JP6429424B2 - 安全管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、安全管理システムに関する。さらに詳しくは、建設業における作業者の動作を管理する安全管理システムに関する。
建設業は、約500万人(平成28年)が就業する我が国の基幹産業の一つである一方、労働災害による死傷者数が多い業種でもある。例えば、平成27年度の調査では、建設業の死傷者数は17,073人であり、一人当たりの死傷災害発生割合は、他の業種(例えば、就業者数が約1000万人の製造の28,291人)と比較しても高い。
このような災害の型別として転倒や転落等があげられており、その主な要因は、「面倒くさい」、「これくらいは大丈夫」、「自分なら大丈夫」などといった本来行うべき基本動作を逸脱した行動(いわゆる不安全行動)によるものである。
このような不安全行動は、作業者の慣れや緊張の緩みにより安全性への意識が低下することによって、非常に簡単に起こりやすい行動でもある。とくに、建設業では、高所作業に従事する作業者の割合が高く、このような現場で作業する作業者の精神的な緊張度は、地上における作業と比べて非常に高いので、建設業に従事する作業者の不安全行動の発生率は一般の業種に従事する作業者と比べても高い傾向にある。
また、近年、上述したいような不安全行動に起因する死亡者数が高い推移で維持しており、建設業界において、不安全行動を低減することが喫緊の課題となっている。
そして、このような不安全行動を防止する上では、かかる行動を行っている作業者に対して直接的に注意を促すことが最も重要かつ効果的である。
特許文献1〜3には、安全帯のフックに設けたセンサの情報に基づいて安全帯の使用状況を解析し不適切な使用の場合には作業者に対してメッセージを送信する技術が開示されている。
しかし、特許文献1〜3の技術では、注意を促すことができる対象が安全帯を使用する状況下にある作業者に限定され、安全帯を使用しないような状況下における不安全行動を行う作業者に対しては注意を促すことはできない。
一方、特許文献4には、作業者の動作を判定する動作判別装置が開示されている。特許文献4の動作判別装置では、作業者に装着した複数の加速度センサによって作業者の動きを検出し、得られたデータを予め記憶部に記憶させておいた複数の動作パターンのデータと比較することによって作業者の動作パターンを判定するというものである。
特許文献4の技術を採用すれば、安全帯以外の作業者の不安全行動を把握するこが可能となる。
特開2014−25330号公報 特開2014−4005号公報 特開2002−336367号公報 特開2017−38821号公報
しかるに、特許文献4の技術では、作業者の動作を判定することは可能だとしても、複数の加速度センサを作業者の適切な部位に装着しなればならず、装着に手間と時間を要する。しかも、各センサの装着位置がずれたりすると適切な判定行われない可能性があるので、建設業における現場で作業する作業者の動作を判定することは現実的には難しい。
建設業界において、作業者の不安全行動を管理することが喫緊の課題にも関わらず、現状では、上述したような作業者の不安全行動を現実的に管理できる装置やシステムは開発されておらず、かかるシステム等の開発が強く望まれている。
本発明は上記事情に鑑み、作業者の不安全行動を適切に管理できる安全管理システムを提供することを目的とする。
第1発明の安全管理システムは、作業現場における作業者の行動が不安全行動か否かを通報するシステムであって、作業者に装着する検出手段と、該検出手段によって得られたデータを解析する解析手段と、作業者に対して警報を行う警報手段と、を備えており、前記検出手段が、作業者が視認している状況を撮影する撮影部と、作業者の動きを検出する動作検出部と、を備えており、前記解析手段は、前記撮影部によって得られた画像データを解析する画像解析部と、前記動作検出部によって得られた動作データに基づいて作業者の動きを解析する動作解析部と、該動作解析部で解析した作業者の動きと前記画像解析部で解析した画像データとに基づいて作業者の行動を判別する行動判別部と、安全行動に基づいて抽出されたトリガー行動を含む基本行動パターンが記憶されている記憶部と、作業者の行動が不安全行動か否かを判定する判断部と、を備えており、前記警報手段は、前記判断部で不安全行動と判断した場合に判断部の指示に基づいて警報を出力する警報出力部と、を備えており、前記動作検出部が、作業者の体幹部または腰に装着され、かかる状態において、作業者の体の回転および/または上下左右前後の加速度を検出する機能を有しており、前記判断部は、前記基本行動パターンに含まれる前記トリガー行動と作業者の行動を常に比較しながら、作業者の体の動きと、作業者の視認画像に含まれる基準対象物の有無と、のどちらか一方が前記トリガー行動から外れた場合には不安全行動と認識して警報信号を前記警報手段に送信する機能を有していることを特徴とする。
第2発明の安全管理システムは、第1発明において、前記検出手段が、前記撮影部および前記動作検出部で得られたデータを無線により前記解析手段へ送信する機能を有しており、前記解析手段が、前記検出手段から送信されたデータを受信して、前記判断部の指示を無線により前記警報手段へ送信する機能を有しており、前記警報手段が、前記解析手段の判断部からの指示を受信して、前記警報出力部へ警報信号を無線により送信する機能を有していることを特徴とする。
第3発明の安全管理システムは、第1発明または第2発明において、前記検出手段の撮影部が、一対のCCDカメラを備えていることを特徴とする。
第4発明の安全管理システムは、第1発明、第2発明または第3発明において、前記判断部は、作業者の行動が不安全行動と判定された後、該不安全行動と判定された行動を再度作業者が実行し、該行動が不安全行動ではないと判定されれば、警報を解除する機能を有していることを特徴とする。
第5発明の安全管理システムは、第1発明、第2発明、第3発明または第4発明において、前記警報手段は、作業者に装着される作業者端末を備えており、該作業者端末が、前記警報を音および/または光を用いて出力する機能を有していることを特徴とする。
第6発明の安全管理システムは、第1発明、第2発明、第3発明、第4発明または第5発明において、前記作業現場における作業者の行動が、足場台として立て馬を使用した高所作業を行う際の行動であることを特徴とする。
第7発明の安全管理システムは、第1発明、第2発明、第3発明、第4発明または第5発明において、前記作業現場における作業者の行動が、高所作業車を使用した高所作業を行う際の行動であることを特徴とする。
第1発明によれば、作業者が視認している画像とかかる状況下における作業者の動きを基本行動パターンのトリガー行動常に比較することによって、作業者の行動が不安全行動か否かを簡単に判定することができるから、作業者の行動が重大事故に発展する前に作業者に対して警告を発することができ、作業者の重大事故を未然に防ぐことができる
第2発明によれば、無線で接続されているので、作業者の行動をリアルタイムで判断することができる。このため、適切なタイミングで作業者に対して注意を促すことができるので、不安全行動に起因する災害を適切に予防することができる。
第3発明によれば、一対のCCDカメラを備えることによって、作業者の行動をより適切に把握することができる。
発明によれば、不安全行動をしていた作業者が行動を改めれば、警報が解除されるので、作業者に対して安全を意識させつつ作業を継続させることができる。
発明によれば、現場の状況に関わらず、作業者に対して警報を認識させることができる。とくに、音で警報すれば、音を不安全行動と関連づけて認識することができる。しかも、色で警報すれば、周囲の音によって警報音が聞こえにくい場合であっても、作業者の行動が不安全行動であることを認識させることができる。
第6発明、第7発明によれば、作業者の高所作業における重大事故を未然に防ぐことができる。
