以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。本実施の形態では、遊技領域7の左側の領域への遊技球の打ち出し(いわゆる、左打ち)が行われた場合に、遊技球が第1始動入賞口13へ入賞可能であるよう構成されている。
また、演出表示装置9の右方には、遊技球が通過可能なゲート32と、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。本実施の形態では、遊技領域7の右側の領域への遊技球の打ち出し(いわゆる、右打ち)が行われた場合に、遊技球がゲート32を通過可能であるとともに、第2始動入賞口14へ入賞可能であるよう構成されている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果が導出表示されたとき、特定遊技状態に制御される。特定表示結果とは予め定められた表示結果であり、例えば、本実施の形態では、大当り図柄および小当り図柄がある。特定遊技状態とは、遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変化可能な可変入賞手段を第1状態に変化させることであり、本実施の形態では、開状態と閉状態とに変化可能な特別可変入賞球装置20を開状態とする大当り遊技状態がある。例えば、特定表示結果として大当り図柄または小当り図柄が導出表示されたとき、特定遊技状態として大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御される。各特定遊技状態において、閉状態とされている開閉版がソレノイド21によって開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。本実施の形態では、右打ちが行われた場合に、遊技球が大入賞口へ入賞可能であるよう構成されている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる高ベース状態へ移行することがある。
ゲート32の上部には、右打ちされた遊技球の流下経路(図中矢印)を形成する釘群50が、遊技球の流下を遅延させる遅延手段として設けられており、右打ちされた遊技球は左右に蛇行しながら流下するようになっている。釘群50が設けられていることにより、遊技球が発射されてから第2始動入賞口14へ至るまで少なくとも7.0秒を要するようになっている。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。本実施の形態では、1分間に100球(0.6秒に1球)の発射が可能な打球発射装置が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値(4つ)に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値(4つ)に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、15R確変大当りまたは4R確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。また、音声合成用IC703は演出制御基板80から所定の要求を受け付けた場合に音声を生成しスピーカ27に出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図5は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
ステップS24の後、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31,33を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPA1−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、演出図柄の変動時間が短い時間(本例では、3.0秒)に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4の変動パターンが用意されている。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。
また、図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、4R確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
(6)ランダム6(MR6):普通図柄当りの種類(後述する当りA〜当りC)を決定する(普通図柄当り種別判定用)
(7)ランダム7(MR7):普通図柄変動パターン(変動時間)を決定する(普通図柄変動パターン判定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、(4)の普通図柄当り判定用乱数および(6)の普通図柄当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3、ランダム7)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、4R確変大当り)にすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
図示するように、本実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を行うときには小当りにはならず(確率:0/487)、第2特別図柄の変動表示を行うときには高い確率(477/487)で小当りになるものである。従って、第1特別図柄の変動表示を行う場合よりも、第2特別図柄の変動表示を行う場合の方が、小当りとなりやすく、換言すれば、遊技者にとって有利である構成となっている。
CPU56は、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、図示するように、大当りとなる確率は確変状態であるか否かにもとづいて変化するものであるが(図8(A)参照)、小当りとなる確率は確変状態であるか否かにもとづいて変化しないものである(図8(B),(C)参照)。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「4R確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「15R確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で15R確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「15R確変大当り」に対して30個の判定値が割り当てられている(40分の30の割合で15R確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合よりも、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合の方が、「15R確変大当り」と決定される割合が高い。従って、第1特別図柄の変動表示を行う場合よりも、第2特別図柄の変動表示を行う場合の方が、15R確変大当りとなりやすく、換言すれば、遊技者にとって有利である構成となっている。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」および「4R確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび4ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15R確変大当り」および「4R確変大当り」の2種類である場合を示しているが、2種類にかぎらず、例えば、3種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が2種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として1種類のみ設けられていてもよい。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。以下、確変状態と時短状態とに制御されている遊技状態を「高確率高ベース状態」、確変状態および時短状態のいずれにも制御されていない状態を「低確率低ベース状態」ということがある。
「4R確変大当り」とは、4ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」および「4R確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9および図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9および図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りまたは小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドのいずれかが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「4R確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられる。
コマンドA003(H)は、小当り開始画面を表示すること、すなわち小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。
コマンドA301(H)、A302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド、大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「4R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。
コマンドA303(H)は、小当り終了画面を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
コマンドC400(H)は、遊技球がゲート32を通過したことを指定する演出制御コマンド(ゲート通過指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図9および図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図9および図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
次に、CPU56が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS29)を説明する。図11は、普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ゲートスイッチ32aがオン状態となったこと、すなわち遊技球がゲート32を通過したことを検出すると(ステップS411)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS412)を実行する。その後、ステップS400〜S404のいずれかの処理を実行する。
ステップS400〜S404の処理は、以下のような処理である。
普通図柄通常処理(ステップS400):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行されている状態でなく、かつ、可変入賞球装置15の開放状態でない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401)を示す値(この例では「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401):普通図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(普通図柄の変動時間)に相当する値を普通図柄プロセスタイマにセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS402)に応じた値(この例では「2」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS402):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止する。また、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせ、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(ステップS403)を示す値(この例では「3」)に更新する。
普通図柄停止時処理(ステップS403):CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否か確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(この例では「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通図柄当り時間(可変入賞球装置15の開放時間とその間の閉鎖時間の合計時間)に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放状態にする。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS404)を示す値(この例では「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS404):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、可変入賞球装置15を閉鎖状態にして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(この例では「0」)に更新する。
図12は、普通図柄の当りに関する判定値が設定された普通図柄当り判定テーブルの一例を示す説明図である。この実施の形態では、普通図柄当り判定用乱数がとりうる範囲は3〜13であるが、普通図柄当り判定テーブルには、普通図柄当り判定用乱数値と比較され判定値が設定されている。
図12(A)には、高ベース状態で使用されるテーブルが示されている。図12(A)に示すように、高ベース状態では、10/11の確率で当りと判定される。100%の割合(すなわち、11/11)で当りと判定されるものであってもよい。
図12(B)には、低ベース状態(時短状態)で使用されるテーブルが示されている。図12(B)に示すように、低ベース状態では、1/11の確率で当りと判定される。
