JP6421018B2 - 触媒繊維構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、触媒金属が繊維構造体上に担持されてなり、担持された触媒金属に応じて各種反応に好適に用いられる触媒、すなわち触媒繊維構造体の製造方法に関する。
触媒金属微粒子を多孔質担体上に担持させた各種の触媒構造体が知られており、それらの製造方法として幾つかの方法が知られている。例えば特許文献1は、微粒子分散液を多孔体に含浸させ、急速冷却して空隙内の水を凍結した後、加熱乾燥して微粒子担持多孔体を製造することを記載している。特許文献2は、起毛処理を行った繊維生地に光触媒体分散液を塗布し、乾燥させて、繊維生地表面に光触媒体を担持させることを記載している。また特許文献3は、活性成分元素を有する有機酸塩と界面活性剤及び溶剤を含む水溶液に無機繊維構造体を浸漬させ、構造体を乾燥し、焼成することを記載している。
特許第4974757号公報 特開2011−132626号公報 特開2002−326036号公報
触媒繊維構造体を用いて反応を行う場合、反応性は触媒金属の担持量に依存すると考えられるから、触媒繊維構造体の単位体積当たりの触媒金属担持量を増大させることが好ましい。しかしながら特許文献1〜3に記載のような製造方法では、繊維基材上に触媒金属を高担持量で保持させることができなかったり、担持させた触媒金属の保持性に問題があったり、また高担持量で保持させると触媒繊維構造体の表面における密度が高くなって細孔が閉塞され、反応物質が触媒繊維構造体内部まで入り込むことができず、却って性能が低下するといった問題がある。本発明の課題は、単位体積当たりの触媒金属担持量が高く、しかも繊維構造体の細孔が維持されて触媒金属と反応物質との接触状態が改善された触媒繊維構造体のための、新規な製造方法を提供することである。
本発明は、以下の(1)〜(5)の工程を有する触媒繊維構造体の製造方法である。
(1)触媒金属化合物又は触媒前駆体と無機バインダーと溶媒とを混合する工程
(2)得られた混合物を粉砕処理して、メディアン粒子径が2μm以下、粘度が10mPa・s以上、200mPa・s以下の触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料を得る工程、
(3)得られた触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料に繊維構造体を含浸して繊維構造体の空隙を触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料で満たす工程、
(4)得られた触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料で満たされたまま繊維構造体を前記溶媒の沸点以上の温度で加熱乾燥する工程、及び
(5)乾燥後の触媒金属化合物又は触媒前駆体が付着した繊維構造体を前記無機バインダーの脱水温度以上の温度に加熱焼成して触媒繊維構造体を得る工程。
本発明の製造方法により得られた触媒繊維構造体は、単位体積当たりの触媒金属担持量が高いことから触媒活性が高く、しかも繊維構造体の細孔構造が維持されているため反応物質との接触性が向上して反応性が良い。また本発明の製造方法は触媒繊維構造体の形状加工性に優れるため、反応容器の体積あたりにより多くの触媒金属を充填でき、しかも触媒金属の保持性、接触性、反応性に優れることから、反応容器あたりの性能を高くできる。
本発明の触媒繊維構造体の製造方法の一実施例のフローを示す図である。 図1中の担持工程における処理方法の説明図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)の長さ方向への断面図である。 図1中の担持工程における別の処理方法の説明図である。 図1中の担持工程におけるさらに別の処理方法の説明図である。 図1中の除去工程における処理方法の説明図である。 Log微分細孔容量分布曲線の概念図である。 実施例2により得られた触媒繊維構造体の断面の電子顕微鏡写真である。 比較例2により得られた触媒繊維構造体の断面の電子顕微鏡写真である。
本発明の製造方法によれば、触媒金属化合物又は触媒前駆体と、無機バインダーと、溶媒とが混合されて混合物が生成される。なお、以下の記載において、触媒金属とは触媒繊維構造体中で、目的とする反応に対する触媒機能を発揮する物質を構成する元素である。また、前記触媒金属を含有する化合物を触媒金属化合物という。また、触媒金属化合物が触媒金属の酸化物である場合は、触媒金属酸化物という。また、触媒前駆体とは、焼成により触媒金属酸化物になる化合物である。
<触媒金属>
触媒金属としては、適用される化学反応に有効な成分であればよく、Ag、Au、Cu、Ni、Fe、Al、Co、第4周期遷移金属元素、白金族元素、周期律表の第3族元素、アルカリ金属類、アルカリ土類金属等の金属元素を挙げることができる。触媒金属化合物としては、前記触媒金属の金属酸化物、金属水酸化物、金属塩等を挙げることができる。また、触媒金属化合物又は触媒前駆体としては、粉末状の触媒金属が多孔性材料に担持されたものを用いることができる。触媒金属又は触媒金属化合物又は触媒前駆体は、無機バインダー及び溶媒と混合することもできる。多孔性材料は、触媒金属化合物又は触媒前駆体を担持する担体となるものであり、活性炭、アルミナ、シリカ、ゼオライト、チタニア、シリカ−アルミナ、珪藻土等を挙げることができ、これらより選ばれる1種以上の多孔性材料が好ましく使用できる。より好ましくは高表面積を有する多孔性材料が使用され、その他にもモレキュラーシーブ等を使用できる。担体に触媒金属化合物又は触媒前駆体を担持させる方法としては、通常の含浸法、共含浸法、共沈法、イオン交換法等の公知の方法が適用できる。
<無機バインダー>
無機バインダーは、粉末状触媒金属化合物又は触媒前駆体同士および繊維構造体表面への結着性に優れ、且つ反応環境に耐え、反応系に悪影響を与えないものが好ましい。無機バインダーは、好ましくは金属酸化物であり、より好ましくは酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、及び酸化カルシウムから選ばれる1種以上である。またアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、セリアなどの酸化物ゾルなどから選ばれる1種以上であり、乾燥、熱処理によって結着性を生じるものを用いることができる。なかでも、一次粒子径が50nmよりも小さいコロイダルシリカやコロイダルアルミナが好ましい。
<溶媒>
溶媒は、触媒金属の触媒活性に悪影響を与えないものであればよく、使用されるバインダーの種類に応じて、水溶性または非水溶性の各種のものを選択することができる。例えば溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、アリルアルコール等の炭素数1以上6以下のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類などを使用することができる。溶媒量は、後工程の作業性を考慮して決定することができるが、触媒金属の担持量の観点から混合物中の溶媒量は好ましくは50質量%以上、90質量%以下である。
触媒金属化合物又は触媒前駆体と、無機バインダーと、溶媒との混合は、例えば振とうによって行うことができる。本発明の製造方法によれば、得られた混合物は粉砕処理されて微粒子化され、メディアン粒子径が2μm以下、粘度が10mPa・s以上、200mPa・s以下の塗料とされる。以下の記載で、触媒金属化合物、触媒前駆体の塗料をそれぞれ、触媒金属化合物塗料、触媒前駆体塗料という。触媒金属化合物が触媒金属酸化物である場合の触媒金属化合物塗料を、触媒金属酸化物塗料という。この塗料化工程では、メディア型ミルやペイントシェーカーを用いて必要な成分を1段階で混合及び粉砕処理して塗料化する方法を適用することができるが、予備混合と、その後の本混合の2段階で混合及び粉砕処理を行って塗料化する方法を適用することが好ましい。例えば、予備混合においてビーズ(例えばガラスビーズ)を用いたペイントシェーカーで混合した後、本混合において特開2008−110341号公報の段落番号0047に記載されたメディア型ミル(例えば、アペックスミル、寿工業株式会社製)を使用する方法を適用することができる。なお、メディア型ミルを利用する場合は、本混合で使用するメディア(ビーズ)の粒径は、予備混合で使用するメディア(ビーズ)の粒径よりも十分に小さなものを使用することが好ましく、例えば、予備混合で使用したビーズ直径の50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。
また、非メディア型のビーズレス分散機を用いて混合する方法を適用することもできる。例えば、薄膜旋回型高速ミキサー(フィルミックス(登録商標)、プライミクス株式会社製)や、乳化分散機(マイルダー(登録商標)、株式会社マツボー製)を用いる方法を適用することができる。
