JP6420182B2 - パンタグラフの接触力変動低減方法及びパンタグラフ - Google Patents
パンタグラフの接触力変動低減方法及びパンタグラフ Download PDFInfo
- Publication number
- JP6420182B2 JP6420182B2 JP2015041172A JP2015041172A JP6420182B2 JP 6420182 B2 JP6420182 B2 JP 6420182B2 JP 2015041172 A JP2015041172 A JP 2015041172A JP 2015041172 A JP2015041172 A JP 2015041172A JP 6420182 B2 JP6420182 B2 JP 6420182B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- contact force
- pantograph
- control
- signal
- waveform
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Current-Collector Devices For Electrically Propelled Vehicles (AREA)
Description
前記制御器において、前記接触力信号のうち、信号強度の卓越した卓越周波数付近の信号成分の周波数とほぼ一致した位相同期波形をある位相φだけずらして遅延波形とした後、該遅延波形の信号のゲインAを調節して前記アクチュエータに複素振幅U(U=Ae jφ )を有する前記制御入力として出力するものであって、 前記位相φ及び前記ゲインA(両者を併せて制御パラメータという)を、接触力変動の制御パラメータに対する感度に応じて一定の時間間隔ごとに、前記制御入力の複素振幅Uの調整n回目の値U(n)を、接触力変動の複素振幅の過去2ステップ分の値Fcから、下式に基づいて逐次更新することによって、接触力変動をゼロNとする制御パラメータを探索して調整し、前記制御入力とすることを特徴とする;
。
8;主バネ、10;、接触力測定手段、13;空気圧アクチュエータ、
14;コントローラー
20;制御器、21;バンドパスフィルタ、22;位相同期回路、23;遅延要素、
24;アンプ、25;制御パラメータ調整部、
30;架線、31;吊架線、33;トロリ線、35;支持柱、37;ハンガ
まず、図3を参照して、電気車両に電力を供給する架線の構成の一例(シンプルカテナリ式)を説明する。架線30は、電気鉄道のレールに沿って配設されている。この例の架線30は、レールの横に所定の間隔で立設された支持柱35に支持される吊架線31と、吊架線31からハンガ37で吊り下げられているトロリ線33とを含む。支持点(柱)間隔Lsは、一例で40〜60m、ハンガ間隔Lhは、一例で5mである。このような架線30においては、トロリ線33の周期的なちょう架に起因する等価剛性の変動が存在する。すなわち、支持柱35やハンガ37の近辺ではトロリ線33の等価剛性が比較的高く、それらから離れた部位ではトロリ線33の等価剛性が比較的低い。この等価剛性の変動が、周期的なパンタグラフ接触力変動の要因である。
電車線やパンタグラフを高精度にモデル化することができれば、制御パラメータを事前に決定することができる。しかし、実際にはパンタグラフが非線形を有することや、非線形な空気力がパンタグラフに作用することなどから、制御パラメータを事前に決定することは困難である。そのため、本発明では反復計算によって制御パラメータを適応的に決定する。以下、はじめにフィードフォワード制御を用いたパンタグラフ接触力の制御手法について記す。次に、制御パラメータの自動調整手法について述べる。
前述のように、本実施形態では、架線の支持点到来周波数を有する次式の変位 x1で質点1を強制変位加振した際の接触力変動を制御量とする.
ただし X1は強制変位の振幅を表し、w は走行速度 vと支持点間隔 L によって式(2)のように表される支持点の到来周波数である。
ただし A は制御ゲイン、 φ は舟体に作用する外乱(強制変位や接触力)に対する位相差を表す。これらのうち A と φ とが自動調整の対象とする制御パラメータであり、次にこれらの自動調整手法について記す。なお、前述のように、舟体に作用する外乱の位相はPLLを用いて検出する。なお、PLLに基づく位相検出方法は、非特許文献5に詳述されている方法を用いた。
ただし H は制御入力を入力とし、質点1における接触力を出力とする伝達関数を表す。
次に、前述した制御パラメータの自動調整手法の妥当性検証を目的として実施したシミュレーションについて述べる。
ここでは、図2に示したパンタグラフの力学モデルを対象とした、シミュレーションの方法を示す。パンタグラフの各定数をm1=10.3kg, m2=11.2kg, k=14700N/m, c1=c2=120Ns/mとし、質点1へ与える強制変位入力の加振周波数を1Hz、加振振幅を30mmとしてシミュレーションを行った。また、空気圧アクチュエータに関するパラメータは事前に同定した結果から、Ta=0.0127s、Ka=443.3N/Vとし、パンタグラフ主軸のテコに起因する静的ゲインはKp=0.0475とした。
シミュレーションの結果を図5と図6に示す。図5(a)ではアクチュエータへ入力する制御入力を示し、図5(b)では制御パラメータであるゲイン A を示し、図5(c)では位相差 f を示している。各図の横軸は時間(s)である。5秒間隔で制御パラメータを更新し、一回の調整(横軸10s〜)で制御パラメータが最適値に概ね収束している様子が確認できる。
本実施形態の手法による制御パラメータの自動調整と、FF制御の妥当性を検証するために、実機パンタグラフを用いた加振試験を実施した。
図7に示すように、加振機61を用いてパンタグラフの舟体65に対して正弦波状の強制変位を与えた。加振周波数は1Hzと2Hzの二通りとし、これらはそれぞれトロリ線の支持点間隔が50mであった場合にパンタグラフが180km/hと360km/hで走行した際に生じる接触力変動の卓越周波数成分に対応する。加振周波数が1Hzの場合には変位振幅を30mmとし、2Hzの場合には8mmとした。このように加振変位の振幅を設定したのは、1Hzと2Hzのそれぞれで加振した際の,非制御時における接触力変動振幅を同等とするためである。
