーキ操作検出手段であるブレーキスイッチ18aは、ブレーキペダル18のオン中と、ブレーキペダル18がオンからオフになってから所定時間はブレーキ操作中と検出することになる。
図4はこの発明の実施の形態1におけるアイドル回転数制御装置および点火制御装置のタイムチャート図であり、エンジンがアイドル状態時にブレーキスイッチ18aがONになった場合における第1の回転数フィードバック制御手段8aと第2の回転数フィードバック制御手段8bによる制御状態を示している。
図4に示すように、エンジンがアイドル状態時にブレーキ操作を検出した場合に、第1の回転数フィードバック制御手段8aでの減量側操作量がブレーキ非操作時より小さくなるように下限制限値を切り替える。そして第1の回転数フィードバック制御手段8aによる操作量が下限制限値となったときは、点火時期を調節する第2の回転数フィードバック制御手段8bをP制御からPI制御に切り替え、エンジンの回転上昇(トルクUP)抑止を空気量制御から点火時期制御で行う。
その結果、ブレーキブースタ(マスタバッグ)15からの空気の流入により、エンジン回転数Neは上昇しても、エンジンの回転上昇(トルクUP)抑止を空気量制御から点火時期制御で行うことで、図4のOKで示すようにエンジン回転数Neの上昇は抑制され、運転感覚に違和感を生じることもなくなる。
以上のようにこの発明は、エンジンがアイドル状態時にブレーキ操作を検出した場合に、目標回転数と実回転数との差に応じてPI制御にて吸入空気量を電子スロットル5にて増減調節する第1の回転数フィードバック制御手段8aでの減量側操作量がブレーキ非操作時より小さくなるように下限制限値を切り替える。また、ブレーキ操作中に第1の回転数フィードバック制御手段8aによる操作量が下限制限値となったときは、ブレーキブースタ15から吸気マニホルドである吸気管4への流入空気量が大きいと判断し、目標回転数と実回転数との差に応じて回転偏差をなくすよう点火時期を進角または遅角に調節する第2の回転数フィードバック制御手段8bをP制御からPI制御に切り替え、エンジンの回転上昇(トルクUP)抑止を空気量制御から点火時期制御で行う。
これにより、ブレーキ操作中の第1の回転数フィードバック制御手段8aでの過剰に空気量を絞ることが抑止でき、第2の回転数フィードバック制御手段8bにより回転上昇も抑止できる。
また、ブレーキペダル18のオン/オフ操作とブレーキブースタ15からの流入空気量変動には遅れ時間があるため、ブレーキペダル18のオン中とブレーキペダルがオンからオフになってから所定時間はブレーキ操作中と検出する。これによりブレーキオフ時の流入空気量の遅れによる制御不良を抑止できる。
第1の回転数フィードバック制御手段8aの減量側操作量の下限制限値の切り替えはブレーキ操作中のみ行う。
また、第2の回転数フィードバック制御手段8bのPI制御は、ブレーキ操作中かつ第1の回転数フィードバック制御手段8aによる操作量が下限制限値になった場合に実施する。
ブレーキ操作が操作中から非操作になった時は、第1の回転数フィードバック制御手段8aでの減量側操作量を小さくするための下限制限値の切り替えを解除し、第1の回転数フィードバック制御手段8aの下限制限値を元の値に戻すと共に、第2の回転数フィードバック制御手段8bをPI制御からP制御に切り替え、第2の回転数フィードバック制御手段8bの制御値の積分項をリセットする。
これにより、ブレーキオフ時のブレーキブースタ15からの流入空気量がなくなった場合でも回転数の低下が抑止できる。
このようなアイドル回転数制御装置によれば、ブレーキブースタ15から吸気マニホルドへ流入する空気量を検出するためのセンサ等の装置を用いずに、ブレーキブースタ15から吸気マニホルドへの一定の空気流入を検出できる。ブレーキオン/オフ操作時のブレーキブースタ15からの流入空気量による第1の回転数フィードバック制御手段8aの過剰制御が抑止できるため、ブレーキ操作に伴う回転変動やエンジンストール、またブレーキ操作時の回転上昇による運転者の違和感を解消することが出来る。
以上、この発明の実施の形態を記述したが、この発明は実施の形態に限定されるものではなく、種々の設計変更を行うことが可能であり、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1:エンジン、 2:燃焼室、 3:点火プラグ、 4:吸気管(吸気マニホルド)、
5:電子スロットル、 7:スロットルモータ、 8:電子制御装置、 8a:第1の回転数フィードバック制御手段、 8b:第2の回転数フィードバック制御手段、
10:燃料噴射弁、 12:O2センサ、 15:ブレーキブースタ(マスタバッグ)、
18:ブレーキペダル、 18a:ブレーキスイッチ(ブレーキ操作検出手段)

Claims (4)

  1. ブレーキペダルのオン、オフ操作の状態を検出するブレーキ操作検出手段と、エンジンに供給する吸入空気量を制御する電子スロットルとを有し、ブレーキの倍力源としてエンジンの吸入負圧が用いられる内燃機関において、前記エンジンの目標回転数と実回転数との差に応じて、PI制御にて吸入空気量を前記電子スロットルにて調節することにより、エンジン回転数を目標回転数に制御する第1の回転数フィードバック制御手段と、前記目標回転数と実回転数との差に応じて、P制御にて点火時期を進角または遅角に調節することによりエンジン回転数を目標回転数に制御すると共に、前記P制御をPI制御に切り替え可能な第2の回転数フィードバック制御手段を備え、
    前記エンジンがアイドル状態で、前記第1および第2の回転数フィードバック制御手段による実行時に、前記ブレーキ操作検出手段がブレーキオン操作を検出した場合は、前記第1の回転数フィードバック制御手段での減量側操作量が小さくなるように下限制限値を切り替え、かつ前記第1の回転数フィードバック制御手段での減量側操作量が下限制限値となったときは、前記第2の回転数フィードバック制御手段による点火時期の制御をP制御からPI制御に切り替えることを特徴とする内燃機関のアイドル回転数制御装置。
  2. 前記ブレーキ操作検出手段は、前記ブレーキペダルがオフからオンになり所定時間経過後から、前記ブレーキペダルがオンからオフになり所定時間経過まではブレーキオン操作中と検出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のアイドル回転数制御装置。
  3. 前記ブレーキ操作検出手段によるブレーキオン操作が操作中から非操作になったときに、前記第1の回転数フィードバック制御手段での減量側操作量を小さくするための下限制限値の切り替えを解除し、第1の回転数フィードバック制御手段による下限制限値を元の値に戻すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関のアイドル回転数制御装置。
  4. 前記ブレーキ操作検出手段によるブレーキオン操作が操作中から非操作になったときに、前記第2の回転数フィードバック制御手段によるPI制御からP制御に切り替え、前記第2の回転数フィードバック制御手段による制御値の積分項をリセットすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関のアイドル回転数制御装置。
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