JP6423743B2 - 高信頼通信方法、及びそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高信頼通信方法、及びそれを用いた電力変換装置に関する。
本技術分野の背景技術として、特許文献1〜3がある。
特許文献1には、「カスケード接続された複数のセルから構成される電力変換装置103であって、該電力変換装置103の制御装置は、中央制御装置107と、各セルと同電位の近傍に設置したセル制御装置204とから構成されており、前記中央制御装置107と各セル制御装置204は光ファイバケーブル111〜114でデイジーチェーン接続されていることを特徴とする電力変換装置(要約の[解決手段]参照)。」として、電力変換装置の技術が開示されている。
また、特許文献2には、「加入者間の2つの伝送路を有する、データを伝送するための少なくとも3つの加入者を有するシステムであって、その場合に伝送路がそれぞれ逆の伝送方向を有する第1のリングと第2のリングを形成する、前記システムは、加入者内に第1の接続と第2の接続が設けられており、前記第1の接続によって第1のリングが第2のリングと接続可能であり、かつ前記第2の接続によって第2のリングが第1のリングと接続可能であって、その場合に2つのリングのデータが各加入者内で処理されることを特徴としている([要約]を参照)。」として、データを伝送するシステムの技術が開示されている。
また、特許文献3には、「互いに同方向に伝送が行われる単方向性の第1と第2のループ伝送路を有する二重系ループ伝送装置において、上記両ループ伝送路上のそれぞれ互いに対応する上記伝送制御装置を双方向伝送路により接続し、上記第1のループ伝送路において、該ループ伝送路が伝送不能となったとき、その直前の伝送制御装置より上記双方向伝送路を介して対応した制御装置に移り、上記第2のループ伝送路を経由して、第1のループ伝送路上の以後の伝送可能な伝送制御装置に対応した第2の伝送ループ上の伝送制御装置より双方向伝送路を介して第1の伝送路にもどることを特徴とする伝送制御方式([特許請求の範囲]を参照)。」として、伝送制御方式の技術が開示されている。
特開2011−24393号公報 特表2007−533227号公報 特開昭60−100853号公報
しかしながら、前記特許文献1〜3には、次のような問題、課題がある。
特許文献1に開示された技術による電力変換装置では、中央制御装置とセル制御装置の間の伝送路上で一カ所でも故障があると通信が行えないという問題がある。例えば、光ファイバケーブルの断線やセル制御装置の電源に故障があると、正しく制御を行えなくなり、速やかに運転を停止しなくてはいけない。また、稼働率を上げるためには、故障があっても通信を継続できることが望ましい。
特許文献2に開示された技術によるデータを伝送するシステムでは、故障部位まで往復する通信路を辿るため、通信時間は最大で通常時の二倍になってしまうという問題がある。電力変換装置は、数十μ秒の応答特性を有するIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの半導体スイッチング素子を用いるため、それを制御するためにはできるだけ高速で信頼性の高い通信方法であることが望ましい。
特許文献3に開示された技術による伝送制御方式では、伝送ループの一部の断線や、各局にある二つの伝送制御装置の一方が故障しても通信を継続できるが、それら伝送制御装置を制御する共通部になるホストに故障が発生すると、システム全体の通信が行えなくなってしまうという問題がある。
本発明は、前記した課題に鑑みて創案されたものであり、マスターノードと複数のスレーブノードを有する伝送路において、一部故障があっても通信を継続可能であり、かつ、適切な通信性能による高信頼通信方法、及びそれを用いた電力変換装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決して、本発明の目的を達成するために、以下のように構成した。
すなわち、本発明の高信頼通信方法は、第1系列および第2系列のそれぞれの情報を送信および受信するマスターノードと、前記第1系列の情報を受信および送信する複数の第1系列のスレーブノードと、前記第2系列の情報を受信および送信する複数の第2系列のスレーブノードと、複数の前記第1系列のスレーブノードと前記マスターノードの間を複数の伝送手段を介して環状に結ばれた第1系列の伝送路と、複数の前記第2系列のスレーブノードと前記マスターノードの間を複数の伝送手段を介して環状に結ばれた第2系列の伝送路と、前記マスターノードからの配置される順番で第1系列のスレーブノードと第2系列のスレーブノードの間を順次、伝送手段で双方向に結ばれて対の組となる複数の組の第3の伝送路と、を有し、前記マスターノードから発信された情報が格納された伝送フレームは、複数の前記第1系列および第2系列のスレーブノードを、前記第1系列の伝送路、第2系列の伝送路、第3の伝送路のいずれかを介して、伝送され、複数の前記第1系列および第2系列の各スレーブノードは、それぞれ前記伝送フレームに格納された情報を取り込み、かつ、前記伝送フレームに前記各スレーブノードの情報をセットして、順に伝送し、前記マスターノードに戻し、前記マスターノードは、互いに双方向の伝送路で結ばれた2個のマスターノードを備えて構成され、一方のマスターノードが主系のマスターノードとして、前記伝送フレームを生成して、前記第1系列の伝送路、および他方のマスターノードに前記伝送フレームを発信し、前記他方のマスターノードは、従系のマスターノードとして、前記伝送フレームを前記第2系列の伝送路に転送し、前記マスターノードは、主系のマスターノードと従系のマスターノードとに切替える主従切替手段と、伝送路を選択する伝送路選択手段と、を有し、前記主従切替手段と前記伝送路選択手段とによって、前記主系と前記従系の二つのマスターノードは、それぞれ互いを通過しないで全てのスレーブノードを経由する伝送路を選択できる構成であることを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、マスターノードと複数のスレーブノードを有する伝送路において、一部故障があっても通信を継続可能であり、かつ、適切な通信性能による高信頼通信方法、及びそれを用いた電力変換装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法のマスターノードと複数のスレーブノードの通信経路の構成例を示す図である。 比較例としての信頼性を高める通信方法を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の複数の変換セルを用いたマルチモジュラー型の電力変換装置の構成例と、当該の電力変換装置が電力の供給を受ける電力源と、電力変換装置が変換した出力電力を供給する負荷との関連を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置に用いられる変換セルの構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置のPWM制御部の構成例を詳細に示した図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の送信回路が生成して出力する伝送フレームの構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置における二重系制御部で、PWM制御と変換セル制御部との間の故障を判定するフローの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の第1〜第6制御出力部であるPWM1〜PWM6の動作、および関連する各信号の波形の概要を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置におけるスレーブノードの詳細な構成例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法の主従二重系のマスターノードと6個のスレーブノードの通信経路の構成例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る高信頼通信方法の主従二重系のマスターノードとスレーブノード数が4の倍数の場合の通信経路の構成例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る高信頼通信方法の主従二重系の構成時のマスターノードの構成例を示す図である。 本発明の第3および第4実施形態に係る高信頼通信方法の主従二重系の構成時のマスターノードの主系から従系への伝送に用いる伝送フレームの構成例を示す図である。 本発明の第1〜第4実施形態に係る高信頼通信方法、または電力変換装置におけるマスターノードAのプリント基板の一例を示す図である。 本発明の第1〜第4実施形態に係る高信頼通信方法、または電力変換装置におけるスレーブノードのプリント基板の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法におけるマスターノードとスレーブノードとに伝送路の接続と、正常な状態における伝送経路を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法において、スレーブノード1とスレーブノード3の間の伝送路が断線した場合の信号の経路、および状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法において、経路探索モードの動作と伝送フレームの流れを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法において、定常状態の動作と伝送フレームの流れを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法において、マスターノードとスレーブノードとに伝送路の接続と、正常な通信が行われている状態における伝送経路を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法において、スレーブノード3が故障した場合の信号の経路、および状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法において、スレーブノード3が故障した場合の経路探索モードの動作と伝送フレームの流れを示す図である。 本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法において、スレーブノード3の入力に異常が発生した場合の信号の経路、および状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法において、経路探索モードの一過程の信号の経路、および状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法において、最も有効な入力情報が多い経路が定常状態となった場合の信号の経路、および状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法において、スレーブノード3が故障した場合の信号の経路、および状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法において、経路探索モードの信号の経路、および状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下においては「実施形態」と表記する)を、図面を参照して説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、重複する説明は、適宜、省略する。
≪第1実施形態:高信頼通信方法≫
本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法について以下に説明する。
<通信経路の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法のマスターノード(100)と6個(複数)のスレーブノード(201〜206)の通信経路の構成例を示す図である。
図1に示すように、マスターノード100は、第1のリング状(環状)の伝送路(第1系列)である信号線(伝送手段)301〜304を使用して、3個のスレーブノード1、3、5(201、203、205)と通信することができる。
また、マスターノード100は、第2のリング状(環状)の伝送路(第2系列)である信号線(伝送手段)311〜314を使用して、3個のスレーブノード2、4、6(202、204、206)と通信することができる。
さらに、マスターノード100から2本のリング状の伝送とつながるスレーブノード1(201)とスレーブノード2(202)をペア(対の組)として、これらのスレーブノード1とスレーブノード2との間を信号線341と信号線342とを用いて双方向に接続する。
また、続くスレーブノード3(203)とスレーブノード4(204)をペアとして、これらのスレーブノード3とスレーブノード4との間を信号線343と信号線344とを用いて双方向に接続する。
また、続くスレーブノード5(205)とスレーブノード6(206)をペアとして、これらのスレーブノード5とスレーブノード6との間を信号線345と信号線346とを用いて双方向に接続する。
以上の双方向のペアの信号線を第3の伝送路(伝送手段)と称するものとする。
