JP6425200B2 - チューブポンプ及びチューブポンプの回転体制御方法 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、加圧部材による圧迫によって生じたチューブの閉塞部の内面同士を圧迫力の除去後に離間させるための線状部材や帯状部材などの粘着状態阻止部材をチューブ内に挿入した構成とされたチューブポンプが開示されている。
また、下記特許文献2には、ポンプ駆動軸と一体で回転するガイド板に、非使用時に加圧ローラによるチューブの押圧状態を解除する機能を設けたチューブポンプが開示されている。このチューブポンプは、ガイド板に、加圧ローラをチューブ押圧状態と押圧解除状態とに移動自由に支持する長穴状のガイド穴を設け、非使用時にはポンプ駆動軸を逆回転させることで、加圧ローラをガイド穴に沿って移動させて押圧解除状態とする構成とされている。
本発明においては、前記制御部は、送出先側に向けて流体を送出させる際には、前記回転体を、前記チューブにおける前記押圧部に押し潰されていた部位が開放される所定の第2角度となるまで送出側に回転させ、この回転位置を所定の第2時間が経過するまで保持した後に、送出側に回転させてもよい。
また、本発明においては、前記回転体における前記押圧部の送出側への移動方向後方側に、前記チューブにおける該押圧部に押し潰されていた部位を復元させる復元ガイドを設けてもよい。
本発明においては、送出先側に向けて流体を送出させる際には、前記回転体を、前記チューブにおける前記押圧部に押し潰されていた部位が開放される所定の第2角度となるまで送出側に回転させ、この回転位置を所定の第2時間が経過するまで保持した後に、送出側に回転させてもよい。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
図1〜図5は、第1実施形態に係るチューブポンプの一例及びこれを用いて実行される第1実施形態に係るチューブポンプの回転体制御方法の一例を模式的に示す図である。
このチューブポンプ1は、回転体20を送出側に回転(正回転)させて押圧部23を移動させることでチューブ30内の流体を送出(移送)する構成とされている。なお、図1、図5、図7〜図10では、時計廻りを回転体20の逆回転(反送出側への回転)、反時計廻りを回転体20の正回転としている。
チューブポンプ1は、本実施形態では、ポンプ本体10に、単一の回転体20及び単一のチューブ30を収容させた構成とされている。
ポンプ本体10は、図3(b)に示すように、回転体20の軸(軸部21)方向の一方向に開口した収容凹所が設けられた本体ケース11と、この本体ケース11の開口側を覆うように設けられる蓋体18と、を備えている。
蓋体18には、回転体20の軸方向の一方向に突出するように設けられ回転体20の回転中心となる軸部21を受け入れる軸受部19が設けられている。本体ケース11には、回転体20の軸方向の他方向に凹むように設けられ回転体20の回転中心となる軸受部21Aに挿入される軸部12が設けられている。
図例では、この内周壁面13を、軸方向に見て、中心角が220度程度の円弧状としている。この内周壁面13の周方向中央部位に対向する側の部位が、図1に示すように、チューブ30のポンプ本体10外への引き出し側となり、チューブ30が沿わせられていないチューブ30の途切れ部となる。
本実施形態では、図3(a)に示すように、この内周壁面13におけるチューブ30の途切れ部の対向側部位となる奥側壁面13aの円心(軸部21)からの半径としての奥側半径R1を、他の部位13b,13cの半径R2,R3よりも小さくしている。この奥側壁面13aは、内周壁面13の周方向中央に、周方向中央を一致させた円弧状とされ、図例では、その中心角を90度程度としている。この奥側壁面13aの奥側半径R1は、奥側壁面13aの周方向の全体に亘って同径とされている。
図例では、これら漸増壁面13b,13bを、奥側壁面13aの両側から内周壁面13の中心角が180度程度となる部位まで設けた例を示している。つまり、図例では、奥側壁面13aの両側に、それぞれに中心角が45度程度の円弧状とされた漸増壁面13b,13bを設けた例を示している。これら漸増壁面13b,13bの奥側壁面側部位及び奥側壁面13aに対向するようにいずれかの押圧部23が位置する状態が、複数の押圧部23,23のうちの一つがチューブ30の途切れ部に位置する状態となる。この状態では、回転体20に上記クリアランス等に起因する途切れ部側への片寄りが生じ易くなる状態となる。
