以下、本発明のさらに具体的な一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<粉末圧縮成形機の基本構成>
図1には、本発明の例示的な一実施形態に従う粉末圧縮成形機(以下、単に「成形機」という。)10の全体構成が側面図で概略的に示されている。この成形機10は、概略的には、粉状または粒状の原料12を型14内に押し込んで成形することにより、目標形状を有する製品16を製造するように設計されている。
<型構造>
図2には、製品16(その一例は固形菓子である)が、側面図である図2(a)と、斜視図である図2(b)とに示されている。その製品16は、概して球状を成し、具体的には、右半球部20と、左半球部22と、それらの間に位置する環状突起部24とを有している。
図3には、型14がいくつかの断面図で示されている。この型14は、第1型30と、第2型32とに分割されている。第1型30は、図1に示すホッパ34から原料12が最初に充填されるべき部分である。これに対し、第2型32は、第1型30に接触してその第1型30内の原料12を圧縮し、それにより、その原料12の一部が充填されるべき部分である。
第1型30および第2型32は、互いに共同してキャビティ126(製品16を成形するために原料12で充填されるもの)を形成し、そのキャビティ126の一部を形成するために概して半球状を成す内面が第1型30に、残りの部分を形成するために概して半球状を成す内面が第2型32に形成されている。
第1型30は、筒状の固定部112とそれにスライド可能に嵌合される可動部114とを有する。これに対し、第2型32は、概して中実円筒状(中空円筒状でも可)を成す単一の部材で構成されている。
具体的には、第2型32においては、互いに形状が異なる基端部と先端部(第1型30に近い端部)とが同軸的に並んでいる。第2型32は、それの先端部において、第1型320内の空洞部、すなわち、固定部112内の空洞部であって一様な円形断面を有するものの内部に嵌り入る。
第2型32の基端部は、一様な円形断面を有する円筒部であって、第1型30の固定部112の直径よりわずかに小さい直径を有する。これに対し、第2型32の先端部は、第1型30に近づくにつれて、前記基端部から先細となるテーパ部である。
その結果、第2型32の先端部の外周面と第1型30の固定部112の内周面との間に環状の隙間130が形成される。前記テーパ部は、第2型32が第1型30内に進入する際に両者が完全には同軸的でなくても、第2型32が第1型30内に進入する動作を支援する機能を果たす。すなわち、テーパ部は、ガイド部として機能するのである。
<第1送りユニットの基本構成>
図1に示すように、成形機10は、第1送りユニット50を備えている。その第1送りユニット50は、複数の第1型30を、円無限軌道52に沿って一方向に連続的に送るように設計されている。複数の第1型30は、側面視においては、円無限軌道52に沿って離散的に配置されている。具体的には、複数の第1型30は、側面視においては、円無限軌道52(回転ドラム56の外周面)に沿って互いに隙間を隔てて等角度間隔で並んでいる。
本実施形態においては、第1送りユニット50が、フレーム54と、円無限軌道52を定義する回転ドラム56とを備えている。その回転ドラム56は、それの両端板58からそれぞれ回転ドラム56と同軸に突出する一対の回転軸60を有する。回転ドラム56は、その一対の回転軸60を介してフレーム54によって一回転軸線周りに回転可能に支持されている。
複数の第1型30は、回転ドラム56に、それぞれ外向きに開口する姿勢で、周方向に等間隔(等距離間隔および等角度間隔)で並ぶように埋設されている。よって、それら第1型30は、回転ドラム56と一体的に、それと同軸周りに回転する。
図4に示すように、本実施形態においては、複数の第1型30が、回転ドラム56の周方向にも軸方向(母線方向)にも並ぶように配列された複数列の第1型30として構成されているが、これに代えて、例えば、回転ドラム56の周方向に一列のみに配列された単列の第1型30として構成することが可能である。
円無限軌道52は、概念的には、回転ドラム56の外周面に一致するが、正確には、回転ドラム56の1回転分の回転に伴って任意の1個の第1型30が移動する際のその第1型30の代表点(例えば、先端面の中心点)が描く軌跡を意味する。
第1送りユニット50は、さらに、回転ドラム56を一方向に連続回転させる第1駆動系62を備えている。その第1駆動系62は、電動モータ64と、プーリ66と、無端伝動体の一例としてのベルト68とを備えている。
プーリ66は、回転ドラム56と同軸にかつ一体的に回転する。ベルト68は、電動モータ64の回転軸69と回転ドラム56のプーリ66とに巻き掛けられ、それにより、電動モータ64の回転力を回転ドラム56に伝達し、それにより、回転ドラム56を駆動する。その結果、回転ドラム56の一方向連続回転(図1においては、反時計方向の連続回転)が実現される。
<第2送りユニットの基本構成>
