JP6417971B2 - 吸入調量弁 - Google Patents
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Description
なお、特許文献1には、吸入調量弁の一例として、アクチュエータ非駆動時は、リフト量が最大となる全開状態であり、アクチュエータによって弁体が閉弁方向に駆動されるノーマリオープンタイプの吸入調量弁が開示されている。
また、燃料供給ポンプは、シリンダ孔の軸方向に往復移動可能に配され、加圧室の容積を軸方向への移動により変化させるプランジャと、エンジンのクランクシャフトの駆動力を受けて回転するカムを有し、カムの回転によってプランジャを軸方向に往復動させるカム機構とを備える。吸入調量弁は、プランジャが加圧室の容積を拡大する方向に移動している時に開弁していることで、加圧室に燃料を吸入させ、その後、閉弁することで加圧室から燃料を吐出させる。そして、吸入調量弁の閉弁タイミングを制御することにより、燃料供給ポンプの吐出量を調量する。
また、吸入調量弁は、以下に説明する弁体と、付勢手段と、アクチュエータと、制御装置とを備える。
付勢手段は、弁体を開弁方向もしくは閉弁方向に付勢する。
アクチュエータは、付勢手段の付勢力に抗して弁体を変位させる。
制御装置は、アクチュエータの駆動を制御することで弁体の位置を制御する。
このため、全開位置でのリフト量を大きくして全開位置での燃料吸入流路の流路面積を大きくしても、閉弁時の応答性を早くする制御が可能となる。
例えば、全開位置でのリフト量を従来よりも大きくし、全開位置にある状態から、吸入期間の終盤で、弁体を中間位置にし、閉弁指令で中間位置から全閉位置へ移動させるという制御をすることにより、閉弁応答性を悪化させずに、燃料吸入量を大きく確保することが可能となる。
〔実施例1の構成〕
実施例1の吸入調量弁1を、図1〜図3を用いて説明する。
まず、吸入調量弁1が適用されるコモンレール式燃料噴射装置の燃料供給ポンプ2について説明する。
コモンレール式燃料噴射装置は、ディーゼルエンジンの燃焼室に燃料を供給するために用いられるものである。
燃料供給ポンプ2は、以下に説明する加圧室3、プランジャ4、カム機構(図示せず)、吸入調量弁1等を有する。
加圧室3には、燃料を加圧室3へ吸入するための燃料吸入流路5と、加圧室3で加圧された燃料をコモンレールへ吐出するための燃料吐出流路6が接続されている。
燃料吸入流路5には後述する吸入調量弁1が設けられ、燃料吐出流路6には所定圧力で開弁する吐出弁7が設けられている。
そして、シリンダ孔10a内に設けられた加圧室3の容積をプランジャ4の移動により変化させる。
カム機構は、エンジンのクランクシャフトの駆動力を受けて回転するカムを有し、カムの回転によってプランジャ4をシリンダ孔10aの軸方向に往復動させる周知の機構である。
以下、ロッド16の摺動方向を軸方向といい、図示上方を軸方向一端側、図示下方を軸方向他端側という。
なお、本実施例では、アーマチャ27と弁体17とが別体であるが、アーマチャ27と弁体17とが一体であってもよい。
開口33は、開口面が軸方向に垂直な面となるように設けられている。
そして、この開口33の加圧室側に面する開口縁が弁体17が離着座するシート35となっている。
そして、弁体17のシート35からの軸方向距離(リフト量)が最大であって、燃料吸入流路5を流通して加圧室3に流入する燃料の流量(燃料吸入量)が最大となる弁体位置を全開位置という(図1参照)。
リフト量が大きいほど、加圧室3へ向かう燃料流路の流路面積が大きくなり、開口33を通過して加圧室3へ流入する燃料の流量が大きくなっている。
本実施例の吸入調量弁1の制御装置22は、弁体17を全開位置から全閉位置に移動させる際、弁体17を全閉位置にする前に、全開位置と全閉位置との間の中間位置に維持させ、その後、全閉位置に移動させる。
