JP6417824B2 - 偏波依存性損失エミュレータ及び偏波依存性損失エミュレート方法 - Google Patents

偏波依存性損失エミュレータ及び偏波依存性損失エミュレート方法 Download PDF

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この発明は、光伝送システムに与える影響を評価する際に利用可能な、偏波依存性損失あるいは偏波依存性利得をプログラマブルに発生させて、時間的に変動する偏波障害を含有する光信号をエミュレートする装置及び方法に関する。
デジタルコヒーレント受信技術において、高速な偏波分離あるいは波形等化機能が実現されたことにより、偏波空間を利用した変調フォーマットの安定な受信が可能となった。光ファイバ伝送路における偏波状態(SOP: State of Polarization)は、時間に関して変化する。このため、偏波空間を利用した変調フォーマットの復調には適応的にこの変動を等化する必要がある。特に光ファイバ伝送路に分布している複屈折は、直交偏光軸間に波長に依存する位相差の発生原因となるため、波長に依存するSOPを発生させる。
光ファイバ伝送路を含め、複屈折が存在する光伝送路の後段に配置される光ファイバ増幅器(例えば、エルビウムドープトファイバー増幅器)に偏波依存性利得(PDG: Polarization Dependent Gain)や、光カプラあるいは波長フィルタに偏波依存性損失(PDL: Polarization Dependent Loss)が存在すると、出力光のSOPがストークス空間で波長(光周波数)依存の回転をするので、波長依存のPDLとして観測される。PDLの影響を受けた光信号は、x,y-偏波成分間の直交性が失われるばかりか、光信号としての光信号対雑音比(OSNR: Optical Signal-to-Noise Ratio)に影響する。すなわち、これらの要因により、光ファイバ伝送路において、SOP変動に伴って波長依存のPDL特性も動的に変動する。
以上説明したように、光ファイバ伝送路を利用する光通信システム、あるいはこのシステムを構成する光デバイスの研究開発には、これらのシステムあるいは光デバイスに対して上述したPDLに対する耐性評価を行うことが必要となる。
一般に、光通信システムに対するPDL耐性評価に用いるエミュレータとして、多数の偏波モード分散(PMD: Polarization Mode Dispersion)素子とPDL素子の組み合わせを、偏波スクランブラを介して連結したモデルが使用される(例えば、非特許文献1参照)。また、光ファイバ伝送路を伝達関数表示して、PMD, PDL、波長分散などをプログラマブルに発生させる方法が提案されている(非特許文献2参照)。
T. Tanimura et al., "FPGA-based 112 Gb/s Coherent DP-QPSK Receiver and Multi-stage PMD-PDL Emulator for Fast Evaluation of Digital Signal Processing Algorithms", ECOC2010, Tu.5.A.3 September 2010. 神田祥宏、村井仁、「空間位相変調器を用いた広帯域PMD/PDLベクトルエミュレータ」信学技報IEICE Technical Report OCS2013-60, pp. 57-62
光通信システムに対するPDL耐性評価に利用されるエミュレータに望まれる重要な性能の一つは、任意の伝送モデルに関し、再現性良くその現象を発生させることが可能なことである。伝送路に一様にPMDが分布した場合で、それらのPMDの間にPDL素子が挿入され、分布したSOPの変化がブラウン運動の数理に従うと仮定した場合、PDLの大きさの発生確率はマクスウェル分布となる。このため、光通信システムに対するPDL耐性評価に用いるエミュレータも、発生し得る多くの状態に対しPDLを発生させることが可能であることが望まれる。
上述の非特許文献1に記載されている方法では、SOPの変化にマクスウェル分布の特性をもたせるために、多数のPMD素子、及びPDL素子を連結する必要がある。一般に、マクスウェル分布を得るためには、約15個以上のPMD素子をランダムに連結する必要がある。このランダム性は、PMD及びPDL素子間に配置された偏波スクランブラにより実現されている。しかしながら、たとえ15個程度のPMD素子を連結しても、その発生確率は、マクスウェル分布の裾において理想的なマクスウェル分布と比較して小さくなることが知られている。このマクスウェル分布の裾の部分は、発生確率は低いが大きなPMDを発生させる状態を意味するので、評価対象の状態として重要な場合に相当し、発生確率が小さくなることは好ましくない。
更に、多数の偏波スクランブラをランダムに動作させるため、再現性に乏しい。また、PMDの分布が理想的に一様分布の場合はマクスウェル分布となるが、実際の光ファイバ伝送路は局所的に複屈折やPDLが集中することもある。PMDやPDLの波長依存性は、モデルに依存するため、導入対象の任意のモデルに対応して耐性評価器を構成することが難しい。
耐性評価にとって、どの現象が性能に支配的であるかを特定することが求められるので、各々の現象が独立に発生することが望まれる。PDLの波長依存性は、複屈折性素子の出力端において波長依存のSOP回転が生じるために生じる。上述の非特許文献1に記載されている方法では、波長依存のPDLとPMDが同時に発生する。このため、現象を切り分けて評価することが難しい。