なお、この実施の形態では、図12に示すように、高ベース状態である場合には、低ベース状態である場合と比較して、普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率を高める(普図高確率)ことによって、高ベース状態である場合には可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなるようにして始動入賞しやすくするが、このような態様にかぎられない。例えば、高ベース状態であるときと低ベース状態であるときとで普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率は同じであるものの、低ベース状態である場合には、高ベース状態である場合と比較して、可変入賞球装置15の開放時間や開放パターンが不利である普通図柄当りに制御されることとしてもよい。例えば、低ベース状態である場合には、高ベース状態である場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる時間(普通電動役物開放時間)を極めて短くしたり、閉鎖時間が長い開放パターンや閉鎖回数が多い開放パターンの普通図柄当りに制御したりすることによって、高ベース状態である場合には低ベース状態と比較して始動入賞しやすくなるように構成してもよい。
また、図12(C),(D)に示すように、普通図柄当りにおける可変入賞球装置15の開放パターンが異なる普通図柄当り種別として、当りA〜Cが設けられている。当りAは可変入賞球装置15を6.0秒開放する普通図柄当り種別(合計6.0秒)であり、当りBは可変入賞球装置15を3.0秒開放した後に0.1秒閉鎖し、再び3.0秒開放する普通図柄当り種別(合計6.1秒)であり、当りCは可変入賞球装置15を2.0秒開放した後に0.1秒閉鎖し、再び2.0秒秒開放し、さらに0.1秒閉鎖してから2.0秒開放する普通図柄当り種別(合計6.2秒)である。
図12(C)に示す普通図柄当り種別判定テーブル(高ベース)は、高ベース状態である場合に用いられる普通図柄当り種別判定テーブルである。普通図柄当り種別判定テーブル(高ベース)が用いられた場合には、当りAが5/10の割合で、当りBが3/10の割合で、当りCが2/10の割合で選択される。
図12(D)に示す普通図柄当り種別判定テーブル(低ベース)は、低ベース状態である場合に用いられる普通図柄当り種別判定テーブルである。普通図柄当り種別判定テーブル(低ベース)が用いられた場合には、当りAが3/10の割合で、当りBが3/10の割合で、当りCが4/10の割合で選択される。
このように、低ベース状態において普通図柄当りとなる場合の可変入賞球装置15の開放パターンが複数設けられている。これにより、低ベース状態であるにもかかわらず右打ちをし、普通図柄当りとなる場合であっても、可変入賞球装置15の開放パターンに応じて遊技球を打ち出すことは困難となる。したがって、低ベース状態において第2特別図柄による変動が狙われることを防止することができる。
図13は、ゲートスイッチ通過処理を示すフローチャートである。ゲートスイッチ通過処理において、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する(ステップS415)。最大値に達していれば、ステップS1304へ移行する。最大値に達していなければ、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS1300)、セットされている場合には、普通図柄の変動中であるか否かを判定する(ステップS1301)。具体的に、普通図柄プロセスフラグが普通図柄通常処理以外の処理を示す値である場合に、普通図柄の変動中であると判定するものである。変動中である場合には、ゲート通過記憶カウンタのカウント値が「0」であるか否かを判定し(ステップS1302)、「0」である場合には、普通客待ち状態(普通図柄の変動中でなく、且つ、ゲート通過記憶数が「0」である状態)において普通始動領域(ゲート32)への遊技球の入賞が発生したことを示す普通客待ち時入賞フラグをセットする(ステップS1303)。なお、ステップS1300において確変フラグがセットされていない場合、ステップS1301において普通図柄の変動中でない場合、ステップS1302においてゲート通過記憶カウンタのカウント値が「0」でない場合には、ステップS416へ移行する。
ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1し(ステップS416)、ソフトウェア乱数である普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)、普通図柄当り種別判定用乱数(ランダム6)および普通図柄変動パターン判定用乱数(ランダム7)の値を抽出して、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(RAM55に設けられた普図保留記憶バッファ(図14参照))に格納する(ステップS417)。
図14は、普通図柄保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図14に示すように、普図保留記憶バッファには、普図保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、普図保留記憶バッファには、ソフトウェア乱数である普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)、普通図柄当り種別判定用乱数(ランダム6)および普通図柄変動パターン判定用乱数(ランダム7)が記憶される。なお、普図保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
その後、CPU56は、普通図柄保留記憶表示器41の点灯個数を1増やす(ステップS418)。そして、ゲート通過指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1304)。
図15は、普通図柄通常処理を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS5121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS5121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS5121のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域(普図保留記憶バッファ。図14参照)に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および普通図柄当り種別判定用乱数値を読み出す(ステップS5122)。
次いで、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5124)。確変フラグがセットされていれば(すなわち、高ベース状態であれば)、CPU56は、普通図柄の変動表示結果を当りとするか否かを決定するためのテーブルとして、高ベース用の普通図柄判定テーブルを選択する(ステップS5125)。なお、この実施の形態では、確変フラグがセットされているのは、15R確変大当りまたは4R確変大当りとなった後に確変状態に制御されている場合である。一方、確変フラグがセットされていなければ(すなわち、低ベース状態であれば)、CPU56は、普通図柄の変動表示結果を当りとするか否かを決定するためのテーブルとして、低ベース用の普通図柄判定テーブルを選択する(ステップS5126)。
次いで、CPU56は、ステップS5125,S5126で選択した普通図柄判定テーブルを用いて、読み出した普通図柄当り判定用乱数値にもとづいて抽選処理を実行し、普通図柄の変動表示結果を当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS5127)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。
ステップS5127で当りとすることに決定されなかった場合には、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS5129)。
ステップS5127で当りとすることに決定された場合には、普通図柄の変動表示結果が当りであることを示す普通図柄当り判定フラグをセットし(ステップS1402)、確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1403)。確変フラグがセットされていれば(すなわち、高ベース状態であれば)、CPU56は、普通図柄の当り種別を決定するためのテーブルとして、高ベース用の普通図柄当り種別判定テーブルを選択する(ステップS1404)。一方、確変フラグがセットされていなければ(すなわち、低ベース状態であれば)、CPU56は、普通図柄の当り種別を決定するためのテーブルとして、低ベース用の普通図柄当り種別判定テーブルを選択する(ステップS1405)。
次いで、CPU56は、ステップS1404,S1405で選択した普通図柄当り種別判定テーブルを用いて、読み出した普通図柄当り種別判定用乱数値にもとづいて抽選処理を実行し、当り種別を当りA〜当りCのうちいずれにするかを決定し(ステップS1406)、その結果を記憶する(ステップS1407)。そして、ステップS5129へ移行する。
なお、ステップS5127で当りとすることに決定された場合には、例えば、後述するように、普通図柄表示制御処理(ステップS37参照)を実行するときに、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値「2」となっていることと普通図柄当り判定フラグがセットされていることとにもとづいて、普図当り用の普通図柄表示制御データが普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、普通図柄表示器10に対して駆動信号が出力されることによって、普通図柄表示器10において当り図柄(例えば、「7」)が停止表示された状態となる。一方、はずれと決定され普通図柄当り判定フラグがセットされていなければ、普通図柄表示器10においてはずれ図柄(例えば、「−」)が停止表示された状態となる。
図16は、普通図柄プロセス処理における普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401)を示すフローチャートである。普通図柄変動パターン設定処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域(普図保留記憶バッファ。図14参照)に格納されている普通図柄変動パターン判定用乱数値を読み出す(ステップS1507)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS1508)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値、普通図柄当り種別判定用乱数値、および普通図柄変動パターン判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否か確認する(ステップS431)。具体的には、高ベースフラグがセットされているか否か確認する。高ベース状態である場合には、普通図柄プロセスタイマに1.5秒に相当する値を設定する(ステップS432)。
低ベース状態である場合には、普通客待ち時入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS1501)、セットされている場合には第1普通図柄変動パターンテーブルを選択し(ステップS1502)、普通客待ち時入賞フラグをリセットする(ステップS1503)。普通客待ち時入賞フラグがセットされていない場合には第2普通図柄変動パターンテーブルを選択する(ステップS1504)。
図17は、普通図柄変動パターンテーブルを示す説明図である。普通図柄変動パターンテーブルでは、変動パターン毎に変動時間と判定値が対応付けられている。例えば、図17(A)に示す第1普通図柄変動パターンテーブルでは、普通図柄変動パターンP11には変動時間として480秒、判定値として「0」,「1」(確率:2/10)が対応付けられている。普通図柄変動パターンP12には変動時間として600秒、判定値として「2」,「3」(確率:2/10)が対応付けられている。普通図柄変動パターンP13には変動時間として720秒、判定値として「4」,「5」(確率:2/10)が対応付けられている。普通図柄変動パターンP14には変動時間として900秒、判定値として「6」,「7」(確率:2/10)が対応付けられている。普通図柄変動パターンP15には変動時間として1200秒、判定値として「8」,「9」(確率:2/10)が対応付けられている。なお、本実施の形態では、普通図柄変動パターンP11〜P15の選択割合は均等(2/10ずつ)であることとしたが、これに限るものではなく、選択割合に偏りがあってもよい。
例えば、図17(B)に示す第2普通図柄変動パターンテーブルでは、普通図柄変動パターンP21には変動時間として30秒、判定値として「0」〜「3」(確率:4/10)が対応付けられている。普通図柄変動パターンP22には変動時間として40秒、判定値として「4」〜「6」(確率:3/10)が対応付けられている。普通図柄変動パターンP23には変動時間として60秒、判定値として「7」〜「9」(確率:3/10)が対応付けられている。
このように、本実施の形態では、第1普通図柄変動パターンを用いる場合には、第2普通図柄変動パターンを用いる場合と比較して、変動時間が長い変動パターン(P11〜P15)が選択されるようになっている。すなわち、普通客待ち状態におけるゲート32への遊技球の入賞に伴う普通図柄の変動の方が、ゲート通過記憶数が1以上である状態におけるゲート32への遊技球の入賞に伴う普通図柄の変動よりも、変動時間が長いようになっている。
また、このように、本実施の形態では、普通客待ち状態におけるゲート32への遊技球の入賞に伴う普通図柄の変動における普通図柄の変動時間として、複数種類の変動時間が設けられている。
その後、ステップS1502,S1504において選択した普通図柄変動パターンテーブルを用いて普通図柄変動パターンを選択し(ステップS1505)、選択した普通図柄変動パターンに応じた変動時間に相当する値を普通図柄プロセスタイマに設定する(ステップS1506)。
ステップS1505では、具体的に、ステップS1507において読み出した普通図柄変動パターン判定用乱数値が、ステップS1502,S1504にて選択した普通図柄変動パターンテーブルにおけるいずれの普通図柄変動パターンに対応づけられているかを判定する。このとき、普通客待ち状態において遊技球がゲート32を通過することにもとづく普通図柄の変動であるか否かにかかわらず、普図保留記憶バッファ(図14参照)から読み出した普通図柄変動パターン判定用乱数値が用いられるものである。
そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS402)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS439)。
図18は、普通図柄変動処理(ステップS402)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS441)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS441のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS445)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS441のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS443)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS403)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS444)。
ステップS443では、具体的に、0.3秒に相当する値がセットされる。このように、本実施の形態では、通常状態において普通図柄当りとなる場合であっても、普通図柄の当り図柄の停止表示を開始してから可変入賞球装置15の開放制御が終了するまでの時間(普通図柄停止図柄表示時間である0.3秒と、当りにおける開放時間および閉鎖時間の合計時間(当りA:6.0秒、当りB:6.1秒、当りC:6.2秒)とを足し合わせた時間)よりも、遊技球が発射されてから第2始動入賞口14へ至るまでの時間(7.0秒)の方が長いよう構成されている。換言すれば、通常状態において、普通図柄の当り図柄が停止表示されてから発射された遊技球は、該当り図柄の停止表示にもとづいた可変入賞球装置15の開放制御中に第2始動入賞口14へ至ることがない。したがって、通常状態において、普通図柄の当り図柄が停止表示されてから発射された遊技球は、第2始動入賞口14へ入賞し得ず、通常状態であるにもかかわらず第2特別図柄にもとづいた変動を遊技者に狙わせることを防止することができる。
図19は、普通図柄停止時処理を示すフローチャートである。普通図柄停止時処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS5152)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS5152のN)、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS5151)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS5152のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS5127にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS5153)。具体的に、普通図柄当り判定フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS5153のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS5154)。
ステップS5153において、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS5153のY)、CPU56は、ステップS1407において記憶された普通図柄当り種別にもとづいた普通図柄当り時間に対応する値を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS5156)。普通図柄当り時間とは、普通図柄当りにおいて可変入賞球装置15を開状態に制御する時間と、その間に閉状態に制御する時間との合計時間である。例えば、当りAであれば6.0秒、当りBであれば6.1秒、当りCであれば6.2秒に対応する値をセットする。
次いで、CPU56は、可変入賞球装置15を開放状態に制御する(ステップS5162)。具体的には、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を開状態にする。そして、CPU56は、当り種別にもとづいた開放時間を普通電動役物制御タイマにセットする(ステップS5162A)。例えば、当りAであれば6.0秒、当りBであれば3.0秒、当りCであれば2.0秒に対応する値をセットする。
次いで、CPU56は、可変入賞球装置15の開状態中に第2始動入賞口に入賞した遊技球の個数をカウントする普通入賞個数カウンタに「0」をセットし(ステップS5163)、特別図柄プロセスフラグの値を、普通電動役物開放中処理(ステップS404)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS5164)。
図20は、普通電動役物開放中処理(ステップS404)を示すフローチャートである。普通電動役物開放中処理において、CPU56は、まず、普通図柄プロセスタイマの値を1減算する(ステップS3901)とともに、減算後の普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS3902)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS3902のN)、普通電動役物制御タイマの値を1減算する(ステップS3903)とともに、減算後の普通電動役物制御タイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通電動役物制御タイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS3904)。普通電動役物制御タイマがタイムアップしていなければ、そのまま処理を終了する。
普通電動役物制御タイマがタイムアップした場合、可変入賞球装置(普通電動役物)15の開放中であるか否かを判定し(ステップS3905)、開放中であれば、可変入賞球装置(普通電動役物)15を閉鎖状態に制御し(ステップS3906)、当り種別にもとづいた閉鎖時間を普通電動役物制御タイマにセットする(ステップS3907)。本実施の形態では、いずれの種別の当りであっても閉鎖時間は0.1秒であることから(図12(C),(D)参照)、ステップS3907では0.1秒に相当する値をセットする。
ステップS3905において、可変入賞球装置(普通電動役物)15の閉鎖中である場合、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放状態に制御し(ステップS3908)、当り種別にもとづいた開放時間を普通電動役物制御タイマにセットする(ステップS3909)。具体的に、当りBであれば3.0秒に相当する値をセットし、当りCであれば2.0秒に相当する値をセットする(図12(C),(D)参照)。なお、当りAである場合には、普通電動役物の開放制御が終了するときに普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすることとなるため、ステップS3903〜S3909は行われることはない。
また、ステップS3902において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば、CPU56は、ソレノイド16の駆動を停止して可変入賞球装置(普通電動役物)15を閉鎖状態にする(ステップS3910)とともに、普通電動役物開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS3911)。
そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS3912)。
図21は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図22は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS1217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図23参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1215)。なお、ステップS1215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図23は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図23に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1217)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図23参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1221)。なお、ステップS1221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1222)。
図24および図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1215,S1221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS62に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当りまたは4R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミング、または50回の特別図柄の変動表示を終了するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS68)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS69)、ステップS66に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値および小当り判定値にも一致しなければ(ステップS62のN)、CPU56は、そのままステップS66に移行する。
ステップS62では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS63)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「4R確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS64)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1215,S1221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS65)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「4R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS66)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「4R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS67)。
図26は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS98に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS92A)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS92B)。そして、ステップS98に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。なお、確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当りまたは4R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングまたは50回の可変表示が終了するタイミングでリセットされる。確変フラグがセットされていれば(ステップS93のY)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS98に移行する。
確変フラグがセットされていなければ(ステップS93のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS94)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS94のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS95)。そして、ステップS98に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS94のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、変動時間短縮時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS96)。そして、ステップS98に移行する。
