JP6416476B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機、スロットマシンなどの遊技機に関する。
特許文献1には、複数の表示部で演出画像を表示する遊技機が開示されている。また、特許文献2には、CPUが定期的に出力する所定信号が正常に入力されなかった場合に、当該CPUを初期化する初期化手段を設けた遊技機が開示されている。
特開2006−180942号公報 特開平10−249032号公報
しかし、上記特許文献1及び特許文献2は、複数の表示部それぞれを制御する複数の制御手段を設け、複数の制御手段それぞれが出力する所定信号のうちのいずれかの所定信号が初期化手段に正常に入力されなかったときの対処を開示するのもではない。例えば、複数の制御手段それぞれが出力する所定信号のうちのいずれかの所定信号が初期化手段に正常に入力されなかったときに、正常に入力されなかった所定信号を出力するはずの制御手段のみを初期化することが考えられるが、当該制御手段のみを初期化すると、初期化した制御手段によって制御される表示部のみ、その表示が通常のものでなくなる(例えば、画像表示が中断され、何も表示されなくなる。)ので、複数の表示部での表示が不自然になってしまうことがあった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、複数の表示部での表示の不自然さを軽減する遊技機を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
複数の表示部(例えば、第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDなど)と、
前記複数の表示部それぞれに対して画像を表示させる制御を行う複数の制御手段(例えば、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDなど)と、
前記制御手段を初期化可能な初期化手段(例えば、演出制御用CPU120及び保持回路126を備える演出制御基板12など)と、を備え、
前記複数の制御手段は、それぞれ、所定信号(例えば、FSYNC1〜FSYNC4などのFSYNC信号など)を定期的に出力し、
前記初期化手段は、
前記複数の制御手段それぞれが出力する前記所定信号のそれぞれに対応して所定信号が入力されたことを示す情報(例えば、保持情報など)を保持する複数の保持手段(例えば、保持回路126の回路H1〜H4など)を備え、
前記複数の保持手段のそれぞれについて前記情報を保持しているかを定期的に監視し、いずれかの前記保持手段が前記情報を保持していないときに前記複数の制御手段を全て初期化する(例えば、ステップS561の処理を実行する演出制御用CPU120など)、
ことを特徴とする。
上記の構成によれば、複数の表示部での表示の不自然さを軽減することができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記初期化手段は、
前記複数の制御手段それぞれが出力する前記所定信号がそれぞれ入力され、当該所定信号が入力されたときに当該所定信号が入力されたことを示す情報(例えば、保持情報など)を保持する複数の保持手段(例えば、保持回路126の回路H1〜H4など)を備え、
前記複数の保持手段それぞれが前記情報を保持しているかを定期的に監視(例えばポーリング)し、いずれかの前記保持手段が前記情報を保持していないときに前記複数の制御手段を全て初期化する(例えば、ステップS561の処理を実行する演出制御用CPU120など)、
ようにしてもよい。
上記の構成によれば、所定信号の入力タイミングに依存しないで所定信号が正常に入力されなかったときの初期化を行える。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記初期化手段は、前記複数の制御手段それぞれが出力する前記所定信号がそれぞれ入力され、当該所定信号が入力されたときに当該所定信号が入力されたことを示す情報(例えば、保持情報など)を保持する複数の保持手段(例えば、保持回路126の回路H1〜H4など)と、前記保持手段が保持する前記情報を消去する情報消去手段(例えば、ステップS562の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、をさらに備え、
前記初期化手段は、前記複数の保持手段それぞれが前記情報を保持しているかに基づいて、前記複数の制御手段を全て初期化し(例えば、ステップS561など)、
前記情報消去手段は、前記初期化手段が前記複数の制御手段を全て初期化したときに、前記情報を保持する前記保持手段に対して前記情報を消去する処理を行う(例えば、ステップS562など)、
ようにしてもよい。
上記構成によれば、過去の情報に基づいて、所定信号が正常に入力されたと誤認してしまうことを防止できる。
本発明の一実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 図1のパチンコ遊技機に搭載された演出装置1Aの斜視図である。 図1のパチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などの例を示す構成図である。 図1のパチンコ遊技機に搭載された第2表示制御部、副画像表示装置、保持回路などの例を示す構成図である。 副画像表示装置の表示領域を説明するための副画像表示装置の正面図である。 主な制御コマンドの一例を示す図である。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 特図保留記憶部の構成例を示す図である。 変動パターンの構成例を示す説明図である。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御基板側で受信する制御コマンドの一例と、受信した制御コマンドに応じてコマンド解析処理にて実行される処理内容の一例と、の関係を説明する説明図である。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい。)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出装置1Aが設けられている。演出装置1Aは、図2に示すように、画像表示装置5と、副画像表示装置51と、を有する。
画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が変動表示(可変表示)される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう。)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう。)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、所定の表示エリア(例えば、画面の下の位置のエリア)が配置されている。この表示エリアでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
前記表示エリアとともに、あるいは表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
副画像表示装置51は、有機EL(Electro-Luminescence)を用いた表示装置などから構成され、演出画像を表示する。副画像表示装置51は、通常、演出装置1Aの筐体や遊技盤2の板材の背面に隠れている(図2(A)参照)。このため、遊技者は、通常、副画像表示装置51を視認できない。副画像表示装置51は、所定の場合(詳しくは後述)に、上方に移動して、画像表示装置5の前方(遊技者側)に進出する(図2(B)参照)。副画像表示装置51は、画像表示装置5の前方(遊技者側)に進出すると、遊技者に視認される。副画像表示装置51は、図3の駆動機構16によって移動する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できるが、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(進入困難(進入不可を含む。)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1特図の可変表示の始動条件(第1始動条件)が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2特図の可変表示の(第2始動条件)始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えばカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、ゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、音声等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、駆動制御基板19、表示制御基板123といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板、払出制御基板などといった、各種の基板が配置されている。また、パチンコ遊技機1には、各基板などに電力を供給する電源基板なども搭載されている。また、パチンコ遊技機1は、駆動機構16なども備える。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などのサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や入力ドライバ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。入力ドライバ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチは、例えばセンサ(例えば、フォトセンサ、近接スイッチなど)と称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号などを受信して、画像表示装置5や副画像装置51、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。これによって、演出制御基板12は、画像表示装置5や副画像表示装置51における表示動作や副画像表示装置51の移動などや、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(音声信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(音声信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。なお、音声とは、音のみからなるもの(例えば、歌が入らない演奏のみからなる楽曲、効果音など)も含む。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
表示制御基板123は、演出制御基板12とは別個に設けられた表示制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(表示制御信号)に基づき、画像表示装置5に画像表示を行わせる第1表示制御部123A、副画像表示装置51に画像表示を行わせる第2表示制御部123Bなどが搭載されている。第1表示制御部123A、第2表示制御部123Bについては、詳しくは後述する。
駆動制御基板15は、演出制御基板12とは別個に設けられた駆動制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(駆動制御信号)に基づき、駆動機構16を制御するドライバ回路などが搭載されている。駆動機構16は、駆動制御基板15(ドライバ回路)により制御されて回転軸を回転させるステッピングモータと、ステッピングモータが出力する回転軸の回転力を上下方向の駆動力に変換して副画像表示装置51を上下方向に移動させる移動機構と、を備える。移動機構は、例えば、ギア、アームなどの部材によって構成される。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(入力ドライバ回路110など)から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(ソレノイド回路111、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、中継基板15など)へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、保持回路126と、が搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作などを行う処理(演出用の電気部品に所定の演出動作などを実行させる機能を実現する処理)が実行される。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、駆動制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートや表示制御基板123から供給される同期信号(後述のFSYNC信号)が入力される入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、表示制御基板123へと伝送される表示制御信号や、音声制御基板13へと伝送される音声信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号、駆動制御基板19へと伝送される駆動制御信号などが出力される。
