JP6428443B2 - 排ガスフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気ガスを浄化するための排ガスフィルタに関する。
内燃機関の排気管には、排ガスに含まれる粒子状物質(Particulate Matter:PM)を捕集する排ガス浄化装置が設けられている。この排ガス浄化装置は、排ガスに含まれる粒子状物質を捕集するための排ガスフィルタを備えている(特許文献1)。
特許文献1に示された排ガス浄化装置の排ガスフィルタは、複数のセル壁と、セル壁によって囲まれて形成されたセル孔とを有している。セル孔としては、上流側端部が栓部によって閉塞された上流栓詰めセル孔と、栓部が配設されていない開放セル孔とがある。上流栓詰めセル孔と開放セル孔との間のセル壁には、両者の間を連通するように細孔が形成されており、細孔に排ガスを流通させて粒子状物質をトラップし、排ガスから粒子状物質を除去している。
特開2003−35126号公報
しかしながら、特許文献1の排ガスフィルタには以下の課題がある。
特許文献1の排ガスフィルタは、開放セル孔における圧力損失と、上流栓詰めセル孔における圧力損失及びセル壁における通過抵抗による圧力損失とによって生じる圧力差を利用して、排ガスをセル壁に透過させている。そのため、排ガスフィルタ内において、十分な圧力差を生じさせることができないと、開放セル孔に流入した排ガスが、セル壁を透過することなく、排ガスフィルタから排出される。そのため、排ガスフィルタにおける粒子状物質の捕集性能が低下する。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、粒子状物質の捕集性能を向上し、浄化性能を向上することができる排ガスフィルタを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化する排ガスフィルタであって、
複数のセル壁と、
該セル壁によって囲まれた複数のセル孔とを有し、
上記セル壁には、隣り合うセル孔間を連通する細孔が形成されており、
上記セル孔として、上記排ガス浄化フィルタの軸方向において貫通した開放セル孔と、上流側端部を閉塞する栓部が配設されると共に下流側が開放された上流栓詰めセル孔と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部が配設された下流栓詰めセル孔とを有し、
上記軸方向と直交する断面において、上記開放セル孔における流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔における流路断面積が大きく、
上記下流栓詰めセル孔の流路断面積の総和は、上記セル孔の流路断面積の総和の10%以下であり、
上記開放セル孔の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタの基材長Lが、35mm≦L≦270mmであり、
上記セル壁の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm 2 )、セル密度をC(個/mm 2 )、上記排ガスフィルタの外径をφ(mm)、としたとき、
上記基材長Lが、下記式(1)によって決定される第1基準値L1以上であることを特徴とする排ガスフィルタにある。
L1=−3.7×Rs 1.5 −3.6/w+9.7/k−152.9×C+2241.5/φ+145.1 ・・・式(1)
本発明の他の態様は、内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化する排ガスフィルタであって、
複数のセル壁と、
該セル壁によって囲まれた複数のセル孔とを有し、
上記セル壁には、隣り合うセル孔間を連通する細孔が形成されており、
上記セル孔として、上記排ガスフィルタの軸方向において貫通した開放セル孔と、上流側端部を閉塞する栓部が配設されると共に下流側が開放された上流栓詰めセル孔と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部が配設された下流栓詰めセル孔とを有し、
上記軸方向と直交する断面において、上記開放セル孔における流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔における流路断面積が大きく、
上記下流栓詰めセル孔の流路断面積の総和は、上記セル孔全体の流路断面積の総和の10%以下であり、
上記開放セル孔の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタの基材長Lが、35mm≦L≦270mmであり、
上記セル壁の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm 2 )、セル密度をC(個/mm 2 )、上記排ガスフィルタの外径をφ(mm)、としたとき、
上記基材長Lが、下記式(2)によって決定される第2基準値L2以上であることを特徴とする排ガスフィルタにある。
L2=−13.4×Rs 1.5 +0.76/w+3.2/k−132.1×C+1117.3/φ+174.4 ・・・式(2)
本発明のさらに他の態様は、内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化する排ガスフィルタであって、
複数のセル壁と、
該セル壁によって囲まれた複数のセル孔とを有し、
上記セル壁には、隣り合うセル孔間を連通する細孔が形成されており、
上記セル孔として、上記排ガスフィルタの軸方向において貫通した開放セル孔と、上流側端部を閉塞する栓部が配設されると共に下流側が開放された上流栓詰めセル孔と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部が配設された下流栓詰めセル孔とを有し、
上記軸方向と直交する断面において、上記開放セル孔における流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔における流路断面積が大きく、
上記下流栓詰めセル孔の流路断面積の総和は、上記セル孔全体の流路断面積の総和の10%以下であり、
上記開放セル孔の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタの基材長Lが、35mm≦L≦270mmであり、
上記セル壁の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm 2 )、セル密度をC(個/mm 2 )、上記排ガスフィルタの外径をφ(mm)、としたとき、
上記基材長Lが、下記式(3)によって決定される第3基準値L3以上であることを特徴とする排ガスフィルタにある。
L3=−6.8×Rs 1.5 −4.5/w+12.0/k−189.9×C+2629.1/φ+191.7 ・・・式(3)
上記排ガスフィルタは、上述のごとく、上記セル孔として上記開放セル孔と上記上流栓詰めセル孔とを有している。そのため、排ガスを上記セル壁に形成された細孔に効率良く流通させ、上記排ガスフィルタの浄化性能を向上することができる。