この実施の形態では、ステップS93〜S96の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、変動時間短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態である場合には、確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS98の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS99の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、確変状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、遊技状態が確変状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS93でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92,S92B,S97,S95またはS96の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS98)。なお、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ステップS98の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り変動パターン判定テーブル、小当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS99)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS101)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS102)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS103)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS104)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS93〜S96,S98の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図27は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果4指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS105)。セットされていない場合には、ステップS109に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106,S107)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS65で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「4R確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106,S108)。なお、「4R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS65で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS105のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS111)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS112)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS111のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS109)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS110)。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグをリセットする(ステップS132)。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が4R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が15R確変大当りまたは4R確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU56は、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。なお、大入賞口開放前タイマは、大当り遊技中に大入賞口を開放するまでの時間を計測するためのタイマである。具体的には、大当り遊技の開始時には、ステップS134において、変動表示を停止してから第1ラウンドが開始されるまでに要する時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動表示を停止し大当り図柄を停止表示してから第1ラウンドが開始されるまでのファンファーレ演出を行う時間に相当)が大入賞口開放前タイマに設定される。また、第1ラウンド以降については、各ラウンド間のインターバル時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側でラウンド間のインターバル演出を行う時間に装置)が大入賞口開放前タイマに設定される。
また、CPU56は、開放回数カウンタに大当り種別に応じた開放回数をセットする(ステップS135)。例えば、15R確変大当りであれば15回を、4R確変大当りであれば4回をそれぞれ開放回数カウンタにセットする。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS141)、セットされていない場合、すなわち、通常状態である場合にはステップS145へ移行する。確変フラグがセットされている場合、すなわち、確変状態である場合、確変回数カウンタの値を1減算し(ステップS142)、確変回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(ステップS143)。0となっていない場合はステップS145へ移行する。0となった場合は確変フラグをリセットし(ステップS144)、ステップS145へ移行する。これにより、所定回数(50回)の変動をおこなうことを契機に確変状態から通常状態へ移行することとしている。
ステップS145では、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する。小当りフラグがセットされていない場合には、ステップS150に移行する。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS146)。また、大入賞口制御タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS147)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS149)。
ステップS150において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、15R確変大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、4R確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS167)。そして、確変回数カウンタに「50」をセットし(ステップS168)、ステップS171に移行する。
そして、ステップS171において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図30は、小当り遊技において実行される小当り開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放前タイマの値を−1する(ステップS2470)。大入賞口開放前タイマがタイムアウト(大入賞口開放前タイマの値が0)したら(ステップS2471)、CPU56は、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS2472)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU56は、小当り遊技状態の所要時間(具体的には、1.8秒)を開放時間タイマにセットする(ステップS2473b)。そして、CPU56は、特別可変入賞球装置20を開放制御し(ステップS2474)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS2475)。
なお、本実施の形態では、0.6秒毎に遊技球が1球発射される構成であるため、大入賞口の開放期間が1,8秒である小当り遊技状態においては、右打ちしていれば大入賞口への3球程度の遊技球の入賞が見込める(右側領域に発射された遊技球のうち、アウト口26に取り込まれた遊技球、および第2入賞口14へ入賞した遊技球を除く遊技球が大入賞口へ入賞する)よう構成されている。このように、確変状態では小当りとなり易い構成であるとともに(図8参照)、小当り遊技状態では3球程度の入賞が見込める構成であることから、遊技者は、確変状態においては小当りによる賞球の獲得を楽しめるようになっている。
なお、本実施の形態では、小当り遊技状態における大入賞口の開放時間は常に一定(1.8秒)であることとしたが、これに限るものではない。例えば、大入賞口の開放態様(開放時間および開放回数のうち少なくともいずれか一方)が異なる複数の小当り種別が設けられており、小当りとなる場合にはいずれかの小当り種別が選択され、選択された小当り種別に応じた小当り遊技状態に移行することとしてもよい。
図31は、小当り開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU56は、まず、カウントスイッチ23がオンしているか否か、すなわち、大入賞口への遊技球の入賞が検知されたか否かを判定し(ステップS2480a)、オンしていなければステップS2480cへ移行する。カウントスイッチ25aがオンしていれば、入賞個数カウンタの値を1加算する(ステップS2480b)。
次に、CPU56は、入賞個数カウンタの値が7であるか否かを判定し(ステップS2480c)、7でない場合には開放時間タイマを−1する(ステップS2481)。そして、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か、すなわち、開放時間タイマが0になったか否かを判定し(ステップS2482)、タイムアウトした場合にはステップS2493へ移行する。タイムアウトしていない場合、CPU56は、そのまま処理を終了する。
ステップS2493では、CPU56は、特別可変入賞球装置20を閉鎖制御し(ステップS2493)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS2494)。
ステップS2480cにおいて、入賞個数カウンタの値が7である場合にはステップS2493へ移行する。これにより、1回の小当り遊技状態の間に所定数(7個)の遊技球の大入賞口への入賞を検出した場合に、合計時間タイマがタイムアウトしていない場合であっても小当り遊技状態を終了することとしている。
図32は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2400)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2404に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットし(ステップS2401)、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2402)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2403)、処理を終了する。
ステップS2404では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2405)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2405のY)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2407)。
図33は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS36)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否か(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否か(すなわち、特別図柄停止処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図34は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
なお、ステップS706では、後述する特殊表示層において、第4図柄の表示に関する制御を行うものである。
ステップS706の後、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図35は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9および図10参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図36および図37は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果10指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618A)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS679)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS680)。そして、確変状態であることを示す演出確変フラグをセットする(ステップS681)。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS682)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS683)。そして、演出確変フラグをリセットする(ステップS684)。
また、受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS685)、演出制御用CPU101は、30秒後に演出表示装置9に客待ちデモ画面を表示するよう制御をおこなう(ステップS687)。具体的には、30秒を計測するタイマをセットし、該タイマがタイムアウトした際に客待ちデモ画面を演出表示装置9に表示する。なお、計測中に変動パターンコマンドなどを受信した場合には、該タイマをリセットし、計測を終了する。ステップS687の後、各保留記憶数保存領域に格納する保留記憶数をクリアする(ステップS688)。
