JP6426371B2 - 投込式水位計の校正システム、その校正方法、および校正機能付き投込式水位計 - Google Patents
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また、投込式水位計について、設定および維持管理がより簡便で、安定した水位の測定が可能なものも提案されている。
例えば、貯蔵されている液体の種類によって液体の密度が高くなると、水位は実際よりも深いものと表示される。
しかし、貯蔵される液体は放射性汚染水であるので、この密度の取得によって作業員が被ばくするという課題があった。
図1は、第1実施形態にかかる投込式水位計の校正システム10(以下、単に「校正システム10」という)の概略構成図である。
図2は、校正システム10が適用される投込式水位計20が備える検出器24の概略断面図である。
まず、校正システム10が対象とする投込式水位計20について、図2および図3を参照して説明する。
この圧力センサ22によって、筐体21の内部は周囲の液体から隔離されて、圧力センサ22からさらに内部には液体は侵入しない。
ダイヤフラムとは、弾性のある隔膜のことであり、圧力による隔膜の膨張およびへこみの度合いが読み取られるものである。
以下、圧力センサ22を、これら2つのダイヤフラム25にそれぞれ圧電素子が設けられて、圧電素子に発生した電圧の差分を差分部35で読み取るものとして説明する。
第1実施形態にかかる校正システム10または投込式水位計の校正方法(以下、単に「校正方法」という)を適用する投込式水位計20の多くが、放射線汚染水に対して用いられるからである。
変換部32は、受信した電流信号について再度I/V変換をして、例えば中央制御室41などに設置された表示部26へ送信する。
表示部26は、変換部32(図2)から送信される差圧ΔPに基づく電気信号を液体の水位(図4では、36.4m)として表示する。
例えば、貯蔵されている液体の種類によって液体の密度σが高くなると、水位は実際よりも深いものと表示される。
第1実施形態にかかる校正システム10および校正方法は、この表示部26の水位の指示値を校正するものである。
第1測定器50は、検出器24の外表面に固定されて検出器24が受ける水圧Pwを第1測定水圧Ps1として測定する。第1測定器50は、例えば、検出器24の外表面に開口端27aが固定された第1バブラチューブ51と、第1バブラチューブ51に加圧をして第1背圧Ps1を計測する第1計測部52と、を備える。
このとき、第1測定水圧Ps1とは、第1背圧Ps1のことである。
第2測定器60は、第1測定器50と同種のものを用いることができる。
つまり、第2測定器60は、例えば、第1バブラチューブ51の開口端27aと異なる水深で検出器24の外表面に開口端27bが固定される第2バブラチューブ61と、第2バブラチューブ61に加圧をして第2背圧Ps2を計測する第2計測部62と、を備える。
このとき、第2測定水圧Ps2は、第2背圧Ps2となる。
このように固定されることで、第2バブラチューブ61の開口端27bと第1バブラチューブ51の開口端27aとでは、一定値の水深の差異Lが発生することとなる。
σ=(|Ps1−Ps2|/g)/L (1)
ただし、gは重力加速度を表わす。
このようにして導出された密度σは、表示部26に表示される。
D=(ΔP/g)/σ (2)
ただし、Dは水圧側ダイヤフラム25aの真の水深を表わす。
なお、この補正Ψは、導出部47および補正部44を直接接続して、自動で行うこともできる。
また、補正部44は、変換部32のPwに関する電気信号を補正しても、表示部26に対して直接補正してもよい。
さらに、第1背圧孔16にコネクタ16aを設けることで、第1バブラチューブ51は第1延長チューブ51aを介して容易に第1計測部52に接続されることになる。
第2バブラチューブ61もまた、第1バブラチューブ51と同様に、第2延長チューブ61aを介して第2計測部62に接続される。
このように、信号線孔14、第1背圧孔16および第2背圧孔17を備えた中継器13を設けることで、校正時に校正システム10を短時間で接続することができる。すなわち、作業員の被ばくを最小限にすることができる。
