本発明にかかる実施形態の通信システムは、瞬間電流値が所定の閾値を超えると電力供給を遮断するスマートメータから計測情報を取得可能な通信部と、前記通信部が前記スマートメータから受信する瞬間電流値を所定の閾値と比較した結果にもとづいて停電通知を生成する通知部と、を備えることを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図1、図2、図14から図17において、実線や実線矢印は電力配線や電力供給の向きを示し、点線や点線矢印は信号配線や信号送出の向きを示している。
(第1の実施形態)
図1および図2は、本実施形態の例として、住宅内のHEMSシステム1の構成を示す。
HEMSシステム1は、商用電力を供給する系統電源8と、宅内の電力使用状況を監視するスマートメータ7と、系統電源8から供給される電力を分岐回路に供給する分電盤61と、分電盤61の分岐回路に接続して稼働電力が供給される少なくとも一つの負荷9aと、少なくともスマートメータ7と通信を行い、端末5に通知を送信する通信装置40を有する。このとき、通信装置40の稼働電力は負荷9と同じく分電盤61を介して供給されるため、負荷9aとみなしてもよい。
通信装置40は、スマートメータ7や端末5、分電盤61、負荷9a等と通信を行う図示しない通信部と、図示しない負荷9を制御する制御部と、を具備する。通信部は、有線や無線など任意の通信方式を用いて、通信装置40または端末5の情報処理に必要な情報を送受信する。たとえば、スマートメータ7とは920MHzの無線通信を用いて通信し、端末5と分電盤61および負荷9aとはBluetooth(登録商標)やwifiを利用して情報の受送信をするなど、相手機器によって異なる通信手段またはプロトコルを利用してもよい。制御部は、通信部を介して、ホームネットワーク対応の負荷9aを操作するための制御画面を生成や命令の受送信、負荷9aまたは分電盤61、スマートメータ7から情報を取得して監視画面を生成する。具体的には、遠隔制御に必要な一般的な機能として、端末5から制御命令を受信した場合、当該制御命令を解釈し、制御命令に含まれる内容に応じて負荷9aを所定の動作状態へと移行させる制御機能を備える。また、所定時間おきにスマートメータ7から電力使用量の情報を取得する機能を備える。
さらに、通信装置40は、公衆回線に接続して情報の送受信を行う機能を有してもよい。たとえば、宅外から端末5を利用して遠隔監視制御を行う場合、公衆回線を介して制御命令や監視画面の要求を通信装置40に送信する。また、天気情報や地域情報などを公衆回線から取得してユーザに提示してもよく、電力会社から停電情報、電気料金情報、ユーザの契約情報、遮断情報、連絡情報など、本実施形態の実現に必要とする情報を取得することも可能である。
端末5は、例えば、Webブラウザを搭載したPC、タブレット、スマホ、テレビなど、表示機能および通信機能を備えた一般的な端末である。ユーザは、端末5の表示機能を用いて、通信装置40を介してスマートメータ7または分電盤61、負荷9aを監視制御することができる。また、前述の停電通知を受信した場合、端末5のWebブラウザまたは端末5にインストールされたアプリケーションを用いて、ポップアップ表示でユーザに停電通知を提示する。なお、表示の形式は本実施形態に限られない。
図2は、第1の実施形態に係る端末5の機能構成の一例を示すブロック図である。端末5は、通信装置40または公衆回線等と通信を行う通信部51と、停電理由を判断する判断部52と、停電通知を生成する通知部53と、負荷9を制御する制御部54と、を具備する。なお、これら機能は、一部が端末5外、たとえば通信装置40が有してもよい。
通信部51は、有線や無線など任意の通信方式を用いて、判断部52や制御部54の処理に必要な情報を送受信する。たとえば、通信装置40とBluetooth(登録商標)やwifiを利用して情報の受送信をするなど、相手機器によって異なる通信手段またはプロトコルを利用することが可能であってよい。なお、通信部51は、公衆回線を介して電力供給に関する情報を取得可能である。
判断部52は、通信部51が取得した情報をもとに、停電の理由を判断する。停電の理由とは、たとえば地域配電網の不具合による地域停電、宅内の漏電による漏電停電、瞬間電流値が所定閾値を超えたためスマートメータ7によって電力供給を遮断される遮断停電、などがある。遮断停電における所定閾値とは、たとえばユーザと電力会社との契約電流値である。停電理由の判断手段は、動作フローにて後述する。
