JP6416911B2 - フィブリル化セルロース材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フィブリル化セルロース材料を製造するための請求項1の前提部に記載の方法、および請求項11に記載のフィブリル化セルロースに関する。
セルロースはD‐グルコース単位に由来する多糖類であり、D‐グルコースは、β(1→4)‐グリコシド結合により縮合する。セルロースは、数百個から一万個を超える数のグルコース単位を含むことができる。セルロースは直鎖状の高分子であり、その分子は、グルコース残基のエクアトリアル配座により促進されて突き出た棒状の配座を採る。また、セルロースは地球上でもっとも一般的な有機化合物であり、緑色植物の一次細胞壁の構成成分である。
ナノフィブリル化セルロース(NFC)またはミクロフィブリル化セルロース(MFC)としても知られるナノセルロースは、ナノサイズのセルロース繊維から構成される材料である。ナノセルロース繊維は非常に細く、その幅は5nm〜20nmである。縦寸法はさまざまであり、数十ナノメートルから数マイクロメートルにまで及びうる。ナノセルロースは任意のセルロース原料から調製することができるが、木材パルプが使用されることが多い。
ナノセルロース製造の分野では多くの研究開発プロジェクトが進行中である。木材からナノセルロース繊維を製造する場合、通常、高エネルギ消費を特徴とする磨砕や高圧均質化のような機械的処理が必要となる。強酸加水分解や酸化、化学的機能化、酵素処理、またはそれらの組み合わせなどの前処理も研究されている。
化学酸化および酵素加水分解の問題点は、これらは一般にセルロース高分子の望ましくない分解を引き起こし、セルロースDP(セルロースの重合度合い)の低下、ひいてはフィブリルの質の悪化をもたらす一方、可溶性糖類の放出も引き起こすことである。ナノセルロースの製造プロセスはやや割高かつ制御困難なものではあるが、その特性(例えば、機械特性、膜形成特性、粘着特性など)により、(少し例を挙げるだけでも)製紙業や複合材料産業、食品産業、医療産業、化粧品産業など多くの適用分野にとって興味深い材料となっている。
細菌を用いてナノセルロースを製造することもできる。細菌によるナノセルロースは生合成プロセスにより調製され、研究分野において多くの関心を集めている。将来的な適用先としては生物医学分野周辺なども見据えられている。しかしながら、これらのプロセスを実行するには時間およびコストがかかり過ぎる。
特許文献1には、比較的純粋なナノセルロースを工業規模で製造する方法およびそのナノセルロース製品が記載されている。この発明では、従来技術と比較して3分の1のエネルギ消費でナノセルロースを製造するための解決策が提示されている。刊行された本文献の実施例には、2度の磨砕工程といくつかの別の工程(例えば析出工程)とを含む方法が記載されている。しかしながら供給スラリのコンシステンシー(粘稠度)はやや低く(3%)、またこの方法自体、本発明の方法とは大きく異なる。
特許文献2には、改良されたエネルギ効率のよい方法で、木材パルプからミクロフィブリル化セルロースを製造する方法が記載されている。刊行されたこの文献の実施例では、出発原料としてパインクラフトパルプが用いられ、エンドグルカナーゼに富む酵素製剤を用いて酵素処理が行われている。結果から、機械的処理と酵素処理を組み合わせた同時処理を含む方法の方が、これら工程を順番に行う方法よりも効率であることが結論付けられる。しかしながら、特許文献2の対応米国特許公報である特許文献3に記載される方法では、少なくとも1種類の変性化学物質、より正確には過酸化水素などの酸化性化学物質の添加が必要であり、これにより繊維と化学物質の反応が生じる。
フィンランド特許第122776号明細書 国際公開第2011/004284号パンフレット 米国特許第8,747,612号明細書
しかしながら、セルロースの分解を制御および最小化でき、ひいてはより高い最終製品収率および所望のフィブリルサイズを達成することができるエネルギ効率のよい方法がなおも必要とされている。
