JP6423756B2 - 潤滑剤塗布装置、並びに、これを用いたエレベータ及びエレベータの保守方法 - Google Patents

潤滑剤塗布装置、並びに、これを用いたエレベータ及びエレベータの保守方法 Download PDF

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Description

本発明は、潤滑剤塗布装置、並びに、これを用いたエレベータ及びエレベータの保守方法に関する。
近年、多くのエレベータでは、トラクション式エレベータが用いられている。一般的なトラクション式エレベータは、昇降路の上部に巻上機を配置し、巻上機のシーブにワイヤロープを架けて、シーブを介して、ワイヤロープの一方の側に乗りかごを配置するとともに、ワイヤロープの他方の側にカウンタウェイトを配置することで重量のつり合いを取る構成になっている。トラクション式エレベータは、巻上機でシーブを回転駆動させることで、シーブとワイヤロープとの間に生じる摩擦力(トラクション)によって乗りかごを昇降させる。
エレベータ用のワイヤロープには、一般的にJIS G 3525に規定されたものが用いられる。ワイヤロープの表面には、トラクションの増加を抑制するために、また、ワイヤロープやシーブの摩耗を抑制したり周囲の部材の錆の発生を防止したりするために、ロープ油又はロープ油を半固体化したグリースからなる潤滑剤が塗布(含浸を含む)されている。
潤滑剤は、エレベータの稼働時に、ワイヤロープとシーブとの接触面に油膜を形成する。これにより、エレベータは、ワイヤロープとシーブとの直接的な接触を防いで、ワイヤロープやシーブの摩耗を抑制し、さらに、油膜を介してシーブからワイヤロープに動力伝達を行う。
ワイヤロープの表面に塗布された潤滑剤は、エレベータの稼働に伴うシーブやプーリの表面への付着、ワイヤロープの摺動による消耗、経年によるわずかな蒸発等によって、消費される。
ワイヤロープの表面に塗布された潤滑剤が減少すると、ワイヤロープとシーブとの接触面に形成される油膜の厚さが不十分になり、その結果、接触面でのワイヤロープやシーブの摩耗が増大する。また、ワイヤロープの表面に塗布された潤滑剤が減少すると、トラクションが低下し、その結果、乗りかごの制動不良が発生する可能性がある。そのため、潤滑剤は、メンテナンスによって定期的にワイヤロープの表面に塗布して補給する必要がある。
一方で、ワイヤロープとシーブとの接触面は、エレベータの稼働とともに変化する。そのため、ワイヤロープの表面に塗布された潤滑剤の消費量は、ワイヤロープの長さ方向で一様にならない。また、通常、エレベータでは、複数本のワイヤロープが使用されているが、各ワイヤロープの間の潤滑剤の消費量は、一様にはならない。そのため、各ワイヤロープの表面に必要十分な厚さ(一定厚)以上の潤滑剤を塗布することが、技術的に困難である。したがって、現在のメンテナンスでは、エレベータの一定の稼働時間毎に、ワイヤロープ全体を交換することが、一般的に行われている。
なお、ワイヤロープの表面に潤滑剤を塗布する技術として、ワイヤロープの上を移動する潤滑剤塗布装置を用い、潤滑剤塗布装置を移動させながら、潤滑剤塗布装置からワイヤロープの表面に潤滑剤を噴射させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ワイヤロープの表面に潤滑剤を塗布する技術として、シーブの直下に含油性の吸油材を配置し、潤滑剤を含浸させた吸油材をシーブの外周面に接触させることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−80175号公報 特開2012−136331号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術(以下、「第1従来技術」と称する)及び特許文献2に記載された従来技術(以下、「第2従来技術」と称する)は、以下に説明するように、ワイヤロープの表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができない、という課題があった。
例えば、第1従来技術のように潤滑剤を噴射したり、又は、第2従来技術のように潤滑剤を含浸させた給油材をシーブの外周面に接触させたりするためには、潤滑剤として用いるロープ油の粘度を低くしたり、又は、潤滑剤として用いるグリースのちょう度を高くしたりする必要がある。しかしながら、この場合に、ワイヤロープやシーブへの潤滑剤の付着性が低下する。そのため、この場合に、エレベータの稼働によって、潤滑剤がすぐに飛散してしまう可能性がある。そのため、第1従来技術及び第2従来技術は、ワイヤロープの表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができなかった。
一方、例えば、潤滑剤として用いるロープ油の粘度を高くしたり、又は、潤滑剤として用いるグリースのちょう度を低くしたりした場合に、ワイヤロープやシーブへの潤滑剤の付着性が向上する。そのため、エレベータの稼働によって、潤滑剤がすぐに飛散してしまうことを防止することができる。しかしながら、この場合に、第1従来技術のように潤滑剤を噴射したり、又は、第2従来技術のように潤滑剤を含浸させた給油材をシーブの外周面に接触させたりすること自体が困難になってしまう。したがって、この場合も、第1従来技術及び第2従来技術は、ワイヤロープの表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができなかった。
このような第1従来技術及び第2従来技術では、ワイヤロープの表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができないため、ワイヤロープが摩耗し易くなり、ワイヤロープの交換周期が短くなり、エレベータのメンテナンスコストを増大させていた。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、ワイヤロープの表面に形成される油膜を適切に維持する潤滑剤塗布装置、並びに、これを用いたエレベータ及びエレベータの保守方法を提供することを主な目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、潤滑剤塗布装置であって、グリース又はロープ油を含んでなる潤滑剤を貯蔵するシリンダと、シーブ及びプーリの少なくとも1つを前記潤滑剤の塗布対象とし、当該塗布対象に形成されたロープ溝の表面に接触するローラとを有し、前記ローラは、前記シリンダに貯蔵された前記潤滑剤を表面に付着させた状態で、前記塗布対象の回転又は移動に追従して回転して、前記潤滑剤を前記ロープ溝の表面に転写することで、前記潤滑剤を前記ロープ溝の表面に塗布する構成とする。
その他の手段は、後記する。
本発明によれば、ワイヤロープの表面に形成される油膜を適切に維持することができる。