各スレーブノード(1〜6)には、それぞれ二つの入力と二つの出力があり、マスターノードから出力される二つの伝送フレームのうち、ひとつは、スレーブノード1、スレーブノード3、スレーブノード5の経路を順次辿りながら二つのマスターノードの入力として戻ってくる。なお、この通信経路を第1系列の伝送路と称するものとする。
また、もうひとつは、スレーブノード2、スレーブノード4、スレーブノード6の経路をそれぞれ順次辿りながら二つのマスターノードの入力として戻ってくる。なお、この通信経路を第2系列の伝送路と称するものとする。
これらの通信経路における情報を伝送する際の伝送フレームには、マスターノードからの各スレーブノードに対する出力情報を与え、各スレーブノードはマスターノードへの入力情報をセットして出力する。
マスターノードは、戻ってきた二つの伝送フレームを参照することで各スレーブノードからの入力情報を取り込むことができる。
ここでマスターノードからのスレーブノードに対する出力情報としては、例えば、運転状態を指定するモード情報や、変換セルのスイッチング素子のゲートに与えるオン・オフ(ON/OFF)情報などがある。
また、スレーブノードからの入力情報の例としては、出力情報が正しく伝達されたかどうかを確認するための与えられた出力情報のエコー情報や、変換セルにおけるコンデンサの電圧情報、変換セルの温度情報などがある。
次に、図1に示した高信頼通信方法の伝送経路において、正常な(故障が無い)場合や、故障が起きた場合の伝送方法や各部の動作について、説明する。
<故障の無い通常運転の場合>
故障の無い通常運転の場合は、例えばマスターノードの第1のリング状の伝送路(第1系列の伝送路)に対して信号線301からスレーブノード1(201)とスレーブノード3(203)、スレーブノード5(205)に対する出力情報を与えた伝送フレームを出力する。そしてスレーブノード1(201)は、前記の伝送フレームから、スレーブノード1(201)への出力情報を取り込み、スレーブノード1(201)からの入力情報を伝送フレームにセットして信号線302に出力する。
同様にスレーブノード3(203)は、受け取った伝送フレームからスレーブノード3(203)への出力情報を取り込み、スレーブノード3(203)からの入力情報を伝送フレームにセットして信号線303に出力する。
同様にスレーブノード5(205)は、受け取った伝送フレームからスレーブノード5(205)への出力情報を取り込み、スレーブノード5(205)からの入力情報を伝送フレームにセットして信号線304に出力する。
以上の動作により、マスターノード100は、信号線304からスレーブノード1(201)、スレーブノード3(203)、スレーブノード5(205)の入力情報を受け取ることができる。
第2のリング状の伝送路(第2系列の伝送路)に接続されたスレーブノードも同様に動作する。そのため、マスターノード100が信号線311に送出した伝送フレームにセットした各スレーブノードに対する出力情報は、それぞれのスレーブノードで受け取り、スレーブノード2(202)、スレーブノード4(204)、スレーブノード6(206)の入力情報がセットされ信号線314からマスターノード100に戻ってくる。
マスターノード100は、信号線304と信号線314から戻ってくる二つの伝送フレームから全てのスレーブノードの入力情報を得ることができる。
なお、第1、第2のリング状の伝送路に故障の無い通常運転においても、スレーブノード1、2間の信号線341、342、スレーブノード3、4間の信号線343、344、スレーブノード5、6間の信号線345、346においても、信号の伝送は行われ、この信号は前記のペア(対の組)となっている双方向の各信号線が正常か否かの検出に用いられる。また、このペアとなっている双方向の信号線を第3の伝送路と称するものとする。
<故障が発生した場合:経路探索モード>
次に、どこかで故障が発生した場合について説明する。
前述の通常の故障のない運転時に二つのリング状の伝送路が一部断線するか、スレーブノードが故障した場合、信号線304か信号線314のどちらかに伝送フレームが戻ってこなくなる。
例えば、連続して正しく伝送フレームが戻ってこない状態になった時、故障が発生したと判断する。このように、故障と判断した時、通常運転の状態から故障時の経路探索モードに切替えて伝送フレームを送信する。
経路探索モードの伝送フレームは、信号線301と信号線311に同じ伝送フレームを送出する。この伝送フレームには、各スレーブノード1〜6(201〜206)に対する出力情報を与えるフィールド(領域)、および各スレーブノード1〜6からの入力情報をセットするフィールドがある。
各スレーブノードは、リング状の伝送路から受け取った経路探索モードの伝送フレームを、基本的には双方向の伝送路に出力する。また、双方向の伝送路から受信した伝送フレームをリング状の伝送路に出力する。
このようにすると、信号線301で受け取った伝送フレームは信号線341を経由しスレーブノード2(202)に渡り、以降、スレーブノード4(204)、スレーブノード3(203)、スレーブノード5(205)、スレーブノード6(206)と経由して信号線(314)を介してマスターノード(100)に戻る。
一方、信号線311に出力された同じ内容の伝送フレームは、スレーブノード2(202)、スレーブノード1(201)、スレーブノード3(203)、スレーブノード4(204)、スレーブノード6(206)、スレーブノード5(205)と経由して信号線(304)を介してマスターノード100に戻ってくる。
もし、リング状の伝送路である信号線301、312、303、314のどこにも断線などの故障がない場合には、信号線314に戻ってくる伝送フレームには全てのスレーブノードの入力情報がセットされた状態で戻ってくる。
また、信号線311、302、313、304のどこにも断線などの故障がない場合には、信号線304に戻ってくる伝送フレームには全てのスレーブノードの入力情報をセットした状態で戻ってくる。
したがって、故障が伝送路の信号線の1本である場合には、マスターノード100に戻って来る二つの伝送フレームの少なくともどちらか一方に完全なものがある。この場合には、伝送路の信号線の1本の故障であると判定できる。
また、前記の二つの伝送フレームの両方とも不完全であれば、伝送路の信号線の1本の故障ではなく、スレーブノードの機能が故障していると判定できる。
<伝送路の信号線の故障の場合>
前記の経路探索モードで説明した方法で伝送を実施する。前記したように、故障が伝送路の信号線の1本である場合には、マスターノード100に戻って来る二つの伝送フレームの少なくともどちらか一方に完全なものがある。
したがって、マスターノード100は、二つの戻ってくる伝送フレームの完全な方を選択して使用する。
なお、この伝送路の信号線の故障の場合については、その詳細な過程を、図16A〜図16Dを参照して後記する。
<スレーブノードが機能を失った場合>
もし、スレーブノードが電源の喪失などのために機能を失った場合には、上記の伝送経路だけでは、信号線304、314ともに伝送フレームが戻ってこない。これは、ペアになるスレーブノードが故障している場合、双方向の伝送路からの伝送フレームが入力されないため、リング状の伝送路に伝送フレームが出力されず、二つのリング状の伝送路とも、伝送フレームが無くなるからである。
これを避けるために、双方向の伝送路からの伝送フレームが来ないとき、リング状の伝送路から入力された伝送フレームを双方向の伝送路に出力するとともにリング状の伝送路に出力する。
双方向の伝送路から伝送フレームがこないことは、リング状の伝送路からの入力が受信された後、一定時間以内に受信されないことで認識できる。
このようにすることで、故障したスレーブノードを避けて伝送フレームを伝送できる。
例えば、スレーブノード1(201)が故障している場合、信号線341から伝送フレームが来ない。そのため、スレーブノード2(202)は、信号線311からの伝送フレームを信号線312に伝送し、スレーブノード4(204)は、スレーブノード3(203)からの伝送フレームが無いため信号線344と信号線313にも信号線312からの伝送フレームを出力する。
最終的に信号線304には、スレーブノード2(202)、スレーブノード4(204)、スレーブノード6(206)、スレーブノード5(205)の入力情報がセットされた伝送フレームが戻ってくる。
信号線314には、スレーブノード2(202)、スレーブノード4(204)、スレーブノード3(203)、スレーブノード5(205)、スレーブノード6(206)の入力情報がセットされた伝送フレームが戻ってくる。
マスターノード100は、この二つの伝送フレームを比較し、より入力情報の多い信号線314からの伝送フレームを選択して使用する。また、共通して入力情報が無いスレーブノード1(201)が故障していると判断できる。
なお、このスレーブノードの故障の場合については、その詳細な過程を、図17A〜図17Cを参照して後記する。
<故障が発生した場合の対処方法の補足>
前記のように、故障が発生した場合に経路探索モードに入り、<伝送路の信号線の故障の場合>と<スレーブノードが機能を失った場合>によって、信号伝達方法を選択して、どちらの場合でも、本発明の第1実施形態の高信頼通信方法によって、情報を伝達するように機能する。
これらの動作は、マスターノード100が独自に判断するのではなく、マスターノード100、およびスレーブノード1〜6(201〜206)がそれぞれ連携して判断し、最終的な信号の伝送経路と伝送方法を選択し、全体として機能する。
<比較例>
次に、前記した本発明の第1実施形態の高信頼通信方法が、従来の技術に対して、如何に優れているかを示すために、比較例として、他の信頼性を高める通信方法を説明する。
図2は、比較例としての信頼性を高める通信方法を説明する図である。
図2において、マスターノードと複数のスレーブノード(1〜6)を、ノードの番号順に互いに反対方向の二重のリング(対の伝送路)で接続している。
このような接続方法をとることによって、スレーブノード間のどこかで伝送路が断線した場合においても、互いに反対方向の二重のリングとして有している対の伝送路の片方を用いることによって、通信を継続することが可能である。
また、スレーブノード(1〜6)の装置が1個故障しても、故障部位の前後で伝送フレームを反対のリングを使ってマスターノードに戻すことが可能であるため、通信を継続することが可能である。
しかし、図2に示した比較例の方法では、故障部位まで往復する通信路を辿るため、通信時間は最大で通常時の二倍になってしまうという問題がある。
また、故障がない場合においても、比較例では、スレーブノード(1〜6)を順にたどるため、通信情報を伝達する時間が遅くなるスレーブノードがあるという問題点がある。
<第1実施形態の比較例に対する効果>
前記したように、本発明の第1実施形態では、正常な場合においても、伝送路やスレーブノードの故障の場合においても、比較例よりも速く通信情報を伝達することが可能であるという効果がある。
高信頼通信方法を複数の変換セルを有する電力変換装置に用いる場合には、数十μ秒の応答特性を有するIGBTなどの半導体スイッチング素子を用いるため、それを制御するためにはできるだけ高速で信頼性の高い通信方法であることが望ましい。
すなわち、比較例の通信方法よりも、本発明の第1実施形態の高信頼通信方法は、高速性において優れている。
≪第2実施形態:電力変換装置≫
次に、本発明の第2実施形態に係る高信頼通信方法を用いた電力変換装置について、図3〜図9を参照して、以下に説明する。
<電力変換装置の構成>
図3は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の複数の変換セル(電力変換用の変換セル)411〜416を用いたマルチモジュラー型の電力変換装置30の構成例と、当該の電力変換装置30が電力の供給を受ける電力源372と、電力変換装置30が変換した出力電力を供給する負荷371との関連を示す図である。
図3において、電力変換装置30は、縦列に接続されて電力を変換する変換セル1〜6(411〜416)と、これらの変換セル1〜6を制御する電力変換制御装置31とを備えて構成される。
また、電力変換装置30には電力源372から電力が供給される。例えば電力源372が高電圧の交流電力の電源の場合は、電力変換装置30で交流電力(電圧)を直流電力(電圧)に変換して、この直流電力(電圧)を負荷371に供給する。この場合には、電力変換装置30は、コンバータ(交流→直流変換)の機能を果たす。
また、電力源372が三相交流であって、この三相交流電力(電圧)を直流電力(電圧)に変換する場合もある。この場合には、電力変換装置30における変換セル1〜6は、三相の内の一相分(例えばU相)のみについての回路構成であり、他の相(例えばV相、W相)を変換する回路構成については記載を省略している。
また、電力源372が直流電力(電圧)であって、電力変換装置30で直流電力(電圧)を三相交流電力(電圧)に変換して、この三相交流電力(電圧)を負荷371に供給する場合もある。この場合には、電力変換装置30は、インバータ(直流→交流変換)の機能を果たす。
以上のように、電力変換装置30は複数の機能を有する場合がある。また、電力変換装置30と電力源372と負荷371との実際の回路構成と配線接続は、複雑になるので図3においては、抽象的な表記で電力変換装置30と電力源372と負荷371との関係を示している。
