JP6428143B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、将来のトルク増加要求に応じてエンジンとモータ/ジェネレータを有する駆動源の制御を行うハイブリッド車両の制御装置に関する発明である。
従来、加速性能重視のパワーモードを設定したら、最適燃費エンジントルクよりも大きなエンジントルクを目標エンジントルクとして設定すると共に、モータ/ジェネレータトルクを負値に設定する。そして、ドライバーの要求駆動トルクの増加に応じて、モータ/ジェネレータトルクを増加するハイブリッド車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−296896号公報
しかしながら、従来のハイブリッド車両の制御装置にあっては、パワーモードが設定されている間は、ドライバーの要求駆動トルクの大きさに拘らず常時エンジントルクを大きく設定する一方、モータ/ジェネレータトルクを負値(発電トルク)として、いわゆるエンジン発電モードとすることで要求駆動トルクを満足させていた。
そのため、バッテリ残量が必要以上に増加してしまい、エンジントルクを拡大し続けることが難しく、駆動トルクの増加が必要なシーンでエンジントルクを高めておけないおそれがあった。また、不必要に発電してしまう場合もあり、燃費の悪化につながっていた。さらに、アクセル足離し状態においてエンジンへの燃料供給を停止するフューエルカット制御を行う場合では、駆動トルクの増加前に予めエンジントルクを大きくしておくことができず、例えばアクセルオフからの加速時といった走行シーンでは、上記従来のハイブリッド車両の制御を行うことができなかった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、エンジントルク及びモータ/ジェネレータトルクの制御を適切に行い、要求駆動トルクの増加に対する応答性を確保することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置は、エンジンと、前記エンジンに連結したモータ/ジェネレータと、前記モータ/ジェネレータによって発電された電力を蓄えるバッテリと、前記エンジン及び前記モータ/ジェネレータのトルクを制御する駆動源制御手段と、を備えている。
そして、前記駆動源制御手段は、要求駆動トルク予測部と、トルク増加前制御部と、要求駆動トルク検出部と、トルク増加時制御部と、直前タイミング予測部と、を有する。
前記要求駆動トルク予測部は、ドライバーの要求駆動トルクの増加を予測する。
前記トルク増加前制御部は、前記要求駆動トルクの増加が予測されたとき、前記エンジンの駆動トルクを増加すると共に、前記モータ/ジェネレータから増加分のエンジン駆動トルクを相殺する大きさの発電トルクを出力して前記バッテリを充電する。
前記要求駆動トルク検出部は、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加を検出する。
前記トルク増加時制御部は、前記要求駆動トルクの増加が検出されたとき、前記エンジン駆動トルクを増加出力したまま、前記モータ/ジェネレータからの発電トルクを前記要求駆動トルクの増加に応じて低減する。
前記直前タイミング予測部は、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加開始の直前タイミングを予測する。
そして、前記トルク増加前制御部は、前記要求駆動トルクの増加開始の予測直前タイミングになったら、前記エンジン駆動トルクの増加量を増やす。
本発明のハイブリッド車両の制御装置では、要求駆動トルクの増加が予測されたら、エンジン駆動トルクを増加すると共に、モータ/ジェネレータから発電トルクを出力して増加分のエンジン駆動トルクを相殺する。そして、要求駆動トルクの増加が検出されたら、エンジン駆動トルクを増加出力したまま、モータ/ジェネレータからの発電トルクを要求駆動トルクの増加に応じて低減する。
すなわち、エンジン駆動トルクを増加すると共に、発電トルクでこのエンジン駆動トルクの増加分を相殺する制御は、要求駆動トルクの増加が予測されたときに限って行われる。このため、発電時間を短縮してバッテリ残量が必要以上に増加することを防止でき、必要なシーンでエンジン駆動トルクの増加を図ることができる。また、不必要な発電を抑制することができて、燃費の悪化を抑えることができる。さらに、フューエルカット制御を行っている場合であっても、要求駆動トルクの増加を予測したときには、エンジン駆動トルクの増加と、発電トルクによる相殺といった制御が行われるため、アクセルオフからの加速といった走行シーンであっても、要求駆動トルクの増加に対する応答性を確保することができる。
この結果、エンジントルク及びモータ/ジェネレータトルクの制御を適切に行い、要求駆動トルクの増加に対する応答性を確保することができる。
実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレインを示すパワートレイン構成図である。 実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す制御システム構成図である。 実施例1の統合コントローラの詳細構成を示すシステム構成図である。 実施例1の統合コントローラにて実行される駆動源制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の制御装置を搭載したハイブリッド車両で加速前から加速後のアクセル開度・要求駆動トルク・エンジントルク・モータ/ジェネレータトルク・バッテリSOCの各特性を示すタイムチャートである。 要求駆動トルクの増加シーンの例を示す説明図であり、(a)はコーナー出口付近シーンを示し、(b)は登坂シーンを示し、(c)は追い越しシーンを示し、(d)は合流シーンを示し、(e)は交差点右折シーンを示し、(f)はローンチ発進シーンを示す。 実施例1の制御装置を搭載したハイブリッド車両でローンチ発進する際のアクセル開度・ブレーキ踏力・エンジントルク・モータ/ジェネレータトルク・車速の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、実施例1におけるハイブリッド車両の制御装置の構成を、「ハイブリッド車両のパワートレイン構成」、「ハイブリッド車両の制御システム構成」、「駆動源制御処理の構成」に分けて説明する。
[ハイブリッド車両のパワートレイン構成]
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレインを示すパワートレイン構成図である。以下、図1に基づき、実施例1のハイブリッド車両のパワートレイン構成を説明する。
実施例1のハイブリッド車両のパワートレインは、図1に示すように、エンジン1と、モータ/ジェネレータ2と、自動変速機3と、第1クラッチ4と、第2クラッチ5と、リアファイナルドライブ6と、左右後輪7a,7bと、トランスファ8と、フロントファイナルドライブ9と、左右前輪10a,10bと、を備えている。
実施例1のハイブリッド車両は、後輪駆動ベースの4輪駆動ハイブリッド車両であり、エンジンと1モータ・2クラッチを備えたパワートレイン構成を有している。
前記エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、ハイブリッド車両の駆動源である。このエンジン1は、その出力軸とモータ/ジェネレータ(略称MG)2の入力軸とが、第1クラッチ(略称CL1)4を介して連結される。
前記第1クラッチ4は、エンジン1とモータジェネレータ2の間に介装され、エンジン1とモータ/ジェネレータ2とを断接するクラッチであり、締結油圧を制御することによって伝達トルク容量が可変する。この第1クラッチ4としては、例えば、ダイアフラムスプリングによる付勢力を保ち、ピストンを有する油圧アクチュエータを用いたストローク制御により完全締結〜スリップ締結〜完全解放までが制御されるノーマルクローズの乾式単板クラッチが用いられる。