図9から図10に、1Hzで舟体を加振した際の試験結果を示す。図9には制御パラメータ((a)がゲイン、(b)が位相)の更新履歴及び接触力変動((C))を示し、図10には接触力変動の振幅値に関する履歴を示している。本試験では、図9(c)の横軸10s〜15sの間に見られるように、制御パラメータの初期値を用いて制御を施すことにより非制御時と比較して接触力変動が増加するものの、制御パラメータの自動調整によって接触力変動が逐次低減されている様子を確認できる。制御を開始してから20秒(横軸30s〜)で,接触力変動の振幅値が約0.5Nに低減されている。
Claims (3)
- 架線支持点により所定間隔で支持された架線とパンタグラフとの間の接触力の変動を低減する方法であって、 前記パンタグラフは、 前記架線に押し当てられるすり板を有する舟体と、 車両の屋根上に前記舟体を昇降可能に支持する枠組と、 前記架線と前記すり板との間の上下方向接触力を動的に制御するアクチュエータと、 前記接触力を測定する手段と、 測定された前記接触力の信号を入力され、前記アクチュエータの制御入力を出力する制御器と、を備え、 パンタグラフに外乱Bと制御入力Uが作用する際の接触力変動Fcが、Hを伝達関数として、Fc=B+HUなる関係を有するとき、 前記制御器において、前記接触力信号のうち、信号強度の卓越した卓越周波数付近の信号成分の周波数とほぼ一致した位相同期波形をある位相φだけずらして遅延波形とした後、該遅延波形の信号のゲインAを調節して前記アクチュエータに複素振幅U(U=Ae jφ )を有する前記制御入力として出力するものであって、 前記位相φ及び前記ゲインA(両者を併せて制御パラメータという)を、接触力変動の制御パラメータに対する感度に応じて一定の時間間隔ごとに、前記制御入力の複素振幅Uの調整n回目の値U(n)を、接触力変動の複素振幅の過去2ステップ分の値Fcから、下式に基づいて逐次更新することによって、接触力変動をゼロNとする制御パラメータを探索して調整し、前記制御入力とすることを特徴とするパンタグラフの接触力変動低減方法;
。 - 架線支持点により所定間隔で支持された架線から電気鉄道車両に集電するパンタグラフであって、 前記架線に押し当てられるすり板を有する舟体と、 前記車両の屋根上に前記舟体を昇降可能に支持する枠組と、 前記架線と前記すり板との間の上下方向接触力を動的に制御するアクチュエータと、 前記接触力を測定する手段と、 測定された前記接触力の信号を入力され、前記アクチュエータの制御入力を出力する制御器と、を備え、 パンタグラフに外乱Bと制御入力Uが作用する際の接触力変動Fcが、Hを伝達関数として、Fc=B+HUなる関係を有するとき、 前記制御器が、 前記接触力信号のうち、信号強度の卓越した卓越周波数付近の信号成分の周波数とほぼ一致した位相同期波形をある位相φだけずらして遅延波形とした後、該遅延波形の信号のゲインAを調節して前記アクチュエータに複素振幅U(U=Ae jφ )を有する前記制御入力として出力するものであって、前記遅延波形の位相φ及び前記ゲインA(両者を併せて制御パラメータという)を、接触力変動の制御パラメータに対する感度に応じて一定の時間間隔ごとに、前記制御入力の複素振幅Uの調整n回目の値U(n)を、接触力変動の複素振幅の過去2ステップ分の値Fcから、下式に基づいて逐次更新することによって、接触力変動をゼロNとする制御パラメータを探索して調整し、前記制御入力とすることを特徴とするパンタグラフ;
- 前記制御器が、 前記接触力信号のうち、外乱の周波数付近の信号成分を透過させるバンドパスフィルタと、 該バンドパスフィルタを透過した接触力信号が入力され、前記外乱の周波数とほぼ一致した正弦波形が出力される位相同期回路と、 該位相同期回路又は後記アンプから出力された波形が入力され、該波形を、ある時間間隔ずれた波形として出力する遅延要素と、 該遅延要素又は前記位相同期回路から出力された波形の信号の振幅を調節するアンプと、 前記遅延要素の位相φ及び/又は前記アンプの振幅A(制御パラメータ)を調整する制御パラメータ調整部と、 を有することを特徴とする請求項2記載のパンタグラフ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015041172A JP6420182B2 (ja) | 2015-03-03 | 2015-03-03 | パンタグラフの接触力変動低減方法及びパンタグラフ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015041172A JP6420182B2 (ja) | 2015-03-03 | 2015-03-03 | パンタグラフの接触力変動低減方法及びパンタグラフ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016163448A JP2016163448A (ja) | 2016-09-05 |
JP6420182B2 true JP6420182B2 (ja) | 2018-11-07 |
Family
ID=56847435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015041172A Expired - Fee Related JP6420182B2 (ja) | 2015-03-03 | 2015-03-03 | パンタグラフの接触力変動低減方法及びパンタグラフ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6420182B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106855898B (zh) * | 2016-11-29 | 2019-07-12 | 西南交通大学 | 一种高速受电弓多目标有限频域控制器设计方法 |
KR102467873B1 (ko) * | 2020-11-20 | 2022-11-18 | 주식회사 펌프킨 | 팬터그래프 충전장치 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04304552A (ja) * | 1991-04-02 | 1992-10-27 | Nec Corp | 確率的規則の学習装置 |