すなわち、上記開放セル孔の流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔における流路断面積を大きくすることにより、上記開放セル孔における圧力損失が上記上流栓詰めセル孔における圧力損失に比べて大きくなり、上記開放セル孔内の圧力と上記上流栓詰めセル孔内の圧力との圧力差が大きくなる。この圧力差を利用することにより、上記開放セル孔に流入した排ガスを、上記細孔を通じて、上記上流栓詰めセル孔へと効率良く流通させることができる。また、上記開放セル孔と上記上流栓詰めセル孔との間の圧力差は、上記排ガスフィルタの上流から下流に向かうにつれて小さくなっていくが、圧力差が生じる範囲においては、上記細孔への排ガスの流通が継続される。そのため、上述のごとく、上記開放セル孔と上記上流栓詰めセル孔との間の圧力差を増大することで、上記排ガスフィルタのより広い範囲において、上記セル壁に排ガスを透過させることができる。これにより、排ガスに含まれる粒子状物質を効率良く捕集することができる。
また、排ガスフィルタは、下流栓詰めセル孔を有する。それゆえ、下流栓詰めセル孔を設けた分、排ガスフィルタの熱容量を増やすことができ、内燃機関の出力変動等に伴う、排ガスフィルタの温度低下を抑制することができる。その結果、排ガスフィルタは、例えば燃料カットを行うことによって冷えた排ガスが流入したような状況においても、捕集された粒子状物質の燃焼が可能な程度の温度を維持しやすくなる。それゆえ、排ガスフィルタに捕集された粒子状物質の燃焼効率を高めることができる。
また、下流栓詰めセル孔の流路断面積の総和は、セル孔の流路断面積の総和の10%以下である。それゆえ、排ガスフィルタ全体の圧力損失に及ぼす影響を充分に小さくし、排ガスフィルタにおける粒子状物質の捕集性能を充分に確保することができる。したがって、上記の範囲で下流栓詰めセル孔を設けることにより、浄化性能を十分に確保しつつ、排ガスフィルタの熱容量を向上させることができる。
以上のごとく、本発明によれば、粒子状物質の捕集性能を向上し、浄化性能を向上することができる排ガスフィルタを提供することができる。
実施例1における、排ガスフィルタを示す説明図。 実施例1における、排ガスフィルタの中心軸に直交する断面図。 実施例1における、排ガスフィルタの下流側端部に配された栓部を通る断面図。 実施例1における、排ガスフィルタの一例を示す説明図。 実施例1における、基材長と捕集率との関係の概略を示す線図。 実施例2における、基材長と捕集率との関係の概略を示す線図。 実施例3における、基材長と捕集率との関係の概略を示す線図。 実施例4における、排ガスフィルタを示す説明図。 確認試験1、確認試験2における、排ガスフィルタの下流側端部に栓部を中央配設した様子を示す説明図。 確認試験1、確認試験2における、排ガスフィルタの下流側端部に栓部を外周配設した様子を示す説明図。 確認試験2における、下流栓詰め率と圧損上昇率との関係を示す線図。 確認試験3における、下流栓詰め率と低下温度との関係を示す線図。 確認試験4における、排ガスフィルタの形状を示す説明図。 確認試験4における、(a)透過流量割合と流路断面積比との関係を示すグラフ、(b)捕集率と流路断面積比との関係を示すグラフ。
上記各態様の排ガスフィルタは、上記開放セル孔の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタの基材長Lが、35mm≦L≦270mmである。これにより、上記開放セル孔と上記上流栓詰めセル孔との間における圧力差を確実に発生させ、上記セル壁に形成された上記細孔に排ガスを確実に流通させることができる。また、上記上流栓詰めセル孔と上記開放セル孔との流路断面積比Rsに応じて35mm〜270mmの範囲内で基材長Lを決定することにより、上記排ガスフィルタの捕集性能を向上することができる。
Rsが1.1未満の場合、圧力差が小さくなり、上記セル壁を透過する排ガスの透過量が少なくなり、十分な浄化性能を発揮できない場合がある。
Rsが5を超える場合、上記排ガスフィルタの圧力損失が過大となり、排ガスフィルタの浄化性能が低下する場合がある。
Lが35mm未満の場合、上記開放セル孔を流通する排ガスが上記セル壁を透過することなく排出される吹き抜けが発生し、上記排ガスフィルタの性能が低下する場合がある。
Lが270mmを超える場合、排ガスが上記セル孔を透過することで上記開放セル孔と上記上流栓詰めセル孔との間の圧力差がなくなる領域が生じる。
排ガスフィルタは、基材長Lが、55mm≦L≦220mmであることがより好ましい。
また、上記セル孔は、内周形状が八角形のセル孔と、内周形状が四角形のセル孔とからなり、上記八角形のセル孔の水力直径は、上記四角形のセル孔の水力直径よりも大きく、上記八角形のセル孔と上記四角形のセル孔とを交互に並べて形成されていることが好ましい。この場合には、上記八角形のセル孔の水力直径と、上記四角形のセル孔の水力直径との差を大きくすることができる。これにより、上記八角形のセル孔及び上記四角形のセル孔を、上記上流栓詰めセル孔と上記開放セル孔とに適宜割り振った際に、上記上流栓詰めセル孔と上記開放セル孔との間における圧力差を効果的に増大させることができる。また、上記八角形のセル孔間に形成された上記排ガスを流通しない上記セル壁を縮小することができる。これにより、上記排ガスフィルタにおける浄化性能を向上することができる。
(実施例1)
上記排ガスフィルタにかかる実施例について、図1〜図3を参照して説明する。
図1〜図3に示すごとく、排ガスフィルタ1は、内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化するものである。排ガスフィルタ1は、複数のセル壁2と、セル壁2によって囲まれた複数のセル孔3とを有している。
セル壁2には、隣り合うセル孔3間を連通する細孔が形成されている。セル孔3は、排ガスフィルタ1の軸方向Xにおいて貫通した開放セル孔31と、上流側端部を閉塞する栓部321が配設された上流栓詰めセル孔32と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部321が配設された下流栓詰めセル孔33とからなる。
軸方向Xと直交する断面において、上流栓詰めセル孔32における流路断面積は、開放セル孔31における流路断面積よりも大きい。下流栓詰めセル孔33の流路断面積の総和は、セル孔3の流路断面積の総和の10%以下である。すなわち、開放セル孔31、上流栓詰めセル孔32、下流栓詰めセル孔33を含めたすべてのセル孔3の流路断面積の総和に対し、下流栓詰めセル孔33の流路断面積の総和は10%以下である。以下において、セル孔3全体の流路断面積の総和に対する下流栓詰めセル孔33の流路断面積の総和の比率を、適宜「下流栓詰め率」という。
以下さらに詳細に説明する。
図1に示すごとく、本例の排ガスフィルタ1は、自動車の内燃機関、例えば、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンにおいて発生した排気ガスを浄化するためのものである。
排ガスフィルタ1は、円柱形状をなしており、円筒形状に形成された外周部20と、外周部20の内周側において格子状に配設されたセル壁2と、セル壁2によって囲まれたセル孔3とが形成されている。本例において、軸方向Xにおける排ガスフィルタ1の基材長Lは、200mmとし、排ガスフィルタ1の外径φは、132mmとした。基材長Lは35mm≦L≦270mmである。