前記モータ/ジェネレータ2は、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータ/ジェネレータであり、ハイブリッド車両の駆動源である。このモータ/ジェネレータ2は、その出力軸と自動変速機(略称AT)3の入力軸とが連結される。
ここで、モータ/ジェネレータ2は、バッテリ25(図2参照)からの電力の供給を受けて回転駆動し、エンジン1の始動や左右後輪7a,7bの駆動を行う電動機として動作することもできる(以下、この動作状態を「力行」という)し、ロータがエンジン1や左右後輪7a,7bから回転エネルギーを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、バッテリ25を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」という)。
前記第2クラッチ5は、モータ/ジェネレータ2とトランスファ8の間に介装され、モータ/ジェネレータ2とトランスファ8とを断絶するクラッチであり、締結油圧を制御することによって伝達トルク容量が可変する。この第2クラッチ5としては、例えば、比例ソレノイドで油流量及び油圧を連続的に制御できるノーマルオープンの湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキが用いられる。
前記自動変速機3は、有段の変速段を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り替える有段変速機であり、その出力軸にトランスファ8とリアファイナルドライブ6を順に介して左右後輪7a,7bが連結される。なお、実施例1では、前記第2クラッチ5として、自動変速機3とは独立の専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機3の各変速段にて締結される複数の摩擦要素のうち、所定の条件に適合する摩擦要素(クラッチやブレーキ)を選択している。
前記トランスファ8は、自動変速機3の出力軸に設けられ、駆動源出力をドライブシャフト(プロペラシャフト)を介して前後軸に分配する。このハイブリッド車両では、トランスファ8に設けられた不図示のトランスファクラッチの締結トルクに応じて、自動変速機3から出力される駆動トルクの一部を左右前輪10a,10bに配分するというように、トランスファクラッチを解放する後輪駆動状態から、等配分による四輪駆動状態まで前後輪駆動配分比を変更可能とする構成である。
なお、トランスファ8の前輪駆動側には、フロントファイナルドライブ9を介して左右前輪10a,10bが連結される。
さらに、前記自動変速機3の入力軸には、この入力軸により駆動される機械式オイルポンプ11が設けられている。そして、車両停止時等で機械式オイルポンプ11からの吐出圧が不足するとき、油圧低下を抑えるために電動モータにより駆動される電動サブオイルポンプ12がモータハウジング等に設けられている。
さらに、このパワートレインには、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転センサ13と、モータジェネレータ2の回転数を検出するMG回転センサ14と、自動変速機3の入力軸回転数を検出するAT入力回転センサ15と、自動変速機3の出力軸回転数を検出するAT出力回転センサ16と、が設けられる。
そして、このハイブリッド車両は、駆動形態の違いによる走行モードとして、電気自動車モード(以下、「EVモード」という)と、ハイブリッド車モード(以下、「HEVモード」という)と、エンジン使用スリップ走行モード(以下、「WSCモード」という)とを、有する。
前記「EVモード」は、第1クラッチ4を解放状態とし、モータ/ジェネレータ2の駆動トルクのみで走行するモードであり、モータ走行モード・回生走行モードを有する。この「EVモード」は、要求駆動トルクが低く、バッテリ25の充電残量(以下、「バッテリSOC(State Of Charge)」という)が確保されているときに選択される。
前記「HEVモード」は、第1クラッチ4を締結状態とし、エンジン1とモータ/ジェネレータ2を駆動源に含んで走行するモードであり、エンジントルクとモータ/ジェネレータトルクの合計が、パワートレインからの出力トルクとなる。この「HEVモード」は、モータアシスト走行モード・発電走行モード・エンジン走行モードを有し、いずれかのモードにより走行する。
ここで、モータアシスト走行モードは、エンジン1とモータ/ジェネレータ2の両方を駆動源として走行する走行モードであり、エンジン1から駆動トルクを出力し、モータ/ジェネレータ2からアシストトルク(正トルク)を出力する。また、発電走行モードは、エンジン1を駆動源として走行すると同時に、エンジン1の動力を利用してモータジェネレータ2を発電機として動作させて走行する走行モードであり、エンジン1から駆動トルクを出力し、モータ/ジェネレータ2から発電トルク(負トルク)を出力する。また、エンジン走行モードは、エンジン1の駆動トルクのみで走行する。この「HEVモード」は、要求駆動トルクが高いとき、あるいは、バッテリSOCが不足するようなときに選択される。
なお、エンジン1を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合、この余剰エネルギーによりモータ/ジェネレータ2を発電機として作動させることで余剰エネルギーを電力に変換し、この発電電力をモータ/ジェネレータ2のモータ駆動に用いるようバッテリ25に蓄電しておくことで、エンジン1の燃費を向上させることができる。
前記「WSCモード」は、第1クラッチ4の締結状態で、モータ/ジェネレータ2の回転数制御により第2クラッチ5をスリップ締結させて走行するモードである。このとき、第2クラッチ5を経過するクラッチ伝達トルクが、車両状態や運転者操作に応じて決まる要求駆動トルクになるようにクラッチトルク容量をコントロールしながら走行する。この「WSCモード」は、「HEVモード」の選択状態での停車時・発進時・減速時等のように、エンジン回転数がアイドル回転数を下回るような走行領域において選択される。また、「WSCモード」では、特にバッテリSOCが低いときやエンジン水温が低いときであってもクリープ走行が達成可能である。
[ハイブリッド車両の制御システム構成]
図2は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す制御システム構成図である。図3は、実施例1の統合コントローラの詳細構成を示すシステム構成図である。以下、図2及び図3に基づいて、実施例1のハイブリッド車両の制御システム構成を説明する。
実施例1の制御システムは、図2に示すように、統合コントローラ20と、エンジンコントローラ21と、モータコントローラ22と、サブポンプコントローラ23と、インバータ24と、バッテリ25と、CL1用ソレノイドバルブ26と、CL2用ソレノイドバルブ27と、アクセル開度センサ28と、車速センサ29と、電圧センサ30と、電流センサ31と、を備えている。
前記統合コントローラ20は、エンジン1及びモータ/ジェネレータ2のトルクを含むパワートレイン系の動作点を統合制御する制御回路であり、駆動源制御手段である。この統合コントローラ20では、アクセル開度(アクセル開度センサ28により検出)と車速(車速センサ29により検出)とバッテリSOC(電圧センサ30によって検出したバッテリ出力電圧と、電流センサ31によって検出したバッテリ出力電流から換算)と、に応じて、運転者が望む駆動トルクを実現できる走行モードを設定する。そして、エンジンコントローラ21に目標エンジントルクを指令し、モータコントローラ22に目標MGトルクもしくは目標MG回転数を指令し、サブポンプコントローラ23に所定の駆動信号を指令し、CL1用ソレノイドバルブ26及びCL2用ソレノイドバルブ27に所定の駆動信号を指令する。