また、受信した演出制御コマンドがゲート通過指定コマンドであれば(ステップS689)、演出制御用CPU101は、演出確変フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS690A)、セットされていない場合、すなわち、確変状態でないにも関わらずゲート32を遊技球が通過したことを検出した場合には、遊技者に左打ちを促す左打ち促進報知を行う(ステップS690B)。具体的には、演出表示装置9に「ハンドルを戻してください」または「左打ちしてください」といった表示を行う。スピーカ27や発光部材を用いた左打ち促進報知を行うこととしてもよい。
なお、本実施の形態では、通常状態であるにもかかわらずゲート32を遊技球が通過した場合には、常に左打ち報知演出を実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、通常状態において遊技球がゲート32を通過した回数にもとづいて、左打ち報知演出の実行の有無が異なることとしてもよい。例えば、通常状態において、ゲート通過指定コマンドを1回目に受信した場合には左打ち促進報知を実行せず、ゲート通過指定コマンドを受信した回数が2回以上である場合には左打ち促進報知を実行することとしてもよい。
また、通常状態において遊技球がゲート32を通過した回数にもとづいて左打ち促進報知の演出態様を決定可能であることとしてもよい。例えば、通常状態において、ゲート通過指定コマンドを2回目に受信した場合には報知レベルの低い左打ち促進報知(例えば、音量が小さかったり、表示範囲が小さかったり、報知回数が少なかったりする左打ち促進報知)を実行し、ゲート通過指定コマンドを受信した回数が3回以上である場合には報知レベルの高い左打ち促進報知(例えば、音量が大きかったり、表示範囲が大きかったり、報知回数が多かったりする左打ち促進報知)を実行することとしてもよい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
図38は、図34に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)のいずれかに対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。例えば、小当りの開始を指定する小当り開始指定コマンドを受信したら、小当りが開始することを示す小当り開始演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中または小当りにおける大入賞口開放中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間または小当りにおける大入賞口閉鎖中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。例えば、小当りの終了を指定する小当り終了指定コマンドを受信したら、小当りが終了することを示す小当り終了演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図39は、図38に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図40は、図38に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、擬似連を指定する変動パターンも用いる場合に、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図41は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図41に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「4R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。
そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
そして、演出制御用CPU101は、予告演出を設定するための予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。ここでは、例えば、開始する変動が大当りであるか否か、大当りである場合はいずれの大当り種別であるか、または読み出した変動パターンなどにもとづいて、所定の予告演出(例えば、大当りに対する信頼度に応じた段階まで発展するステップアップ予告、遊技者から操作部材への操作を受け付けることにより演出画面が切り替わるボタン演出など)の実行の有無について決定する。
ステップS8004において、演出制御用CPU101は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。なお、変動パターンに応じた演出図柄の変動や、予告演出のような変動中に実行される演出を「変動中演出」ということがある。
図42は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
図42に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8004などの処理で予告演出を実行することに決定された場合には、予告演出に対応したデータが設定されているプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
ステップS8005の後、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LEDおよび役物)を制御する(ステップS8006)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。 そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図43は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS861)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS867に移行する。この実施の形態では、後述するように、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS866で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS868で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS861で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS862の演出図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS867に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄、小当り図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS862)。なお、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンドの受信に応じて演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS862で大当り図柄または小当り図柄を表示する場合には(ステップS863のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS866)、ファンファーレフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS867)。ファンファーレフラグまたは小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされたときは(ステップS867のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS868)とともに、ファンファーレ演出または小当り開始演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS869)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS870)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS871)。
また、ステップS863で大当り図柄を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS863のN)は、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS864)。例えば、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS865)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、第1始動領域(本例では、第1始動入賞口13)を遊技媒体(本例では、遊技球)が通過したことにもとづいて第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示を行うとともに、第2始動領域(本例では、第2始動入賞口14)を遊技媒体が通過したことにもとづいて第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を行い、第1識別情報または第2識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果(本例では、大当り図柄、小当り図柄)となったときに、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態、小当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、普通始動領域(本例では、ゲート32)を遊技媒体が通過したことにもとづいて普通識別情報(本例では、普通図柄)の可変表示を実行可能な普通可変表示制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560における、ステップS400〜S403,S37を実行する部分)と、普通識別情報の可変表示に関する情報(本例では、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)、普通図柄当り種別判定用乱数(ランダム6)および普通図柄変動パターン判定用乱数(ランダム7)の値)を、普通保留記憶として記憶する普通保留記憶手段(本例では、普図保留記憶バッファ)と、普通識別情報の可変表示の表示結果が所定表示結果(本例では、当り図柄)となったことにもとづいて、第2始動領域を遊技媒体が通過容易な特定状態(本例では、可変入賞球装置15が開放される状態)に制御可能な特定制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560における、ステップS5162,S3908を実行する部分)とを備え、第2識別情報の可変表示の方が、第1識別情報の可変表示よりも、遊技者にとって有利であり(本例では、第2特別図柄の変動を行う場合の方が、第1特別図柄の変動を行う場合よりも、多くの賞球の獲得が見込める15R確変大当りとなる割合が高いとともに、小当りとなる確率が高い(図8参照))、普通可変表示制御手段は、普通識別情報の可変表示の実行中でなく、且つ、普通保留記憶が記憶されていない状態(本例では、普通客待ち状態)において普通始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて普通識別情報の可変表示を実行するときは、普通保留記憶が一つ記憶されている状態において該普通保留記憶にもとづいて普通識別情報の可変表示を実行するときよりも、長い可変表示期間にて普通識別情報の可変表示を実行可能である(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1501〜S1506を実行することにより、普通客待ち状態において遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて変動をする場合には、普通客待ち状態でない状態において遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて変動をする場合よりも、変動時間が長い普通図柄変動パターンを選択し、選択した普通図柄変動パターンに応じた普通図柄変動を行う)こととした。これにより、意図しない状態において、第2識別情報の可変表示にもとづいて有利状態となることが狙われることを防止することができる。
例えば、本実施の形態のように、通常状態では第1特別図柄の変動による遊技を行わせ、第2始動入賞口15を遊技球が入賞しやすい確変状態では第2特別図柄の変動による遊技を行わせる遊技機においては、通常状態においてゲート32を遊技球が通過した場合であっても、普通図柄の変動時間が長いため、仮に普通図柄が当りとなって可変入賞球装置15が開放制御されたとしても、単位時間あたりの第2特別図柄の変動にもとづく有利状態(例えば、小当り遊技状態、賞球の多い大当り遊技状態)の回数が減少することとなる。すると、遊技者にとって通常状態に右打ちをするメリットが低減するため、通常遊技状態において第2特別図柄の変動にもとづいて有利状態となることが狙われることを防止することができる。
なお、本実施の形態では、第2特別図柄の変動を行う場合の方が、第1特別図柄の変動を行う場合よりも、小当り確率が高く、且つ、多くの賞球が見込める大当り種別(例えば、15R確変大当り)の選択割合が高い構成とすることにより、「第2識別情報の可変表示の方が、第1識別情報の可変表示よりも、遊技者にとって有利」という構成を実現することとしたが、これに限るものではない。例えば、第2特別図柄の変動を行う場合の方が、第1特別図柄の変動を行う場合よりも、小当り確率および多くの賞球が見込める大当り種別(例えば、15R確変大当り)の選択割合のうちいずれか一方のみが高いこととしてもよい。
また、小当り確率および多くの賞球が見込める大当り種別の選択割合に代えて、もしくは加えて、以下の(1)〜(8)の割合のうちいずれか一または複数の割合を異ならせることにより、「第2識別情報の可変表示の方が、第1識別情報の可変表示よりも、遊技者にとって有利」という構成を実現することとしてもよい。以下の(1)〜(8)の割合のうち複数の割合を異ならせる場合には、異ならせる割合の組み合わせについては任意である。
(1)例えば、第2特別図柄の変動を行う場合の方が、第1特別図柄の変動を行う場合よりも、高確率状態に移行する大当り種別(例えば、確変大当り)が選択されやすいこととしてもよいし、または、(2)所定回数の変動を行うことを条件に終了する高確率状態に移行可能であり、第2特別図柄の変動を行う場合の方が、第1特別図柄の変動を行う場合よりも、該所定回数が多いこととしてもよい。
(3)また、例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するような遊技機であっては、特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)となる確率が、第2特別図柄の変動を行う場合の方が、第1特別図柄の変動を行う場合よりも高いこととしてもよい。
(4)また、例えば、第2特別図柄の変動を行う場合の方が、第1特別図柄の変動を行う場合よりも、高ベース状態に移行する大当り種別が選択されやすいこととしてもよいし、または、(5)特定回数の変動を行うことを条件に終了する高ベース状態に移行可能であり、第2特別図柄の変動を行う場合の方が、第1特別図柄の変動を行う場合よりも、該特定回数が多いこととしてもよい。
(6)また、例えば、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)と、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)とを組み合わせた遊技機においては、第2特別図柄の変動を行う場合の方が、第1特別図柄の変動を行う場合よりも、可変表示結果にもとづいた大当り(いわゆる第一種の大当り)となる割合が高いこととしてもよいし、(7)逆に、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいた大当り(いわゆる第二種の大当り)となる割合が高いこととしてもよい。
(8)また、例えば、第2特別図柄の変動を行う場合の方が、第1特別図柄の変動を行う場合よりも、大当りまたは小当りとなりやすいこととしてもよい。
なお、本実施の形態では、通常状態においては、普通客待ち状態において遊技球がゲート32を通過したことにもとづいた普通図柄の変動であるか否かに応じて2種類の普通図柄変動パターンテーブルのうちいずれかを選択することとしたが、これに限るものではない。例えば、普通客待ち状態でないときに遊技球がゲート32を通過したことにもとづいた普通図柄の変動である場合には、変動開始時に記憶されている普通図柄保留記憶の数にもとづいて異なる普通図柄変動パターンテーブルを選択することとしてもよい。具体的には、普通客待ち状態でないときに遊技球がゲート32を通過したことにもとづいた普通図柄の変動である場合、変動開始時の普通図柄保留記憶数が「1」であるときと、「2」または「3」であるときと、「4」であるときとで、それぞれ異なる普通図柄変動パターンテーブルを選択することとしてもよい。
変動開始時に記憶されている普通図柄保留記憶の数にもとづいて異なる普通図柄変動パターンテーブルを選択する場合、普通図柄保留記憶数が多い場合に選択される普通図柄変動パターンテーブルを用いて選択される普通図柄変動パターンの方が、普通図柄保留記憶数が多い場合に選択される普通図柄変動パターンテーブルを用いて選択される普通図柄変動パターンよりも、変動時間が短くなるよう構成してもよい。これにより、普通図柄保留記憶数が多くなるほど変動時間が短くなることから、保留図柄保留記憶数の上限を超えてゲート32に遊技球が通過することを防止することができる。
または、逆に、変動開始時に記憶されている普通図柄保留記憶の数にもとづいて異なる普通図柄変動パターンテーブルを選択する場合、普通図柄保留記憶数が多い場合に選択される普通図柄変動パターンテーブルを用いて選択される普通図柄変動パターンの方が、普通図柄保留記憶数が多い場合に選択される普通図柄変動パターンテーブルを用いて選択される普通図柄変動パターンよりも、変動時間が長くなるよう構成してもよい。これにより、普通図柄保留記憶数が多くなるほど、単位時間あたりの第2特別図柄の変動にもとづく有利状態(例えば、小当り遊技状態、賞球の多い大当り遊技状態)の回数が減少することとなる。すると、遊技者にとって通常状態に右打ちをするメリットがより低減するため、通常遊技状態において第2特別図柄の変動にもとづいて有利状態となることが狙われることを防止することができる。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、第1経路(本例では、左打ちされたときに遊技球が流下する経路)および第2経路(本例では、右打ちされたときに遊技球が流下する経路)に遊技媒体を発射可能な発射手段(本例では、打球発射装置)をさらに備え、第1始動領域は第1経路に設けられており、普通始動領域は第2経路に設けられている。これにより、第1経路に遊技球を打ち出させる遊技と、第2経路に遊技球を打ち出させる遊技とを遊技者に行わせることができ、興趣の向上を図ることができる。また、第1経路と第2経路とに打ち分けさせる遊技性を有する遊技機においても、意図しない状態において、第2識別情報の可変表示にもとづいて有利状態となることが狙われることを防止することができる。
また、本実施の形態では、普通可変表示制御手段は、普通識別情報の可変表示の実行中でなく、且つ、普通保留記憶が記憶されていない状態(本例では、普通客待ち状態)において普通始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて、複数の可変表示期間のうちいずれかの可変表示期間にて普通識別情報の可変表示を実行可能である(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通客待ち状態において遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて変動をする場合には、第1普通図柄変動パターンテーブルを用いることにより、複数の普通図柄変動パターンP11〜P15のうちいずれかを選択する)こととした。これにより、意図しない状態において、第2識別情報の可変表示にもとづいて有利状態となることが狙われることを防止することができる。
例えば、本実施の形態のように、通常状態では第1特別図柄の変動による遊技を行わせ、第2始動入賞口15を遊技球が入賞しやすい確変状態では第2特別図柄の変動による遊技を行わせる遊技機においては、通常状態においてゲート32を遊技球が通過した場合であっても、普通図柄の変動時間が複数パターン設けられているため、普通図柄の変動終了タイミングが不規則となる。すると、普通図柄の変動終了タイミングを計って第2始動入賞口14を狙って遊技球を発射することが困難となるため、通常遊技状態において第2特別図柄の変動にもとづいて有利状態となることが狙われることを防止することができる。
なお、本実施の形態では、普通客待ち状態における普通図柄の変動時間は、5種類(普通図柄変動パターンP11〜P15に対応する変動時間)設けられていることとしたが、これに限るものではない。例えば、2〜4種類設けられていることとしてもよいし、6種類以上設けられていることとしてもよい。
また、本実施の形態では、高ベース状態である場合には、普通図柄の変動時間を1.5秒に固定することとしたが、これに限るものではない。例えば、普通客待ち状態においてゲート32を遊技球が通過したことにもとづく普通図柄の変動であるか否かや、変動開始時のゲート通過記憶数にもとづいて、複数の変動時間のうちいずれかの変動時間にて普通図柄変動を行うこととしてもよい。
また、本実施の形態では、特定制御手段は、複数の特定状態パターン(本例では、可変入賞球装置15の開放パターンが異なる当りA〜当りC)のうちいずれかの特定状態パターンにもとづいて特定状態に制御可能である(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS403,S404を実行することにより、当り種別に応じた可変入賞球装置15の開放制御を行う)こととした。これにより、意図しない状態において、第2識別情報の可変表示にもとづいて有利状態となることが狙われることを防止することができる。
例えば、本実施の形態のように、通常状態では第1特別図柄の変動による遊技を行わせ、第2始動入賞口15を遊技球が入賞しやすい確変状態では第2特別図柄の変動による遊技を行わせる遊技機においては、第2特別図柄の変動にもとづいて小当りとなる場合であっても、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンが複数設けられているため、小当り遊技状態における大入賞口の開放タイミングが不規則となる。すると、通常遊技状態において第2特別図柄の変動にもとづいた小当り遊技状態における大入賞口の開放タイミングを計って大入賞口を狙って遊技球を発射することが困難となるため、第2特別図柄の変動にもとづいて有利状態となることが狙われることを防止することができる。
なお、本実施の形態では、普通図柄当りにおける可変入賞球装置15の総開放時間は、いずれの当り種別(当りA〜当りC)であっても一律(6.0秒)であることとしたが、これに限るものではない。例えば、当り種別毎に普通図柄当りにおける可変入賞球装置15の総開放時間を異ならせることとしてもよい。
また、いずれの当り種別であっても、普通図柄当りにおける可変入賞球装置15の閉鎖時間が0.1秒であることとしたが、これに限るものではない。例えば、閉鎖時間を数秒〜数十秒とする当り種別があってもよい。また、普通図柄当り中に可変入賞球装置15を複数回閉鎖する当り種別であっては、複数回の閉鎖制御がそれぞれ異なる時間(閉鎖時間)にて行われることとしてもよい。これにより、小当り遊技状態における大入賞口の開放タイミングが更に不規則となり、第2特別図柄の変動にもとづいて有利状態となることが狙われることを防止することができる。
また、本実施の形態では、高ベース状態と低ベース状態とで、共通の普通図柄当り種別が設けられていることとしたが、これに限るものではなく、遊技状態毎に全てまたは一部が異なる普通図柄当り種別が設けられていることとしてもよい。また、設けられている普通図柄当り種別の数が遊技状態によって異なることとしてもよい。例えば、低ベース状態では複数の普通図柄当り種別を設ける、高ベース状態では単一の普通図柄当り種別が設けれていることとしてもよく、その場合、低ベース状態においては可変入賞球装置15の開放タイミングを計りにくくするとともに、高ベース状態では普通図柄当りにおいて可変入賞球装置15の閉鎖制御が含まれることによる煩わしさを遊技者に感じさせることを防止することができる。
また、本実施の形態では、高ベース状態と低ベース状態とで、それぞれ異なる普通図柄当り種別判定テーブルを用いて普通図柄当り種別を決定することとしたが、これに限るものではなく、共通の普通図柄当り種別判定テーブルを用いて普通図柄当り種別を決定することとしてもよい。
また、本実施の形態では、普通図柄当りにおける可変入賞球装置15の開放パターン(すなわち、当り種別)が3種類設けられていることとしたが、これに限るものではなく、2種類設けられていることとしてもよいし、4種類以上設けられていることとしてもよい。
また、本実施の形態では、発射された遊技媒体が第2始動領域に至るまでの経路上に設けられ、所定表示結果が導出表示されてから発射された遊技媒体が、該所定表示結果が導出表示されたことにもとづく特定状態が終了する前に第2始動領域に達しない程度に遊技媒体の流下を遅延させる遅延手段(本例では、釘群50)を備えた(本例では、通常状態において普通図柄当りとなる場合、普通図柄の当り図柄の停止表示を開始してから可変入賞球装置15の開放制御が終了するまでの時間(普通図柄停止図柄表示時間である0.3秒と、当りにおける開放時間および閉鎖時間の合計時間(当りA:6.0秒、当りB:6.1秒、当りC:6.2秒)とを足し合わせた時間)よりも、遊技球が発射されてから第2始動入賞口14へ至るまでの時間(7.0秒)の方が長い)こととした。これにより、意図しない状態において、第2識別情報の可変表示にもとづいて有利状態となることが狙われることを防止することができる。
例えば、本実施の形態のように、通常状態では第1特別図柄の変動による遊技を行わせ、第2始動入賞口15を遊技球が入賞しやすい確変状態では第2特別図柄の変動による遊技を行わせる遊技機においては、普通図柄が当り図柄で停止表示したことを確認した上で遊技球を発射しても、該当り図柄が停止表示することにもとづいた大入賞口の開放制御が終了するまでには、該遊技球は第2始動入賞口14に達し得ない(入賞し得ない)こととなることから、通常遊技状態において第2特別図柄の変動にもとづいて有利状態となることが狙われることを防止することができる。
なお、本実施の形態では、釘群50を遅延手段として設けることとしたが、遊技球の流下を遅延させるものであれば、これに限るものではない。例えば、遊技球の経路が蛇行して形成された成形品や、遊技球を振り分けるために用いられる皿状で穴の開いている部品(いわゆる、クルーン)を遅延手段として設けることとしてもよい。
上述したように、本実施の形態では、遊技球が発射されてから第2始動入賞口14へ至るまでに少なくとも7.0秒を要するよう釘群50が設けられている。そのため、遊技球が発射されてから、第2始動入賞口14よりも下流に設けられた大入賞口へ至るまでには、7.0秒より長い時間を要することとなる。このとき、大当り図柄または小当り図柄が停止表示されてから大入賞口の開放制御が終了するまでの時間が短すぎると、大当り図柄または小当り図柄が停止表示されてから発射された遊技球が大入賞口へ入賞することが困難となってしまう。そこで、大当り図柄または小当り図柄が停止表示されてから大入賞口の開放制御を終了するまでの時間は、遊技球が発射されてから大入賞口へ至るまでの時間よりも長いことが好ましい。これにより、大当り図柄または小当り図柄が停止表示されてから発射された遊技球の大入賞口への入賞が困難となることを防止することができる。
また、本実施の形態では、有利状態は、特別有利状態(本例では、大当り遊技状態)と、該特別有利状態とは異なる特殊有利状態(本例では、小当り遊技状態)とを含み、第2識別情報の可変表示にもとづいて特殊有利状態に制御される割合は、第1識別情報の可変表示にもとづいて特殊有利状態に制御される割合よりも高い(本例では、第1特別図柄の変動を行うときの小当り確率は0/487である一方、第2特別図柄の変動を行うときの小当り確率は477/487である(図8参照))こととした。これにより、意図しない状態において、第2識別情報の可変表示にもとづいて特殊有利状態となることが狙われることを防止することができる。
なお、本実施の形態では、第1特別図柄の変動が行われるときには小当りとなり得ない構成としたが(図8(B)参照)、これに限るものではなく、第1特別図柄の変動表示を行うときにも小当りになり得るものであってもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行うときには、1/487程度の低い確率で小当りが発生することとしてもよい。第2特別図柄の変動表示を行うときに小当りとなる割合が低いものであってもよい。また、第1特別図柄の変動表示を行うときには、第2特別図柄の変動表示を行うときと同様の確率(477/487)で小当りが発生することとしてもよい。その場合、第1特別図柄の変動表示にもとづいて制御される小当り遊技状態では、大入賞口への遊技球の入賞が実質的に不可能であるか、もしくは困難である開放パターンにて大入賞口の開放制御が行われることとしてもよい。