なお、図3において、電力源372と負荷371を流れる電流を測定するセンサ382と、その検出値をPWM制御部(電力変換制御部)110に伝送する信号線373がある。また、負荷371にかかる電位差を測定するセンサ(不図示)と、その検出値をPWM制御部110に伝送する信号線374がある。
《変換セル1〜6》
変換セル1〜6(411〜416)は、縦列に接続される。そして、電力源372と負荷371との間に接続される。
変換セル1〜6の各変換セルのON/OFFを個別に制御することによって、前記したように、交流を直流に変換したり、直流を交流に変換したりすることができる。
また、複数の変換セル1〜6を用いることで、高電圧かつ大容量の電力(電圧)を変換できる。
また、変換セル1〜6は、電力変換制御装置31の変換セル制御部1〜6(211〜216)によって、それぞれ制御される。
《変換セルの構成》
次に、変換セル(1〜6)の具体的な構成例について説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置に用いられる変換セル(電力変換用の変換セル)400の構成例を示す図である。
図4において、変換セル400は、半導体スイッチ素子であるIGBT463、464と、コンデンサ465と、ドライバ462と、センサ468と、受信部(受信)461と、送信部(送信)469とを備えて構成される。なお、IGBTとは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。
IGBT463とIGBT464とは、直列に接続されている。IGBT463とIGBT464には、それぞれ還流ダイオードが逆並列に接続されている。
また、IGBT464のエミッタとIGBT463のコレクタとの間に、コンデンサ465が接続されている。
IGBT464のエミッタは、第1端子466に接続されている。
また、IGBT464のコレクタとIGBT463のエミッタの接続点は、第2端子467に接続されている。
コンデンサ465の両端の端子は、ともにセンサ468に入力している。
センサ468の検出信号は、送信部469に入力している。
受信部461の信号は、ドライバ462に入力している。
ドライバ462の2本の出力がIGBT463、IGBT464のそれぞれのゲートに入力している。
変換セル400をON/OFFする制御信号は、光ファイバの信号線Anにより受信部461で受け、ドライバ462を介して、IGBT463、464をON、OFFする。
第1端子466、第2端子467には、電力源372(図3)からの電圧がかかる。IGBT463をOFFするとコンデンサ465に電荷が蓄積し、ONにすると放電し、第1端子466、第2端子467を介して、負荷371(図3)に電力を供給する。
コンデンサ465の電位差は、センサ468でデジタル化し送信部469でシリアル信号にして光ファイバの信号線Bnに出力する。
なお、電力源372および負荷371との電力(電圧)のやりとりは、1個の変換セル400で行うのではなく、縦列に接続された複数の変換セル(1〜6:図3)で行う。
また、図3の変換セル1〜6(411〜416)がそれぞれ図4に示した変換セル400である。
《電力変換制御装置》
図3において、電力変換制御装置31は、変換セル制御部1〜6(211〜216)と、これら変換セル制御部1〜6をパルス幅制御するPWM制御部(電力変換制御部)110を備えて構成されている。
《変換セル制御部》
図3において、変換セル1〜6(411〜416)を制御するのが、変換セル制御部1〜6(211〜216)であり、図1におけるスレーブノード1〜6(201〜206)に対応する。
図3に示すように、変換セル制御部1(211)から変換セル1(411)に信号線A1と信号線B1を接続する。
なお、信号線A1と信号線B1は、前記のように光ファイバで構成されており、図4における光ファイバの信号線Anと信号線Bnに相当する。また、信号線A1と信号線B1に光ファイバを用いる主な理由は、電力変換装置30が高電圧を変換するので、その電気的なノイズの影響を避けるためである。
同様に、変換セル制御部2〜6(212〜216)から変換セル2〜6(412〜416)に信号線A2〜A6、および信号線B2〜B6を接続する。
なお、信号線A2〜A6、および信号線B2〜B6は、前記のように光ファイバで構成されており、それぞれ、図4における信号線An(n=2〜6)と信号線Bn(n=2〜6)に相当する。
変換セル制御部1(211)は、PWM制御部110からの信号を入力する信号線301Sと接続されている。変換セル制御部1は変換セル制御部3(213)と信号線302Sとで接続されている。変換セル制御部3は変換セル制御部5(215)と信号線303Sとで接続されている。変換セル制御部5は、信号線304SでPWM制御部110に接続されている。
変換セル制御部2(212)は、PWM制御部110からの信号を入力する信号線311Sと接続されている。変換セル制御部2は変換セル制御部4(214)と信号線312Sとで接続されている。変換セル制御部4は変換セル制御部6(216)と信号線313Sとで接続されている。変換セル制御部6は、信号線314SでPWM制御部110に接続されている。
変換セル制御部1と変換セル制御部2との間は、信号線341Sと信号線342Sとで双方向に接続されている。
変換セル制御部3と変換セル制御部4との間は、信号線343Sと信号線344Sとで双方向に接続されている。
変換セル制御部5と変換セル制御部6との間は、信号線345Sと信号線346Sとで双方向に接続されている。
《PWM制御部》
図3において、PWM制御部(電力変換制御部)110には、信号線373から電力源372と負荷371を流れる電流の情報と、信号線374から負荷371にかかる電位差の情報が入力する。
また、PWM制御部110は、上位コントローラ(不図示)からの指令C1を入力しているとともに、電力変換制御装置31に関連データを信号C2で上位コントローラに送っている。すなわち、上位コントローラは電力変換装置(30)全体を統括して制御する。
また、PWM制御部110は、変換セル制御部1と変換セル制御部2に、それぞれ信号線301Sと信号線311Sを介して、変換セル制御部1〜6を制御するための情報が入力された伝送フレームを出力する。それとともに、変換セル制御部5と変換セル制御部6から、それぞれ信号線304Sと信号線314Sを介して、変換セル制御部1〜6の状況を示す情報を有する伝送フレームを入力する。
図3の電力変換制御装置31におけるPWM制御部110と変換セル制御部1〜6(211〜216)の通信の構成は、図1で示した高信頼通信方法の構成に相当する。
すなわち、図3のPWM制御部110は、図1のマスターノード100に相当する。図3の変換セル制御部1〜6(211〜216)は、図1のスレーブノード1〜6(201〜206)に相当する。
図3の信号線301S〜304Sは、図1の信号線301〜304に相当する。
図3の信号線311S〜314Sは、図1の信号線311〜314に相当する。
図3の信号線341S〜346Sは、図1の信号線341〜346に相当する。
したがって、電力変換制御装置31におけるPWM制御部110と変換セル制御部1〜6(211〜216)の通信の構成は、故障に対して、高信頼な通信を確保できる。
つまり、信号線301S〜304S、311S〜314S、341S〜346Sや、変換セル制御部1〜6(212〜216)の1箇所に故障があったとしても、通信が可能である。また、故障を検出できる。
《PWM制御部の詳細構成:その1》
次に、PWM制御部110について、さらに詳しく説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置のPWM制御部110の構成例を詳細に示した図である。
図5において、PWM制御部110は、電力制御演算部120と、第1〜第6制御出力部であるPWM1〜6(121〜126)と、送信回路130と、二重系制御部131と、受信回路132と、応答データ格納部133とを備えて構成される。
電力制御演算部120は、上位コントローラ(不図示)からの指令(C1)と、電流センサからの入力信号373と電圧センサからの入力信号374、通常入力1(304S)と通常入力2(314S)を受信する。また、電力制御演算部120は、応答データ格納部133から受信回路132でスレーブノードである変換セル制御からの入力情報を抽出し格納した応答データと、二重系制御部131で判定する変換セル制御の故障状態を入力する(詳細は後記する)。
そして、電力制御演算部120は、前記指令C1と、電圧センサからの入力374と、応答データ格納部133の応答データと、二重系制御部131の変換セル制御1〜6(図3)の故障状態に基づいて、第1〜第6制御出力部であるPWM1〜6(121〜126)に変調波とキャリアを出力する(詳細は後記する)。
図5の第1〜第6制御出力部であるPWM1〜6(121〜126)は、図3の変換セル制御部1〜6(211〜216)のそれぞれの制御信号を生成して出力する。
送信回路130は、PWM1〜6(121〜126)の各信号から、通常出力1(301S)と通常出力2(311S)を生成して出力する。送信回路130は、次に説明する伝送フレームを出力として用いる。
《伝送フレームの構成》
図6は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の送信回路130が生成して出力する伝送フレーム600の構成を示す図である。
図6において、伝送フレーム600は、フレームの開始を示すプリアンブル(Pre.)601、フレームの種別を示すコマンド602、変換セルのON/OFFを与える制御データ603、各変換セル制御からの入力情報をセットする部分である応答データ604、伝送フレーム(600)が正しいことを示すCRC(Cyclic Redundancy Check)コード(CRC)605のフィールドから構成されている。
コマンド602には、故障が無い通常運転のモードと故障を認識した後の経路探索のモードを指定できる。
制御データ603は、通常運転モードの場合、第1のリング状の伝送路に接続する通常出力1にはPWM1(121)、PWM3(123)、PWM5(125)の出力情報をセットする。また、制御データ603は、第2のリング状の伝送路に接続する通常出力2にはPWM2(122)、PWM4(124)、PWM6(126)の出力情報をセットする。
また、制御データ603は、経路探索モードの場合には、PWM1(121)〜PWM6(126)の出力情報をセットする。あるいは、PWM1(121)からPWM6(126)の出力情報は同時に変化する事が無いため、変換セルに対する出力情報を1個だけ順次入れ替えてセットすることもできる。
また、各変換セル制御部が伝送フレーム600を転送する際に、変換セル制御部が制御する変換セルに対する制御情報が、順次、次の変換セルの制御情報に変更される方法でもよい。
応答データ604は、通常運転モードでは、3個分の入力情報のフィールド(領域)を用意する。経路探索モードでは6個分の入力情報のフィールドを用意する。
CRCコード605は、各変換セル制御部が伝送フレーム600を転送する際に再計算される。
《PWM制御部の詳細構成:その2》
図5において、送信回路130からの伝送フレームの送信は、送信された伝送フレームが戻ってきて受信回路132で受信される時間より長い所定の周期に行われる。
故障が認識されるまでの通常運転の周期と、故障が発見された時の経路探索モードでは異なる周期で送信しても良い。
この送信してから受信するまでの時間は、ほぼ決まった所定の時間となるため受信回路132では、所定の時間内に伝送フレームを受信できなかったことに相当するタイムアウトを認識することができる。
通常運転モードでは、通常入力1と通常入力2にほぼ同時に受信され、それぞれの伝送フレームの応答データを全部の変換セル制御からの応答データ(入力情報)として応答データ格納部133にセットする。
PWM制御部110と変換セル制御部(1〜6:図3)の間で故障が発生すると、受信回路132でタイムアウトが発生し、連続してタイムアウトした場合、故障が発生したと二重系制御部131は判断し、経路探索モードに運転状態を切り替える。
《故障を判定するフロー》
次に、二重系制御部131で前記の故障を判定する方法について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置における二重系制御部131(図5)で、PWM制御110(図5)と変換セル制御部(1〜6:図3)の間の故障を判定するフローの一例を示す図である。
図7において、フロー開始B700から、まず通常運転を行う(ステップS701の「通常運転モード」)。そして、次のステップS702に進む。
次に、双方向の伝送路(341S〜346S:図3)に故障があるか否かを判定する(ステップS702の「双方向の伝送路に異常検出?」)。
ステップS702において、双方向の伝送路に異常が検出された(Yes)ならば、次のステップS703に進む。
また、ステップS702において、双方向の伝送路に異常が検出されない(No)ならば、ステップS704に進む。
前記のステップS702において、双方向の伝送路に異常が検出された場合に、ステップS703で、電力制御演算部120(図5)を介して上位コントローラに警告する(ステップS703の「双方向の伝送路の異常を通報」)。
そして、次のステップS704に進む。
ステップS704では、変換セル制御部間の伝送路であるリング状の伝送路(<301S〜304S>もしくは<311S〜314S>:図3)に連続の異常があるか否かを判定する(ステップS704で「リング状の伝送路に連続の異常を検出?」)。
