JP6417544B2 - モータ制御装置およびこれを備えたドラム式洗濯機またはドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents

モータ制御装置およびこれを備えたドラム式洗濯機またはドラム式洗濯乾燥機 Download PDF

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Description

本発明はブラシレスモータの制御を行うモータ制御装置およびこれを備えたドラム式洗濯機またはドラム式洗濯乾燥機に関するものである。
従来、一般的にブラシレスモータを低速から高速まで効率よく制御を行うために、位置検出器を備えたブラシレスモータのインバータ制御がよく用いられている(例えば、特許文献1参照)。
図8は一般的なブラシレスモータを駆動するためのモータ制御装置を示したもので、以下その構成について説明する。ブラシレスモータ2と、ブラシレスモータ2のロータ位置を検出する位置検出器3a、3b、3cと、ブラシレスモータ2を駆動するインバータ11、位置検出器3a、3b、3cの信号を利用し前記ブラシレスモータ2を駆動するインバータ11の制御を行う制御回路64及びドライブ回路62を有するインバータ制御回路、を有している。
ブラシレスモータ2に内蔵されている位置検出器3a、3b、3cは、例えばロータと同軸上に取り付けられた位置検出用のホールセンサマグネットの磁束の向きを信号として出力するホールICの利用などが一般的である。また、インバータ11には交流電源53をダイオードブリッジ55で整流し、コンデンサ56a、56bで平滑化した電圧が供給される。インバータ11は、6個のスイッチング素子SWU、SWV、SWW、SWX、SWY、SWZ及び6個のダイオード60a、60b、60c、61a、61b、61cより構成される。
ブラシレスモータ2の制御は、ブラシレスモータ2に内蔵された位置検出器3a、3b、3cの信号を使用し、その信号より制御回路64がブラシレスモータ2の速度、位置を検出し、インバータ11のスイッチング素子を駆動するPWM信号を生成し、ドライブ回路62によりスイッチング素子SWU、SWV、SWW、SWX、SWY、SWZを駆動できる電圧に増幅・変換を行いインバータ11の駆動を行うことでブラシレスモータ2を制御する。
ところで、ブラシレスモータ2に内蔵されている位置検出器3a、3b、3cに例えばホールICを使用してホールセンサマグネットの磁束を検出しようとする場合、ホールICの取り付けの精度、例としてプリント配線板への実装の位置精度、プリント配線板のブラシレスモータ2への固定位置精度、ブラシレスモータ2のロータの機械的精度、着磁の精度等々の影響を受け、位置検出器3a、3b、3cの出力信号は、本来検出したいロータの位置すなわちロータの誘起電圧に対してあるべき位置検出器の信号の位置に対して位相のずれが発生する。
位置検出器3a、3b、3cの信号、すなわちブラシレスモータ2のロータの位置の検出値のずれは、ブラシレスモータ2駆動時に効率の低下を招き、モータの発熱を増加させる。また、この傾向はブラシレスモータ2の回転数が高いほど大きくなる。特に電源電圧に対しブラシレスモータ2の誘起電圧が無視できなくなり、進角制御を行うときには顕著になるとともに、場合によっては脱調、制御不能状態に陥ることもある。
これを防ぐために、予め設定された電圧、周波数の正弦波状の電圧をブラシレスモータ
2に供給しオープンループ駆動させたときに生ずる正弦波状の電圧の位相と位置検出器3a、3b、3cの出力信号の位相とのずれ量を検出して記憶手段5に記憶するとともに、位置検出器3a、3b、3cから出力される位置信号に基づくフィードバック制御を行ってブラシレスモータ2を駆動させるときに、前記位置ずれ量に基づいてブラシレスモータ2に供給する正弦波状電圧を補正するようにすることで位置検出器3a、3b、3cのずれの影響を受けにくくしている。
特開2011−104070号公報
