JP6418616B2 - 粗ジニトロトルエンからhcnを除去する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ジニトロトルエンの製造方法に関係する。
ジニトロトルエン(DNT)、又はモノニトロベンゼン(MNB)のような芳香族ニトロ化合物は、硝酸及び硫酸の混合物を用いる芳香族のニトロ化によって商用に製造される。反応は、二相性反応であり、一般的に、反応速度は、二相間の物質移動によって決定される。トルエンニトロ化場合、反応は、典型的には等温的に実行され、トルエンは、硝酸のトルエンに対するモル比が、>1、典型的には1.01〜1.2であることを意味するモル不足当量的(substochiometry)に存在する。第一工程において、トルエンは、ニトロ化され、モノニトロトルエン(MNT)を形成する。二相性反応混合物は、硫酸の主要部を含む水相、及びMNTの主要部を含む有機相に相分離を受ける。その後、有機相は、さらなる二相性反応において、DNTへニトロ化を受ける。再び、反応混合物は、水相、及びDNTを含む有機相に相分離を受ける。
ニトロ化反応の間、ピクリン酸、クレゾール又はニトロクレゾールの形成等の、種々の望ましくない副反応が起こる。しかしながら、最も有害な副生成物の1種はHCNである。
DNTを形成するためのトルエンの連続等温、又は断熱ニトロ化において、粗ニトロ芳香族生成物が、常に相分離の後で得られ、この場合、さらなる使用の前に、それらに溶解した不純物が除去される必要がある。硝酸、硫酸、及びニトロ化される芳香族ニトロ芳香族化合物中に溶解した形態、又はマイクロエマルションとして存在する窒素酸化物を含む最終の硝化酸(nitrating acid)以外にも、ニトロ化される芳香族化合物との二次反応からの酸化生成物、例えば、モノニトロクレゾール、ジニトロクレゾール、及びトリニトロクレゾール等、又は芳香族カルボン酸、例えばモノニトロ安息香酸、及びジニトロ安息香酸、及びそれらの分解生成物もまた、粗DNT中に含まれる。
先行技術において、これらの不純物は、ニトロ芳香族化合物が、直接使用、異性体分離、又は対応するアミンを形成するための水素化へ引き継がれる前に、粗生成物から、多段式洗浄(multistage scrub)法によって除去される。
DNT等の粗ニトロ芳香族化合物が、その中に溶解及び懸濁したニトロ化混合物の酸、ニトロクレゾール、並びに洗浄溶媒によって抽出され得るその他の酸、及びさらなる不純物を除去するために受ける洗浄は、通常、3工程を含む:
1.硫酸、硝酸、及び窒素酸化物等の溶解及び懸濁した鉱酸を除去するための洗浄(酸洗浄);
2.粗ニトロ芳香族化合物に溶解した弱酸性不純物、例えばニトロクレゾール、ニトロ安息香酸、及びニトロクレゾールの、又はシュウ酸等の脂肪族又は環状炭化水素の酸化的分解反応からの分解生成物を除去するための、炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ(soda))、重炭酸ナトリウム、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在下での洗浄(アルカリ洗浄);
3.残余の微量のアルカリを除去するため、及び生成物に痕跡として残る不純物をさらに低減するための中性洗浄;通常、この目的のために、水が洗浄溶媒として使用され、洗浄は、洗浄されるニトロ芳香族化合物が液体として存在する温度で、液体/液体洗浄として実行される。
これらの洗浄の目的は、純粋な生成物だけではなく、生成物のメートルトン(metric ton)当たり、できるだけ少量の廃水を得て、不純物の処理が安価に実行されるような、廃水中に洗浄される不純物のレベルを達成することである。
この洗浄に必要な水の量を最小化するため、洗浄は、アルカリ洗浄における塩基の添加の後に採用される中性洗浄のために使用される水で、向流で実行されるか(A.B.Quakenbush et.al.,The Olin Dinitrotoluene(DNT)Process, Polyurethane World Congr. Proc.1993,Publish.:Technomic Lancaster,p.485を参照)、又はEP0279312、EP0736514、及びEP1780195に記載される通り、直接又はさらなる濃縮の後、ニトロ化へ再循環され得る濃酸が得られるように、最小量の水を使用して実行される酸洗浄で実行される。洗浄水の濃縮において得られる蒸気凝縮液は、それぞれの洗浄へ再循環される。
