JP6428852B2 - サンプリング装置、電子楽器、方法及びプログラム - Google Patents
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Description
サンプラーでは、従来、サンプリングの開始・終了の指示を種々の方法で行っていた。サンプリングの開始・終了の指示の方法は、例えば、サンプリングの開始・終了の指示用のスイッチ等の操作子を設け、操作子をユーザが操作することでサンプリングの開始・終了を指示する。また、マイク等から入力される音声や楽音の音のレベルが閾値を超えた場合に、自動的にサンプリングを開始する、いわゆる、オートトリガー呼ばれる機能を使用する方法もある。このオートトリガー機能を使用した際には、サンプリングの終了は、例えば、操作子による指示により行う。
これに対して、取得後にサンプリングデータの長さを調整する編集機能を用いる別の方法では、演奏する曲に応じてテンポに合ったデータ長とすることができる。一方で、この方法での編集作業は、機器操作等で一定のスキルが要求される。
このため、いずれの場合もサンプリングの操作以外に操作が必要となり、また、操作自体も煩雑なものであり、さらに、一定のスキルも必要なため、初心者にとっては困難である場合が多いという問題があった。
音が発音されている際に、ユーザによる第1入力操作に基づいて決定されるサンプリングの開始時点及び、ユーザによる前記第1入力操作を含む複数回の入力操作の入力タイミングから算出されるテンポ情報に基づいて、前記サンプリングの開始時点からのサンプリング長を算出する算出手段と、
前記サンプリングの開始時点から前記サンプリング長で前記音をサンプリングするサンプリング手段と、
を備えることを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子楽器1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
電子楽器1は、例えば電子ピアノとして構成される。本実施形態の電子楽器1においては、CDや生音等の音をサンプリングして、サンプリングデータを生成する機能を有し、鍵盤演奏時の伴奏としてサンプリングした音源をバックグラウンドで再生する機能を有する。
また、CPU11は、サンプリングデータ生成処理を実行する。「サンプリングデータ生成処理」とは、マイク19等からサンプリングしたい音を入力し、所望のタイミングで入力操作を行い、所望のテンポのサンプリングデータを取得するまでの一連の処理である。サンプリングデータ生成処理における処理の流れについては、後述する。
また、RAM13は、ROM12から読み出されたプログラムや、処理の過程で一時的に生じたデータを記憶する。
タップスイッチ31は、入力手段となる操作子であり、サンプリングの開始と終了を指示することができるスイッチである。
このような機能を有する電子楽器1では、外部から取り込んだ楽音データ、再生されたCD(Compact Disc)、生演奏から音をリアルタイムに取得し、テンポ情報を付加したサンプリングデータを生成する。
以下、本実施形態における電子楽器1の動作原理について説明する。
図2は、本実施形態のサンプリングの手法を示す概念図である。
本実施形態の電子楽器1においては、CDの再生音を入力したり、生の演奏をリアルタイムにマイク19から取得したりした音源から一部をサンプリングしてサンプリングデータを生成する。また、生成されるサンプリングデータには、サンプリング操作時に行った操作によりテンポ値であるテンポ情報が付加される。
図2の例では、例えば、CDを再生して、所定のタイミングで4回タップ操作を行う。電子楽器1においては、タップの間隔からテンポ情報を取得する(本例では、M.M=120)。その後、4分音符×タップ数(4回)の長さでサンプリングデータを取り込む。
具体的には、ユーザが音を認識して、サンプリングの対象としてタップスイッチ31をタップ操作すると、図3(a)に示すように、波形の途中、即ち、音の途中でタップスイッチ31でのタップ操作がされることになる。
仮にこの波形をサンプリングして再生した場合には、図3(b)に示すように、再生開始でいきなり音が再生されることになる。また、ループ演奏した場合に、音のつなぎ目でぶつ切り音が出る等の違和感のあるループ演奏が行われることになる。
具体的には、図4(a)に示すように、最初のタップ操作T1の位置が音の途中になってしまった場合には、図4(b)に示すように、サンプリングの開始位置を波形の開始する時点である音の開始位置までサンプリングの取得する時間の全体を前の時間にずらす。このように全体をずらすことで、サンプリングデータの長さを変更せずに目的とする音をサンプリングすることができる。
