JP5845976B2 - 偏波モード分散発生装置 - Google Patents

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Description

この発明は、光ファイバ伝送路において発生する偏波モード分散が光伝送システムに与える影響を評価する際に利用可能な、偏波モード分散発生装置に関する。
偏波モード分散(PMD: Polarization Mode Dispersion)とは、光ファイバ伝送路内に分布した複屈折性が原因となり、受信端において信号光の直交偏光モード成分間に到達時間差が生じる現象である。この到達時間差は、差分群遅延(DGD: Differential Group Delay)と呼ばれる。
一般に、光伝送の高速化には、信号光の強度情報及び位相情報の多値化、シンボルレートの向上、波長領域の拡張、偏光空間の多重などの方法が適用される。シンボルレートを向上させると、ビット周期が短くなるのでPMDの影響が顕著に現れる。また、PMDの影響を受けた信号光は、波長に対してその偏光状態(SOP: State of Polarization)が異なるため、直交偏光空間を利用した偏波多重信号光による光通信においては、受信側で実行される偏波分離処理に悪影響を与える。
近年、実用段階にある位相情報を利用したコヒーレント光通信システムでは、PMDに対して、受信側における光学段補償方法や、電気段補償方法が知られている。光学段補償方法は、光ファイバ伝送路のPMDと逆特性のPMDを、光学素子を組み合わせて構成される光学回路によって実現し、光ファイバ伝送路のPMDを補償する方法であるこの方法をPMDの等化ということもある。
一方、電気段補償方法としてシンボルレートの2倍の速度でA/D(Analog to Digital)変換を行ない有限インパルス応答(FIR:Finite Impulse Response)フィルタによってデジタル信号処理をして波形等化を行う方法も知られている。これは、受信側でFIRフィルタを用いて線形現象の逆伝達特性の演算が可能なため、偏波多重信号の分離、及びPMDの等化が可能とされたものである。これらのデジタル信号処理システムではマイクロ秒(μs)程度の処理時間で偏光分離が可能であるとの報告もあり、一般に電気的に実行されるPMD等化応答速度も、光学的PMD補償器を用いた場合と比較して高速である。
これらの偏波依存性を有する光伝送路を備えた光伝送システムに対してはPMD耐性を評価する必要があり、この評価にはシステムにおけるデジタル信号処理の速度以上の速度で動作するPMD発生装置が必要である。また、例えば、PMD発生装置を波長分割多重方式の光伝送システムの評価に利用する場合には、そのPMD発生装置は波長依存性を有しないことが好ましい。
一方、光信号のシンボルレートがA/D変換器のナイキスト周波数の1/2と比較して大きいコヒーレント光通信システムを評価する場合には、光学的な手段でPMDの逆伝達特性を発現させるPMD補償装置が必要である。このような超広波長帯域の信号に適用するPMD補償装置には、高速な応答特性と、信号帯域幅に対して十分な広波長帯域性を確保することが要請される。
光学的にPMD補償を実現するPMD補償装置には、光パルス信号の変調フォーマット及び伝送ビットレートに依存しないという優れた特長があり、将来実現すべきシンボルレートの拡張に対応可能とするための研究が広く行われている。また、PMDエミュレータ及びPMD発生装置には、高速な応答特性が要請されるため、これら装置に対する設定パラメータの数の低減や、設定の簡便さが求められる。
PMDエミュレータを偏波多重光伝送システムのPMD変動耐性評価に用いる場合、このPMDエミュレータには、光ファイバ伝送路で生じるPMD変化に似せた擬似的なPMDの発生が可能であることが要請される。
このため、偏光ビームスプリッタを用いたマイケルソン干渉計型の構成のPMD補償装置が開示されている(非特許文献1参照)。このPMD補償装置は、偏光ビームスプリッタにより入力信号光を2つの光経路に分離後、片方の光信号に対して光路長を変化させることによってDGDを発生させる。このPMD補償装置は、入力信号光を光学的に2つの経路に分離するため、波長依存性の無い可変1次PMDを発生させることが可能である。
特許文献1に開示されたPMD発生装置では、複屈折結晶と偏光回転素子を、反射鏡を用いて形成した光経路を往復させてPMDを発生させる手法が採用されており、連続的に高速度でPMDを発生させることが可能である。しかしながら、発生するPMDベクトルは波長に強く依存する。ここで、PMDベクトルとは、その大きさがDGDの大きさを示し、その方向が主偏光状態の単位ストークスベクトルに平行な方向として定義されるベクトルである。
また、異なる大きさの複数の複屈折結晶を、偏光回転素子を介して接続して構成されたPMD補償装置が開示されている(非特許文献2参照)。このPMD補償装置は、異なる大きさの複数の複屈折結晶を、偏光回転素子を介して接続して構成されており、それぞれの複屈折結晶で発生するDGDの値が2のべき乗で与えられる数値となるような6つの複屈折結晶が用いられている。そして、これらの複屈折結晶の間に設置された偏光回転素子を制御することにより64通りのDGD値を設定できる構成とされている。偏光回転素子は、複屈折結晶の主偏光軸(PSP: Principal State of Polarization)とストークス空間で直交する偏光回転軸を有するものが使われている。
このPMD補償装置によれば、偏光回転素子の0度と90度のバイナリ偏光回転制御によりこれらの複屈折結晶の進相軸(fast axis)・遅相軸(slow axis)の組み合わせを選択することにより可変PMDを実現することが可能であり、波長選択性の極めて少ない1次PMDを発生させることが可能である。また、90度偏光スイッチは、磁気光学効果を利用したスイッチ等を利用して形成でき、マイクロ秒の速度領域でPMDを可変に発生させることが可能である。
Yoshihiro Kanda et al., "Highly Stable 160-Gb/s Field Transmission Employing Adaptive PMD Compensator with Ultra High Time-Resolution Variable DGD Generator", ECOC2008 We.3.E.6, September 2008 Lianshan Yan, et al., "Programmable Group-Delay Module Using Binary Polarization Switching", Journal of Lightwave Technology, Vol. 21, No. 7, pp. 1676-1684, July 2003
特開2003−228026号公報
PMD耐性の評価は、光伝送システムに対する重要な評価項目である。特に、PMDの影響を受けた光信号のSOPは、そのスペクトル内で不均一であるため、PMDは偏波多重信号の偏波分離等の偏波依存システムの動作性能に悪影響を与える。更に、光伝送システムに対して、動的にPMDベクトルの大きさ(DGDの値)が変動する場合の受信特性の評価を実施する必要がある。
近年、商用段階にあるデジタルコヒーレントシステムでは、デジタル信号処理回路によりマイクロ秒領域での偏光分離が可能である。上述したように、デジタルコヒーレント受信機では、光信号を電気信号に変換した後、PMDの逆伝達関数となるFIRフィルタによりPMDを含めた線形現象の波形等化が行われる。適応的なFIRフィルタのタップ係数の更新によって、PMDの等化が実施されるがその処理速度の評価には高速に動作するPMDエミュレータが必要である。
