まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、後述する演出ユニット300が設けられている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1の状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下操作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、図18〜図21に基づいて、演出ユニット300について説明する。図18は、(A)は第1可動体の第1動作を示す正面図、(B)は第1可動体の第2動作を示す正面図である。図19は、(A)は第1可動体ユニットを斜め前側から見た分解斜視図、(B)は第1可動体ユニットを斜め後ろ側から見た分解斜視図である。図20は、第1可動体の第1動作を側方から見た概念図である。図21は、図18(B)のA−A断面図である。
図1に示すように、演出ユニット300は、第1可動体302を備える第1可動体ユニットと、第2可動体402L,402Rを備える第2可動体ユニットと、第3可動体502を備える第3可動体ユニットと、から主に構成されている。尚、第2可動体402L,402Rは、例えば、図示しない駆動モータやギヤなどから成る第4駆動機構406(図2参照)により、演出表示装置5の前側に出現する演出状態と、演出表示装置5の前側から退避する退避状態に変化可能である(図示略)。尚、第3可動体502は、例えば、図示しない駆動モータやギヤなどから成る第5駆動機構505(図2参照)により、演出表示装置5の前側に出現する演出状態と、演出表示装置5の前側から退避する退避状態に変化可能である(図示略)。
図18に示すように、第1可動体ユニットは、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間に設けられ、正面視略下向きコ字形に形成されるベース部301と、第1可動体302と、から主に構成されている。第1可動体302は、第1駆動機構303(図2参照)により該ベース部301の上部の第1位置(図18(A)参照)と該第1位置よりも下方の第2位置(図18(B)参照)とに移動可能である。また、第1可動体302は、第2駆動機構304(図2参照)により後述する回動中心Pを中心に回動可能である(図20参照)。また、第1可動体302は、第3駆動機構305(図2参照)により突出体370を第1可動体302内に収納される収納状態と、第1可動体302から突出する突出状態と、に変化可能である(図20及び図21参照)。
第1可動体ユニットにおけるベース部301は、上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cにより下向き略コ字形に形成され、各上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cが演出表示装置5の表示画面の各辺に沿うように表示画面の外側に配設されている。
また、上辺部301aの前面側には、第1可動体302の背面側に配置される装飾体380が取付けられており、装飾体380は、第1可動体302が第1位置にある状態、及び突出体370が突出した突出状態(図18(B)及び図21)において、突出体370の背面側の周囲を装飾するようになっている。言い換えれば、装飾体380は、遊技者(前方側)から見て第1可動体302の奥側に設けられている。尚、図18(A)の実線部分は、第1可動体302が第1回動状態となっており、図18(A)の仮想線部分及び図18(B)は、第1可動体302が第2回動状態となっている。つまり、第1回動状態は、第1可動体302の回動状態における初期状態であり、第2回動状態は、第1可動体302の回動状態における展開状態である。
第1駆動機構303は、ベース部301の左側辺部301b及び右側辺部301cの前面に配設される案内軸306L,306R(図22〜図25参照)を有し、左側辺部301b及び右側辺部301cには、案内軸306L,306Rを前面側から覆うように固定されるカバー部材307L,307R(図18及び図19参照)が設けられており、案内軸306L,306Rが遊技者から視認し難くなっている。
案内軸306L,306Rは、左側辺部301b及び右側辺部301cの前面上部に固定される上軸受部と、カバー部材307L,307Rの後面下部に設けられる下軸受部と、により上下方向を向く軸心周りに回転可能に軸支されている。案内軸306L,306Rの周面には、凹状の溝部が螺旋状に形成されている。
また、図22〜図25に示すように、第1駆動機構303は、案内軸306L,306Rを図示しないギヤなどを介して回転駆動させる昇降用モータ308L,308Rを備えており、昇降用モータ308L,308Rを駆動させることにより案内軸306L,306Rが軸心周りに回転する。また、案内軸306L,306Rの溝部には、第1可動体302から左右方向に延びるアーム309L,309Rの凸部が嵌合しており、案内軸306L,306Rが回動することにより該案内軸306L,306Rに沿って第1可動体302が上下に昇降移動するようになっている。
尚、昇降用モータ308L,308Rは、パルス信号に応じて所定角度回転する所謂ステッピングモータであり、演出制御用CPU120は、昇降用モータ308L,308Rに送信するパルス信号により第1可動体302の位置制御を行う。具体的には、演出制御用CPU120は、第1可動体302を第1位置から第2位置まで移動するのに昇降用モータ308L,308Rを何ステップ分駆動させればよいかを把握している。つまり、駆動ステップ数により第1可動体302が第1位置または第2位置に移動したことを特定できるようになっている。尚、第1駆動機構303は、下方位置検出スイッチ313、中間位置検出スイッチ314、上方位置検出スイッチ315を備えているため、これらを用いて第1可動体302の位置を制御することもできる。
更に、第1駆動機構303は、左側辺部301b及び右側辺部301cの上部に設けられ、第1可動体302を装飾体380と前後方向に重畳する位置(第1位置)に保持するための演出用ソレノイド318L,318R(図2参照)を備えている。
尚、演出用ソレノイド318L,318Rは、オフの状態時には、演出用ソレノイド318L,318Rに設けられた係止部材がアーム309L,309R側に係止して第1可動体302を第1位置に保持でき、該第1位置での第1回動状態において振動等により落下及び回動してしまうことを抑制することができる。また、演出用ソレノイド318L,318Rがオンの状態時には、前記係止部材がアーム309L,309R側から退避するようになっており、第1可動体302と前記係止部材との係止状態を解いて第1可動体302を第2位置に移動可能な状態とすることができる。尚、第1可動体302は、例えば、定荷重バネ等により上方に付勢され、第1位置での保持状態や、第1位置及び第2位置間の昇降移動等が補助されるようになっていてもよい。
尚、ここでは、案内軸306L,306Rにより第1可動体302が昇降移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ラックピニオン等の他の昇降機構により第1可動体302が昇降移動するようにしてもよい。
図18及び図19に示すように、第1可動体302は、断面視略矩形状を成す箱状部302Aと、前述したアーム309L,309Rと、を有しており、アーム309L,309Rと箱状部302Aとは相対的に回動可能となっている。第1回動状態における箱状部302Aの背面は、第2回動状態において上方を向く回動面となっており、この回動面は、開閉可能な蓋部材319により構成されている(図21参照)。尚、蓋部材319は、左右方向に延びる軸部により回動可能に軸支されている。尚、蓋部材319の回動可能範囲は、箱状部302Aに設けられた図示しないストッパ部により90度未満となっている。
第2駆動機構304は、例えば、アーム309L,309Rのいずれか一方または両方に取付けられる回動用モータ350と、回動用モータ350の駆動力を箱状部302Aに伝えるギヤと、第1可動体302の第1回動状態を検知する初期位置スイッチ351と、第1可動体302の第2回動状態を検知する展開位置スイッチ352と、を備えており、回動用モータ350によりアーム309L,309Rに対して箱状部302Aが回動するようになっている。
尚、回動用モータ350は、パルス信号に応じて所定角度回転する所謂ステッピングモータであり、演出制御用CPU120は、回動用モータ350に送信するパルス信号により第1可動体302の回動制御を行う。尚、初期位置スイッチ351と展開位置スイッチ352とを備えているため、これらを用いて第1可動体302の回動状態を制御することもできる。
図21に示すように、箱状部302Aの内部には、突出体370が設置されている。この突出体370は、第1演出部材375と、第2演出部材376と、第3演出部材377と、を備えており、第1演出部材375、第2演出部材376、及び第3演出部材377は、箱状部302Aから外側に突出する方向にスライド可能となっている。
突出体370は、第3駆動機構305により収納状態と突出状態とに変化可能である。第3駆動機構305は、例えば、伸縮可能なパンタグラフ機構と、該パンタグラフ機構に対してギヤ等を介して駆動力を与える突出用モータ360と、突出体370が収納状態時に検知する収納位置スイッチ361と、突出体370が突出状態時に検知する突出位置スイッチ362と、突出用モータ360の駆動力を箱状部302Aの蓋部材319に伝える開閉機構(例えば、ラックギヤや回動アーム等)と、備えている。
第1可動体302は、突出用モータ360の駆動により開閉機構を介して箱状部302Aの蓋部材319が開放されるとともに、パンタグラフ機構が伸長して第1演出部材375、第2演出部材376、及び第3演出部材377を箱状部302Aから外側に突出するようにスライドさせるようになっている。
尚、突出用モータ360は、パルス信号に応じて所定角度回転する所謂ステッピングモータであり、演出制御用CPU120は、突出用モータ360に送信するパルス信号により突出体370の突出動作制御を行う。また、初期位置スイッチ351と展開位置スイッチ352とを備えているため、これらを用いて第1可動体302の回動状態を制御することもできる。
次いで、図20及び図21を用いて第1可動体302の第1動作と第2動作とを説明する。図20に示すように、第1可動体302を第1位置から第2位置に移動させる際には、下降途中において、蓋部材319が背面側に配置された第1回動状態から蓋部材319が上方に配置された第2回動状態へと変化させる。このときには、第1可動体302を前方側に約92度回転させる。すなわち、第2回動状態に変化した第1可動体302は、蓋部材319が前方側へ約2度傾くこととなる。尚、第2回動状態に変化した第1可動体302は、回動用モータ350が励磁され第1可動体302が回動停止状態に維持されることで、蓋部材319が前方側へ約2度傾いた状態が保持される。また、第1可動体302を第2回動状態に変化させた際には、回動中心Pよりも後方側に第1可動体302の重量部(例えば、第3駆動機構305等)が位置することとなる。
そして、図21に示すように、突出体370が収納状態から突出状態へ変化したとき(突出体370が箱状部302A内から突出したとき)には、突出した突出体370は、その一部(例えば、第2演出部材376及び第3演出部材377)が遊技者から見て装飾体380の前側に視認可能に重畳するとともに、突出体370が前方側に約2度傾倒するようになる。すなわち、突出体370は、装飾体380と反対側(装飾体380から離れる方向)に傾倒するため、突出体370が収納状態から突出状態へ突出した際に突出体370の先端側(上端側)が第1可動体302の回動方向に揺れ動くことがあっても装飾体380に接触しにくく、突出体370や装飾体380の破損等を抑制することができる。
さらに、第1可動体302は前方側に約2度傾倒することに加え、前述のように蓋部材319の回動可能範囲が90度未満となっているため、突出体370が突出状態へ変化する際に開放される蓋部材319が装飾体380に接触することを回避できる。
詳しくは、突出体370が収納状態から突出状態へ変化したときの箱状部302Aからの該突出体370の突出寸法L30は、突出状態における箱状部302Aの上下の寸法L20よりも長くなっている(L20<L30)。さらに、第1演出部材375、第2演出部材376及び第3演出部材377は、収納状態において前後に重畳して配置されているため、突出状態において漸次前方側に向かうように突出される。尚、突出体370は、突出しても前方側のガラス窓50aに該突出体370の先端が当接しないようになっている。すなわち、第1可動体302は、突出状態において重心バランスが不安定であり、回動中心Pを中心として前方側に回動し易くなっている。
しかしながら、前述のように、突出状態にあっては、回動用モータ350の励磁により第1可動体302が回動停止状態に維持されるとともに、第1可動体302の重量部が第1可動体302の回動中心Pよりも後方側に位置しているため、第1可動体302には、後方側に回転しようとする力が働き、突出体370が前方側へ傾倒しようとする力とバランスが取れ、第1可動体302の回動を抑制できる。
さらに、箱状部302Aが回動停止していてもパンタグラフ機構の先端側が揺動し易くなっているとともに、突出体370の突出寸法L30は、突出状態における箱状部302Aの上下の寸法L20よりも長くなっているため、突出体370の先端が前後に揺動しやすいが、突出体370の先端の前後には所定の空間が形成されているため、突出体370の先端が装飾体380やガラス窓50aに当接し難くなっている。
このように構成された第1可動体302は、第1動作により、第1位置と第2位置との間で移動可能、かつ、回動可能であるとともに、第2位置において、第2動作により突出体370を収納状態から突出状態に変化可能に設けられている。
ここで、図22〜図25に基づいて、後述するスーパーリーチβ大当り変動パターンに基づく変動表示において演出制御用CPU120が実行する可動体演出について説明する。
演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示において可動体演出を実行する場合、第1可動体302を下降動作(第1動作)により第1位置に位置する第1状態から第2位置に向けて移動し、下降途中で第1回動状態から第2回動状態に変化させながら第2位置に位置する第2状態に変化させた後、その状態で待機させる。そして、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、または、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bのいずれの操作も受付けることなく操作有効期間が経過したとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる第1動作制御を実行し(図22〜図24参照)、変動表示結果が大当りであることを報知する第1演出パターンに基づく可動体演出を実行可能である。
一方、はずれ変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させることなく第2状態を維持し、変動表示結果がはずれであることを報知する第2演出パターンに基づく可動体演出を実行可能である。その後、第1可動体302を上昇動作により第2位置から第1位置に復帰させる復帰動作制御を実行し、第1可動体302が第1位置に復帰した後、可動体演出を終了する。
また、演出制御用CPU120は、可動体演出を実行する場合において、救済演出を実行可能である(図25参照)。救済演出とは、一旦、変動表示結果がはずれであることを報知する第2演出パターンに基づく演出を実行した後、変動表示が終了するまでに変動表示結果が大当りであることを報知する第3演出パターンに基づく演出である。
具体的には、第1可動体302を第2位置まで移動させた後、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、または、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bのいずれの操作も受付けることなく操作有効期間が経過したときに、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態へ変化させることなく第2状態を維持し、変動表示結果がはずれであることを報知するが、復帰動作制御を実行しているときに救済演出の開始タイミング(以下、救済タイミングと言う)になった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御を実行することにより、変動表示結果が大当りであることを報知する。その後、復帰動作制御を実行し、第1可動体302を第1位置に復帰させて救済演出を終了する。
ここで、本実施例における可動体演出の演出態様の一例を図22〜図25に基づいて説明する。図22は、(A)〜(D)は第1可動体が第1位置から第2位置に移動する流れを示す説明図である。図23は、(A)〜(D)は突出体が収納状態〜突出状態、突出状態〜収納状態となる流れを示す説明図である。図24は、(A)〜(D)は第1可動体が第2位置から第1位置に移動する流れを示す説明図である。
先ず、図22(A)に示すように、演出制御用CPU120は、例えば、所定の変動表示中においてリーチ状態を成立させた後、スーパーリーチ演出を開始する。このとき、第1可動体302は、第1回動状態で第1位置に配置されている。尚、ここでは、理解を助けるために、第1回動状態において前方を向く面をA面とし、第1回動状態において上方を向く面をB面として説明する。
図22(B)に示すように、演出制御用CPU120は、スーパーリーチ演出の実行中における所定タイミングにおいて、第1可動体302を第1位置から第2位置に向けて下降移動させる第1動作を開始する(可動体演出開始)。このとき、第1可動体302は、A面が遊技者(正面側)を向くように励磁されながら第2位置に下降移動する。
第1可動体302が第1位置から第2位置に向けて所定距離移動すると、図22(C)に示すように、第1位置と第2位置との途中位置にて、下降しながら第1回動状態から第2回動状態に変化する。このときには、第1可動体302が装飾体380よりも下方に位置しているため、第1可動体302が回動しても装飾体380に接触することが無い。
そして、図22(D)に示すように、第1可動体302は、第2位置に到達すると下降移動が停止されるとともに、第2回動状態となり回動が停止される。すなわち、第1可動体302の第1動作が完了する。このとき、第1可動体302は、A面が下側を向き、B面が遊技者(正面側)を向いた状態を維持するように励磁されるとともに、B面は2度程度前方に傾斜している。
次いで、図23(A)に示すように、演出制御用CPU120は、演出表示装置5にスティックコントローラ31Aの操作を促す操作促進画像を表示して操作有効期間を開始する。詳しくは、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の表示画面において、該表示画面の前面側である第2位置に配置されている第1可動体302と、該第1可動体302の原点位置に対応する位置である演出表示装置5の上部に配置された装飾体380と、の間から遊技者が視認可能な表示位置に操作促進画像を表示する。尚、本実施例では、第1可動体302と装飾体380との間に操作促進画像を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5の表示画面において、表示画面の前面側に配置されている第1可動体302との重畳する重畳領域以外の領域(非重畳領域)に表示させるようにしてもよい。
そして、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作受付期間中に該スティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付ける(検出する)と、図23(B)に示すように、蓋部材319を開放状態とし、図23(C)に示すように、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる。このとき、突出体370は前方側に2度程度傾斜した状態で突出する。そのため、突出体370と装飾体380との間の空間を大きくとれるため、突出した勢いなどで第1可動体302が後方側に傾斜したとしても、突出体370と装飾体380とが接触することを抑制できる。
その後、図23(D)に示すように、突出体370が突出状態に変化してから所定期間が経過したときに、収納動作(復帰動作)により突出体370を突出状態から収納状態に変化させ、突出体370を第1可動体302内に収納し、蓋部材319を閉塞状態とする。
次いで、図24(A)に示すように、第1可動体302を復帰動作により第2回動状態から第1回動状態となるように回動させながら第2位置から第1位置に向けて上昇移動させる。第1可動体302が第1回動状態となると、その回動の勢いや蓋部材319の自重により後方側に傾斜するようになる。このとき、傾斜した蓋部材319の端部319bは、装飾体380の下方側の位置で該装飾体380よりも後方側に位置する(第3回動状態)。蓋部材319の端部319bは、また、第1可動体302のA面が遊技者(正面側)を向き、A面が遊技者(正面側)を向いた状態を維持するように励磁される。
次いで、第1可動体302の蓋部材319が装飾体380に到達する前に前方側に所定角度傾斜させ、少なくとも傾斜した蓋部材319の端部319bが装飾体380よりも前方側に位置させる(第4回動状態)。このとき、蓋部材319は、第1可動体302の回動の勢いにより閉塞状態となる。そして、図24(B)に示すように、第1可動体302が装飾体380の下端部を越えて第1位置の近傍に到達すると、第1可動体302が第1回動状態に復帰する。これにより、第1可動体302が第1回動状態に復帰時に蓋部材319が後方側に傾斜したとしても、装飾体380によりそれ以上の後方側への傾斜が規制される。そして、演出表示装置5に揃い図柄を表示し、可動体演出を終了する。
次に、可動体演出における救済演出の一例を図25に基づいて説明する。図25は、(A)〜(G)は救済演出の一例を示す説明図である。
