JP6416939B2 - 核酸の初期収集物から標的分子を減損させる方法、並びにそれを実施するための組成物及びキット - Google Patents

核酸の初期収集物から標的分子を減損させる方法、並びにそれを実施するための組成物及びキット Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
米国特許法(35 U.S.C.)第119条(e)に準拠し、本出願は、2014年2月13日に出願された米国仮特許第61/939,658号の出願日及び2014年8月22日に出願された米国仮特許出願第62/040,804号の出願日に対する優先権を主張するものであり;その開示を参照により本明細書中に援用する。
序論
生物学的医学研究における適用‐例えば、アレイハイブリダイゼーション、qPCR又は大規模な並列配列決定による遺伝子発現解析、では、他の配列との複雑な混合物の状態で存在する核酸の特定のサブセットの分析を伴うことが多い。着目の核酸配列が既知である場合には、特異的プライマー配列を用いたPCRが混合物から所望の配列を増幅するのに使用できる。しかしながら、場合によっては、恐らく配列情報が完全に分かっていない複数の異なった配列を分析することが望まれることもある。例えば、真核細胞系のメッセンジャーRNAは、ポリAテールに対するプライミングにより最初のcDNA鎖合成を開始するためのオリゴdTプライマーを使用することで一括して増幅及び分析され、その結果、好ましくない核酸‐例えばリボソームRNA、ミトコンドリアRNA及びゲノムDNAによる夾雑を低減又は回避し得る。しかしながら、このアプローチのための要件はRNAが完全であって、且つ、分解されていないこと、例えば、ポリAテールがRNAメッセージの本体から失われておらず、切断もされていないことである。残念ながら、多くのその他の有効且つ興味深い生物学的材料‐例えばホルマリン固定及びパラフィン包埋組織サンプル(FFPEサンプル)として維持された生検材料などは、こういったサンプルとって実用的ではないオリゴdTプライミングをもたらすような分解に晒されることが多い。さらに、多くの興味深いRNA配列‐例えば、非コーディングRNAや非真核生物のRNAにはポリAテールがない。こうした場合には、サンプル中のすべてのヌクレオチド種を全体的に増幅するのにランダムプライミングが使用できる。しかしながら、ランダムプライミングはまた、潜在的な好ましくない配列‐例えばゲノムDNA又はリボソームRNAなどの増幅ももたらす。
核酸の初期収集物から標的核酸を減損させる(depleting)方法を提供する。該方法の態様には、初期収集物から標的核酸を減損させるのに十分な様式下で標的核酸に特異的な核酸誘導型ヌクレアーゼと初期収集物とを接触させることが含まれる。所定の適用によって、標的核酸の減損は、例えば減損させることが初期収集物中の標的核酸を切断すること、又は初期収集物から標的核酸を選択的に分離することを含み得る場合、核酸の初期収集物を変化させ得る。該方法の実施形態を実施するための組成物及びキットもまた提供する。
図1は、本開示の特定の実施形態における用途が見出された核酸誘導型ヌクレアーゼを図式的に例示する。 図2は、本開示の一実施形態により核酸ガイド要素の製造方法を図式的に例示する。 図3は、図2で図式的に例示した方法における用途が見出されたオリゴヌクレオチドの3つの例を示す。 図4は、ゲル電気泳動によって可視化された鋳型核酸の画像を示す。鋳型核酸は、本開示の一実施形態よるインビトロ転写による核酸ガイド要素の製造における用途が見出された。 図5は、ゲル電気泳動によって可視化された核酸の画像を示す。画像では、本開示の一実施形態による核酸誘導型ヌクレアーゼを使用した標的核酸の切断が実証されている。 図6は、ゲル電気泳動によって可視化された核酸の画像を示す。画像では、本開示の一実施形態による核酸誘導型ヌクレアーゼを使用した2つの異なった標的核酸の同時切断が実証されている。 図7は、本開示の一実施形態による核酸誘導型ヌクレアーゼを使用した次世代配列決定のための核酸ライブラリにおける標的核酸(この実施例では18S rRNA)の減損を実証するデータを提供する。パネルAは、核酸誘導型ヌクレアーゼの1又は2つの実施例を使用した標的核酸の減損量を示す棒グラフを示す。パネルBは、本開示の一実施形態によるヌクレアーゼを増量して使用した際の標的核酸の減損量を示す。この実施例では、核酸誘導型ヌクレアーゼのプールが用いられ、そしてそこでは、該プールが単一型のヌクレアーゼ要素と異なったヌクレオチド配列を有する多様な種類の核酸ガイド要素を含んでいる。 図7は、本開示の一実施形態による核酸誘導型ヌクレアーゼを使用した次世代配列決定のための核酸ライブラリにおける標的核酸(この実施例では18S rRNA)の減損を実証するデータを提供する。パネルAは、核酸誘導型ヌクレアーゼの1又は2つの実施例を使用した標的核酸の減損量を示す棒グラフを示す。パネルBは、本開示の一実施形態によるヌクレアーゼを増量して使用した際の標的核酸の減損量を示す。この実施例では、核酸誘導型ヌクレアーゼのプールが用いられ、そしてそこでは、該プールが単一型のヌクレアーゼ要素と異なったヌクレオチド配列を有する多様な種類の核酸ガイド要素を含んでいる。 図8は、本開示の一実施形態による核酸誘導型ヌクレアーゼを使用した標的核酸の減損を実証するデータを提供する。この実施例では、核酸誘導型ヌクレアーゼのプールを用いられ、そしてそこでは、該プールが単一型のヌクレアーゼ要素と異なったヌクレオチド配列を有する多様な種類の核酸ガイド要素を含んでいる。 図9は、配列決定の結果を示し、且つ、本開示の一実施形態による方法を使用した配列ライブラリからの標的核酸を減損させる効果を実証する棒グラフである。 図10は、本開示の一実施形態による核酸誘導型ヌクレアーゼを使用した標的核酸の切断を実証するデータを提供する。パネルAは、本開示の一実施形態による実施例のヌクレアーゼ要素の精製を実証するゲル画像を示す。パネルBは、パネルAに示したヌクレアーゼ要素を含んでいる核酸誘導型ヌクレアーゼを使用した標的核酸の切断を実証するゲル画像を示す。 図10は、本開示の一実施形態による核酸誘導型ヌクレアーゼを使用した標的核酸の切断を実証するデータを提供する。パネルAは、本開示の一実施形態による実施例のヌクレアーゼ要素の精製を実証するゲル画像を示す。パネルBは、パネルAに示したヌクレアーゼ要素を含んでいる核酸誘導型ヌクレアーゼを使用した標的核酸の切断を実証するゲル画像を示す。 図11は、本開示の一実施形態による核酸誘導型ヌクレアーゼを様々な量で使用した標的核酸の切断を実証するゲル画像を示す。 図12は、Cas9の6xHNタグ付与D10A/H840A突然変異体の発現及び精製を実証するデータ(パネルA)、並びに核酸の初期収集物から標的核酸を取り出し、標的核酸が濃縮された核酸サンプルを製造するために核酸ガイド要素のプールと組み合わせた該突然変異体の使用の原理証明(パネルB)を提供する。 図12は、Cas9の6xHNタグ付与D10A/H840A突然変異体の発現及び精製を実証するデータ(パネルA)、並びに核酸の初期収集物から標的核酸を取り出し、標的核酸が濃縮された核酸サンプルを製造するために核酸ガイド要素のプールと組み合わせた該突然変異体の使用の原理証明(パネルB)を提供する。
詳細な説明
核酸の初期収集物から標的核酸を減損させる(depleting)方法を提供する。該方法の態様には、初期収集物から標的核酸を減損させるのに十分な様式下で標的核酸に特異的な核酸誘導型ヌクレアーゼと初期収集物とを接触させることが含まれる。所定の適用によって、標的核酸の減損は、例えば減損させることが初期収集物中の標的核酸を切断すること、又は初期収集物から標的核酸を選択的に分離することを含み得る場合、核酸の初期収集物を変化させ得る。該方法の実施形態を実施するための組成物及びキットもまた提供する。
本開示の方法及びキットを更に詳細に説明する前に、本方法及びキットは、言うまでも無くそれ自体が変わり得るように、説明された特定の実施形態に限定されないことを理解すべきである。更に、本方法及びキットの範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用されている用語は単に特定の実施形態を説明するために用いられており、限定することを意図していないことを理解すべきである。
ある範囲の値が与えられる場合、その範囲の上限及び下限の間の、文脈が別段に明示しない限りは下限の単位の10分の1までの各介在値、及びその記載された範囲内の任意の他の記載された値又は介在する値が本方法及びキットの範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、より小さい範囲内に独立して含まれてもよく、記載された範囲内の任意の具体的に除外された限度を条件として本方法及びキットの範囲内に更に包含される。記載された範囲が限度のうちの一方又は両方を含む場合、これらの含まれた限度の一方又は両方を除外した範囲も本方法及びキットに更に包含される。
ある範囲は、本明細書では用語「約」から始まる数値と共に示されている。用語「約」は、本明細書では「約」から始まる正確な数、及び「約」から始まる数に近い数又は「約」から始まる数に近似した数のための文字通りのサポートを提供するために用いられている。数が具体的に述べられた数に近いか否か又は近似しているか否かを判断する際に、述べられていない近い数又は近似した数は、その数が示されている文脈では、具体的に述べられた数に略相当する数であってもよい。
特に定義されていない限り、本明細書で使用されている全ての技術的用語及び科学的用語は、本方法が属する技術分野の当業者によって共通して理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様又は同等である全ての方法及びキットを、本方法及びキットの実施又は試験に更に使用することができるが、代表的な実例となる方法及び材料を本明細書に記載している。
本明細書に引用されている全ての刊行物及び特許は、個々の刊行物又は特許が、具体的に且つ個別に参照によって組み込まれると示されているかのように参照によって本明細書に組み込まれ、刊行物の引用に関連する方法、キット及び/又は材料を開示して記載すべく、参照によって本明細書に組み込まれる。任意の刊行物の引用は、出願日前のその開示に関するものであって、先行発明を理由として、本方法及びキットがそのような刊行物に先行する権限がないことを認めるものであるとみなされるべきではない。更に、提供される刊行物の日付は、実際の公開日とは異なる場合があり、個別に確認する必要があるかもしれない。
単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」が、本明細書及び添付の特許請求の範囲に用いられている場合、文脈が別段に明示しない限り、複数の指示対象を含むことを留意すべきである。更に、特許請求の範囲がいかなる選択的な要素も排除して記載されていることを留意すべきである。従って、この記述は、請求項の要素の記載に関する「唯一の(solely)」、「のみの(only)」等の排他的用語の使用、又は「否定的な(negative)」限定の使用のための先行記載として機能すべく意図される。
明瞭化のために別々の実施形態の内容に述べられている本方法及びキットの特徴が、1つの実施形態に組み合わせて提供されてもよいことが認識される。逆に、簡潔さのために1つの実施形態の内容に述べられている本方法及びキットの様々な特徴が、別々に又はあらゆる適切な下位の組み合わせで更に提供されてもよい。本実施形態の全ての組み合わせは、本発明によって具体的に包含されており、各々の及びあらゆる組み合わせが個別に且つ明示的に開示されているかのように、このような組み合わせが操作可能な工程及び/又はデバイス/システム/キットを包含する範囲まで本明細書に開示されている。更に、このような可変性について述べている実施形態に記載されている全ての下位の組み合わせも、本方法及びキットによって具体的に包含されており、各々の及びあらゆるこのような下位の組み合わせが個別に且つ明示的に本明細書に開示されているかのように、本明細書に開示されている。
当業者が本開示を読むと明らかであるように、本明細書に説明され例示された個々の実施形態はそれぞれ、別々の構成要素及び特徴を有しており、別々の構成要素及び特徴は、本方法及びキットの範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の複数の実施形態のいずれかの特徴から容易に分離されてもよく、又はいずれかの特徴と容易に組み合わされてもよい。全ての記載された方法は、記載された事象の順序でも、又は論理的に可能な任意の他の順序でも実行され得る。
本発明の実施形態をさらに説明する際に、まず、対象方法の実施形態の態様がより詳細に説明される。その後、対象方法を実施するためのキットの実施形態の態様がより詳細に説明される。
