図1は、医療用診療装置1の概略斜視図を示す。図2は、歯科診療用インスツルメント20の説明図を示し、図2(a)は歯科診療用インスツルメント20の平面図を示し、図2(b)は歯科診療用インスツルメント20の側面図を示す。なお、図2(b)では、歯科診療用インスツルメント20を構成するマイクロモータハンドピース30(以下「ハンドピース30」とする。)の内部構造の概略を示している。
本実施例の説明では、マイクロモータハンドピースの例であるので、モータユニットを接続しているが、エアータービンハンドピースや他のハンドピースでは、他の接続用接手が使用されることは言うまでも無い。モータユニットや他の接続用接手を総称して接続ユニット40という。本実施例では、マイクロモータハンドピースを基にして説明するが、ハンドピースは各種ある。また、各種の医療用施術具(ハンドピース)を接続ユニット40に接続したものをまとめてインスツルメントと表現する。
図3は、ハンドピース30と接続ユニット40との接続を解除した状態の歯科診療用インスツルメント20の概略説明図を示している。より詳しくは、図3(a)は歯科診療用インスツルメント20との接続を解除したハンドピース30と接続ユニット40との側面図を示し、図3(b)はハンドピース30の後端面を表した背面図を示し、図3(c)は接続ユニット40の先端面を表した正面図を示している。また、図3(a)では、ハンドピース30の後端部分であるハンドピース側接続部34および接続ユニット40の先端部分であるユニット側接続部45については部分断面を示している。
ここで、歯科診療用インスツルメント20の長手方向に沿ってハンドピース30がある方向(図3中左側)を先方とし、接続ユニット40がある方向(図3中右側)を後方とする。
図4はオートクレーブ80の説明図を示しており、図4(a)はオートクレーブ80の概略斜視図を示し、図4(b)は滅菌装置側接続部86の滅菌装置側接続面861の正面図を示している。図5は医療用診療装置1のブロック図を示し、図6はRFIDタグ50とRFIDリーダライタ60のブロック図を示す。
図7は、ハンドピース30と接続ユニット40とを接続する際の施術操作制御本体10の動作のフローチャートを示す。図8は、図7において、ハンドピース30が滅菌処理されている場合の施術操作制御本体10の動作を示すフローチャートを示している。一方で図9は、図7においてハンドピース30が滅菌処理されていない場合の、施術操作制御本体10の動作を示すフローチャートを示している。図10は、ハンドピース30の滅菌処理におけるハンドピース30とオートクレーブ80の動作を示すフローチャートを示している。
なお、図7乃至図9は左にハンドピース30の動作を示すフローチャートを、右に施術操作制御本体10の動作を示すフローチャートを示し、図10においては、左にハンドピース30の動作を示すフローチャートを、右にオートクレーブ80の動作を示すフローチャートを示している。
医療用診療装置1は、図1および図5に示すように、施術操作制御本体10および歯科診療用インスツルメント20を備えたチェアーユニット70で構成している。また、チェアーユニット70と別個に設けられたオートクレーブ80(図4参照)は別室に設置している。ここで、医療用機器本体は、施術操作制御本体10と、後述する接続ユニット40とを備えたチェアーユニット70に対応し、滅菌装置はオートクレーブ80に対応する。
なお、図4に記載される滅菌装置としてのオートクレーブ80は、一般に、前記医療用診療装置を構成するチェアーユニット70とは別個に設けられるものであり、本発明の医療用診療装置1の必須構成ではない。
施術操作制御本体10は、図1および図5に示すように、歯科診療用インスツルメント20などの動作設定や報知動作の設定などの操作を行う操作パネル15と、操作パネル15に備わる本体側報知装置16と、操作パネル15の背面側に備わるモニタ17と、操作パネル15の側部に備えたトレーテーブル18と、操作パネル15の正面下方に位置する歯科診療用インスツルメント20を保持するホルダ19とを備え、操作パネル15の内部には、CPUとROMで構成した処理装置制御部11と、処理装置制御部11と接続された本体側記憶装置14とを有している。
処理装置制御部11は、図5に示すように、本体側制御部12とハンドピース側制御部13とで構成されており、本体側制御部12は以下の機能的構成を備えている。
本体側制御部12は、本体側電力供給制御部12aと、本体側通信制御部12bと、本体側駆動制御部12cと、本体側報知動作処理部12dと、施術判定処理部12eと、本体側情報更新制御部12fと、接続判定部12gと、接続報知動作制御部12hとを備える。
本体側電力供給制御部12aは、施術操作制御本体10を起動することにより、後述する接続ユニット40に備えたRFIDリーダライタ60への電流の供給を制御する電力供給用プログラムを後述する本体側プログラム記憶部14eから読み取り、実行する。この本体側電力供給制御部12aの制御により、RFIDリーダライタ60から後述するハンドピース30に備えたRFIDタグ50に電力を供給するための電波を発信する。
なお、本実施例において、施術操作制御本体10を起動することで電力供給プログラムを読み取り実行する構成としているが、この構成に限定されるわけではなく、例えば、電力供給プログラムを読み取る動作なく、施術操作制御本体10を起動することでRFIDリーダライタ60に電流を流して電力供給用電波を発信する構成とすることもできる。
本体側通信制御部12bは、ハンドピース30から発せられた所定の電波を受信することにより、ハンドピース30から送信された例えばハンドピース30の使用履歴に関する情報である使用履歴情報Hや、ハンドピース30を識別する情報である識別子情報Lなどの情報を受信して本体側記憶装置14に保存する制御を行う情報受信用プログラムを、本体側プログラム記憶部14eから読み込んで実行する。また、本体側通信制御部12bは後述するハンドピース側報知動作制御部13bで発信する制御信号などをハンドピース30に送信する制御を行う情報送信用プログラムを、本体側プログラム記憶部14eから読み込んで実行する。
駆動防止機構に対応する本体側駆動制御部12cは、後述するハンドピース30が滅菌処理されたかを判定処理した結果である判定処理情報Dと識別子情報Lとを本体側記憶装置14から読み込むとともに、読み込まれた判定処理情報Dと識別子情報Lに基づいて、ハンドピース30の駆動条件を読み込む制御をするとともに、ハンドピース30に対応した歯科診療用インスツルメント20の動作を制御する駆動用プログラムを本体側プログラム記憶部14eから読み込んで実行する。
具体的には、駆動用プログラムには、ハンドピース30が滅菌処理されていると判定された場合には、ハンドピース30に対応した駆動条件に基づいて駆動するプログラムが組み込まれており、ハンドピース30が滅菌処理されていないと判定された場合には、歯科診療用インスツルメント20の駆動を禁止するプログラムが組み込まれている。
したがって、本体側駆動制御部12cの制御により、ハンドピース30が滅菌処理されている場合においては、ハンドピース30は所定の駆動条件で駆動できる。一方、ハンドピース30が滅菌処理されていない場合には、歯科診療用インスツルメント20の駆動を禁止する。
本体側報知動作処理部12dは、判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dに記憶する記憶処理やその他の信号を受けることにより、判定処理情報Dやその他の情報に応じた本体側報知装置16の報知動作を制御する制御信号を報知設定記憶部14gから読み込んで送信する本体側報知用プログラムを本体側プログラム記憶部14eから読み込んで実行する。
施術判定処理部12eは、施術者が後述するフートコントローラ74を踏む操作などの歯科診療用インスツルメント20の駆動命令を受けることで、歯科診療用インスツルメント20を施術に用いて駆動した際にかかる抵抗電流値と、施術していない場合の抵抗電流値とを計測し、比較することで歯科診療用インスツルメント20が施術に使われているか否かを判定する施術動作判定用プログラムを、本体側プログラム記憶部14eから読み込んで実行する。これにより、ハンドピース30(切削回転工具5)が施術に使用されているか否かを判定することができる。
本体側情報更新制御部12fは、使用履歴情報Hなどの施術操作制御本体10に送信された情報を、後述する本体側記憶装置14から読み出すとともに、新たな情報として書き込みまたは書き換えをして本体側記憶装置14に保存するとともに、必要に応じて保存された情報をハンドピース30に送信する送信命令を発する制御部である。
接近検出部に対応する接続判定部12gは、ハンドピース30のハンドピース側接続部34と接続ユニット40の先端に形成されるユニット側接続部45とが所定の距離まで接近したことや、ハンドピース30と接続ユニット40とが接続したこと、ハンドピース30と接続ユニット40との接続が解除されたことを判定処理する判定部であり、施術操作制御本体10を起動することで、後述する接近検知センサー455から得られる情報を解析してハンドピース30と接続ユニット40との接近および接続を判定処理する接近・接続判定プログラムを読み込んで実行する。
接続報知動作制御部12hは、接続判定部12gでの判定処理結果を受けて、その判定処理結果に応じた所定の報知動作を制御する接続報知用プログラムを読み込み、実行する。
ハンドピース側制御部13は以下の機能的構成を備えている。
ハンドピース側制御部13は、図5に示すように、滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hとを比較判定する滅菌処理判定処理部13aと、報知動作を制御するハンドピース側報知動作制御部13bと、滅菌処理回数情報Cと交換基準情報とを比較判定し、滅菌処理回数に応じて所定の報知動作を制御する交換報知動作制御部13cとで構成する。
本体側報知動作処理部12dとハンドピース側報知動作制御部13bとともに制御部に対応する滅菌処理判定処理部13aは、本体側記憶装置14に記憶された滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hとを読み出して比較して、RFIDタグ50を備えたハンドピース30が滅菌処理を行ったか否かを判定処理するとともに、判定処理の結果である判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dに記憶する滅菌処理判定プログラムを読み込んで実行する。
ハンドピース側報知動作制御部13bは、滅菌処理判定処理部13aが判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dに記憶する制御を行ったことを受けて、判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dから読み込むとともに、判定処理情報Dに対応する報知動作を制御する制御信号を報知設定記憶部14gから読み込んで、ハンドピース側に発信するハンドピース側報知信号送信プログラムを実行する。また、ハンドピース30と接続ユニット40との接近・接続に関する情報などを受信することでも、対応する報知動作を制御する制御信号を接近報知動作記憶部14hから読み込んで、ハンドピース側に発信するハンドピース側接続報知信号送信プログラムを、後述する本体側プログラム記憶部14eから読み込んで実行する。
交換報知動作制御部13cは、ハンドピース30が滅菌済であることの識別が接続前に接続ユニットで確認した後に、接続ユニット40と接続されて電力が供給されることで、滅菌処理回数情報Cと交換基準情報とを読み込むとともに、交換基準情報に含まれる交換が推奨される基準回数と滅菌処理回数とを比較判定する判定処理と、その判定結果に基づいて所定の報知動作とを制御する回数比較プログラムを本体側プログラム記憶部14eから読み込み、実行する。
本体側記憶装置14は、HDDやSSDなどで構成されており、接続ユニット40に接続したハンドピース30の型番や滅菌処理を行う条件などの情報を記憶するハンドピース識別情報記憶部14aと、歯科診療用インスツルメント20に対応した駆動条件などの情報である駆動情報を記憶する駆動制御情報記憶部14bと、ハンドピース30の使用履歴情報Hを記憶するハンドピース履歴情報記憶部14cと、滅菌処理判定処理部13aで判定した結果である辺帝処理情報Dを記憶する判定処理情報記憶部14d、判定などを行うに当たって用いられる各種プログラムを記憶する本体側プログラム記憶部14eと、患者の施術の履歴などのカルテ情報を記憶する施術履歴情報記憶部14fと、本体側報知装置16およびハンドピース側報知部35での報知動作を記憶する報知設定記憶部14gと、接続ユニット40がハンドピース30の後端部に接近した場合における報知動作の制御信号を記憶する接近報知動作記憶部14hと、ハンドピース30が耐えうる滅菌処理の回数の情報である交換基準情報を記憶する交換基準情報記憶部14iとで構成される(図5参照)。