本発明の目的は、フィブリル化セルロースを製造するための改良された方法を提供することである。本発明の具体的な目的は、より高い最終製品収率、品質、およびより高い最終製品の乾物含量をもたらすエネルギ効率のよい製造方法を提供することである。
これらの目的やその他の目的、および既知の方法に勝るその効果は、以下で説明され特許請求の範囲に記載されるような本発明により達成される。
本発明は、セルロース構造を解繊およびフィブリル化する、ある種のセルロースの能力と、セルロースの加水分解に代わってフィブリル化活性を促進する調整済み酵素混合物の使用とに基づく。本発明によれば、所望のフィブリル化セルロースは、主にセロビオヒドロラーゼ(類)を含み、またいくらかのエンドグルカナーゼ(類)を含むとともに、β‐グルコシダーゼやヘミセルラーゼなどその他の酵素活性も任意で含む酵素混合物を用いることにより製造される。
これらの酵素は、セルロースの分解は最小限に抑えつつもフィブリル化セルロースの生成は促進する比率で用いられると好ましい。この種の作用は、異なる熱安定性をそれぞれが有する複数の酵素を選択し、それらの活性を作業温度により制御することにより得られやすい。セルロース繊維の解繊は、酵素処理と機械的処理を同時に行うことにより達成されることが好ましい。
より具体的には、本発明の方法は請求項1の特徴部分に記載された内容により特徴付けられる。
さらに、本発明にしたがって製造されたフィブリル化セルロースは、請求項11に記載された内容により特徴付けられる。
本発明の手段により多くの効果が得られる。例えば、本発明によれば、エネルギ効率よくフィブリル化セルロースを製造するための方法が提供され、また高固形分含有量でより高い製品収率が提供される。さらに、本発明の方法を従来技術で説明されているよりも少量の酵素添加で行うことができる。任意だが、本方法に伴って生成される二次生成物(単糖類)もさらに活用することできるため、方法全体がより有益かつ工業的に魅力的なものとなっている。
本発明の別の効果として、従来の解決策と比較して酵素処理がセルロース繊維に対して穏やかに作用することが挙げられる。作業条件(すなわち、温度、処理時間、混合方法)を制御することにより、フィブリル化度合いおよび多分散性指数の観点から見た製品品質を、さまざまな最終使用用途における必要性に応じて調整することができる。
別のさらなる効果として、処理後製品の水分含有量(60%〜80%)が、既存の方法で製造されるナノセルロースの水分含有量である97%〜99%よりも低いことが挙げられる。したがって、本フィブリル化材料を、フィブリル化セルロースと関連する大量の水分に対する耐性のないプロセスに適用することができる。
処理時の還元糖類の放出量を示すグラフである。エンドグルカナーゼ処理の方がより少ない酵素用量でより多くの還元糖類を生成するため、パルプの収率損失は増加する。 セロビオヒドロラーゼを用いて処理を行った場合の顕微鏡画像を示す。セロビオヒドロラーゼにより繊維表面および繊維末端はフィブリル化され、微細かつ長い繊維片が生成される。図2aはEcopulp Energy(セロビオヒドロラーゼ)で処理されてから4時間後の材料を示し、図2bは処理されてから20時間後の材料を示す。 エンドグルカナーゼを用いて処理を行った場合の顕微鏡画像を示す。エンドグルカナーゼ処理では、より顕著な切断効果が見られ、標準化された短い繊維片が生成される。図3aはNovozym(登録商標) 476(エンドグルカナーゼ)で処理されてから2時間後の材料を示し、図3bは処理されてから20時間後の材料を示す。 処理時の還元糖類の放出量を示すグラフである。開始時のより低い温度により主活性(セロビオヒドロラーゼ)と副活性(エンドグルカナーゼ)は相乗効果的に機能して、セロビオヒドロラーゼが攻撃する新たな鎖末端が形成される。温度が上昇するとセロビオヒドロラーゼのみが機能するようになり、セルロース加水分解の相乗効果作用が停止し、糖類の生成は横這い状態となる。開始時に0分、10分、または60分間50℃に保持される以外、処理は70℃で行われる。 温度プロフィールを変化させて処理を行った場合の材料の顕微鏡画像である。70℃での処理では繊維は長く保たれ、生じたフィブリル化はごくわずかである。