以下、本発明の炊飯器に係る好ましい実施形態について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、第一実施形態における炊飯器を示している。同図において、1は有底状の本体、2は本体1の上面開口を開閉自在に覆う蓋体で、これらの本体1と蓋体2とにより、炊飯器の外郭が形成される。本体1は、上面を形成する上枠3と、側面から底面を形成する外枠4とにより外観を構成しており、後述する鍋11を着脱可能に収容するために、上面を開口した鍋収容部5が形成される。鍋11は、蓋体2を開閉することにより鍋収容部5から取り出せるようになっている。
鍋11は、熱伝導性の良いアルミニウムを主材12とし、フェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体13が、主材12の外面の側部下部から底部にかけて接合してある。鍋11は、米や水などの被炊飯物を収容するために有底筒状に形成され、その上端周囲には、外周側に延出する円環状のフランジ部14が形成される。フランジ部14は、鍋収容部5に鍋11を収容したときに上枠3の上面に載置され、鍋収容部5と鍋11との間に隙間を形成した状態で、鍋11が鍋収容部5に吊設されるようになっている。
鍋収容部5は、椀状で樹脂製の内枠6や、金属製の内枠リング7などを組み合わせて構成され、全体が有底筒状に形成される。鍋11の外側面に対向する内枠リング7の外面には、加熱手段の一例としてコードヒータを用いた胴ヒータ8を備えている。また、鍋11の側面下部から底面に対向する内枠6の外面には、鍋11の発熱体13を電磁誘導加熱する加熱手段として、加熱コイル9を備えている。加熱コイル9の外周には、当該加熱コイル9を覆うように椀状のコイルカバー15が設けられている。また本体1の内部には、加熱コイル9に高周波電流を供給する加熱コイル駆動手段としての加熱基板組立16と、加熱基板組立16を冷却するファンモータ17がそれぞれ配設される。
内枠6の底部中央部には、鍋11の外面底部と弾発的に接触するように、鍋温度検出手段としての鍋温度センサ21が配設される。鍋温度センサ21は、鍋11の温度を検知するもので、加熱コイル9による鍋11の底部の加熱温度を主に温度管理する構成となっている。
蓋体2の前方上面には、蓋開ボタン23が露出状態で配設されており、この蓋開ボタン23を押すと、本体1と蓋体2との係合が解除され、本体1の上部後方に設けたヒンジバネ(図示せず)により、ヒンジ軸24を回転中心として蓋体2が自動的に開く構成となっている。
蓋体2は、その上面外殻をなす外観部品としての外蓋27と、蓋体2の下面を形成する放熱板28と、外蓋27および放熱板28を結合させて、蓋体2の骨格を形成する蓋ベース材としての外蓋カバー29とを主たる構成要素としている。また、蓋開ボタン23の後方には、外蓋27に収納される表示部や操作部を覆うようにして操作パネル31が配設される。蓋体2の内部にあって、放熱板28の上面には、蓋加熱手段としての蓋ヒータ32が設けられている。この蓋ヒータ32は、コードヒータなどの電熱式ヒータや、電磁誘導加熱式による加熱コイルでもよい。
蓋体2の上部に設けられている操作パネル31の内側には、時間や選択したメニューなどを表示するLCD(液晶ディスプレイ)や、行程を表示するLED(発光ダイオード)などの表示部の他に、各種スイッチなどの操作体を配置した基板が、表示基板組立33として配設される。
放熱板28の下側には、蓋体2の下部部材としての内蓋組立体35が着脱可能に設けられる。この内蓋組立体35は、鍋11の上方開口部とほぼ同径の円盤状を有し、ステンレスやアルミニウムをアルマイトした金属製の内蓋37と、鍋11と内蓋37との間をシールするために、当該内蓋37の外側全周に設けられ、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性部材からなる蓋パッキン38と、蓋パッキン38を内蓋37の外側全周に装着するための内蓋リング39と、鍋11の内圧力を調整する調圧部41とを備えている。環状に形成された蓋パッキン38は、蓋体2を閉じた時(蓋閉時)に、鍋11のフランジ部14上面に当接して、この鍋11と内蓋37との間の隙間を塞ぎ、鍋11から発生する蒸気を密閉するものである。
前記放熱板28には、蓋体2の特に内蓋37の温度を検知する蓋温度検知手段として、蓋ヒータ32による内蓋37の温度管理を行なうためのサーミスタ式の蓋温度センサ(図示せず)が設けられている。また、蓋体2の上面後方寄り部には、蓋体2の上面側から着脱可能な蒸気口43が設けられる。蒸気口43と調圧部41は蓋体2の内部で連通しており、これらを含めて蓋体2の内部には、鍋11内で発生した蒸気を外部へ放出する通路としての蒸気排出経路44が形成される。