保持回路126は、表示制御基板123から同期信号(後述のFSYNC信号であり、パルス信号)が供給されたときに、当該同期信号が供給されたことを情報(例えば、「1」の情報であり、以下、保持情報という。)として保持するラッチ回路、フリップフロップなどから構成される。詳しくは後述するが、同期信号は、第2表示制御部123Bから定期的に供給される。この同期信号が定期的に供給されない場合には、第2表示制御部123Bの少なくとも一部に異常があることになる。
表示制御基板123に搭載された第1表示制御部123Aは画像表示装置5の表示制御を実行する制御ICから構成される。表示制御基板123に搭載された第2表示制御部123Bは副画像表示装置51の表示制御を実行する第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDから構成される(図5)。各制御ICは、それぞれ、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを含んで構成される。これらは、ワンチップのICとして構成されてもよいし、複数のチップによって実現してもよい。例えば、ワンチップのVDPの中に、CGROM、VRAMの機能を付加してもよい。CGROMと、VRAMとのうちの少なくとも一方をVDPとは別体のチップとしてVDPに接続するようにしてもよい。つまり、各制御ICは、ワンチップとして構成されてもよいし、複数のチップと回路(配線など)との組合せから構成されるものであってもよい。
各制御ICにおけるVDPは、演出制御基板12からの表示制御信号(例えば、演出画像や演出画像の切り替えタイミングを指定する信号など)などに基づき(例えば、この信号によって、第1表示制御部123Aや第2表示制御部123Bは、演出制御用CPU120に制御される。)、画像表示装置5や副画像表示装置51において表示する画像の映像信号を生成して画像表示装置5や副画像表示装置51に順次出力し、画像表示装置5や副画像表示装置51に演出画像を表示させる。映像信号は、例えば、同期信号、色信号、輝度信号を含む。映像信号は、これら信号を別々にしたコンポーネント映像信号として出力されてもよいし、これら信号を1つの信号に重畳したコンポジット映像信号として出力されてもよい。同期信号は、VDP内部の同期信号発生装置(発振回路などを含んで構成される。)によって生成される。VDPは、VDPの外部のクロック生成回路からのクロック信号に基づいて同期信号を生成してもよい。また、同期信号自体をVDPの外部で生成して、VDPに入力されるようにしてもよい。同期信号には、フレーム同期信号(1フレーム分の画像の描画開始又は描画終了のタイミングを示す信号、FSYNC信号)、垂直同期信号(1フレーム分の画像の描画の際の垂直方向のタイミングを示す信号)、水平同期信号(1フレーム分の画像の描画の際の水平方向のタイミングを示す信号)などがあり、必要に応じて、少なくともいずれかの同期信号が用いられる。同期信号は、定期的に(ここでは、一定間隔で)出力されるものであればよい。同期信号によって、第1表示制御部123Aや第2表示制御部123Bと、画像表示装置5や副画像表示装置51との同期が取られる。映像信号を生成する際の元となる画像データは、CGROMなどに格納され、VRAMなどに読み出されて使用され、映像信号が生成される。なお、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれのVDPが出力するFSYNC信号は、演出制御基板12にも供給される。
VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであってもよい。
画像表示装置5は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路と、ドライバ回路を制御するコントローラなどを備える。第1表示制御部123Aからの映像信号はコントローラに供給される。コントローラは、供給された映像信号に基づいて、ドライバ回路を駆動し、表示パネルに画像(映像信号によって表される画像)を表示させる。これによって、画像表示装置5には、飾り図柄の可変表示を含む各種の演出画像が表示されることになる。
副画像表示装置51は、有機ELパネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路と、ドライバ回路を制御するコントローラなどを備える。第2表示制御部123Bからの映像信号はコントローラに供給される。コントローラは、供給された映像信号に基づいて、ドライバ回路を駆動し、表示パネルに画像(映像信号によって表される画像)を表示させる。これによって、画像表示装置5には、飾り図柄の可変表示を含む各種の演出画像が表示されることになる。
ここで、図4を参照して、第2表示制御部123B、副画像表示装置51、保持回路126などについて説明する。
副画像表示装置51の表示パネルは、図5に示すように、画像を表示する領域として、第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDを備える。第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDは、それぞれ、別個の表示制御によって画像を表示する。第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDは、協働して1つの画像を表示するようにしてもよいし、各表示領域で独立して異なる画像を表示するようにしてもよい。図5の例では、スーパーリーチAが実行中である旨の画像(「スーパーリーチA!!」)が第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDによって表示されている。
副画像表示装置51は、表示パネルの第1表示領域51HAを駆動して画像を表示させる第1ドライバ回路51DAと、第1ドライバ回路51DAを制御する第1コントローラ51CAと、を備える。さらに、副画像表示装置51は、表示パネルの第2表示領域51HBを駆動して画像を表示させる第2ドライバ回路51DBと、第2ドライバ回路51DBを制御する第2コントローラ51CBと、を備える。さらに、副画像表示装置51は、表示パネルの第3表示領域51HCを駆動して画像を表示させる第3ドライバ回路51DCと、第3ドライバ回路51DCを制御する第3コントローラ51CCと、を備える。さらに、副画像表示装置51は、表示パネルの第4表示領域51HDを駆動して画像を表示させる第4ドライバ回路51DDと、第4ドライバ回路51DDを制御する第4コントローラ51CDと、を備える。
第2表示制御部123Bは、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDを備える。第1制御IC123BAは、第1コントローラ51CAに接続され、第2制御IC123BBは、第2コントローラ51CBに接続され、第3制御IC123BCは、第3コントローラ51CCに接続され、第4制御IC123BDは、第4コントローラ51CDに接続されている。このようにして、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれは、第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDそれぞれに対応して設けられている。
第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDは、それぞれ、I/O125の出力ポートO4〜O1を介して、演出制御用CPU120に接続されており、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDには演出制御用CPU120からの表示制御信号が入力可能になっている。また、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDは、それぞれ、I/O125の出力ポートO5を介して、演出制御用CPU120に接続されており、演出制御用CPU120からの初期化コマンドの信号が入力される。初期化コマンドは、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDを初期化するためのコマンドである。初期化は、例えば、VRAMの記憶内容をクリアすることなどであり、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDを初期状態(例えば、パチンコ遊技機1の初期設定状態であり、システムリセットが行われた状態など)に戻すことをいう。
また、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDは、それぞれ、I/O125の入力ポートI1〜I4を介して、保持回路126が備える回路H1〜H4(それぞれが、ラッチ回路やフリップフロップなどから構成される。)それぞれに接続されている。これによって、回路H1〜H4には、それぞれ、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDから入力ポートI1〜I4を介してFSYNC信号(FSYNC1〜FSYNC4)が入力される。また、回路H1〜H4は、演出制御用CPU120によって定期的にポーリングされる。なお、ポーリングの間隔とFSYNC信号の供給間隔とは異なるものであってよい。
例えば、副画像表示装置51に演出画像を表示させる場合、演出制御用CPU120は、第1表示領域51HAに表示させたい画像(第1画像という。)などを指定する表示制御信号を出力ポートO4を介して第1制御IC123BAに供給し、第2表示領域51HBに表示させたい画像(第2画像という。)などを指定する第2の表示制御信号を出力ポートO3を介して第2制御IC123BBに供給し、第3表示領域51HCに表示させたい画像(第3画像という。)などを指定する表示制御信号を出力ポートO2を介して第3制御IC123BCに供給し、第4表示領域51HDに表示させたい画像(第4画像という。)などを指定する表示制御信号を出力ポートO1を介して第4制御IC123BDに供給する。
第1制御IC123BAは、前記の表示制御信号が供給されると、第1画像の映像信号(ここでは、FSYNC信号(FSYNC1)、色信号、輝度信号を含む。)を生成して、第1コントローラ51CAに供給する。FSYNC信号は、入力ポートI1を介して回路H1にも供給される。FSYNC信号は、例えば、前記映像信号とは別個に並列で入力ポートI1を介して回路H1に供給されるようにしてもよい。また、映像信号がコンポーネント映像信号などである場合には、第1制御IC123BAと第1コントローラ51CAとを接続する接続配線から分岐した配線によって、FSYNC信号は、入力ポートI1を介して回路H1に供給されてもよい。第1コントローラ51CAは、第1制御IC123BAからの映像信号に従って第1ドライバ回路51DAを駆動し、第1表示領域51HAに画像を表示させる。これによって、第1表示領域51HAに第1画像が表示される。このようにして、第1制御IC123BAは、映像信号を供給することで、第1表示領域51HAに第1画像を表示させる制御を第1コントローラ51CA及び第1ドライバ回路51DAを介して行う。
第2制御IC123BBは、前記の表示制御信号が供給されると、第2画像の映像信号(ここでは、FSYNC信号(FSYNC2)、色信号、輝度信号を含む。)を生成して、第2コントローラ51CBに供給する。FSYNC信号は、入力ポートI2を介して回路H2にも供給される。FSYNC信号は、例えば、前記映像信号とは別個に並列で入力ポートI2を介して回路H2に供給されるようにしてもよい。また、映像信号がコンポーネント映像信号などである場合には、第2制御IC123BBと第2コントローラ51CBとを接続する接続配線から分岐した配線によって、FSYNC信号は、入力ポートI2を介して回路H2に供給されてもよい。第2コントローラ51CBは、第2制御IC123BBからの映像信号に従って第2ドライバ回路51DBを駆動し、第2表示領域51HBに画像を表示させる。これによって、第2表示領域51HBに第2画像が表示される。このようにして、第2制御IC123BBは、映像信号を供給することで、第2表示領域51HBに第2画像を表示させる制御を第2コントローラ51CB及び第2ドライバ回路51DBを介して行う。
第3制御IC123BCは、前記の表示制御信号が供給されると、第3画像の映像信号(ここでは、FSYNC信号(FSYNC3)、色信号、輝度信号を含む。)を生成して、第3コントローラ51CCに供給する。FSYNC信号は、入力ポートI3を介して回路H3にも供給される。FSYNC信号は、例えば、前記映像信号とは別個に並列で入力ポートI3を介して回路H3に供給されるようにしてもよい。また、映像信号がコンポーネント映像信号などである場合には、第3制御IC123BCと第3コントローラ51CCとを接続する接続配線から分岐した配線によって、FSYNC信号は、入力ポートI3を介して回路H3に供給されてもよい。第3コントローラ51CCは、第3制御IC123BCからの映像信号に従って第3ドライバ回路51DCを駆動し、第3表示領域51HCに画像を表示させる。これによって、第3表示領域51HCに第3画像が表示される。このようにして、第3制御IC123BCは、映像信号を供給することで、第3表示領域51HCに第3画像を表示させる制御を第3コントローラ51CC及び第3ドライバ回路51DCを介して行う。