処理開始時に温度を10分間50℃に保った場合、フィブリル化はより多く生じ、処理後に完全な繊維は少ない。温度を1時間50℃に保った場合、フィブリル化の度合いはさらに高まる。図5aは、Ecopulp Energyを用いて70℃で7時間処理した場合の材料を示す画像であり、図5bは、50℃で10分間処理して70℃で4時間50分処理した場合の材料を示す画像であり、図5cは、50℃で60分間処理して70℃で4時間処理した場合の材料を示す画像である。 以下に記載する方法で製造されたナノフィブリル化セルロースのサイズを示すSEM画像である。 以下に記載する方法で製造されたナノフィブリル化セルロースのサイズを示すAFM画像である。
以下、添付図面および詳細な説明を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。
本発明は、改良されたエネルギ効率のよいやり方でフィブリル化セルロースを製造する方法に関する。この方法は、酵素(類)を用いて出発セルロース原料をフィブリル化することと、そのフィブリル化を機械的に促進することとを含む。
本明細書における用語「フィブリル化セルロース」は、すべてのフィブリル化セルロース材料を包含することを意図しており、最小横寸法は5〜20ナノメートル、縦寸法は10ナノメートルから、数マイクロメートルを超えて100μmにまで達するものを含む。しかしながら、繊維分布は通常、より長い繊維、例えば図5bおよび図5cに示すような500μmほどの繊維も含む。したがって、「ミクロフィブリル化セルロース」と従来から称される材料も本発明の範囲に含まれる。
出発原料パルプとしては、無漂白パルプまたは起源の異なる天然のバイオマス(例えば木材、一年生植物、作物残渣)を用いることができる。パルプ材料としては例えば漂白パインパルプを用いることもできる。特に、本明細書中では出発原料が添加される「スラリ」が用いられ、これは例えば木材パルプなど、水性分散系で処理されたセルロース繊維を含むものである。スラリの出発コンシステンシー(粘稠度)(すなわち水性分散系におけるセルロース物質の重量%)は、全スラリの10重量%よりも高いことが好ましく、15重量%よりも高いことがより好ましい。スラリのコンシテンシーは30%を上回ってもよい。出発原料、すなわちパルプまたはバイオマスは、磨砕された状態であってもよい。
一実施形態によれば、スラリの出発コンシステンシーは10%〜60%であり、好ましくは15%〜40%である。
従来技術でのフィブリル化は一般に、可能であれば強酸加水分解や化学酸化などの化学的前処理を伴いつつ、磨砕または高圧均質化により行われる。本発明に係る好ましい任意の工程は、低エネルギ混合と併せて酵素によるフィブリル化を行うという手順、すなわち繊維の酵素処理を少なくとも一回行うという手順である。適した機械装置としては、繊維に対して過度の高せん断作用または切断作用を与えることなく高コンシステンシーでの適切な混合を可能にする、任意の装置が挙げられる。これらの装置として、混合機や配合機、押出機、混練機などが挙げられる。この酵素によるフィブリル化を、機械的処理を行って繊維をさらに解体することにより促進することができる。この機械的処理は、例えば、ホモジナイザや磨砕機、または流動化装置を用いて行うことができる。
上記した機械的処理と酵素処理との組み合わせは、従来技術で用いられる同時処置と比較して、はるかに効率のよいフィブリル化セルロースの製造方法となる。効率性の上昇は、この組み合わせた処理の相乗効果によるものである。酵素処理と併用して高コンシステンシー条件で機械的処理を行うことにより、繊維細胞壁が開いてほぐれることになり、酵素の繊維マトリックスへのアクセスが容易になる。次いで酵素はむき出しになった繊維表面を攻撃し、繊維構造をさらに解体するようになる。組み合わせた処理を行うことで、酵素はスラリ全体にわたってより完全かつ均質に分布し、より付着に適した場所へ移動できるようになり、したがってフィブリル化はより効率的になる。高コンシステンシーにより繊維間の摩擦は小さくなり、上記処理のフィブリル化効果が促進される。酵素処理により繊維は解繊されるため、より穏便な方法と穏和な反応条件下で機械的処理を行うことができる。
