以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、本実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
図1に示すように、画像形成システム10は、MFP(Multifunction Peripheral)20、30を含む複数のMFPと、利用者端末40と、アプリケーションを作成するアプリケーション作成サーバー50とを備えている。
画像形成システム10に含まれる複数のMFPのそれぞれと、利用者端末40とは、LAN(Local Area Network)などのネットワーク11経由で互いに通信可能に接続されている。
利用者端末40と、アプリケーション作成サーバー50とは、インターネットなどのネットワーク12経由で互いに通信可能に接続されている。
図2は、MFP20のブロック図である。
図2に示すように、MFP20は、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部21と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター23と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー24と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部25と、ネットワーク11(図1参照。)経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部26と、各種の情報を記憶する半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部27と、MFP20全体を制御する制御部28とを備えている。
記憶部27は、少なくとも1つのアプリケーション27aと、MFP20自身にインストールされているアプリケーション27aをワークフローに従って他のMFPと連携して実行するための制御アプリケーション27bとがインストールされることが可能である。
制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部27に記憶されているプログラムを実行する。
アプリケーション27aとしては、例えば、スキャナー24によって原稿から読み取った画像をプリンター23によって記録媒体に印刷する「コピー」アプリケーション、スキャナー24によって原稿から読み取った画像をPDF(Portable Document Format)ファイルに変換する「ScanToPDF」アプリケーション、スキャナー24によって原稿から読み取った画像を電子メールによってネットワーク通信部26経由で送信する「ScanToEmail」アプリケーション、スキャナー24によって原稿から読み取った画像をファックス通信部25経由でFAX送信する「ScanToFAX」アプリケーション、スキャナー24によって原稿から読み取った画像をネットワーク通信部26経由でクラウド上に送信する「ScanToCloud」アプリケーション、スキャナー24によって原稿から読み取った画像をFTP(File Transfer Protocol)によってネットワーク通信部26経由で送信する「ScanToFTP」アプリケーション、スキャナー24によって原稿から読み取った画像をSMB(Server Message Block)によってネットワーク通信部26経由で送信する「ScanToSMB」アプリケーション、スキャナー24によって原稿から読み取った画像を記憶部27内に設けられた領域、すなわち、Boxに記憶させる「ScanToBox」アプリケーション、スキャナー24によって原稿から読み取った画像内の文字をOCR(Optical Character Recognition)によってテキストとして抽出する「ScanWithOCR」アプリケーションなどのアプリケーションがある。
図3は、制御アプリケーション27bの構成を示す図である。
図3に示すように、制御アプリケーション27bは、MFP20を含む複数のMFPが互いに連携することによって実行されるワークフロー27cと、ワークフロー27cに含まれる全てのアプリケーションの設定27dと、MFP20で作成した情報を出力して他のMFPに入力するための接続設定27eとを備えている。
設定27dは、例えば、「コピー」アプリケーションにおいてカラーコピーおよびモノクロコピーの何れのコピーにするかの設定、「ScanToPDF」アプリケーションにおけるスキャナー24による原稿からの画像の読み取り解像度の設定、「ScanToFAX」アプリケーションにおけるファックス送信の宛先の設定など、各種の設定が存在する。