図25(A)に示すように、演出制御用CPU120は、第1可動体302の第1動作を実行した後、演出表示装置5にスティックコントローラ31Aの操作を促す操作促進表示画面を表示して操作有効期間を開始する。そして、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、または、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bのいずれの操作も受付けることなく操作有効期間が経過したとき、図25(B)に示すように、突出体370を突出状態に変化させることなく、演出表示装置5にはずれを示す画像(残念…)を表示する。
次いで、図25(C)に示すように、第1可動体302を第2回動状態から第1回動状態となるように回動させながら第2位置から第1位置に上昇移動させる。そして、第1可動体302が第2位置から第1位置に上昇移動している途中で救済タイミングになった場合、図25(D)に示すように、第2位置と第1位置の間の途中位置で第1可動体302の上昇を停止する。
次いで、図25(E)に示すように、途中位置から第1可動体302を第1対応動作により、第1回動状態から第2回動状態となるように回動させながら第2位置に向けて再び下降動作させる。そして、第1可動体302が第2位置に到達したときに下降を停止して、図25(F)に示すように、蓋部材319を開放状態とし、突出体370を第2動作により収納状態から突出状態に変化させる。その後、突出体370を第1可動体302内に収納し、図25(G)に示すように、第1可動体302を第2回動状態から第1回動状態となるように回動させながら第2位置から第1位置に向けて上昇させて第1位置において停止するとともに、演出表示装置5に揃い図柄を表示し、救済演出を終了する。尚、可動体演出における演出制御用CPU120の詳細な制御内容については後述する。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9、後述する昇降用モータ308L,308R、回動用モータ350、突出用モータ360、下方位置検出スイッチ313、中間位置検出スイッチ314、上方位置検出スイッチ315、演出用ソレノイド318L,318R、初期位置スイッチ351、展開位置スイッチ352、収納位置スイッチ361、突出位置スイッチ362といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5の表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。
また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、制御を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。各種演出制御パターンテーブルに記憶されているように、大当り遊技状態などに制御されている期間における各種の演出制御の内容を示すパターンデータに加えて、演出制御用CPU120が各種の演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを構成するパターンデータが、予め複数種類記憶されている。こうした演出制御パターンとしては、例えば、図柄変動制御パターンテーブル(図示略)に示す図柄変動制御パターンや、予告演出制御パターンテーブル(図示略)に示す予告演出制御パターン(図示略)などが含まれていればよい。
図柄変動制御パターンは、演出図柄の変動表示が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置5の表示領域での演出図柄の変動表示動作に関する制御内容を示すパターンデータなどから構成され、演出図柄の変動パターンに対応して予め複数用意されたものであればよい。また、パチンコ遊技機1における昼モード、夕暮れモード、夜モード等の複数種類の演出モード(ステージ)に対応して、互いに異なる図柄変動制御パターンが用意されてもよい。こうした複数の図柄変動制御パターンはそれぞれ、最終停止図柄となる確定演出図柄や変動表示中に仮停止表示される仮停止図柄などを用いて行われる演出図柄の変動表示において、演出図柄の表示位置や大きさ、演出図柄の変動方向や変動速度などのタイムスケジュールを規定していればよい。ここで、最終停止図柄や仮停止図柄などは、主基板11から演出制御基板12へと伝送された変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンなどに基づいて、変動表示の開始時に決定されるものであればよい。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
音声制御基板13(または音声制御基板13に構成される音声合成用IC)は、デコーダ(図示略)、音声データROM(図示略)、出力I/F(インタフェース、図示略)等から構成される。この他、音声制御基板13は、各種の音を発生する音源回路や処理タイミングを決定するためのクロックを発生するタイミング発生回路等を備えてもよい。なお、スピーカ8L,8Rが音出力手段として機能するとともに、音声制御基板13が音制御手段として機能する例を説明したが、これに限られない。例えば、音制御手段の機能を演出制御基板12で構成しても、演出制御基板12と音声制御基板13とで構成してもよい。また、音声制御基板13をスピーカ8L,8Rに組込み、スピーカユニットとして構成してもよい。
デコーダ(図示略)は、演出制御基板12(演出制御用CPU120)からの命令(コマンド)により、圧縮された音声データを音声データ(図示略)から読み出し、読み出した音声データをデコード(復号化、伸張)する。デコーダ(図示略)は、音声の再生チャンネルとして32チャンネル(再生チャンネル0〜31)を備え、独立した32種類の音声を同時再生可能である。尚、この実施例では、ステレオ音声を出力するために2つずつチャンネルがペアになっており、16種類のステレオ音声を同時に再生可能になっている。つまり、演出制御基板12は、コマンドを音声制御基板13に送信するだけで、所定の再生設定(1回再生、リピート再生など)で音声を再生チャンネルで再生することが可能であり、音声制御基板13に音声データを送信する必要も、再生設定の情報を送信する必要がない。
音声データROM(図示略)は、演出等に使用する音声の音声データを圧縮して記憶する。尚、音声データは演出制御基板12のROMや他の記憶装置に記憶されていてもよい。出力インタフェース(図示略)は、デコーダ(図示略)の各チャンネルにおいてデコード・再生された音声データをミックスする。そして、ミックスした音声データ(デジタルデータ)をアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してスピーカ8L、8Rから出力する。スピーカ8L、8Rから出力される音量は、予め定められた音量設定によって決められている。
本実施例では、例えば、通常変動音やリーチ中背景音等の再生には再生チャンネル0,1が使用され、可動体の動作音(例えば、後述する第1演出音(第3演出音)、第2演出音など)等の再生には再生チャンネル2が使用され、先読み演出としての保留変化音の再生には再生チャンネル3が使用され、他の先読み音の再生には再生チャンネル4が使用され、リーチ中チャンスアップの再生には再生チャンネル5が使用され、予告演出音等の再生には再生チャンネル6が使用され、・・・エラー音の再生には再生チャンネル30、31が使用されている。
異なる再生チャンネルを使用する音声同士は同時に再生・出力が可能である。例えば、通常変動音の再生・出力中に、予告演出の音声の再生・出力が可能である。これにより、複数の音声が重畳した多彩な音声を出力することができる。また、音声の種類に応じて再生チャンネルを固定とすることで、当該音声同士が干渉することを防止できる。例えば、通常変動音を再生・出力するための再生チャンネル(1)を固定することで、通常変動音の干渉を防止できる。同様に、エラー音の再生・出力するための再生チャンネル(30、31)を固定することで、エラー音の干渉を防止できる。尚、一のチャンネルに設定された複数の音声を同時に再生することは不可能である。
また、同時に出力される可能性のある音声の再生には、異なる再生チャンネルを使用することが好ましい。例えば、実行中の可変表示の表示結果等を予告する変動中予告演出(SUやセリフ)と、実行中の可変表示よりも後に実行される可変表示の表示結果等を予告する先読み予告演出や、同じ先読み予告演出であっても始動入賞時に保留変化するもの先読み予告演出などと、は予告対象が異なるため同時に実行される可能性がある。従って、これらの音声の再生に使用される再生チャンネルは異ならせることが好ましい。このように、再生チャンネルを異ならせることで、変動中予告演出と先読み予告演出の演出音が干渉することを防止できる。そして、変動中予告演出と先読み予告演出とが重複して実行される場合であっても、それぞれの演出の音声を再生・出力することができる。
尚、再生チャンネル数は有限なので、同時に出力されない音声の再生には同一の再生チャンネルを使用する必要性が生じる。また、後述するように、可動体演出(第1演出音+第2演出音)のように、複数種類の音声を組合せた音声の音声データを一つにまとめ、一つの再生チャンネルにより再生することで、データ量の低減や処理負担の軽減を図ることができる。
LED制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9や各可動体に設けられた可動体LED(図示略)などの点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。尚、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。
コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aでの変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bでの変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドであり、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。尚、コマンド8C00Hは、「はずれ」となる旨の事前決定結果を示すコマンドである。コマンド8C01Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C02Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C03Hは、「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨を通知するコマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、その時点の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態となったこと及び大入賞口が開放状態である期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態から閉鎖状態となったこと及び大入賞口が閉鎖状態である期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
尚、大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態のラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」または「1」〜「5」)に対応したEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口への入賞によって第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口への入賞によって第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory 101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory 102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit 103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport 105)とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御するための各種処理が実行される。
主基板11では、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路104にてカウントしない乱数値については、CPU103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図4は、本実施例の変動パターンを示している。本実施例では、図4に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。具体的に、本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンである大当り変動パターンや、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合のリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図4に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
また、スーパーリーチαは、第1可動体302を用いた可動体演出を実行しない変動パターンとされ、スーパーリーチβは、可動体演出を実行する変動パターンとされている。また、後述するように、スーパーリーチβには、スーパーリーチ演出の後に救済演出が実行されないスーパーリーチβと、スーパーリーチ演出の後に救済演出が実行されるスーパーリーチβとがある。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図4に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図5は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bの特図ゲームにおいて確定特別図柄が導出表示される前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対して判定用データが割り当てられている。具体的に、本実施例では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、ROM101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3に基づいて変動パターンを、前述した図4に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
また、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
そして本実施例では、演出ユニット300の第1可動体302、第2可動体402L,402R、スピーカ8L,8R、演出用LED9等による可動体演出といった各種演出や前述した各種予告が実行可能とされている。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時の状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受付けると、図6のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図6に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S13)。
次に、乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、図7に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器20での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の傾動動作設定などを行う普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S17)。
図7は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞処理を実行する(S21)。その後、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、乱数値MR1、MR2、MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理では、保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、乱数値MR1を示す数値データに基づき、変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、変動表示結果に対応して確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。そして、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。そして、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。尚、特別図柄の変動経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態にてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。具体的には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定する。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定する。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理では、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」と「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、図8に示すメイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、コマンド解析処理を行う(S54)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図3参照)であるのか解析する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図9は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74)演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75)変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76)全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77)変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78)大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79)演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図10は、図9に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−0」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。尚、バッファ番号「1−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−0」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。尚、バッファ番号「2−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
S272またはS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、S275にて読み出した変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチβ救済大当り変動パターンであるか否かを判定する(S277)。変動パターンがスーパーリーチβ救済大当り変動パターンである場合は(S277;Y)、スーパーリーチβはずれ変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(S281)、救済演出の開始タイミングを設定するための救済演出開始待ちタイマに救済開始時までの期間に応じた値を設定して(S282)、S283に進む。S277において、S275にて読み出した変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチβ救済大当り変動パターンでなかった場合はS280に進む。
S280において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S283)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音を制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を検出するための操作検出制御実行データや、主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたこと(例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作を受付けたことなど)といった、所定の制御内容や処理内容に対応して演出制御の切換タイミング等を示す移行先データ(移行先のプロセスデータを特定するためのデータ)等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