非特許文献2では、PMDやPDL、波長分散を含む任意の伝達関数行列を、プログラマブルに発生させる方法を提案している。一方、合計9つの空間位相変調器(Spatial Light Modulator)を使用する必要があり、高価である。デジタルコヒーレント受信器は、信号の複素電界情報のナイキスト周波数によるサンプリングが可能なため、電気段で波長分散、PMDの補償を高精度に補償できる。一方、PDLは、直交偏波成分間に、波長依存の損失を与え、OSNRの変動に直接影響を与えるので、伝送性能が変動する。
これらの背景を鑑みると、波長依存のPDLのみを、安価に、プログラマブルに発生させることが望まれる。すなわち、光通信システムに対する耐性評価においては、任意のモデルに対する波長依存のPDLの特性を、再現性良く、少ない部品点数で、PMDを発生せずにPDLの波長依存性のみを発生させるエミュレータが求められている。
ユニタリー行列発生器によって任意の偏光回転を発生するためには、互いに偏光回転軸が異なる3つの偏光回転素子が必要である。しかしながら、波長ごとに位相差を変調可能である偏光回転素子は、非常に高価であるので、使用する偏光回転素子の個数を可能な限り少なくしたいという要請がある。そこでこの出願の発明者は、鋭意検討した結果、第1ユニタリー行列発生器、偏波依存性損失発生器、第2ユニタリー行列発生器を備える偏波依存性損失エミュレータにおいて、第1ユニタリー行列発生器を、ストークス空間のS1軸中心の回転を与える偏光回転素子と、S2軸中心の回転を与える偏光回転素子を光信号の進行方向にこの順に連結させて構成し、第2ユニタリー行列発生器をこの逆順に配置して構成することで、第1及び第2ユニタリー行列発生器を、それぞれ2つの偏光回転素子で構成可能であることを見出した。すなわち、第1及び第2ユニタリー行列発生器をそれぞれ3つの偏光回転素子で構成する必要はなく、それぞれ2つの偏光回転素子で構成することが可能であることに思い至った。
そこで、この発明の目的は、最小個数の偏光回転素子で第1及び第2ユニタリー行列発生器が構成可能であって、PMDを発生させずにPDLのみを、プログラマブルに発生させることが可能である偏波依存性損失エミュレータ、及び偏波依存性損失エミュレート方法を提供することにある。
上述の理念に基づくこの発明の要旨によれば、以下の偏波依存性損失エミュレータが提供される。
この発明の偏波依存性損失エミュレータは、第1ユニタリー行列発生器、偏波依存性損失発生器、及び第2ユニタリー行列発生器を備え、予め設定された偏波依存性損失に起因する偏波障害を有する光信号をエミュレート光信号として生成して出力する偏波依存性損失エミュレータである。
第1ユニタリー行列発生器は、周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸を予め指定された方向に規定する第1ユニタリー行列を設定し、入力光信号を当該第1ユニタリー行列で与えられる偏光特性を有する第1光信号に変換する。
偏波依存性損失発生器は、第1光信号に、予め指定された周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸の方向に、指定された光損失を周波数ごとに与えて第2光信号を生成する。
第2ユニタリー行列発生器は、第1ユニタリー行列のエルミート共役行列を与える第2ユニタリー行列を設定し、第1ユニタリー行列発生器で発生した偏波モード分散を第2光信号から除去して、予め設定された偏波依存性損失に起因する偏波障害を擬似的に発生させて出力する。
そして、この発明の偏波依存性損失エミュレータでは、第1ユニタリー行列発生器を、ストークス空間のS1軸中心の回転を与える偏光回転素子(液晶アレイ)と、S2軸中心の回転を与える偏光回転素子(液晶アレイ)を光信号の進行方向にこの順に連結させて構成し、第2ユニタリー行列発生器をこの逆順に配置して構成される。
また、この発明の偏波依存性損失エミュレータによれば、以下の第1〜第3ステップを含む偏波依存性損失エミュレート方法が実行可能である。
この発明の偏波依存性損失エミュレート方法は、予め設定された偏波モード分散及び偏波依存性損失に起因する偏波障害を有する光信号をエミュレート光信号として生成する偏波依存性損失エミュレート方法である。
第1ステップは、周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸を予め指定された方向に規定する第1ユニタリー行列を設定し、この第1ユニタリー行列で与えられる偏光特性を有する第1ユニタリー行列発生器に、任意の偏光状態の入力光信号を通過させて第1光信号を生成するステップである。
第2ステップは、第1光信号に、予め指定された周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸の方向に、指定された光損失を周波数ごとに与えて第2光信号を生成するステップである。
第3ステップは、第2ユニタリー行列発生器に、第1ユニタリー行列のエルミート共役行列を与える第2ユニタリー行列を設定し、この第2ユニタリー行列で与えられる偏光特性を有する第2ユニタリー行列発生器に第2光信号を通過させて、第1ユニタリー行列発生器で発生した偏波モード分散を第2光信号から除去して、予め設定された偏波依存性損失に起因する偏波障害を擬似的に発生させ、周波数ごとの空間スペクトル成分を合波してエミュレート光信号として生成するステップである。
上述したように、この発明の偏波依存性損失エミュレータでは、第1ユニタリー行列発生器をストークス空間のS1軸中心の回転を与える偏光回転素子(液晶アレイ)と、S2軸中心の回転を与える偏光回転素子(液晶アレイ)をこの順に連結させて構成し、第2ユニタリー行列発生器をこの逆順に配置して構成する。このため、第1及び第2ユニタリー行列発生器をそれぞれ3つの偏光回転素子で構成する必要はなく、それぞれ2つの偏光回転素子で構成できている。