接続設定27eは、例えば、MFP20で作成した出力対象となる情報の入力先のMFPのIP(Internet Protocol)アドレスやポート番号である。
図1に示すように、MFP30など、画像形成システム10に含まれる複数のMFPのそれぞれの構成は、MFP20の構成と同様であるので、説明を省略する。
なお、MFPにインストール可能なアプリケーションの数は、RAMやHDDなどのハードウェアの容量の関係から限界がある。MFPにインストール可能なアプリケーションの数は、MFP毎に設定されている。
図4は、利用者端末40のブロック図である。
図4に示すように、利用者端末40は、利用者による種々の操作が入力されるマウス、キーボードなどの入力デバイスである操作部41と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部42と、ネットワーク11(図1参照。)またはネットワーク12(図1参照。)経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部43と、各種の情報を記憶する半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部44と、利用者端末40全体を制御する制御部45とを備えている。利用者端末40は、PC(Personal Computer)などのコンピューターによって構成されている。
制御部45は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部44に記憶されているプログラムを実行する。
図5は、アプリケーション作成サーバー50のブロック図である。
図5に示すように、アプリケーション作成サーバー50は、利用者による種々の操作が入力されるマウス、キーボードなどの入力デバイスである操作部51と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部52と、ネットワーク12(図1参照。)経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部53と、各種の情報を記憶する半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部54と、利用者端末40全体を制御する制御部55とを備えている。アプリケーション作成サーバー50は、PCなどのコンピューターによって構成されている。
制御部55は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部54に記憶されているプログラムを実行する。
制御部55は、記憶部54に記憶されているプログラムを実行することによって、アプリケーションのインストール先となるMFPの指定を利用者端末40(図4参照。)の操作部41(図4参照。)から受け付けるインストール先受付手段55a、MFPにインストール可能なアプリケーションの残数をMFP毎に利用者端末40の表示部42(図4参照。)に表示する残数表示手段55b、MFPが有する機能のうちアプリケーションの実行に必要な機能をMFP毎に利用者端末40の表示部42に表示する機能表示手段55c、アプリケーションのインストール先となるMFPの推奨の候補を表示する推奨候補表示手段55d、および、インストール先受付手段55aによって受け付けられたMFPにインストール可能なアプリケーションの残数の点でアプリケーションのインストールが失敗する場合にエラーを表示するエラー表示手段55eとして機能する。
アプリケーション作成サーバー50は、利用者端末40を介してMFPにアプリケーションおよび制御アプリケーションをインストールするものであり、本発明のインストールシステムを構成している。
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
まず、アプリケーションをMFPにインストールする場合のアプリケーション作成サーバー50の動作について説明する。
利用者は、アプリケーションの作成の開始を利用者端末40の操作部41を介してアプリケーション作成サーバー50に指示することができる。アプリケーション作成サーバー50は、アプリケーションの作成の開始が指示されると、図6に示す動作を実行する。
図6は、アプリケーションをMFPにインストールする場合のアプリケーション作成サーバー50の動作のフローチャートである。
図6に示すように、アプリケーション作成サーバー50の制御部55は、アプリケーションの作成画面を利用者端末40に通知する(S101)。したがって、利用者端末40は、アプリケーション作成サーバー50からの作成画面を表示部42に表示する。