具体的には、まず、作業員が中継器13の第1背圧孔16に第1延長チューブ51aを接続して、第1バブラチューブ51と第1計測部52を接続する。
同様に、第2背圧孔17に第2延長チューブ61aを接続して、第2バブラチューブ61と第2計測部62を接続する。
なお、表示部26の水位補正ボタン44aによって補正Ψをする場合は、補正部44を変換部32に接続しなくてもよい。
そして、開口端27aからバブルが漏出するときの圧力を第1背圧Ps1として測定する(S13)。
そして、開口端27bからバブルが漏出するときの圧力を第2背圧Ps2として測定する(S15)。
そして、補正部44が、導出部47で導出された密度σに基づいて、水位の指示値の補正Ψをする(S17)。
図7は、第2実施形態にかかる校正システム10の概略構成図である。
第2実施形態にかかる校正システム10は、図7に示されるように、第1測定器50から送信される第1測定水圧Ps1の値に基づいて第1測定水圧Ps1を中空ケーブル23から印加をする印加部46を備える。
よって、水位の指示値を厳密に校正する場合、第1実施形態で示した密度σによる補正Ψとともにゼロ点補正および指示値の応答比率を調整するスパン調整も行うのが好ましい。
第1測定器50には、第1実施形態と同様に、第1バブラチューブ51および第1計測部52を用いることができる。
校正時には、基準圧切換弁31が大気開放側から、印加部46が接続された印加側へ切り替えられる。
第1計測部52で計測された第1背圧Ps1は、印加部46によって中空ケーブル23から検出器24の内部へ印加される。
検出器24の内部は、印加部46からの印加によって大気圧Patmから第1背圧Ps1へと上昇する。
よって、指示値がずれていない場合、このときの指示値はゼロとなるはずである。
ゼロ点補正ボタン44bからの情報を受信した補正部44は、変換部32の水圧Pwに関する電気信号を補正する。
また、第1実施形態と同様に、表示部26に対して直接補正Ψをしてもよい。
また、図10は、第2実施形態にかかる校正方法の変形例(スパン調整)の説明図である。
指標圧付加部34は、例えば図9に示されるように、基準圧力計36が接続された加圧ポンプ34a(34)などである。
校正時には、基準圧切換弁31の2つの接続孔は、一方に印加部46が接続されて、他方が大気開放されて、適宜基準圧側ダイヤフラム25bにかかる基準圧が切り換えられる。
スパン調整を行う際は、この大気開放側の接続孔に、同じく三方弁のスパン切換弁42が接続される。
そして、このスパン切換弁42に指標圧付加部34が基準圧力計36とともに接続される。
この基準圧力計36の値を正確なものとみなして、表示部26の指示値が基準圧力計36の表示からずれている場合に、表示部26の指示値の調整Θをする。
なお、基準圧力計36を変換部32に接続して、変換部32に接続された補正部44で自動で調整Θをさせてもよい。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
Claims (8)
- 一部が液体中に開放された筐体の内部を圧力センサで封止して、前記圧力センサが液体から受ける水圧と前記筐体に接続された中空ケーブルによって前記内部から受ける大気圧との差圧を検出する検出器と、
前記水圧および前記大気圧の差圧に基づいて液体の水位を表示する表示部と、を有する投込式水位計に対して、前記表示部に表示される前記水位の指示値を校正する校正システムにおいて、
前記検出器の前記外表面に開口端が固定された第1バブラチューブと、
前記第1バブラチューブに加圧して第1測定水圧として第1背圧を計測する第1計測部と、
前記第1バブラチューブの前記開口端と異なる水深で前記検出器の外表面に開口端が固定される第2バブラチューブと、
前記第2バブラチューブに加圧をして第2背圧を計測する第2計測部と、
前記第2バブラチューブの前記第1バブラチューブとの前記水深の差異、前記第1背圧および前記第2背圧に基づいて前記液体の密度を導出する導出部と、
前記導出部で導出された前記密度に基づいて前記水位の前記指示値の補正をする補正部と、を備え、
前記第1バブラチューブ及び前記第2バブラチューブは、それぞれ柔軟な領域を有し、
前記領域を前記中空ケーブルに包巻材で包巻されることで前記中空ケーブルと一体化されることを特徴とする投込式水位計の校正システム。 - 前記中空ケーブルに設置されてこの中空ケーブルを介して前記検出器に印加される圧力を前記大気圧から前記第1測定水圧に切り換える基準圧切換弁を備えることを特徴とする請求項1に記載の投込式水位計の校正システム。
- 前記中空ケーブルを介して前記検出器に前記大気圧から前記水圧までの複数の指標圧を印加する指標圧付加部と、
前記指標圧付加部に接続されて前記指標圧と前記第1測定水圧との差圧を検知する基準圧力計と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の投込式水位計の校正システム。 - 前記指標圧付加部は、圧力ポンプであり、
前記基準圧切換弁に接続されて前記検出器の前記内部に印加される圧力を前記大気圧から前記圧力ポンプからの前記指標圧に切り換えるスパン切換弁を備えることを特徴とする請求項2及び請求項3に記載の投込式水位計の校正システム。 - 一部が液体中に開放された筐体の内部を圧力センサで封止して、前記圧力センサが液体から受ける水圧と前記筐体に接続された中空ケーブルによって前記内部から受ける大気圧との差圧を検出する検出器と、
前記差圧に基づいて液体の水位を表示する表示部と、
前記検出器の前記外表面に開口端が固定された第1バブラチューブと、
前記第1バブラチューブに加圧をして第1背圧を計測する第1計測部と、
前記第1バブラチューブの前記開口端と異なる水深で前記検出器の外表面に開口端が固定される第2バブラチューブと、
前記第2バブラチューブに加圧をして第2背圧を計測する第2計測部と、
前記第2バブラチューブの前記第1バブラチューブとの前記水深の差異、前記第1背圧および前記第2背圧に基づいて前記液体の密度を導出する導出部と、
前記導出部で導出された前記密度に基づいて前記水位の前記指示値の補正をする補正部と、を備え、
前記第1バブラチューブ及び前記第2バブラチューブは、それぞれ柔軟な領域を有し、
前記領域を前記中空ケーブルに包巻材で包巻されることで前記中空ケーブルと一体化されることを特徴とする校正機能付き投込式水位計。 - 前記差圧を電気信号の形態で伝送する信号線を固定する信号線孔、前記第1バブラチューブを固定する第1背圧孔および前記第2バブラチューブを固定する第2背圧孔を有する中継器を備えることを特徴とする請求項5に記載の校正機能付き投込式水位計。
- 前記圧力センサは、開放された前記筐体の端部を封止して液体中で前記水圧を受ける水圧側ダイヤフラムと、封止された前記筐体の前記内部に配置されて前記筐体に接続された前記中空ケーブルから大気圧を受ける基準圧側ダイヤフラムと、を備えることを特徴とする請求項5又は請求項6のいずれか1項に記載の校正機能付き投込式水位計。
- 一部が液体中に開放された筐体の内部を圧力センサで封止して、前記圧力センサが液体から受ける水圧と前記筐体に接続された中空ケーブルによって前記内部から受ける大気圧との差圧を検出する検出器と、
前記水圧および前記大気圧の差圧に基づいて液体の水位を表示する表示部と、を有する投込式水位計に対して、前記表示部に表示される前記水位の指示値を校正する校正方法において、
前記検出器の外表面に固定された前記第1バブラチューブにおける柔軟な領域、及びこの第1バブラチューブと異なる水深で前記検出器の外表面に固定された前記第2バブラチューブにおける柔軟な領域を前記中空ケーブルに包巻材で包巻することで前記中空ケーブルと一体化するステップと、
前記第1バブラチューブによって前記検出器が受ける前記水圧を第1背圧として測定するステップと、
前記第2バブラチューブによって前記水深における圧力を第2背圧として測定するステップと、
前記第2バブラチューブの前記第1バブラチューブとの前記水深の差異、前記第1背圧および前記第2背圧に基づいて前記液体の密度を導出するステップと、
導出された前記密度に基づいて前記水位の前記指示値の補正をするステップと、を含むことを特徴とする投込式水位計の校正方法。
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