第4制御IC123BDは、前記の表示制御信号が供給されると、第4画像の映像信号(ここでは、FSYNC信号(FSYNC4)、色信号、輝度信号を含む。)を生成して、第4コントローラ51CDに供給する。FSYNC信号は、入力ポートI4を介して回路H4にも供給される。FSYNC信号は、例えば、前記映像信号とは別個に並列で入力ポートI4を介して回路H4に供給されるようにしてもよい。また、映像信号がコンポーネント映像信号などである場合には、第4制御IC123BDと第4コントローラ51CDとを接続する接続配線から分岐した配線によって、FSYNC信号は、入力ポートI4を介して回路H4に供給されてもよい。第4コントローラ51CDは、第4制御IC123BDからの映像信号に従って第4ドライバ回路51DDを駆動し、第4表示領域51HDに画像を表示させる。これによって、第4表示領域51HDに第4画像が表示される。このようにして、第4制御IC123BDは、映像信号を供給することで、第4表示領域51HDに第4画像を表示させる制御を第4コントローラ51CD及び第4ドライバ回路51DDを介して行う。
保持回路126の回路H1〜H4に、それぞれ、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDからFSYNC信号(FSYNC1〜FSYNC4)が供給されると、回路H1〜H4は、それぞれ、当該FSYNC信号が供給されたことを保持情報(例えば、「1」)として保持する。保持情報は、当該FSYNC信号が供給されたことを示す情報でもある。FSYNC信号は、定期的に第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDから出力される信号であり、High信号のパルス信号でもある。回路H1〜H4は、例えば、High信号が供給されたときに、情報としてHigh(「1」)の情報を保持することで、FSYNC信号が供給されたことを示す保持情報を保持する。演出制御用CPU120は、回路H1〜H4を定期的にポーリングする(回路H1〜H4に保持情報が保持されているかを判定することで、FSYNC信号が正常に入力されたかの判定を行う)。ポーリングの周期は、FSYNC信号の出力周期に合わせて設定されればよい。ポーリングの結果、保持情報が、回路H1〜H4全てにおいて保持されていれば、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDは正常に動作している(FSYNC信号が演出制御基板12に正常に入力されている)ので、演出制御用CPU120は、回路H1〜H4をリセットする(保持情報を消去する)。一方で、回路H1〜H4のうちの1つでも保持情報が保持されていなければ、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDのいずれか(保持していない回路に対応する制御IC)が正常に動作していない(FSYNC信号が演出制御基板12に正常に入力されていない)ので、演出制御用CPU120は、回路H1〜H4をリセットするとともに、出力ポートO5を介して第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれに初期化コマンドを送信して、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDを全て初期化する。
第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDを初期化すると、副画像表示装51の第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDにおける画像表示が一時中断されるので、第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDに何も表示されない期間(真っ暗になる期間)が発生する。ここで、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDのうち異常のあるもの(FSYNC信号が正常に入力されていない制御IC)についてのみ初期化することを考えると、第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDのうちのいずれかにおける画像表示のみが中断されるので、一部の表示領域のみ真っ暗となる。このような場合、画像表示が不自然なものになってしまう。この実施の形態のように、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDのうちのいずれかに異常があったとしても(一部の制御ICからのFSYNC信号が正常に入力されないことがあったとしても)、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BD全てを初期化することで、表示領域全体が一度真っ暗になるだけ(表示領域全体で画像表示が一時中断されるだけ)なので、一部の表示領域のみ真っ暗となる(一部の表示領域のみ画像表示が中断される場合)よりも、画像表示の不自然さを軽減できる。また、保持情報を保持回路126で保持し、演出制御用CPU120が定期的にポーリングすることによって、FSYNC信号の供給タイミングに、演出制御用CPU120が、当該FSYNC信号が演出制御基板12に正常に入力されたかの判定を行う必要がなくなるので、FSYNC信号の入力タイミングに依存せずに当該FSYNC信号が演出制御基板12に正常に入力されたかの判定を行うことができる。さらに、演出制御用CPU120は、ポーリング後に、回路H1〜H4をリセットするので、前回ポーリングした内容(保持情報)が次回のポーリングにまで残ってしまうことを防止でき、前回の判定に用いられた保持情報に基づいて、FSYNC信号が演出制御基板12に正常に入力されたかの判定が行われてしまうことを防止できる。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに点灯/消灯駆動を行わせたり、駆動制御基板19を介して駆動機構16を制御して副画像表示装置51を移動させたり、表示制御基板123を介して画像表示装置5や副画像表示装置51の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「6」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「6」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」又は「非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されたことといった確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。時短状態や確変状態も遊技者にとって有利な状態である。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これら演出を、飾り図柄の可変表示そのもの(これも演出である。)とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示中演出は、例えば、遊技の進行に対応して実行され、遊技の進行を遊技者に認識させるような演出であればよい。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。なお、可変表示中演出において、副画像表示装置51を移動さたり、副画像表示装置に演出画像を表示させたりしてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及び、スーパーリーチCが用意されている(図6参照、詳しくは後述する)。この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及び、スーパーリーチCのいずれかが実行されるときに、副画像表示装置51が上方に移動し、現在のリーチ演出がどのリーチ演出であるかを報知する演出画像(例えば図5)を表示する演出が実行される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の図柄番号の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
この実施の形態では、大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せ(通常大当り組合せともいう。)となる確定飾り図柄が導出される。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちの、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数の図柄番号いずれかの飾り図柄から構成される。例えば、「2」、「4」、「6」、「8」の図柄番号の飾り図柄のいずれかが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示される。当該偶数の図柄番号の飾り図柄の組合せは、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型である。非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちの、「1」、「3」、「5」、「7」の奇数の図柄番号いずれかの飾り図柄から構成される。例えば、「1」、「3」、「5」、「7」の図柄番号の飾り図柄のいずれかが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示される。当該奇数の図柄番号の飾り図柄の組合せは、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型である。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。RAM102のクリアは、例えば、電源投入時に、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないクリアスイッチなどの初期化用操作手段が操作されたことなどによって行われる。この操作は、例えば、遊技店の営業時間外に行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時(停電などによる電断時)における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい(例えば、クリアスイッチが押されずに電源が投入(オン)された時にRAM101に所定のデータが記憶されるなどしている状態のとき(例えば電断のときなど))。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
CPU103は、遊技制御用タイマ割込処理において、例えば、スイッチ処理を行い、メイン側エラー処理を行い、情報出力処理を行い、その後、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、入力ドライバ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。なお、スイッチ処理では、例えば、オン状態と判定したスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)に対応する賞球個数を示す賞球個数コマンドの送信設定も行う。賞球個数コマンドはコマンド制御処理にて払出制御基板に送信され、払出制御基板は、このコマンドを受信すると、球払出装置を制御して、このコマンドが示す賞球個数分だけ賞球を払い出す処理を実行する。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技や短期開放制御の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理、スイッチ処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12などに対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12に送信される主な制御コマンドについて図6を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8001(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1変動開始指定コマンド又は第2変動開始指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この実施の形態では、変動パターン(図9参照、詳しくは後述する。)それぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、可変表示結果を大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「非確変」の「大当り」なら「01」など)。表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、後述のステップS112における特図ゲーム終了時にて送信設定される。