これら引出側壁面13c,13cは、図例では、それぞれに中心角が20度程度の円弧状とされている。また。これら引出側壁面13c,13cの円心(軸部21)からの半径としての引出側半径R3,R3は、これら引出側壁面13c,13cの周方向の全体に亘って同径とされている。これら引出側壁面13c,13c及び漸増壁面13b,13bの引き出し側部位に対向するように押圧部23,23が位置する状態が、複数の押圧部23,23の全てがチューブ30を押圧する状態となる。この状態では、各押圧部23,23にチューブ30の復元力が同様に作用するため、回転体20の径方向の片寄り等が生じ難い状態となる。
また、これら両側の引出側壁面13c,13c、両側の漸増壁面13b,13b及び奥側壁面13aは、互いに隣り合う壁面同士に段差や屈曲部が形成されないよう一連状の凹湾曲面形状とされている。
また、上記した奥側壁面13aの周方向に沿う寸法は、チューブ30の途切れ部の周方向に沿う寸法に概ね応じた寸法としてもよい。換言すれば、奥側壁面13aの周方向に沿う寸法を、回転体20の回転に伴い複数の押圧部23,23のうちの一つの押圧部23がチューブ30の途切れ部に位置してチューブ30からの復元力が作用し難くなる範囲を移動する寸法に応じた寸法としてもよい。また、両側の漸増壁面13b,13bの周方向に沿う寸法や径を徐変させる度合等も、回転体20の回転に伴い移動する押圧部23がチューブ30から受ける復元力の大小等を加味して適宜、設定するようにしてもよい。また、両側の引出側壁面13c,13cの周方向に沿う寸法は、回転体20の回転に伴い複数の押圧部23,23の全てがチューブ30を押圧する位置とされて各押圧部23,23にチューブ30からの復元力が同様に作用する範囲を移動する寸法に応じた寸法としてもよい。
上記した一対の保持突部15,15及び一対のストッパー突部17,17は、これら挿通部14,16の両内側壁間寸法を狭めるように形成されている。なお、保持突部15やストッパー突部17を、本体ケース11の挿通部14,16の両内側壁に加えて、または代えて、本体ケース11の底壁や蓋体18に設けるようにしてもよい。つまりは、本体ケース11の底壁と蓋体18とを、ポンプ本体10におけるチューブ30の引き出し部位の両内側壁として把握するようにしてもよい。
これら保持突部15,15がチューブ30の送出元側継手34のフランジ部34a,34b間に挿入され、送出元側継手34の送出方向に沿う移動が抑止される(図1参照)。
これらストッパー突部17,17間に、チューブ30の送出先側継手35よりも送出元側部位を挿入させた状態では、チューブ30の送出先側継手35の送出方向先側への移動が可能な状態となる(図2(a)参照)。一方、チューブ30の送出先側継手35の送出方向元側への移動は、送出先側継手35の第1フランジ部35aがストッパー突部17,17に当接し、抑止される(図1参照)。
本実施形態では、回転体20の軸部21廻りに、上述のように、二つの押圧部23,23を設けた構成としている。つまり、回転体20に、互いの回転方向の間隔が180度となるように二つの押圧部23,23を設けた構成としている。図例では、これら押圧部23,23を、軸部21から径方向に突出するようにアーム状(スポーク状)に設けられた部位の先端部に設けている。
これら押圧部23,23は、図1に示すように、ポンプ本体10の内周壁面13に対向するように配置され、内周壁面13とによってチューブ30を押し潰す構成とされている。図1に示す回転体20の停止位置(初期位置)では、二つの押圧部23,23のうちの一つの押圧部23と内周壁面13の周方向中央部位とによってチューブ30の被押圧部位31を押し潰した状態を例示している。このように回転体20が停止され、チューブ30を押し潰した状態では、チューブ30の被押圧部位31が閉塞し、流体の送出が不能(送出停止)となる。なお、回転体20の停止位置(初期位置)は一例であり、他の位置でもよい。