もし、前記のリング状の伝送路に故障が発見された(Yes)なら、ステップS705に進む。
また、ステップS704において、リング状の伝送路に連続の異常が検出されなければ、フロー開始B700に戻り、ステップS701から再度、前記のフローの工程を繰り返す。
ステップS705で、経路探索モードである双方向の伝送を使った運転に切り替える(ステップS705の「経路探索モード」)。
そして、次のステップS706に進む。
ステップS706では、変換セル制御部(1〜6:図3)をノードとして、2ノード以上の異常があるか否かを検出する(ステップ706の「2ノード以上の異常検出?」)。
もし、2ノード以上の異常が検出(認識)されない(No)ならば、前記のステップS705に戻り、経路探索モードである双方向の伝送を使った運転を継続する。
ステップS706で、もし、2ノード以上の異常が検出(認識)された(Yes)ならば、運転が継続できないため、電力制御演算部120(図5)を介して上位コントローラ(不図示)に報告し、伝送フレームのコマンドに異常終了の指示を与える送信を続ける(E707)。
なお、前記の双方向の伝送路に故障のある場合の検出は、各変換セル制御部1〜6(図3)からの応答データの一部に、双方向の伝送路からの伝送フレームが受信されていない情報を含めることで実現できる。
《制御出力部であるPWM1〜PWM6の動作の概要》
次に、図5における第1〜第6制御出力部であるPWM1〜6(121〜126)の動作について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置における第1〜第6制御出力部であるPWM1(121)〜PWM6(126)の動作、および関連する各信号の波形の概要を示す図である。ただし、PWM1とPWM2の波形についてのみ表記し、PWM3〜PWM6についての記載は省略している。
図8において、変調波(MW)、PWM1のキャリア(PWM1C)、PWM2のキャリア(PWM2C)、PWM1のON/OFF(PWM1HL)、PWM2のON/OFF(PWM2HL)の各波形を示している。
また、図8において、横軸は時間の経緯であり、縦軸は電圧である。ただし、PWM1のON/OFF(PWM1HL)、PWM2のON/OFF(PWM2HL)は、縦軸に示した電圧とは、直接には関係なく、High、Lowの信号、つまり1、0の信号波形で表記している。
変調波(MW)と三角波(例えばPWM1C)によるキャリア(搬送波)との電圧を比較して、変調波(MW)が三角波(PWM1C)より高い電圧の区間は、High(1)とする。また、変調波(MW)が三角波(PWM1C)より低い電圧の区間は、Low(0)とする。以上の演算によって、PWM1のON/OFF(PWM1HL)の信号波形が生成される。
この演算は、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)であって、前記のように、三角波のキャリア信号に対する変調波との大小の演算結果でパルス幅を変調してPWMパルスを生成する。
同じ変調波(MW)に対して、PWM2のキャリア(PWM2C)は、PWM1のキャリア(PWM1C)よりも位相(時間)をずらすと、PWM2のON/OFF(PWM2HL)の信号波形が生成される。
また、図8には、図示していないが、PWM3からPWM6についても、同じ変調波(MW)に対して、キャリア(PWM3C〜PWM6C:不図示)の位相を少しずつずらしたもので、パルス幅変調の制御信号を生成できる。
これらPWM1〜PWM6で、パルス幅変調の制御信号PWM1HL〜PWM6HLを生成し、それぞれ変換セル1〜6(411〜416)のスイッチングを分散して行えば、電力変換装置30(図3)を、所望の動作で機能させることができる。
なお、図8において、変調波(MW)の電圧を高くすると、パルスがハイレベルになっている期間(幅)が広くなり、電力変換装置30(図3)の出力電圧は、相対的に電圧が上昇する。
また、電力制御演算部120(図5)は、電流センサの信号373、電圧センサの信号374の状態と、各変換セルの電圧を参照しながら、そして、故障した変換セルがあるかを検出して、各PWM回路に与える変調波を演算する。
また、図8において、キャリア信号(PWM1C〜PWM6C)も、決められた周期、例えば60Hzの5倍である300Hzの場合、通常はその周期を6等分した約556μ秒ずつずれたキャリア信号を使用する。ただし、1個の変換セル制御部が故障した場合は、5等分667μ秒ずれたキャリア信号を使う。また、故障していないPWM1〜PWM6は、ONの場合の電圧が高くして、故障した変換セル制御部を補うように動作させる。
《スレーブノード(変換セル制御部)の構成》
図3における変換セル制御部1〜6(211〜216)は、前記したように、図1のスレーブノード1〜6(201〜206)に相当する。また、図3におけるPWM制御部110は、図1におけるマスターノード100に相当する。
そのため、図3の変換セル制御部を「スレーブノード」とも表記して、より一般的なスレーブノードの構成について以下に説明する。
図9は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置のスレーブノード(変換セル制御部)の詳細な構成例を示す図である。
図9において、スレーブノード900は、第1受信器911、第2受信器921、第3受信器931、第1セレクタ940、第2セレクタ951、第3セレクタ952、第1送信器961、第2送信器962、第3送信器963を備えて構成されている。
また、第1、第2受信器(911、921)は、それぞれ有効フラグ(912、922)と、伝送フレームとなるフレーム(913、923)とを有している。
なお、第1〜第3受信器(911、921、931)は、図9において共に「受信器」と表記している。また、第1〜第3送信器(961〜963)は、図9において共に「送信器」と表記している。また、第1〜第3セレクタ(940、951、952)は、図9において共に「SEL」と表記している。
また、図9における双方向の伝送路からの入力信号線342Tと双方向の伝送路からの出力の信号線341Tは、それぞれ図3における例えば信号線342S、信号線341Sに対応する。
また、図9におけるリング状の伝送路からの入力の信号線301Tとリング状の伝送路からの出力の信号線302Tは、それぞれ図3における例えば信号線301S、信号線302Sに対応する。
また、図9における制御データ線(制御データ)A1Tは、それぞれ図3における例えば信号線A1に対応する。
また、図9における応答データ線(応答データ)B1Tは、それぞれ図3における例えば信号線B1に対応する。
図9において、第1セレクタ940は、リング状の伝送路(301T)から受信した有効フラグ912とフレーム(伝送フレーム)913を状況に応じて選択し、第1送信器961と第2セレクタ951に出力する。
第3受信器931は、応答データ線(B1T)から受信した応答データを第2セレクタ951と第3セレクタ952に出力する。
第2セレクタ951は、第1セレクタ940の出力と第3受信器931の出力とを選択して第2送信器962へ出力する。
第3セレクタ952は、第2受信器921が受信したフレーム(伝送フレーム)923と第3受信器931が受信した応答データとを選択して第3送信器963へ出力する。
以上の構成から、スレーブノード900(図9)、すなわち変換セル制御部1〜6(図3)は、マスターノードであるPWM制御部110(図3)が出力する2本のリング状の伝送路(第1系列<301S〜304S>、もしくは第2系列<311S〜314S>)の一方に接続され、伝送フレームを受信し、送信する。
また、スレーブノード900において、第1〜第3セレクタ(940、951、952)を適切に選択(伝送路選択回路、伝送路選択手段)することによって、ペアになる変換セル制御部の間で双方向の伝送路で接続され、もう一方のリング状の伝送路との間で伝送フレームを送信、受信できるようになる。
また、変換セル1〜6(411〜416:図3)とは、例えばスイッチング素子のIGBTのゲートを制御する制御データを制御データ線(制御データ)A1Tから出力し、また変換セル1〜6の電圧や温度の状態である応答データを応答データ線(応答データ)B1Tから入力する。
なお、制御データ線A1Tと応答データ線B1Tは光ファイバを用いている。
《通常運転モードの場合》
スレーブノード900(例えば変換セル制御部1:図3)は、リング状の伝送路から受信した伝送フレームを受信したとき、スレーブノード900が通常運転モード状態であれば、リング状の伝送路(例えば302S)と、双方向の伝送路(例えば341S)にリング状の伝送路から受信した伝送フレーム(例えば301Sからの伝送フレーム)を送信する。
このとき、変換セル(例えば変換セル1)の出力する応答データ(例えばB1)はスレーブノード900(例えば変換セル制御部1)で受信すると、最新の応答データを内部のレジスタに保持されている。そして、この応答データ(604:図6)を伝送フレーム(600:図6)の該当するフィールドに入れ替え、CRC(605:図6)を計算し直して送信する。
また、このとき、リング状の伝送路から受信した伝送フレーム600にセットされた当該の変換セル制御部(例えば変換セル制御部1)に対する制御データ603は、送信回路130(図5)を介して変換セル(例えば変換セル1)に送信する。
図6では示していないが、変換セル制御部1〜6が何番目の変換セル制御部かを識別する識別子が存在し、伝送フレーム600のフィールドの中から、自ノード宛ての制御データ603であることを選択し、応答データ604のフィールドにおける自ノードに割り当てられた領域を認識することができる。
前記の識別子を実現する手段には、外部ピンで外部から直接与える方法や、予めLSI内で記憶素子に固定して設定する方法、通信で自動的に設定するなどの方法がある。
《経路探索モードの指示を受け取った場合》
次に、リング状の伝送路からの伝送フレームに経路探索モードの指示を受け取った場合について説明する。
この場合には、双方向の伝送路には、リング状の伝送路からの伝送フレームを送信し、リング状の伝送路には双方向の伝送路から受信した伝送フレームを送出する。
このとき、変換セルへの制御データは、双方向の伝送路からの伝送フレームから抽出した制御データを使用する。また、リング状の伝送路へ送信する伝送フレームと、双方向の伝送路に送信する伝送フレームには、格納されている最新の応答データをセットする。
また、スレーブノードには、二つの受信ポート(入力ポート)があり一方からの受信が無いことを確認する手段がある。
リング状の伝送路からの伝送フレームと双方向の伝送路からの伝送フレームの到着時刻の差は、一つのスレーブノードを通過する時間と伝送路の遅延時間の和であるから、問題が無ければその数倍の時間以内には伝送フレームが到着するはずである。
間欠的なノイズによるタイムアウトでない場合、連続的にタイムアウトになるため、このとき故障が発生したと判断し、有効フラグ(912、922:図9)をリセットする。
マスターノードから通常運転モードのコマンドを受け付け、通常運転モードで前記のように動作しているときでも、リング状の伝送路からの受信が無い場合には、リング状の伝送路に送信する伝送フレームは、双方向の伝送路から受信した伝送フレームが選択され、送信される。そして、制御データも有効な双方向の伝送路から受信した伝送フレームを抽出して送信がされる。
逆に、双方向の伝送路からの受信が無い場合には、経路探索モードでもリング状の伝送路への伝送フレームはリング状の伝送路からの伝送フレームを選択して送信する。制御データも有効なリング状の伝送路から受信した伝送フレームを抽出して送信する。
<第2実施形態の電力変換装置の補足>
後記するように、スレーブノードに相当する変換セル制御部が故障する(図17B、図17C参照)ことがある。
この場合には、図3に示す電力変換装置30の変換セル制御部の1個が故障することに相当する。この場合においても、故障した変換セル制御部を除いて、他の変換セル制御部には情報(伝送フレーム)が伝達される。しかしながら、1個の変換セル制御部が故障すると、この変換セル制御部が制御する1個の変換セルが正常な動作ができなくなる。
この場合には、前記の1個の変換セルの動作を停止して、残りの変換セル制御部および変換セルによって、電力変換装置30の所定の特性、機能を確保するように動作する。
例えば、1個の変換セルが停止した場合において、出力電圧が確保できない場合には、図8を参照して説明したように、変調波(MW)の電圧を高くする。するとパルスがハイレベルになっている期間(幅)が広くなり、電力変換装置30の出力電圧が相対的に上昇する。すなわち、1個の変換セルが停止した場合にも、残りの変換セルで電力変換装置30の所定の特性、機能を確保することができる。
<第1、第2実施形態の高信頼通信方法、および電力変換装置の効果>
以上に示したように、本実施形態によれば、マスターノードと複数のスレーブノードを通信して制御するシステムが、どこか一箇所が故障してもスレーブノードの数に2を加えた数の光ファイバで接続し、制御のための通信を継続することができる。
このとき、伝送フレームは、各スレーブノードを一度だけ通過するため、スレーブノードの数の通過時間で通信を行うことができる。
また、本実施形態によれば、伝送路またはスレーブノードが故障した場合に、各スレーブノードは伝送路の異常を認識し正常に受信した伝送フレームを次段、あるいはペアのスレーブノード、あるいはその両方に送信し、マスターノードに伝送フレームが戻り、その伝送フレームからスレーブノードと故障状態を判断することができる。