DE19540914C2 (de) * | 1995-11-03 | 2000-11-16 | Deutsch Zentr Luft & Raumfahrt | Stromabnehmer für die Energieübertragung zwischen einem Fahrdraht und einem Triebwagen |
JP2010122131A (ja) * | 2008-11-21 | 2010-06-03 | Nec Corp | マッチング表評価システム、その方法及びプログラム |
JP5950805B2 (ja) * | 2012-03-27 | 2016-07-13 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | パンタグラフの接触力変動低減方法及びパンタグラフ |
-
2015
- 2015-03-03 JP JP2015041172A patent/JP6420182B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016163448A (ja) | 2016-09-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6420182B2 (ja) | パンタグラフの接触力変動低減方法及びパンタグラフ | |
KR20120050933A (ko) | 첨예도 조정 진동 제어 장치 및 방법 | |
CN110651120A (zh) | 基于位置的风力涡轮机的机舱运动的减振 | |
Zhou et al. | Application of least mean square algorithm to suppression of maglev track-induced self-excited vibration | |
JP5968564B2 (ja) | 電力変換装置 | |
Yamashita et al. | Advanced active control of contact force between pantograph and catenary for high-speed trains | |
Pesaresi et al. | Numerical and experimental investigation of an underplatform damper test rig | |
US10840841B2 (en) | Control device for power conversion device, control method, and motor drive system | |
JP2021508825A (ja) | トルク発生装置の内部の実効トルクを推定する方法 | |
US10727770B2 (en) | Control device for power conversion device, and motor drive system | |
Wu et al. | Design of wave-like dry friction and piezoelectric hybrid dampers for thin-walled structures | |
CN105510621B (zh) | 一种离心压缩机临界转速获取方法和装置 | |
JP5950805B2 (ja) | パンタグラフの接触力変動低減方法及びパンタグラフ | |
KR101784716B1 (ko) | 다이나모미터 시스템의 제어 장치 | |
CN112531736B (zh) | 一种电力系统区域间振荡抑制的广域阻尼控制器设计方法 | |
JP6930271B2 (ja) | 鉄道車両用シミュレーション装置、方法、及びプログラム | |
Pieringer et al. | Investigation of railway curve squeal using a combination of frequency-and time-domain models | |
Yu et al. | Capture of high energy orbit of Duffing oscillator with time-varying parameters | |
JP6226833B2 (ja) | 電力変換装置 | |
CN111177856A (zh) | 基于驱动系统机电耦合的机车动力学仿真分析方法及装置 | |
KR101420519B1 (ko) | 공기 베어링의 동특성 측정 장치 및 방법 | |
YAMASHITA et al. | Method to improve adaptation speed of control parameters for active control pantographs | |
Roy | Coupled Dynamics of Pantograph-Catenary System during Multiple Pantograph Operation | |
CN114065547B (zh) | 一种固支梁多自由度系统的振动响应谱计算方法 | |
Stela et al. | Chaos theory based control of contact force in electric railway transportation system |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170303 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180111 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180123 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20180216 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180508 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20181009 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181011 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6420182 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |