JP6428772B2 - 永久磁石式電動モータの製造方法 - Google Patents

永久磁石式電動モータの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、永久磁石式電動モータの製造方法に関するものである。
フェライト磁石などの永久磁石を用いた空気調和機の圧縮機用ブラシレスモータにおいて、低温時に生じ易い減磁を防止するために、空気調和機の圧縮機の外郭温度が低温の際には、常温以上の場合に比べて、モータに流れる電流の電流制限閾値を低く設定するものが知られている(特許文献1)。冬季などにおいて空気調和機を暖房に使用する場合に、始動時の圧縮機用モータは低温の外気と同程度の温度であり、減磁しやすいため、高出力での運転を避けて磁石に作用する逆磁界を低減し、これにより永久磁石の減磁を防止するものである。
特許第5098599号公報
しかしながら、電動モータに流れる電流の電流制限閾値を低く設定すると、最も暖房性能が必要とされる空気調和機の始動時に十分な出力が得られず、暖房機としての所期の目的を達成することができないという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、減磁による出力低下を抑制することができる永久磁石式電動モータの製造方法を提供することである。
本発明は、ロータ及びステータの一方に永久磁石を含む電動モータの製造方法において、永久磁石を着磁処理したのち、当該永久磁石の一部が不完全着磁状態となる減磁処理を、モータの組立工程の中で行うことによって上記課題を解決する。
本発明によれば、永久磁石の一部が不完全着磁状態となる減磁処理を行うと、それ以上の磁界が作用しない限り減磁することはないので、電動モータの使用時に減磁による出力低下が生じるのを抑制することができる。
本発明の一実施の形態に係る永久磁石式電動モータを示す全体斜視図である。 図1Aの分解斜視図である。 図1Bの分解斜視図である。 図1Cに示すロータの1D−1D線に沿う部分断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る永久磁石式電動モータを示す部分断面図(1D−1D線に沿う断面の一部に相当)である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る永久磁石式電動モータを示す部分断面図(1D−1D線に沿う断面の一部に相当)である。 本発明の一実施の形態に係る永久磁石式電動モータの製造方法を示す工程図である。 本発明の他の実施の形態に係る永久磁石式電動モータの製造方法を示す工程図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る永久磁石式電動モータの製造方法を示す工程図である。 図3A及び図3Bの着磁工程における永久磁石の磁化曲線を示す図である。 本発明を電気自動車の走行駆動用モータとして適用した場合にモータに過電流が流れる場面例を説明するためのグラフである。 極低温における外部磁界Hexが大きい場合のフェライト磁石の磁化曲線を示す図である。 極低温における外部磁界Hexが小さい場合のフェライト磁石の磁化曲線を示す図である。 常温におけるフェライト磁石の磁化曲線を示す図である。 低温雰囲気及び常温雰囲気において種々の駆動電流を印加して電動モータを駆動した後の無負荷誘起電圧を示すグラフである。 極低温におけるフェライト磁石の磁化曲線を用いて本発明の作用を説明するための図である。 種々の減磁処理電流を印加して電動モータを減磁処理した後の無負荷誘起電圧を示すグラフである。 最大残留磁束密度と保持力がそれぞれ最大・最小となる4つの組合せにおいて、電動モータの減磁処理電流に対して無負荷誘起電圧の変化の様子を示すグラフである。 本発明の減磁処理の一例を説明するための減磁処理電流に対する無負荷誘起電圧を示すグラフである。 本発明の減磁処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の減磁処理の他例を示すフローチャートである。 図15に示す減磁処理例の作用を説明するための減磁処理電流と無負荷誘起電圧との関係を示すグラフである。 図15に示す減磁処理例の作用を説明するための減磁処理電流と無負荷誘起電圧との関係を示すグラフである。 本発明の減磁処理のさらに他例を示すフローチャートである。 図20の減磁処理例の作用を説明するための減磁処理電流と無負荷誘起電圧との関係を示すグラフである。 本発明の減磁処理のさらに他例を示すフローチャートである。 本発明の減磁処理のさらに他例を説明するための減磁処理電流と無負荷誘起電圧との関係を示すグラフである。 本発明の減磁処理のさらに他例を説明するための減磁処理電流と無負荷誘起電圧との関係を示すグラフである。
《永久磁石式電動モータ》
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1A〜図1Dは、本発明の一実施の形態に係る永久磁石式電動モータ1を示す図であり、永久磁石式電動モータの一例として埋め込み磁石型同期モータ(8極24スロットの三相交流同期モータ)の構成例を示す。本例の電動モータ1は、図1Cに示すように、非磁性体からなるハウジング2と、同じく非磁性体からなるフロントカバーサブアッセンブリ3と、同じく非磁性体からなるリヤカバーサブアッセンブリ4と、永久磁石としてフェライト磁石を採用したロータサブアッセンブリ5と、コイルサブアッセンブリ6と、を備える。なお、フロントカバーサブアッセンブリ3、リヤカバーサブアッセンブリ4、ロータサブアッセンブリ5及びコイルサブアッセンブリ6は、それぞれの本体に種々の部品が組み付けられたサブアッセンブリであり、以下においてフロントカバー3、リヤカバー4、ロータ5及びコイル6と略称することもある。
ロータ5は、ロータコア51にシャフト52を挿入することで構成され、ロータコア51は、図1Dに示すように、中心にシャフト52を挿入固定する孔511と永久磁石53を埋め込むための孔512が設けられた複数の磁性鋼板を積層固着することで構成されている。なお、図1Dは、図1Cのロータ5をシャフト52の軸に垂直な面で破断した断面の一部を示す断面図であり、8極24スロットのうちの主として1極の部分を示す。永久磁石53を挿入するための孔512は、磁性鋼板の外周部に沿って等間隔に8つ設けられ、複数の磁性鋼板を円周方向の位置を合わせて積層固着することで、孔512は軸方向に連なって延在し、ここに永久磁石53を挿入し、ロータ5の両端に非磁性の端板54などで固定することで、永久磁石53の抜け出しが防止されている。