更に、受信器においては、適応的にSOP及びPMDの変化に追従するために、PMD耐性の評価に用いるPMDエミュレータには、敷設されている光ファイバにおいて発生するPMDの変化と同様に変化するPMDを発生させること(PMDの動的模倣)が必要とされる。このため、PMDエミュレータは、PMDを離散的に変化させるのではなく連続的に高速で変化させる機能を有することが必要となる。
また、シンボルレートが100Gb/sを超える超高速光伝送では、一般に光学的にPMDを補償するPMD補償装置が用いられる。すなわち、超高速光信号の伝送に関して、受信側におけるシンボル間干渉を低減する目的でPMD補償装置が用いられる。また、PMDの影響を受けた光信号は、SOPがスペクトル領域で不均一であるため偏波依存デバイスを併用することが困難である。このため偏波依存デバイスの前段でPMD補償装置によるPMD補償を実行することが必要である。
PMDエミュレータはPMDの伝達関数を発生させる。また、PMD補償装置は伝送路のPMDの伝達関数の逆関数を発生させる。これら何れの装置も、PMDを発生させる同一形態のPMD発生装置を用いて従来の周知の技術を用いて適宜形成することができる。すなわちPMD発生装置が存在すれば、PMD補償装置及びPMDエミュレータは、このPMD発生装置に偏波面コントローラ等の素子を周知の技術を以って適宜組み合わせることによって形成することが可能である。そこで、以後、PMD発生装置について説明する。
超高速信号(超広波長帯域信号)や、デジタルコヒーレントシステムを含め、波長分割多重信号への適用を考慮すると、PMD発生装置の広波長帯域性の確保が必要となる。一般に複数の任意のPSPを有する複屈折媒体を接続すると、複屈折位相の影響によりPMDスペクトルは強い波長依存性を持つ。すなわち、偏波モードの方向を示すPSPの変化に加え、高次のPMDが発生する。高次のPMDは、進相軸に平行な光電場成分と遅相軸に平行な光電場成分との伝播速度の差が光搬送波の周波数(波長)に依存して変化する現象である。
以上説明した状況を鑑みると、光伝送システムのPMD耐性を評価する際に利用可能なPMD発生装置には、以下(1)から(3)に示す特性を有することが要請される。すなわち、
(1)マイクロ秒領域で可変にDGDを発生させることが可能であること。
(2)発生するPMDの波長依存性が小さく、広波長帯域で利用が可能であること。
(3)敷設されている光ファイバにおいて発生するPMDの変化と同様に変化するPMDを発生させること、すなわちPMDの動的模倣が可能であること。
が要請される。
非特許文献1に開示されたPMD補償装置は、広波長帯域で一様なPMDを発生させることが可能であるが、可変PMD動作によって直交偏光成分間に対して光学的に光路長を変化させているため、直交偏光成分間の伝播時間差(DGD)が光搬送波の周期(数フェムト秒)程度でポアンカレ球上を一周する。そのため、敷設されている光ファイバで発生するPMDと比較して、数ピコ秒のDGD変化に伴うSOP変化量が膨大で偏波依存システムの評価に適していない。しかも、DGDの変化を、ステッピングモータ等を利用して機械的に実現させているので、その操作速度がミリ秒程度と低速である。また、特許文献1に開示されたPMD補償装置は、PMDの値とそれに伴うSOPの変動量も連続的に変化させることが可能であるが、波長依存性が大きい。
非特許文献2に開示されたPMD補償装置は、非特許文献1に開示されたPMD補償装置と同様に、広波長帯域で一様なPMDを発生させることが可能である。しかしながら、DGD可変動作に伴い90度偏光回転素子を制御しているので、出力されるPMD付加光のSOPが離散的である。上述したように、PMDエミュレータは、PMDの動的模倣をするには、PMDの連続的な変化を実現させることが必要であるが、非特許文献2に開示されたPMD補償装置では出力光の、PMDの値に伴うSOPが離散的であることからこの要件を満たさない。また、非特許文献2に開示されたPMD補償装置は、構成するために多くの制御素子を必要とする。
以上説明した何れのPMD補償装置を構成するPMD発生装置によっても、広波長帯域において一様なPMDを発生させること、及び高速に連続可変にPMD発生させることの両方が同時には実現されない。
この出願の発明者は、上述の課題を解決するに当り、信号光の波長帯域内で直交偏光成分間の位相差が均一となるように位相シフト量を調整することが可能である複屈折位相キャンセラ、及び1つの偏光回転素子を制御することで信号光の直交する偏光成分間のDGD値が可変に制御可能であるモードミキサを新たに発案した。そして、これら複屈折位相キャンセラ、及びモードミキサを備えてPMD発生装置を適宜構成することで、上述の課題が解決するPMD発生装置を構築できることに思い至った。
そこで、この発明の目的は、上述の(1)から(3)に示す特性が得られるPMD発生装置を提供することにある。
上述の理念に基づくこの発明の第1〜第3の要旨によれば、以下のPMD発生装置が提供される。
この発明の第1の要旨によるPMD発生装置は、第1複屈折結晶、モードミキサ、複屈折位相キャンセラ、及び第2複屈折結晶を備えて構成される。入力信号光は、第1複屈折結晶に入力され第1のPMDが付加されて出力される。この第1複屈折結晶から出力された出力光は、モードミキサに入力されSOPが可変に制御され、かつSOPがストークス空間で第1複屈折結晶および第2複屈折結晶のPMDベクトルと直交する一つの軸を中心として回転されて出力される。このモードミキサから出力された出力光は、複屈折位相キャンセラに入力され、この出力光の波長帯域内で直交偏光成分間の位相差が均一となるように位相シフト量が調整されて出力される。複屈折位相キャンセラから出力された出力光は、第2複屈折結晶に入力されて第2のPMDが付加されて出力される。PMD発生装置の動的なDGD動作は、モードミキサのSOP回転により得られる。
この発明の第2の要旨によるPMD発生装置は、光サーキュレータ、複屈折結晶、複屈折位相キャンセラ、モードミキサ、及び反射鏡を備えて構成される。入力信号光は、光サーキュレータを介して複屈折結晶に入力されPMDが付加されて出力される。この複屈折結晶から出力された出力光は、複屈折位相キャンセラに入力され、この出力光の波長帯域内で直交偏光成分間の位相差が均一となるように位相シフト量が調整されて出力される。複屈折位相キャンセラから出力された出力光は、モードミキサに入力されSOPが可変に制御され、かつSOPがストークス空間で第1複屈折結晶および第2複屈折結晶のPMDベクトルと直交する一つの軸を中心として回転されて出力される。モードミキサら出力された出力光は、反射鏡で反射されて、再びモードミキサ、複屈折位相キャンセラ、複屈折結晶を通過して光サーキュレータを介して出力される。PMD発生装置の動的なDGD動作は、モードミキサのSOP回転により得られる。
