JP6421304B2 - 撥水性を有する多孔質材及びこれを用いた音響透過材。 - Google Patents

撥水性を有する多孔質材及びこれを用いた音響透過材。 Download PDF

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本発明は、一方の面から他方の面へ通じる微細孔を有しながら、撥水性をも有する金属多孔質材に関する。
携帯電話のような通信装置、マイクロホンのような電気信号変換装置、電話機その他電子機器類の主に外に面する部分に用いられる多孔質材は、機器保護の観点から撥水性が必要とされ、マイクロホンのような音響機器についてはこれと併せて音響透過性が必要とされている。
このような電子機器類を、屋外やその他埃・水分が存在する環境下で使用すると、埃や濡れ等により故障を起こしやすい。埃に関しては、フィルターの孔の大きさを制御することにより一定の効果が得られることが一般的に知られている。濡れに関しては、これを回避するため撥水加工を目的として、多孔質の基材にPTFE粒子に代表されるフッ化炭素系の撥水剤をコーティング処理することが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
特許第3941031号公報 特開2004―328231号公報
しかしながら、上記のようなコーティングを施した場合、フッ化炭素系化合物等の撥水剤と基材との密着性の低さが原因であると推察される経時劣化等による撥水性能低下や、特に微細な孔を持つ多孔質材では、多孔質材の微細孔を撥水剤が塞ぐことによると推察される加工後の音響透過性能低下といった問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、経時劣化による撥水性能低下が起こらず、撥水加工による音響透過性能低下が殆どない多孔質材及びこれを用いた全音響透過材を提供することにある。
本発明(1)は、金属と、活性層と、被覆層とからなり、一方の面から他方の面へ通じる微細孔を有する金属多孔質材であって、該金属とフッ化炭素系化合物が化学結合した活性層と該活性層の上に積層されたフッ化炭素系化合物からなる被覆層を有し、該金属が金属繊維であり、繊維径が1μm〜100μmであり、該金属繊維が互いに交絡し、焼結された構造を有し、該金属多孔質材が全音響透過性を有し、挿入損失が5dB以下であることを特徴とする金属多孔質材である。
本発明(2)は、前記活性化処理が前記金属に対するプラズマ照射であることを特徴とする、前記発明(1)の金属多孔質材である。
本発明(3)は、前記フッ化炭素系化合物が、パーフルオロポリエーテル変性アミノシランまたはパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンであることを特徴とする、前記発明(1)または(2)に記載の金属多孔質材である。
本発明(4)は、前記多孔質材の最大孔径が、1μm以上2000μm以下であることを特徴とする前記発明(1)、(2)または(3)に記載の金属多孔質材である。
本発明(5)は、金属と、活性層と、被覆層とからなり、一方の面から他方の面へ通じる微細孔を有するマイクロホン用風防であって、該金属とフッ化炭素系化合物が化学結合した活性層と該活性層の上に積層されたフッ化炭素系化合物からなる被覆層を有し、該金属が金属繊維であり、繊維径が1μm〜100μmであり、該金属繊維が互いに交絡し、焼結された構造を有する金属多孔質材を用いたことを特徴とするマイクロホン用風防である。
本発明(6)は、前記発明(1)、(2)、(3)または(4)に記載の金属多孔質材を用いたことを特徴とするマイクロホン用風防である。
本発明(7)は、前記発明(1)、(2)、(3)または(4)に記載の金属多孔質材へのフッ化炭素系化合物の被覆方法であって、
一方の面から他方の面へ通じる微細孔を有する金属多孔質材を活性化処理することにより、該金属多孔質材にフッ化炭素系化合物と化学結合する部位を形成する工程と、該活性化処理により得られた該部位にフッ化炭素系化合物から成る被覆層を化学結合させる工程とを有することを特徴とする金属多孔質材へのフッ化炭素系化合物の被覆方法である。
本発明(8)は、前記発明(5)または(6)に記載のマイクロホン用風防へのフッ化炭素系化合物の被覆方法であって、
一方の面から他方の面へ通じる微細孔を有する金属多孔質材を活性化処理することにより、該金属多孔質材にフッ化炭素系化合物と化学結合する部位を形成する工程と、該活性化処理により得られた該部位にフッ化炭素系化合物から成る被覆層を化学結合させる工程とを有することを特徴とする金属多孔質材へのフッ化炭素系化合物の被覆方法である。