塗料化工程では、上記したような混合方法を適用して、メディアン粒子径が2μm以下となるまで微粒子化を行う。例えばレーザー回折法により測定される粒度分布において、触媒金属化合物又は触媒前駆体とバインダーのメディアン粒子径が2μm以下となるまで分散処理を行う。メディアン粒子径は好ましくは1μm以下、より好ましくは0.8μm以下である。このように粉砕処理によって粒子径の小さな触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料を製造することによって、塗料含浸時に繊維構造体の空隙内に触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料を入り込ませることが容易になる。粒子径は塗料としての分散性の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である。
前記塗料の粘度(20℃)は、含浸後の保持性を高める観点から、10mPa・s以上、好ましくは20mPa・s以上、より好ましくは30mPa・s以上、さらに好ましくは50mPa・s以上、よりいっそう好ましくは60mPa・s以上、さらにいっそう好ましくは70mPa・s以上であり、また含浸作業性の観点から200mPa・s以下、好ましくは180mPa・s以下、より好ましくは160mPa・s以下、さらに好ましくは140mPa・s以下であり、また、10mPa・s以上200mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以上180mPa・s以下、より好ましくは30mPa・s以上160mPa・s以下、さらに好ましくは50mPa・s以上140mPa・s以下、よりいっそう好ましくは60mPa・s以上140mPa・s以下、さらにいっそう好ましくは70mPa・s以上140mPa・s以下である。
前記塗料における、触媒金属の担持量を高める観点から、触媒金属化合物又は触媒前駆体とバインダーの合計の固形分が好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上であり、前記塗料中での触媒金属化合物又は触媒前駆体及びバインダーの分散性及び繊維構造体への前記塗料の含浸性を高めて均一に担持させる観点から好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下であり、好ましくは10質量%以上50質量%以下、より好ましくは20質量%以上45質量%以下、さらに好ましくは25質量%以上40質量%以下である。
塗料中の触媒金属化合物又は触媒前駆体とバインダーの割合は、触媒金属化合物又は触媒前駆体とバインダーの合計量中、触媒活性を高める観点から、触媒金属化合物又は触媒前駆体は好ましくは70質量%以上、より好ましくは73質量%以上、さらに好ましくは76質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは87質量%以下、さらに好ましくは83質量%以下であり、また、好ましくは70質量%以上90質量%以下、より好ましくは73質量%以上87質量%以下、さらに好ましくは76質量%以上83質量%以下である。良好な担持の観点から、バインダーは好ましくは10質量%以上、より好ましくは13質量%以上、さらに好ましくは17質量%以上であり、触媒活性を高める観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは27質量%以下、さらに好ましくは24質量%以下であり、また、好ましくは10質量%以上30質量%以下、より好ましくは13質量%以上27質量%以下、さらに好ましくは17質量%以上24質量%以下である。
塗料は分散剤として、界面活性剤を含有していても構わない。界面活性剤は、使用する触媒金属化合物又は触媒前駆体の種類に応じて、適切なものを使用することができる。
界面活性剤としては例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、高分子界面活性剤を用いることができる。陰イオン界面活性剤としてはカルボン酸系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤、リン酸系界面活性剤などを用いることができる。陽イオン界面活性剤としてはテトラアルキルアンモニウム塩などを用いることができる。両性界面活性剤としてはアルキルアミンオキシド、アルキルベタインを用いることができる。非イオン界面活性剤としては、アルキルグルコシド、脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールなどを利用することができる。高分子界面活性剤としては、ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、ポリアクリル酸とポリアクリルアミドの共重合体などを用いることができる。
また界面活性剤の含有量は、良好な分散性を得る観点から塗料中の触媒金属化合物又は触媒前駆体の質量に対して好ましくは2質量%以上、より好ましくは8質量%以上であり、また繊維構造における塗料の保持性の観点から好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下であり、好ましくは2質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは8質量%以上15質量%以下である。
本発明の製造方法によれば、得られた触媒金属化合物又は触媒前駆体塗料には繊維構造体が含浸され、繊維構造体の空隙が触媒金属化合物又は触媒前駆体塗料で満たされる。
<繊維構造体>
繊維構造体は、無機繊維からなるものを用いることができる。無機繊維としては、金属酸化物繊維、金属窒化物繊維、金属炭化物繊維、炭素繊維などから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせからなる混合繊維を挙げることができる。金属酸化物繊維としてはシリカ繊維、アルミナ繊維、カルシア繊維、マグネシア繊維、アルミナ−シリカ繊維、カルシア−シリカ繊維、マグネシア−シリカ繊維、カルシア−マグネシア−シリカ繊維などから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせからなる混合繊維を使用することができる。好ましくは金属酸化物繊維、ガラス繊維、炭素繊維から選ばれる1種の繊維又は2種以上の組み合わせからなる混合繊維を使用することができる。より好ましくはアルミナーシリカ繊維、カルシア−マグネシア−シリカ繊維、ガラス繊維から選ばれる1種の繊維又は2種以上の組み合わせからなる混合繊維を使用することができ、さらに好ましくはアルミナ−シリカ繊維とガラス繊維の組み合わせを使用することができる。
繊維は好ましくは、アスペクト比(繊維の断面の直径と繊維の長さの比)が5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは20以上であり、そして、好ましくは100000以下、より好ましくは10000以下、更に好ましくは5000以下、より更に好ましくは1000以下である。また、繊維の平均直径は、繊維構造体が形状を維持し触媒活性を維持する観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、更に好ましくは0.5μm以上、より更に好ましくは1μm以上であり、そして、触媒金属の担持量を高める観点から、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、更に好ましくは10μm以下である。
繊維構造体は繊維からなる成形体であり、その形状及び大きさは制限されるものではなく、シート状、板状、筒状、ハニカム状、不定形状などでよいが、用途に応じた形状に加工することが容易であることから、シート状、布帛状、布状、膜状又は板状が好ましく、シート状、布帛状又は布状がより好ましい。繊維構造体は帯状の長いものでもよく、例えば、ロール状に巻き取られた状態として使用することもできる。繊維構造体がシート状、布帛状又は布状であるとき、シート状、布帛状又は布状の構造体として、織物、編み物、織布又は不織布を用いることができ、構造体内部の細孔容量と、細孔分布の均一性の観点から、不織布がより好ましい。
繊維構造体がシート状、布帛状又は布状であるときは、厚みは、触媒の強度を向上させる観点から、0.1mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、0.8mm以上が更に好ましく、触媒内部での反応物質及び反応生成物の拡散距離短縮により、反応物質の触媒内部への拡散性及び反応生成物の触媒内部からの拡散性を向上させ、これにより触媒活性を向上させ、且つ、触媒活性を維持させる観点から、10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。また繊維構造体のかさ密度は、触媒繊維構造体を反応器に充填する場合の充填量の観点から、好ましくは10kg/m以上、より好ましくは100kg/m以上、更に好ましくは150kg/m以上であり、そして触媒繊維構造体内部での反応物質の拡散容易性及び流体が触媒繊維構造体を通過する際の圧力損失の低減の観点から、好ましくは2400kg/m以下、より好ましくは1000kg/m以下、更に好ましくは500kg/m以下、より好ましくは300kg/m以下、より更に好ましくは250kg/m以下である。