コマンド95XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が低確高ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更が行われ得る後述のステップS113やステップS117の実行時に送信設定される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS113において、大当り遊技状態が開始されるときに送信設定される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS116において、最後のラウンド遊技が終了したときに送信設定される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。これらコマンドは、後述の始動入賞判定処理(ステップS101)にて送信設定される。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得る後述のステップS101やステップS111にて送信設定される。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図7は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、第1始動条件又は第2始動条件のうちの少なくともいずれかが成立しているかを判定する。第1始動条件は、第1始動口スイッチ22Aがオンであって(例えば、スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであるときであって)、かつ、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば成立する。第2始動条件は、第2始動口スイッチ22Bがオンであって(例えば、スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであるときであって)、かつ、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば成立する。第1特図保留記憶数や、第2特図保留記憶数は、RAM102の所定領域に設けられた、第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)のカウント値や第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)のカウント値によって特定すればよい。CPU103は、第1始動条件と第2始動条件とのいずれも成立していない場合には始動入賞判定処理を終了する。
CPU103は、第1始動条件が成立している場合には、第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)のカウント値(第1特図保留記憶数)を1加算する。CPU103は、第2始動条件が成立している場合には、第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)のカウント値(第2特図保留記憶数)を1加算する。また、このときには、RAM102の所定領域に設けられた合計保留記憶数カウンタのカウント値を、1加算する。
カウント値の加算後、CPU103は、所定の遊技用乱数を抽出する。第1始動条件が成立している場合には、第1始動条件の成立に対応して所定の遊技用乱数を抽出する。第2始動条件が成立している場合には、第2始動条件の成立に対応して所定の遊技用乱数を抽出する。第1始動条件及び第2始動条件の両者が成立している場合には、両者それぞれについて所定の遊技用乱数を抽出する。一例として、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する。こうして抽出された各乱数値を示す数値データは、保留データとして、特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される。例えば、第1始動条件が成立しているときには、保留データが図8(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。例えば、第2始動条件が成立しているときには、保留データが図8(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図8(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図8(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
保留データのセット後、CPU103は、始動入賞時コマンドの送信設定を行う。始動入賞時コマンドは、始動口入賞指定コマンドと、特図保留記憶数指定コマンドと、から構成される。第1始動条件が成立したときには、始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドと、第1特図保留記憶数指定コマンドと、の送信設定を行う。第2始動条件が成立したときには、始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、の送信設定を行う。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。
図7に戻り、ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。CPU103は、第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定すればよい。第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、乱数値MR1〜MR3を示す数値データを読み出す。これにより、第2始動入賞の発生(第2始動条件の成立)に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えばRAM102に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。その後、例えば第2特図保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、第2特図保留記憶数を1減算させ、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ここでは、合計保留記憶数を1減算してもよい。そして、RAM102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する。
第2特図保留記憶数が「0」であるときには、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。CPU103は、第1特図保留記憶数カウンタのカウント値によって、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定すればよい。このような順序の処理によって、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、乱数値MR1〜MR3を示す数値データを読み出す。これにより、第1始動入賞の発生(第1始動条件の成立)に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。その後、第1特図保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、第1特図保留記憶数を1減算させ、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ここでは、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
変動特図指定バッファ値の更新後、CPU103は、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する。一例として、CPU103は、変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブル(乱数値と比較される決定値に「大当り」と「ハズレ」とのいずれかが割り当てられたテーブル)を参照することにより、特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、確変フラグ(RAM102の所定領域に設けられて確変状態のときにオン状態となるフラグ)がオン状態であるか否かに応じて、「大当り」の決定割合が異なっている。具体的には、確変フラグがオン状態であるとき(確変状態のとき)には、「大当り」に決定されやすくなっている。したがって、例えば図7に示すステップS117のエンディング待ち処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、特図表示結果を「大当り」に決定した場合には、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する。一例として、CPU103は、変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブル(乱数値と比較される決定値に「確変」と「非確変」とのいずれかが割り当てられたテーブル)を参照することにより、大当り種別を「確変」と「非確変」とのいずれかに決定する。その後、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することなどにより、大当り種別を記憶させる。
特図表示結果が「大当り」でない場合、大当り種別を記憶させたあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する。一例として、大当りフラグをオン状態でない場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、大当りフラグをオン状態である場合には、大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。その後、CPU103は、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから、特別図柄通常処理を終了する。
第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には、所定のデモ表示設定を行ってから、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図7のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する。そして、大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する。大当りフラグがオフである場合には、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する。
図9は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。具体的には、「非リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA1−1、PA1−2が用意されている。「リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA2−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB2−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB2−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB2−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。また、「大当り」の変動パターンとして、PA4−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB4−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB4−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB4−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。
大当りフラグがオン状態である場合、一例として、CPU103は、変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り時の変動パターン決定テーブル(乱数値と比較される決定値に「PA4−1」、「PB4−1」、「PB4−2」、「PB4−3」のいずれかが割り当てられたテーブル)を参照することにより、変動パターンを「PA4−1」、「PB4−1」、「PB4−2」、「PB4−3」のいずれかに決定する。