しかしながら、このような従来のモータ制御装置では、ホールICの位置取り付けずれに対する補正であり、ホールセンサマグネットの着磁ずれを考慮していない。ホールセンサマグネットはロータマグネットの磁束向きを示すものであるが、工場着磁工程にて軸のずれ等により、ホールセンサマグネットの着磁にずれが生じる場合がある。ホールセンサマグネットの着磁ずれに対して、従来のモータ制御装置では、完全に補正することができず、ブラシレスモータ駆動時に効率の低下、またはモータの振動・騒音等が発生するという課題があった。
本発明は、上記従来課題を解決するもので、ブラシレスモータの制御装置において、ホールセンサマグネットの着磁ずれおよびホールICの位置取り付けずれを補正する機能を持たせ、低速から高速まで効率よくブラシレスモータを駆動し、振動・騒音を低減することができるモータ制御装置を提供することを目的としている。
本発明は上記目的を達成するために、モータ制御装置は、ブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのロータ位置を検出する位置検出器と、前記ブラシレスモータを駆動するインバータ制御回路と、前記インバータ制御回路に付随した記憶手段とを有し、前記ブラシレスモータを一定速で回転させたときに、前記位置検出器の出力信号のデューティ比を前記記憶手段に保存するとともに、前記ブラシレスモータ駆動時に、前記記憶したデューティ比に基づいて、前記位置検出器の出力信号を補正し、前記ブラシレスモータを一定速で回転させたときに、前記位置検出器の出力信号のデューティ比と、前記位置検出器から出力されるH/Lの信号位相と前記ブラシレスモータへ供給される電圧位相との位相ずれ量とを前記記憶手段に保存するとともに、前記ブラシレスモータ駆動時に、前記記憶したデューティ比と、前記記憶した位相ずれ量に基づいて、前記位置検出器の出力信号を補正して、前記ブラシレスモータの回転数を算出するモータ制御装置である。
これにより、ホールセンサマグネットの着磁ずれおよびホールICの位置取り付けずれを的確に補正し、低速から高速まで効率よくブラシレスモータを駆動し、振動・騒音を低減する。
本発明のモータ制御装置は、ホールセンサマグネットの着磁ずれおよびホールICの位置取り付けずれを補正する機能を持たせ、低速から高速まで効率よくブラシレスモータを駆動するモータ制御装置を実現することができる。
本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置の構成図 同モータ制御装置によって駆動されるブラシレスモータの誘起電圧と位置検出信号の関係を示す図 同モータ制御装置によって駆動されるブラシレスモータの線間誘起電圧と位置検出器の信号の理想的な場合の関係を示す図 ホールセンサマグネットの着磁ずれにより、同モータ制御装置によって駆動されるブラシレスモータの線間誘起電圧と位置検出器の信号がずれを伴った場合の関係を示す図 ホールセンサマグネットの着磁ずれとホールICの位置取り付けずれにより、同モータ制御装置によって駆動されるブラシレスモータの線間誘起電圧と位置検出器の信号がずれを伴った場合の関係を示す図 同モータ制御装置によって駆動されるブラシレスモータの動作モデルの説明図 ホールセンサマグネットの着磁ずれにより、同モータ制御装置によって駆動されるブラシレスモータの出力電流波形に歪みが生じた場合の説明図 従来のモータ制御装置の回路構成図
第1の発明は、ブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのロータ位置を検出する位置検出器と、前記ブラシレスモータを駆動するインバータ制御回路と、前記インバータ制御回路に付随した記憶手段とを有し、前記ブラシレスモータを一定速で回転させたときに、前記位置検出器の出力信号のデューティ比を前記記憶手段に保存するとともに、前記ブラシレスモータ駆動時に、前記記憶したデューティ比に基づいて、前記位置検出器の出力信号を補正し、前記ブラシレスモータを一定速で回転させたときに、前記位置検出器の出力信号のデューティ比と、前記位置検出器から出力されるH/Lの信号位相と前記ブラシレスモータへ供給される電圧位相との位相ずれ量とを前記記憶手段に保存するとともに、前記ブラシレスモータ駆動時に、前記記憶したデューティ比と、前記記憶した位相ずれ量に基づいて、前記位置検出器の出力信号を補正して、前記ブラシレスモータの回転数を算出する。