操作パネル15は、図1に示すように、トレーテーブル18の正面側に設置された所定の操作入力を行う入力部である。なお、操作パネル15は、タッチスクリーンやポインティングスティック、あるいはスイッチ等で構成している。また、マウスなどの適宜の入力デバイスを備えてもよい。
報知部および接近報知部に対応する本体側報知装置16は、本体側報知動作処理部12dの処理により所定の報知動作を行う報知装置であり、施術操作制御本体10(モニタ17)を正面視した場合において、操作パネル15の左側に設置されている。
具体的には、ブザーなどの音声を出力する出力部である本体側音声出力部16a、LEDライトを点灯または点滅させることにより視覚的に報知する本体側光出力部16bおよび、判定結果を表示する本体側報知モニタ16cとで構成されている。なお、本体側報知装置16は、各種のハンドピース毎にホルダ19の適所にそれぞれ設けても良い。
モニタ17は、図1に示すように、操作パネル15の背面側に備えた表示部であり、例えば、施術履歴情報記憶部14fに記憶する患者の性別や年齢、前回の治療日などのカルテ情報や、図示しないX線撮影装置により撮像し生成した施術の対象となる歯牙に関するX線画像、X線画像と口腔内カメラ(図示省略)で撮影した歯牙画像などを表示する。
トレーテーブル18は、外枠に比べて少し窪んだ平らな平面16aを上面内側に有するトレーテーブルであり、上面に例えば接続ユニット40に接続する前のハンドピース30や切削回転工具5などの施術具、操作パネル15の構成として機能するマウスなど置くことができる(図1参照)。
操作パネル15の正面側に設けられたホルダ19は、図1に示すように、歯科診療用インスツルメント20を配置するハンドピースホルダーである。
また、歯科診療用インスツルメント20は、図2および図3に示すように、チェアーユニット70と接続チューブ44を介して接続されている接続ユニット40と、医療用施術具に対応するハンドピース30とを着脱自在に連結して構成しており、接続ユニット40と接続するハンドピース30の接続部分であるハンドピース側接続部34にはRFIDタグ50が、ハンドピース30と接続する接続ユニット40の接続部分であるユニット側接続部45には、RFIDリーダライタ60がそれぞれ設けられている。
ハンドピース30は、図2および図5に示すように、手指によって把持される把持部31と、把持部31と連接された細径のネック部32と、ネック部32に連接されたヘッド部33とが後方からこの順に配置されており、ハンドピース30の後端部分には接続ユニット40と接続するハンドピース側接続部34が構成されている。
把持部31は、図2に示すように、金属性の筒状の把持部外装カバー31aで覆われるとともに、把持部外装カバー31aの周面にはハンドピース側報知部35を備える。
報知部および接近報知部に対応するハンドピース側報知部35は、ハンドピース側報知部35を備えたハンドピース30が滅菌処理を行ったか否かの判定結果に基づいて、所定の報知動作を実行する報知部であり、ブザー音やメロディなどの音により報知するハンドピース側音声出力部35aと、光出力部に対応するLEDライトを点灯や点滅することにより報知するハンドピース側光出力部35bとで構成される。
なお、施術操作制御本体10及びハンドピース30の報知動作は、操作パネル15を操作することにより設定し、報知設定記憶部14gや接近報知動作記憶部14hに記憶することができる。
把持部31の内部には、図2(b)に示すように、接続された接続ユニット40の内部に内蔵されたマイクロモータ41の出力軸41aに連結され、マイクロモータ41の回転に伴って回転する41aと接続することにより軸回転可能に構成された第一駆動伝達軸311を配置している。
ネック部32は、金属製の筒状のネック部外装カバー32aで覆われるとともに、内部には第二駆動伝達軸321及び第三駆動伝達軸322が後方からこの順で配置されている。第三駆動伝達軸322と第二駆動伝達軸321は、第二駆動伝達軸321の先端側に設けたベベルギヤ321aによって屈曲可能に軸回転可能に連設されている(図2(b)参照)。
また、把持部31とネック部32には、接続ユニット40の内部に配置したLED(図示省略する)で発光された照明光を、ネック部32の底面側に設けた照射口39から施術対象箇所に向かって照射するための導光路39aを配置している。
ヘッド部33は、先端側を構成するヘッドハウジング331と、後端側においてネック部32のネック部外装カバー32aと連続する長手方向に貫通する筒状の本体側筒部332とで構成している。また、ヘッドハウジング331の内側には、第四駆動伝達軸333が配置されており、切削回転工具5を第四駆動伝達軸333の軸心に直交する軸心回りに回転自在且つ着脱自在に保持する工具保持部334を備える。
工具保持部334は、ヘッドハウジング331の内部に備える回転自在にされたロータ軸と、ロータ軸に装着された切削回転工具5を把持するチャックとで構成しており(図示省略)、ロータ軸の上端側が第四駆動伝達軸333の先端に形成されたフロントベベルギア333aと噛合している。
この構成により、マイクロモータ41の回転駆動力が第一駆動伝達軸311と、第二駆動伝達軸321と、第三駆動伝達軸322とを介して第四駆動伝達軸333に伝わり、第四駆動伝達軸333の回転に伴って、チャックで把持した切削回転工具5が回転する。
ハンドピース30の後端部分には、図3に示すように、接続ユニット40との接続状態において、接続ユニット40の先端部分と接続するハンドピース側接続部34を備えるとともに、図3に示すように、後述するユニット側挿入部452の挿入が可能な円柱状の空間を形成する凹部34aを内部に形成し、凹部34aの中心部分にはハンドピース30と接続ユニット40とを接続した接続状態において接続ユニット40と連結する出力軸41aと接続する第一駆動伝達軸311が設けられている。
施術具側接続部に対応するハンドピース側接続部34は、図3に示すように、ハンドピース30の後端側に形成されるハンドピース接続面341と、凹部34aの内周面を形成するハンドピース内壁342と、ハンドピース30の外周面を形成するハンドピース外壁343と、ハンドピース接続面341から後方に突出する位置決め凸部344とで構成する。
ハンドピース内壁342は、図3(b)に示すように、把持部31の内部に円柱状の空間を形成する凹部34aの内周面を構成し、断面視で所定の径を有する円を形成している。
ハンドピース外壁343は、断面視でハンドピース内壁342の内径よりも大きな径を有し、ハンドピース30の後端部分に形成する円筒形の外周面である。
位置決め凸部344は、第一駆動伝達軸311から長手方向後方に突出した略直方体形状をした突出部である。
また、ハンドピース30には、接続ユニット40のユニット側挿入部452が挿入される中心側のハンドピース内壁342と、ハンドピース内壁342を囲む円筒形のハンドピース外壁343の間であって、ハンドピース30における位置決め部材344の近傍部分には、非接触で情報の通信が可能なパッシブ型のRFIDタグ50が設けられている。パッシブ型のRFIDタグ50は、RFIDリーダライタ60のRW電力供給部61から電波を受けることで電力が供給されて動作する構成であり、電池を有していない。そのため、情報通信用の識別体をパッシブ型RFIDタグ50とすることでハンドピース30の軽量化が図れる。
なお、ハンドピース接続面41の後端側は、RFIDリーダライタ60が発する電波の通過を許容する適宜の素材で被覆してあり(図示省略)、RFIDタグ50がRFIDリーダライタ60と非接触通信可能となるようにしてある。また、RFIDタグ50は、外壁313近傍位置に配置されていることが好ましい。
識別体に対応するRFIDタグ50は、図6に示すように、受電アンテナ51と、RFID記憶部52と、RFID制御部53と、通信アンテナ54とで構成する。
受電部に対応する受電アンテナ51は、コイル状に構成された電波受信用アンテナであり、所定の周波数の電波を受信することでRFID制御部53などに電力を供給する。
具体的には、接続ユニット40に備えられたRFIDリーダライタ60に対してハンドピース30を相対的に接近させることで、リーダライタ60から発信された電波に基づいて、受電アンテナ51を取り囲む磁界が変位して電磁誘導が起こり、ハンドピース30に設けたRFID制御部53などに電力を供給するアンテナである。すなわち、医療用機器本体に備えられたRW電力供給部61を受電アンテナ51に相対的に接近させることにより、非接触でRFIDタグ50に電力を供給し、識別信号の通信用電源にすることができる。
なお、本実施例においてRFID50とリーダライタ60との電力伝送方式としては、電波方式にとしているが、この方式に限られず、例えば電磁誘導方式や電磁結合方式としてもよい。
情報記憶部に対応するRFID記憶部52は、図6に示すように、RFIDタグ50を備えるハンドピース30に関する情報を記憶する記憶部であり、ハンドピース30を特定する識別子情報Lを記憶する識別子情報記憶部52aと、ハンドピース30が滅菌処理を行ったかの情報である滅菌処理情報Sを記憶する滅菌処理情報記憶部52bと、ハンドピース30を使用履歴である使用履歴情報Hを記憶する使用履歴情報記憶部52cと、滅菌処理回数を記憶する滅菌処理回数記憶部52dと、RFIDでの制御動作を行うためのプログラムを保存するRFIDプログラム記憶部52eとで構成されている。
RFID制御部53は、CPUとROMとRAMで構成されており、読込制御部53a、通信処理部53b、情報更新制御部53cで構成する。
読込制御部53aは、受電アンテナ51が電波を受けて起電することにより、RFID記憶部52に記憶する情報を読み込むとともに、読み込んだ情報を施術操作制御本体10に送信する送信信号を通信処理部53bに送ることを制御する情報読込プログラムをRFIDプログラム記憶部52eから読み込んで実行する。
通信処理部53bは、後述するRW通信アンテナ62から通信アンテナ54が所定の電波を受けることにより、施術操作制御本体10から送信された情報を受信する受信プログラムを読み込んで実行する。または、所定の送信命令を受けてRFID記憶部52から読み込んだ情報などを施術操作制御本体10に送信する送信プログラムを読み込んで実行する。
情報更新制御部53cは、施術操作制御本体10から例えば使用履歴情報Hを受信することにより、受信した情報をRFID記憶部52に書き込みまたは書き換え処理を制御するプログラムの読み込むとともに実行する。なお、書き込み処理などが完了した際には、書き込み完了の信号を通信処理部53bに送信する。
通信アンテナ54は、通信処理部53bの通信処理に基づいてRFIDリーダライタ60との間で相対的近接度が数メートルから数センチメートルの範囲で送受信する通信部であり、所定の情報を施術操作制御本体10に非接触で送信するRFID送信アンテナ54aと、所定の情報を施術操作制御本体10に非接触で受信するRFID受信アンテナ54bとで構成する。
接続ユニット40は、図2に示すように、ハンドピース30の後端と接続することで一体として歯科診療用インスツルメント20を形成する接続体であり、その内部には、ハンドピース30の先端部分に着脱自在に装着される切削回転工具5を回転駆動させるためのマイクロモータ41と、マイクロモータ41の先端側に連結して先端に回転を伝達する出力軸41aとを内蔵している。また、ハンドピース30との接続状態において出力軸41aが第一駆動伝達軸311と接続してマイクロモータ41の回転駆動力を第一駆動伝達軸311に伝えることができる構成となっている。
また、接続ユニット40の後端には、接続ユニット40に内蔵されるマイクロモータ41への駆動電源供給用リード線42、ハンドピース30の先端に備わる患部照射用光源39の導光路39aと連接する照射電力供給用リード線43などを内装する接続チューブ44が連結されている。なお、接続チューブ44の後端は施術操作制御本体10と接続しており、接続ユニット40の駆動は駆動電源供給用リード線42を介して本体側駆動制御部12cで制御されている。
接続ユニット40の先端部分には、図3に示すように、ハンドピース30との接続状態において、ハンドピース側接続部34と接続するユニット側接続部45を備える。