また、本実施形態では、回転体20は、このように二つの押圧部23,23のうちの一つの押圧部23がチューブ30を押し潰す状態と、これら二つの押圧部23,23の両方がチューブ30を押し潰す状態と、を変位する構成とされている。
図例では、回転体20の軸部21から径方向に突出させるように、かつ隣り合う押圧部23,23から等距離となるようにチューブガイド24,24を設けた例を示している。また、これらチューブガイド24,24は、チューブ30の回転体軸方向への移動を抑制するように、チューブ30を回転体軸方向両側から挟むような形状とされ、チューブ30を受け入れる凹所が形成されるように径方向に開口した形状とされている。また、これらチューブガイド24,24の開口方向の底部25が内周壁面13に対向するように配置され、チューブ30の回転体軸心側への移動を抑制する構成とされている。なお、このようなチューブガイド24,24を設けないようにしてもよい。
このチューブ30は、押圧部23,23によって押し潰された部位が復元し得る弾性を有したエラストマー系材料、例えば、EPDMやシリコン、ネオプレン等の合成樹脂系エラストマーや、天然ゴム等から形成されたものとしてもよい。このようなチューブ30の材質は、送出する流体の種類等に応じて、適宜のものを採用するようにしてもよい。また、チューブ30の内径や、内周壁面13に沿う長さ等は、送出する流体の所望する流量等に応じて適宜、設定するようにしてもよい。また、当該チューブポンプ1によって送出される流体としては、種々の液体でもよく、また、エマルション(ラテックス)状のものやスラリー状のものでもよく、気体でもよい。
これら送出元側継手34及び送出先側継手35には、チューブ本体の送出元側端部32及び送出先側端部33のそれぞれに圧入される第1接続部がそれぞれに設けられている。また、これら送出元側継手34及び送出先側継手35の第1接続部に隣接するように、上記した第1フランジ部34a,35aが設けられている。
また、これら送出元側継手34及び送出先側継手35には、第2接続部34c,35cがそれぞれに設けられている。
なお、チューブ30の送出元側部位及び送出先側部位としては、送出元側継手34及び送出先側継手35に限られない。例えば、チューブ30がポンプ本体10外にも延びるように一連状に長尺な構成とされたものでは、ポンプ本体10の挿通部14,16に挿通される部位としてもよい。この場合は、挿通部14,16に挿通される部位に、適宜、元側保持部15に保持される被保持部や、ストッパー部17に当接される当接部を設けるようにしてもよい。
この駆動部26は、図2(b)に示すように、制御部41を備えた制御盤40に接続されている。この駆動部26の駆動が制御部41によって制御されて回転体20が回転され、後述のように、流体の送出(吐出)等がなされる。
なお、制御盤40には、制御部41に加え、メモリ等によって構成され各種動作プログラム等を記憶する記憶部42や、駆動部26に駆動電源を供給する電源部43、操作入力の受け付けや表示を行う表示操作部44等が適宜、設けられている。また、この制御盤40は、チューブポンプ1自体が備えるものとしてもよく、チューブポンプ1が組み込まれる各種装置やシステム(流体送出システム)が備えるものとしてもよい。
また、回転体20を適宜の回転位置において停止させれば、上述のように、流体の送出が停止される。
この停止状態が長く継続すれば、流体を送出すべく回転体20を正回転させた際に、チューブ30の押し潰された被押圧部位31が復元し難くなることが考えられる。この被押圧部位31が押し潰された状態で、当該部位を押し潰していた押圧部23が送出側へ移動すれば、送出元2側からの流体の吸込み、つまりは自吸作用がスムーズになされ難くなり、流体の送出不良が生じることが考えられる。