この発明の第3の要旨によるPMD発生装置は、光サーキュレータ、複屈折位相補償差分群遅延発生器(以後、複屈折位相補償DGD発生器ということもある)、モードミキサ、及び反射鏡を備えて構成される。入力信号光は、光サーキュレータを介して複屈折位相補償DGD発生器に入力されPMDが付加されて、この入力信号光の直交する偏光成分の一方の波長に対する位相差がキャンセルされて、この直交する偏光成分の双方が偏光合成され偏光合成信号とされて出力される。この偏光合成信号は、モードミキサに入力されSOPが可変に制御され、かつSOPがストークス空間で第1複屈折結晶および第2複屈折結晶のPMDベクトルと直交する一つの軸を中心として回転されて出力される。モードミキサから出力された出力光は、反射鏡で反射されて、再びモードミキサ、複屈折位相補償DGD発生器を通過して、光サーキュレータを介して出力される。PMD発生装置の動的なDGD動作は、モードミキサのSOP回転により得られる。
この発明の第1〜3の要旨によれば、詳細は後述するが、上述の(1)から(3)に示す特性を有するPMD発生装置が実現される。すなわち、広波長帯域にわたって均一なPMDスペクトルの発生が可能であり、及び高速に連続可変にPMD発生させることが可能であるPMD発生装置が実現される。
また、第1の要旨によれば、入力信号光の高速DGDの可変制御がモードミキサによって容易に実現される。
第2の要旨によれば、複屈折結晶を1つだけ用いてPMD発生を実現させているので、外部環境に左右されにくいという効果が得られる。
第3の要旨によれば、第2の要旨のPMD発生装置と同様に、複屈折結晶を1つだけ用いてPMD発生を実現させているので、外部環境に左右されにくいという効果が得られることに加えて、複屈折位相補償DGD発生器を用いることによって、必要とされる部品点数の低減が実現されている。
第1のPMD発生装置の概略的構成を示すブロック構成図である。 第1のPMD発生装置の構成要素である複屈折位相キャンセラの概略的構成を、微小分散発生器の概略的構成を含めて示すブロック構成図である。 第1のPMD発生装置の構成要素であるモードミキサの概略的構成を示すブロック構成図である。 第1のPMD発生装置の、モードミキサ、複屈折位相キャンセラ、及び微小分散発生器の概略的構成を含めた、装置全体の概略的構成を示すブロック構成図である。 従来の同種のPMD発生装置の概略的立体構成図である。 従来の同種のPMD発生装置によって得られるPMDベクトルの計算例を示す図である。 第1のPMD発生装置によって得られるPMDベクトルであって、回折格子の分解能が十分に高く理想的な場合の計算例を示す図である。 第1のPMD発生装置によって得られるPMDベクトルであって、回折格子の分解能が10 GHzである場合の計算例を示す図である。 偏光回転素子で生じる位相差に対して制御されるDGDの大きさの関係を示す図である。 第2のPMD発生装置の概略的構成を示すブロック構成図である。 モードミキサの光学軸と複屈折結晶の光学軸との関係についての説明に供する図である。 第2のPMD発生装置の、モードミキサ、複屈折位相キャンセラ、及び微小分散発生器の概略的構成を含めた、装置全体の概略的構成を示すブロック構成図である。 第2のPMD発生装置によって得られるPMDベクトルであって、回折格子の分解能が十分に高く理想的なの場合の計算例を示す図である。 第3のPMD発生装置の概略的構成を示すブロック構成図である。 第3のPMD発生装置の、複屈折位相補償DGD発生器、モードミキサ、及び微小分散発生器115の概略的構成を含めた、装置全体の概略的構成を示すブロック構成図である。 第3のPMD発生装置によって得られるPMDベクトルであって、回折格子の分解能が十分に高く理想的な場合の計算例を示す図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。なお、図1〜図4、図10〜図12、図14、及び図15はこの発明に係る一構成例を図示するものであり、この発明が理解できる程度に各構成要素の配置関係などを概略的に示しているに過ぎず、この発明を図示例に限定するものではない。
また、以下の説明において、特定の素子および動作条件などを取り上げることがあるが、これら素子および動作条件は好適例の一つに過ぎず、この発明は何らこれらに限定されない。また、ベクトルを表記するに当り、ベクトル量を示す文字の上に矢印を付するかあるいは太字によって示し、ベクトルの大きさそのものを通常の文字を以って表すのが一般的であるが、以下の説明においては、ベクトル量を数式の中で用いる場合を除き、ベクトル量を通常の文字によって示す。
<第1のPMD発生装置>
図1〜図4を参照して、この発明の実施形態の第1のPMD発生装置の構成、その動作、及び得られる効果について説明する。
(構成)
図1は、第1のPMD発生装置の概略的ブロック構成図である。第1のPMD発生装置は、第1複屈折結晶104、モードミキサ105、複屈折位相キャンセラ106、及び第2複屈折結晶107を備えている。
図1において、第1複屈折結晶104を「τ1」と表示し、モードミキサ105を「C0」と表示し、複屈折位相キャンセラ106を「C1(f)」と表示し、第2複屈折結晶107を「τ2」と表示してある。
入力信号光101が、第1ファイバコリメータ102を介して第1複屈折結晶104に入力され第1のPMDが付加されて出力される。第1複屈折結晶104から出力された出力光は、モードミキサ105に入力されSOPが可変に制御され、かつSOPがストークス空間で第1複屈折結晶および第2複屈折結晶のPMDベクトルと直交する一つの軸を中心として回転されて出力される。モードミキサ105から出力された出力光は、複屈折位相キャンセラ106に入力され、この出力光の波長帯域内で直交偏光成分間の位相差が均一となるように位相シフト量が調整されて出力される。複屈折位相キャンセラ106から出力された出力光は、第2複屈折結晶107に入力されて第2のPMDが付加されて出力され、第2ファイバコリメータ108を介して外部に出力信号光109として出力される。
図2は、複屈折位相キャンセラ106の概略的ブロック構成図である。複屈折位相キャンセラ106は、偏光ビームスプリッタ110、第1の1/4波長板111(45度λ/4板)、第2の1/4波長板113(45度λ/4板)、第1反射鏡112、及び微小分散発生器115を備えている。
モードミキサ105から出力された出力光は、偏光ビームスプリッタ110によって直交する2偏光成分に分離される。
この分離された一方の偏光成分は第1の1/4波長板111を通過して第1反射鏡112で反射されて再び第1の1/4波長板111を通過して偏光ビームスプリッタ110で反射されて出力される。複屈折位相キャンセラ106から出力された出力光は、第2複屈折結晶107に入力される。
他方の偏光成分は第2の1/4波長板113を通過し、ファイバコリメータ114を介して微小分散発生器115に入力され、波長ごとに位相シフト量が調整されて出力される。この出力光は、再びファイバコリメータ114を介して第2の1/4波長板113に入力されこれを通過して偏光ビームスプリッタ110を通過して第2複屈折結晶107に入力される。
微小分散発生器115は、コリメータ鏡116、回折格子117、レンズ118、位相シフタアレイ119、及び第2反射鏡120を備えている。微小分散発生器115に入力された偏光成分は、順次、コリメータ鏡116、回折格子117、レンズ118、位相シフタアレイ119を経て第2反射鏡120で反射される。その後、再び位相シフタアレイ119、レンズ118、回折格子117、コリメータ鏡116を経て出力される。
微小分散発生器115は、波長ごとに独立に位相シフト量を調整することが可能である装置であり、例えばオプトクエスト社の可変帯域スペクトルシェーパー等を適宜利用することができる(可変帯域スペクトルシェーパーの技術的詳細な情報は、特開2008-310190号公報等を参照)。微小分散発生器115は、図2に示すように、回折格子117によってスペクトル分光され、スペクトル分光された後に位相シフタアレイ119によって波長ごとに可変的に位相シフト量を変化させることができる構成とされる。微小分散発生器115をマイケルソン干渉計構造の一方の光路に配置することによって、波長ごとにSOPを制御可能な複屈折位相キャンセラ106を構成している。