DNTを形成するためのトルエンのニトロ化用のプラントからの廃水、粗DNTの洗浄からの洗浄水、並びに最終酸、及び洗浄酸の濃縮からの蒸気凝縮液が、排出され得る前に、それらは、例えば、下水管口に導入前のCOD、窒素、重金属、及び生物学的パラメータ等のために廃水規制において定められた通り、適用される排出パラメータを達成するために複雑な処理を受ける必要がある。
ニトロ化プラントからの処理が必要な廃水流は、常に酸性である最終硝化酸の濃縮からの蒸発凝縮液(SAC廃水と称する)、及び7〜10の範囲のpHを有する、特に塩基による洗浄からの廃水である。下水管口への排出の前に、全ての毒性、遺伝子毒性、又は静菌性物質が、定められた排出パラメータを満たすために、これらの廃水流から、できる限り除去される必要がある。
DNTの塩基による洗浄からの廃水は、その溶解度に対応して最大0.5%の量で溶解した生成物を、フェノール性ニトロ化合物、ニトロ安息香酸、及びその他の有機酸、並びに粗生成物中に溶解した低分子量分解生成物とともに含む。塩基、好ましくは、炭酸ナトリウム、又は水酸化ナトリウムによるDNT洗浄の廃水からのニトロクレゾールの純粋に機械的な分離以外にも、活性炭又はイオン交換樹脂による処理のためのプロセス、ニトロ化される芳香族による抽出のプロセス、オゾン又はフェントン試薬(Fenton’s reagent)等の酸化剤による処理、又は最大300℃の高温での処理は、この廃水が、水処理プラントにおいて、続く後処理に通過される前に、廃水から/中で、ニトロ分子、主に生成物だけでなく、特に、ジニトロフェノール及びトリニトロフェノール(ピクリン酸)、並びにジニトロクレゾール及びトリニトロクレゾール(TNCs)等のフェノール性ニトロ分子を除去、又はその量を減少させるために、記載されている。
EP0279312 EP0736514 EP1780195
A.B.Quakenbush et.al.,The Olin Dinitrotoluene(DNT)Process, Polyurethane World Congr. Proc.1993,Publish.:Technomic Lancaster,p.485。
現在、廃水のためのHCN/CN-−仕様は、特に中国において、より厳しくなってきている。廃水流のための規制は、多くは10ppm未満、場合によっては1ppm未満のHCN/CN-−濃度を要求し、いくつかの地域は、0.3ppm未満のレベルを要求する(例えば、Shanghai,China)。したがって、廃水流に含有するHCNは、要求される低いHCN/CN-−濃度に達するように処理される必要がある。典型的には、これは、H22又はその他の酸化剤の添加によって、又は廃水をフェントン反応器(Fenton’s reactor)等の酸性ユニット中で、若しくはオゾン分解により処理することによって、シアン化物含有水流のために行なわれる。大量の廃水流の場合、大量の酸化化学物質が必要であり、化学物質のための高い費用を必要とする。さらに、DNTは、典型的には、DNTからトルイレンジアミン(toluylenediamine)(TDA)が生成される水素化反応器に送られる。しかしながら、DNTに存在するシアン化合物/HCNが原因で、シアン化合物がDNT水素化触媒に害を及ぼし得る危険性がある。したがって、廃水流からだけでなく、DNT製品流からも、HCN/CN-の除去が望ましい。
本発明の目的は、トルエンのニトロ化によってジニトロトルエンの製造方法であって、HCNが、単純、且つ効率的な手段でプロセス流から除去され、それにより扱い難い廃水の後処理手順が必要となることを回避する方法を提供することにある。
上記目的は、ジニトロトルエンの製造方法であって、(a)1工程以上のニトロ化工程において、硝化酸でトルエンをニトロ化する工程であり、硝化酸は、硝酸及び硫酸の混合物であり、このように形成されたプロセス流から硝化酸を分離し、ジニトロトルエン及びその中に溶解した硝化酸の画分を含む粗混合物であり、少なくとも50ppmのHCNをさらに含む、粗混合物を得る工程、並びに(b)1工程以上の洗浄工程において、粗ジニトロトルエン含有混合物を洗浄する工程であり、一度目の洗浄工程を実行する前に、粗混合物を、そこからHCNを除去するために蒸留、及び/又はストリッピングし、実質的にHCNを含まない粗ジニトロトルエン含有混合物を得る工程を含む方法によって達成される。