本実施形態の安全管理システム1の概略説明図である。 本実施形態の安全管理システム1で作業者の行動を判定する際のフローチャートである。 足場台(立て馬)を使用した高所作業の手順と、かかる作業における基本行動パターンの判定ポイントを示した図である。 本実施形態の安全管理システム1の作動の一例であり、足場台(立て馬)を使用した高所作業の静止画像の一例である。 本実施形態の安全管理システム1の作動の一例であり、足場台(立て馬)を使用した高所作業の静止画像の一例である。 本実施形態の安全管理システム1の作動の一例であり、足場台(立て馬)を使用した高所作業の静止画像の一例である。 本実施形態の安全管理システム1の作動の一例であり、足場台(立て馬)を使用した高所作業の静止画像の一例である。 本実施形態の安全管理システム1の作動の一例であり、足場台(立て馬)を使用した高所作業の静止画像の一例である。 足場台(立て馬)の組立作業の手順と、かかる作業における基本行動パターンの判定ポイントを示した図である。 本実施形態の安全管理システム1の作動の一例であり、足場台(立て馬)の組立作業の静止画像の一例である。 足場台(脚立を用いた足場台)の組立作業の手順と、かかる作業における基本行動パターンの判定ポイントを示した図である。 本実施形態の安全管理システム1の作動の一例であり、の足場台(脚立を用いた足場台)の組立作業の静止画像の一例である。 高所作業車を利用した高所作業の手順と、かかる作業における基本行動パターンの判定ポイントを示した図である。 本実施形態の安全管理システム1の作動の一例であり、高所作業車を利用した高所作業の静止画像の一例である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の安全管理システムは、作業者の安全を管理するシステムであって、作業者が視認している状況の画像とそのときの作業者の動きを検出して、検出したデータに基づいて作業者の行動が不安全行動か否かを判断できるようにしたことに特徴を有している。
なお、本実施形態の安全管理システムにおける不安全行動とは、作業者が安全を阻害する可能性のある行動を意図的に行う行為のみならず、作業者が無意識のもと安全を阻害する可能性のある行動を行う行為をも含む概念である。例えば、作業者の「面倒くさい」、「これくらいは大丈夫」、「自分なら大丈夫」などといった考えに基づいて本来行うべき基本動作を逸脱した行動のみならず、緊張の緩み等により無意識のような状態で本来行うべき基本動作を逸脱した行動を行う場合を挙げることができる。
まず、図1の符号1は本実施形態の安全管理システムを示し、符号2は作業者の状態を管理する管理棟を示している。また、符号Wは本実施形態の安全管理システムの対象者となる作業者を示しており、符号OPは管理棟2で作業するオペレータを示している。
図1に示すように、本実施形態の安全管理システム1(以下、単に安全管理システム1という)は、検出手段10と、解析手段20と、警報手段30とを備えている。
まず、安全管理システム1の各手段1、20、30の具体的構成を説明する前に、本システム1の概略を簡単に説明する。
なお、作業者Wには、本実施形態の安全管理システム1のうち、作業者Wの状態を検出するための検出手段10と、作業者Wに警告等を伝える警報手段30の一部(例えば、後述する作業者端末31)と、を装着して使用することができる。この場合、作業者Wに装着させる機器等を軽量化できるので、作業者の負担を軽減できるという利点が得られる。一方、本実施形態の安全管理システム1のうち、警報手段30の後述する管理者OPが管理する機器等以外のものを作業者Wに装着してもよい。この場合、データの送受信の際に生じる電波障害等による影響をより低減できるという利点が得られる。
以下では、本実施形態の安全管理システム1のうち検出手段10と警報手段30の一部である後述する作業者端末31を作業者Wに装着させて、他の機器を管理棟2に配置した状態で使用する構成を代表として説明する。
<検出手段10>
安全管理システム1の検出手段10は、作業者が視認している状況の画像および作業者の動きを検出する機能を有しており、検出したデータを解析手段20に送信する通信機能を有するものである。
図1に示すように、検出手段10は、撮影部11と、動作検出部12と、を備えている。
(撮影部11)
検出手段10の撮影部11は、作業者Wに装着して、作業者Wが視認している状況を撮影して画像のデータ(以下、単に画像データという)を得ることができる機能を有しており、得られた画像データを後述する解析手段20へ送信する機能を有するものである。
撮影部11は、上記機能を有するものであれば、とくに限定されない。例えば、公知のイメージセンサを搭載した小型カメラ(例えば、一般的に入手可能なCCDカメラやCMOSカメラなど)等を採用することができる。例えば、撮影部11としてCCDカメラ等の小型カメラを採用すれば、作業者Wのヘルメットに簡単に装着することができる。また、このような小型カメラの数もとくに限定されない。例えば、CCDカメラ等の小型カメラを1台採用する場合には、作業者Wのヘルメットの前面略中央部に配置すればよいし、2台採用する場合には、ヘルメットの左右に装着(図1参照)すればよい。
撮影部11は、上述したように得られた画像データを後述する解析手段20へ送信することができる通信機能を有していれば、その接続手段はとくに限定されない。つまり、撮影部11は、解析手段20に対して無線または有線で情報を伝達できるように構成されていればとくに限定されない。具体的には、撮影部11は、解析手段20と電気的に解析手段20と接続されていてもよいし、無線通信で解析手段20と接続されていてもよい。
(動作検出部12)
検出手段10の動作検出部12は、作業者Wの体に加わる力や、作業者Wの体の変位を検出することができる機能を有しており、得られた検出データ(以下、単に動作データという)を解析手段20へ送信する機能を有するものである。
具体的には、動作検出部12は、作業者Wの体の回転や上下左右前後の加速度を検出することができる機能を有するものである。かかる機能を有するものとしては、例えば、加速度センサや角速度センサなどを挙げることができ、これらを動作検出部12として使用することができる。このような速度センサは、公知のセンサを使用してもよい。公知のセンサとしては、例えば、一般的に入手可能な3軸加速度計や、3軸ジャイロ(角速度測定)、3軸地磁気センサ(角変位測定)等を挙げることができる。
また、動作検出部12を装着する位置は、作業者Wの上述した動きを検出することができる位置であればとくに限定されない。例えば、動作検出部12は、作業者Wの体幹部や肢部などに装着すれば、作業者Wの動作を適切に把握することができる。
そして、動作検出部12は、上述したように得られた動作データを後述する解析手段20へ送信することができる通信機能を有していれば、その接続手段はとくに限定されない。つまり、動作検出部12は、解析手段20に対して無線または有線で情報を伝達できるように構成されていればとくに限定されない。具体的には、動作検出部12は、解析手段20と電気的に解析手段20と接続されていてもよいし、無線通信で解析手段20と接続されていてもよい。
<解析手段20>
安全管理システム1の解析手段20は、検出手段10からの信号に基づいて作業者Wの行動が不安全行動か否かを判断する機能を有しており、判断した結果を警報手段30に送信する通信機能を有するものである。
図1に示すように、解析手段20は、画像解析部21と、動作解析部22と、動作解析部23と、記憶部24と、判断部25とを備えている。
(画像解析部21)
解析手段20の画像解析部21は、検出手段10の撮影部11から送信される画像データを画像処理する機能と、画像処理したデータを行動判別部23へ送信する機能を有するものである。
具体的には、画像解析部21は、画像データ中に撮影されている視認対象物(例えば、足場や梯子、作業者Wの手、足など)を画像データから抽出する機能を有している。
(動作解析部22)
解析手段20の動作解析部22は、動作検出部12から送信される動作データを解析する機能と、解析した動作データを行動判別部23へ送信する機能を有するものである。
具体的には、動作検出部12が検出する上下方向の加速度の時間変動や鉛直方向の軸(Z軸)まわりの回転の時間変動等を解析する機能を有している。簡単にいえば、動作解析部22は、作業者Wがどのような動作(例えば、水平方向に移動しようとしている動き、上下方向に移動しようとしている動きなど)をしているのかを動作検出部12から送信される動作データに基づいて解析する機能を有している。