図1に示すように、成形機10は、さらに、第2送りユニット70を備えている。その第2送りユニット70は、複数の第2型32を、四辺形状を成す非円無限軌道72に沿って一方向に間欠的に送り、それにより、回転ドラム56に対する接近および離間(半径方向、水平方向)および回転ドラム56との連れ回り(接線方向、上下方向)を選択的に行うように設計されている。
図1に示すように、非円無限軌道72は、円無限軌道52に半径方向に隣接する隣接領域(対向領域でもある)74において、円無限軌道52より直線的に延びる(円無限軌道52より大きい曲率半径を有する)垂直直線部B(完全な直線部のみならず、実質的な直線部をも意味する用語である)を有する。
非円無限軌道72は、さらに、垂直直線部Bに対して平行かつ第2型32が逆向きに移動する垂直直線部Dと、水平直線部Aと、その水平直線部Aに対して平行かつ第2型32が逆向きに移動する水平直線部Cとを有する。それら4本の直線部A,B,CおよびDにより、非円無限軌道72が定義される。
その非円無限軌道72における第2型32の挙動を、円無限軌道70における第1型30の挙動と比較すると、第1型30は、側面視において、円無限軌道70に沿って、かつ、各第1型32が絶対空間上において自転しつつ、一方向に連続的に送られる。
これに対し、第2型32は、側面視において、非円無限軌道72に沿って、かつ、第2型32が絶対空間上において自転することなく、一方向に間欠的に送られる。すなわち、第2型32は、同じ向きおよび姿勢を維持しつつ、非円無限軌道72に沿って送られるのである。
また、円無限軌道70は、回転ドラム56の外周に沿って延びる実在トラックとして定義されるのに対し、非円無限軌道72は、そのような実在トラックを有せず、単に、第2型32の移動によってその第2型32の代表点(例えば、質点)が描く軌跡(仮想トラック)として定義されるに過ぎない。
<ホルダ>
図4に示すように、第2送りユニット70は、ホルダ100を備えている。そのホルダ100は、複数の第2型32を横一列に支持している。それら第2型32は、ホルダ100のホルダ基準線(ホルダ100の長手軸線)に沿って等間隔で並んでいる。
ホルダ100は、軽量にして高い剛性を有することが望ましい。軽量であるほど、ホルダ100が高速で移動でき、回転ドラム56に対する追従性が改善され、また、剛性が高いほど、ホルダ100における第2型32の軸方向位置(強度支持点からの隔たり)の如何を問わず、第1型30に対する圧縮力を均等に確保できるからである。
<支持ユニット>
図4に示すように、第2送りユニット70は、さらに、支持ユニット150を備えている。その支持ユニット150は、ホルダ100、正確には、ホルダ100の長手軸線(前記ホルダ基準線)と、回転ドラム56、正確には、回転ドラム56の回転軸線とが互いに平行である姿勢を維持しつつホルダ100を回転ドラム56に対して相対的に運動可能に支持するように構成されている。
具体的には、支持ユニット150は、成形機10の側面視において、ホルダ100を、回転ドラム56の外周面上の一母線(例えば、図5において、最も左側に位置する母線)に対する一接線(図5参照)に対して概して平行である第1運動基準線に沿って直線的に運動可能に支持する接線方向支持機能を有する。
図4および図5に示す例においては、その接線方向支持機能が、ホルダ100を上下動(垂直移動、上昇・下降)可能に支持する機能である。この接線方向支持機能を実現するため、例えば、図4に示すように、支持ユニット150は、ホルダ100を上下動可能に支持するリニアガイド151を有する。例えば、ホルダ100のピン152がリニアガイド151のスライダ156に連結される。
図4に示すように、ホルダ100のピン152(または凹部)がスライダ156にピボット可能に連結されるか、または、図6に示すように、第2型32のピン153(または凹部)がホルダ100にピボット可能に、かつ、ホルダ100のピン152(または凹部)がスライダ156にピボット不能に連結されれば、回転ドラム56に対する第2型32の垂直面内での回転が可能となり、それにより、第2型32の首振り機能が実現される。その結果、第1型30はその角度が円無限軌道70に沿った移動中に変化するのに対して第2型32はその角度が非円無限軌道72上に沿った移動中に変化しないところ、第1型30の角度変化に対する第2型32の角度追従性が向上する。
支持ユニット150は、さらに、ホルダ100を、回転ドラム56の一半径方向であって前記母線を通過するもの(図5に示す例においては、基準水平線)に対して概して平行である第2運動基準線に沿って直線的に運動可能に支持する半径方向支持機能を有する。
図4および図5に示す例においては、その半径方向支持機能が、ホルダ100を水平動(前後移動、前進・後退、回転ドラム56に対する接近・離間)可能に支持する機能である。この半径方向支持機能を実現するため、例えば、図4に示すように、支持ユニット150は、ホルダ100を水平動可能に支持するリニアガイド154を有する。例えば、リニアガイド151のハウジング158がリニアガイド154のスライダ(図示しない)に連結される。リニアガイド154は、第2送りユニット70のフレーム90(図1参照)に固定される。
その結果、ホルダ100は、縦横に交差する2本のリニアガイド151および154の組合せにより、定位置で連続回転する回転ドラム56に対する相対的な上下動および水平動が可能となっている。ただし、同じ運動を実現するために、他の任意の構成を支持ユニット150は採用することが可能である。