通知部53は、判断部52の判断にしたがって停電通知を生成する。生成した停電通知は、たとえば端末5の図示しない表示部によってユーザに通知される。
制御部54は、ユーザの指示にしたがって負荷9aの監視制御に係る命令を生成し、通信部51から直接または通信装置40を介して負荷9aに送信する。また、負荷9aから直接または通信装置40を介して監視制御に係る応答を受信した場合、表示画面を表示制御する。表示画面の生成は、制御部54であっても、通信装置40が行ってもよい。
分電盤61は、系統電源8から電力供給を受けて負荷9aに給電し、漏電を感知すると回路を遮断するブレーカを搭載している。図17に示すように、分電盤61は、系統電源を主幹回路62で受け、分岐回路63を介して負荷9aに給電し、主幹回路62の電力情報を計測する主幹計測部65と、分岐回路63の電力情報を計測する分岐計測部64を有する。また、主幹または分岐回路ごとの電力情報を計測する図示しない分岐計測部と、通信装置40または端末5からの要求に従い、要求元に電力情報を送信する図示しない送信部とを有する。
スマートメータ7は、宅内の電力使用状況を監視し、通信装置40からの情報要求に応答するとともに、系統電源8から宅内に供給される瞬間電流値が所定の閾値を超えると電力供給を遮断するリミッタ機能を有する。ここで、スマートメータ7は、リミッタ機能による遮断回数が制限回数に達していなければ、所定時間が経過すると電力供給を自動的に復帰し、遮断回数が制限回数に達するとユーザによる受動復帰を要することが考えられる。受動の復帰とは、たとえばユーザが電力会社に電話し、自宅の電力復帰を依頼する方法などが考えられる。この場合、お客様番号など自宅のスマートメータ7を特定するためのユーザ情報を電力会社に伝える必要がある。なお、スマートメータ7は、所定時間おきに所定時間の積算電力消費量を通信装置40に送信する機能を有する。
系統電源8は、たとえば電力会社から供給される電源であり、スマートメータ7および分電盤61を介して負荷9aや通信装置40に稼働電力を供給する。
負荷9aは、分電盤61を介して系統電源8から稼働電力を受ける一般的な電気機器である。図1には図示していないが、ホームネットワークに対応可能である場合、通信装置40と有線や無線など任意の通信方式を用いて情報の送受信を行い、通信装置40から受信した制御命令にしたがって制御される。また、ホームネットワークに対応可能な負荷9aとホームネットワークに非対応の負荷9aが混在していても差し支えない。
図3から図5を用いて、本実施形態に係る通信システムの動作フローの例を説明する。図7から図13は、端末5における停電通知の表示例を示す。
図3のフローは、たとえばユーザが端末5にインストールされている電流値監視アプリケーションを起動することによってスタートする。
なお、図3のフローは、図4のフローによって開始することも考えられる。図4では、通信部51が30分おきにスマートメータ7から30分の積算電力消費量Eを取得し(S41、S42、S43)、取得した積算電力消費量E値が所定の閾値を超えているか否かで、図3のフローを起動するべきか自動で判断するように構成してもよい(S44)。ここで所定の閾値は、事前に設定されてもよいし、ユーザによって設定可能に構成されてもよい。本システムの任意の構成がスマートメータ7、通信装置40または公衆回線を介して外部サーバに問い合わせて取得してもよい。
図3の説明にもどる。まず通信部51は、5分おきにスマートメータ7から瞬時電流値aを取得し(S311、S32、S33)、瞬時電流値aと契約電流値Aの割合を算出する(S34)。ここで、契約電流値Aは、ユーザと電力会社との契約にしたがって決定する数値であり、アプリケーションの誘導によってユーザが入力してもよいし、本システムの任意の構成がスマートメータ7、通信装置40または公衆回線を介して外部サーバに問い合わせて取得してもよい。このとき、端末5に表示する表示画面の例を図7に示す。なお、図7から図13の表示画面では、契約電流値Aと瞬間電流値aおよび契約電流値Aの割合をバーグラフで表示されているが、実施形態はこれに限られず、たとえば割合でなく電流値を表示してもよく、数字、メータ、アイコンの数、色彩など任意の表示方法を採用してもよい。
次に、瞬時電流値aと契約電流値Aの割合(以下電流値割合)が100%および125%で区切られた数値範囲に該当するか判断し、異なる通知パターンで停電通知を生成する(S35からS38)。
たとえば、電流値割合が100%を超えているが125%には達していない場合、図8のように、「使用電力が契約アンペアに達しました。これ以上使い続けると、電力が停止されます。」といった旨の情報を含む停電通知を生成する。ここで、分電盤61から分岐電力消費を取得し、各機器の消費電力を確認する画面に誘導する機器確認ボタンを同時に提示してもよい。また、分電盤61から取得した分岐ごとの消費電力からもっとも消費電力が大きい負荷9aの特定情報を直接提示してもよいし、分岐ごとの消費電力の監視画面に誘導してもよい。また、当該負荷9aが制御部54によって制御可能であれば、当該負荷9aの制御画面に誘導してもよい。
電流値割合が125%を超えている場合、図9のように、「仕様電力が契約アンペアを超えました。これ以上使い続けると、電力が停止されます。」といった旨の情報を含む停電通知を生成する。ここで、当該電流値割合における停電までの残時間を同時に提示するとよい。停電までの残時間は、瞬間電流値の割合に合わせて設定されてもよく、ユーザによってシステム1の図示しない格納部に自動復帰時間を格納させるよう誘導してもよいし、本システムの任意の構成がスマートメータ7、通信装置40または公衆回線を介して外部サーバに問い合わせて取得してもよい。また、S36の説明と同様に、分電盤61から分岐電力消費を取得し、各機器の消費電力を確認する画面に誘導する機器確認ボタンを同時に提示してもよい。また、分電盤61から取得した分岐ごとの消費電力からもっとも消費電力が大きい負荷9aの特定情報を直接提示してもよいし、分岐ごとの消費電力の監視画面に誘導してもよい。また、当該負荷9aが制御部54によって制御可能であれば、当該負荷9aの制御画面に誘導してもよい。
電流値割合が所定の閾値を超えたとき(本実施形態では100%以上)、停電の可能性が高いと判断し、通信部51は、スマートメータ7から瞬時電流値aを取得する期間を短く設定し(S312)、停電通知の頻度を高めてもよい。また、たとえば電流値割合が100%を超えたときに1分、125%を超えたときに30秒などと設定する期間を変更してもよい。これによって、瞬間電流値が契約電流値にひっ迫しているときに、より即時性をもった停電通知が可能となる。なお、通知パターンごとに異なる文字列のみならず、電流値割合を示すバーグラフの色彩を変更したり、通知音を変更するなど、ユーザがひっ迫状態を直感的に把握する工夫を施しても良い。
なお、本実施形態で示した100%および125%の指標は、数値の一例であって本実施形態を限定するものではない。たとえば、100%より低い電流値で何らかの通知がってもよいし、より細かい指標が複数あってもよい。
次に、図5を用いて停電が発生した場合のシステム動作フローを説明する。HEMSシステム1の図示しない停電検知部が停電を検知したとき、たとえば停電発生によってHEMSシステム1の稼動電源が停止したのち、停電終了によって再起動したとき、図5のフローが開始する(S50)。
通信部51または通信装置40が、スマートメータ7から、あるいは公衆回線を介して地域停電の情報または当該ユーザのスマートメータ7が電力供給を遮断した旨の情報を受信可能である場合、当該停電が地域停電か遮断停電か判断できる。たとえば、計画停電の情報を事前に取得していた場合(S51)、判断部52は計画停電の時間帯と照らし合わせて当該停電が地域停電であったか否かと判断する(S52)。あるいは、停電後に外部サーバから地域停電が発生した情報を取得した場合(S51)、判断部52は当該停電が地域停電であったと判断する(S52)。またたとえば、停電前または停電後に、スマートメータ7から直接または外部サーバから、当該ユーザ宅の瞬間電流値が契約電流を超過し、スマートメータ7が電力供給を遮断した旨の情報を受信することで(S53)、遮断停電であると判断することも可能である(S54)。