(行動判別部23)
解析手段20の行動判別部23は、画像解析部21から送信される解析画像データと、動作解析部22から送信される解析動作データと、に基づいて作業者Wの行動を判別する機能を有するものである。
具体的には、解析手段20の行動判別部23は、画像解析部21が解析する解析画像データに基づいて作業者Wの作業状況(例えば、歩行状況や、階段や梯子の昇降状況、荷物の移動状況、階段の手すり等をつかんでいる状況、立て馬の手掛かり棒をつかんでいる状況、足場台(立て馬や脚立を利用した足場台)を組立ている状況や、作業者Wが現場で行う各種作業の作業工程における各作業状況など)を判別する。一方、作業者Wの動作状態(例えば、水平方向への移動状態や、上下方向への移動状態、静止状態など)は、動作解析部22が解析する解析動作データに基づいて判別する。そして、両判別データに基づいて作業者Wが行っている行動を判別する。
例えば、解析画像データに基づいて梯子の存在を認識し、解析動作データに基づいて作業者Wの下方への移動を判断した場合、行動判別部23は、作業者Wの行動(つまり作業)が梯子を使って下りようとしている状況にあると判断する。
また、例えば、解析動作データに基づいて作業者Wが作業面(例えば、地面やビルのフロア面)にいる状態を認識し、解析画像データに基づいて足場台(立て馬を用いたものや、脚立を用いたもの)の存在を認識した場合、行動判別部23は、作業者Wのこれから行う行動が足場台を利用した作業つまり高所作業を行おうとしている状況にあると判断する。
(記憶部24)
解析手段20の記憶部24は、ハードディスク等のように種々のデータを記憶しておく機能を有するものであり、作業者Wが視認している状況と作業者Wの動きを関連づけた行動などが基本行動パターンとして記憶されている。
そして、記憶されている情報を後述する判断部25の要求等に応じて記憶している基本行動パターンのデータを送信する通信機能を有している。
例えば、記憶部24は、後述する判断部25から梯子を昇降する際の基本行動パターンを要求された場合には、かかる基本行動パターンを選択し、この梯子を昇降する際に本来作業者Wが行うべき行動(例えば、作業手順に基づく適切な工程)に関する情報を後述する判断部25へ送信する。
なお、この記憶部24は、撮影部11や動作検出部12、画像解析部21、動作解析部22から送信されるデータを記憶する機能を有していてもよい。
(判断部25)
解析手段20の判断部25は、解析手段20の行動判別部23で判別された作業者Wの行動と、解析手段20の記憶部24の基本行動パターンと、を比較して作業者Wの行動を判定する機能を有するものである。
まず、判断部25では、行動判別部23で判別された作業者Wの行動(つまり作業)と同一または類似する行動(作業)を記憶部24に対して要求する。
なお、この要求方法は、とくに限定されない。例えば、判断部25において、自動的に行動判別部23で判別された作業に関する情報を記憶部24に対して要求するようにしてもよいし、作業者Wが自らこれから行う作業(行動)を判断部25に電気的等で接続された外付け端末等に入力して、かかる作業に関する情報を記憶部24に対して要求してもよいし、さらには後述する管理者端末32を操作するオペレータOPから記憶部24に対して要求するようにしてもよい。
一方、記憶部24では、判断部25から要求(つまり送信された)データに基づいて、対応する基本行動パターンを選択し、選択した基本行動パターンに関する情報を判断部25に送信する。
ついで、判断部25では、記憶部24から送信された基本行動パターンに関する情報と、行動判別部23から送信された作業者Wの行動に関する情報と、に基づいて作業者Wの行動に関連する基本行動パターンを選択する。そして、選択した基本行動パターンと作業者Wの行動を比較して、作業者Wの行動が不安全行動か否かを判定する。
なお、この基本行動パターンは、作業者Wが現場で行う様々な作業を、安全行動に基づいてパターン化したものである。具体的には、基本行動パターンは、各種作業の作業手順に基づいて作成した複数の判定工程を有している(図3、9、11、13参照)。より具体的には、各種作業の作業手順書において、安全上必要な作業を工程順に判定できるように作成されたものである。
つまり、作業者Wは、各種の作業に対応した基本行動パターンにおいて、判定工程を上流(作業開始)から下流(作業終了)に向かって順にクリアすれば、作業を不安全行動なく完了できるようになっている。一方、作業途中で、作業者Wの行動が不安全行動と判定された場合には、作業者Wは、その先の作業工程を行うことができないようになっている。
言い換えれば、基本行動パターンの各判定工程における作業者Wの動作がトリガーとなるように作成されているのである。
例えば、作業手順書において、指差し確認を行う作業工程を、基本行動パターンの一の判定工程とする。この判定工程では、作業者Wが作業対象物に対して指差しで確認するという行動がトリガーとなる。そして、このトリガーとなる行動が、適切に行われているか否かの判定は以下のように行われる。
この判定工程の画像データから、指差しの対象となる物体と、作業者Wの手の指、をそれぞれ基準対象物A、Bとして設定する。そして、作業者Wが、この判定工程に相当する動作を行ったときに、作業者Wの画像データに上記基準対象物A、Bが基本行動パターンの画像データと同様に存在しているか否かで判定が行われる(図6参照)。
例えば、作業者Wが、足場台(立て馬)を用いた高所作業を行う場合、その作業手順における一の判定工程について説明する。なお、詳細は後述する。
かかる作業の基本行動パターンの判定工程のうち、立て馬の天板上に上がって上部バーのセットをした際の「指差し確認」を行うという判定工程を作業者Wが行う場合、判断部25では、以下のように判定が行われる。
なお、かかる判定工程の画像データには基準対象物として、「上部バー」と、「手掛かり棒」と、「作業者Wの手」の3要素が設定されている。
判断部25では、かかる判定工程の画像データと、この判定工程に相当する作業者Wの画像データと、を比較する。そして、作業者Wの画像データ中に上記3つの基準対象物が認識できるか否かで判定が行われる。つまり、作業者Wの画像データ中に上記基準対象物が認識されない(存在しない)と判断された場合には、作業者Wの行動は、かかる判定工程が適切に行われていないとして、不安全行動と判定されることになる(図2参照)。
つまり、図2に示すように、作業者Wが作業を行う際、判断部25では、作業の基本行動パターンの各判定工程と、作業者Wの行動と、を常に比較しながら、作業者Wの作業工程における行動が、安全行動か否かを判定する。
作業者Wの行動が不安全行動であると判定すれば、判断部25は、警報手段30に警報を出力させる信号を送信する(図2では、符号Nの矢印)。
一方、作業者Wの行動を不安全行動であると判定しなければ、警報は発信されない(図2では、符号Yの矢印)。なお、判断部25の判定結果は、作業者Wに対して通知(例えば、後述する作業者端末31により音やライトなどで通知)するようにしてもよい。
なお、各種の基本行動パターンは、複数の判定工程において、上述したトリガーとなる行動が各判定工程と関連付けられた状態で記憶部24に保存されている。
また、判断部25における作業者Wの行動と基本行動パターンの各判定工程における行動の比較(つまり判定)は、作業者Wの行動が基本行動パターンの各判定工程にマッチングしているか否かで判定できるものであれば、とくに限定されない。このようなマッチング方法としては、公知の様々なパターンマッチング技術を採用することができる。例えば、上述したようなパターンマッチングに基づく画像処理により、両画像データ(作業者Wの画像データと、基本行動パターンの画像データ)をマッチングする方法を採用することができる。
なお、図2では、符号Yが、作業者Wの動きと基本行動パターンとの判定おいて安全行動と判定されたことを示しており、符号Nは不安全行動と判定されたことを示している。
(警報手段30)
安全管理システム1の警報手段30は、判断部25から送信された警報を出力するという指示信号に基づいて作業者Wに対して警報を出力する機能を有するものである。
