JP6417574B2 - 絶縁筒、および絶縁筒の製造方法 - Google Patents

絶縁筒、および絶縁筒の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、絶縁筒、および絶縁筒の製造方法に関する。
一対の電力ケーブルを、互いに軸を一致させつつ突き合わせて直線状に接続することがある。このとき、一対の電力ケーブルのケーブル導体の接続部分は、圧縮スリーブによって圧縮接続され、圧縮スリーブの周囲には、電力ケーブル接続用絶縁筒(または常温収縮絶縁筒、以下、絶縁筒)が装着される(例えば、特許文献1)。
一対の電力ケーブルの接続部分に絶縁筒を装着する際には、絶縁筒の軸方向に貫通した中空部に例えば拡径パイプを挿入することにより、予め絶縁筒を拡径した状態で、絶縁筒の中空部の開口に一対の電力ケーブルをそれぞれ挿入し、絶縁筒を一対の電力ケーブルの接続部分に配置する。そして、絶縁筒から拡径パイプを取り除くことにより、絶縁筒を弾性的に収縮させて電力ケーブルの接続部分に被せる。
特開2005−7679号公報
絶縁筒の中空部に拡径パイプを挿入する際、絶縁筒の中空部の内周面と拡径パイプとの摩擦を低減するため、拡径パイプの表面には、潤滑油が塗布される。
本発明者は、絶縁筒の中空部に拡径パイプを挿入する際に、絶縁筒の形状に起因して、拡径パイプに塗布された潤滑油が削ぎ取られてしまう場合があることを見出した。
本発明の目的は、中空部内への潤滑油の浸入を促すことができる絶縁筒、および絶縁筒の製造方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、
軸方向に貫通する中空部を有する筒状体として構成され、前記中空部の両端の開口に一対の電力ケーブルがそれぞれ挿入され、前記中空部内で前記一対の電力ケーブルが互いに突き合わされて直線状に接続される絶縁筒であって、
前記中空部の少なくとも一方の開口に、前記中空部の軸方向の中央側から前記開口に向かって拡径するように傾斜する傾斜部が周方向に沿って設けられ、
前記傾斜部の少なくとも一部は、多段階に傾斜している絶縁筒が提供される。
本発明の他の態様によれば、
軸方向に貫通する中空部を有する筒状体として構成され、前記中空部の両端の開口に一対の電力ケーブルがそれぞれ挿入され、前記中空部内で前記一対の電力ケーブルが互いに突き合わされて直線状に接続される絶縁筒の製造方法であって、
前記中空部の少なくとも一方の開口に、前記中空部の軸方向の中央側から前記開口に向かって拡径するように傾斜する傾斜部を周方向に沿って形成する工程を有し、
前記傾斜部を形成する工程では、
前記傾斜部の少なくとも一部を、多段階に傾斜させる絶縁筒の製造方法が提供される。
本発明によれば、中空部内への潤滑油の浸入を促すことができる絶縁筒、および絶縁筒の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る絶縁筒を示す断面図である。 図1に示す絶縁筒のA部を拡大した断面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る絶縁筒の中空部に拡径パイプを挿入したときを示す概略図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係る絶縁筒の中空部に拡径パイプを挿入する圧力を開放したときを示す概略図である。 比較例の絶縁筒を示す断面図である。 図4に示す絶縁筒のB部を拡大した断面図である。 (a)は、比較例の絶縁筒の中空部に拡径パイプを挿入したときを示す概略図であり、(b)は、比較例の絶縁筒の中空部に拡径パイプを挿入する圧力を開放したときを示す概略図である。
<発明者の得た知見>
まず、図4〜図5を用い、比較例として、絶縁筒の中空部に拡径パイプを挿入する際に拡径パイプに塗布された潤滑油が削ぎ取られてしまう場合について説明する。図4は、比較例の絶縁筒を示す断面図である。図5は、図4に示す絶縁筒のB部を拡大した断面図である。
図4に示すように、比較例の絶縁筒90は、軸方向に貫通し一対の電力ケーブルの接続部分が挿入される中空部921を有している。絶縁筒90を金型で成形する際、中空部921の開口922には、金型の繋ぎ目に相当する部分にバリが発生する。中空部921の開口922に形成されたバリを除去するため、中空部921の開口922には、周方向に沿って、傾斜部(面取り部)931が設けられている。
図5に示すように、傾斜部931を形成(カット)した後に傾斜部931の両端が収縮して反りかえることによって、傾斜部931は、例えば、中空部921側に凹となるように円弧状に設けられている。中空部921の軸方向に沿った断面で見たときに、中空部921の軸方向に対する傾斜部931の傾斜面の傾斜角度θは、中空部921の軸方向の中央側(後端側)に行くに従って90°に近くなっている。傾斜部931の後端側には、傾斜面が反りかえったカエリ部931aが形成されている。