この回転体制御方法は、所定時間(所定の第1時間)が経過すれば、回転体20を、チューブ30における少なくとも押圧部23に押し潰されていた部位31が開放される所定角度(所定の第1角度)となるまで反送出側に回転させた後、回転前の角度となるまで送出側に回転させるようにしている。このような構成とすれば、流体の送出制御を安定的に行うことができる。つまり、チューブ30の同じ位置が押圧部23によって押し潰された状態が長期間に亘って継続するようなことがなく、チューブ30の押し潰されていた部位31が復元し難くなるようなことを抑制することができる。これにより、流体を送出すべく回転体20を正回転させれば、押圧部23の移動に伴う送出元2側からの流体の自吸作用がスムーズになされ、流体を安定的に送出することができ、送出不良を防止することができる。また、例えば、チューブ内に粘着状態阻止部材を挿入させたり、ガイド板に加圧ローラを案内するガイド穴を設けたりしたようなものと比べて、構造の簡略化を図ることができる。また、このようなものと比べて、回転体20の停止時に押圧部23によってチューブ30を押し潰すことができるので、封止性を向上させることができ、停止時における流体の垂れ等も抑制することができ、流体の送出を安定的に停止させることができる。また、回転体20を、所定の第1角度となるまで反送出側に回転させた後に、回転前の角度となるまで送出側に回転させるようにしているので、復元性を向上させる動作時における流体の送出先5側へ送出を抑制することができる。
図4に示すように、所定時間(所定の第1時間)が経過すれば(ステップ100)、図5(a)、(b)に示すように、回転体20を所定角度(所定の第1角度)となるまで逆回転させる(ステップ101,102)。つまり、駆動部26を駆動し、図5(a)に示す初期位置(停止位置)から回転体20を図示時計廻りに所定の第1角度となるまで反送出側に回転させる。
上記所定の第1時間は、前回の回転体20の回転動作からの経過時間が、チューブ30が復元し難くなる時間よりも短い時間となるように、適宜、設定するようにしてもよい。また、この所定の第1時間は、チューブ30の材質や径、肉厚(厚さ)、押圧部23を構成する押圧ローラー径等に応じて、適宜、設定するようにしてもよい。例えば、上記所定の第1時間を、24時間とし、チューブポンプ1の駆動(流体送出のための駆動)の有無に関わらず、少なくとも24時間毎に、言わば定期的に、回転体20の押圧部23を反送出側に移動させ、チューブ30の被押圧部位31を開放させる態様としてもよい。または、前回の流体送出動作から所定の第1時間が経過すれば、回転体20の押圧部23を反送出側に移動させ、チューブ30の被押圧部位31を開放させる態様としてもよい。換言すれば、回転体20が停止した状態が所定の第1時間を超えて継続すれば、回転体20の押圧部23を反送出側に移動させ、チューブ30の被押圧部位31を開放させる態様としてもよい。
つまりは、前回の回転体20の回転動作から少なくとも所定の第1時間が経過する毎に、回転体20の押圧部23を反送出側に移動させ、チューブ30の被押圧部位31を開放させる態様としてもよい。この所定の第1時間の経過の判別は、上記のような経過時間を制御部41において判別する態様としてもよい。また、この所定の第1時間は、予め設定されたものでもよく、表示操作部44等から入力されたものでもよい。
また、回転体20が所定の第1角度となるまで反送出側に回転されたか否かの判別は、制御部41において判別するようにしてもよく、例えば、回転体20の回転位置を検出する回転角センサー等の検出器や駆動部26からの信号を制御部41が受信することによって判別するようにしてもよい。また、この所定の第1角度は、予め設定されたものでもよく、表示操作部44等から入力されたものでもよい。
以下、同様に、前回の回転体20の回転動作から少なくとも所定の第1時間が経過する毎に、回転体20を所定の第1角度となるまで逆回転させて停止させ、回転前の角度となるまで、正回転させて停止させるようにしてもよい。
なお、上記所定の第1時間は、図5(b)、(c)に示すように、回転体20を、逆回転させた後に、回転前の角度となるまで正回転がなされる前に、チューブ30の被押圧部位31が復元するような時間としてもよい。また、上記のように逆回転された回転体20の回転位置を、所定の保持時間が経過するまで保持するようにしてもよい。このような構成とすれば、回転体20を所定の第1角度となるまで逆回転させた後に、直ちに回転前の角度となるまで正回転させる態様と比べて、チューブ30の被押圧部位31の復元性をより向上させることができる。
図6及び図7は、第2実施形態に係る回転体制御方法の一例を模式的に示す図である。