また、本実施の形態では、高ベース状態と低ベース状態とで、普通図柄当り種別が共通であることとしたが、これに限るものではない。例えば、高ベース状態と低ベース状態とで、一部または全部の普通図柄当り種別が異なることとしてもよい。
なお、本実施の形態では、普通客待ち状態においてゲート32への遊技球の通過を検出した場合、普通客待ち時入賞フラグをセットし、変動開始時に該普通客待ち時入賞フラグがセットされているか否かにもとづいて普通図柄変動パターンテーブルを選択し、普通図柄変動パターンを選択することとしたが、普通客待ち時入賞フラグを用いないものであってもよい。例えば、ゲート32への遊技球の通過を検出したときに、普通客待ち状態であれば第1普通図柄変動パターンテーブルを選択する一方、普通客待ち状態でなければ第2普通図柄変動パターンテーブルを選択するものであってもよい。その場合、選択した普通図柄変動パターンテーブルを記憶しておき、対応する普通図柄変動開始時に該普通図柄変動パターンテーブルにもとづいて普通図柄変動パターンを選択することとしてもよいし、または、いずれかの普通図柄変動パターンテーブルを選択したときに(すなわち、ゲート32を遊技球が通過したタイミングにおいて)、選択した普通図柄変動パターンテーブルにもとづいて普通図柄変動パターンを選択することとしてもよい。
また、本実施の形態に示した盤面構成を有する遊技機において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を同時に実行可能であり、遊技状態として、低確率低ベース状態と、該低確率低ベース状態において大当りとなることにもとづいて制御される高確率低ベース状態とが設けられており、低確率低ベース状態においては、遊技者に左打ちをさせて第1特別図柄の変動にもとづいた大当りによる遊技球の獲得を狙う遊技を行わせる一方、高確率低ベース状態においては、遊技者に右打ちをさせて第2特別図柄の変動にもとづいた大当りおよび小当りによる遊技球の獲得を狙う遊技を行わせるものであってもよい。具体的に、特別図柄の変動時間を以下(1),(2)とすることにより、このような遊技性を有する遊技機をすることができる。(1)第1特別図柄の変動時間は、低確率低ベース状態では通常の長さ(例えば、1秒〜180秒)であり、高確率低ベース状態では極めて長い(例えば、10分〜30分)。(2)第2特別図柄の変動時間は、低確率低ベース状態では極めて長く(例えば、10分〜30分)、高確率低ベース状態では短い(例えば、5秒〜10秒)。
これにより、高確率低ベース状態においては、第1特別図柄の変動時間が極めて長いとともに第2特別図柄の変動時間が短いことにより、正規の遊技(右打ちによる遊技)を行わせることができる。このとき、上述した実施の形態と同様に、第2特別図柄の変動にもとづいて小当りになりやすい構成とすることにより、第2特別図柄の変動にもとづいた小当りによる遊技球の獲得を狙う遊技を行わせることができる。この場合、第2特別図柄の変動にもとづいて小当りとなる確率を高くしたり、小当り遊技状態による賞球数を多くしたりすることにより、打ち出した遊技球に対する賞球数の割合(いわゆるベース)を向上させることが可能である。
しかしながら、このような構成では、低確率低ベース状態と高確率低ベース状態とでは、いずれも低ベース状態であるため、可変入賞球装置15の開放のしやすさ(普通図柄の変動時間、普通図柄の当り確率、普通図柄の当りにもとづいた可変入賞球装置の開放パターン)は変わらず、低確率低ベース状態であるにもかかわらず遊技者が右打ち(非正規の打ち方)をした場合であっても高確率低ベース状態と同程度の数の遊技球が第2始動入賞口14に入賞し得ることとなる。そこで、普通図柄の変動時間を、低確率低ベース状態および高確率低ベース状態のいずれであっても、普通客待ち状態においてゲート32を遊技球が通過したことにもとづいて行われる普通図柄の変動(例えば、10秒)である方が、普通客待ち状態でない状態においてゲート32を遊技球が通過したことにもとづいて行われる普通図柄の変動(例えば、5秒)であるよりも長いよう構成することとしてもよい。そうすることにより、低確率低ベース状態において右打ちがされたとしても、普通客待ち状態にてゲート32を遊技球が通過した場合における普通図柄の変動時間が長いとともに、仮に普通図柄が当りとなって第2始動入賞口14へ遊技球が入賞したとしても第2特別図柄の変動時間が極めて長いため、遊技者にとって低確率低ベース状態に右打ちをするメリットが低減することとなる。これにより、低確率低ベース状態において非正規の遊技(右打ちによる遊技)を行わせることを防止することができる。
また、本実施の形態では説明を省略したが、遊技者の動作(例えば、操作)が検出されたことにもとづいて所定演出を実行可能に構成するとともに、遊技者の動作を促すための促進報知(例えば、操作促進報知)を実行可能に構成するようにしてもよい。以下、操作促進報知を実行可能に構成した変形例について説明する。
なお、この変形例において、上述した実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略する。
この変形例では、遊技者の動作(本例では、操作)が検出されたことにもとづいて実行される所定演出(本例では、操作演出)として、当否煽り時ボタン演出が実行される。この変形例では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、演出制御プロセス処理の演出図柄変動開始処理(ステップS801参照)において、当否煽り時ボタン演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様を決定する。なお、演出制御用CPU101は、当否煽り時ボタン演出を実行することに決定すると、当否煽り時ボタン演出を実行することに決定されていることを示す当否煽り時ボタン演出待機フラグをセットする。また、この変形例では、当否煽り時ボタン演出は、演出図柄の変動表示中のリーチ終盤のタイミングで実行される。
当否煽り時ボタン演出は、プッシュボタン120の操作を促す操作促進報知を伴い、検出有効期間中にプッシュボタン120による所定操作が行われたことにもとづいて実行される演出である。なお、この変形例において、「促進」は、遊技者の操作を進めるという意味ではなく、遊技者の操作を促す(勧誘する)という意味で用いられている。
当否煽り時ボタン演出では、各ボタン演出に対応する検出有効期間が開始されるタイミングになると、演出表示装置9において、プッシュボタン120の操作を促すための操作促進報知が行われる(例えば、プッシュボタン120の外観を模した第1操作促進画像や、所定の文字を示す第2操作促進画像が複数の態様のいずれかで表示される。図46(A)〜(C)参照)。そして、検出有効期間中にプッシュボタン120による1回の操作、連打操作または長押し操作が検出されたことにもとづいて、当否煽り時ボタン演出画像(例えば、大当りとなる可能性を示唆する画像)が表示される。以下、操作促進報知として表示されるプッシュボタン120の外観を模した第1操作促進画像および所定の文字を示す第2操作促進画像を総称して、操作促進画像ともいう。
図44は、変形例における当否煽り時ボタン演出設定テーブルの具体例を示す説明図である。また、図46(A)〜(C)は、変形例における操作促進報知の具体例を示す説明図である。
また、図44に示すように、この変形例では、当否煽り時ボタン演出を「第1演出態様」、「第2演出態様」または「第3演出態様」の演出態様で実行可能である。当否煽り時ボタン演出の「第1演出態様」では、操作促進報知として、小ボタン画像(第1操作促進画像(小))が表示され(図46(A)参照)、「第2演出態様」では、操作促進報知として、プッシュボタン120の外観を模した第1操作促進画像のうちの大型サイズの大ボタン画像(以下、第1操作促進画像(大)ともいう)と、所定の文字を示す第2操作促進画像のうちの「連打」の文字を示す第2操作促進画像(連打)とが表示され(図46(B)の第1操作促進画像(大)201b,第2操作促進画像(連打)202a参照)、「第3演出態様」では、操作促進報知として、大ボタン画像(第1操作促進画像(大))と、所定の文字を示す第2操作促進画像のうちの「長押し」の文字を示す第2操作促進画像(長押し)とが表示される(図46(C)の第1操作促進画像(大)201b,第2操作促進画像(長押し)202b参照)。また、検出有効期間内に操作が検出された場合には、変動表示の表示結果に応じた当否煽り時ボタン演出画像が表示される。本例では、表示結果がはずれの場合には、「敗北…」の文字を示す第1当否煽り時ボタン演出画像が表示され、表示結果が大当りの場合には、「勝利!」の文字を示す第2当否煽り時ボタン演出画像が表示される。以下、第1当否煽り時ボタン演出画像および第2当否煽り時ボタン演出画像を、当否煽り時ボタン演出画像と総称することがある。
図44に示す当否煽り時ボタン演出設定テーブルにおいて特徴的なことは、スーパーリーチを含まない変動パターンよりもスーパーリーチを含む変動パターンである方が、また、表示結果がはずれよりも大当りである方が、「第1演出態様」、「第2演出態様」または「第3演出態様」と決定される割合が高く、「演出なし」と決定される割合が低くなるように判定値が設定されていることである。さらに、表示結果がはずれよりも大当りである方が、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」、「第2演出態様」よりも「第3演出態様」と決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、演出が実行されないときよりも、演出が実行されたときの方が、さらに、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」、「第2演出態様」よりも「第3演出態様」で実行されたときの方が、有利な演出図柄の変動態様(例えば、スーパーリーチに発展する)となる割合を高くすることや、表示結果が大当りとなる割合を高くすることができる。つまり、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」、「第2演出態様」よりも「第3演出態様」の方が、期待度が高い演出態様となる。したがって、当否煽り時ボタン演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができるとともに、いずれの演出態様で実行されるかについて注目させることができる。
この変形例では、プッシュボタン120の外観を模した第1操作促進画像のみを表示する第1パターンと、第1操作促進画像および所定の文字を示す第2操作促進画像を表示する第2パターンとにより操作促進報知を実行可能である。具体的には、当否煽り時ボタン演出の第1演出態様では、第1パターンにより操作促進報知が行われ、第2演出態様および第3演出態様では、第2パターンにより操作促進報知が行われる。既に説明したように、この変形例では、第1演出態様よりも第2演出態様および第3演出態様の方が、期待度が高くなるように構成されている。そのため、操作促進報知についても第1パターンよりも第2パターンで行われる方が、期待度が高くなることになる。このように構成することによって、いずれのパターンで操作促進報知が行われるかについて着目させることができる。また、第1パターンによる操作促進報知では、第1操作促進画像のみが表示され、第2パターンによる操作促進報知では、第1操作促進画像および第2操作促進画像が表示されるため、表示される画像が多くなると期待度が高くなることになり、遊技者に分かりやすく期待度を示すことができる。なお、この変形例で示す例に限らず、第2パターンの操作促進報知よりも第1パターンの操作促進報知の方が、期待度が高くなるように構成してもよい。
また、この変形例では、プッシュボタン120の外観を模した第1操作促進画像を複数の態様のいずれかにより表示することができる。具体的には、小ボタン画像(第1操作促進画像(小))および大ボタン画像(第1操作促進画像(大))のうちのいずれかで表示することができ、当否煽り時ボタン演出の第1演出態様では、小ボタン画像(第1操作促進画像(小))が表示され、第2演出態様および第3演出態様では、大ボタン画像(第1操作促進画像(大))が表示される。すると、複数の態様のうちのいずれの第1操作促進画像が表示されたかに応じて期待度が異なることになる。このように構成することにより、第1操作促進画像の態様にも関心を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
また、この変形例では、所定の文字を示す第2操作促進画像も複数の態様のいずれかにより表示することができる。具体的には、当否煽り時ボタン演出の第2演出態様では、第2操作促進画像(連打)が表示され、第3演出態様では、第2操作促進画像(長押し)が表示される。すると、第2操作促進画像についても、複数の態様のうちのいずれにより表示されたかに応じて期待度が異なることになる。このように構成することにより、第2操作促進画像の態様にも関心を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
また、この変形例では、第1操作促進画像および第2操作促進画像をそれぞれ複数の態様のいずれかにより表示することができるため、第2パターンによる操作促進報知を複数の態様のいずれかにより実行できるともいえる。具体的には、当否煽り時ボタン演出の第2演出態様では、大ボタン画像(第1操作促進画像(大))および第2操作促進画像(連打)を表示することにより第2パターンによる操作促進報知を行い、第3演出態様では、大ボタン画像(第1操作促進画像(大))および第2操作促進画像(長押し)を表示することにより第2パターンによる操作促進報知を行う。すると、複数の態様のうちのいずれの第2パターンによる操作促進報知が行われたかに応じて期待度が異なることになる。このように構成することにより、第2パターンによる操作促進報知がいずれの態様により行われるかにも関心を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
また、この変形例では、所定演出(本例では、当否煽り時ボタン演出。操作演出。)における操作態様として連打(本例では、プッシュボタン120を10回以上押下)と長押し(本例では、プッシュボタン120を3秒以上押下)との2種類があるのであるが、所定演出が実行される特定タイミングとなる前に、その操作態様を少なくとも報知可能な操作態様報知演出が実行される。
この変形例では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理の演出図柄変動開始処理(ステップS801参照)において、当否煽り時ボタン演出を実行することに決定するとともに、演出態様を「第2演出態様」または「第2演出態様」に決定した場合には、さらに、操作態様報知演出の有無、実行開始タイミング、および予告操作態様を決定する。