前記エンジンコントローラ21は、エンジン1を制御する。前記モータコントローラ22は、モータ/ジェネレータ2を制御する。前記サブポンプコントローラ23は、電動サブオイルポンプ12を駆動する電動モータを制御する。前記インバータ24は、モータ/ジェネレータ2及び上記電動モータを駆動する。前記バッテリ25は、モータ/ジェネレータ2によって発電された電力を蓄える。前記CL1用ソレノイドバルブ26は、第1クラッチ4の油圧を制御する。前記CL2用ソレノイドバルブ27は、第2クラッチ5の油圧を制御する。
さらに、この実施例1では、統合コントローラ20は、図3に示すように、要求駆動トルク予測部20aと、トルク増加量予測部20bと、トルク増加時間予測部20cと、直前タイミング予測部20dと、充電残量検出部20eと、トルク増加前制御部20fと、要求駆動トルク検出部20gと、トルク増加時制御部20hと、を有している。
また、この統合コントローラ20には、アクセル開度センサ28、車速センサ29、電圧センサ30、電流センサ31からの各種情報に加え、ドライバー操作検出システム32からのドライバーの操作情報と、走行環境検出システム33からの走行環境情報と、が入力される。
ここで、前記ドライバー操作検出システム32は、ドライバーによる手動操作を検出するシステムであり、ここでは、ウインカーの操作を検出するセンサと、ギア比を通常より大きくするスポーツドライブモードの設定スイッチの操作を検出するセンサと、加速前にドライバーによってON操作されることで加速要求を報知する専用スイッチの操作を検出するセンサと、ブレーキ踏力を検出するセンサと、を有している。
また、前記走行環境検出システム33は、ハイブリッド車両の走行環境を検出するシステムであり、ここでは、地図情報を有するナビゲーションシステムと、車両に作用する横Gを検出する横Gセンサと、レーザーレーダーやミリ波レーダー等の各種レーダーと、車両周辺の画像情報を取得する車載カメラと、ETC車載器と、を有している。なお、この走行環境検出システム33は、ハイブリッド車両の現在地点における走行環境情報だけでなく、ナビゲーションシステム等から将来の走行予定地点における走行環境情報も取得する。
前記要求駆動トルク予測部20aは、将来の走行予定地点において、ハイブリッド車両に対するドライバーの要求駆動トルクが増加するか否かを予測して、要求駆動トルクの増加の有無を判断する。この要求駆動トルク予測部20aは、ドライバー操作検出システム32から入力されたドライバーの操作情報及び走行環境検出システム33から入力された走行環境情報に基づいて、要求駆動トルクの増加を予測する。
つまり、この要求駆動トルク予測部20aでは、例えばドライバー操作検出システム32によって検出する加速要求を報知する専用スイッチの操作有無や、走行環境検出システム33が有するナビゲーションシステムによって検出する走行予定経路上のコーナーや登り坂の有無や、走行環境検出システム33が有する各種レーダーや車載カメラによって検出する前方車両の有無等から、要求駆動トルクの増加を予測する。そして、専用スイッチがON操作されたことを検出したり、コーナー出口や登り坂に向かって走行していることを検出したり、前方車両の存在を検出したりした場合に、要求駆動トルクの増加があると判断する。
前記トルク増加量予測部20bは、要求駆動トルク予測部20aによって要求駆動トルクの増加があると予測されたとき、その要求駆動トルクの増加量の大きさを予測して、所定の閾値増加量よりも大きいか否かを判断する。このトルク増加量予測部20bは、ドライバー操作検出システム32から入力されたドライバーの操作情報及び走行環境検出システム33から入力された走行環境情報に基づいて、要求駆動トルクの増加量を予測する。
つまり、このトルク増加量予測部20bでは、例えば上記専用スイッチの操作回数や、登り坂の勾配、追い越し車線に後続車両の有無、ローンチ発進の有無等から、要求駆動トルクの増加量の大きさを予測する。そして、専用スイッチが2度押しされたことを検出したり、登り坂の勾配が比較的大きいことを検出したり、追い越し車線の後続車両の存在を検出したりした場合に、要求駆動トルクの増加量が閾値増加量よりも大きいと判断する。
前記トルク増加時間予測部20cは、要求駆動トルク予測部20aによって要求駆動トルクの増加があると予測されたとき、その要求駆動トルクの増加時間の長さを予測して、所定の閾値増加時間よりも長いか否かを判断する。このトルク増加時間予測部20cは、ドライバー操作検出システム32から入力されたドライバーの操作情報及び走行環境検出システム33から入力された走行環境情報に基づいて、要求駆動トルクの増加時間を予測する。
つまり、このトルク増加時間予測部20cでは、例えば登り坂の長さ等から、要求駆動トルクの増加時間の長さを予測する。そして、登り坂の長さが比較的長いことを検出した場合に、要求駆動トルクの増加時間が閾値増加時間よりも大きいと判断する。
前記直前タイミング予測部20dは、要求駆動トルク予測部20aによって要求駆動トルクの増加があると予測されたとき、その要求駆動トルクが増加するタイミングを予測して、増加タイミングの直前であるか否かを判断する。この直前タイミング予測部20dは、ドライバー操作検出システム32から入力されたドライバーの操作情報及び走行環境検出システム33から入力された走行環境情報に基づいて、要求駆動トルクの増加タイミングを予測する。
つまり、この直前タイミング予測部20dでは、例えばウインカーの操作有無や、自車両の位置や、スポーツドライブモードの設定スイッチの操作有無等から、要求駆動トルクが増加するタイミングを予測する。そして、コーナー出口を走行していることや、横Gの作用方向と逆側のウインカー作動や、合流車線側のウインカー作動を検出した場合や、スポーツドライブモードの設定を行った直後を、要求駆動トルクの増加直前タイミングであると判断する。
前記充電残量検出部20eは、要求駆動トルク予測部20aによって要求駆動トルクの増加があると予測されたとき、そのときのバッテリSOCを検出し、所定の閾値SOC以上であるか否かを判断する。この充電残量検出部20eは、電圧センサ30によって検出したバッテリ出力電圧と、電流センサ31によって検出したバッテリ出力電流から演算することでバッテリSOCを検出する。
前記トルク増加前制御部20fは、要求駆動トルク予測部20aによって要求駆動トルクの増加があると予測されたとき、エンジン1に対し、実際の要求駆動トルクに応じて設定された駆動トルクを、所定量増加させる目標エンジントルクを指令する。また、モータ/ジェネレータ2に対し、増加分のエンジン駆動トルクを相殺する大きさの発電トルク(負トルク)を出力させる目標MGトルクを指令する。
これにより、エンジン1の駆動トルクは増加する一方、モータ/ジェネレータ2は発電機として作動してバッテリ25を充電する。
なお、このトルク増加前制御部20fでは、充電残量検出部20eによって要求駆動トルクの増加があると予測されたときのバッテリSOCが閾値SOC以上であると判断されたときには、エンジン駆動トルクを予め設定された増加量「A」分だけ増加させる。また、バッテリSOCが閾値SOCを下回ると判断されたときには、エンジン駆動トルクを予め設定された増加量「B」分だけ増加させる。ここで、増加量「B」は増加量「A」よりも大きい値である。つまり、トルク増加前制御部20fは、バッテリSOCが少ないときには、バッテリSOCが多いときよりも、エンジン駆動トルクの増加量を大きい値に設定する。
また、このトルク増加前制御部20fでは、トルク増加量予測部20bによって予測増加量が閾値増加量よりも大きいと判断されたとき、エンジン駆動トルクの増加量を所定量上乗せする目標エンジントルクを指令する。また、上乗せしたエンジン駆動トルクの増加量を相殺するため、発電トルク(負トルク)も上乗せする目標MGトルクを指令する。つまり、トルク増加前制御部20fは、要求駆動トルクの予測増加量が大きいときには、予測増加量が小さいときよりも、エンジン駆動トルクの増加量を大きい値に設定する。