図11(A)は、こうした各々の演出制御パターンの構成例を示している。図12(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、LED制御データ、操作検出制御データ、演出用役物(可動体)制御データ、移行先データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データとなるプロセスデータから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御タイマ設定部(図示略)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。尚、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば、演出図柄の変動表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば、演出図柄の変動表示中における演出図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L,8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作を指定するデータである。LED制御データには、例えば、演出用LED9といった発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、LED制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えば、スティックコントローラ31Aに対する指示操作やプッシュボタン31Bに対する指示操作を有効に検出する操作有効期間の設定や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
演出用役物制御データには、例えば、第1可動体302を動作させる第1駆動機構303、第2駆動機構304及び第3駆動機構305や、第2可動体402L,402Rを動作させる第4駆動機構406や、第3可動体502を動作させる第5駆動機構505の駆動制御内容を指定するデータといった、第1可動体302、第2可動体402L,402R及び第3可動体502を個別に動作させることが可能なデータが含まれていれば良い。
尚、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、LED制御データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば、第1可動体302、第2可動体402L,402R及び第3可動体502以外に演出用役物が備える他の可動部材を備える場合であれば、演出用役物制御データに加えて、該可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図11(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置5の表示領域に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L,8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、LED制御データにより指定される態様で演出用LED9等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aあるいはプッシュボタン31Bに対する操作を受付けて該操作に応じた演出内容を決定する制御を行い、演出用役物制御データにより指定される態様で第1駆動機構303、第2駆動機構304及び第3駆動機構305や、第4駆動機構406や第5駆動機構505を駆動して第1可動体302、第2可動体402L,402Rや第3可動体502を動作させる制御を行う。尚、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば、演出図柄の変動表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L,8R、第1駆動機構303、第2駆動機構304、第3駆動機構305、第4駆動機構406、第5駆動機構505、演出用LED9等の発光体など)の制御を進行させる。尚、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、LED制御データ#1〜LED制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#n、演出用役物制御データ#1〜演出用役物制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部や音声制御基板13や第1駆動機構303、第2駆動機構304、第3駆動機構305、第4駆動機構406、第5駆動機構505などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部では、例えば、所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令(駆動信号)を受けた第1駆動機構303、第2駆動機構304、第3駆動機構305、第4駆動機構406、第5駆動機構505は、第1可動体302、第2可動体402L,402R、第3可動体502を動作させる制御を行う。
ここで、図12〜図14に基づいて、スーパーリーチβ大当り変動パターンに基づいて演出制御用CPU120が実行する演出制御内容について説明する。
演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示を開始するとき、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じたプロセスデータをセットする。また、特にスーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4のいずれかである場合、各変動パターンに応じたプロセスデータをセットする。
具体的には、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3に応じたプロセスデータは、図柄の変動表示を開始した後、リーチ状態の成立に基づいてスーパーリーチ演出に発展させて可動体演出を実行し、最終的に突出動作制御を実行せずに表示結果がはずれであることを報知する制御内容とされている。スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3に応じたプロセスデータは、図柄の変動表示を開始した後、リーチ状態の成立に基づいてスーパーリーチ演出に発展させて可動体演出を実行し、最終的に突出動作制御を実行して表示結果が大当りであることを報知する制御内容とされている。スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に応じたプロセスデータは、図柄の変動表示を開始した後、リーチ状態の成立に基づいてスーパーリーチ演出に発展させて可動体演出を実行し、最終的に突出動作制御を実行せずに表示結果がはずれであることを報知した後、第1対応動作制御を実行し、突出動作制御を実行して表示結果が大当りであることを報知する制御内容とされている。よって、最初はスーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3に対応するプロセスデータを用いた後、救済タイミングにおいて救済演出用の救済演出プロセスデータに切り替える。
図12(A)には、演出制御用CPU120がスーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3に応じたプロセスデータに基づいて実行する第1可動体302の動作制御内容と演出表示装置5の表示制御内容が時系列的に示されており、図12(B)には、演出制御用CPU120がスーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に応じたプロセスデータに基づいて実行する第1可動体302の動作制御内容と演出表示装置5の表示制御内容が時系列的に示されている。尚、図12(B)においては、変動表示開始から救済タイミングまではスーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3に応じたプロセスデータが用いられ、救済タイミングから変動表示終了までは救済演出プロセスデータが用いられる。
演出図柄の変動表示の開始から終了までの変動表示期間は、図12(A)に示すスーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3は53000msであるのに対し、図12(B)に示すスーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4は63000msとされ、救済演出を実行する分だけ長くなっている。
また、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4それぞれに対応するプロセスデータには、スーパーリーチ演出、可動体演出、操作有効期間及び救済演出を、演出図柄の変動表示を開始してからそれぞれに対応する期間が経過したときに開始する制御データが設定されている。つまり、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4のいずれを実行する場合でも、スーパーリーチ演出、可動体演出、操作有効期間及び救済演出は、演出図柄の変動表示を開始してから常に一定の期間が経過したタイミングで開始するようになっている。
また、図13に示すように、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4各々にて可動体演出を実行するためのプロセスデータには、第1可動体302を下降動作(第1動作)により第2位置へ向けて移動させるとともに、途中位置からは下降させながら第1回動状態から第2回動状態に回動して第2位置まで移動させる第1動作を行う期間として第1動作期間T1が設定され、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作を有効に受付ける期間として操作有効期間T2が設定され、第1可動体302を突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させて維持する第2動作を行う期間として第2動作期間T3が設定され、第1可動体302を、突出体370を収納状態に戻してから上昇動作(復帰動作)により第2位置から第1位置へ復帰させ停止させる復帰動作を行う期間として復帰動作期間T4が設定されている。
可動体演出を実行するためのプロセスデータにおける演出用役物制御データには、第1動作期間T1において、昇降用モータ308L,308RをXステップ(Xは、第1可動体302を第1位置から第2位置へ移動するのに必要なステップ数)駆動して第1可動体302を第1位置から第2位置へ移動させるとともに第1回動状態から第2回動状態に回動した後に停止させ、操作有効期間T2が経過するまで待機させる下降動作制御データと、第2動作期間T3において、突出用モータ360を駆動して突出体370を収納状態から突出状態に変化させて維持する突出動作制御データと、復帰動作期間T4において、突出体370を収納状態に変化させてから昇降用モータ308L,308RをXステップ(Xは、第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動するのに必要なステップ数)駆動して第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動させた後に停止させる復帰動作制御データと、からなる一連の動作制御データが含まれているとともに、これら下降動作制御データ、突出動作制御データ、復帰動作制御データそれぞれに対応する表示制御データ、音声制御データ及びLED制御データが設定されている。
具体的には、下降動作制御に対応する制御データには、第1動作に対応する第1演出として、演出表示装置5にて第1エフェクトを表示させる表示制御データ、スピーカ8L,8Rにて第1演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を第1発光態様にて発光させるLED制御データ(図22(B)〜(D)参照)等が含まれる。
突出動作制御に対応する制御データには、第2動作に対応する第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示させる表示制御データ、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を第2発光態様にて発光させるLED制御データ(図23(A)〜(C)参照)等が含まれる。尚、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3に対応するプロセスデータの突出動作制御に対応する制御データには、演出表示装置5にて残念画面を表示させる表示制御データ、スピーカ8L,8Rにて演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を所定態様にて発光させるLED制御データ(図25(B)(C)参照)等が含まれる。
復帰動作制御に対応する制御データには、復帰動作に対応する復帰演出として、演出表示装置5にて図柄揃い(図柄非揃い)を表示、スーパーリーチ演出画面から通常図柄変動表示画面へ切替表示、図柄揺れ(図柄仮停止)を表示させる表示制御データ、スピーカ8L,8Rにて復帰用演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を復帰用発光態様にて発光させるLED制御データ(図23(D)、図24(A)(B)参照)等が含まれる。
このように演出制御用CPU120は、第1動作を実行するときに該第1動作に対応する第1演出として、演出表示装置5にて第1エフェクトを表示させ、スピーカ8L,8Rにて第1演出音を出力し、演出用LED9を第1発光態様にて発光させるとともに、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(後述する第1動作期間T1)が経過したことに基づき、該第1演出に続いて第2動作を実行するときに該第2動作に対応する第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第1演出制御を実行する。
また、救済演出を実行するためのプロセスデータには、第1動作に対応する救済演出用の第1対応動作、第2動作、復帰動作を実行するための演出用役物制御データと、第1対応動作に対応する第3演出として、スピーカ8L,8Rにて第3演出音を出力する音声制御データと、演出用LED9を第3発光態様にて発光させるLED制御データと(図25(E)〜(G)参照)が含まれる。
尚、本実施例では、第1対応動作に対応する第3演出音は、第1動作に対応する第1演出音と同じ演出音であるが、第1演出音は第1可動体302を第1位置から第2位置へ移動するまで再生される演出音であるのに対し、第3演出音は第1可動体302を途中位置から第2位置へ移動するまで再生される演出音、つまり、再生期間が不定な演出音とされている。
また、突出動作制御データ、復帰動作制御データ及びこれらに対応する表示制御データ、音声制御データ及びLED制御データについては、操作有効期間T2にて操作を受付けた場合、その時点のプロセスデータに記述されている移行先データに基づいて、操作有効期間T2が終了するまでのプロセスデータに基づく制御を省略して開始するようになっているため、操作受付けタイミングに応じて開始タイミングが変更する可能性がある。
具体的には、図12(A)に示すように、A−1.操作有効期間(例えば、4秒)が経過する直前で操作を受付けたあるいは操作を受付けないまま操作有効期間が経過した場合は、復帰動作の終了が救済タイミングよりも後になるのに対し、A−2.操作有効期間の開始から3秒後に操作を受付けた場合や、A−3.操作有効期間の開始直後(0秒後)に操作を受付けた場合などは、操作有効期間T2が短縮されることで、復帰動作の終了が救済タイミングよりも前になる。
つまり、操作有効期間が開始されてから所定期間(例えば、3秒)が経過するまでの第1有効期間は、操作を受付けた場合に救済タイミングになる前に可動体演出が終了することになる期間である。一方、第1有効期間が経過してから操作有効期間が終了するまでの第2有効期間(例えば、約1秒)は、可動体演出が終了する前に救済タイミングに到達する期間である。尚、第1有効期間に操作を受付けた場合、復帰動作の終了から変動表示が終了するまでの期間が長くなるため、図柄揺れ画面(演出図柄を仮停止表示させる画面)を変動表示が終了するまで継続して表示することになる。
よって、図14(A)に示すように、演出制御用CPU120は、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に基づく変動表示を実行する場合において、可動体演出を開始した後、図12(B)(C)のように第1有効期間にて操作を受付けた場合、可動体演出は救済タイミングに到達する前に終了する。つまり、救済タイミングに到達する前に第1可動体302は第1位置に復帰しているため、救済タイミングにて救済演出を開始する場合、下降動作制御データに基づいて第1可動体302を第2位置に向けて移動させるとともに第1回動状態から第2回動状態に変化させた後に第2位置にて停止させることができる。つまり、この救済演出における第1対応動作期間T5は第1動作期間T1と同じである(T5=T1)。
一方、図14(B)に示すように、演出制御用CPU120は、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に基づく変動表示を実行する場合において、可動体演出を開始した後、図12(A)のように第2有効期間にて操作を受付けた場合、可動体演出は救済タイミングに到達する前に終了しない。つまり、救済タイミングに到達したときに第1可動体302は第1位置に復帰していないため、復帰動作制御の実行中に救済タイミングに到達して救済演出を開始することになる。
また、第2有効期間における第1タイミングで操作を受付けた場合、第1可動体302は第1位置と第2位置との間の第1途中位置になり、第2有効期間における第1タイミングとは異なる第2タイミングで操作を受付けた場合、第1可動体302は第1位置と第2位置との間の第2途中位置になる。すなわち、第2有効期間は複数の操作タイミングがあるので、操作を受付けたタイミングに応じて救済タイミングにおける第1可動体302の途中位置は異なってくる。
また、途中位置から第2位置までの距離は、第1位置から第2位置までの距離よりも短く、かつ、操作タイミングに応じて異なるため、この救済演出における第1対応動作期間T6は不定な期間であり、かつ、第1動作期間T1よりも短い期間となる(T6<T1)。よって、演出制御用CPU120は、救済タイミングに到達したときに、プロセスデータを復帰動作制御データから下降動作制御データに切り替えて動作制御すると、昇降用モータ308L,308Rを第1位置から第2位置まで移動させるのに必要なXステップ数駆動させてから停止させる制御を実行するため、第1可動体302が第2位置に到達しても昇降用モータ308L,308Rの駆動を停止させることができず、昇降用モータ308L,308Rに負荷をかけてしまう虞がある。
ここで、第2有効期間における複数タイミングそれぞれに応じた複数の動作制御データを用意しておくことも考えられるが、RAMの記憶容量が増大するばかりか、操作タイミングに応じたプロセステーブルをセットするための制御が複雑になるため、演出制御用CPU120の制御負荷が増大することになる。
また、操作有効期間にて操作を受付けた場合、第2動作させずにはずれの報知を行った後、復帰動作の開始タイミングになっても復帰動作させないで救済タイミングまで待機させておくことも考えられるが、はずれの報知をしているにも関わらず第1可動体302を演出表示装置5の表示画面の手前略中央位置である第2位置に待機させておくのは遊技者に違和感を与えてしまう。
さらに、操作有効期間にて操作を受付けたタイミングに応じて、第2動作制御を実行しないで済むように救済タイミングを変更することも考えられるが、変動表示期間を延ばすことはできないし、操作を受付けたタイミングに応じて救済タイミングを変更する制御が必要となるため、制御負荷が増大してしまう。
よって、演出制御用CPU120は、救済タイミングになったときに、プロセスデータを救済演出プロセスデータに切り替え、該切り替えた救済演出プロセスデータに基づいて動作制御を行う。
救済演出プロセスデータは、第1可動体302を第1位置に向けて上昇させている昇降用モータ308L,308Rの駆動を一旦停止させた後、逆駆動させて第2位置に向けて移動させながら第1回動状態から第2回動状態へ変化させるとともに、下方位置検出スイッチ313がオン状態になったときに昇降用モータ308L,308Rの駆動を停止させる救済用下降動作制御データと、操作有効期間を経ずに第1動作に続いて突出用モータ360を駆動し、突出体370を収納状態から突出状態に変化させて維持する突出動作制御データと、突出体370を収納状態に変化させてから昇降用モータ308L,308RをXステップ(Xは、第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動するのに必要なステップ数)駆動して第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動させた後に停止させる復帰動作制御データと、を含む演出用役物制御データ、第1対応動作に対応する第3演出としてスピーカ8L,8Rにて第3演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を第3発光態様にて発光させるLED制御データを含む。
このように救済用下降動作制御データは、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したときに昇降用モータ308L,308Rの駆動を停止させる制御データであるため、途中位置から第2位置まで移動させるために必要なステップ数や動作制御の実行期間をその都度特定することができなくても、下降している第1可動体302を第2位置にて停止させることができる。
尚、救済用下降動作制御データに基づいて第1可動体302を下降させている間、演出表示装置5では図柄非揃い画像から通常変動表示画面に戻すとともに、スピーカ8L,8Rから第1演出音に対応する第3演出音を出力するとともに、演出用LED9を第3発光態様にて発光させる。
また、救済演出では、第1可動体302を第2位置にて停止させた後、遊技者の操作を待たずに下降動作制御に続いて突出動作制御により突出状態に変化させることで、変動表示結果が大当りであったことを報知する。その後、復帰動作制御にて第1位置に復帰させて、救済演出とともに可動体演出を終了する。