このことにより、ホールセンサマグネットの着磁ずれによって生じる不均等な位置検出器の出力信号のデューティ比を補正することができ、低速から高速まで効率よくブラシレスモータを駆動し、振動・騒音を低減することができる。また、ホールセンサマグネットの着磁ずれと、ホースICの位置取り付けずれを補正し、前記位置検出器の出力信号より算出されるブラシレスモータの回転数をより正確に推定することができ、低速から高速まで効率よくブラシレスモータを駆動し、振動・騒音を低減することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、前記位置検出器は検出位置をH/Lの信号で出力し、前記ブラシレスモータを一定速で回転させたときに、前記位置検出器から出力されるH/Lデューティ比を前記記憶手段に保存するとともに、前記ブラシレスモータ駆動時に、少なくとも前記ブラシレスモータが等速回転している間は、前記ブラシレスモータへの供給電圧が歪みのない正弦波波形となるように、前記位置検出器の出力信号と、前記記憶したH/Lデューティ比とに基づいて、前記インバータ制御回路からの出力電圧を調整する。このことにより、ブラシレスモータを歪みのない正弦波電圧で駆動することができ、低速から高速まで効率よくブラシレスモータを駆動し、振動・騒音を低減することができる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、前記ブラシレスモータを一定速で回転させたときに、前記位置検出器から出力されるH/Lの信号位相と前記ブラシレスモータへ供給される電圧位相との位相ずれ量を前記記憶手段に保存するとともに、前記ブラシレスモータ駆動時に、前記位置検出器の出力信号と、前記記憶した位相ずれ量に基づいて、前記インバータ制御回路からの出力電圧を調整する。このことにより、ホールセンサマグネットの着磁ずれ以外に、ホースICの位置取り付けずれを検出することができ、低速から高速まで効率よくブラシレスモータを駆動し、振動・騒音を低減することができる。
の発明は、上記第1〜第のいずれか1つの発明のモータ制御装置をドラム式洗濯機またはドラム式洗濯乾燥機に搭載することで、ブラシレスモータを低速駆動する洗濯時
あるいは乾燥時から高速駆動する脱水時まで効率よくブラシレスモータを駆動することができ、効率のよい洗濯機または洗濯乾燥機を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置の構成図である。ブラシレスモータ2は、インバータ11、ドライブ回路(図示せず)等よりなるインバータ制御回路により駆動される。
ブラシレスモータ2駆動用のインバータ11はスイッチング素子SWUとSWX、SWVとSWY、SWWとSWZの直列に接続された2個1組を並列に3組、合計6個のスイッチング素子より構成されており、図1では例としてスイッチング素子にIGBTを使用している。2個1組のスイッチング素子の接続点、例えばSWUの下側(エミッタ側)とSWXの上側(コレクタ側)が接続されているが、その接続点よりブラシレスモータ2の巻線U(U相の巻線)に接続されている。直列に接続された各下側スイッチング素子のエミッタ側は個々に電流検出用の抵抗である低抵抗RU、RV、RWが接続されており、各低抵抗の他端はインバータ電源(図示せず)の負側へと接続されている。
各電流検出用の低抵抗RU、RV、RWの両端は電流検出回路4に入力されている。各低抵抗RU、RV、RW及び電流検出回路4によりブラシレスモータ2の各相の巻線に流れる電流を検出する電流検出器10を構成している。電流検出回路4は低抵抗RU、RV、RWの両端の電圧を増幅し、アナログの信号iu、iv、iwとして出力する。この信号はマイクロコンピュータ等により構成される制御回路1に入力され、A/D変換を行い、電流検出値としてブラシレスモータ2の速度制御、トルク制御等に使用される。
ブラシレスモータ2には位置検出器3が搭載されている。従来例の位置検出器3a、3b、3cと同様に3個の例えばホールICで構成されており、位置検出器3と総称する。この位置検出器3の出力信号CSはマイクロコンピュータ等により構成される制御回路1に入力され、前述の電流検出信号と同様にブラシレスモータ2の速度制御、トルク制御等に使用される。
なお、図1は実施例の一例であり、使用するスイッチング素子としてMOSFETやバイポーラトランジスタといったスイッチング素子を使用することもできる。また、電流検出器の構成として電流検出用の低抵抗を3本使用した構成を例に説明したが、例えば電流検出用抵抗を1本で構成することもできる。
図2は、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置によって駆動されるブラシレスモータの誘起電圧と位置検出器の信号関係を示す図である。ブラシレスモータ2の巻線をU相、V相、W相とする。ブラシレスモータ2のロータを外部より回転させたときに中性点よりU相の巻線端子に発生する誘起電圧がEu、V相の巻線に発生する誘起電圧がEv、W相の巻線に発生する電圧がEwである。また、通常中性点はブラシレスモータ2の外部には端子として現れていないことが多く、線間電圧で表すことが多い。W相巻線端子を基準としてU相の巻線端子に発生する線間誘起電圧がEuw、U相巻線端子を基準としてV相の巻線端子に発生する線間誘起電圧がEvu、V相巻線端子を基準としてW相の巻線
端子に発生する線間誘起電圧がEwvである。
位置検出器3の出力信号は3相のブラシレスモータでは3本が出ていることが一般的である。図2に示すCS1、CS2、CS3は位置検出器3の出力信号の一例であり、CS1は前述の線間誘起電圧Euw、CS2は線間誘起電圧Evu、CS3は線間誘起電圧Ewvのそれぞれに同期した信号、すなわちそれぞれの線間誘起電圧が0V(ゼロボルト)時に論理が変化する信号である。なお、図2では位置検出器3の信号は線間の誘起電圧と同期しているが、それぞれの相の誘起電圧であるEu、Ev、Ewと同期した信号としてもよい。
位置検出器3は、ロータと同軸上に取り付けられた位置検出用のホールセンサマグネットの磁束をホール素子やホールIC等で検出することが一般的である。このときに着磁の精度、ホール素子やホールICのプリント配線板への取り付け精度、プリント配線板のブラシレスモータ内部への組み込みの精度、ホール素子やホールICの磁束の検出感度といったばらつき要因がある。図2を用いて説明したブラシレスモータ2の線間誘起電圧Euwと位置検出器3の出力信号の一つであるCS1を用いて説明する。
図3は、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置によって駆動されるブラシレスモータの線間誘起電圧と位置検出器の信号の理想的な場合の関係を示す図の例である。位置検出信号CS1は線間誘起電圧Euwに同期している。即ち線間誘起電圧Euwが0V(ゼロボルト)となる位置、ゼロクロスで位置検出信号CS1の論理が変化している。
図4、図5は、線間誘起電圧と位置検出器の信号がずれを伴った場合の図の例である。図4はホールセンサマグネットの着磁ずれにより、線間誘起電圧Euwに対して位置検出信号CS1の出力信号比率(デューティ比)が異なる例である。図5はホールセンサマグネットの着磁ずれとホールIC取り付け位置ずれが合算された位置検出信号CS1と線間誘起電圧Euwのずれの例である。
以下、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置の動作、作用について説明する。はじめに、ホールセンサマグネットの着磁ずれの補正方法について説明する。
図6は、同モータ制御装置によって駆動されるブラシレスモータの動作モデルの説明図である。また、図6のブラシレスモータを時計回りに回転させたときの誘起電圧と位置検出器の出力信号の関係は既に説明した図2に示す通りとする。図6には説明を簡単にするため2極のモデルを示している。2極のモデルでは、電気角と機械角は同一の値となる。
図6において、ステータにはU相の巻線U、V相の巻線V、W相の巻線Wの3つの巻線がある。またロータはマグネットが配置されている。巻線のU相の向きを原点に、時計回り方向に角度θの回転座標を考える。任意の角度θの向きに軸aを、軸aと直交する向きに軸bを座標軸とする。各ステータの巻線から電流を流し込んだときに発生するステータ内側の磁極をN極とする。
今、各巻線の合成電流である電流ベクトルを角度θの方向とする、即ち図6のa軸の正の方向より合成電流を流し込んだときに、図6のステータのa軸の正方向にN極が、a軸の負方向にS極が発生する。ブラシレスモータ2のロータはステータの磁極との吸引・反発作用でa軸の正方向にS極、負方向にN極となる向きに引き寄せられる。この状態で角度θをゆっくりと回転させるとブラシレスモータ2のロータもa軸の正方向にS極、負方向にN極を保ったままゆっくりと回転する。角度θを回転させたときに、ブラシレスモータ2のロータの回転と共に位置検出器3の出力信号も変化する。角度θを360°電気角(機械角)一周分の回転制御を行う。
図4にホールセンサマグネットの着磁がずれた場合の線間誘起電圧Euwと位置検出器の出力信号CS1の関係を示す。このとき、位置検出器3の出力信号CS1がH⇒L⇒Hへと切り換るL区間をΔTL、L⇒H⇒Lへと切り換るH区間をΔTHとして計測し、一周期360°としてH区間とL区間のそれぞれのデューティ比を数式1によって求める。
Figure 0006417544
ホールセンサマグネットの着磁が正しく行われた場合はH区間とL区間のデューティ比は同等である。図4の場合、ホールセンサマグネットの着磁ずれにより、H区間とL区間のデューティ比に比率の差が生じている。ホールセンサマグネットの着磁ずれを補正するため、着磁ずれがない場合に理論的に求まるデューティ比から、数式2によってホールセンサマグネットの着磁ずれ補正係数を求め、制御回路1に接続、付随する記憶手段5に記憶する。その後、通常のモータ駆動時に、数式3によって、位置検出器3から得られるH/L周期に、記憶しておいた着磁ずれ補正係数を掛け、本来あるべき周期に補正する。
Figure 0006417544
Figure 0006417544
以上のように、本実施の形態1におけるモータ制御装置によれば、ホールセンサマグネットの着磁ずれによって生じる不均等な位置検出器の出力信号のデューティ比を補正することができるので、低速から高速まで効率よくブラシレスモータ2を駆動し、振動・騒音を低減させることができる。
(実施の形態2)
ブラシレスモータ2を制御するときのブラシレスモータ2のロータ位置は前述の位置検出器3の出力であるCS1、CS2、CS3の信号を用いて、制御周期毎のロータ位置を補間演算して求め、制御を行う。そのため図7のように位置検出器3の出力信号にずれがあると、出力電流波形の歪みやブラシレスモータ2のロータの位置に対して電流の位相の進み、遅れといった影響が生じ、効率の低下や騒音といった悪影響を与える。
本発明の実施の形態2におけるモータ制御装置では、実施の形態1に示すようにホールセンサマグネットの着磁ずれによるデューティ比を用いて制御周期を補正することで、ロータ位置の補間演算をより確実なものとし、前記ブラシレスモータ2駆動時に、少なくともブラシレスモータ2が等速回転している間は、ブラシレスモータ2への供給電圧が、歪みのない正弦波波形となるように、インバータ11、ドライブ回路(図示せず)等よりなるインバータ制御回路からの出力電圧を調整する。
これにより、ブラシレスモータ2を歪みのない正弦波電圧で駆動することができ、低速から高速まで効率よくブラシレスモータ2を駆動し、振動・騒音を低減することができる。
(実施の形態3)
また、図5に示すようにホールセンサマグネットの着磁ずれとホールICの位置取り付けずれの両方が存在する場合について考える。ホールセンサマグネットの着磁ずれとホールICの位置取り付けずれは、位置検出器3の出力信号の位相ずれとして合算されるため、ホールセンサマグネットの着磁ずれのみならず、ホールICの位置取り付けずれも同時に補正する必要がある。
ここに、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置のホールIC位置取り付けずれの補正方法について説明する。なお、ホールセンサマグネットの着磁ずれの補正方法については、実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。また、ホールセンサマグネットの着磁ずれとホールICの位置取り付けずれの補正順番は前後可変である。
実施の形態1で説明したように、ブラシレスモータ2の電流制御を行い、ロータ角度θをゆっくりと回転させることで位置検出器3の信号の変化点を検出する。