さらに、このトルク増加前制御部20fでは、トルク増加時間予測部20cによって予測増加時間が閾値増加時間よりも長いと判断されたとき、エンジン駆動トルクの増加量をさらに上乗せする目標エンジントルクを指令する。また、上乗せしたエンジン駆動トルクの増加量を相殺するため、発電トルク(負トルク)もさらに上乗せする目標MGトルクを指令する。つまり、トルク増加前制御部20fは、要求駆動トルクの予測増加時間が長いときには、予測増加時間が短いときよりも、エンジン駆動トルクの増加量を大きい値に設定する。
さらに、このトルク増加前制御部20fでは、直前タイミング予測部20dによって要求駆動トルク増加直前タイミングであると判断されたとき、バッテリ25の充電制限値を一時的に拡大する制限解除指令を出力し、これによってモータ/ジェネレータ2の発電トルクの増大を可能とする。そして、可能となった発電トルクの増大分だけ、エンジン駆動トルクの増加量をさらに上乗せする目標エンジントルクを指令する。なお、上乗せしたエンジン駆動トルクの増加量を相殺するため、発電トルク(負トルク)もさらに上乗せする目標MGトルクを指令する。
つまり、トルク増加前制御部20fは、要求駆動トルクの増加直前タイミングになったら、バッテリ25の充電制限値が一時的に拡大したことで充電可能量を増大した分、エンジン駆動トルクの増加量を増やす。
前記要求駆動トルク検出部20gは、ハイブリッド車両に対するドライバーの要求駆動トルクの大きさを検出し、要求駆動トルクが増加したか否かを判断する。この要求駆動トルク検出部20gは、アクセル開度センサ28から入力されたアクセル開度情報と、車速センサ29から入力された車速情報と、不図示の要求駆動トルク設定マップに基づき、ドライバーの要求駆動トルクの大きさを検出する。また、検出した要求駆動トルクの単位時間当たりの増加量が所定の閾値以上であれば、要求駆動トルクが増加したと判断する。
前記トルク増加時制御部20hは、要求駆動トルク検出部20gによって要求駆動トルクの増加が検出されたとき、つまり、要求駆動トルクが増加したと判断されたとき、エンジン駆動トルクの増加出力を維持する目標エンジントルクを指令する。また、モータ/ジェネレータ2からの発電トルクを、要求駆動トルクの増加に応じて低減する目標MGトルクを指令する。これにより、エンジン1の駆動トルクは維持される一方、モータ/ジェネレータ2の発電トルクが小さくなることで、エンジン駆動トルクとの差異が生じる。そして、この差異分のエンジン駆動トルクがパワートレインの出力トルクとなる。
なお、このトルク増加時制御部20hは、要求駆動トルクに対してエンジン駆動トルクが不足する場合には、モータ/ジェネレータ2に対し、この不足分を賄う大きさのアシストトルク(正トルク)を出力させる目標MGトルクを指令する。
[出力パワー制御処理の構成]
図4は、実施例1の統合コントローラにて実行される駆動源制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、駆動源制御処理内容を示す図4のフローチャートの各ステップについて説明する。
ステップS1では、自車両が走行する予定の走行予定経路上において、要求駆動トルクが増加すると予測されたか否かを判断する。YES(要求駆動トルク増加予測あり)の場合はステップS2へ進む。NO(要求駆動トルク増加予測なし)の場合はステップS18へ進む。
ここで、要求駆動トルクの増加予測は、要求駆動トルク予測部20aにより、ドライバーの操作情報及び走行環境情報に基づいて行われる。
ステップS2では、ステップS1での要求駆動トルク増加予測ありとの判断に続き、バッテリSOCを検出し、ステップS3へ進む。
ここで、バッテリSOCの検出は、充電残量検出部20eにより、電圧センサ30及び電流センサ31の検出値に基づいて行われる。
ステップS3では、ステップS2でのバッテリSOCの検出に続き、このステップS2にて検出したバッテリSOCが予め設定した閾値SOC以上であるか否かを判断する。YES(バッテリSOC≧閾値SOC)の場合にはステップS4へ進む。NO(バッテリSOC<閾値SOC)の場合にはステップS5へ進む。
ここで、「閾値SOC」は、モータ/ジェネレータ2から十分なアシストトルク(正トルク)を出力することができると判断可能なバッテリSOCの基準値であり、任意に設定する。
ステップS4では、ステップS3でのバッテリSOC≧閾値SOCとの判断に続き、エンジン1に対して駆動トルクを所定量「A(<B)」分増加させる目標エンジントルクを指令すると共に、モータ/ジェネレータ2に対して増加分のエンジン駆動トルクを相殺する大きさの発電トルク(負トルク)を出力させる目標MGトルクを指令し、ステップS6へ進む。
ステップS5では、ステップS3でのバッテリSOC<閾値SOCとの判断に続き、エンジン1に対して駆動トルクを所定量「B(>A)」分増加させる目標エンジントルクを指令すると共に、モータ/ジェネレータ2に対して増加分のエンジン駆動トルクを相殺する大きさの発電トルク(負トルク)を出力させる目標MGトルクを指令し、ステップS6へ進む。
ステップS6では、ステップS4又はステップS5でのエンジン駆動トルクの増加出力と発電トルクの出力に続き、要求駆動トルクの増加量を予測し、ステップS7へ進む。
ここで、要求駆動トルクの増加量の予測は、トルク増加量予測部20bにより、ドライバーの操作情報及び走行環境情報に基づいて行われる。
ステップS7では、ステップS6での要求駆動トルクの増加量の予測に続き、このステップS6にて予測した予測トルク増加量が、予め設定した閾値増加量以上であるか否かを判断する。YES(予測トルク増加量≧閾値増加量)の場合にはステップS8へ進む。NO(予測トルク増加量<閾値増加量)の場合にはステップS9へ進む。
ここで、「閾値増加量」は、要求駆動トルクの増加量が大きいと判断可能な増加量の基準値であり、任意に設定する。
ステップS8では、ステップS7での予測トルク増加量≧閾値増加量との判断に続き、エンジン駆動トルクの増加量を所定量上乗せして増加させる目標エンジントルクを指令すると共に、モータ/ジェネレータ2に対して上乗せ増加分のエンジン駆動トルクを相殺する大きさの発電トルクを出力させる目標MGトルクを指令し、ステップS9へ進む。
ステップS9では、ステップS7での予測トルク増加量<閾値増加量との判断、又は、ステップS8でのエンジン駆動トルクの増加に続き、要求駆動トルクの増加時間を予測し、ステップS10へ進む。
ここで、要求駆動トルクの増加時間の予測は、トルク増加時間予測部20cにより、ドライバーの操作情報及び走行環境情報に基づいて行われる。
ステップS10では、ステップS9での要求駆動トルクの増加時間の予測に続き、このステップS9にて予測した予測トルク増加時間が、予め設定した閾値増加時間以上であるか否かを判断する。YES(予測トルク増加時間≧閾値増加時間)の場合にはステップS11へ進む。NO(予測トルク増加時間<閾値増加時間)の場合にはステップS12へ進む。
ここで、「閾値増加時間」は、要求駆動トルクの増加時間が長いと判断可能な増加時間の基準値であり、任意に設定する。
ステップS11では、ステップS10での予測トルク増加時間≧閾値増加時間との判断に続き、エンジン1に対してエンジン駆動トルクの増加量をさらに所定量上乗せして増加させる目標エンジントルクを指令すると共に、モータ/ジェネレータ2に対して上乗せ増加分のエンジン駆動トルクを相殺する大きさの発電トルクを出力させる目標MGトルクを指令し、ステップS12へ進む。
ステップS12では、ステップS10での予測トルク増加時間<閾値増加時間との判断、又は、ステップS11でのエンジン駆動トルクの増加に続き、要求駆動トルクの増加直前タイミングであるか否かを判断する。YES(増加直前タイミングである)の場合にはステップS13へ進む。NO(増加直前タイミングではない)の場合にはステップS14へ進む。
ここで、要求駆動トルクの増加直前タイミングの予測は、直前タイミング予測部20dにより、ドライバーの操作情報及び走行環境情報に基づいて行われる。