<駆動系>
図4に示すように、第2送りユニット70は、さらに、ホルダ100を前記第1運動基準線に沿って、すなわち、同図の例においては、上下方向に直線的に駆動する第1アクチュエータ(往復直動アクチュエータ)159aと、ホルダ100を前記第2運動基準線に沿って、すなわち、同図の例においては、水平方向に直線的に駆動する駆動する第2アクチュエータ(往復直動アクチュエータ)159bとを備えている。それらアクチュエータ159a,159bは、第2送りユニット70のうちの駆動系のうちの主要部を構成する。
それらアクチュエータ159a,159bは、例えば、空圧源106によって駆動されるエアシリンダとしたり、油圧源によって駆動される油圧シリンダとしたり、電源によって駆動されるリニアモータとしたり、電源によって駆動される回転モータと運動変換器(例えば、ボールねじのように、回転運動をリニア運動に変換する)との組合せとすることが可能である。すなわち、いずれのアクチュエータ159a,159bも、入力される運動の種類の如何を問わず、往復直線運動を出力する形式のアクチュエータであれば足りるのである。は
一例においては、第1アクチュエータ159aが、一方向のみ駆動力が発生すればよいため、単動エアシリンダで足りるが、もちろん複動エアシリンダであってもよい。いずれにしても、エアシリンダの浮動状態は、エアシリンダの伸縮自在状態として実現される。これに対し、第2アクチュエータ159bは、正逆両方向に駆動力が発生しなければならないため、複動エアシリンダである。
図5に示すように、第1アクチュエータ159aは、ホルダ100を、選択的に、前記第1運動基準線(上下方向)に沿った移動の範囲の両端位置の一方である成形開始位置T1に位置するように駆動される。本実施形態においては、その成形開始位置T1が、前記第1運動基準線(上下方向)に沿った移動の範囲の両端位置のうちの他方である成形終了位置T3より上方に位置する。同図において、「T2」は、ホルダ100が回転ドラム56に最も接近する位置である成形中間位置を示す。
本実施形態においては、第1アクチュエータ159aが、ホルダ100を、選択的に、重力に抗して成形開始位置T1(例えば、エアシリンダでは、上昇限度位置であるストロークエンド)に上昇させるために駆動される。さらに、第1アクチュエータ159aは、成形開始位置T1に到達して圧縮成形が開始されると、浮動状態に切り換わる。その浮動状態は、例えば、第1アクチュエータ159aがエアシリンダである場合には、ピストンロッドの前後にそれぞれ形成された空気室がいずれも大気に連通した状態となり、ピストン位置が変化してもそのピストンの両空気室間に圧力差が発生しない状態である。
その浮動状態おいては、ホルダ100が、上下動自在となり、自重によって(重力に従って)下降することが可能となる。その結果、ホルダ100は、圧縮成形が進むにつれて、第2型32が第1型30に係合したまま、回転ドラム56と共にほぼ同じ方向にほぼ同じ速度で下降する。圧縮成形が終了すると、ホルダ100は、自重により、成形終了位置T3(例えば、エアシリンダでは、下降限度位置であるストロークエンド)に復元する。
第2アクチュエータ159bは、ホルダ100を、選択的に、前記第2運動基準線(前後方向)に沿った移動の範囲の両端位置のうち第2型32がいずれかの第1型30から退避した退避位置(図4および図5に示すS1)(例えば、エアシリンダでは、後退限度位置であるストロークエンド)と、第2型32がいずれかの第1型30に係合する係合位置(図5に示すS2)(例えば、エアシリンダでは、前進限度位置であるストロークエンド)とにそれぞれ位置するように駆動される。図5に示すホルダ100の3つの位置T1,T2,T3は、いずれも、係合位置S2でもある。図5においては、係合位置S2が、ベース直線162として示されており、そのベース直線162は、前記接線から、回転ドラム56から離れる向きに隙間を隔てている。
図5には、最も左側の部分において、第2型32の挙動に関するサイクル線図が示されている。
1回の圧縮成形工程が開始されると、第2型32は、第2アクチュエータ159bの正方向の駆動により、トップエンドのレベルにおいて、退避位置S1から、前進ストロークを経験して、係合位置S2に到達する。それにより、第2型32は、回転中の回転ドラム56上のいずれかの第1型30に係合して嵌り入る。
次に、第2型32は、第1アクチュエータ159aの浮動状態(第2型32の上下動を許容する状態)において、回転ドラム56に追従するように下降し、下降ストロークを経験する。その間、第2型32は、成形開始位置T1(トップエンドのレベル),成形中間位置T2および成形終了位置T3(ボトムエンドのレベル)に順次到達する。以上で、1回の圧縮成形工程が終了する。
続いて、第2型32は、第2アクチュエータ159bの逆方向の駆動により、ボトムエンドのレベルにおいて、係合位置S2から、後退ストロークを経験して、退避位置S1に到達する。その後、第2型32は、第1アクチュエータ159aの駆動(第2型32を重力に抗して上昇させる)により、ボトムエンドのレベルにおける退避位置S1から、上昇ストロークを経験し、トップエンドのレベルにおける退避位置S1に到達する。その後、第2型32は、次回の圧縮成形工程に備えて待機する。