方法
本発明の態様は、核酸の初期収集物から標的核酸を選択的に減損させる方法を含んでいる。標的核酸を「減損させる」こととは、核酸の初期収集物中の標的核酸の量を低減することを意味する。例えば、(単数若しくは複数の)ヌクレアーゼ要素がヌクレアーゼ活性を有する1若しくは複数の核酸誘導型ヌクレアーゼによる標的核酸内の1若しくは複数の位置での標的核酸の切断によって、標的核酸が減損され得る。そして、初期収集物中に存在する非減損核酸が、核酸増幅、核酸配列決定、遺伝子発現分析(例えば、アレイハイブリダイゼーション、定量的RT‐PCR、大規模並列配列決定などによる)、又は着目のその他の下流適用などの着目の下流適用に使用され得る。
或いは、標的核酸は、標的核酸の除去(及び適宜、回収)によって核酸の初期収集物から減損され得る。以下でより詳細に説明されるとおり、特定の態様において、初期収集物からの標的核酸の除去は、切断欠損性ヌクレアーゼを含めた核酸誘導型ヌクレアーゼを使用して作用され、そしてそのヌクレアーゼは、核酸の初期収集物からのヌクレアーゼ(従って、該ヌクレアーゼに結合する標的核酸)の除去を容易にする異種要素(例えば、タグ)を含んでいてもよい。初期収集物から標的核酸を取り出すか又は回収することによって、標的配列が濃縮された次の核酸収集物を得ることができる。そして、この濃縮サンプル(例えば、エキソーム濃縮サンプル、着目の遺伝子パネルを濃縮したサンプルなど)は、例えば核酸増幅、核酸配列決定、遺伝子発現分析(例えば、アレイハイブリダイゼーション、定量的RT‐PCR、大規模並列配列決定などによる)又は着目のその他の下流適用などの着目の下流適用に使用されてもよい。
特定の実施形態によると、初期収集物中に存在する標的核酸の減損は、斯かる標的核酸の切断によって特定の種類の標的核酸を減損させること、並びに核酸の初期収集物からの斯かる標的核酸の除去(及び適宜、回収)によって特定の他の種類の標的核酸を減損させることを含んでいる。
標的核酸は異なっていてもよい。「核酸」とは、あらゆる長さ、例えば10塩基以上、20塩基以上、50塩基以上、100塩基以上、500塩基以上、1000塩基以上、2000塩基以上、3000塩基以上、4000塩基以上、5000塩基以上、10,000塩基以上、50,000塩基以上のヌクレオチド、例えばリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドで構成された高分子を意味している。場合によっては、核酸の長さは、100,000塩基以下、例えば75,000塩基以下、50,000塩基以下、例えば25,000塩基以下、例えば10,000塩基以下、5,000塩基以下、2,000塩基以下、1,000塩基以下又は500塩基以下などを含めた長さである。
初期収集物からの標的核酸の減損は、完全な排除でない場合には、収集物中の標的核酸の存在を部分的に低減する。場合によっては、核酸の初期収集物中の所定の標的核酸のコピー数は、5%以上、例えば10%以上など、例えば25%以上、50%、75%、90%以上を含めた、標的核酸の存在が完全に排除される実施形態を含めたコピー数である。標的核酸の減損は、サンプル中の総核酸に関してサンプル中の標的核酸のパーセンテージを低減する。特定の態様において、標的核酸の減損後、サンプル中の標的核酸の初期量と比較した場合に標的核酸の残存パーセントは、50%、40%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又はそれ以下、つまり0.5%、0.1%、0.01%以下を含めた残存パーセントである。初期収集物中の標的核酸を減損させることによって、ある型の核酸(例えば、望ましい核酸)が収集物中で濃縮され得る。特定の実施形態によると、標的核酸が減損されたサンプル中では、ある型の核酸(例えば、DNA、mRNA、マイクロRNA(miRNA)、及び/又は同様のもの)が、合計に対してサンプル中に残存する斯かる型の核酸のパーセンテージが5%以上、例えば10%以上、25%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、75%以上、つまり80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、及び99.5%以上を含めたパーセンテージになるように、サンプル中で濃縮される。
核酸の初期収集物は核酸誘導型ヌクレアーゼと接触させられる。本明細書中に使用されるとき、「核酸誘導型ヌクレアーゼ」は、ヌクレアーゼ要素と核酸ガイド要素とを含んでいる集合体(例えば、複合体)である。核酸誘導型ヌクレアーゼは、ヌクレアーゼ/切断活性を有することができ、例えば標的核酸(例えば、標的DNA、標的RNAなど)の2つ以上の生成物への加水分解を触媒し、その結果、標的核酸を減損させる。所望であれば、(例えば残存する核酸収集物を精製するために)切断産物をサンプルから取り除いてもよい。特定の態様において、切断によって特定の標的核酸を減損することが望ましいとき、使用される異なった核酸誘導型ヌクレアーゼの数、及び/又は(単数若しくは複数の)核酸誘導型ヌクレアーゼによって切断される標的核酸の(単数若しくは複数の)位置は、標的核酸断片のすべて又はほとんどすべてが、例えばエタノール又はイソプロパノール沈殿、スピンカラム精製(例えば、Clontech Laboratories, Inc.(Mountain View, CA)製のNucleoSpin(登録商標)Clean Upカラムを使用)、Solid Phase Reversible Immobilization(SPRI)ビーズ、又は同様のものなどの核酸精製によって取り除かれるのに十分な小ささになるように選択され得る。ヌクレアーゼ要素がヌクレアーゼ活性を有するとき、該ヌクレアーゼは、標的核酸において二本鎖の破断を生じ得るか、又は該ヌクレアーゼは、二本鎖標的核酸の一本鎖に破断を導入するヌクレアーゼであり得る(例えば、該ヌクレアーゼ要素はニッカーゼであってもよい)。
特定の態様において、ヌクレアーゼは、修飾の結果としてヌクレアーゼ活性を有していない(例えば、切断欠損性である)改変ヌクレアーゼである。斯かるヌクレアーゼは、核酸誘導型ヌクレアーゼと標的核酸との間で形成された複合体で存在する標的核酸の除去の時点で、核酸の初期収集物から標的核酸を減損させるために用いられ得、そして該減損は、特定の態様において、ヌクレアーゼ上に提供されたタグ(例えば、エピトープタグ)によって容易になる。
任意の好適なヌクレアーゼ要素が、対象方法の実施者によって利用され得る。ヌクレアーゼ要素は、ヌクレアーゼ活性を呈する野生型酵素であっても、又はそのヌクレアーゼ活性を維持している改変バリアントであってもよい。他の態様において、ヌクレアーゼ要素は、異種ヌクレアーゼ(又は「切断」)ドメインに作動可能に連結された非ヌクレアーゼタンパク質であってもよく、ヌクレアーゼドメインに連結することによって、該タンパク質が標的核酸を切断することができるようなものである。好適な切断ドメインは公知であり、例えばFokI制限エンドヌクレアーゼのDNA切断ドメインが含まれる。例えば、特定の態様において、核酸誘導型ヌクレアーゼのヌクレアーゼ要素は、Cas9(例えば、野生型Cas9又は切断欠損性Cas9)又は例えばFokI切断ドメインなどの切断ドメインに作動可能に連結された他のヌクレアーゼであってもよい。特定の実施形態によると、ヌクレアーゼは切断欠損性である突然変異体‐例えばSp,Cas9 D10A突然変異体、Cas9 H840A突然変異体、Cas9 D10A/H840A突然変異体(例えば、Sander & Joung (2014) Nature Biotechnology 32:347-355 doi:10.1038/nbt.2842を参照のこと)又はその他の好適な切断欠乏性突然変異体である。斯かるストラテジーは、遺伝子工学的目的のために、それぞれジンクフィンガーヌクレアーゼ及びTALENsを作り出すためのジンクフィンガー及び転写活性化因子様エフェクター(TALE)タンパク質によるヌクレアーゼ活性を付与するために首尾よく利用された(例えば、Kim et al. (1996) PNAS 93(3):1156-1160、並びに米国特許出願公開番号US2003/0232410、US2005/0208489、US2006/0188987、US2006/0063231、及びUS2011/0301073を参照のこと)。
特定の実施形態によると、ヌクレアーゼドメインはエンドヌクレアーゼに由来し得る。ヌクレアーゼ/切断ドメインがそれから誘導され得るエンドヌクレアーゼとしては、これだけに限定されるものではないが:Casヌクレアーゼ(例えば、Cas9ヌクレアーゼ)、アルゴノートヌクレアーゼ(例えば、Tth Ago、哺乳類のAgo2など)、S1ヌクレアーゼ;インゲンマメヌクレアーゼ;膵臓DNアーゼI;ミクロコッカスヌクレアーゼ;酵母HOエンドヌクレアーゼ;制限エンドヌクレアーゼ;ホーミングエンドヌクレアーゼ;などが挙げられる;例えばMishra(Nucleases: Molecular Biology and Applications (2002) ISBN-10: 0471394610)もまた参照のこと。特定の態様において、核酸誘導型ヌクレアーゼのヌクレアーゼ要素は、フランシセラ・ノビシダ(Francisella novicida)(又は任意の好適なそのバリアント)のCas9ヌクレアーゼであり、そしてそれは、分解のために標的RNAに対してscaRNAを使用する(Sampson et al. (2013) Nature 497:254-257を参照のこと)。
先に記載したように、特定の実施形態によると、核酸誘導型ヌクレアーゼはCRISPR関連(又は「Cas」)ヌクレアーゼを含んでいる。CRISPR/Casシステムは真核生物のRNA干渉(RNAi)経路に類似した古細菌及び多くの細菌のRNA媒介ゲノム防御経路である。該経路は、2つの進化的に(そして多くの場合、物理的に)連結された座位:CRISPR(クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート)座位(システムのRNA要素をコードする)とCas(CRISPR関連)座位(タンパク質をコードする)から作り出される。
全てがRNA及びCasタンパク質を包含している3つのタイプのCRISPR/Casシステムが存在する。II型CRISPRシステムは、4つの逐次ステップで標的DNAにおいて二本鎖切断をおこなう。第1ステップで、2つの非コーディングRNA(プレcrRNAアレイ及びtracrRNA)がCRISPR座位から転写される。第2ステップで、tracrRNAがプレcrRNAの反復領域にハイブリダイズし、個々のスペーサ配列を含む成熟crRNAへのプレcrRNAのプロセッシングを媒介する。第3ステップで、成熟crRNA:tracrRNA複合体が、crRNA上のスペーサと、標的認識のための追加要件であるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)の隣の標的DNA上のプロトスペーサーとの間のワトソンークリック塩基対合を介してCas9を標的DNAに向かわせる。最終ステップで、Cas9が標的DNAの切断を媒介して、プロトスペーサー内での二本鎖破断を作成する。
I及びIII型のCRISPRシステムはともに、crRNAへと完全にプロセッシングされると、crRNAに相補的な核酸を切断できるマルチCasタンパク質複合体を構築するプレcrRNAがプロセッシングされたCasエンドヌクレアーゼを有している。II型CRISPR/Casシステムでは、プレcrRNA内の繰返し配列に相補的な転写活性化RNA(tracrRNA)がCas9タンパク質の存在下で二本鎖特異的RNアーゼIIIによる処理を引き起こす機構によって、crRNAが作り出される。そして、Cas9が、crRNAと標的DNAとの間の塩基対合、及びPAM(プロトスペーサー隣接モチーフ)配列とも呼ばれるcrRNA内の短いモチーフの存在に依存した様式により、成熟crRNAに相補的な標的DNAを切断することができる。
crRNA‐tracrRNA複合体の要件は、crRNAとtracrRNAのアニーリングによって通常形成されたヘアピンを含む「単独ガイドRNA」(sgRNA)を形成するためにcrRNAとtracrRNAとの遺伝子操作された融合の使用によって回避できる。例えば、Jinek et al. (2012) Science 337:816-821;Mali et al. (2013) Science 339:823-826;及びJiang et al. (2013) Nature Biotechnology 31:233-239を参照のこと。
sgRNAは、二本鎖RNA:DNAヘテロ二量体がCas結合RNAと標的DNAとの間で形成されるとき、標的DNAを切断するようにCas9を誘導する。Cas9タンパク質とPAM配列を含んでいる遺伝子操作sgRNAを含むこのシステムは、ZFNsやTALENsと同様の編集効率を有するRNA誘導ゲノム編集のために使用された。例えば、Hwang et al. (2013) Nature Biotechnology 31 (3):227を参照のこと。
特定の実施形態によると、核酸誘導型ヌクレアーゼのヌクレアーゼ要素は、Casタンパク質などのCRISPR関連タンパク質である。Casタンパク質の制限されることのない例としては、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9(Csn1及びCsx12としても知られている)、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、その相同体、又はその改変バージョンが挙げられる。特定の態様において、核酸誘導型ヌクレアーゼのヌクレアーゼ要素はCas9である。Cas9は、これだけに限定されるものではないが、NGGのPAM配列を有するストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)(「spCas9」、Uniprot Q99ZW2)、NNNNGATTのPAM配列を有するネイセリア・メニンギチジス(Neisseria meningitidis)(「nmCas9」、Uniprot C6S593)、NNAGAAのPAM配列を有するストレプトコッカス・サーモフィルス(streptococcus thermophilus)(「stCas9」、Uniprot Q5M542)、及びNAAAACのPAM配列を有するトレポネーマ・デンティコルス(Treponema denticols)(「tdCas9」、Uniprot M2B9U0)を含めた着目の任意の生物体由来であってよい。sgRNAガイド要素が汎用の標的核酸の相補的領域と整列されている、Cas9ヌクレアーゼ及びsgRNAガイド要素を含んでいる核酸誘導型ヌクレアーゼの例が図1で図式的に例示されている。
特定の態様において、核酸誘導型ヌクレアーゼのヌクレアーゼ要素はアルゴノート(Ago)ヌクレアーゼである。Agoタンパク質はRNA干渉(RNAi)プラットフォーム及びマイクロRNA(miRNA)機能及びビオゲネシスに主要な進化的に保存されたタンパク質のファミリーである。それらは低分子RNA介在性遺伝子調節機序に必要とされるRNA誘発サイレンシング複合体(RISC)の中心的な要素として最もよく知られている。転写後遺伝子サイレンシングでは、低分子RNA(例えば、siRNA、miRNA、piRNAなど)によって誘導されたAgoが、塩基対合を介して相補的な転写産物に結合し、そして、タンパク質を動員して遺伝子サイレンシングを容易にするためのプラットフォームとしての役割を果たす。
哺乳動物は8つのアルゴノートタンパク質を有し、そしてそれは、2つのサブファミリー:Piwiクレード及びAgoクレードに分類される。野生型Agoタンパク質(Ago1‐4、又はEIF2C1‐4)では、Ago2だけがエンドヌクレアーゼ活性を持っている。完全長ヒトAgo2(Uniprot Q9UKV8)の結晶構造が解明された。例えば、Elkayam et al. (2012) Cell 150(1):100-110を参照のこと。細菌の対応物と同様に、ヒトAgo2は、N末端(N)、PAZ、MID、及びPIWIドメインを含む二小葉性構造物である。PAZドメインは、低分子RNAの3’末端を固定し、Ago2の触媒能のために不必要である。しかしながら、PAZ領域欠失は、非接触Agosが低分子RNA二本鎖をほどき、機能性RISCを形成する能力を妨害する。
核酸誘導型ヌクレアーゼのヌクレアーゼ要素がAgoヌクレアーゼであるときに、該ヌクレアーゼは、DNA二本鎖、RNA二本鎖、又はDNA‐RNA二本鎖を切断するAgoヌクレアーゼであり得る。Agoヌクレアーゼは、原核生物又は真核生物などの任意の好適な生物体由来であり得る。特定の態様において、Agoは原核生物のAgoである。着目のProkaryotic Agoとしては、これだけに限定されるものではないが、Wang et al. (2008) Nature 456(7224):921-926;及びWang et al. (2009) Nature 461(7265):754-761に記載のTth Agoヌクレアーゼなどのサーマス・サーモフィルス(Thermus thermophiles)Ago(「Tth Ago」)が挙げられる。Tth Ago及び長さが13〜25ヌクレオチドのリン酸化DNAガイドを使用したインビボにおけるDNA誘導性DNA干渉は、Swarts et al. (2014) Nature 507:258-261によって最近記載された。
核酸誘導型ヌクレアーゼは、(例えば、標的核酸(例えば、標的DNA、標的RNAなど)の加水分解に触媒する)ヌクレアーゼ活性を有するヌクレアーゼを含んでも、又は修飾の結果としてヌクレアーゼ活性を有しない(例えば、切断欠損性である)改変ヌクレアーゼであってもよい。場合によっては、ヌクレアーゼ要素(例えば、Casヌクレアーゼ要素)は切断欠損性突然変異体であり、そして、方法は標的核酸/核酸誘導型ヌクレアーゼ複合体を含む生成物組成物の製造をもたらす。得られた複合体の一部であるときに、標的核酸は核酸の収集物中に含まれておらず、そのため核酸の初期収集物から減損された。他の態様において、複合体のヌクレアーゼ要素は切断適格性ヌクレアーゼであるが、核酸誘導型ヌクレアーゼは、標的核酸の切断に続く標的核酸の断片への結合を維持する。場合によっては、該方法はさらに、生成物組成物の他の構成要素と(例えば、D10A Cas9突然変異体、H840A Cas9突然変異体、D10A/H840A Cas9突然変異体、及び/又は同様のものなどの切断適格性ヌクレアーゼ要素及び/又は切断欠損性ヌクレアーゼ要素を含んでいる)標的核酸/核酸誘導型ヌクレアーゼ複合体を分離すること(例えば、取り出すこと)を含む。所望である場合、ヌクレアーゼ要素は、初期収集物の他の要素からの(例えば、アフィニティー精製による)複合体の分離を容易にするために、例えばタグ、例えば、エピトープタグ、Flagタグ、HAタグ、Hisタグ、Mycタグ、S‐タグ、SBPタグ、Sofタグ、GSTタグ、GFPタグ、ビオチン、ストレプトアビジン、6‐Hisタグなどを含んでもよい。
特定の実施形態によると、該方法が標的核酸/核酸誘導型ヌクレアーゼ複合体の形成を伴うとき、その方法はさらに、複合体から標的核酸を回収することを含む。標的核酸を回収するためのあらゆる好適なストラテジーが利用できる。斯かるストラテジーは、組成物の他の構成要素から複合体を分離し、次に、核酸誘導性ヌクレアーゼから標的核酸を分離することを含み得る。特定の態様において、核酸誘導型ヌクレアーゼのヌクレアーゼ要素は、タグ(例えば、エピトープタグ)を含み、そして、複合体はアフィニティー精製によって他の構成要素から分離され得る。例えば、複合体は、タグ(例えば、タグに結合する抗体又は他の好適な結合パートナー)の結合パートナーを含んでいる固相(例えば、カラム、プレート、ビーズ(例えば、アガロース又は磁性ビーズ)、及び/又は同様のもの)の表面に固定され、次に、組成物のすべての残留構成要素を取り除くために洗浄され得る。次に、標的核酸は、標的核酸と核酸誘導性ヌクレアーゼとの相互作用を妨害するために、好適な溶出バッファー(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などのタンパク質変性剤を含んでいるバッファー)を使用して、ヌクレアーゼ要素を消化する試薬(例えば、プロテイナーゼK)を含んでいるバッファーを使用して、熱変質を使用して、及び/又は同様のものを使用して核酸誘導型ヌクレアーゼから回収され得る。タンパク質複合体からの核酸のアフィニティー精製及び回収のためのアプローチは、例えば、Methods for Affinity-Based Separations of Enzymes and Proteins (Munishwar Nath Gupta, ed., Birkhauser Verlag, Basel-Boston-Berlin, 2002);Chromatin Immunoprecipitation Assays: Methods and Protocols (Collas, ed., 2009);及びThe Protein Protocols Handbook (Walker, ed., 2002)に記載されている。所望であれば、分離された標的核酸は、アルコール沈殿、カラム精製、又はその他の簡便な核酸精製ストラテジーによってさらに精製されてもよい。
先にまとめられているとおり、特定の態様において、核酸誘導型ヌクレアーゼは核酸ガイド要素を含んでいる。ヌクレアーゼ要素を標的核酸に誘導できる任意の好適な核酸ガイド要素が利用され得る。核酸ガイド要素は、利用される特定のヌクレアーゼ要素にとって適切である場合には一本鎖であっても又は二本鎖であってもよい。
核酸ガイド要素は任意の好適な長さの1若しくは複数の核酸重合体であってもよい。特定の態様において、核酸ガイド要素は、長さが10〜200ヌクレオチド、例えば長さが10〜100、10〜90、10〜80、10〜70、10〜60、10〜50、10〜40、10〜30、10〜25、10〜20、又は10〜15ヌクレオチドを含めた長さが10〜150ヌクレオチドなどの核酸高分子(例えば、一本鎖又は二本鎖RNA又はDNA)である。
核酸ガイド要素の少なくとも一部は、着目の標的核酸の少なくとも一部に相補的(例えば100%相補的又は100%未満相補的)である。核酸ガイド要素のすべての配列又は一部の配列は、標的核酸にヌクレアーゼ要素を特異的に誘導するために着目の標的核酸に対して十分に相補的であるように、対象方法の実施者によって選択され得る。着目の標的核酸の核酸配列は、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)、欧米分子生物学研究所の欧州バイオインフォマティクス研究所(EMBL‐EBI)の核酸配列データベースなどのリソースから容易に入手可能である。一例として、着目の標的核酸がヒト18S rRNA(1.9kb)及び/又はヒト28S rRNAの一方又は両方であるとき、18S rRNAのヌクレオチド配列は、それぞれNCBI参照配列NR_003286.2及びNR_003287.2のものが容易に入手可能である。
標的核酸が選択され、そして、標的核酸の入手可能な配列情報に基づき、該核酸ガイド要素のすべて又は一部が、例えばヌクレアーゼによって標的領域で切断して標的核酸を減損させるために、ハイブリダイゼーション条件下で標的核酸の標的領域へと核酸誘導性ヌクレアーゼを特異的に誘導するのに十分なほど標的領域に対して相補的であるように、核酸ガイド要素が設計され得る。
「ハイブリダイゼーション条件」は、核酸ガイド要素が特異的に標的核酸の標的領域にハイブリダイズする、標的核酸とヌクレアーゼ要素とが相互作用する、又はその両方の条件を含み得る。核酸ガイド要素が標的核酸にハイブリダイズするか否かは、核酸ガイド要素と標的核酸との間の相補性の程度と長さ、並びに標的核酸の標的領域に相補的である核酸ガイド要素の領域の融解温度(TM)によって知らされてもよい、ハイブリダイゼーション/接触が起こる温度といった因子によって決定される。融解温度は、核酸ガイド要素‐標的核酸の二本鎖の半分がハイブリダイズしたまま残存し、二本鎖の半分が一本鎖に解離する温度を指す。二本鎖のTは、実験的に決定されてもよく、又は以下の式T=81.5+16.6(log10[Na])+0.41(画分G+C)−(60/N){ここで、Nは、鎖の長さであり、[Na]は1M未満である}を使用して予測されてもよい。Sambrook and Russell (2001; Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd ed., Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor N.Y., Ch. 10)を参照のこと。様々なハイブリダイゼーション条件によって決まる核酸ガイド要素‐標的核酸の二本鎖のTを予測するために、様々なパラメーターによって決まる他のより進化したモデルを使用してもよい。特異的な核酸ハイブリダイゼーションを達成するためのアプローチは、例えばTijssen, Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology-Hybridization with Nucleic Acid Probes, Part I, chapter 2, “Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays,” Elsevier (1993)に見ることができる。
特定の実施形態によると、核酸ガイド要素はRNAガイド要素(又は「ガイドRNA」)である。RNAガイド要素は1若しくは複数のRNA分子を含み得る。例えば、RNAガイド要素は、ヌクレアーゼ要素(例えば、Cas9)を標的核酸に誘導する二本鎖を形成する2つの別々に転写されるRNA(例えば、crRNAとtracrRNA)を含み得る。他の態様において、RNAガイド要素は単一のRNA分子であって、そしてそれは、野生型の単一のガイドRNAに相当し得るか、又はその代わりに、遺伝子操作された単一のガイドRNAであってもよい。特定の実施形態によると、核酸ガイド要素は、単一のガイドRNAがヌクレアーゼ(例えば、Cas9)を標的核酸に誘導できるtracrRNA部分に融合したcrRNA部分を含んでいる遺伝子操作された単一のガイドRNAである。
特定の態様において、核酸ガイド要素はDNAガイド要素、例えば、一本鎖又は二本鎖ガイドDNAである。特定の実施形態によると、ガイドDNAは一端又は両方の末端でリン酸化されている。例えば、ガイドDNAは、任意の好適な長さ(例えば、10〜30ヌクレオチドの長さを含めた先に記載した任意の長さ)の5’リン酸化ガイドDNAオリゴヌクレオチドであり得る。本発明者らは、斯かるリン酸化ガイドDNAオリゴヌクレオチド及びTth Agoを含んでいる誘導型ヌクレアーゼが、ガイドDNAオリゴヌクレオチドと着目の標的核酸との間の相補性に基づいて、核酸の初期収集物から着目の標的核酸を効率的に減損させることを実証した(例えば、本明細書中の実施例の項を参照のこと)。
先にまとめたように、本開示の方法は、核酸の初期収集物を着目の標的核酸に特異的な核酸誘導型ヌクレアーゼと、該初期収集物から標的核酸を減損させるのに十分な様式下で接触させることを含む。特定の態様において、核酸の初期収集物の核酸誘導型ヌクレアーゼとの接触は、反応混合物中で核酸の初期収集物、核酸ガイド要素、及びヌクレアーゼ要素を組み合わせることを含む。核酸ガイド要素とヌクレアーゼ要素は、反応混合物に加えられる前に(例えば、複合体として)安定して結合し得るか、又はこれらの要素は、その後の互いの結合そして、標的核酸の標的化/減損のために別々に加えられ得る。特定の態様において、接触ステップの少なくとも一部は、ヌクレアーゼ要素が活性であって標的核酸を切断できる条件下で起こる。
核酸の初期収集物を核酸誘導型ヌクレアーゼと接触させる条件は異なっていてもよい。例えば、条件としては、核酸ガイド要素が標的核酸に特異的にハイブリダイズする温度、例えば0℃〜10℃(例えば、4℃)、10℃〜20℃(例えば、16℃)、20℃〜30℃(例えば、25℃)、30℃〜40℃(例えば、37℃)、40℃〜50℃、50℃〜60℃、60℃〜70℃、又は70℃〜80℃を挙げることができる。核酸ガイド要素と標的核酸との間の特異的なハイブリダイゼーションを達成するための因子及びアプローチを本明細書中で先に記載した。特定の態様において、核酸の初期収集物の核酸は、標的核酸への核酸ガイド要素のハイブリダイゼーションを容易にするために、接触ステップの前に一本鎖核酸を生じるように変性(例えば、熱変性)される。
ヌクレアーゼ要素が標的核酸を切断する実施形態によると、接触条件は、利用した特定のヌクレアーゼが活性、例えばヌクレアーゼ活性を持っている温度を含み得る。斯かる温度は異なっていてもよいが、特定の態様において、0℃〜10℃(例えば、4℃)、10℃〜20℃(例えば、16℃)、20℃〜30℃(例えば、25℃)、30℃〜40℃(例えば、37℃)、40℃〜50℃、50℃〜60℃、60℃〜70℃、又は70℃〜80℃の温度を含み得る。
特定のヌクレアーゼのヌクレアーゼ活性は1若しくは複数の補因子の存在に依存する。斯かるヌクレアーゼ要素が対象方法を実施するために用いられるとき、接触条件は、反応混合物に任意の必須補因子を提供することを含み得る。特定の態様において、(単数若しくは複数の)補因子は、例えばMg2+、Mn2+、Ca2+、及び/又は同様のものなどの1若しくは複数の二価陽イオンである。
反応混合物は、例えばヌクレアーゼがヌクレアーゼ活性を呈する好適なpHにて接触が起こるのを保証するための1若しくは複数のバッファー(例えば、トリスバッファー、PBSバッファー、又は同様のもの)を含み得る。例えば、接触条件は、pH4.5〜8.5、例えば4.5〜5.5、5.5〜6.5、6.5〜7.5又は7.5〜8.5などの反応混合物のpHを含み得る。
接触ステップは、核酸の初期収集物、核酸ガイド要素、及びヌクレアーゼ要素の終濃度が標的核酸を減損させるのに好適であるように実施され得る。例えば、核酸の初期収集物の終濃度は0.1pg/μl〜10μg/μlであり得、核酸ガイド要素の終濃度は25pM〜50μMであり得、及びヌクレアーゼ要素の終濃度は25pM〜50μMであり得る。
本発明の態様は、核酸誘導型ヌクレアーゼ、例えば、本明細書中の他の箇所に記載した任意の核酸誘導型ヌクレアーゼを製造する方法を含み得る。核酸誘導型ヌクレアーゼを製造するためのアプローチは異なっていてもよい。特定の態様において、該方法は、同じ又は異なった発現プラスミドから核酸ガイド要素及びヌクレアーゼ要素を発現することを含み得る。プラスミド、並びに核酸ガイド要素及び/又はヌクレアーゼ要素を発現するための関連プロトコールは市販されており、そして、例えばGeneArt(登録商標)CRISPRヌクレアーゼベクター(Life Technologies, Carlsbad, CA)を含む。
特定の実施形態によると、本開示は、着目の標的核酸に特異的な核酸ガイド要素を製造するためのPCRベースの方法を提供する。斯かる方法の一実施形態が図2で図式的に例示される。示したように、使用者は、着目のプロモーター(例えば、T7、U6、T3又は他のプロモーター)配列に相補的な配列;着目の標的核酸に相補的な(例えば、rRNAから転写された標的cDNAに特異的な)sgRNAガイド配列に相補的な配列;並びにsgRNA足場配列の少なくとも一部に相補的な配列:を含めたオリゴヌクレオチドプライマー(フォワード「F」プライマーと明細書中で示される)を設計し得る。このフォワードプライマーは、sgRNA足場配列の少なくとも一部に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドプライマー(リバース「R」プライマーと本明細書中で示される)及びsgRNAの製造のために有用なその他の配列(例えば、ポリdT領域)に関連して使用され得る。これらのプライマー並びに足場及びその他の望ましい要素を含んでいる鋳型を使用したPCR増幅は、そこから特定のsgRNAがインビトロ転写によって転写され得る、且つ例えば本開示の方法による標的核酸の選択的減損のためのヌクレアーゼに関連して利用される鋳型(「sgRNAのDNA鋳型」と図2で示される)を作り出す。例えば図2に示した実施形態により、インビトロ転写によってそこからsgRNAを製造し得る鋳型の製造のためのフォワード(T7‐T1‐AcGFP及びT7‐T2‐AcGFP)及びリバース(T7‐Rev)オリゴヌクレオチドの例を図3に示す。破線の長方形で囲まれた配列はT7プロモーター配列である。下線を引いた配列は20bpのcrRNA配列である。ポリA配列は棒線の長方形で囲まれている。
核酸の初期収集物は異なっていてもよい。着目の核酸の初期収集物の例としては、二本鎖の核酸(例えば、二本鎖DNA)の収集物、一本鎖の核酸(例えば、一本鎖RNA又はDNA)の収集物、二本鎖核酸と一本鎖核酸の混合収集物などが挙げられる。初期収集物の複雑さも異なっていてもよいし、場合によっては、収集物は、5以上、10以上、25以上、50以上、100以上、250以上、500以上、1000以上、5,000以上の異なった配列の異なった核酸、10,000、100,000以上、500,000以上、100万以上、1億以上、又は10億以上を含めた数の異なった配列の異なった核酸を含む。核酸の初期収集物はデオキシリボ核酸、リボ核酸、又はその混合物を含み得る。
特定の態様において、着目の核酸の初期収集物は、これだけに限定されるものではないが、単独の細胞、複数の細胞(例えば、培養細胞)、組織、臓器又は生物体、例えば細菌、酵母、又は生物体の収集物(例えばメタゲノムサンプル、例えば複数の生物体を含む海水、多くの異なった細菌種を含む糞便サンプル、頬側スワブなど)、或いは同様のものから単離された核酸サンプルを含めた、着目の核酸起源から単離された核酸(例えば、望ましくない及び所望の核酸)の収集物である。「サンプル」という用語は、本明細書中に使用される場合、当業者が(例えば、本明細書中の他の箇所に記載した切断又は除去により)初期収集物から減損させることを所望する核酸及び/又はタンパク質を含んでいる、典型的には、必須ではないが、液体の形態の、材料又は材料の混合物に関する。特定の態様において、核酸のサンプルは哺乳動物(例えば、ヒト、齧歯動物(例えば、マウス)又は着目のその他の哺乳動物)の細胞、組織、臓器、及び/又は同様のものから単離される。他の態様において、核酸のサンプルは、哺乳動物以外の起源、例えば細菌、酵母、昆虫(例えば、ショウジョウバエ)、両生類(例えばカエル(例えばツメガエル(Xenopus)))、ウイルス、植物又はその他の非哺乳動物の核酸サンプル起源などからも単離される。特定の実施形態によると、着目の核酸の初期収集物はゲノムDNAではない。
斯かる起源から核酸を単離するための任意の簡便なプロトコール、並びに斯かる起源から核酸を単離するために設計された試薬及びキットが利用され得る。例えば、着目の起源から核酸を単離するためのキット‐例えばClontech Laboratories, Inc. (Mountain View, CA)製のNucleoSpin(登録商標)、NucleoMag(登録商標)及びNucleoBond(登録商標)ゲノムDNA又はRNA単離キット‐が市販されている。特定の態様において、核酸は、固定された生物学的サンプル、例えばホルマリン固定、パラフィン包埋(FFPE)組織から単離される。FFPE組織からの核酸は、市販キット‐例えばClontech Laboratories, Inc. (Mountain View, CA)製のNucleoSpin(登録商標)FFPE DNA又はRNA単離キットなど‐を使用して単離されてもよい。
特定の実施形態によると、着目の核酸の初期収集物は着目の核酸の前駆収集物から生じる。例えば、着目の核酸の初期収集物は、着目の核酸(例えば、RNA)の前駆収集物から転写されたDNA(例えば、cDNA)の収集物であってもよい。特定の態様において、着目の核酸の初期収集物は、着目のRNAの前駆収集物から転写されたcDNAの収集物であり、ここで、該着目のRNAの前駆収集物は、mRNA、miRNA、rRNA、及び/又は同様のものを含んでおり、そして、該減損されるべき標的核酸は、核酸の前駆収集物中に存在するrRNAから転写されたcDNAである。
着目のRNA前駆収集物からの着目のcDNA収集物を作り出すことは、ポリメラーゼ媒介伸長反応が起こるのに好適な条件下で、着目のRNA前駆収集物を好適なポリメラーゼ、dNTPs、適切なpHを確保するバッファー要素、1若しくは複数の塩(例えば、KCl)、1若しくは複数の金属補因子(例えば、Mg2+又はMn2+)などを組み合わせることによって逆転写反応を実施することを含む。例えば1若しくは複数のヌクレアーゼ阻害剤(例えば、RNアーゼ阻害剤及び/又はDNアーゼ阻害剤)、GCリッチ配列の増幅/複製を容易にするための1若しくは複数の添加剤(例えばGC‐Melt(商標)試薬(Clontech Laboratories, Inc. (Mountain View, CA))、ベタイン、一本鎖結合タンパク質(例えば、T4Gene32、コールドショックタンパク質A(CspA)及び/又は同様のもの、DMSO、エチレングリコール、1,2‐プロパンジオール又はその組み合わせ)、1若しくは複数の分子密集剤(例えば、ポリエチレングリコール又は同様のもの)、1若しくは複数の酵素安定化要素(例えば、1〜10mM(例えば、5mM)の終濃度で存在するDTT)、及び/又はポリメラーゼ媒介伸長反応を容易にするのに有用なその他の反応混合物要素といった他の要素が含まれてもよい。
着目のRNAの前駆収集物から着目のcDNAの収集物を作り出す際に用途が見出されたポリメラーゼとしては、これだけに限定されるものではないが、レトロウイルス逆転写酵素、レトロトランスポゾン逆転写酵素、レトロプラスミド逆転写酵素、レトロン逆転写酵素、細菌逆転写酵素、グループIIイントロン由来の逆転写酵素、その突然変異体、バリアント、誘導体、又は機能的断片が挙げられる。例えば、逆転写酵素は、モロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(MMLV RT)又はカイコガ逆転写酵素(例えばカイコガR2非LTRエレメント逆転写酵素)であってもよい。特定の態様において、ポリメラーゼは鋳型スイッチングができる。鋳型スイッチングポリメラーゼは、市販されており、Clontech Laboratories, Inc. (Mountain View, CA)から入手可能なSMARTScribe(商標)逆転写酵素及びPrimeScript(商標)逆転写酵素が挙げられる。特定の態様において、2以上の別々のポリメラーゼの混合物が、例えば改善された処理能力、プルーフリーディング及び/又は同様のもののために反応混合物に加えられる。特定の態様において、ポリメラーゼ(例えば、MMLV RT又はカイコRTなどの逆転写酵素)は、5〜25U/μL、例えば20U/μLを含めた0.1〜200ユニット/μL(U/μL)、例えば0.5〜100U/μLなど、例えば1〜50U/μLなどの終濃度にて反応混合物中に存在する。
特定の態様において、例えば、着目の核酸の初期収集物の核酸サイズを制御するのが望ましいとき、着目の核酸の初期収集物は、着目の核酸の前駆収集物を剪断又は断片化することによって着目の核酸の前駆収集物から作製される。剪断/断片化ストラテジーとしては、これだけに限定されるものではないが、マイクロピペットのチップ又は細いゲージの針に着目の核酸の前駆収集物を1若しくは複数回通過させること、サンプルを霧状にすること、(例えば、Covaris, Inc. (Woburn, MA)製の集束超音波処理装置を使用して)サンプルを超音波処理すること、ビーズ媒介性剪断、(例えば、1若しくは複数のDNA又はRNA剪断酵素を使用した)酵素的剪断、例えば二価陽イオン(例えば、Mg2+、Mn2+、及び/又はZn2+)を使用した、化学ベースの断片化、断片化バッファー(例えば、高pHバッファー)、及び/又は加熱、或いはより短い着目の核酸の初期収集物を作り出すための着目の核酸の前駆収集物を剪断又は断片化するその他の好適なアプローチが挙げられる。特定の態様において、剪断/断片化によって作り出される着目の核酸の初期収集物は、例えば50〜10,000ヌクレオチドの長さ、100〜5000ヌクレオチド、150〜2500ヌクレオチド、200〜1000ヌクレオチド、例えば250〜500ヌクレオチドの長さを持っている。
特定の実施形態によると、着目の核酸の初期収集物は、核酸の一方又は両方の末端に1若しくは複数の配列決定アダプター構築物を有する核酸(例えば、二本鎖cDNAなどの二本鎖DNA)を含んでいる。「配列決定プラットフォームアダプター構築物」とは、例えばIllumina(登録商標)(例えば、HiSeq(登録商標)、MiSeq(登録商標)及び/又はGenome Analyzer(登録商標)配列決定システム);Ion Torrent(登録商標)(例えば、Ion PGM(登録商標)及び/又はIon Proton(登録商標)配列決定システム);Pacific Biosciences(例えば、PACBIO RS II配列決定システム);Life Technologies(登録商標)(例えば、SOLiD配列決定システム);Roche(例えば、454GS FLX+及び/又はGSジュニア配列決定システム)又は着目のその他の配列決定プラットフォームによって提供された配列決定プラットフォームなどの着目の配列決定プラットフォームによって利用される核酸ドメイン(例えば、配列決定プラットフォームアダプター核酸配列)又はその相補体の少なくとも一部を含んでいる核酸構築物を意味する。斯かる核酸の初期収集物は、例えば、配列決定プラットフォームを使用して核酸の初期収集物中に存在する(単数若しくは複数の)核酸の配列を決定することが望ましいときに、用途が見出された。
核酸(例えばcDNA)の初期収集物が配列決定プラットフォームアダプター構築物を含んでいるとき、本開示の方法は、望ましい核酸の配列決定があとに続く、初期収集物中の標的核酸の1若しくは複数の小集団(例えば、rRNAから転写されたcDNA若しくはその特定のサブタイプなどの望ましくない配列;又は初期収集物から除去によって減損され、望ましい核酸を濃縮したサンプルを製造するために回収される望ましい配列)の減損において用途を見出された。
配列決定されるべき核酸の両末端にてアダプター配列を利用する配列決定プラットフォーム(例えば、Illumina(登録商標)‐イオンTorrent(登録商標)ベースのプラットフォーム)では、標的核酸(例えばrRNAから転写されたcDNA)における核酸誘導型ヌクレアーゼによる1つの切断事象が、シーケンサーに断片化標的核酸を見えなくしている。
特定の実施形態によると、配列決定プラットフォームアダプター構築物としては、以下から選択される核酸ドメイン:表面に取り付けられる配列決定プラットフォームオリゴヌクレオチド(例えばIllumina(登録商標)配列決定システムにおいてフローセル表面に取り付けられるP5又はP7オリゴヌクレオチド)に特異的に結合するドメイン(例えば「捕捉部位」又は「捕捉配列」);配列決定プライマー結合ドメイン(例えば、Illumina(登録商標)プラットフォームのRead1又はRead2プライマーがそこに結合し得るドメイン);バーコードドメイン(例えば、所定のサンプルからの分子ごとに特異的なバーコードを又は「タグ」を作製することによるサンプルの多重化を可能にするために配列決定される核酸のサンプル起源を一意的に同定するドメイン);バーコード配列決定プライマー結合ドメイン(バーコードを配列決定するのに使用されるプライマーがそこに結合するドメイン);独特なタグが配列決定される事例の数に基づいた発現レベルの決定のために着目の分子を一意的にマークするための分子同定ドメイン(例えば、4、6又は他の数のヌクレオチドの無作為タグなどの分子指標タグ);任意の斯かるドメインの相補体;又はあらゆるそれらの組み合わせ、が挙げられる。特定の態様において、バーコードドメイン(例えば、サンプルインデックスタグ)及び分子同定ドメイン(例えば、分子指標タグ)は同じ核酸に含まれていてもよい。
場合によっては、対象方法は、核酸の初期収集物を複数(例えば、「プール」又は「ライブラリ」)の2以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼと接触させることを含む。核酸誘導型ヌクレアーゼは任意の所望の点において異なっていてもよい。例えば、該方法は、プールが単一型のヌクレアーゼ要素(例えば、ヌクレアーゼ活性を有していても或いは切断欠損性であってもよいヌクレアーゼ)及び異なったヌクレオチド配列を有する2種類以上の核酸ガイド要素を含んでいる核酸誘導型ヌクレアーゼのプールを利用してもよい。2種類以上の核酸ガイド要素は、得られた異なる核酸誘導型ヌクレアーゼが単一の標的核酸の複数の領域を標的とするように、複数の異なる標的核酸を標的とするように、複数の異なる標的核酸の複数の領域を標的とするように、などのように設計され得る。
或いは、又は加えて、複数の2以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼが、2以上の型のヌクレアーゼ要素を含んでいてもよい。例えば、該方法は、ヌクレアーゼの起源に関して互いに異なるヌクレアーゼ(例えば、異なる原核生物及び/又は真核生物種からのヌクレアーゼ)、ヌクレアーゼ活性に関して互いに異なるヌクレアーゼ(例えば、プール/ライブラリはヌクレアーゼ活性を有する1若しくは複数のヌクレアーゼ、切断欠損性である1若しくは複数のヌクレアーゼ、1若しくは複数のニッカーゼ、又はあらゆるそれらの組み合わせを含み得る)、PAM配列(例えば、プール/ライブラリは異なるPAM配列を有するガイド核酸を利用するヌクレアーゼを含み得る)の任意の所望の組み合わせ、並びに初期収集物から1以上の標的核酸を減損させるのに好適なヌクレアーゼ要素の任意のその他の組み合わせから成るプール/ライブラリを利用してもよい。
先に記載のとおり、異なるヌクレアーゼ要素のプールは、所望の数の標的核酸の所望のレベルの減損を達成するために、異なる核酸ガイド要素のプールと組み合わせて使用されてもよい。減損は、初期収集物中に存在する標的核酸(例えば1若しくは複数のリボソーマル及び/又はミトコンドリアRNA)を切断すること、初期収集物から標的核酸を取り出すこと(例えば初期収集物から取り出された標的核酸が濃縮された核酸サンプルの製造)、又はその両方を含み得る。
このように、本開示の態様は、核酸の初期収集物から核酸(例えば、rRNA及び/又はmtRNA由来の核酸)の小集団を選択的に減損させる方法を含む。斯かる実施形態において、該方法は、核酸の初期収集物を該初期収集物から小集団を減損させるのに十分な様式下で核酸誘導型ヌクレアーゼのライブラリと接触させることを含んでよく、ここで、該ライブラリは、核酸の小集団の2以上の構成要素及び/又は単一の構成要素の複数の領域に特異的な2以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含んでいる。これらの実施形態において、ライブラリのサイズは異なっていてもよい。例えば、ライブラリは、2以上、3以上、4以上、5以上、10以上、25以上、100以上、500以上、1000以上、10000以上、50000以上、100000以上、500000以上、又は100万以上の異なる核酸誘導性ヌクレアーゼなどを含み得る。特定の態様において、ライブラリは、2以上、しかし100万以下、500000以下、100000以下、50000以下、10000以下、1000以下、500以下、100以下、25以下、10以下、5、4、又は3の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む。
本開示の態様はさらに、核酸誘導型ヌクレアーゼのライブラリを作製する方法を含む。斯かる方法は、図2に示し、先に記載したPCRベースのアプローチを使用した複数の異なる核酸ガイド要素の製造を含み得る。特定の実施形態において、該方法は、複数の異なるガイド核酸を、核酸誘導型ヌクレアーゼのライブラリを製造するのに十分な様式下で1若しくは複数の異なるヌクレアーゼと組み合わせることを含む。ヌクレアーゼは異なっていてもよく、場合によっては、Casヌクレアーゼ(例えば、Cas9)又はAgoヌクレアーゼであり、そしてそれは独立に、切断活性を有していても、又は有していなくてもよい。製造したライブラリのサイズは、異なってもよく、場合により、2以上、3以上、4以上、5以上、10以上、25以上、100以上、500以上、1000以上、10,000以上、50,000以上、100,000以上、500,000以上、又は100万以上の異なる核酸誘導性ヌクレアーゼなどを含み得る。特定の態様において、製造したライブラリは、2以上、しかし100万以下、500,000以下、100,000以下、50,000以下、10,000以下、1000以下、500以下、100以下、25以下、10以下、5、4、又は3の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む。場合によっては、核酸ガイドは、別別々のcrRNA、tracrRNA、又はその機能エレメントを含んでいる要素、例えばsgRNA、を含んでいる。場合によっては、該方法は、例えば核酸ガイドをコードするプラスミドから核酸ガイドを発現することによって、又は先により詳細に記載した及び図2で示したものなどの、PCR及びインビトロにおける転写によって、核酸ガイドを製造することを含む。特定の実施形態によると、核酸ガイドは、(例えば、標準的なオリゴヌクレオチド合成のように)固相合成法によって製造される。
場合によっては、製造したライブラリの核酸誘導型ヌクレアーゼはそれぞれ、核酸ガイド要素(例えば、RNA又はDNAガイド要素)及びヌクレアーゼ要素、例えばCasヌクレアーゼ要素(Cas9など)、アルゴノートヌクレアーゼ要素(例えば、Tth Ago、Ago2、又は同様のもの)を含んでいる。ヌクレアーゼ要素は、切断活性を呈していても又は切断欠損性突然変異体であってもよい。所望であれば、ヌクレアーゼ要素は先に記載したようなタグをさらに含んでもよい。
組成物もまた本開示によって提供される。特定の態様において、該組成物は、複数の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含んでいる。複数の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼは、2以上、3以上、4以上、5以上、10以上、25以上、100以上、500以上、1000以上、10,000以上、50,000以上、100,000以上、500,000以上、又は100万以上の異なる核酸誘導性ヌクレアーゼなどを含み得る。特定の態様において、複数の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼは、2以上、しかし100万以下、500,000以下、100,000以下、50,000以下、10,000以下、1000以下、500以下、100以下、25以下、10以下、5、4、又は3の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む。
特定の実施形態によると、異なる核酸誘導型ヌクレアーゼは以下の:該核酸誘導型ヌクレアーゼは異なるヌクレアーゼ要素を有すること、及び/又は核酸誘導型ヌクレアーゼは異なるヌクレオチド配列から成る核酸ガイド要素を有すること、に基づいて異なる。例えば、異なる核酸誘導型ヌクレアーゼは、同じ標的核酸の異なる領域に相補的な異なる配列を有するガイド要素に基づいて同じ標的核酸の異なる領域を標的とし得る、及び/又は異なる核酸誘導型ヌクレアーゼは、異なる標的核酸に相補的な異なる配列を有するガイド要素に基づいて異なる標的核酸、及び/又は標的配列のアレイを広げるような異なるPAM配列要件を有する異なる種類のヌクレアーゼ(例えば異なるCas9種)を標的とし得る。
対象の組成物はあらゆる適切な環境に存在してもよい。一実施形態によれば、組成物は、反応管(例えば0.2 mlの管、0.6 mlの管、1.5 mlの管など)又はウェルに存在する。ある態様では、組成物は、2以上(例えば複数)の反応管又はウェル(例えば、96ウェルプレートのようなプレート)に存在する。管及び/又はプレートはあらゆる適切な材料、例えばポリプロピレンなどから形成されてもよい。ある態様では、組成物が存在する管及び/又はプレートにより、(例えば、ヒートブロック、水槽、サーモサイクラ及び/又はその同様なものなどに置かれたとき)熱が組成物に効率的に伝達され、そのため、組成物の温度が、例えば特定の酵素反応が生じるために必要な短時間で変更され得る。特定の実施形態によれば、組成物は、壁が薄いポリプロピレン管、又は壁が薄いポリプロピレンウェルを有するプレートに存在する。特定の実施形態において、反応が固体表面又はビーズで生じることが便利であり、このような場合、ビオチン連鎖のような本技術分野で公知の方法によって、又は支持体上で進めることが可能な共有結合及び反応によって核酸の初期収集物又は(単数若しくは複数の)核酸誘導型ヌクレアーゼを固体支持体又はビーズに取り付けてもよい。
対象の組成物のための他の適切な環境として、例えばマイクロ流体チップ(例えば「ラブオンチップデバイス」)がある。組成物は、組成物の温度を所望の温度にすべく構成された機器、例えば温度制御された水槽、ヒートブロックなどに存在してもよい。組成物の温度を所望の温度にすべく構成された機器は、組成物の温度を一連の異なる所望の温度に夫々適切な時間で設定すべく構成されてもよい(例えば、機器はサーモサイクラであってもよい)。
減損の標的とされる核酸は、対象方法の実施者によって選択された任意の標的核酸である。一実施形態によると、標的核酸は初期RNA(例えば、rRNA又はmtRNA及びRNAの逆転写生成物でないもの)である。特定の態様において、標的核酸は初期RNA(例えば、rRNA又はmtRNA)の逆転写産物(DNA)である。RNA(例えば、最初に転写されたRNA)は、これだけに限定されるものではないが、リボソームRNA(rRNA)、ミトコンドリアRNA(mtRNA)、マイクロRNA(miRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、長鎖型非コーディングRNA(lncRNA)、非コーディングRNA(ncRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、トランス作動性低分子干渉RNA(ta‐siRNA)、天然型低分子干渉RNA(nat‐siRNA)、トランスファーメッセンジャーRNA(tmRNA)、前駆体メッセンジャーRNA(pre−mRNA)、低分子Cajalボディー特異的RNA(scaRNA)、piwi相互作用RNA(piRNA)、エンドリボヌクレアーゼ調製siRNA(esiRNA)、低分子テンポラルRNA(stRNA)、シグナル認識RNA、テロメアRNA、リボザイム、及びそのRNAタイプ又はそのサブタイプの任意の組み合わせを含めた任意のタイプのRNA(又はそのサブタイプ)であり得る。標的核酸が初期RNAの転写産物であるとき、該方法は、サンプル中の斯かる転写産物のすべてのタイプ(例えば、リボソームRNA、トランスファーRNA、マイクロRNAなど)又は斯かる転写産物の1若しくは複数の特定のタイプを減損させることを含み得る。特定の態様において、標的核酸はリボソームRNA(rRNA)鋳型の転写産物である。斯かる場合のrRNA鋳型は、真核生物の28S、26S、25S、18S、5.8S、5S rRNA又はそれらの任意の組み合わせであり得る。他の態様において、rRNA鋳型は、原核生物の23S、16S、5S rRNA又はそれらの任意の組み合わせであり得る。対象方法は、リボソームRNAから生じたもの以外のRNA転写産物を減損させる際の用途が見出された。例えば、標的核酸はメッセンジャーRNAの転写産物(mRNA)、例えば、高度に発現されているが、全RNA又はmRNA(例えば、全体又はポリA血液RNAのサンプル中のグロブリンmRNA)のプールとは臨床的に無関係なmRNA、であり得る。ミトコンドリアRNA(mtRNA)、前駆体メッセンジャーRNA(pre−mRNA)、マイクロRNA(miRNA)、トランスファーRNA(tRNA)及びそれらの任意の組み合わせを含めた他のタイプのRNA転写産物が減損の標的とされてもよい。標的転写産物は、例えば細菌RNA又は酵母RNAなどの特定の生物体からのRNAの生成物であってもよい。特定の実施形態によると、標的核酸はゲノムDNAではない。
特定の態様において、標的分子は標的核酸であり、そして、初期収集物中に存在するイントロン又は遺伝子間DNAを切断することによって又はエクソン配列を直接捕捉することによってエクソンDNAのサンプルを濃縮すること(例えば着目の種類のエキソームに対応する核酸のサンプルを濃縮すること)が所望されるとき、標的核酸はデオキシリボ核酸(DNA)、例えばイントロン又は遺伝子間DNAである。特定の態様において、インビトロにおける転写に使用されるものなどのDNAベースのプラスミド/ベクターは、新たに転写されたRNAの核酸サンプルを濃縮するために、例えば、インビトロ転写反応の完了後の、切断による減損のための標的とされ得る。
本開示の方法を実施するとき、(単数若しくは複数の)核酸誘導型ヌクレアーゼは、特定の標的核酸の切断頻度及び得られる断片のサイズが対象方法の実施者によって選択されるように設計され得る。例えば、先に記載したように、標的核酸内の異なる配列を標的とする2以上の核酸誘導型ヌクレアーゼは、斯かる標的核酸が3以上の断片に切断されることが望ましいときに、多重様式下で使用され得る。標的核酸の標的配列は、所望のサイズの断片、例えば、スピンカラム、アルコール沈殿、及び/又は同様のものを使用してサンプルから取り除かれるほど十分に小さい断片、を生じるように選択され得る。
有用性
対象方法は、さまざまな異なる適用、例えば、着目のサンプルから無関係の及び/又は望ましくない分子を減損させるのが望ましい場合;その後の回収のためにサンプルから着目の核酸を取り出すことによって着目の核酸を減損させることが望ましい場合(その結果、着目の核酸が濃縮されたサンプルを製造する);及び/又は同様のもの、における用途が見出された。無関係の及び/又は望ましくない分子を減損させるか、又は濃縮サンプルを製造するために望ましい分子を取り出すことによって、サンプルの複雑さが低減され、そしてサンプルは着目の分子が濃縮される。着目の分子が核酸であるときに、低減された複雑さと着目の核酸の濃縮は、核酸増幅、核酸配列決定、遺伝子発現分析(例えば、アレイハイブリダイゼーション、定量的RT‐PCR、大規模並列配列決定などによる)、着目の治療用核酸がその中に含まれている医薬組成物の調製、及び低減されたサンプルの複雑さと着目の核酸の濃縮が有益であるその他の適用などの下流適用を容易にし得る、及び/又はその結果を改善し得る。
例として、対象方法の特定の実施形態は、配列決定ライブラリから核酸を減損させることを含む。例えば、初期収集物は、着目の配列決定プラットフォーム(例えば、Illumina(登録商標)又はIon Torrent(登録商標)ベースの配列決定プラットフォームなどの高速大量処理又は「次世代」配列決定プラットフォーム)で配列決定されるべき核酸の収集物であり得るが、該収集物はその収集物中の着目(例えば、研究又は臨床の着目)の核酸配列を得ることを複雑にする又は妨害する可能性がある無関係の又は望ましくない核酸を含んでいる。無関係の又は望ましくない核酸は、例えば、核酸誘導型ヌクレアーゼ媒介性切断、又は本開示の方法を使用した初期収集物からの斯かる配列の除去によって着目の配列が濃縮された配列決定サンプルを製造することによって、本開示の方法を使用して、低減又は排除され得る。
特定の態様において、標的核酸(例えば、rRNA、mtRNA、又は同様のもの由来の核酸などの無関係の又は望ましくない核酸)の減損は、配列決定プラットフォームにとって標的核酸を見えなくする。すなわち、減損された(例えば、切断された)標的核酸は、着目の配列決定プラットフォームによる配列決定にとってもはや好適ではない。例えば、Illumina(登録商標)及びIon Torrent(登録商標)ベースの配列決定プラットフォームは、核酸の各末端にアダプターを有している核酸を必要とする。特定の実施形態によると、核酸の初期収集物の核酸は、各末端に配列決定アダプターを含んでおり、ここで、標的核酸(例えばrRNAから転写されたcDNA)の選択的減損は、標的核酸を、そのいずれもがIllumina(登録商標)又はIon Torrent(登録商標)ベースの配列決定プラットフォームによる配列決定に必要とされる各末端の配列決定アダプターを含まない、少なくとも2つの断片に切断することを含む。このように、標的核酸は、配列決定プラットフォームにとって見えくなり、その結果、配列決定プラットフォームに対する「負荷」、及び配列決定結果の複雑さを低減する。
特定の態様において、着目の配列決定プラットフォームが核酸の一方の末端にアダプターを含んでいることを必要とするだけのとき、標的核酸は、例えば、得られた断片のすべて又は大部分の長さが配列決定プラットフォームで配列決定するには短かすぎるように標的核酸を切断することによって、該プラットフォームによる配列決定にとって不適当にする。これは、標的核酸内の一か所で、又は二か所以上で標的核酸を切断して、例えば、配列決定プラットフォームがより長い核酸を必要とするか又は断片が配列決定前に精製手順(例えば、SPRIビーズベースの精製などのビーズ精製)中に失われるために、該配列決定プラットフォームにより配列決定されるには不十分な長さの断片を作り出すことによって達成され得る。切断される(単数若しくは複数の)位置及び切断部位の間の(単数若しくは複数の)距離は、例えば、着目の標的核酸に関する入手可能な核酸配列情報を使用し、そして、(単数若しくは複数の)選択した切断部位に相補的な配列を有する(単数若しくは複数の)核酸ガイド要素を設計することによって、所望の長さの切断断片を作り出すように対象方法の実施者によって選択され得る。このように、標的核酸は、配列決定プラットフォームにとって見えなくなるので、配列決定プラットフォームの負荷及び配列決定結果の複雑さが低減される。
先に記載したとおり、本開示の方法はまた、核酸の初期収集物から1若しくは複数の型の着目の核酸を選択的に回収する際に用途が見出された。例えば、特定の態様において、核酸の初期収集物から1若しくは複数の型の標的核酸を減損させることは、標的核酸/核酸誘導型ヌクレアーゼ複合体の形成を介して核酸標的を捕捉し、次に、例えば、下流分析(例えば、定量分析、配列分析、及び/又は同様のもの)のために該複合体から標的核酸を回収することを含む。標的核酸の捕捉及び回収のためのアプローチは、例えば、本明細書中で先に記載した(特定の態様において、エピトープ/アフィニティータグを含んでいるヌクレアーゼ要素によって容易にされる)親和性ベースのアプローチを含んでいる。従って、対象方法は、核酸の収集物から1若しくは複数の着目の標的核酸を選択的に得る際に用途が見出され、そしてそれは、特定の態様において、核酸の複合収集物(例えば、全RNAサンプルの逆転写によって作り出されたcDNAの収集物、ゲノムライブラリからのエクソン、又はその他の着目の複合核酸収集物)である。
キット
対象方法を実施するのに有用なキットもまた本開示によって提供される。該キットは、対象方法及び組成物に関連する先に記載した任意の要素の1以上を含み得る。例えば、該キットは、核酸ガイド要素がインビトロ転写によってそれから製造され得るPCR増幅産物を作り出すためのプライマー及び鋳型を含み得る。斯かる試薬は、図2に示し、本明細書中で先に記載した核酸ガイド要素(例えば、sgRNA)を製造するための方法を実施する際に有用である任意の試薬を含み得る。特定の態様によると、該キットは、キットの使用者によって提供されたフォワードプライマーに関連して使用するためのリバースプライマーを含んでいて、ここで、該フォワードプライマーの少なくとも一部が使用者による減損のために選択された標的核酸に相補的な核酸配列を含んでいる。
