JP6424567B2 - 引き形式の建具、及び建付け調整機能付き戸車 - Google Patents
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Description
特許文献1の引き形式の建具(1)における戸車(8)は、車輪(11)と、車輪(11)を軸支し、引き形式の建具(1)の下框(3)の溝(7)内に嵌合される断面略逆U字状の車輪枠(9)と、車輪枠(9)の上片部(9c)にほぼ垂直に螺合された鍔付き頭部(16a)を有する調整ねじ(16)とを備えるとともに、車輪枠(9)の側片部(9a)に縦長の突条部(13,13)が形成される。また、戸車(8)は、調整ねじ(16)の頭部(16a)の鍔(16b)を引き形式の建具(1)の下框(3)の上壁部(3c)の下面に当接させるとともに、下框(3)の上壁部(3c)に形成した孔部(17)から頭部(16a)を露出させた状態で使用され、車輪枠(9)の縦長の突条部(13,13)を下框(3)の側壁部(3a)に形成した案内溝(14,14)に係合させることにより、車輪枠(9)が上下方向に移動可能に支持される。
ここで、特許文献1の引き形式の建具(1)の建付け調整は、戸車(8)の調整ねじ(16)の頭部(16a)を室内側からドライバーで回転し、下框(3)の下面に当接する鍔(16b)と車輪(11)との高さ方向の距離を変更することにより行うことができる。
また、下框(3)と建付け調整機能付き戸車(8)とが相対的に上下動する際にある程度の大きさの抵抗を付与するように構成した場合は、建付け調整をする際に、例えば引き形式の建具が網戸である場合のように重量が軽いものであると、ドライバーにより調整ねじ(16)を締める方向に回転させても調整ねじ(16)の鍔(16b)から下框(3)の下面が離れてしまって追従しないことがあり、その際には建具を押し下げる別操作が必要になるので、建付け調整の作業性が低下する。その上、調整ねじ(16)の鍔(16b)の上面に下框(3)の下面を確実に当接させるように調整しないと、建付け調整後に引き形式の建具(例えば網戸)をスライドさせる際にグラツキが生じる場合がある。
その上、下框(3)の側壁部(3a)に、車輪枠(9)支持用の案内溝(3)が形成され、下框(3)の上壁部(3c)に、調整ねじ(16)の頭部(16a)を露出するための孔部(17)が形成されるので、側壁部(3a)に対する案内溝(3)の加工と上壁部(3c)に対する孔部(17)の加工とを別工程で行う必要があることから加工工程が増えるため、引き形式の建具の製造コストが上昇する。
その上さらに、車輪(11)を断面略逆U字状の車輪枠(9)で軸支する構造であるので、振れ止め機能を持たせることができないことから別体の振れ止めを併用する必要があるため、引き形式の建具の製造コストが増大する。
また、プラスドライバーにより前記平小ねじを締める方向へ回転させた際には、下框の上壁部に形成した丸孔の周壁にプラスドライバーの先端傾斜部が当接することから、プラスドライバーを前記十字穴に係合させて押し回す操作により、例えば引き形式の建具が網戸である場合のように重量が軽いものであっても、プラスドライバーを押し回す操作に伴って下降する前記平小ねじの頭部とともに、下框の上壁部が離反することなく下降する。よって、前記平小ねじの頭部の下降動作に建具が確実に追従するので、建具を押し下げる別操作を行う必要がないため、建付け調整の作業性を向上できる。その上、前記平小ねじの頭部の下降動作に追従して下框が確実に下降するので、建付け調整後に引き形式の建具(例えば網戸)をスライドさせる際にグラツキが生じることがない。
このような構成によれば、基体から下框の側壁部に向かって突出する突起の大きさや数に応じて、下框と建付け調整機能付き戸車とが相対的に上下動する際における所定の大きさの抵抗を付与できるとともに、このような抵抗を付与することにより、枠体の上レールと下レールとの間に引き形式の建具をケンドン式に建て込む際に戸車が最下位置まで下降しないため、建込み作業の作業性が低下しない。