このように演出制御用CPU120は、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する第1対応動作により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御において、第1対応動作(下降)を実行しているときに第1演出音に対応する第3演出音をスピーカ8L,8Rから出力するとともに、第1発光態様に対応する第3発光態様にて演出用LED9を発光させ、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したこと、つまり、第2位置に到達したと判定したことに基づいて、第2演出として演出表示装置5にて第2エフェクトを表示するとともに、スピーカ8L,8Rから出力している第3演出音の出力を停止して第2演出音を出力し、第3発光態様にて発光している演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第2演出制御を実行する。
また、本実施例では、第1演出音(第3演出音)と第2演出音をスピーカ8L,8Rから出力可能に設定されている。具体的には、これら第1演出音と第2演出音の再生には、同一の再生チャンネル2が使用されるように設定されている。より詳しくは、第1演出音を再生する音声データ1と、第2演出音を再生する音声データ2と、第1演出音と第2演出音とを組合せた第3音声データと、を同一の再生チャンネル2により再生できるようになっている。
尚、本実施例では、第3演出音は、第1演出音と同一の音声データとされている。そして第1演出音を再生する音声データ1は、第3演出音として再生される、つまり、後述するように再生途中で強制的に停止されることがある音声データであるため、再生途中で強制的に停止されても違和感を与えにくい楽曲データ等であることが好ましい。
演出制御用CPU120は、第1演出制御において、第1可動体302の第1動作を実行するときに、第3音声データに基づいて第1演出音を再生チャンネル2にて再生し、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(第1動作期間T1)が経過したときに、第3音声データに基づいて第1演出音に続いて第2演出音を再生チャンネル2にて再生する制御を行う。尚、第3音声データは、特に再生期間を監視することなく再生することが可能な一連の音声データである。
一方、演出制御用CPU120が、第2演出制御において、救済タイミングになったときに、再生チャンネル2により音声データ1に基づく第1演出音の再生を開始した後、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したこと、つまり、第2位置に到達したと判定したときに、同じく再生チャンネル2により音声データ2に基づく第2演出音(第3演出音)の再生を開始する。
ここで、救済タイミングにおいて第1可動体302の第1対応動作制御を実行する場合、第1可動体302が第2位置に到達するまでに要する期間が不定であるため、音声データ1は、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(第1動作期間T1)にわたり再生可能な長さの音声データとする必要がある。よって、第1可動体302が第2位置に到達したときに音声の再生を途中で停止するか、途中位置から第2位置までの移動期間に対応した長さの音声データを複数用意する必要がある。
しかし、第1可動体302が第2位置に到達したときに音声の再生を停止する場合や、途中位置から第2位置までの移動期間に対応した長さの音声データを複数用意する場合において、音声データ1に基づく第1演出音の再生と音声データ2に基づく第2演出音の再生とを異なる再生チャンネルにより再生するように設定すると、第1演出音から第2演出音への切替の際に、第1演出音の停止タイミングと第2演出音の再生開始タイミングとにずれが生じると、一時的に第1演出音と第2演出音とが重複して再生されてしまったり、第1演出音の再生を停止してから第2演出音の再生を開始するまでの時間が生じてしまう虞があるため、制御が困難となる。
そこで、演出制御用CPU120は、第2演出制御において救済タイミングになったときに、再生チャンネル2により音声データ1に基づく第1演出音(第3演出音)の再生を開始した後、下方位置検出スイッチ313が第1可動体302を検出したときに、同一の再生チャンネル2により音声データ2に基づく第2演出音の再生を開始することで、第1演出音の再生が強制的に停止されて第2演出音の再生が開始されることになる。
このように、第1可動体302の第1動作から第2動作への切替タイミングに合わせて、第1演出音から第2演出音の再生に好適に切り替えることができるため、第1演出音の再生期間を監視するといった複雑な制御を行うことがないばかりか、切り替えタイミングがずれて第1演出音と第2演出音とが一時的に重複して出力されてしまったり、第1演出音の再生を停止してから第2演出音の再生を開始するまでの時間が生じてしまったりすることを防止できる。
図10に戻って、S284において、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、音制御実行データ1、LED制御実行データ1、操作検出制御実行データ1、演出用役物制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、各種LED、スピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等)、演出用役物(第1可動体302、第2可動体402L,402R))の制御を実行する(S284)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S285)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S286)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S287)。
図15は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301)。また、救済演出開始待ちタイマがセットされている場合は、救済演出開始待ちタイマの値を−1して(S302)、救済演出開始待ちタイマがタイマアップしたか否か、つまり、救済演出の開始タイミングになったか否かを判定する(S303)。
救済演出開始待ちタイマがタイマアップしていなければ(S303;N)、第1対応動作フラグがセットされているか否かを判定する(S304)。S304において第1対応動作制御フラグがセットされていない場合(S304;N)、操作有効期間であることを示す操作受付け中フラグがセットされているか否かを判定する(S305)。S305において操作受付け中フラグがセットされていない場合(S305;N)、操作有効期間の開始タイミングか否かを判定する(S306)。
操作有効期間の開始タイミングである場合(S306;Y)、第1有効期間タイマに第1有効期間に対応する値をセットするとともに、操作有効期間タイマに操作有効期間に対応する値をセットしてタイマをスタートし(S307)、操作受付け中フラグをセットし(S308)、S309に進む。操作有効期間の開始タイミングではない場合は(S306;N)、そのままS309に進む。
S309において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら(S309;Y)、プロセスデータの切り替えを行う(S310)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S311)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更し(S312)、S314に進む。一方、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は(S309;N)、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行し(S313)、S314に進む。
S303において、救済演出開始待ちタイマがタイマアップしていれば、救済演出の開始タイミングであるため、図16のS350に進み、プロセステーブルを救済演出用の救済演出プロセステーブルに変更し(S350)、変更した救済演出プロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S351)。次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31Aの検出等)の制御を実行する(S352)。これにより救済演出が実行される。
次いで、第2有効期間に操作があったことを示す第2有効期間受付フラグがセットされているか否かを判定し(S353)、第2有効期間受付フラグがセットされていれば(S353;Y)、救済演出において第1対応動作を実行するための第1対応動作制御フラグをセットして(S354)、図15のS314に進む。第2有効期間受付フラグがセットされていなければ(S353;N)、救済演出において第1対応動作を実行しないので、そのまま図15のS314に進む。
図15に戻って、S303において第1対応動作フラグがセットされていれば(S304;Y)、図17のS360に進む。S360において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S361)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによって次のプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S362)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、音制御実行データ、LED制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S363)。一方、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ、LED制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S364)。
次いで、演出制御用CPU120は、下方位置検出スイッチ313がオン状態であるか否か、つまり、第1可動体302が下方位置に到達したか否かを判定する(S365)。下方位置検出スイッチ313がオン状態である場合は、第1可動体302が第2位置に到達したとして第1対応動作フラグをクリアし(S366)、救済演出プロセステーブルにおける第2位置到達時に対応するプロセスデータ(突出動作制御データ)を移行先データから特定する(S367)。そして、プロセスデータを特定したプロセスデータに切り替えて(S368)、次のプロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ、LED制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S369)。これにより、救済演出において第1可動体302の突出体370を突出させる第2動作が行われることで表示結果が大当りであることが報知される。
図15に戻って、S305において操作受付け中フラグがセットされている場合は(S305;Y)、第1有効期間を計時するための第1有効期間タイマと操作有効期間を計時するための操作有効期間タイマのそれぞれの値を−1する(S320)。次いで、操作有効期間タイマがタイマアップしているか否かを判定し(S321)、操作有効期間タイマがタイマアップしていない場合は(S321;N)、操作受付けがあるか否か、つまり、スティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bが操作されたか否かを判定する(S322)。S321において操作有効期間タイマがタイマアップしている場合は(S321;Y)、操作受付けがないまま操作有効期間が経過したとして、操作受付け中フラグをクリアして(S326)、S327に進む。
S322において操作受付けがあった場合は(S322;Y)、操作受付け中フラグをクリアして(S323)、第1有効期間タイマがタイマアップしているか否かを判定する(S324)。第1有効期間タイマがタイマアップしていなければ(S324;N)、第1有効期間に操作受付けがあったとして、第1有効期間受付けフラグをセットし(S325)、S328に進む。第1有効期間タイマがタイマアップしていれば(S324;Y)、第2有効期間に操作受付けがあったとみなして、第2有効期間受付けフラグをセットし(S327)、S328に進む。また、S322において操作受付けがない場合は(S322;N)、そのまま処理を終了する。
尚、本実施例では、操作有効期間において操作受付けがなかった場合、第2有効期間に操作を受付けたとみなして第2有効期間受付けフラグをセットするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作有効期間において操作受付けがなかった場合に第2有効期間受付けフラグをセットせず、以後の可動体演出を実行しないようにしてもよい。
S328においては、プロセステーブルにおける操作有効期間終了後の最初のプロセスデータ(突出動作制御データ)を移行先データから特定する(S328)。そして、プロセスデータを特定したプロセスデータに切り替え(S329)、次のプロセスタイマをスタートさせた後(S330)、次のプロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ、LED制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行し(S331)、S314に進む。これにより、大当り変動パターンの場合は可動体302の突出体370を突出させる第2動作が行われることで表示結果が大当りであることが報知され、はずれ変動パターンの場合は第1可動体302の突出体370を突出させる第2動作が行われないことで表示結果がはずれであることが報知される。
S314では、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S314)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S314;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S315)。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S316)。
また、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合は(S314;N)、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S317)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば(S317;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S319)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても(S317;N)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S318;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新し(S319)、処理を終了する。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。また、確定コマンド受信フラグがセットされてなければ(S318;N)、処理を終了する。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
以上、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示において可動体演出を実行する場合、第1可動体302を下降動作(第1動作)により第1位置に位置する第1状態から第2位置に向けて移動し、下降途中で第1回動状態から第2回動状態に変化させながら第2位置に位置する第2状態に変化させた後、その状態で待機させ、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる第1動作制御と、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御と、第1動作を実行するときに該第1動作に対応する第1演出として、演出表示装置5にて第1エフェクトを表示させ、スピーカ8L,8Rにて第1演出音を出力し、演出用LED9を第1発光態様にて発光させるとともに、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(第1動作期間T1)が経過したことに基づき、該第1演出に続いて第2動作を実行するときに該第2動作に対応する第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第1演出制御と、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御において、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したこと、つまり、第2位置に到達したと判定したことに基づいて、第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第2演出制御と、を実行可能である。
このようにすることで、第1動作制御においては、第1可動体302が第1位置から第2位置まで移動するのに要する第1動作期間T1が経過したタイミング(昇降用モータ308L,308RをXステップ駆動させたタイミング)で第1演出を終了することで、第2動作及び第2演出を好適なタイミングで開始できる一方、第2動作制御においては、第1可動体302が第2位置に到達したと判定されたことに基づいて第2演出を実行することで、第1可動体302を途中位置から第2位置まで移動させる場合でも、第2動作及び第2演出への切り替えを好適なタイミングで実行できるため、演出を好適に行うことができる。
具体的には、演出制御用CPU120は、可動体演出において第1可動体302を第1位置から第2位置まで移動させる場合、第1位置から第2位置へ移動するのに要する第1動作期間T1は一定であるため、第1動作制御を実行するためのプロセスデータに基づいて演出を実行すればよいが、救済演出において第1可動体302を途中位置から第2位置まで移動させる場合、遊技者によるスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作受付けタイミングによって途中位置から第2位置へ移動するのに要する期間(移動距離)は不定になる。
よって、第1動作制御を実行するためのプロセスデータとは別に、第2動作制御を実行するための救済演出プロセスデータに基づいて演出を実行することで、第1対応動作により第1可動体302が第2位置に到達したと判定したことに基づいて、下降動作(第1対応動作)と第1演出に対応する演出(第3演出音の出力と第3発光態様での発光)を停止して、突出動作(第2動作)と第2演出(第2演出音の出力と第2発光態様での発光)に切り替えることができるため、複数の操作受付けタイミングそれぞれに応じた複数の制御データを用意したり、操作タイミングに応じたプロセステーブルをセットする必要がないので、演出制御用CPU120の制御負荷の増大を回避することができる。
また、演出制御用CPU120は、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる。このようにすることで、遊技者の操作に応じて第1可動体302が動作するため、遊技の興趣が向上する。
詳しくは、本実施例では、第1可動体302は、第1位置と第2位置との間を昇降可能であるだけでなく、箱状部302A内に、突出体370が収容されているとともに、第1回動状態と第2回動状態とに回動させるための回動用モータ350や、突出体370を突出状態や収納状態に変化させるための突出用モータ360といった駆動機構や駆動源を搭載しているため、これらを搭載していない可動体に比べて重い。
よって、第1位置から第2位置までの下降動作を早くするのに限界があるため、遊技者の操作を受付けたタイミングで下降動作制御を開始し、該可動動作制御に続けて突出動作制御を実行しようとすると、操作を受付けたときから突出動作制御を開始するまでの時間が長くなり、遊技者に違和感を与える虞がある。
そこで本実施例では、下降動作制御により第1可動体302を第2位置まで移動させてから操作有効期間が開始し、該操作有効期間内に操作を受付けたタイミングで突出動作制御を行うため、操作を受付けたときから突出動作制御を開始するまでの時間を短くすることができる。
また、演出制御用CPU120は、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させるとともに、第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる。
このようにすることで、遊技者の操作に応じて第1可動体302が第2動作するとともに第2演出が実行されるため、遊技の興趣が向上する。
また、演出制御用CPU120は、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御を実行する。このようにすることで、第1可動体302が第2位置から第1位置へ復帰する途中で第1対応動作が再開されるため、遊技者に意外性を与えることができる。
詳しくは、救済演出は、図13(A)に示すように、第1有効期間内に操作を受付けた場合、第1可動体302が第1位置に復帰した状態から開始されることになるが、図13(B)に示すように、第2有効期間内に操作を受付けた場合、第1可動体302が第1位置に復帰する前に開始される。このように、復帰動作の途中で昇降用モータ308L,308Rの逆駆動により第1対応動作が開始されることで、はずれの報知が行われた場合でも第1対応動作が開始されることを期待するようになるので、興趣が向上する。