そして、利用者は、利用者端末40の表示部42に表示された作成画面上で、複数のアプリケーションの作成を利用者端末40の操作部41を介して指示することができるとともに、複数のアプリケーションの実行順序、すなわち、ワークフローと、複数のアプリケーションのそれぞれの各種の設定とを利用者端末40の操作部41を介して指定することができる。したがって、アプリケーション作成サーバー50の制御部55は、利用者端末40の操作部41を介した指示に応じて、複数のアプリケーションを作成する(S102)とともに、S102において作成した複数のアプリケーションのワークフローと、S102において作成した複数のアプリケーションのそれぞれの設定とを備える制御アプリケーションを作成する(S103)ことができる。
次いで、利用者がアプリケーションのインストール先の指定の開始を利用者端末40の操作部41を介してアプリケーション作成サーバー50に指示すると、アプリケーション作成サーバー50の制御部55は、アプリケーションのインストール先の候補の一覧を利用者端末40に通知する(S104)。したがって、利用者端末40は、アプリケーション作成サーバー50からの一覧を表示部42に表示する。
図7は、利用者端末40の表示部42に表示される一覧60の一例を示す図である。
図7に示すように、一覧60は、MFPの識別情報と、MFPにインストール可能なアプリケーションの残数と、MFPが有する機能のうちアプリケーションの実行に必要な機能と、S103において作成されたワークフローに含まれるアプリケーションのうちインストールを推奨するアプリケーションとを、画像形成システム10に含まれる複数のMFPのそれぞれについて含んでいる。例えば、図7において、MFP「A」は、インストール可能なアプリケーションの残数が3であり、「ScanToFAX」アプリケーションなどのアプリケーションの実行に必要な機能としての「FAX送信」に対応しておらず、カラーコピーにすることが設定された「コピー」アプリケーションなどのアプリケーションの実行に必要な機能としての「カラー印刷」に対応している。MFP「A」にインストールされることが推奨されるアプリケーションは、「コピー」アプリケーション、「ScanToPDF」アプリケーションおよび「ScanToEmail」アプリケーションである。また、MFP「B」は、インストール可能なアプリケーションの残数が4であり、「FAX送信」に対応しており、「カラー印刷」に対応していない。MFP「B」にインストールされることが推奨されるアプリケーションは、「ScanToFAX」アプリケーションおよび「ScanToCloud」アプリケーションである。
なお、一覧60のうち「残数」欄の値は、アプリケーション作成サーバー50の残数表示手段55bが各MFPから取得して一覧60に含めた値である。一覧60のうちアプリケーションの実行に必要な機能の欄の値は、アプリケーション作成サーバー50の機能表示手段55cが各MFPから取得して一覧60に含めた値である。一覧60のうち「インストールを推奨するアプリケーション」欄の値は、アプリケーション作成サーバー50の推奨候補表示手段55dが一覧60に含めた値である。
ここで、推奨候補表示手段55dは、S103において作成されたワークフローに含まれるアプリケーション、すなわち、インストール対象のアプリケーションの数と、MFPにインストール可能なアプリケーションの残数、すなわち、一覧60のうち「残数」欄の値と、インストール対象のアプリケーションの実行に必要な機能と、MFPが有する機能、すなわち、一覧60のうちアプリケーションの実行に必要な機能の欄の値とに応じて、アプリケーションのインストール先となるMFPの推奨の候補を決定する。具体的には、推奨候補表示手段55dは、可能な限り少ない数のMFPでワークフローを実行するという条件と、インストール先のMFPがインストール対象のアプリケーションの実行に必要な機能を有するという条件とを満たすMFPを、アプリケーションのインストール先となるMFPの推奨の候補として決定する。
利用者は、一覧60を確認することによって、ワークフローに含まれる何れのアプリケーションを何れのMFPにインストールするかを利用者端末40の操作部41を介してアプリケーション作成サーバー50に指示することができる。例えば、利用者は、一覧60のうち「残数」欄の値を超えない範囲の数のアプリケーションをMFPにインストールすることを指示することができる。また、利用者は、一覧60のうちアプリケーションの実行に必要な機能の欄の値に基づいて、アプリケーションを、このアプリケーションの実行に必要な機能を有するMFPにインストールすることを指示することができる。したがって、図6に示すように、アプリケーション作成サーバー50のインストール先受付手段55aは、利用者端末40の操作部41を介して指示されたインストール先を受け付ける(S105)。