実施形態1に係るエレベータの模式図である。 実施形態1で用いるシーブの概略構成図である。 実施形態1に係る潤滑剤塗布装置の概略構成図(1)である。 実施形態1に係る潤滑剤塗布装置の概略構成図(2)である。 実施形態2に係る潤滑剤塗布装置の概略構成図である。 実施形態2に係る潤滑剤塗布装置の要部の拡大図である。 実施形態3に係る潤滑剤塗布装置の概略構成図である。 実施形態4に係る潤滑剤塗布装置の概略構成図である。 実施形態4に係る潤滑剤塗布装置を適用したエレベータの模式図である。 実施形態5に係る潤滑剤塗布装置の概略構成図である。 実施形態6に係る潤滑剤塗布装置の概略構成図である。 実施形態7に係る潤滑剤塗布装置の概略構成図である。 実施形態8に係る潤滑剤塗布装置の説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
なお、前記した第1従来技術(特許文献1に記載された従来技術)は、ワイヤロープと直接接触する部材を有するため、ワイヤロープとの間で摺動が発生し、その結果、ワイヤロープの摩耗を促進させる可能性があった。これに対して、本発明は、ワイヤロープと直接接触する部材を有さずに、ワイヤロープの摩耗を抑制する潤滑剤塗布装置M1(図3及び図4)を提供することも目的とする。
[実施形態1]
<エレベータの構成>
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態1に係るエレベータE1の構成につき説明する。図1は、本実施形態1に係るエレベータE1の模式図である。図2は、本実施形態1で用いるシーブ3の概略構成図である。ここでは、エレベータE1がトラクション式エレベータである場合を想定して説明する。
図1に示すように、本実施形態1に係るエレベータE1は、乗りかご1、カウンタウェイト2、シーブ3、ワイヤロープ4、複数のプーリ(図示例では、かご下プーリ5、頂部プーリ6、カウンタウェイトプーリ7)、昇降路8、及び、巻上機19を有している。
乗りかご1は、人や物品等を運搬するかごである。
カウンタウェイト2は、乗りかご1とのつり合いを取るためのおもりである。
シーブ3は、ワイヤロープ4を駆動する部材である。
ワイヤロープ4は、乗りかご1を吊るす部材である。
かご下プーリ5は、乗りかご1の下部に配置されたプーリである。
頂部プーリ6は、昇降路8の頂部に配置されたプーリである。
カウンタウェイトプーリ7は、カウンタウェイト2の上部に配置されたプーリである。
昇降路8は、乗りかご1を昇降させる通路である。
巻上機19は、シーブ3を回転駆動する駆動源である。
シーブ3は、図2に示すように、巻上機19に接続されている。シーブ3の周面には、ワイヤロープ4を架けるための複数のロープ溝13が形成されている。図示例では、4つのロープ溝13が形成されている。したがって、本実施形態1では、シーブ3は、4本のワイヤロープ4を架けることができる。なお、ここでは、かご下プーリ5、頂部プーリ6、及び、カウンタウェイトプーリ7は、それぞれ、シーブ3と同様に、4つのロープ溝13が形成されているものとして説明する。
図1に示すように、ワイヤロープ4の両端は、昇降路8の頂部に固定されている。また、ワイヤロープ4の中央付近は、シーブ3のロープ溝13に架けられている。エレベータE1は、シーブ3を介して、ワイヤロープ4の一方の側に乗りかご1を配置するとともに、ワイヤロープ4の他方の側にカウンタウェイト2を配置することで重量のつり合いを取る構成になっている。ワイヤロープ4は、かご下プーリ5を介して乗りかご1を昇降可能に保持するとともに、カウンタウェイトプーリ7を介してカウンタウェイト2を昇降可能に保持している。ワイヤロープ4の乗りかご1とシーブ3との間は、頂部プーリ6によって張架されている。同様に、ワイヤロープ4のシーブ3とカウンタウェイト2との間は、頂部プーリ6に張架されている。
したがって、ワイヤロープ4は、両端を昇降路8の頂部に固定されているとともに、巻上機19に接続されたシーブ3、乗りかご1の下部に配置されたかご下プーリ5、昇降路8の頂部に配置された2つの頂部プーリ6、及び、カウンタウェイト2の上部に配置されたカウンタウェイトプーリ7とに係合する構成になっている。
図示例では、かご下プーリ5及び頂部プーリ6は、2つずつ示されている。しかしながら、かご下プーリ5及び頂部プーリ6の数は、2つずつでなくてもよい。
また、ワイヤロープ4を介して、乗りかご1とカウンタウェイト2とによって発生する張力の差と、ワイヤロープ4とシーブ3、プーリ5,6,7のそれぞれとの間に生じる摩擦力の合計(すなわち、ワイヤロープ4とシーブ3との間に生じる摩擦力、ワイヤロープ4と2つのかご下プーリ5との間に生じる摩擦力、ワイヤロープ4と2つの頂部プーリ6との間に生じる摩擦力、及び、ワイヤロープ4とカウンタウェイトプーリ7との間に生じる摩擦力の合計)とは、釣り合っている。
エレベータE1は、巻上機19でシーブ3を回転駆動させることで、シーブ3とワイヤロープ4との間に生じる摩擦力(トラクション)によって、シーブ3のロープ溝13に架けられたワイヤロープ4を矢印A1の方向に摺動させる。これにより、エレベータE1は、乗りかご1を昇降させる。シーブ3とワイヤロープ4との間の接触面圧は、数ギガパスカル程度である。
ワイヤロープ4は、図示しないが、複数の鋼線を撚り合わせて構成される鋼線ストランドを、合成繊維又は天然繊維からなる心綱を中心にして、複数本撚り合わせた構成になっている。
ワイヤロープ4の表面には、鋼線同士の擦れの抑制や摩耗の抑制のために、また、ワイヤロープ4とシーブ3との間の油膜を形成するために、潤滑剤として、ロープ油又はロープ油を半固体化したグリースが塗布(含浸を含む)されている。
ワイヤロープ4の表面に塗布された潤滑剤は、エレベータE1の稼働に伴うシーブ3やプーリ5,6,7の表面への付着、ワイヤロープ4の摺動による消耗、経年によるわずかな蒸発等によって、消費される。
ワイヤロープ4の表面に潤滑剤が減少すると、ワイヤロープ4とシーブ3との接触面で形成される油膜の厚さが不十分になり、その結果、接触面でのワイヤロープ4やシーブ3の摩耗が増大する。また、ワイヤロープ4の表面に塗布された潤滑剤が減少すると、トラクションが低下し、その結果、乗りかご1の制動不良が発生する可能性がある。そのため、ワイヤロープ4の表面に形成される油膜は、必要十分な厚さ(一定厚)以上に長期間維持されることが好ましい。
そこで、本実施形態1では、エレベータE1は、ワイヤロープ4の表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができるように、潤滑剤塗布装置M1を有している。
潤滑剤塗布装置M1は、ワイヤロープ4と接触する部材であるシーブ3及びプーリ(図示例では、かご下プーリ5、頂部プーリ6、カウンタウェイトプーリ7)の少なくとも1つを潤滑剤10(図3参照)の塗布対象とし、塗布対象に形成されたロープ溝13(図2及び図3参照)の表面に塗布する装置である。