また、演出制御用CPU120は、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3である場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる第1動作制御を実行し(図22〜図24参照)、変動表示結果が大当りであることを報知する第1演出パターンと、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3である場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させることなく第2状態を維持し、変動表示結果がはずれであることを報知する第2演出パターンと、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−4である場合、変動表示結果がはずれであることを報知する第2演出パターンに基づく演出を実行した後、変動表示が終了するまでに変動表示結果が大当りであることを報知する第3演出パターンと、を実行可能であり、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第2動作制御を実行する。
このようにすることで、操作を受付けたタイミングに応じて第2動作制御の実行タイミングを変更する必要がないので、演出制御用CPU120の制御負荷を軽減できる。
また、演出制御用CPU120は、第2演出制御において救済タイミングになったときに、再生チャンネル2により音声データ1に基づく第1演出音(第3演出音)の再生を開始した後、下方位置検出スイッチ313が第1可動体302を検出したときに、同一の再生チャンネル2により音声データ2に基づく第2演出音の再生を開始することで、第1演出音の再生が強制的に停止されて第2演出音の再生が開始される。このようにすることで、第2演出音から第1演出音に対応する演出音への切り替えを好適に行うことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、第1状態と該第1状態とは異なる第2状態とに変化可能な可動体として、第1位置と第2位置との間で移動可能、かつ、移動しながら第1回動状態から第2回動状態に変化可能な第1可動体302を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1位置と第2位置との間で移動可能するだけで、移動途中で第1回動状態から第2回動状態に変化しない可動体でもよいし、あるいは、第1回動状態(第1状態)から第2回動状態(第2状態)に変化可能であれば、第1位置と第2位置との間で移動しない可動体でもよい。また、第2動作のように、非突出状態(第1状態)から突出状態(第2状態)に変化可能な可動体でもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302が第1位置と第2位置との間を上下移動可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1位置と第2位置との間で左右方向または前後方向に移動するものでもよい。また、第1状態と該第1状態とは異なる第2状態とに変化可能な可動体として、第1可動体302を適用したが、例えば、第2可動体402L,402Rや第3可動体502、あるいは、これらとは別個の可動体(例えば、ロゴパネル)などを適用してもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302は、第1位置から第2位置へ移動しながら第1回動状態から第2回動状態に回動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1位置から第2位置へ移動した後に、第1回動状態から第2回動状態に回動するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302の第1動作は、第1位置から第2位置への移動動作と、移動しながら第1回動状態から第2回動状態に回動する動作とを含み、第2動作は突出体370の突出動作である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302の第1動作は、第1位置から第2位置への移動動作を含み、第2動作は、第1回動状態から第2回動状態への回動動作と突出体370の突出動作とを含むものであってもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302の第2動作は、移動及び回動を含む第1動作とは動作態様が異なる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1動作を一旦停止した後に実行するものであれば、動作態様が第1動作と同じであってもよい。例えば、第2動作は、第2位置から第2位置とは異なる第3位置へ移動するものでもよいし、第2位置から第1位置へ向けて逆駆動する動作でもよいし、突出動作のように、第1動作の動作態様とは異なる動作態様でもよい。
あるいは、第2動作は、第1動作にて動作する第1動作対象物とは異なる第2動作対象物の動作でもよいし、動作対象物が同一でも、第1動作に対応する第1動作態様とは異なる第2動作態様での動作でもよい。前記実施例では、第1動作では箱状部302A(第1動作対象物)を動作させ、第2動作では突出体370(第2動作対象物)を動作させるものであるが、第1動作では箱状部302A(第1動作対象物)を第1動作態様で動作させ、第2動作では箱状部302A(第1動作対象物)を第2動作態様で動作させるものでもよい。
また、前記実施例では、可動体とは異なる演出手段の一例として、画像を表示可能な演出表示装置5、音を出力可能なスピーカ8L,8R、発光可能な演出用LED9を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出手段は、導光板により発光演出が可能な導光板装置や、第1可動体302とは異なる可動体(例えば、第2可動体402L,402Rや第3可動体502、あるいは、これらとは別個の可動体(例えば、ロゴパネル)など)を含んでいてもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302が第1位置から第2位置に移動したか否かを判定可能な判定手段の一例として、下方位置検出スイッチ313の検出結果に基づいて第2位置に移動したことを判定する演出制御用CPU120を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1可動体302が第1回動状態から第2回動状態に変化したときに第2位置に到達するのであれば、演出制御用CPU120は、第2回動状態に変化したことを検出する展開位置スイッチ352など、他の検出手段の検出結果に基づいて第1可動体302が第2位置に移動したことを判定するようにしてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は、これら下方位置検出スイッチ313と展開位置スイッチ352の双方の検出結果に基づいて第1可動体302が第2位置に移動したことを判定するようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、第1可動体302の第1動作の実行に応じて第1演出を開始し、第2動作の実行に応じて第2演出を開始し、第1対応動作の実行に応じて第3演出を開始する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302の各動作の開始タイミングと、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9による各演出の開始タイミングとは完全に同一でなくてもよく、例えば、第1可動体302の動作の開始タイミングより前のタイミングまたは後のタイミングにて各演出が開始されるものであってもよい。
また、前記実施例では、遊技者の操作を受付ける操作手段の一例として、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の操作手段(例えば、タッチセンサなど)を適用してもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、可動体演出における操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたことに基づいて第1可動体302を突出動作(第2動作)させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スティックコントローラ31Aの操作促進画面を表示したときはプッシュボタン31Bの操作の受付けを無効とし、プッシュボタン31Bの操作促進画面を表示したときはスティックコントローラ31Aの操作の受付けを無効とするようにしてもよい。
さらにこの場合、変動表示結果が大当りになることが決定されている場合、変動表示結果が大当りになることが決定されていない場合(はずれの場合)よりも高い割合で、操作有効期間においてスティックコントローラ31Aの操作促進画面を表示し、変動表示結果が大当りになることが決定されていない場合(はずれの場合)、変動表示結果が大当りになることが決定されている場合よりも高い割合で、操作有効期間においてプッシュボタン31Bの操作促進画面を表示するようにしてもよい。つまり、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bのうち一方の操作を受付けた場合、他方の操作を受付けた場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、復帰動作制御の実行中に救済タイミングに到達した場合、昇降用モータ308L,308Rの駆動を一旦停止してから逆回転駆動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、救済タイミングに到達したときに、昇降用モータ308L,308Rの駆動を一旦停止させることなく、逆回転駆動させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120が実行する第2動作制御は、第2有効期間に遊技者の操作を受付けたとき、または遊技者の操作を受付けることなく操作有効期間が終了したときに実行する救済演出に対応する動作制御である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2動作制御は、救済演出における操作有効期間のいずれのタイミングで遊技者の操作を受付けた場合においても実行されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、可動体演出の第2有効期間には複数の操作受付けタイミングが存在し、演出制御用CPU120は操作を受付けたタイミングで第2動作を開始するため、第1対応動作において第1可動体302を第2位置まで移動させる第1対応動作期間T6(移動距離)が不定になる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1動作により第1可動体302を第2位置まで移動した後、第1待機期間が経過した後に第2動作を開始する演出パターンと、第1待機期間とは異なる第2待機期間が経過した後に第2動作を開始する演出パターンと、を実行可能とすることで、第1対応動作期間T6(移動距離)が不定になるものであってもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120が実行する第2動作制御は、変動表示結果がはずれになることを報知した後に大当りになることを報知する救済演出において実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2動作制御は、各種予告演出や、大当り終了後に低確率状態に移行することを報知した後に高確率状態に移行することを報知する昇格演出や、はずれ停止図柄を再変動して大当り図柄に変更する再変動演出等の他の演出においても実行可能である。
また、前記実施例では、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4のいずれにおいても、変動表示を開始してから救済タイミングまでの期間は同じとされる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示を開始してから救済タイミングまでの期間は、全ての変動パターンにて同じでなくてもよい。
また、前記実施例では、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3に基づく可動体演出にて実行される第2動作と、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に基づく可動体演出にて実行される第2動作と、は動作態様が同じ形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも一部の動作態様が同じであれば、一部の動作態様が異なっていてもよい。また、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3に基づく可動体演出にて実行される第2動作に対応する第2演出と、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に基づく可動体演出にて実行される第2動作に対応する第2演出とは、少なくとも一部の演出態様が同じであれば、一部の演出態様が異なっていてもよい。
また、前記実施例では、第2位置において、第1可動体302を第1回動状態から第2可動状態に変化させる際に、第1可動体302が略92度回動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、先ず、第1可動体302を略90度回転させた後、突出体370を収納状態から突出状態に変化させる際に略2度程度更に第1可動体302を回動させてもよい。尚、第1可動体302が回動する回動角度は、本実施例に記載の角度に限定されるものではなく、第1可動体302の重量部の位置や重さ、突出体370の重さや突出角度等に応じて自由に変更してもよい。
また、前記実施例では、突出体370を収納状態と突出状態とに変化させる機構としてパンタグラフ機構を用いた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ラックピニオン機構などの種々の機構に変更してもよい。
さらに、所定部としての装飾体380は、遊技者から見て第1可動体302より奥側に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302の回動方向に設けられていれば、第1可動体302の前側等であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態に示した構成、後述の各形態例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、第1状態(例えば、第1可動体302が第1位置に位置する状態)と該第1状態とは異なる第2状態(例えば、第1可動体302が第2位置に位置する状態)とに変化可能な第1可動体(例えば、第1可動体302)と、前記第1可動体とは異なる演出手段(例えば、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9や可動体LEDなど)と、前記第1可動体の動作制御と前記演出手段の演出制御とを行う演出制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、前記第1可動体が前記第1状態から前記第2状態に変化したか否かを判定可能な判定手段(例えば、演出制御用CPU120が、演出図柄変動中処理におけるS365において下方位置検出スイッチ313がオン状態であるか否かを判定する部分)と、演出を実行可能な演出装置(例えば、演出役物90201)と、動作可能な第2可動体(例えば、プッシュボタン90120)と、前記演出装置を用いて前記第2可動体の近傍において特定演出(例えば、図62(5)に示す態様の特定演出)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップS908120を実行する部分)と、前記第2可動体を動作させる第2可動体制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップS908111を実行する部分)と、を備え、前記第2可動体制御手段は、前記特定演出が実行されるときに前記第2可動体を動作可能であり(例えば、図62(3)に示すプッシュボタン90120の振動動作の後に、図62(5)に示す特定演出を実行する)、前記演出制御手段は、前記第1可動体を第1動作により前記第1状態から前記第2状態に変化させた後、第2動作させる第1動作制御(例えば、演出制御用CPU120が、演出図柄の変動表示において可動体演出を実行する場合、第1可動体302を下降動作(第1動作)により第1位置に位置する第1状態から第2位置に向けて移動し、下降途中で第1回動状態から第2回動状態に変化させながら第2位置に位置する第2状態に変化させた後、その状態で待機させ、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる第1動作制御を実行する部分。図22及び図23(A)〜(C)参照)と、前記第1可動体を前記第1動作に対応する動作により前記第1状態から前記第2状態に変化するまでのいずれかの途中状態から前記第2状態に変化させた後、第2動作させる第2動作制御(例えば、演出制御用CPU120が、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御を実行する部分。図22及び図25(C)〜(F)参照)と、前記第1動作制御において、前記第1動作が実行されるときに前記演出手段により該第1動作に応じた第1演出を実行し、前記第1可動体が前記第1状態から前記第2状態へ変化するのに要する期間が経過したことに基づいて該第1演出に続いて前記第2動作に応じた第2演出を実行する第1演出制御(例えば、演出制御用CPU120が、第1動作を実行するときに該第1動作に対応する第1演出として、演出表示装置5にて第1エフェクトを表示させ、スピーカ8L,8Rにて第1演出音を出力し、演出用LED9を第1発光態様にて発光させるとともに、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(第1動作期間T1)が経過したことに基づき、該第1演出に続いて第2動作を実行するときに該第2動作に対応する第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第1演出制御を実行する部分。図13参照)と、前記第2動作制御において、前記第1可動体が前記第2状態に変化したと前記判定手段が判定したことに基づいて、前記第2演出を実行する第2演出制御(例えば、演出制御用CPU120が、第2動作制御において、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したこと、つまり、第2位置に到達したと判定したことに基づいて、第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第2演出制御を実行する部分。図14(A)(B)参照)と、を実行可能である遊技機が挙げられる。
上記遊技機によれば、第1動作制御においては、第1可動体が第1状態から第2状態へ変化するのに要する期間が経過したタイミングで第1演出を終了することで、第2動作及び第2演出を好適なタイミングで開始できる一方、第2動作制御においては、第1可動体が第2状態に変化したと判定されたことに基づいて第2演出を実行することで、第1可動体を途中状態から第2状態に変化させる場合でも、第2動作及び第2演出を好適なタイミングで実行できるため、演出を好適に行うことができる。また、特定演出の演出効果を向上させることができる。
また、上記遊技機においては、第1可動体と第2可動体の2つの可動体を備えていたが、これに限らず、一の可動体のみを備え、上記遊技機の特徴を実現するようにしてもよい。例えば、第2可動体を設けずに第1可動体のみを設け、特定演出が実行されるときには第1可動体が演出装置の近傍で動作するようにしてもよい。同様に、第1可動体を設けずに第2可動体のみを設け、第2可動体が上記遊技機における第1可動体の役割を兼用するようにしてもよい。このような構成によれば、可動体を複数設けずに済むためコストを軽減できるとともに、遊技者がいずれの可動体に注目すればよいのかと混乱してしまうことを防止することができる。
また、上記遊技機において、演出手段と演出装置の双方を設けずに一方のみを設けるようにしてもよい。例えば、演出装置を設けずに演出手段のみを設け、演出手段が上記遊技機における演出装置の役割を兼用するようにしてもよいし、演出手段を設けずに演出装置のみを設け、演出装置が上記遊技機における演出手段の役割を兼用するようにしてもよい。
また、上記遊技機において、特定演出が実行されるときに第1可動体と第2可動体の双方を動作可能としてもよい。このような構成によれば、特定演出の演出効果をより向上させることができる。また、第1可動体が第1動作制御または第2動作制御により動作するときに、第2可動体も動作するようにしてもよい。
また、上記遊技機において、第1可動体の動作制御を行う演出制御手段と、第2可動体を動作させる第2可動体制御手段とを設けるようにしたが、一の制御手段が第1可動体と第2可動体の双方の動作制御を行うようにしてもよい。
さらに、特定演出の演出効果を向上させることができる遊技機の形態の一例として、遊技を行うことが可能な遊技機であって、演出を実行可能な演出装置(例えば、演出役物90201)と、動作可能な可動体(例えば、プッシュボタン90120)と、演出装置を用いて可動体の近傍において特定演出(例えば、図62(5)に示す態様の特定演出)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップS908120を実行する部分)と、可動体を動作させる可動体制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップS908111を実行する部分)とを備え、可動体制御手段は、特定演出が実行されるときに可動体を動作可能である(例えば、図62(3)に示すプッシュボタン90120の振動動作の後に、図62(5)に示す特定演出を実行する)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の実施の形態として説明する。
他の実施の形態1.
以下、第1の他の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図26はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ90122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン90121(図30を参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ90125(図30を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図30を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図26および図30を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ90122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90361(図30を参照)が設けられていればよい。図26に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域907の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置909が設けられている。演出表示装置909の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置909は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置909の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置909で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置909で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置909に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置909の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域909c,909dが設けられている。この他の実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dとが設けられている。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域909c,909dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
演出表示装置909の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)908aが設けられている。この他の実施の形態では、第1特別図柄表示器908aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器908aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置909の右方(第1特別図柄表示器908aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)908bも設けられている。第2特別図柄表示器908bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器908bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この他の実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この他の実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。従って、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置9015が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置9015に向かう遊技球は第2始動入賞口9014に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口9013は演出表示装置909の直下に設けられているが、演出表示装置909の下端と第1始動入賞口9013との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口9013の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口9013の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口9013に導きづらくして、第2始動入賞口9014の入賞率の方を第1始動入賞口9013の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置909の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部909aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部909bとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置909における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置909における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図26に示すように、可変入賞球装置9015の右方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
なお、この他の実施の形態では、特別可変入賞球装置9020が遊技領域907の右方に設けられているので、大当り遊技状態においては、遊技者は、特別可変入賞球装置9020に遊技球を入賞させるべく、遊技領域907の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち)を行う。なお、ゲート9032や可変入賞球装置9015を遊技領域907の右方に設けるように構成して、遊技状態が時短状態や高ベース状態である場合にも右打ち操作を行うように構成してもよい。
また、図26に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、キャラクタなどの顔を模した演出役物90201が設けられている。演出役物90201におけるキャラクタなどの顔の目を模した部分には役物LED90202が設けられており、演出役物90201の役物LED90202を点灯表示することによって所定の演出を行うことが可能に構成されている。また、この他の実施の形態では、役物LED90202は、フルカラーLEDによって構成されており、白色や赤色など様々な点灯色で発光させることが可能であるとともに、順に点灯色を変化させて発光させることによって虹色表示(レインボー表示)により発光させることも可能である。
演出表示装置909の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この他の実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器9010は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器9010は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置9015の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この他の実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行(この他の実施の形態では、時短状態に移行)する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置9015が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置9015が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置9015が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置9015が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器9010における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置9015が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
次に、プッシュボタン90120の内部構造について説明する。図27および図28は、プッシュボタン90120の内部構造を説明するための分解斜視図である。図27および図28に示すように、プッシュボタン90120の透明カバー90301の内部には、被振動部材90303を保持する保持部材90302が設けられている。この他の実施の形態では、1個の保持部材90302が全ての被振動部材90303を保持する。この保持部材90302には、各被振動部材90303を配置するための複数(13個)の配置孔90325が貫通されている。また、被振動部材90303と配置孔90325は1対1で対応し、配置孔90325の形状は、被振動部材90303の形状に対応して平面視で正六角形状をなしている。更に、被振動部材90303は、配置孔90325に下方から挿設されている。被振動部材90303の下端部の外周面には、配置孔90325から抜けないようにするための抜け止めとなる突出縁部(図示せず)が突設されている。この突出縁部が突設されていることにより、被振動部材90303の下端部の径寸法は、配置孔90325の開口寸法よりも大きくなっている。
また、保持部材90302における配置孔90325の近傍には、被振動部材90303と同一の形状をなして平面視で正六角形状に形成され、被振動部材90303が振動していることが視認により認識しやすいようにするための補助視認部90326が形成されている。この補助視認部90326は、保持部材90302に一体的に形成された部位であり、この保持部材90302の複数個所、特に、配置孔90325の周囲に設けられている。なお、全ての補助視認部90326が被振動部材90303と同一形状である必要はなく、保持部材90302の隅部に形成される補助視認部90326は、その一部が切り欠かれた形状、即ち一部が被振動部材90303の一部と同一形状(正六角形の一部が切り欠かれた形状)をなしている。
また、この他の実施の形態では、スティックコントローラ90122内に設けられているバイブレータ用モータ90126を駆動することによって、スティックコントローラ90122を振動させることができるとともに、スティックコントローラ90122と一体構成されているプッシュボタン90120も振動させることができ、これにより被振動部材90303も振動させることができる。プッシュボタン90120が振動しているときに、被振動部材90303は大きい振幅で振動するが、保持部材90302と一体の補助視認部90326は被振動部材90303よりも小さい振幅で振動するので、その振動態様(振幅)の差により被振動部材90303の振動が強調して視認される。
なお、図27および図28では、理解を助けるために、被振動部材90303を網点にして図示しているが、被振動部材90303の色彩と補助視認部90326の色彩とは同一となっている。つまり、被振動部材90303が振動していない状態では、被振動部材90303と補助視認部90326とが区別し難いようになっており、いずれの部位が振動する部位であるかが分かり難くなっている。そのため、被振動部材90303が振動し始めると、意外性が生じて遊技興趣が向上される。
また、被振動部材90303の下方には、各被振動部材90303に振動を伝達するための振動レンズ部材90304が設けられている。この他の実施の形態では、1枚の板状をなす振動レンズ部材90304が設けられ、この振動レンズ部材90304に加わった振動が各被振動部材90303に伝達される。なお、被振動部材90303の内部は中空状をなし、その中心部には、下方に向かって突設された揺動軸を有する。なお、振動レンズ部材90304の上面側には、被振動部材90303の揺動軸の下端が配置される有底穴部90335が複数設けられている。また、被振動部材90303は揺動軸の下端を中心として揺動自在に設けられる。
更に、振動レンズ部材90304に形成された複数の有底穴部90335のうち、いくつかの有底穴部90335は、振動レンズ部材90304から上方に突設された凸部90336に形成されているとともに、各凸部90336の突出長が異なるように形成されている。つまり、各有底穴部90335の底面の部分の高さ位置が異なっており、この有底穴部90335の底面に接触する揺動軸の下端を中心として被振動部材90303が揺動されたときに、各被振動部材90303の振動態様に差異が生じる(ランダムに揺れ動く)ようになっている。この他の実施の形態では、振動レンズ部材90304において、プッシュボタン90120の中央部側に設けられた有底穴部90335の高さ位置が高く、プッシュボタン90120の周辺側に設けられた有底穴部90335の高さ位置が低くなっている。この有底穴部90335の高さ位置の差異に応じて各被振動部材90303の高さ位置が異なっている。
図27に示すように、振動レンズ部材90304の下方には、板状をなすボタン基部材90305が設けられている。被振動部材90303を保持した保持部材90302は、振動レンズ部材90304を内部に収容した状態で、ボタン基部材90305と連結される。なお、振動レンズ部材90304は、ボタン基部材90305の上面側に載置され、ボタン基部材90305に対して振動レンズ部材90304が振動自在に設けられている。また、ボタン基部材90305の周縁には、保持部材90302の周縁に設けられた係合凸部90327が係合される被係合部90343が設けられている。また、透明カバー90301が上方からボタン基部材90305と連結される。ボタン基部材90305の周縁には、透明カバー90301の周縁に設けられた被係合凹部90323に係合される係合凸部90345が設けられている。
この他の実施の形態では、保持部材90302と被振動部材90303と振動レンズ部材90304とボタン基部材90305とが透光性を有する材質で構成され、後述するように、下方から照射される演出用のボタンLED90360の光が透過可能になっている。なお、被振動部材90303と振動レンズ部材90304とボタン基部材90305とは、完全な透明である必要はなく、少なくとも透光性を有するものであれば、すりガラスのような不透明な部材であってもよいし、着色された部材であってもよい。
なお、前述した透明カバー90301は、完全な透明な部材として構成されているが、これに限定されるものではなく、被振動部材90303の振動態様が視認(認識)できる程度の透明度合いであれば良く、透明カバー90301は、すりガラスのような不透明な部材であってもよいし、着色された部材であってもよい。
図28に示すように、ボタン基部材90305の下方には、板状をなすベース部材90306が設けられている。このベース部材90306の中央部には、ボタン基部材90305を一方(上方)に付勢する付勢手段としてのコイルバネ90355が設けられている。このコイルバネ90355の一端は、ベース部材90306の上面の中央部に形成されたバネ配置部90354に配置されるとともに、コイルバネ90355の他端は、ボタン基部材90305の下面の中央部に形成されたバネ取付凸部に取り付けられている。なお、コイルバネ90355は、伸張する方向に付勢力を有しており、このコイルバネ90355によって、ボタン基部材90305には、上方に向けて移動されるように付勢力が付与される。
また、ボタン基部材90305の下面側の周縁近傍には、ベース部材90306の取付孔90353に挿設される係合爪90344が下方に向けて突設されている。なお、この係合爪90344が取付孔90353に遊嵌されることで、ボタン基部材90305がベース部材90306に対して上下方向に移動可能な状態でベース部材90306に取り付けられる。また、係合爪90344の下端部が鉤状をなし、係合爪90344が取付孔90353から上方に抜けないようになっている。つまり、コイルバネ90355の付勢力により、ボタン基部材90305が上昇しても、係合爪90344により、その移動範囲が規制されるようになっている。
また、透明カバー90301の外周縁には、この外周縁を囲うように形成された水平方向に突出する凸条90321が設けられている。更に、透明カバー90301の前端部には、凸片90322が設けられている。この透明カバー90301の凸条90321がボタン配置部90308の内周縁に設けられた被掛止条に掛止されるとともに、透明カバー90301の凸片90322がボタン配置部90308の前端部に設けられた被掛止部に掛止されることで、ボタン基部材90305が上昇しても、その移動範囲が規制されるようになっている。
この他の実施の形態では、遊技者がプッシュボタン90120の押下操作をすることで、透明カバー90301と保持部材90302と被振動部材90303と振動レンズ部材90304とボタン基部材90305とが一体となって、コイルバネ90355の付勢力に抗して下方に移動される。この他の実施の形態では、この透明カバー90301と保持部材90302と被振動部材90303と振動レンズ部材90304とボタン基部材90305とがベース部材90306に移動可能に支持される移動部を構成している。
また、プッシュボタン90120は、ボタン配置部90308の内空の配置空間90370に配置される。なお、操作桿90309の上部(ボタン配置部90308の根元部分)には、ベース部材90306を固定するためのネジが挿通されるネジ固定孔90312が設けられる。このネジ固定孔90312は、左右2箇所に設けられている。更に、ベース部材90306の一方の端部近傍(この他の実施の形態では、前方の端部近傍)の左右2箇所には、雌ネジ部90356が設けられている。この雌ネジ部90356に、ネジ固定孔90312に挿通されたネジが螺着されることによりベース部材90306が操作桿90309に対して固定される。そして、バイブレータ用モータ90126が駆動されて操作桿90309が振動されると、その振動がネジ固定孔90312に挿通されたネジを介してベース部材90306に伝達され、このベース部材90306の上方に設けられたプッシュボタン90120(移動部)が振動するようになる。
図27および図28に示すように、ベース部材90306の下方には、ボタン基板90307が設けられている。このボタン基板90307には、演出用のボタンLED90360が搭載されている。このボタンLED90360は、ボタン基板90307に複数個(この他の実施の形態では、7個)設けられ、ベース部材90306には、各ボタンLED90360に対応する位置に、各ボタンLED90360が配置される窓部90351が開口されている。そして、ボタンLED90360が点灯されると、ボタン基部材90305の下面から光が入射し、更に振動レンズ部材90304の光拡散部により屈折および拡散された光が、保持部材90302と被振動部材90303とに下方から入射される。そのため、遊技者の視点からプッシュボタン90120を見たときに、保持部材90302と被振動部材90303とが恰も発光しているように見える。
また、ボタン基板90307には、プッシュボタン90120に対してなされた押下動作が行われたか否かを検出するためのプッシュセンサ90361(フォトセンサ)が搭載されている。更に、ベース部材90306には、プッシュセンサ90361に対応する位置に、プッシュセンサ90361が配置される窓部90352が開口されている。この窓部90352を介してプッシュセンサ90361がベース部材90306の上面側に露出している。
図29は、主基板(遊技制御基板)9031における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図29は、払出制御基板9037および演出制御基板9080等も示されている。主基板9031には、プログラムに従ってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムに従って制御動作を行うCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。この他の実施の形態では、ROM9054およびRAM9055は遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU9056のほかRAM9055が内蔵されていればよく、ROM9054は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部9057は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定のバックアップ期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この他の実施の形態では、RAM9055の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令に従って駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板90160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路9064も主基板9031に搭載されている。
この他の実施の形態では、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板9077を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置909の表示制御を行う。
また、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028、演出役物90201に設けられている役物LED90202、およびプッシュボタン90120に設けられているボタンLED90360の表示制御を行うとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行う。
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ90122が備えるトリガセンサ90125や傾倒方向センサユニット90123、バイブレータ用モータ90126、およびプッシュボタン90120が備えるプッシュセンサ90361にも接続されているのであるが(図30参照)、図29では図示を省略している。
図30は、中継基板9077、演出制御基板9080、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070の回路構成例を示すブロック図である。なお、図30に示す例では、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070を設けずに、演出制御に関して演出制御基板9080のみを設けてもよい。
演出制御基板9080は、演出制御用CPU90101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この他の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板9080において、演出制御用CPU90101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板9077を介して入力される主基板9031からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ90102および入力ポート90103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU90101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)90109に演出表示装置909の表示制御を行わせる。
この他の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行うVDP90109が演出制御基板9080に搭載されている。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP90109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置909に出力する。
演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP90109に出力する。CGROMは、演出表示装置909に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP90109は、演出制御用CPU90101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP90109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板9080において、まず、入力ドライバ90102に入力する。入力ドライバ90102は、中継基板9077から入力された信号を演出制御基板9080の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080の内部から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板9077には、主基板9031から入力された信号を演出制御基板9080に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路9074が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図30には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート90571を介して主基板9031から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板9077から主基板9031の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板9077からの信号は主基板9031の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ90560側)に入り込まない。なお、出力ポート90571は、図29に示されたI/Oポート部9057の一部である。また、出力ポート90571の外側(中継基板9077側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90125から、入力ポート90106を介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90361から、入力ポート90106を介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、入力ポート90106を介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90105を介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU90101は、出力ポート90105を介してランプドライバ基板9035に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90104を介して音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板9035において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ90351を介してLEDドライバ90352に入力される。LEDドライバ90352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED9028、役物LED90202およびボタンLED90360などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板9070において、音番号データは、入力ドライバ90702を介して音声合成用IC90703に入力される。音声合成用IC90703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路90705に出力する。増幅回路90705は、音声合成用IC90703の出力レベルを、ボリューム90706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ9027に出力する。音声データROM90704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定の演出期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図31は、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU9056は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS904)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS905)。なお、割込モード2は、CPU9056が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU9056は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU9056は、通常の初期化処理(ステップS9010〜S9015)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS907)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU9056は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS908)。この他の実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS908では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS9041〜S9043の処理)を行う。具体的には、ROM9054に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9041)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM9055内の領域)に設定する(ステップS9042)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS9041およびS9042の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU9056は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS9043)。また、CPU9056は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板9080に対して送信する(ステップS9044)。そして、ステップS9014に移行する。なお、ステップS9044において、CPU9056は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図35参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この他の実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS9044で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この他の実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU9056は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU9056は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この他の実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU9056は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS9010)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM9055の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM9054に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS9012)。
ステップS9011およびS9012の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU9056は、サブ基板(主基板9031以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS9013)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置909において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU9056は、乱数回路90503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS9014)。CPU9056は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路90503にランダムR´の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS9015において、CPU9056は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この他の実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS9010〜S9015)が完了すると、CPU9056は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS9017)および初期値用乱数更新処理(ステップS9018)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS9016)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS9019)。この他の実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この他の実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図32に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS9020)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU9056は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、ステップS9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS9028)。
さらに、CPU9056は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS9030)。具体的には、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板9037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置9097を駆動する。
なお、この他の実施の形態では、例えば、第1始動入賞口9013や第2始動入賞口9014に遊技球が入賞し、第1始動口スイッチ9013aや第2始動口スイッチ9014aからの検出信号を入力した場合には、3個の賞球が払い出されるものとする。また、例えば、大入賞口に遊技球が入賞し、カウントスイッチ9023からの検出信号を入力した場合には、15個の賞球が払い出されるものとする。
この他の実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS9033)。CPU9056は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この他の実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS9021〜S9033(ステップS9029を除く。)の処理に相当する。また、この他の実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図33は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4´(MR4´):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)
図32に示された遊技制御処理におけるステップS9023では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2´、ランダム3´)または初期値用乱数(ランダム5´)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この他の実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ90560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図34(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図34(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図34(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図34(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図34(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図34(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図34(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図34(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図34(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図34(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図34(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図34(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この他の実施の形態では、図34(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この他の実施の形態では、第1始動入賞口9013に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口9014に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図34(D),(E)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブル90131a,90131bを示す説明図である。このうち、図34(D)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)90131aである。また、図34(E)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)90131bである。
大当り種別判定テーブル90131a,90131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この他の実施の形態では、図34(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル90131aには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル90131bには「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この他の実施の形態では、第1始動入賞口9013に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口9014に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル90131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル90131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
この他の実施の形態では、図34(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この他の実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この他の実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この他の実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS90167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この他の実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS90168,S90137〜S90140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS90132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この他の実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS90169,S90170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS90132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この他の実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この他の実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この他の実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS90169,S90170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS90132参照)。