なお、S51およびS53の情報を受信することができない場合、停電発生から電力復帰までの時間が、スマートメータ7に設定された自動復帰時間と一致するか否かで、スマートメータ7による遮断停電か否かを判断することが可能である(S56)。スマートメータ7に設定された自動復帰時間は、通常電力会社によって仕様が決められており、ユーザによってシステム1の図示しない格納部に自動復帰時間を格納させるよう誘導してもよいし、本システムの任意の構成がスマートメータ7、通信装置40または公衆回線を介して外部サーバに問い合わせて取得してもよい。停電発生から電力復帰までの時間は、端末5が通信装置40およびスマートメータ7の通信切断時間から計算してもよいし、通信装置40またはスマートメータ7内に計時器を備え、電源供給が遮断された期間を計測してもよい。
なお、判断部52が当該停電が遮断停電によるものと判断した場合(S54)、端末5に表示される遮断回数のカウントを一回増加するが(S55)、地域停電および漏電停電の場合は、遮断回数にカウントしない。遮断回数は、所定のカウント期間を経過すると0に戻るよう構成され、カウント期間中に制限回数に達すると、自動復帰ができないことが考えられる。カウント期間および制限回数は、自動復帰時間と同様に通常電力会社によって仕様が決められ、ユーザによってシステム1の図示しない格納部に自動復帰時間を格納させるよう誘導してもよいし、本システムの任意の構成がスマートメータ7、通信装置40または公衆回線を介して外部サーバに問い合わせて取得してもよい。
地域停電の情報または当該ユーザのスマートメータ7が遮断した旨の情報を受信しておらず、かつ復帰までの時間が自動復帰時間と一致していなければ、漏電によるブレーカ遮断と判断する(S57)。
最後に、通知部53は、判断部52が判断した停電理由(S52、S54またはS57)にもとづいて停電通知を生成する(S58)。通知部53が生成する停電通知の例を図10から図13を用いて説明する。
判断部52が、当該停電が遮断停電であると判断し、かつ遮断回数が制限回数以下である場合、端末5に表示する停電通知の例を図10に示す。図10に示す停電通知には、遮断回数および回数によって「次回は自動復帰されません」などという警告を表示する。また、電力がスマートメータ7によって遮断される前の電流値割合を、停電前の値であることが分かるように提示してもよい。
判断部52が、当該停電が遮断停電であると判断し、かつ遮断回数が制限回数に達した場合、端末5に表示する停電通知の例を図11に示す。図11に示す停電通知には、遮断回数が制限回数に達した旨と、受動復帰のために必要な情報が案内される。受動復帰のために必要な情報とは、電力会社によって異なる。たとえば、電話で申し込む必要がある場合、当該電話番号を提示したり、インターネットから申し込む必要がある場合、申込ページのリンクを提示することが考えられる。また、受動復帰に必要とされるユーザを特定する情報などを同時に提示してもよい。
判断部52が、当該停電が地域停電であると判断した場合、端末5に表示する停電通知の例を図12に示す。図12に示す停電通知には、当該停電が地域停電である旨と、計画停電であれば計画停電に関する情報を表示する。また、停電前の電流値割合を、停電前の値であることが分かるように提示してもよい。
判断部52が、当該停電が地域停電であると判断した場合、端末5に表示する停電通知の例を図13に示す。図13に示す停電通知には、「異常な電流値を検知した」旨と、異常な電流値を検知した機器の確認を促す情報が提示される。ここで、たとえば分電盤61から分岐電力消費を取得し、各機器の消費電力を確認する画面に誘導する機器確認ボタンを同時に提示してもよい。または、分電盤61から取得した分岐ごとの電流値経歴から漏電の可能性が高い負荷9aの特定情報を直接提示してもよいし、当該負荷9aが制御部54によって制御可能であれば、当該負荷9aの制御画面に誘導してもよい。
(第1の実施形態の効果)
本実施形態によれば、スマートメータが搭載された住宅において、停電の理由を知ることによってその解決方法を検討でき、瞬間電流値と契約電流値との差を監視し、かつ分岐回路の情報を併せて参照することで、適切な対応ができる。なお、分岐回路に接続された負荷の動作を変更、または漏電の有無を確認する場合、電力が遮断されるまでの時間、あるいは停電から自動復帰までの時間を把握しながら作業ができる。また、遮断回数をカウントすることで、注意喚起の効果が期待でき、電力供給の受動復帰が必要な場合はユーザに必要な情報を提示することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、停電時もHEMSシステム1に電力が供給される場合を説明する。第2の実施形態のシステム全体図は図14を用いて説明し、第1の実施形態と同一の構成については同符号を付してその詳細な説明は省略する。