すなわち、故障の部位を探索するような手続きが不要であり、マスターノードから二つの伝送路を故障していないルートを選んで辿るという簡便な方法で通信を継続することができる。
また、図3における負荷371、電力源372、変換セル1〜6、変換セル制御部1〜6が設置される場所には、数万ボルトから数十万ボルトの電位差が発生することがある。本実施形態では、変換セル制御部1〜6とPWM制御部110との間を4本の光ファイバで通信をすることが可能であるので、前記の高電圧に起因する問題を回避することが可能である。
≪第3実施形態:高信頼通信方法≫
次に、本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法について以下に説明する。第3実施形態は、マスターノードが主従二重系の通信方法である。
《マスターノードが主従二重系の通信経路の構成と動作》
図10は、本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法の主従二重系のマスターノードと6個のスレーブノード1〜6の通信経路の構成例を示す図である。なお、スレーブノードの数は6個であって、図11を参照して後記する4の倍数の場合と異なる。
図10において、マスターノードはマスターノードA(101)とマスターノードB(102)に分かれ、一方を主系、もう一方を従系として動作させる。また、スレーブノード1〜6(201T〜206T)は、6個で構成されている。
また、スレーブノード1〜6(201T〜206T)は、リング状の伝送路301T〜304T、311T〜314Tと、双方向の伝送路341T〜346Tとに接続されている。
マスターノードA(101)とマスターノードB(102)との間は、双方向の伝送路MA1、MB1で接続する。ここでは、最初、マスターノードA(101)が主系になっているとして説明する。
マスターノードA(101)は、上位コントローラA(不図示)からの指示(CA1)に従って各スレーブノードへの指令を算出し伝送フレームを送信する。送信された伝送フレームによって各スレーブノードからその状態が収集され、マスターノードA(101)は、上位コントローラAにその情報を返す(CA2)。
従系であるマスターノードB(102)は、同じように各スレーブノードの状態を収集し上位コントローラB(不図示)に返す(CB2)が、各スレーブノードに指令は出さない。
上位コントローラBは、各スレーブノードの状態を入力し、各スレーブコントローラに対する指令を演算しマスターノードB(102)に送り(CB1)、上位コントローラAと同じ動作をする。
このように、上位コントローラAと上位コントローラBは、常時同じ処理を行っており、マスターノードA(101)とマスターノードB(102)で出力の主従切替を行う役目を担っている。
このような二つのマスターノードとスレーブノードは、図10に示すようにマスターノードA(101)から第1のリング状の伝送路に出力し、スレーブノード1、スレーブノード3、スレーブノード5とつながり、マスターノードB(102)を経由してマスターノードA(101)に戻る。
第2のリング状の伝送路はマスターノードA(101)からマスターノードB(102)を経由し、スレーブノード2、スレーブノード4、スレーブノード6を通過してマスターノードA(101)に戻る。
マスターノードA(101)からみれば、前記の第1実施形態に対してマスターノードB(102)が追加になった構成となっている。したがって、マスターノードA(101)は、第1実施形態のマスターノード100(図1)と同じように動作すればよい。
一方、マスターノードB(102)は、第1のリング状の伝送路からの伝送フレームを第1のリング状の伝送路にそのまま送信し、第2のリング状の伝送路からの伝送フレームをそのまま第2のリング状の伝送路に送信する。
このようにして、マスターノードA(101)には、二つの伝送フレームが戻ってきて各スレーブノードの入力情報を得ることができる。
マスターノードA(101)は入力情報を上位コントローラAに送ることで処理を完了するが、マスターノードB(102)は、この入力情報の全てを取得してはいないため、マスターノードA(101)の処理の完了後にマスターノードA(101)から入力情報を別途送信してもらう必要がある。
これによってマスターノードB(102)も入力情報を取得できるため、上位コントローラBに対して入力情報を出力することができる。
以上では、マスターノードA(101)が主系の場合の動作を示した。マスターノードA(101)は、例えば図示していない直接の信号で主系を指示される。マスターノードB(102)も同様に直接の信号で指示される。
あるいは、マスターノードA(101)とマスターノードB(102)の間の光ファイバを介して専用の伝送フレームを用いて、それぞれに対する指示を交換しても良い。
《マスターノードAまたはBが故障した場合》
次に、マスターノードA(101)またはマスターノードB(102)が故障した時の動作について説明する。
例えば、マスターノードA(101)が故障した時は、マスターノードB(102)は所定の期間、伝送フレームが受信されないため、異常と判定できる。
マスターノードB(102)は、その上位コントローラBに連絡し、更に上位の主従切替を管理するコントローラは、上位コントローラA側から異常が確認できたならマスターノードB(102)を主系に切り替えるように前記直接の信号で指示をする。
この状態になるとマスターノードB(102)は経路探索モードで伝送フレームを送信する。マスターノードBから発せられた伝送フレームは、スレーブノード2、スレーブノード1、スレーブノード3、スレーブノード4、スレーブノード6、スレーブノード5の順に伝送し、マスターノードB(102)に戻ってくる。
一方、マスターノードB(102)が故障した場合には、主系であるマスターノードA(101)は二つのリング状の伝送路から伝送フレームが戻ってこないことで異常を検知できる。
このときは、上位コントローラAにマスターノードB(102)の異常を連絡すると伴に、経路探索モードで伝送フレームを送出する。
この場合、マスターノードA(101)から発した伝送フレームは、スレーブノード1、スレーブノード2、スレーブノード4、スレーブノード3、スレーブノード5、スレーブノード6の順に伝送され、マスターノードA(101)に戻ってくる。
また、マスターノードA(101)とマスターノードB(102)の間の信号線に異常が生じた場合には、マスターノードA(101)に戻ってくる二つの伝送フレームが一方しか戻ってこないことから検知できる。これも、経路探索モードで伝送フレームを送出することで通信を継続することができる。
なお、図10に示したマスターノードが主従二重系の通信経路において、マスターノード間の信号線に異常が発生した場合や、マスターノードが故障した場合については、その詳細な過程を、図18A〜18C、図19A〜19Bを参照して後記する。
≪第4実施形態:高信頼通信方法≫
次に、本発明の第4実施形態に係る高信頼通信方法について以下に説明する。第4実施形態は、マスターノードが主従二重系で、スレーブノード数が4の倍数の場合の通信方法である。
《主従二重系のマスターノードと4の倍数のスレーブノードの通信経路の構成》
図11は、本発明の第4実施形態に係る高信頼通信方法の主従二重系のマスターノードとスレーブノード数が4の倍数の場合の通信経路の構成例を示す図である。
図11において、スレーブノード1〜8(201U〜208U)は8個であって、4の倍数である。このスレーブノードの総数が4の倍数の場合には、主系のマスターノードAから出力された伝送フレームが図11の場合のスレーブノード7からマスターノードAに戻る。
また、スレーブノード1〜8(201U〜208UT)は、リング状の伝送路301U〜305U、311U〜315UTと、双方向の伝送路34UT〜348Uとに接続されている。
なお、前記したように、スレーブノード数が6であって、4の倍数でない図10の場合には、スレーブノード5から従系のマスターノードBに戻っていた。
すなわち、図11と図10の構成では、主系のマスターノードAに戻るか従系のマスターノードBに戻るかの相違がある。以下に、詳しく説明する。
《通常運転の状態》
図11において、マスターノードA(101)の出力する第1のリング状の伝送路への伝送フレームは、スレーブノード1、スレーブノード3、スレーブノード5、スレーブノード7と経由しマスターノードA(101)に戻る。
第2のリング状の伝送路への伝送フレームは、マスターノードA(101)で出力(信号線MA1)され、マスターノードB(102)に伝わり、それからスレーブノード2、スレーブノード4、スレーブノード6、スレーブノード8を経由し、マスターノードB(102)を通過(信号線MB1)し、マスターノードA(101)に戻る。
伝送フレームの伝送が正常に行われる通常運転の状態では、二つのリング状の伝送路を使ってマスターノードA、Bとスレーブノード1〜8が通信可能である。
《故障が認識された後の経路探索モード》
一方、故障が認識された後の経路探索モードにおける伝送は、マスターノードA(101)からスレーブノード1に送信された伝送フレームは、スレーブノード2、スレーブノード4、スレーブノード3、スレーブノード5、スレーブノード6、スレーブノード8、スレーブノード7と経由し、マスターノードA(101)に戻る。
一方、マスターノードA(101)からマスターノードB(102)に出力した伝送フレームは、スレーブノード2、スレーブノード1、スレーブノード3、スレーブノード4、スレーブノード6、スレーブノード5、スレーブノード7、スレーブノード8、マスターノードB(102)と通過しマスターノードA(101)に戻る。
このように、図10のスレーブノードが6個の場合に比べ最終段のスレーブノードと、マスターノードA(101)、マスターノードB(102)とにおけるリング状の伝送路の接続方法が異なっている。
図11の構成方法は、マスターノードA(101)、あるいはマスターノードB(102)自体が故障した時に、全てのスレーブノードを通過する伝送路が確保できるようにしたものである。
図10に示したスレーブノードが6個の場合も、図11に示した8個の場合も、マスターノードB(102)が故障しても、マスターノードA(101)から出力する伝送フレームはマスターノードA(101)に戻る伝送路が確保されている。
逆にマスターノードA(101)が故障しても、マスターノードB(102)から出力した伝送フレームはマスターノードB(102)に戻ってくる伝送路が確保されている。
すなわち、スレーブノード数が4の倍数の場合か否かによって、最終段および最終段のひとつ前のスレーブノードの出力の接続がマスターノードAかマスターノードBかの相違がある。
<主従二重系の構成時のマスターノードの構成と動作>
次に、主従二重系の構成時のマスターノードの構成と動作について説明する。
図12は、本発明の第3および第4実施形態に係る高信頼通信方法の主従二重系の構成時のマスターノード111の構成例を示す図である。
基本的には、図5に示したマスターノード110の構成を継承しているが、主従切替の手段であるセレクタ134とセレクタ135、およびそれを切り替える主従切替信号137と、応答データ信号136が追加されている。
《マスターノードが主系である場合》
まず、図12のマスターノード111が主系(マスターノードA)である場合は、通常出力1には送信回路130からの出力情報(信号線138)がセットされた伝送フレームをセレクタ134で選択し出力する。
通常出力2も同様に送信回路130からの出力情報(信号線139)がセットされた伝送フレームをセレクタ135で選択し出力する。
送信した伝送フレームは、複数の伝送路およびスレーブノードを経由して、所定時間の後、通常入力1、通常入力2から戻ってきて受信回路132に入る。
受信回路132で取り出された伝送フレームの情報は、応答データ格納部133にセットされる。このセットされた入力情報は、電力制御演算部120に入力する。電力制御演算部120は、この入力情報を演算処理して、上位コントローラ(不図示)が必要な情報を算出し、信号C2として、上位コントローラに送信する。
また、電力制御演算部120が入力情報を演算処理した情報には、各変換セル1〜6(411〜416:図3)上のコンデンサの電圧を積算したものが含まれる。
この情報を、応答データ信号136を用いて、セレクタ135を介して通常出力2から従系のマスターノード(B)に送信する。
その時の伝送フレームの例を図13に示す。コマンドのフィールドに従系への伝送であることを示し、選択した応答データを該当フィールドにセットして送信する。なお、図13の伝送フレームの詳細は後記する。
《マスターノードが従系である場合》
図12において、マスターノード111が従系(マスターノードB)である場合の動作について説明する。
図10または図11の最終段のスレーブノード(5もしくは8)からの伝送フレームを図12におけるマスターノード111の通常入力1に入力する。
通常入力1に入力した情報(伝送フレーム)は、セレクタ135を介して、主系のマスターノードAに戻るパスである通常出力2に出力する。
また、通常入力2は、主系のマスターノードAから伝送フレームを受け取るパスであり、セレクタ134を介して、前記の伝送フレームを通常出力1に出力する。なお、通常出力1から伝送フレームが、スレーブノード2(図10、図11)に送られる。