この警報手段30は、判断部25からの指示信号に基づいて、作業者Wに対して警報を出力する作業者端末31と、管理者に対して作業者Wの行動を通知する管理者端末32を備えている。
なお、作業者端末31と管理者端末32とが、特許請求の範囲の「警報出力部」に相当する。
図1に示すように、警報手段30の作業者端末31は、作業者Wに装着して使用するものであり、警報を出力する機能を有するものである。警報を出力する方法は、とくに限定されない。
例えば、音で警報を出力する機能を有してもよいし、光を利用して警報を出力する機能を有していてもよい。作業者端末31が音で警報を出力するものとしては、例えばブザーや音声メッセージなどを採用することができる。
また、光を利用して警報を出力するものとしては、例えば光源を点灯させたり、点滅させるといった方法を採用することができる。さらにまた、両者を使用してもよい、のは言うまでもない。
なお、作業者端末31を装着する位置は、作業者Wが警報を認識することができる位置であればとくに限定されない。
例えば、図1に示すように、作業者端末31が音で警報を出力する場合には、ヘルメットに装着すれば、耳の近傍に位置するので警報を認識しやすいという利点が得られる。
また、作業者端末31が警報を音と光の両方で出力する場合には、周囲の作業者Wが当該作業者Wの行動が不安全行動であることが認識できるので、周囲の作業者Wからも当該作業者Wに対して注意を促すことが可能となるという利点が得られる。
なお、光を利用する場合には、当該作業者Wが視認できる位置にも光源を設けるのが好ましい。この場合、周囲の音が大きく警報が聞き取りにくい場合にも作業者Wは警報を認識できるという利点が得られる。
図1に示すように、管理者端末32は、判断部25から送信された警報の指示信号を受信して、受信した信号を管理者(オペレータOP)に認識させる機能を有している。
例えば、管理者端末32は、モニターを備えたパーソナルコンピュータ(PC)であり、モニターに判断部25からの警報の指示信号を受信すれば該当する作業者Wの情報が点滅したり、音(警告音や音声メッセージなど)で知らせる機能を有するものである。また、この管理者端末32は、作業者端末31と通信可能な通信機能を有しているのが好ましい。管理者端末32と作業者端末31が通信可能であれば、管理者は、作業者Wに対して直接注意を促したり、作業者Wの意見を聞いたりすることができるという利点が得らえられる。
以上のごとき構成であるので、図1に示すように、安全管理システム1の検出手段10を装着すれば、作業者Wの行動が安全行動か不安全行動かを判定することができる。具体的には、作業者Wが視認している画像と、かかる状況下における作業者Wの動きと、基本行動パターンと、を比較することによって、かかる行動が安全行動か不安全行動かを簡単に判定することができる。
そして、図2に示すように、作業者Wの行動が本来行うべき行動(基本行動パターン)から逸脱した不安全行動であると判断した場合には、安全管理システム1の解析手段20の判断部25は、警報手段30に対して作業者Wに警報を出力するように指示信号を送信する。そして、この指示信号を受信した警報手段30は、作業者端末31を介して作業者Wに警報を発して注意を促す。つまり、作業者Wの行動が重大事故に発展する前に作業者Wに対して警告を発することができるので、作業者Wの重大事故を未然に防ぐことができるようになる。
しかも、安全管理システム1の検出手段10と解析手段20および警報手段30と作業者端末31のデータ通信がそれぞれ無線(図1では破線)によって行われていれば、適切なタイミング(つまりリアルタイム)で作業者Wに対して注意を促すことができる。
そして、警報を受けた作業者Wは、故意に不安全行動を行っていた場合にはその行動を反省することで、その後の行動に対しても基本行動を順守しようとするし、無意識下で不安全行動を行っていた場合には再度緊張を高めた状態で行動をしようとする。
上記のごとき、適切なタイミングで作業者Wに対して注意を促すことによって、その時点のみならず、その後の作業者Wが行う行動に対しても基本行動を順守するように作業者Wに対して意識付けをさせることができるので、不安全行動に起因する災害を未然かつ適切に予防することができるようになる。
また、安全管理システム1は、作業者が視認している画像データに加えて作業者Wの動きを作業者Wの体に加わる力や作業者Wの体の変位を検出手段10の動作検出部12によって検出することができるようになっている。
このため、安全管理システム1では、従来の単に画像データだけで作業者Wの行動を判定するような場合や速度等のセンサだけを利用した技術と比べて、作業者Wの視認画像と作業者Wの動作の両方に基づいて作業者Wの行動を判定するので、システムを大幅に簡略化することができる。しかも、作業者Wの視認画像と作業者Wの動作の両方に基づくことにより、それぞれから得られる情報を少なくしても従来の技術と同様またはそれ以上の精度で判定を行うことができるようになる。
例えば、作業者Wの階段の昇降行動を画像データで認識しかつ動作データから移動状況(つまり上下方向の移動状況)を適切に把握できるので、作業者Wの行動を簡単かつ的確に把握できるようになる。具体的には、上述したようにCCDカメラを撮影部11として使用し、上述したような加速度センサを動作検出部12として使用した場合には、CCDカメラはヘルメットに装着し、加速度センサはベルト近傍に装着するだけの簡単な操作で装着することができる。
すると、検出手段10を装着する際の手間を非常に簡便にでき、しかも作業者Wへの重量負担も軽減できるので、作業者の装着率の向上を図ることができる。さらに、作業者Wの装着率の向上が図れれば、作業者Wの重大事故にあう確率も大幅に低減させることが可能となる。
また、撮影部11として上述したようなCCDカメラ等の小型カメラを使用して、図1に示すように、ヘルメットの側面(例えば作業者Wの耳の上部に位置する箇所)に装着して使用するだけで、撮影方向が作業者Wの視線方向と略平行となるようにできる。
この場合、作業者Wの視認している状況と略同じ画像を画像データとして取得することができる。しかも、CCDカメラは小型であるので、作業者Wは装着していても違和感なく作業をすることができるという利点が得られる。
なお、撮影部11は、上記機能を有するような小型カメラを複数備えた構成としてもよい。具体的には、図1に示すようなヘルメットの左右の側面にそれぞれ装着してもよい。この場合、作業者Wの視認している状況により近い状態での画像データを取得できるので、カメラを1台装着する場合と比べて、画像データの精度を向上させることができる。このため、作業者の行動をより適切に把握できるという利点が得られる。
また、検出手段10の撮影部11と解析手段20との接続方法としては、上述したように有線で接続されていても無線で通信可能に接続されていてもよいが、無線で通信可能に接続されているのが望ましい。
撮影部11と解析手段20間を無線通信で接続するという構成を採用することによって、作業者Wの作業性の自由度を有線を採用する場合と比べて高くできるという利点が得らえる。
例えば、解析手段20を作業者Wに装着させなくても(つまり図1に示すように、管理棟2内に設置した状態で)撮影部11の画像データを解析手段20に供給(つまり撮影部11から解析手段20の画像解析部21へ送信)することができるようになる。また、作業者Wは、撮影部11が装着されたヘルメットを装着するだけでよいので、装着の手間と時間を減少できるという利点も得られる。
とくに、検出手段10の動作検出部12は、作業者Wの体幹部の動きを検出する場合、ベルト位置近傍に取り付けるのが望ましい。
この位置に動作検出部12を取り付ければ、作業者Wの重心の位置の近くに設置できるので、加速度や回転角度などを適切に測定できるという利点が得られる。一方、作業者Wの手や足などの肢部の動きを検出する場合には、手首や足首の近傍に取り付けるのが望ましい。この位置に取り付ければ、作業者Wの手や足の動きを適切に測定できるという利点が得られる。
なお、動作検出部12と解析手段20との接続方法としては、上述したように有線で接続されていても無線で通信可能に接続されていてもよいが、上述した撮影部11と同様に無線で通信可能に接続されているのが望ましい。動作検出部12がこのような機能の通信機能を有していれば、上述した撮影部11と同様に検出されたデータ(以下、単に動作データという)を離れた解析手段20へ供給できるという利点が得られる。