次いで、アプリケーション作成サーバー50の制御部55は、S103において作成した制御アプリケーションに基づいて、S105において受け付けられたインストール先毎の制御アプリケーションを作成する(S106)。具体的には、制御部55は、S105において受け付けられたインストール先に応じた接続設定を制御アプリケーションに含める。また、制御部55は、制御アプリケーションのワークフローに、何れのアプリケーションが何れのMFPによって実行されるかを含める。
アプリケーション作成サーバー50の制御部55は、S106の処理の後、S102において作成したアプリケーションと、S106において作成した制御アプリケーションとを、S105において受け付けられたインストール先に利用者端末40を介してインストールして(S107)、図6に示す動作を終了する。ここで、制御部55は、インストール先にアプリケーションをインストールする場合、S105において受け付けられた通りに、インストール先に応じたアプリケーションのみをインストールする。また、制御部55は、インストール先に制御アプリケーションをインストールする場合、S106においてインストール先毎に作成された制御アプリケーションを、対応するインストール先にインストールする。
例えば、S102において「コピー」アプリケーション、「ScanToPDF」アプリケーション、「ScanToEmail」アプリケーション、「ScanToFAX」アプリケーションおよび「ScanToCloud」アプリケーションが作成され、S103において作成された制御アプリケーションのワークフローが図8(a)に示すものであるとする。利用者が「コピー」アプリケーション、「ScanToPDF」アプリケーションおよび「ScanToEmail」アプリケーションのインストール先としてMFP「A」を指定し、「ScanToFAX」アプリケーションおよび「ScanToCloud」アプリケーションのインストール先としてMFP「B」を指定すると、S106において作成された制御アプリケーションのワークフローは、図8(b)に示すものになる。したがって、S107において、MFP「A」には「コピー」アプリケーション、「ScanToPDF」アプリケーションおよび「ScanToEmail」アプリケーションと、図8(b)に示すワークフローを備える制御アプリケーションとがインストールされ、MFP「B」には「ScanToFAX」アプリケーションおよび「ScanToCloud」アプリケーションと、図8(b)に示すワークフローを備える制御アプリケーションとがインストールされる。
なお、エラー表示手段55eは、S105において受け付けられたMFPにインストール可能なアプリケーションの残数の点でアプリケーションのインストールが失敗する場合、エラーを利用者端末40に通知する。したがって、利用者端末40は、アプリケーション作成サーバー50からのエラーを表示部42に表示する。
また、アプリケーション作成サーバー50からMFPへのアプリケーションおよび制御アプリケーションのインストールは、利用者がログイン中の利用者端末40を介して行われるとセキュリティー面で好ましい。しかしながら、アプリケーション作成サーバー50からMFPへのアプリケーションおよび制御アプリケーションのインストールは、利用者端末40を介さずにアプリケーション作成サーバー50からMFPに直接行われても良い。
次に、ワークフローを実行する場合のMFP20およびMFP30の動作について説明する。
以下、図8(b)に示すワークフローを実行する場合に、図8(b)に示すMFP「A」、「B」がそれぞれMFP20、30であるときの動作について説明する。
利用者は、MFP20にインストールされている制御アプリケーションと、MFP30にインストールされている制御アプリケーションとの少なくとも一方が非常駐アプリケーションであって未だ起動されていない場合、これらの制御アプリケーションのうち未だ起動されていない制御アプリケーションを、MFP20およびMFP30にワークフローを実行させる前に起動させておく必要がある。ここで、利用者は、MFP20にインストールされている制御アプリケーションをMFP20の操作部21を介して起動させることができる。同様に、利用者は、MFP30にインストールされている制御アプリケーションをMFP30の操作部を介して起動させることができる。ただし、ワークフローにおいて最初にアプリケーションを実行するMFP「A」ではないMFP、すなわち、MFP「B」の制御アプリケーションに関しては、MFP「A」の制御アプリケーションによって起動された後でMFP「A」の制御アプリケーションから後続の処理の実行が依頼される方法でも良い。
図9は、図8(b)に示すワークフローを実行する場合のMFP20およびMFP30の動作のシーケンス図である。