その上、例えば合成樹脂製の基体に前記突起を一体形成できるため、所定の大きさの抵抗を付与する構成を実現しながら、製造コストの上昇を抑制できる。
このような構成によれば、下框の上壁部に形成したガイド孔と、戸車の基体の上面に突設した、前記ガイド孔に嵌入する突片とにより、下框に対して戸車が上下方向に移動可能に支持されるので、特許文献1のような下框の側壁部における凹凸係合部が無いことから、戸車を下框に取り付ける作業を行う際に下框を変形させる必要がなく、作業効率が低下しないため、引き形式の建具の製造コストを低減できる。
その上、建付け調整の際にプラスドライバーを入れる丸孔、及び下框に対して戸車を上下方向に移動可能に支持するためのガイド穴を、何れも上壁部に形成しているので、前記丸孔及び前記ガイド孔を同一工程で加工できることから、特許文献1のように加工工程が増えることがないため、引き形式の建具の製造コストを低減できる。
このような構成によれば、基体のガイド片と車輪の鍔部とにより下レールが挟まれるので、戸車が見込み方向の振れ止め機能を有することから、戸車と別体の振れ止めを下框に取り付ける必要がないため、引き形式の建具の製造コストを低減できる。
(1)建付け調整機能付き戸車の十字穴付き平小ねじをプラスドライバーにより締める方向へ回転させた際に、プラスドライバーを前記十字穴に係合させて押し回す操作により、例えば引き形式の建具が網戸である場合のように重量が軽いものであっても、プラスドライバーを押し回す操作に伴って下降する前記平小ねじの頭部とともに、下框の上壁部が離反することなく下降するので、前記平小ねじの頭部の下降動作に建具が確実に追従することから、建具を押し下げる別操作を行う必要がないため、建付け調整の作業性を向上できること、
(2)戸車の基体の下端部に形成したガイド片と、前記戸車の車輪の外周に形成した鍔部とにより前記下レールを挟んでなるものによれば、基体のガイド片と車輪の鍔部とにより下レールが挟まれるので、戸車が見込み方向の振れ止め機能を有することから、戸車と別体の振れ止めを下框に取り付ける必要がないため、引き形式の建具の製造コストを低減できること、
等の顕著な効果を奏する。
本明細書においては、室外へ向いた状態(引き形式の建具を室内側から見た状態)における前後左右を前後左右とし、前後方向(室内外方向)を「見込み方向」、左右方向(引き形式の建具のスライド方向)を「見付け方向」という。
また、引き形式の建具を室内側から見た図を正面図とする。
また、図2の部分縦断正面図、及図3の縦断左側面図に示すように、戸車1は、下框B2の後側(室内側)の見込み方向I前後の側壁部9A,9B間で、下框B2の上壁部8の丸孔6の下方に装着されており、上壁部8の下面に十字穴付き平小ねじ5の頭部5Aの略水平の上面が当接するとともに、上壁部8の丸孔6に対し、見付け方向Hの前後に形成したガイド孔7,7に、基体2の上面に突設した突片2C,2Cを嵌入した状態で、車輪3が下レールR2上を転動する。
その上、後述する建付け調整の際にプラスドライバーを入れる丸孔6、及び下框B2に対して戸車1を上下方向に移動可能に支持するためのガイド穴7,7を、何れも上壁部8に形成しているので、丸孔6及びガイド孔7,7を同一工程で加工できることから、特許文献1のように上壁部及び側壁部に孔あけをする構成のように加工工程が増えることがないため、網戸Aの製造コストを低減できる。
ここで、鋼製の段付きリベット4を、車輪3の通孔3A、及び基体2の通孔2Aに挿通して軸端を加締めることにより車輪3は基体2に軸支される。
また、図4(b)に示すように、基体2の前面(室外側面)には、突起2E,2Eが一体に形成されており、図3に示すように、突起2Eは下框B2の側壁部9Aに向かって突出する。
図6の斜視図及び図7の部分縦断左側面図中の矢印に示すように、戸車1を下框B2の下面開口Cから挿入するワンタッチ操作により、戸車1は図2及び図3に示すように下框B2に嵌合する。