コイルサブアッセンブリ6は、ステータコア61とコイル62とを備え、ステータコア61は、図1Dに示すように、内周側にティース63が形成された円環形状の磁性鋼板を複数積層して固着することで構成されている。そして、複数の磁性鋼板を円周方向の位置を合わせて積層固着したのち、円周方向に沿って等間隔で形成された複数のティース63に、インシュレータなどを介して三相交流巻線のコイル62が巻き付けられる。このコイルアッセンブリ6は、焼嵌めなどの工法でハウジング2の内側に固定され、さらにハウジング2にフロントカバー3を組み付けることで、図1Bに示すステータサブアッセンブリ7(以下、単にステータ7ともいう。)が構成される。そして、ロータ5のシャフト52の一端をフロントカバーサブアッセンブリ3の孔31に挿通させるとともに、シャフト52の他端をリヤカバー4の孔又は軸受(不図示)で支持し、リヤカバー4をステータサブアッセンブリ7に組み付けることで、図1Aに示す本例の電動モータ1が組み立てられる。
なお、図1A〜図1Dに示す本例の電動モータ1は、ロータ5に永久磁石53を埋め込み、ステータ7にコイル62を設けたタイプのものであるが、本発明の電動モータ1は、ステータ7に永久磁石を設け、ロータ5にコイル62を設けたタイプのものでもよい。また、同図に示す本例の電動モータ1は、永久磁石53をロータコア51に埋め込んだ埋め込み磁石型モータであるが、本発明の電動モータ1は、ロータコア51の表面に永久磁石を配置した表面磁石型モータであってもよい。さらに、埋め込み磁石型モータの場合に、図1Dに示すように直方体状磁石53の主面をロータ5の側面に対してほぼ平行に埋め込むほか、図2Aに示すように、この永久磁石53とは別の永久磁石53a,53bを設けてもよいし、図2Bに示すように、2つの永久磁石53c,53dをロータ5の側面に対して所定の角度をもって設けてもよい。図2A及び図2Bは、本発明の他の実施の形態に係る永久磁石式電動モータ1のロータ5を示す部分断面図(1D−1D線に沿う断面の一部に相当)である。
さらに、後述する本例の減磁処理による出力抑制効果は、特に永久磁石53にフェライト磁石を採用した場合に顕著に現れるが、ネオジムNdやディスプロシウムDyなどの重希土類磁石を排斥する趣旨ではない。効果の大小はともかく本例の減磁処理による効果を奏することは同じであるから、この種の重希土類磁石を用いてもよい。また、フェライト磁石と異なり、高温雰囲気で減磁耐力が低下する磁石を用いた電動モータである場合は、高温側において、本例に係る技術を適用すればよい。
《電動モータの製造方法》
次に、本例の電動モータ1の製造方法について説明する。図3Aは、本例の電動モータ1の製造方法の一例を示す工程図であり、本例の製造方法は、図1Cに示すロータサブアッセンブリ5を組み立てるロータ組立工程P1と、同じく図1Cに示すハウジング2,フロントカバーアッセンブリ3及びコイルサブアッセンブリ6を図1Bに示すようにステータサブアッセンブリ7に組み立てるステータ組立工程P2と、を備える。そして、次のモータ組立工程P3では、図1Bに示すように、ステータサブアッセンブリ7,ロータサブアッセンブリ5及びリヤカバーサブアッセンブリ4を組み付けて、図1Aに示す電動モータ1が完成する。なお、続く基本特性試験工程P6では、初期誘起電圧を含む電動モータの諸特性が測定され、着磁状態やコイル品質の検査などが行われる。また、出力検査工程P7では、製造された電動モータの出力測定を含む最終動作試験などが行われる。
なお、上述したロータ組立工程P1において、永久磁石53は未着磁の状態であり、したがって、モータ組立工程P3においてロータサブアッセンブリ5をステータサブアッセンブリ7に組み付けるに際し、永久磁石53の磁力によってロータサブアッセンブリ5がコイルサブアッセンブリ6に吸着することはなく、組立作業性が良好となる。
次の着磁処理工程P4では、図1Aに示す電動モータ1の組み付け完成状態でコイル62の端子を着磁電源に接続して着磁電流を通電し、永久磁石53を完全着磁(飽和着磁)する。電動モータ1の仕様に応じて複数回の着磁処理が必要な場合は、この着磁処理工程を複数回繰り返す。なお、着磁処理を行う際の電動モータ1の形態は、図1Aに示す組み付け完成状態のほか、図1Aの状態からリヤカバー4を取り外した状態、すなわちステータサブアッセンブリ7にロータサブアッセンブリ5を組み付けた状態であってもよい。また、ステータサブアッセンブリ7に代えて、これと同じコイルアッセンブリを含む構造の専用着磁装置を用いてもよい。
図4は、着磁処理工程P4において、着磁電流により永久磁石53に作用する磁界の強さH(A/m,横軸)と、永久磁石53の内部の磁束密度B(T=Wb/m)又は永久磁石53の磁化J(T=Wb/m)との関係を示す磁化曲線である。着磁処理工程P4では、永久磁石53を含むロータサブアッセンブリ5に正の磁界を作用させるので、磁化曲線の第1象限を示すものとなる。この着磁処理工程P4において所定の着磁電流を通電すると、ステータ7からの外部磁界がロータ5の永久磁石53に作用し、これにより、初期磁化J及び初期磁束密度Bはゼロ(点a)であった永久磁石53の磁化J及び磁束密度Bが、点a→点b→点cと変化し、この点cにおいて飽和状態(完全着磁状態)に達する。永久磁石53を飽和状態にするための通電電流値は予め理論計算や検証実験などにより求められている。永久磁石53が飽和状態に達したらステータ7への通電を停止し、外部磁界をゼロにする。これにより、永久磁石53の磁化J及び磁束密度Bは、点cから点dへ変化する。この点dにおける磁化は残留磁化Jr(=4πIr)、磁束密度は残留磁束密度Brと称され、後述する図6などの磁界の強さH=0のときの磁化J及び磁束密度Bに相当する。以上の着磁処理工程P4により、永久磁石53が完全着磁された電動モータ1が得られる。