また、安全管理システム1の警報手段30は、作業者Wの不安全行動に対する警報を作業者端末31から音および/または光で知らせることができるので、作業者Wが作業する現場の状況に関わらず、作業者Wに対して適切に警報を認識させることができる。
とくに、音で警報すれば、作業者Wに対して音を不安全行動と関連づけて認識することができる。また、色で警報すれば、周囲の音によって警報音が聞こえにくい場合であっても、自己の行動が不安全行動であることを確実に認識させることができるという利点が得られる。
なお、警報手段30の作業者端末31の警報する方法は、とくに限定されない。
例えば、音で警報を出力する場合には、徐々に警報音が大きくなるようにすれば、警報が単一でなくなるので作業者Wが気付きやすくなる。
また、光で警報を出力する場合には、光を点滅したり、色の光を危険色で出力したりしてもよい。例えば、作業者Wの行動が不安全行動でない場合には青色であり、危険度に応じて黄色や赤色に変色するように変化させてもよい。色を変化させることで、作業者Wに対して警報をより認識させ易くなる。
さらになお、上記例では、安全管理システム1の警報手段30が管理者端末32を有する場合について説明したが、管理者端末32を設けない構成としてもよい。
例えば、判断部25が発信した警報の指示を記憶部24に記憶させておけば、必要に応じて管理者は不安全行動を行った可能性のある作業者Wの行動を確認できる。しかし、管理者端末32を設けていれば、管理者から作業者Wに対して注意等を促すことができるという利点が得らえる。
(安全管理システム1を作動時における作業者Wの行動判定の一例)
以上のごとく、安全管理システム1では、上述したように、作業者Wの行動を作業者Wが視認している状況の画像データと作業者Wが行っている動作状況の動作データに基づいて、作業者Wの行動を判定することに特徴を有している。そして、この判定は、上述したように、安全管理システム1の解析手段20における判断部25によって行わるものである。
以下では、安全管理システム1の作動させた際の作業者Wの行動をどのように判定しているかについて、例を示しながら具体的に説明する。
(足場台(立て馬)を使用した高所作業)
以下では、作業者Wの足場台(立て馬)を使用した高所作業における各作業工程が、安全行動か不安全行動かを安全管理システム1を作動させて判定する例を示す。
まず、安全管理システム1の検出手段10の作業者Wへの装着は以下のように行う。
安全管理システム1の検出手段10の撮影部11として、上述したようなCCDカメラ(例えば、Englie社製、画素数1200、重量118g)を2台使用することができる。この2台のCCDカメラは、ヘルメットの左右に、レンズが前方を撮影できるようにそれぞれ配設する。また、このヘルメットには、安全管理システム1の警報手段30の作業者端末31をCCDカメラの邪魔にならないように配設する。なお、作業者端末31は、音で警報を出力するものを採用する。
そして、上述した撮影部11および作業者端末31を配設したヘルメットを作業者Wに装着させる。
一方、安全管理システム1の検出手段10の動作検出部12としては、上述したような加速度センサを使用することができる。この加速度センサは、作業者Wの腰ベルトに装着して作業者Wの動きを検出する。
まず、例えば、作業者Wは、これから行う作業を判断部25に送信する。このとき判断部25では、作業者Wから送信されたデータに基づいて記憶部24から足場台(立て馬)を使用した高所作業に関する基本行動パターンを呼び出す。
なお、解析手段20の判断部25が、検出手段10の撮影部11の画像データに基づいて作業者Wの作業を判断するようにしてもよい。
例えば、図4に示すように、解析手段20の判断部25が、作業者Wがこれから行う作業を判別する。このとき、基本行動パターンの作業別の判別ポイントにおける画像データ中の基準対象物を、破線の丸で示した「一対の手掛かり棒」と、この一対の手掛かり棒の間に設けられた「天板」と、「上部バー」とする。
作業者Wは、足場台(立て馬)に正対して静止する。すると、判断部25は、作業者Wの画像データ中に上記基準対象物を認識するので、作業者Wの行う作業が「足場台(立て馬)を使用した高所作業」であると判断する。なお、このとき作業者Wの静止状態は、検出手段10の動作検出部12である加速度センサで検出される。
また、図3に示すように、この基本行動パターンには、足場台(立て馬)を使用した高所作業の作業手順に応じた複数の判定工程が関連付けられている。
上記準備が整ったら、作業者Wは、図3に示す作業手順に沿って足場台(立て馬)を使用した高所作業を開始する。
図2に示すように、解析手段20の判断部25では、各作業工程における作業者Wの行動をリアルタイムで安全行動(図2では安全行動の場合はYと判定する)か、不安全行動(図2では不安全行動の場合はNと判定する)か、を判定する。
(行動判定)
判断部25は、基本行動パターンの判定工程の画像データと、この工程に相当する作業者Wの行動の画像データと、および/または基本行動パターンの判定工程の動作データと、この工程に相当する作業者Wの行動の動作データと、を比較して作業者Wの各行動を判定する。なお、図5〜8は、判断部25の判定状況を静止画で示した図である。
図5(B)は、作業手順書の工程1の「手掛かり棒を保持する(左手)」を行っている状況を作業者Wが視認している静止画像データである。
この作業工程の判定工程(図3参照)における基準対象物は、「手掛かり棒」と、「作業者の手」と、「両者が重なっている状態」と、する(図5(B)の破線で囲った個所参照)。
すると、図5(B)に示すように、作業者Wの行動による画像データ中には、上記基準対象物が全て認識されるので、判断部25は、作業手順の工程1に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する(図2参照)。つまり、手摺をもって上る準備動作が適切に行われた安全行動であると判定される。
上記のように判定工程に相当する作業者Wの行動が安全行動であると判定されれば、警報手段30から警報は発せられないので、作業者Wは次工程へ進むことができる。
なお、図示してはいないが、前工程の判定工程(作業手順書の工程1)も同様に適切に行われたものとする。
図5(C)は、足場台(立て馬)の梯子を上りながら、上部バーが手掛かり棒にセットされている状況を作業者Wが視認している静止画像データである。つまり、かかる状態の作業者Wは、足場台(立て馬)の階段を上がっている状況である。この作業工程の判定工程(図3参照)における基準動作は、「上方への移動」とする。
すると、判断部25では、動作検出部12の加速度センサによる動作データから作業者Wが上方へ移動していると判断するので、作業手順の工程3に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する(図2参照)。つまり、梯子を上るという行動が適切に行われた安全行動であると判定される。
なお、動作検出部12の加速度センサに基づいて作業者Wの速度も計測できるようにしておけば、作業者Wが走りながら足場台(立て馬)の梯子を上っているか否かも判定することができる。この場合、この動作基準をかかる判定工程と関連付けておけば、作業者Wの行動をより適切に判定することができるようになる。
図5(D)は、作業手順書の工程5の「天板上に上る」作業工程と、作業手順書の工程6の「体の正面に手掛かり棒がくるように体を反転させる」作業工程と、を行っている状況を作業者Wが視認している静止画像データである。
まず、前者のこの作業工程の判定工程(図3参照)における基準動作は、「上方への移動」とする。すると、判断部25は、動作検出部12の加速度センサによる動作データから作業者Wが上方へ移動したと判断するので、作業手順の工程5に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する(図2参照)。つまり、天板上に上るという行動が適切に行われた安全行動であると判定される。