本体側接続部に対応するユニット側接続部45は、ハンドピース30との接続面であるユニット接続面451と、ユニット接続端面451の中心部分から先端方向に向かって突出する筒状のユニット側挿入部452と、接続ユニット40の外周面を形成するユニット外壁453と、接続状態において位置決め凸部344と対向する位置に配置する位置決め凹部454と、ハンドピースの接近を検知するために用いる接近検知センサー455とで構成する。
ユニット側挿入部452は、図3(a)に示すように、把持部31に設けられた凹部34aの深さと同じ長さ先端方向に突出する円筒状の筒状体であり、断面視で内径が第一駆動伝達軸311よりも一回り以上大きな円形を形成するとともに、外径がハンドピース内壁342よりも一回り小さな円形を形成している。また、ハンドピース内壁342に形成された内部空間中心部分には、ハンドピース30との接続状態において第一駆動伝達軸311と接続する出力軸41aが配置されている。
ユニット外壁453は、接続ユニット40の先端側に形成される外周面であり、その径はハンドピース外壁343と略同径である。すなわち、ハンドピース30と接続ユニット40との接続状態において、ハンドピース30の後端表面と接続ユニット40の先端表面とが平らな一面を形成することとなる。
位置決め凹部454は、図3(c)に示すように、ユニット接続端面451の上方に形成された位置決め凸部344と同形状に窪んだ嵌合穴である。
接近検知センサー455は、ユニット接続端面451を正面視した場合において(図3(c)参照)、ユニット接続端面451であって位置決め凹部454と対向する位置に設けられた接近検知センサーであり、発光素子から赤外線を照射しその反射光を受光素子で受けることにより、ハンドピース30の接続面であるハンドピース接続面341の接近や接続、接続の解除を検知することができる。
このような構成であるユニット接続端面451は、位置決め凸部344と対向する位置に配置して、ハンドピース側接続部34とユニット側接続部45とが接続するように移動させることにより、位置決め凸部344を嵌合する。これにより、ハンドピース30と接続ユニット40との径方向の位置決めをすることができる。
また、ユニット側挿入部452とユニット外壁453との間であって、接続状態においてRFIDタグ50と対向する位置にRFIDリーダライタ60を設けている。
読取部に対応するRFIDリーダライタ60は、図6に示すように、RFIDタグ50に電力を供給するRW電力供給部61と、RFIDタグ50との間で情報の送受信を行うRW通信アンテナ62とで構成する。
電力供給部に対応するRW電力供給部61は、電源から電流が供給されることにより所定波長の電波を発する電波発生部である、RFIDタグ50に、電波を発するRW電力供給部61(RFIDリーダライタ60)を接近させることで、受電アンテナ51が電波を受けて電力が起電される。すなわち、RW電力供給部61を受電アンテナ51に接近させることにより、非接触でRFIDタグ50に電力を供給することができる。
RW通信アンテナ62は、図6に示すように、RFID記憶部52との間で送受信可能な送受信用アンテナであり、例えばハンドピース30と接続ユニット40との接近に関する情報や本体側記憶装置14に記憶する識別体に関する情報などをハンドピース30に送信するRW送信アンテナ62aと、ハンドピース30から送信される情報を受信するRW受信アンテナ62bとで構成する。
なお、本実施例において、RW通信アンテナ62と通信アンテナ54との通信形態は、両アンテナ間を電波で通信する電波方式とする。この場合に、必要に応じて変調器、複調器を介しても良い。
また、RW通信アンテナ62と通信アンテナ54との通信形態はこの形態に限るものではなく、例えば、両アンテナ間にコイルを設けて両コイル間に高周波を印加させることで、相互誘導で通信する電磁結合方式や電磁誘導方式としてもよい。
チェアーユニット70は、図1に示すように、背面シートの傾動や座面の昇降が可能な診療椅子71と、唾液や冷却水等の吸引装置やうがいを行うための装置が装備されているベースンユニット72と、口腔内の唾液などのバキームシリンジ等を配置するアシスタントホルダ73と、診療椅子71に接続され、施術者の足によって操作され、踏み込み及び踏み込み量を検出できるペダル74aとを備えたフートコントローラ74で構成されている。
一般に、前記チェアーユニット40から離れた場所に設置されているオートクレーブ80は、接続ユニット40から取り外したハンドピース30を高圧蒸気滅菌処理するための滅菌処理装置であり、図4に示すように、ハンドピース30を内部に収納可能なオートクレーブ本体81と、滅菌条件などの設定を入力する入力手段82と、滅菌処理時の圧力を表示する圧力計83と、滅菌処理に用いる水を供給する給水口84と、滅菌処理後に内部の水を排水する排水口85と、ハンドピース30の後端部であるハンドピース側接続部34を接続する滅菌装置側接続部86とで構成し、オートクレーブ本体81の内部には滅菌装置側制御部87と、歯科診療用インスツルメント20に対応した滅菌処理条件情報やオートクレーブ80の制御動作用のプログラムを記憶する滅菌装置側記憶部88と、前記滅菌装置側接続部86を有するハンドピース30を収容する収容部89を備える。を備える。
滅菌装置側接続部86の先端部は、ハンドピース30の後端部ハンドピース側接続部34と接続可能な構造を有する。すなわち、滅菌装置側接続部86の先端部は、ユニット側接続部45と略同じ構成を有する。
具体的には、図4(b)に示すように、ユニット接続端面451に対応する滅菌装置側接続面861と、ユニット側挿入部452に対応する筒状体接続部862と、ユニット外壁453に対応する滅菌装置側外周面863と、位置決め凹部454に対応する滅菌装置側位置決め凹部864と、接近検知センサー455に対応する滅菌装置側センサー865と、突片退避穴866とで構成する。
滅菌装置側接続面861は、ハンドピース30との接続状態においてハンドピース接続面341と接する接続面であり、滅菌装置側挿入部862は、先端側に向かってハンドピース30に設けられた凹部34aの深さと同じ長さだけ突出する円筒体であり、その外径はハンドピース内壁342の内径と等しい大きさである。なお、滅菌装置側挿入部862の内部空間には、マイクロモータ41に対応する接続片を備えていない。
滅菌装置側外周面863は、滅菌装置側接続部86の外周を形成する外周面であり、その径はハンドピース側接続部34の外径と同じ長さである。すなわちハンドピース外壁343の径と同じ大きさである。
滅菌装置側位置決め凹部864は、ハンドピース30との接続状態において、位置決め凸部344に対向する位置に設けられた位置決め凸部344と同じ形状(直方体状)の窪み部分であり、滅菌装置側位置決め凹部864の近傍にはRFIDリーダライタ60と同一の構成を有するRFIDリーダライタ60s(以下「RW装置60s」とする。)が設けられている。
なお、RFIDリーダライタ60sは、この実施例においては、滅菌装置側接続部86に設けたが、滅菌装置80のどこかに設ければ良いのであって、滅菌装置側接続部86に設けることが必須ではないし、また滅菌装置側接続部86を設けることも必須ではない。
滅菌装置側センサー865は、接近検知センサー455と同様に、滅菌装置側接続面861を正面視した場合において(図4(b)参照)、滅菌装置側接続面861の滅菌装置側位置決め凹部864と対向する位置に設けられた接近検知センサーである。
突片退避穴866は、ユニット側接続部45にない構成であり、図4(b)に示すように、滅菌装置側挿入部862と滅菌装置側外周面863の間に挟まれた滅菌装置側接続面861の中央やや下方の位置に設けられた円形状孔部であり、その直径は環状に形成された滅菌装置側接続面861の幅よりも一回り小さな長さである。また、突片退避穴866の深さは滅菌装置側挿入部862の長手方向に対する長さの十分の一程度の長さである。
滅菌装置側制御部87は、図5に示すように、機能的構成である滅菌装置側電力供給制御部87aと、滅菌装置側通信制御部87bと、滅菌装置側読取制御部87cと、滅菌処理検出処理部87dと、滅菌処理情報作成部87eと、滅菌装置側接近検出部87fと、滅菌装置側動作制御部87gとを備える。
滅菌装置側電力供給制御部87aは、RFIDタグ50に電力を供給するための電波を発するために電流をRW装置60sに供給することを制御する電源供給プログラムを、滅菌装置側記憶部88から読み込んで実行する制御部であり、本体側電力供給制御部12aと同様の機能を果たす。
滅菌装置側通信制御部87bは、ハンドピース30に備えられたRFIDタグ50に対して所定の電波を発信することにより、RFIDタグ50と電波方式による無線通信を行うことで所定の情報を送信するとともに、ハンドピース30に記憶する所定の情報などを受信する送受信処理を制御するプログラムを滅菌装置側記憶部88から読み込んで実行する制御部である。
滅菌装置側読取制御部87cは、識別子情報Lに基づいて滅菌装置側記憶部88に記憶する滅菌処理条件を読み出す滅菌条件読出プログラムを読出して実行する制御部である。
滅菌処理検出処理部87dは、例えばオートクレーブ80の稼働を検出して滅菌処理が開始されたことと検出する、または稼働条件や稼働時間などの経過に基づいて、滅菌処理が終わったことを検出する処理部である。
滅菌処理情報作成部87eは、滅菌処理が完了した後に、滅菌処理を行った旨の情報や、各医療用施術具の累計の滅菌処理回数や滅菌処理時間の情報等の滅菌処理情報Sを作成するプログラムを滅菌装置側記憶部88から読み込んで実行する制御部である。
滅菌装置側接近検出部87fは、ハンドピース30のハンドピース側接続部34と滅菌装置側接続部86とが所定の距離まで接近したことや、ハンドピース側接続部34と滅菌装置側接続部86とが接続したこと、ハンドピース側接続部34と滅菌装置側接続部86との接続が解除されたことを判定処理する判定部であり、オートクレーブ80を起動することで、後述する滅菌装置側接近検知センサー865から得られる情報を解析してハンドピース30と滅菌装置側接続部86との接近および接続を判定処理する接近・接続判定プログラムを読み込んで実行する。
滅菌装置側動作制御部87gは、滅菌装置側接続部86とハンドピース30とが接続している場合には、滅菌処理情報Sの更新を行った信号を受信してオートクレーブ本体81の正面に設けてある蓋のロックを解除する動作を制御し、または、滅菌装置側接続部86とハンドピース30とが接続していない場合には、滅菌処理終了の信号を受信してオートクレーブ本体81の正面に設けてある蓋のロックを解除する動作プログラムを読み込んで実行する。
なお、本実施例において、RW装置60sを滅菌装置側接続部86(滅菌装置側位置決め凹部864の近傍)に設けているが、必ずしも滅菌装置側接続部86を設ける必要はなく、例えばRW装置60sをオートクレーブ80の適所にRW装置60sを備える構成や、滅菌装置側制御部87の機能的構成を有する別体のRFIDリーダライタ装置を備える構成としても良い。後者の場合、オートクレーブ80を用いて滅菌処理を終えた後に、再度RFIDリーダライタ装置に各医療用施術具のRFIDタグを接近させて滅菌処理情報記憶部52bに記憶する滅菌処理情報Sを更新する必要がある。
一方で、本実施例は、RW装置60sを滅菌装置側接続部86に設けているため、ハンドピース30と滅菌装置側接続部86とを接続することで識別子情報記憶部52aに記憶する識別情報を読取ることが可能であるとともに、滅菌処理が終わった後も自動で滅菌処理情報Sを更新することができるため、一連の動作で滅菌処理情報Sの更新ができるとともに、滅菌処理情報Sの更新を忘れることを確実に防止することができる。
次に、このような構成を有する医療用診療装置1を用いて、施術者が患者の施術を行う場合の医療用診療装置1の動作について、図7乃至図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
なお、図7乃至図9は、ハンドピース30と接続ユニット40とを接続する場合に、ハンドピース30が滅菌処理を行っているかを判定し、判定結果に基づいて歯科診療用インスツルメント20の動作を制御する施術操作制御本体10およびハンドピース30の動作を示すフローチャートである。
まず初めに、施術操作制御本体10を起動することで、本体側電力供給制御部12aが電力供給プログラムを読み込んで実行する。これにより、電源から接続ユニット40に設けたRFIDリーダライタ60(RW電力供給部61)に電流が供給され、RW電力供給部61から所定の周波数の電波が発信される(ステップs1)。この状態において、ハンドピース接続面341とユニット接続端面451とが対向するようにハンドピース30と接続ユニット40とを配置する。