本発明に用いられる繊維構造体の単位質量当たりの細孔容量は、触媒繊維構造体内部での反応物質の拡散容易性の観点から、好ましくは0.1mL/g以上、より好ましくは0.15mL/g以上、更に好ましくは0.6mL/g以上、より更に好ましくは0.9mL/g以上、より更に好ましくは1mL/g以上、更に好ましくは1.1mL/g以上、より更に好ましくは1.2mL/g以上、より更に好ましくは2mL/g以上、より更に好ましくは3mL/g以上、より更に好ましくは3.5mL/g以上である。また触媒金属の担持量を高める観点から、好ましくは10mL/g以下、より好ましくは7.5mL/g以下、より更に好ましくは7mL/g以下、より更に好ましくは5mL/g以下である。
本発明に用いられる繊維構造体の空隙率は、触媒繊維構造体内部での反応物質の拡散容易性の観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、より更に好ましくは55%以上、より更に60%以上、より更に好ましくは70%以上、より更に好ましくは80%以上である。そして、触媒繊維構造体の強度保持の観点から、好ましくは99%以下、より好ましくは95%以下、更に好ましくは93%以下である。また繊維構造体の細孔径は、触媒塗料含浸時の塗料浸入性の観点から好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。また触媒塗料含浸後の塗料保持性の観点から好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。
触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料に繊維構造体を含浸させる方法としては、容器に入れた触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料中に繊維構造体を浸漬する方法、或いは容器に入れた触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料中に繊維構造体を潜らせる方法を適用することができる。繊維構造体の空隙を触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料で満たす方法としては、触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料と繊維構造体を接触させた状態で外力を加える方法を適用することが好ましい。このように外力を加えることで、繊維構造体の空隙により均一に触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料を担持させることができ、体積当たりの触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料の担持量を高めることができる。外力を加える方法としては、ロールを使用する方法や超音波振動を与える方法を適用することができる。また含浸に際しては、触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料を担持させた繊維構造体から、繊維構造体表面に付着した余剰の触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料を除去する工程を行うことができる。この工程を実施することにより、触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料に含まれている触媒金属化合物又は触媒前駆体の脱落率を低下させることができる。
本発明の製造方法によれば、繊維構造体は空隙が塗料で満たされたまま、塗料の調製に使用した溶媒の沸点以上の温度で加熱され乾燥される。空隙が触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料で満たされたまま乾燥処理を行うことで、触媒金属化合物又は触媒前駆体が繊維構造体内部で片寄らずに、均一に担持される。同時に繊維構造体を圧縮して細孔容量を調整することができる。即ち乾燥工程では、乾燥により溶媒が蒸発除去されることで繊維構造体中に隙間(細孔)が生じて空隙率が高くなるが、繊維構造体を圧縮して細孔容量を調整する。圧縮する際には、繊維構造体の面積をほとんど変化させることなく圧縮することが好ましい。 乾燥後の繊維構造体は、切断、変形などにより用途に応じた形状に加工することができる。例えばハニカム状、円筒状、シートを多重に巻いた構造などにすることができる。
本発明の製造方法によれば、乾燥後の繊維構造体は、無機バインダーの脱水温度以上の温度で加熱され焼成される。繊維構造体に無機材料を用いていることにより焼成工程が可能であり、また焼成工程を実施することにより、触媒繊維構造体の強度を高めることができる。かくして得られる触媒繊維構造体は、担体となる繊維構造体内の空隙を構成する繊維自体に触媒金属化合物又は触媒前駆体が付着して担持されている。触媒繊維構造体は、繊維構造体と同形状でもよいし、用途に応じて使用し易い形状にさらに形状加工されたものでもよい。
本発明の製造方法により得られた触媒繊維構造体は、担持される触媒金属に応じて各種反応に使用することができる。例えば、還元、酸化、置換、分解、付加、環化、開環、転移化反応などに用いることができる。還元反応としては水素付加反応や、酸素の脱離反応、水素化脱硫反応に用いることができる。酸化反応としては、脱水素、酸素付加反応などに用いることができる。置換反応としては水素、ハロゲン、ヒドロキシ、酸素、窒素、硫黄の置換反応などに用いることができる。分解反応としては加溶媒分解、加水分解、アンモニア分解、水素化分解、酸化分解などに用いることができる。付加反応としてはC−C二重結合、C−C三重結合、C−O結合、C−N結合などへの付加反応に用いることができる。環化反応としては、縮合、脱離、多量化などによる反応に用いることができる。開環反応としては、水添、水和などによる反応に用いることができる。転移化反応としては、異性化、ラセミ化、不均化反応などに用いることができる。
反応媒体としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、ニトロ化合物、含硫黄化合物、含リン化合物などに用いることができる。
また例えば、原料油脂から最終的にアルコール(1価アルコール及び多価アルコール)を製造する工程で使用する場合には、Niを含む触媒繊維構造体を原料油脂の精製過程で原料油脂中の硫黄化合物(水素添加触媒の被毒物質)量を低減させるための触媒として使用し、Coを含む触媒繊維構造体を脂肪酸又は脂肪酸エステルの水素添加工程で水素添加触媒として使用することができる。
本発明の製造方法により得られた触媒繊維構造体の最大ピークの細孔径は、触媒内部での反応基質の拡散容易性の観点から好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。また触媒金属の担持量と触媒繊維構造体内部での反応基質の吸着容易性の観点から好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。
また本発明の製造方法により得られた触媒繊維構造体の最大ピークの細孔径におけるLog微分細孔容量は、触媒繊維構造体内部での反応物質の拡散容易性の観点から、好ましくは0.5mL/g以上、より好ましくは0.7mL/g以上、更に好ましくは1.0mL/g以上である。また触媒金属の担持量を高める観点から、好ましくは8mL/g以下、より好ましくは4mL/g以下、更に好ましくは3mL/g以下、より更に好ましくは2mL/g以下である。
また本発明の製造方法により得られた触媒繊維構造体の単位質量当たりの細孔容量は、触媒繊維構造体内部での反応物質の拡散容易性の観点から、好ましくは0.5mL/g以上、より好ましくは0.7mL/g以上、更に好ましくは1.2mL/g以上である。また触媒金属の担持量を高める観点から、好ましくは4mL/g以下、より好ましくは3mL/g以下、更に好ましくは2mL/g以下である。
触媒繊維構造体の単位体積当たりの触媒金属化合物及びバインダーの担持量は、反応性向上の観点から好ましくは0.05g/mL以上、より好ましくは0.2g/mL以上、さらに好ましくは0.4g/mL以上、また反応物質が触媒繊維構造体を通過する際の圧力損失の低減の観点から好ましくは1.0g/mL以下、より好ましくは0.8g/mL以下、更に好ましくは0.7g/mL以下、より更に好ましくは0.6g/mL以下である。
触媒繊維構造体の単位質量当たりの触媒金属の担持量は、触媒の活性の観点から、好ましくは0.01g/g以上,より好ましくは0.1g/g以上、より好ましくは0.15g/g以上、更に好ましくは0.2g/g以上、より更に好ましくは0.25g/g以上であり、そして、触媒の触媒金属質量当たりの活性の観点から好ましくは0.8g/g以下、より好ましくは0.6g/g以下、更に好ましくは0.5g/g以下、より更に好ましくは0.4g/g以下、より更に好ましくは0.35g/g以下である。