本発明によれば、金属に本発明で用いられる活性化処理による活性層とフッ化炭素系化合物薄膜層の形成を行うことで、微細孔の径を保ちつつ、撥水性能が経時劣化しない特性が付与された金属多孔質材を提供することができる。そして、この金属多孔質材は音響透過材に使用された場合、微細孔の径が保たれているため全音響透過性能が維持され、かつ風雑音を防ぐことができ、フッ化炭素系化合物加工による防汚性をも有する。
本発明の金属多孔質材は、上記性能に加え、金属とフッ化炭素系化合物から構成されるため、比較的高温環境での使用にも耐えうるものであり、そして、金属とフッ化炭素系化合物との間に金属の活性化処理による活性化層が形成されることでフッ化炭素系化合物が金属と強固に結合するため、フッ化炭素系化合物の経時での脱落或いは衝撃等による剥離を生じ難く、耐久性が向上するとの効果も有する。
本発明の金属繊維多孔質材と金属繊維多孔質材を構成する繊維の断面図である。 音響透過性測定方法の詳細図 本発明の硬質板多孔質材とその断面図
一例として、本発明の金属多孔質材を用いたマイクロホン用音響透過材を取り上げて本発明の実施形態を説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、微多孔質材の細孔を塞ぐことなく、当該処理を行うことで、その品質特性が向上・維持される用途であれば、本実施形態を利用することができることは言及するまでもない。
金属繊維多孔質材
図1は金属繊維から成るマイクロホン用全音響透過材(以下、「金属繊維音響透過材」または「金属繊維多孔質材」ともいう。)とその金属繊維を被覆する層の構成を示した図である。
本発明に係る金属繊維音響透過材は、金属繊維を含んで構成される原料を互いに交絡することによって得られる繊維材料からなり、当該繊維材料の透気度は0.5s/100ml未満となっている。また、繊維を含んで構成される原料を互いに交絡することによって得られる繊維材料であるために、無数の不規則な空隙を有する程度の繊維の密度となっているため、風切音の原因となる風が遮断される効果を有する。
すなわち、繊維材料からなる金属繊維音響透過材が空気分子塊の移動である「風」に対しては遮蔽物、あるいは移動方向変換装置(フラップ)として機能し、また気圧変化の移動(媒体自体は振動するだけで移動しない)である「音」に対してはほぼ完全な透過性を呈する特性を有する。
金属繊維を用いて製造される金属繊維多孔質材は、1種または2種以上の金属繊維を含んで構成される。
金属繊維の材料である1種または2種以上の金属繊維とは、ステンレス、アルミニウム、真ちゅう、銅、チタン、ニッケル、金、白金、鉛等の金属材料を素材とする繊維から選択される1種または2種以上の組み合わせである。
金属繊維音響透過材の厚みは、厚さ3mm以下であり、好ましくは厚さ10μm〜2000μm、より好ましくは厚さ20μm〜1500μmである。このような厚みとすることにより、成形して使用される場合にある程度の自立性と剛性を有し、最小限のシンプルな骨組みで効果的な風切音低減効果が得られる。
金属繊維多孔質材は、金属繊維が互いに交絡した構造となっている。また、該金属繊維多孔質材を構成する金属繊維は、1μm〜100μm、好ましくは2μm〜50μm、より好ましくは5μm〜40μmの繊維径を有するものである。このような金属繊維であれば、金属繊維同士を交絡させるのに好適であり、また、このような金属繊維同士を交絡させることにより、表面のけば立ちが少なく、音響透過性のある多孔質材とすることが可能となる。
金属繊維から構成される多孔質材にけば立ちがあると、その後の活性化処理に例えばプラズマ照射処理を用いたとき、金属繊維のけば立ちから放電が発生し、照射処理継続が困難となる場合がある。
金属繊維音響透過材が有する孔の最大孔径は1μm以上2000μm以下であり、好ましくは30μm以上500μm以下であり、より好ましくは50μm以上300μm以下である。孔の大きさに関して、孔が小さすぎる場合は、製造技術上の困難性が高くなり、高価となってしまう。孔が大きすぎる場合は、金属繊維音響透過材へ近づいた際に穴の開口部を確認しやすくなり美観上の欠点を生じやすくなるだけではなく、金属繊維音響透過材の表面に通気性のクロス等を配置した場合、孔に対応する部分が空気の出入りで汚れ、黒ずむ等の視覚的問題の原因ともなりやすい。
金属繊維を用いた場合の、一方の面から他方の面へ通じる微細孔とは、金属繊維の複雑な交絡により必ずしも一見して微細孔の存在を確認できない場合もあるが、複雑な経路を辿りながらも、一方の面から他方の面へ通ずる空隙が存在するという意味である。これらの微細孔は、後述するバブルポイント法により最大孔径を計測することが可能である。