なお、本実施形態においては、ホルダ100を上下に直動させる上下(接線方向)往復直動アクチュエータとしての第1アクチュエータ159aと、ホルダ100を水平に直動させる水平(半径方向)往復直動アクチュエータとしての第2アクチュエータ159bとが互いに共同して、成形機10のうちの駆動系、すなわち、前記「往復直動アクチュエータ」の一例を構成する。
これに対し、一変形例においては、上下往復直動アクチュエータを有することなく、成形機10のうちの駆動系を構成することが可能である。
具体的には、ホルダ100を、本実施形態のように、回転ドラム56の外周面が下降する位置に隣接するように配置するのではなく、上昇する位置に隣接するように配置する。さらに、ホルダ100のボトムエンドにおいて、第2型32を回転ドラム56上のいずれかの第1型30に係合させ、回転ドラム56が回転するに連れてホルダ100が上昇し、やがてホルダ100がトップエンドに到達する。その上昇に上下往復直動アクチュエータは不要である。
その後、ホルダ100が、第2アクチュエータ159bにより、係合位置S2から退避位置S1まで後退させられ、それにより、第2型32が第1型30から離脱すると、ホルダ100と回転ドラム56との係合が解除される。続いて、ホルダ100は、自重によって下降し、ボトムエンドに復元する。
この変形例においては、ホルダ100の4サイクル運動すなわち4ストローク循環運動(図5参照)は、回転ドラム56の回転によるホルダ100の上昇と、自重によるホルダ100の下降とを利用する結果、上下往復直動アクチュエータなしでも実現される。
<制御系>
第2送りユニット70は、さらに、回転ドラム56の回転位置を検出するセンサ(例えば、エンコーダ、A/Dコンバータ付きレゾルバなど)180と、そのセンサ180からの出力信号に基づいて第1および第2アクチュエータ159a,159bをフィードバック制御するコントローラ182とを有する。
第2送りユニット70は、さらに、第1アクチュエータ159aを駆動するためのドライバ184と、第2アクチュエータ159bを駆動するためのドライバ186とを有する。それらドライバ184,186は、図示しない電源に接続されるとともに、それぞれ対応するアクチュエータ159a,159bの電気制御部(例えば、バルブのソレノイド、モータのコイルなど)に接続される。
コントローラ182は、1回の圧縮成形工程に先立ち、第2アクチュエータ159bを、ホルダ100が退避位置S1まで後退するように駆動する(図1,図4および図5の例においては、「C」で示す。)。コントローラ182は、その後、第1アクチュエータ159aを、ホルダ100が成形開始位置T1まで上昇するように駆動する(図1,図4および図5の例においては、「D」で示す。)。
コントローラ182は、さらに、回転ドラム56の連続回転中、回転ドラム56上の複数の第1型列のうちのいずれかがホルダ100上の第2型列と位相に関して一致する同期状態が成立することが予想される時刻より所定時間(例えば、ホルダ100が退避位置S1から係合位置S2まで移動するための時間を見込んだ時間)手前のタイミングで、第2アクチュエータ159bを、ホルダ100が退避位置S1から係合位置S2まで高速で前進する(発射される)ように駆動する(図1,図4および図5の例においては、「A」で示す。)。
ここで、コントローラ182が、第2アクチュエータ159bがホルダ100を退避位置S1から回転ドラム56に向けて発射するように第2アクチュエータ159bの駆動を開始するタイミングについて説明する。
例えば、図5に示すように、各第1型30の回転角度θ(例えば、各第1型30の中心線の、基準水平線からの隔たり角度として定義される)が0であるときに、第1型30と第2型32とが完全に同軸に(第1型30の中心線と第2型32の中心線とが完全に一致するように)対向するように回転ドラム56とホルダ100との相対位置関係が設定されているセッティングを想定する。
このセッティングにおいては、回転ドラム56の複数の回転位置のうち、成形中間位置T2にある第2型32に正対するものを、第1型中央位置といい、これは、回転ドラム56において最左端位置に位置する。
その第1型中央位置より所定の第1角度だけ回転ドラム56の回入側(リーディング側、逆回転方向、図5の例においては、時計回り)の位置を、第1型直上位置という。また、第1型中央位置より所定の第2角度(前記第1角度と同じであっても異なってもよい)だけ回転ドラム56の回出側(トレーリング側、正回転方向、図5の例においては、反時計回り)の位置を、第1型直下位置という。
このセッティングにおいては、いずれかの第1型30が第1型直上位置に位置するときに、成形開始位置T1にある第2型32がそのいずれかの第1型30に係合する。その後、その係合状態が維持され、いずれかの第1型30が第1型中央位置に位置するときに、第2型32は成形中間位置T2に位置する。また、いずれかの第1型30が第1型直下位置に位置するときに、第2型32は成形終了位置T3に位置する。