ついで、図5(D)に示すように、後者の作業工程(「体の正面に手掛かり棒がくるように体を反転させる」)に相当する判定工程における作業者Wの行動は、以下のように、動作の判定と画像の判定によって、それぞれ判定される。
この作業工程の判定工程(図3参照)における基準動作は、「回転方向への移動」とする。すると、判断部25は、動作検出部12の加速度センサによる動作データから作業者Wが反転していると判断するので、作業手順の工程6に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する(図2参照)。つまり、体を反転させるという行動が適切に行われた安全行動であると判定される。
この作業工程の判定工程(図3参照)における基準対象物は、「手掛かり棒」とする(図5(D)の破線で囲った個所参照)。すると、図5(D)に示すように、作業者Wの行動による画像データ中には、上記基準対象物が全て認識されるので、かかる判定工程に相当する作業者Wの行動は適切に行われたものであると判定される。
したがって、判断部25は、作業者Wの動作データおよび画像データに基づいて、作業手順の工程6に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する(図2参照)。
図6(E)は、作業手順書の工程7の「上部バーをセットする」を行っている状況と、作業手順書の工程8の「指さし確認する」を行っている状況と、を作業者Wが視認している静止画像データである。
まず、前者のこの作業工程の判定工程(図3参照)における基準対象物は、「手掛かり棒」と、「上部バー」と、「両者が重なっている状態」と、する(図6(E)の破線で囲った個所参照)。すると、図6(E)に示すように、作業者Wの行動による画像データ中には、上記基準対象物が全て認識されるので、判断部25は、作業手順の工程7に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する(図2参照)。つまり、上部バーをセットするという行動が適切に行われた安全行動であると判定される。
ついで、後者のこの作業工程の判定工程(図3参照)における基準対象物は、「手掛かり棒」と、「上部バー」と、「両者が重なっている状態」と、「作業者の手」と、する(図6(E)の破線で囲った個所参照)。すると、図6(E)に示すように、作業者Wの行動による画像データ中には、上記基準対象物が全て認識されるので、判断部25は、作業手順の工程8に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する(図2参照)。つまり、上部バーをセットしたことを「指さし確認する」という行動が適切に行われた安全行動であると判定される。
したがって、判断部25は、作業者Wの画像データに基づいて、作業手順の工程7および工程8に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定される。
作業者Wは、上部バーが適切にセットされた状態で、天板上で作業(図3では作業手順書の工程9に相当)を行う。そして、作業が完了した後は適切な行動をとりながら天板上から降りなければならない。このときの作業者Wの動作は以下のようにして判定される。
図6(F)は、作業手順書の工程10の「上部バーを外す」を行っている状況を作業者Wが視認している静止画像データである。
この作業工程の判定工程(図3参照)における基準対象物は、「手掛かり棒」と、「上部バーが手掛かり棒から離れている状態」と、する(図6(F)の破線で囲った個所参照)。すると、図6(F)に示すように、作業者Wの行動による画像データ中には、上記基準対象物が全て認識されるので、判断部25は、作業手順の工程10に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する(図2参照)。つまり、上部バーを外すという行動が適切に行われた安全行動であると判定される。
図6(G)は、作業手順書の工程11の「体の正面に手掛かり棒がくるように体を反転させる」つまり梯子に対向するように反転するという動作を行っている状況を作業者Wが視認している静止画像データである。
この判定工程は、以下のように、動作の判定と画像の判定によって、それぞれ判定される。
この作業工程の判定工程(図3参照)における基準動作は、「回転方向への移動」とする。すると、判断部25は、動作検出部12の加速度センサによる動作データから作業者Wが反転していると判断するので、作業手順の工程11の「体を反転させる」に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する。
この作業工程の判定工程(図3参照)における基準対象物は、「手掛かり棒」とする(図6(G)の破線で囲った個所参照)。すると、図6(G)に示すように、作業者Wの行動による画像データ中には、上記基準対象物が認識されるので、判断部25は、作業手順の工程11の「体の正面に梯子がくる」ということに相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する。
したがって、判断部25は、作業者Wの動作データおよび画像データに基づいて、作業手順の工程11に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定される(図2参照)。
なお、作業手順書の工程12の「梯子を降りる(一段)」を行っているか否かの判定は、かかる作業工程の判定工程(図3参照)における基準動作を「下方への移動」と、「下方への移動の停止」と、する。すると、判断部25は、作業者Wの動作データに基づいて作業手順の工程12が適切に行われたと判定する。
図7(H)は、作業手順書の工程13の「上部バーをセットする」を行っているか否かを判断している画像データである。
この作業工程の判定工程における基準対象物は、「手掛かり棒」と、「上部バー」と、「作業者の手」と、「手掛かり棒と上部バーが重なった状態」と、「上部バーと作業者の手が重なった状態」と、する(図7(H)の破線で囲った個所参照)。すると、図7(H)に示すように、作業者Wの行動による画像データ中には、上記基準対象物が全て認識されるので、判断部25は、作業手順の工程13に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する(図2参照)。つまり、上部バーをセットするという行動が適切に行われた安全行動であると判定される。
図7(I)は、作業手順書の工程14の上部バーのセットを「指さし確認する」を行っているか否かを判断している画像データである。
この作業工程の判定工程(図3参照)における基準対象物は、「手掛かり棒」と、「上部バー」と、「両者が重なっている状態」と、「作業者の手」と、する(図7(I)の破線で囲った個所参照)。すると、図7(I)に示すように、作業者Wの行動による画像データ中には、上記基準対象物が全て認識されるので、判断部25は、作業手順の工程14に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する(図2参照)。つまり、上部バーをセットしたことを指さし確認するという行動が適切に行われた安全行動であると判定される。
図8(J)は、作業手順書の工程16の「手掛かり棒を保持する(右手)」を行っている状況を作業者Wが視認している静止画像データである。
この作業工程の判定工程(図3参照)における基準対象物は、「手掛かり棒」と、「作業者の手」と、「手掛かり棒と作業者の手が重なっている状態」と、する(図8(J)の破線で囲った個所参照)。すると、図8(J)に示すように、作業者Wの行動による画像データ中には、上記基準対象物が全て認識されるので、判断部25は、作業手順の工程16に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する(図2参照)。つまり、作業台(立て馬)から降りる際に階段の手摺をもつという動作が適切に行われた安全行動であると判定される。
なお、図示してはいないが、作業手順書の工程15の「手掛かり棒を保持する(左手)」の行動も同様に適切に行われたものとする。
ついで、作業手順書の工程17の「梯子を下りる」を行っているか否かの判定について説明する。