金属繊維多孔質材を製造する方法は、湿式抄造法によるものや、金属繊維を圧縮成形することにより製造する方法が適用できる。どちらの方法を取っても金属繊維が互いに交絡している金属繊維音響透過材が得られるが、製法についてはこれに限定されず、充分な金属繊維の交絡が達成されるのであれば、いずれの製法も適用可能である。金属繊維音響透過材の形状については特に限定されないが、その後の成形加工を考慮するとシート状であることが好適である。
以下、金属繊維多孔質材の製造方法について詳述する。なお、該音響透過材およびその製造方法として、特開2000−80591、特許2649768および特許2562761の記載内容も本明細書に組み込まれているものとする。
金属繊維多孔質材の製造方法(抄造法)
金属繊維音響透過材の湿式抄造法による製造方法は、1種または2種以上の金属繊維を含んで構成されるスラリーを湿式抄造法によりシート形成する際に、網上の水分を含んだシートを形成している前記金属繊維を互いに交絡させる繊維交絡処理工程を含んで構成される。
繊維交絡処理工程としては、例えば、抄紙後の金属繊維多孔質材シート面に高圧ジェット水流を噴射する繊維交絡処理工程を採用するのが好ましく、具体的には、シートの流れ方向に直交する方向に複数のノズルを配列し、この複数のノズルから同時に高圧ジェット水流を噴射することにより、シート全体に亘って金属繊維同士を交絡させることが可能である。すなわち、湿式抄紙により平面方向に不規則に交差した金属繊維で構成されるシートに、例えば、高圧ジェット水流をシートのZ軸方向に噴射することにより、高圧ジェット水流が噴射された部分の金属繊維がZ軸方向に配向する。このZ軸方向に配向した金属繊維が平面方向に不規則に配向した金属繊維間に絡みつき、各繊維が互いに三次元的に絡み合った状態、すなわち交絡することで物理的強度を得ることができるものである。
また、抄造方法は、例えば、長網抄紙、円網抄紙、傾斜ワイヤ抄紙等、必要に応じて種々の方法を採用することができる。なお、長繊維の金属繊維を含むスラリーを製造する場合、金属繊維の水中での分散性が悪くなることがあるので、増粘作用のあるポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の高分子水溶液を少量添加してもよい。
また、上述した湿式抄造工程後、得られた金属繊維多孔質材シートを真空中または非酸化雰囲気中で金属繊維の融点以下の温度で焼結する焼結工程を含んで構成されるのが好ましい。
すなわち、上述した湿式抄造工程後、焼結工程が行われれば、繊維交絡部の固定化が促進されるため、金属繊維多孔質材シートに有機バインダ等を添加する必要がなく、金属特有の光沢面を有する金属繊維多孔質材を製造することが可能となる。また、金属繊維同士が焼結しているので、金属繊維音響透過材の強度を一層向上することが可能となる。更には、高い音響透過性を維持し、防水性にも有利な材料となるばかりでなく、前述した金属繊維のけば立ちをも更に抑える効果がある。焼結しない場合、残存する増粘作用のある高分子が水を吸収し、防水性が劣る場合がある。
金属繊維多孔質材の製造方法(圧縮成形法)
金属繊維多孔質材の圧縮成形による製造方法は、1種または2種以上の金属繊維をまとめ、予備的に圧縮等することでウェブを形成し、金属繊維の集合体を加熱下で加圧して金属繊維多孔質材シートが形成される。2種以上の金属繊維を使用する場合、各金属繊維を混合した後に予備圧縮、加圧加熱の工程を取っても良いし、各金属繊維のウェブを形成した後、それらをまとめて加圧加熱しても良いし、各金属繊維を加圧加熱した後、それらを積層する工程を取っても良い。加熱温度は各金属の焼結温度に依存するが、金属繊維の交絡部の固定化が成されるのであればこの限りではない。加圧圧力は繊維の弾力性、金属繊維多孔質材の厚さ等を考慮して調節される。
また、繊維間の結合を付与するために繊維間にバインダを含浸させた後に予備的に圧縮等を実施し、この後、金属繊維の集合体を加熱下で加圧して金属繊維多孔質材シートに形成してもよい。かかるバインダとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤などの有機系バインダの他に、コロイダルシリカ、水ガラス、ケイ酸ソーダなどの無機質接着剤を用いることができる。なお、バインダを含浸する代わりに、繊維の表面に熱接着性樹脂を予め被覆しておき、金属繊維の集合体を積層した後に加熱し接着してもよい。バインダの含浸量は、シートの面重量1000g/mに対して、5〜130gが好適であり、20〜70gがより好適である。