この回転体制御方法は、回転体20を、チューブ30における押圧部23に押し潰されていた部位31が開放される所定角度(所定の第2角度)となるまで送出側に回転させ、この回転位置を所定時間(所定の第2時間)が経過するまで保持した後に、送出側に回転させるようにしている。このような構成とすれば、流体の送出制御を安定的に行うことができる。つまり、回転体20を、所定の第2角度の回転位置において保持することで、押圧部23に押し潰されていた部位31を徐々に復元させることができ、自吸が可能となる。そして、所定の第2時間が経過した後に、更に正回転させれば、上記同様、押圧部23の移動に伴う送出元2側からの流体の自吸作用がスムーズになされ、流体を安定的に送出することができ、送出不良を防止することができる。また、上記同様、チューブ内に粘着状態阻止部材を挿入させたり、ガイド板に加圧ローラを案内するガイド穴を設けたりしたようなものと比べて、構造の簡略化を図ることができる。また、このようなものと比べて、上記同様、回転体20の停止時に押圧部23によってチューブ30を押し潰すことができるので、封止性を向上させることができ、停止時における流体の垂れ等も抑制することができ、流体の送出を安定的に停止させることができる。
図6に示すように、送出ONとなれば(ステップ200)、図7(a)〜(c)に示すように、回転体20を所定角度(所定の第2角度)となるまで正回転させ、所定時間(所定の第2時間)が経過するまで停止させる(ステップ201〜204)。つまり、駆動部26を駆動し、図7(a)に示す初期位置(停止位置)から回転体20を図示反時計廻りに所定の第2角度となるまで送出側に回転させ、この回転位置を所定の第2時間が経過するまで保持する。これにより、図7(b)に示すように、押圧部23の下流側のチューブ30内の流体が送出先5側に向けて送出される。また、図7(b)、(c)に示すように、押圧部23に押し潰されていたチューブ30の被押圧部位31が徐々に復元し、チューブ30の上流側部位に送出元2側からの流体が流入する。
また、上記所定の第2角度は、上記第1実施形態に係る回転体制御方法と概ね同様、少なくとも押圧部23に押し潰されていたチューブ30の被押圧部位31が開放(解放)される角度であればよい。つまりは、回転体20の押圧部23が、少なくとも押圧部23の移動方向に沿う寸法に概ね相当する寸法を送出側に移動して停止するような角度としてもよい。図例では、上記所定の第2角度を、45度程度とした例を示している。また、上記同様、360度を押圧部23,23の個数で除して得た角度未満としてもよい。例えば、所定の第2角度を、360度を押圧部23,23の個数で除して得た角度の1/2の角度以下としてもよく、好ましくは、1/3の角度以下としてもよい。
また、回転体20が所定の第2角度となるまで送出側に回転されたか否かの判別は、上記同様、制御部41において判別するようにしてもよく、例えば、回転体20の回転位置を検出する回転角センサー等の検出器や駆動部26からの信号を制御部41が受信することによって判別するようにしてもよい。また、この所定の第2角度は、上記同様、予め設定されたものでもよく、表示操作部44等から入力されたものでもよい。
そして、送出OFFとなり、回転体20が初期位置となれば、回転体20を停止させる(ステップ206〜208)。つまり、駆動部26を停止させ、回転体20の回転を停止させる。
なお、このような態様に代えて、回転体20を、半回転や複数回転等の所定の送出角度となるまで回転させた後や、所定量の流体が送出されるまで回転させた後に、停止させるような制御態様としてもよい。また、初期位置において停止させる態様に限られず、他の位置において停止させる態様としてもよい。
また、本実施形態に係る回転体制御方法に加えて、上記第1実施形態に係る回転体制御方法を実行することも可能である。
図8は、第2実施形態に係るチューブポンプを模式的に示す図である。
なお、上記した第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態に係る回転体制御方法のような態様と比べて、言わば、強制的にチューブ30の押し潰されていた部位31Aを復元させることができる。
また、上記第2実施形態に係る回転体制御方法のように所定の第2時間保持する態様とした場合と比べて、流体の送出を迅速に行うことができる。