前記調圧部41は、鍋11の内部と蒸気口25との間の蒸気通路31を開閉する調圧弁46が設けられる。この調圧弁46はボール状で、蓋体2の内部に設けたソレノイド47と連動し、鍋11内の蒸気を外部へ放出する場合には蒸気排出経路44を開放し、鍋11内を加圧または減圧状態にする場合には蒸気排出経路44を閉塞するように、ソレノイド47が調圧弁46を転動させる。そして加圧時には、加熱コイル9への高周波通電により鍋11内の被炊飯物が加熱され、鍋11の内圧が所定値に達すると、調圧弁46の自重に抗して蒸気排出経路44を開放することで、鍋11内の圧力を大気圧以上に維持する構成となっている。
次に、本実施形態で用いられる電気発生手段について、図2を参照して詳しく説明する。同図において、51はゼーベック効果により熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であり、これは一側の受熱部51aと他側の放熱部51bとの間に生じる温度差により、電気エネルギーとなる起電力を発生するものである。ここでの熱電素子51は、加熱コイル9を覆っているコイルカバー15の一部を貫通して本体1の内部に配設され、加熱コイル9を直接受熱するように、当該加熱コイル9に受熱部51aを当接して設置する一方で、本体1の内部に設けたファンモータ17からの送風経路52に、放熱部51bを露出させて配置している。
送風経路52は熱電素子51の設置のし易さを考慮して、コイルカバー15の外側に沿って設けられている。また、加熱基板組立16やファンモータ17の収容空間53に連通する通気孔54が、送風経路52の一端に開口形成され、本体1の外部に連通する別の通気孔55が、送風経路52の他端に開口形成される。送風装置となるファンモータ17は、何れも図示しないが駆動源となるモータ部と回転可能なファンを備えており、モータ部を通電してファンを回転させ、ファンモータ17を駆動すると、本体1外部からファンモータ17に吸い込まれた冷却風が、収容空間53から加熱基板組立16に送り出されると共に、送風経路52を通して熱電素子51の放熱部51bに沿って流れ、通気孔55から本体1の外部に排出される構成となっている。
表示基板組立33には、熱電素子51で発生した電気エネルギーを蓄える蓄電手段として蓄電池57が設置される。蓄電手段は他にコンデンサなどを用いてもよく、また表示基板組立33以外の箇所に設置してもよい。
前記加熱基板組立16には、マイクロコンピュータ(マイコン)などで構成される制御手段61が搭載される。制御手段61は、鍋温度センサ21や蓋温度センサからの各温度検知信号と、操作部からの操作信号を受けて、炊飯時および保温時に鍋11を加熱する胴ヒータ8や加熱コイル9と、蓋体2を加熱する蓋ヒータ32を各々制御すると共に、前述したソレノイド47の動作を制御し、さらには表示部の表示を制御するものである。特に本実施形態の制御手段61は、鍋温度センサ21の検知温度に基いて主に加熱コイル9を制御して鍋11の底部を温度管理し、蓋温度センサの検知温度に基いて主に蓋ヒータ32を制御して、被炊飯物に対向する内蓋37を温度管理するようになっている。
また制御手段61は、記憶手段(図示せず)に記憶されたプログラムの制御シーケンス上の機能として、操作部からの炊飯開始の指示を受けて、鍋11に投入した米の吸水を促進させるひたしと、被炊飯物の温度を短時間に沸騰まで上昇させる加熱と、被炊飯物の沸騰状態を継続させる沸騰継続と、被炊飯物をドライアップ状態のご飯に炊き上げる炊き上げと、ご飯を焦がさない程度の高温に維持するむらしの各行程を順に実行して、内釜6内部の被炊飯物に対する加熱を制御する炊飯制御手段と、鍋11内部のご飯を所定の保温温度に保つように制御する保温制御手段と、をそれぞれ備えている。
次に、上記構成についてその作用を説明する。本体1に対して蓋体2を開けた状態で、被炊飯物となる米や水を入れた鍋11を鍋収容部5に装着し、蓋体2を再び閉じる。そして、操作パネル31を介して操作部を押動操作して、炊飯開始を指示すると、制御手段61は、炊飯制御手段によるひたしからむらしに至る一連の炊飯行程と、その後の保温制御手段による保温行程を順に実行するために、胴ヒータ8や加熱コイル9の他に、蓋ヒータ32やソレノイド47の動作を各々制御し、さらには表示基板組立33に搭載した表示部の表示を制御する。
上記一連の動作で、特に炊飯時には、加熱基板組立16から加熱コイル9に高周波電流が供給されることにより、鍋11に設けた発熱体13が発熱して、鍋11内の被炊飯物が加熱されるが、このとき加熱コイル9が発熱すると同時に、熱電素子51の受熱部51aも熱くなり、受熱部51aと放熱部51bとの間に温度差が生じる。特に本実施形態では、加熱コイル9からの熱を受熱部51aで直接受けると共に、ファンモータ17の駆動によって、ファンモータ17から送風経路52に流れる冷却風が放熱部51bに直接当たることで、受熱部51aと放熱部51bとの間に大きな温度差が生じ、それにより熱電素子52から効率よく電気エネルギーが発生して、その電気エネルギーを蓄電池57に蓄えることができる。