電子楽器1では、音の開始位置までずらした位置を開始点としてサンプリングを行う。また、電子楽器1では、サンプリングの開始の位置を変更することを可能にするために、サンプリングの開始時点で音の記憶を行わずに、予め仮録音を開始し、サンプリング長が確定した時点でサンプリングデータの開始アドレスを確定するようにしている。
本実施形態においては、RAM13のサンプリングメモリ領域は、リングバッファとして機能するために、バッファの終端まで録音が進んだ場合はバッファの先頭に戻り録音を継続する。
このように人の特性を考慮してサンプリングの開始位置を変更するようにすれば、ユーザのイメージする形、即ち、音の初めからサンプリング音を取得することができる。
具体的には、本実施形態においては、複数のタップ操作があった間隔の平均の時間での単位時間(1分間)の回数をテンポ値としてテンポ情報を生成する。
このような手法によると、ユーザは直感的な操作だけでテンポ情報を生成することができるようになる。また、サンプリングと同時にテンポ情報を取得することができるため、サンプリングの前後でユーザがテンポ情報を別途入力する必要がない。また、ユーザがサンプリングしたい音を聴きながら、テンポ情報の生成に係る入力操作を行うために、ユーザの意図通りのテンポ情報を取得することができる。
図5は、本実施形態に係る電子楽器1において実行される全体処理を示すフローチャートである。
ステップS1においては、CPU11は、電源の投入によりイニシャライズを行う。
ステップS2においては、CPU11は、スイッチ処理を行う。スイッチ処理では、CPU11は、発音の音色を指定するスイッチなど、種々のスイッチの操作信号を検出する。
ステップS3においては、CPU11は、サンプリングデータ生成処理(図6で後述する)を行う。
ステップS4においては、鍵盤処理を行う。鍵盤処理では、どのような鍵盤が押されたか否かを検出する。その結果、ノートオンやノートオフが決定されて、対応する音が出力されることになる。
ステップS5では、CPU11は、自動伴奏処理を行う。自動伴奏処理では、伴奏データを再生する。本実施形態においては、伴奏データは、サンプリングデータを含み、サンプリングデータをループ演奏することにより伴奏データの再生を行う。
これにより、演奏者は、所望のテンポでループ演奏されるサンプリング音源を伴奏に演奏を行うことができる。
ステップS6では、CPU11は、その他の処理を行う。その他の処理では、CPU11は、例えば、表示部17に楽譜データを表示する等のその他の各種の処理を行う。
図6は、全体処理のうちサンプリングデータ生成処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
ステップS11において、CPU11は、タップカウンタCをゼロクリアする(「タップカウンタC=0」)。
マイク入力からの入力振幅がない、または閾値以下である場合には、ステップS14においてNOとなり、閾値以上の入力があるまで待機する。
タップスイッチへの入力操作がなかった場合には、ステップS16においてNOとなり、タップスイッチへの入力操作かされるまで待機状態となる。
タップスイッチへの入力操作がなかった場合には、ステップS20においてNOとなり、処理はステップS24に進む。ステップS24以降の処理は後述する。
タイマ値が録音終了判断時間ETを超えていない場合には、ステップS23においてNOとなり、さらにタップスイッチの入力操作を待つために、処理はステップS24に進む。
ステップS25において、CPU11は、ステップS23において、無入力時間が録音終了判断時間ETを超えて、録音終了とみなされているために、まずテンポ値を確定する。テンポ値は、まず、最初のタップスイッチ入力から最後のタップスイッチ入力までの時間tを算出し、算出した最初のタップスイッチ入力から最後のタップスイッチ入力までの時間tからタップスイッチ間の平均時間mtを算出して、テンポ値を確定する。電子楽器1では、テンポ値を確定により、テンポ情報を生成する。
t=(AE−AS)/FS・・・(1)
ここで、「t」は、最初のタップスイッチ入力から最後のタップスイッチ入力までの時間を示し、「AE」は、現在録音アドレスを示し、「AS」は、録音開始アドレスを示し、「FS」は、録音時のサンプリング周波数[Hz]を示す。
次に、タップスイッチ間の平均時間mtは、以下式(2)により行う。
mt=t/(C−1)・・・(2)
ここで、「mt」は、タップスイッチ間の平均時間を示し、「t」は、最初のタップスイッチ入力から最後のタップスイッチ入力までの時間を示し、「C」は、タップカウンタ値を示す。