永久磁石53の着磁処理を終えると電動モータ1は駆動可能な状態になる。しかしながら、この電動モータ1をたとえば電気自動車の走行駆動用モータとして実車に搭載した場合に、走行中に減磁現象が生じることがある。図5は、電動モータ1を搭載した電気自動車が走行している場合のモータ電流指令値と、それに対する実際のモータ電流と、モータ回転数(回転速度)との関係例を示すグラフである。
たとえば、時間t1までの間は、アクセル開度に応じて設定されたモータ電流指令値に対して、モータ電流値及びモータ回転数が正常値であったものが、時間t1においてたとえばタイヤのスリップが発生したとすると、タイヤのグリップ力を回復するための制御が行われ、時間t2〜t3の間でモータ電流指令値より大きいモータ電流(過電流)が流れることがある。一般に電動モータ1には定格出力と定格電流が定められ、通常使用時にはこれら定格出力内及び定格電流内で使用されるが、上述した特異な状況下では定格電流を超える電流が流れることがある。この過電流により、ステータ7からの磁界がロータ5の永久磁石53に逆磁界が作用し、これにより永久磁石53が使用中に減磁することがある。
この減磁現象についてさらに詳細に説明する。ネオジムNdやディスプロシウムDyなどの重希土類元素を使わないフェライト磁石AFe(A=Mn,Co,Ni,Cu,Zn)は、低コストであり、資源調達リスクが回避できるといった観点から、多くの永久磁石式電動モータで使用されている。しかし、フェライト磁石は低温で減磁し易いという問題点があり、減磁をすると電動モータ1の出力が低下し、所期の性能を発揮することができない。まずこの減磁現象を図6〜図9を参照して説明する。
図6は、所定の低温(たとえば−20℃以下の極低温)におけるフェライト磁石の磁化曲線(磁気履歴曲線,ヒステリシスループとも称される。)を示す図であり、このうちの第2象限に表される減磁曲線を示したものである。図6の横軸は磁石に作用する磁界の強さH(A/m)、縦軸は磁石内部の磁束密度B(T=Wb/m)又は磁石の磁化J(T=Wb/m)を表し、J−H曲線とB−H曲線の両方を示したものである。電動モータ1として使用する際の減磁特性を表現する場合には、磁石には逆磁界が作用して横軸の磁界の強さHは負の値となるため、第2象限を描画する。これらJ−H曲線とB−H曲線は、磁石内部の磁束密度B,磁界の強さH,磁化J,真空中の透磁率μ(=4π×10−7H/m)を用いて、B=μ・H+Jの関係が成立する。したがって、磁界の強さH=0の場合にはB=Jとなる。
図6において、B−H曲線と、磁石や磁路の形状で決まるパーミアンス係数pc(=B/H)の傾きの直線との交点を点aとし、点aを通る垂線とJ−H曲線との交点を点bとすると、点a,bは不動作状態(=外部磁界Hがゼロ)における磁石の状態を表し、一般に「磁石の動作点」と称される。さらに、モータを駆動するために外部磁界Hex(図5にて説明した過電流による逆磁界などに相当)が印加されると、原点Oと点bを通る直線pc’を、印加された外部磁界Hexだけ左に平行移動させたときのJ−H曲線との交点cに、磁石の動作点が移動する。B−H曲線上の動作点は点cを通る垂線とB−H曲線との交点dとなる。
この状態から外部磁界Hexが弱められると、動作点は、点dを通るリコイル透磁率μrの傾きを有する直線上を右に移動する。外部磁界Hexのない状態では直線pcとの交点a’が動作点となり、上述した初期点aに対して磁束密度の低下分ΔBだけ永久磁石が減磁することになる。また、J−H曲線上における磁石の動作点b’は、点a’を通る垂線に平行な直線と直線pc’の交点になる。
これに対して図7は、図6に示す外部磁界Hexに比べて小さい外部磁界Hexが印加された場合の減磁ΔBを示す磁石特性図であり、図6のように外部磁界Hexが大きいほど減磁の度合ΔBは大きく、図7のように外部磁界Hexが比較的小さい場合には減磁ΔBはほとんど発生していないことが分かる。
また、磁石特性は温度により変化し、フェライト磁石では低温ほど減磁しやすい傾向にある。図8は常温(室温、以下同じ)におけるフェライト磁石の磁化曲線例であり、この場合は、図6の低温時と比較して磁束密度の低下量ΔBが小さいことが分かる。これは、残留磁束密度Brが温度に対して負の係数を有することから、低温時に比べて常温では磁束密度Bの絶対値が小さくなるからである。
次に、このような特性を有するフェライト磁石を電動モータ1のロータ5又はステータ7に適用した場合に、磁石の減磁が電動モータの特性にどのような影響を与えるかについて説明する。一般的に、電動モータを駆動する電流が大きい程、大きなトルク・出力が得られるが、駆動電流の増大につれて磁石に作用する外部磁界Hexも増大し、一定値以上の電流から磁石が減磁する。この磁石の減磁の度合を表す指標としては、電動モータでは無負荷誘起電圧を用いるのが一般的である。この無負荷誘起電圧とは、モータ端子を開放した無通電の状態で、ロータを所定の速度で外力により回転させたときに発生する端子電圧であり、発生電圧は磁石の磁束に比例する。
図9は、低温雰囲気及び常温雰囲気のそれぞれにおいて、種々の駆動電流を印加して電動モータ1を駆動した後に測定した、無負荷誘起電圧の例を示すグラフであり、横軸は電動モータの駆動電流を示し、縦軸は無負荷誘起電圧を示す。なお横軸の駆動電流は、その電動モータの定格駆動電流値を1とした場合の相対値であり、縦軸は初期状態の無負荷誘起電圧を1とした場合の相対値である。図9に示すように、定格電流より小さな駆動電流を印加して電動モータを駆動した場合には、無負荷誘起電圧は初期状態から変化はないが、定格電流を超えたある値を境に、駆動電流が増大するほど磁石が減磁し、無負荷誘起電圧が低下することが分かる。また、磁石の温度が低い方が、より小さな電流で減磁する傾向があり、同じ電流では磁石の温度が低い方が減磁の度合が大きい傾向がある。例えば、駆動電流を1以下で使用している場合は、減磁が生じ易い低温においてでも誘起電圧はほぼ初期状態に等しいが、定格電流の1.4倍の駆動電流を通電すると、低温条件では約3%の誘起電圧の低下に相当する減磁が生じることになる。