この金属繊維の集合体を加熱下で加圧してシートが形成される。加熱条件は使用するバインダや熱接着性樹脂の乾燥温度や硬化温度を考慮して設定されるが、加熱温度は通常50〜1000℃程度である。加圧圧力は繊維の弾力性、金属繊維音響透過材の厚さ等を考慮して調節される。なお、スプレー法によりバインダを含浸させる場合には、スプレー処理する前に金属繊維層をプレス加工等により所定厚さに成形するのが好ましい。
硬質板多孔質材
図3は金属硬質板から成るマイクロホン用全音響透過材(以下、「硬質板音響透過材」または「硬質板多孔質材」ともいう。)とその表面を被覆する層の構成を示した図である。
まず、硬質板音響透過材に用いられる硬質板の材質は、ステンレス、アルミニウム、真ちゅう、銅、チタン、ニッケル、金、白金、鉛等を挙げることができる。
次に、硬質板音響透過材に設けられる微細孔の平均開口径は、1〜2000μm、好ましくは50〜500μm、より好ましくは100〜300μmである。直径が1μm未満でも特に問題がないが、製造技術上の困難性が高くなり、高価となってしまう。直径が2000μmを超えると硬質板へ近づいた際に孔の開口部を視認し易くなり、美観上の欠点を生じやすくなるだけでなく、硬質板音響透過材の表面に通気性のクロス等を配置した場合、孔に対応する部分が空気の出入りで汚れ、黒ずむ等の視覚的問題の原因ともなり易い。尚、微細孔の開口径の変動係数は、特に限定されないが、50%以下が好適であり、30%以下がより好適であり、10%以下が更に好適であるが、全ての孔が同一の開口径を有することが特に好適である。尚、変動係数は「標準偏差÷平均開口径×100(%)」で示す値である。
これらの微細孔の径は、微細孔を開ける方法の設定径に依存する他、後述するバブルポイント法でも最大孔径を計測することが可能である。
硬質板音響透過材に設けられる孔の開口率(P)は、音の透過を意図する領域に存在する孔の開口面積の合計を当該領域面積で除した値を100分率で表示した値である。開口率(P)は、3〜50%が好ましく、より好ましくは5〜30%、更に好ましくは8〜13%である。開口率(P)が50%を超えることに理論上問題はなく、孔が完全円形の場合は理論上78.5%まで開口可能であるが、実際には50%を超えると強度を保った状態で開口することが難しい。開口率(P)が3%未満でも用途によっては問題ない場合もあるが、特に高音域での音響透過性が低下するなど、音響透過に制約を受ける周波数帯域が生じる可能性があると考えられる。
活性化処理前の硬質板多孔質材の開口率は、穴開け加工時の設定径若しくは、設定面積と全体領域面積の比から計算によって導き出される。一方、フッ化炭素系化合物処理後の開口率は、硬質板多孔質材表面の任意の100穴を光学顕微鏡で観察し、貫通孔が残っている数を計測した上で、以下の式により求めることが出来る。
(貫通孔残存数/100)×10=開口率(%)
微細孔間平均距離は、平均開口径の1.5〜4.0倍、好適には2〜3.5倍、より好適には2.5〜3.2倍(P=13〜8%)である。1.5倍未満だと、母材の強度維持が困難となる。また、4.0倍を超えると(P≒5%以下)開口同士の距離が大きくなり、「互いの隣接による波動現象としての全音響透過現象」を発現しにくくなる。尚、微細孔間平均距離(平均ピッチ)は、孔の中心部から隣り合う他の孔の中心部までの平均距離である。
硬質板音響透過材の厚さは、特に制限はないが、0.1〜200mmが好ましく、より好ましくは1〜100mm、更に好ましくは1〜60mmである。0.1mm未満では強度上の問題が発生し易くなり、200mmを超えると、0.5mm以下の径の長い貫通孔を板面に隣り合う孔が連通せずに開けることの困難性が高くなるからである。
硬質板音響透過材の厚さ/平均開口径の比は、0.5〜1000が好ましく、1〜500がより好ましく、1〜100が更に好ましい。1000以上になると、微細開口径の孔を母材に垂直、かつ正確に開けることが困難になるからである。
上記孔を開ける方法に特に限定はないが、例えば、機械式ドリル、レーザー光線や電熱器等による手法や、エッチングによる手法を挙げることができる。
金属多孔質材の活性化処理
金属繊維多孔質材及び硬質板多孔質材に物理的な活性層を形成する方法として、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理またはフレーム処理などがある。また、化学的な活性化の手法として、酸/アルカリ浸漬、酸化剤処理またはオゾン処理などがある。これら以外にも、金属表面を活性化させることができれば、既知のまたは将来開発される任意の手法を選択することができる。