次に、ハンドピース30を接続ユニット40の先端方向に向けて近接させるように相対的に移動させることで、ハンドピース接続面341に設けたRFIDタグ50とユニット接続端面451に設けたRFIDリーダライタ60とが互いに接近する。これにより、ハンドピース30に設けられたRFIDタグ50内においてコイル状に形成された受電アンテナ51に電磁誘導が起こり、RFIDタグ50に電流が流れて起電力が生じることとなる(ステップs1)。
受電アンテナ51が、電力の供給を受けることにより、読込制御部53aがRFIDプログラム記憶部52eから情報読込プログラムを読み込んで実行する。この読込制御部53aの制御により、RFID記憶部52に記憶する識別子情報Lと滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hが読み込まれるとともに、これらの情報を施術操作制御本体10に送信する指示である送信信号を通信処理部53bに送る(ステップs2)。そして、送信信号を受けた通信処理部53bの制御処理により、読み込まれた識別子情報Lと滅菌処理情報Sと使用履歴情報HとをRFID送信アンテナ54aより、施術操作制御本体10に送信する(ステップs3)。
施術操作制御本体10が、RW受信アンテナ62bを介して受信した識別子情報Lと滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hとを本体側情報更新制御部12fの制御により本体側記憶装置14に保存する。次に、滅菌処理判定処理部13aの処理により、本体側記憶装置14から読み出した滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hとを比較してハンドピース30が滅菌処理済みか否かを判定され、判定結果である判定処理情報Dが判定処理情報記憶部14dに記憶される(ステップs4)。
判定処理の結果、ハンドピース30が滅菌処理済みである場合には(ステップs4:Yes)、図8に示すように、本体側報知動作処理部12dが本体側報知用プログラムを読み込んで実行することにより、本体側光出力部16bを緑色に点灯するとともに、受信した識別子情報Lに基づきハンドピース識別情報記憶部14aに記憶する型番などの情報を読み込み、本体側報知モニタ16cに『ハンドピース30の型番』と『使用許可』を表示する(ステップs5)。
また、判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dに記憶する処理を受けて、ハンドピース側報知動作制御部13bが本体側プログラム記憶部14eからハンドピース側報知信号送信プログラムを読み込み実行することにより、判定処理情報Dに対応するハンドピース側の報知動作を制御する制御信号が報知設定記憶部14gから読み込まれるとともに、本体側通信制御部12bに送信命令を発し、判定処理結果である判定処理情報Dに対応する制御信号がハンドピース側に発信される(ステップs5)。
ハンドピース30がRFID受信アンテナ54bを介して報知動作を制御する制御信号を受信することにより(ステップs6)、ハンドピース30に備わるハンドピース側光出力部35bが緑色に点灯される(ステップs7)。これらの報知動作により施術者はハンドピース30が滅菌済みであることを確認でき、ハンドピース30を接続ユニット40に接続することができる。
報知動作の完了後に、報知動作が実行された旨の情報が、通信処理部53bの通信処理によりRFID送信アンテナ54aとRW受信アンテナ62bとを介して施術操作制御本体10に送信される(ステップs8)。
そして、本体側駆動制御部12cの制御により、本体側記憶装置14から識別情報Lと判定処理情報Dを読み込むとともに、識別子情報Lと判定処理情報Dを基にして駆動制御情報記憶部14bに記憶するハンドピース30に対応する駆動情報が読み込まれる(ステップs9)。これにより駆動情報に基づいて歯科診療用インスツルメント20(ハンドピース30)を駆動することができ、接続ユニット40と接続したハンドピース30は、駆動情報に基づいて適切な駆動制御が行われ、施術者は安全に施術をすることができる。
また、施術者がハンドピース30と接続ユニット40と接近させることで、接続判定部12gが接近判定プログラムを読み込んで実行し、ハンドピース30と接続ユニット40との接近を検出する。この際、接続報知動作制御部12hが接続報知用プログラムを読み込んで実行することで、本体側光出力部16bを緑色に点灯したままとなる。そして、ハンドピース30と接続ユニット40とが接続されると、接続報知動作制御部12hの制御により、本体側光出力部16bをそのまま緑色に点灯した状態のまま本体側報知モニタ16cに『使用可』と表示する(ステップs10)。これにより、施術者は施術を開始することができる。
施術者がフートコントローラ74を踏み込んで歯科診療用インスツルメント20の駆動命令を与えることにより、施術判定処理部12eが本体側プログラム記憶部14eに記憶する施術動作判定用プログラムを読み込んで実行する(ステップs11)。
具体的には、ハンドピース30に備えた切削回転工具5が歯牙などを切削することにより、フートコントローラ74の踏み込みに連動して変化するようにしたハンドピースの回転数制御に関する駆動に要する抵抗電流値が上昇する。この駆動に要する抵抗電流値と、施術していない場合の駆動に要する抵抗電流値とを施術判定処理部12eの判定処理で比較し、その値に基づいて施術が開始されたことを判定する(ステップs11)。
また、施術が完了すると、抵抗電流値が施術していない場合の抵抗電流値を略同値となるため、施術判定処理部12eの判定処理により、施術終了したと判定する(ステップs12)。なお、この実施例の説明では、施術の開始及び施術の終了をフートコントローラ74の操作信号を検出したが、これに限らずにホルダ19にRFIDリーダライタなどを備える構成とすることで、インスツルメント20をホルダ19から取り上げた信号を操作開始信号とし、戻した信号を操作終了信号としても良い。
施術判定処理部12eの判定処理により施術が終了したと判定した後、本体側情報更新制御部12fの制御により、ハンドピース履歴情報記憶部14cに記憶するハンドピース30に対応する使用履歴情報Hを読み込むとともに、使用した日時などを新たに書き込む処理をするとともに、新たな使用履歴情報Hをハンドピース履歴情報記憶部14cに記憶する(ステップs13)。
また、本体側情報更新制御部12fの制御による送信命令を受けた本体側通信制御部12bが、送信プログラムを実行することで、使用履歴情報HがRW送信アンテナ62aを介してRFIDリーダライタ60に送信する(ステップs14)。
RFID受信アンテナ54bを介して受信された使用履歴情報Hは、情報更新制御部53cにより使用履歴情報記憶部52cに上書き保存される(ステップs15)。
使用履歴情報Hが記憶された後に、RFID送信アンテナ54aを介して接続解除許可の信号が送られる。この信号を受信した本体側報知動作処理部12dの制御により、本体側光出力部16bが黄色に点滅する(ステップs16)。これにより、施術者はハンドピース30を接続ユニット40から取り外すことができる。この際に、接続判定部12gの制御により、接続ユニット40からハンドピース30が取り外されたことが検出され(ステップs17)、一連の動作が終了する。
次に、図7および図9のフローチャートを用いて、ハンドピース30が滅菌処理を行っていない場合について説明する。なお、重複する箇所の説明は簡略化する。
図7に示すように、受電アンテナ51が電力の供給を受けることで(ステップs1)、読込制御部53aがRFIDプログラム記憶部52eに記憶する情報読込プログラムを読み込んで実行することで、RFID記憶部52から識別子情報Lと滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hとが読み込むとともに、これらの情報を施術操作制御本体10に送信する送信信号を通信処理部53bに送る(ステップs2)。
次に、送信信号を受けた通信処理部53bの制御処理により、読み込まれた識別子情報Lと滅菌処理情報Sと使用履歴情報HとをRFID送信アンテナ54aを介して施術操作制御本体10に送信する(ステップs3)。
RW受信アンテナ62bを介して受信した識別子情報Lと滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hとを本体側情報更新制御部12fの制御により本体側記憶装置14に保存する。次に、滅菌処理判定処理部13aの処理により、保存した滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hとを読み込んで比較し、ハンドピース30が滅菌処理済みであるか否かが判定されるとともに、判定結果である判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dに記憶される(ステップs4)。
判定処理の結果、ハンドピース30の滅菌処理を行っていないと判定した場合には(ステップs4:No)、図9に示すように、滅菌処理判定処理部13aの制御による判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dに記憶する記憶処理を受けて、本体側報知動作処理部12dが本体側報知用プログラムを読み込んで実行する。この本体側報知動作処理部12dの処理により、本体側光出力部16bが赤色に点灯するとともに、受信した識別子情報Lに基づきハンドピース識別情報記憶部14aに記憶する型番などの情報を読み込み、本体側報知モニタ16cに『ハンドピース30の型番』と『使用不可』と表示される(ステップs18)。
この際、本体側報知動作処理部12dの処理により、本体側報知モニタ16cに『滅菌処理を行ってください』などの対処法を表示する処理を行ってもよく、また、前回使用した際の情報、例えば使用した日時や患者の氏名などの情報を表示する処理を行ってもよい。
また、判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dに記憶する記憶処理を受けて、ハンドピース側報知動作制御部13bが本体側プログラム記憶部14eからハンドピース側報知信号送信プログラムを読み込み実行することで、ハンドピース30の滅菌処理を行っていない場合のハンドピース側報知部35の報知動作を制御する制御信号が報知設定記憶部14gから読み込まれ、本体側通信制御部12bの制御により、制御信号がハンドピース側に発信される(ステップs19)。
ハンドピース30が、ハンドピース側報知部35の報知動作を制御する制御信号を受信することにより(ステップs19)、ハンドピース30に備わるハンドピース側光出力部35bが赤色に点灯される(ステップs20)。これらの報知動作により施術者は接続ユニット40と接続しようとしているハンドピース30の滅菌処理が行われていないことを認識することができ、ハンドピース30と接続ユニット40との接続を回避することができる。
報知動作の完了後に、報知動作が実行された旨の情報が、通信処理部53bの通信処理によりRFID送信アンテナ54aとRW受信アンテナ62bとを介して施術操作制御本体10に送信されて一連の動作が終了する(ステップs21)。
上述のように、ハンドピース30及び施術操作制御本体10において、使用を制限する報知動作が行われたハンドピース30は、オートクレーブ80で滅菌処理することで、接続ユニット40に接続可能な報知動作を実施することとなる。
以下、そのハンドピース30とオートクレーブ80の動作について図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
先ず、オートクレーブ80の電源を入れることで滅菌装置側電力供給制御部87aが、電源供給プログラムを滅菌装置側記憶部88から読み込んで実行し、滅菌装置側接続部86に備えたRW装置60sすなわち、RW電力供給部61sのコイルに高周波電力が供給される(ステップv1)。
次に、滅菌処理を行う者が、オートクレーブ本体81の正面に設けてある蓋を空け、内部の上面から下方に突出している滅菌装置側接続部86に対してハンドピース30のハンドピース接続面341が滅菌装置側接続部86の滅菌装置側接続面861と対向するように配置し、ハンドピース30を滅菌装置側接続部86と接続する。
この際、ハンドピース30に設けたRFIDタグ50と滅菌装置側接続部86に備えたRW装置60sとが接近するため、RW電力供給部61sのコイルに供給された高周波電力による電磁誘導により受電アンテナ51が起電する(ステップv1)。これにより、ハンドピース30に電力が供給される。