こうした磁石の磁束の低下は、電動モータ1のトルク・出力の低下に直結する。すなわち、表面磁石型モータでは、発生するトルクは全て磁石磁束と電流との相互作用によるマグネットトルクなので、磁石の磁束の低下率が直接モータのトルク・出力の低下率となる。また、埋め込み磁石型の場合には、磁石の磁束以外にリラクタンストルクの占める割合があるため、磁石の磁束の低下の割合ほどはモータのトルク・出力は低下しないものの、減磁の度合によっては無視できない性能低下が起こるものと考えられる。
注意すべきことは、このような永久磁石53の減磁による電動モータ1のトルク・出力の低下といった性能低下が、製品である電動モータ1の使用中に発生し得ることである。すなわち、製品を購入した直後と比較して、たとえば、空気調和機の圧縮機用モータに使用した場合は暖房能力の低下が懸念され、電気自動車の走行駆動用モータに使用した場合には加速性能の低下が懸念される。また、磁石磁束の状態が変化することで、電磁気的な加振力が増大し、電動モータの騒音が悪化したり、効率悪化により空気調和機使用時の電気料金の増加や電気自動車の航続距離の低下に波及したりするおそれもある。
以上のようなことから、本例では電動モータ1を製品として出荷する前、すなわち製品として初期駆動する前に、電動モータの製造ラインにおいて、予め減磁処理を施す(図3Aの減磁処理工程P5)。
図3Aに示す製造工程例では、着磁処理工程P4を終えた後工程であって、初期誘起電圧を含む電動モータ1の諸特性を測定する基本特性試験工程P6の中で減磁処理工程P5を行う。基本特性試験工程P6には幾つかの試験工程が含まれるが、最初の試験工程の前、最後の試験工程の後、又は各試験工程の間のいずれであってもよい。
図3Bは、本発明の製造方法の他の製造工程例を示す工程図であり、本例では、着磁処理工程P4及び基本特性試験工程P6を終えた後工程であって、製造された電動モータ1の出力測定を含む最終動作試験を行う出力検査工程P7の中で減磁処理工程P5を行う。出力検査工程P7には幾つかの検査工程が含まれるが、最初の検査工程の前、最後の検査工程の後、又は各検査工程の間のいずれであってもよい。
図3Cは、本発明の製造方法の他の製造工程例を示す工程図である。図3A及び図3Bに示す製造工程例では、モータ組立工程P3にて図1Aのように電動モータ1を組み立てたのち、着磁処理P4と減磁処理P5を行うが、本例では、図1Cに示すロータサブアッセンブリ5を組み立てるロータ組立工程P1の後であってモータ組立工程P3の前に、ロータ5の永久磁石53を着磁する着磁処理工程P4が設けられ、さらにその直後に、本例の減磁処理工程P5が設けられている。そして、減磁処理までを終えたロータサブアッセンブリ5と、ステータ組立工程P2により併行して組み立てられたステータサブアッセンブリ7とを、次のモータ組立工程P3にて組み付ける。これにより、図1Aに示す電動モータ1が完成する。
さて、図6にて説明したとおり、図6のJ−H曲線において、初期のフェライト磁石型モータの不動作時の磁石の動作点は点bであるが、磁石の減磁耐力を超える外部磁界Hexが作用すると磁石は減磁し、外部磁界Hexを除去した後のモータの不動作時の磁石の動作点はb’となる。ところがこのとき、図10に示すように、その後再び外部磁界Hexを作用させても、磁石の動作点は初期状態から外部磁界Hexを作用させたのと同じ点cとなり、外部磁界Hexを除去した後の動作点はb’となる。すなわち、一度外部磁界Hexを印加して減磁させると、その後は外部磁界Hexを超えない磁界を作用させる限り、磁石の減磁は進行することがない。厳密には、図10に示すように多少のヒステリシスをもったマイナーループの特性となるが、全体の減磁特性から考えると微小な範囲ととらえることができる。
たとえば、上述したとおり、本例の電動モータ1を所定の低温にて定格駆動電流の1.4倍の電流で駆動すると、無負荷誘起電圧が初期状態に対して約3%低下する(図9参照)。しかし、2度目以降に1.4倍の電流で駆動しても、磁石の減磁は進行しないため、初期状態に対して約3%の低下に留まる。また、これより小さな電流で再度駆動した場合でも、既に1.4倍の駆動電流で減磁させているため、初期状態に対して約3%低下した誘起電圧を示す。したがって、図9の低温時のような特性(図11に点線で示す)を有する電動モータ1については、一度1.4倍の電流で駆動すると、誘起電圧の特性は図11の実線のようになる。すなわち、初期状態に対して約3%の誘起電圧が低下しているものの、1.4倍の電流までは磁石の磁化Jが変化しないため、その後に減磁が進行することなく、誘起電圧の特性は1.4倍の電流まで不変となる。本例では、このような減磁処理を電動モータ1の製造工程(図3A,図3Bの減磁処理工程P5)で実施することにより、定格電流の1.4倍の電流まで減磁耐力を向上させた電動モータ1を提供することができるようになる。
ただし、本例の減磁処理P5において電動モータ1の駆動電流を際限なく大きくして、永久磁石53に作用する逆磁界を極めて大きくすると、部位により程度の差はあれ、永久磁石53のほぼ全体が完全着磁の状態から減磁するとともに、減磁が急速に進行して磁束が著しく低下する。図9及び図11において電流値が大きい領域では無負荷誘起電圧が急速に低下していることが、その状態を示している。ところが、電動モータ1の設計にもよるが、通常は定格電流の2〜4割増しの電流であれば、減磁するのは図1D、図2A及び図2Bに破線円で示すように、永久磁石53のエッジ部53eなどの局所的な部位に留まることが、本発明者らによって確認されている。換言すれば、外部磁界Hexが印加されるステータ7とのギャップGに対向する側の永久磁石53のエッジ部53eに留まる。このため、減磁処理をしたといっても永久磁石53の磁束の低下率は小さく、本例の電動モータ1では誘起電圧が約3%低下するだけである。
永久磁石式同期モータのトルクTは、極対数Pn,磁石の鎖交磁束Φa,電流Ia,電流位相角β,d軸インダクタンスLd,q軸インダクタンスLqとして、下記式1で表される。
[数1]
T=Pn・{Φa・Ia・cosβ+1/2・(Lq−Ld)・Ia・sin2β} …式1