原理的に第1及び第2ユニタリー行列発生器を構成する偏光回転素子の最小個数は2つであるので、この発明の偏波依存性損失エミュレータでは、偏光回転素子が最小の個数で形成されることになる。また、この発明の偏波依存性損失エミュレータによれば、第1ユニタリー行列発生器と第2ユニタリー行列発生器を、互いに偏光回転素子の配列順序を逆にする構成であるため、PMDを発生させずに波長依存のPDLのみを、プログラマブルに発生させることが可能である。
偏波依存性損失エミュレータの概略的構成を示すブロック構成図である。 スペクトル分光器及びスペクトル合波器の概略的構成を示すブロック構成図であり、(A)はスペクトル分光器を示し、(B)はスペクトル合波器を示す。 第1ユニタリー行列発生器の説明に供する図であり、(A)は第1ユニタリー行列発生器の光路に沿った断面を、(B)は第1及び第2液晶アレイの配列の説明に供する概略的構成を示すブロック構成図である。 第2ユニタリー行列発生器の説明に供する図であり、(A)は第2ユニタリー行列発生器の光路に沿った断面を、(B)は第3及び第4液晶アレイの配列の説明に供する概略的構成を示すブロック構成図である。 PDL発生器の説明に供する図であり、(A)はPDL発生器の概略的構成を示すブロック構成図であり、(B)は第5液晶アレイ、及び同様の構造である第6液晶アレイを概略的に示す斜視図である。 PDLベクトルの光学軸の方向をポアンカレ球上にプロットして示す図である。 PDLベクトルの大きさの波長依存性を示す図である。
以下、図を参照してこの発明の実施の形態につき説明する。なお、図1〜図5はこの発明に係る一構成例を図示するものであり、この発明が理解できる程度に各構成要素の配置関係などを概略的に示しているに過ぎず、この発明を図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、特定の素子および動作条件などを取り上げることがあるが、これら素子および動作条件は好適例の一つに過ぎず、この発明は何らこれらに限定されない。
<偏波依存性損失エミュレータ>
図を参照して、この発明の実施形態の第1の偏波依存性損失エミュレータの構成、その動作、及び得られる効果について説明する。
(構成)
図1は、偏波依存性損失エミュレータの概略的ブロック構成図である。偏波依存性損失エミュレータは、スペクトル分光器101、第1ユニタリー行列発生器103、PDL発生器104、第2ユニタリー行列発生器105、及びスペクトル合波器107が、この順序に配列されて構成される。そして、入力光信号を入力して、予め設定された偏波依存性損失に起因する偏波障害を有するエミュレート光信号を生成して出力する。
図1に示すように、スペクトル分光器101と第1ユニタリー行列発生器103との間にスペクトル分光器101から出力された光信号を平行光ビームにするための第1レンズ102が挿入されており、また、第2ユニタリー行列発生器105とスペクトル合波器107との間に、第2ユニタリー行列発生器105から出力された平行光ビームを集光するための第2レンズ106が挿入されている。
スペクトル分光器101は、任意の偏光状態の入力光信号を入力して、周波数ごとにこの光信号を空間スペクトル分光する役割を果たす。図2(A)にスペクトル分光器101の概略的構成を示す。図2(A)に示すように、スペクトル分光器101は、第1半円柱レンズ201と第1 VIPA(Virtually Imaged Phased Array)板202を備えて構成される。第1半円柱レンズ201は、光信号を第1 VIPA板202のピクセルに集光する機能を果たし、第1 VIPA板202は、第1半円柱レンズ201からの出力光信号を平行光ビームにする機能を果たす。ここでは、VIPA板を用いたが分光グレーティング又はプリズム等を用いることもできる。
VIPA板は、その分光特性の偏波依存性が極めて小さい。後述するように、スペクトル分光器101を、VIPA板を用いて構成すると、その偏波無依存性によって、第1ユニタリー行列発生器103を構成するために一般に3枚必要とされる液晶アレイが2枚で済むという利点がある。
図2(B)に示すスペクトル合波器107は、第2ユニタリー行列発生器105から出力された光信号を入力して、周波数ごとの空間スペクトル成分を合波してエミュレート光信号として生成して出力する。第2 VIVA板204から出力された光は第2半円柱レンズ203で平行光ビームにされる。
第1ユニタリー行列発生器103は、第1スペクトル分光器101から出力された光信号が入力されると、周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸を予め指定された方向に調整して出力する。そのため、第1ユニタリー行列発生器103は、この第1ユニタリー行列発生器103の偏光伝達特性を与える第1ユニタリー行列を、周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸を予め指定された方向に設定可能に形成されている。
一方、第2ユニタリー行列発生器105は、PDL発生器104から出力された光信号が入力されると、第1ユニタリー行列発生器103で発生した偏波モード分散を除去するとともに、予め設定された偏波依存性損失に起因する偏波障害を擬似的に発生させて出力する。そのため、第2ユニタリー行列発生器105は、第1ユニタリー行列発生器103で発生した偏波モード分散を除去できる構成とされているとともに、第1ユニタリー行列のエルミート共役行列を与える第2ユニタリー行列を設定可能に形成されている。