次に、電磁誘導による受電アンテナ51の起電することで、読込制御部53aがRFIDプログラム記憶部52eに記憶する情報読込プログラムを読み込んで実行して、RFID記憶部52から識別子情報Lを読出す制御を行うとともに、識別子情報Lをオートクレーブ80に送信する指示である送信信号を通信処理部53bに発信する。そして送信信号を受けた通信処理部53bの通信処理により識別子情報Lを施術操作制御本体10に送信する(ステップv2)。
識別子情報Lを受信することで(ステップv2)、滅菌装置側読取制御部87cが滅菌条件読出プログラムを読み込んで実行し、識別子情報Lに対応した滅菌処理条件を滅菌装置側記憶部88から読み出す(ステップv3)。
次に、接続判定部12gの判定により、ハンドピース30とオートクレーブ80とが接続されたことを検知する(ステップv4)。そして、滅菌処理の開始信号を受けることにより、滅菌処理検出処理部87dで滅菌処理が開始されたことを検出処理される(ステップv5)。そして、所定の条件を達した後に滅菌処理の終了したことを検出する(ステップv6)。
滅菌処理が終了したオートクレーブ80は、滅菌処理情報作成部87eの処理によって、新たな滅菌処理情報Sを作成し、当該滅菌処理情報Sを滅菌装置側通信制御部87bの制御によってハンドピース30に送信する(ステップv7)。
送信された滅菌処理情報Sを受信したハンドピース30(RFIDタグ50)は、情報更新制御部53cの制御により、滅菌処理情報記憶部52bに記憶する滅菌処理情報Sを書き換えて滅菌処理情報記憶部52bに新たな滅菌処理情報Sとして保存する(ステップv8)。
滅菌処理情報Sが滅菌処理情報記憶部52b記憶された信号を、RFID送信アンテナ54aを介して受信した後に、滅菌装置側動作制御部87gの制御により、オートクレーブ本体81の正面に設けてある蓋のロックを解除する(ステップv9)。これにより、施術者はハンドピース30を接続ユニット40から取り外すことができる。この際に、滅菌装置側接近検出部87fの制御により、滅菌装置側接続部86からハンドピース30が取り外されたことが検出され(ステップv10)、一連の動作が終了する。
このように、滅菌処理情報Sが滅菌完了に書き換えられたハンドピース30を、ハンドピース側接続部34とユニット側接続部45とが対面する状態で接続ユニット40と相対的に接近させることで、図7に示すように受電アンテナ51が起電するため(ステップs1)、RFID送信アンテナ54aの制御により新たに保存された滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hとを読み込むこととなる(ステップs2)。そして、読み込まれた滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hとを受信した滅菌処理判定処理部13aの判定処理によりハンドピース30が滅菌処理済みである判定され、その判定処理情報Dが判定処理情報記憶部14dに記憶される(ステップs4)。
そして、ハンドピース側報知動作制御部13bの制御による比較判定結果に基づいて、ハンドピース30と接続ユニット40との接続が可能である旨の報知動作が実行されることとなる(ステップs5)。
また、本実施例において、ハンドピース30で滅菌処理情報Sを受信して、情報更新制御部53cの制御により滅菌処理情報Sを新たな滅菌処理情報Sとして保存すると同時に、滅菌処理回数情報Cを更新することもできる。
具体的には、滅菌処理情報Sを受信するとともに、読込制御部53aの制御により、滅菌処理回数記憶部52dに記憶する滅菌処理回数情報Cを読み込み、情報更新制御部53cの制御により滅菌処理回数情報Cを更新し、滅菌処理回数記憶部52dに新たな滅菌処理回数情報Cとして記憶することができる。
このように、滅菌処理回数情報Cを記憶することにより、交換基準情報記憶部14iに記憶する交換基準情報と滅菌処理回数情報Cとを交換報知動作制御部13cで比較し、交換が推奨される滅菌処理回数に達している場合などには、例えば交換報知動作制御部13cの制御により、ハンドピース側光出力部35bを黄色に点灯するなどとして、施術者に報知することができる。
また、交換報知動作制御部13cの制御により、例えばモニタ17に残りの滅菌処理可能回数を表示する構成としても良い。
このような構成を有する医療用診療装置1は、施術操作制御本体10と接続ユニット40とを備えるチェアーユニット70で構成される医療用機器本体と、施術操作制御本体10と接続チューブ44を介して接続された接続ユニット40と接続して使用するハンドピース30と、非接触で電力を供給するRW電力供給部61を有する接続ユニット40とを備え、ハンドピース30に、少なくとも直近においてオートクレーブ80を用いて滅菌処理を行ったか否かの情報である滅菌処理情報Sを記憶するRFID記憶部52と、RW電力供給部61(RFIDリーダライタ60)と相対的に接近させることにより電力を受電する受電アンテナ51とを有するRFIDタグ50を備えるとともに、滅菌処理情報Sに基づいて、ハンドピース30が滅菌処理されているかを判定することにより、ハンドピース30の使用を制限する所定動作を実施するかを判定する滅菌処理判定処理部13aと、滅菌処理判定処理部13aの判定結果に基づいて、本体側報知動作処理部12dおよびハンドピース側報知動作制御部13bによって制御され、ハンドピース30の使用を制限する所定の報知動作を行う本体側報知装置16およびハンドピース側報知部35を備えることにより、ハンドピース30が滅菌処理を行っているか否かを容易に確認することができるとともに、滅菌処理を行っていない場合に、その使用を制限することができる。
詳述すると、RW電力供給部61を受電アンテナ51に接近させることで起動されたRFIDタグ50からRFID記憶部52に記憶する滅菌処理情報Sおよび使用履歴情報Hを読み込み、施術操作制御本体10に送信する。そして、施術操作制御本体10が受信した滅菌処理情報Sおよび使用履歴情報Hに基づいて、ハンドピース30が滅菌処理されたかを滅菌処理判定処理部13aで判定したのちに、その判定結果である判定処理情報Dに基づいて本体側光出力部16b及びハンドピース側光出力部35bが、所定の報知動作を行う。このように、滅菌処理判定処理部13aと本体側報知動作処理部12dとハンドピース側報知動作制御部13bとが協働することにより、所定の報知動作をするか否かを判定することができる。
より具体的には、滅菌処理判定処理部13aの判定処理により、ハンドピース30が滅菌処理をしていないと判定した場合、滅菌処理をしていない旨の判定処理情報Dに基づいた本体側報知動作処理部12dおよびハンドピース側報知動作制御部13bの制御により、その判定結果である判定処理情報Dに基づいて駆動制御信号を読み取り、本体側光出力部16bやハンドピース側光出力部35bは赤色に点灯させるなどの報知を行う。
なお、報知は本実施例の報知に限定されず、例えば、音や光の点灯の組み合わせでもよい。
このような本体側光出力部16bやハンドピース側光出力部35bは赤色に点灯する報知などの報知が行われることにより、施術者は、ハンドピース30が滅菌処理を施されておらず、施術に用いることができないハンドピース30であることを施術前に、より詳しくはハンドピース30と接続ユニット40との接続前に確実に認識することができ、ハンドピース30を誤って患者に使用することを予防することができるとともに、接続ユニット40などへの汚染を防止することができる。
また、ハンドピース側報知動作制御部13bが、ハンドピース側報知信号送信プログラムを本体側プログラム記憶部14eから読み込んでハンドピース側報知部35の報知を制御することにより、ハンドピース側音声出力部35aでのブザー音やメロディなどの音声の出力やハンドピース側光出力部35bでの光の点滅や点灯などで、ハンドピース30が滅菌処理されているか否かを報知することができる。これにより、施術者は視覚や聴覚により滅菌処理を行ったハンドピース30かを認識することができる。
したがって、施術者は滅菌処理を行ったハンドピース30を確実に接続ユニット40に接続することを防止することができる。
なお、本実施例では、視覚および聴覚により滅菌処理を行ったハンドピース30かを認識することができる構成としているが、例えば、ハンドピース側報知部35に振動機能を設けることにより、振動で、すなわち触覚で滅菌処理を行ったハンドピース30かを認識することができる構成としてもよい。
また、本体側報知装置16やハンドピース側報知部35が、発光が可能な本体側光出力部16bやハンドピース側光出力部35bで構成としていることにより、施術者はハンドピース30が、滅菌処理を行ったハンドピース30であるかを視覚で容易に認識できる。また、ハンドピース30と接続ユニット40との接近をハンドピース側音声出力部35aで報知しているが、ハンドピース側光出力部35bで報知することもできる。これにより、ハンドピース30と接続ユニット40との接近を視覚で認識することができる。
また、施術操作制御本体10と接続している接続ユニット40に、RW電力供給部61を備えるとともに、ハンドピース30に接近させることによりハンドピース30の識別情報を読取るRFIDリーダライタ60を備えることができる。
この発明により、接続ユニット40に備えたRFIDリーダライタ60とRFIDタグ50とを相対的に接近させるだけで、受電アンテナ51に受電すると同時に、施術操作制御本体10でハンドピース30に関する識別情報を読取ることができる。すなわち、部品数を削減して装置を簡素化することができるとともに、受電アンテナ51への受電と識別情報の読取とを一連の動作で容易に行うことができる。
また、通信アンテナ62を備えるRFIDリーダライタ60を接続ユニット40に備えることにより、RFIDリーダライタ60を備えた機器を別に用意する必要が無く医療用診療装置1を構成する装置などの部品数を削減して簡素化することができる。
また、所定動作部に対応する本体側報知装置16として、警告表示を表示する本体側報知モニタ16cを備えることで、本体側報知モニタ16cに文字による警告表示を表示することができる。これにより、施術者は視覚にて警告内容を明確に認識することができる。また、本体側報知モニタ16cに文章として表示することが可能であるため、施術者は音や光での報知と比べて、より詳細な警告理由を知ることができる。
なお、警告を表示する表示装置はハンドピース30に備える構成としても良い。
また、本実施例では、警告表示を本体側報知モニタ16cに表示しているが、本体側報知モニタ16cの代わりに患者の情報やX線画像などが表示されるモニタ17に表示する構成としてもよい。
これにより、施術を行う際には必ず確認するモニタ17に警告表示が表示されるため、ハンドピース30が滅菌処理を行ったかを確実に認識することができ、万が一滅菌されていないハンドピース30が接続ユニット40に接続されていても、その使用を防止することができる。
また、滅菌処理情報記憶部52bにハンドピース30を使用した情報である使用履歴情報Hや滅菌処理を施した情報である滅菌処理情報Sなどを新たに記憶することにより、施術者は最新の情報に基づいて、滅菌処理判定処理部13a、ハンドピース側報知動作制御部13bの制御によりハンドピース30を使用することができるか否かを判定して報知動作を実行することができるため、施術者はハンドピース30を安全に、かつ、繰り返して使用することができる。
また、RFIDタグ50がパッシブ型のRFIDであるため、RFIDリーダライタ60とRFIDタグ50とを相対的に接近させることにより、ハンドピース側に電力を供給することができる。すなわち、ハンドピース30へ電力を供給するための電池を設ける必要がなく、ハンドピース30の軽量化を図ることができる。また、ハンドピース30には電力供給用の電池を設けていないため、例えば高温高圧環境下で滅菌するようなオートクレーブを行ったとしても、電池が劣化するといった問題が生じない。したがって、軽量であるとともに、滅菌処理を容易に行えるハンドピース30を提供することができる。
また、ハンドピース30の識別情報に、オートクレーブ80を用いて滅菌処理した滅菌回数に関する滅菌処理回数情報Cを含み、滅菌処理回数情報Cに基づいてハンドピース30の交換の要否を判定するとともに、判定結果を報知する交換報知動作制御部13cにより制御される本体側報知装置16およびハンドピース側報知部35とを備えることにより、施術者は、ハンドピース30の交換すべきものであるか否かを認識することができる。
詳述すると、滅菌処理回数情報Cを使用履歴情報記憶部52cに記憶していることから、交換基準情報記憶部14iに保存されている交換基準情報と滅菌処理回数情報Cとを、交換報知動作制御部13cで比較してハンドピース30の交換の要否を判定し、交換報知動作制御部13cの制御によりハンドピース側報知部35で判定結果を報知することができる。これにより、施術者はハンドピース30が滅菌処理を施しているものであっても、交換すべきものであることを認識することができる。