大当りフラグがオフ状態である場合、一例として、CPU103は、変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたハズレ時の変動パターン決定テーブル(乱数値と比較される決定値に「PA1−1」、「PA1−2」、「PA2−1」、「PB2−1」、「PB2−2」、「PB2−3」のいずれかが割り当てられたテーブル)を参照することにより、変動パターンを「PA1−1」、「PA1−2」、「PA2−1」、「PB2−1」、「PB2−2」、「PB2−3」のいずれかに決定する。なお、例えば、現在が時短状態のとき(時短フラグ(RAM102の所定領域に設けられて時短状態のときにオン状態となるフラグ)がオン状態のとき)の方が、特図変動時間の短い変動パターンが選択されやすいように、ハズレ時の変動パターン決定テーブルを構成するようにするとよい(例えば、時短フラグがオン状態のときの方がオフ状態のときよりも、「PA2−1」などの決定割合を大きくするなど)。これによって、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
また、大当り時の変動パターン決定テーブルやハズレ時の変動パターン決定テーブルは、リーチ演出のうちスーパーリーチCが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となるように構成され、スーパーリーチB、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていくように構成されていればよい。
この実施の形態では、図9に示すように、変動パターンそれぞれには、特図変動時間(特図変動時間の数値データ)が設定されている。特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。なお、特図変動時間は、単に変動時間ともいう。例えば、特図変動時間それぞれが、ROM101に各変動パターンに対応して格納されることで、特図変動時間が変動パターンそれぞれに設定される。
変動パターンの決定後には、特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する。CPU103は、決定した変動パターンに対応する特図変動時間を今回の可変表示の特図変動時間として設定する。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。その後、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための制御を行う。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
その後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(今回決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(上記で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(今回決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(上記で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。そして、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから、変動パターン設定処理を終了する。
図7のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップS111で設定された特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止後処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止後処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタ(RAM102の所定領域に設けられる。)のカウント値を「0」にする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して、特別図柄停止後処理を終了する。なお、ここでは、遊技状態が変更されているが、大当り遊技状態後に、再度遊技状態が変更されるので、遊技状態指定コマンドを送信設定しないようにしてもよいし、遊技状態指定コマンドを送信設定してもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。時短フラグをオフ状態とした後、時短フラグがオフ状態である場合、時短回数カウンタのカウント値が「0」でない場合、CPU103は、現在の遊技状態(確変フラグの状態及び時短フラグの状態)に基づいて遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行う。遊技状態指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新し、特別図柄停止後処理を終了する。なお、このときには、遊技制御プロセスタイマなどの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。遊技状態指定コマンドは、遊技状態に変更があったときにのみ送信設定してもよい。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新され、大当り開放中処理は終了する。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行い、大当り開放後処理を終了する。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放後処理は終了する。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117のエンディング待ち処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。エンディング待ち処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行して、エンディング待ち処理を終了する。
遊技状態設定処理では、CPU103は、大当り種別が「確変」であるかを判定する。大当り種別バッファ設定値が「1」であるなどして、今回の「大当り」の大当り種別が「確変」である場合には、CPU103は、確変フラグ及び時短フラグをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別バッファ設定値が「0」であるなどして、今回の「大当り」の大当り種別が「非確変」である場合には、CPU103は、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。上記のいずれかのカウント初期値の設定後、現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。このようにして、大当り遊技状態の終了後には、大当り種別に応じて、確変状態や時短状態に制御される。また、時短状態は、大当りが発生しな場合には、100回の可変表示が実行されるまで継続される。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理(図10)を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。なお、このとき、表示制御部123Aや表示制御部123Bに初期化を指示する初期化コマンドを送信し、表示制御部123Aや表示制御部123Bを初期化する。例えば、表示制御部123Bの第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれに初期化コマンドを送信し、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれを初期化する。初期化は、例えば、VRAMの記憶内容をクリアすること、VDPなどの内部で設定された情報などをリセットすることなどであり、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDを初期状態(例えば、パチンコ遊技機1の初期設定状態であり、システムリセットが行われた状態など)に戻すことをいう。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファ(RAM122に設けられる。)に格納されている各種の制御コマンドを読み出した後に、その読み出された制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5や副画像表示装置51の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する(ステップS77)。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定(ステップS72)に戻る。
図11は、各演出制御コマンドについてコマンド解析処理にて行われる処理の表を示す図である。表における各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることである。なお、受信フラグや格納領域に格納されるコマンドなどは、適宜のタイミングで適宜クリアされてもよい(例えば、一度受信フラグによってコマンドの受信が確認された場合であって、再度の確認が後の処理にて無い場合などに適宜クリアする)。
演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信しているときには、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。
例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオフ状態で時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグをオフ状態とし、高ベースフラグをオン状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグをともにオフ状態にする。
また、第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信したときには、表示制御部123AのVDP等に対して所定の表示制御信号を伝送するなどして、現在表示中の保留表示図柄の数を、各コマンドが指定する記憶数に応じた数に変化させるようにしてもよい。なお、保留表示図柄の数を減らすのは、後述のステップS171のときであってもよい。
図12は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信したか否か(例えば、各受信フラグがオン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新され、可変表示開始待ち処理は終了する。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
なお、この可変表示開始待ち処理において、飾り図柄の可変表示を開始すると判定していない場合であって、客待ちデモ指定コマンドが送信されると(客待ちデモ指定コマンド受信フラグがオン状態となっている場合)、演出制御用CPU120は、デモ画面表示を行うための制御を行う(このとき、例えば、当該フラグをクリアしてオフする。)。デモ画面表示は、ROM121に記憶されている演出制御パターンなどの各種データを用いて実行される。例えば、演出制御用CPU120は、表示制御部123Aを制御してデモ画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎に当該演出動作制御が繰り返し実行されることで、デモ画面表示の実行が実現する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する。特図表示結果が「ハズレ」のときには、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納された変動パターン指定コマンド)によって指定される変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA1−2)であるか否かを判定する。
非リーチ変動パターンであると判定された場合には、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
非リーチ変動パターンではないと判定された場合(変動パターンが、PA2−1、PB2−1〜PB2−3のとき)には、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。一例として、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたとき(変動パターンが、PA4−1、PB4−1〜PB4−3のとき)には、主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)によって特定される大当り種別に応じて、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。一例として、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)によって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された第1大当り確定図柄決定テーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果としての通常図柄に割り当てられたテーブル)又は第2大当り確定図柄決定テーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果としての確変図柄に割り当てられたテーブル)のいずれかを使用テーブルに設定する。
演出制御用CPU120は、前記で抽出した数値データに基づいて、使用テーブルに設定した第1大当り確定図柄決定テーブル(大当り種別が「非確変」である場合)又は第2大当り確定図柄決定テーブル(大当り種別が「確変」である場合)を参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。例えば、大当り種別が「非確変」である場合には、第1大当り確定図柄決定テーブルを参照して、通常図柄のいずれかを今回の可変表示で揃って導出表示する確定飾り図柄と決定する。例えば、大当り種別が「確変」である場合には、第2大当り確定図柄決定テーブルを参照して、確変図柄のいずれかを今回の可変表示で導出表示する確定飾り図柄と決定する。
なお、例えば、大当り組合せを構成する飾り図柄として揃って導出され得る通常図柄を「6」のみとし、確変図柄を「7」のみとし、大当り種別が「非確変」である場合には、「6」を確定飾り図柄と決定し、大当り種別が「確変」である場合には、「7」を確定飾り図柄と決定するようにしてもよい。なお、このような場合には、リーチ態様を構成する飾り図柄も「6」又は「7」にするようにするとよい。また、非リーチ組合せの飾り図柄が導出表示される場合に、最初に導出表示される飾り図柄も「6」又は「7」にするようにするとよい。また、大当り種別に依らず、確定飾り図柄を共通としてもよい。
確定飾り図柄の決定後、演出制御用CPU120は、今回の変動パターン及び確定飾り図柄などに基づいて、演出制御パターンを使用パターンとして設定する。例えば、前記で決定した確定飾り図柄(最終停止図柄)を最終的に導出表示させる、変動パターンが指定する態様での可変表示中演出を実行させる演出制御パターンを使用パターンとして設定する。例えば、変動パターンがPB4−3であって、最終停止図柄(確定飾り図柄)を「7」とする場合には、スーパーリーチC(例えば、通常モードでのスーパーリーチC)を実行してから最終停止図柄として「7」を揃って導出表示する可変表示演出を実行する演出制御パターンを使用パターンに設定する。
演出制御パターンを使用パターンとして設定するときには、設定され得る全ての演出制御パターン(変動パターン、確定飾り図柄などのそれぞれの各組合せに対応する演出制御パターン)をROM121に記憶させるなどして予め用意して、用意された複数の演出制御パターンのうちから、今回の変動パターン、今回の確定飾り図柄などに対応する演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよいし、基本的な複数の演出制御パターンをROM121に記憶させるなどして予め用意し(例えば、背景の表示に関する演出制御パターンと飾り図柄の可変表示に関する演出制御パターンとを別々に基本の演出制御パターンとして用意するなど)、今回の変動パターン、今回の確定飾り図柄などに応じて基本的な演出制御パターンを組み合わせて、組み合わせた演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよい。
その後、演出制御用CPU120は、例えば今回の変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する変動時間に応じた初期値)を設定する。なお、ここで設定される変動時間は、主基板11側で設定される特図変動時間を同じになる。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う。このときには、例えば使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123Aに対して表示制御信号を供給し、表示制御部123Aによって、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図13は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、現在が副画像表示装置51を用いた演出の実行期間であるかを判定する(ステップS552)。副画像表示装置51を用いた演出の実行期間は、演出制御パターンにおいて規定されていればよい。なお、この実施の形態では、副画像表示装置51を用いた演出は、リーチ演出実行時において実行される。
現在が副画像表示装置51を用いた演出の実行期間である場合(ステップS552;No)、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられた画像表示フラグ(副画像表示装置51を用いた演出の実行時にオン状態となるフラグ)がオン状態であるか否かを判定し(ステップS553)、オン状態でなければ(ステップS553;No)、画像表示フラグをオン状態とし、RAM122の所定領域に設けられたチェック用タイマに初期値を設定する(ステップS555)。チェック用タイマは、保持回路126に対してポーリングを行うタイミングの特定のためのタイマであり、チェック用タイマに設定される初期値は、ポーリングを行う間隔の時間に応じた値である。
画像表示フラグがオン状態である場合(ステップS553;Yes)、又は、ステップS555のあとには、チェック用タイマのタイマ値を1減じ(ステップS556)、1減じたあとのチェック用タイマのタイマ値が0であるかを判定する(ステップS557)。タイマ値が0である場合には(ステップS557;Yes)、ポーリングのタイミングなので、保持回路126の回路H1〜H4が保持情報を保持しているかをチェックし(ポーリングし)、回路H1〜H4それぞれが保持情報を保持しているかを判定する(ステップS559)。
回路H1〜H4のうちの1つでも保持情報を保持していない場合(ステップS559;No)、FSYNC信号が正常に演出制御基板12に入力されない制御ICがあり、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDのいずれか(保持情報を保持していない回路に対応する制御IC)に異常があるため、演出制御用CPU120は、初期化コマンドを、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれに対して送信して、表示制御部123Aの第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDを初期化する。第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDは、初期化コマンドの入力によって初期化の処理を行う。例えば、初期化は、VRAMの記憶内容をクリアすること、VDPなどの内部で設定された情報などをリセットすることなどであり、ステップS71の初期化と同じ内容であればよい(なお、必要に応じて一部異なってもよい。)。なお、この初期化によって、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDは、映像信号の供給する一時停止するので、副画像表示装置51の第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDでは、一定期間、画像が表示されずに真っ暗になる。
回路H1〜H4全てが保持情報を保持している場合(ステップS559;Yes)、FSYNC信号が正常に演出制御基板12に入力されており、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDのいずれにも異常がないため、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに従って、副画像表示装置51を制御する処理(副画像表示装置51を用いた演出を実行する処理)を実行する(ステップS560)。副画像表示装置51を制御する処理では、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データなど)に基づいて、駆動制御基板19に駆動制御信号を供給して、駆動制御基板19を介して駆動機構16を動作させて、副画像表示装置51を上方に移動させる制御(この制御は、特に、副画像表示装置51を用いた演出の開始直後に実行される)や、駆動制御基板19を介して駆動機構16を動作させて、副画像表示装置51を下方に移動させる制御(この制御は、特に、副画像表示装置51を用いた演出の終了間際に実行される)や、表示制御部123Bの第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれに表示制御信号を供給して、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDなどを介して副画像表示装置51の第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDに演出画像(ここでは、リーチ演出の種類を報知する報知画像)を表示させる制御を行う。
ステップS560又はS561のあとは、演出制御用CPU120は、保持回路126の回路H1〜H4が保持する保持情報をクリアし(リセットし)(ステップS562)、ステップS555と同様にチェック用タイマに初期値を設定する(ステップS563)。なお、ステップS562において、保持情報を保持していない回路については、保持情報をクリアする処理を行わなくてもよいし、保持情報の保持の有無に係わらず、保持回路126の回路H1〜H4全てに対して保持情報をクリアする処理を実行してもよい。
チェック用タイマのタイマ値が0でない場合(ステップS557;No)、現在がポーリングのタイミングでないため、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに従って、副画像表示装置51を制御する処理を実行する(ステップS558)。なお、ステップS558は、ステップS560と同様の処理内容であるので説明を省略する。
ステップS563やステップS564のあと、演出制御用CPU120は、副画像表示装置51を用いた演出の実行期間が終了するかを判定する(ステップS564)。副画像表示装置51を用いた演出の実行期間が終了するかは、演出制御パターンにおいて規定されていればよい。終了する場合(ステップS564;Yes)、画像表示フラグ及びチェック用タイマをクリアする(ステップS565)。
ステップS565のあと、副画像表示装置51を用いた演出の実行期間が終了しない場合(ステップS564;No)、現在が副画像表示装置51を用いた演出の実行期間でない場合(ステップS552;No)、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像表示装置5に演出画像を表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う(ステップS566)。ステップS566のあと、可変表示中演出処理は終了する。
タイマ割り込み毎にステップS552、ステップS558やステップS560が繰り返し実行されることで、可変表示中演出(飾り図柄の可変表示、リーチ演出、副画像表示装置51を用いた演出なども含む)の実行が実現する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否か(図柄確定指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否か)を判定する(ステップS571)。このとき、図柄確定指定コマンド受信フラグがオフで図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS571;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS571にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS571;Yes)、例えば所定の表示制御信号を表示制御部123Bに伝送し、表示制御部123Bに、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行わせる(ステップS572)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS573)。