これら復元ガイド27,27は、それぞれの押圧部23,23の送出側への移動方向後方側に比較的に近接して設けられている。図例では、上記のように押圧部23,23間に設けられたチューブガイド24,24とその送出側への移動方向前方側の押圧部23,23との間の周方向略中央に位置するように、復元ガイド27,27を設けた例を示している。また、図例では、回転体20Aの軸部21から径方向に突出させるように復元ガイド27,27を設けた例を示している。
これら両側の復元ガイド片部27,27間の回転体軸方向に沿う寸法(片部間寸法)は、図8(c)に示すように、押し潰されたチューブ30の被押圧部位31Aを復元可能なように適宜、設定するようにしてもよい。この片部間寸法は、図8(c)、(d)に示すように、押し潰されたチューブ30の被押圧部位31Aの回転体軸方向に沿う寸法よりも小さく、かつチューブ30の外径(自然状態における外径)よりも大きい寸法としてもよい。
なお、図8(a)では、回転体20Aの停止位置を、上記した例よりも送出側に45度回転させたような位置とした例を示しているが、このような停止位置に限られない。
また、復元ガイド27としては、上記のような回転体軸方向両側の復元ガイド片部27,27を備えたものに限られず、回転体軸方向一方側の復元ガイド片部27のみを備えたようなものとしてもよく、その他、種々の変形が可能である。
また、本実施形態に係るチューブポンプ1Aにおいても、上記第1実施形態に係るチューブポンプ1と同様、流体の送出が可能であり、また、上記第1実施形態及び第2実施形態に係る回転体制御方法の両方または一方の実行が可能である。
図9は、第1実施形態に係る流体送出方法を模式的に示す図である。
この流体送出方法は、360度を押圧部23,23の個数で除して得た角度を整数倍した角度に対して、送出前後においてチューブ30における押圧部23に押し潰される部位31が異なる位置となるように、所定角度(所定の第3角度)を加えたまたは差し引いた所定の送出角度となるまで一送出毎に回転体20(20A)を回転させるようにしている。このような構成とすれば、構造の簡略化及びチューブ30の封止が可能で、かつ一送出毎に概ね一定量の流体の送出が可能でありながらも、チューブ30の劣化を抑制することができる。つまり、一送出毎に、所定の送出角度となるまで回転体20(20A)の回転がなされるので、一送出毎に概ね一定量の流体を送出することができる。また、送出前後においてチューブ30における押圧部23に押し潰される部位31が異なる位置となるため、送出前後で同じ位置を繰り返し押し潰すようなものと比べて、チューブ30の劣化を抑制することができる。また、例えば、ガイド板に加圧ローラを案内するガイド穴を設けたりしたようなものと比べて、構造の簡略化を図ることができる。また、回転体20(20A)の停止時に押圧部23によってチューブ30を押し潰すことができるので、封止性を向上させることができ、停止時における流体の垂れ等も抑制することができ、流体の送出を安定的に停止させることができる。
なお、図9では、上記第1実施形態に係るチューブポンプ1を用いた流体送出方法の一例を示しているが、本実施形態に係る流体送出方法は、第2実施形態に係るチューブポンプ1Aを用いても実行可能である。
本実施形態では、2つの押圧部23,23を回転体20に設けているため、360度を押圧部23,23の個数で除して得た角度を整数倍した角度は、180度のn倍(n=1以上の整数)の角度となり、本実施形態では、この角度を180度としている。また、本実施形態では、図9(a)〜(d)に示すように、上記所定の送出角度を、180度に、所定の第3角度を加えた角度としている。
なお、回転体20が所定の送出角度となるまで送出側に回転されたか否かの判別は、上記同様、制御部41において判別するようにしてもよく、例えば、回転体20の回転位置を検出する回転角センサー等の検出器や駆動部26からの信号を制御部41が受信することによって判別するようにしてもよい。また、上記のような送出ONがなされる毎に、一送出動作、つまりは、所定の送出角度となるまで回転体20を回転させる態様としてもよい。
図10は、第2実施形態に係る流体送出方法を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態に係る流体送出方法と同様の構成については、説明を省略または簡略に説明する。