この発明の効果は、低エネルギ要求の機械的混合機を用いることにより、フィブリル化セルロースを酵素的にすなわち穏やかに製造できることである。別の効果としては、過度の分解を伴わずに所望の制御されたやり方でフィブリル化を促進できるため、品質制御されたフィブリル化材料が製造可能となることである。酵素は、生成するフィブリル化材料と比較した場合のセルロース分解が最小限となるように用いられる。さらに、最終生成物に含まれて生成される糖類も活用されうる。これらの糖類は、例えば、一般的なイーストにより発酵させてエタノールにできることが研究者たちにより示された。
従来技術では、セルロースの酵素処理は、セルロース、ヘミセルロース、またはそれらの加水分解生成物を分解する少なくとも3つのタンパク質を含む酵素混合物を用いて行われる。この酵素混合物としては、エンドグルカナーゼやセロビオヒドロラーゼ、マンナナーゼ、キシラナーゼ、およびβ‐グルコシダーゼなどが挙げられる。しかしながら本発明のフィブリル化は、主にセロビオヒドロラーゼ(CBH)活性を有し、低いエンドグルカナーゼ(EG)活性を有する酵素混合物を用いて行われ、このエンドグルカナーゼ活性は非常に低いがCBHが作用するための新たな鎖末端を形成するには十分であることを特徴とする。加えて、セロビオヒドロラーゼ活性の方がエンドグルカナーゼ活性よりも熱安定性が高いことを特徴とする酵素混合物および反応条件を用いることが好ましい。酵素混合物は、β‐グルコシダーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、もしくは溶解性多糖モノオキシゲナーゼ(LPMO:酸化可能であるため扱いにくい多糖類を切断可能)、またはそれらの組み合わせなど、フィブリル化を促進する糖質関連酵素を任意で含んでいてもよい。
セロビオヒドロラーゼ(CBH)は、還元または非還元鎖末端のいずれか一方を起点としてセルロース繊維に沿って前向きかつ一方向に作用し、セロビオースを主生成物として遊離させることが確認されている。CBHの特徴は、セルロースのDP(重合度合い)にほんのわずかしか影響しないことである。エンドグルカナーゼはセルロース鎖に沿いに無作為に攻撃し、CBHが作用するための新たな場所を作り出す。エンドグルカナーゼによって作り出される新たな鎖末端の範囲を、酵素の用量や処理時間、温度プロフィール、またはそれらの組み合わせによって制御することができる。β‐グルコシダーゼの役割は、生成するセロオリゴマーをグルコースに加水分解し、CBHによる最終生成物阻害を防ぐことである。
本発明の重要な改善点は、酵素毎に異なる熱安定性を利用することにより、作業温度を制御して酵素の選択的不活性化を可能にしたことである。したがって、糖類の生成は最小限に保たれるとともに、加水分解の度合いも低度に抑えられる。第2に、処理時にエンドグルカナーゼ活性を精密に制御することにより、セルロースDPなどに関してさまざまな品位のフィブリル化材料を製造可能となる。
本方法における反応温度は用いる酵素に応じて選択される。一つの好適な実施形態では、フィブリル化は2段階で行われる。第1段階ではセロビオヒドロラーゼとエンドグルカナーゼの両方が活性化する反応温度を選択し、第2段階では反応温度を上昇させてエンドグルカナーゼ活性を不活性化させる。そのため、第1段階では0℃〜50℃、第2段階では60℃〜80℃の温度を用いるのが好ましい。処理後、必要に応じて、蒸気などによりフィブリル化材料を15分〜30分間100℃に熱して酵素活性を不活性化することもできる。あるいは、各酵素のpHを最適pH以外に調整して不活性化を行うこともできる。
一つの好適な実施形態では、反応開始時は温度を低く保ち(50℃未満または約50℃)、次いで残りの反応時間は約70℃まで上昇させる。酵素製品は通常必ずわずかに副活性の影響を含んでいる。本実施形態では、低温によって最初は酵素同士の共働が可能であり、その後は高温によって残りの副活性が不活性化されてセロビオヒドロラーゼ単独での繊維への作用が可能になる。