粗DNT含有混合物中に含有されるHCNは、このように粗混合物が、洗浄区域を介して、反応区域から移される前に、有機DNT相からストリッピングされる。洗浄区域前のHCNの除去なしでは、HCNは、有機DNT相中、及び第一の洗浄工程における水性洗浄水相の両方に溶解され、異なる相間に分配され、複数のプロセス流の処理が必要になるため、除去することがさらにいっそう困難になる。揮発性であるHCNは、有機相、又は水相のいずれからでも容易にストリッピングされ得る。しかしながら、HCNが、例えば、アルカリ洗浄工程において、アルカリ媒体と反応していると、HCNは、水溶性シアン化物塩に変換され、もはやストリッピングされなくなる。その後、ストリッピング前に、シアン化合物をプロトン化してHCNに戻すため、化学物質の添加を介して酸性条件を形成する必要があると考えられる。
粗DNT含有混合物は、少なくとも50ppmのHCN、好ましくは少なくとも75ppmのHCNを含む。粗DNT混合物は、一般に、最大500ppmのHCN、好ましくは最大200ppmのHCNを含む。典型的な範囲は、50〜500ppm、特に75〜200ppmである。
HCNは、第一の洗浄工程前に粗DNT相から除去されるので、洗浄水流は、高レベルのHCN又はシアン化合物塩で汚染されず、HCN/シアン化合物塩の除去のために廃水流のさらなる処理は、一切必要ではない。
蒸留は、減圧下での単純なフラッシュ蒸発、又は複数の理論段を有する蒸留カラムを使用する還流下での蒸留である。ストリッピングガスが、さらに使用され得る。
粗DNT含有混合物の蒸留は、好ましくは最大10理論段、さらに好ましくは最大5理論段、特に2〜4理論段を有する蒸留カラム中で実行され得る。蒸留は、環流なしで、フラッシュ蒸発器中で実行され得る。
本発明の一実施形態において、粗DNT含有混合物の蒸留は、フラッシュ蒸発器中で実行される、フラッシュ蒸発器は、反応混合物が、水相、及び主としてDNTを含有する有機相に分離される相分離ユニットよりも低い圧力で操作される。相分離ユニット、及びフラッシュ蒸発器の間の圧力差は、好ましくは少なくとも40kPa(400mbar)である。蒸留は、同一の圧力、又は異なる圧力で操作され得る2基以上の連続したフラッシュ蒸発器において実行され得る。一実施形態において、蒸留は、連続して低下する圧力で操作される多数(少なくとも2基)の連続したフラッシュ蒸発器中で実行される。
DNT含有混合物の蒸留は、1〜200kPa(10mbar〜2bar)、好ましくは1〜50kPa(10mbar〜500mbar)の圧力下で実行され得る。好ましい一実施形態において、真空蒸留が、1〜20kPa(10〜200mbar)の圧力で実行される。
別の実施形態において、ストリッピング操作、すなわち、ストリッピングガスを伴うHCNの同伴(entrainment)による分離が実行される。好ましくは、カラム中の蒸留が、ストリッピングガスを用いるストリッピング操作と組み合わされる。蒸留がストリッピングガスの存在下で実行される蒸留カラムは、ストリッピングカラムとも称される。適切なストリッピングガスは、窒素、空気、又は蒸気である。
好ましい実施形態において、空気が、ストリッピングガスとして使用される。空気は、ストリッピングガスとして窒素を使用するよりも費用面で優位性を有する。
別の好ましい実施形態において、蒸気が、ストリッピングガスとして使用される。これは、ストリッピングガスとしての蒸気は、空気又は窒素がストリッピングガスとして使用される場合と比較して、後続の部分的な凝縮ユニットにおいてより高い温度を可能とするので、特にストリッピングユニットの低い操作圧で有利である。
蒸留、及び/又はストリッピング区域から得られたジニトロトルエンを含む粗混合物は、実質的にHCNを含まない(essentially free of HCN)。本発明との関連で「実質的にHCNを含まない」は、蒸留、及び/又はストリッピング工程が実行される前に粗混合物中に存在するHCNの、少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%が、蒸留、及び/又はストリッピング工程によって除去されていることを意味する。一般に、粗DNT混合物は、蒸留、及び/又はストリッピング工程後で、ただし第一の洗浄工程前に、通常最大25ppmのHCN、好ましくは最大15ppmのHCNを含む。
粗DNT含有混合物のHCN含有量は、工程(1)〜(3)からなる手順によって測定され得る:
(1)採取したての粗DNT試料を、脱塩水、及びNa2CO3の2質量%水溶液の混合物と激しく混合することによって、HCN及びCNを水相へ抽出する工程。抽出のため、1gの粗DNT当たり、0.5gの2質量%Na2CO3水溶液、及び0.75gの脱塩水を、粗DNT試料に添加する。
(2)水相を、粗DNT相から分離する工程。