第1ユニタリー行列発生器103と第2ユニタリー行列発生器105とは、その構成が似通っているので、図3と図4を参照してその構成について一括して説明する。
図3と図4に示すように、第1ユニタリー行列発生器103と第2ユニタリー行列発生器105のそれぞれは、2枚の液晶アレイの組として構成される。第1ユニタリー行列発生器103と第2ユニタリー行列発生器105では、ともに偏光回転素子として液晶アレイを利用している。
図3(A)に示すように、第1ユニタリー行列発生器103の第1液晶アレイ301、第2液晶アレイ302の固有軸は、それぞれ、水平方向に対して、垂直方向に0度、+45度となるように配置する。第1液晶アレイ301、第2液晶アレイ302において、それぞれ入力された光信号の偏光状態を回転させる。また、図4(A)に示すように、第2ユニタリー行列発生器105の第3液晶アレイ501、第4液晶アレイ502の固有軸は、それぞれ、水平方向に対して、垂直方向に+45度、0度となるように配置する。第3液晶アレイ501、第4液晶アレイ502において、それぞれ入力された光信号の偏光状態を回転させる。
すなわち、第1ユニタリー行列発生器103をストークス空間のS1軸中心の回転を与える偏光回転素子(第1液晶アレイ301)と、S2軸中心の回転を与える偏光回転素子(第2液晶アレイ302)をこの順に連結させて構成し、第2ユニタリー行列発生器105をストークス空間のS2軸中心の回転を与える偏光回転素子(第3液晶アレイ501)と、S1軸中心の回転を与える偏光回転素子(第4液晶アレイ502)をこの順に連結させて構成してあり、第1ユニタリー行列発生器103と第2ユニタリー行列発生器105とでは偏光回転素子の配列順序が逆順に配置されている。このような構成とされているため、第2ユニタリー行列発生器105は、第1ユニタリー行列発生器103で発生した偏波モード分散を除去できる。
第1液晶アレイ301、第2液晶アレイ302、並びに第3液晶アレイ501、第4液晶アレイ502は、例えば、PerkinElmer社の空間光変調器(SLM: Spatial Light Modulator)が好適に利用可能できる。このSLMのピクセル数は128ピクセルや640ピクセルのものがあり、高い分解能を有している。VIPA板は偏波依存性が小さいデバイスではあるが、スペクトル分光器101および、スペクトル合波器107のわずかな偏光依存性は、第1ユニタリー行列発生器103と、第2ユニタリー行列発生器105によりキャリブレーション可能である。
図3(A)及び図4(A)において、光信号の進行方向は、図中で右向きの白抜き矢印で示すように、図の左から右に向けて進むように設定されている。第1液晶アレイ301、第2液晶アレイ302、並びに第3液晶アレイ501、第4液晶アレイ502は、図3(B)、図4(B)に破線で区切って示してあるように、複数のピクセルからなっており、それぞれの液晶アレイに光信号の波長スペクトル成分波長ごとにこれらのピクセルに選択的に入力される。図3(B)、図4(B)において破線で区切られた縦長の矩形の一つ一つが液晶ピクセルに相当する。液晶ピクセルは、周波数ごとに対応する電気信号を印加することにより、入力信号の周波数ごとに偏光状態を回転させる。
また、上述したように、VIPA板が偏波依存性が極めて小さいため、第1ユニタリー行列発生器103は、第1液晶アレイ301、第2液晶アレイ302を備えれば十分である。
PDL発生器104は、第1ユニタリー行列発生器103から出力された光信号に、予め指定された周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸の方向に、予め指定された大きさの光損失を周波数ごとに与えて出力する機能を果たす。そのため、予め設定された偏波依存性損失の固有軸の方向に損失を与えるべく、第1ユニタリー行列発生器103から出力された光信号の水平軸方向の偏波成分及び垂直軸方向の偏波成分のそれぞれに対して、直交偏光軸間に周波数ごとに位相差を与えることが可能な構成とされている。
PDL発生器104は、図5(A)に示すように、偏光ビームスプリッタ401、第5液晶アレイ402、固定遅延素子403、第6液晶アレイ404、偏光ビームコンバイナ405、第1全反射ミラー406、第2全反射ミラー407から構成される。第5液晶アレイ402と第6液晶アレイ404の光学軸は、図5(B)に示すように共に水平軸に対して+45度となる様に配置する。第5液晶アレイ402と第6液晶アレイ404は、上述した第1液晶アレイ〜第4液晶アレイと同様にPerkinElmer社のSLMを好適に利用できる。
偏光ビームスプリッタ401は、第1ユニタリー行列発生器103から出力された光信号を水平軸方向の偏波成分(s成分)と垂直軸方向の偏波成分(p成分)とに分岐する。水平軸方向の偏波成分(s成分)は、固定遅延素子403に入力され、垂直軸方向の偏波成分(p成分)は第1全反射ミラー406に入力される。
固定遅延素子403は、水平軸方向の偏波成分(s成分)と垂直軸方向の偏波成分(p成分)の光路長が等しくなるように調整する。固定遅延素子403は、垂直軸方向の偏波成分(p成分)が伝播する光路長と等しくなるように、位相遅延を与えることを目的に配置されるものである。このため、その位相遅延特性は変化させる必要はなく固定したままでよい。そして、固定遅延素子403は、小型化するために屈折率の大きな材料を使うのが望ましい。例えば、イットリウムバナデート(YVO4)結晶が好適に利用できる。