そして、炊飯が終了すると保温状態に移行するが、蓄えられた電気エネルギーは、蓄電池57と同じ表示基板組立33に搭載されたメニューを表示するLCDや、行程を表示するLEDに使用され、保温時における消費電力量を減らすことができる。また、予約した時刻に炊飯を開始または鍋11内の被炊飯物を炊き上げる炊飯予約時の待機状態で、蓄電池57に蓄えられた電気エネルギーを使用して、予約設定から炊飯開始までの待機電力をゼロにすることも可能である。
従来の炊飯器では、省エネ性能向上を目的として、炊飯時における被炊飯物への加熱量を減らし、消費電力量を下げることは、食味の低下につながる恐れがあった。しかし本実施形態では、炊飯時に外部に排出している熱エネルギーを、熱電素子51で電気エネルギーに変換して回収し、蓄電池57に一時的に蓄えて利用することで、炊飯時の加熱量を下げることなく、すなわち食味を低下させることなく、炊飯器として省エネ性能を向上させることが可能になる。
一例として、熱電素子51の放熱部51aと受熱部51bとの間の温度差は50℃程度となる。この温度差を利用して、熱電素子51は必要な電気エネルギーを生成することができる。
図3は、本実施形態に関連する別な第一変形例を示したものである。同図において、本例でも加熱コイル9の発生熱を受熱部51aで受熱するように、熱電素子51を本体1の内部に設置しており、特に熱電素子51の放熱部51bが本体1の外側に露出するように、外枠4の形状を一部変更している。また、ここでの受熱部51aは、加熱コイル9に対向するコイルカバー15の外面に接触しているが、図1や図2で示したように、加熱コイル9に直接接触した構造でも構わない。
そして本例では、炊飯時に加熱コイル9が発熱すると同時に、熱電素子51の受熱部51aに間接的に熱が伝わって、受熱部51aと放熱部51bとの間に温度差が生じる。特に放熱部51bは常に外気に晒されるので、加熱コイル9が発熱すれば、ファンモータ17の駆動に左右されることなく、受熱部51aと放熱部51bとの間の温度差を大きく確保できる。したがってこの場合も、熱電素子52から効率よく電気エネルギーが発生して、その電気エネルギーを蓄電池57に蓄えることができる。
以上のように本実施形態は、被炊飯物を収容する鍋11と、鍋11を収容する本体1と、鍋11を加熱する加熱手段としての加熱コイル9と、を備えた炊飯器において、受熱部51aと放熱部51bとを有し、受熱部51aと放熱部51bとの間に生じる温度差により電気エネルギーを発生する熱電素子51を備え、加熱コイル9の発生熱を受熱部51aで受熱するように、熱電素子51を本体1の内部に設置している。
この場合、加熱コイル9からの発熱に伴い、熱電素子51の受熱部51aと放熱部51bとの間に温度差が生じるため、熱電素子51により熱エネルギーを電気エネルギーに変換して利用することが可能になる。したがって炊飯器として、熱電素子51を利用した新たな省エネ性能の向上手段を実現できる。
また図1や図2で示したように、熱電素子51の受熱部51aを加熱コイル9に接触させることで、加熱コイル9からの熱を熱電素子51の受熱部51aに直接速やかに伝えることが可能となる。
また図3で示したように、加熱コイル9を覆うカバーとしてのコイルカバー15を備え、熱電素子51の受熱部51aをコイルカバー15に接触させてもよい。
この場合、コイルカバー15に穴などを開けることなく、必要最小限の設計変更で、加熱コイル9からの熱を熱電素子51の受熱部51aに伝えることが可能となる。
また図3で示したように、熱電素子51の放熱部51bを本体の外部に露出させてもよい。
この場合は、熱電素子51の放熱部51bを常に外気に晒すことで、受熱部51aと放熱部51bとの間の温度差を大きくし、熱電素子51により効率よく電気エネルギーを発生させることが可能になる。
また図1や図2で示したように、熱電素子51の放熱部51bをファンモータ17の送風経路52に設置してもよい。
この場合は、ファンモータ17の駆動によって送風経路52に流れる冷却風が放熱部51bに直接当たることで、受熱部51aと放熱部51bとの間の温度差を大きくし、熱電素子51により効率よく電気エネルギーを発生させることが可能になる。
さらに本実施形態では、熱電素子51からの電気エネルギーを蓄えることが可能な蓄電手段として、蓄電池57やコンデンサを備えている。また、メニューや行程を表示する表示部を備え、保温に移行すると、蓄電手段に蓄えられたエネルギーを表示部に使用する構成となっている。
この場合、熱電素子51からの電気エネルギーを蓄電手段で一時的に蓄えて利用することができ、蓄えられたエネルギーは、メニューや行程を表示する表示部に使用され、保温時における消費電力量を減らすことができる。