これに対し、コントローラ182は、センサ180からの出力信号に基づき、複数の第1型30のうち次に圧縮成形に使用すべき第1型30が、第1型直上位置より所定角度だけ回入側寄りの位置(発射開始位置)に到達したか否かを検出する。
ここに、「所定角度」は、回転ドラム56の回転により、第1型30が、前記発射開始位置から第1型直上位置に到達するのにかかることが予想される予想回転時間が、第2アクチュエータ159bの駆動により、ホルダ100が、退避位置S1から前進して係合位置S2に到達するのにかかることが予想される予想前進時間と、システム全体の応答遅れ時間との和と実質的に一致するように設定される。
その応答遅れ時間は、例えば、センサ180の応答遅れ時間と、センサ180からの出力信号をコントローラ182が処理するのに必要な時間(遅れ時間であるが、実用上無視できるほどに短いかもしれない)と、第2アクチュエータ159bに出力すべき指令信号をコントローラ182が生成して出力するのに必要な時間(遅れ時間であるが、実用上無視できるほどに短いかもしれない)と、第2アクチュエータ159bの応答遅れ時間(実用上無視できるほどに短いかもしれない)とを含むかもしれない。
そして、コントローラ182は、次回の圧縮成形に使用すべき第1型30が前記発射開始位置に到達したと判定すると、第2アクチュエータ159bを駆動する(ストロークA)。
コントローラ182は、その後、第1アクチュエータ159aを浮動状態(例えば、エアシリンダである場合には、伸縮自在状態)に切り換える。
ここで、コントローラ182が第1アクチュエータ159aを浮動状態に切り換えるタイミングについて説明する。
コントローラ182は、所定のタイミングで、第1アクチュエータ159aを浮動状態に切り換える。
ここに、「所定のタイミング」については、第2アクチュエータ159bに装着されている力センサ(図示しないが、エアシリンダである場合には、空気室用の圧力センサまたはピストンロッド用の軸力センサである)が所定の力の上昇を検出する(第2アクチュエータ159bのストロークエンド)と、コントローラ182が、第2型32がいずれかの第1型30に係合し始めたと判定するが、その判定が行われたタイミングが、「所定のタイミング」の一例である。
第1アクチュエータ159aが浮動状態に切り換えられると、ホルダ100が自重で落下することが許容される。一方、第1アクチュエータ159aが浮動状態に切り換えられるのに先立ち、後述のように、第1係合部200が第2係合部202に係合するか、または、その後に各第2型32が各第1型30に係合する。
よって、第1係合部200が第2係合部202に係合した後にはその係合部を通じて、その後に各第2型32が各第1型30に係合した後はその係合部をも通じて、回転ドラム56の回転力がホルダ100に伝達される。その結果、この係合状態で第1アクチュエータ159aが浮動状態に切り換えられると、ホルダ100が回転ドラム56に連れて回ることが可能となる(図1,図4および図5の例においては、「B」で示す。)。
図4に示すように、ストロークAおよびCは、選択的に、第2アクチュエータ159bによって実現され、一方、ストロークBおよびDは、選択的に、第1アクチュエータ159aによって実現される。
1回の圧縮成形工程が完了すると、第2型32は、成形終了位置T3にある。このとき、コントローラ182は、第2アクチュエータ159bを、ホルダ100が係合位置S2から退避位置S1に高速で後退して復元するように駆動する(ストロークC)。
具体的には、コントローラ182は、例えば、センサ180からの出力信号に基づき、第2型32が成形終了位置T3にあるときに回転ドラム56が取ることが予想される回転角度θが実現されたと判定すると、第2アクチュエータ159bを、ホルダ100が係合位置S2から退避位置S1に高速で後退して復元するように駆動する。
コントローラ182は、さらに、第2アクチュエータ159bの前述の力センサからのフィードバック信号に基づき、ホルダ100が係合位置S2から退避位置S1に復元したこと(第2アクチュエータ159bのストロークエンド)を検知すると、次回の圧縮成形工程の開始に備え、第1アクチュエータ159aを、ホルダ100が成形開始位置T1に到達するように高速で駆動する(ストロークD)。
このように、1回の圧縮成形のために、ストロークA,B,CおよびDのそれぞれに必要な時間の合計が必要であり、そのトータル時間の間、回転ドラム56は連続的に回転する。
よって、回転ドラム56上の複数の第1型30を漏れなく順次、圧縮成形に使用するためには、周方向において互いに隣接する2つの第1型30間の角度ピッチ分を回転ドラム56が回転するのに必要な時間が、前記トータル時間より長いことが必要である。
<回転ドラムとホルダとの間の同期を支援するガイド機構>
図4に示すように、第2送りユニット70は、ホルダ100に、第2型32の列と同位相に設けられた第1係合部200(例えば、ピン、凸部)と、回転ドラム56に、各第1型列ごとにそれと同位相に設けられた第2係合部202(例えば、穴、凹部)とを有する。
第1係合部200も第2係合部202も、対応する型32,30と同相である位置に設置されればよい。