第5液晶アレイ402は、その固有軸が水平方向に対して+45°傾いた液晶アレイである。第5液晶アレイ402は第1ユニタリー行列発生器103から出力された光信号の水平軸方向の偏波成分(s成分)に対して直交偏光軸間に周波数ごとに位相差を与えることが可能である。
第6液晶アレイ404は、その固有軸が水平方向に対して+45°傾いた液晶アレイである。第6液晶アレイ404は、第1ユニタリー行列発生器103から出力された光信号の垂直軸方向の偏波成分(p成分)に対して直交偏光軸間に周波数ごとに位相差を与えることが可能である。
偏光ビームコンバイナ405は、第5液晶アレイ402、第6液晶アレイ404のそれぞれを通過した偏波成分を合波する。
第1全反射ミラー406は、垂直軸方向の偏波成分(p成分)を、第6液晶アレイ404の方向に反射し、第2全反射ミラー407は、第6液晶アレイ404を通過した垂直軸方向の偏波成分(p成分)を偏光ビームコンバイナ405の方向に反射する。
(動作)
一般に、任意の単一伝搬モード光ファイバ伝送路の線形伝達関数行列は、ジョーンズ行列Ta(ω)によって表すことができる。ここで、ωは光搬送波の角周波数である。Ta(ω)は正則行列なので、Ta (ω)×Ta(ω)は正定値エルミート行列であり、その行列の平方根が存在する。ここではエルミート共役を意味する。
ここで、以下の式(1)及び式(2)で与えられる関係を定義する。
Figure 0006417824
Ua (ω)×Ua(ω)は単位行列になるので、Ua(ω)はユニタリー行列である。ここで、エルミート行列Ha(ω)はPDLを表し、ユニタリー行列Ua(ω)には、PDLを表す。式(2)より、光ファイバ伝送路の任意の伝達関数行列Ta(ω)は、式(3)のように表現できる。
Figure 0006417824
エルミート行列は、ユニタリー行列によって対角化が可能なので、エルミート行列Ha(ω)はユニタリー行列UaR1(ω)を用いて、式(4)のように表すことができる。
Figure 0006417824
ここで、AaH(ω)は、対角化行列であり、対角要素はそれぞれx及びy偏光軸のパワー損失を意味する。UaR1 (ω)は、Ha(ω)の損失を与える軸を決定する回転行列であり、常にdet(UaR1 (ω))=1なので、特殊ユニタリー群SU(2)に属する。式(4)を光学回路で任意に発生することができれば、任意のPDLを表す伝達関数行列の発生が可能である。
ここで、図1に示す偏波依存性損失エミュレータの伝達関数行列を考える。第1ユニタリー行列発生器103、第2ユニタリー行列発生器105、PDL発生器104の伝達関数行列を、Ue1 (ω)、Ue2(ω)、AaH(ω)とする。図1の偏波依存性損失エミュレータの伝達関数行列をHe(w)とすると、He(ω)は次式(5)で与えられる。
Figure 0006417824
第1ユニタリー行列発生器103は、順に、S1軸中心の回転を与える第1液晶アレイ301、S2軸中心の回転を与える第2液晶アレイ302を連結した構成である。したがって、1番目の第1液晶アレイ301で発生する直交偏光軸間の位相差をβ1(ω)、2番目の第2液晶アレイ302で発生する直交偏光軸間の位相差をγ1(ω)とすると、第1ユニタリー行列発生器103の伝達関数行列Ue1 (ω)は次式(6)で与えられる。
Figure 0006417824
PDL発生器104の上段アーム(第5液晶アレイ402を含む経路)で発生する第5液晶アレイ402の直交偏光軸間の位相差をφx(ω)とし、下段アーム(第6液晶アレイ404を含む経路)で発生する第6液晶アレイ404の直交偏光軸間の位相差をφy(ω)とすると、PDL発生器104の伝達関数行列AaH(ω)は次式(7)で与えられる。
Figure 0006417824
第2ユニタリー行列発生器105は、順に、S2軸中心の回転を与える第3液晶アレイ501、S1軸中心の回転を与える第4液晶アレイ502を連結した構成である。したがって、1番目の第3液晶アレイ501で発生する直交偏光軸間の位相差をβ2(ω)、2番目の第2液晶アレイ302で発生する直交偏光軸間の位相差をγ2(ω)とすると、第2ユニタリー行列発生器105の伝達関数行列Ue2(ω)は次式(8)で与えられる。
Figure 0006417824
Ue1 (ω)の絶対位相は、次式(9)で与えられ、
Figure 0006417824
また、Ue2(ω)の絶対位相は、次式(10)で与えられる。
Figure 0006417824
任意のPDLを発生するためには、式(4)のHa(ω)と、式(5)のHe(ω)を一致させればよい。式(4)において、一般に、UaR1 (ω)及びUaR1(ω)は任意のユニタリー回転行列である。任意の偏光回転を発生するためには、互いに偏光回転軸が異なる3つの偏光回転素子(液晶アレイ)が必要である。一方、UaR1(ω)の役割は、AaH(ω)のx、y軸の損失を与える偏光軸を任意に制御可能であれば良い。このため、固定であるAaH(ω)の固有光学軸(x,y軸)を任意に変換可能であれば良いので、式(6)に示したUe1 (ω)で十分なことが判る。同様の理由で、式(8)のUe2(ω)も、2つの偏光回転素子(液晶アレイ)で構成することができる。
式(4)に示した様に、UaR1 (ω)、UaR1(ω)は、共に特殊ユニタリー群SU(2)の回転行列であるが、式(9)、式(10)に示したように、図1の構成の第1、第2ユニタリー行列発生器はdet(Ue1 (ω))≠1、det(Ue2(ω))≠1なので、SU(2)には属さない。このため、ターゲットの伝達関数行列(Ha(ω)式(4))とPDLエミュレータの伝達関数行列(He(ω)式(5))を一致させるためには、絶対位相を考慮する必要がある。