次に、滅菌処理が行われていないハンドピース30と接続ユニット40とを誤って接続してしまった場合の医療用診療装置1の動作について、図7および図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
なお、図7については上述しているため、簡単に説明する。
図7に示すように、受電アンテナ51が電力の供給を受けることで(ステップs1)、RFID記憶部52から識別子情報Lと滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hが読み込まれるとともに、これらの情報を施術操作制御本体10に送信する送信信号を通信処理部53bに送られる(ステップs2)。
次に、送信信号を受けた通信処理部53bの制御処理により、読み込まれた識別子情報Lと滅菌処理情報Sと使用履歴情報HとをRFID送信アンテナ54aを介して施術操作制御本体10送信する(ステップs3)。
そして、RW受信アンテナ62bを介して受信した識別子情報Lと滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hとを本体側情報更新制御部12fの制御により本体側記憶装置14に保存する。次に、滅菌処理判定処理部13aの処理により、保存した滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hとを読み込んで比較し、ンドピース30が滅菌処理済みであるか否かが判定されるとともに、判定結果である判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dに記憶される(ステップs4)。
判定処理の結果、ハンドピース30の滅菌処理を行っていないと判定した場合(ステップs4:No)、図11に示すように、滅菌処理判定処理部13aの制御による判定処理情報Dの記憶処理を受けて本体側報知動作処理部12dが本体側報知用プログラムを読み込んで実行する。この本体側報知動作処理部12dの処理により、本体側光出力部16bを赤色に点灯するとともに、受信した識別子情報Lに基づきハンドピース識別情報記憶部14aに記憶する型番などの情報を読み込み、本体側報知モニタ16cに『ハンドピース30の型番』と『使用不可』を表示する(ステップs18)。
また、判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dに記憶する処理を受けて、ハンドピース側報知動作制御部13bが本体側プログラム記憶部14eからハンドピース側報知用プログラムを読み込み実行することで、ハンドピース30の滅菌処理を行っていない場合の報知動作を制御する制御信号が報知設定記憶部14gから読み込まれ、本体側通信制御部12bの制御により、制御信号がハンドピース側に発信される(ステップs19)。
ハンドピース30が、RFID受信アンテナ54bを介して報知動作を制御する制御信号を受信することにより(ステップs19)、ハンドピース30に備わるハンドピース側光出力部35bが赤色に点灯される(ステップs20)。
報知動作の完了後に、報知動作が実行された旨の情報が、通信処理部53bの通信処理によりRFID送信アンテナ54aとRW受信アンテナ62bとを介して施術操作制御本体10に送信される(ステップs21)。
上述のように、本体側光出力部16bおよびハンドピース側光出力部35bが赤色に点灯されるとともに、本体側報知モニタ16cに『ハンドピース30の型番』と『使用不可』を表示されている(ステップs18、ステップs20)にもかかわらず、施術者が、報知動作に気が付かずに無意識にハンドピース30と接続ユニット40とを相対的に接近させた場合には、図11に示すように、接続判定部12gが接近判定プログラムを読み込んで実行し、接近検知センサー455から得られる情報を解析してハンドピース30と接続ユニット40との距離が所定の距離を超えたか否かを判定する(ステップt1)。
接続判定部12gの制御により、ハンドピース接続面341とユニット接続端面451との距離が所定の距離を超えていないと判定された場合には(ステップt1:No),本体側光出力部16bを赤色に点灯させるともに、本体側報知モニタ16cに『歯科診療用インスツルメント20の型番』と『使用不可』と表示する。一方で、接続判定部12gの制御により、ハンドピース接続面341とユニット接続端面451との距離が所定の距離を超えて近付いていると判定された場合には(ステップt1:Yes)、接続報知動作制御部12hがプログラム記憶部36dから接続報知用プログラムを読み込んで実行することで、本体側音声出力部16aからブザー音を発せられる(ステップt2)。
また、接続判定部12gの制御により得られた接近の判定結果である接近判定情報Nを受信したハンドピース側報知動作制御部13bの制御により、接近報知動作記憶部14hからハンドピース30と接続ユニット40との接近時における報知動作の制御信号を読み込むとともに、ハンドピース30の制御信号を送信する送信信号が本体側通信制御部12bに発信される。
そして、本体側通信制御部12bの制御により、ハンドピース30の制御信号がRW送信アンテナ62aを介してハンドピース側に送信される(ステップt3)
ハンドピース30が、RFID受信アンテナ54bを介してハンドピース30の制御信号を受信することにより(ステップt3)、ハンドピース側光出力部35bが赤色に点滅するとともに、ハンドピース側音声出力部35aからブザー音を発する(ステップt3)。
次に、報知動作が行った旨の情報を送信信号として通信処理部53bに発信する。送信信号を受けた通信処理部53bの通信処理により報知動作を行った旨の情報を施術操作制御本体10に送信する(ステップt4)。
このブザー音が鳴っているにもかかわらず、ハンドピース30と接続ユニット40とをさらに接近させた場合には、接続判定部12gの制御で、ハンドピース30と接続ユニット40とが接近・接続したか否かを判定する(ステップt4)。接続判定部12gの制御により、接続していないと判定した場合(ステップt4:No)、接続報知動作制御部12hがプログラム記憶部36dから接続報知用プログラムを読み込んで実行して、本体側音声出力部16aからブザー音を発する(ステップt2)。
一方、接続判定部12gの制御により、ハンドピース30と接続ユニット40とが接続したと判定した場合(ステップt4:Yes)、接続報知動作制御部12hの制御により、本体側音声出力部16aで異なるブザー音が鳴らされるとともに(ステップt5)、接続判定部12gの制御により得られた接近判定情報Nを受信したハンドピース側報知動作制御部13bの制御により、接近報知動作記憶部14hから接続時のハンドピース側報知部35の報知動作の制御信号を読み込むとともに、本体側通信制御部12bに対してハンドピース30の制御信号を送信する送信信号が発信される。そして、送信信号を受信した12bの制御により、ハンドピース30の制御信号がRW送信アンテナ62aを介してハンドピース側に送信される(ステップt6)。
この制御信号をハンドピース30が受信することにより、ハンドピース側光出力部35bが赤色に点灯するとともに、ハンドピース側音声出力部35aから異なるブザー音を発するとともに(ステップt6)、RFID制御部53に識別情報の読取信号を発信し、読込制御部53aの制御により識別子情報記憶部52aに記憶する識別子情報Lを読出し、送信信号を通信処理部53bに出す。送信信号を受けた通信処理部53bの通信処理により識別子情報Lを施術操作制御本体10に送信する(ステップt7)。
識別情報Lを受信した施術操作制御本体10は(ステップt7)、本体側駆動制御部12cの制御により、識別子情報Lに基づきハンドピース30の駆動情報を駆動制御情報記憶部14bから読み込むとともに(ステップt8)、接続ユニット40の回転駆動を禁止する処理を行い、その制御により、歯科診療用インスツルメント20の駆動を禁止して(ステップt9)、一連の動作を終了する。
これにより、滅菌処理がされていないハンドピース30を接続ユニット40に接続した場合であっても、ハンドピース30の駆動が停止されることとなるため、施術者は滅菌処理をしていないハンドピース30を用いて施術をすることができない。したがって、ハンドピース30を使用して他の患者の施術を行うことができず、確実に感染の予防を行うことができる。
このように、滅菌処理判定処理部13aでの判定処理の結果に基づいて、ハンドピース30の駆動の禁止を制御する本体側駆動制御部12cを備えることにより、例えば滅菌済みでないハンドピース30を接続ユニット40に誤って接続しても、接続ユニット40の駆動を禁止することができる。したがって、万が一誤って滅菌処理を行っていないハンドピース30を接続ユニット40に接続した場合であっても、接続ユニット40の駆動が停止されるため、ハンドピース30を用いて施術することを防止することができる。すなわち、施術者は確実に感染の予防をすることができ、安全に施術することができる。
また、本実施例において、駆動防止機構には本体側駆動制御部12cが対応するが、必ずしも本体側駆動制御部12cが駆動防止機構である必要はなく、例えば、駆動防止機構はハンドピース30の駆動を停止する駆動規制部を駆動防止機構に対応する構成として設けてもよい。これにより、本体側駆動制御部12cが駆動防止機構に対応する実施例と同様に、滅菌処理情報Sおよび使用履歴情報Hに基づいてハンドピース30の駆動を停止することができる。
次に、本発明の変形例である医療用診療装置1xについて図12乃至図14に基づいて説明する。
図12は、図3と同様に、ハンドピース30xと接続ユニット40との接続を解除した状態の歯科診療用インスツルメント20xの概略説明図を示している。より詳しくは、図12(a)は歯科診療用インスツルメント20xとの接続を解除したハンドピース30xと接続ユニット40との側面図を示し、図12(b)はハンドピース30xの後端面を表した背面図を示している。図12(c)は突出機構346xの概略斜視図を示し、図12(d)は突出機構346xの前方の一部を断面表示した概略斜視図を示している。なお、図12(a)はハンドピース30xの後端部分と接続ユニット40の先端部分について部分断面図を表示している。
医療用診療装置1xの処理装置制御部11を構成するハンドピース側制御部13は、図5に示すように、滅菌処理判定処理部13aと、ハンドピース側報知動作制御部13bと、交換報知動作制御部13cと、突出部制御部13xとで構成する。
なお、実施例1の医療用診療装置1の構成および動作と同一である構成については、その詳細な説明を省略する。
突出部制御部13xは、滅菌処理判定処理部13aの制御による判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dに記憶する記憶処理を受けて、ハンドピース30xが滅菌処理しているか否かの判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dから読み込み、判定処理情報Dに基づき後述するモータ350xを時計回り若しくは反時計回りに所定の回転数回転することを制御する制御信号を読み出すとともに、読み出した制御信号をハンドピース30xに送信するように本体側通信制御部12bに送信命令を行う突出部制御信号送信プログラムを本体側プログラム記憶部14eから読み込んで実行する。
図13は、医療用診療装置1xの動作のフローチャートを示しており、左にハンドピース30xのフローチャートを、右に施術操作制御本体10のフローチャートを示す。図14は、医療用診療装置1xにおける突出部346の収納のフローチャートを示しており、左にハンドピース30のフローチャートを、右にオートクレーブ80のフローチャートを示している。
医療用診療装置1xを構成するハンドピース30xは、図12に示すように、接続ユニット40と接続する後端面であるハンドピース接続面341に、長手方向後方に突出できる突出機構346xを備えた構成である。
なお、ハンドピース30xの構成で、ハンドピース30と同じ構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
ハンドピース30xは、図12に示すように、ハンドピース30と同様に、把持部31、把持部31と連接された細径のネック部32、及びネック部32に連接されたヘッド部33が後方からこの順に配置されており、後方端部にはRFIDタグ50を設けたハンドピース側接続部34を備える。また、把持部31の周面上部にはハンドピース側報知部35を配置する。