潤滑剤塗布装置M1は、塗布対象のワイヤロープ4との接触面を避けた箇所の周囲に配置されている。潤滑剤塗布装置M1は、例えば、支持部材によって昇降路8の内部の床上に固定されている。
なお、ワイヤロープ4と接触するシーブ3及びプーリ5,6,7の中で、シーブ3は、ワイヤロープ4に対して最も大きな負荷を与える。そのため、潤滑剤塗布装置M1は、好ましくは、シーブ3の周囲に配置するとよい。ここでは、塗布対象がシーブ3である場合を想定して説明する。
<潤滑剤塗布装置の構成>
以下、図3及び図4を参照して、潤滑剤塗布装置M1の構成につき説明する。図3及び図4は、それぞれ、潤滑剤塗布装置M1の概略構成図である。図3は、正面方向から見た潤滑剤塗布装置M1の構成を示しており、図3は、側面方向から見た潤滑剤塗布装置M1の構成を示している。
図3に示すように、潤滑剤塗布装置M1は、シリンダ9、ローラ12、及び、外蓋16を有している。
シリンダ9は、グリース又はロープ油からなる潤滑剤10を貯蔵する容器である。
ローラ12は、塗布対象(ここでは、シーブ3)に形成されたロープ溝13の表面に接触する回転部材である。
外蓋16は、シリンダ9の上部を封止する部材である。
シリンダ9は、内容物である潤滑剤10の残量が目視できることが好ましい。そのため、シリンダ9は、一部又は全体が透明であることが好ましい。なお、一部が透明な構成は、例えば、鉄鋼材等の金属材料をシリンダ9の筺体に用いるとともに、ガラス窓を筺体の一部に設けることによって、実現することができる。
シリンダ9の材料としては、架橋ポリスチレン、ポリカーボネート等を用いることができる。ただし、シリンダ9は、耐油性を考慮し、実際に用いる潤滑剤10の種類に応じて、適宜選定する。
潤滑剤10の種類は、特に限定されない。潤滑剤10は、基本的に公知のグリースやロープ油であれば使用することができる。ただし、潤滑剤10は、ワイヤロープ4用のものであるため、高トラクションなものであることが要望される。特に、好ましい範囲としては、グリースであればちょう度が200以上であり、ロープ油であれば粘度が100〜600mm/s程度である。そのような要望を満たすために、潤滑剤10は、例えば、ナフテン系鉱油とパラフィン系ワックスとを組み合わせたものや、ポリイソブテン油とパラフィン系ワックスとを組み合わせたもの等が好ましい。ここでは、シリンダ9の内部には、潤滑剤10としてグリースが貯蔵されている場合を想定して説明する。
潤滑剤塗布装置M1は、動力を持たないものの、ロープ溝13とローラ12との間に形成される油膜を介して伝達される摩擦力(トラクション)によって、塗布対象(ここでは、シーブ3)の回転に伴ってローラ12を回転させる構成になっている。
ローラ12は、シリンダ9の端部付近に回転軸11によってガタツキなく1軸方向に回転自由に保持されている。ローラ12は、シリンダ9に貯蔵された潤滑剤10の一部を表面に付着させた状態で、塗布対象(ここでは、シーブ3)の回転又は移動に追従して回転する。図3の矢印A2は、塗布対象(ここでは、シーブ3)の回転方向を示している。また、図3の矢印A3は、ローラ12の回転方向を示している。ローラ12は、回転することにより、潤滑剤10をシーブ3のロープ溝13の表面に転写する。これによって、潤滑剤塗布装置M1は、潤滑剤10をロープ溝13の表面に塗布する。
潤滑剤10の塗布量は、シリンダ9とローラ12との間の隙間によって任意に決定することができる。隙間が大きいほど、ローラ12の一回転当たりの潤滑剤10の塗布量は、多くなる。
ローラ12は、ロープ溝13との接触によるローラ12自体の摩耗及びロープ溝13の摩耗を抑制するために、好ましくは、ロープ溝13の表面と同程度の硬度又は耐摩耗性を有する材料で構成されているとよい。そのため、ローラ12の材料は、シーブ3やプーリ5,6,7の材料を考慮した上で選定される。ローラ12の材料としては、具体的には、シーブ3やプーリ5,6,7に用いられている材料であることが好ましい。
図4に示すように、ローラ12を径方向に切断したときのローラ12の外周付近の断面形状は、塗布対象(ここでは、シーブ3)を径方向に切断したときのロープ溝13の断面形状に一致している。つまり、ローラ12の外周付近の断面形状は、ロープ溝13の断面形状と噛み合うように設計されている。これにより、ローラ12は、ロープ溝13の表面を隙間なく塞ぐことができるため、ロープ溝13の全表面に潤滑剤10を均一に塗布することができる。このとき、ロープ溝13の表面に形成される油膜の厚さは、例えば、数百ナノメートルから数百マイクロメートル程度である。
なお、図示しないが、シリンダ9を延在方向に沿って切断したときのシリンダ9の端部付近の内部の断面形状は、ローラ12の外周付近の断面形状に一致している。つまり、シリンダ9の端部付近の内部の断面形状は、ローラ12の外周付近の断面形状と噛み合うように設計されている。
また、潤滑剤塗布装置M1は、塗布対象(ここでは、シーブ3)に形成されたロープ溝13の数に応じて、複数個を組み合わせて用いることができる。例えば、図4に示す例では、エレベータE1は、4つのロープ溝13に合わせて、4つの潤滑剤塗布装置M1を配置し、各潤滑剤塗布装置M1のシリンダ9の上部を支持部材14で固定した構成になっている。これにより、エレベータE1は、全てのロープ溝13の表面に潤滑剤10を塗布することができる。
また、本実施形態1では、シリンダ9の上部は、支持部材14よりも上に突出している。そのため、シリンダ9は、外蓋16を取り外すことによって、潤滑剤10を内部に容易に補給することができる。
また、本実施形態1では、ローラ12は、回転軸11によって固定されている。しかしながら、ローラ12の固定構造は、例えば、ボールキャスターのような、筺体と回転体との隙間制御によって形成される構造であってもよい。
また、潤滑剤塗布装置M1は、前記した第1従来技術(特許文献1に記載された従来技術)及び第2従来技術(特許文献2に記載された従来技術)と比較した場合に、以下の点で相違する。前記した第1従来技術及び第2従来技術は、シーブの回転に伴って回転するローラがなく、そのローラでロープ溝の表面に潤滑剤を塗布する構成になっていない。これに対して、潤滑剤塗布装置M1は、シーブ3の回転に伴って回転するローラ12があり、そのローラ12でロープ溝13の表面に潤滑剤を塗布する構成になっている。
このような潤滑剤塗布装置M1は、グリース又はロープ油からなる潤滑剤10を貯蔵するシリンダ9と、シーブ3及びプーリ(図示例では、かご下プーリ5、頂部プーリ6、カウンタウェイトプーリ7)の少なくとも1つを潤滑剤10の塗布対象とし、塗布対象に形成されたロープ溝13の表面に接触するローラ12とを有している。
