JP6424092B2 - 導電性粘着テープ及び導電性粘着テープの製造方法 - Google Patents
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Description
1.導電性粘着テープ
2.導電性粘着テープの製造方法
3.実施例
本実施の形態に係る導電性粘着テープは、金属層と、金属層の一方の面に接着剤層を介して積層された導電性布と、金属層の他方の面に積層された導電性粘着剤層とを有し、接着剤層が、15℃以下のガラス転移温度を有する樹脂成分と導電性粒子とを含有する。導電性粘着テープは、例えば、液晶パネルの額縁部と液晶パネルが組み込まれた機器筐体との間に配置され、液晶パネルに発生したノイズ電荷を機器筐体のグランドに逃がす接地線として用いられる。
金属層2は、導電性粘着テープ1が貼付される液晶パネル等のノイズ電荷をアースするための導電層であり、薄型ながら導通性に優れるアルミニウム箔、銅箔等の金属箔を用いることが好ましい。
接着剤層3は、例えば熱可塑性樹脂で構成されており、金属層2及び導電性布4に対する十分な接着性を有する。熱可塑性樹脂は、公知材料を用いることができ、特に限定されるものではない。熱可塑性樹脂としてはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、SBC樹脂(スチレン・ブタジエン・ブロック共重合樹脂)等を挙げることができる。
導電性布4は、金属層2の一方の面2aに接着剤層3を介して貼付されている。導電性布4を備えることにより、液晶パネルの額縁部等の狭小化された部位に貼付する際に、カールやしわを発生させずに貼付でき、作業性に優れた導電性粘着テープ1を得ることができる。
導電性粘着剤層5は、粘着剤と導電性フィラーとを含有する。粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤等が挙げられ、これらの中でも、被着体との接着強度の向上の観点から、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。特に、アクリル系粘着剤の主成分であるアクリル共重合体が、アクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート、フェノキシアクリレート、グリジジルメタクリレート、メタクリル酸2ヒドロキシエチル等をモノマーとして含有することが好ましい。また、リワーク性向上の観点から、粘着剤の硬さの指標である貯蔵弾性率は、25℃において1MPa以上10MPa以下であることが好ましい。なお、この貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定(DMA)において、昇温速度5℃/min、周波数1Hz、引張モードで測定したものである。
1/Tg=W1/T1+W2/T2+・・・Wn/Tn ・・・(1)
(1)式中、W1、W2・・・Wnは各モノマーの質量分率であり、T1、T2・・・Tnは各モノマーのガラス転移温度(K)である。
次に、導電性粘着テープの製造方法について、図2〜4を参照して説明する。本実施の形態に係る導電性粘着テープの製造方法は、金属層の一方の面に、15℃以下のガラス転移温度を有する樹脂成分と導電性粒子とを含有する接着剤層を形成するA工程と、接着剤層に導電性布を圧着するB工程と、金属層の他方の面に導電性接着剤層を形成するC工程とを有する。
A工程では、図2に示すように、アルミニウム箔等の金属層2の一方の面2aに接着剤層3を形成する。このとき、接着剤を剥離フィルム上で塗布乾燥させた後、金属層2に転着させ、接着層3を形成することが好ましい。これにより、接着剤3を介して金属層2と導電性布4をラミネートする際、導電性フィラーが金属層を破いてしまうのを防止することができる。
B工程では、次に、接着剤層3を介して金属層2の一方の面2aに導電性布4をラミネートする。接着剤層3を介して金属層2と導電性布4とが圧着される際、導電性布4の繊維が接着剤層3を突き通すため、導電性布4と金属層2とを導通させることができる。また、接着剤層3には、導電性フィラーが含有されているため、導電性布4の繊維と導電性粒子とが接触し、厚み方向の導通性を向上させることができる。
C工程では、先ず、導電性フィラーを含有する導電性粘着剤を調整し、導電性粘着剤を剥離フィルム6上で塗布乾燥させ、所定厚みの導電性粘着剤層5を得る。
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、金属層と導電性布とを接着する接着剤の種類や接続方法を変えて導電性粘着テープのサンプルを作製し、導通性及び作業性について評価した。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
金属層と導電性布とを接着剤でドライラミネート又はウェットラミネートし、基材を作製した。