触媒繊維構造体の単位体積当たりの触媒金属の担持量は触媒金属として、触媒内部で十分に反応物質を吸着する観点から、好ましくは0.01g/mL以上,より好ましくは0.1g/mL以上であり、そして、触媒の触媒金属質量当たりの活性の観点から好ましくは1.0g/mL以下、より好ましくは0.8g/mL以下、更に好ましくは0.6g/mL以下、より更に好ましくは0.4g/mL以下、より更に好ましくは0.3g/mL以下である。
以下、本発明の製造方法の例示的な実施例を図1から図5を参照して説明する。図1は、本発明の製造方法の一実施例として、塗料化工程、担持工程、余剰塗料の除去工程、乾燥工程、細孔容量調整工程、形状加工工程、及び焼成工程からなるフローを示す。
<塗料化工程>
塗料化工程は、触媒金属化合物又は触媒前駆体、バインダー及び溶媒を混合し、粉砕処理して塗料化(塗料化)し、メディアン粒子径が2μm以下、粘度が10mPa・s以上、200mPa・s以下の塗料を得る工程である。これについては混合及び塗料化として先に説明した。
<担持工程>
好ましい担持工程の処理方法として、以下の(I)〜(IV)の方法を挙げることができる。担持工程は、塗料化工程にて得た触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料を上記した繊維構造体に担持させ含浸させる工程である。担持工程により、繊維構造体内部の空隙を触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料で容易に満たすことができる。
(I)繊維構造体を触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料に潜らせる処理工程により担持させ含浸させる方法である。塗料化工程によって調整された触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料を満たした容器に繊維構造体を潜らせることにより、触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料は繊維構造体内部の空隙に入り込み、触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料が担持された繊維構造体が得られる。
(II)図2(a)、(b)に示すように繊維構造体を触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料に潜らせる処理工程により担持させ含浸させる方法である。容器1内に塗料2が満たされており、容器1には一対のロール4、5が設置されている。ここで、塗料2は、触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料である。一対のロール4、5は、少なくともそれが近接して対向する面が塗料2中に位置するように設置されている。繊維構造体(繊維シート)3は、塗料2中を通して、かつ一対のロール4、5の間を通過させる。このとき、繊維構造体3が両面から一対のロール4、5で圧接されることで、繊維構造体3内の空隙に塗料2が入り込んで担持され、触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料が担持含浸された繊維構造体13が得られる。一対のロール4、5の間隔は、繊維構造体3の厚みよりも僅かに小さくなるよう厚みの0.95倍以上0.98倍以下に調整することが好ましい。
(III)図3に示すように、塗料2が満たされた容器1内に繊維構造体3を浸漬した状態にて、容器1の底面外側から容器1内部に超音波振動を与えることができる。図3では単一のロール4を示しているが、(III)の方法ではロールはなくてもよい。超音波振動を与えることで、繊維構造体3内の空隙に塗料2が入り込んで担持され、触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料が担持され含浸された繊維構造体13が得られる。超音波の好ましい周波数は、15〜50kHzである。
(IV)(I)の方法を実施する際、容器の底面外側から容器内部に超音波振動を与えることができる。
(V)図4に示すように、水平方向に対をなすロール4’、5’間に、鉛直方向上方から矢印方向に沿って繊維構造体3を供給し、矢印方向に回転するロール4’、5’と繊維構造体3の両面の間に形成される隙間に塗料2を供給することができる。これによって塗料2の自重とロール4’、5’により加えられる圧力により、触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料が担持含浸された繊維構造体3’が得られる。
<余剰触媒塗料の除去工程>
触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料に繊維構造体を含浸して繊維構造体の空隙を塗料で満たした後、必要に応じて余剰塗料の除去工程を行うことができる。余剰塗料の除去工程では、上記のようにして塗料を担持させた繊維構造体の外表面に付いている余剰の塗料が除去される。繊維構造体の内部(繊維構造体の繊維の空隙)に入り込んでいるものは余剰の塗料には含まれない。例えば図5では、塗料2が担持された繊維構造体13の表面(繊維シートの場合は両面)の一端側に対して、繊維構造体13の表面形状に合致した除去具7、8を当接させる。当接状態を維持したまま、一端側から他端側(図5中の矢印方向)に除去具7、8を移動させて余剰塗料を除去して、余剰塗料が除去された繊維構造体23を得る。
除去具7、8は、繊維構造体13の表面形状に合致する適応性を有したものであり、ブレード、ブラシ、多孔性部材等を使用することができる。多孔性部材としては、織布、不織布、プラスチックフォーム(スポンジ)、セラミックスフォーム、ろ紙などを挙げることができる。 余剰塗料の除去は、一端側から他端側に除去具7、8を1回だけ移動させて行うことが好ましいが、同じ方向に除去具7、8を2回以上移動させて除去することもできる。この工程で除去された余剰塗料は、担持工程にて再利用することができる。なお、図5では2つの除去具7、8を使用しているが、1つの除去具のみを使用して、繊維構造体13の一面の余剰塗料を除去した後、繊維構造体13の表裏を反転させて同様の操作を実施することもできる。また図5では、繊維構造体13を水平方向にした状態で実施しているが、鉛直方向にした状態で実施することもできる。
<乾燥工程及び細孔容量調整工程>
乾燥工程では、余剰塗料を除去した繊維構造体が、内部空隙に触媒金属化合物塗料又は触媒前駆体塗料を満たしたまま、塗料化工程で使用した溶媒の沸点以上の温度で加熱乾燥される。前記温度は溶媒の沸点(Tb)℃に対し、細孔構造を維持する観点から、好ましくは(Tb+10)℃以上、さらに好ましくは(Tb+20)℃以上であり、好ましくは(Tb+80)℃以下、さらに好ましくは(Tb+50)℃以下である。例えば溶媒として水を使用した場合、沸点100℃に対して、好ましくは110℃以上、さらに好ましくは120℃以上であり、好ましくは180℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。また、溶媒としてイソプロピルアルコールを使用した場合、沸点82℃に対して、好ましくは92℃以上、さらに好ましくは102℃以上であり、好ましくは162℃以下、さらに好ましくは132℃以下である。この場合、同時に繊維構造体を圧縮して、細孔径及び細孔容量を調整することができる。これを細孔容量調整工程又は体積制御工程と呼ぶ。例えば繊維構造体がシートであるとき、圧縮して、厚みのみ減少させることが好ましい。繊維構造体を圧縮して細孔容量を制御する際の繊維構造体の圧縮比(圧縮前の厚み/圧縮後の厚み)は1.0より大きく、2.5以下が好ましい。また圧縮比(圧縮前の見かけの体積/圧縮後の見かけの体積)は1.0より大きく、2.5以下が好ましく、1.0より大きく、1.8以下がより好ましい。
<形状加工工程>
形状加工工程は、乾燥後の繊維構造体の形状を加工して、触媒繊維構造体を得る工程であり、必要に応じて適宜行われる。形状加工は、切断、変形などを含むものであり、用途に応じた形状にすることを意味する。加工する形状は、触媒繊維構造体の用途に応じて適宜決定されるものであり、例えばハニカム状、円筒状、シートを多重に巻いた構造などにすることができる。
<焼成工程>
形状加工工程の後、焼成工程が行われて、触媒繊維構造体の強度が高められ、触媒金属化合物の脱落も生じにくくなる。焼成工程は、触媒繊維構造体を無機バインダーの脱水温度以上に加熱することによって行われる。無機バインダーの脱水温度とは、無機バインダーの表面自由水、付着水、構造水、結晶水などの脱水や、無機バインダーの表面水酸基からの縮合による脱水が起こる温度である。無機バインダーの脱水温度以上に加熱することによって、無機バインダーと触媒金属化合物、繊維構造体が強固に結合される。焼成温度は触媒活性に悪影響を与えない範囲であればよく、使用される無機バインダーの種類に応じて選択することができる。例えば無機バインダーとしてコロイダルアルミナを用いる場合には、付着水が脱水する200℃以上が好ましく、構造水が脱水する400℃以上がさらに好ましい。例えば無機バインダーとしてコロイダルシリカを用いる場合には、付着水が脱水する400℃以上が好ましく、水酸基からの脱水が起こる500℃以上がさらに好ましい。