ただし、通常入力2からは、図13に示す従系のマスターノードへの応答データを送信する伝送フレームが来る。そのため、その場合には、受信回路132で伝送フレームを受信し、応答データ格納部133に格納する。
従系のマスターノードB(111)は、応答データ格納部133を使って上位コントローラ(不図示)に入力情報を伝送する(C2)。従系のマスターノードB(111)は、PWMへの変調信号や、キャリア信号を生成して与え、伝信フレームを生成するが、最終段のセレクタ134、135で、主従切替信号137によって、選択されないようになっている。
《伝送フレーム》
図13は、本発明の第3および第4実施形態に係る高信頼通信方法の主従二重系の構成時のマスターノードの主系(101:図10)から従系(102:図10)への伝送に用いる伝送フレームの構成例を示す図である。
図13において、伝送フレーム600Bは、フレームの開始を示すプリアンブル(Pre.)601B、従系伝送のフレームの種別を示すコマンド602B、各変換セル制御部からの入力情報をセットする部分である応答データ604B、伝送フレーム(600B)が正しいことを示すCRCコード(CRC)605B、等のフィールドから構成されている。
以上の構成によって、主系のマスターノードAから従系のマスターノードBに伝送フレームが送られる。
<第3および第4実施形態の効果>
以上、第3および第4実施形態でマスターノードを二重系にした場合の構成と動作を示した。前記のように、本(第3および第4)実施形態によれば、二重化したマスターノード、複数のスレーブノードにおいて、どこかに故障が発生しても運転が継続できる。
また、二つのマスターノードは、双方向の光ファイバで接続されるため、上位コントローラを含め、マスターノード間と複数のスレーブノードを十分離して設置することができる。特に、電力変換装置の変換セルは、数十万ボルトという高電圧を扱うため、近くに配置すると、マスターノードが同時に故障する危険があり、前記のこのマスターノード間と複数のスレーブノードを十分離して設置する対策が有効となる効果がある。
<マスターノード、スレーブノードを実装するプリント基板>
次に、図14、図15を参照して、マスターノード、スレーブノードを実装するプリント基板の例について説明する。
《マスターノードAのプリント基板》
図14は、本発明の第1〜第4実施形態に係る高信頼通信方法、または電力変換装置におけるマスターノードAのプリント基板の一例を示す図である。
図14において、マスターノードA基板501は、マスターノードLSI(511)、3個のPHYチップ521〜523、光電変換器(E/O、及び、O/E)541、542、551、552、RJ45コネクタ561を備えて構成されている。
マスターノードLSI(511)が、図3、図5に示したPWM制御部110(および111:図12)のマスターノードを実現するLSIである。
また、通信の物理層であるPHYチップが3個あり、PHYチップ521は、シールドされたツイストペアケーブル(STPケーブル)で上位コントローラ(不図示)と接続される。
また、スレーブノード1へ出力する光ファイバ、スレーブノード6から戻ってくる光ファイバは光電変換器(E/O及びO/E)541、551によって変換され、PHYチップ522を介してマスターノードLSI(511)に接続される。
マスターノードBと接続する光ファイバ(MA1、MB1)も同様に、光電変換器542、552、PHYチップ523を介して接続する。
この他に、絶縁されたアナログ信号である電流センサからの信号線373と電圧センサからの信号線374が接続されるが、図14では記載を省略している。
また、マスターノードBのプリント基板も、マスターノードA基板501と同様の構成とすることができる。
《スレーブノードのプリント基板》
図15は、本発明の第1〜第4実施形態に係る高信頼通信方法、または電力変換装置におけるスレーブノードのプリント基板の一例を示す図である。
図15において、スレーブノード基板502は、スレーブノードLSI(512)、2個のPHYチップ、光電変換器(E/O、及び、O/E)543〜545、553〜555を備えて構成されている。
スレーブノードLSI(512)が図1、図9に示したスレーブノードを実現するLSIである。
図14、図15に示すように、全二重の通信が可能な双方向のPHYチップを使うことにより、プリント基板をコンパクトに実装できる。
(第1実施形態と第3実施形態における故障時の動作の例)
次に、図16(A〜D)から図19(A、B)を参照して、第1実施形態と第3実施形態における故障時の動作の例について、詳細に説明する。
<スレーブノード1とスレーブノード3の間の伝送路が断線した場合の動作>
まず、図16A〜図16Dを参照して、本発明の第1実施形態の高信頼通信方法において、正常に通信が行われている状態から、スレーブノード1とスレーブノード3の間に異常が発生し、異常経路を探索する経路探索モードに移行し、異常に対応した伝送経路を確立することによって、伝送が可能となる定常状態になるまでの動作を説明する。
図16A〜図16Dにおいて、マスターノード100と、スレーブノード1〜6(201〜206)によって構成される。また、スレーブノード1〜6は、リング状の伝送路301〜304、311〜314と、双方向の伝送路341〜346とを有している。
《正常通信》
図16Aは、本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法におけるマスターノード100とスレーブノード1〜6(201〜206)とに伝送路の接続と、正常な状態における伝送経路を示す図である。
図16Aにおいて、マスターノード100とスレーブノード1〜6、伝送経路301〜304、311〜314、341〜346はすべて正常であるので、マスターノード100の第1のリング状(第1系列)の伝送路に送る信号を信号線301〜304およびスレーブノード1、3、5(201、203、205)を介して、マスターノード100の第1の入力に届けている(伝送信号S135)。なお、第1の入力に該当する箇所には、スレーブノード1、3、5を経由したことを示すノード番号135を参考に表記している。
また、マスターノード100の第2のリング状(第2系列)の伝送路に送る信号を信号線311〜314およびスレーブノード2、4、6(202、204、206)を介して、マスターノード100の第2の入力に届けている(伝送信号S246)。なお、第2の入力に該当する箇所には、スレーブノード2、4、6を経由したことを示すノード番号246を参考に表記している。
以上のように、通常運転では、伝送フレームが伝送され、マスターノード100には、二つの伝送フレームが戻ってきて、両方合わせて各スレーブノードの入力情報が取得できている。
《異常発生》
図16Bは、本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法において、スレーブノード1とスレーブノード3の間の伝送路が断線した場合の信号の経路、および状態を示す図である。
図16において、スレーブノード1とスレーブノード3の間の伝送路の信号線302が断線している。この断線の状態を信号線302における「×」の符号で表現している。
信号線302が断線の状態であることによって、スレーブノード3には、信号線302から伝送フレームが入力せずに、所定の時間が経過してタイムアウトとなる。信号線302がスレーブノード3に入力する箇所に「○」の符号を記載したのは、そこでタイムアウトが発生することを示している。
この結果、信号線303がスレーブノード5に入力する箇所、および信号線343がスレーブノード4に入力する箇所においても伝送フレームが入力せずに、所定の時間が経過してタイムアウトが発生する。このタイムアウトが発生する箇所を前記と同様に「○」の符号で表現している。
なお、スレーブノード4からスレーブノード3へ伝送する信号線344からの伝送フレームは、図4Bに示した段階では、スレーブノード3からスレーブノード5への伝送には用いられない。
この結果、マスターノード100の第1のリング状(第1系列)の伝送路に送る伝送フレームは、信号線301から送りだすものの、信号線304からマスターノード100に戻ることはない。
ただし、マスターノード100の第2のリング状(第2系列)の伝送路に送る伝送フレームは、信号線311〜314およびスレーブノード2、4、6を介してマスターノード100に戻ってきている(伝送信号S246)。
《経路探索モード》
図16Cは、本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法において、経路探索モードの動作と伝送フレームの流れを示す図である。
マスターノード100は、前記のタイムアウトを認識すると、経路探索モードで伝送フレームを送信する。
経路探索モードの伝送フレームは、基本的にリング状の伝送路(301〜304、311〜314)と双方向の伝送路(341〜346)を交差するように伝搬する。
ただし、スレーブノード4やスレーブノード6のように、双方向の伝送路でタイムアウトを認識している場合(図16B)は、リング状の伝送路からの伝送フレームをリング状の伝送路と双方向の伝送路の両方に送信する。
このリング状の伝送路からの伝送フレームをリング状の伝送路と双方向の伝送路の両方に送信する状態では、図16Cに示すように第1のリング状の伝送路(304)には、スレーブノード3を除く入力情報がセットされた伝送フレーム(S12465)が戻ってくる。また、第2のリング状の伝送路(314)には、スレーブノード3とスレーブノード5を除く入力情報がセットされた伝送フレーム(S1246)が戻ってくる。
マスターノードはこの二つから有効な入力情報が多い第1のリング状の伝送路から戻ってきた伝送フレーム(伝送信号S12465)を選択して採用する。
《定常状態》
図16Dは、本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法において、定常状態の動作と伝送フレームの流れを示す図である。
図16Dにおいて、次の伝送フレームを送る際には、スレーブノード6の信号線345を介する入力ポートにタイムアウト「○」のフラグが消えている。そのためスレーブノード6の双方向の伝送路(345)から受信した伝送フレームは、図16Dに示すように第2のリング状の伝送路(314)、およびスレーブノード5へ転送される。
この第2のリング状の伝送路(314)に転送される伝送信号S124356は、マスターノード100から、信号線301、スレーブノード1、信号線341、スレーブノード2、信号線312、スレーブノード4、信号線344、スレーブノード3、信号線303、スレーブノード5、信号線345、スレーブノード6、信号線314を経てマスターノード100に戻る経路である。
この伝送信号S124356は、信号線302が故障しているにもかかわらずスレーブノード1〜6の情報をすべて有しているので、マスターノード100は、前記の経路で伝送される伝送信号S124356を選択し、前記の経路が定常状態して用いられる。
以上において、図16A〜図16Dを参照して、スレーブノード1とスレーブノード3の間の伝送路の「信号線302が断線」している場合として説明した。
しかし、図16B〜図16Dについては、「信号線302が断線」でなくとも、スレーブノード3の「入力ポートの異常」であっても、同様である。また、「信号線302とスレーブノード3の入力ポートとの間の結合素子の不具合」でも同様である。
また、以上において、図16A〜図16Dを参照して、「スレーブノード1とスレーブノード3の間」の伝送路の信号線302が断線している場合として説明した。
しかしながら、スレーブノード1とスレーブノード3の間ではなくとも、他のスレーブノード間の伝送路の信号線が断線している場合でも、基本的には同一である。重複する説明は省略する。
<スレーブノード3が故障してしまった時の動作>
次に、図17A〜図17Cを参照して、本発明の第1実施形態の高信頼通信方法において、正常に通信が行われている状態からスレーブノード3に異常が発生し、異常経路を探索する経路探索モードに移行するまでの動作を説明する。
図17A〜図17Cにおいて、マスターノード100と、スレーブノード1〜6(201〜206)によって構成される。また、スレーブノード1〜6は、リング状の伝送路301〜304、311〜314と、双方向の伝送路341〜346とを有している。
《正常通信》
図17Aは、本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法において、マスターノード100とスレーブノード1〜6(201〜206)とに伝送路の接続と、正常な通信が行われている状態における伝送経路を示す図である。図16Aと同じに故障が発生していない時の状態を示している。動作は同様であるので、重複する説明は省略する。
《異常発生》
図17Bは、本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法において、スレーブノード3が故障した場合の信号の経路、および状態を示す図である。
図17Bにおいて、スレーブノード3(203)が故障したことを「×」の符号で表現している。スレーブノード3が故障したことによって、スレーブノード3の伝送フレームを入力するスレーブノード4とスレーブノード5、およびスレーブノード5の伝送フレームを入力するスレーブノード6の入力において、伝送フレームが入力せずに、所定の時間が経過してタイムアウトとなる。スレーブノード4〜6において、「○」の符号を記載したのは、そこでタイムアウトが発生することを示している。
また、マスターノード100においても、第1のリング状の伝送路から伝送フレームが戻ってこないため故障を認識できる。なお、この伝送フレームが戻ってこない状況をマスターノード100において「×」の符号で表現している。
《経路探索モード》
図17Cは、本発明の第1実施形態に係る高信頼通信方法において、スレーブノード3が故障した場合の経路探索モードの動作と伝送フレームの流れを示す図である。
マスターノード100は、前記のタイムアウトによる故障を認識すると、経路探索モードで伝送フレームを送信する。
図17Cにおいて、第1のリング状の伝送路からの伝送フレームを次段の伝送路に伝送する(301〜304、311〜314)のみならず、双方向の伝送路341〜346で入手できた伝送フレームを活用して次段の伝送路に送ることによって、マスターノード100に伝送フレームが戻ることが可能である。
図17Cにおいては、伝送信号S1246と伝送信号S12465が正常通信時とは異なる伝送経路を経てマスターノード100に伝送フレームを戻している。
伝送信号S1246は、信号線301、スレーブノード1、信号線341、スレーブノード2、信号線312、スレーブノード4、信号線313、スレーブノード6、信号線314を介してマスターノード100に戻っている。この過程で、伝送信号S1246は、スレーブノード1、2、4、6の情報を有している。
また、伝送信号S12465は、信号線301、スレーブノード1、信号線341、スレーブノード2、信号線312、スレーブノード4、信号線313、スレーブノード6、信号線346、スレーブノード5、信号線304を介してマスターノード100に戻っている。この過程で、伝送信号S12465は、スレーブノード1、2、4、6、5の情報を有している。
マスターノード100は、前記の伝送信号S1246と伝送信号S12465によって、入力情報が搭載された伝送フレームを得る。
伝送信号S1246と伝送信号S12465とでは、伝送信号S12465の方がスレーブノード5に関する情報が含まれている分だけデータが豊富であるので、マスターノード100は、伝送信号S12465を採用して用いる。
また、伝送信号S1246と伝送信号S12465には、共にスレーブノード3に関する情報がない。以降においても継続的に、スレーブノード3の入力情報が取得されないため、スレーブノード3が故障したと認識できる。
また、以上において、図17A〜図17Cを参照して、「スレーブノード3」が故障している場合として説明した。
しかしながら、スレーブノード3ではなくとも、他のスレーブノードが故障している場合でも、基本的には同一である。重複する説明は省略する。
(マスターノードが主従二重系の通信路の故障の場合)
次に、第3実施形態のマスターノードが主系と従系を有する主従二重系の通信路の場合の故障について詳しく説明する。
<スレーブノード3の入力に故障が発生した場合の動作>
次に、図18A〜図18Cを参照して、主系と従系のマスターノードを有する本発明の第3実施形態の高信頼通信方法において、スレーブノード3の入力(入力ポート)に異常が発生し、異常経路を探索する経路探索モードに移行し、異常に対応した伝送経路を確立することによって、伝送が可能となる定常状態になるまでの動作の例を詳細に説明する。
図18A〜図18Cにおいて、マスターノードは、主系のマスターノードA(101)と従系のマスターノードB(102)とによって構成されている。マスターノードAとマスターノードBは、双方向の伝送路である信号線MA1、MB1で、相互に情報を交換している。
また、マスターノードA(101)は、信号線CA1によって上位コントローラAからの指示を受ける。また、信号線CA2で上位コントローラAに情報を返す。
また、スレーブノード1〜6(201T〜206T)は、リング状の伝送路301T〜304T、311T〜314Tと、双方向の伝送路341T〜346Tとを有している。
《異常発生》
図18Aは、本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法において、スレーブノード3の入力に異常が発生した場合の信号の経路、および状態を示す図である。
図18Aにおいて、マスターノードAが主系であるとして、正常であれば、マスターノードAの生成した伝送フレームが信号線301Tを介してスレーブノード1へ伝送され、そしてスレーブノード1から信号線302Tを介してスレーブノード3へ伝送される。
しかし、図18Aにおいては、信号線302Tが故障して、スレーブノード3の入力に伝送フレームが入力しない異常が発生している状況を示している。
このスレーブノード3の入力の異常にともない、スレーブノード3の入力と、スレーブノード4の信号線343Tからの入力と、スレーブノード5の入力と、スレーブノード6の信号線345Tからの入力と、に伝送フレームが届かず、タイムアウトが発生する。図18Aでは、このタイムアウトの発生を「○」で表記している。
このため、マスターノードAには、マスターノードA、マスターノードB、スレーブノード2、4、6を経由した伝送信号S246が届くが、マスターノードBには、マスターノードA、スレーブノード1、3、5を経由するはずの伝送信号が届かない。
このタイムアウトの発生によって、マスターノードA、Bは、異常の発生を感知する。また、マスターノードAの入手した伝送信号S246には、スレーブノード1、3、5の情報がないことを検知する。
《経路探索モード》
マスターノードA、Bは、異常の発生を感知したため、経路探索モードに切替える。
図18Bは、本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法において、経路探索モードの一過程の信号の経路、および状態を示す図である。
図18Bにおいて、スレーブノード2は、信号線341を介したスレーブノード1の情報(伝送フレーム)を用いてスレーブノード4に、信号線312Tからスレーブノード1、2の情報を有する伝送フレームを伝送する。
また、スレーブノード6においては、信号線314Tを介して、スレーブノード1、2、4、6の情報を有する伝送信号S1246をマスターノードAに送るとともに、このスレーブノード1、2、4、6の情報を、信号線346Tを介して、スレーブノード5に送る。
スレーブノード5は、スレーブノード1、2、4、6の情報にスレーブノード5の情報を加え、伝送信号S12465として、信号線304Tを介してマスターノードBに伝送フレームを伝送する。
マスターノードBは、この伝送信号S12465を、信号線MB1を介して、マスターノードAに送る。
マスターノードAは。戻ってきた二つの伝送フレームの内、有効な入力情報が多い方、すなわち、スレーブノード1、2、4、6、5の情報を有する伝送信号S12465を選択し採用する。
ただし、図18Bに示した経路は、経路探索モードの一過程にすぎない。より有効な入力情報が得られる経路をマスターノードA、B、スレーブノード1〜6は、共同して探索する。
そして、最も有効な入力情報が多い(例えばスレーブノード1〜6の情報をすべて含む)経路において、定常的な経路、動作として伝送を行う。
《定常状態》
前記のように、経路探索モードを行った結果、最も有効な入力情報が多い経路が定常状態となって、伝送が継続的に行われる。
図18Cは、本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法において、最も有効な入力情報が多い経路が定常状態となった場合の信号の経路、および状態を示す図である。
図18Cにおいて、スレーブノード3の入力に異常があること、そのため、スレーブノード3の入力と、スレーブノード4の信号線343Tを介する入力にタイムアウト「○」が発生していることは図18Aと同じである。ただし、スレーブノード3からはスレーブノード4からの情報を信号線303Tを介してスレーブノード5に送ることによって、スレーブノード5のタイムアウトは解消されている。また、スレーブノード5のタイムアウトが解消されたことによって、スレーブノード6の信号線345Tを介する入力もタイムアウトは解消されている。
図18Cにおいて、第1の経路として、マスターノードAから、信号線301T、スレーブノード1、信号線341T、スレーブノード2、信号線312T、スレーブノード4、信号線344T、スレーブノード3、信号線303T、スレーブノード5、信号線345T、スレーブノード6、信号線314Tを経てマスターノードAに戻る経路がある。この経路は、伝送信号S124356となる。
また、第2の経路として、マスターノードAから、信号線301T、スレーブノード1、信号線341T、スレーブノード2、信号線312T、スレーブノード4、信号線313T、スレーブノード6、信号線346T、スレーブノード5、信号線304T、マスターノードB、信号線MB1を経てマスターノードAに戻る経路がある。この経路は、伝送信号S12465となる。
この二つの経路によって得られる伝送信号S124356と伝送信号S12465とにおいて、第1の経路の伝送信号S124356は、信号線302Tが故障しているにもかかわらずスレーブノード1〜6の情報をすべて有しているので、第1の経路の伝送信号S124356が定常状態の経路として用いられる。
なお、以上によって得られた全てのスレーブノード1〜6の入力情報は、そのまま、あるいは、上位コントローラ(不図示)へ送る形式に変換した応答データ(CA2、CB2)としてマスターノードBに送信して一回の転送が終了する。
また、以上において、図18A〜図18Cを参照して、「スレーブノード1とスレーブノード3の間」の伝送路の信号線302Tが断線している場合として説明した。
しかしながら、スレーブノード1とスレーブノード3の間ではなくとも、他のスレーブノード間の伝送路の信号線が断線している場合でも、基本的には同一である。重複する説明は省略する。
<スレーブノード3が故障した場合の動作>
次に、図19A、図19Bを参照して、主系と従系のマスターノードを有する本発明の第3実施形態の高信頼通信方法において、スレーブノード3の故障が発生し、異常経路を探索する経路探索モードに移行するまでの動作の例を詳細に説明する。
図19A、図19Bにおいて、マスターノードは、主系のマスターノードA(101)と従系のマスターノードB(102)とによって構成されている。また、スレーブノード1〜6(201T〜206T)は、リング状の伝送路301T〜304T、311T〜314Tと、双方向の伝送路341T〜346Tとを有している。
以上の構成は、前記した図18A〜図18Cにおける伝送形態と同様であるので、詳細な構成の説明は重複するので省略する。
《異常発生》
図19Aは、本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法において、スレーブノード3が故障した場合の信号の経路、および状態を示す図である。
図19Aにおいて、スレーブノード3が故障すると、スレーブノード3の入力、スレーブノード3の情報を受け取るスレーブノード4の入力、およびスレーブノード3の情報を受け取るスレーブノード5の入力にタイムアウト「○」が発生している。
このため、スレーブノード5から信号線304Tを介してマスターノードBへの情報の伝達が行われない。
したがって、マスターノードAは、伝送信号S246によるスレーブノード2、4、6の情報しか得られないと共に、タイムアウトによる異常の発生を感知する。
この異常の感知により、マスターノードAは経路探索モードに移行する。
《経路探索モード》
図19Bは、本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法において、経路探索モードの信号の経路、および状態を示す図である。
図19Bにおいて、スレーブノード2は、信号線341を介したスレーブノード1の情報(伝送フレーム)を用いてスレーブノード4に、信号線312Tからスレーブノード1、2の情報を有する伝送フレームを伝送する。
また、スレーブノード6においては、信号線314Tを介して、スレーブノード1、2、4、6の情報を有する伝送信号S1246をマスターノードAに送る。それとともに、このスレーブノード1、2、4、6の情報を、信号線346Tを介して、スレーブノード5に送る。
スレーブノード5は、スレーブノード1、2、4、6の情報にスレーブノード5の情報を加え、伝送信号S12465として、信号線304Tを介してマスターノードBに伝送フレームを伝送する。
マスターノードBは、この伝送信号S12465を、信号線MB1を介して、マスターノードAに送る。
マスターノードAは。戻ってきた二つの伝送フレームの内、有効な入力情報が多い方、すなわち、スレーブノード1、2、4、6、5の情報を有する伝送信号S12465を選択し採用する。
図19Bにおける経路探索モードでは、スレーブノード3そのものが故障しているので、他の経路探索を行ってもスレーブノード3の情報は得られない。したがって、スレーブノード3が故障していると判定するとともに、図19Bに示す経路で、スレーブノード1、2、4、6、5を対象として定常動作を行う。
そして、主系であるマスターノードAは、従系であるマスターノードBに対してスレーブノード3を除くスレーブノードの入力情報を、そのまま、あるいは、上位プロセッサ(不図示)へ送る形式に変換した応答データ(CA2、CB2)としてマスターノードBに送信して一回の転送が終了する。
また、以上において、図19A〜図19Bを参照して、「スレーブノード3」が故障している場合として説明した。