セル壁2は、多孔質構造を有するセラミック材料からなり、その内部には、気孔からなり隣り合うセル孔3同士を連通する細孔(図示略)が形成されている。本例においては、セラミック材料として、平均気孔径が18μm、気孔率が60%のコージェライトを用いた。また、セル壁2の厚さWは、0.28mmとした。本例において、排ガスがセル壁2を透過するときの透過のしやすさを示す排ガス透過係数kは、0.7μm2である。
図1〜図3に示すごとく、セル孔3は、開放セル孔31と上流栓詰めセル孔32と下流栓詰めセル孔33とからなる。下流栓詰めセル孔33は、少なくとも1つ形成されている。開放セル孔31又は下流栓詰めセル孔33と上流栓詰めセル孔32とは、互いに隣り合うよう、交互に並んで形成されている。なお、下流栓詰めセル孔33同士は、互いに隣り合わない位置に形成されている。軸方向Xにおける栓部321の長さは、2mm〜10mmである。本例において、単位面積当たりのセル孔3の個数であるセル密度Cは、0.47個/mm2とした
図1〜図3に示すごとく、複数のセル孔3は、2種類以上の形状を有する。すなわち、複数のセル孔3の中に、軸方向Xから見たときの形状が互いに異なる2種以上のセル孔3が存在する。また、相似形であっても大きさが異なるセル孔3同士も、形状が異なるものとする。本例において、セル孔3は、内周形状が八角形のセル孔3と、内周形状が四角形のセル孔3とからなる。八角形のセル孔3の水力直径は、四角形のセル孔3の水力直径よりも大きい。排ガスフィルタ1は、八角形のセル孔3と四角形のセル孔3とを交互に並べて形成されている。
本例において、内周形状が八角形のセル孔3が上流栓詰めセル孔32であり、内周形状が四角形のセル孔3が開放セル孔31又は下流栓詰めセル孔33である。そして、上流栓詰めセル孔32の水力直径は、開放セル孔31の水力直径よりも大きい。
開放セル孔31及び下流栓詰めセル孔33は、軸方向Xから見たとき、正方形状をなしている。開放セル孔31は、排ガスフィルタ1の全長において貫通するように形成されている。下流栓詰めセル孔33は、下流側端部が栓部331によって閉塞されており、上流側端部が開放されている。なお、下流栓詰めセル孔33は、上流側端部及び下流側端部の双方が栓部321、331によって閉塞されたものとすることもできる。また、上流栓詰めセル孔32は、軸方向Xから見たとき、八角形状をなしている。また、上流栓詰めセル孔32の上流側端部は、栓部321によって閉塞されている。
開口セル孔31の流路断面積をS1とし、上流栓詰めセル孔32の流路断面積をS2としたとき、S2はS1よりも大きい。本例においては、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1が、1.1≦Rs≦5を満たす。また、本例においては、流路断面積比Rs=1.6とした。
排ガスフィルタ1の基材長Lは、下記式(1)によって決定される第1基準値L1以上である。セル壁2の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm2)、セル密度をC(個/mm2)、排ガスフィルタ1の外径をφ(mm)、とする。
L1=−3.7×Rs1.5−3.6/w+9.7/k−152.9×C+2241.5/φ+145.1 ・・・式(1)
式(1)について、図5を用いて説明する。
図5は、基材長Lと捕集率との関係の概略を示している。なお、捕集率とは、排ガスフィルタ1に導入される排ガスに含まれる粒子状物質の数に対する、排ガスフィルタ1から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の数の割合をいう。図5に示すごとく、排ガスフィルタ1は、基材長Lを長くしていくにつれて捕集率が上昇していくが、基材長Lが長くなるにつれて捕集率の上昇は少なくなり、基材長Lがある長さ以上になると、基材長Lの増加に伴う捕集率の上昇がなくなる。これは、基材長Lがある長さよりも長い場合、上流側から開口セル孔31に導入された排ガスが、所定の位置よりも下流側においてはセル壁2を通過しなくなり、そのまま下流側へ吹き抜けてしまうためと考えられる。そこで、基材長Lの増加に伴う捕集率の上昇が生じなくなり始める基材長Lを「吹き抜け臨界長」ということとし、基材長Lが吹き抜け臨界長以上のときの捕集率を「限界捕集率」ということとする。
本例においては、基材長Lを、吹き抜け臨界長に近付ける、或は、吹き抜け臨界長以上とすることにより、高い浄化性能を得ることができる。そこで、図5に示すごとく、式(1)の第1基準値L1は、限界捕集率から10%を引いた捕集率以上となる基材長Lのうち、最短のもの(La1)と同等の値を想定している。すなわち、例えば限界捕集率が70%の場合、捕集率が60%となるような基材長をLa1と規定し、第1基準値L1は、これと同等となることを想定している。そして、基材長Lを第1基準値L1以上とすることにより、高い浄化性能を得ることができる。
式(1)の導出は、限界捕集率の値に影響を及ぼし得る、流路断面積比Rs、セル壁2の厚さw、排ガス透過係数k、セル密度C、排ガスフィルタ1の外径φを変数とした重回帰分析によって行った。この導出は、解析ソフトウェアJUSE−StatWorks(登録商標)を用いて行った。
流路断面積比Rsが1.6、セル壁2の厚さwが0.28mm、セル密度Cが0.47個/mm2、排ガス透過係数kが0.7μm2、外径φが132.0mm、である場合、第1基準値L1は、84mmとなる。排ガスフィルタ1の基材長Lは、第1基準値L1以上である。
次に本例の作用効果について説明する。
排ガスフィルタ1においては、上述のごとく、セル孔3として開放セル孔31と上流栓詰めセル孔32とを有している。そのため、排ガスをセル壁2に形成された細孔に効率良く流通させ、排ガスフィルタ1の浄化性能を向上することができる。
すなわち、開放セル孔31の流路断面積よりも、上流栓詰めセル孔32における流路断面積を大きくすることにより、開放セル孔31における圧力損失が上流栓詰めセル孔32における圧力損失に比べて大きくなり、開放セル孔31内の圧力と上流栓詰めセル孔32内の圧力との圧力差が大きくなる。この圧力差を利用することにより、開放セル孔31に流入した排ガスを、細孔を通じて、上流栓詰めセル孔32へと効率良く流通させることができる。また、開放セル孔31と上流栓詰めセル孔32との間の圧力差は、排ガスフィルタ1の上流から下流に向かうにつれて小さくなっていくが、圧力差が生じる範囲においては、細孔への排ガスの流通が継続される。そのため、上述のごとく、開放セル孔31と上流栓詰めセル孔32との間の圧力差を増大することで、排ガスフィルタ1のより広い範囲において、セル壁2に排ガスを透過させることができる。これにより、排ガスに含まれる粒子状物質を効率良く捕集することができる。
また、排ガスフィルタ1は、下流栓詰めセル孔33を有する。それゆえ、下流栓詰めセル孔33を設けた分、排ガスフィルタ1の熱容量を増やすことができ、内燃機関の出力変動等に伴う排ガスフィルタ1の温度低下を抑制することができる。その結果、排ガスフィルタ1に捕集された粒子状物質の燃焼効率を高めることができる。
また、下流栓詰めセル孔33の流路断面積の総和は、セル孔3の流路断面積の総和の10%以下である。それゆえ、排ガスフィルタ1全体の圧力損失に及ぼす影響を小さくし、排ガスフィルタ1における粒子状物質の捕集性能を充分に確保することができる。したがって、上記の範囲で下流栓詰めセル孔33を設けることにより、浄化性能を充分に確保しつつ、排ガスフィルタ1の熱容量を向上させることができる。