上記式1の右辺の第2項はリラクタンストルクと称され、埋め込み磁石型同期モータにおいて有効な項であり、表面磁石型モータではゼロになる。磁石の鎖交磁束Φa,電流Iaは、共に電動モータのdq軸座標系における値であるが、鎖交磁束Φaは磁石磁束、電流Iaは電動モータを駆動する交流電流に比例する。また、電動モータ1の出力はトルクと回転数の積である。以上より、駆動する電流の許容値を定格電流値に対して4割程度大きくすることが可能であれば、減磁処理の影響で磁石磁束が3%低下したとしても、大きな出力が得られることが分かる。
本発明において、永久磁石53は磁石単品で完全着磁の状態から少し減磁させた状態とし、これをロータコア51に挿入することも可能である。しかしその場合でも、永久磁石53に作用する外部磁界Hexが実際の電動モータ1を製品として駆動する際の条件に合致させなければならない。これは、不要な部位を減磁させて性能低下を引き起こしたり、また必要な部位に逆磁界が作用せずに、減磁処理が不十分で、製品の駆動中に減磁が進行してしまったりするのを防止するためである。
永久磁石53を単品で着磁処理及び減磁処理する場合に、実際の電動モータ1と同様の磁界分布を得るためには、製品の電動モータ1と同じロータコア形状の軟磁性体に永久磁石53を挿入し、製品の電動モータ1と同じステータ形状のヨークを用いて永久磁石53に逆磁界Hexを印加する必要がある。したがって、ロータ5を組立て、これをステータ7に組付けた上で、電動モータ1の製品状態で所定の電流を通電することで減磁処理をした方が、製造工程上簡素になり好ましい。
また、永久磁石53が多少なりとも着磁していると、磁力によりロータ5の組立作業性が悪化する。このため、本例のように電動モータ1は無着磁の永久磁石53をロータ5に組付け、ロータ5の状態又は電動モータ1の状態で着磁処理することが好ましい。着磁処理には、製品としてステータ7に組込んだ後に、電動モータ1に電流を通電して着磁する方法や、ロータ5の状態で生産設備である着磁ヨークで着磁する方法がある。このため、本例のように減磁処理をする際にもロータ5や電動モータ1として組み立てた状態で減磁処理をするとメリットがある。
なお、永久磁石53の減磁処理をする前に、永久磁石53は一旦完全着磁をすることが好ましい。これは、本発明の減磁処理の目的は、製品使用時に使われ得る最大電流を通電し、永久磁石53の減磁し易い部位を製品の製造過程で減磁させておき、それ以上減磁を進行させないことであるが、減磁しやすい部位は着磁磁界も他の部位に比べて磁界が大きいからである。無着磁の状態からこの部位を不完全な状態に着磁(完全着磁に達しない状態に)すると、他の部位には十分な着磁磁界が発生せず、所望の性能を得るために必要な永久磁石53の着磁状態を作り出すことができない。したがって、十分強い磁界で永久磁石53の全体を完全着磁しておいてから、減磁処理により、逆磁界が発生し易い部位を減磁させるのが好ましい。
ちなみに、本例の減磁処理P5を行う場合に、磁石特性のばらつき(永久磁石53の製造上の個体差)によって、電動モータ1の製品個体ごとの出力特性の誤差が拡大する傾向になる。永久磁石53の特性を表す指標としては、主に、磁石の磁束に関係する最大残留磁束密度Brmaxと、減磁に対する強さを表す保持力Hcjがあり、製造ばらつきによって、個体差、特に永久磁石53の製造ロットによって最大残留磁束密度Brmaxも保持力Hcjもある程度のばらつきがある。
図12は、こうした最大残留磁束密度Brmaxと保持力Hcjが、製造バラつきによってそれぞれ最大・最小となる4つの組合せにおいて、電動モータ1の減磁処理電流に対して無負荷誘起電圧がどのように変化するかを示したグラフである。これによると、最大残留磁束密度Brmaxが大きいほど初期の誘起電圧が高く、保持力Hcjが大きいほど減磁処理電流に対して誘起電圧が低下し難いことが分かる。本例の電動モータ1では、初期の誘起電圧は、主に永久磁石53の最大残留磁束密度Brmaxのばらつきにより±3%、全幅で6%程度の製品個体ばらつきを有する。このような特性の電動モータ1において、本来の定格電流の1.4倍の電流で減磁処理をした場合に、図12に示すように、誘起電圧のばらつきが8%に拡大する。これは、最大残留磁束密度Brmaxの個体差による初期の誘起電圧ばらつきに加え、保持力Hcjの個体差に起因する減磁度合のばらつきが上乗せされるためである。
その結果、従来の電動モータに対して出力性能の製品個体のばらつきが拡大する。これは、安定した性能の確保の観点からは好ましくない。そこで、本例の減磁処理を行う場合には、図13に示すように、誘起電圧目標値Φtに対して許容誤差±δの範囲に入るように、駆動電流を磁石特性のばらつきに応じて設定し、これにより、無負荷誘起電圧の製品個体ばらつきをほぼ一定にする。図14は、減磁処理を行う際に製品個体差を有する電動モータ1に対して最適な減磁駆動電流を設定する手順を示すフローチャートである。
図14において、最初のステップS1では、耐減磁保証をする最低電流Iminを減磁駆動電流Ideとし、ステップS2においてこれを電動モータ1に通電することで減磁処理を行う。ステップS3ではステップS2の減磁処理を行った電動モータ1の誘起電圧Φeを測定する。続くステップS4では、測定した誘起電圧Φeと目標下限値Φlowを比較し、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlow以下である場合は、ステップS8へ進み、電動モータ1の部品または着磁工程や減磁工程に何らかの異常があると判断してNG判定をしたのち、この処理を終了する。
ステップS4において、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlowを超える場合は、ステップS5へ進み、誘起電圧Φeと目標値Φtとの誤差(差の絶対値)がδ未満であるか否かを判断する。そして、誘起電圧Φeと目標値Φtとの差の絶対値がδ以上である場合はステップS6へ進み、減磁駆動電流IdeをΔIだけ増加したものを減磁駆動電流とし、ステップS2へ戻って再び減磁処理を行う。この処理を、誘起電圧Φeと目標値Φtとの差の絶対値がδ未満になるまで、減磁駆動電流IdeをΔIずつ増加させて、減磁処理を繰り返す。そして、ステップS5において、誘起電圧Φeと目標値Φtとの差の絶対値がδ未満になったらステップS7へ進み、減磁処理が適切になされたものとして本処理を終了する。なお、減磁駆動電流の増加量であるΔIの値は、予め検証実験などにより定められた値であるが、誘起電圧Φeと目標値Φtとの誤差の大きさに応じてΔIを調整してもよい。