更には、被処理材の強度や機能を損なう可能性のない活性化処理を選択することが好ましい。活性化の被処理材料を問わず、かつ活性化効率が高く、かつ多孔質材の内部まで処理効果が行き届く点で、プラズマ照射処理がより望ましい。
活性化処理としてプラズマ処理を選択した場合は、以下のような作用が生じる。すなわち、1:金属繊維表面に付着した汚れが分解され、清浄化される。2:表面の安定した分子結合が切断され、分子結合手が不安定化(活性化)される。3:表面に水酸基が過剰に吸着される。この水酸基が以下に説明するフッ化炭素系化合物と結合する基となる。
金属多孔質材のフッ化炭素化合物による被覆
次に本発明に係るフッ化炭素化合物からなる被覆層について説明する。被覆層は、金属多孔質材を構成する金属を活性化処理した後に、フッ化炭素系化合物を塗布または、被処理材をフッ化炭素系化合物中に浸漬させることにより形成することができる。被処理材を乾燥させた後、活性層とフッ化炭素系化合物の結合をより強固なシラノール結合へ変えるために、被処理材を加熱することが有効である。加熱温度は80℃〜250℃が好適であるが、シラノール結合形成が達成されるのであればこの限りではない。加熱方法は任意の加熱手段が選択可能である。加熱環境は強固なシラノール結合を達成するために常湿が好ましい。このようにして形成された被覆層は、経時変化あるいは物理的衝撃による塗膜剥離を生じ難いものとなる。この理由は、金属を活性化処理することにより、金属と被覆層との間に、金属原子とフッ化炭素系化合物が強固な化学結合する部位を増加させた活性層が形成されるためと考えられる。この活性層の厚さはおよそ数ナノメートルであり、被覆層と合わせても微細孔を塞ぐ等の影響を与えることはない。
本発明に用いられるフッ化炭素系化合物としては、パーフルオロアルキルシラン類またはパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物類などがある。
パーフルオロアルキルシラン類としては、CF(CF)nCHCHSi(OMe)m(但し、n=1,3,5,7、m=2,3、MeはCH基またはC基から選ばれる置換基)、CF(CF)nCHCHSi(OR)m(但し、n=1,3,5,7、m=2,3、Rは塩素またはヨウ素等のハロゲン元素から選ばれる元素)などがある。より具体的には、CF(CF)5CHCHSi(OCH)(例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製のTSL8257)、CF(CF)7CHCHSi(OCH)(例えば、TSL8233)、CF(CF)7CHCHSi(OCH)(例えば、TSL8231または信越化学工業製のKBM7803)、CF(CF)7CHCHSi(OC)(例えば、東レ・ダウコーニング製のAY43−158E)などがある。
パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物類には、パーフルオロポリエーテル変性アミノシラン(例えば、特開2000−327772号公報を参照)、パーフルオロポリエーテル変性ポリシラザン(例えば、特開2010−43251号公報を参照)などがある。入手可能な製品としては、信越化学工業のKY−164、ダイキン工業のオプツールシリーズ、3M社のノベックEGC−1720などがある。
以上説明したように、本実施形態によれば、金属多孔質材(マイクロホン用音響透過材)を構成する金属表面を物理的または化学手段によって活性化して、従来よりも多くかつ強固にフッ化炭素系化合物と結合可能となる活性層を作り出すようにした。また、そこにフッ化炭素化合物を処理することにより、従来には成し得なかった撥水・防汚性を長期間維持することが可能となった。
《全音響透過材の用途》
本形態に係る全音響透過材は、ハードスクリーンとしても使用することができる。映像を投影する面に淡色の硬質板を用いた多孔質材シートの背面にスピーカを設置することにより、映像(投影面)全体から音が出てくるような臨場感や、音を出しながらスクリーン背後方向へ遠ざかって行く音源の感覚を、違和感無く味わうことのできるハードスクリーンが実現できる。展示物のサイズに合わせた多孔質材を使用することにより、「音の出る絵画面」とすることもできる。また、多孔質材の一面を点字案内板などとすることにより、指でなぞる面と音の出る面とが一致することによる点字利用者の感覚的負担を減少させる点字スクリーンとすることもできる。また、本発明の多孔質材の優れた撥水効果を生かして、このような用途の製品を屋外に展開することも可能となる。