また、流路断面積比Rsが1.1≦Rs≦5であり、かつ排ガスフィルタ1の基材長Lが、35mm≦L≦270mmである。そのため、開放セル孔31と上流栓詰めセル孔32との間における圧力差を確実に発生させ、セル壁2に形成された細孔に排ガスを確実に流通させることができる。また、上流栓詰めセル孔32と開放セル孔31との流路断面積比Rsに応じて35mm〜270mmの範囲内で基材長Lを決定することにより、上記排ガスフィルタの捕集性能を向上することができる。
また、本例の排ガスフィルタ1は、上記式(1)によって決定される第1基準値L1以上の基材長を有する。そのため、粒子状物質の捕集性能を充分に確保することができ、排ガスフィルタ1における浄化性能をより向上させることができる。
また、複数のセル孔3は、2種類以上の形状を有する。それゆえ、開放セル孔31における流路断面積S1よりも上流栓詰めセル孔32における流路断面積S2が大きい構成を容易に得ることができる。
また、セル孔3は、内周形状が八角形のセル孔3と、内周形状が四角形のセル孔3とからなり、八角形のセル孔3の水力直径は、四角形のセル孔3の水力直径よりも大きく、八角形のセル孔3と四角形のセル孔3とを交互に並べて形成されている。そのため、八角形のセル孔3の水力直径と、四角形のセル孔3の水力直径との差を大きくすることができる。これにより、八角形のセル孔3及び四角形のセル孔3を、上流栓詰めセル孔32と開放セル孔31及び下流栓詰めセル孔33とに適宜割り振った際に、上流栓詰めセル孔32と開放セル孔31及び下流セル詰めセル孔33との間における圧力差を効果的に増大させることができる。また、八角形のセル孔3間に形成された排ガスを流通しないセル壁2を縮小することができる。これにより、排ガスフィルタ1における浄化性能を向上することができる。
以上のごとく、本例によれば、粒子状物質の捕集性能を向上し、浄化性能を向上することができる排ガスフィルタ1を提供することができる。
尚、本例の排ガスフィルタ1においては、四角形のセル孔3を開放セル孔31及び下流栓詰めセル孔33とし、八角形のセル孔3を上流栓詰めセル孔32として、開放セル孔31又は下流栓詰めセル孔33と上流栓詰めセル孔32とを交互に並べて形成したが、これ以外の形状であってもよい。例えば、図4に示すごとく、四角形のセル孔3の一部を上流栓詰めセル孔32としてもよい。また、八角形のセル孔3の一部を下流栓詰めセル孔33としてもよい。この場合にも、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
(実施例2)
本例は、排ガスフィルタ1の基材長の決定方法を変更した例である。なお、排ガスフィルタ1の基本構造は実施例1と同様としている。
本例において、排ガスフィルタ1の基材長Lは、下記式(2)によって決定される第2基準値L2以上である。
L2=−13.4×Rs1.5+0.76/w+3.2/k−132.1×C+1117.3/φ+174.4 ・・・式(2)
図6に、実施例1の図5と同様な、基材長Lと捕集率との関係の概略を示した。同図に示すごとく、式(2)の第2基準値L2は、捕集率が50%以上となる基材長Lのうち、最短のもの(La2)と同等の値を想定している。そして、基材長Lを第2基準値L2以上とすることにより、50%以上の捕集率を得ることができる。上記式(2)の導出も、限界捕集率の値に影響を及ぼし得る、流路断面積比Rs、セル壁2の厚さw、排ガス透過係数k、セル密度C、外径φを変数とした重回帰分析によって行った。
流路断面積比Rs=S2/S1が1.6、セル壁2の厚さがwは0.28mm、セル密度Cが0.47個/mm2、排ガス透過係数kが0.7μm2、外径φが132.0mm、である場合、第2基準値L2は、101mmとなる。排ガスフィルタ1の基材長Lは、第2基準値L2以上である。
その他は、実施例1と同様である。なお、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例においては、排ガスフィルタ1の捕集率を、ガソリンエンジンを搭載する車両において一般的に要求される捕集率を上回る50%以上を確保することができ、高い浄化性能が得られる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、排ガスフィルタ1の基材長の決定方法を変更した例である。なお、排ガスフィルタ1の基本構造は実施例1と同様としている。
本例において、排ガスフィルタ1の基材長Lは、下記式(3)によって決定される第3基準値L3以上である。
L3=−6.8×Rs1.5−4.5/w+12.0/k−189.9×C+2629.1/φ+191.7 ・・・式(3)
式(3)について、図7を用いて説明する。
図7に、実施例1の図5と同様な、基材長Lと捕集率との関係の概略を示した。同図に示すごとく、排ガスフィルタ1は、基材長Lを吹き抜け臨界長から短くしていくにつれて、捕集率が低下していく。ここで、基材長Lが、限界捕集率の90%の捕集率となる基材長以下になると、基材長Lの減少に伴う捕集率の減少が顕著となる。そこで、同図に示すごとく、式(3)の第3基準値L3は、限界捕集率の90%以上の捕集率以上となる基材長Lのうち、最短のもの(La3)と同等の値を想定している。すなわち、例えば限界捕集率が70%の場合、捕集率の値が63%となるような基材長をLa3と規定し、第3基準値L3は、これと同等となることを想定している。そして、基材長Lを第3基準値L3以上とすることにより、高い浄化性能を得ることができる。上記式(3)の導出も、限界捕集率の値に影響を及ぼし得る、流路断面積比Rs、セル壁2の厚さw、排ガス透過係数k、セル密度C、外径φを変数とした重回帰分析によって行った。
流路断面積比Rs=S2/S1が1.6、セル壁2の厚さwが0.28mm、セル密度Cが0.47個/mm2、排ガス透過係数kが0.7μm2、外径φが132.0mm、である場合、第3基準値L3は、111mmとなる。排ガスフィルタ1の基材長Lは、第3基準値L3以上である。
その他は、実施例1と同様である。なお、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例においては、粒子状物質の捕集性能を充分に確保することができ、排ガスフィルタ1における浄化性能をより向上させることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例4)
本例は、図8に示すごとく、実施例1の排ガスフィルタにおけるセル孔の形状を変更した例である。
本例の排ガスフィルタ1は、セル孔3の形状を一様な形状によって形成してある。セル孔3は、正方形状をなしており、軸方向と直交する断面上において、正方形における1辺と並行な縦方向と、縦方向と直交する横方向に整列するように形成されている。本例においては、縦方向及び横方向に3個ずつ並んだ計9個のセル孔3を一区画とし、これを適宜敷き詰めた状態となっている。尚、一区画9個のセル孔3のうち6個のセル孔3を上流栓詰めセル孔32とし、残りの3個のセル孔3を、原則として開放セル孔31としている。ただし、多数存在する区画のうちの一部の区画については、部分的に下流栓詰めセル孔33が混在している。そして、下流栓詰めセル孔33の流路断面積の総和が、セル孔3全体の流路断面積の総和の10%以下となるようにしている。