図45は、変形例における操作態様報知演出決定テーブルの構成例を示す説明図である。また、図46(D),(E)は、変形例における操作態様報知演出の具体例を示す説明図である。
具体的には、当否煽り時ボタン演出を実行することに決定されており、かつ、演出態様が「第2演出態様」に決定され、かつ、大当りとすることが決定されている場合、15%の割合で、変動開始直後に、当否煽り時ボタン演出での操作態様が連打であることを報知する操作態様報知演出(真の報知)が決定され、5%の割合で、変動開始直後に、当否煽り時ボタン演出での操作態様が長押しであることを報知する操作態様報知演出(ガセ報知)が決定され、20%の割合で、リーチ成立直後に、当否煽り時ボタン演出での操作態様が連打であることを報知する操作態様報知演出(真の報知)が決定され、10%の割合で、リーチ成立直後に、当否煽り時ボタン演出での操作態様が長押しであることを報知する操作態様報知演出(ガセ報知)が決定され、50%の割合で、いずれの操作態様報知演出も実行しないと決定される。
また、当否煽り時ボタン演出を実行することに決定されており、かつ、演出態様が「第2演出態様」に決定され、かつ、ハズレとすることが決定されている場合、5%の割合で、変動開始直後に、当否煽り時ボタン演出での操作態様が連打であることを報知する操作態様報知演出(真の報知)が決定され、5%の割合で、変動開始直後に、当否煽り時ボタン演出での操作態様が長押しであることを報知する操作態様報知演出(ガセ報知)が決定され、5%の割合で、リーチ成立直後に、当否煽り時ボタン演出での操作態様が連打であることを報知する操作態様報知演出(真の報知)が決定され、5%の割合で、リーチ成立直後に、当否煽り時ボタン演出での操作態様が長押しであることを報知する操作態様報知演出(ガセ報知)が決定され、80%の割合で、いずれの操作態様報知演出も実行しないと決定される。
また、当否煽り時ボタン演出を実行することに決定されており、かつ、演出態様が「第3演出態様」に決定され、かつ、大当りとすることが決定されている場合、10%の割合で、変動開始直後に、当否煽り時ボタン演出での操作態様が長押しであることを報知する操作態様報知演出(真の報知)が決定され、20%の割合で、リーチ成立直後に、当否煽り時ボタン演出での操作態様が長押しであることを報知する操作態様報知演出(真の報知)が決定され、70%の割合で、いずれの操作態様報知演出も実行しないと決定される。
また、当否煽り時ボタン演出を実行することに決定されており、かつ、演出態様が「第3演出態様」に決定され、かつ、ハズレとすることが決定されている場合、10%の割合で、変動開始直後に、当否煽り時ボタン演出での操作態様が長押しであることを報知する操作態様報知演出(真の報知)が決定され、10%の割合で、リーチ成立直後に、当否煽り時ボタン演出での操作態様が長押しであることを報知する操作態様報知演出(真の報知)が決定され、80%の割合で、いずれの操作態様報知演出も実行しないと決定される。
当否煽り時ボタン演出での操作態様が連打であることを報知する操作態様報知演出が実行される場合には、当否煽り時ボタン演出の実行タイミングとなる前の変動開始直後やリーチ成立直後に、図46(D)に示すように、演出表示装置9の表示画面の左上端部において、縮小した第1操作促進画像(大)201bと第2操作促進画像(連打)202aとを含む操作態様報知画像203a[第2演出態様]が表示される。
また、当否煽り時ボタン演出での操作態様が長押しであることを報知する操作態様報知演出が実行される場合には、当否煽り時ボタン演出の実行タイミングとなる前の変動開始直後やリーチ成立直後に、図46(E)に示すように、演出表示装置9の表示画面の左上端部において、縮小した第1操作促進画像(大)201bと第2操作促進画像(長押し)202bとを含む操作態様報知画像203b[第3演出態様]が表示される。
図47および図48は、変形例における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
次いで、演出制御用CPU101は、操作態様報知演出の実行を開始するタイミングであるか否かを判断する(ステップS8106)。なお、操作態様報知演出の開始タイミングであるか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理においてセットされる変動時間タイマの値にもとづいて変動開始直後、またはリーチ成立直後と判定されたことにより確認できる。操作態様報知演出の実行開始タイミングであると判断した場合(ステップS8106のY)、演出制御用CPU101は、操作態様報知演出の実行を開始する(ステップS8107)。具体的には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、図46(D),(E)に示す操作態様報知画像203a,203bを表示する制御を行う。ただし、この報知は、前述したように真の報知である場合とガセ報知である場合とがある。
次いで、演出制御用CPU101は、当否煽り時ボタン演出の検出有効期間中であることを示す当否煽り時ボタン演出有効フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8108)。当否煽り時ボタン演出有効フラグがセットされている場合には、ステップS8115に移行する。
当否煽り時ボタン演出有効フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、当否煽り時ボタン演出待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8109)。当否煽り時ボタン演出待機フラグがセットされていない場合には、ステップS8123に移行する。
当否煽り時ボタン演出待機フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、当否煽り時ボタン演出の開始タイミング(すなわち当否煽り時ボタン演出の検出有効期間開始タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8110)。当否煽り時ボタン演出の開始タイミングではない場合には、ステップS8123に移行する。
当否煽り時ボタン演出の開始タイミングである場合、すなわち当否煽り時ボタン演出の検出有効期間開始タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、当否煽り時ボタン演出待機フラグをリセットする(ステップS8111)とともに、当否煽り時ボタン演出有効フラグをセットする(ステップS8112)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、プッシュボタン120の操作を促す操作促進報知として、操作促進画像を決定していた態様により表示する(例えば、小ボタン画像(第1操作促進画像(小))のみ表示する、大ボタン画像(第1操作促進画像(大))および第2操作促進画像(連打)を表示する、または大ボタン画像(第1操作促進画像(大))および第2操作促進画像(長押し)を表示する)とともに、残存有効期間画像を表示する制御を行う(ステップS8113,S8114)。その後、ステップS8115に移行する。
ステップS8115では、演出制御用CPU101は、演出図柄変動開始処理で決定された操作態様によるプッシュボタン120の操作(1回の操作、連打、または長押し)が検出されているか否かを確認する(ステップS8115)。演出図柄変動開始処理で決定された操作態様によるプッシュボタン120の操作が検出されている場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、演出図柄変動開始処理で決定し、記憶した当否煽り時ボタン演出の演出態様に応じて、当否煽り時ボタン演出画像(例えば、「敗北…」の文字を示す第1当否煽り時ボタン演出画像、または「勝利!」の文字を示す第2当否煽り時ボタン演出画像)を表示する制御を行う(ステップS8116)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている残存有効期間画像を消去する制御を行う(ステップS8117)。なお、この変形例で示す例に代えて、または加えて、ステップS8116の処理において、大当りである場合には、所定の可動役物を動作させ、はずれである場合には、所定の可動役物を動作させないようにしてもよい。また、例えば、大当りである場合には、所定の可動役物を第1パターンにより動作させ、はずれである場合には、所定の可動役物を第1パターンとは異なる第2パターンにより動作させるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、表示されている操作促進画像を消去する制御を行う(ステップS8118)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、検出有効期間が終了したことを示す有効期間終了画像を表示する(ステップS8119)。そして、演出制御用CPU101は、当否煽り時ボタン演出有効フラグをリセットする(ステップS8120)。なお、当否煽り時ボタン演出画像や有効期間終了画像は、所定期間表示された後に消去される。
また、ステップS8115において、演出図柄変動開始処理で決定された操作態様によるプッシュボタン120の操作が検出されていない場合には、演出制御用CPU101は、当否煽り時ボタン演出の終了タイミング(すなわち当否煽り時ボタン演出の検出有効期間終了タイミング)であるか否かを確認する(ステップS8121)。そして、当否煽り時ボタン演出の終了タイミングであれば、ステップS8118に移行する。また、当否煽り時ボタン演出の終了タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、検出有効期間の残存期間に応じて、残存有効期間画像を更新する(ステップS8122)。その後、ステップS8123に移行する。
ステップS8123では、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8123のY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8124)。
以上に説明したように、この変形例によれば、遊技者の動作を検出可能な検出手段(本例では、プッシュボタン120)と、遊技者の動作を促すための促進報知(本例では、第1操作促進画像や第2操作促進画像を表示する操作促進報知)を実行可能な促進報知手段と、検出手段により遊技者の動作が検出されたことにもとづいて、所定演出(本例では、各ボタン演出)を実行可能な演出実行手段とを備えている。そして、促進報知手段は、一の動作(本例では、プッシュボタン120を1回押下する操作、連打する操作、および長押しする操作のいずれか)を促すための促進報知を、少なくとも第1促進画像(本例では、プッシュボタン120の外観を模した第1操作促進画像)を表示する第1パターンと、第1促進画像に加えて第2促進画像(本例では、所定の文字を示す第2操作促進画像)を表示する第2パターンとにより実行可能である(図44および図46参照)。また、第1パターンと第2パターンとのいずれにより促進報知が実行されたかに応じて期待度が異なる(本例では、第1パターンにより操作促進報知が行われる当否煽り時ボタン演出の第1演出態様と、第2パターンにより操作促進報知が行われる当否煽り時ボタン演出の第2演出態様および第3演出態様とは、期待度が異なる。図44参照)。そのため、遊技者に分かりやすく期待度を示すことができる。
具体的には、促進報知手段の態様により期待度が異なる構成であっても、期待度が分かりにくいという場合があるが、この変形例のように、促進報知手段によって表示される画像数の違い(第1パターンと第2パターン)により期待度が異なるように構成されていれば、遊技者は、直観的に期待度を認識することができる。
なお、この変形例ではプッシュボタン120の操作が検出されたか否かにより、遊技者の動作を検出するように構成されているが、これに限らず、スティックコントローラ122の操作が検出されたか否かにより、遊技者の動作を検出するようにしてもよい。また、プッシュボタン120やスティックコントローラ122等が所定回操作されたか否かにより、遊技者の動作を検出するものに限らず、例えば、プッシュボタン120やスティックコントローラ122等を用いて所定情報(例えば、特定のコマンド等)を入力する操作が行われたか否かにより、遊技者の動作を検出するようにしてもよい。また、プッシュボタン120やスティックコントローラ122に代えて、または加えて、遊技者の動作を検出すると、検出信号を入力する赤外線センサや光センサ等の非接触型のセンサを設け、これらのセンサを用いて遊技者の動作を検出するようにしてもよい。また、この場合、図46に示す操作促進報知の態様に限らず、例えば、スティックコントローラ122の外観を模した画像と「引け」の文字を示す画像とを表示したり、センサに手をかざした状態を模した画像と「手をかざせ」の文字を示す画像とを表示したりすることにより、操作促進報知を行うようにしてもよい。
なお、この変形例では、第1演出態様と第2演出態様とで表示するボタン画像201a,201bは、プッシュボタン120の外観を模した点が共通する非同一の画像(大きさが異なる画像)であるが、全く同一の画像であってもよい。
また、この変形例によれば、複数種類の操作態様(本例では、1回の操作、連打、長押し)により遊技者が操作可能な操作手段(本例では、プッシュボタン120)を備え、操作手段が操作された場合に実行する複数種類の操作演出(本例では、複数種類の操作態様による当否煽り時ボタン演出)のいずれかを、可変表示中の特定タイミング(本例では、リーチ終盤)において実行可能である。また、特定タイミングとなる前に、操作態様を少なくとも報知可能であり(本例では、操作態様報知演出を実行可能である)、有利状態(本例では、大当り遊技状態)とするか否かに応じて操作態様を報知するタイミングを異ならせる(本例では、図45に示すように、大当りであるか否かに応じて異なる割合により変動開始直後またはリーチ成立直後に操作態様報知演出を実行する)。そのため、操作演出が実行される特定タイミングとなる前に、操作演出での操作態様が報知される。その結果、操作演出が実行されるタイミングとなる前から遊技者に期待感を持たせることができることによって遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供できる。また、操作態様を報知するタイミングに遊技者を注目させることができる。その結果、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において適用することとしてもよい。
また、本実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。