更に該全音響透過材の背面にグラスウール等の吸音効果のある材料を配せば、美術館、博物館または屋内プール等の残響が長く響く空間の鳴竜(フラッタ−エコ−)などの音響障害の解消に役立てることも可能である。
本発明について、実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
多孔質材製造
ステンレスAISI316Lの線径30μmの繊維を使用し、それを均一になるように重ね合わせて綿状のウェブを作成した。このウェブを目付けが950g/mになるように量り取り、厚みが800μmになるように平板間で圧縮した。この圧縮し、板状になったものを焼結炉に入れ、真空雰囲気中で1100℃に加圧加熱・焼結させたのち、洗浄し汚れを取り除いた。
取り出した金属繊維多孔質材を洗浄して表面残滓を取り除いた。続いて、富士機械製造社製大気圧プラズマ装置を利用して、活性化処理を行った。プラズマ電源出力が0.27kVA、プラズマ噴出ノズルと被処理材の間隔は2mm以内、走査速度1cm/s、繰り返し回数10回の条件でプラズマ処理を行った。
金属繊維多孔質材のプラズマ処理後、直ちにフッ化炭素系化合物からなる撥水剤に浸漬し、その後充分に撥水剤を切り、乾燥させた。フッ化炭素系化合物の撥水剤には、ダイキン工業製オプツールHD−2100Z(現在は廃番)を使用した。金属繊維多孔質材を構成する金属繊維の活性層と撥水剤成分の結合をより強固なシラノール結合へ変えるために、乾燥後約100℃で加熱した。
上記のように作製した金属繊維多孔質材の音響透過性を図2に示すような装置で測定した結果、表2及び表3に示す通り多孔質材が無い場合と同等の全音響透過性を示し、撥水性に関しては裏面への水の抜けは無く、防汚性についてはテープが貼りつかなかった。また、撥水性、防汚性は3ヶ月後にも同様の結果であった(表1参照)。
実施例2
CO2レーザー装置、電動ドリル、NC旋盤等を適宜用いて、100mm四方、1.6mm厚のアルミニウム板に開口径200μm、平均ピッチ600μm、孔数約31830、開口率10.0%の図3に示す硬質板多孔質材を作製した。
取り出した硬質板多孔質材を洗浄して表面残滓を取り除いた後、実施例1と同様のプラズマ処理、フッ化炭素化合物への浸漬、乾燥及び加熱を行った。
上記のように作製した硬質板多孔質材の音響透過性を図2に示すような装置で測定した結果、表2及び表3に示す通り多孔質材が無い場合と同等の全音響透過性を示し、撥水性に関しては裏面への水の抜けは無く、防汚性についてはテープが貼りつかなかった。また、撥水性、防汚性は3ヶ月後にも同様の結果であった(表1参照)。
比較例1
実施例1と多孔質材の活性化処理及びフッ化炭素系化合物の処理を実施しないことを除いて同様の多孔質材を準備した。
上記と同様に比較例1で作製した多孔質材の各特性を測定した結果、音響透過性は多孔質材が無い場合と同等の全音響透過性を示したが、撥水性に関しては初期から裏面への水の抜けがあり、防汚性についても初期からテープが貼りつく状況であった。
比較例2
活性化処理を実施せず、フッ化炭素系化合物層として分子量約8000のPTFE(ポリテトラフロロエチレン)粒子を重量分率で79%、フッカビニリデンを18%、パーフロロエーテルを2%、光触媒アナターゼ型二酸化チタン微粒子を1%を混合したものを酢酸ブチル100mlで希釈し、ボールミルで攪拌したものを、実施例1で作製した多孔質材にコーティングしたことを除いて実施例1と同様の金属繊維多孔質材を準備した。
上記と同様に比較例2で作製した多孔質材の各特性を測定した結果、最大孔径は実施例1と比較して小さくなり、音響透過性は全音域に渡り低下した。また撥水性、防汚性については初期では良好であったが、3ヶ月後には劣化する傾向があった。
比較例3
活性化処理を実施せず、フッ化炭素系化合物層として分子量約8000のPTFE(ポリテトラフロロエチレン)粒子を重量分率で79%、フッカビニリデンを18%、パーフロロエーテルを2%、光触媒アナターゼ型二酸化チタン微粒子を1%を混合したものを酢酸ブチル200mlで希釈し、ボールミルで攪拌したものを、実施例1で作製した多孔質材にコーティングしたことを除いて実施例1と同様の金属繊維多孔質材を準備した。
上記と同様に比較例3で作製した多孔質材の各特性を測定した結果、最大孔径は比較例2ほどではないが、実施例1と比較して小さくなり、音響透過性は多くの音域で低下した。また撥水性、防汚性については初期の段階から実施例1よりも劣る結果となった(表1参照)。
比較例4
実施例2と多孔質材の活性化処理及びフッ化炭素系化合物の処理を実施しないことを除いて同様の硬質板多孔質材を準備した。