その他の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例の排ガスフィルタ1は、セル孔3の形状を一様とすることで、排ガスフィルタの形状をシンプルなものとすることができる。これにより、排ガスフィルタ1を容易に製造することができる。
また、本例においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
(確認試験1)
本試験においては、実施例1の排ガスフィルタ1を基本構造としつつ、下流栓詰めセル孔33の有無が、捕集率にどのように影響するかを確認した。
なお、捕集率とは、排ガスフィルタに導入される排ガスに含まれる粒子状物質の数に対する、排ガスフィルタから排出される排ガスに含まれる粒子状物質の数の割合をいう。
本試験においては、12個の試料を用意した。いずれの試料も、下流栓詰めセル孔33の有無および下流栓詰め率、並びに基材長以外に関しては、実施例1の排ガスフィルタと同様の構成を有する。具体的には、下流栓詰め率10%にて下流栓詰めセル孔33を設けたもの(試料α1〜試料α8)と、下流側端部の栓部331をすべてなくしたもの(試料α9〜試料α12)と、を用意した。下流栓詰め率を10%にて下流栓詰めセル孔33を設けた排ガスフィルタ1については、試料α1〜試料α4と、試料α5〜試料α8との間で、下流側端部に配設する栓部331の配設パターンを異ならせた。
試料α1〜試料α4は、下流栓詰めセル孔33を、排ガスフィルタ1の中心部の所定領域11内に形成したものである(図9参照)。すなわち、これらは、外周部20までの距離よりも中心軸までの距離が短い位置に、栓詰めセル孔33を設けている。試料α5〜試料α8は、下流栓詰めセル孔33を、排ガスフィルタ1の外周部20に隣接する環状の領域12に設けたものである(図10参照)。すなわち、これらにおいては、下流栓詰めセル孔33が、排ガスフィルタ1の中心軸までの距離よりも外周部20までの距離の方が短い位置に形成されている。
なお、以下において、試料α1〜試料α4における下流側端部への栓部の配設パターン(図9参照)を「中央配設」、試料α5〜試料α8における下流側端部への栓部の配設パターン(図10参照)を「外周配設」ということもある。
試料α1〜試料α12は、いずれも、流路断面積比Rsを3、壁厚wを0.3mm、セル密度Cを0.62個/mm2、排ガス透過係数kを0.7μm2、平均気孔径を18μm、気孔率を60%、外径φを115mmとした。また、試料α1〜試料α4、試料α5〜試料α8、及び試料α9〜試料α12のそれぞれは、基材長を、300mm、65mm、55mm、40mmと互いに異ならせた。なお、基材長65mmは上記式(1)にて算出した第1基材長L1であり、基材長55mmは上記式(3)にて算出した第3基材長L3であり、基材長40mmは上記式(2)にて算出した第2基材長L2である。
試験は、排ガスフィルタを3.5Lのガソリンエンジンの排気管に取り付け、排ガスフィルタに、温度を700℃、流量を4m3/minとして排ガスを流通させた。そして、試料αと試料βとについて、捕集率をそれぞれ測定した。その結果を、表1に示す。
Figure 0006428443
表1から分かるように、試料α1〜試料α4と、試料α9〜試料α12とにおいて、互いに同じ基材長Lを有する試料同士(例えば試料α1と試料α9)は、捕集率が略同等となった。また、試料α5〜試料α8と、試料α9〜試料α12とにおいて、互いに同じ基材長Lを有する試料同士(例えば試料α5と試料α9)は、捕集率が同じになった。
上記結果から、排ガスフィルタは、下流栓詰めセル孔33を配設しても、下流栓詰め率が10%以下であれば、少なくとも、捕集率に影響しないことが確認された。
(確認試験2)
本試験においては、下流栓詰め率による圧損上昇率への影響を確認した。圧損上昇率とは、下流栓詰めセル孔33を有さない排ガスフィルタの圧力損失に対する、排ガスフィルタの圧力損失の上昇率をいう。
本試験においては、下流栓詰め率を0%、5%、10%、15%、20%とした排ガスフィルタを用意した。そして、下流栓詰めセル孔33を設けたもの(下流栓詰め率0%以外のもの)については、下流側端部の栓部331の配設パターンを、中央配設(図9参照)としたものと、外周配設(図10参照)にしたものとを用意した。すべての排ガスフィルタは、流路断面積Rs、壁厚w、セル密度C、排ガス透過係数k、平均気孔径、気孔率、外径φを確認試験1と同じにし、基材長Lを100mmとした。そして、これらの排ガスフィルタについて、圧力損失を測定し、圧損上昇率を算出した。圧損上昇率は、下流栓詰め率0%の排ガスフィルタの圧力損失をA0、対象の排ガスフィルタの圧力損失をAxとしたとき、{(Ax−A0)/A0}×100[%]によって算出した。
試験は、各排ガスフィルタを3.5Lのガソリンエンジンの排気管に取り付け、排ガスフィルタに、温度を700℃、流量を7m3/minとして排ガスを流し、先端面と基端面との差圧をそれぞれ測定した。そして、その結果から、圧損上昇率を算出した。算出結果を、図11に示す。なお、図11において、下流側端部の栓部331の配設パターンを中央配設にした排ガスフィルタについてのデータは丸記号にてプロットし、外周配設にした排ガスフィルタについてのデータは四角記号にてプロットした。
図11から分かるように、中央配設、外周配設のいずれについても、下流栓詰め率が10%を超えると、圧損上昇率が急激に高くなっている。そして、中央配設、外周配設のいずれについても、下流栓詰め率が10%以下のときは、圧損上昇率が5%以内に抑えられている。
上記結果から、下流栓詰め率が10%以下であれば、圧力損失にも影響がほとんどないといえる
なお、上記結果から、下流栓詰めセル孔33は、排ガスフィルタ1の中心軸までの距離よりも外周部20までの距離の方が短い位置に形成されていることが好ましいこともわかる。すなわち、下流側端部に配設する栓部331の配設パターンは、中央配設よりも外周配設の方が、圧力損失低減の観点から好ましい。また、圧力損失の一層の低減の観点から、排ガスフィルタ1の外周部20に隣接するセル孔3は、下流栓詰めセル孔3であることがさらに好ましい。
(確認試験3)
本試験においては、下流栓詰め率による低下温度への影響を確認した。
本試験においては、下流栓詰め率を0%、5%、10%、15%、20%とした5つの排ガスフィルタを用意した。すべての排ガスフィルタは、流路断面積Rs、壁厚w、セル密度C、排ガス透過係数k、平均気孔径、気孔率、外径φ、基材長Lを確認試験2と同じにした。
そして、試験は、各排ガスフィルタを3.5Lのガソリンエンジンの排気管に取り付け、排ガスフィルタに、まず、温度を900℃、流量を7m3/minとして排ガスを30分間流した後、排ガスフィルタの中心軸付近の温度を測定した。この温度をT1とする。その後、排ガスフィルタに流す排ガスの温度を550℃に変更し、1分間流したあと、排ガスフィルタの中心軸付近の温度を測定した。この温度をT2とする。そして、各排ガスフィルタにおいて、T1−T2から低下温度ΔTを算定した。なお、排ガスフィルタの中心軸付近の温度は、熱電対によって測定した。
結果を図12に示す。なお、図12においては、下流栓詰め率0%とした排ガスフィルタの低下温度をΔT0としている。