以下では本発明の好適な実施態様を示す。
<1>
以下の(1)〜(5)の工程を有する触媒繊維構造体の製造方法:
(1)触媒金属化合物又は触媒前駆体と無機バインダーと溶媒とを混合する工程
(2)得られた混合物を粉砕処理して、メディアン粒子径が2μm以下、粘度が10mPa・s以上、200mPa・s以下の触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料を得る工程、
(3)得られた触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料に繊維構造体を含浸して繊維構造体の空隙を触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料で満たす工程、
(4)得られた触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料で満たされたまま繊維構造体を前記溶媒の沸点以上の温度で加熱乾燥する工程、及び
(5)乾燥後の触媒金属化合物又は触媒前駆体が付着した繊維構造体を前記無機バインダーの脱水温度以上の温度に加熱焼成して触媒繊維構造体を得る工程。
<2>
触媒金属化合物又は触媒前駆体が、Ag、Au、Cu、Ni、Fe、Al、Co、第4周期遷移金属元素、白金族元素、周期律表の第3族元素、アルカリ金属類、アルカリ土類金属から選ばれる金属元素を含む<1>に記載の製造方法。
<3>
触媒金属化合物又は前駆体が、粉末状の触媒金属が多孔性材料に担持されたものである、<1>又は<2>に記載の製造方法。
<4>
多孔性材料が、活性炭、アルミナ、シリカ、ゼオライト、チタニア、シリカ−アルミナ、珪藻土、モレキュラーシーブより選ばれる1種以上である、<1>から<3>のいずれかに記載の製造方法。
<5>
無機バインダーが、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、及びセリアから選ばれる少なくとも1種以上である、<1>から<4>のいずれかに記載の製造方法。
<6>
無機バインダーが、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナから選ばれる、<1>から<5>のいずれかに記載の製造方法。
<7>
触媒金属化合物又は触媒前駆体とバインダーの割合が、触媒金属化合物又は触媒前駆体とバインダーの合計量中、触媒金属化合物又は触媒前駆体が70質量%以上、好ましくは73質量%以上、より好ましくは76質量%以上であり、90質量%以下、好ましくは87質量%以下、より好ましくは83質量%以下であり、また70質量%以上90質量%以下、好ましくは73質量%以上87質量%以下、より好ましくは76質量%以上83質量%以下である、<1>から<6>のいずれかに記載の製造方法。
<8>
触媒金属化合物又は触媒前駆体とバインダーの割合が、触媒金属化合物又は触媒前駆体とバインダーの合計量中、バインダーが10質量%以上、好ましくは13質量%以上、より好ましくは17質量%以上であり、30質量%以下、好ましくは27質量%以下、より好ましくは24質量%以下であり、また10質量%以上30質量%以下、好ましくは13質量%以上27質量%以下、より好ましくは17質量%以上24質量%以下である、<1>から<7>のいずれかに記載の製造方法。
<9>
繊維構造体が、金属酸化物繊維、ガラス繊維、及び炭素繊維から選ばれる少なくとも1種からなる繊維シートである、<1>から<8>のいずれかに記載の製造方法。
<10>
繊維構造体が、シリカ繊維、アルミナ繊維、ガラス繊維、炭素繊維から選ばれる少なくとも1種からなる繊維シートである、<1>から<9>のいずれかに記載の製造方法。
<11>
繊維構造体が、アルミナーシリカ繊維、カルシア−マグネシア−シリカ繊維、ガラス繊維から選ばれる少なくとも1種からなる繊維シートである、<1>から<10>のいずれかに記載の製造方法。
<12>
繊維構造体が、アルミナ−シリカ繊維とガラス繊維の組み合わせからなる繊維シートである、<1>から<11>のいずれかに記載の製造方法。
<13>
繊維構造体の空隙率が30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは55%以上、より更に好ましくは60%以上、より更に好ましくは70%以上、より更に好ましくは80%以上であり、また99%以下、好ましくは95%以下、より好ましくは93%以下である、<1>から<12>のいずれかに記載の製造方法。
<14>
繊維構造体の単位質量当たりの細孔容量が0.1mL/g以上、好ましくは0.15mL/g以上、より好ましくは1mL/g以上、更に好ましくは0.15mL/g以上、より更に好ましくは0.6mL/g以上、より更に好ましくは0.9mL/g以上、より更に好ましくは1mL/g以上、より更に好ましくは1.1mL/g以上、より更に好ましくは1.2mL/g以上、より更に好ましくは2mL/g以上、より更に好ましくは3mL/g以上、より更に好ましくは3.5mL/g以上であり、また10mL/g以下、好ましくは7.5mL/g以下、より好ましくは7mL/g以下、更に好ましくは5mL/g以下である、<1>から<13>のいずれかに記載の製造方法。
<15>
繊維構造体の細孔径が、1μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また200μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下である、<1>から<14>のいずれかに記載の製造方法。
<16>
触媒繊維構造体の単位体積当たりの触媒金属化合物及びバインダーの担持量が0.05g/mL以上、より好ましくは0.2g/mL以上、さらに好ましくは0.4g/mL以上、また好ましくは0.8g/mL以下、より好ましくは0.7g/mL以下、さらに好ましくは0.6g/mL以下である、<1>から<15>のいずれかに記載の製造方法。
<17>
触媒繊維構造体の最大ピークの細孔径における細孔容量が0.5mL/g以上、好ましくは0.7mL/g以上、より好ましくは1.0mL/g以上、また8mL/g以下、好ましくは4mL/g以下、より好ましくは3mL/g以下、より更に好ましくは2mL/g以下である、<1>から<16>のいずれかに記載の製造方法。
<18>
触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料のメディアン粒子径が、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.8μm以下、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である、<1>から<17>のいずれかに記載の製造方法。
<19>
触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料の固形分が、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である、<1>から<18>のいずれかに記載の製造方法。
<20>
触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料の粘度が、10mPa・s以上、好ましくは20mPa・s以上、より好ましくは30mPa・s以上、さらに好ましくは50mPa・s以上、よりいっそう好ましくは60mPa・s以上、さらにいっそう好ましくは70mPa・s以上であり、200mPa・s以下、好ましくは180mPa・s以下、さらに好ましくは160mPa・s以下、よりいっそう好ましくは140mPa・s以下である、<1>から<19>のいずれかに記載の製造方法。
<21>
触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料が界面活性剤を含有する、<1>から<20>のいずれかに記載の製造方法。
<22>
界面活性剤の含有量が触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料中で、触媒金属化合物又は触媒前駆体の質量に対して2質量%以上、好ましくは8質量%以上であり、また20質量%以下、好ましくは15質量%以下である<21>に記載の製造方法。
<23>
混合及び粉砕処理がビーズ分散機を用いて行われる、<1>から<22>のいずれかに記載の製造方法。
<24>
混合及び粉砕処理がビーズレス分散機を用いて行われる、<1>から<22>のいずれかに記載の製造方法。
<25>
繊維構造体がシート状、布帛状又は布状であり、厚みは0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.8mm以上、また10mm以下、好ましくは5mm以下である、<1>から<24>のいずれかに記載の製造方法。
<26>
繊維構造体のかさ密度が、10kg/m以上、好ましくは100kg/m以上、より好ましくは150kg/m以上であり、また2400kg/m以下、好ましくは1000kg/m以下、より好ましくは500kg/m以下、更に好ましくは300kg/m以下、より更に好ましくは250kg/m以下である、<1>から<25>のいずれかに記載の製造方法。
<27>
含浸後、繊維構造体表面に付着している余剰触媒塗料を除去する工程を含む、<1>から<26>のいずれかに記載の製造方法。
<28>
加熱乾燥する工程が繊維構造体を圧縮する細孔容量調整工程を含む、<1>から<27>のいずれかに記載の製造方法。
<29>
加熱乾燥時に繊維構造体を圧縮し、圧縮比(圧縮前の厚み/圧縮後の厚み)が1.0より大きく、2.5以下である、<1>から<28>のいずれかに記載の製造方法。
<30>
圧縮比(圧縮前の見かけの体積/圧縮後の見かけの体積)が1.0より大きく、2.5以下であり、好ましくは1.0より大きく、1.8以下である、<29>に記載の製造方法。
<31>
加熱乾燥する工程における前記温度が溶媒の沸点(Tb)℃に対し(Tb+10)℃以上、好ましくは(Tb+20)℃以上であり、また(Tb+80)℃以下、好ましくは(Tb+50)℃以下である<1>から<30>のいずれかに記載の製造方法。
<32>
加熱乾燥する工程の後に、繊維構造体に切断、変形などを含む形状加工を行う形状加工工程を含む、<1>から<31>のいずれかに記載の製造方法。
実施例および比較例における各数値の測定方法は、次のとおりである。
<細孔容量及び細孔径>
繊維構造体及び触媒繊維構造体の細孔容量及び細孔径は、水銀圧入法を用いて測定できる。水銀圧入法については、例えば「物質の機能性(第4版 実験化学講座12、日本化学会編、丸善株式会社発行 486頁)」に記載されている。水銀圧入法による孔径の測定値は、下記の式を使って計算できる。
D=−4γCOSθ/P
但し、式中でそれぞれD:孔径[m]、γ:水銀の表面張力[mN/m]、θ:接触角[°]、P:圧力[MPa]を示す。孔径分布は、水銀に加える圧力を徐々に変化させ、その時に孔内に侵入した水銀の体積、即ち細孔容量Vを測定し、上記式に従って換算した孔径Dと細孔容量との関係を描くことによって求められる。水銀圧入法の専用測定機として株式会社島津製作所製の水銀圧入式細孔分布測定装置(ポアサイザ9320)を用い、水銀の表面張力は482.536mN/mとし、使用接触角は130°とし、水銀圧力0〜206.85MPaにて測定した。孔径分布は、上記測定機を用いて、水銀に加える圧力を上記範囲で徐々に変化させ、その時に孔内に侵入した水銀の体積、即ち細孔容量Vを測定し、上記式に従って換算した孔径Dと細孔容量との関係を描き、この関係曲線のLog微分係数dV/d(LogD)を求めて縦軸とし、孔径Dを横軸としてグラフ(図6参照)にすることで求めた。このグラフをLog微分細孔容量分布曲線と呼ぶ。孔径分布は、孔径6nm〜100000nmの範囲について測定した。本測定法にて測定される触媒繊維構造体の孔径分布曲線にピークが複数ある場合、最大の細孔径を有するピークを最大ピークの細孔径と定義する。
<塗料の粒度分布及び粘度>
塗料の分散粒子径はレーザー回折法による粒度分布を粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製SALD−300V)を用いて測定し、メディアン径を求めた。また塗料の粘度は、E型粘度計(東機産業株式会社製TVE−25L、標準コーンロータ)を用い、塗料量2mL、回転数毎分20回転、1分後の値を測定した。
<触媒金属化合物及びバインダーの担持量>
触媒繊維構造体の単位体積当たりの触媒金属化合物及びバインダーの担持量は、以下の式で規定する。
触媒金属化合物及びバインダーの担持量[g/mL]=触媒金属化合物及びバインダーの担持質量[g]/触媒繊維構造体体積[mL]
但し、触媒金属化合物及びバインダーの担持質量[g]=焼成後の触媒繊維構造体質量[g]−担持工程前の繊維構造体質量[g]であり、例えばシート状の場合は、触媒繊維構造体体積[mL]=触媒繊維構造体の面積[m]×触媒繊維構造体の厚み[m]である。
<繊維構造体と触媒繊維構造体の厚み>
繊維構造体の厚みは定圧厚み測定器(株式会社テクロック製PG-11)を用い、定圧荷重0.363N、圧力0.363kPaで測定した。
<担持状態の確認>
触媒繊維構造体内部へ触媒金属化合物及びバインダーが均一に担持されているかどうかの状態の確認は、触媒繊維構造体の断面を観察することによって実施した。触媒繊維構造体の断面を断面試料作製装置(IB−09010CP、日本電子株式会社製)により切断し、走査型電子顕微鏡(SE4300、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて観察した。
製造例1(粉末状触媒前駆体1の製造)
2Lセパラブルフラスコに、脱イオン水800g、Ni(NO・6HO 232gを仕込み、攪拌しながら80℃に昇温した。ここに、脱イオン水630gにJIS3号水ガラス33g、NaCO 113gを溶解して80℃に加熱した溶液を、攪拌しながら全量投入した。投入後、Mg(NO・6HO 24gを加え、生成したスラリーを80℃にて1時間攪拌した後、沈殿物を濾過、水洗を行い、110℃で乾燥して粉末状触媒前駆体1を得た。得られた触媒前駆体のNi含有量は76.1質量%であった。レーザー回折法による粉末状触媒前駆体の粒度分布は、メディアン径で171μmであった。
製造例2(粉末状触媒金属酸化物2の製造)
コバルト対イットリウム対パラジウムの原子比が100:5:0.08である硝酸コバルト、硝酸イットリウム(n水和物)、硝酸パラジウムの混合水溶液と炭酸アンモニウム水溶液を室温で攪拌混合した。生じた沈殿物を十分水洗した後、110℃で乾燥した。乾燥後にコバルトに対しモリブデンの原子比が1/100となるモリブデン酸アンモニウムの水溶液を室温で攪拌混合しエバポレーターで蒸発乾固したのち600℃で4時間焼成を行い、触媒金属酸化物2(Co−Y−Pd−Mo酸化物)を得た。得られた触媒金属酸化物は原子比が、Co/Y/Pd/Mo=100/3.9/0.08/1.5となっていた。
実施例1
図1に示すフローに沿って触媒繊維構造体を製造した。繊維構造体としては、アルミナ−シリカ繊維とガラス繊維からなるシート(MCペーパー、日本板硝子株式会社製、50mm×50mm、厚み1.0mm、かさ密度180kg/m、最大ピークの細孔径23μm、単位質量あたりの細孔容量4.4mL/g、空隙率92%)を使用した。但し、余剰塗料除去工程及び細孔容量調整工程は行っていない。
<塗料化工程>
製造例1で得た粉末状触媒前駆体1を10.5g、バインダーとしてシリカゾル(スノーテックス(登録商標)ST−20、日産化学工業株式会社製、固形分濃度20質量%)13.1g、溶媒として脱イオン水8.2g、分散剤としてポリカルボン酸系高分子界面活性剤(カオーセラ(登録商標)2100、花王株式会社製)3.2gを50mLのポリ容器に封入し、粉末の塊がなくなるまで容器を上下左右に振とうすることによって予備混合した。
次に、薄膜旋回型高速ミキサー(フィルミックス40−40型、プライミクス株式会社製)を用いて、周速30m/s、30秒間分散処理し、触媒前駆体とバインダーの固形分38質量%の触媒前駆体塗料を得た。触媒前駆体とバインダーの固形分質量比率は80/20であり、高分子界面活性剤は触媒前駆体質量に対して12質量%であった。この触媒前駆体塗料は、レーザー回折法による塗料の分散粒子径は800nmであった。また粘度は130mP・sであった。
<担持工程>
前記塗料化工程で得た固形分38質量%の触媒前駆体塗料をシャーレ(φ86mm、高さ14mm)内に満たし、前記繊維構造体を150秒浸漬させ、その後担持の片寄りをなくしより均一に担持するために上下を裏返し、さらに150秒浸漬させ、計300秒浸漬させた。
<乾燥工程>
繊維構造体を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でコーティングされたステンレス製のプレート上で、120℃で60分間乾燥した。
<形状加工工程>
次に、トムソン刃を使用して、繊維構造体(50mm×50mm×1.0mm)の40mm×40mmの範囲内が、20mm×5mmの大きさで16分割されるように切断した。
<焼成工程>
空気雰囲気下で400℃、5時間焼成することで触媒繊維構造体を得た。
実施例2
<塗料化工程>
原料配合を、製造例1で得た粉末状触媒前駆体1を11.2g、バインダーとしてシリカゾル(スノーテックス(登録商標)ST−20、日産化学工業株式会社製、固形分濃度20質量%)14.0g、溶媒として脱イオン水6.4g、分散剤として高分子界面活性剤(カオーセラ(登録商標)2100、花王株式会社製)3.4gとし、固形分40質量%の塗料を得て、余剰塗料の除去工程を実施した以外は実施例1と同様に実施した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表1に記載した通りである。
<余剰触媒塗料の除去工程>
図5に例示的に示すところに従い、触媒前駆体塗料1を含浸させた繊維構造体13をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でコーティングされたステンレス製のプレート(230×230mm、厚み1.5mm、686g)の上に乗せ、繊維構造体13の表面に除去具7(ステンレス製のプレート、厚み0.5mm、幅75mm)を垂直に当接させた状態で、除去具7の質量による34kPaの圧力で一端側から他端側に除去具を1回だけ移動させて、繊維構造体表面に付着している余剰塗料を除去し、さらに繊維構造体13の表裏を反転させて同様の操作を実施し、繊維構造体23を得た。