図8(K)は、作業手順書の工程17の「梯子を下りる」という動作を行っている状況を作業者Wが視認している静止画像データである。具体的には、梯子に対向しながら梯子を下りるという状況である。
この判定工程は、以下のように、動作の判定と画像の判定によって、それぞれ判定される。
この作業工程の判定工程(図3参照)における基準動作は、「下方への移動」とする。すると、判断部25は、動作検出部12の加速度センサによる動作データから作業者Wが下方に移動していると判断するので、作業手順の工程17の「下りる」という行動に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する。
一方、「梯子を下りる」際には、梯子に対向しながら手掛かり棒をもって下りることも重要となる。ここで、手掛かり棒をもつという行為は、上述した判定工程で説明したとおりであるので、上記のごとき作業者Wの動作を判定すれば、作業者Wの行為を判定することできるが、より適切に判定する場合には、以下のように画像データに基づいての判定も追加してもよい。
例えば、この作業工程の判定工程における基準対象物を、「手掛かり棒」、「梯子の踏み台」、「天板」のいずれかまたは複数とする。例えば、「手掛かり棒」と、「天板」と、する(図8(K)の破線で囲った個所参照)。すると、図8(K)に示すように、作業者Wの行動による画像データ中には、上記基準対象物が全て認識されるので、判断部25は、作業手順の工程17の「梯子」を下りるという行動に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定する。つまり、作業台(立て馬)から下りる際に階段の手摺をもち、かつ梯子に対向するようにしながら天板から下りる、いう動作が適切に行われた安全行動であると判定される。
したがって、判断部25は、作業者Wの動作データおよび画像データに基づいて、作業手順の工程17に相当する作業者Wの行動が適切に行われた安全行動であると判定される(図2参照)。
以上のごとく作業者Wが作業工程を適切に行えば、作業者Wの作業手順はすべて安全行動に基づいて行われたものであると判定される(図2参照)。
一方、図3に示す判定工程のいずれかにおいて、故意やミスなどで不安全行動と判定されれば、安全管理システム1の警報手段30の作業者端末31から警報音が鳴る(図2参照)。この場合、図2に示すように、作業者Wは、不安全行動であると判定された作業手順を再度、安全行動となるように行えば、次工程へ進むことができるようになる。
つまり、本実施形態の安全管理システム1を用いれば、作業現場において、作業者Wの行動を監視することができるので、不安全行動に基づく労災を低減することができるようになる。
(本実施形態の安全管理システム1を用いた他の作業例)
図9には、「足場台(立て馬)の組立作業手順」およびこの作業手順の判定工程を示す。
図11には、「足場台(脚立を用いた足場台)の組立作業手順およびこの作業手順の判定工程を示す。
図13には、「高所作業車を利用した高所作業手順」およびこの作業手順の判定工程を示す。
これらの各作業における基本行動パターンには、足場台(立て馬)を使用した高所作業の作業手順に応じた複数の判定工程と同様に、それぞれの作業工程に応じた判定工程が関連付けられ、解析手段20の記憶部24に保存されている。
そして、判断部25は、基本行動パターンの判定工程の画像データと、この工程に相当する作業者Wの行動の画像データと、および/または基本行動パターンの判定工程の動作データと、この工程に相当する作業者Wの行動の動作データと、を比較して作業者Wの各行動を判定する。
図10(A)〜(C)は、足場台(立て馬)の組立作業における判断部25の判定状況の静止画の代表例を示した図である。
図12(A)〜(C)は、足場台(脚立を用いた足場台)の組立作業における判断部25の判定状況の静止画の代表例を示した図である。
図14(A)、(B)には、高所作業車を利用した高所作業における判断部25の判定状況の静止画の代表例を示した図である。
上記いずれの作業においても、図2に示すように、作業者Wの行動が不安全行動と判定された場合には、次工程へ進むことができない一方、作業者Wの行動が安全行動と判定された場合には、次工程へ進むことができる。そして、作業者Wの行動が、判定工程の上流側から下流側へ向かってすべて安全行動と判定される場合には、作業者Wの作業行動は適切に行われた安全行動であると判定され、作業を安全に完了することができる。
以上のごとく、本実施形態の安全管理システム1を用いれば、作業の内容(例えば、高所作業や、作業面での用具の組立作業など)にかかわらず、作業W者の行動が適切に行われているか否かを簡単かつ適切に判定することができる。
(本実施形態の安全管理システム1の判断部25の他の判定例)
上記例では、判断部25が、基本行動パターンの判定工程の画像データと、この工程に相当する作業者Wの行動の画像データと、を比較するときに、作業者Wの画像データ中に基準対象物が認識できるか否か(基準対象物の有無)に基づく場合について説明したが、作業者Wの行動が基本行動パターンの判定工程にマッチングしているか否かで判定できるものであれば、上記例に限定されず、以下のように判定してもよい。
例えば、基本行動パターンの閾値を予め設定しておき、その閾値を越えた場合に作業者Wの行動が不安全行動であると判定する、というようにしてもよい。
なお、この閾値は、任意に設定するようにしてもよいし、過去の経験等から定められた閾値を増減するなどの修正をして閾値を設定するようにしてもよい。
また、各判定工程おける基準対象物の閾値は、画像データにおいて、基準対象物と判断される領域が認識できれば、確認できたと判断するように設定してもよい。
安全管理システム1の解析手段20の判断部25は、上述したように行動判別部23で判別された作業者Wの行動と記憶部24の基本行動パターンとを比較して作業者Wの行動が不安全行動か否かを判断する機能を有するものである。
この判断手法としては、例えば、基本行動パターンの閾値を予め設定しておき、その閾値を越えた場合に作業者Wの行動が不安全行動であると判断するようにすることができるものである。
そして、この閾値としては、基本行動パターンにおける動きや画像に基づいて適宜決定することができる。
解析手段20の判断部25は、作業者Wが視認している画像データと基本行動パターンの画像データとを比較した際、両者の「画像のずれ」に基づいて作業者Wの行動が不安全行動か否かを判定する機能を有する構成とすることができる。
この画像のずれは、以下のようにして求めることができる。
まず、基本行動パターンの画像データから基準となる基準対象物を検出する。なお、この基準対象物は、予め各基本行動パターンの判定工程に基づいて特定しておき、記憶部24に基本行動パターンと関連付けて記憶させておく。
なお、この基本行動パターンの判定工程は、上述したように、各種の作業工程において重要となる工程を判定ポイントとして設定することができる。例えば、足場台(立て馬)を使用した高所作業や、高所作業車を利用した高所作業はもちろん、足場台(立て馬)の組立作業や、足場台(脚立を用いたもの)の組立作業など、作業者Wが現場で行う各種の作業において、これらの作業手順書における重要となる工程を判定ポイントとして設定することができる。
ついで、作業者Wが視認している画像データから、基準対象物に相当する視認対象物を検出して、両者(基準対象物と視認対象物)のずれを計測(測定)する。この測定方法は、とくに限定されず、例えば、基準対象物の重心の位置や特定の部位の点、特定の領域等を基準点として設定し、基準点に対応する視認対象物における点を対象点として設定しておけば、両者のずれを簡単に測定することができる。
そして、このずれの値が、予め設定しておいた閾値よりも大きくなった場合に、作業者Wの行動を不安全行動と判断する。
この閾値は、作業者Wの行動がこの閾値を超えれば即座に不安全行動であると判断する値である。過去の災害データと基本行動パターンを関連付けて、災害に結びつきやすいと考えられる基本行動パターンの場合には、閾値を小さくなるように設定をする。この場合、不安全行動の可能性が高い行動を行っている作業者に対して即座に警報をだして、かかる行動を止めさせるよう注意を促すことができるので、不安全行動に起因する災害が発生するのを予防することができる。