図12から分かるように、下流栓詰め率を増やすほど、低下温度が小さくなっている。すなわち、下流栓詰め率を増やすほど、排ガスフィルタの熱容量が大きくなる。そして、下流栓詰め率が10%以下であっても、下流栓詰め率0%の排ガスフィルタより低下温度が充分に小さくなっている。すなわち、下流栓詰め率が10%以下でも、下流栓詰めセル孔33を設けることにより、排ガスフィルタの温度低下を抑制できることが分かる。なお、本確認試験においては、各排ガスフィルタにおける下流側端部への栓部の配設パターンを、中央配設と外周配設とに相互に変更することによる、低下温度ΔTの結果の違いはほぼなかった。
(確認試験4)
本試験においては、流路断面積比Rsと、透過流量比及び捕集率との比較を行った。なお、透過流量比とは、開放セル孔31に流入した排ガスのうち、セル壁2を透過して上流栓詰めセル孔32内へと流入した排ガスの比を示すものである。
なお、本試験においては、下流栓詰めセル孔のない排ガスフィルタを試料として用いているが、少なくとも捕集率については、下流栓詰め率10%以下であれば、下流栓詰めセル孔の有無にほとんど左右されないことが確認試験1によって確認されているため、これらの試料は、下流栓詰め率10%以下にて下流栓詰めセル孔を設けた排ガスフィルタと同視することができる。以降の確認試験5〜確認試験9についても同様である。
本試験には、開放セル孔31と上流栓詰めセル孔32との流路断面積比Rsを変化させた排ガスフィルタ101〜104とを用いた。
排ガスフィルタ101は、流路断面積比Rsを0.5とした。なお、排ガスフィルタ101は、実施例1の排ガスフィルタ1における開放セル孔31と上流栓詰めセル孔32とを反対に設定したものである。
図13に示すごとく、排ガスフィルタ102は、流路断面積比Rsを1とした。軸方向Xから見たとき、排ガスフィルタ102における開放セル孔31及び上流栓詰めセル孔32の形状はいずれも正方形である。
排ガスフィルタ103は流路断面積比Rsを2.1、排ガスフィルタ104は流路断面積比Rsを4とした。排ガスフィルタ103及び排ガスフィルタ104における開放セル孔31及び上流栓詰めセル孔32の形状は、それぞれ、実施例1の排ガスフィルタ1における開放セル孔31及び上流栓詰めセル孔32と相似形状である。
なお、排ガスフィルタ101〜104において、基材長Lは、いずれも200mmとした。
また、上述以外の構成は実施例1と同様である。なお、図13において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
図14(a)は、流路断面積比Rsと透過流量比との関係を示すものであり、縦軸を透過流量比(%)とし、横軸を流路断面積比Rsとした。また、図14(b)は、流路断面積比Rsと捕集率との関係を示すものであり、縦軸を捕集率(%)とし、横軸を流路断面積比Rsとした。
図14(a)に示すごとく、透過流量比は、排ガスフィルタ101が約26%、排ガスフィルタ102が約50%、排ガスフィルタ103が約76%、排ガスフィルタ104が約90%となった。
また、図14(b)に示すごとく、捕集率は、排ガスフィルタ101が約21%、排ガスフィルタ102が約41%、排ガスフィルタ103が約62%、排ガスフィルタ104が約76%となった。
したがって、流路断面積比Rsが1を超えるように設定することにより、開放セル孔31に流入する排ガスの50%以上をセル壁2に透過させることができる。また、流路断面積比Rsを2以上とすることにより、開放セル孔31に流入する排ガスの80%以上をセル壁2に透過させることができる。これにより、捕集率が向上することが確認された。また、流路断面積比Rsが4を超える範囲においては透過流量比及び捕集率がほぼ一定となる。
(確認試験5)
本試験においては、表2に示すごとく、排ガスフィルタにおける流路断面積比Rsを変化させたときの粒子状物質の捕集率を比較した。
排ガスフィルタとしては、一様な形状のセル孔を有する試料1と、水力直径の異なるセル孔を有する試料2〜試料4とを用いた。
試料1は、正方形状のセル孔を有しており、上流栓詰めセル孔と開放セル孔とが交互に並んで配置されている。したがって、流路断面積比Rsが1となる。
試料2は、基材長Lを除いて、実施例1の排ガスフィルタ1と同様である。
また、試料3及び試料4は、実施例1の排ガスフィルタにおけるセル孔と相似形状の四角形のセル孔と八角形のセル孔とを有しており、流路断面積比Rsは、試料3が4.0、試料4が5.0である。
また、試料1〜試料4の排ガスフィルタにおける基材長Lはいずれも200mmとした。
なお、上述以外の構成は、実施例1と同様である。
Figure 0006428443
表2は、試料1〜試料4における粒子状物質の捕集率を示すものである。
表2に示すごとく、各排ガスフィルタにおける捕集率は、試料1が42%、試料2が57%、試料3が76%、試料4が78%となった。したがって、流路断面積比Rsが大きくなるにつれて、粒子状物質の捕集率が向上することが確認された。
(確認試験6)
本試験は、排ガスフィルタにおける流路断面積比Rsと基材長との捕集率への影響、及びセル壁の平均気孔径と基材長との捕集率への影響を確認した。
本試験においては、排ガスフィルタとして、試料2〜試料26を用いた。
試料2〜試料4は、確認試験2と同一である。
表3に示すごとく、試料5〜試料8は、流路断面積比Rsが1.6であり、試料2の排ガスフィルタに対して、基材長を変更した例である。また、試料9〜試料12は、流路断面積比Rsが4.0であり、試料3の排ガスフィルタに対して、基材長を変更した例である。またまた、試料13〜試料16は、流路断面積比Rsが5.0であり、試料4の排ガスフィルタに対して、基材長を変更した例である。
Figure 0006428443
表4に示すごとく、試料17〜試料21は、セル壁における平均気孔径を5μmとした。また、試料2及び試料5〜試料8は、上述したものと同一であり、セル壁における平均気孔径を18μmとした。また、試料22〜試料26は、セル壁における平均気孔径を30μmとした。
なお、試料2〜試料26における上述以外の構成は、実施例1と同様である。
Figure 0006428443
表3に示すごとく、試料2及び試料5〜試料8においては、基材長Lが大きくなるにつれて捕集率が上昇し、150mm以降は安定した。また、試料3、試料4及び試料9〜試料16においては、基材長Lが200mm以下の範囲では、基材長Lが大きくなるにつれて捕集率が上昇し続けている。
したがって、開放セル孔における圧力損失と上流栓詰めセル孔における圧力損失とが等しくなるまでに必要な排ガスフィルタの基材長Lは、流路断面積比Rsが大きくなるにつれて大きくなることが確認された。これは、排ガスフィルタにおける、開放セル孔に流入する排ガスの流量増加によるものと考えられる。
また、表4に示すごとく、試料17〜試料21においては、基材長Lが大きくなるにつれて捕集率が上昇し、150mm以降の範囲にて安定した。また、試料2、試料5〜試料8及び試料22〜試料26においては、基材長Lが100mm以降の範囲にて安定した。したがって、開放セル孔における圧力損失と上流栓詰めセル孔における圧力損失とが等しくなるまでに必要な排ガスフィルタの基材長Lは、平均気孔径が大きくなるにつれて小さくなることが確認された。これは、排ガスフィルタにおける、セル壁における排ガスの透過損失の減少によるものと考えられる。
(確認試験7)