しかしながら、スレーブノード3ではなくとも、他のスレーブノードが故障している場合でも、基本的には同一である。重複する説明は省略する。
<マスターノードが故障した場合>
本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法におけるスレーブノード間の異常の場合について、図18A〜図18Cを参照して説明した。また、スレーブノードそのものの故障場合について、図19A〜図19Bを参照して説明した。
しかし、それのみならず、図12を参照して前記したように、本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法では、それらのみならずマスターノードA、マスターノードBのいずれかが故障した場合にも、対応することが可能である。
概略を再記すれば、マスターノードA、マスターノードBは、共に図12に示したマスターノード111によって構成されている。そして、上位コントローラ(不図示)によって主従切替信号137(図12)によって、主系か従系かを切替えられる。
すなわち、マスターノードAが主系の場合に、マスターノードAが故障した場合において上位コントローラ(不図示)の指示によって、主従切替信号137(図12)でマスターノードBが主系のマスターノードとなって、伝送を継続する。また、マスターノードBが主系の場合で故障した場合にも、マスターノードAが主系となって伝送を継続する。
なお、本発明の第3実施形態に係る高信頼通信方法の特徴は、主系と従系のマスターノードを有することに起因しているので、主系と従系のマスターノードを有する本発明の第4実施形態に係る高信頼通信方法についても、前記と同様の故障に対して同じような効果が期待できる。事実上、重複する説明は省略する。
<第3および第4実施形態の効果>
本発明の第3および第4実施形態に係る高信頼通信方法によれば、スレーブノード間(マスターノードとスレーブノード間を含む)の信号線に関する異常や、スレーブノードの故障に対応するのみならず、主系と従系のマスターノードを有するマスターノードの片方の故障に対しても対応できる効果がある。
すなわち、マスターノードと複数のスレーブノード間で一部故障があっても通信を継続可能で、故障があっても著しく通信性能が下がらない高信頼性通信方法を提供できる。
≪その他の実施形態≫
以上、本発明は、前記した実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々、変更可能である。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
以下に、その他の実施形態や変形例について、さらに説明する。
《高信頼通信方法を適用する装置》
第2実施形態では、第1実施形態の高信頼通信方法を用いた電力変換装置に関して説明したが、適用範囲は電力変換装置に限定されない。
例えば、一般的なマスタースレーブ方式のコントローラにもそのまま適用可能であり、該マスタースレーブ方式のコントローラを用いた様々な装置、機器に応用できる。
また、第1〜第4実施形態において、スレーブノードが同じものを多数使用している形態の例で説明したが、スレーブノードの装置の構成や機能や使用目的が異なるものが含まれてもよい。例えば、センサ専用のスレーブノードや、モータなどのアクチュエータを含むスレーブノードなどが混在しても良い。
《スレーブノード、変換セル制御部の個数》
図1、図10、図16A〜16D、図17A〜17C、図18A〜18C、図19A〜19図におけるスレーブノードは、6個の場合で説明した。また、図3においても、スレーブノードに相当する変換セル制御部1〜6は、6個の場合で説明した。
しかし、この6個としたのは、説明上の便宜のためであって、2個〜4個でも、8個以上であってもよい。
また、スレーブノードや変換セル制御部が故障した場合や、様々な用途に対応するために、予備のスレーブノードや変換セル制御部を有していてもよい。
《信号線》
第2実施形態の電力変換装置において、伝送路の信号線は、光ファイバであることを例示したが、高電圧に対応する高耐圧が必要とされない用途においては、伝送路の通信線が光ファイバに限定されない。一般的な電気信号を伝送する信号線でもよい。
《スイッチング素子》
第2実施形態の電力変換装置の図4で示す変換セルにおいて、スイッチング素子としてIGBTで説明したが、IGBTに限定されない。
例えば、スーパージャンクションMOSFETによるスイッチング素子でもよい。また、高電圧を使用しない用途の機器、装置であれば、スイッチング素子として、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やバイポーラトランジスタやBiCMOSトランジスタ等を用いてもよい。
30 電力変換装置
31 電力変換制御装置
100、101、102 マスターノード
110 PWM制御部、電力変換制御部、マスターノード
120 電力制御演算部
121〜126 制御出力部
130、469、961、962、963 送信回路、送信部、送信器
131 二重系制御部
132、461、911、921、931 受信回路、受信部、受信器
133 応答データ格納部
134、135 セレクタ、主従切替回路、主従切替手段
940、951、952 セレクタ、伝送路選択回路、伝送路選択手段
201〜206、201T〜206T、201U〜208U、900 スレーブノード、
211〜216 変換セル制御部
301〜304、301S〜304S、301T〜304T、301U〜305U、311〜314、311S〜314S、311T〜314T、311U〜315U、341〜346、341S〜346S、341T〜346T、341U〜348U 信号線、伝送路、伝送手段
371 負荷
372 電力源
382、468 センサ
400、411〜416 変換セル
463、464 スイッチング素子、IGBT
465 コンデンサ
501、502 基板
511、512 LSI
521〜525 PHYチップ
541〜545、551〜555 光電変換器
561 コネクタ

Claims (6)

  1. 第1系列および第2系列のそれぞれの情報を送信および受信するマスターノードと、
    前記第1系列の情報を受信および送信する複数の第1系列のスレーブノードと、
    前記第2系列の情報を受信および送信する複数の第2系列のスレーブノードと、
    複数の前記第1系列のスレーブノードと前記マスターノードの間を複数の伝送手段を介して環状に結ばれた第1系列の伝送路と、
    複数の前記第2系列のスレーブノードと前記マスターノードの間を複数の伝送手段を介して環状に結ばれた第2系列の伝送路と、
    前記マスターノードからの配置される順番で第1系列のスレーブノードと第2系列のスレーブノードの間を順次、伝送手段で双方向に結ばれて対の組となる複数の組の第3の伝送路と、
    を有し、
    前記マスターノードから発信された情報が格納された伝送フレームは、複数の前記第1系列および第2系列のスレーブノードを、前記第1系列の伝送路、第2系列の伝送路、第3の伝送路のいずれかを介して、伝送され、
    複数の前記第1系列および第2系列の各スレーブノードは、それぞれ前記伝送フレームに格納された情報を取り込み、かつ、前記伝送フレームに前記各スレーブノードの情報をセットして、順に伝送し、前記マスターノードに戻し、
    前記マスターノードは、互いに双方向の伝送路で結ばれた2個のマスターノードを備えて構成され、
    一方のマスターノードが主系のマスターノードとして、前記伝送フレームを生成して、前記第1系列の伝送路、および他方のマスターノードに前記伝送フレームを発信し、
    前記他方のマスターノードは、従系のマスターノードとして、前記伝送フレームを前記第2系列の伝送路に転送し、
    前記マスターノードは、主系のマスターノードと従系のマスターノードとに切替える主従切替手段と、
    伝送路を選択する伝送路選択手段と、
    を有し、
    前記主従切替手段と前記伝送路選択手段とによって、前記主系と前記従系の二つのマスターノードは、それぞれ互いを通過しないで全てのスレーブノードを経由する伝送路を選択できる構成である
    ことを特徴とする高信頼通信方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1系列および第2系列に異常がない通常運転モードのときには、前記各スレーブノードは、前段の前記第1系列または第2系列の伝送路からの伝送フレームを、次段の前記第1系列または第2系列の伝送路と、前記第3の伝送路に転送し、
    異常が検出され、該異常を回避する経路を探索する経路探索モードのときには、前記各スレーブノードは、前段の前記第1系列または第2系列の伝送路からの伝送フレームを前記第3の伝送路に転送するとともに、前記第3の伝送路からの伝送フレームを次段の前記第1系列または第2系列の伝送路に転送し、
    前記第3の伝送路からの伝送フレームが来ないときには、前記各スレーブノードは、前段の前記第1系列または第2系列の伝送路から入力された伝送フレームを前記第3の伝送路に出力するとともに、次段の前記第1系列または第2系列の伝送路に転送する
    ことを特徴とする高信頼通信方法。
  3. 電力源から電力を受けて負荷に変換された電力を供給する、縦列に接続された2N(Nは正の整数)個の変換セルと、
    前記2N個の変換セルに対して、それぞれを制御する第1系列にN個および第2系列にN個の計2N個の変換セル制御部と、
    前記2N個の変換セル制御部を介して前記2N個の変換セルの状態情報を取得し、該状態情報に基づいて前記2N個の変換セルを制御する情報を生成し、該情報を前記2N個の変換セル制御部に与えて前記2N個の変換セルを制御する電力変換制御装置と
    前記第1系列のN個の変換セル制御部と前記電力変換制御装置の間を環状に結ばれた第1系列の伝送路と、
    前記第2系列のN個の変換セル制御部と前記電力変換制御装置の間を環状に結ばれた第2系列の伝送路と、
    前記電力変換制御装置からの配置される順番で順次、対の組となる第1系列の変換セル制御部と第2系列の変換セル制御部の間を双方向に結ばれた複数の組の第3の伝送路と、
    を備え、
    前記電力変換制御装置の電力変換制御部から発信された情報を格納した伝送フレームが、前記第1系列および第2系列のそれぞれN個の変換セル制御部をそれぞれ順に経由して伝送され、
    前記第1系列および第2系列のそれぞれN個の各変換セル制御部は、それぞれ前記伝送フレームに格納された情報を取り込み、あるいは前記伝送フレームに前記各変換セル制御部の情報をセットして、前記電力変換制御部に伝送して戻し、
    前記電力変換制御装置は、互いに双方向の伝送路で結ばれた2個の電力変換制御部を備えて構成され、
    一方の電力変換制御部が主系の電力変換制御部として、前記伝送フレーム生成して、前記第1系列の伝送路および他方の電力変換制御部に前記伝送フレームを発信し、
    他方の電力変換制御部が従系の電力変換制御部として、前記伝送フレームを前記第2系列の伝送路に転送し、
    前記電力変換制御部は、主系の電力変換制御部と従系の電力変換制御部とに切替える主従切替回路と、
    前記伝送路を選択する伝送路選択回路と、
    を有し、
    前記主従切替回路と前記伝送路選択回路とによって、前記主系と前記従系の二つの電力変換制御部は、それぞれ互いを通過しないで全ての前記変換セル制御部を経由する伝送路を選択できる構成である
    ことを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項において、
    前記第1系列および第2系列に異常がない通常運転モードのとき、前記各変換セル制御部は、前段の前記第1系列または第2系列の伝送路からの伝送フレームを、次段の前記第1系列または第2系列の伝送路と、前記第3の伝送路に転送し、
    前記異常を回避する経路を探索する経路探索モードのとき、前記各変換セル制御部は、前段の前記第1系列または第2系列の伝送路からの伝送フレームを前記第3の伝送路に転送するとともに、前記第3の伝送路からの伝送フレームを次段の前記第1系列または第2系列の伝送路に転送し、
    前記第3の伝送路からの伝送フレームが来ないとき、前記各変換セル制御部は、前段の前記第1系列または第2系列の伝送路から入力された伝送フレームを前記第3の伝送路に出力するとともに、次段の前記第1系列または第2系列の伝送路に転送する
    ことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項において、
    前記変換セル制御部が取り込む伝送フレームに格納された情報に、前記変換セル制御部が制御する変換セルに対する制御情報が含まれ、
    前記各変換セル制御部が前記伝送フレームを転送するときに、前記変換セルに対する制御情報は、順次、次の変換セルの制御情報に変更される
    ことを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項乃至請求項のいずれか一項において、
    前記第1、第2系列の伝送路、または前記第3の伝送路、または前記変換セルと前記変換セル制御部との間の伝送路に、光ファイバによる伝送路を有する
    ことを特徴とする電力変換装置。
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