ステップS13では、ステップS12での要求駆動トルク直前タイミングであるとの判断に続き、バッテリ25に対して充電制限値を一時的に拡大する制限解除指令を出力し、エンジン1に対してエンジン駆動トルクの増加量をさらに上乗せする目標エンジントルクを指令する。そして、上乗せしたエンジン駆動トルクの増加量を相殺するため、モータ/ジェネレータ2に対して発電トルクをさらに上乗せする目標MGトルクを指令し、ステップS14へ進む。
ここで、「一時的」とは、ここでは1〜2秒間である。
ステップS14では、ステップS12での増加直前タイミングではないとの判断、又は、ステップS13でのバッテリ充電制限値の拡大に続き、ドライバーの要求駆動トルクの増加要求が生じたか否かを判断する。YES(要求駆動トルク増加要求あり)の場合にはステップS15へ進む。NO(要求駆動トルク増加要求なし)の場合にはステップS16へ進む。
ここで、要求駆動トルクの増加検出は、要求駆動トルク検出部20gにより、アクセル開度情報と車速情報と不図示の要求駆動トルク設定マップに基づいて行われる。
ステップS15では、ステップS14での要求駆動トルクの増加要求ありとの判断に続き、エンジン1に対し、エンジン駆動トルクの増加出力を維持する目標エンジントルクを指令する。また、モータ/ジェネレータ2に対し、検出された要求駆動トルクに応じて発電トルクを低減する目標MGトルクを指令し、エンドへ進む。
ここで、要求駆動トルクの大きさによって、必要に応じてエンジン駆動トルクを変動制御する目標エンジントルクを指令すると共に、モータ/ジェネレータ2からアシストトルク(正トルク)を出力する目標MGトルクを指令する。
ステップS16では、ステップS14での要求駆動トルクの増加なしとの判断に続き、「要求駆動トルクの増加発生地点」を通過後、所定時間が経過したか否かを判断する。YES(所定時間経過)の場合にはステップS17へ進む。NO(所定時間未経過)の場合にはステップS12へ戻る。
ここで、「要求駆動トルクの増加発生地点」とは、ステップS1にて予測した要求駆動トルクの増加が生じると予測された位置である。そして、自車両の現在地をGPS情報等から取得し、自車両がこの「要求駆動トルクの増加発生地点」を通過した後、所定時間が経過していれば、要求駆動トルクの増加はないとする。また、自車両がこの「要求駆動トルクの増加発生地点」を通過した後、所定時間が経過していなければ、要求駆動トルクの増加が生じる可能性があるとする。
ステップS17では、ステップS16での「要求駆動トルクの増加発生地点」を通過後、所定時間経過との判断に続き、エンジン駆動トルクを、実際の要求駆動トルクに応じて設定される通常値に戻す目標エンジントルクを指令する。また、モータ/ジェネレータ2に対し、発電トルクの出力を停止する目標MGトルクを指令する。
これにより、エンジン1の駆動トルクは要求駆動トルクに応じたものになる一方、モータ/ジェネレータ2による発電は停止し、バッテリ25への充電は停止される。
ステップS18では、ステップS1での要求駆動トルク増加予測なしとの判断に続き、ドライバーの要求駆動トルクの増加要求が生じたか否かを判断する。YES(要求駆動トルク増加要求あり)の場合にはステップS19へ進む。NO(要求駆動トルク増加要求なし)の場合にはエンドへ進む。
ここで、要求駆動トルクの増加検出は、要求駆動トルク検出部20gにより、アクセル開度情報と車速情報と不図示の要求駆動トルク設定マップに基づいて行われる。
ステップS19では、ステップS18での要求駆動トルクの増加要求ありとの判断に続き、エンジン1に対し、要求駆動トルクの大きさに応じたエンジン駆動トルクを出力させる目標エンジントルクを指令し、エンドへ進む。
ここで、必要に応じてモータ/ジェネレータ2に対し、アシストトルク(正トルク)を出力する目標MGトルクを指令する。
次に、実施例1のハイブリッド車両の制御装置における「駆動源制御作用」を説明し、その後「要求駆動トルクの増加シーンの例」を説明する。
[駆動源制御作用]
図5は、実施例1の制御装置を搭載したハイブリッド車両で加速前から加速後のアクセル開度・要求駆動トルク・エンジントルク・モータ/ジェネレータトルク・バッテリSOCの各特性を示すタイムチャートである。以下、図5に基づき、実施例1の駆動源制御作用を説明する。
アクセル足離し状態での車両走行中、図5に示すタイムチャートにおける時刻t時点において、例えばコーナー出口に向かって走行していること等に基づき要求駆動トルクの増加が予測されると、図4に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む。そして、この時刻t時点のバッテリSOCが閾値SOC以上であるか否かが判断される。ここでは、時刻t時点のバッテリSOCが閾値SOCを上回っているので、ステップS4へと進み、エンジン1の駆動トルクを所定量「A(<B)」分増加させると共に、モータ/ジェネレータ2から、増加分(A)のエンジン駆動トルクを相殺する大きさの発電トルク(負トルク)を出力させる。
これにより、エンジン駆動トルク(エンジントルク正値)と、発電トルク(モータ/ジェネレータトルク負値)とが発生する。
このとき、アクセル開度はゼロのままであるため、ドライバーの要求駆動トルクはゼロを維持する。一方、エンジン駆動トルクに対して発電トルクは、このエンジン駆動トルクを相殺する大きさに設定されるので、ハイブリッド車両のパワートレインからの出力トルク(駆動源出力トルク)はゼロとなる。すなわち、エンジン駆動トルクを出力しても、車両挙動には表れることはない。
その後、ステップS6→ステップS7へと進み、予測トルク増加量が閾値増加量以上にあればステップS8へと進み、エンジン駆動トルクの増加量をΔx分上乗せする。また、発電トルクもエンジン駆動トルクが増加した分(Δx)上乗せする。
さらに、ステップS9→ステップS10へと進み、予測トルク増加時間が閾値増加時間以上にあればステップS11へと進み、エンジン駆動トルクの増加量をさらにΔy分上乗せする。また、発電トルクもエンジン駆動トルクが増加した分(Δy)上乗せする。
時刻t時点において、要求駆動トルクの増加直前タイミングであると判断すれば、ステップS12→ステップS13へと進み、バッテリ25の充電制限値を一時的に拡大し、通常時の充電制限値以上に充電可能とする。そして、エンジン駆動トルクの増加量をさらにΔz分上乗せする。また、発電トルクもエンジン駆動トルクが増加した分(Δz)上乗せする。
これにより、モータ/ジェネレータ2による発電量は増加するが、バッテリ25の充電制限値が拡大しているので、バッテリSOCは通常時の充電制限値以上に増加可能である。
時刻t時点において、アクセルペダルが踏み込み操作されると、アクセル開度が増加し、これに伴ってドライバーの要求駆動トルクが増加する。そのため、ステップS14においてYESと判断され、ステップS15へ進んで、エンジン駆動トルクの増加出力を維持したまま、要求駆動トルクに応じて発電トルクを低減する。
ここで、ハイブリッド車両のパワートレインの出力トルクは、エンジントルクとモータ/ジェネレータトルクの合計値であり、エンジン駆動トルク(正トルク)に対して発電トルク(負トルク)を低減することで、このエンジン駆動トルクと発電トルクとの差が、パワートレインの出力トルクとして左右後輪7a,7bへと伝達される。
このとき、エンジン駆動トルクは一定値を維持し、モータ/ジェネレータトルク(発電トルク)の変動によってパワートレインの出力トルクの変動は決まる。すなわち、要求駆動トルクの増加に対するパワートレインの出力トルクの応答性は、モータ/ジェネレータ2の応答性に依存するが、モータ/ジェネレータ2の応答性はエンジン1の応答性よりも高い。そのため、比較的応答性の高いモータ/ジェネレータトルクの制御によって、パワートレインの出力トルクを制御することができ、要求駆動トルクの増加に対する応答性を確保することができる。
そして、これにより、応答性の比較的低いエンジン1を搭載したハイブリッド車両であっても、要求駆動トルクの増加に対する応答性を確保することができ、エンジン1の小型化を図ることができる。
また、過給機を有するいわゆるターボエンジンを搭載したハイブリッド車両であっても、過給を効かせた状態でエンジン待機することができ、ターボラグの発生を防止して、要求駆動トルクの増加に対する応答性を確保することができる。