さらに蓄電池57と表示部は、同じ基板である表示基板組立33に搭載される。この場合、蓄えられた電気エネルギーは、蓄電池57と同じ表示基板組立33に搭載されたメニューや行程を表示する表示部に使用され、保温時における消費電力量を減らすことができる。
次に、図4〜図9を参照しながら、第一実施形態における種々な変形例を説明する。なお、図4〜図9は何れも炊飯器の一部を示しているが、それ以外の部分については、他の実施形態の別な図に示した構成を適用できる。
第二変形例を示す図4において、ここでは鍋11の発生熱を受熱部51aで受熱するように、熱電素子51が本体1の内部に設置される。具体的には、熱電素子51は加熱コイル9が配置されていない内枠6の中間部分に装着され、受熱部51aが鍋11の発熱体13に臨んでいると共に、放熱部51bが本体1の内部空間に臨んで配置される。熱電素子51の受熱部51aと鍋11の発熱体13外面との間には僅かな隙間が形成されるが、熱伝導性をより高くするために、双方を接触させてもよい。何れにせよ熱電素子51は、鍋11を収容する鍋収容部5の内部に受熱部51aが配置され、鍋収容部5の外部に放熱部51bが配置される。
そして本例では、炊飯時や保温時に、加熱コイル9からの交番磁界によって鍋11の発熱体13が発熱すると同時に、熱電素子51の受熱部51aも熱くなり、当該受熱部51aと本体1の内部空間に晒された放熱部51bとの間に温度差が生じる。これにより、熱電素子52から電気エネルギーが発生して、その電気エネルギーを蓄電池57に蓄えることができる。
また図5に示す第三変形例は、熱電素子51の放熱部51bを、本体1の内部に設けたファンモータ17からの送風経路52に露出させて配置している。送風経路52は熱電素子51の設置のし易さを考慮して、内枠6に近接して設けられている。またここでも、加熱基板組立16やファンモータ17の収容空間53に連通する通気孔54が、送風経路52の一端に開口形成され、本体1の外部に連通する別の通気孔55が、送風経路52の他端に開口形成される。そしてファンモータ17を駆動すると、本体1外部からファンモータ17に吸い込まれた冷却風が、収容空間53から加熱基板組立16に送り出されると共に、送風経路52を通して熱電素子51の放熱部51bに沿って流れ、通気孔55から本体1の外部に排出される構成となっている。その他の構成は、第二変形例で説明したものと共通する。
本例でも、炊飯時や保温時に鍋11の発熱体13が発熱すると同時に、熱電素子51の受熱部51aも熱くなり、当該受熱部51aと放熱部51bとの間に温度差が生じる。特に本例では、ファンモータ17の駆動に伴い、当該ファンモータ17から送風経路52に流れる冷却風が放熱部51bに直接当たることで、受熱部51aと放熱部51bとの間に大きな温度差が生じ、それにより熱電素子52から効率よく電気エネルギーが発生して、その電気エネルギーを蓄電池57に蓄えることができる。そしてこれらの各変形例でも、蓄電池57に蓄えられた電気エネルギーを使用して、保温時における消費電力量を減らしたり、予約設定から炊飯開始までの待機電力をゼロにしたりすることができる。
このように、図4や図5に示す変形例では、鍋11の発生熱を受熱部51aで受熱するように、熱電素子51が本体1の内部に設置される。そのため、鍋11の発熱に伴い、熱電素子51の受熱部51aと放熱部51bとの間に温度差が生じ、熱電素子51により熱エネルギーを電気エネルギーに変換して利用することが可能になる。したがって、これらの変形例でも、炊飯器として熱電素子51を利用した新たな省エネ性能の向上手段を実現できる。
また、図5に示す第三変形例では、熱電素子51の放熱部51aにファンモータ17からの冷却風を直接当てるように、本体1の内部に送風経路52を設置している。
この場合、ファンモータ17の駆動によって送風経路52に流れる冷却風が放熱部51bに直接当たることで、受熱部51aと放熱部51bとの間の温度差を大きくし、熱電素子51により効率よく電気エネルギーを発生させることが可能になる。
さらに、図4や図5に示す各変形例に共通して、熱電素子51からの電気エネルギーを蓄えることが可能な蓄電手段として、蓄電池57やコンデンサを備えている。そのため、熱電素子51からの電気エネルギーを蓄電手段で一時的に蓄えて利用することで、予約炊飯時の待機状態などに待機電力を少なくすることができる。
次に、熱電素子51を本体1にではなく、蓋体2の内部に設けた例を、第四変形例〜第七変形例としてそれぞれ説明する。