第2の実施形態に係るHEMSシステム1は、停電時に自立運転機能を有する発電システム20と、系統電源8または発電システム20の給電を受けて蓄電し、緊急時またはユーザの必要に応じて放電する蓄電システム30と、分電盤62を介し系統電源8または分散電源(発電システム20あるいは蓄電システム30)によって稼働電力が供給される少なくとも一つの負荷9bと、を有する。この場合、通信装置40は、蓄電システム30の蓄放電を制御する機能をさらに有する。
発電システム20は、系統電源8と連携し、停電時に自立運転機能を有する発電システムである。本実施形態では発電システム20として太陽光発電モジュールを搭載した太陽光システムを例に説明するが、たとえば燃料電池システム、風力発電システム等他のエネルギー源を利用して電力を創出する分散型電源を適用してもよい。発電システム20は、図示しないパワーコンディショナを具備し、太陽光パネルによって生成された電力を例えばAC100Vの電力に変換する。なお、発電システム30によって創出した発電電力は、蓄電システム30に蓄電可能であり、通信装置40の制御によって系統電源8に逆潮流させることも可能である。
蓄電システム30は、系統電源8と連系されたとき、系統電力を受けて蓄電することが可能であり、発電システム3が発電している時間帯に、発電システム30と連系し、創出された発電電力を蓄電することも可能である。蓄電された電力は、系統電源6が停電したときなど、通信装置40の制御によって自立運転機能を実行するとき、蓄電システム用分電盤62を介して配電系統7bに供給する。図15は、第2の実施形態に係る蓄電システム30の機能構成の一例を示すブロック図である。蓄電システム30は、監視部31と、切替部32と、蓄電池33と、充放電実行部34と、停電検出部35とを具備する。
監視部31は、発電システム20のパワーコンディショナから蓄電システム30へ供給されている電圧を監視し、監視結果を示すモニタ信号を出力する。そして、蓄電システム30は、監視部31から出力されたモニタ信号を、図示しない通信ユニットを介して制御装置40へ送信する。当該通信ユニットは、モニタ信号に変化があった場合にのみモニタ信号を制御装置40へ送信するようにしてもよいし、随時監視結果を送信してもよい。また、本実施形態におけるモニタ信号は、例えば所定の閾値を超過または低下を示す信号であってもよいし、電圧値そのものを表す信号でもよい。
切替部32は、停電検出部35が停電を検出した時において、発電システム20の自立運転機能により出力された電力を、分電盤61、蓄電システム用分電盤62を介して宅内の負荷9に供給する。具体的には、分電盤61と蓄電システム用分電盤62を繋ぐ電力線の途中に配置され、停電時に分電盤61と蓄電システム用分電盤62との連携を切断する。このとき、選定負荷9bには、電力線と蓄電システム用分電盤62を介して電力が供給される。
また、切替部32は、通信装置40からの指示に応じて、蓄電システム用分電盤62を介して選定負荷9bに供給する電力を、発電システム20のパワーコンディショナから供給された電力、または、蓄電システム30から放電された電力のいずれか一方に切り替えることもできる。具体的には、切替部32は、通信装置40から蓄電池の放電停止指示を受信した場合に、蓄電システム用分電盤62を介して選定負荷9bに供給する電力を、発電システム20のパワーコンディショナから供給された電力に切り替える。また、切替部32は、制御装置40から蓄電池の放電開始指示を受信した場合に、蓄電システム用分電盤62を介して選定負荷9bに供給する電力を、蓄電システム30に蓄えられた電力に切り替える。
蓄電池33は、前記発電システム20が生成した電力を蓄える。具体的には、リチウムイオン電池など、充放電可能な二次電池である。
充放電実行部34は、発電システム20または系統電源8から供給された電力のうち、通信装置40からから受信した充電指示に含まれている充電電力値で、蓄電池33を充電する。ここで、通信装置40からの指示内容は充電電流値であっても構わない。また、充放電実行部34は、通信装置40から充電の停止を指示された場合に、蓄電池33への充電を停止する。なお、通信装置40との信号の送受には、蓄電システム30内に設けられた通信ユニットを介して行なってもよい。