ここに、第1係合部200について、「同相」とは、ホルダ100を自身の移動方向(図4に示す例においては、水平方向)に見た場合に、第1係合部200が、複数の第2型32と同一平面上に位置すれば足りることを意味する。よって、第1係合部200は、側面視において、図4に示すように、前記ホルダ基準線から前記移動方向に延び出してもよいし、前記ホルダ基準線から前記移動方向に外れた位置からさらに同じ方向に延び出してもよい。
また、各第1型列ごとの第2係合部202について、「同相」とは、対応する第1型列と同じ回転角を有する位置に位置すれば足りることを意味する。よって、第2係合部202は、回転ドラム56の外周面上であって複数の第1型30が存在するものから延び出してもよいし、その外周面から半径方向に外れた位置から同じ方向に延び出してもよい。
各第2係合部202は、第2型32の列が複数列の第1型30のうちのいずれかに同期して接近させられると、第1係合部200と機械的に係合する。その係合により、互いに係合されるべき第1型30と第2型32との間の同期を確保し、それにより、圧縮成形工程中における両者間のずれを軽減する。
第1係合部200の先端位置は、第2型32の先端位置より、回転ドラム56の外周面に接近している。よって、第1係合部200と第2係合部202との係合は、第1型30と第2型32との係合より先に開始される。また、第1係合部200および第2係合部202のはめ合いの寸法公差は、第1型30および第2型32のはめ合いの寸法公差より小さい。
よって、本実施形態においては、第1係合部200と第2係合部202との組合せが、ホルダ100の移動を、回転ドラム56に対する正規の相対位置(予定された接触開始位置)に一致するように、上下方向および左右方向の双方においてガイドし、それにより、第1型30と第2型32との係合が高い同期度のもとに開始されることを支援するガイド機構を構成する。
<回転ドラムとホルダとの間の相対的位置関係>
本実施形態においては、図1および図5に示すように、第1および第2送りユニット50,70が、円無限軌道52および非円無限軌道72(正確には、それに関連する前記接線)が同一平面上において外接するように、相対的に配置されている。これに代えて、例えば、それら軌道52,72が同一平面上において内接するか、または、1本の共通交線を有するように交わる2つの平面上にそれぞれ位置して外接もしくは内接するように、第1および第2送りユニット50,70を相対的に配置してもよい。
具体的には、本実施形態においては、第1および第2送りユニット50,70が、前記接線のうち、成形開始位置T1と成形終了位置T3とをつなぐ部分が、成形中間位置(最接近位置)T2において、回転ドラム56の外周円に、それの最外端位置(回転ドラム56の外周円と、その外周円の中心点を通過する水平線との交点の位置であり、図1に示す例においては、最左端位置)において、実質的に外接するように、配置される。
<第1および第2送りユニットの作動>
図1に示すように、第1送りユニット50には、複数の作業工程を実施するための複数の位置が設定されている。それら位置は、次のとおりである。
投入位置P1:原料12がホッパ34から第1型30内に投入される位置(例えば、回転ドラム56のほぼ最上端位置)
1次加工位置P2:投入位置P1より下流側であって隣接領域74より上流側に位置し、第1型30内に投入された原料12を暫定的に圧縮する1次加工(前加工、仮圧縮、仮押固め)が行われる位置
その1次加工により、粉末状の原料12が第1型30の型面に付着し、それにより、その後の工程において原料12が第1型30の型面から重力によってみだりに落下することが防止される。
図1に示すように、本実施形態においては、その1次加工を行うために、投入位置P1より下流側であって隣接領域74より上流側に位置に1次加工部材としての押固め部材110が、フレーム90によって支持されている。側面視において、その押固め部材110の中心点の、回転ドラム56の中心線に対する相対位置は、成形機10の作動中に変化しない。
2次加工位置P3:隣接領域74内に位置し、第1型30内に予め充填されている原料12であって前記1次加工が行われたものを第2型32によって追加的に圧縮する2次加工が行われる位置
その2次加工により、原料12の一部によって第2型32内が充填され(もともとの空気128が原料12に置換され)、それにより、製品16の最終形状が実現される。
排出位置P4:前記2次加工位置より下流側に位置し、第2型32が第1型30から退避させられた後に、完成した製品16が第1型30から排出される位置(図1に示す例においては、製品16に作用する重力の方向と第1型30の中心線方向とが互いに一致する最下端位置)
<粉末圧縮成形のためのプロセス>
図5には、連続的に一方向に回転する複数の第1型30と、隣接領域74においては同じ方向に進行するように間欠的に一方向に回転する第2型32との共同によって実現される一連の工程が示されている。
回転ドラム56の全周区間のうち、第1型30が隣接領域74に進入する進入側から、第1型30が隣接領域74から退出する退出側までの区間、すなわち、2次加工位置P3においては、図3(a)に示す初期圧縮工程(成形開始位置T1)と、図3(b)に示す中期圧縮工程(成形中間位置T2)と、図3(b)に示す後期圧縮工程(成形終了位置T3)とがそれらの順に並んで実行される。それら3つの工程により、前記2次加工が構成される。