実施例3
塗料化工程で得た固形分40質量%の触媒前駆体塗料を、担持工程において固形分が30質量%になるように脱イオン水で希釈した以外は、実施例2と同様に実施した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表1に記載した通りである。
実施例4
塗料化工程で得た固形分40質量%の触媒前駆体塗料を、担持工程において固形分が20質量%になるように脱イオン水で希釈した以外は、実施例2と同様に実施した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表1に記載した通りである。
実施例5
塗料化工程で得た固形分40質量%の触媒前駆体塗料を、担持工程において固形分が10質量%になるように脱イオン水で希釈した以外は、実施例2と同様に実施した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表1に記載した通りである。
実施例6
繊維構造体として、アルミナ−シリカ繊維からなるシート(イソウール(登録商標)1260エースペーパー、イソライト工業株式会社製、50mm×50mm、厚み2.5mm、かさ密度160kg/m、最大ピークの細孔径38μm、単位質量あたりの細孔容量4.1mL/g、空隙率87%)を使用した以外は、実施例4と同様に実施した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表1に記載した通りである。
実施例7
製造例2で得た粉末状触媒金属酸化物2を5.6g、バインダーとしてジルコニアゾル(ZR−30BS、日産化学工業株式会社製、固形分濃度30質量%)4.7g、脱イオン水24.7gを用い、固形分を20質量%に調節し、焼成温度を500℃とした以外は、実施例1と同様にして触媒繊維構造体を得た。触媒金属酸化物塗料は、レーザー回折法による粒度分布を測定したとき、最大ピークは900nmであった。また粘度は102mP・sであった。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表1に記載した通りである。
実施例8
塗料化工程において、混合及び微粒子化を実施例2と同様に実施した後、脱イオン水を加え固形分を35質量%に調整し、ビーズ分散機(寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル)と直径0.1mmのジルコニアビーズ388gを用い、処理周波数60Hz、塗料を流量100mL/分で供給して行い、固形分35質量%、粒径600nmの触媒金属酸化物塗料を得て、繊維シートをカルシア−マグネシア−シリカ繊維からなるシート(スーパーウール607、新日本サーマルセラミックス株式会社製、20mm×5mm、厚み1.0mm、かさ密度210kg/m、最大ピークの細孔径58μm、単位質量あたりの細孔容量3.6mL/g、空隙率72%)を用いた以外は、実施例2と同様に実施した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表1に記載した通りである。
実施例9
塗料化工程において、粉末状触媒前駆体1を12.0g、バインダー9.8g、溶媒9.5g、高分子界面活性剤3.6gとし、触媒前駆体とバインダーの固形分質量比率を86/14とした以外は、実施例2と同様に実施した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表1に記載した通りである。
実施例10
担持工程において、触媒前駆体塗料の含浸を図4に示すような直径150mm×300mmの2本のステンレス製のロール4’、5’を近接部のロールギャップ0.95mmとなるように配置し、近接部の回転方向が互いに鉛直方向下向きになるように周波数10Hzで回転させた。繊維シートとしてアルミナ−シリカ繊維とガラス繊維からなるシート3(MCペーパー、日本板硝子株式会社製、幅50mm、厚み1.0mm、巻物状、かさ密度18kg/m、最大ピークの細孔径23μm、単位質量あたりの細孔容量4.4mL/g、空隙率92%)を用い、ロールギャップ間を連続して通過させた。ロールギャップ上部にはシートのそれぞれの縁部を5mmずつ超えて幅方向に60mmの範囲で塗料が滞留するように塗料の流れ止めを設け(図示せず)、また触媒前駆体塗料2が30mm以上の高さで常時滞留するように供給することによって含浸を行った。担持工程後は、余剰塗料の除去工程を実施しなかった以外は、実施例2と同様に実施した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表1に記載した通りである。
実施例11
薄膜旋回型高速ミキサー処理を、周速20m/s、15秒間とし、粘度を120mPa・s、塗料固形分を40質量%、分散粒子径を1.8μmとした以外は、実施例2と同様に実施した。
実施例12
塗料化工程において、粉末状触媒前駆体1を13.3g、バインダー16.6g、溶媒1.1g、高分子界面活性剤4.0gとし、塗料固形分48質量%、粘度を185mPa・sとした以外は、実施例2と同様に実施した。塗料の分散粒子径は表1に記載した通りである。
実施例13
乾燥工程において、繊維構造体の上下をそれぞれ前記PTFEコーティングされたステンレス製のプレートで拘束し、120℃で5分間、0.5MPaの圧力で熱プレス(LaboPressP2−30T、株式会社東洋精機製作所製)して、圧縮比(圧縮前の厚み/圧縮後の厚み)1.3で細孔容量調整した以外は、実施例2と同様に実施した。
実施例14
乾燥工程における圧縮比を2で細孔容量調整した以外は、実施例13と同様に実施した。
実施例15
製造例1で得た粉末状触媒前駆体1を36g、バインダーとしてシリカゾル(スノーテックス(登録商標)ST−20、日産化学工業株式会社製、固形分濃度20質量%)45g、溶媒として脱イオン水58.5g、イソプロピルアルコール10.5gを、250mLのポリ容器(1−4658−04アズワン株式会社製)に封入し、試験用分散機(JIS K5101−1−2に準拠、株式会社東洋精機製作所)を用い、分散媒体として直径0.8mmのチタニアビーズ160gを用いて30分間処理し、触媒前駆体を含む固形分30質量%の触媒前駆体塗料を得た。触媒前駆体とバインダーの固形分質量比率は、80/20であった。この触媒前駆体塗料は、レーザー回折法による粒度分布を測定したとき、最大ピークは1μmであった。塗料粘度は表1に記載した通りである。
含浸工程における繊維シートをカルシア−マグネシア−シリカ繊維からなるシート(スーパーウール607、新日本サーマルセラミックス株式会社製、20mm×5mm、厚み1.0mm、かさ密度210kg/m、細孔径58μm、単位質量あたりの細孔容量3.6mL/g、空隙率72%)を用い、形状加工工程における繊維シートのサイズを10mm×2.5mm、厚み1.0mm、とした以外は、実施例1と同様に実施した。
比較例1
実施例1と同様に実施したが、塗料化工程において予備混合まで実施し微粒子化を行わなかった。塗料の分散粒子径が約170μmと大きく、粘度も600mP・sを超えたため、含浸工程以下が実施できなかった。
比較例2
実施例4と同様に実施したが、乾燥工程の前に幅70mm、直径35mmのPTFE製ロール(EA523M−2株式会社エスコ製)を用い、9.8Nの荷重を付加した状態で繊維構造体の一端から他端に向かい移動させて溶媒を除去した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表に記載した通りである。
比較例3
塗料除去を行わず、乾燥工程を25℃で12時間かけて行った以外は、実施例2と同様に実施した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表に記載した通りである。
比較例4
実施例2と同様に実施したが、塗料化工程の固形分を脱イオン水で10質量%とし、粘度を1mP・s未満とした以外は、実施例2と同様に実施した。
比較例5
塗料化工程において、粉末状触媒前駆体16.8g、バインダーとしてシリカゾル(スノーテックス(登録商標)ST−40、日産化学工業株式会社製、固形分濃度40質量%)10.5g、溶媒2.7g、高分子界面活性剤5.0gとし、塗料全体に対する触媒前駆体とバインダーの固形分を60質量%とした以外は、実施例1と同様に実施したが、塗料粘度が600mP・sを超え、微粒子化も行えなかったため、含浸工程以下が実施できなかった。
比較例6
薄膜旋回型高速ミキサー処理を、周速20m/s、15秒間とし、粘度を70mPa・s、分散粒子径を2.6μmとした以外は、実施例1と同様に実施した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表に記載した通りである。
比較例7
薄膜旋回型高速ミキサー処理を、周速10m/s、15秒間とし、粘度を40mPa・s、分散粒子径を4.4μmとした以外は、実施例1と同様に実施した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表に記載した通りである。