金属層:厚み7μmの軟質アルミニウム箔(1N30、日本製箔社製)
導電性布:厚さ35μmのニッケルメッキ布(KSW35、A−jin社製)
接着剤:ポリエステル樹脂に対し、ポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン社製)を添加したものを使用し、ポリエステル樹脂の水酸基とイソシアネート基のモル比が1になるように調整した。また、溶剤として、酢酸エチルを使用し、固形分が接着剤層の厚みに応じて15〜25wt%となるように調整した。また、導電性フィラーを使用する場合、ポリエステル樹脂100質量部に対し、導電性フィラー(ニッケルパウダー255、ヴァーレ社製、平均粒径2〜3μm)を10質量部添加した。
導電性粘着剤:アクリル酸ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体(分子量Mw約80万、水酸基価0.9mgKOH/g、理論Tg−54℃、貯蔵弾性率2.5MPa)100質量部に対し、ポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン社製)を0.5質量部、導電性フィラー(ニッケルパウダー255、ヴァーレ社製、平均粒径2〜3μm)を20質量部添加し、導電性粘着剤を作製した。そして、導電性粘着剤を剥離フィルム上で塗布乾燥させ、所定厚みの導電性粘着剤層を作製した。なお、共重合体の貯蔵弾性率は、DMA装置(RSA3、TAインスツルメンツ製)を用いて、約1mmのサンプルを昇温速度5℃/min、周波数1Hz、引張モードで測定した25℃での貯蔵弾性率とした。
導電性粘着テープの各サンプルについて、面方向及び厚さ方向の導電性について評価した。
導電性粘着テープの各サンプルについて、カール、シワ、リワークの項目により作業性について評価した。
導通性の評価、及び作業性の評価において、「×」が1つでもあるものを「×」、すべて「△」又は「○」であるものを「○」とした。
表1に示すように、ガラス転移温度が5℃のポリエステル樹脂(UE3220、ユニチカ社製)と、導電性フィラーとを含有する接着剤を使用した。この接着剤を乾燥厚みが5μmとなるように金属層に塗布し、導電性布をドライラミネートして基材を作製した。そして、基材の金属層と厚み20μmの導電性粘着剤とをラミネートし、導電性粘着剤を硬化させ、導電性粘着テープを作製した。この導電性粘着テープの導通性の評価は、面方向が○、厚み方向が○であった。また、作業性の評価は、カールが○、シワが○、リワークが○であった。よって、総合評価は○であった。
表1に示すように、ガラス転移温度が5℃のポリエステル樹脂(UE3220、ユニチカ社製)と、導電性フィラーとを含有する接着剤を使用した。この接着剤を乾燥厚みが10μmとなるように金属層に塗布し、導電性布をドライラミネートして基材を作製した。そして、基材の金属層と厚み15μmの導電性粘着剤とをラミネートし、導電性粘着剤を硬化させ、導電性粘着テープを作製した。この導電性粘着テープの導通性の評価は、面方向が○、厚み方向が○であった。また、作業性の評価は、カールが○、シワが○、リワークが○であった。よって、総合評価は○であった。
表1に示すように、ガラス転移温度が−20℃のポリエステル樹脂(UE3400、ユニチカ社製)と、導電性フィラーとを含有する接着剤を使用した。この接着剤を乾燥厚みが5μmとなるように金属層に塗布し、導電性布をドライラミネートして基材を作製した。そして、基材の金属層と厚み20μmの導電性粘着剤とをラミネートし、導電性粘着剤を硬化させ、導電性粘着テープを作製した。この導電性粘着テープの導通性の評価は、面方向が○、厚み方向が○であった。また、作業性の評価は、カールが○、シワが○、リワークが○であった。よって、総合評価は○であった。
表1に示すように、ガラス転移温度が5℃のポリエステル樹脂(UE3220、ユニチカ社製)と、導電性フィラーとを含有する接着剤を使用した。この接着剤を乾燥厚みが15μmとなるように金属層に塗布し、導電性布をドライラミネートして基材を作製した。そして、基材の金属層と厚み10μmの導電性粘着剤とをラミネートし、導電性粘着剤を硬化させ、導電性粘着テープを作製した。この導電性粘着テープの導通性の評価は、面方向が○、厚み方向が○であった。また、作業性の評価は、カールが○、シワが○、リワークが○であった。よって、総合評価は○であった。
表1に示すように、ガラス転移温度が15℃のポリエステル樹脂(ポリスターLP033、日本合成化学社製)と、導電性フィラーとを含有する接着剤を使用した。この接着剤を乾燥厚みが5μmとなるように金属層に塗布し、導電性布をドライラミネートして基材を作製した。そして、基材の金属層と厚み20μmの導電性粘着剤とをラミネートし、導電性粘着剤を硬化させ、導電性粘着テープを作製した。この導電性粘着テープの導通性の評価は、面方向が○、厚み方向が○であった。また、作業性の評価は、カールが○、シワが○、リワークが△であった。よって、総合評価は○であった。