例えば、作業者Wの行動が梯子の降下行動であると判断した場合、判断部25において、作業者Wの行動は、以下のように判断される。
まず、判断部25は、記憶部24から梯子を降下する際の基本行動パターンを抽出する。つぎに、この基本行動パターンから画像データから基準点(例えば、梯子の支柱の外端縁)を検出する。また、作業者Wが視認している状況の画像データから梯子の支柱の外端縁(対象点)を検出する。そして、検出した両点を比較し計測する。
作業者Wが、梯子を降下する際に基本に則って梯子の支柱等を見ながら降下していれば、作業者Wの視認している画像データには、梯子のデータが存在するので、対象点も簡単に検出することができる。このため両者のずれを簡単に計測できるので、計測結果を閾値と比較すれば、作業者Wの行動が不安全行動か否かを容易に判断できる。
一方、作業者Wが、梯子を背にして降下している場合には、作業者Wの視認している画像データには、梯子のデータが存在しないので、当然、対象点も検出されない。この場合、両者の計測結果は、当然、閾値を超えるので、即座に作業者Wの行動が不安全行動であると判断することができる。
また、この閾値は、基本行動パターンの基準値からある程度の差(範囲)を有するように設定することができる。この場合、両者(基準対象物と視認対象物)のずれを、ある程度の範囲内になるように許容することができるので、作業者Wの安全管理を行いつつ、作業者Wの作業性を維持することができる。
なお、両者のずれを閾値のみで判断してもよいが、以下にように閾値と基本行動パターンの基準点との間に所定の値を設けてもよい。
例えば、安全行動と判断される許容範囲と判断する値(安全値)と、この安全値と閾値との間に不安全行動と判断する値(危険値)を設けてもよい。つまり、基準点から安全値、危険値、閾値の順に不安全行動の危険レベルを設定しておけば、後述するような利点を得ることができるほか、作業者Wがどの程度のレベルで不安全行動を行ったかを把握することも可能となるので、死傷災害に発展しやすい具体的な行動を詳細に把握することもできるという利点も得られる。
上記値を設ければ、判断部25は、両者(基準対象物と視認対象物)のずれが安全値から危険値までの範囲内に入ったタイミング(つまり、両者のずれが安全値を超えたタイミング)で作業者Wの行動を不安全行動と判断する。
一方、作業内容等によっては、両者(基準対象物と視認対象物)のずれが、安全値から危険値の範囲内に入っている時間が所定の時間以内であれば、不安全行動と判断しないように設定してもよい。
例えば、作業者Wが現場で作業を行う場合には、周囲の作業者Wへの対応など、本来取るべき行動以外のことも行う場合が多々ある。しかし、このような行動に対してまで全て不安全行動と判断すれば、作業者Wの作業性に影響や支障をあたえる可能性がある。また、このような行動は、作業者W同士のコミュニケーション行動の可能性があり、作業をする上でも重要な場合がある。
そこで、両者(基準対象物と視認対象物)のずれが、上記範囲内に一定時間以上継続して入っていた場合に作業者Wの行動を不安全行動と判断する一方、一定時間以内であれば、不安全行動でないと判断する。このように設定すれば、不安全行動につながらないような作業者Wの一時的な行動を警報の対象から除外することによって、不必要な警報に基づく作業者Wへの支障を抑制できるようになるという利点が得られる。
また、判断部25は、両者(基準対象物と視認対象物)のずれが、上記範囲内に入った場合、作業者Wの行動を不安全行動と判断する。その後、警報手段30に対して警報を発信するように信号を送信した後、両者のずれが安全値よりも小さくなれば、警報手段30に対して警報を解除するように発信する機能を有していてもよい。両者のずれが安全値よりも小さくなったことから、不安全行動をしていた作業者Wが行動を改めたと判断することができるので、警報を解除することによって、作業者Wに対して安全を意識させつつ作業を継続させることができるという利点が得られる。
本発明の安全管理システムは、不安全行動に起因する死傷災害等が発生している産業に従事する作業者の安全を管理するためのシステムとして適している。
1 安全管理システム
10 検出手段
11 撮影部
12 動作検出部
20 解析手段
21 画像解析部
22 動作解析部
23 行動判別部
24 記憶部
25 判断部
30 警報手段
31 作業者端末

Claims (7)

  1. 作業現場における作業者の行動が不安全行動か否かを通報するシステムであって、
    作業者に装着する検出手段と、該検出手段によって得られたデータを解析する解析手段と、作業者に対して警報を行う警報手段と、を備えており、
    前記検出手段が、
    作業者が視認している状況を撮影する撮影部と、
    作業者の動きを検出する動作検出部と、を備えており、
    前記解析手段は、
    前記撮影部によって得られた画像データを解析する画像解析部と、
    前記動作検出部によって得られた動作データに基づいて作業者の動きを解析する動作解析部と、
    該動作解析部で解析した作業者の動きと前記画像解析部で解析した画像データとに基づいて作業者の行動を判別する行動判別部と、
    安全行動に基づいて抽出されたトリガー行動を含む基本行動パターンが記憶されている記憶部と、
    作業者の行動が不安全行動か否かを判定する判断部と、を備えており、
    前記警報手段は、
    前記判断部で不安全行動と判断した場合に判断部の指示に基づいて警報を出力する警報出力部と、を備えており、
    前記動作検出部が、
    作業者の体幹部または腰に装着され、かかる状態において、作業者の体の回転および/または上下左右前後の加速度を検出する機能を有しており、
    前記判断部は、
    前記基本行動パターンに含まれる前記トリガー行動と作業者の行動を常に比較しながら、作業者の体の動きと、作業者の視認画像に含まれる基準対象物の有無と、のどちらか一方が前記トリガー行動から外れた場合には不安全行動と認識して警報信号を前記警報手段に送信する機能を有している
    ことを特徴とする安全管理システム。
  2. 前記検出手段が、
    前記撮影部および前記動作検出部で得られたデータを無線により前記解析手段へ送信する機能を有しており、
    前記解析手段が、
    前記検出手段から送信されたデータを受信して、前記判断部の指示を無線により前記警報手段へ送信する機能を有しており、
    前記警報手段が、
    前記解析手段の判断部からの指示を受信して、前記警報出力部へ警報信号を無線により送信する機能を有している
    ことを特徴とする請求項1記載の安全管理システム。
  3. 前記検出手段の撮影部が、一対のCCDカメラを備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の安全管理システム。
  4. 前記判断部は、
    作業者の行動が不安全行動と判定された後、該不安全行動と判定された行動を再度作業者が実行し、該行動が不安全行動ではないと判定されれば、警報を解除する機能を有している
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の安全管理システム。
  5. 前記警報手段は、
    作業者に装着される作業者端末を備えており、
    該作業者端末が、
    前記警報を音および/または光を用いて出力する機能を有している
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の安全管理システム。
  6. 前記作業現場における作業者の行動が、
    足場台として立て馬を使用した高所作業を行う際の行動である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の安全管理システム。
  7. 前記作業現場における作業者の行動が、
    高所作業車を使用した高所作業を行う際の行動である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の安全管理システム。
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