比較例8
高分子界面活性剤の量を7質量%とし、粉末状触媒前駆体11.2g、バインダーとしてシリカゾル(スノーテックス(登録商標)ST−20、日産化学工業株式会社製、固形分濃度20質量%)14.0g、溶媒として脱イオン水7.8g、分散剤として高分子界面活性剤(カオーセラ(登録商標)2100、花王株式会社製)2.0gを使用した以外は実施例1と同様に実施した。塗料の分散粒子径と塗料粘度は表に記載した通りである。
表1に、実施例及び比較例における製造方法の相違をまとめて示す。用いた繊維構造体MCペーパー(日本板硝子株式会社製)、イソウール(登録商標)1260エースペーパー(イソライト工業株式会社製)、スーパーウール607(新日本サーマルセラミックス株式会社製)をそれぞれ、MCP、AP、SWと表記した。また得られた触媒繊維構造体についての触媒金属化合物及びバインダーの担持量、最大ピークの細孔径、最大ピークの細孔径における細孔容量を、内部への触媒金属化合物及びバインダーの担持に関する以下の評価と共に示す。
実施例及び比較例で得られた触媒繊維構造体の担持状態の確認を、断面観察によって行った。実施例2を例に取って説明すると、得られた画像(図7)を2値化処理し、触媒金属化合物及びバインダーが担持された部位と、空隙が存在する部位とを分離した。得られた画像を触媒繊維構造体の厚み方向に3分割し、空隙の比率をそれぞれ算出したところ、上部29%、中部35%、下部27%であった。各部位の最大値と最小値の差は8%であり、触媒繊維構造体の厚み方向に対し、均一に担持されていることが確認できた。同様に均一な担持が確認できた場合の評価を○で示す。
同様に、比較例2で得られた触媒繊維構造体の画像(図8)において空隙率を比較すると上部38%、中部74%、下部65%であった。最大値と最小値の差は36%であり触媒繊維構造体内部に空隙の不均一が生じており、触媒金属化合物及びバインダーが均一に担持されていないことが確認できた。このような場合の評価を×で示す。本発明の製造方法によって得られた触媒繊維構造体は、構造体内部まで均一に触媒金属化合物及びバインダーが担持されていることが分かる。これらの結果を表2に示す。表2の項目中、不均一度は、[(最大値と最小値の差)/空隙割合]×100を意味する。
触媒繊維構造体の強度を、触媒繊維構造体に溶媒中で超音波振動を加えることで疑似的に負荷を与え、負荷の前後の質量を比較することにより評価した。25mm×50mmの触媒繊維構造体の質量をあらかじめ測定し、触媒繊維構造体をガラス瓶(PYREX(登録商標)No.1395 100mL、φ55×80mm、Corning Inc.製)に入れ、アセトン100g中に浸漬した。ガラス瓶2本を超音波洗浄機(SU−6TH、柴田科学株式会社製)に設置し、周波数28kHzの超音波振動を30分間付与した。30分後に触媒繊維構造体を取り出し、120℃送風下で30分間乾燥し、乾燥後に質量を測定した。超音波振動付与前後の質量差から、脱落率を評価した。(超音波振動付与前の質量―超音波振動付与後の質量)/測定前の質量=脱落率)。実施例1で得られた触媒繊維構造体を評価すると1.3%であった。比較例7で得られた触媒繊維構造体では12.7%であった。本発明の製造方法によって製造された触媒繊維構造体は触媒金属化合物及びバインダーが構造体に強固に担持されており、使用中の脱落が少ないと考えられる。
実施例2で得られた触媒繊維構造体を以下のように活性化し、油脂中の硫黄化合物の分解反応に用いることによって触媒繊維構造体の性能を評価した。
<気相還元>
触媒繊維構造体を雰囲気炉(MBA−2040D−SP、株式会社モトヤマ製)を用いて、450℃、4%水素雰囲気下で5時間処理し、続いて25℃、1%酸素雰囲気下で8時間処理し、気相還元を行った。
<液相還元>
触媒繊維構造体中のNi金属量が0.3gとなるように500mLのオートクレーブに実施例2の触媒繊維構造体を0.9g充填し、ラウリルアルコール200g中で、200℃、1.0MPa水素雰囲気下、オートクレーブ撹拌数900rpm、2時間、液相還元処理を実施した。
<分解反応>
容量500mLのオートクレーブ中に、Ni金属量が0.3gとなるように液相還元を行った触媒繊維構造体0.9gを充填し、原料にはパーム核油の原油を用い、170℃、2.0MPa、水素流量5NL/分、4時間で反応を行った。反応終了時における硫黄化合物濃度(到達硫黄化合物濃度)を求めて評価した。なお、使用した原料の硫黄化合物濃度は3.5ppmである。
反応物中の硫黄化合物量(到達硫黄化合物濃度)は、低濃度硫黄分析計(9000LLS、ANTEK、PAC L.P.製)を用い、燃焼温度を1050℃とし、UV検出器の電圧を840Vに設定して分析を行い測定した。4時間経過後の硫黄化合物濃度は0.2ppmであり、触媒として良好な性能を示した。
<固定床での分解反応>
実施例15で得られた触媒繊維構造体を、充填部分の見掛けの体積が12mLとなるように内径13mmの反応管に充填し、固定床連続方式で脂肪酸エステル(硫黄濃度=2.6ppm)の脱硫実験を行った。原料には、精製パーム核油を用い、反応条件は20MPa、155℃、原料流量:54g/h、水素流量:132NL/hとした。活性触媒金属質量当たりの脱硫活性を以下のように定義した。
脱硫活性=Log{(脱硫処理前の硫黄濃度)/(脱硫処理後の硫黄濃度)}/(充填Ni質量/充填部分の見掛けの体積) ここで「Log」は自然対数を表す。単位Ni量当たりの初期活性は32.3であるのに対し、1500g−原料/g−Ni通液後の単位Ni量当たりの活性は22.4と、69.3%の活性の残存率を示した。

Claims (11)

  1. 以下の(1)〜(5)の工程を有する触媒繊維構造体の製造方法:
    (1)触媒金属化合物又は触媒前駆体と無機バインダーと溶媒とを混合する工程
    (2)得られた混合物を粉砕処理して、メディアン粒子径が2μm以下、粘度が10mPa・s以上、200mPa・s以下の触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料を得る工程、
    (3)得られた触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料に繊維構造体を含浸して繊維構造体の空隙を触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料で満たす工程、
    (4)得られた触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料で満たされたまま繊維構造体を前記溶媒の沸点以上の温度で加熱乾燥する工程、及び
    (5)乾燥後の触媒金属化合物又は触媒前駆体が付着した繊維構造体を前記無機バインダーの脱水温度以上の温度に加熱焼成して触媒繊維構造体を得る工程。
  2. 触媒金属化合物又は触媒前駆体が、粉末状の触媒金属が多孔性材料に担持されたものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 無機バインダーが、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、及びセリアから選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 繊維構造体が、金属酸化物繊維、ガラス繊維、及び炭素繊維から選ばれる少なくとも1種からなる繊維シートである、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 繊維構造体の空隙率が30%以上、99%以下である、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 繊維構造体の単位質量当たりの細孔容量が0.1mL/g以上、10mL/g以下である、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 触媒繊維構造体の単位体積当たりの触媒金属化合物及びバインダーの担持量が0.05g/mL以上である、請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 含浸後、繊維構造体表面に付着している余剰触媒塗料を除去する工程を含む、請求項1から7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 加熱乾燥時に繊維構造体を圧縮し、圧縮比(圧縮前の見かけの体積/圧縮後の見かけの体積)が1.0より大きく、2.5以下である、請求項1から8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 触媒金属化合物又は触媒前駆体の塗料が、界面活性剤を含む、請求項1から9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 触媒金属化合物又は触媒前駆体とバインダーの合計量中、触媒金属化合物又は触媒前駆体が70質量%以上90質量%以下であり、バインダーが10質量%以上30質量%以下である、請求項1から10のいずれかに記載の製造方法。
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