なお、突然確変大当りの態様は、この他の実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや突然確変大当りと同じ15回(15ラウンド)とし、大入賞口の開放時間のみ0.1秒と極めて短くするようにしてもよい。
なお、この他の実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル90131a,90131bには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU9056は、ランダム1´の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図35および図36は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図35および図36に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置909において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ90100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この他の実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」や「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。また、A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」や「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA400(H)は、大入賞口への遊技球の入賞を検出したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この他の実施の形態では、保留記憶数を特定可能な保留情報として、第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンド、および第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、保留情報として、第1保留記憶数自体を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)や、第2保留記憶数自体を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)を送信するように構成してもよい。また、例えば、保留情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)を送信するように構成してもよい。この場合、合算保留記憶数指定情報を送信するように構成する場合には、例えば、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)や、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)を送信するようにして、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれが増加したかを特定できるようにすればよい。
演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)は、主基板9031に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ90560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図35および図36に示された内容に応じて演出表示装置909の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板9070に対して音番号データを出力したりする。
図37および図38は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS9026)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU9056は、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ9013aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90311,S90312)。また、CPU9056は、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ9014aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口9014への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90313,S90314)。そして、ステップS90300〜S90310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ9013aまたは第2始動口スイッチ9014aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS90300〜S90310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS90300〜S90310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS90300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS90301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS90303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS90304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この他の実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図48参照)、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS90305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS90306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS90307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS90308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS90309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS90310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
図39は、ステップS90312,S90314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図39(A)は、ステップS90312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図39(B)は、ステップS90314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図39(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ9013aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS901211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901213A)。
次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図40参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS901214A)。なお、ステップS901214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図40は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図40に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この他の実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM9055に形成されている。
次いで、CPU9056は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901215A)。
次に、図39(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ9014aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS901211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901213B)。
次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図40参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS901214B)。なお、ステップS901214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU9056は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901215B)。
図41および図42は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS90300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU9056は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS9051)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS9051A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU9056は、ステップS9051Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU9056は、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS9052)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値を確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU9056は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS9053)。第2保留記憶数が0であれば、CPU9056は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS9054)。
ステップS9052〜S9054の処理が実行されることによって、この他の実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。なお、この他の実施の形態で示した態様にかぎらず、第1始動入賞口9013および第2始動入賞口9014への入賞順に第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを実行するようい構成してもよい。
次いで、CPU9056は、RAM9055において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の乱数バッファ領域に格納する(ステップS9055)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS9056)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM9055の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM9055の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU9056は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS9058)。なお、CPU9056は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM9055の所定の領域に保存する。
また、CPU9056は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS9060)。この場合、CPU9056は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS9028)において演出制御コマンドを送信する。なお、この他の実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口9013を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口9014を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS90300〜S90310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU9056は、乱数バッファ領域からランダムR´(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU9056は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS901214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS901214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図34参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態や時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM9054における図34(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM9054における図34(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU9056は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値が図34(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS9061)、ステップS9071に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR´)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS9061のN)、CPU9056は、小当り判定テーブル(図34(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値が図34(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU9056は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図34(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図34(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS9062)、CPU9056は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS9063)、ステップS9075に移行する。
なお、ランダムR´の値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS9062のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS9075に移行する。
ステップS9071では、CPU9056は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS9072)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図34(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル90131aを選択する。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図34(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル90131bを選択する。
次いで、CPU9056は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS9073)。なお、この場合、CPU9056は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS901214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS901214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図34(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU9056は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM9055における大当り種別バッファに設定する(ステップS9074)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU9056は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS9075)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この他の実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この他の実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS90301)に対応した値に更新する(ステップS9076)。
図43は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS90301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU9056は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS9081)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS9082)。そして、ステップS9090に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU9056は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9083)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS9084)。そして、ステップS9090に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU9056は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9085)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態や時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「通常大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この他の実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS9085のN)、CPU9056は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS9086)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS9086のN)、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS9087)。そして、ステップS9090に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS9086のY)には、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS9088)。そして、ステップS9090に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS9085のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば(この他の実施の形態では、確変状態に移行される場合には必ず時短状態にも移行されるので(ステップS90169,S90170参照)、ステップS9085でYと判定された場合には、確変状態の場合と時短状態のみに制御されている場合とがある)、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS9089)。そして、ステップS9090に移行する。
この他の実施の形態では、ステップS9085〜S9089の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS9090の処理で変動パターン種別として短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別が決定される場合があり、短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別が決定された場合には、ステップS9092の処理で変動パターンとして短縮変動の変動パターンが決定される。従って、この他の実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
次いで、CPU9056は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2´(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS9082、S9084、S9087、S9088またはS9089の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS9090)。
次いで、CPU9056は、ステップS9090の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS9091)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3´(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS9091の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS9092)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3´(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU9056は、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS9093)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS9094)。
次に、CPU9056は、RAM9055に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS9095)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)に対応した値に更新する(ステップS9096)。
図44は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU9056は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図35参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU9056は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS90120)。セットされていない場合には、ステップS90126に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90121,S90122)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS9074で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU9056は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90123,S90124)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS9074で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU9056は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90125)。
一方、CPU9056は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS90120のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90126)。小当りフラグがセットされていれば、CPU9056は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90127)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS90126のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU9056は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90128)。
そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS90303)に対応した値に更新する(ステップS90129)。
図45は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS90303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU9056は、まず、第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS901121)。なお、第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS901122で第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS901121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901122)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU9056は、変動時間タイマを1減算し(ステップS901125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS901126)、演出制御用マイクロコンピュータ90100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901127)。そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS90304)に対応した値に更新する(ステップS901128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図46は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS90304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU9056は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU9056は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、時短状態であることを示す時短フラグ、および時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS90132)、演出制御用マイクロコンピュータ90100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」または「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM9055に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU9056は、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置909において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS90134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS90135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS90305)に対応した値に更新する(ステップS90136)。
また、ステップS90131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU9056は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS90137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU9056は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS90138)。そして、CPU9056は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS90139)、時短フラグをリセットする(ステップS90140)。
次いで、CPU9056は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(ステップS90142)。また、CPU9056は、大入賞口開放前タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置909において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS90143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS90144)。また、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りのラウンド時間と同じ0.1秒が、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間としてセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS90308)に対応した値に更新する(ステップS90145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS90141のN)、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS90300)に対応した値に更新する(ステップS90146)。
図47は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS90307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS90160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS90164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS90161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90162)。ここで、「通常大当り」または「確変大当り」であった場合には大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS90163)、処理を終了する。
ステップS90164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS90164)。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS90165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS90165のY)、CPU9056は、今回終了する大当りが通常大当りであるか否かを確認する(ステップS90166)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS9074で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU9056は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS90167)。また、CPU9056は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS90168)。
通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS90169)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS90170)。
そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS90300)に対応した値に更新する(ステップS90171)。
図48は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS9032)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS903201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU9056は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS903202)。この場合、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS9022参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器908a,908bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器908a,908bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS903203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU9056は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS903204)。この場合、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS9022参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器908a,908bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器908a,908bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図49は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS90701)。
その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS90702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(ステップS90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS90704)。
次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS90705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置909の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU90101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS90706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置909の第4図柄表示領域909c,909dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS90707)。その後、ステップS90702に移行する。
図50は、主基板9031の遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
図51は、コマンド解析処理(ステップS90704)の具体例を示すフローチャートである。主基板9031から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU90101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU90101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS90611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU90101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS90612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS90613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS90614)、演出制御用CPU90101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS90615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS90616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS90617)、演出制御用CPU90101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS90618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS90619)、演出制御用CPU90101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS90621)、演出制御用CPU90101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90622)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンドであれば(ステップS90623)、演出制御用CPU90101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90624)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS90625)、演出制御用CPU90101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90626)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(ステップS90627)、演出制御用CPU90101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90628)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS90629)。そして、ステップS90611に移行する。