図3は、モードミキサ105の概略的ブロック構成図である。モードミキサ105は、第3の1/4波長板121(45度λ/4板)、偏光回転素子122、及び第4の1/4波長板(-45度λ/4板)123をこの順に配列して備えた構成とされている。
偏光回転素子122は、外部から電圧を印加することによって直交偏光成分間の位相差を連続的に変化させることが可能とされた素子である。この偏光回転素子122によって、DGDの可変動作が実現される。
偏光回転素子122の光学軸は、第1複屈折結晶104及び第2複屈折結晶107の光学軸と同一の方向に向くように設置される。偏光回転素子122を挟んで両側に第3の1/4波長板121(45度λ/4板)と第4の1/4波長板123(-45度λ/4板)とを配置することによって、偏光回転素子122で生じる直交偏光軸間の位相差量に対して、ストークス空間のS3軸を中心にSOPを回転させることができる。なお、第1複屈折結晶104と第2複屈折結晶107のSOP回転の中心軸はストークス空間のS1軸、モードミキサ105で生じる偏光回転の中心軸はストークス空間のS3軸であり、これらS1軸とS3軸とは互いに直交している。
偏光回転素子122の動作特性によって、第1のPMD発生装置の動作速度が決定されるので、偏光回転素子122には高速で可変にDGDを発生させることが可能である素子を利用することが好ましい。マイクロ秒領域での動作が可能である偏光回転素子として、例えば、Boston Applied Technology INC.の偏光回転素子(Dynamic Polarization Rotator: http://www.bostonati.com/Products_PRM.html参照)を適宜利用することができる。
(動作)
図4を参照して、第1のPMD発生装置の動作について説明する。図4は、第1のPMD発生装置の全体の概略的構成をモードミキサ105、複屈折位相キャンセラ106、及び微小分散発生器115の概略的構成を含めて示すブロック構成図である。
入力信号光101は、第1ファイバコリメータ102を介して、第1複屈折結晶104に入力される。第1複屈折結晶104は、入力信号光101に第1のPMDとして、波長依存性のないPMDベクトルτ1を与える。
第1複屈折結晶104から出力された信号光は、モードミキサ105に入力される。モードミキサ105は、入力された信号光のSOPをストークス空間のS3軸を中心として回転させる。モードミキサ105から出力された信号光は、複屈折位相キャンセラ106に入力される。複屈折位相キャンセラ106は、入力された信号光の波長帯域内で直交偏光成分間の位相差が均一となるように位相シフト量を調整する。複屈折位相キャンセラ106から出力された信号光は、第2複屈折結晶107へ入力される。第2複屈折結晶107は、第2のPMDとして、波長依存性のないPMDベクトルτ2を与える。
第1複屈折結晶104のPMDベクトルを(τ1, 0, 0)T、第2複屈折結晶107のPMDベクトルを(τ2, 0, 0)T、第2複屈折結晶107の回転行列をR2、複屈折位相キャンセラ106の回転行列をC1(f)、モードミキサ105の回転行列をC0とすると、それぞれの素子の回転行列は、次のように与えられる。ここで、φは第2複屈折結晶107で生じる複屈折位相であり、φ=2πf|τ2|で与えられる。fは信号光の周波数である。αはモードミキサ105内の偏光回転素子122で生じる直交偏光成分間の位相差である。θは位相シフタアレイ119で生じる位相であり、回折格子117で分光された波長帯域ごとに可変である。
Figure 0005845976
第2複屈折結晶107と複屈折位相キャンセラ106との回転行列の乗算は、次のように与えられる。
Figure 0005845976
ここで、簡単のため、τ=τ1=τ2とすると、第1のPMD発生装置における合計PMDベクトルτallは、PMD連結の法則を用い、次式(1)で与えられる。
Figure 0005845976
ここで、第2複屈折結晶107によって生じる直交偏光成分間の位相差(複屈折位相)φは2πf|τ2|で与えられるが、通常の光通信における適用光信号の波長帯域内のいずれの波長に関しても、φ+θ=(一定値)となるように、複屈折位相キャンセラ106が調整される。
PMDベクトルの大きさτallがDGD量を与えるので、偏光回転素子122で生じる位相αに関して、次式(2)に従う波長依存性のない可変PMD動作が実現される。
Figure 0005845976
PMDベクトルに波長依存性が生じるのは、複屈折位相φ(=2πf|τ2|)が波長によって異なることに起因する。複屈折位相キャンセラ106は、回転行列R2の波長依存性をキャンセルする構成となっている。微小分散発生器115に対する設定条件は、第1複屈折結晶104及び第2複屈折結晶107で生じるDGD量に依存する。例えば、第1複屈折結晶104あるいは第2複屈折結晶107のDGD量が10 ps(ピコ秒)である場合、その複屈折位相φは100 GHzの周波数遷移で同じSOPとなる。
以上に説明したことから、第1のPMD発生装置によれば、式(1)に基づくスペクトルのPMDベクトル(広波長帯域において一様なPMDベクトル)が得られ、式(2)に基づく連続可変DGDが発生させられる。
(効果)
次に、図5〜図8を参照して、第1のPMD発生装置によって得られる効果について、従来の同種のPMD発生装置によって得られる効果と比較して説明する。
図5は従来の同種のPMD発生装置の概略的立体構成図である。図5に示すPMD発生装置は、複屈折結晶404の後段にモードミキサ405を配置し、このモードミキサ405からの出力光を反射鏡406で反射させる。以下に示すシミュレーションによるPMDベクトルの計算を行うにあたって、従来の同種のPMD発生装置を構成する複屈折結晶404として、第1のPMD発生装置を構成する第1複屈折結晶104及び第2複屈折結晶107と同じものを用いることとした。またモードミキサ405としてモードミキサ105と同じものを用いることとした。
図6に、従来の同種のPMD発生装置によって得られるPMDベクトルの計算例を示す。図7に、回折格子117の分解能が10 GHzよりも十分に高く理想的な第1のPMD発生装置によって得られるPMDベクトルの計算例を示す。また、図8に回折格子117の分解能が10 GHzである第1のPMD発生装置によって得られるPMDベクトルの計算例を示す。図6〜図8に示すそれぞれの計算例は、第1複屈折結晶104及び第2複屈折結晶107のDGD量を10 psとし、偏光回転素子122の位相発生量αをπ/4として計算して得られたものである。
図6〜図8のそれぞれの横軸は2πf|τ|の値をラジアン(rad)目盛で示してあり、また、それぞれの縦軸はストークスパラメータ(s1, s2, s3)及びDGDをps単位で目盛って示してある。図6〜図8のそれぞれの横軸は、複屈折結晶で生じる10 psの位相差に対応し、波長帯域を用いた表現では0から2πの範囲が0から100 GHzに対応する。ここで、偏光回転素子122の位相発生量αをπ/4としたため、式(2)で与えられるDGDの値|τall|は18.48 psとなる。