上述した温度制御および/またはpH制御に基づき、一実施形態での上記反応は、第1段階ではエンドグルカナーゼ活性のみ、第2段階ではセロビオヒドロラーゼ活性のみを用いて行うか(すなわち、第2段階でCBHを添加するとともにEGを不活性化させることで行うか)、または、最初はエンドグルカナーゼ活性が高い上記酵素を含む酵素混合物を用い、それに対応して第2段階では温度を上昇させるなどして不活性化させることにより行われる。
セロビオヒドロラーゼI(CBH I)とセロビオヒドロラーゼII(CBH II)はセルロースを鎖末端から加水分解させる傾向がある一方、エンドグルカナーゼはDPを低下させつつセルロース鎖を無作為に攻撃する。したがって、エンドグルカナーゼ活性の影響を少なくともわずかには有する酵素混合物の使用が好ましい。セロビオヒドロラーゼはエンドグルカナーゼによって生じた鎖末端を利用することができるからである。エンドグルカナーゼの十分量がどの程度かは用いるエンドグルカナーゼ次第である。エンドグルカナーゼの具体的な活性は大幅に変化するものであり、うちいくつかは最も高感度な方法(例えばCMC粘度法)を用いたとしても分析するのが非常に難しいからである。したがって、エンドグルカナーゼ活性の適量は、調製において汚染副活性として存在することもある。しかしながら、高エンドグルカナーゼ活性は、CBHと相乗作用することで多量の可溶性オリゴ糖を放出させて収率損失を生じさせる。
処理時間は15分〜25時間の間で可変だが、1時間〜6時間だと好ましい。酵素を、機械的処理の前または機械的処理中にスプレー法などにより添加する。酵素と低エネルギ要求の機械的混合とを併せて用い、さらには長時間処理を行うことで、磨砕や高圧均質化などの従来の処理を行った場合と比較して、よりエネルギ効率のよい方法を実現できることは注目に値する。
一つの好適な実施形態では、過度の繊維分解および過度のエネルギ消費を生じる磨砕力は用いずに、機械による攪拌が行われる。本発明の方法で用いられる、磨砕を伴わない低エネルギ要求の機械的混合機の適切な例としては、すきの刃ミキサ(a plough share mixer)やスクリューミキサ、混練機、配合機、または押出機など磨砕力を発揮する非精製混合器が挙げられる。混合速度としてはやや遅めを維持すべきであり、約100rpmが好ましい。また別の実施形態によれば、押出機、ホモジナイザ、または流動化装置において、磨砕処理や高せん断処理などの処理後工程を行うことによりフィブリル化を促進してもよい。
別の実施形態によれば、本製品すなわち上述の処理を行った後のフィブリル化セルロース材料の水分含有量(60%〜80%)は、ナノセルロース製造における既存の方法を用いた場合の水分含有量である97%〜99%と比較して低い。したがって、上記材料を、フィブリル化セルロースと関連する大量の水分に対する耐性のないプロセスに適用することができる。
可溶性オリゴ糖をさらに加水分解して、二次的な最終生成物として単糖類を生成することもでき、単糖類を、その後に任意で行われる化学製品を製造するためのイースト発酵または細菌発酵にもさらに活用することができる。この任意の発酵工程により最終製品の精製も行われる。
本発明は、好ましくはフィブリル化セルロースを製造しつつも、工業的需要に応えた糖系化学製品の製造などにもさらに適用することができる。あるいは、本発明は、複合材料、紙製品やボール紙製品、フィルム製品や食品の製造にさらに適用することができる。本方法は、工業的に実施可能であるとともに法外な設備投資を必要としないため、将来の生物精製所の戦略に完璧に適している。
以下で、限定的ではない実施例を用いて本発明を説明する。しかしながら、上述の記載および各実施例で挙げられる実施形態は例示目的のみで示されるものであり、特許請求の範囲から逸脱しない範囲で種々の改変および修正が可能であることを理解されたい。
実験では、漂白軟木クラフトパルプに対する、セロビオヒドロラーゼの酵素製品(AB Enzymes社製のEcopulp Energy、8mg/g)の効果と、エンドグルカナーゼの酵素製品(Novozymes(登録商標)社製のNovozym 476、5mg/g)の効果とを比較した。各酵素は、乾燥繊維1g当たりのmgタンパク質として加えた。両実験ともに、β‐グルコシダーゼの酵素製品1mg/g(Novozymes社製のNovozym 188)を添加した。処理は、すきの刃(a ploughshare mixing element)を備えた5L反応器(DVT5、Loedige DRUVATHERM社製)において25%コンシステンシーで行った。混合速度は100rpm、温度は50℃とした。