プランジャ4は、プランジャ4を駆動するカムのリフト量に応じてリフトする。
プランジャ4が上死点から下降しはじめるタイミングに合わせて吸入調量弁1は全開状態となる。吸入調量弁1が開いている期間は、プランジャ4の変位によるポンプ作用によって加圧室3に燃料が吸入される。
プランジャ4が1往復する期間において、吸入調量弁1が開いている期間を吸入期間と呼び、吸入調量弁1が閉じている期間を圧送期間と呼ぶことにする。
まず、プランジャ4が上死点から下降しはじめるタイミングに合わせて吸入調量弁1を非通電状態にして、弁体17を全開位置にする。
その後、十分な燃料吸入量を得られたと推測できるタイミング(例えば、プランジャ4が上昇していく途中)で弁体17を中間位置にする。そして、圧送期間を開始したいタイミングを見計らって弁体17を中間位置から全閉位置にする。
定常状態では、コイル24への通電OFF状態であり、弁体17は全開位置にある。
そして、十分な燃料吸入量を得られたと推測できるタイミング(例えば、プランジャ4が上昇していく途中)で、コイル24への通電をONにし、電流値Iaに維持する。これにより、アーマチャ27が電流値Iaに応じた吸引力で吸引され、吸引力と付勢手段21から受ける力とが釣り合う位置で停止する。この位置が中間位置(全閉位置と全開位置との間の所定の位置)となるように電流値Iaが設定されている。
なお、電流値を指令してから実際に弁体17が動き出すまでには応答時間があるため、その応答時間を加味して電流値を指令することは言うまでもない。
本実施例によれば、全開位置でのリフト量を大きくして加圧室3への燃料吸入流路の流路面積を大きくして吸入効率を向上させつつ、圧送期間の開始応答性(つまり、開弁状態からの閉弁応答性)を向上させることができる。
このため、本実施例では、従来例よりも加圧室3への燃料吸入流路の流路面積が大きく、吸入効率がよい。
比較例では中間位置にしてから全閉位置にするという制御ができないため、全開位置から全閉位置に移動させなければ圧送期間が始まらない。比較例では、従来例よりも全開位置から全閉位置に移動させるまでにかかる時間(閉弁時間)が長くなるため、圧送期間の開始が遅れてしまう。このため、圧送期間が短くなり、吐出量が低減してしまう。
従って、本実施例では、従来例よりも高い吸入効率を得つつ、従来例と同程度の閉弁応答性を確保することが可能となる。
実施例2の吸入調量弁1を、実施例1とは異なる点を中心に、図4を用いて説明する。
なお、実施例1と同じ符号は、同一の機能物を示すものであって、先行する説明を参照する。
そして、弁体17が全開位置から中間位置に移動する際には、アーマチャ27がバネ定数の小さいバネ部21aの付勢力に抗しながら移動する。そして、弁体17が中間位置から全閉位置に移動する際には、アーマチャ27がバネ定数の大きいバネ部21bの付勢力に抗しながら移動する。
電流制御だけでも実施可能ではあるが、全開位置から中間位置にするまでに付勢手段21から受ける付勢力と、中間位置から全閉位置にするまでに付勢手段21から受ける付勢力とが段階的に異なっている方が、電流の段階的制御と組み合わせて、弁体17の弁体位置を中間位置に維持しやすくなる。
すなわち、電流値Iaをバネ部21aを圧縮するのに要する吸引力を発生させる電流値とし、電流値Ibをバネ部21bの圧縮を開始するのに要する吸引力を発生させる電流値とすればよい。
実施例3の吸入調量弁1を、実施例1とは異なる点を中心に、図5を用いて説明する。
なお、実施例1と同じ符号は、同一の機能物を示すものであって、先行する説明を参照する。
本実施例では、ステータコア25に実施例1のスプリング収容孔29の替わりに、2つのスプリング収容孔29c、29dが設けられている。
ステータコア25は、有底円筒状を呈しており、筒内周面に内鍔部25aを有している。
内鍔部25aよりも軸方向一端側がバネ21dが収容されるスプリング収容孔29dとなっており、内鍔部25aよりも軸方向他端側がバネ21cが収容されるスプリング孔29cとなっている。