すべての工程を通じ、第2型32は、理論的には、係合位置S2(回転ドラム56に対して不変である)に維持されるのに対し、第1型30は、後述のカム機構140により、第2型32に対して相対的に接近する。よって、実質的には、原料12は、静止している第2型32と、それに接近する第1型30とによって圧縮される。
具体的には、第1型30のうちの可動部114が、カム機構140により、回転ドラム56に対して相対的に運動させられ、その結果、第2型32に対して相対的に接近する(図においては、「前進」)。
これに対し、第1型30のうちの固定部112(回転ドラム56と一体的に回転する)は、図3(a)および図3(b)に示すように、初期圧縮工程から中期圧縮工程までは、回転ドラム56の回入により、第2型32に接近し(図においては、「前進」)、一方、図3(b)および図3(c)に示すように、中期圧縮工程から後期圧縮工程までは、回転ドラム56の回出により、第2型32から離間する(図においては、「後退」)。
また、すべての工程を通じ、図5に示すように、回転ドラム56の一方向回転およびホルダ100の下降につれて、隣接領域74内において、いずれかの第1型30と、対応する第2型32とが、共に下降しつつ、水平方向(または回転ドラム56の半径方向)に互いに接近する。
また、初期圧縮工程においては、原料12の圧縮が開始され、次に、中期圧縮工程においては、その圧縮度が増し、最後に、後期圧縮工程においては、その圧縮度が目標圧縮度に達し、製品16の最終形状が実現される
<型14の構成および作動>
ここで、図3を参照することにより、型14の構造および作動を詳細に説明する。
前述の圧縮工程において、より効果的な圧縮を行うために、第1型30は、可動部114を有し、その結果、第1型30の内部空間120の容積減少を第1型30のみでも行い得る形式となっている。ただし、第1型30が、可動部114を有せず、そのために第1型30の内部空間120の容積減少を第1型30のみでは行い得ない形式で本発明を実施することも可能である。
本実施形態においては、具体的には、図3に示すように、第1型30は、固定部(回転ドラム56に対する相対位置が不変である)112と、可動部(回転ドラム56に対する半径方向相対位置が可変である)114とを有する。その可動部114は、固定部112に同軸的にスライド可能に嵌合されている。
固定部112の筒状先端部116の内周面の一部と、可動部114の凹状先端部118の凹状先端面とが互いに共同して、第1型30内の、容積可変の内部空間120を画定している。その内部空間120のうち、可動部114によって定義される部分が、製品16の右半球部20の外面形状を反映する形状を有し、一方、固定部112によって定義される部分が、製品16の環状突起24の外面形状を反映する形状を有する。
これに対し、第2型32は、凹状先端部122を有し、その凹状先端面が、第2型32内の、容積不変の内部空間124を画定している。その内部空間124は、製品16の左半球部22の外面形状を反映する形状を有する。その内部空間124は、第1型30の内部空間120と合体することにより、容積可変のキャビティ126を形成する。
<圧縮工程の説明>
ここで、図3を参照することにより、圧縮工程を詳細に説明する。
圧縮工程においては、まず、初期段階において、図3(a)に示すように、隣接領域74のうち、上下方向においては成形開始位置T1、水平方向においては係合位置S2である位置において、第2型32の凹状先端部122(前記テーパ部)が、第1型30の筒状先端部116に、同軸ではないが、進入しようとする。ただし、ホルダ100の衝撃力と第2型32が第1型30に片当たりする程度(非同軸性に起因する摩擦力)次第で、第2型32が第1型30内に進入する深さは異なるかもしれない。
このとき、原料12は、第1型30の内部空間120内に予め充填されているが、この時点では、第2型32の内部空間124内には原料12ではなく空気128が存在する。ただし、このとき、第2型32の凹状先端部122が第1型30の筒状先端部116に同軸的に接触する結果、キャビティ126が暫定的に画定される。
次に、圧縮工程のうちの中期段階においては、第1型30の一方向回転につれて第2型32が直線的に下降しつつ(第1型30との係合状態が維持される結果、第2型32は第1型30によって連れ回される)、図3(b)に示すように、第2型32の位置は係合位置S1(例えば、ストロークエンド)に保持される。このとき、第2型32と第1型30との間の同軸度が向上し、片当たりが次第に解消され、第1アクチュエータ159aの駆動力が無駄なく圧縮力として原料12に伝達される。
さらに、この中期段階においては、カム機構140により、第1型30において、可動部114が固定部112に接近する向きに前進し、それにより、内部空間120の容積を減少させ、ひいては、キャビティ126の容積を減少させる。その結果、第2型32の内部空間124内の空気128が部分的に原料12に置換されて、第1型30と第2型32との間の筒状の隙間130を経て排出される。
この中期段階においては、カム機構140により、回転ドラム56の一方向回転につれて、可動部114が次第に固定部112に接近するが、この間、第2型32は、ほぼ前進限度に到達している可能性が高いため、第2型32は、みかけ上、第1型30の固定部112に対する水平方向相対位置を実質的に維持される。すなわち、第2型32のうち、第1型30内に嵌まり込んだ部分の長さ(オーバラップ長さ)が維持されるのである。
続いて、圧縮工程のうちの後期段階(キャビティ126の最大圧縮状態、第1型30の可動部114の前進限度位置)においては、カム機構140により、第1型30においては、可動部114がさらに前進する。それにより、キャビティ126の容積をさらに減少させ、その結果、第2型32の内部空間124内の空気128が完全に原料12に置換される。
それにより、キャビティ126が全体的に原料12で充填されるとともに、その原料12が圧縮され、その結果、キャビティ126の内面形状が製品16の外面形状に反映される。
隙間130は、第1型30の固定部112の内周面と第2型32の外周面との間に形成される。この隙間130は、キャビティ126内の空気128は隙間130を経て外に排出可能であるが、キャビティ126内の原料12は隙間130を経て外に漏れることが実質的に阻止される大きさ(半径方向クリアランス寸法)を有している。すなわち、隙間130は、空気128は通過させるが原料12は通過させないというように、選択的通過性を有しているのである。
<第1型において可動部を固定部に対して相対的に変位させるためのカム機構>
図3に示すように、圧縮工程においては、前述のように、可動部114が固定部112に接近させられるが、その接近という運動を含め、可動部114の、固定部112に対する相対的な半径方向運動を実現するために、第1送りユニット50は、図6に示すように、カム機構140を備えている。
そのカム機構140は、可動部114と一緒に動くカムフォロワ(例えば、ピンまたはローラ)142と、そのカムフォロワ142の運動経路を定義するカムとしての確動カム144(例えば、正面カム、溝カム)とを有する。その確動カム144は、回転ドラム56と一体的に回転する。
図5には、第1型30の可動部114の半径方向位置の、回転ドラム56の回転位置の変化に連動した移動が、カムフォロワ142の半径方向位置の、回転ドラム56の回転位置の変化に連動した移動によって実現されることが示されている。
具体的には、位置R1にある第1型30と、位置R1に対応する位置Q1にある第2型32とが最初に接触する。
次に、位置R2において、第1型30の固定部112が後退する一方、第1型30の可動部114が少し前進するとともに、位置R2に対応する位置Q2において、第2型32が、第1型30の固定部112の後退分を補う分だけ前進する。
さらに、位置R3において、第1型30の可動部114がさらに少し前進するとともに、位置R3に対応する位置Q3において、第2型32が、第1型30の固定部112の後退分を補う分だけ前進する。
カムフォロワ142の半径方向位置の、回転ドラム56の回転角の変化に対する連動は、確動カム144のプロファイル(カム溝がそれに沿って延びる線の形状)によって決まる。
具体的には、その確動カム144は、回転ドラム56と同心のベース円146からの半径方向外向きのリフト量Lが回転ドラム56の回転角の増加につれて上昇する接近セグメント148を有している。その接近セグメント148が存在するおかげで、図3に示すように、圧縮工程が進行するにつれて、可動部114が固定部112に接近して、型14内の原料12の圧縮度が上昇することが実現される。
ところで、図1に示すように、押固め部材110は、回転ドラム56の外周円に外接しつつ回転ドラム56に平行に延びる回転体または非回転体(例えば、板部材)であり、それの回転軸線の位置が円無限軌道52に対して固定されている。その押固め部材110は、それの作用領域内に第1型30が進入すると、その第1型30の先端面に接触し、それにより、第1型30内に山盛りに堆積された原料12を押し固めてほぼ平坦化する。
この押し固めは、回転ドラム56の回転中、いずれかの第1型30が1次加工位置P2に到達するごとに、その第1型30の可動部114を固定部112に対して一時的に前進させることにより、さらに積極的に行うことが可能である。このような可動部114の一時的前進も、カム機構140によって実現される。
本実施形態においては、排出工程において、第1型30の可動部114が固定部112に接近させられ、固定部112の先端面から突出し、それにより、可動部114が製品16を第1型30から押し出すことが行われる。この押し出しのための可動部114の半径方向運動も、カム機構140によって実現される。
以上、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、前記[発明の概要]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
例えば、前記実施形態は、固形菓子を製造するための粉末圧縮成形機に本発明を適用したものであるが、例えば、他の固形食物を製造するための粉末圧縮成形機に本発明を適用することができる。