表1に、酵素処理された材料の特性を示す。参照用として、酵素は使用せず機械的処理のみを行った試料の特性も示す。セロビオヒドロラーゼ処理では、エンドグルカナーゼ処理と比較して、結晶度が低下するとともに生成された材料の繊維および微粒子の含有量は少なかった。このことは、装置が分析できる繊維および微粒子よりも小さい粒子に分解された材料が多かったことを示す。表には、繊維1グラム当たりに対して系に加えられたエンドグルカナーゼ活性も示されている。エンドグルカナーゼ活性を、ヒドロキシエチルセルロースを基質に用いて測定した(HEC活性)。
実験では、さまざまな温度プロフィールを用いて副活性およびパルプのフィブリル化を制御した。熱安定性セルビオヒドラーゼを主に含み、副活性として少量の熱安定性の低いエンドグルカナーゼを含む、セロビオヒドラーゼ製品(AB Enzymes社製のEcopulp Energy、8mg/g)を用いた。熱安定性の低いβ‐グルコシダーゼ(Novozym 188、1mg/g)も添加した。処理を、Hobartパルパーを用いて25%コンシステンシーで漂白軟木クラフトパルプに対して行った。最初の0分間、10分間、または60分間は温度を50℃に調整し、次いで70℃に昇温させて熱安定性の低い副活性を不活性化させた。
上記説明および実施例では、本発明が好適な実施形態に適用された場合の基本的な新規の特徴を提示、説明、および指摘したが、当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、方法および製品の詳細においてさまざまな省略、置換、および変更を行うであろうことは理解されたい。例えば、それら要素および/または方法の工程のすべての組み合わせは、先で達成されたものと実質的に同様の動作または実質的に同様の結果を得られる限り、本発明の範囲に含まれることをはっきりと意図する。説明した一実施形態から別の実施形態への各要素の置換も十分に意図および検討されるものである。添付図面は必ずしも縮尺通りに描かれたものではなく、その性質上、単に概念を表すものであることも理解されたい。したがって、本明細書に添付の特許請求の範囲に示される内容によってのみ本発明の限定を行うことを意図する。
シグマミキサ(Brabender Gmbh社製のFarinograph)を用いて混合作業を行った以外は、実施例2と同様にして漂白軟木クラフトパルプに対して酵素処理を行った。酵素用量を8mg/g(AB Enzymes社製のEcoPulp Energy)、パルプのコンシステンシーを25%とした。最初の1時間は温度50℃に設定し、その後70℃まで昇温させて8時間経過させた。処理後、パルプを100℃で15分間煮沸して酵素活性を停止させた。パルプは蒸留水で完全に洗浄した。
SEM撮像用のフィブリル化セルロースを以下のように調製した。ナノセルロースの試料を、およそ0.1%、容積約100mLになるように水で希釈し、次いでUltraTurraxを用いて試料を均質化した。希釈した試料を10mLとり、全量が20mLになるまでさらに希釈し(均質化はしない)、ミリポア社製ガラス漏斗を用いて0.45μmのDurapore HVLP04700メンブレンで濾過を行った。濾過直後、フィルターメンブレンを少なくとも2×30分間100%エタノールに浸す。NFC膜を含むメンブレンを55℃のオーブン内で2枚の乾燥濾過紙の間に配置して少なくとも一晩乾燥させる。試料は、低電子エネルギでFEG‐SEM(LEO DSM 982 Gemini)を用いて撮像した。