バネ21dは一端がステータコア25の底に係止され、他端がフランジ40aに係止されている。
バネ21cは一端が内鍔部25aに係止され、他端がアーマチャ27に係止されている。
上記の実施例では、吸入調量弁1がノーマリオープンタイプであったが、ノーマリクローズタイプであってもよい。すなわち、弁体17が付勢手段21により閉弁方向に付勢されており、コイル24への通電によって、アーマチャ27が付勢手段21の付勢力に抗して弁体17を開弁方向に移動させるタイプであってもよい。
ノーマリクローズタイプの場合は、コイル24への通電をOFFにする前に、弁体17を全開位置から中間位置に移動させるという制御を行うことになる。
Claims (4)
- 燃料供給ポンプ(2)の加圧室(3)に吸入される燃料が流通する燃料吸入流路(5)を開閉することで、前記加圧室(3)に吸入される燃料の吸入量を調量するものであり、
前記加圧室(3)は、前記燃料供給ポンプ(2)のシリンダボディ(10)に形成されたシリンダ孔(10a)内に設けられている吸入調量弁において、
前記燃料供給ポンプ(2)は、
前記シリンダ孔(10a)の軸方向に往復移動可能に配され、前記加圧室(3)の容積を軸方向への移動により変化させるプランジャ(4)と、
エンジンのクランクシャフトの駆動力を受けて回転するカムを有し、カムの回転によって前記プランジャ(4)を軸方向に往復動させるカム機構とを備え、
前記吸入調量弁は、前記プランジャ(4)が前記加圧室(3)の容積を拡大する方向に移動している時に開弁していることで、前記加圧室(3)に燃料を吸入させ、その後、閉弁することで前記加圧室(3)から燃料を吐出させ、
前記吸入調量弁の閉弁タイミングを制御することにより、前記燃料供給ポンプ(2)の吐出量を調量し、
前記吸入調量弁は、
前記燃料吸入流路(5)の途中に設けられたシート(35)に離着座することで、前記燃料吸入流路(5)を開閉する弁体(17)と、
前記弁体(17)を開弁方向もしくは閉弁方向に付勢する付勢手段(21)と、
前記付勢手段の付勢力に抗して前記弁体(17)を変位させるアクチュエータ(20)と、
前記アクチュエータ(20)の駆動を制御することで前記弁体(17)の位置を制御する制御装置(22)とを備え、
前記シート(35)からの前記弁体(17)のリフト量が最大であって、前記燃料吸入流路(5)を流通して前記加圧室(3)に流入する燃料の流量が最大となる前記弁体(17)の位置を全開位置とし、前記シート(35)に前記弁体(17)が着座する前記弁体(17)の位置を全閉位置とすると、
前記制御装置(22)は、前記弁体(17)を前記全開位置から前記全閉位置に移動させる際、前記弁体(17)を前記全閉位置にする前に、前記全開位置と前記全閉位置との間の中間位置に維持させ、その後、前記全閉位置に移動させることを特徴とする吸入調量弁。 - 請求項1に記載の吸入調量弁において、
前記アクチュエータ(20)は、電磁アクチュエータであって、
ソレノイドコイル(24)への通電により励磁されて、前記付勢手段(21)の付勢力に抗して移動するアーマチャ(27)を有し、
前記弁体(17)は前記アーマチャ(27)の移動に伴って移動し、
前記制御装置(22)は、前記ソレノイドコイル(24)に通電する電流を制御することにより、前記弁体(17)を前記中間位置に維持させることを特徴とする吸入調量弁。 - 請求項1または2に記載の吸入調量弁において、
前記付勢手段(21)は、バネ定数の異なる2つのバネ部(21a、21b)を有する不等ピッチバネであることを特徴とする吸入調量弁。 - 請求項1または2に記載の吸入調量弁において、
前記付勢手段(21)は、バネ定数の異なる2つのバネ(21c、21d)からなっていることを特徴とする吸入調量弁。
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