上記と同様に比較例4で作製した多孔質材の各特性を測定した結果、音響透過性は多孔質材が無い場合と同等の全音響透過性を示したが、撥水性に関しては初期から裏面への水の抜けがあり、防汚性についても初期からテープが貼りつく状況であった。
比較例5
活性化処理を実施せず、フッ化炭素系化合物層として撥水処理が分子量約8000のPTFE(ポリテトラフロロエチレン)粒子を重量分率で79%、フッカビニリデンを18%、パーフロロエーテルを2%、光触媒アナターゼ型二酸化チタン微粒子を1%を混合したものを酢酸ブチル100mlで希釈し、ボールミルで攪拌したものを、実施例2で作製した多孔質材にコーティングしたことを除いて実施例2と同様の硬質板多孔質材を準備した。
上記と同様に比較例5で作製した多孔質材の各特性を測定した結果、最大孔径は実施例2と比較して小さくなり、音響透過性は全音域に渡り低下した。また撥水性、防汚性については初期では良好であったが、3ヶ月後には劣化する傾向があった。
測定方法
1.最大孔径
バブルポイント法
パームポロメーター(西華産業製)で測定
サンプルをイソプロピルアルコールに浸漬し、下側から空気の圧力を上げていくとある値に達した時に最初に最大孔径の孔から気泡が発生する。この時の圧力をバブルポイント圧と呼び、下記に示す式を用いて最大孔径を求めた。
Figure 0006421304
2.音響透過性
挿入損失を最も簡便に測定する方法としては、無響質、またはこれに準じる高度吸音性の室において、スピーカとマイクを結ぶ軸と、音響透過材料の法線方向のなす角度θ=0°(図6のような状態を角度θ=ゼロとする。)として、20Hzから20kHz間の連続正弦波スイープ音(バックグラウンドノイズに対してS/N比で20dB以上の音)を放射し、このスピーカから数10cm〜数m(好適には30cm〜5m程度)隔離した位置に設置されたマイクロホン、または騒音計などで受音した後、レベルレコーダなどに記録した時の周波数応当特性と、スピーカ或いはマイクロホンの直前、または両者の中間に該部材を設置した場合の周波数応当特性の差を測定し、これを挿入損失△(dB)とする。
本発明で述べる全音響透過性とは、入射方向によらず主要音声周波数帯域(300Hz〜3.5kHz)においてほぼ全音響エネルギーが透過するような材料の性質と定義することができる。具体的には、後述する方法で測定された、0°、45°及び90°の入射角、または(相反則により)透過後の角度において、試料あり・無しのレベル差が観測周波数帯域内で2〜3dB以内であるような性質を言う。
上記測定方法に基づいて、音響透過性を評価した。伝送周波数特性については連続正弦波スイープ・FM短音・定常態ピンクノイズ・FM震音を用いるなど種々の方法があるが、ここでは図2に示すように、有効径10数cmのスピーカaを取り付けた約2250cmの発音装置から連続正弦波スイープ音を放出し、その前面に、各実施例及び各比較例の金属多孔質材bを設置して、スピーカa前面より約1500mmの位置に設置したマイクcで測定される音圧応答の実効値を伝送周波数特性としレベルレコーダ等に記録した。その状態で音響透過性材料bの有り、無しの変化を挿入損失△(dB)として測定・確認した。スピーカaから放出した音源には、20Hzから20kHzまで、周波数変調を掛けない連続正弦波スイープを信号として用いた。ここで使用する音は、バックグラウンドノイズに対してS/N比で20dB以上とした。挿入損失は下記の式により求めた。
挿入損失△(dB)=試料の無い時のマイクロホンの周波数応答(dB)−試料を置いた時の周波数応答(dB)
ここで、音の透過性は、挿入損失△(dB)が中心周波数63Hz〜8kHzの各1/1オクターブ帯域で2dB以内の場合は「良」、5dB以内の計測値がある場合は「やや劣る」、5dBを越える計測値がある場合には「劣る」とした。
3.撥水性
測定機器と測定方法。
蛇口から10cm離し流水に対して垂直にあたるように試料100mm×100mmの板の両サイドをスタンドとクランプで固定する。一旦試料を蛇口下から外し、流水を10cc/secに調整した。その状態で試料を蛇口下の位置に戻し1分間流水下に放置した。1分後、試料を流水下から外し、試料の裏側を観察した。その際の水の抜けた状態によって判定した。判定基準は次の通り。
抜けなし=○、しみる程度=△、抜け有=×
また、試料は常温常湿環境で3か月間放置したものについて同様の試験を行った。
4.防汚性
防汚性は、一般的な粘着物が付着するか否かによって判断した。方法は、セロテープ(ニチバン製CT−18)を50mmに切り、試料に乗せ、セロテープの上に100gの円筒型分銅を乗せ、10分間放置し10分後円筒型分銅を外す。その際のセロテープの接着状態によって、判定した。判定基準は次の通り。