さらに、要求駆動トルクの増加に対し、エンジン駆動トルクによって対応するため、モータ/ジェネレータ2やインバータ24、バッテリ25の小型化を図ることができる。
すなわち、応答性を確保するために、比較的応答性高いモータ/ジェネレータトルクのみで要求駆動トルクの増加に対応することが考えられる。しかし、この場合では、モータ/ジェネレータ2の出力トルクをある程度担保しなければならず、モータ/ジェネレータ2やインバータ24が大型化するという問題が生じる。しかも、モータ駆動トルクが大きくなるため、バッテリSOCも十分確保する必要があり、バッテリ25も大型化してしまう。
これに対し、実施例1では、応答性についてはモータ/ジェネレータトルクの制御によって対応するものの、エンジン駆動トルクを増加出力している。このため、大きなモータ/ジェネレータトルクを担保する必要はなく、モータ/ジェネレータ2やインバータ24の小型化を図ることができる。さらに、モータ/ジェネレータ2からのアシストトルクも抑制することができるので、バッテリ25に常時大きな電力を蓄積することができない場合であっても適用可能となる。
さらに、この実施例1では、時刻t時点において、モータ/ジェネレータ2による発電を停止すると同時に、モータ/ジェネレータ2からアシストトルク(正トルク)を出力し、パワートレインの出力トルクをエンジン駆動トルク以上とする。
これにより、パワートレインの出力トルクを、要求駆動トルクに応じた大きさにすることができ、ドライバーの要求に応えることができる。
また、この実施例1では、時刻t以前のように、ドライバーの要求駆動トルクの増加を予測していない状態では、エンジン駆動トルクを増加出力することはない。つまり、この場合では、ステップS1→ステップS18→ステップS19へと進み、実際に要求駆動トルクの増加を検出した段階で、エンジントルク及びモータ/ジェネレータトルクを制御する。
これにより、エンジン駆動トルクを増加出力すると共に、このエンジン駆動トルクの増加分を相殺する発電トルクを出力してバッテリ25を充電する、といった制御は、要求駆動トルクの増加を予測したシーンに限って行うことができる。
そのため、発電時間を短縮してバッテリSOCが必要以上に増加することを防止でき、必要なシーンでエンジン駆動トルクの増加を図ることができる。また、不必要な発電を抑制することができて、燃費の悪化を抑えることができる。さらに、フューエルカット制御を行っている場合であっても、要求駆動トルクの増加を予測したときには、エンジン駆動トルクの増加と、発電トルクによる相殺といった制御が行われるため、アクセルオフからの加速といった走行シーンであっても、要求駆動トルクの増加に対する応答性を確保することができる。
そして、この実施例1では、要求駆動トルクの予測増加量が、閾値増加量以上のときには、エンジン駆動トルクの増加量を上乗せする。そのため、エンジン駆動トルクを予め大きく指令することができる。そして、大きな要求駆動トルクの増加要求が生じても、パワートレインの出力トルクを実際の要求駆動トルクに速やかに合わせることができ、要求駆動トルクの増加に対する応答性を確保することができる。
また、この実施例1では、要求駆動トルクの予測増加時間が、閾値増加時間以上のときには、エンジン駆動トルクの増加量を上乗せする。そのため、モータ/ジェネレータ2による発電量を増加することができ、要求駆動トルクの増加前に、バッテリSOCを増大させておくことができる。そして、ドライバーの要求駆動トルクの増加時にモータ/ジェネレータ2からのアシストトルクが必要になっても、このアシストトルクの出力を長時間継続することができる。
また、この実施例1では、要求駆動トルクの増加開始の予測直前タイミングになったら、バッテリ25の充電制限値を一時的に大きくする。そして、モータ/ジェネレータ2からの発電トルクの増大を可能とし、エンジン駆動トルクの増加量を増やす。これにより、一時的であってもエンジン駆動トルクを増加させることができて、要求駆動トルクの増加が発生したときのパワートレインの出力トルクを大きくすることができる。この結果、ドライバーのトルク増加要求に対する応答性をさらに向上することができる。
さらに、この実施例1では、要求駆動トルクの増加が予測されたときのバッテリSOCが少ないときには、このバッテリSOCが多いときよりも、エンジン駆動トルクの増加量を大きい値に設定する。これにより、バッテリSOCが低いときにはモータ/ジェネレータ2による発電量を増加することができ、要求駆動トルクの増加前に、バッテリSOCを増大させておくことができる。そして、ドライバーの要求駆動トルクの増加時にモータ/ジェネレータ2からのアシストトルクが必要になっても、このアシストトルクを十分に出力することができる。
そして、実施例1では、要求駆動トルク予測部20aと、トルク増加量予測部20bと、トルク増加時間予測部20cと、直前タイミング予測部20dは、いずれもドライバー操作検出システム32からのドライバーの操作情報と、走行環境検出システム33からの走行環境情報に基づいて、必要な情報を予測する。そのため、既存の情報取得システムから予測に必要な情報を取得することができ、コストをかけることなく要求駆動トルクの増加有無等の各種の情報を適切に予測することができる。
なお、ドライバーの手動操作によって操作されるスイッチの操作状態に基づいて必要情報を予測する場合では、ドライバーの意思で要求駆動トルクの増加に対する応答性向上のための準備を行うことができ、適切なタイミングでエンジントルクやモータ/ジェネレータトルクの制御を行うことができる。
[要求駆動トルクの増加シーンの例]
図6は、ドライバーの要求駆動トルクが増加するシーンを示した説明図であり、(a)はコーナー出口シーンを示し、(b)は登り坂シーンを示し、(c)は追い越しシーンを示し、(d)は合流シーンを示し、(e)は交差点右折シーンを示し、(f)はローンチ発進シーンを示す。図7は、実施例1の制御装置を搭載したハイブリッド車両におけるローンチ発進時のアクセル開度・ブレーキ踏力・エンジントルク・モータ/ジェネレータトルク・車速の各特性を示すタイムチャートである。以下、図6及び図7に基づき、要求駆動トルクの増加シーンの例を説明する。
ドライバーの要求駆動トルクが増加するシーンとは、一般的には現状よりも加速が求められるシーンである。すなわち、図6(a)に示すようなコーナー出口に向かって走行するシーンや、図6(c)に示すような前方車両を追い越すシーン、図6(e)に示すような交差点で停止している状態から右折するシーンである。また、図6(b)に示す登り坂を走行するシーンは、車両負荷が増加するため、車速は一定であってもドライバーの要求駆動トルクが増加するシーンである。なお、図6(e)では右折シーンを示しているが、左折する場合であってもドライバーの要求駆動トルクは増加する。
また、要求駆動トルクが増加するときの増加量は、同様の走行シーンであっても異なることが分かっている。例えば、図6(b)に示す登り坂を走行するシーンでは、登り坂の勾配がきついほど、要求駆動トルクの増加量は大きくなる。また、図6(c)に示す追い越しシーンにおいて追い越し車線に後続車両が存在したり、図6(d)に示す合流シーンにおいて合流車線に後続車両が存在したりすれば、車線変更後に後続車両が存在しない場合よりも加速することが想定され、要求駆動トルクの増加量は大きくなる。また、図6(d)に示す合流シーンにおいて合流車線が比較的短い場合にも、要求駆動トルクの増加量は大きくなる。さらに、図6(f)に示すローンチ発進シーンでは、アクセルペダルを最大限踏み込んでいることが一般的であるため、要求駆動トルクの増大量は設定上最大となる。
なお、「ローンチ発進」とは、停止している状態から最大駆動トルクで発進することである。
さらに、要求駆動トルクが増加するときの増加時間についても、走行シーンが同様であっても異なる。例えば、図6(b)に示す登り坂を走行するシーンでは、登り坂の距離が長いほど、要求駆動トルクの増加時間は長くなる。また、図6(d)に示す合流シーンにおいて合流車線が高速道路であれば、一般道と比べて要求駆動トルクの増加時間は長くなる。