(3)水相を、質量選択検出を有するヘッドスペースガスクロマトグラフィ(HS−GC/MS)を用いて、アメリカ合衆国環境保護庁の参照方法ME355.01に従って分析する工程。
フラッシュ蒸発器、ストリッピング、又は蒸留カラムの頂部から得られるガス相は、ガス相中にHCNのほとんどを保持したまま、その中に含有される硝酸、硫酸、及び有機化合物(主としてDNT)を凝縮物として回収するため、部分的に凝縮されてもよい。一般に、HCNの少なくとも50%が、ガス相中に保持され、HCNの、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%が、ガス相中に保持される。部分的な凝縮は、単純な凝縮器等のただ1段の理論段を含む装置中で、又は2段以上の理論段を含有する装置中、例えば多段階式凝縮器(multistep condenser)、蒸留カラム、又はストリッピングカラム中で、同様に実行され得る。部分的な凝集は、一般に、1〜30kPa(10〜300mbar)の圧力、15〜50℃の温度で実行される。一実施形態において、部分的な凝縮は、2段階で行なわれ、第一段階は、2〜5kPa(20〜50mbar)の圧力、20〜40℃の温度で実行され、第二段階は、5〜30kPa(50〜300mbar)の圧力、30〜50℃の温度で実行される。
重ボイラー(heavy boiler)の部分的な凝縮のあと、主としてDNT、硝酸、及び硫酸を含有する部分的な凝縮物は、反応に再循環され得る。凝縮物は、少なくとも部分的に1工程以上のニトロ化工程(a)に、すなわち、モノニトロトルエンを導くモノニトロ化工程に、ジニトロトルエンを導くジニトロ化工程に、又は両方のニトロ化工程に再循環され得る。非凝縮のHCNが豊富なガス流は、任意にさらなる(部分的な)凝縮を受け得、その後、過酸化水素、オゾン、又は酸素等の化学物質で処理され得るか、又はHCNをシアン化物塩として除去するため、アルカリ溶液中に吸収され得るか、又は焼却炉へ送られ得る。
HCNを除去するために使用された蒸留、又はストリッピング容器の底部で回収され、主としてDNT、硫酸、及び有機副生成物を含む流は、その後、硫酸、及び副生成物から、DNTを分離するために1工程以上の洗浄工程を受ける。
本発明の一実施形態において、水による洗浄の第一工程は、存在する硫酸のほとんどを除去するために実行される。得られた希硫酸は、プロセス中に、有利に再循環され得る。例えば、それは、好ましくは濃縮工程を受けた後に、単独で、又は特に残存モノニトロ化酸(mononitration acid)等の、別のプロセス流と組み合わせて、適当なニトロ化プロセスに再導入されてもよい。同様に、それは、洗浄工程それ自体に再循環されてもよい。
任意の第二工程において、ニトロ化化合物の流は、アルカリ剤の水溶液の存在下で洗浄される(塩基洗浄)。そのような操作の目的は、硫酸、及び主にヒドロキシニトロ芳香族化合物(hydroxynitroaromatic compound)である副生成物を、水相に可溶である塩に変換することである。
このアルカリ剤は、有利には、アルカリ、又はアルカリ土類金属水酸化物、及び炭酸塩の中から選択される。
水による第一の洗浄操作に関しても、アルカリ剤の存在下での任意の第二の操作に関しても、これらの操作は、1工程以上の工程で実行されてもよく、多工程を含むオプションが選択される場合、好ましくは向流工程で実行されてもよい。
塩基洗浄を受けた芳香族ニトロ化化合物は、その後、全ての微量のアルカリ剤を除去するために、再度、ただし水を用いて、洗浄されてもよい。
本発明を、以下の実施例によって説明する。
図1に示す通り、方法は、数値的にシミュレーションされている。
ニトレーター(nitrator)/相分離器(図示していない)から来る粗DNT流(1)は、1理論段を有し、3kPa(30mbar)、且つ70℃で運転される真空カラムC1に供給される。主としてDNT、及び少量のHCN、H2SO4及びHNO3を含有する、C1からの液体底部回収流(liquid bottom withdrawal stream)(3)は、下流の洗浄部へ供給される。主としてHNO3、NO2/NOx、及び粗DNT流(1)に含有されたHCNのほとんどを含有する、C1からの蒸気性頂部回収流(vaporous top withdrawal stream)(2)は、3kPa(30mbar)、29℃で運転される部分的な凝縮器C2に供給される。主としてHNO3、及び少量のHCNを含有する、C2からの液体凝縮物流(5)は、ニトレーター(図示していない)に再循環され戻される。