図6に示すように、従来の同種のPMD発生装置によれば、波長に対して大きくPMDベクトルの方向が回転している。これは、図6において、ストークスパラメータ(s1, s2, s3)の値が大きく変動していることから読み取れる。これに対して、第1のPMD発生装置によれば、波長に対するPMDベクトルの変化の遷移を十分に抑圧可能であり、広波長帯域において均一性の高いPMD発生特性が得られていることが分かる。これは、図7において、ストークスパラメータ(s1, s2, s3)の値が変動しておらず、図8において、ストークスパラメータ(s1, s2, s3)の値が図6におけるほど大きくは変動していないことから理解される。図6〜図8に示すように、回折格子117の分解能を高めるほど、ストークスパラメータ(s1, s2, s3)の値の変動を小さくできる。
また、微小分散発生器115に対する条件設定は、1度行えばそれ以後は変更する必要がないため、DGD可変動作は偏光回転素子122への印加電圧の変調のみで実現させることが可能である。
上述の式(2)から明らかなように、最大DGDから最小DGDにいたるDGD制御に必要とされる偏光回転素子122で発生させるべき位相シフト量の範囲は0〜πradである。図9を参照して、偏光回転素子122で生じる位相差に対して、制御されるDGDの大きさについて説明する。図9の横軸は偏光回転素子122で生じる位相差をラジアン目盛で示してあり、縦軸はDGD量をps単位で目盛って示してある。偏光回転素子122で生じる位相差が0のときのDGDの大きさは20 ps、位相差がπradであるときのDGDの大きさは0 psとなっている。すなわち、偏光回転素子122で発生させるべき位相シフト量が0〜πradの範囲で、最大DGD(20 ps)から最小DGD(0 ps)にいたるDGD制御が実現されている。
偏光回転素子122として、マイクロ秒領域での連続位相変化を可能とする素子を利用すれば、マイクロ秒領域での高速可変DGDの発生が可能である。更に、最小DGDから最大DGDへ可変制御に必要な直交偏光成分間の位相差はπであり、それに伴うSOPの変動も十分に小さい。位相シフト量αがπ/4である場合の計算結果を図7〜図9を参照して示したが、αの値に関わらずPMDベクトルの波長広がりは一般的に十分抑圧される。
以上のことから、第1のPMD発生装置によれば、PMD発生装置が具えるべき上述の(1)から(3)に示す特性を実現させることができる。
<第2のPMD発生装置>
図10〜図13を参照して、この発明の実施形態の第2のPMD発生装置の構成、その動作、及び得られる効果について説明する。上述の第1のPMD発生装置と同様の機能を果す素子に対しては同一の符号を付し、その重複する説明を省略することもある。また、上述の第1のPMD発生装置と同様の構成部分については、その動作及び効果について重複する説明を省略する。
(構成)
図10は、第2のPMD発生装置の概略的ブロック構成図である。第2のPMD発生装置は、光サーキュレータ202、複屈折結晶204、複屈折位相キャンセラ106、モードミキサ205、及び反射鏡206を備えている。複屈折結晶204は上述の第1のPMD発生装置が具える第1あるいは第2複屈折結晶(104、107)と同様の素子であり、複屈折位相キャンセラ106も上述の第1のPMD発生装置が具える複屈折位相キャンセラと同様の素子である。
入力信号光201が光サーキュレータ202及びファイバコリメータ203を介して複屈折結晶204に入力されPMDが付加されて複屈折結晶204から出力される。この複屈折結晶204から出力された出力光は、複屈折位相キャンセラ106に入力され、この出力光の波長帯域内で直交偏光成分間の位相差が均一となるように位相シフト量が調整されて出力される。複屈折位相キャンセラ106から出力された出力光は、モードミキサ205に入力されてSOPが可変に制御され、かつSOPがストークス空間で第1複屈折結晶および第2複屈折結晶のPMDベクトルと直交する一つの軸を中心として回転されて出力される。モードミキサ205から出力された出力光は、反射鏡206で反射されて、再びモードミキサ205、複屈折位相キャンセラ106、複屈折結晶204を通過して光サーキュレータ202を介して出力される構成とされている。
図10において、複屈折結晶204を「τ1」と表示し、複屈折位相キャンセラ106を「C1(f)」と表示し、モードミキサ205を「C02」と表示してある。
図11(A)及び(B)を参照して、モードミキサ205の光学軸と複屈折結晶204の光学軸との関係について説明する。図11(A)はモードミキサ205と複屈折結晶204との配置関係を示す図であり、図11(B)はモードミキサ205の方向についての説明に供する図である。
モードミキサ205は、上述の第1のPMD発生装置が具えるモードミキサ105と同様の構成及び機能を有する偏光回転素子が使われている。そして、偏光回転素子122の光学軸は、複屈折結晶204の光学軸に対して45度傾けて配置されている。モードミキサ205をこのように構成することによって、モードミキサ205は、ストークス空間のS2軸を中心にSOPを回転させることができる。なお、複屈折結晶204のSOP回転の中心軸はストークス空間のS1軸、モードミキサ205で生じる偏光回転の中心軸はストークス空間のS2軸であり、これらS1軸とS2軸とは互いに直交している。
図12を参照して、第2のPMD発生装置が備える、複屈折位相キャンセラ106、モードミキサ205、微小分散発生器115について説明する。複屈折位相キャンセラ106も上述の第1のPMD発生装置が備える素子と同一構造である。
複屈折結晶204から出力された出力光は、偏光ビームスプリッタ110によって直交する2偏光成分に分離される。
一方の偏光成分は、第1の1/4波長板111を通過して第1反射鏡112で反射されて再び第1の1/4波長板111を通過して偏光ビームスプリッタ110で反射されてモードミキサ205に入力されて、このモードミキサ205を出力して反射鏡206で反射されて再びモードミキサ205を通過して偏光ビームスプリッタ110で反射されて第1の1/4波長板111、第1反射鏡112を往復して再び偏光ビームスプリッタ110を通過して複屈折結晶204に入力される。
他方の偏光成分は、第2の1/4波長板113を通過し、ファイバコリメータ114を介して微小分散発生器115に入力されてこの他方の偏光成分の波長ごとに位相シフト量が調整されて出力される。この出力光は、再びファイバコリメータ114を介して、第2の1/4波長板113に入力され、これを通過して偏光ビームスプリッタ110で反射されて複屈折結晶204に入力される構成とされている。
微小分散発生器115は、コリメータ鏡116、回折格子117、レンズ118、位相シフタアレイ119、及び第2反射鏡120を備えている。
複屈折結晶204から出力され偏光ビームスプリッタ110によって直交する2偏光成分に分離された他方の偏光成分であって、第2の1/4波長板113を通過した偏光成分は、コリメータ鏡116、回折格子117、レンズ118、位相シフタアレイ119、を順次通過して第2反射鏡120で反射されて、再び位相シフタアレイ119、レンズ118、回折格子117の順に通過してコリメータ鏡116で反射されて、第2の1/4波長板113に戻される構成とされている。
(動作)
図12を参照して第2のPMD発生装置の動作について説明する。図12は、第2のPMD発生装置の全体の概略的構成をモードミキサ205、複屈折位相キャンセラ106、及び微小分散発生器115の概略的構成を含めて示すブロック構成図である。