次に、要求駆動トルクの増加シーンの予測方法の例を列挙する。
(a) コーナー出口シーン
・ナビゲーションシステムから取得した地図情報と、GPSシステムから取得した自車両の位置情報に基づいて予測する。
・加速要求を報知する専用スイッチをドライバーがON操作することで予測する。
(b) 登り坂シーン
・ナビゲーションシステムから取得した地図情報と、GPSシステムから取得した自車両の位置情報に基づいて予測する。
・加速要求を報知する専用スイッチをドライバーがON操作することで予測する。
(c) 追い越しシーン
・加速要求を報知する専用スイッチをドライバーがON操作することで予測する。
・Gセンサから所定値以上の横Gの発生を検出すると共に、ウインカー操作を検出することで予測する。
(d) 合流シーン
・ナビゲーションシステムから取得した地図情報と、GPSシステムから取得した自車両の位置情報に基づいて予測する。
・加速要求を報知する専用スイッチをドライバーがON操作することで予測する。
・ETC車載器によってETCレーンを通過したことを検知したことで予測する。
(e) 交差点右折シーン
・ナビゲーションシステムから取得した地図情報と、GPSシステムから取得した自車両の位置情報に加え車速情報に基づいて予測する。
・ナビゲーションシステムから取得した地図情報と、GPSシステムから取得した自車両の位置情報に加え、ウインカー操作を検出したことで予測する。
(f) ローンチ発進シーン
・アクセル開度とブレーキ踏力が所定値以上であって、車速情報から停車状態が判定できることで予測する。
なお、ローンチ発進シーンでは、要求駆動トルクが設定上最大値と予測し、バッテリ25の充電制限値を拡大する。つまり、図7に示すように、時刻t10時点において、ブレーキペダルが踏まれている状態でアクセルペダルが踏み込まれたら、ローンチ発進状態であり、要求駆動トルクの増加が予測されるとして、エンジン駆動トルク(正エンジントルク)を出力する。また、このエンジン駆動トルクを相殺するため、モータ/ジェネレータ2から発電トルク(負モータ/ジェネレータトルク)を出力する。ここで、エンジン駆動トルクと発電トルクは、それぞれ最大値に設定される。
そして、時刻t11時点において、ブレーキ踏力がゼロになると、要求駆動トルクが増加したとして、発電トルクを低減する。この場合、アクセルペダルは最大限に踏み込まれているので、ドライバーの要求駆動トルクは設定上最大である。そのため、モータ/ジェネレータ2による発電を停止するだけでなく、このモータ/ジェネレータ2からアシストトルク(正モータ/ジェネレータトルク)を出力することで、ドライバーの要求駆動トルクに対応することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジン1と、
前記エンジン1に連結したモータ/ジェネレータ2と、
前記モータ/ジェネレータ2によって発電された電力を蓄えるバッテリ25と、
前記エンジン1及び前記モータ/ジェネレータ2のトルクを制御する駆動源制御手段(統合コントローラ20と、を備え、
前記駆動源制御手段(統合コントローラ20)は、
ドライバーの要求駆動トルクの増加を予測する要求駆動トルク予測部20aと、
前記要求駆動トルクの増加が予測されたとき、前記エンジン1の駆動トルクを増加すると共に、前記モータ/ジェネレータ2から増加分のエンジン駆動トルクを相殺する大きさの発電トルクを出力して前記バッテリ25を充電するトルク増加前制御部20fと、
前記ドライバーの要求駆動トルクの増加を検出する要求駆動トルク検出部20gと、
前記要求駆動トルクの増加が検出されたとき、前記エンジン駆動トルクを増加出力したまま、前記モータ/ジェネレータ2からの発電トルクを前記要求駆動トルクの増加に応じて低減するトルク増加時制御部20hと、
を有する構成とした。
これにより、エンジントルク及びモータ/ジェネレータトルクの制御を適切に行い、要求駆動トルクの増加に対する応答性を確保することができる。
(2) 前記駆動源制御手段(統合コントローラ20)は、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加量を予測するトルク増加量予測部20bを有し、
前記トルク増加前制御部20fは、前記要求駆動トルクの予測増加量が大きいときには、前記要求駆動トルクの予測増加量が小さいときよりも、前記エンジン駆動トルクの増加量を大きい値に設定する構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、エンジン駆動トルクを予め大きく指令することができ、大きな要求駆動トルクの増加要求が生じても、要求駆動トルクの増加に対する応答性を確保することができる。
(3) 前記駆動源制御手段(統合コントローラ20)は、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加時間を予測するトルク増加時間予測部20cを有し、
前記トルク増加前制御部20fは、前記要求駆動トルクの予測増加時間が長いときには、前記要求駆動トルクの予測増加時間が短いときよりも、前記エンジン駆動トルクの増加量を大きい値に設定する構成とした。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、要求駆動トルクの増加前にバッテリSOCを増大させておくことができ、要求駆動トルクの増加に伴って必要となったモータ/ジェネレータ2からのアシストトルクの出力を長時間継続することができる。
(4) 前記駆動源制御手段(統合コントローラ20)は、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加開始の直前タイミングを予測する直前タイミング予測部20dを有し、
前記トルク増加前制御部20fは、前記要求駆動トルクの増加開始の予測直前タイミングになったら、前記バッテリ25の充電制限値を一時的に大きくして前記モータ/ジェネレータ2からの発電トルクの増大を可能とし、前記エンジン駆動トルクの増加量を増やす構成とした。
これにより、(1)から(3)のいずれかの効果に加え、一時的であってもエンジン駆動トルクを増加させることができて、ドライバーのトルク増加要求に対する応答性をさらに向上することができる。
(5) 前記駆動源制御手段(統合コントローラ20)は、前記バッテリ25の充電残量(バッテリSOC)を検出する充電残量検出部20eを有し、
前記トルク増加前制御部20fは、前記要求駆動トルクの増加が予測されたときの前記バッテリ25の充電残量(バッテリSOC)が少ないときには、前記バッテリ25の充電残量(バッテリSOC)が多いときよりも、前記エンジン駆動トルクの増加量を大きい値に設定する構成とした。
これにより、(1)から(4)のいずれかの効果に加え、要求駆動トルクの増加前にバッテリSOCを増大させておくことができ、要求駆動トルクの増加に伴って必要となったモータ/ジェネレータ2からのアシストトルクの出力を長時間継続することができる。
(6) 前記要求駆動トルク予測部20aは、前記ドライバーの操作情報又は車両の走行環境情報に基づいて、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加を予測する構成とした。
これにより、(1)から(5)のいずれかの効果に加え、コストをかけることなくドライバーの要求駆動トルクの増加を適切に予測することができる。
(7) 前記トルク増加量予測部20bは、前記ドライバーの操作情報又は車両の走行環境情報に基づいて、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加量を予測する構成とした。
これにより、(2)の効果に加え、コストをかけることなくドライバーの要求駆動トルクの増加量を適切に予測することができる。