図6に示す第四変形例では、蓋体2の内部に形成された蒸気排出経路44上に、熱電素子51の受熱部51aを配置する一方で、蓋体2の内部空間に熱電素子51の放熱部51bを配置する。より具体的には、ここでの熱電素子51は、鍋11内から調圧部41に侵入する蒸気熱をすぐに受けることができるように、調圧部41に臨む蒸気排出経路44の外面部に受熱部51aを接触させており、受熱部51aと放熱部51bとの温度差に応じた電気エネルギーを生成して、その電気エネルギーを蓄電池57で蓄える構成となっている。また、蓋体2の内部には、被炊飯物を収容した鍋11内を、蓋閉時に大気圧よりも低く減圧する減圧手段としての真空ポンプ63なども配設される。真空ポンプ63の個数は限定されず、また、真空ポンプ63を蓋体2にではなく、本体1の内部に設けてもよい。
そして本例では、炊飯時に鍋11が加熱されるのに伴い、被炊飯物が沸騰して鍋11内で蒸気が発生すると、蒸気排出経路44内に侵入した蒸気熱により蒸気排出経路44が熱くなると同時に、熱電素子51の受熱部51aも熱くなり、受熱部51aと放熱部51bとの間に温度差が生じる。これにより、熱電素子52から電気エネルギーが発生して、その電気エネルギーを蓄電池57に蓄えることができる。
また、図7に示す第五変形例は、熱電素子51の受熱部51aが、蒸気排出経路44の蒸気を直接受熱できるように、蒸気排出経路44内に受熱部51aを露出させて配置している。その他の構成は、第四変形例で説明したものと共通する。
本例でも、炊飯時に鍋11が加熱されるのに伴い、被炊飯物が沸騰して鍋11内で蒸気が発生すると、蒸気排出経路44内に侵入した蒸気熱により蒸気排出経路44が熱くなると同時に、熱電素子51の受熱部51aも熱くなり、受熱部51aと放熱部51bとの間に温度差が生じる。特に本例では、鍋11内から蒸気排出経路44に侵入する蒸気熱が受熱部51aに直接当たることで、受熱部51aと放熱部51bとの間に大きな温度差が生じ、それにより熱電素子52から効率よく電気エネルギーが発生して、その電気エネルギーを蓄電池57に蓄えることができる。そしてこれらの各変形例でも、蓄電池57に蓄えられた電気エネルギーを使用して、保温時における消費電力量を減らしたり、予約設定から炊飯開始までの待機電力をゼロにしたりすることができる。
このように、図6や図7に示す変形例では、炊飯中に鍋11内の被炊飯物から発生する熱を、蒸気排出経路44から受熱部51aで受熱するように、熱電素子51を設置している。そのため、鍋11の発熱に伴い、熱電素子51の受熱部51aと放熱部51bとの間に温度差が生じ、熱電素子51により熱エネルギーを電気エネルギーに変換して利用することが可能になる。したがって、これらの変形例でも、炊飯器として熱電素子51を利用した新たな省エネ性能の向上手段を実現できる。
また、図7に示す第五変形例では、蓋体2内部の蒸気排出経路44の蒸気に直接触れて受熱できるように、熱電素子51の受熱部51aを設置している。
この場合、鍋11内から蒸気排出経路44に侵入する蒸気熱が、熱電素子51の受熱部51aに直接当たることで、受熱部51aと放熱部51bとの間の温度差を大きくし、熱電素子51により効率よく電気エネルギーを発生させることが可能になる。
また、図6や図7に示す各変形例に共通して、熱電素子51からの電気エネルギーを蓄えることが可能な蓄電手段として、蓄電池57やコンデンサを備えている。そのため、熱電素子51からの電気エネルギーを蓄電手段で一時的に蓄えて利用することで、予約炊飯時の待機状態などに待機電力を少なくすることができる。
さらに別な変形例として、図8に示す第六変形例では、内蓋組立体35を蓋体21の下側に装着した状態で、内蓋37と蓋体21の外蓋カバー29との間に内蓋空間64を形成し、内蓋空間64を介して内蓋37からの熱を受熱部51aで受けるように、内蓋37と受熱部51aとを直接対向させて、熱電素子51を外蓋カバー29に配置している。
これにより本例では、炊飯時に鍋11が加熱されるのに伴い、被炊飯物が沸騰して鍋11内で蒸気が発生すると、その蒸気が金属製の内蓋37に直接当たって、内蓋37のみならず内蓋空間64が熱くなると同時に、熱電素子51の受熱部51aも熱くなり、受熱部51aと放熱部51bとの間に温度差が生じる。これにより、熱電素子52から電気エネルギーが発生して、その電気エネルギーを蓄電池57に蓄えることができる。
また、図9に示す第七変形例では、蓋パッキン38や内蓋リング39が取り付けられる内蓋37の外周凸部に、上記内蓋空間64を設けることなく受熱部51aが直接触れるように、熱電素子51を外蓋カバー29に配置している。その他の構成は、第六変形例で説明したものと共通する。
本例でも、炊飯時に鍋11が加熱されるのに伴い、被炊飯物が沸騰して鍋11内で蒸気が発生すると、その蒸気が金属製の内蓋37に直接当たって、内蓋37が熱くなると同時に、熱電素子51の受熱部51aも熱くなり、受熱部51aと放熱部51bとの間に温度差が生じる。特に本例では、内蓋37からの熱を受熱部51aが直接受けることで、受熱部51aと放熱部51bとの間に大きな温度差が生じ、それにより熱電素子52から効率よく電気エネルギーが発生して、その電気エネルギーを蓄電池57に蓄えることができる。そしてこれらの各変形例でも、蓄電池57に蓄えられた電気エネルギーを使用して、保温時における消費電力量を減らしたり、予約設定から炊飯開始までの待機電力をゼロにしたりすることができる。