テンポ値=60/mt・・・(3)
ここで、「mt」は、タップスイッチ間の平均時間を示す。
サンプリング長は、具体的には、以下式(4)により算出する。
SC=mt×C×FS・・・(4)
ここで、「SC」は、サンプリング長を示し、「mt」は、タップスイッチ間の平均時間を示し、「C」は、タップカウンタ値を示し、「FS」は、録音時のサンプリング周波数[Hz]を示す。
サンプリングデータの確定に際しては、上述したようにユーザが最初にタップスイッチを押したタイミングをサンプリングの開始位置とすると波形の頭が切れてしまう可能性がある。そのため図4のようにサンプリングの開始位置よりも前の位置をサンプリングの開始位置とする。ずらす量は算出されたテンポ値から1拍分のサンプル数mtが算出されているからmtの数%程度(例えば、5%程度)で適度な量を設定する。これにより、ユーザが所望する音を音の開始時点から確実に取得することができる。
その後、処理は終了する。
また、サンプリングと同時にテンポ情報を取得することができるため、サンプリングの前後でユーザがテンポ情報を別途入力する必要がない。また、ユーザがサンプリングしたい音を聴きながら、テンポ情報の生成に係る入力操作を行うために、ユーザの意図通りのテンポ情報を取得することができる。
本実施形態において、CPU11は、順次入力される波形を取得し、入力操作を検出し、検出された複数回の入力操作夫々の入力間隔時間に基づいて、テンポ情報を生成し、検出された入力操作のうちの最初の入力操作に基づき、取得された波形上でのサンプリング開始位置を決定し、生成されたテンポ情報に基づいてサンプリング長を算出し、決定されたサンプリング開始位置から算出されたサンプリング長に対応する位置まで、取得された波形をサンプリングする。
したがって、電子楽器1においては、ユーザが音聞いて、所望のタイミングで入力操作を行うだけで、テンポ情報を生成することができる。よって、電子楽器1においては、煩雑な操作を要せずに、直感的な操作でサンプリングを行うことができる。
したがって、電子楽器1においては、直感的な操作でサンプリングを行うことができる。
したがって、電子楽器1においては、直感的な操作でテンポ情報を生成することができる。
したがって、電子楽器1においては、直感的な操作でテンポ情報を生成することができる。
したがって、電子楽器1においては取得したい音を音の始まりから確実にサンプリングすることができる。
例えば、本発明は、サンプリングデータ生成機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
換言すると、図1の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が電子楽器1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図1の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
[付記1]
順次入力される波形を取得する取得手段と、
入力操作を検出する検出手段と、
前記検出された複数回の入力操作夫々の入力間隔時間に基づいて、テンポ情報を生成する生成手段と、
前記検出された入力操作のうちの最初の入力操作に基づき、前記取得された波形上でのサンプリング開始位置を決定する決定手段と、
前記生成されたテンポ情報に基づいてサンプリング長を算出する算出手段と、
前記決定されたサンプリング開始位置から前記算出されたサンプリング長に対応する位置まで、前記取得された波形をサンプリングする波形サンプリング手段と、
を備えることを特徴とするサンプリング装置。
[付記2]
前記検出手段は、前記取得手段により順次入力される波形を取得している最中に行われる入力操作を検出する、
ことを特徴とする付記1に記載のサンプリング装置。
[付記3]
前記生成手段は、前記複数回の入力操作夫々の入力間隔時間の平均に基づいて、前記テンポ情報を生成する、
ことを特徴とする付記1または2に記載のサンプリング装置。
[付記4]
前記算出手段は、前記生成されたテンポ情報及び前記検出された入力操作の回数に基づいてサンプリング長を算出する、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載のサンプリング装置。
[付記5]
前記決定手段は、前記検出された最初の入力操作のタイミングに対応する位置より、前記算出されたサンプリング長に対応して決定された時間だけ前のタイミングに対応する位置をサンプリング開始位置として決定する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載のサンプリング装置。