このような減磁処理を行うことにより、減磁処理によって拡大するモータ性能の製品個体ばらつきを抑制することができる。また、減磁耐力が向上した電動モータ1を実現しつつ、駆動電流を増大することによるモータ出力の向上が可能になる。また、従来の電動モータでは避けられなかった、最大残留磁束密度Brmaxなどのばらつきに起因するモータ出力の製品個体ばらつきを、極めて小さくすることも可能になる。
図15は、本例の減磁処理工程P5の他の実施形態に係るフローチャートである。図13に示す誘起電圧目標値Φtに対する許容誤差±δの範囲において、減磁処理後の無負荷誘起電圧目標値の下限値をΦlow(=Φt−δ)、上限値をΦhigh(=Φt+δ)とする。本例は、無負荷誘起電圧目標値の上限値と下限値との差Φhigh−Φlowを、減磁処理を行わない従来の電動モータのばらつき幅相当である6%に設定したものである。
図15において、最初のステップS11では、耐減磁保証をする最低電流Iminを減磁駆動電流Ideとし、ステップS12においてこれを電動モータ1に通電することで減磁処理を行う。ステップS13ではステップS12の減磁処理を行った電動モータ1の誘起電圧Φeを測定する。続くステップS14では、測定した誘起電圧Φeと目標下限値Φlowを比較し、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlow以下である場合は、ステップS15へ進み、電動モータ1の部品または着磁工程や減磁工程に何らかの異常があると判断してNG判定をしたのち、この処理を終了する。
ステップS14において、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlowを超える場合は、ステップS16へ進み、測定した誘起電圧Φeと目標上限値Φhighを比較し、測定した誘起電圧Φeが目標上限値Φhigh未満である場合は、ステップS17へ進み、減磁処理が適切になされたものとして本処理を終了する。
ステップS16において、測定した誘起電圧Φeが目標上限値Φhighを超えている場合には、減磁処理電流が不十分であるため、ステップS18へ進み、予め定めておいた最大電流Imaxを減磁駆動電流Ideとし、ステップS19においてこれを電動モータ1に通電することで再び減磁処理を行う。そして、ステップS20にて、減磁処理を行った電動モータ1の誘起電圧Φeを測定する。続くステップS21では、測定した誘起電圧Φeと目標下限値Φlowを比較し、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlow以下である場合は、ステップS23へ進み、電動モータ1の部品または着磁工程や減磁工程に何らかの異常があると判断してNG判定をしたのち、この処理を終了する。
これに対してステップS21において、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlowを超える場合は、ステップS22へ進み、測定した誘起電圧Φeと目標上限値Φhighを比較し、測定した誘起電圧Φeが目標上限値Φhigh未満である場合は、ステップS17へ進み、減磁処理が適切になされたものとして本処理を終了する。ステップS22において、測定した誘起電圧Φeが目標上限値Φhighを超えている場合には、ステップS23へ進み、電動モータ1の部品または着磁工程や減磁工程に何らかの異常があると判断してNG判定したのち、この処理を終了する。
図16は、減磁処理電流と無負荷誘起電圧との関係を示すグラフであり、これを用いて図15の減磁処理例の作用を説明する。図16は、永久磁石53の特性に応じて、残留磁束密度Brmax,保持力Hjcのそれぞれが上下限の場合の4本の特性線を示したものであり、磁石特性がばらついた場合でも減磁処理電流と無負荷誘起電圧の関係はこの特性線の間にある。図16において、耐減磁保証をする最低電流Iminで減磁処理を行った後、縦の太線で示す範囲の誘起電圧特性となる場合は、目標下限値Φlowと目標上限値Φhighの間にあり、適正な減磁処理が行えたことになる。
ちなみに、磁石特性によっては減磁処理が十分でなく、無負荷誘起電圧が目標上限値Φhighを上回る場合があり得る。この場合は、図17に示すように、最大電流Imaxで再び減磁処理を行う。この最大電流Imaxは、永久磁石53が最も減磁し難く、初期の磁束量が最も高い場合に、無負荷誘起電圧が目標条件値Φhigh以下になるように選定される値であり、こうすることで、無負荷誘起電圧が目標上限値Φhighを下回ることになり、1回の再減磁処理によって最終的には無負荷誘起電圧を目標範囲内に収めることが可能になる。
なお、電動モータ1の減磁処理電流と無負荷誘起電圧の特性に応じて、2水準の電流では減磁処理後の無負荷誘起電圧を目標下限値Φlowと目標上限値Φhighの間に収めることができない場合は、減磁処理電流を最小電流Iminと、中間電流Imidと、最大電流Imaxといった3段階や、それ以上に細分化してもよい。図18は、本例の減磁処理工程P5のさらに他の実施形態に係るフローチャートであり、減磁電流を3水準としたときの減磁処理工程P5のフローチャートである。
図18において、最初のステップS31では、耐減磁保証をする最低電流Iminを減磁駆動電流Ideとし、ステップS32においてこれを電動モータ1に通電することで減磁処理を行う。ステップS33ではステップS32の減磁処理を行った電動モータ1の誘起電圧Φeを測定する。続くステップS34では、測定した誘起電圧Φeと目標下限値Φlowを比較し、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlow以下である場合は、ステップS35へ進み、電動モータ1の部品または着磁工程や減磁工程に何らかの異常があると判断してNG判定をしたのち、この処理を終了する。
ステップS34において、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlowを超える場合は、ステップS36へ進み、測定した誘起電圧Φeと目標上限値Φhighを比較し、測定した誘起電圧Φeが目標上限値Φhigh未満である場合は、ステップS37へ進み、減磁処理が適切になされたものとして本処理を終了する。