本試験においては、上記式(1)の精度を、限界捕集率から10%を引いた捕集率を確保することができる基材長のうち、最短のもの(実施例1の図5におけるLa1)の実測値(第1実測値)と、式(1)を用いて算出した第1基準値L1(計算値)とを比較した。
本試験においては、第1実測値を求めるための排ガスフィルタとして、基本構造は実施例1の排ガスフィルタ1と同様としつつ、表5〜表9に示すごとく、流路断面積比Rs、セル壁の厚さw、排ガス透過係数k、セル密度C、外径φを種々変更した試料A1〜試料A78を用いた。試験は、排ガスフィルタをガソリンエンジンの排気管に取り付け、当該排ガスフィルタに、温度を700℃、流量を4m3/minとして排ガスを流通させた。
試験においては、各試料について、まず、捕集率が限界捕集率となる、充分な基材長L(300mm)を有する排ガスフィルタにおいて、限界捕集率(図5参照)を測定した。この値が、表5〜表9における「限界捕集率」である。なお、捕集率の測定は、排ガスフィルタに導入される排ガスに含まれる粒子状物質の数、排ガスフィルタから排出される排ガスに含まれる粒子状物質の数を検出することにより行った。そして、基材長Lを5mm刻みに種々変更した排ガスフィルタの捕集率をそれぞれ測定した。そして、限界捕集率から10%を引いた捕集率以上となる基材長のうち、最短となったものを第1実測値とした。この第1実測値の基材長Lを有する排ガスフィルタの捕集率を、「捕集率」として表5〜表9に記載した。なお、基材長Lは5mm刻みで変化させているため、表5〜表9における捕集率には、限界捕集率から10%を引いた値より若干高い値も含まれている。
その結果を表5〜表9に示す。なお、表5〜表9においては、排ガス透過係数kに影響を及ぼし得るパラメータである、セル壁の平均気孔径と気孔率とを記載している。
Figure 0006428443
Figure 0006428443
Figure 0006428443
Figure 0006428443
Figure 0006428443
表5〜表9から分かるように、式(1)によって求められる第1基準値L1と、実験によって確認される第1実測値とはほぼ一致している。それゆえ、式(1)によれば、排ガスフィルタ1の各種パラメータの影響を考慮し、限界捕集率から10を引いた捕集率以上となる基材長Lのうち、最短のものを精度よく算出することができることが確認された。
(確認試験8)
本試験においては、上記式(2)の精度を、捕集率が50%以上となる基材長のうち、最短のもの(実施例2の図6におけるLa2)の実測値(第2実測値)と、式(1)を用いて算出した第2基準値L2(計算値)とを比較した。
本試験においては、第2実測値を求めるための排ガスフィルタとして、基本構造は実施例1の排ガスフィルタ1としつつ、表10〜表12に示すごとく、流路断面積比Rs、セル壁の厚さw、排ガス透過係数k、セル密度C、外径φを種々変更した試料B1〜試料B50を用いた。試験条件は、確認試験4と同じである。
試験においては、基材長Lを5mm刻みに種々変更して、捕集率をそれぞれ測定した。そして、捕集率が50%以上となる基材長のうち、最短のものを第2実測値とした。この第2実測値の基材長Lを有する排ガスフィルタの捕集率を、「捕集率」として表10〜表12に記載した。なお、基材長Lは5mm刻みで変化させているため、表10〜表12における捕集率には、50%より若干高い値も含まれている。
結果を表10〜表12に示す。なお、表10〜表12においても、排ガス透過係数kに影響を及ぼし得るパラメータである、セル壁の平均気孔径と気孔率とを記載している。
Figure 0006428443
Figure 0006428443
Figure 0006428443
表10〜表12から分かるように、式(2)によって求められる第2基準値L2と、実験によって確認される第2実測値とはほぼ一致している。それゆえ、式(2)によれば、排ガスフィルタ1の各種パラメータの影響を考慮し、捕集率が50%以上となる基材長のうち、最短のものを精度よく算出することができることが確認された。
(確認試験9)
本試験においては、上記式(3)の精度を、限界捕集率の90%以上の捕集率以上となる基材長Lのうち、最短のもの(実施例3の図7におけるLa3)の実測値(第3実測値)と、式(3)を用いて算出した第3基準値L3(計算値)とを比較した。
本試験においては、第2実測値を求めるための排ガスフィルタとして、基本構造は実施例1の排ガスフィルタ1としつつ、表13〜表16に示すごとく、流路断面積比Rs、セル壁の厚さw、排ガス透過係数k、セル密度C、外径φを種々変更した試料C1〜試料C78を用いた。試験条件は、確認試験4と同じである。
試験においては、確認試験4と同様に、捕集率が限界捕集率となる、充分な基材長L(300mm)を有する排ガスフィルタにおいて、限界捕集率(図7参照)を測定し、基材長Lを5mm刻みに種々変更した排ガスフィルタの捕集率をそれぞれ測定した。そして、限界捕集率の90%以上の捕集率以上となる基材長Lのうち、最短となったものを第3実測値とした。この第3実測値の基材長Lを有する排ガスフィルタの捕集率を、「捕集率」として表13〜表16に記載した。なお、基材長Lは5mm刻みで変化させているため、表13〜表16における捕集率には、限界捕集率の90%の値より若干高い値も含まれている。
結果を表13〜表16に示す。なお、表13〜表16においては、排ガス透過係数kに影響を及ぼし得るパラメータである、セル壁の平均気孔径と気孔率とを記載している。
Figure 0006428443
Figure 0006428443
Figure 0006428443
Figure 0006428443
表13〜表16から分かるように、式(3)によって求められる第3基準値L3と、実験によって確認される第3実測値とはほぼ一致している。それゆえ、式(3)によれば、排ガスフィルタ1の各種パラメータの影響を考慮し、限界捕集率の90%以上の捕集率以上となる基材長Lのうち、最短のものを精度よく算出することができることが確認された。
1 排ガスフィルタ
2 セル壁
3 セル孔
31 開放セル孔
32 上流栓詰めセル孔
321 栓部

Claims (10)

  1. 内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化する排ガスフィルタ(1)であって、
    複数のセル壁(2)と、
    該セル壁(2)によって囲まれた複数のセル孔(3)とを有し、
    上記セル壁(2)には、隣り合うセル孔(3)間を連通する細孔が形成されており、
    上記セル孔(3)として、上記排ガスフィルタ(1)の軸方向において貫通した開放セル孔(31)と、上流側端部を閉塞する栓部(321)が配設されると共に下流側が開放された上流栓詰めセル孔(32)と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部(331)が配設された下流栓詰めセル孔(33)とを有し、
    上記軸方向と直交する断面において、上記開放セル孔(31)における流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔(32)における流路断面積が大きく、
    上記下流栓詰めセル孔(33)の流路断面積の総和は、上記セル孔(3)全体の流路断面積の総和の10%以下であり、