この状態では、前記のとおり、戸車1の突片2C,2Cが下框B2の上壁部8のガイド孔7,7に嵌入するとともに、戸車1の十字穴付き平小ねじ5の頭部5Aの略水平の上面が上壁部8の下面に当接する。
さらに、突起2Eは、例えば射出成形により製造される合成樹脂製の基体2に一体形成できるため、所定の大きさの抵抗を付与する構成を実現しながら、製造コストの上昇を抑制できる。
よって、戸車1が見込み方向Iの振れ止め機能を有することから、戸車1と別体の振れ止めを下框B2に取り付ける必要がないため、網戸Aの製造コストを低減できる。
図8の部分断面斜視図、及び図9の要部拡大部分縦断正面図に示すように、建付け調整機能付き戸車1の十字穴付き平小ねじ5の上面の十字穴5Bには、下框B2の上壁部8に形成された丸孔6を通して、室内側からプラスドライバー(十字ねじ回し)Dの先端を係合させることができる。
また、丸孔6の内径d1は、プラスドライバーDの軸Sの外径d2よりも小さく形成されている(d1<d2)。
また、プラスドライバーDにより平小ねじ5を締める方向へ回転させた際には、下框B2の上壁部8に形成した丸孔6の内径d1がプラスドライバーDの軸Sの外径d2よりも小さいので、プラスドライバーDの先端傾斜部Eが丸孔6を形成する周壁に当接することから、プラスドライバーDを十字穴5Bに係合させて押し回す操作により、プラスドライバーDを押し回す操作に伴って下降する平小ねじ5の頭部5Aとともに、下框B2の上壁部8が離反することなく下降する。よって、平小ねじ5の頭部5Aの下降動作に網戸Aが確実に追従するので、網戸Aを押し下げる別操作を行う必要がないため、建付け調整の作業性を向上できる。その上、平小ねじ5の頭部5Aの下降動作に追従して下框B2が確実に下降するので、建付け調整後に網戸Aをスライドさせる際にグラツキが生じることがない。
2 基体
2A 通孔
2B 螺孔
2C 突片
2D ガイド片
2E 突起
3 車輪
3A 通孔
3B 鍔部
4 段付きリベット
5 十字穴付き平小ねじ
5A 頭部
5B 十字穴
5C ねじ部
6 丸孔
7 ガイド孔
8 上壁部
9A,9B 側壁部
10 自動外れ止め装置
A 網戸(引き形式の建具)
B1 上框
B2 下框
C 下面開口
D プラスドライバー(十字ねじ回し)
d1 下框の丸穴の内径
d2 トライバーの軸の外径
E 先端傾斜部
F 枠体
G ガイド溝
H 見付け方向
I 見込み方向
R1 上レール
R2 下レール
S 軸
Claims (5)
- 下框に建付け調整機能付き戸車が取り付けられ、枠体の上レールと下レールとの間にケンドン式に建て込まれる引き形式の建具であって、
前記戸車が、前記下レール上を転動する車輪と、前記車輪を軸支する基体と、前記基体の上面に形成された螺孔に螺合する十字穴付き平小ねじとからなり、
前記戸車を前記下框の下面開口から挿入して前記下框の見込み方向前後の側壁部間に嵌入し、前記下框の上壁部の下面に前記十字穴付き平小ねじの頭部の略水平の上面を当接させた状態で、プラスドライバーの先端が前記十字穴に係合できるようにするとともに、前記プラスドライバーの先端傾斜部を当接させる周壁を有する丸孔を前記上壁部に形成してなることを特徴とする引き形式の建具。 - 前記戸車の基体が嵌入される前記側壁部に向かって突出する突起を前記基体に一体形成してなる請求項1記載の引き形式の建具。
- 前記下框の上壁部の前記丸孔に対し、見付け方向の前後に形成したガイド孔に、前記戸車の基体の上面に突設した突片を嵌入してなる請求項1又は2記載の引き形式の建具。
- 前記戸車の基体の下端部に形成したガイド片と、前記戸車の車輪の外周に形成した鍔部とにより前記下レールを挟んでなる請求項1〜3の何れか1項に記載の引き形式の建具。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の引き形式の建具の前記下框に取り付けて使用される前記建付け調整機能付き戸車。
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