MFP20において起動されている制御アプリケーションに図8(b)に示すワークフローの実行を利用者が指示すると、図9に示すように、MFP20の制御アプリケーションは、図8(b)に示すワークフローに従って、「コピー」アプリケーションを実行し(S131)、「ScanToPDF」アプリケーションを実行し(S132)、「ScanToEmail」アプリケーションを実行する(S133)。
すなわち、MFP20の制御部28は、スキャナー24によって原稿から読み取った画像をプリンター23によって記録媒体に印刷し(S131)、S131において原稿から読み取った画像をPDFファイルに変換し(S132)、S131において原稿から読み取った画像を電子メールによってネットワーク通信部26経由で送信する(S133)。
ここで、スキャナー24によって原稿から画像を読み取る動作を含むアプリケーション(以下「スキャン系アプリケーション」と言う。)が実行される時に実際にスキャナー24によって原稿から画像を読み取るか否かは、制御アプリケーションに備えられている設定によって決定される。デフォルトでは、ワークフローにスキャン系アプリケーションが複数含まれる場合、ワークフローにおける複数のスキャン系アプリケーションのうち順番が最も先のスキャン系アプリケーションのみ、実行される時に実際にスキャナー24によって原稿から画像を読み取り、他のスキャン系アプリケーションに関しては、順番が最も先のスキャン系アプリケーションによって原稿から読み取られた画像が使用される。しかしながら、ワークフローにおける複数のスキャン系アプリケーションのうち順番が最も先のスキャン系アプリケーション以外のスキャン系アプリケーションに関しても、それぞれ、自身が実行される時に実際にスキャナー24によって原稿から画像を読み取ることが、制御アプリケーションに備えられている設定によって規定されることもできる。したがって、例えば、S132の処理では、S131において原稿から読み取られた画像ではなく、S132の実行時にスキャナー24によって原稿から読み取った画像をPDFファイルに変換しても良い。同様に、S133の処理では、S131において原稿から読み取られた画像ではなく、S133の実行時にスキャナー24によって原稿から読み取った画像を電子メールによってネットワーク通信部26経由で送信しても良い。
また、スキャン系アプリケーションは、実際にスキャナー24によって原稿から読み取られた画像そのものではなく、スキャナー24によって原稿から読み取られた画像がワークフローにおいて自身より前に実行されるアプリケーションによって変換された画像を処理するように、制御アプリケーションに備えられている設定によって規定されることもできる。例えば、S133の処理では、スキャナー24によって原稿から読み取られた画像そのものではなく、スキャナー24によって原稿から読み取られた画像がS132において変換されたPDFデータを電子メールによってネットワーク通信部26経由で送信しても良い。
S133における送信先は、制御アプリケーションに備えられている設定によって規定される。例えば、S133の実行時に操作部21から入力されても良いし、MFP20にログイン中の利用者の電子メールアドレスとしてMFP20に記憶されているものでも良い。
MFP20の制御アプリケーションは、S133の処理の後、図8(b)に示すワークフローに従ってMFP30の制御アプリケーションに後続の処理の実行を依頼する(S134)。すなわち、MFP20の制御アプリケーションは、図8(b)に示すワークフローの識別情報と、S131において原稿から読み取った画像とをMFP30の制御アプリケーションに渡す。
MFP30の制御アプリケーションは、S134においてMFP20の制御アプリケーションから後続の処理の実行が依頼されると、S134においてMFP20の制御アプリケーションから渡された識別情報によって特定される図8(b)に示すワークフローに従って、「ScanToFAX」アプリケーションを実行し(S135)、「ScanToCloud」アプリケーションを実行する(S136)。
すなわち、MFP20の制御部28は、S134においてMFP20の制御アプリケーションから渡された画像をファックス通信部25経由でFAX送信し(S135)、S134においてMFP20の制御アプリケーションから渡された画像をネットワーク通信部26経由でクラウド上に送信する(S136)。