テープが貼りつかない=○、若干貼りつくが、すぐに剥がれる=△、貼りつく=×
また、試料は常温常湿環境で3か月間放置したものについて同様の試験を行った。
測定結果
表1は、多孔質材の最大孔径、開口率、撥水性、防汚性等を示した表である。表2は、多孔質材の音響透過性を示した表である。
Figure 0006421304
Figure 0006421304
Figure 0006421304
表3は、表2の音響透過特性をグラフ化したものである。
上記の表1、2(表3)に示す通り、実施例1、2では最大孔径が維持され、挿入損失がほとんど見られず、全音響透過していることが分かる。また、撥水性、防汚性に関しても初期から良好であり、3ヶ月経過後も変化は無かった。一方、比較例1、4は全音響透過性を有するが、撥水加工をしていないため撥水性、防汚性は見られなかった。他手段による撥水加工を行った比較例2、3及び5では撥水処理を行うと樹脂若しくは撥水剤により孔径が小さくなる、若しくは孔が塞がれると推察されるが、多孔質材の最大孔径が小さくなり、音響透過性が低下した。また、撥水性についても初期はある程度の撥水性能を有していても、多孔質材とフッ化炭素系化合物との結合が弱いため、剥がれ等が発生しやすいものと推察される経時での劣化が認められた。
1・・・・・金属繊維多孔質材
11・・・・金属繊維多孔質材を構成する繊維の断面
111・・・金属繊維基材
112・・・活性層
113・・・フッ化炭素系化合物層
2・・・・・硬質板多孔質材
21・・・・硬質板多孔質材の表面拡大図
22・・・・微細孔
211・・・硬質板多孔質材の基材
212・・・活性層
213・・・フッ化炭素系化合物層
a・・・・・マイクロホン
b・・・・・金属多孔質材
c・・・・・スピーカ

Claims (8)

  1. 金属と、活性層と、被覆層とからなり、一方の面から他方の面へ通じる微細孔を有する金属多孔質材であって、
    該金属とフッ化炭素系化合物が化学結合した活性層と該活性層の上に積層されたフッ化炭素系化合物からなる被覆層を有し、
    該金属が金属繊維であり、繊維径が1μm〜100μmであり、該金属繊維が互いに交絡し、焼結された構造を有し、
    該金属多孔質材が全音響透過性を有し、挿入損失が5dB以下であることを特徴とする金属多孔質材。
  2. 前記活性層が、前記金属に対するプラズマ処理により形成されることを特徴とする請求項1に記載の金属多孔質材。
  3. 前記フッ化炭素系化合物が、パーフルオロポリエーテル変性アミノシランまたはパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属多孔質材。
  4. 前記多孔質材の最大孔径が、1μm以上2000μm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の金属多孔質材。
  5. 金属と、活性層と、被覆層とからなり、一方の面から他方の面へ通じる微細孔を有するマイクロホン用風防であって、
    該金属とフッ化炭素系化合物が化学結合した活性層と該活性層の上に積層されたフッ化炭素系化合物からなる被覆層を有し、
    該金属が金属繊維であり、繊維径が1μm〜100μmであり、該金属繊維が互いに交絡し、焼結された構造を有する金属多孔質材を用いたことを特徴とするマイクロホン用風防。
  6. 請求項1乃至いずれか一項に記載の金属多孔質材を用いたことを特徴とするマイクロホン用風防。
  7. 請求項1乃至4いずれか一項に記載の金属多孔質材へのフッ化炭素系化合物の被覆方法であって、
    一方の面から他方の面へ通じる微細孔を有する金属多孔質材を活性化処理することにより、該金属多孔質材にフッ化炭素系化合物と化学結合する部位を形成する工程と、該活性化処理により得られた該部位にフッ化炭素系化合物から成る被覆層を化学結合させる工程とを有することを特徴とする金属多孔質材へのフッ化炭素系化合物の被覆方法。
  8. 請求項5または6に記載のマイクロホン用風防へのフッ化炭素系化合物の被覆方法であって、
    一方の面から他方の面へ通じる微細孔を有する金属多孔質材を活性化処理することにより、該金属多孔質材にフッ化炭素系化合物と化学結合する部位を形成する工程と、該活性化処理により得られた該部位にフッ化炭素系化合物から成る被覆層を化学結合させる工程とを有することを特徴とする金属多孔質材へのフッ化炭素系化合物の被覆方法。
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