これに対してステップS36において、測定した誘起電圧Φeが目標上限値Φhighを超えている場合には、減磁処理電流が不十分であるため、ステップS38へ進み、予め定めておいた中間電流Imidを減磁駆動電流Ideとし、ステップS39においてこれを電動モータ1に通電することで再び減磁処理を行う。そして、ステップS40にて、減磁処理を行った電動モータ1の誘起電圧Φeを測定する。続くステップS41では、測定した誘起電圧Φeと目標下限値Φlowを比較し、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlow以下である場合は、ステップS35へ進み、電動モータ1の部品または着磁工程や減磁工程に何らかの異常があると判断してNG判定をしたのち、この処理を終了する。
ステップS41において、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlowを超える場合は、ステップS42へ進み、測定した誘起電圧Φeと目標上限値Φhighを比較し、測定した誘起電圧Φeが目標上限値Φhigh未満である場合は、ステップS37へ進み、減磁処理が適切になされたものとして本処理を終了する。これに対して、ステップS42において、測定した誘起電圧Φeが目標上限値Φhighを超えている場合には、減磁処理電流が不十分であるため、ステップS43へ進み、予め定めておいた最大電流Imaxを減磁駆動電流Ideとし、ステップS44においてこれを電動モータ1に通電することで再び減磁処理を行う。そして、ステップS45にて、減磁処理を行った電動モータ1の誘起電圧Φeを測定する。続くステップS46では、測定した誘起電圧Φeと目標下限値Φlowを比較し、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlow以下である場合は、ステップS48へ進み、電動モータ1の部品または着磁工程や減磁工程に何らかの異常があると判断してNG判定をしたのち、この処理を終了する。
ステップS46において、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlowを超える場合は、ステップS47へ進み、測定した誘起電圧Φeと目標上限値Φhighを比較し、測定した誘起電圧Φeが目標上限値Φhigh未満である場合は、ステップS37へ進み、減磁処理が適切になされたものとして本処理を終了する。これに対して、ステップS47において、測定した誘起電圧Φeが目標上限値Φhighを超えている場合は、ステップS48へ進み、電動モータ1の部品または着磁工程や減磁工程に何らかの異常があると判断してNG判定をしたのち、この処理を終了する。以上の減磁処理により、最大2回の再減磁処理によって最終的には無負荷誘起電圧を目標範囲内に収めることが可能になる。
さて、図19に破線で示すように、耐減磁保証をする最低電流Iminで1回目の減磁処理を行った場合に、無負荷誘起電圧が目標上限値Φhighに一致する場合がある。このような特性を有する個体(永久磁石53)の初期の無負荷誘起電圧をΦthとすると、減磁処理を行う種々の永久磁石53の初期無負荷誘起電圧ΦeがΦthよりも低い場合には最小減磁電流Iminで減磁処理し、初期無負荷誘起電圧ΦeがΦthよりも高い場合には最大減磁電流Imaxで減磁処理することで、減磁処理後の無負荷誘起電圧を目標下限値Φlowと目標上限値Φhighの間に収めることができる。このように、初期の無負荷誘起電圧Φeに応じて、減磁処理電流を変えることで、減磁処理工程を1回で済ませることが可能になり、製造コストの削減が可能になる。図20は、本例の減磁処理工程P5のさらに他の実施形態に係るフローチャートである。
図20において、最初のステップS51では、完全着磁処理された永久磁石53を含む電動モータ1の初期誘起電圧Φeを測定する。ステップS52では、測定した初期誘起電圧Φeと、予め検証実験等で求められた基準誘起電圧Φthとを比較し、測定した誘起電圧Φeが基準誘起電圧Φth未満である場合は、ステップS53へ進み、耐減磁保証をする最低電流Iminを減磁駆動電流Ideとする。これに対して、ステップS52において、測定した誘起電圧Φeが基準誘起電圧Φth以上である場合は、ステップS54へ進み、最大電流Imaxを減磁駆動電流Ideとする。そして、ステップS55においてこれを電動モータ1に通電することで減磁処理を行う。ステップS56ではステップS55の減磁処理を行った電動モータ1の誘起電圧Φeを測定する。
ステップS57では、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlowと目標上限値Φhighとの間にあるか否かを判断し、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlow以下又は目標上限値Φhigh以上である場合は、ステップS59へ進み、電動モータ1の部品または着磁工程や減磁工程に何らかの異常があると判断してNG判定をしたのち、この処理を終了する。これに対して、ステップS57において、測定した誘起電圧Φeが目標下限値Φlowを超え、且つ目標上限値Φhigh未満である場合は、ステップS58へ進み、減磁処理が適切になされたものとして本処理を終了する。以上の減磁処理により、1回の再減磁処理によって最終的には無負荷誘起電圧を目標範囲内に収めることが可能になる。
《他の実施形態》
図21Aは、低温雰囲気及び常温雰囲気において種々の電流を印加して電動モータ1を減磁処理した後に測定した、無負荷誘起電圧の例を示すグラフであるが、電動モータ1の製品として保証したい耐減磁電流Iminを通電する場合に、減磁処理工程の雰囲気温度を低温雰囲気にすれば目的とする減磁効果が得られる。しかしながら、減磁による出力低下が問題とされる低温雰囲気は−20℃以下といった極低温の場合があり、製造ラインにこうした極低温雰囲気のゾーンを設けるのは容易でない。また、電動モータ1を極低温まで温度降下させるにはそれ相当の時間が必要となり、さらに減磁処理後に常温に戻すのにもそれ相当の時間が必要となり、製造時間が長くなる。