また、図10では、上記同様、上記第1実施形態に係るチューブポンプ1を用いた流体送出方法の一例を示しているが、本実施形態に係る流体送出方法は、第2実施形態に係るチューブポンプ1Aを用いても実行可能である。
本実施形態においても、図10(a)に示すように、一方の押圧部23と内周壁面13の周方向中央部位とによってチューブ30の被押圧部位31を押し潰した状態(図1も参照)から所定の送出角度となるまで回転体20を送出側に回転させる。これにより、図10(b)に示すように、回転体20は、チューブ30における回転体20の回転前つまりは送出前の停止位置において押し潰していた部位31よりも送出側への移動方向後方側の異なる部位31Eを押し潰すような停止位置となる。以下、同様に、図10(c)、(d)に示すように、回転体20は、一送出毎に所定の送出角度となるまで送出側に回転させられれば、送出前の停止位置において押し潰していた部位31E(31F,31F)よりも送出側への移動方向後方側の異なる部位31F,31F(31G,31G)を押し潰すような停止位置となる。
なお、上記各実施形態に係る流体送出方法に加えて、上記した各実施形態に係る回転体制御方法を実行することも可能である。
図11は、本実施形態に係るチューブ交換時期報知方法を模式的に示す図である。
なお、以下の例では、上記第1実施形態に係るチューブポンプ1を用いたチューブ交換時期報知方法の一例を示しているが、本実施形態に係るチューブ交換時期報知方法は、第2実施形態に係るチューブポンプ1Aを用いても実行可能である。
このチューブ交換時期報知方法は、押圧部23に押し潰されるチューブ30の圧縮率に基づいて設定された上限回転回数を、回転体20の積算回転回数が超えれば、報知するようにしている。このような構成とすれば、チューブ30のメンテナンス性を向上させることができる。つまり、チューブ30の交換時期を報知によって使用者に認識させることができ、定期的に検査や交換する態様とした場合と比べて、メンテナンス性を向上させることができる。
このチューブ交換時期報知方法は、上記した制御部41が、押圧部23に押し潰されるチューブ30の圧縮率に基づいて上限回転回数を設定し、回転体20の積算回転回数が上限回転回数を超えれば、報知部44に報知させるようにしてもよい。
つまり、図12(a)に示すように、所定の第4角度を回転する時間が、例えば、3秒であれば、圧縮率20%、所定の第4角度を回転する時間が、例えば、3.5秒であれば、圧縮率35%というように、一次関数の式によって、例えば、制御部41において算出が可能となる。このような式データ等は、予め記憶部42等に格納させておくようにしてもよく、表示操作部44等から入力されたものでもよい。また、チューブ30の材質毎に、異なる一次関数の式に基づいてチューブ30の圧縮率が算出されるものとしてもよい。この場合は、例えば、チューブ30の種類が、事前設定項目等として表示操作部44を介して手動入力されたものとしてもよい。
また、チューブ30の圧縮率を、上記のように回転体20が所定の第4角度を回転する時間に基づいて設定する態様に限られず、回転体20の回転速度に基づいて設定する態様としてもよい。また、回転体20が所定の第4角度となるまで送出側に回転されたか否かの判別や回転速度の算出、回転回数の積算は、上記同様、制御部41においてなされるものとしてもよい。例えば、これらを、回転体20の回転位置を検出する回転角センサー等の検出器や駆動部26からの信号を制御部41が受信することによって判別や算出、積算するようにしてもよい。
上記したチューブ30の圧縮率に基づく上限回転回数は、例えば、チューブ30の疲労(破れなどの異常発生)回数試験等の実験データ等に基づいて予め定められたものとしてもよい。例えば、圧縮率が20〜25%であれば、上限回転回数が50万回、圧縮率が25〜30%であれば、上限回転回数が35万回、圧縮率が30〜35%であれば、上限回転回数が20万回というように、予め設定されたものとしてもよく、予め記憶部42等に格納させておくようにしてもよい。
また、回転体20の積算回転回数が上限回転回数を超えたか否かの判別は、制御部41においてなされるものとしてもよい。また、回転体20の積算回転回数が上限回転回数を超えた際の報知は、例えば、報知部としての表示操作部44による表示やランプ点灯等としてもよく、これに代えて、または加えて、報知部としてのスピーカ等の音出力部による鳴動等としてもよい。