このため、絶縁筒90の中空部921に拡径パイプを挿入する際、拡径パイプを滑り易くするために拡径パイプの表面に塗布された潤滑油は、傾斜部931の後端側に形成されたカエリ部931aによって、削ぎ取られてしまう。その結果、絶縁筒90の中空部921に拡径パイプを挿入し難くなる可能性がある。
本発明は、本発明者が見出した上記知見に基づくものである。
<本発明の一実施形態>
(1)絶縁筒
まず、図1および図2を用い、本発明の一実施形態に係る絶縁筒10について説明する。図1は、本実施形態に係る絶縁筒を示す断面図である。図2は、図1に示す絶縁筒のA部を拡大した断面図である。
図1に示すように、本実施形態の絶縁筒10は、軸方向に貫通する中空部210を有する筒状体として構成されている。絶縁筒10は、中空部210の両端の開口220a,220bに一対の電力ケーブルがそれぞれ挿入され、中空部210の内部で一対の電力ケーブルのそれぞれの端部が互いに軸を一致させつつ突き合わされて直線状に接続されるよう構成されている。なお、電力ケーブルは、例えば、CVケーブル(Cross−Linked Polyethylene insulated Vinylchloride sheath Cable)として構成されており、中心から外側に向けて、ケーブル導体、ケーブル内部半導電層、ケーブル絶縁体、ケーブル外部半導電層、ケーブル遮蔽層、およびケーブル防食層を有している。
本実施形態の絶縁筒10は、中空部210内に一対の電力ケーブルを挿入する前に、中空部210内に金属製の拡径パイプ510を挿入することにより、中空部210の内径が電力ケーブルの外径よりも大きくなるように予め拡径されるよう構成されている。また、絶縁筒10の中空部210の内径は拡径しない状態では電力ケーブルの外径よりも小さくなっており、絶縁筒10は、拡径パイプ510を取り除したときに、弾性的に収縮して電力ケーブルの接続部分に密着するように構成されている。
また、本実施形態の絶縁筒10は、例えば、中空部210の中心軸側から外側に向けて、内部半導電層230、絶縁層240、外部半導電層250およびストレスコーン部260を有している。内部半導電層230、外部半導電層250およびストレスコーン部260は、半導電性を有し、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPゴム)およびカーボンブラックを含んでいる。一方、絶縁層240は、絶縁性を有し、例えば、エチレンプロピレンゴムを含んでいる。
内部半導電層230、絶縁層240、外部半導電層250およびストレスコーン部260は、例えばモールド成形により、一体として成形されている。また、内部半導電層230、絶縁層240、およびストレスコーン部260のそれぞれの内周面は、中空部210の内周面380として同一面を形成している。
内部半導電層230は、一対の電力ケーブルのケーブル導体の接続部分を圧縮接続する圧縮スリーブに接することで、電力ケーブルのケーブル導体と等電位となるよう構成されている。また、外部半導電層250は、絶縁層240の外周を覆うように設けられている。ストレスコーン部260は、絶縁層240の軸方向の両端側に接して設けられ、ストレスコーン部260の絶縁層240側の面は、中空部210の軸方向に対して所定の傾斜角で傾斜している。外部半導電層250およびストレスコーン260は、段剥ぎされた電力ケーブルのケーブル外部半導電層に電気的に接続され、接地されるよう構成されている。このように絶縁筒10が構成されていることにより、一対の電力ケーブルの接続部分の周囲において、電位分布がストレスコーン部260に沿って緩やかに形成され、電界が集中することが抑制される。
(傾斜部)
ここで、図1および図2に示すように、中空部210の少なくとも一方の開口220には、周方向に沿って、傾斜部(面取り部)310が設けられている。上述のように、傾斜部310は、中空部210の開口220に形成されたバリを除去するために設けられている。本実施形態では、例えば、開口220aおよび開口220bの両方に傾斜部310が設けられている。
なお、以下では、傾斜部310において、中空部210の開口220a側の端部を「先端」とし、中空部210の軸方向の中央に近い側の端部を「後端」とする。また、傾斜部310において、中空部210の開口220aに近い側を「先端側」とし、中空部210
の軸方向の中央に近い側を「後端側」とする。
図2に示すように、傾斜部310は、中空部210の軸方向の中央側から開口220aに向かって拡径するように、中空部210の軸方向に対して傾斜している。傾斜部310の少なくとも一部(開口220aの全周に設けられた傾斜部310のうちの少なくとも周方向の一部)は、中空部210の軸方向に、多段階に傾斜している。本実施形態では、例えば、傾斜部310は、中空部210の軸方向に、2段階に傾斜しており、先端側から順に、第1傾斜面320および第2傾斜面330を有している。また、例えば、第1傾斜面320および第2傾斜面330は、開口220aの全周に亘って形成されている。このように、傾斜部310が多段階に傾斜していることにより、絶縁筒10の中空部210内に拡径パイプ510を挿入する際に、潤滑油の中空部210内への浸入を促すことが可能となる。
例えば、多段階に傾斜した傾斜部310の傾斜面のうち、最も中空部210の中心軸に近い側(後端側)の傾斜面は、傾斜部310の他の傾斜面よりも中空部210の軸方向に対して平行に近くなっている。本実施形態では、例えば、第2傾斜面330が、第1傾斜面320よりも中空部210の軸方向に対して平行に近くなっている。
また、例えば、中空部210の軸方向に沿った断面で見たときに、中空部210の軸方向に対する、多段階に傾斜した傾斜部310の傾斜面のうち最も中空部210の中心軸に近い側(後端側)の傾斜面の傾斜角度は、中空部210の中心軸に対する傾斜部310の他の傾斜面の傾斜角度よりも大きくなっている。なお、「中空部210の軸方向に対する各傾斜面の傾斜角度」は、各傾斜面を挟んで両側に2つ形成される傾斜角度うちの大きい方の角度(優角)として定義される。また、各傾斜面が湾曲している場合、「中空部210の軸方向に対する各傾斜面の傾斜角度」は、中空部210の軸方向に対する、各傾斜面の後端(中空部210の中心軸側の端部)での接線方向の傾斜角度として定義される。本実施形態では、例えば、中空部210の軸方向に対する、第2傾斜面330の後端での接線方向の傾斜角度θ(第2傾斜面330の傾斜角度θ)は、中空部210の軸方向に対する、第1傾斜面320の後端での接線方向の傾斜角度θ(第1傾斜面320の傾斜角度θ)よりも大きくなっている。
中空部210の軸方向に対する最も中空部210の中心軸に近い側(後端側)の傾斜面の傾斜角度、すなわち、第2傾斜面330の傾斜角度θは、例えば、130°以上160°以下であり、好ましくは、140°以上160°以下である。傾斜角度θが130°未満であると、拡径パイプを中空部210に挿入するときに傾斜部310の後端において潤滑油が削ぎ取られる量が多くなる。これに対して、傾斜角度θが130°以上であることにより、拡径パイプを中空部210に挿入するときに傾斜部310の後端において潤滑油が削ぎ取られる量を所定量以下とすることができる。一方、傾斜角度θが160°超であると、最も中空部210の中心軸に近い側の傾斜面(第2傾斜面330)が中空部210の内周面380に対して平行に近くなりすぎるため、傾斜部310を安定的に加工することが困難となる。これに対して、傾斜角度θが160°以下であることにより、傾斜部310を安定的に加工することが可能となる。
(2)絶縁筒の製造方法
次に、本実施形態に係る絶縁筒10の製造方法について説明する。
まず、絶縁筒10をモールド成形する。絶縁筒10をモールド成形する方法としては、外部半導電層250およびストレスコーン部260を予め成形しておく方法と、外部半導電層250およびストレスコーン部260を後から成形する方法と、がある。
外部半導電層250およびストレスコーン部260を予め成形しておく方法では、まず、内部半導電層230、外部半導電層250およびストレスコーン部260を、それぞれ所定の金型を用い、別々にモールド成形する。このとき、内部半導電層230、外部半導電層250およびストレスコーン部260を例えばエチレンプロピレンゴムおよびカーボンブラックにより形成する。
次に、内部半導電層230、外部半導電層250およびストレスコーン部260を所定の金型にセットし、内部半導電層230およびストレスコーン部260の中心に中空部210となる芯金を配置する。この状態で、金型に例えばエチレンプロピレンゴムを注入することにより、内部半導電層230、外部半導電層250およびストレスコーン部260の間に絶縁層240を形成する(オーバーモールド成形)。そして、金型から絶縁筒10を取り外し、絶縁筒10から不要部分を除去する。
一方、外部半導電層250およびストレスコーン部260を後から成形する方法では、まず、内部半導電層230をモールド成形する。次に、内部半導電層230を所定の金型にセットし、内部半導電層230および絶縁層240を一体としてオーバーモールド成形する。次に、所定の金型を用い、絶縁層240の外側に、外部半導電層250およびストレスコーン部260を成形する。そして、金型から絶縁筒10を取り外し、絶縁筒10から不要部分を除去する。
このようにして、内部半導電層230、絶縁層240、外部半導電層250およびストレスコーン部260を有する絶縁筒10を、一体として成形する。
次に、中空部210の開口220aの周方向に沿って、中空部210の軸方向の中央側から開口220aに向かって拡径するように、中空部210の軸方向に対して傾斜した傾斜部310を形成する。本実施形態では、例えば以下のようにして、傾斜部310の少なくとも一部を多段階に傾斜させる。
金型から絶縁筒10を取り出した後、所定のカッターを用い、中空部210の開口220aの周方向に沿って、中空部210の軸方向に対して傾斜した第1傾斜面320を形成する。このとき、中空部210の開口220に形成されたバリを除去する。なお、この段階では、第1傾斜面320を形成した後に第1傾斜面320の両端が収縮して反りかえるため、第1傾斜面320の後端にはカエリ部が形成される。
次に、所定のカッターを用い、中空部210の開口220aの周方向に沿って、第1傾斜面320の後端側をカットし、第1傾斜面320よりも中空部210の軸方向に対して平行に近くなるように第2傾斜面330を形成する。これにより、第1傾斜面320の後端に形成されたカエリ部が除去される。
以上により、本実施形態の絶縁筒10が製造される。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、傾斜部310の少なくとも一部は、中空部210の軸方向に、多段階に傾斜している。これにより、絶縁筒10の中空部210内に拡径パイプを挿入する際に、傾斜部310の後端で拡径パイプに塗布された潤滑油が削ぎ取られることを抑制することができ、絶縁筒10の中空部210内への潤滑油の浸入を促すことができる。
(b)本実施形態によれば、絶縁筒10の中空部210内に拡径パイプを挿入する際に、
絶縁筒10の中空部210内への潤滑油の浸入を促すことにより、拡径パイプの表面に潤滑油が充分に塗布された状態を維持することができる。これにより、中空部210の内周面380と拡径パイプとの摩擦力を低減することができる。その結果、絶縁筒10の中空部210に拡径パイプを挿入し易くすることができる。
(c)本実施形態によれば、絶縁筒10の中空部210に拡径パイプを挿入する際に、中空部210の内周面380と拡径パイプとの摩擦力が低減されることにより、挿入時に拡径パイプに加わる応力(拡径パイプ挿入圧力に対する絶縁筒10の反発力)が蓄積することを抑制することができる。また、挿入時に拡径パイプに加わる応力を緩和しながら、中空部210に拡径パイプを挿入していくことができる。その結果、拡径パイプに対して中空部の軸方向に印加した圧力を開放したときに拡径パイプが絶縁筒10の中空部210から自然に抜け出してしまう現象を抑制することができる。なお、拡径パイプが絶縁筒の中空部から自然に抜け出してしまう現象については、詳細を後述する。
(d)本実施形態によれば、多段階に傾斜した傾斜部310の傾斜面のうち、最も中空部210の中心軸に近い側の傾斜面(第2傾斜面330)は、傾斜部310の他の傾斜面よりも中空部210の軸方向に対して平行に近くなっている。また、中空部210の軸方向に対する、多段階に傾斜した傾斜部310の傾斜面のうち最も中空部210の中心軸に近い側の傾斜面の傾斜角度は、中空部210の中心軸に対する傾斜部310の他の傾斜面の傾斜角度よりも大きくなっている。これにより、最も中空部210の中心軸に近い側の傾斜面と中空部210の内周面380との接続部分(の段差)を緩やかにすることができる。その結果、潤滑油を中空部210内に浸入し易くすることができる。
(e)本実施形態によれば、絶縁筒10は、例えばエチレンプロピレンゴムを含み、硬い材料により構成されている。この場合、絶縁筒10を拡径する際、樹脂製の帯状体(インナーコアリボン)を螺旋状に巻回するインナーコアが用いられるのではなく、上述のような金属製の拡径パイプが用いられることが多い。また、この場合、絶縁筒10の収縮力が強いため、拡径パイプが絶縁筒10の中空部210から自然に抜け出してしまう現象が生じ易くなる。本実施形態では、絶縁筒10がエチレンプロピレンゴムを含む場合であっても、絶縁筒10の中空部210内に拡径パイプを挿入する際に、中空部210内への潤滑油の浸入を促し、中空部210の内周面380と拡径パイプとの摩擦力を低減することにより、拡径パイプが絶縁筒10の中空部210から自然に抜け出してしまう現象を確実に抑制することができる。
(4)拡径パイプ抜け出し現象について
ここで、拡径パイプが絶縁筒の中空部から自然に抜け出してしまう現象について説明するとともに、その現象に対する本実施形態の効果について詳細を説明する。
(比較例の場合)
まず、図5〜図6を用い、比較例の場合について説明する。図6(a)は、比較例の絶縁筒の中空部に拡径パイプを挿入したときを示す概略図であり、図6(b)は、比較例の絶縁筒の中空部に拡径パイプを挿入する圧力を開放したときを示す概略図である。
本発明者は、上述した比較例の絶縁筒90の場合、拡径パイプ510に対して中空部921の軸方向に印加した圧力を開放したときに、拡径パイプ510が絶縁筒90の中空部921から自然に抜け出してしまう現象が生じることを見出した。以下、絶縁筒90の拡径工程の手順を説明しつつ、比較例の拡径パイプ抜け出し現象について説明する。
図6(a)に示すように、拡径パイプ510は、絶縁筒90を拡径した後に絶縁筒90の両側から取り除くことができるように軸方向に2分割されており、第1パイプ510a
および第2パイプ510bを有している。絶縁筒90に拡径パイプ510を挿入する前に、拡径パイプ510を滑り易くするため、第1パイプ510aおよび第2パイプ510bのそれぞれの表面と、絶縁筒90の中空部921の内周面938とに、潤滑油を塗布する。
図6(a)に示すように、上記した部分に潤滑油が塗布された状態で、拡径パイプ510に対して中空部921の軸方向に所定の圧力を印加し、第1パイプ510aおよび第2パイプ510bの順で拡径パイプ510を絶縁筒90の中空部921に挿入する。
そして、図6(b)に示すように、拡径パイプ510に対して中空部921の軸方向に印加した圧力を開放する。このとき、拡径パイプ510に対して中空部921の軸方向に印加した圧力の開放に伴って、絶縁筒90は、元の形に戻ろうとする。
このとき、比較例では、絶縁筒90が軸方向に伸びることによって、第1パイプ510aおよび第2パイプ510bの間隔が広がる。さらに、絶縁筒90が径方向に収縮することにより、第1パイプ510aおよび第2パイプ510bの割れ目に絶縁筒90が食い込んで、第1パイプ510aおよび第2パイプ510bを外側に押し出すような力が加わる。このため、少なくとも一方の拡径パイプ510(例えば第1パイプ510a)が絶縁筒90の中空部921から自然に抜け出してしまう。
この比較例のように、一度、拡径パイプ510が絶縁筒90の中空部921から抜け出してしまった場合、電力ケーブルを接続する現場において、絶縁筒90を再度拡径することは困難である。また、絶縁筒90を再度拡径するとしても、絶縁筒90の絶縁性能または機械的性能等の信頼性を損なうおそれがある。したがって、拡径パイプ510が絶縁筒90の中空部921から抜け出す現象を抑制することが望まれる。
本発明者は、比較例における、拡径パイプ510が絶縁筒90の中空部921から自然に抜け出してしまう現象について、以下のような2つのメカニズムを考えている。
(i)挿入時の応力の蓄積
図6(a)に示すように、拡径パイプ510を絶縁筒90の中空部921に挿入するとき、絶縁筒90の中空部921における傾斜部931のカエリ部931aによって、拡径パイプ510に塗布された潤滑油が削ぎ取られる。絶縁筒90の中空部921の内周面938に塗布された潤滑油も、乾いた拡径パイプ510との摩擦によって、削ぎ取られる。このため、中空部921の内周面938と拡径パイプ510との摩擦力が大きくなる。拡径パイプ510は絶縁筒90の中空部921に無理やり押し入れられることになり、挿入時に拡径パイプ510に加わる応力(拡径パイプ挿入圧力に対する絶縁筒10の反発力)が蓄積する。また、拡径パイプ510の挿入時における絶縁筒90の軸方向の収縮量(変形量)が大きくなる。
図6(b)に示すように、拡径パイプ510に対して中空部921の軸方向に印加した圧力を開放したとき、挿入時に拡径パイプ510に加わっていた応力が開放され、絶縁筒90は、元の形に戻ろうとして軸方向に伸びる。また、拡径パイプ510の挿入時における絶縁筒90の軸方向の収縮量(変形量)が大きいため、圧力開放時における絶縁筒90の軸方向の伸長量が大きくなり、第1パイプ510aおよび第2パイプ510bの間隔が広がる。そして、第1パイプ510aおよび第2パイプ510bの割れ目に絶縁筒90が食い込み易くなり、第1パイプ510aおよび第2パイプ510bを外側に押し出すような力が加わり易くなる。その結果、少なくとも一方の拡径パイプ510が絶縁筒90の中空部921から自然に抜け出してしまうと考えられる。
(ii)潤滑油量の差
図6(a)に示すように、拡径パイプ510を絶縁筒90の中空部921に挿入するとき、上述のように、傾斜部931のカエリ部931aによって、拡径パイプ510に塗布された潤滑油が削ぎ取られ、拡径パイプ510は、潤滑油が乾いた状態で中空部921に挿入される。このとき、絶縁筒90の上側(先入れ側)では、第1パイプ510aおよび第2パイプ510bの二つの拡径パイプ510が通過するのに対して、絶縁筒90の下側(後入れ側)では、第1パイプ510aのみが通過する。このため、絶縁筒90の上側(先入れ側)における中空部921の内周面938は、絶縁筒90の下側(後入れ側)における中空部921の内周面938よりも、潤滑油が枯渇された状態となる。つまり、絶縁筒90の上側では、潤滑油が少なく、中空部921の内周面938と拡径パイプ510との摩擦力が大きくなる。一方で、絶縁筒90の下側では、潤滑油が多く、中空部921の内周面938と拡径パイプ510との摩擦力が小さくなる。
図6(b)に示すように、拡径パイプ510に対して中空部921の軸方向に印加した圧力を開放したとき、上述のように、絶縁筒90は、元の形に戻ろうとして軸方向に伸びる。このとき、絶縁筒90の軸方向の伸長に伴って、摩擦力が大きい絶縁筒90の上側では第2パイプ510bが絶縁筒10に拘束されて上方向に持ち上げられる一方で、摩擦力が小さい絶縁筒90の下側では第1パイプ510aが滑るように下方向に押し出される。絶縁筒90の軸方向の伸長力が絶縁筒90の下側の摩擦力よりも大きくなったとき、第1パイプ510aが絶縁筒90の中空部921から自然に抜け出してしまうと考えられる。
(本実施形態の場合)
次に、図2および図3を用い、本実施形態の場合について説明する。図3(a)は、本実施形態に係る絶縁筒の中空部に拡径パイプを挿入したときを示す概略図であり、図3(b)は、本実施形態に係る絶縁筒の中空部に拡径パイプを挿入する圧力を開放したときを示す概略図である。
上記した比較例に対して、本実施形態によれば、以下のような2つの効果により、拡径パイプ510が絶縁筒90の中空部921から自然に抜け出してしまう現象を抑制することができると考えられる。
(i)挿入時の応力緩和
ここで、図2に示すように、上述の実施形態で記載したように、第2傾斜面330は、第1傾斜面320よりも中空部210の軸方向に対して平行に近くなっている。つまり、第2傾斜面330にはカエリ部が形成されておらず、第2傾斜面330と中空部210の内周面380との接続部分(の段差)は緩やかになっている。
図3(a)に示すように、拡径パイプ510を絶縁筒10の中空部210に挿入するとき、第2傾斜面330にカエリ部が形成されていないことにより、傾斜部310の後端(第2傾斜面330)において拡径パイプ510に塗布された潤滑油が削ぎ取られることが抑制される。また、緩やかな第2傾斜面330によって、中空部210内への潤滑油の浸入が促される。これにより、拡径パイプ510は、潤滑油が充分に塗布された状態で、絶縁筒10の中空部210内に挿入される。そして、絶縁筒10の中空部210の内周面380に塗布された潤滑油も削ぎ取られることが抑制される。これにより、中空部210の内周面380と拡径パイプ510との摩擦力が低減され、挿入時に拡径パイプ510に加わる応力が緩和される。また、拡径パイプ510を絶縁筒10の中空部210に挿入する間に、挿入時に拡径パイプ510に加わる応力が開放され易くなり、絶縁筒10の軸方向の伸長が同時に進行し易くなる。その結果、拡径パイプ510の挿入時における絶縁筒10の軸方向の収縮量(変形量)が小さくなる。
図3(b)に示すように、拡径パイプ510に対して中空部210の軸方向に印加した圧力を開放したとき、絶縁筒10は元の形に戻ろうとして軸方向に伸びる。しかしながら、本実施形態では、拡径パイプ510の挿入時における絶縁筒10の軸方向の収縮量(変形量)が小さいため、絶縁筒10の軸方向の伸びは小さく、第1パイプ510aおよび第2パイプ510bの間隔が広がりにくい。そして、第1パイプ510aおよび第2パイプ510bの割れ目に絶縁筒10が食い込み難くなり、第1パイプ510aおよび第2パイプ510bを外側に押し出すような力が加わり難くなる。その結果、拡径パイプ510が絶縁筒10の中空部210から自然に抜け出してしまう現象を抑制することができる。
(ii)潤滑油量の均等化
図3(a)に示すように、拡径パイプ510を絶縁筒10の中空部210に挿入するとき、上述のように、中空部210内への潤滑油の浸入が促されることにより、拡径パイプ510は、潤滑油が充分に塗布された状態で、絶縁筒10の中空部210内に挿入される。これにより、絶縁筒10の上側(先入れ側)における中空部210の内周面380は、絶縁筒10の下側(後入れ側)における中空部210の内周面380と均等に潤滑油が塗布された状態となる。したがって、絶縁筒90の上側と下側とでは、中空部210の内周面380と拡径パイプ510との摩擦力が均等に低減される。
図3(b)に示すように、拡径パイプ510に対して中空部210の軸方向に印加した圧力を開放したとき、絶縁筒10の上側と下側とにおいて摩擦力が均等に低減されていることにより、絶縁筒10の軸方向の伸長力が第1パイプ510aおよび第2パイプ510bの両方に均等に分散される。また、絶縁筒10の軸方向の伸長力と、絶縁筒10の上下両側における摩擦力とが釣り合う。その結果、拡径パイプ510が絶縁筒10の中空部210から自然に抜け出してしまう現象を抑制することができる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、開口220aおよび開口220bの両方に傾斜部310が設けられている場合について説明したが、傾斜部は、拡径パイプが挿入される側の開口だけに設けられていても良い。
上述の実施形態では、第1傾斜面320および第2傾斜面330は、開口220aの全周に亘って形成されている場合について説明したが、開口の全周に設けられた傾斜部のうちの少なくとも周方向の一部が多段階に傾斜していればよい。例えば、開口の一部だけに傾斜部の第2傾斜面が形成されていてもよい。
上述の実施形態では、傾斜部310を形成する工程において、最も開口220aに近い側の傾斜面(第1傾斜面320)を最初に形成する場合について説明したが、最も中空部の中心軸に近い側の傾斜面(第2傾斜面)を最初に形成し、その後、最も開口に近い側の傾斜面(第1傾斜面)を形成してもよい。ただし、最も開口に近い側の傾斜面(第1傾斜面)を最初に形成した方が、作業性が良いため、好ましい。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
軸方向に貫通する中空部を有する筒状体として構成され、前記中空部の両端の開口に一
対の電力ケーブルがそれぞれ挿入され、前記中空部内で前記一対の電力ケーブルが互いに突き合わされて直線状に接続される絶縁筒であって、