ここで、Ue1 (ω)とUe2(ω)から絶対位相を分離した形に変換すると、それぞれ式(11)及び式(12)となる。
Figure 0006417824
式(11)及び式(12)の関係を利用すると、図1の偏波依存性損失エミュレータの伝達関数行列He(ω)は、式(13)で与えられる。
Figure 0006417824
ここで、第1ユニタリー行列発生器103の2つの制御変数の決定に関して述べる。発生対象の任意の伝送モデルに関して、Ta(ω)が得られたとき、発生対象のPDLは、式(1)により計算できる。さらに、式(4)の様に、対角行列と、ユニタリー行列の形に、解析的に分解できる。PDL発生器104の伝達関数は式(13)の様に表現できるので、式(4)と式(13)を比較して、各行列要素が等しくなるように制御変数を求めれば良い。またPDLの発生において、[det(Ue2(ω)×Ue1 (ω)]1/2 はスカラーであるのでPDLに寄与しない。
PDL発生器104の制御変数φx(ω)とφy(ω)は、式(4)のAaH(ω)と、式(7)の対角成分を比較すればよいので、φx(ω)とφy(ω)はそれぞれ、式(14a)式(14b)から求めることができる。
Figure 0006417824
ここで、λ1(ω)とλ2(ω)は、AaH(ω)の固有値である。
次に、第1ユニタリー行列発生器103の制御変数について説明する。第1ユニタリー行列発生器103の伝達関数行列Ue1 (ω)は、一般のユニタリー行列の型である一方、発生対象のUaR1(ω)は、SU(2)の特殊ユニタリーなので、Ue1 (ω)とUaR1(ω)を直接比較することはできない。このため、式(11)を用いて、Ue1 (ω)から、式(9)で与えられるPDLに依存しないスカラーの絶対位相で除算し、UeR1 (ω)として次式(15)で与える。
Figure 0006417824
式(4)と、式(15)はどちらもSU(2)に属するので、UeR1 (ω)を式(16)によって直接計算することができる。
Figure 0006417824
式(4)において、対象の任意のモデル(ターゲット)のユニタリー回転行列の各行列要素をHai,j(ω) (i, j=1, 2)とすると、式(16)とUaR1 (ω)の行列要素を比較し、連立方程式を解くと、第1ユニタリー行列発生器103の制御変数β1(ω)、γ1(ω)は、それぞれ次式(17)及び式(18)で与えられ、プログラマブルに発生させることができる。すなわち、伝送モデルに対して与えられた発生対象の伝達関数行列を計算し、それに基づき第1ユニタリー行列発生器103の制御変数β1(ω)、γ1(ω)を制御変数としてプログラマブルに発生させ、エミュレート信号を生成することができる。
Figure 0006417824
第1ユニタリー行列発生器103と、第2ユニタリー行列発生器105の偏光回転素子(液晶アレイ)の連結順序が互いに逆順である。このため、第2ユニタリー行列発生器105の伝達関数行列は、式(6)、及び式(8)について、
β2(w)←β1(w)
γ2(w)←γ1(w)
と、第1ユニタリー行列発生器103と等しい制御変数を代入すれば、自動的に第1ユニタリー行列発生器103の伝達関数行列の随伴行列となる。このため、第2ユニタリー行列発生器105の制御変数は、それぞれ次式(19)及び式(20)で与えられる。
Figure 0006417824
<偏波依存性損失エミュレータの動作実証>
図6及び図7を参照して、PMDとPDLが同時に存在するモデル(ターゲット)に対して、計算したシミュレーション結果について説明する。
まず、分布PMDとして、平均差分群遅延(DGD: Differential Group Delay)が2.89 psの複屈折素子を、平均値の10 %の標準偏差となる様に、また、それらの光学軸がランダムとなる様に300個配置した。このモデルの平均DGDは、50 psである。PDLは中継局の光コンポネント(光カプラ、光フィルタなど)のPDL、光増幅器の偏波依存利得を想定し、0.5dBのPDLを3つのPMD素子毎に連結した。このモデルにおいて、トータルのPDL素子挿入数は100個である。
このモデルに対して発生対象の伝達関数行列を計算し、上述の方法で、各制御変数を求めた。各制御変数をPDLエミュレータへ与えた時のPDLエミュレータの伝達関数から、PDLとそのベクトルを計算した。
ここで、PMDベクトルとは、その大きさがDGDの大きさを示し、その方向が主偏光状態の単位ストークスベクトルに平行な方向として定義されるベクトルである。また、PDLベクトルとは、その大きさが偏波依存性損失の大きさを示し、その方向がストークス空間中で最も光損失の大きい偏光軸の方向として定義されるベクトルである。
図6は、PDLベクトルの光学軸の方向をポアンカレ球上にプロットしたものである。帯域は波長1550nmを中心に200GHzとした。点線は、PDLエミュレータで発生したPDLベクトル、実線はターゲットのPDLベクトルである。同様に、図7は、それらのベクトルの大きさをdBで表したものである。図6と同様に点線は、PDLエミュレータで発生したPDLベクトルの大きさ、実線はターゲットのPDLベクトルの大きさである。図6及び図7において、点線は実線上にほぼ並んでいること(実線上にほとんど完全に点線が乗っている)ことから、対象のPDLを200 GHzと広帯域に亘りエミュレートできることが確かめられた。
<この発明の偏波依存性損失エミュレータの効果>