ハンドピース側報知部35は、図2に示すハンドピース側音声出力部35a、ハンドピース側光出力部35b、突出部制御部13xの制御により、ハンドピース30の長手方向に沿って前後に円柱状体が移動する突出機構346xを備えている(図12参照)。
接続障害部に対応する突出機構346xは、図12(b)に示すように、ハンドピース内壁342とハンドピース外壁343との間に形成されるハンドピース接続面341の中央やや下方に設けられた2本の円柱状の突出片が長手方向に突出する機構であり、図12(c)および(d)に示すように、円柱体である突出片347xと、突出片347xを収納可能な収納部348xと、突出片347x先端部から先方に伸びた雄ネジであるネジ軸349xと、ネジ軸349xの先端側に位置するモータ350xとで構成される。
突出片347xは、図12(c)および(d)に示すように、ドーナッツ状に形成されたハンドピース接続面341の厚さよりも一回り小さい径を有する円を底面とする円柱体であり、長手方向に対する長さは、ユニット側挿入部452の長さと比べて十分の一程度である。また、先端側底面の中心部分にはネジ軸349xのネジ山と同径の雌ねじ部を有する。
収納部348xは、突出片347xよりも一回り大きな円柱状の空間を形成する収納部であり、収納部348xの内壁には、図示しない突出片347xの回転を止める回り止めを有する。
ネジ軸349xは、図12(c)および図12(d)に示すように、突出片347xよりも小さな径を有する円柱体であり、外周面上にらせん状の溝を形成する雄ネジである。
モータ350xは、突出部制御部13xの制御により、ネジ軸349xの長手方向を軸として時計回り反時計回りに回転自在なモータであり、ネジ軸349xの先端と螺合して固定するネジ穴を中心に有する構成である。
このような構成を有する突出機構346xは、ハンドピース30xに固定されているモータ350xの回転により、モータ350xの回転軸(不図示)に固定されたネジ軸349xを回転させることができる。ネジ軸349xに対して螺合するように設けた突出片347xを収納部348xの中で回転止めにより回転不能にすることで、突出片347xのみが前後方向に摺動する構成とされている。
以下、このような構成を有する医療用診療装置1xを用いて、施術者が患者の施術を行う場合の医療用診療装置1xの動作について、図13に示すフローチャートに基づいて説明する。
図13は、ハンドピース30xを滅菌処理していない場合の医療用診療装置1xの動作を示したフローチャートである。なお、ハンドピース30xが滅菌処理している場合には、図7および図8に示すフローチャートに沿って医療用診療装置1xは動作する。
実施例1と同様に、施術操作制御本体10を起動することにより、本体側電力供給制御部12aの制御により、本体側プログラム記憶部14eから電力供給用プログラムが読み込まれ、実行される。これにより、電源から接続ユニット40に設けたRFIDリーダライタ60(RW電力供給部61)に電流を供給され、所定の周波数の電波を発信する(ステップu1)。この状態において、ハンドピース接続面341とユニット接続端面451とが対向するようにハンドピース30と接続ユニット40とを配置する。
次に、ハンドピース30を接続ユニット40の先端方向に向けて近接させるように相対移動させて、ハンドピース接続面341に設けたRFIDタグ50とユニット接続端面451に設けたRFIDリーダライタ60とを互いに接近させる。これにより、ハンドピース30に設けられたRFIDタグ50内にコイル状に形成された受電アンテナ51に電磁誘導が起こり、RFIDが起動することとなる(ステップu1)。
受電アンテナ51が電力を受けることで、読込制御部53aがRFIDプログラム記憶部52eに記憶する情報読込プログラムを読み込んで実行し、RFID記憶部52から識別子情報Lと滅菌処理情報Sおよび使用履歴情報Hが読み込むとともに、これらの情報を施術操作制御本体10に送信する送信信号を通信処理部53bに送る(ステップu2)。
次に、送信信号を受けた通信処理部53bの制御処理により、読み込まれた識別子情報Lと滅菌処理情報Sと使用履歴情報HとをRFID送信アンテナ54aを介して施術操作制御本体10に送信する(ステップu3)。
施術操作制御本体10が受信した滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hは、本体側情報更新制御部12fの制御により本体側記憶装置14に記憶される。そして滅菌処理判定処理部13aの制御により、本体側記憶装置14に記憶された滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hとを読み出して比較し、ハンドピース30が滅菌処理済みか否かを判定するとともに、判定結果である判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dに記憶する(ステップu4)。
判定処理の結果、ハンドピース30が滅菌処理を行っていないと判定した場合には(ステップu4:No)、図13に示すように、本体側報知動作処理部12dの処理により、本体側光出力部16bを赤色に点灯するとともに、受信した識別子情報Lに基づきハンドピース識別情報記憶部14aに記憶する型番などの情報を読み込み、本体側報知モニタ16cに『ハンドピース30の型番』と『使用不可』を表示する(ステップu5)。
また、判定処理情報Dを判定処理情報記憶部14dに記憶する処理を受けて、ハンドピース側報知動作制御部13bと突出部制御部13xとが本体側プログラム記憶部14eからハンドピース側報知信号送信プログラムおよび突出部制御信号送信プログラムを読み込み実行する。このハンドピース側報知動作制御部13bと突出部制御部13xとの制御により、判定処理情報Dに対応するハンドピース30xの報知動作を制御する制御信号が報知設定記憶部14gから読み込まれるとともに、ハンドピース30xの報知動作を制御する制御信号を送信する送信信号が本体側通信制御部12bに発信される。
そして、送信信号を受信した本体側通信制御部12bの制御により、制御信号がRW送信アンテナ62aを介してハンドピース30xに送信される(ステップu5)。
RFID受信アンテナ54bを介してハンドピース30xの報知動作を制御する制御信号をハンドピース30xが受信することにより(ステップu5)、ハンドピース30xに備わるハンドピース側光出力部35bが赤色に点灯されるとともに、突出部制御部13xの制御により読み込まれるとともに送信された制御信号により、モータ350が回転と連動して回転するネジ軸349xと結合する突出片347xが後方へ突出する(ステップu6)。また突出片347xが突出するとともに、報知動作が行われた旨の情報が施術操作制御本体10に送信される(ステップu7)。
そして。施術操作制御本体10が、報知動作が行われた旨の情報を受信することで、(ステップu7)一連の動作を終了する。
このように、滅菌処理していないハンドピース30xと接続ユニット40との接続を試みようとすると、突出機構346xの構成である突出片347xが接続ユニット40側に突出するため、ハンドピース30と接続ユニット40との接続を突出機構346x(突出片347x)が接続障害部を構成することで物理的に接続できないようにする。したがって、滅菌処理をしていないハンドピース30xを接続することができず、確実に使用を制限することができる。
なお、突出した突出片347xはオートクレーブ80で滅菌処理することで収納することができる。
以下において、ハンドピース30xをオートクレーブ80で滅菌処理する際のハンドピース30xとオートクレーブ80の動作について、図14に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、図10と同一の工程については同一の符号を付して、簡略に説明する。
先ず、オートクレーブ80の電源を入れることで、RW電力供給部61sのコイルに高周波電力が供給される(ステップv1)。次に、ハンドピース30xのハンドピース接続面341が滅菌装置側接続部86の滅菌装置側接続面861と対向するように配置し、ハンドピース30xが滅菌装置側接続部86と接続するように移動させることで、RFIDタグ50が起電することとなる(ステップv1)。これにより、ハンドピース30xに電力が供給されることとなる。
次に、電力の供給を受けることにより、読込制御部53aの制御により識別子情報Lを読み込むとともに、通信処理部53bの通信処理により識別子情報Lを施術操作制御本体10に送信する(ステップv2)。送信された識別子情報Lを受信したオートクレーブ80では、滅菌装置側読取制御部87cが滅菌条件読出プログラムを読み込んで実行することで、ハンドピース30xに対応した滅菌処理条件を滅菌装置側記憶部88から読み出す(ステップv3)。
そして、滅菌装置側接近検出部87fが、滅菌装置側センサー865から得られる情報を解析してハンドピース30と滅菌装置側接続部86と接続を検出する(ステップv4)。この際、突出片347xは、滅菌装置側接続部86に備わる突片退避穴866に収納されるため、接続を妨害することはない。
次に、滅菌処理検出処理部87dの検出処理によって、滅菌処理が開始されたことを検出するとともに(ステップv5)、所定の条件を達した後に滅菌処理の終了したことを検出した後に(ステップv6)。滅菌処理情報作成部87eの制御によって、新たな滅菌処理情報Sを作製し(ステップv7)、当該滅菌処理情報Sを滅菌装置側通信制御部87bの制御によってハンドピース30xに送信する(ステップv8)。
送信された滅菌処理情報Sを受信したハンドピース30x(RFIDタグ50)は、情報更新制御部53cの制御により、滅菌処理情報記憶部52bに記憶する滅菌処理情報Sを書き換えて滅菌処理情報記憶部52bに新たな滅菌処理情報Sとして保存する(ステップv8)。
この際、新たな滅菌処理情報Sが滅菌処理情報記憶部52bに記憶されることに基づいて、突出部制御部13xの制御によって、モータ350xが回転して突出片347xが前方へ退去することとなるため、突出片347xが先方に移動して収納部348xに収納される(ステップv11x)。
そして、突出片347xが先方に移動して収納部348xに収納された後に、RFID送信アンテナ54aを介して接続解除許可の信号が送られる。この信号を受信した滅菌装置側動作制御部87gの制御により、オートクレーブ本体81の正面に設けてある蓋のロックを解除する(ステップv9)。これにより、施術者はハンドピース30を接続ユニット40から取り外すことができる。この際に、滅菌装置側接近検出部87fの制御により、滅菌装置側接続部86からハンドピース30が取り外されたことが検出され(ステップv10)、一連の動作が終了する。
このように、突出片347xが突出しているハンドピース30xであっても、突出片347xを収納できる突片退避穴866を備えたオートクレーブ80を用いることで、ハンドピース30xを滅菌処理できるとともに、滅菌処理されたハンドピース30xを接続ユニット40と接続することができる。
また、本実施例において、ハンドピース30xが滅菌処理情報Sを受信し(ステップv7)、滅菌処理情報Sを新たな滅菌処理情報Sとして保存すると同時に、滅菌処理回数情報Cを更新することもできる。
このような構成を有する医療用診療装置1xは、医療用診療装置1と同様に、施術操作制御本体10と接続ユニット40とを備えるチェアーユニット70で構成する医療用機器本体と、施術操作制御本体10と接続チューブ44を介して接続された接続ユニット40と接続して使用するハンドピース30xと、非接触で電力を供給するRW電力供給部61を有する接続ユニット40とを備え、ハンドピース30xに、少なくとも直近においてオートクレーブ80を用いて滅菌処理を行ったか否かの情報である滅菌処理情報Sを記憶する滅菌処理情報記憶部52bと、RW電力供給部61(RFIDリーダライタ60)と相対的に接近させることにより電力を受電する受電アンテナ51とを有するRFIDタグ50を備えるとともに、滅菌処理情報Sに基づいて、ハンドピース30xが滅菌処理されているかを判定することにより、ハンドピース30xの使用を制限する所定動作を実施するかを判定する滅菌処理判定処理部13aと、滅菌処理判定処理部13aの判定結果に基づいて、本体側報知動作処理部12dおよびハンドピース側報知動作制御部13b、突出部制御部13xによって制御され、ハンドピース30xの使用を制限する所定の報知動作を行うハンドピース30xの使用の制限を判定するハンドピース側報知動作制御部13bと、ハンドピース側報知動作制御部13bによって制御され、施術操作制御本体10とハンドピース30xとの所定動作を行うハンドピース側報知部35を備えることにより、ハンドピース30xが滅菌処理済みであることを容易に確認することができるとともに、滅菌処理を行っていない場合に、その使用を制限することができる。