表1に示すように、ガラス転移温度が35℃のポリエステル樹脂(UE3550、ユニチカ社製)を含有し、導電性フィラーを含有しない接着剤を使用した。この接着剤を乾燥厚みが3μmとなるように金属層に塗布し、導電性布をウェットラミネートして基材を作製した。そして、基材の金属層と厚み25μmの導電性粘着剤とをラミネートし、導電性粘着剤を硬化させ、導電性粘着テープを作製した。この導電性粘着テープの導通性の評価は、面方向が○、厚み方向が○であった。また、作業性の評価は、カールが○、シワが○、リワークが×であった。よって、総合評価は×であった。
表1に示すように、ガラス転移温度が35℃のポリエステル樹脂(UE3550、ユニチカ社製)を含有し、導電性フィラーを含有しない接着剤を使用した。この接着剤を乾燥厚みが3μmとなるように金属層に塗布し、導電性布をドライラミネートして基材を作製した。そして、基材の金属層と厚み22μmの導電性粘着剤とをラミネートし、導電性粘着剤を硬化させ、導電性粘着テープを作製した。この導電性粘着テープの導通性の評価は、面方向が○、厚み方向が△であった。また、作業性の評価は、カールが○、シワが○、リワークが×であった。よって、総合評価は×であった。
表1に示すように、ガラス転移温度が35℃のポリエステル樹脂(UE3550、ユニチカ社製)と、導電性フィラーとを含有する接着剤を使用した。この接着剤を乾燥厚みが5μmとなるように金属層に塗布し、導電性布をドライラミネートして基材を作製した。そして、基材の金属層と厚み20μmの導電性粘着剤とをラミネートし、導電性粘着剤を硬化させ、導電性粘着テープを作製した。この導電性粘着テープの導通性の評価は、面方向が○、厚み方向が○であった。また、作業性の評価は、カールが○、シワが○、リワークが×であった。よって、総合評価は×であった。
表1に示すように、ガラス転移温度が5℃のポリエステル樹脂(UE3220、ユニチカ社製)を含有し、導電性フィラーを含有しない接着剤を使用した。この接着剤を乾燥厚みが3μmとなるように金属層に塗布し、導電性布をドライラミネートして基材を作製した。そして、基材の金属層と厚み22μmの導電性粘着剤とをラミネートし、導電性粘着剤を硬化させ、導電性粘着テープを作製した。この導電性粘着テープの導通性の評価は、面方向が○、厚み方向が△であった。また、作業性の評価は、カールが○、シワが○、リワークが×であった。よって、総合評価は×であった。
Claims (11)
- 金属層と、
前記金属層の一方の面に接着剤層を介して積層された導電性布と、
前記金属層の他方の面に積層された導電性粘着剤層とを有し、
前記接着剤層が、15℃以下のガラス転移温度を有する樹脂成分と導電性粒子とを含有する導電性粘着テープ。 - 前記樹脂成分が、−20℃以上5℃以下のガラス転移温度を有するポリエステル樹脂である請求項1記載の導電性粘着テープ。
- 前記導電性粒子の平均粒径が、1μm以上5μm以下であり、
前記導電性粒子の添加量が、前記樹脂成分100質量部に対し、5質量部以上20質量部以下である請求項1又は2記載の導電性粘着テープ。 - 前記接着剤層の厚みが、3μm以上20μm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の導電性粘着テープ。
- 前記導電性粘着剤層の理論ガラス転移温度が、−80℃以上−20℃以下であり、
前記導電性粘着剤層の貯蔵弾性率が、25℃において1MPa以上10MPa以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の導電性粘着テープ。 - 前記導電性粘着剤層の厚みが、5μm以上30μm以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の導電性粘着テープ。
- 前記接着剤層が、接着剤を剥離フィルム上で塗布乾燥させた後、金属層の一方の面に転着されて形成される請求項1乃至6のいずれか1項に記載の導電性粘着テープ。
- 金属層の一方の面に、15℃以下のガラス転移温度を有する樹脂成分と導電性粒子とを含有する接着剤層を形成する工程と、
前記接着剤層に導電性布を圧着する工程と、
前記金属層の他方の面に導電性粘着剤層を形成する工程と
を有する導電性粘着テープの製造方法。 - 接着剤を剥離フィルム上で塗布乾燥させた後、前記金属層に転着させ、前記接着層を形成する請求項8記載の導電性粘着テープの製造方法。
- 前記接着剤層の厚みが、3μm以上20μm以下である請求項8又は9に記載の導電性粘着テープの製造方法。
- 前記導電性粒子の平均粒径が、1μm以上5μm以下であり、
前記導電性粒子の添加量が、前記樹脂成分100質量部に対し、5質量部以上20質量部以下である請求項8乃至10のいずれか1項に記載の導電性粘着テープの製造方法。
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