主としてHCN、NOx、及び比較的少量のHNO3を含有する、C2からの非凝縮の蒸気流(4)は、真空ポンプP1(P1は、ジェットポンプ、液体リングポンプ、スクリューポンプ等であり得る)へ供給され、それは3kPa(30mbar)から20kPa(200mbar)に圧縮される。圧縮流(6)は、20kPa(200mbar)、40℃で運転される部分的な凝縮器C3に供給される。主としてHNO3及び少量のHCNを含有する、C3からの液体凝縮物流(8)は、HNO3を回収するために、ニトレーター(図示していない)に供給され戻される。主としてHCN、HNO3、及びNOxを含有する、C3からの非凝縮の蒸気流(7)は、さらなるオフガス処理(off gas treatment)に供給される。オフガス(7)は、粗DNT流(1)中に含有される総HCNの約86%HCNを含み、残りの約14%HCNは、ニトレーターに再循環される。
数値的なシミュレーションの結果を、表1に示し、プロセス流1〜8のそれぞれに、成分H2O、H2SO4、HNO3、HCN、HNO2、NO2/NOx、DNT、及びクレゾール/有機物のそれぞれの質量流、並びに質量分率を示す。
Figure 0006418616

Claims (11)

  1. ジニトロトルエンの製造方法であって、
    (a)1工程以上のニトロ化工程で、硝酸及び硫酸の混合物である硝化酸でトルエンをニトロ化し、これにより得られたプロセス流から前記硝化酸を分離し、ジニトロトルエンと、該ジニトロトルエン中に溶解した前記硝化酸の画分と、さらに、少なくとも50ppmのHCNと、を含む粗混合物を得る工程、及び
    (b)1工程以上の洗浄工程で、前記粗ジニトロトルエン含有混合物を洗浄し、一度目の洗浄工程を実行する前に、前記粗混合物を、フラッシュ蒸発器、ストリッピング又は蒸留カラムで、蒸留、及び/又はストリッピングし粗混合物からHCNを除去し、最大25ppmのHCNを含む粗ジニトロトルエン含有混合物を得、且つ前記フラッシュ蒸発器、ストリッピング、又は蒸留カラムの頂部から得られるガス相を、前記ガス相中に含まれるHCNの少なくとも50%を保持したまま、硝酸、硫酸、及びジニトロトルエンを含有する凝縮物を回収するため、部分的に凝縮する工程を含む製造方法。
  2. 前記粗ジニトロトルエン含有混合物を、最大10理論段を有するカラム中で蒸留する請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記粗ジニトロトルエン含有混合物を、2〜4理論段を有するカラム中で蒸留する請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記粗ジニトロトルエン含有混合物を、フラッシュ蒸発器で蒸留する請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記蒸留を、1〜20kPa(10〜200mbar)の圧力で真空蒸留として実行する請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記蒸留を、ストリッピングガスを使用するストリッピング操作と組み合わせる請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記ストリッピング操作を、ストリッピングガスとして空気又は窒素を使用して実行する請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記蒸留、及び/又はストリッピングにおいて得られる前記ガス相を、多段階式凝縮器において部分的に凝縮する請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. ジニトロトルエン、硝酸、及び硫酸を含む前記液体凝縮物相を、少なくとも部分的に1工程以上の前記ニトロ化工程(a)に再循環する請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記粗ジニトロトルエン含有混合物中に存在する前記HCNの少なくとも90%を、前記一度目の洗浄工程の前の前記蒸留、及び/又はストリッピングによって除去する請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記粗ジニトロトルエン含有混合物が、前記蒸留、及び/又はストリッピングの後で、ただし前記一度目の洗浄工程が実行される前に、最大で15ppmのHCNを含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
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