また、エレベータE1は、塗布対象に形成されたロープ溝13の周囲に配置された潤滑剤塗布装置M1と、ロープ溝13に架けられたワイヤロープ4と、シーブ3の回転に伴って昇降する乗りかご1とを有する構成となっている。
また、エレベータE1の保守方法は、潤滑剤塗布装置M1を用いて、塗布対象に形成されたロープ溝13の表面に潤滑剤10を塗布することによって、ロープ溝13を介してロープ溝13に架けられたワイヤロープ4に潤滑剤10を塗布する工程を含む構成となっている。
かかる構成において、潤滑剤塗布装置M1のローラ12は、潤滑剤10を表面に付着させた状態で、塗布対象(ここでは、シーブ3)の回転又は移動に追従して回転して、エレベータE1の稼働に伴って消費される潤滑剤10を、シーブ3とワイヤロープ4との接触部であるロープ溝13の表面に転写する。ワイヤロープ4は、塗布対象が回転する度に、摺動する。このとき、ロープ溝13の表面に塗布された潤滑剤10が、ワイヤロープ4の表面に付着する。したがって、潤滑剤塗布装置M1は、塗布対象が回転する度に、ワイヤロープ4と直接接触することなく、ロープ溝13を介してワイヤロープ4の表面に潤滑剤10を継続的に補給することができる。
このような潤滑剤塗布装置M1は、潤滑剤10として用いるロープ油の粘度を低くしたり、又は、潤滑剤10として用いるグリースのちょう度を高くしたりすることなく、塗布対象への付着性が十分に確保された潤滑剤10を用いることができる。したがって、潤滑剤塗布装置M1は、油膜の形成に好適な状態の潤滑剤10(例えば、好適なちょう度のグリースや好適な粘度のロープ油)をワイヤロープ4の表面に継続的に補給することができる。その結果、潤滑剤塗布装置M1は、ワイヤロープ4の表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持すること(適切に維持すること)ができる。
このような潤滑剤塗布装置M1は、ワイヤロープ4の摩耗を低減することができるとともに、ワイヤロープ4の交換周期を延長することができる。その結果、潤滑剤塗布装置M1は、エレベータE1のメンテナンスコストを低減することができる。また、潤滑剤塗布装置M1は、エレベータE1の稼働に伴う潤滑剤10の飛散を防止することができる。
以上の通り、本実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1によれば、ワイヤロープ4の表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができる。
[実施形態2]
本実施形態2では、ロープ溝13に対するローラ12の近接方向及び離間方向の位置を調整するローラ位置調整機構M2を有する潤滑剤塗布装置M1aを提供する。
以下、図5及び図6を参照して、本実施形態2に係る潤滑剤塗布装置M1aの構成につき説明する。図5は、潤滑剤塗布装置M1aの概略構成図である。図5(a)は、正面方向から見た潤滑剤塗布装置M1aの構成を示しており、図5(b)は、側面方向から見た潤滑剤塗布装置M1aの構成を示している。図6は、潤滑剤塗布装置M1aの要部の拡大図である。図6は、ローラ位置調整機構M2の構成を拡大して示している。
図5及び図6に示すように、本実施形態2に係る潤滑剤塗布装置M1aは、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1(図3及び図4参照)と比較すると、ローラ位置調整機構M2を有する点で相違している。
ローラ位置調整機構M2は、ロープ溝13に対するローラ12の近接方向及び離間方向(矢印A4の方向)の位置を調整する機構である。本実施形態2では、ローラ位置調整機構M2は、長孔21と、付勢部材22とによって構成されている。
長孔21は、回転軸11を挿入する軸孔であり、ロープ溝13の方向に延びるように形成されている。
付勢部材22は、回転軸11をロープ溝13の方向に付勢する部材である。
ここでは、付勢部材22がコイルばねとして形成されている場合を想定して説明する。付勢部材22は、例えば、シリンダ9に形成された図示せぬ溝の内部に、圧縮された状態で配置されている。付勢部材22は、一方の端部(図示例では、上端)がその溝の壁面に当接するとともに、他方の端部(図示例では、下端)がローラ12の回転軸11に当接するように、配置されている。
ローラ位置調整機構M2は、付勢部材22によってロープ溝13に対してローラ12を近接方向及び離間方向に往復移動可能に保持するとともに、長孔21によってローラ12の往復移動幅を制限する構成になっている。
ローラ位置調整機構M2は、ローラ12をロープ溝13に押し付ける力の多寡によって、ローラ12をシリンダ9の内部の方向(図5における上方向)に押し込ませたり、また、ローラ12をロープ溝13の方向(図5における下方向)に押し出させたりする動作を行うことができる。
押し付ける力の調整は、例えば、運用に応じて、付勢部材22の一方の端部(図示例では、上端)とシリンダ9に形成された図示せぬ溝との間や、付勢部材22の他方の端部(図示例では、下端)とローラ12の回転軸11との間に、図示せぬスペーサを挿入したり、スペーサを厚さの異なるものに交換したり、又は、スペーサを取り除いたりすることによって、行うことができる。また、押し付ける力の調整は、例えば、運用に応じて、付勢部材22を強さの異なるものに交換することによっても、行うことができる。
図6に示すように、ローラ12の付近のシリンダ9の内部は、ローラ12の曲率に沿った形状に形成されている。潤滑剤塗布装置M1aは、ローラ位置調整機構M2の長孔21に沿って、ローラ12をロープ溝13の表面から離間させる方向(図5における上方向)に移動させることによって、ローラ12とシリンダ9との間の隙間を増大させることができる。その結果、潤滑剤塗布装置M1aは、運用に応じて、ローラ12の一回転当たりの潤滑剤10の塗布量を増加させることができる。
以上の通り、本実施形態2に係る潤滑剤塗布装置M1aによれば、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1と同様に、ワイヤロープ4の表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができる。
しかも、潤滑剤塗布装置M1aによれば、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1に比べて、ロープ溝13に対するローラ12の近接方向及び離間方向の位置を調整することができる。また、運用に応じて、ローラ12の一回転当たりの潤滑剤10の塗布量を増加させることができる。
[実施形態3]
本実施形態3では、ロープ溝13に対するローラ12の接触力を調整する接触力調整機構M3を有する潤滑剤塗布装置M1bを提供する。前記した実施形態2で用いられたローラ位置調整機構M2は、電気で作動しない、ばねの付勢力によるパッシブ制御型の機構になっている。これに対し、本実施形態3で用いる接触力調整機構M3は、電気で作動する、アクティブ制御型の機構になっている。