停電検出部35は、分電盤61からの電力供給の有無を監視し、電力供給が途絶したことを検知した場合に、停電検出信号を出力する。そして、蓄電システム30は、停電検出部35から出力された停電検出信号を、通信装置40へ送信する。
負荷電流測定器36は、蓄電システム用分電盤62に接続される電力線に供給される負荷電流もしくは負荷電力(選定負荷で消費されている電流の合計値もしくは電力の合計値)を測定し、測定した負荷電流もしくは負荷電力を示す信号を、図示しない通信ユニットを介して通信装置40へ送信する。すなわち、負荷電流測定器36は、停電時に負荷9(選定負荷9b)に供給される電力を測定し、測定結果を通信装置40に送信する。
図16に通信装置40の機能構成図を示す。第1の実施形態において説明した同一の機能は、説明を省略する。通信装置40は、蓄電システム30の停電検出部35から停電の発生を示す信号を受信した場合に、発電システム20の自立運転機能により出力された電力を、蓄電システム用分電盤62を介して非常用の電気配線やコンセントへ供給および/または蓄電システム30の充電に充てるよう、蓄電システム30を制御する。
また、通信装置40は、ユーザによる蓄電池33の蓄放電指示や操作設定などを受け付ける図示しない入力受付部や画面表示部などを有してもよい。その場合、受け付けた指示情報は制御部41へ送られる。
通信部41は、有線や無線など任意の通信方式を用いて、判断部43、検出部42、制御部44の処理に必要な情報を送受信するため、蓄電システム30の監視部31、充放電実行部34、停電検出部35、負荷電流測定器36、または他の構成と通信する機能を有する。
検出部42は、蓄電システム30の停電検出部35が停電を検出したときにおいて、負荷電流測定器36が測定した、蓄電システム用分電盤62に接続される電力線に供給される負荷電流もしくは負荷電力(選定負荷で消費されている電流の合計値もしくは電力の合計値)を示す信号を、図示しない通信ユニットを介して受信する。すなわち、検出部42は、停電時に蓄電システム30または発電システム20から蓄電システム30を介し負荷9(選定負荷9b)に供給される負荷電力を取得する。
判断部43は、図示しない格納部に格納された発電システム20の最大発電電力値と、検出部42が取得した負荷9bに供給される負荷電力とを比較し、負荷電力が発電システム20の最大供給電力を超えるか否かを判断する。
制御部44は、判断部43の判断に従い所定の充電電力値を含む指示信号を蓄電システム30の充放電実行部34または切替部32に通信部41を介して送信することで、蓄電システム30を制御する。具体的には、負荷9bに供給される負荷電力が発電システムの最大給電電力を超えると判断部43が判断した場合、蓄電システム30が放電し負荷9bに給電するよう制御し、負荷9bに供給される負荷電力が発電システムの最大給電電力を超えないと判断部43が判断した場合、発電システム20が負荷9bに給電するよう制御する。
なお、制御部44は、蓄電システム30の停電検出部35が停電を検出したときにおいて、まず蓄電システム30が負荷9bに給電するよう制御し、次に判断部43の判断に従い上記の制御を行うことが好ましい。
また、制御部44は、蓄電システム30の停電検出部35が停電を検出したときにおいて、負荷9bに供給される負荷電力が発電システムの最大給電電力を超えないと判断部43が判断した場合、発電システム20が負荷9bに給電し、負荷9bに供給されている電力を差し引いた余剰の発電電力の範囲内で蓄電システム30を蓄電するよう、蓄電システム30を制御してもよい。
分電盤61を介して給電される負荷9aは、たとえば洗濯機、テレビ、エアコンなど、緊急時に利用優先度が低く、電流変化の少ないものを含むことが好ましい。また、緊急時に蓄電システム30によって蓄電池用分電盤62を介して給電される負荷9bは、冷蔵庫、電灯など緊急時にも電力を必要とする機器を含むことが好ましい。本実施形態では、通信装置40は選定負荷9bとして蓄電池用分電盤62に接続され、停電時に蓄電システム30からの電力を受けて稼働する。
系統電源8は、たとえば電力会社から供給される電源であり、分電盤61、蓄電システム用分電盤62を介して負荷9aおよび負荷9bに給電する。