ここで、S135の処理と、S136の処理とのそれぞれが実行される時に実際にスキャナー24によって原稿から画像を読み取るか否かは、制御アプリケーションに備えられている設定によって決定される。例えば、S135の処理では、S134においてMFP20の制御アプリケーションから渡された画像ではなく、S135の実行時にスキャナー24によって原稿から読み取った画像をファックス通信部25経由でFAX送信しても良い。同様に、S136の処理では、S134においてMFP20の制御アプリケーションから渡された画像ではなく、S136の実行時にスキャナー24によって原稿から読み取った画像をネットワーク通信部26経由でクラウド上に送信しても良い。なお、S131において原稿から読み取られた画像は、S135の処理と、S136の処理との何れでも使用されない場合には、MFP20の制御アプリケーションからMFP30の制御アプリケーションに渡される必要が無い。
また、スキャン系アプリケーションは、実際にスキャナー24によって原稿から読み取られた画像そのものではなく、スキャナー24によって原稿から読み取られた画像がワークフローにおいて自身より前に実行されるアプリケーションによって変換された画像を処理するように、制御アプリケーションに備えられている設定によって規定されることもできる。例えば、S136の処理では、スキャナーによって原稿から読み取られた画像そのものではなく、スキャナーによって原稿から読み取られた画像がS132において変換されたPDFデータをネットワーク通信部26経由でクラウド上に送信しても良い。なお、S132において変換されたPDFデータがS136の処理において使用されるためには、S132において変換されたPDFデータがS134においてMFP20の制御アプリケーションからMFP30の制御アプリケーションに渡される必要がある。
S135やS136における送信先は、制御アプリケーションに備えられている設定によって規定される。例えば、S135における送信先は、S135の実行時にMFP30の操作部から入力されても良いし、MFP20にログイン中の利用者のFAX番号としてMFP20に記憶されていてS134においてMFP20の制御アプリケーションから渡されたものでも良いし、MFP20にログイン中の利用者の識別情報がS134においてMFP20の制御アプリケーションから渡されて、この識別情報に応じたFAX番号としてMFP30に記憶されているものでも良い。同様に、S136における送信先は、S136の実行時にMFP30の操作部から入力されても良いし、MFP20にログイン中の利用者の送信先としてMFP20に記憶されていてS134においてMFP20の制御アプリケーションから渡されたものでも良いし、MFP20にログイン中の利用者の識別情報がS134においてMFP20の制御アプリケーションから渡されて、この識別情報に応じた送信先としてMFP30に記憶されているものでも良い。
なお、以上においては、理解を容易にするために、2つのMFPによって1つのワークフローを実行する例について説明しているが、3つ以上のMFPによって1つのワークフローを実行する場合も同様である。
以上に説明したように、画像形成システム10は、互いに連携することによって複数のアプリケーションを1つのワークフローに従って実行する複数のMFPにワークフローの実行の指示前にアプリケーションおよび制御アプリケーションがインストールされている(S107)ので、互いに連携することによって複数のアプリケーションを1つのワークフローに従って実行する複数のMFPがワークフローの実行の指示の度に決定される必要がなく、ワークフローの実行が指示された場合にワークフローを円滑に実行することができる。
画像形成システム10は、互いに連携することによって複数のアプリケーションを1つのワークフローに従って実行する複数のMFPのそれぞれの制御アプリケーションがワークフローの全てを備える場合、これらのMFPの間でアプリケーションが移動させられることによって、これらのMFPにおけるアプリケーションの実行の担当が容易に変更されることができる。なお、互いに連携することによって複数のアプリケーションを1つのワークフローに従って実行する複数のMFPのそれぞれにインストールされる制御アプリケーションは、ワークフローの全てではなく、ワークフローのうち、制御アプリケーション自身がインストールされるMFPが実行するアプリケーションのみの部分を備えていても良い。
画像形成システム10は、互いに連携することによって複数のアプリケーションを1つのワークフローに従って実行する複数のMFPのそれぞれの制御アプリケーションがワークフローに含まれる全てのアプリケーションの設定を備える場合、これらのMFPの間でアプリケーションの設定が移動させられなくても、これらのMFPの間でアプリケーションが移動させられることによって、これらのMFPにおけるアプリケーションの実行の担当が容易に変更されることができる。また、画像形成システム10は、互いに連携することによって複数のアプリケーションを1つのワークフローに従って実行する複数のMFPのそれぞれの制御アプリケーションがワークフローに含まれる全てのアプリケーションの設定を備える場合、これらのMFPの何れか1つにこのワークフローに含まれるアプリケーションの全てをインストールするための空き数が生じたときに、このMFPにこのワークフローに含まれるアプリケーションの全てをインストールすることによって、このMFP1台でこのワークフローを実行することが可能になる。なお、互いに連携することによって複数のアプリケーションを1つのワークフローに従って実行する複数のMFPのそれぞれの制御アプリケーションが備える設定は、この制御アプリケーション自身がインストールされるMFPが実行するアプリケーションの設定のみであっても良い。