入力信号光201は、光サーキュレータ202とファイバコリメータ203を介して、複屈折結晶204に入力され、波長依存性のないPMDベクトルτ1が与えられる。複屈折結晶204から出力された出力光は、複屈折位相キャンセラ106に入力され、波長に対して直交偏光成分間の位相差が等しくなるように調整される。複屈折位相キャンセラ106からの出力光は、モードミキサ205によってそのSOPがストークス空間のS2軸を中心として回転される。モードミキサ205からの出力光は、反射鏡206によって反射され、モードミキサ205、複屈折位相キャンセラ106、複屈折結晶204の経路をたどる。PMDを与えられた出力信号光207は、光サーキュレータ202の出力端から外部に出力される。
複屈折結晶204で発生するPMDベクトルと、複屈折位相キャンセラ106を規定する回転行列は、第1のPMD発生装置が備える対応する素子に対するものと同一である。
複屈折結晶204の回転行列をR1、モードミキサ205の回転行列をC02とすると、それぞれの回転行列は、次のように与えられる。
Figure 0005845976
ここで、φは複屈折結晶204で生じる複屈折位相であり、φ=2πf|τ|と与えられる。fは光の周波数である。αはモードミキサ205内の偏光回転素子で生じる直交偏光成分間の位相差である。第2のPMD発生装置における合計PMDベクトルτallは、PMD連結の法則を用い、次式(3)で与えられる。
Figure 0005845976
ここで、複屈折結晶204によって生じる直交偏光成分間の位相差(複屈折位相)φは2πf|τ|で与えられるが、通常の光通信における適用光信号の波長帯域内のいずれの波長に関しても、φ+θ=(一定値)となるように、複屈折位相キャンセラ106が調整される。
モードミキサ205で生じる位相αに関しては、第2のPMD発生装置が反射型の構成とされていることからモードミキサ205を2回通過するので、第2のPMD発生装置においては、モードミキサ205で生じる位相αに関して、次式(4)に従う波長依存性のない可変PMD動作が実現される。
Figure 0005845976
(効果)
次に、図13を参照して、第2のPMD発生装置によって得られる効果について説明する。図13に、回折格子117の分解能が10 GHzよりも十分に高く理想的な第2のPMD発生装置によって得られるPMDベクトルの計算例を示す。図13に示す計算例は、複屈折結晶204のDGD量を10 psとし、モードミキサ205の位相発生量αをπ/4として計算して得られたものである。
図13の横軸は2πf|τ|の値をラジアン目盛で示してあり、また縦軸はストークスパラメータ(s1, s2, s3)及びDGDをps単位で目盛って示してある。図13の横軸は、複屈折結晶204で生じる10 psの位相差に対応し、波長帯域を用いた表現では0から2πの範囲が0から100 GHzに対応する。ここで、モードミキサ205で生じる位相発生量αをπ/4としたため、式(4)で与えられるDGDの値|τall|は14.14psとなる。
第2のPMD発生装置によれば、波長に対するPMDベクトルの変化の遷移を十分に抑圧可能であり、広波長帯域において均一性の高いPMD発生特性が得られていることが分かる。これは、図13において、ストークスパラメータ(s1, s2, s3)の値が変動していないことから読み取れる。
反射型の構成としても、平坦な波長依存性のないPMDの発生が可能であることが示された。更に、反射型の構成としたことによって複屈折結晶が1つで済み、外部環境の影響を受けにくいという利点がある。αの値は第1のPMD発生装置の場合と比較して半分の値でよく、モードミキサ205を構成する偏光回転素子への印加電圧を低くすることができるという利点もある。
<第3のPMD発生装置>
図14〜図16を参照して、この発明の実施形態の第3のPMD発生装置の構成、その動作、及び得られる効果について説明する。上述の第1及び第2のPMD発生装置と同様の機能を果す素子に対しては同一の符号を付し、その重複する説明を省略することもある。また、上述の第1及び第2のPMD発生装置と同様の構成部分については、その動作及び効果について重複する説明を省略する。
図14は、第3のPMD発生装置の概略的ブロック構成図である。第3のPMD発生装置は、光サーキュレータ202、複屈折位相補償DGD発生器305、モードミキサ306、及び反射鏡206を備えている。
入力信号光301は、光サーキュレータ202を介して複屈折位相補償DGD発生器305に入力されて、PMDが付加されて、この入力信号光の直交する偏光成分の一方の波長に対する位相差をキャンセルされて、この直交する偏光成分の双方が偏光合成され偏光合成信号とされて出力される。
偏光合成信号は、モードミキサ306に入力されてSOPが可変に制御され、かつSOPがストークス空間で第1複屈折結晶および第2複屈折結晶のPMDベクトルと直交する一つの軸を中心として回転されて出力される。
モードミキサ306から出力された出力光は、反射鏡206で反射されて、再びモードミキサ306、複屈折位相補償DGD発生器305を通過して、光サーキュレータ202を介して出力される構成とされている。
図14において、複屈折位相補償DGD発生器305を「τ1&C1(f)」と表示し、モードミキサ306を「C02」と表示してある。
図15を参照して、第3のPMD発生装置が備える、複屈折位相補償DGD発生器305、モードミキサ306、微小分散発生器115について説明する。
複屈折位相補償DGD発生器305は、偏光ビームスプリッタ110、第1の1/4波長板111、第2の1/4波長板113、第1反射鏡112、及び微小分散発生器115を備えている。また、微小分散発生器115は、コリメータ鏡116、回折格子117、レンズ118、位相シフタアレイ119、及び第2反射鏡120を備えている。
光サーキュレータ202からファイバコリメータ203を介して複屈折位相補償DGD発生器305に入力された入力信号光301は、偏光ビームスプリッタ110によって直交する2偏光成分に分離される。
このうち一方の偏光成分は、第1の1/4波長板111を通過して第1反射鏡112で反射されて再び第1の1/4波長板111を通過して偏光ビームスプリッタ110で反射されてモードミキサ306に入力されて、モードミキサ306を出力して反射鏡206で反射されて再びモードミキサ306を通過して偏光ビームスプリッタ110で反射されて第1の1/4波長板111、第1反射鏡112を往復して再び偏光ビームスプリッタ110に入力されてこの偏光ビームスプリッタ110を通過して光サーキュレータ202を介して出力される。
他方の偏光成分は、第2の1/4波長板113を通過して微小分散発生器115に入力されてこの他方の偏光成分の波長ごとに位相シフト量が調整されて出力され、この出力光は再び第2の1/4波長板113を通過して偏光ビームスプリッタ110に入力されてこの偏光ビームスプリッタ110で反射される微小分散発生器115に入力された偏光成分は、波長ごとに位相シフト量が調整されて出力される。
モードミキサ306は、上述の第2のPMD発生装置が備えるモードミキサ205と同一の素子であり、第3の1/4波長板121、偏光回転素子122、及び第4の1/4波長板123をこの順に配列して備えた構成とされている。