このように、図8に示す第六変形例では、鍋11内で発生する熱を蓋体21の下面に設けた内蓋37で受けて、内蓋37と蓋体21との間に形成した内蓋空間64を介して受熱部51aで受けるように、熱電素子51を蓋体21の内部に設置している。そのため、鍋11内の被炊飯物から発生する熱に伴い、熱電素子51の受熱部51aと放熱部51bとの間に温度差が生じ、熱電素子51により熱エネルギーを電気エネルギーに変換して利用することが可能になる。したがって、この変形例でも、炊飯器として熱電素子51を利用した新たな省エネ性能の向上手段を実現できる。
また、図9に示す第七変形例では、鍋11内で発生した熱を内蓋37から直接受熱できるように、熱電素子51の受熱部51aを内蓋37に接触させて設置している。
この場合、鍋11内から発生した熱を、熱電素子51の受熱部51aが内蓋37から直接受けることで、受熱部51aと放熱部51bとの間の温度差を大きくし、熱電素子51により効率よく電気エネルギーを発生させることが可能になる。
また、図8や図9に示す各変形例に共通して、熱電素子51からの電気エネルギーを蓄えることが可能な蓄電手段として、蓄電池57やコンデンサを備えている。そのため、熱電素子51からの電気エネルギーを蓄電手段で一時的に蓄えて利用することで、予約炊飯時の待機状態などに待機電力を少なくすることができる。
次に、本発明の第二実施形態について、図10を参照して詳しく説明する。なお、第一実施形態と共通する箇所には共通する符号を付し、重複する構成や作用効果の説明は極力省略する。また、図10で示していない炊飯器の各部の構成は、他の実施形態で説明したものをそのまま適用できる。
同図において、本実施形態では、第一実施形態で説明した絶縁体による操作パネル31の裏面にシート状の電極81を貼り付ける一方で、操作パネル31の表面に印刷などで表示された表示手段82が配設される。電極81はいわゆる静電容量方式のもので、操作パネル31の表面側から電極81に向けて指を近付けると、指と電極81との間に電流が流れて、静電容量が増加する。この静電容量の変化を、第一実施例で説明した表示基板組立33に出力すると、表示基板組立33に組込まれた検知部(図示せず)が、指による操作の有無を判断する構成となっている。
表示手段82は、使用者に電極81の位置を認識させる操作部として、操作パネル31に備えられている。特に本実施形態では、使用者が触ろうとする位置に対して、実際に触れる場所がずれるのを補正するために、表示手段82と電極81との位置をずらして、操作パネル31にそれぞれ取付けている。
この点について、従来の静電タッチセンサーでは、操作部となる表示手段82の直下に、表示手段82と同形状の電極81を貼り付ける構造が一般的であった。しかし、操作パネル31が垂直方向に取付けられている場合、人間の指の形状に起因して、触ろうとした場所よりも若干下を触ってしまう傾向があり、従来の構造では誤操作の原因となる可能性があった。
そこで本実施形態では、静電タッチセンサーによる使用者の誤操作を防止する目的で、絶縁体のパネルである操作パネル31に電極81を貼着し、この電極81の位置を認識させるために、操作パネル31に表示手段82を備えた静電タッチセンサーを有する炊飯器において、表示手段82に対して電極81を意図的にずらして配置している。これにより、表示手段82を頼りにして、使用者が実際に触る場所に電極81を配置することで、静電タッチセンサーによる使用者の誤操作を防止することが可能になる。
また本実施形態では、例えば図1に示したような蓋体2の上面に、操作パネル31を水平方向に設置した場合は、表示手段82に対して電極81を手前にずらして配置する。また、例えば本体1や蓋体2の正面に、操作パネル31を垂直方向に設置した場合は、表示手段82に対して電極81を手前にずらして配置する。これは、人間の指の形状に起因して、操作パネル31を水平方向に設置した場合は、ずれる方向が手前になり、操作パネル31を垂直方向に設置した場合は、ずれる方向が下方になるからであり、表示手段82に対する電極81のずらす方向を、指の形状に合わせることで、静電タッチセンサーによる使用者の誤操作を確実に防止できる。
次に、本発明の第三実施形態について、図11や図12を参照して詳しく説明する。本実施形態は、第一実施形態で説明した制御手段61に組み込まれる炊飯制御手段に関するものである。したがって、炊飯器の構成は、第一実施形態で示したものがそのまま適用できる。ここでも、第一実施形態と共通する箇所には共通する符号を付し、重複する構成や作用効果の説明は極力省略する。