    上記開放セル孔(31)の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔(32)の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタ(1)の基材長Lが、35mm≦L≦270mmであり、
    上記セル壁(2)の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm 2 )、セル密度をC(個/mm 2 )、上記排ガスフィルタ(1)の外径をφ(mm)、としたとき、
    上記基材長Lが、下記式(1)によって決定される第1基準値L1以上であることを特徴とする排ガスフィルタ(1)。
    L1=−3.7×Rs 1.5 −3.6/w+9.7/k−152.9×C+2241.5/φ+145.1 ・・・式(1)
  2. 内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化する排ガスフィルタ(1)であって、
    複数のセル壁(2)と、
    該セル壁(2)によって囲まれた複数のセル孔(3)とを有し、
    上記セル壁(2)には、隣り合うセル孔(3)間を連通する細孔が形成されており、
    上記セル孔(3)として、上記排ガスフィルタ(1)の軸方向において貫通した開放セル孔(31)と、上流側端部を閉塞する栓部(321)が配設されると共に下流側が開放された上流栓詰めセル孔(32)と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部(331)が配設された下流栓詰めセル孔(33)とを有し、
    上記軸方向と直交する断面において、上記開放セル孔(31)における流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔(32)における流路断面積が大きく、
    上記下流栓詰めセル孔(33)の流路断面積の総和は、上記セル孔(3)全体の流路断面積の総和の10%以下であり、
    上記開放セル孔(31)の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔(32)の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタ(1)の基材長Lが、35mm≦L≦270mmであり、
    上記セル壁(2)の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm 2 )、セル密度をC(個/mm 2 )、上記排ガスフィルタ(1)の外径をφ(mm)、としたとき、
    上記基材長Lが、下記式(2)によって決定される第2基準値L2以上であることを特徴とする排ガスフィルタ(1)。
    L2=−13.4×Rs 1.5 +0.76/w+3.2/k−132.1×C+1117.3/φ+174.4 ・・・式(2)
  3. 内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化する排ガスフィルタ(1)であって、
    複数のセル壁(2)と、
    該セル壁(2)によって囲まれた複数のセル孔(3)とを有し、
    上記セル壁(2)には、隣り合うセル孔(3)間を連通する細孔が形成されており、
    上記セル孔(3)として、上記排ガスフィルタ(1)の軸方向において貫通した開放セル孔(31)と、上流側端部を閉塞する栓部(321)が配設されると共に下流側が開放された上流栓詰めセル孔(32)と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部(331)が配設された下流栓詰めセル孔(33)とを有し、
    上記軸方向と直交する断面において、上記開放セル孔(31)における流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔(32)における流路断面積が大きく、
    上記下流栓詰めセル孔(33)の流路断面積の総和は、上記セル孔(3)全体の流路断面積の総和の10%以下であり、
    上記開放セル孔(31)の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔(32)の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタ(1)の基材長Lが、35mm≦L≦270mmであり、
    上記セル壁(2)の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm 2 )、セル密度をC(個/mm 2 )、上記排ガスフィルタ(1)の外径をφ(mm)、としたとき、
    上記基材長Lが、下記式(3)によって決定される第3基準値L3以上であることを特徴とする排ガスフィルタ(1)。
    L3=−6.8×Rs 1.5 −4.5/w+12.0/k−189.9×C+2629.1/φ+191.7 ・・・式(3)
  4. 上記基材長Lは、下記式(1)によって決定される第1基準値L1以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の排ガスフィルタ(1)。
    L1=−3.7×Rs 1.5 −3.6/w+9.7/k−152.9×C+2241.5/φ+145.1 ・・・式(1)
  5. 上記基材長Lは、下記式(2)によって決定される第2基準値L2以上であることを特徴とする請求項1又は3に記載の排ガスフィルタ(1)。
    L2=−13.4×Rs 1.5 +0.76/w+3.2/k−132.1×C+1117.3/φ+174.4 ・・・式(2)
  6. 上記基材長Lは、下記式(3)によって決定される第3基準値L3以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガスフィルタ(1)。
    L3=−6.8×Rs 1.5 −4.5/w+12.0/k−189.9×C+2629.1/φ+191.7 ・・・式(3)
  7. 上記複数のセル孔(3)は、2種類以上の形状を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の排ガスフィルタ(1)。
  8. 上記セル孔(3)は、内周形状が八角形のセル孔(3)と、内周形状が四角形のセル孔(3)とからなり、上記八角形のセル孔(3)の水力直径は、上記四角形のセル孔(3)の水力直径よりも大きく、上記八角形のセル孔(3)と上記四角形のセル孔(3)とを交互に並べて形成されていることを特徴とする請求項7に記載の排ガスフィルタ(1)。
  9. 上記下流栓詰めセル孔(33)は、上記排ガスフィルタ(1)の中心軸までの距離よりも外周部(20)までの距離の方が短い位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の排ガスフィルタ(1)。
  10. 上記排ガスフィルタ(1)の上記外周部(20)に隣接する上記セル孔(3)は、上記下流栓詰めセル孔(33)であることを特徴とする請求項9に記載の排ガスフィルタ(1)。
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