以下、図7を参照して、本実施形態3に係る潤滑剤塗布装置M1bの構成につき説明する。図7は、潤滑剤塗布装置M1bの概略構成図である。
図7に示すように、本実施形態3に係る潤滑剤塗布装置M1bは、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1(図3及び図4参照)と比較すると、接触力調整機構M3を有する点で相違している。
接触力調整機構M3は、ロープ溝13に対するローラ12の接触力を調整する機構である。本実施形態3では、接触力調整機構M3は、支持部材14に組み込まれている場合を想定して説明する。接触力調整機構M3は、アクチュエータ15を備えている。アクチュエータ15は、ロープ溝13に対してシリンダ9及びローラ12を近接方向及び離間方向(矢印A5の方向)に往復移動させる駆動部である。
前記した通り、潤滑剤10の塗布量は、シリンダ9とローラ12との間の隙間によって任意に決定することができる。そのため、潤滑剤塗布装置M1bは、接触力調整機構M3でシリンダ9とローラ12との間の隙間を調節することによって、潤滑剤10の塗布量を制御することができる。このような潤滑剤塗布装置M1bは、任意の速度及び量で潤滑剤10をロープ溝13の表面に塗布することができる。
なお、潤滑剤塗布装置M1bは、接触力調整機構M3に加え、実施形態2に係るローラ位置調整機構M2を有する構成にすることができる。この場合に、潤滑剤塗布装置M1bは、接触力調整機構M3で、例えば、ローラ12をロープ溝13の表面から完全に離間させた位置に移動させることができる。その際に、潤滑剤塗布装置M1bは、ローラ位置調整機構M2で、ローラ12をシリンダ9に押し付けることができる。このとき、ローラ12とシリンダ9との間の隙間は、殆どなくなる。このような構成の潤滑剤塗布装置M1bは、接触力調整機構M3とローラ位置調整機構M2とにより、潤滑剤10の塗布量の多寡の調整だけでなく、潤滑剤10をロープ溝13に塗布するか否かの状態を切り替えることができる。
以上の通り、本実施形態3に係る潤滑剤塗布装置M1bによれば、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1と同様に、ワイヤロープ4の表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができる。
しかも、潤滑剤塗布装置M1bによれば、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1に比べて、任意の速度及び量で潤滑剤10をロープ溝13の表面に塗布することができる。
[実施形態4]
本実施形態4では、シリンダ9に貯蔵された潤滑剤10に対してローラ12の方向に圧力を付加する圧力付加機構M4を有する潤滑剤塗布装置M1cを提供する。
以下、図8及び図9を参照して、本実施形態4に係る潤滑剤塗布装置M1cの構成につき説明する。図8は、潤滑剤塗布装置M1cの概略構成図である。図9は、潤滑剤塗布装置M1cを適用したエレベータE1の模式図である。
図8に示すように、本実施形態4に係る潤滑剤塗布装置M1cは、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1と比較すると、圧力付加機構M4を有する点で相違している。
本実施形態4では、圧力付加機構M4は、外蓋16、コイルばね17、及び、内蓋18を備えている。
コイルばね17は、内蓋18を介して潤滑剤10を付勢する付勢部材である。コイルばね17は、外蓋16と内蓋18との間に、圧縮された状態で配置されている。コイルばね17は、外蓋16がシリンダ9に固定されているため、内蓋18をローラ12の方向(矢印A6の方向)に付勢している。
内蓋18は、シリンダ9の内部を、潤滑剤10が充填されているスペースと空気が入っているスペースとに分割する部材である。内蓋18は、ローラ12に対して近接方向及び離間方向に移動可能に、シリンダ9の内部に配置されている。
潤滑剤塗布装置M1cは、圧力付加機構M4によって、シリンダ9に貯蔵された潤滑剤10に対してローラ12の方向(矢印A6の方向)に圧力を継続的に付加している。このような潤滑剤塗布装置M1cは、ローラ12を下向きにしなくても(すなわち、ローラ12をシリンダ9よりも下に配置しなくても)、潤滑剤10を外部に押し出すことができる。したがって、潤滑剤塗布装置M1cは、ローラ12を下向きにしなくても、設置することができる。
そのため、例えば、図9に示すように、潤滑剤塗布装置M1cは、頂部プーリ6の直下に、ローラ12を上向きにして(すなわち、ローラ12をシリンダ9よりも上に配置して)、設置することができる。潤滑剤塗布装置M1cは、このようにローラ12を上向きにした場合であっても、潤滑剤10をロープ溝13の表面に継続的に塗布することができる。このような潤滑剤塗布装置M1cは、設置可能な場所を拡大することができる。
また、図9に示すように、シーブ3と2つの頂部プーリ6の周囲に潤滑剤塗布装置M1,M1cを配置した場合に、ワイヤロープ4の摺動範囲の80%程度に潤滑剤10を塗布することができる。そのため、潤滑剤塗布装置M1cは、ワイヤロープ4への潤滑剤10の塗布範囲を拡大することができる。
本実施形態4では、回転軸11を挿入する軸孔が、ロープ溝13の方向に延びる長孔21として形成されている。そのため、潤滑剤塗布装置M1cは、実施形態2に係る潤滑剤塗布装置M1aと同様に、ロープ溝13に対するローラ12の近接方向及び離間方向の位置を調整することができる。なお、潤滑剤塗布装置M1cは、実施形態2に係る潤滑剤塗布装置M1aと異なり、付勢部材22を有していない。しかしながら、潤滑剤塗布装置M1cは、コイルばね17を有しているため、内蓋18及び潤滑剤10を介してコイルばね17の付勢力をローラ12に付加することができ、その結果、ローラ12をロープ溝13に押し付けることができる。
なお、本実施形態4では、潤滑剤10に圧力を付加する手段としてコイルばね17を用いている。しかしながら、圧力を付加する手段は、内蓋18をローラ12の方向に継続的に付勢することができれば、特に制限はなく、様々な手段を用いることができる。例えば、圧力を付加する手段としては、コイルばね17の代わりに、圧縮空気や、ゴム等の弾性体等を用いることができる。
また、潤滑剤塗布装置M1cは、圧力付加機構M4に加え、実施形態2に係る接触力調整機構M3を有する構成にすることができる。この場合に、潤滑剤塗布装置M1cは、接触力調整機構M3で、例えば、ローラ12をロープ溝13の表面から完全に離間させた位置に移動させることができる。その際に、潤滑剤10には、圧力付加機構M4によってローラ12の方向に圧力が付加されている。そのため、ローラ12には、潤滑剤10を介してロープ溝13の方向に圧力が付加される。したがって、潤滑剤塗布装置M1cは、圧力付加機構M4で、ローラ12をシリンダ9に押し付けることができる。このとき、ローラ12とシリンダ9との間の隙間は、殆どなくなる。なお、潤滑剤塗布装置M1cは、接触力調整機構M3で、ローラ12をロープ溝13に強く押し付けた場合に、ローラ12は、シリンダ9の方向に押し込まれる。一方、潤滑剤塗布装置M1cは、接触力調整機構M3で、ローラ12をロープ溝13に弱く押し付けた場合に、ローラ12は、潤滑剤10を介して付加される圧力で元の位置に戻る。そのため、このような構成の潤滑剤塗布装置M1cは、圧力付加機構M4と接触力調整機構M3とにより、潤滑剤10の塗布量の多寡の調整だけでなく、潤滑剤10をロープ溝13に塗布するか否かの状態を切り替えることができる。
以上の通り、本実施形態4に係る潤滑剤塗布装置M1cによれば、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1と同様に、ワイヤロープ4の表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができる。
しかも、潤滑剤塗布装置M1cによれば、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1に比べて、設置可能な場所を拡大することができる。
[実施形態5]
本実施形態5では、ロープ溝13を清掃するロープ溝清掃機構M5を有する潤滑剤塗布装置M1dを提供する。
以下、図10を参照して、本実施形態5に係る潤滑剤塗布装置M1dの構成につき説明する。図10は、潤滑剤塗布装置M1dの概略構成図である。
図10に示すように、本実施形態5に係る潤滑剤塗布装置M1dは、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1と比較すると、ロープ溝清掃機構M5を有する点で相違している。
ロープ溝清掃機構M5は、ロープ溝13を清掃する機構である。ロープ溝清掃機構M5は、弾性部材51を備えている。図10に示す例では、弾性部材51は、ローラ12の周面に並行なシリンダ9の2つの側面に配置されている。弾性部材51の一端は、図示せぬネジ等でシリンダ9の側面に固定されている。また、弾性部材51の他端は、ロープ溝13の形成方向に沿って、シリンダ9の側面から外側に広がるように、湾曲した構成になっている。
弾性部材51の材料としては、形成性が良く、弾性があり、耐油性に優れる樹脂材料が好ましい。また、弾性部材51は、硬すぎると、ロープ溝13の表面にダメージを与える。そのため、弾性部材51の硬度は、ロープ溝13の表面にダメージを与えないように、ロープ溝13の表面の硬度以下の値に設定されている。また、弾性部材51は、柔らかすぎると、摩耗し易くなる。そのため、弾性部材51は、仮に摩耗しても、エレベータE1の運行の障害になり難い材料によって構成されていることが好ましい。そこで、具体的には、弾性部材51の材料としては、PTFE樹脂等のフッ素樹脂を用いることが好ましい。
かかる構成において、潤滑剤塗布装置M1dは、以下のように動作する。
仮に、潤滑剤塗布装置M1dが、ロープ溝13を清掃することなく、エレベータE1の稼働に伴ってロープ溝13の表面に潤滑剤10を塗布し続けた場合に、潤滑剤10が、ロープ溝13の表面や、ローラ12のロープ溝13とロープ溝13との間に、溜まっていく。
潤滑剤10が溜まった状態で、エレベータE1が稼働し続けると、例えば、昇降路8の内部の埃が潤滑剤10に付着して固まったり、過剰になった潤滑剤10が昇降路8の内部に飛散したりする。これにより、エレベータE1の使用環境が、悪化してしまう。
そこで、本実施形態5では、潤滑剤塗布装置M1dは、シーブ3が矢印A2の方向に回転し、その回転に伴って、ローラ12が矢印A3の方向に回転したときに、ロープ溝清掃機構M5の弾性部材51で、ロープ溝13の表面から過剰な潤滑剤10をかき取って、ロープ溝13を清掃する。これによって、潤滑剤塗布装置M1dは、常に清浄な面に潤滑剤10を塗布することができる。
以上の通り、本実施形態5に係る潤滑剤塗布装置M1dによれば、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1と同様に、ワイヤロープ4の表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができる。
しかも、潤滑剤塗布装置M1dによれば、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1に比べて、ロープ溝13を清掃するため、常に清浄な面に潤滑剤10を塗布することができる。
[実施形態6]
本実施形態6では、実施形態5に係るロープ溝清掃機構M5を有するとともに、ロープ溝清掃機構M5を揺動する揺動機構M6を有する潤滑剤塗布装置M1eを提供する。
以下、図11を参照して、本実施形態6に係る潤滑剤塗布装置M1eの構成につき説明する。図11は、潤滑剤塗布装置M1eの概略構成図である。図11(a)は、揺動機構M6がロープ溝清掃機構M5を揺動させていない状態を示しており、図11(b)は、揺動機構M6がロープ溝清掃機構M5を揺動させた状態を示している。
図11に示すように、本実施形態6に係る潤滑剤塗布装置M1eは、実施形態5に係る潤滑剤塗布装置M1d(図10参照)と比較すると、揺動機構M6を有する点、及び、ロープ溝清掃機構M5の2つの弾性部材51が実施形態5のものよりも短く形成されている点で相違している。
揺動機構M6は、潤滑剤塗布装置M1e全体(特に、ロープ溝清掃機構M5)を揺動する機構である。揺動機構M6は、外蓋16に回動支点を備えており、回動支点を中心にして、潤滑剤塗布装置M1e全体を矢印A7の方向に揺動する。
ただし、揺動機構M6は、このような構成に限定されない。揺動機構M6は、例えば、両持ち梁状の軸と、軸受と、それらを支持する支持部材等とを有する構成にし、各構成要素を任意に選定することができる。また、各構成要素を構成する材料は、特に限定されないが、強度や耐久性の観点から、鉄鋼材等の金属材料が好ましい。
揺動機構M6は、ロープ溝13の進行に応じて、潤滑剤塗布装置M1eが傾くように作用するとともに、揺動角を制限する機構を兼ねている。例えば、図11(b)に示すように、揺動機構M6は、シーブ3が回転して、ロープ溝13が矢印A2aの方向に進行した場合に、潤滑剤塗布装置M1eを揺動させて、矢印A7aの方向に所定の揺動角だけ傾かせる。
本実施形態6では、ロープ溝清掃機構M5の2つの弾性部材51が、実施形態5のものよりも短く形成されている。そのため、図11(a)に示すように、潤滑剤塗布装置M1eが傾いていないときに、2つの弾性部材51は、ともに、ロープ溝13の表面から離間している。したがって、このとき、2つの弾性部材51は、ともに、ロープ溝13に対して非接触状態になっている。
一方、図11(b)に示すように、潤滑剤塗布装置M1eが矢印A7aの方向に所定の揺動角だけ傾いたときに、ロープ溝13の進行方向の手前側(図11(b)に示す例では、ローラ12の右側)の弾性部材51は、ロープ溝13と接触した状態になる。
このとき、潤滑剤塗布装置M1eは、弾性部材51で、ロープ溝13の進行方向の手前側(図11(b)に示す例では、ローラ12の右側)に溜まった過剰な潤滑剤10をかき取って、ロープ溝13を清掃する。また、潤滑剤塗布装置M1eは、ロープ溝13を清掃した後に、ローラ12を矢印A3aの方向に回転させることによって、清浄な面に潤滑剤10を塗布する。
なお、このとき、ロープ溝13の進行方向の後側(図11(b)に示す例では、ローラ12の左側)の弾性部材51は、潤滑剤塗布装置M1eが矢印A7aの方向に傾いているため、ロープ溝13の表面から離間している。そのため、潤滑剤塗布装置M1eは、塗布された直後の潤滑剤10をかき取ることがない。
かかる構成において、潤滑剤塗布装置M1eは、ロープ溝13の進行方向の手前側(図11(b)に示す例では、ローラ12の右側)に溜まった過剰な潤滑剤10のみをかき取る構成になっている。このような潤滑剤塗布装置M1eは、潤滑剤10をかき取り過ぎたりすることがないため、接触面でのワイヤロープ4やシーブ3の摩耗の増大やトラクションの低下を抑制することができるとともに、実施形態5に係る潤滑剤塗布装置M1dよりも効率的に、清浄な面に潤滑剤10を塗布することができる。
以上の通り、本実施形態6に係る潤滑剤塗布装置M1eによれば、実施形態5に係る潤滑剤塗布装置M1dと同様に、ワイヤロープ4の表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができる。
しかも、潤滑剤塗布装置M1eによれば、実施形態5に係る潤滑剤塗布装置M1dに比べて、潤滑剤10をかき取り過ぎたりすることがないため、接触面でのワイヤロープ4やシーブ3の摩耗の増大やトラクションの低下を抑制することができるとともに、実施形態5に係る潤滑剤塗布装置M1dよりも効率的に、清浄な面に潤滑剤10を塗布することができる。
[実施形態7]
本実施形態7では、潤滑剤10を加熱する加熱機構M7を有する潤滑剤塗布装置M1fを提供する。
以下、図12を参照して、本実施形態7に係る潤滑剤塗布装置M1fの構成につき説明する。図12は、潤滑剤塗布装置M1fの概略構成図である。
図12に示すように、本実施形態7に係る潤滑剤塗布装置M1fは、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1と比較すると、加熱機構M7を有する点で相違している。
加熱機構M7は、潤滑剤10を加熱する機構である。加熱機構M7は、シリンダ9及びローラ12のいずれか一方又は双方に設けられている。潤滑剤塗布装置M1fは、加熱機構M7によってシリンダ9の内部の潤滑剤10を加熱することで、塗布し易いちょう度又は粘度に調整することができる。
加熱機構M7としては、シリンダ9の内部の潤滑剤10を均一に加熱することができ、また、火気を伴わなければ、特に制限されず、様々な公知の手段を用いることができる。具体的には、加熱機構M7としては、セラミックヒータや、電熱線等を用いることができる。
加熱温度は、潤滑剤10の種類によって設定する。例えば、潤滑剤10がパラフィン系のワックスグリースである場合に、グリースの軟化温度は、40〜90℃程度である。そのため、この場合に、加熱温度は、40〜90℃程度に設定するとよい。
このような潤滑剤塗布装置M1fは、例えば、寒冷地において、潤滑剤10としてのグリースのちょう度(ロープ油の場合は粘度)が潤滑剤塗布装置M1fの使用上の好ましいちょう度の下限(ロープ油の場合は粘度の上限)を下回った場合に、加熱機構M7によって潤滑剤10を加熱して、潤滑剤10の温度を塗布可能な温度に調整することができる。そのため、潤滑剤塗布装置M1fは、寒冷地を含む広範な温度環境において、効率よく、潤滑剤10を塗布することができる。
以上の通り、本実施形態7に係る潤滑剤塗布装置M1fによれば、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1と同様に、ワイヤロープ4の表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができる。
しかも、潤滑剤塗布装置M1fによれば、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1に比べて、寒冷地を含む広範な温度環境において、効率よく、潤滑剤10を塗布することができる。
[実施形態8]
前記した実施形態1〜実施形態7に係る潤滑剤塗布装置M1〜M1fでは、シリンダ9とローラ12とが一体化された構成になっている。しかしながら、潤滑剤塗布装置M1〜M1fは、シリンダ9とローラ12とを分離した構成にすることができる。
本実施形態8では、シリンダ9とローラ12とを分離した構成になっている潤滑剤塗布装置M1gを提供する。
以下、図13を参照して、本実施形態8に係る潤滑剤塗布装置M1gの構成につき説明する。図13は、潤滑剤塗布装置M1gの説明図である。図13(a)は、潤滑剤塗布装置M1gの構成を示しており、図13(b)は、潤滑剤塗布装置M1gを適用したエレベータE1の構成を模式的に示している。
図13(a)に示すように、本実施形態8に係る潤滑剤塗布装置M1gは、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1と比較すると、シリンダ9とローラ12とを分離した構成になっている点、ローラ12を収納するローラ収納部71とローラ収納部71を支持する支持部材72とを有している点、シリンダ9側にポンプ73を有している点、及び、シリンダ9とローラ12との間をチューブ74で接続している点で相違している。
かかる構成において、ローラ12は、ローラ収納部71に収納されている。そのローラ収納部71は、支持部材72によって支持されている。潤滑剤塗布装置M1gは、ポンプ73でシリンダ9に貯蔵された潤滑剤10を加圧し、チューブ74を介してシリンダ9からローラ12に潤滑剤10を供給する。
潤滑剤塗布装置M1gは、シリンダ9とローラ12とを分離している。そのため、潤滑剤塗布装置M1gは、ローラ12周りを小型化することができる。このような潤滑剤塗布装置M1gは、例えば、図13(b)に示すように、かご下プーリ5の周囲やカウンタウェイトプーリ7の周囲等の、設置スペースを確保し難い場所に、比較的容易に設置することができる。
以上の通り、本実施形態8に係る潤滑剤塗布装置M1gによれば、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1と同様に、ワイヤロープ4の表面に形成される油膜を一定厚以上に長期間維持することができる。
しかも、潤滑剤塗布装置M1gによれば、実施形態1に係る潤滑剤塗布装置M1に比べて、設置スペースを確保し難い場所に、比較的容易に設置することができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、例えば、シリンダ9やローラ12の形状は、適宜変更することができる。
また、例えば、エレベータE1は、潤滑剤塗布装置M1を設置するための新たなプーリを昇降路8の内部に配置するとともに、ワイヤロープ4と潤滑剤塗布装置M1のローラ12とをそのプーリに形成されたロープ溝13に接触させるようにしてもよい。
また、例えば、前記した実施形態1〜実施形態8に係る潤滑剤塗布装置M1〜M1gは、運搬可能な装置として構成することができる。この場合に、潤滑剤塗布装置M1〜M1gは、昇降路8の内部に固定設置されずに、メンテナンスの際に外部から持ち込まれて、昇降路8の内部の任意の位置に設置される。
1 乗りかご
2 カウンタウェイト(つり合いおもり)
3 シーブ(塗布対象)
4 ワイヤロープ
5 かご下プーリ(塗布対象)
6 頂部プーリ(塗布対象)
7 カウンタウェイトプーリ(塗布対象)
8 昇降路
9 シリンダ
10 潤滑剤(グリース、ロープ油)
11 回転軸
12 ローラ
13 ロープ溝
14 支持部材
15 アクチュエータ
16 外蓋
17 コイルばね
18 内蓋
19 巻上機
21 長孔
22 付勢部材
51 弾性部材
71 ローラ収納部
72 支持部材
73 ポンプ
74 チューブ
E1 エレベータ
M1,M1a,M1b,M1c,M1d,M1e,M1f,M1g 潤滑剤塗布装置
M2 ローラ位置調整機構
M3 接触力調整機構
M4 圧力付加機構
M5 ロープ溝清掃機構
M6 揺動機構
M7 加熱機構

Claims (12)

  1. グリース又はロープ油を含んでなる潤滑剤を貯蔵するシリンダと、
    シーブ及びプーリの少なくとも1つを前記潤滑剤の塗布対象とし、当該塗布対象に形成されたロープ溝の表面に接触するローラとを有し、
    前記ローラは、前記シリンダに貯蔵された前記潤滑剤を表面に付着させた状態で、前記塗布対象の回転又は移動に追従して回転して、前記潤滑剤を前記ロープ溝の表面に転写することで、前記潤滑剤を前記ロープ溝の表面に塗布する
    ことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  2. 請求項1に記載の潤滑剤塗布装置において、
    前記ローラを径方向に切断したときの前記ローラの外周付近の断面形状は、前記塗布対象を径方向に切断したときの前記ロープ溝の断面形状に一致している
    ことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の潤滑剤塗布装置において、
    前記ローラは、前記シリンダの端部付近に、回転自在に取り付けられている
    ことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の潤滑剤塗布装置において、
    さらに、前記ロープ溝に対して前記ローラを近接方向及び離間方向に往復移動可能に保持するとともに、前記ローラの往復移動幅を制限するローラ位置調整機構を有する
    ことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の潤滑剤塗布装置において、
    さらに、前記ロープ溝に対して前記ローラを近接方向及び離間方向に往復移動可能に保持するとともに、前記ロープ溝に対する前記ローラの接触力を調整する接触力調整機構を有する
    ことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の潤滑剤塗布装置において、
    さらに、前記シリンダに貯蔵された前記潤滑剤に対して前記ローラの方向に圧力を付加する圧力付加機構を有する
    ことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の潤滑剤塗布装置において、
    さらに、前記ロープ溝を清掃するロープ溝清掃機構を有し、
    前記ロープ溝清掃機構は、前記ロープ溝の形成方向に沿って先端部が配置された弾性部材を備えており、当該弾性部材の先端部を前記ロープ溝の表面に接触させることによって、前記ロープ溝を清掃する
    ことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  8. 請求項7に記載の潤滑剤塗布装置において、
    前記ロープ溝清掃機構は、さらに、前記塗布対象の回転又は移動に追従して前記弾性部材を揺動させる揺動機構を備えており、
    前記弾性部材は、非揺動時に前記ロープ溝の表面に対して非接触状態になっており、一方、前記揺動機構による揺動時に前記ロープ溝の表面に対して接触状態になる
    ことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の潤滑剤塗布装置において、
    さらに、前記シリンダ及び前記ローラのいずれか一方又は双方に、前記潤滑剤を加熱する加熱機構を有する
    ことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  10. 請求項1に記載の潤滑剤塗布装置において、
    さらに、前記潤滑剤を送り出すポンプを有しており、
    前記ローラは、前記シリンダから離れた位置に配置されているとともに、チューブを介して前記シリンダと接続されており、
    前記ポンプは、前記チューブを介して前記シリンダから前記ローラに前記潤滑剤を送り出す
    ことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  11. シーブ及びプーリの少なくとも1つを潤滑剤の塗布対象とし、当該塗布対象に形成されたロープ溝の周囲に配置された請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の潤滑剤塗布装置と、
    前記ロープ溝に架けられたワイヤロープと、
    前記シーブの回転に伴って昇降するかごとを有する
    ことを特徴とするエレベータ。
  12. シーブ及びプーリの少なくとも1つを潤滑剤の塗布対象とし、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の潤滑剤塗布装置を用いて、前記塗布対象に形成されたロープ溝の表面に前記潤滑剤を塗布することによって、前記ロープ溝を介して前記ロープ溝に架けられたワイヤロープに前記潤滑剤を塗布する工程を含む
    ことを特徴とするエレベータの保守方法。
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