前記中空部の少なくとも一方の開口に、前記中空部の軸方向の中央側から前記開口に向かって拡径するように傾斜する傾斜部が周方向に沿って設けられ、
前記傾斜部の少なくとも一部は、多段階に傾斜している絶縁筒が提供される。
(付記2)
好ましくは、付記1に記載の絶縁筒であって、
前記中空部内に前記一対の電力ケーブルを挿入する前に前記中空部内に拡径パイプを挿入することにより予め拡径されるよう構成され、
前記傾斜部のうち多段階に傾斜した部分は、前記拡径パイプとの摩擦を低減する潤滑油の前記中空部内への浸入に促すよう構成される。
(付記3)
好ましくは、付記1又は2に記載の絶縁筒であって、
多段階に傾斜した前記傾斜部の傾斜面のうち、最も前記中空部の中心軸に近い側の傾斜面は、前記傾斜部の他の傾斜面よりも前記中空部の軸方向に対して平行に近くなっている。
(付記4)
好ましくは、付記1〜3のいずれかに記載の絶縁筒であって、
前記中空部の軸方向に対する、多段階に傾斜した前記傾斜部の傾斜面のうち、最も前記中空部の中心軸に近い側の傾斜面の傾斜角度は、前記中空部の軸方向に対する前記傾斜部の他の傾斜面の傾斜角度よりも大きくなっている。
(付記5)
好ましくは、付記1〜4のいずれかに記載の絶縁筒であって、
前記中空部の軸方向に対する、多段階に傾斜した前記傾斜部の傾斜面のうち、最も前記中空部の中心軸に近い側の傾斜面の傾斜角度は、130°以上160°以下である。
(付記6)
好ましくは、付記1〜5のいずれかに記載の絶縁筒であって、
多段階に傾斜した前記傾斜部のそれぞれの傾斜面は、前記中空部の中心軸側に凹となるように湾曲している。
(付記7)
好ましくは、付記1〜6のいずれかに記載の絶縁筒であって、
エチレンプロピレンゴムを含む。
(付記8)
本発明の他の態様によれば、
軸方向に貫通する中空部を有する筒状体として構成され、前記中空部の両端の開口に一対の電力ケーブルがそれぞれ挿入され、前記中空部内で前記一対の電力ケーブルが互いに突き合わされて直線状に接続される絶縁筒の製造方法であって、
前記中空部の少なくとも一方の開口に、前記中空部の軸方向の中央側から前記開口に向かって拡径するように傾斜する傾斜部を周方向に沿って形成する工程を有し、
前記傾斜部を形成する工程では、
前記傾斜部の少なくとも一部を、多段階に傾斜させる絶縁筒の製造方法が提供される。
(付記9)
好ましくは、付記8に記載の絶縁筒の製造方法であって、
前記傾斜部を形成する工程では、
多段に傾斜させる前記傾斜部の傾斜面のうち、最も前記開口に近い側の傾斜面を最初に形成する。
10 絶縁筒
210 中空部
220,220a,220b 開口
230 内部半導電層
240 絶縁層
250 外部半導電層
260 ストレスコーン部
310 傾斜部(面取り部)
320 第1傾斜面
330 第2傾斜面
380 内周面
510 拡径パイプ
510a 第1パイプ
510b 第2パイプ

Claims (12)

  1. 軸方向に貫通する中空部を有する筒状体として構成され、前記中空部内に拡径パイプを挿入することにより予め拡径された後に、前記中空部の両端の開口に一対の電力ケーブルがそれぞれ挿入され、前記中空部内で前記一対の電力ケーブルが互いに突き合わされて直線状に接続される絶縁筒であって、
    前記中空部の少なくとも一方の開口に、前記中空部の軸方向の中央側から前記開口に向かって拡径するように傾斜する傾斜部が周方向に沿って設けられ、
    前記傾斜部の少なくとも一部は、多段階に傾斜し
    多段階に傾斜した前記傾斜部のそれぞれの傾斜面は、前記中空部の中心軸側に凹となるように湾曲しており、
    前記傾斜部のうち多段階に傾斜した部分は、前記拡径パイプとの摩擦を低減する潤滑油の前記中空部内への浸入を促すよう構成される
    絶縁筒。
  2. 多段階に傾斜した前記傾斜部の傾斜面のうち、最も前記中空部の中心軸に近い側の傾斜面は、前記傾斜部の他の傾斜面よりも前記中空部の軸方向に対して平行に近くなっている請求項1に記載の絶縁筒。
  3. 軸方向に貫通する中空部を有する筒状体として構成され、前記中空部の両端の開口に一対の電力ケーブルがそれぞれ挿入され、前記中空部内で前記一対の電力ケーブルが互いに突き合わされて直線状に接続される絶縁筒であって、
    前記中空部の少なくとも一方の開口に、前記中空部の軸方向の中央側から前記開口に向かって拡径するように傾斜する傾斜部が周方向に沿って設けられ、
    前記傾斜部の少なくとも一部は、多段階に傾斜し、
    多段階に傾斜した前記傾斜部のそれぞれの傾斜面は、前記中空部の中心軸側に凹となるように湾曲しており、
    多段階に傾斜した前記傾斜部の傾斜面のうち、最も前記中空部の中心軸に近い側の傾斜面は、前記傾斜部の他の傾斜面よりも前記中空部の軸方向に対して平行に近くなっている
    絶縁筒。