現在、デジタルコヒーレント受信機の発展により、極めて高精度な線形現象の波形等化が可能となった。一方、適応等化機能の実装が可能であるために、適応性能の評価が必須となった。特に、PDLは、OSNRをランダムに変化させるため、その評価が必要である。本発明は、PMDが発生しない、広帯域に亘るPDLを容易に、プログラマブルに発生することができる。従来技術の光ファイバの伝達関数発生は、高価な、SLMを相当数用いる必要があった。本発明では、近年のデジタルコヒーレントシステムの評価において、極めて重要なPDL特性をより簡便な構成で発生することができる。さらに、第1ユニタリー行列発生器、第2ユニタリー行列発生器で等しいパラメータを与えることにより、自動的にエルミート共役の関係となるため、制御変数の決定が非常に簡素であるといった効果が得られる。
なお、偏波依存性損失エミュレータの動作実証において、光伝送路における分布PMDを設定するため複屈折素子用いたが、この発明の偏波依存性損失エミュレータにおいて、このエミュレータからの出力光には新たなPMDは発生していない。
<この発明の偏波依存性損失エミュレータのその他の変形例>
この発明の偏波依存性損失エミュレータは、上述したように新たなPMDを発生させることなく、任意にPDLを発生することができる。光ファイバのPDLの影響を受けた光信号は、そのユニタリー性が破壊されるが、この発明の偏波依存性損失エミュレータを用いることにより、ユニタリー性の補償器としても用いることができる。すなわち、PDLを補償して、直交固有軸間の損失量が等しくなるように、入力光信号を補償させる装置としても利用することが可能である。
101:スペクトル分光器
102:第1レンズ
103:第1ユニタリー行列発生器
104:PDL発生器
105:第2ユニタリー行列発生器
106:第2レンズ
107:スペクトル合波器
201:第1半円柱レンズ
202:第1 VIPA板
203:第2半円柱レンズ
204:第2 VIPA板
301:第1液晶アレイ
302:第2液晶アレイ
401:偏光ビームスプリッタ
402:第5液晶アレイ
403:固定遅延素子
404:第6液晶アレイ
405:偏光ビームコンバイナ
406:第1全反射ミラー
407:第2全反射ミラー
501:第3液晶アレイ
502:第4液晶アレイ

Claims (9)

  1. 周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸を予め指定された方向に規定する第1ユニタリー行列を設定し、入力光信号を当該第1ユニタリー行列で与えられる偏光特性を有する第1光信号に変換する第1ユニタリー行列発生器と、
    前記第1光信号に、予め指定された周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸の方向に、指定された光損失を周波数ごとに与えて第2光信号を生成する偏波依存性損失発生器と、
    前記第1ユニタリー行列のエルミート共役行列を与える第2ユニタリー行列を設定し、前記第1ユニタリー行列発生器で発生した偏波モード分散を前記第2光信号から除去して、予め設定された偏波依存性損失に起因する偏波障害を擬似的に発生させて出力する第2ユニタリー行列発生器と
    を備え、
    前記第1ユニタリー行列発生器を、ストークス空間のS1軸中心の回転を与える偏光回転素子と、S2軸中心の回転を与える偏光回転素子を光信号の進行方向にこの順に連結させて構成し、
    前記第2ユニタリー行列発生器を、この逆順に配置する
    ことを特徴とする偏波依存性損失エミュレータ。
  2. 周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸を予め指定された方向に規定する第1ユニタリー行列を設定し、入力光信号を当該第1ユニタリー行列で与えられる偏光特性を有する第1光信号に変換する第1ユニタリー行列発生器と、
    前記第1光信号に、予め指定された周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸の方向に、指定された光損失を周波数ごとに与えて第2光信号を生成する偏波依存性損失発生器と、
    前記第1ユニタリー行列のエルミート共役行列を与える第2ユニタリー行列を設定し、前記第1ユニタリー行列発生器で発生した偏波モード分散を前記第2光信号から除去して、予め設定された偏波依存性損失に起因する偏波障害を擬似的に発生させて出力する第2ユニタリー行列発生器と
    を備え、
    前記第1ユニタリー行列発生器は、
    固有軸が水平方向に平行な第1液晶アレイ、及び
    固有軸が水平方向に対して+45°傾いた第2液晶アレイ
    を、光の進行方向に対してこの順序で配列されて備えており、
    前記第2ユニタリー行列発生器は、
    固有軸が水平方向に対して+45°傾いた第3液晶アレイ、及び
    固有軸が水平方向に平行な第4液晶アレイ
    を、光の進行方向に対してこの順序で配列されて備えている
    ことを特徴とする偏波依存性損失エミュレータ。
  3. 第1ユニタリー行列発生器、偏波依存性損失発生器、及び第2ユニタリー行列発生器を備え、予め設定された偏波モード分散及び偏波依存性損失に起因する偏波障害を有する光信号をエミュレート光信号として生成して出力する偏波依存性損失エミュレータであって、
    前記第1ユニタリー行列発生器は、
    固有軸が水平方向に平行な第1液晶アレイ、及び
    固有軸が水平方向に対して+45°傾いた第2液晶アレイ
    を、光の進行方向に対してこの順序で配列されて備え、
    周波数ごとに空間スペクトル分光された光信号を、当該第1ユニタリー行列発生器の偏光伝達特性を与える第1ユニタリー行列によって、周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸を予め指定された方向に設定可能に構成されており、