ブラシレスモータ2の位置検出信号の補正値の検出時の電流制御方法について説明する。検出ab軸の電流指令を考える。a軸の電流指令をIa*、b軸の電流指令をIb*とし、電流指令をそれぞれ
Ia*=I
Ib*=0
とする。IはI>0とする。また、巻線Uとa軸との角度θは任意の値とする。巻線Uの電流iu、巻線Vの電流iv、巻線Wの電流iwを数式4によってab軸上の電流ia、ibに変換する。
Figure 0006417544
ab軸上の電流指令ia*とib*及び前式で求めた電流iaとibとの間で電流制御を行い、ab軸上のブラシレスモータ2への印加電圧va、vbを決定する。例えば電流制御としてPI制御を行う。a軸上の電流指令Ia*と電流検出値iaとの差をΔia、比例定数をKpa、積分定数をKia、b軸上の電流指令Ib*と電流検出値ibとの差をΔib、比例定数をKpb、積分定数をKibとすると、ab軸上のブラシレスモータ2への印加電圧va、vbは次の数式5で求められる。
Figure 0006417544
こうして求めたab軸上のブラシレスモータ2への印加電圧va、vbを数式6によって三相巻線の電圧Vu、Vv、Vwに変換する。
Figure 0006417544
位置検出信号の補正値を検出するときにはこのようにして求めた3相巻線の電圧をインバータ11よりブラシレスモータ2に印加することで電流制御を行っている。この電流制御により巻線電流の合成である電流ベクトルはa軸の正の方向に制御され、角度θは電流ベクトルの方向となる。
次に電流ベクトルの方向θの検出方法についてその詳細を説明する。図2に示すブラシレスモータの誘起電圧と位置検出器の出力信号で、代表として時計方向回転時の信号CS1のHからLへの変化点の検出について説明する。
図2より、電気角30度の位置が時計方向回転時の信号CS1のHからLへの変化点の理想的な位置である。この理想的な位置をθcs1*とする。一方、前記の電流制御を行いながら電流ベクトルをゆっくりと回転させる。電流ベクトルの方向θを徐々に増加させるとブラシレスモータ2のロータは時計周りに回転し、30°近辺で位置検出器3の出力信号の一つであるCS1がHからLになる。このときの電流ベクトルの方向をθcs1とする。例えば図3のように信号CS1がほとんど線間誘起電圧Euwの0V(ゼロボルト)と一致するときはθcs1は30°位である。また、図5のように信号CS1が線間誘起電圧Euwよりも遅れている場合はθcs1は30°よりも大きい値となる。
本実施の形態3におけるモータ制御装置では、検出したθcs1を位置検出信号の補正値として、理想的な位置をθcs1*との差分を図1の記憶手段5に記憶するとともに、ブラシレスモータ2駆動時に、位置検出器3の出力信号と、前記記憶した位相ずれ量に基づいて、インバータ11、ドライブ回路(図示せず)等よりなるインバータ制御回路からの出力電圧の位相ずれを補正して調整する。このことにより、ホールセンサマグネットの着磁ずれ以外に、ホースICの位置取り付けずれを検出することができ、ブラシレスモータ2を効率よく駆動し、振動・騒音を低減することができる。
(実施の形態4)
また、ブラシレスモータ2の制御駆動において、位置検出器3の出力信号の間隔データに基づき、ブラシレスモータ2の回転数を算出する。
図2に示すように、一般的に位置検出信号は電気角で60°毎に位置情報が変化する。洗濯等モータ低速回転時は、60°毎の位置検出器3の出力信号間隔時間を測定し、モータ回転数を算出する。脱水等モータ高速回転時は、360°毎の位置検出器3の出力信号間隔時間を測定し、モータ回転数を算出する。ホールセンサマグネットの着磁ずれおよびホールIC取り付け位置のずれにより、位置検出器3の出力信号にずれが生じるため、モータ回転数の算出に影響を及ぼし、効率の低下や騒音といった悪影響を与える。
本実施の形態4におけるモータ制御装置では、上記実施の形態1〜3におけるモータ制御装置において、ブラシレスモータ2を一定速で回転させたときに、位置検出器3の出力信号のデューティ比と、位置検出器3から出力されるH/Lの信号位相とブラシレスモータ2へ供給される電圧位相との位相ずれ量とを記憶手段5に保存するとともに、ブラシレスモータ2駆動時に、前記記憶したデューティ比と、前記記憶した位相ずれ量に基づいて、位置検出器3の出力信号を補正して、ブラシレスモータ2の回転数を算出するものである。