画像形成システム10は、互いに連携することによって複数のアプリケーションを1つのワークフローに従って実行する複数のMFPのそれぞれの制御アプリケーションがアプリケーションの設定を備えるので、制御アプリケーションに備えられる設定が変更されることによって、種々のワークフローを実行することができる。例えば、画像形成システム10は、「ScanToEmail」アプリケーション、「ScanToFAX」アプリケーション、「ScanToCloud」アプリケーションなどの送信を行うアプリケーションの送信先が制御アプリケーションにおいて変更されることによって、送信先が異なるワークフローを実行することができる。
画像形成システム10は、MFPにインストール可能なアプリケーションの残数と、MFPが有する機能のうちアプリケーションの実行に必要な機能とを一覧60に含めるので、互いに連携することによって1つのワークフローを実行する複数のMFPが利用者によって指定される場合に、MFPにインストール可能なアプリケーションの残数と、MFPが有する機能のうちアプリケーションの実行に必要な機能とを利用者に考慮させることができる。したがって、画像形成システム10は、互いに連携することによって1つのワークフローを実行する複数のMFPとして、適切なMFPを利用者に指定させることができる。なお、アプリケーションを、このアプリケーションの実行に必要な機能を有しないMFPにインストールした場合、このアプリケーションは、適切に実行されることができない。そのため、MFPが有する機能のうちアプリケーションの実行に必要な機能は、一覧60に含められることが好ましい。しかしながら、MFPが有する機能のうちアプリケーションの実行に必要な機能は、一覧60に含められなくても良い。
画像形成システム10は、互いに連携することによって1つのワークフローを実行する複数のMFPが利用者によって指定される場合に、一覧60にMFPの推奨の候補を表示するので、互いに連携することによって1つのワークフローを実行する複数のMFPとして、適切なMFPを利用者に指定させることができる。なお、画像形成システム10は、上述したように、インストール対象のアプリケーションの数と、MFPにインストール可能なアプリケーションの残数と、インストール対象のアプリケーションの実行に必要な機能と、MFPが有する機能とに応じて、アプリケーションのインストール先となるMFPの推奨の候補を決定する。ここで、アプリケーションを、このアプリケーションの実行に必要な機能を有しないMFPにインストールした場合、上述したように、このアプリケーションは、適切に実行されることができない。そのため、画像形成システム10は、インストール対象のアプリケーションの実行に必要な機能と、MFPが有する機能とに応じて、アプリケーションのインストール先となるMFPの推奨の候補を決定することが好ましい。しかしながら、アプリケーションのインストール先となるMFPの推奨の候補を決定する場合に、インストール対象のアプリケーションの実行に必要な機能と、MFPが有する機能とに応じなくても良い。
画像形成システム10は、互いに連携することによって1つのワークフローを実行する複数のMFPが利用者によって指定される場合に、指定されたMFPにインストール可能なアプリケーションの残数の点でアプリケーションのインストールが失敗する場合にエラーを表示するので、互いに連携することによって1つのワークフローを実行する複数のMFPとして、適切なMFPを利用者に指定させることができる。
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、コピー専用機、プリンター専用機、FAX専用機、スキャナー専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
アプリケーション作成サーバー50は、クラウドサーバーによって構成されても良い。
利用者端末40と、アプリケーション作成サーバー50とは、本実施の形態において別々に構成されるが、一体に構成されても良い。例えば、利用者端末40は、アプリケーション作成サーバー50の機能が追加されても良い。