複屈折位相補償DGD発生器305も、上述の第1及び第2のPMD発生装置が備える複屈折位相キャンセラ106と同一の構成のマイケルソン干渉計型のDGD発生器である。そして、一方の光路の波長に対して位相シフト量を調整可能な微小分散発生器115が配置されている。偏光ビームスプリッタ110から第1反射鏡112間の往復の光路と、偏光ビームスプリッタ110から第2反射鏡120間の往復の光路との光路差から生じる時間差がDGDに相当する。すなわち、ここで生じるDGDが、上述の第1のPMD発生装置が備える第1及び第2の複屈折結晶で発生されるDGDに相当し、及び第2のPMD発生装置が備える複屈折結晶で発生されるDGDに相当する。
このDGDにより生じる直交偏光モード間の位相差φは、微小分散発生器115を関与させない場合のPMDベクトルτを用いて、次式(5)で与えられる。ここで、fは信号光の周波数である。
Figure 0005845976
また、複屈折位相補償DGD発生器305の回転行列Rcは、次式で与えられる。
Figure 0005845976
(動作)
第3のPMD発生装置の全体の概略的構成を複屈折位相補償DGD発生器305、モードミキサ306、及び微小分散発生器115の概略的構成を含めて示すブロック構成図である図15を参照して、第3のPMD発生装置の動作について説明する。
偏光ビームスプリッタ110によって分離され、第1及び第2偏光成分とされた2つの偏光成分は、再び偏光ビームスプリッタ110で偏波合成されて偏波合成信号として生成される。この偏波合成信号は、モードミキサ306に入力される。モードミキサ306に入力された偏波合成信号は、その偏光軸をストークス空間のS2軸を回転中心としてαだけ回転されて反射鏡206で反射される。そしてこの反射された偏波合成信号は、モードミキサ306を通過して偏光ビームスプリッタ110に入力されて反射され、ファイバコリメータ203及び光サーキュレータ202を介して、最終的に出力信号光307として出力される。
第3のPMD発生装置における合計PMDベクトルτallは、PMD連結の法則を用い、次式(6)で与えられる。
Figure 0005845976
ここで、直交偏光成分間の位相差(複屈折位相)を、回折格子117の各中心波長において、φ+θ=(一定値)となるように、微小分散発生器115を調整する。
モードミキサ306で生じる位相αに関しては、上述の第2のPMD発生装置と同様に、第3のPMD発生装置が反射型の構成とされていることからモードミキサ306を2回通過するので、第3のPMD発生装置においては、モードミキサ306で生じる位相αに関して、次式(7)に従う波長依存性のない可変PMD動作が実現される。
Figure 0005845976
(効果)
次に、図16を参照して、第3のPMD発生装置によって得られる効果について説明する。図16に、回折格子117の分解能が10 GHzよりも十分に高く理想的な第3のPMD発生装置によって得られるPMDベクトルの計算例を示す。図16に示す計算例は、複屈折位相補償DGD発生器305で生じるDGD量を10 psとし、モードミキサ306の位相発生量αをπ/4として計算して得られたものである。
図16の横軸は2πf|τ|の値をラジアン目盛で示してあり、また縦軸はストークスパラメータ及びDGDをps単位で目盛って示してある。モードミキサ306で生じる位相発生量αをπ/4としたため、式(6)で与えられるDGDの値|τall|は14.14 psとなる。
第3のPMD発生装置によれば、波長に対するPMDベクトルの変化の遷移を十分に抑圧可能であり、広波長帯域において均一性の高いPMD発生特性が得られていることが分かる。これは、図16において、ストークスパラメータ(s1, s2, s3)の値が変動していないことから読み取れる。
第3のPMD発生装置によれば、上述の第2のPMD発生装置によって得られる格別な効果に加えて、マイケルソン干渉計型の複屈折位相補償DGD発生器でDGD発生部分を実現したことにより、装置の構成に必要とされる部品点数を少なくすることが可能となった。
<PMD発生装置の応用例>
第1〜第3のPMD発生装置は、PMDを発生することを主眼とした装置である。これらのPMD発生装置を利用すれば、装置の前段に、入力信号光のSOPを任意に調整するための偏波面コントローラを配置することによってPMD補償装置を形成することができる。
更に、偏波面コントローラと上述のPMD補償装置とを接続して構成される装置によって、光伝送路のPMDを補償した状態でモードミキサ105、205あるいは306で発生させた位相シフト量を読み取れば、DGDの大きさが、第1のPMD発生装置を利用した場合は次式(8)によって、第2あるいは第3のPMD発生装置を利用した場合は次式(9)によって判断できるので、PMD測定装置としても利用できる。
Figure 0005845976
なお、第1〜第3のPMD発生装置において、モードミキサ105、205あるいは306を構成するに当り偏光回転素子を利用したが、偏光回転素子の代わりに1/2波長板を利用することも可能である。また、第1及び第2のPMD発生装置において利用した複屈折結晶として、偏波保持光ファイバ等の複屈折媒体を利用することも可能である。
101、201、301:入力信号光
102:第1ファイバコリメータ
104:第1複屈折結晶
105、205、306、405:モードミキサ
106:複屈折位相キャンセラ
107:第2複屈折結晶
108:第2ファイバコリメータ
109、207、307:出力信号光
110:偏光ビームスプリッタ
111:第1の1/4波長板(45度λ/2板)
112:第1反射鏡
113:第2の1/4波長板(45度λ/2板)
114、203:ファイバコリメータ
115:微小分散発生器
116:コリメータ鏡
117:回折格子
118:レンズ
119:位相シフタアレイ
120:第2反射鏡
121:第3の1/4波長板(45度λ/2板)
122:偏光回転素子
123:第4の1/4波長板(-45度λ/2板)
202:光サーキュレータ
204、404:複屈折結晶
206、406:反射鏡
305:複屈折位相補償差分群遅延発生器(複屈折位相補償DGD発生器)

Claims (9)

  1. 第1複屈折結晶、モードミキサ、複屈折位相キャンセラ、及び第2複屈折結晶を備え、
    前記第1複屈折結晶は、入力信号光が入力され第1の偏波モード分散を付加して出力し、
    前記モードミキサは、前記第1複屈折結晶から出力された出力光が入力され、偏光状態を可変に制御し、かつ当該偏光状態をストークス空間で前記第1複屈折結晶および前記第2複屈折結晶の偏波モード分散ベクトルと直交する一つの軸を中心として回転して出力し、
    前記複屈折位相キャンセラは、該モードミキサから出力された出力光が入力され、当該出力光の波長帯域内で直交偏光成分間の位相差が均一となるように位相シフト量を調整して出力し、
    前記第2複屈折結晶は、該複屈折位相キャンセラから出力された出力光が入力されて第2の偏波モード分散を付加して出力し、
    前記複屈折位相キャンセラは、
    偏光ビームスプリッタ、第1の1/4波長板、第2の1/4波長板、第1反射鏡、及び微小分散発生器を備え、
    前記偏光ビームスプリッタは、前記モードミキサから出力された出力光を直交する2偏光成分に分離し、
    一方の偏光成分は前記第1の1/4波長板を通過して前記第1反射鏡で反射されて再び前記第1の1/4波長板を通過して前記偏光ビームスプリッタで反射されて前記第2複屈折結晶に入力され、
    他方の偏光成分は前記第2の1/4波長板を通過して前記微小分散発生器に入力されて当該他方の偏光成分の波長ごとに位相シフト量が調整されて出力され、当該出力光は再び前記第2の1/4波長板を通過して前記偏光ビームスプリッタを通過して前記第2複屈折結晶に入力される構成とされている