鍋11内を大気圧よりも高い圧力に加圧する圧力式炊飯器において、前述した炊飯制御手段は、蒸気口43からの蒸気排出量を抑制するのに各部を制御する蒸気排出抑制手段を備えている。この蒸気排出抑制手段は、炊飯中に調圧弁46が蒸気排出経路44を閉塞するようにソレノイド47を動作させており、それにより鍋11内の蒸気を炊飯器の外部に出さないようにしている。
図11は、本実施例における鍋温度検出手段(鍋温度センサ21)の検出温度と、加熱手段(加熱コイル9)の加熱量との関係をグラフで示したものである。比較として、従来の炊飯時における鍋温度検出手段の検出温度と、加熱手段の加熱量との関係を、図12に示す。同図において、従来の炊飯制御手段は、鍋内の被炊飯物が沸騰した後の沸騰継続行程時に、一定の通電率Txで加熱手段を通断電して鍋への加熱を行ない、鍋温度検出手段の検出温度が設定した温度条件S0に到達すると、次行程である炊き上げに移行する制御を行なっていた。しかし、沸騰継続行程中は鍋温度検出手段の検出温度に拘らず、同じ加熱量で鍋への加熱が行われる結果、鍋内は加熱量過多になって内圧が上昇し、調圧部の設定圧以上の圧力になって調圧弁が開弁し、炊飯器の外部に蒸気を排出してしまう。そのため従来は、鍋内からの蒸気の排出を抑制するのが困難であった。
これに対して、本実施形態における炊飯制御手段は、図11に示すように、沸騰継続行程中に沸騰継続行程中に加熱コイル9をオンにする第1温度条件S1と、加熱コイル9をオフにする第2温度条件S2をそれぞれ設定し、鍋温度センサ21の検出温度が第1温度条件S1に低下したら加熱コイル9をオンにし、鍋温度センサ21の検出温度が第2温度条件S2に上昇したら加熱コイル9をオフにする制御を行なう。第1温度条件S1と第2温度条件S2は同じ設定値でもよく、その場合は鍋温度センサ21の検出温度が最1温度条件に低下または上昇したら、それに応じて加熱コイル9をオン或いはオフに切換える。つまり沸騰継続行程中に、鍋温度センサ21の検出温度に応じて鍋11への加熱量を可変する加熱制御を行なうことで、鍋12内部の温度を一定にして加熱量過多になるのを防止し、結果として調圧弁46が自重に抗して開弁するのを防いで、炊飯器外部への蒸気の排出を効果的に抑制できる。
また、本実施形態の炊飯制御手段は、沸騰継続行程を開始すると内蔵するタイマ手段(図示せず)で計時を開始し、その計時が予め設定した時間条件T0に到達すると、次行程である炊き上げに移行するように各部を制御している。これにより、沸騰継続行程を予め設定した時間条件T0で終了させ、次行程に確実に移行させることが可能になる。
以上のように本実施形態では、加熱コイル9やヒータにより鍋11内の被炊飯物を加熱する加熱手段と、加熱コイル9を制御して鍋11内の被炊飯物を炊飯したり保温したりする制御手段61と、炊飯や保温中に鍋11の上面開口を閉じる蓋体2と、蓋体2に備えた蓋加熱手段としての蓋ヒータ32と、鍋11の温度を検出する鍋温度検出手段としての鍋温度センサ21と、蓋体2の温度を検出する蓋温度検出手段としての蓋温度センサとを備え、蓋体2には蒸気口43が取り付けられており、鍋11内の圧力を調圧する手段として、蓋体2に調圧部41が設けられており、この調圧部41を利用して、蒸気口43への蒸気排出経路44を塞ぐことで、炊飯器外部への蒸気排出量を抑制する構成とした炊飯器において、炊飯加熱中の沸騰継続行程時に、鍋温度センサ21からの検出温度に基いて加熱コイル9を制御し、調圧部41が蒸気排出経路44を閉じた状態に維持するように、鍋11への加熱量を可変する構成を、制御手段61の炊飯制御手段に備えている。
この場合、沸騰継続行程中に炊飯制御手段が、鍋温度センサ21からの検出温度に基いて、鍋11への加熱量を適切に可変するように、加熱コイル9から鍋11への加熱を制御することで、蒸気口43から炊飯器外部への蒸気の排出を効果的に抑制することが可能になる。
また本実施形態では、予め設定された時間である時間条件T0に到達すると、沸騰継続行程を終了して次行程に移行するように、炊飯制御手段を構成している。これにより、沸騰継続行程を従来のような温度条件S0ではなく、予め設定した時間条件T0で終了させることで、次行程への確実な移行が可能になる。
次に、本発明の第四実施形態について、図13と図14を参照して詳しく説明する。ここでは、前記第一実施形態における炊飯器の変形例となるポンプ一体型の拡張室について説明するが、第一実施形態と共通する箇所には共通する符号を付し、重複する構成や作用効果の説明は極力省略する。
これらの各図において、蓋体2の内部には、略円筒状で電動式の真空ポンプ63が配設される。この真空ポンプ63の図示しない吸入口には、蓋閉時に鍋11の内部に連通可能な可撓性チューブによる吸気経路が連通接続される一方で、真空ポンプ63の排出口121には、炊飯器の外部に連通する可撓性チューブによる排気経路72が拡張室120を介して連通接続される。これにより、炊飯時や保温時に調圧弁46で蒸気排出経路44を閉塞した状態で、制御手段61からの制御信号により真空ポンプ63を動作させると、鍋11内部の気体が吸気経路から真空ポンプ63に吸込まれて、排気経路72から炊飯器の外部に排出され、結果的に鍋11の内部を大気圧よりも低い圧力に減圧することができる。