図11に示すように、送出ONとなり、上限回転回数未設定であれば、回転体20を正回転させ、圧縮率に基づいて上限回転回数を設定する(ステップ300〜303)。つまり、上限回転回数未設定であれば、上記のように、回転体20が所定の第4角度を回転する時間に基づいてチューブ30の圧縮率を算出し、この圧縮率に基づいて上限回転回数を設定するようにしてもよい。一方、送出ONとなり、上限回転回数設定済みであれば、回転体20を正回転させる(ステップ300,301,304)。そして、回転体20の積算回転回数が、上限回転回数を超えれば、報知する(ステップ305,306)。そして、リセットボタン等の押下がなされてリセットされれば、回転回数をリセットし、また、報知を停止させる(ステップ307,308)。
また、上記のようなリセットボタン等の押下によるリセットの判別に代えて、例えば、チューブ30が取り外されたこと(つまりは、チューブ30の交換がなされたこと)を検出する検出器等をポンプ本体10に設けた態様としてもよい。そして、この検出器の検出に基づいて、回転回数をリセットし、また、報知を停止させるような態様としてもよい。
また、本実施形態に係るチューブ交換時期報知方法に加えて、上記した各実施形態に係る回転体制御方法や、上記した各実施形態に係る流体送出方法を実行することも可能である。また、上記第1実施形態に係る回転体制御方法のように、回転体20を所定角度となるまで逆回転させるような制御がなされる場合には、逆回転された分も回転体20の回転回数として積算するようにしてもよい。
また、上記した各実施形態に係る回転体制御方法や、上記した各実施形態に係る流体送出方法、本実施形態に係るチューブ交換時期報知方法は、上記したチューブポンプ1,1A,1B以外の他のチューブポンプを用いても実行可能である。
20,20A 回転体
23 押圧部
26 駆動部
27 復元ガイド
30 チューブ
31,31A 被押圧部位(チューブにおける押圧部に押し潰されていた部位)
41 制御部
Claims (5)
- 駆動部によって回転される回転体に押圧部を設け、該回転体の外周側に流体を送出するチューブを設けたチューブポンプであって、
前回の回転体の回転動作から所定の第1時間が経過すれば、前記回転体を、前記チューブにおける少なくとも前記押圧部に押し潰されていた部位が開放される所定の第1角度となるまで反送出側に回転させ、この回転位置を所定の保持時間が経過するまで保持した後、回転前の角度となるまで送出側に回転させて停止させる制御部を備えていることを特徴とするチューブポンプ。 - 請求項1において、
前記制御部は、送出先側に向けて流体を送出させる際には、前記回転体を、前記チューブにおける前記押圧部に押し潰されていた部位が開放される所定の第2角度となるまで送出側に回転させ、この回転位置を所定の第2時間が経過するまで保持した後に、送出側に回転させることを特徴とするチューブポンプ。 - 請求項1または2において、
前記回転体における前記押圧部の送出側への移動方向後方側に、前記チューブにおける該押圧部に押し潰されていた部位を復元させる復元ガイドを設けていることを特徴とするチューブポンプ。 - 駆動部によって回転される回転体に押圧部を設け、該回転体の外周側に流体を送出するチューブを設けたチューブポンプの回転体制御方法であって、
前回の回転体の回転動作から所定の第1時間が経過すれば、前記回転体を、前記チューブにおける少なくとも前記押圧部に押し潰されていた部位が開放される所定の第1角度となるまで反送出側に回転させ、この回転位置を所定の保持時間が経過するまで保持した後、回転前の角度となるまで送出側に回転させて停止させることを特徴とするチューブポンプの回転体制御方法。 - 請求項4において、
送出先側に向けて流体を送出させる際には、前記回転体を、前記チューブにおける前記押圧部に押し潰されていた部位が開放される所定の第2角度となるまで送出側に回転させ、この回転位置を所定の第2時間が経過するまで保持した後に、送出側に回転させることを特徴とするチューブポンプの回転体制御方法。
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