    ことを特徴とする偏波モード分散発生装置。
  2. 前記モードミキサは、第3の1/4波長板、偏光回転素子、及び第4の1/4波長板をこの順に配列して備えた構成とされており、
    前記偏光回転素子の光学軸は、前記1複屈折結晶及び前記第2複屈折結晶の光学軸と同一の方向に向くように配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の偏波モード分散発生装置。
  3. 前記微小分散発生器は、
    コリメータ鏡、回折格子、レンズ、位相シフタアレイ、及び第2反射鏡を備え、
    前記モードミキサから出力され前記偏光ビームスプリッタによって直交する2偏光成分に分離された他方の偏光成分であって、前記第2の1/4波長板を通過した偏光成分は、前記コリメータ鏡、前記回折格子、前記レンズ、前記位相シフタアレイ、を順次通過して前記第2反射鏡で反射されて、再び前記位相シフタアレイ、前記レンズ、前記回折格子の順に通過して前記コリメータ鏡で反射されて、前記第2の1/4波長板に戻される構成とされている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の偏波モード分散発生装置。
  4. 光サーキュレータ、複屈折結晶、複屈折位相キャンセラ、モードミキサ、及び反射鏡を備え、
    入力信号光が前記光サーキュレータを介して前記複屈折結晶に入力され、
    該複屈折結晶は、前記入力信号光に偏波モード分散を付加して出力し、
    前記複屈折位相キャンセラは、前記複屈折結晶から出力された出力光が入力され、当該出力光の波長帯域内で直交偏光成分間の位相差が均一となるように位相シフト量を調整して出力し、
    前記複屈折位相キャンセラからの出力光は、前記モードミキサによってその偏光状態が回転され、
    前記モードミキサから出力された出力光は、前記反射鏡で反射されて、再び前記モードミキサ、前記複屈折位相キャンセラ、前記複屈折結晶を通過して前記光サーキュレータを介して出力される構成とされており、
    前記複屈折位相キャンセラは、
    偏光ビームスプリッタ、第1の1/4波長板、第2の1/4波長板、第1反射鏡、及び微小分散発生器を備え、
    前記偏光ビームスプリッタは、前記複屈折結晶から出力された出力光を直交する2偏光成分に分離し、
    一方の偏光成分は、前記第1の1/4波長板を通過して前記第1反射鏡で反射されて再び前記第1の1/4波長板を通過して前記偏光ビームスプリッタで反射されて前記モードミキサに入力されて、該モードミキサから出力されて前記反射鏡で反射されて再び前記モードミキサを通過して前記偏光ビームスプリッタで反射されて前記第1の1/4波長板、前記第1反射鏡を往復して再び前記偏光ビームスプリッタを通過して前記複屈折結晶に入力され、
    他方の偏光成分は、前記第2の1/4波長板を通過して前記微小分散発生器に入力されて当該他方の偏光成分の波長ごとに位相シフト量が調整されて出力され、当該出力光は再び前記第2の1/4波長板を通過して前記偏光ビームスプリッタで反射されて前記複屈折結晶に入力される構成とされている
    ことを特徴とする偏波モード分散発生装置。
  5. 前記モードミキサは、第3の1/4波長板、偏光回転素子、及び第4の1/4波長板をこの順に配列して備えた構成とされており、
    前記偏光回転素子の光学軸は、前記複屈折結晶の光学軸に対して45度傾けて配置されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の偏波モード分散発生装置。
  6. 前記微小分散発生器は、
    コリメータ鏡、回折格子、レンズ、位相シフタアレイ、及び第2反射鏡を備え、
    前記複屈折結晶から出力され前記偏光ビームスプリッタによって直交する2偏光成分に分離された前記他方の偏光成分であって、前記第2の1/4波長板を通過した偏光成分は、前記コリメータ鏡、前記回折格子、前記レンズ、前記位相シフタアレイ、を順次通過して前記第2反射鏡で反射されて、再び前記位相シフタアレイ、前記レンズ、前記回折格子の順に通過して前記コリメータ鏡で反射されて、前記第2の1/4波長板に戻される構成とされている
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の偏波モード分散発生装置。
  7. 光サーキュレータ、複屈折位相補償差分群遅延発生器、モードミキサ、及び反射鏡を備え、
    入力信号光が前記光サーキュレータを介して前記複屈折位相補償差分群遅延発生器に入力され、
    該複屈折位相補償差分群遅延発生器は、当該入力信号光に偏波モード分散を付加し、当該入力信号光の直交する偏光成分の一方の波長に対する位相差をキャンセルして、当該直交する偏光成分の双方を偏光合成し偏光合成信号として出力し、
    前記偏光合成信号は、当該偏光合成信号の偏光状態を回転させる前記モードミキサを通過して、当該モードミキサから出力された出力光は、前記反射鏡で反射されて、再び当該モードミキサ、前記複屈折位相補償差分群遅延発生器を通過して、前記光サーキュレータを介して出力される構成とされており、
    前記複屈折位相補償差分群遅延発生器は、
    偏光ビームスプリッタ、第1の1/4波長板、第2の1/4波長板、第1反射鏡、及び微小分散発生器を備え、
    前記偏光ビームスプリッタは、前記光サーキュレータを介して前記入力信号光が入力され、該入力信号光を直交する2偏光成分に分離して出力し、
    一方の偏光成分は、前記第1の1/4波長板を通過して前記第1反射鏡で反射されて再び前記第1の1/4波長板を通過して前記偏光ビームスプリッタで反射されて前記モードミキサに入力されて、該モードミキサから出力されて前記反射鏡で反射されて再び前記モードミキサを通過して前記偏光ビームスプリッタで反射されて前記第1の1/4波長板、前記第1反射鏡を往復して再び前記偏光ビームスプリッタを通過して前記光サーキュレータに入力され、
    他方の偏光成分は、前記第2の1/4波長板を通過して前記微小分散発生器に入力されて当該他方の偏光成分の波長ごとに位相シフト量が調整されて出力され、当該出力光は再び前記第2の1/4波長板を通過して前記偏光ビームスプリッタで反射されて前記光サーキュレータに入力される構成とされている
    ことを特徴とする偏波モード分散発生装置。
  8. 前記モードミキサは、第3の1/4波長板、偏光回転素子、及び第4の1/4波長板をこの順に配列して備えた構成とされている
    ことを特徴とする請求項7に記載の偏波モード分散発生装置。
  9. 前記微小分散発生器は、
    コリメータ鏡、回折格子、レンズ、位相シフタアレイ、及び第2反射鏡を備え、
    前記光サーキュレータから出力された前記入力信号光が前記偏光ビームスプリッタによって直交する2偏光成分に分離された前記他方の偏光成分であって、前記第2の1/4波長板を通過した偏光成分は、前記コリメータ鏡、前記回折格子、前記レンズ、前記位相シフタアレイ、を順次通過して前記第2反射鏡で反射されて、再び前記位相シフタアレイ、前記レンズ、前記回折格子の順に通過して前記コリメータ鏡で反射されて、前記第2の1/4波長板に戻される構成とされている
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の偏波モード分散発生装置。
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