場合によっては、該キットは:sgRNA足場鋳型ドメインを含んでいるベクター;PCR反応においてベクターと使用するために構成されたリバースプライマー;及びRNAポリメラーゼを含む。場合によっては、リバースプライマーは、ポリAドメイン及びsgRNA足場ドメインを含む。RNAポリメラーゼは異なっていてもよいが、いくつかの実施形態において、RNAポリメラーゼはT7ポリメラーゼである。所望であれば、キットはさらに、1若しくは複数のDNAポリメラーゼ;PCRバッファー;切断活性を有していても又は有していなくてもよいヌクレアーゼ(例えば、Cas、Ago、又は他のヌクレアーゼ);対照核酸などを含む。
対象のキットの要素は別々の容器に存在してもよく、又は複数の要素が1つの容器に存在してもよい。例えば、キットが、インビトロ転写によってそこからRNAガイド要素が製造される鋳型DNAを作り出すためのプライマーを含んでいるとき、プライマーは、別々の容器内に又はキットの第二の要素(例えば、バッファー又は同様のもの)を含んでいる容器内に提供されてもよい。
上述した要素に加えて、対象のキットは、対象方法を実行するためにキットの要素を使用するための取扱説明書を更に備えている。対象方法を実行するための取扱説明書は、適切な記録媒体に記録され得る。例えば、取扱説明書は紙又はプラスチックのような基材に印刷されてもよい。従って、取扱説明書は、キット内に添付文書としてキット又はその要素の容器のラベルなどに(つまり包装体又は補助包装体に付随して)存在してもよい。他の実施形態では、取扱説明書は、例えば携帯用フラッシュドライブ、DVD、CD−ROM、ディスケット、などの適切なコンピュータ可読記憶媒体に存在する電子保存データファイルとして存在する。更に他の実施形態では、実際の取扱説明書がキット内に存在しないが、リモートソースから、例えばインターネット経由で取扱説明書を得る手段が設けられている。本実施形態の一例は、取扱説明書を閲覧及び/又はダウンロードできるウェブアドレスを含むキットである。取扱説明書と同様に、取扱説明書を得る手段が適切な基板に記録されている。
以下の例は例示のために提供されるものであり、制限のために提供されるものではない。
実施例1:標的PCR断片の減損
この実施例では、核酸誘導型ヌクレアーゼを製造し、概念実証として、rRNA配列に対応する標的配列を有するPCR産物を減損するのに使用した。図2に概説し、先に記載した方法を使用して、2つの異なるsgDNA鋳型(CMBO640及びCMBO641)をAdvantage(登録商標)HDポリメラーゼ(Clontech Laboratories, Mountain View, CA)を使用したPCRによって作り出した。PCR産物は、図4に示したゲル画像において主な(下側の)バンドとして見られる。100〜120ngの鋳型を、対応するsgRNAの製造のためにTakara T7 RNAポリメラーゼマニュアルに従ってインビトロ転写反応に使用した。
インビトロ転写したCMBO640(72ng/μl)及びCMBO641(90ng/μl)sgRNAを、次に、Cas9(500ng)と組み合わせたときの、rRNA配列に対応する配列を有するPCR産物(260ng)を切断するそれらの能力について試験した。結果を図5に提供する。示したとおり、Cas9、COMBO640及び/又はCOMBO641 sgRNA、及びPCR産物を組み合わせることで、PCR産物の切断がもたらされた。
実施例2:完全長18S rRNAに対応するDNAの多重減損
この実施例では、異なる標的配列特異性を有する2つの別々のsgRNAが、完全長18S rRNAに対応する配列を有する標的DNAを減損するために併用した(すなわち、多重様式下で)使用できることを示す。図6に提供したゲル画像で示したとおり、Cas9と第一のsgRNAを含んでいる核酸誘導型ヌクレアーゼ(「sgRNA1」、左から4番目のレーン)及びCas9と第二のsgRNAを含んでいる核酸誘導型ヌクレアーゼ(「sgRNA2」、左から5番目のレーン)は、完全長18S rRNAに対応する配列を有する標的DNAを別の箇所で別々に切断することができる。2つの核酸誘導型ヌクレアーゼがともに標的DNAに組み合わせられるとき(左から6番目のレーン)、標的DNAはそれぞれの切断部位の両方で切断され、多重標的減損が起こったことを示唆する。
実施例3:次世代配列決定ライブラリからの望ましくない配列の減損
この実施例では、核酸誘導型ヌクレアーゼが次世代配列決定ライブラリから好ましくない配列を減損する能力を試験した。ヒト脳全RNAから転写したcDNAの次世代配列決定ライブラリをsgRNA/Cas9核酸誘導型ヌクレアーゼによって処理して、該ライブラリの配列決定前に、18S rRNAに対応するcDNAの1022〜1041位における切断によって18S rRNAに対応するcDNAを減損した。得られた配列をrRNAに対してマッピングし、そして、1022〜1041と重なる読み取り数をrRNAに対するマッピングの読み取り総数で割った。その比をプロットし、対照に対して正規化した。
図7のパネルAに示したように、標的配列の減損は、Cas9と特異的なガイドRNAの両方で処理したライブラリでのみ起こった。
別々の実験では、18S rRNAに対応する標的cDNAを、50bp毎にその全長に沿って標的cDNAを標的とするsgRNAプールを使用して分解した。35 sgDNA鋳型(図2に示したアプローチを使用して)をPCR増幅し、次に、貯留したインビトロ転写反応物中の対応する35 sgRNAをインビトロで転写することによって、該プールを製造した。異なるsgRNA配列から成る大量の複合収集物が、(異なる標的特異的配列を有するsgRNAを用いて標的を越えてタイリング(tiling)することにより)単一の標的を減損するか又はsgRNAから成る収集物を使用した多重標的を減損するための1つの反応で作製できる場合、これは図2に示した本開示の方法の主要な利点の1つである。
この実験では、完全長の18S RNA(25ng)に対応する標的及び55ngの5800bpのプラスミドiPCR生成物(28S rRNAの代用として使用される)を含むモデル標的を使用した。この比は、減損のない20nMのRNA‐Seqライブラリの18Sと28S rRNAの(質量における)比に近似している。図7のパネルBに示すように、18S断片はsgRNAプールを用いた処理によって徹底的に減損又は分解したのが、iPCR断片は影響を受けなかった。標的核酸の減損は、シーケンサー(例えば、Illumina(登録商標)シーケンサー)における標的のクラスタリングの欠陥をもたらすが、よくても、切断後に標的はその末端の一方に配列決定アダプターを持っているだけだからである。或いは、減損した標的断片は、それらが精製(例えば、SPRIビーズ精製)後に無くなり、それにより配列決定に利用できなくなるのに十分なほど小さい。
実施例4:核酸誘導型ヌクレアーゼのプールを使用した18S rRNAの減損
この実験では、配列決定ライブラリを、SMARTer Stranded RNA‐Seq Kit(Clontech)を使用して100ngのHuman Brain Total RNA(Clontech)から作り出した。70ngのライブラリを、20μlの1X NEB3.1バッファー中で0、2、又は5μgの遺伝子組み換えにより精製したCas9及び0又は191ngの先の実験で記載の35 sgRNAプールと共に37℃にて1時間インキュベートした。次に、Cas9を70℃にて10分間、熱不活性化した。次に、ライブラリを貯留し、MiSeq装置により配列決定した。得られた配列を、STARアライナーを使用して同時にヒトゲノム、hg19、及びrRNA転写産物に対してマッピングした。図8は、Cas9及びsgRNAプールの両方での処理のみによって生じる、18S rRNA転写産物の配列網羅率の低下を例示する。18S rRNAに対してマッピングされた配列決定読み取り数を、図9で配列決定し、プロットした読み取り総数に対して正規化し、そして、18S 転写産物に対して配列マッピングにおける〜75%の低下を実証した。
実施例1〜4:配列情報
実施例1〜4に記載したsgRNAは、以下の標的特異的配列を有する図1に示したsgRNA足場を含んでいた:
実施例1及び2で使用したsgRNA1:UUAUCAGAUCAAAACCAACC(配列番号01)
実施例1、2及び3で使用したsgRNA2:UAAUCAAGAACGAAAGUCGG(配列番号02)
実施例3及び4で使用した35 sgRNAのプール:(配列番号03〜37)
実施例5:アルゴノート(Ago)による標的核酸の減損
この実施例では、標的核酸を減損させるアルゴノート(Ago)タンパク質の能力を評価した。Hisタグ付与したTth Agoを発現させ、そして、精製した(図10、パネルA)。5’FAM標識したssDNAの代表的な標的の減損は、500nMの一本鎖DNA、Tth Ago、及び100nMの標的一本鎖DNAに相補的な5’リン酸化ターゲッティングオリゴヌクレオチドと組み合わせ、75℃にて1時間インキュベートすることによって実施した。図10、パネルBに示したとおり、一本鎖標的はAgoの不存在下で切断されなかったが(一番右側のレーン)、様々なAgo濃度でのAgoとターゲッティングオリゴヌクレオチドの存在下で切断された。図11は、同様であるが、20nMのssDNA標的と50nMのガイドDNAを用いた実験が一般的なライブラリ濃度の減損を代表することを実証する。
実施例5では、以下のガイドDNAオリゴ:
及びターゲッティングオリゴ:
であった。
実施例6:アルゴノート(Ago)による収集物からの標的核酸の減損
実施例5で実証されたように、アルゴノートは溶液中で標的ssDNA分子を減損させることができる。所望であれば、標的は二本鎖であり、該二本鎖材料は、例えば熱若しくは高いpHを用いるなどした変性によって、又はエキソヌクレアーゼ処理によって非標的鎖を分解することによって一本鎖に変換され得る。例えば、混合物は、その一方だけが5’リン酸化されている、一般的な対のPCRプライマーによって増幅され得る。次に、増幅産物をλエキソヌクレアーゼで処理して、ssDNA生成物を得ることができる。次に、このssDNA生成物を、Ago及びターゲッティングオリゴヌクレオチドによる切断の基質として使用することができる。
実施例7:標的配列の回収
この実施例では、Cas9の6xHNタグ付与D10A/H840A突然変異体(本明細書中ではdCas9とも呼ばれる)を発現させ、そして、E.コリ(E. coli)において精製した(図12、パネルA)。RNA‐Seqライブラリを、100ngのHuman Brain PolyA-plus RNA(Clontech)及びSMARTer Stranded RNA‐Seqキット(Clontech)から作り出した。10ngのライブラリを、10μlの1X NEB3.1中で〜1.25μgのdCas9及びヒト5S、5.8S、18S、28S、mt12S、及びmt16S配列に対して〜50bpごとに設計した76ngの190sgRNAのプールを組み合わせた。混合物を37℃にて1時間インキュベートした。次に、10μgのサケ精子DNA(Life Technologies)を加え、そして、反応を37℃にて30分間さらに続けた。10のμlのNEB3中で平衡化した5μlのTALON磁性ビーズ(Clontech)を管に加え、回転させながら25℃にて30分間インキュベートした。該ビーズを200μlのNEBで二度洗浄した。50μlのSeqAmp PCR Mastermix(1X SeqAmp Buffer、1μlのSeqAmp DNAポリメラーゼ、250nMのIllumina P5、及びP7PCRプライマー)を洗浄したビーズに加え、15サイクルのPCR(94℃1分間、15×(98℃‐15s、55℃‐15s、68℃‐30s))で増幅した。増幅産物を、製造業者の取扱説明書に従って50μlのAMPureビーズ(Beckman)を用いて精製し、20μlの10mM Tris HCl pH8.5、0.1% Tween‐20中で溶出した。次に、ライブラリをMiSeq装置で配列決定した。得られた配列を、STARアライナーを使用して同時にヒトゲノム、hg19、及びrRNA転写産物に対してマッピングした。rRNAに対してマッピングした読み取りをPicard RNA‐Seq Metricsによって同定し、そしてrRNAに対してマッピングした配列の相対量を図12、パネルBにプロットし、未処理のライブラリに対して〜340%の濃縮を示した。この実施例は、核酸誘導型ヌクレアーゼが核酸の初期収集物からの標的核酸の除去によって標的核酸を減損させるために、その後の標的核酸の回収及びそれを濃縮したサンプル製造のために使用されうることを実証する。
添付の特許請求の範囲の条項に関わらず、本開示は以下の付記の条項によっても定義される:
付記1.