[付記6]
サンプリング装置で実行されるサンプリング方法であって、
順次入力される波形を取得し、
入力操作を検出し、
前記検出された複数回の入力操作夫々の入力間隔時間に基づいて、テンポ情報を生成し、
前記検出された入力操作のうちの最初の入力操作に基づき、前記取得された波形上でのサンプリング開始位置を決定し、 前記生成されたテンポ情報に基づいてサンプリング長を算出し、
前記決定されたサンプリング開始位置から前記算出されたサンプリング長に対応する位置まで、前記取得された波形をサンプリングする、
ことを特徴とするサンプリング方法。
[付記7]
サンプリング装置を制御するコンピュータに、
順次入力される波形を取得するステップと、
入力操作を検出するステップと、
前記検出された複数回の入力操作夫々の入力間隔時間に基づいて、テンポ情報を生成するステップと、
前記検出された入力操作のうちの最初の入力操作に基づき、前記取得された波形上でのサンプリング開始位置を決定するステップと、
前記生成されたテンポ情報に基づいてサンプリング長を算出するステップと、
前記決定されたサンプリング開始位置から前記算出されたサンプリング長に対応する位置まで、前記取得された波形をサンプリングするステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
Claims (7)
- 音が発音されている際に、ユーザによる第1入力操作に基づいて決定されるサンプリングの開始時点及び、ユーザによる前記第1入力操作を含む複数回の入力操作の入力タイミングから算出されるテンポ情報に基づいて、前記サンプリングの開始時点からのサンプリング長を算出する算出手段と、
前記サンプリングの開始時点から前記サンプリング長で前記音をサンプリングするサンプリング手段と、
を備えることを特徴とするサンプリング装置。 - 前記サンプリングの開始時点は、ユーザによる前記第1入力操作を検出した時点より前の時点であり、
前記サンプリング手段は、ユーザによる前記第1入力操作を検出した時点より前の時点である前記サンプリングの開始時点から、前記サンプリング長で前記音をサンプリングすることを特徴とする請求項1に記載のサンプリング装置。 - 音が発音されている際に、ユーザによる第1入力操作に基づいて決定される前記音の記憶開始時点及び、ユーザによる前記第1入力操作を含む複数回の入力操作の入力タイミングに応じて、前記音の記憶開始時点からの記憶期間を算出する算出手段と、
前記音の記憶開始時点から前記記憶期間で前記音を記憶した音データに基づく音を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする電子楽器。 - 前記音の記憶開始時点は、ユーザによる前記第1入力操作を検出した時点より前の時点であり、
前記出力手段は、ユーザによる前記第1入力操作を検出した時点より前の時点である前記音の記憶開始時点から、前記記憶期間で前記音を記憶することを特徴とする請求項3に記載の電子楽器。 - 前記出力手段は、前記音データに基づく音及び、ユーザにより指定された音高の楽音を出力することを特徴とする請求項3または4に記載の電子楽器。
- サンプリング装置で実行されるサンプリング方法であって、
音が発音されている際に、ユーザによる第1入力操作に基づいて決定されるサンプリングの開始時点及び、ユーザによる前記第1入力操作を含む複数回の入力操作の入力タイミングから算出されるテンポ情報に基づいて、前記サンプリングの開始時点からのサンプリング長を算出し、
前記サンプリングの開始時点から前記サンプリング長で前記音をサンプリングする、
ことを特徴とするサンプリング方法。 - サンプリング装置を制御するコンピュータに、
音が発音されている際に、ユーザによる第1入力操作に基づいて決定されるサンプリングの開始時点及び、ユーザによる前記第1入力操作を含む複数回の入力操作の入力タイミングから算出されるテンポ情報に基づいて、前記サンプリングの開始時点からのサンプリング長を算出するステップと、
前記サンプリングの開始時点から前記サンプリング長で前記音をサンプリングするステップと、
を実行させるプログラム。
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JP2017111297A JP6428852B2 (ja) | 2017-06-06 | 2017-06-06 | サンプリング装置、電子楽器、方法及びプログラム |
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