具体的には、医療用診療装置1xは、接続ユニット40の構成であるユニット側接続部45と接続するハンドピース側接続部34をハンドピース30xに備え、突出部制御部13xの制御により、ユニット側接続部45とハンドピース側接続部34との接続を防止する防止形状を形成する突出機構346xを備えることで、滅菌処理を行っていないハンドピース30xと接続ユニット40とを結合しようとした場合、滅菌処理情報記憶部52bに記憶する滅菌処理情報Sと使用履歴情報Hに基づいて突出部制御部13xが突出部制御信号送信プログラムを読み込んで実行することで、突出機構346xを突出することができる。
これにより、ハンドピース30xと接続ユニット40との接続を確実に防止することができるため、施術者は滅菌処理を行っていないハンドピース30xを用いて施術を行うことができない。したがって、滅菌処理を行っていないハンドピース30xを他の患者に用いることを確実に防ぐことができる。
なお、本実施例において、接続防止形状を形成する突出機構346xは、ハンドピースの軸方向を突出方向としているが、ハンドピースの径方向を突出方向としてもよく、また斜め方向を突出方向としても良い。すなわち、ハンドピース側の接続部とユニット側の接続部とが接続するのに障害となれば良いのであって、突出方向はいずれでも良いのである。また、突出量は、図12(a)では、わずかであるが、突出量がユニット側挿入部452の長さよりも長くする場合や、ユニット側挿入部452がモータハンドピース30xの内部に接触しない様に径方向に突出する場合であっても良く、これによりユニット側挿入部452がハンドピース30x内部に接触することも防ぐことが出来る。
また、オートクレーブ80により滅菌処理することで、突出片347xが収納部348xに収納される構成とすることにより、滅菌処理を行っていないハンドピース30xが他の患者に使用されることを確実に防ぐとともに、使用勝手の良いハンドピース30xおよび医療用診療装置1xを提供することができる。
具体的に説明すると、ハンドピース30xは接続ユニット40に接続して駆動した後、施術者はハンドピース30xと接続ユニット40との接続を解除する。この滅菌処理が済んでいない状態のハンドピース30xを接続ユニット40と接近させた場合、本体側の本体側制御部12からの信号でハンドピース側制御部の中の突出部制御部13xに信号が送られて、モータ350xが回転する。このモータ350xの回転により突出片347xが後方に突出して、接続ユニット40との接続が物理的に出来ない構成となる(図12(a)参照)。
しかしながら、ハンドピース30xがオートクレーブ80に接続されて滅菌処理された状態では、モータ350xが回転して突出片347xが前方に移動して収納部348xに収納され、接続ユニット40との接続が物理的に可能となる。なお、滅菌装置側接続部86は突片退避穴866を備えているため、ハンドピース側接続部34に突出片347xが突出していても接続可能なように構成されている。
また、ネジ軸349xの機構については、モータ駆動は一例であり、突出機構346xの別の構成としては、バネ等を用いた電磁ロック機構が採用できる。但し、バネは一例に過ぎず、ゴムやその他の弾性体でも良い。また、突出片347xの出没機構は、その他の出没機構でも良い。また、実際には、これらの例に限定されるものではない。また、動作し易い様にモータ機構や電磁ロック機構の駆動回路に昇圧回路を組み合わせて使用しても良い。
また、本実施例において、オートクレーブ80を用いて滅菌処理を行うとともに、滅菌処理情報作成部87eの処理によりで作製された滅菌処理情報Sを、情報更新制御部53cの制御により滅菌処理情報記憶部52bに記憶する構成としているが、必ずしもこの構成である必要はなく、例えば、ハンドピース30x(ハンドピース30も含める。)に記憶する滅菌処理情報Sを施術操作制御本体10と接続して、操作パネル15などで滅菌処理情報Sの内容を書き換える構成としても良いし、滅菌処理後に滅菌処理情報Sを書き換えるための機器を用いて滅菌処理情報を書き換えても良い。
また、例えば院内ネットワークによりオートクレーブ80と施術操作制御本体10などとが接続されている場合には、オートクレーブが完了した際に施術操作制御本体10に最新の滅菌処理情報Sを記憶する構成としても良い。
この場合、ハンドピース30xと接続ユニット40とを接近させてハンドピース30が起電すると同時に、本体側駆動制御部12cの制御により、記憶した滅菌処理情報SをRFIDタグ50に送信する。
そして滅菌処理情報Sを受信することにより、情報更新制御部53cが滅菌処理情報Sを滅菌処理情報記憶部52bに記憶する制御を行うとともに、突出部制御部13xの制御により、モータ350xが回転して突出片347xが前方へ退去して突出片347xを収納部348xに収納する。
また、本実施例において、電力供給部は、医療用機器本体のハンドピースと接続するユニット側接続部45に配置した例を示したが、この例に限られずにホルダ19に設けても良いし、また、操作パネル15又はその近傍に設けても良い。電力供給部をホルダ19や操作パネル15又はその近傍に設ける場合、ハンドピースのユニット側接続部45に電力供給部を配置しなくとも良いので、スペース的に余裕のある設計が可能となる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、医療用診療装置は、医療用診療装置1または、医療用診療装置1xに対応し、
以下同様に、医療用機器本体は、施術操作制御本体10、接続ユニット40とを備えるチェアーユニット70に対応し、
医療用施術具は、ハンドピース30またはハンドピース30xに対応し、
電力供給部は、RW電力供給部61に対応し、
滅菌装置は、オートクレーブ80に対応し、
滅菌処理情報は、滅菌処理情報Sに対応し、
情報記憶部は、RFID記憶部52に対応し、
受電部は、受電アンテナ51に対応し、
識別体は、RFIDタグ50に対応し、
制御部は、滅菌処理判定処理部13aおよび、本体側報知動作処理部12d、ハンドピース側報知動作制御部13bに対応し、
所定動作部は、本体側報知装置16およびハンドピース側報知部35に対応し、
本体側接続部は、ユニット側接続部45に対応し、
施術具側接続部は、ハンドピース側接続部34に対応し、
報知部は、本体側報知装置16およびハンドピース側報知部35に対応し、
光出力部は、本体側光出力部16bおよびハンドピース側光出力部35bに対応し、
読取部は、RFIDリーダライタ60に対応し、
警告表示機構は、本体側報知モニタ16cに対応し、
交換判定部は、交換報知動作制御部13cに対応し、
接近検出部は、接続判定部12gに対応し、
接近報知部は、本体側報知装置16に対応し、
交換報知部は、ハンドピース側音声出力部35aに対応するが、
接続障害部は、突出機構346xに対応するが、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、本実施例においては、制御部に対応する滅菌処理判定処理部13aおよび本体側報知動作処理部12d、ハンドピース側報知動作制御部13bを、施術操作制御本体10に備えているが、必ずしも施術操作制御本体10に備えている必要はなく、例えばハンドピース30に備える構成でもよいし、接続ユニット40に備える構成でもよい。
さらに、本実施例において、チェアーユニット70の内部には機能的構成であるハンドピース側制御部13の他、ハンドピースの制御に必要な記憶部である報知設定記憶部14g、接近報知動作記憶部14h、交換基準情報記憶部14iなどを備えているが、これらはハンドピース30の内部に設けていても良い。
また、医療用診療装置1で報知する報知方法は実施例の構成に限るものでなく、例えば、ハンドピース側光出力部35bの代わりにハンドピース側音声出力部35aを用いてもよいし、ハンドピース側音声出力部35a、ハンドピース側光出力部35bの2つを同時に用いる構成としてもよい。また、ハンドピース30に警告を表示する警告表示部を設ける構成としても良い。
また、本実施例において、例えば、ステップs13において、施術後に施術者がハンドピース30と接続ユニット40とを分離しなかった場合、すなわち接続判定部12gの制御により、ハンドピース30と接続ユニット40との接続解除を判定できなかった場合、接続ユニット40に接続されたままのハンドピース30が他の患者に使用されるおそれがある。
しかし、例えばハンドピース側表示部35cまたはモニタ17に『使用不可』と表示することで使用できない旨を報知する構成とすることや、上述の報知とともに歯科診療用インスツルメント20の駆動を禁止する構成としてもよい。なお、駆動禁止解除方法に関しては施術者が操作パネル15を用いて、手動で駆動禁止を解除する構成とすることができる。
また、モニタ17に表示される患者情報が更新されることや、カルテを変更することにより、ハンドピース側表示部35cやモニタ17に『使用不可』などを表示して報知する構成としても良い。これにより、異なる患者に対して接続ユニット40と接続したままのハンドピース30の使用を防止することができる。さらには、患者を認識するカメラを備え、当該カメラと連動して患者情報とハンドピース30とを対応させて識別し、異なる患者である場合には報知する構成としていても良い。
また、本実施例において、ハンドピース30は、マイクロモータハンドピースとしているが、マイクロモータハンドピースに限定されるわけではなく、例えば、エアータービンハンドピースであっても良いし、超音波スケーラーハンドピース、エアー駆動スケーラーハンドピース、根管治療用マイクロモータハンドピース、レーザハンドピース等の既存の各種のハンドピースとしても良い。
なお、マイクロモータハンドピースを用いる場合には、マイクロモータハンドピースと接続する接続ユニット40はマイクロモータ41を内蔵する必要があるが、例えばエアータービンハンドピースである場合には、マイクロモータ41を内蔵する必要はなく、代わりにエアーの噴出口などを有する構成である必要がある。
すなわち、本発明における接続ユニット40は、接続して用いるハンドピースと対応する構成であり、特定の構成に限定されるものではない。
また、本実施例において、ハンドピース30と接続ユニット40との接続は接近検知センサー455に基づいて検出しているが、この構成に限定するものではなく、例えば、ハンドピース30と、接続ユニット40と接続チューブ42には、それぞれ数値の異なる抵抗又はインピーダンス等を内蔵し、接続判定部12gで抵抗やインピーダンスの合計値を検出することで、RFIDタグ50による検出とは別個にそれぞれどのような構成物が機械的接続を行ったかどうかを検出することが出来る。
なお、本実施例において、ハンドピース30と接続ユニット40との接続を、施術操作制御本体10に備えた接続判定部12gの制御により、接近検知センサー455から得られる情報を解析することで検出する構成としているが、例えば、RFIDタグ50を用いて検出する構成としても良い。具体的には、RFIDタグ50の近接信号だけでは、ハンドピース30が接続ユニット40や接続チューブ44と接続されたかどうかの検出は出来ないが、RFIDタグ50のRFID記憶部52に予め記憶した施術操作制御本体10からの駆動信号を識別する場合は、この駆動信号の識別によって接続判定部12gによる検出とすることが出来る。
また、本実施例のハンドピース30において、接続ユニット40とハンドピース30との間の近接や着脱を非接触型の接続検知センサー345で検出しているが、接触型の接続検知センサーを使用しても良い。また、モータユニットはモータユニット後部に接続されるチューブ接続部と着脱可能に構成されているので、RFIDや各種センサーをこの間にも設けても良い。
また、本実施例においては、上記突出機構346xをハンドピース30に設けたが、ユニット側接続部45に設けても良い。この場合には、突出機構を持たないハンドピース30に対しても接続障害部を構成することができる。また、上記突出機構346xをユニット側接続部45に設ける構成とする場合、ハンドピース30が滅菌済であることを検知し識別判定した場合には、上記突出機構346xの突出をしないように前記突出片347xが収納部348x内に後退する。
また、接続障害部の他の構成としては、ユニット側接続部45にハンドピース30と接続してエアー、水、電気、光等の作用媒体の物理的接続を出来ないようにするカバー(不図示)をユニット側接続部45に出没させる構成などが採用できる。