核酸の初期収集物から標的核酸を選択的に減損させる方法であって:
該初期収集物から標的核酸を減損させるのに十分な様式下で、核酸の収集物を標的核酸に特異的な核酸誘導型ヌクレアーゼと接触させること、
を含む方法。
付記2.
前記標的核酸が、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)である、付記1に記載の方法。
付記3.
前記標的核酸が二本鎖核酸である、付記1又は2に記載の方法。
付記4.
前記標的核酸が一本鎖核酸である、付記1又は2に記載の方法。
付記5.
前記核酸誘導型ヌクレアーゼが、RNAガイド要素及びヌクレアーゼ要素を含む、付記1〜4のいずれか1項に記載の方法。
付記6.
前記ヌクレアーゼ要素がCasヌクレアーゼ要素を含む、付記5に記載の方法。
付記7.
前記Casヌクレアーゼ要素が切断活性を呈し、且つ、前記方法が標的核酸の切断をもたらして、標的核酸の初期収集物を減損させる、付記6に記載の方法。
付記8.
前記Casヌクレアーゼ要素が切断欠損性突然変異体であり、且つ、前記方法が標的核酸/核酸誘導型ヌクレアーゼ複合体を含む生成物組成物の製造をもたらす、付記6に記載の方法。
付記9.
前記方法が生成物組成物の他の構成要素から複合体を分離することをさらに含む、付記8に記載の方法。
付記10.
前記Casヌクレアーゼ要素がタグをさらに含む、付記9に記載の方法。
付記11.
前記方法が、標的核酸を複合体から回収することをさらに含む、付記10に記載の方法。
付記12.
前記核酸誘導型ヌクレアーゼが、DNAガイド要素及びヌクレアーゼ要素を含む、付記1〜4のいずれか1項に記載の方法。
付記13.
前記ヌクレアーゼ要素がTth Agoヌクレアーゼ要素を含む、付記12に記載の方法。
付記14.
前記方法が、核酸の初期収集物を複数の2以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼと接触させることを含む、付記1〜13のいずれか1項に記載の方法。
付記15.
核酸の初期収集物から核酸の小集団を選択的に減損させる方法であって:
初期収集物から小集団を減損させるのに十分な様式下で、核酸の初期収集物を核酸誘導型ヌクレアーゼのライブラリと接触させること、
を含み、ここで、該ライブラリは核酸の小集団の1若しくは複数の構成要素に特異的な2以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含んでいる、方法。
付記16.
前記小集団がデオキシリボ核酸を含む、付記15に記載の方法。
付記17.
前記小集団が二本鎖核酸を含む、付記15又は16に記載の方法。
付記18.
前記小集団が一本鎖核酸を含む、付記15又は16に記載の方法。
付記19.
前記ライブラリが5以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む、付記15又は16に記載の方法。
付記20.
前記5以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼが、異なる配列の核酸ガイド要素を有する、付記19に記載の方法。
付記21.
前記核酸誘導型ヌクレアーゼがそれぞれRNAガイド要素及びヌクレアーゼ要素を含む、付記16〜20のいずれか1項に記載の方法。
付記22.
前記ヌクレアーゼ要素がCasヌクレアーゼ要素を含む、付記21に記載の方法。
付記23.
前記Casヌクレアーゼ要素が切断活性を呈し、且つ、前記方法が小集団の切断をもたらして、小集団の初期収集物を減損させる、付記22に記載の方法。
付記24.
前記Casヌクレアーゼ要素が切断欠損性突然変異体であり、且つ、前記方法が小集団核酸/核酸誘導型ヌクレアーゼ複合体を含む生成物組成物の製造をもたらす、付記22に記載の方法。
付記25.
前記方法が、生成物組成物の他の構成要素から複合体を分離することをさらに含む、付記24に記載の方法。
付記26.
前記Casヌクレアーゼ要素がタグをさらに含む、付記25に記載の方法。
付記27.
前記方法が、小集団核酸を複合体から回収することをさらに含む、付記26に記載の方法。
付記28.
前記核酸誘導型ヌクレアーゼがそれぞれDNAガイド要素及びTth Agoヌクレアーゼ要素を含む、付記16〜20のいずれか1項に記載の方法。
付記29.
前記核酸の初期収集物が次世代配列決定(NGS)核酸収集物を含む、付記15〜27のいずれか1項に記載の方法。
付記30.
前記小集団が配列決定することを望まない配列を含む、付記29に記載の方法。
付記31.
前記方法が、小集団を減損したNGS核酸収集物の配列決定をさらに含む、付記30に記載の方法。
付記32.
複数の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む組成物。
付記33.
前記組成物が5以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む、付記32に記載の組成物。
付記34.
前記組成物が25以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む、付記33に記載の組成物。
付記35.
前記組成物が100以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む、付記34に記載の組成物。
付記36.
前記組成物が500以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む、付記35に記載の組成物。
付記37.
前記組成物が1000以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む、付記36に記載の組成物。
付記38.
前記核酸誘導型ヌクレアーゼが、異なる配列の核酸ガイド要素を有する、付記32〜37のいずれか1項に記載の組成物。
付記39.
前記核酸誘導型ヌクレアーゼがそれぞれRNAガイド要素及びヌクレアーゼ要素を含む、付記32〜38のいずれか1項に記載の組成物。
付記40.
前記ヌクレアーゼ要素がCasヌクレアーゼ要素を含む、付記39に記載の組成物。
付記41.
前記Casヌクレアーゼ要素が切断活性を呈する、付記40に記載の組成物。
付記42.
前記Casヌクレアーゼ要素が切断欠損性突然変異体である、付記40に記載の組成物。
付記43.
前記Casヌクレアーゼ要素がタグをさらに含む、付記42に記載の組成物。
付記44.
前記核酸誘導型ヌクレアーゼがそれぞれDNAガイド要素及びヌクレアーゼ要素を含む、付記32〜38のいずれか1項に記載の組成物。
付記45.
前記ヌクレアーゼ要素がTth Agoヌクレアーゼ要素を含む、付記44に記載の組成物。
付記46.
核酸誘導型ヌクレアーゼのライブラリを作製する方法であって:
核酸誘導型ヌクレアーゼのライブラリを製造するのに十分な様式下で、複数の異なるガイド核酸をヌクレアーゼと組み合わせること、
を含む方法。
付記47.
前記ヌクレアーゼがCasヌクレアーゼである、付記46に記載の方法。
付記48.
前記Casヌクレアーゼが切断活性を含む、付記47に記載の方法。
付記49.
前記Casヌクレアーゼが切断欠損性突然変異体である、付記47に記載の方法。
付記50.
前記ライブラリが5以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む、付記46〜49のいずれか1項に記載の方法。
付記51.
前記ライブラリが25以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む、付記50に記載の方法。
付記52.
前記ライブラリが100以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む、付記51に記載の方法。
付記53.
前記ライブラリが500以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む、付記52に記載の方法。
付記54.
前記ライブラリが1000以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼを含む、付記53に記載の方法。
付記55.
前記核酸ガイドが、crRNA及びtracrRNAを含む、付記46〜54のいずれか1項に記載の方法。
付記56.
前記核酸ガイドがsgRNAを含む、付記46〜55のいずれか1項に記載の方法。
付記57.
前記方法が核酸ガイドの製造をさらに含む、付記1〜56のいずれか1項に記載の方法。
付記58.
前記核酸ガイドが、該核酸ガイドをコードするベクターから核酸ガイドを発現することによって製造される、付記57に記載の方法。
付記59.
前記核酸ガイドが、インビトロ転写プロトコールを使用して製造される、付記57に記載の方法。
付記60.
以下の:
sgRNA足場鋳型ドメインを含むベクター;
PCR反応においてベクターと共に使用するために構成されたリバースプライマー;及び
RNAポリメラーゼ、
を含むキット。
付記61.
前記リバースプライマーが、ポリAドメイン及びsgRNA足場ドメインを含む、付記60に記載のキット。
付記62.
前記RNAポリメラーゼがT7ポリメラーゼである、付記60〜61のいずれか1項に記載のキット。
付記63.
前記キットがDNAポリメラーゼをさらに含む、付記60〜62のいずれか1項に記載のキット。
付記64.
前記キットがPCRバッファーをさらに含む、付記60〜63のいずれか1項に記載のキット。
付記65.
前記キットがヌクレアーゼをさらに含む、付記60〜64のいずれか1項に記載のキット。
付記66.
前記ヌクレアーゼがCasヌクレアーゼである、付記65に記載のキット。
付記67.
前記Casヌクレアーゼが切断活性を含む、付記66に記載のキット。
付記68.
前記Casヌクレアーゼが切断欠損性突然変異体である、付記66に記載のキット。
上記の発明は、理解の明瞭化のために、図示及び例示によりある程度詳しく説明されているが、ある変更及び調整が、本発明の趣旨又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく本発明になされてもよいことが、本発明の教示を考慮すると当業者に容易に明らかとなる。
従って、前述の内容は本発明の本質を単に示しているに過ぎない。本明細書に明示的に説明されていないか又は示されていないが、本発明の本質を具体化して本発明の趣旨及び範囲に含まれる様々な構成を当業者が考案することが可能であることが明らかである。更に、本明細書に述べられている全ての例及び条件的な用語は、本発明の本質と、本技術分野を進展させるために本発明者により与えられた概念とを理解する際に読者を支援することを本質的に意図するものであり、このように具体的に述べられた例及び条件に限定するものではないと解釈されるべきである。更に、本発明の本質、態様及び実施形態だけでなく、本発明の具体的な例を述べている本明細書における全ての記載は、本発明の構造的且つ機能的な等価物の両方を含むことを意図するものである。加えて、このような均等物は、現時点で既知の均等物及び今後開発される均等物の両方、すなわち構造に関わらず同一の機能を有する開発された全ての要素を含むことを意図するものである。従って、本発明の範囲は、本明細書に示され説明された例示的な実施形態に制限されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は添付の特許請求の範囲により具体化される。

Claims (9)

  1. RNA配列ライブラリーサンプルから標的cDNAsを選択的に減損させる方法であって:
    その両者がRNAから転写される標的cDNAs及び非標的cDNAsを含むRNA配列ライブラリーサンプルを取得し、ここで標的cDNAsは、リボソームRNAから転写されるcDNAsを含み;
    該サンプルから標的cDNAsを減損させるのに十分な様式下で、サンプルを標的cDNAsに特異的な核酸誘導型ヌクレアーゼと接触させ、ここで、当該核酸誘導型ヌクレアーゼがRNAガイド要素及びCasヌクレアーゼ要素を含み、そして
    サンプルから標的cDNAを除去し、そしてそれにより前記標的cDNAsを減損させたRNA配列ライブラリーを生成すること、
    を含む方法。
  2. 前記標的cDNAsが二本鎖核酸である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記標的cDNAsが一本鎖核酸である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記Casヌクレアーゼ要素が、切断活性を示し、そして前記方法が標的cDNAの切断をもたらして、サンプルからの標的cDNAを減損させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記Casヌクレアーゼ要素が、エピトープタグ、FLAGタグ、HAタグ、Hisタグ、Mycタグ、S−タグ、SBPタグ、Sofタグ、GSTタグ、GFPタグ、ビオチン、ストレプトアビジン、及び6−Hisタグからなる群から選ばれるタグをさらに含む、請求項に記載の方法。
  6. 前記方法が、前記サンプルからから前記標的核酸を回収することをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記方法が、前記サンプルを複数の2以上の異なる核酸誘導型ヌクレアーゼと接触させることを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記サンプルをシーケンシングする工程をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記RNAガイド要素が、ヒト5S、5.8S、18S、及び/又は28SRNAsに標的化されたsgRNAsを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
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