このため、本例では、常温雰囲気における減磁電流値を選定することで、目的とする低温雰囲気において減磁処理するのと等価な減磁効果を得ることとしている。すなわち、図21Bは図21Aと同じ減磁処理電流に対する無負荷誘起電圧の例を示すグラフであり、同図に示すように、低温雰囲気において3%減の無負荷誘起電圧を得ることを目的とする場合には、減磁電流をIminではなく、常温雰囲気における曲線と交差するときの減磁電流Ipminとする。これにより、常温雰囲気で減磁処理をした場合に、低温雰囲気においてIminの減磁電流で減磁処理した場合と同じ、3%減の無負荷誘起電圧となる電動モータを得ることができる。
以上のように、本例の永久磁石式電動モータの製造方法によれば、製造ラインのモータ組立工程で減磁処理を行うことで電動モータ1の減磁耐力が向上するので、フェライト磁石を用いた電動モータであっても低温時に駆動電流を制限する必要がなく、低温時の出力低下を抑制することができる。また、駆動電流を増加させることが可能になるので、電動モータ1の出力の向上が可能になる。
また、本例の電動モータを電気自動車の走行駆動用モータに適用した場合にあっては、駆動電流が瞬間的に通常運転状態以上に増大するケースがある。図5にて説明したように、電動モータ1の回転数が短時間の間に急変動する場合がそれにあたり、モータ電流が制御目標値に対して瞬間的に増大することがある。具体的な運転シーンとしては、スリップにより空転したタイヤがグリップを回復する場合が該当し、電流増大率は1.2〜1.5倍程度に達する。スリップは路面が凍結する冬季に起きやすく、その場合は電動モータ1の永久磁石53も低温状態で減磁のリスクが高い状態と考えられる。
このような瞬間的な電流の増大で永久磁石53が減磁すると、その後において電気自動車の出力が低下し、加速や登坂性能の低下を引き起こすおそれがある。このため、従来の電動モータでは、瞬間的な電流増大を想定して耐減磁設計を行っていたが、冬季など、電動モータが低温であり、大きな電流で駆動している状態であり、且つタイヤがスリップするシーンは極めて稀であり、この稀に起こるであろう現象の対策のために電動モータの出力特性を制約せざるを得なかった。これに対して、本例の発明を適用することにより、電動モータ1の出力特性を犠牲にすることなく、電流が増大した時の減磁を抑制することが可能になる。
また本例の電動モータの製造方法によれば、基本特性試験工程P6又は出力検査工程P7の中で減磁処理を行うことで、動作可能なステータ7を減磁処理装置として共用することができる。したがって、別途専用の減磁処理装置が不要となる。特に誘起電圧を測定する基本特性試験工程の中で減磁処理を行えば、測定した誘起電圧を減磁処理に利用することができ、別途の誘起線圧測定工程が不要となる。また電動モータの最終動作試験を行う検査工程の中で減磁処理を行えば、最終動作試験で用いられる電源装置を減磁処理電流の印加装置に利用することができ、別途の電源装置が不要となる。
また本例の電動モータの製造方法によれば、ロータ組立工程P1の中で減磁処理を行うことで、減磁処理が不十分な場合の後処理が容易になる。すなわち、減磁処理が不十分な場合は、電動モータ1を分解することなく、ロータサブアッセンブリ5の状態で再減磁処理を行うことができる。
上記ロータ組立工程P1,ステータ組立工程P2及びモータ組立工程P3が本発明に係るモータ組立工程に相当する。
1…永久磁石式電動モータ
2…ハウジング
3…フロントカバーサブアッセンブリ
31…孔
4…リヤカバーサブアッセンブリ
5…ロータサブアッセンブリ
51…ロータコア
511,512…孔
52…シャフト
53,53a,53b,53c,53d…永久磁石
53e…エッジ部
54…端板
6…コイルサブアッセンブリ
61…ステータコア
62…コイル
63…ティース
7…ステータサブアッセンブリ
G…ギャップ

Claims (5)

  1. ロータ及びステータの一方に永久磁石を含む電動モータの製造方法であって、
    前記電動モータを構成する部品を組み立てるモータ組立工程と、
    前記永久磁石を磁化が飽和状態となる完全着磁状態まで着磁する着磁処理工程と、
    前記着磁処理工程の後に実施され、前記着磁処理工程により着磁された永久磁石の一部を不完全着磁とする減磁処理工程と、を有し、
    前記モータ組立工程は、前記ロータを組み立てるロータ組立工程を含み、
    前記減磁処理工程は、前記ロータ組立工程の中で行われる電動モータの製造方法。
  2. ロータ及びステータの一方に永久磁石を含む電動モータの製造方法であって、
    前記電動モータを構成する部品を組み立てるモータ組立工程と、
    前記永久磁石を着磁する着磁処理工程と、
    前記着磁処理工程の後に実施され、前記着磁処理工程により着磁された永久磁石の一部を不完全着磁とする減磁処理工程と、を有し、
    前記モータ組立工程は、前記電動モータの誘起電圧を測定する基本特性試験工程を含み、
    前記減磁処理工程は、前記基本特性試験工程の中で行われる電動モータの製造方法。
  3. ロータ及びステータの一方に永久磁石を含む電動モータの製造方法であって、
    前記電動モータを構成する部品を組み立てるモータ組立工程と、
    前記永久磁石を磁化が飽和状態となる完全着磁状態まで着磁する着磁処理工程と、
    前記着磁処理工程の後に実施され、前記着磁処理工程により着磁された永久磁石の一部を不完全着磁とする減磁処理工程と、を有し、
    前記モータ組立工程は、前記電動モータの最終動作試験を行う検査工程を含み、
    前記減磁処理工程は、前記検査工程の中で行われる電動モータの製造方法。
  4. 前記減磁処理工程は、前記ロータ及びステータの他方に設けられたコイルに減磁電流を通電し、前記永久磁石廻りに逆磁界を発生させる工程を含む請求項2又は3に記載の電動モータの製造方法。
  5. 前記減磁処理工程は、常温雰囲気で減磁する工程を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動モータの製造方法。
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