拡張室120は、真空ポンプ63の排出口121が設けてあるポンプカバー122を利用しており、当該ポンプカバー122と、ポンプカバー122によりその開口が覆われる有底状のカバー123と、により構成される。また本実施形態では、拡張室120からの気体の漏れを防ぐために、ポンプカバー122とカバー123との間にパッキン124を挟み込み、ねじ74により、カバー123を真空ポンプ63のポンプカバー122に取付け固定している。拡張室120の入口となる前記排出口121から出口125に音が到達しにくくなるように、前記排出口121は出口125と同一直線上に対向して配置せずに、上下方向にずらして配置される。
また、図13に示すように、真空ポンプ63の排出口121の先端よりも後方に、拡張室120の出口125の基端が位置していて、拡張室120内における排出口121から出口125に至る通路126の断面形状が略S字形状になっている。そして、前記出口125には透明または半透明なシリコンチューブからなる前記排気経路72が接続されている。また、前記出口125を構成する管状部127の内周面底部には、拡張室120内の水を排出方向へ案内する自然落下案内部128が、外方に向かって下方に傾斜する傾斜面として形成されている。
このように、拡張室120内の断面形状を略S字状にすることで、拡張室120の入口である排出口121から拡張室120の出口125に直接音が伝わらないので、拡張室120内での音の伝わりを低減させることができ、真空ポンプ63で発生したジュルジュル音をさらに低減させることが可能になる。
さらにまた、鍋11内の空気にはご飯からでる水蒸気が多く含まれるので、真空ポンプ63から空気が排出されるまでの間に水蒸気が結露し、真空ポンプ63の動作後に水が残留し易くなるが、本変形例では排出口121から拡張室120内に排出された水は矢印Мに示すように出口125の管状部127に導かれ、前記自然落下案内部128に沿って排気経路72へとスムースに導かれ、水の対流は抑制される。また、排気経路72は半透明なシリコンチューブからなるので、排気経路72内の水の残留状況を視認でき、部品交換の必要性の判断もできるから清潔で衛生的なものになる。
ところで従来の炊飯器は、鍋内の空気を真空ポンプで外部に排出し、酸化によるご飯の黄ばみや臭いを抑えて保温するものが知られているが、鍋内の空気には、ご飯から出る水蒸気が多く含まれているので、真空ポンプから炊飯器の外部に空気が排出されるまでの間に水蒸気が結露し、その結露水が真空ポンプを通過する。そのため、真空ポンプの動作後に、真空ポンプの出口に結露水が残留し、結果的に真空ポンプの動作音が増加する問題があった。
そこで本実施形態では、ご飯を収容して保温する内釜としての鍋11と、鍋11内を密閉可能にする内蓋37と、鍋11内の密閉空間の空気を吸込み可能なポンプとしての真空ポンプ63とを備えた炊飯器において、真空ポンプ63から炊飯器外部に至る空気排出経路となる排気経路72に、その断面積が排気経路72よりも大となる拡張室120を設け、拡張室120に入口である排出口121と出口125をそれぞれ設け、拡張室120の出口125に傾斜を設け、拡張室120内の残留水を自然傾斜落下させるような形状として、自然落下案内部128を備えている。
これにより、真空ポンプ63の動作後に、拡張室120内の残留水を自然落下案内部128から排気経路72に自然に導いて、拡張室120の出口125に結露水が残留するのを軽減することが可能となる。そのため、真空ポンプ63の動作時に、真空ポンプ63の音が増加しにくくなり、また、排気経路72をシリコンチューブのような半透明または透明な可撓性チューブとすることで、排気経路72に水が残留しても部品交換の要否が明確になり、使用者に清潔で衛生的な炊飯器を提供できる。
また、自然落下案内部128を拡張室120に設けるのに、拡張室120を含む真空ポンプ63の外形形状をそのままにして、外蓋カバー29内に拡張室120や真空ポンプ63を設けており、設置する外蓋カバー29の形状変更などを不要にして、最小限のスペースで拡張室120や真空ポンプ63を搭載することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば第一実施形態において、加熱コイル9若しくはコイルカバー15と熱電素子51の放熱部51aとの間に、熱伝導性を高めるためにサーマルコンパウンドなどの熱伝導材を介在させてもよい。この場合も、請求項でいう「接触する」という範囲に含まれる。また、各実施形態や変形例で説明した技術的な特徴を、適宜組み合わせた炊飯器としてもよい。