    入力した光信号を、周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸を予め指定された方向に調整して出力し、
    前記偏波依存性損失発生器は、
    予め設定された偏波依存性損失の固有軸の方向に損失を与えるべく、前記第1ユニタリー行列発生器から出力された光信号の水平軸方向の偏波成分及び垂直軸方向の偏波成分のそれぞれに対して、直交偏光軸間に周波数ごとに位相差を与えることが可能とされており、
    前記第1ユニタリー行列発生器から出力された光信号に、予め指定された周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸の方向に、予め指定された大きさの光損失を周波数ごとに与えて出力し、
    前記第2ユニタリー行列発生器は、
    固有軸が水平方向に対して+45°傾いた第3液晶アレイ、及び
    固有軸が水平方向に平行な第4液晶アレイ
    を光の進行方向に対してこの順序で配列されて備え、
    前記第1ユニタリー行列発生器で発生した偏波モード分散を除去するとともに、前記第1ユニタリー行列のエルミート共役行列を与える第2ユニタリー行列を設定可能に形成されており、
    前記偏波依存損失発生器から出力された光信号を入力して、予め設定された偏波依存性損失に起因する偏波障害を擬似的に発生させて出力する
    ことを特徴とする偏波依存性損失エミュレータ。
  4. 更に、スペクトル分光器とスペクトル合波器を備え、
    前記スペクトル分光器は、任意の偏光状態の入力光信号を入力して、周波数ごとに当該光信号を空間スペクトル分光し、
    前記スペクトル合波器は、前記第2ユニタリー行列発生器から出力された光信号を入力して、周波数ごとの空間スペクトル成分を合波する
    ことを特徴とする請求項3に記載の偏波依存性損失エミュレータ。
  5. 前記スペクトル分光器及び前記スペクトル波器は、VIPA(Virtually Imaged Phased Array)板、分光グレーティング、あるいはプリズム、のいずれかを備えて構成されることを特徴とする請求項に記載の偏波依存性損失エミュレータ。
  6. 前記第1液晶アレイ及び前記第2液晶アレイのそれぞれが備える周波数ごとに対応する液晶ピクセルに電気信号を印加することにより、前記入力光信号の周波数ごとに、前記第1液晶アレイ、前記第2液晶アレイにおいて、当該第1ユニタリー行列発生器に入力された光信号の偏光状態を回転させ、
    前記第3液晶アレイ及び前記第4液晶アレイのそれぞれが備える周波数ごとに対応する液晶ピクセルに電気信号を印加することにより、前記偏波依存性損失発生器から出力された光信号の周波数ごとに、前記第3液晶アレイ、前記第4液晶アレイにおいて、当該第2ユニタリー行列発生器に入力された光信号の偏光状態を回転させる
    ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の偏波依存性損失エミュレータ。
  7. 前記偏波依存性損失発生器は、
    前記第1ユニタリー行列発生器から出力された光信号を水平軸方向の偏波成分と垂直軸方向の偏波成分とに分岐する偏光ビームスプリッタと、
    前記水平軸方向の偏波成分と垂直軸方向の偏波成分の光路長が等しくなるように調整する固定遅延素子と、
    前記水平軸方向の偏波成分に対して直交偏光軸間に周波数ごとに位相差を与えることが可能である、固有軸が水平方向に対して+45°傾いた第5液晶アレイと、
    前記垂直軸方向の偏波成分に対して直交偏光軸間に周波数ごとに位相差を与えることが可能である、固有軸が水平方向に対して+45°傾いた第6液晶アレイと、
    前記第5液晶アレイ、前記第6液晶アレイのそれぞれを通過した偏波成分を合波する偏光ビームコンバイナと、
    を備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の偏波依存性損失エミュレータ。
  8. 前記第1〜6液晶アレイを構成する液晶アレイは、空間光変調器を利用して構成されることを特徴とする請求項7に記載の偏波依存性損失エミュレータ。
  9. 周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸を予め指定された方向に規定する第1ユニタリー行列を設定し、当該第1ユニタリー行列で与えられる偏光特性を有する第1ユニタリー行列発生器に入力光信号を通過させて第1光信号を生成する第1ステップと、
    前記第1光信号に、予め指定された周波数ごとに偏波依存性損失が最も大きくなる偏光軸の方向に、指定された光損失を周波数ごとに与えて第2光信号を生成する第2ステップと、
    第2ユニタリー行列発生器に、前記第1ユニタリー行列のエルミート共役行列を与える第2ユニタリー行列を設定し、当該第2ユニタリー行列で与えられる偏光特性を有する第2ユニタリー行列発生器に前記第2光信号を通過させて、前記第1ユニタリー行列発生器で発生した偏波モード分散を前記第2光信号から除去して、予め設定された偏波依存性損失に起因する偏波障害を擬似的に発生させ、周波数ごとの空間スペクトル成分を合波してエミュレート光信号として生成する第3ステップと
    を含むことを特徴とする偏波依存性損失エミュレート方法。
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