これにより、ホールセンサマグネットの着磁ずれおよびホールIC取り付け位置のずれを補正することにより、モータ回転数をより的確に算出することができ、ブラシレスモータ駆動の効率向上・振動騒音低下を図ることができる。
(実施の形態5)
ドラム式洗濯機またはドラム式洗濯乾燥機は洗濯時には低速・大トルク、脱水時には高速・低トルクでの駆動が必要である。ドラム式洗濯機またはドラム式洗濯乾燥機のドラム駆動用モータとしてブラシレスモータを使用した場合、洗濯時の効率を確保するために誘起電圧をある程度上げておきたい。そのために脱水時には電源電圧に対してモータの誘起電圧が比較的高くなるため、進角制御を行うのが一般的である。
本実施の形態5におけるドラム式洗濯機またはドラム式洗濯乾燥機は、本発明のモータ制御装置を搭載することで、洗濯物を収容したドラムを効率よく駆動することができ、効率のよいドラム式洗濯機またはドラム式洗濯乾燥機を実現することができる。
以上のように、本発明にかかるモータ制御装置は、ホールセンサマグネットの着磁ずれおよび位置検出器の検出位置のばらつきの影響を受けずに低速から高速まで効率よくブラシレスモータを駆動するモータ制御装置を実現することが可能となるので、ドラム式洗濯機、ドラム式洗濯乾燥機等に用いられるインバータ制御によって駆動されるブラシレスモータのモータ制御装置等として有用である。
1 制御回路
2 ブラシレスモータ
3 位置検出器
4 電流検出回路
5 記憶手段
10 電流検出器
11 インバータ(インバータ制御回路)

Claims (4)

  1. ブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのロータ位置を検出する位置検出器と、前記ブラシレスモータを駆動するインバータ制御回路と、前記インバータ制御回路に付随した記憶手段とを有し、前記ブラシレスモータを一定速で回転させたときに、前記位置検出器の出力信号のデューティ比を前記記憶手段に保存するとともに、前記ブラシレスモータ駆動時に、前記記憶したデューティ比に基づいて、前記位置検出器の出力信号を補正し、前記ブラシレスモータを一定速で回転させたときに、前記位置検出器の出力信号のデューティ比と、前記位置検出器から出力されるH/Lの信号位相と前記ブラシレスモータへ供給される電圧位相との位相ずれ量とを前記記憶手段に保存するとともに、前記ブラシレスモータ駆動時に、前記記憶したデューティ比と、前記記憶した位相ずれ量に基づいて、前記位置検出器の出力信号を補正して、前記ブラシレスモータの回転数を算出することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記位置検出器は検出位置をH/Lの信号で出力し、前記ブラシレスモータを一定速で回転させたときに、前記位置検出器から出力されるH/Lデューティ比を前記記憶手段に保存するとともに、前記ブラシレスモータ駆動時に、少なくとも前記ブラシレスモータが等速回転している間は、前記ブラシレスモータへの供給電圧が歪みのない正弦波波形となるように、前記位置検出器の出力信号と、前記記憶したH/Lデューティ比とに基づいて、前記インバータ制御回路からの出力電圧を調整することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記ブラシレスモータを一定速で回転させたときに、前記位置検出器から出力されるH/Lの信号位相と前記ブラシレスモータへ供給される電圧位相との位相ずれ量を前記記憶手段に保存するとともに、前記ブラシレスモータ駆動時に、前記位置検出器の出力信号と、前記記憶した位相ずれ量に基づいて、前記インバータ制御回路からの出力電圧を調整することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のモータ制御装置を備えたドラム式洗濯機またはドラム式洗濯乾燥機。
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