負荷9は、一般的な電気機器である。本実施形態では、負荷9を緊急時の優先度によって一般負荷9aおよび選定負荷9bに分類し、一般負荷9aは分電盤61から、選定負荷9bは蓄電システム用分電盤62から給電されるように構成される。
系統電源8から電力が供給されているとき、分電盤61は、通常の電気配線コンセントを介して一般負荷9aに電力を供給し、蓄電システム30及び分電盤61を介して、選定負荷9bに給電する。蓄電システム用分電盤62は、蓄電システム30から受け取った電力を、非常用の電気配線やコンセントを介して選定負荷9bに供給する。停電時、発電システム20の自立運転機能により出力された電力は、蓄電システム用分電盤62および非常用の電気配線やコンセントを介し、優先的に選定負荷9bおよび/または蓄電システム30の充電に充てるよう、供給する。
このように構成された本実施形態のHEMSシステム1は、停電時に、発電システム20によって生成された電力を、選定負荷9bに優先的に供給し、残りの電力を、充電電力値を調整しながら蓄電システム30の蓄電池に蓄えるため、破棄される電力を極力少なくして、発電システム20によって生成された電力を効率よく活用することができる。なお、本発明は蓄電システム用分電盤62を備えず、分電盤61のみの形態において実施しても差し支えない。
図6を用いて本実施形態における停電が発生した場合のシステム動作フローを説明する。 停電を検知したとき、たとえば停電発生によってシステム1の稼動電源が停止し、停電終了または分散電源によって再起動したとき、図6のフローが開始される。また例えば、蓄電システム30の停電検出部35から停電検出信号を受信した場合に、図6のフローチャートに示す動作を開始してもよい(S60)。
通信部51または通信装置40が、スマートメータ7から、あるいは公衆回線を介して地域停電の情報または当該ユーザのスマートメータ7が電力供給を遮断した旨の情報を受信可能である場合、当該停電が地域停電か遮断停電か判断できる。たとえば、計画停電の情報を事前に取得していた場合(S61)、判断部52は計画停電の時間帯と照らし合わせて当該停電が地域停電であったか否かと判断する(S62)。あるいは、停電後に外部サーバから地域停電が発生した情報を取得した場合(S61)、判断部52は当該停電が地域停電であったと判断する(S62)。またたとえば、停電前または停電後に、スマートメータ7から直接または外部サーバから、当該ユーザ宅の瞬間電流値が契約電流を超過し、スマートメータ7が電力供給を遮断した旨の情報を受信することで(S63)、遮断停電であると判断することも可能である(S64)。
なお、スマートメータ7が系統電源8からの電力供給のみを受けて稼働し、地域停電時に電力を供給するバックアップ電源を有しない場合、S61においてスマートメータ7と通信可能か否かをもとに、地域停電かスマートメータ7による電力供給の遮断停電かを判断することもできる。
S61、S63で説明した情報が受信できない場合、スマートメータ7から受信した停電前の使用電力情報から、消費電力が上昇していたか否かで、遮断停電か否かを推定することができる(S66、S64)。ここで、スマートメータ7または通信装置40が30分おきの累積消費電力量を格納していることを前提に消費電力量履歴で判断する例を説明したが、実施形態はこれに限らず、たとえばユーザが端末5にインストールされている電流値監視アプリケーションを起動している場合、図3で説明したように取得した瞬間電流値aで判断してもよい。また、住戸に計測ユニットを設置している場合は、計測ユニットから収集する電力情報などを判断材料にしてもよい。
地域停電または遮断停電である旨の情報を受信しておらず、かつ停電前の消費電力も上昇していなければ、漏電によるブレーカ遮断と判断する(S67)。
判断部51が当該停電が遮断停電によるものと判断した場合(S64)、端末5に表示する遮断回数のカウントを一回増加する(S65)が、地域停電および漏電停電の場合は、遮断回数にカウントしない。
最後に、通知部53は、判断部52が判断した停電理由(S62、S64またはS67)にもとづいて、第1の実施形態で説明した図11から図13の停電通知を生成する(S68)。
(第2の実施形態の効果)
第2の実施形態によると、停電の復帰を待たずに停電理由を知ることができる。