AFM撮像用の試料を以下のように調製した。フィブリル化セルロースの希釈懸濁液を新たに劈開した雲母上で乾燥させ、原子間力顕微鏡(NanoScope IIIa Multimode AFM)を用いて試料のトポグラフィー画像を撮像した。NanoScopeVを搭載したMultimode 8 AFM(E scanner、Bruker(登録商標)社製)およびScanAsyst-Airカンチレバー(Bruker社製、f0=50〜90kHz、k=0.4N/m)を用いた。すべての画像を、大気中でScanAsystモードを用い走査速度1Hzで記録した。画像データ中に傾斜があった場合は画像の平坦化を行ったが、それ以外の加工は行わなかった。
SEM画像およびAFM画像(図6および図7)によれば以下の結論が導かれる。
・SEM:フィブリル化セルロース材料は極めて均質であり、大きいフィブリル凝集体(フィブリル凝集体幅約100nm〜200nm)はほぼ見られなかった。個々のフィブリルの平均横幅は20nmであった。
・AFM画像によると、個々のフィブリルのおおよその寸法は、幅15nm〜20nm、高さ4nm〜6nm、長さ100nm〜400nmであった。

Claims (9)

  1. 酵素類を用いてセルロース系出発原料をフィブリル化することと、すきの刃ミキサ、スクリューミキサ、混練機、配合機、または押出機を用いて前記セルロース系出発原料の繊維細胞壁を開きほぐすとともに前記セルロース系出発原料の繊維表面をむき出しにする機械的混合により前記フィブリル化を促進することとを含むフィブリル化セルロース材料の製造方法であって、
    前記フィブリル化を行う前に、スラリにセルロール系出発原料を添加してその結果スラリはコンシステンシーが10%〜60%のセルロール系出発原料を含み、その後、主にセロビオヒドロラーゼ活性を有し、低いエンドグルカナーゼ活性を有する酵素混合物を用いることにより前記フィブリル化を行い、
    前記エンドグルカナーゼ活性は、前記機械的混合と併用されて、新たな鎖末端を形成するのに十分であり、
    前記フィブリル化は、反応温度を選択的に制御することによって2段階で行われ、
    第1段階では、セロビオヒドロラーゼとエンドグルカナーゼがともに活性化する反応温度が選択され、
    第2段階では、前記反応温度を上昇させることにより、前記セロビオヒドロラーゼ活性は活性化させたまま、前記エンドグルカナーゼ活性のみを不活性化させることを特徴とすることを特徴とする、フィブリル化セルロース材料の製造方法。
  2. 前記セロビオヒドロラーゼ活性の方が前記エンドグルカナーゼ活性よりも熱安定性が高い酵素混合物を用いることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記酵素混合物は、補助的な糖質活性酵素をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記機械的混合は、磨砕力を発揮する非精製混合機の形態をとる低エネルギ要求の混合機を用いて行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記フィブリル化は、処理後工程により促進されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記フィブリル化は2段階で行われ、第1段階では反応温度は約50℃に維持され、第2段階では反応温度は60℃〜80℃に維持されることを特徴する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記フィブリル化は2段階で行われ、第1段階では反応温度は約50℃に保たれ、続く第2段階では該温度は約70℃に昇温されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記フィブリル化を行う前に、スラリにセルロール系出発原料を添加してその結果スラリはコンシステンシーが15%〜40%のセルロール系出発原料を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記フィブリル化は、15分〜25時間継続することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
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