(8) 前記トルク増加時間予測部20cは、前記ドライバーの操作情報又は車両の走行環境情報に基づいて、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加時間を予測する構成とした。
これにより、(3)の効果に加え、コストをかけることなくドライバーの要求駆動トルクの増加時間を適切に予測することができる。
(9) 前記直前タイミング予測部20dは、前記ドライバーの操作情報又は車両の走行環境情報に基づいて、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加開始の直前タイミングを予測する構成とした。
これにより、(4)の効果に加え、コストをかけることなくドライバーの要求駆動トルクの増加開始の直前タイミングを適切に予測することができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、ドライバー操作検出システム32と走行環境検出システム33とを有した例を示したが、これに限らない。いずれか一方の検出システムのみを有するものであっても、要求駆動トルクの増加を予測するための必要情報を取得できればよい。
また、実施例1では、アクセル開度がゼロの状態で要求駆動トルクの増加が予測された場合についての例を示したが、これに限らない。アクセルが踏み込まれた走行中、さらなる要求駆動トルクの増加が予測された場合であっても、本発明を適用することができる。この場合であっても、エンジン駆動トルクを増加する一方、この増加分のエンジン駆動トルクを相殺する大きさの発電トルクを出力することで、要求駆動トルクの増加前におけるパワートレイン出力トルクの収支を成立させる。
そして、上述の実施例では、ハイブリッド車両として後輪駆動ベースの4輪駆動ハイブリッド車両とする例を示したが、例えば、FRハイブリッド車両やFFハイブリッド車両であってもよいし、エンジンとモータ/ジェネレータの間に遊星歯車機構からなる動力分割装置を配置したハイブリッド車両であってもよい。さらに、プラグインハイブリッド車両であってもよい。すなわち、駆動源にエンジンとモータ/ジェネレータを有するハイブリッド車両であれば、本発明の制御装置を適用することができる。
1 エンジン
2 モータ/ジェネレータ
20 統合コントローラ(駆動源制御部)
20a 要求駆動トルク予測部
20b トルク増加量予測部
20c トルク増加時間予測部
20d 直前タイミング予測部
20e 充電残量検出部
20f トルク増加前制御部
20g 要求駆動トルク検出部
20h トルク増加時制御部
21 エンジンコントローラ
22 モータコントローラ
24 インバータ
25 バッテリ
28 アクセル開度センサ
29 車速センサ
32 ドライバー操作検出システム
33 走行環境検出システム

Claims (9)

  1. エンジンと、
    前記エンジンに連結したモータ/ジェネレータと、
    前記モータ/ジェネレータによって発電された電力を蓄えるバッテリと、
    前記エンジン及び前記モータ/ジェネレータのトルクを制御する駆動源制御手段と、を備え、
    前記駆動源制御手段は、
    ドライバーの要求駆動トルクの増加を予測する要求駆動トルク予測部と、
    前記要求駆動トルクの増加が予測されたとき、前記エンジンの駆動トルクを増加すると共に、前記モータ/ジェネレータから増加分のエンジン駆動トルクを相殺する大きさの発電トルクを出力して前記バッテリを充電するトルク増加前制御部と、
    前記ドライバーの要求駆動トルクの増加を検出する要求駆動トルク検出部と、
    前記要求駆動トルクの増加が検出されたとき、前記エンジン駆動トルクを増加出力したまま、前記モータ/ジェネレータからの発電トルクを前記要求駆動トルクの増加に応じて低減するトルク増加時制御部と、
    前記ドライバーの要求駆動トルクの増加開始の直前タイミングを予測する直前タイミング予測部と、を有し、
    前記トルク増加前制御部は、前記要求駆動トルクの増加開始の予測直前タイミングになったら、前記エンジン駆動トルクの増加量を増やす
    ことを特徴とするハイブリット車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記駆動源制御手段は、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加量を予測するトルク増加量予測部を有し、
    前記トルク増加前制御部は、前記要求駆動トルクの予測増加量が大きいときには、前記要求駆動トルクの予測増加量が小さいときよりも、前記エンジン駆動トルクの増加量を大きい値に設定する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記駆動源制御手段は、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加時間を予測するトルク増加時間予測部を有し、
    前記トルク増加前制御部は、前記要求駆動トルクの予測増加時間が長いときには、前記要求駆動トルクの予測増加時間が短いときよりも、前記エンジン駆動トルクの増加量を大きい値に設定する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記トルク増加前制御部は、前記要求駆動トルクの増加開始の予測直前タイミングになったことで前記エンジン駆動トルクの増加量を増やすとき、前記バッテリの充電制限値を一時的に大きくして前記モータ/ジェネレータからの発電トルクの増大を可能とする
    ことを特徴とするハイブリット車両の制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記駆動源制御手段は、前記バッテリの充電残量を検出する充電残量検出部を有し、
    前記トルク増加前制御部は、前記要求駆動トルクの増加が予測されたときの前記バッテリの充電残量が少ないときには、前記バッテリの充電残量が多いときよりも、前記エンジン駆動トルクの増加量を大きい値に設定する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記要求駆動トルク予測部は、前記ドライバーの操作情報又は車両の走行環境情報に基づいて、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加を予測する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  7. 請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記トルク増加量予測部は、前記ドライバーの操作情報又は車両の走行環境情報に基づいて、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加量を予測する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  8. 請求項3に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記トルク増加時間予測部は、前記ドライバーの操作情報又は車両の走行環境情報に基づいて、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加時間を予測する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  9. 請求項4に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記直前タイミング予測部は、前記ドライバーの操作情報又は車両の走行環境情報に基づいて、前記ドライバーの要求駆動トルクの増加開始の直前タイミングを予測する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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