その後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態時に対応した演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新し、特図当り待ち処理を終了する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、特図当り待ち処理を終了する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123Aを制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新して当り中処理を終了する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123Aを制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行って、エンディング処理を終了する。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新して、エンディング処理を終了する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
以上説明したように、この実施の形態では、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDから定期的に出力されるFSYNC信号(FSYNC1〜FSYNC4)のうちの1つでも演出制御基板12に正常に入力されないと、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDは全て初期化される。第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDを初期化すると、表示制御の処理が中断され、副画像表示装51の第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDにおける画像表示が一時中断されるので、第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDに何も表示されない期間(真っ暗になる期間)が発生する。ここで、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDのうち異常のあるもの(FSYNC信号が正常に入力されていない制御IC)についてのみ初期化することを考えると、第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDのうちのいずれかにおける画像表示のみが中断されるので、一部の表示領域のみ真っ暗となる。このような場合、画像表示が不自然なものになってしまう。この実施の形態のように、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDのうちのいずれかに異常があったとしても(一部の制御ICからのFSYNC信号が正常に入力されないことがあったとしても)、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BD全てを初期化することで、表示領域全体が一度真っ暗になるだけ(表示領域全体で画像表示が一時中断されるだけ)なので、一部の表示領域のみ真っ暗となる(一部の表示領域のみ画像表示が中断される場合)よりも、画像表示の不自然さを軽減できる。また、保持情報を保持回路126で保持し、演出制御用CPU120が定期的にポーリングすることによって、FSYNC信号の供給タイミングに、演出制御用CPU120が、当該FSYNC信号が演出制御基板12に正常に入力されたかの判定を行う必要がなくなるので、FSYNC信号の入力タイミングに依存せずに当該FSYNC信号が演出制御基板12に正常に入力されたかの判定を行うことができる。さらに、演出制御用CPU120は、ポーリング後に、回路H1〜H4をリセットするので、前回ポーリングした内容(保持情報)が次回のポーリングにまで残ってしまうことを防止でき、前回の判定に用いられた保持情報に基づいて、FSYNC信号が演出制御基板12に正常に入力されたかの判定が行われてしまうことを防止できる。
この実施の形態では、上記の構成によって、遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、複数の表示部(例えば、第1表示領域51HA〜第4表示領域51HDなど)と、前記複数の表示部それぞれに対して画像を表示させる制御をそれぞれ行う複数の制御手段(例えば、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDなど)と、制御手段を初期化する初期化手段(例えば、演出制御用CPU120及び保持回路126を備える演出制御基板12など)と、を備え、前記複数の制御手段は、それぞれ、所定信号(例えば、FSYNC1〜FSYNC4などのFSYNC信号など)を定期的に出力し、前記初期化手段は、前記複数の制御手段のうちのいずれかからの前記所定信号が正常に入力されなかったときに、前記複数の制御手段を全て初期化する(例えば、ステップS561の処理を実行する演出制御用CPU120など)、遊技機が構成されることになる。
前記の複数の表示部は、上記実施の形態では、1つの表示パネルの中の複数の表示領域から構成されていたが、それ以外のものであってもよい。例えば、1つの表示部は、1つの表示パネル(又は表示装置)から構成されてもよい。また、前記で規定される複数の表示部(初期化手段によって全て初期化される複数の制御手段それぞれによって制御される表示部)は、遊技機が持つ複数の表示部の一部のセットの複数の表示部(例えば、これら表示部が協働して1つの画像を表示する複数の表示部やこれら表示部によって互いに関連する画像(例えば、共通の背景を有する画像やキャラクターが行き来する画像など)を表示する複数の表示部など)であってもよい。例えば、複数の表示領域をそれぞれ有する表示パネルを2つ設け、一方の表示パネルが有する表示領域の少なくとも1つの制御手段が出力する所定信号が初期化手段に制御に入力されなかったときには、初期化手段は、当該一方の表示パネルが有する複数の表示領域それぞれの制御手段それぞれのみを初期化するようにしてもよい。また、このような場合、前記の初期化手段は、2つの表示パネルの全ての表示領域それぞれの制御手段それぞれを初期化するようにしてもよい。
上記実施形態では、前記の複数の表示部が、有機ELパネルから構成されていたが、複数の表示部のうちの少なくとも一部は、液晶パネルなどの他の表示パネルによって構成されてもよい。複数の表示部が複数の表示パネルからなる場合、複数の表示部は、複数の有機ELパネルや複数の液晶パネルなどの表示パネルから構成されてもよいし、種類の異なる複数の表示パネルから構成されてもよい。表示パネルは、例えば、アクティブマトリックスのものであってもよいし、パッシブマトリックスのものであってもよい。また、上記実施形態では、副画像表示装置51が移動可能であるので前記の表示部も移動可能であるが、副画像表示装置51を不動として前記表示部を不動としてもよい(不動とする場合には、副画像表示装置51を遊技者によって視認可能な位置に配置する)。また、上記実施形態では、副画像表示装置51を遊技者が視認不可能な位置(初期位置)から視認可能な位置に移動させていたが、副画像表示装置51の初期位置は、副画像表示装置51の少なくとも一部が遊技者によって視認可能な位置であってもよい。前記の表示部は、上記実施の形態では、実行中のリーチ演出の種類を報知する画像を表示するものであったが、他の画像を表示するものであってもよい。例えば、前記の表示部は、可変表示の大当り期待度、リーチ態様になるか否か、スーパーリーチが実行されるか否か、現在が確変の潜伏モードであるか否か、確定飾り図柄が通常図柄から確変図柄に昇格するか否かなどを予告する予告演出の演出画像を表示するものであってもよい。また、前記の表示部は、時短状態における残りの可変表示の実行可能な回数や、確変状態における残りの可変表示の実行可能な回数(確変状態が所定回数の可変表示の実行によって終了する場合)、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の回数などを表示するものであってもよい(このような場合、各回数は主基板11から演出制御基板12に通知するようにすればよい。)。また、遊技機が所定条件の成立で右打ちさせるものである場合には、前記の表示部は、右打ちを促す画像を表示するようにしてもよい。また、前記の表示部は、演出モードが変化する場合には、現在の演出モードを報知する画像を表示するようにしてもよい。
上記実施形態として、前記の複数の制御手段の例として、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDを示したが、前記の各制御手段は、表示パネルのドライバ回路と、ドライバ回路のコントローラと、のうち少なくともコントローラを含むものであってもよい。例えば、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDは、それぞれ、副画像表示装置51の第1コントローラ51CA〜第4コントローラ51CDそれぞれを有するものであってもよい。このような場合、同期信号は副画像表示装置51に出力されないが、例えば、制御IC内部で同期信号などを発生させ(例えば、VDPの部分とコントローラの部分とで同期をとるための同期信号などを発生させてもよい。)、演出制御基板12などからなる前記の初期化手段に同期信号を定期的に出力するようにすればよい。また、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれの有する機能の一部(例えば、VDPが行う処理の一部を実行する機能など)を副画像表示装置51側に設けてもよい。また、表示パネルに、ドライバ回路が実装されたり、コントローラが実装されたりしてもよい。つまり、表示パネルのパネル上にドライバ回路やコントローラが実装され、表示パネルはドライバ回路やコントローラを有するものであってもよい。なお、この場合には、前記の表示部は、表示パネルのうちの画像を表示する部分としてもよい。前記の制御手段は、表示部に対して画像を表示させる制御(上記実施の形態のようにコントローラやドライバ回路などの所定回路を介して表示部に画像を表示させる制御の他、制御手段がコントローラやドライバ回路を有する場合などにおいて当該制御手段が表示部を直接制御して画像を表示させる直接的な制御も含む)を行い、所定信号を定期的に出力するものであれば、その具体的態様はどのようなものであってもよい(例えば、ワンチップのICチップや、複数のICチップを組み合わせた電子回路や、複数の基板にまたがって搭載された電子回路などとして設けられればよい。上記コントローラやドライバ回路などを含んで制御手段としてもよいし、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDの各制御ICが有する機能の一部を制御手段としてもよい。)。さらに前記の制御手段は、正常に前記の所定信号が前記の初期化手段に入力されないとき(制御手段の異常時)に前記の初期化手段によって少なくとも一部が初期化されることによって、例えば、正常な画像表示が再開されるもの(つまり、制御手段の制御による正常な画像表示が再開されるもの)であればよい。初期化手段による制御手段の初期化は、当該制御手段を構成する初期化可能な全ての電子部品(ICチップなど)についてなされてもよいし、初期化可能な電子部品のうちの一部の電子部品についてなされてもよく、当該初期化は、初期化によって制御手段が正常に動作可能(正常な画像表示が可能)となる電子部品(ICチップなど)についてなされればよい。
前記の初期化手段による初期化は、その実施態様に応じて、ハードウェアを初期化すること(例えば、VRAMをクリアすることのほか、VDPなどが内部状態レジスタを有する場合の当該内部状態レジスタを強制的に初期状態に戻すことなど)と、ソフトウェアを初期化すること(ソフトウェアを初期状態にすることなど)とのうちの少なくともいずれかを含むものであればよい。また、前記の初期化手段による初期化は、上記実施の形態では、初期化コマンドの送信によって行われていたが、例えば、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれにリセット用の端子を設け、当該端子にHigh信号を供給すると、各制御ICが初期化されるようにしてもよい。また、前記の初期化手段による初期化は、パチンコ遊技機1の電源投入時や第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDのうちの少なくともいずれかの異常時(所定信号が正常に入力されないとき)の他、電源投入後に定期的に行われるようにしてもよい。例えば、ソフトウェアリセットを変動開始時及び/又は副画像表示装置51を用いた演出の実行開始時に毎回行い、ハードウェアリセットをデモ表示開始時などに行ってもよい。ソフトウェアリセットを前記のタイミングに加え又は代えてデモ表示開始時に行い、ハードウェアリセットを前記のタイミングに加え又は代えて変動開始時及び/又は副画像表示装置51を用いた演出の実行開始時に毎回行ってもよい。
前記の所定信号は、定期的に出力される信号であって、制御手段が異常のときには、定期的に(つまり正常に)出力されない信号であればよいので、水平同期信号や垂直同期信号などであってもよいし、前記制御手段が定期的に出力する所定のクロック信号など(制御手段が正常のときには定期的に出力される信号)であってもよい。所定信号は、同期信号以外の信号であってもよい。なお、定期的に出力される信号とは、一定間隔で出力される信号の他、予め定められた法則で変化する間隔ごとに出力される信号(例えば、信号出力の間隔が0.1msecと0.2msecとで交互に変化する信号などであり、予め定められた法則で変化する出力周期で出力される信号など)であってもよい。定期的に(つまり正常に)出力されないとは、所定信号の出力が途絶えたときや所定信号の出力周期が予め定められたもの(前記の「定期的」の周期)から変わったときなどを含む。
上記実施の形態では、保持回路126を設けて、保持回路126に対してポーリングを行うことによって、前記の初期化手段に前記の所定信号が正常に入力されたこと(例えば、所定信号が予め定められている出力周期(具体的には制御手段が正常であるときの出力周期)などで定期的に入力されたこと(例えば、制御手段の所定信号の出力周期と実質的に同じ周期で定期的に所定信号が入力されたこと)であり、所定信号の出力が途絶えたときや所定信号の出力周期が予め定められたもの(前記の「定期的」の周期)から変わったときなどは入力が異常となる。)を判定していたが、FSYNC信号が入力される入力ポートI1〜I4を、FSYNC信号が供給されたときにその旨の情報がセット可能なポートとしてもよく、このような場合には、保持回路126を省略して、演出制御用CPU120は、入力ポートI1〜I4に対してポーリングを行ってもよい。なお、ポーリングや制御手段の初期化は、所定のタイマによるタイマ割り込み(例えば、0.1msecごとのタイマ割り込みなど)によって行われてもよい。また、ポーリングや制御手段の初期化を実行するものとして、演出制御用CPU120を例示したが、例えば、他のCPUなどによって、ポーリングや制御手段の初期化を実行してもよい。例えば、副画像表示装置5の表示制御を行う演出制御用CPU120とは別個のCPUを設け、当該CPUがポーリングや初期化を実行してもよい。また、ポーリングと初期化とを別々のCPU(又は、他の電子回路など)によって行うようにしてもよい。例えば、第1のCPU(例えば演出制御用CPU120)などがポーリングを行い、保持情報がない場合には第1のCPUなどが第2のCPUなどに初期化を指示し、第2のCPUなどが初期化を実行するようにしてもよい。前記の初期化手段が、前記複数の制御手段のうちのいずれかからの前記所定信号が正常に入力されなかったことを検出するのに、上記実施の形態では、ポーリングを用いているが、他の方法によって当該検出を行ってもよい。例えば、ポーリング以外の方法で、保持回路126や入力ポートI1〜I4を監視して、前記複数の制御手段のうちのいずれかからの前記所定信号が正常に入力されなかったことを検出してもよい。なお、監視の一態様がポーリングである。また、前記の初期化手段は、監視以外の方法で当該検出を行っても良い。例えば、所定信号が演出制御基板12に入力されるたびに、演出制御用CPU120などが割り込み処理を実行して、前記複数の制御手段からの前記所定信号がそれぞれ正常に入力されたかを判定することで、前記複数の制御手段のうちのいずれかからの前記所定信号が演出制御基板12に正常に入力されなかったことを検出してもよい。また、上記実施の形態では、前記の制御手段の一例である第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDは、初期化手段の一例である演出制御基板12とは別基板に搭載されていたが、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDを演出制御基板12に搭載するようにしてもよい。このような場合、初期化手段は、演出制御用CPU120及び保持回路126(または、FSYNC信号が入力されて情報がセットされる上記の入力ポートなど)などになり(監視を用いない場合には、初期化手段は、演出制御用CPU120などのCPUのみからなってもよい。)、制御手段は、演出制御基板12に搭載された第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDなどになる。
上記の構成によれば、前記初期化手段は、前記複数の制御手段のうちのいずれかからの前記所定信号が正常に入力されなかったときに、前記複数の制御手段を全て初期化するので、複数の表示部での各表示が同じ態様で通常の表示とは異なる表示(例えば、真っ暗)となるので、複数の表示部での表示の不自然さを軽減することができる。
なお、上記の実施の形態では、前記の所定信号が正常に入力されなかったことを検出したすぐ後に前記の初期化手段による初期化が行われているが、初期化は所定期間経過後であってもよい。例えば、当該検出後の次の飾り図柄や特別図柄の可変表示開始後や、当該検出が前記の表示部を用いた演出の実行中であれば当該演出の実行終了時であってもよいし、当該検出後の次の演出の実行開始時に初期化を行ってもよい。このような場合であっても、複数の表示部での表示の不自然さを軽減することができる場合がある。但し、異常の発生時における可変表示や演出の表示が通常のものから変わってしまい、異常な表示が行われてしまうことがあるが、初期化時における複数の表示部での表示の不自然さは軽減することができる。また、画像表示の切れ目(例えば、演出が切り替わるタイミングなどであり、異常がない場合でも画像表示が行われないタイミング)で初期化することもでき、複数の表示部での表示の不自然さを軽減することができる。なお、画像表示の切れ目(通常でも画像表示が行われないタイミング)で初期化する場合には、初期化手段は、正常に入力されなかった所定信号を出力する制御手段のみを初期化してもよい。
また、上記の実施形態では、ポーリングを副画像表示装置51による演出実行期間(表示部における画像の表示期間)において行っていたが、ポーリングなどの、前記の所定信号が正常に入力されなかったことの検出は、副画像表示装置51による演出実行期間などの、前記の表示部による画像表示以外の期間でも行われても良い。例えば、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDなどの制御手段は、前記の所定信号を常に出力し、初期化手段は、当該所定信号が正常に入力されなかったことの検出(ポーリングなど)を常に行い、正常に入力されたかったことを検出したときに初期化してもよい(検出直後に初期化してもよいし、前記のように検出タイミングから所定期間経過後に初期化してもよい)。これによって、例えば、異常な状態での制御手段の制御によって表示部の画像表示が開始されてしまうことを防止できる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記初期化手段は、前記複数の制御手段それぞれが出力する前記所定信号がそれぞれ入力され、当該所定信号が入力されたときに当該所定信号が入力されたことを示す情報(例えば、保持情報など)を保持する複数の保持手段(例えば、保持回路126の回路H1〜H4など)を備え、前記複数の保持手段それぞれが前記情報を保持しているかを定期的に監視(例えばポーリング)し、いずれかの前記保持手段が前記情報を保持していないときに前記複数の制御手段を全て初期化する(例えば、ステップS561の処理を実行する演出制御用CPU120など)、ようになっている。
上記の構成によれば、所定信号の入力タイミングに依存しないで、所定信号が正常に入力されているかの判定を行え、これによって、所定信号が正常に入力されなかったときの初期化を行える。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記初期化手段は、前記複数の制御手段それぞれが出力する前記所定信号がそれぞれ入力され、当該所定信号が入力されたときに当該所定信号が入力されたことを示す情報(例えば、保持情報など)を保持する複数の保持手段(例えば、保持回路126の回路H1〜H4など)と、前記保持手段が保持する前記情報を消去する情報消去手段(例えば、ステップS562の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、をさらに備え、前記初期化手段は、前記複数の保持手段それぞれが前記情報を保持しているかに基づいて、前記複数の制御手段を全て初期化し(例えば、ステップS561など)、前記情報消去手段は、前記初期化手段が前記複数の制御手段を全て初期化したときに、前記情報を保持する前記保持手段に対して前記情報を消去する処理を行う(例えば、ステップS562など)、ことになる。
上記構成によれば、過去の情報に基づいて、所定信号が正常に入力されているかの判定が行われて、実際は正常でないのに、所定信号が正常に入力されたと誤認してしまうことを防止できる。
この発明は、上記実施の形態などについて、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
(変形例1)
初期化手段は、複数の制御手段のうちの一部の制御手段であって、少なくとも2つの制御手段からの所定信号が正常に入力されなかったときに、複数の制御手段を全て初期化するものであってもよい。例えば、演出制御用CPU120は、保持回路126の回路H1〜H4をポーリングして、2つの回路において保持情報が保持されていないときに、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDを全て初期化するようにしてもよい。
(変形例2)
上記の実施形態では、FSYNC信号などの定期的に出力される信号によって各第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDの異常を検出していたが、他の方法で、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれの異常を確認し、少なくとも1つの制御ICについて異常を検出した場合に、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれを初期化してもよい。例えば、演出制御用CPU120は、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれに問い合わせ(所定の情報の供給)を行い、返答(前記所定の情報に対応する情報(所定の情報と同じであってもよい)の供給)が所定期間内になければ、返答がなかった制御ICについて異常があったと判定し(異常の検出)、第1制御IC123BA〜第4制御IC123BDそれぞれを初期化してもよい。このように、遊技機を、遊技を行う遊技機であって、複数の表示部と、前記複数の表示部それぞれに対して画像を表示させる制御をそれぞれ行う複数の制御手段と、制御手段を初期化する初期化手段と、を備え、前記初期化手段は、前記複数の制御手段のうちのいずれかに異常が発生したときに(例えば、前記複数の制御手段のうちのいずれかについての異常を検出したとき)、前記複数の制御手段を全て初期化する、遊技機としてもよい。
(変形例3)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例4)
上記実施形態における技術思想は、遊技を行うための遊技機全般に適用できる。例えば、遊技媒体として遊技球を遊技領域に発射して所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となるパチンコ遊技機1に限定されず、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機に適用することもできる。より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされたスロットマシンにも適用できる。例えば、スロットマシンが、複数の表示部(表示領域など)と、前記複数の表示部それぞれに対して画像を表示させる制御をそれぞれ行う複数の制御手段(表示制御ICなど)と、前記複数の制御手段を初期化する初期化手段(初期化を行うCPUや保持回路、入力ポートなど)と、を備える場合に、本発明を適用できる。
(変形例5)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
6A … 普通入賞球装置
6B … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104、124 … 乱数回路
105、125 … I/O
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御基板
123A … 第1表示制御部
123B … 第2表示制御部

Claims (1)

  1. 遊技を行う遊技機であって、
    複数の表示部と、
    前記複数の表示部それぞれに対して画像を表示させる制御を行う複数の制御手段と、
    前記制御手段を初期化可能な初期化手段と、を備え、
    前記複数の制御手段は、それぞれ、所定信号を定期的に出力し、
    前記初期化手段は、
    前記複数の制御手段それぞれが出力する前記所定信号のそれぞれに対応して所定信号が入力されたことを示す情報を保持する複数の保持手段を備え、
    前記複数の保持手段のそれぞれについて前記情報を保持しているかを定期的に監視し、いずれかの前記保持手段が前記情報を保持していないときに前記複数の制御手段を全て初期化する、
    ことを特徴とする遊技機。
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