  4. 前記中空部の軸方向に対する、多段階に傾斜した前記傾斜部の傾斜面のうち、最も前記中空部の中心軸に近い側の傾斜面の傾斜角度は、前記中空部の軸方向に対する前記傾斜部の他の傾斜面の傾斜角度よりも大きくなっている請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁筒。
  5. 軸方向に貫通する中空部を有する筒状体として構成され、前記中空部の両端の開口に一対の電力ケーブルがそれぞれ挿入され、前記中空部内で前記一対の電力ケーブルが互いに突き合わされて直線状に接続される絶縁筒であって、
    前記中空部の少なくとも一方の開口に、前記中空部の軸方向の中央側から前記開口に向かって拡径するように傾斜する傾斜部が周方向に沿って設けられ、
    前記傾斜部の少なくとも一部は、多段階に傾斜し、
    多段階に傾斜した前記傾斜部のそれぞれの傾斜面は、前記中空部の中心軸側に凹となるように湾曲しており、
    前記中空部の軸方向に対する、多段階に傾斜した前記傾斜部の傾斜面のうち、最も前記中空部の中心軸に近い側の傾斜面の傾斜角度は、前記中空部の軸方向に対する前記傾斜部の他の傾斜面の傾斜角度よりも大きくなっている
    絶縁筒。
  6. 前記中空部の軸方向に対する、多段階に傾斜した前記傾斜部の傾斜面のうち、最も前記中空部の中心軸に近い側の傾斜面の傾斜角度は、130°以上160°以下である
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶縁筒。
  7. エチレンプロピレンゴムを含む
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の絶縁筒。
  8. 前記傾斜部の周方向の一部のみが多段階に傾斜している
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の絶縁筒。
  9. 多段階に傾斜した前記傾斜部の傾斜面のうち、最も前記中空部の中心軸に近い側の傾斜面の、前記中空部の軸方向に沿った長さは、前記傾斜部の他の部分の長さよりも短い
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の絶縁筒。
  10. 軸方向に貫通する中空部を有する筒状体として構成され、前記中空部内に拡径パイプを挿入することにより予め拡径された後に、前記中空部の両端の開口に一対の電力ケーブルがそれぞれ挿入され、前記中空部内で前記一対の電力ケーブルが互いに突き合わされて直線状に接続される絶縁筒の製造方法であって、
    前記中空部の少なくとも一方の開口に、前記中空部の軸方向の中央側から前記開口に向かって拡径するように傾斜する傾斜部を周方向に沿って形成する工程を有し、
    前記傾斜部を形成する工程では、
    前記傾斜部の少なくとも一部を、多段階に傾斜させ
    多段階に傾斜した前記傾斜部のそれぞれの傾斜面が、前記中空部の中心軸側に凹となるように湾曲するのに対して、
    前記傾斜部のうち多段階に傾斜した部分を、前記拡径パイプとの摩擦を低減する潤滑油の前記中空部内への浸入を促すよう構成する
    絶縁筒の製造方法。
  11. 軸方向に貫通する中空部を有する筒状体として構成され、前記中空部の両端の開口に一対の電力ケーブルがそれぞれ挿入され、前記中空部内で前記一対の電力ケーブルが互いに突き合わされて直線状に接続される絶縁筒の製造方法であって、
    前記中空部の少なくとも一方の開口に、前記中空部の軸方向の中央側から前記開口に向かって拡径するように傾斜する傾斜部を周方向に沿って形成する工程を有し、
    前記傾斜部を形成する工程では、
    前記傾斜部の少なくとも一部を、多段階に傾斜させ、
    多段階に傾斜した前記傾斜部のそれぞれの傾斜面が、前記中空部の中心軸側に凹となるように湾曲するのに対して、
    多段階に傾斜した前記傾斜部の傾斜面のうち、最も前記中空部の中心軸に近い側の傾斜面を、前記傾斜部の他の傾斜面よりも前記中空部の軸方向に対して平行に近くする
    絶縁筒の製造方法。
  12. 軸方向に貫通する中空部を有する筒状体として構成され、前記中空部の両端の開口に一対の電力ケーブルがそれぞれ挿入され、前記中空部内で前記一対の電力ケーブルが互いに突き合わされて直線状に接続される絶縁筒の製造方法であって、
    前記中空部の少なくとも一方の開口に、前記中空部の軸方向の中央側から前記開口に向かって拡径するように傾斜する傾斜部を周方向に沿って形成する工程を有し、
    前記傾斜部を形成する工程では、
    前記傾斜部の少なくとも一部を、多段階に傾斜させ、
    多段階に傾斜した前記傾斜部のそれぞれの傾斜面が、前記中空部の中心軸側に凹となるように湾曲するのに対して、
    前記中空部の軸方向に対する、多段階に傾斜した前記傾斜部の傾斜面のうち、最も前記中空部の中心軸に近い側の傾斜面の傾斜角度を、前記中空部の軸方向に対する前記傾斜部の他の傾斜面の傾斜角度よりも大きくする
    絶縁筒の製造方法。
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