図52は、図49に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800):遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS90801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS90801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS90802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS90802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS90803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS90803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS90804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS90804):変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS90805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS90806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS90807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS90806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS90807):演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に対応した値に更新する。
図53は、図52に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU90101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS90811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS90812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS90801)に対応した値に更新する(ステップS90813)。
図54は、図52に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS90801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS908000)。次いで、演出制御用CPU90101は、ステップS908000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS908001)。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU90101は、ステップS908001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU90101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図55は、演出表示装置909における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図55に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU90101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU90101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU90101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置909に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU90101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この他の実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この他の実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU90101は、演出役物90201を用いた特定演出の実行の有無および種類を決定する特定演出設定処理を実行する(ステップS908002)。
なお、この他の実施の形態では、記載を省略しているが、演出図柄の変動表示中に各種の予告演出(例えば、ステップアップ予告演出や、キャラクタ予告演出、ボタン予告演出、役物予告演出、群予告演出、ミニキャラ予告演出)を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、演出図柄変動開始処理において、予告演出の実行の有無および種類を決定する予告演出設定処理を実行し、予告演出を実行することに決定した場合には、後述するステップS908003において予告演出に応じたプロセステーブルを選択するように構成すればよい。
次いで、演出制御用CPU90101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS908003)。そして、演出制御用CPU90101は、ステップS908003で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS908004)。
図56は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU90101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU90101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置909の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図56に示すプロセステーブルは、演出制御基板9080におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU90101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS908005)。例えば、演出表示装置909において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP90109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板9035に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ9027からの音声出力を行わせるために、音声出力基板9070に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この他の実施の形態では、演出制御用CPU90101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU90101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU90101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS908006)。
そして、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS90802)に対応した値にする(ステップS908007)。
図57は、演出図柄変動開始処理における特定演出設定処理(ステップS908002)を示すフローチャートである。特定演出設定処理において、演出制御用CPU90101は、まず、今回開始する変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する(ステップS905001)。なお、今回開始する変動表示が大当りとなるものであるか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドを確認することにより判定できる。また、例えば、ステップS908000で読み出した変動パターンコマンドが大当り用の変動パターンを指定するものであるか否かを確認することにより判定してもよい。
今回開始する変動表示が大当りとなるものであれば(ステップS905001のY)、演出制御用CPU90101は、特定演出の有無および種類を決定するためのテーブルとして、大当り用の特定演出決定テーブルを選択する(ステップS905002)。今回開始する変動表示が大当りとなるものでなければ(ステップS905001のN)、演出制御用CPU90101は、特定演出の有無および種類を決定するためのテーブルとして、はずれ用の特定演出決定テーブルを選択する(ステップS905003)。そして、演出制御用CPU90101は、ステップS905002,S905003で選択した特定演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を実行し、特定演出の有無および種類を決定する(ステップS905004)。
図58は、特定演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図58(A)は、ステップS905002で選択される大当り用の特定演出決定テーブルの具体例を示している。また、図58(B)は、ステップS905003で選択されるはずれ用の特定演出決定テーブルの具体例を示している。図58に示すように、特定演出決定テーブルには、特定演出なし、特定演出A、特定演出B、および特定演出Cに対して、それぞれ判定値が割り振られている。
この他の実施の形態では、特定演出として、演出役物90201に設けられた役物LED90202を点灯表示させる演出が実行される、この他の実施の形態では、特定演出には、特定演出A〜Cの3種類があり、特定演出Aは、演出役物90201に設けられた役物LED90202を白色の点灯色で発光させる演出である。また、特定演出Bは、演出役物90201に設けられた役物LED90202を赤色の点灯色で発光させる演出である。また、特定演出Cは、演出役物90201に設けられた役物LED90202を順に点灯色を変化させて発光させることによって虹色表示(レインボー表示)により発光させる演出である。
また、この他の実施の形態では、特定演出を実行するときに、特定演出を示唆する示唆演出が実行されるのであるが、示唆演出として、プッシュボタン90120を振動動作させる演出が実行される。図58に示すように、この他の実施の形態では、いずれの種類の特定演出が実行されるかに応じてプッシュボタン90120の振動時間が異なり、特定演出Aが実行される場合には、プッシュボタン90120の振動時間は1秒である。また、特定演出Bが実行される場合には、プッシュボタン90120の振動時間は3秒である。また、特定演出Cが実行される場合には、プッシュボタン90120の振動時間は5秒である。
図58に示すように、この他の実施の形態では、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、特定演出が実行される割合が高くなるように判定値が割り振られており、特定演出が実行された場合には、特定演出が実行されなかった場合と比較して、大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高くなっている。
また、図58に示すように、この他の実施の形態では、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、特定演出Aよりも特定演出Bが実行される割合が高くなるように判定値が割り振られており、特定演出Bが実行された場合には、特定演出Aが実行された場合と比較して、大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高くなっている。また、図58に示すように、この他の実施の形態では、大当りとなる場合にのみ特定演出Cが実行される場合があるように判定値が割り振られており、特定演出Cが実行されれば大当りとなることが確定する。従って、特定演出Cが実行された場合には、特定演出Aや特定演出Bが実行された場合と比較して、さらに大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高くなっている。
なお、この他の実施の形態では、特定演出Cが実行されれば大当りとなることが確定するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、はずれとなる場合であっても低い割合で特定演出Cを実行可能に構成してもよく、少なくとも、特定演出Cが実行された場合には、特定演出Aや特定演出Bが実行された場合と比較して、大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高くなるように構成されていればよい。
また、この他の実施の形態では、特定演出が実行される場合に大当り信頼度が高くなるように構成したり、特定演出C、特定演出Bおよび特定演出Aの順に大当り信頼度が高くなるように構成する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、特定演出が実行される場合にリーチ信頼度や確変信頼度が高くなるように構成したり、特定演出Bおよび特定演出Aの順にリーチ信頼度や確変信頼度が高くなるように構成してもよい。
また、この他の実施の形態では、特定演出の種類として特定演出A〜Cの3種類がある場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、1種類や2種類の特定演出のみを実行可能に構成してもよいし、4種類以上の特定演出を実行可能に構成してもよい。例えば、演出役物90201に設けられた役物LED90202を青色や緑色の点灯色で発光させる特定演出の種類を設けてもよい。
また、この他の実施の形態では、特定演出の種類とプッシュボタン90120の振動時間とが一対一に対応する場合を示したが、必ずしもそのような態様にかぎられない。例えば、プッシュボタン90120の振動時間が1秒である場合であっても、必ずしも特定演出Aが実行されるとはかぎらず、低い割合で特定演出Bや特定演出Cが実行される場合があるように構成してもよい。
また、この他の実施の形態では、示唆演出の種類として、プッシュボタン90120の振動時間を異ならせる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、示唆演出の種類として、プッシュボタン90120の振動動作の強度を異ならせたり、振動速度を異ならせたりしてもよく、振動パターンを異ならせたり(例えば、プッシュボタン90120を連続して振動動作させたり、断続的に振動動作させたり、間欠的に振動動作させたりする)してもよい。また、これらプッシュボタン90120の振動時間や振動強度、振動速度、振動パターンを組み合わせて示唆演出の種類を構成してもよい。
また、この他の実施の形態では、図58に示すように、大当りとなるか否かに応じて特定演出や示唆演出の有無や種類を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、変動パターンコマンドで指定される変動パターンの種類に応じて異なる特定演出決定テーブルを選択して、特定演出や示唆演出の有無や種類を異ならせるように構成してもよい。この場合、例えば、スーパーリーチAを含む変動パターンよりもスーパーリーチBを含む変動パターンの方が、特定演出や示唆演出を実行しやすく構成したり、期待度が高い種類の特定演出や示唆演出を選択しやすく構成したりしてもよい。また、例えば、擬似連回数の少ない変動パターンよりも擬似連回数の多い変動パターンの方が、特定演出や示唆演出を実行しやすく構成したり、期待度が高い種類の特定演出や示唆演出を選択しやすく構成したりしてもよい。
また、この他の実施の形態では、特定演出が実行される場合には必ず示唆演出も実行される場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、図58において、さらに、示唆演出としてのプッシュボタン90120の振動動作を伴わない特定演出Dを設けるように構成してもよい。また、プッシュボタン90120の振動動作を伴わないだけでなく、ブラックアウト表示や、枠LED9028の消灯、ボタンLED90360の点灯も行わないように構成してもよいし、これらのうちのいずれか1つ、複数、または全てを行わないように構成するものであってもよい。
また、この他の実施の形態では、図58に示すように、特定演出と示唆演出の有無および種類を1回の抽選処理で一括して決定する場合を示しているが、特定演出と示唆演出とを別々の抽選処理で決定するように構成してもよい。そして、特定演出と示唆演出とを別々の抽選処理で決定することによって、特定演出と示唆演出との両方を実行するパターンと、特定演出のみを実行するパターン(あまり気付かれないように特定演出を実行するパターン)と、示唆演出のみを実行するパターン(いわゆるガセのパターン)とがあるように構成してもよい。
そして、特定演出を実行することに決定した場合には(ステップS905005)、演出制御用CPU90101は、決定した特定演出の種類に応じた特定演出実行フラグをセットする(ステップS905006)。例えば、特定演出Aを実行することに決定した場合には特定演出A実行フラグをセットし、特定演出Bを実行することに決定した場合には特定演出B実行フラグをセットし、特定演出Cを実行することに決定した場合には特定演出C実行フラグをセットする。
図59および図60は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS90802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU90101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS908101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS908102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS908103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS908104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS908105)。
次いで、演出制御用CPU90101は、いずれかの特定演出実行フラグ(特定演出A実行フラグ〜特定演出C実行フラグのいずれか)がセットされているか否かを確認する(ステップS908106)。いずれの特定演出実行フラグもセットされていなければ、ステップS908126に移行する。いずれかの特定演出実行フラグがセットされていれば、演出制御用CPU90101は、暗転表示(ブラックアウト表示)の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS908107)。なお、暗転表示の開始タイミングとなっているか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS908006でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。暗転表示の開始タイミングとなっていれば(ステップS908107のY)、演出制御用CPU90101は、演出表示装置909の表示画面全体の暗転表示(ブラックアウト表示)を開始する(ステップS908108)とともに、枠LED9028を全て消灯する(ステップS908109)。そして、ステップS908126に移行する。
暗転表示の開始タイミングでなければ(ステップS908107のN)、演出制御用CPU90101は、示唆演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS908110)。なお、示唆演出の開始タイミングとなっているか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS908006でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。また、この他の実施の形態では、暗転表示の開始タイミングとなった後、所定時間(本例では、1秒)経過したタイミングで示唆演出の開始タイミングが到来するものとする。
示唆演出の開始タイミングとなっていれば(ステップS908110のY)、演出制御用CPU90101は、バイブレータ用モータ90126の駆動を開始し、示唆演出としてのプッシュボタン90120の振動動作を開始する(ステップS908111)。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120の振動時間を計測するための振動時間タイマに、特定演出の種類に応じた振動時間に相当する値をセットする(ステップS908112)。例えば、特定演出A実行フラグがセットされている場合であれば振動時間タイマに1秒に相当する値をセットし、特定演出B実行フラグがセットされている場合であれば振動時間タイマに3秒に相当する値をセットし、特定演出C実行フラグがセットされている場合であれば振動時間タイマに5秒に相当する値をセットする。また、演出制御用CPU90101は、ボタンLED90360の点灯表示を開始し、示唆演出としてのプッシュボタン90120の点灯表示を開始する(ステップS908113)。そして、ステップS908126に移行する。
なお、この他の実施の形態では、ステップS908113の処理を実行することによって、ボタンLED90360を点灯表示させる場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、ボタンLED90360を点滅表示させるものであってもよい。また、例えば、ボタンLED90360を様々な点灯色で発光させたり、様々な点灯パターンで発光させたりするものでもよく、大当り期待度やリーチ期待度、確変期待度に応じて、抽選処理により、ボタンLED90360をいずれの点灯色や点灯パターンで発光させるかを決定するものであってもよい。
示唆演出の開始タイミングでなければ(ステップS908110のN)、演出制御用CPU90101は、振動時間タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS908114)。振動時間タイマの値が0でなければ(ステップS908114のN)、すなわちプッシュボタン90120の振動動作中であれば、演出制御用CPU90101は、振動時間タイマの値を1減算し(ステップS908115)、減算後の振動時間タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップS908116)。振動時間タイマの値が0となっていれば(すなわち、プッシュボタン90120の振動時間を終了した場合には)、演出制御用CPU90101は、バイブレータ用モータ90126の駆動を停止し、示唆演出としてのプッシュボタン90120の振動動作を終了する(ステップS908117)とともに、ボタンLED90360の点灯表示を終了し、示唆演出としてのプッシュボタン90120の点灯表示を終了する(ステップS908118)。そして、ステップS908126に移行する。
振動時間タイマの値が0であれば(ステップS908114のY)、演出制御用CPU90101は、特定演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS908119)。なお、特定演出の開始タイミングとなっているか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS908006でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。また、この他の実施の形態では、プッシュボタン90120の振動時間を終了した後、所定時間(本例では、1秒)経過したタイミングで特定演出の開始タイミングが到来するものとする。
特定演出の開始タイミングとなっていれば(ステップS908119のY)、演出制御用CPU90101は、特定演出の種類に応じた表示色で、演出役物90201に設けられた役物LED90202の点灯表示を開始し、特定演出の実行を開始する(ステップS908120)。例えば、特定演出A実行フラグがセットされていれば、演出役物90201に設けられた役物LED90202を白色の点灯色で発光させる演出を開始する。また、特定演出B実行フラグがセットされていれば、演出役物90201に設けられた役物LED90202を赤色の点灯色で発光させる演出を開始する。また、特定演出C実行フラグがセットされていれば、演出役物90201に設けられた役物LED90202を順に点灯色を変化させて発光させることによって虹色表示(レインボー表示)により発光させる演出を開始する。そして、ステップS908126に移行する。
特定演出の開始タイミングでなければ(ステップS908119のN)、演出制御用CPU90101は、特定演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS908121)。なお、特定演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS908006でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。また、この他の実施の形態では、プッシュボタン90120の振動時間を終了した後、所定の特定演出の演出時間(本例では、5秒)経過したタイミングで特定演出の開始タイミングが到来するものとする。なお、特定演出の演出時間は5秒間にかぎらず、例えば、7秒間や10秒間にわたって特定演出を実行するように構成してもよい。
特定演出の終了タイミングとなっていれば(ステップS908121のY)、演出制御用CPU90101は、演出表示装置909における暗転表示(ブラックアウト表示)を終了する(ステップS908122)とともに、演出図柄の変動表示に応じて枠LED9028の点灯表示を再開する(ステップS908123)。また、演出制御用CPU90101は、演出役物90201に設けられた役物LED90202の点灯表示を終了し、特定演出の実行を終了する(ステップS908124)。また、演出制御用CPU90101は、セットされている特定演出実行フラグ(特定演出A実行フラグ〜特定演出C実行フラグのいずれか)をリセットする(ステップS908125)。そして、ステップS908126に移行する。
なお、この他の実施の形態では、特定演出の終了のタイミングで暗転表示(ブラックアウト表示)を終了したり枠LED9028の点灯表示を再開したりする場合を示しているが、この他の実施の形態で示した態様にかぎられない。例えば、プッシュボタン90120の振動動作中や振動動作終了のタイミングで暗転表示(ブラックアウト表示)を終了したり枠LED9028の点灯表示を再開したりしてもよいし、演出役物90201の役物LED90202の点灯表示開始や点灯表示中のタイミングで暗転表示(ブラックアウト表示)を終了したり枠LED9028の点灯表示を再開したりしてもよい。また、例えば、特定演出を終了してから所定時間(例えば、1秒)経過後に暗転表示(ブラックアウト表示)を終了したり枠LED9028の点灯表示を再開したりしてもよく、様々な態様が考えられる。
なお、この他の実施の形態では、示唆演出や特定演出の種類に関係なく、示唆演出や特定演出の実行タイミングが同じである場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、示唆演出や特定演出を高速変動中に実行したり、リーチ成立時に実行したり、リーチ中に実行したりするなど、複数の実行タイミングで示唆演出や特定演出を実行可能に構成してもよい。また、この場合、例えば、示唆演出や特定演出がいずれの実行タイミングで実行されたかに応じて、大当り期待度やリーチ期待度、確変期待度を異ならせてもよい。
そして、演出制御用CPU90101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS908126)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS90803)に応じた値に更新する(ステップS908127)。
図61は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS90803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU90101は、まず、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS908301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS908305に移行する。この他の実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS908304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS908302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS908305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU90101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS908302)。
次いで、ステップS908302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS908303のN)、演出制御用CPU90101は、ステップS908311に移行する。
ステップS908302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS908303のY)、演出制御用CPU90101は、停止図柄表示フラグをセットする(ステップS908304)。
次いで、演出制御用CPU90101は、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS908305)。なお、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したか否かは、具体的には、コマンド解析処理においてセットされる大当り開始指定コマンドを受信したことを示すフラグ(大当り開始指定コマンド受信フラグ)や、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示すフラグ(小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認することにより判定できる。いずれかの大当り開始指定コマンドを受信していれば、演出制御用CPU90101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS908306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS908307)。なお、演出制御用CPU90101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS908308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS908309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS90804)に応じた値に更新する(ステップS908310)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS908303のN)、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に応じた値に更新する(ステップS908311)。
次に、示唆演出および特定演出の演出態様の具体例について説明する。図62は、示唆演出および特定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図62において、(1)(2)(3)・・・の順に表示画面が推移する。
図62(1)に示すように、演出表示装置909において、左中右の演出図柄の変動表示を実行しているものとし、その変動開始時に特定演出の実行を決定しているものとする。暗転表示(ブラックアウト表示)の開始タイミングとなると、図62(2)に示すように、演出表示装置909の表示画面全体の暗転表示(ブラックアウト表示)が開始される(ステップS908108参照)とともに、枠LED9028が全て消灯される(ステップS908109参照)。
なお、図62に示す例では、暗転表示(ブラックアウト表示)を行う場合に演出表示装置909の表示画面全体を完全に暗転表示させてしまう場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、暗転表示(ブラックアウト表示)中であっても、第4図柄表示領域909c,909dにおける第4図柄は継続して表示したり、何らかの小図柄を表示するように構成されている場合には小図柄を継続して表示したり、右打ち操作を示唆する右打ち表示を行うように構成されている場合には右打ち表示を継続して表示したりしてもよい。そのように、暗転表示(ブラックアウト表示)中であっても、遊技の進行上必要な情報を継続して表示するように構成してもよい。
次いで、示唆演出の開始タイミングとなると、図62(3)に示すように、示唆演出としてのプッシュボタン90120の振動動作が開始される(ステップS908111参照)とともに、ボタンLED90360の点灯表示が開始され、示唆演出としてのプッシュボタン90120の点灯表示が開始される(ステップS908113参照)。なお、この場合、プッシュボタン90120が振動動作されることによってプッシュボタン90120内部の被振動部材90303も振動し、被振動部材90303の振動が強調して視認される。
次いで、プッシュボタン90120の振動時間が終了すると、図62(4)に示すように、示唆演出としてのプッシュボタン90120の振動動作が終了される(ステップS908117参照)とともに、ボタンLED90360の点灯表示が終了され、示唆演出としてのプッシュボタン90120の点灯表示が終了される(ステップS908118参照)。
次いで、特定演出の開始タイミングとなると、図62(5)に示すように、演出役物90201に設けられた役物LED90202の点灯表示が開始され、特定演出の実行が開始される(ステップS908120参照)。この場合、例えば、特定演出Aが実行される場合であれば、演出役物90201に設けられた役物LED90202を白色の点灯色で発光させる演出が開始される。また、特定演出Bが実行される場合であれば、演出役物90201に設けられた役物LED90202を赤色の点灯色で発光させる演出が開始される。また、特定演出Cが実行される場合であれば、演出役物90201に設けられた役物LED90202を順に点灯色を変化させて発光させることによって虹色表示(レインボー表示)により発光させる演出が開始される。
そして、その後、特定演出の演出時間(本例では、5秒)を経過し、特定演出の終了タイミングとなると、演出役物90201に設けられた役物LED90202の点灯表示が終了され、特定演出の実行が終了される(ステップS908124参照)。また、演出表示装置909における暗転表示(ブラックアウト表示)も終了される(ステップS908122参照)とともに、演出図柄の変動表示に応じて枠LED9028の点灯表示も再開される(ステップS908123参照)。
以上に説明したように、この他の実施の形態によれば、演出を実行可能な演出装置(本例では、演出役物90201)と、動作可能な可動体(本例では、プッシュボタン90120)とを備える。また、演出装置を用いて可動体の近傍において特定演出(本例では、図62(5)に示す態様の特定演出)を実行可能であり、特定演出が実行されるときに可動体を動作可能である(本例では、図62(3)に示すプッシュボタン90120の振動動作の後に、図62(5)に示す特定演出を実行する)。そのため、特定演出の演出効果を向上させることができる。
具体的には、この他の実施の形態では、演出装置としての演出役物90201が遊技領域907の下方に設けられているので、演出役物90201の役物LED90202の発光をある程度目立たせることはできるが、その発光前の時点では遊技者が遊技領域907のいずれの領域に注目すればよいかわからず、特定演出の演出効果が十分に得られない可能性がある。そこで、この他の実施の形態では、演出役物90201の近傍に設けられた可動体(本例では、プッシュボタン90120)を動作(本例では、振動動作)させることによって、振動動作するプッシュボタン90120に目を向けさせることにより特定演出に遊技者の視線を誘導でき、特定演出の演出効果を向上させることができる。
なお、「特定演出が実行されるときに」とは、この他の実施の形態では、具体的には、プッシュボタン90120の振動動作を終了した後、所定時間(本例では、1秒)経過したタイミングで特定演出を実行することである。このように、プッシュボタン90120の振動動作を終了した後、比較的短い時間(本例では、1秒)を経過した後に特定演出を実行するように構成してもよいし、プッシュボタン90120の振動動作と特定演出とを全く同じタイミングで実行してもよいし、プッシュボタン90120の振動時間と特定演出の演出期間とが一部重複する(例えば、プッシュボタン90120の振動動作を開始した後、まだ振動動作中に特定演出の実行を開始する)ように構成してもよい。このように、「特定演出が実行されるときに」とは、プッシュボタン90120の振動動作と特定演出との実行タイミングが全く同一でも同一でなくても、少なくともプッシュボタン90120の振動動作と特定演出とが対応して実行されていると認識できる程度のタイミングで実行されるものであればよい。
また、この他の実施の形態では、演出装置(本例では、演出役物90201)が遊技盤906上に設けられている場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、特定演出に用いる演出役物を、プッシュボタン90120の近傍の遊技枠上に設けるように構成してもよい。
また、「可動体の近傍」とは、例えば、演出表示装置909が設けられている領域を領域A、演出役物90201が設けられている領域を領域B、およびプッシュボタン90120が設けられている領域を領域Cとした場合に、領域AB間の距離よりも領域BC間の距離の方が短くなるように構成したものであればよい。そのように構成すれば、遊技者の目線が普段向いていると思われる演出表示装置909からの距離よりも、プッシュボタン90120からの距離が短い領域に演出役物90201が設けられているので、遊技者の視線を効果的に誘導することができる。
また、「可動体の近傍」とは、例えば、上記の領域BC間の距離が演出表示装置909の表示画面のサイズよりも短い距離となるように構成したものであってもよい。例えば、演出表示装置909(液晶表示装置)の表示画面のサイズが15インチ(38.1cm)である場合には、領域BC間の距離が38.1cm未満となるように構成したものであってもよい。そのように構成すれば、遊技者が普段注目している演出表示装置909の表示画面全体のサイズよりも狭いエリア内に演出役物90201とプッシュボタン90120とが配置されているので、遊技者の視線を効果的に誘導することができる。
また、この他の実施の形態では、可動体の近傍の演出装置の態様として、プッシュボタン90120の比較的近くにアウト口9026を介して演出役物90201が設けられている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技領域907上であってもプッシュボタン90120の直ぐ上方に演出役物90201が設けられているように構成してもよく、上記のようにプッシュボタン90120の近くの遊技枠上に演出役物90201が設けられていてもよい。また、プッシュボタン90120などの可動体と演出役物90201とが一体に構成されていてもよい。そのように、「可動体の近傍」とは、演出役物90201を用いた特定演出に遊技者の視線を誘導できる程度の距離にプッシュボタン90120などの可動体が設けられているものであればよい。
また、この他の実施の形態では、特定演出に用いる演出装置が役物LED90202を備えた演出役物90201である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出装置として特定の領域に設けられたランプ・LEDや、サブ液晶表示装置などを用いて、何らかの形式で特定演出を実行するものであってもよい。
また、この他の実施の形態では、可動体がプッシュボタン90120である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、可動体として所定の動作範囲内で動作可能な可動部材を備えるように構成し、演出装置の近傍に設けられた可動部材を動作させることによって示唆演出を実行するように構成してもよい。
また、この他の実施の形態によれば、可動体が動作された後に特定演出を実行可能である(本例では、図62(3)に示すプッシュボタン90120の振動動作の後に、図62(5)に示す特定演出を実行する)。そのため、特定演出の開始前に特定演出に注目させることができる。
なお、この他の実施の形態では、プッシュボタン90120の振動動作を停止した後、所定時間(本例では、1秒)経過してから演出役物90201の役物LED90202を点灯表示し特定演出の実行を開始する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、プッシュボタン90120の振動動作中に演出役物90201の役物LED90202を点灯表示した後に、プッシュボタン90120の振動動作を終了するように構成してもよい。そのように構成しても、特定演出の開始前に既にプッシュボタン90120の振動動作が開始しているので、特定演出の開始前に特定演出に注目させることができる。また、例えば、プッシュボタン90120の振動動作の停止と同時に、演出役物90201の役物LED90202を点灯表示し特定演出の実行を開始するように構成してもよく、様々な態様が考えられる。
また、この他の実施の形態では、演出表示装置909における暗転表示(ブラックアウト表示)を開始した後、所定時間(本例では、1秒)経過してからプッシュボタン90120の振動動作を開始する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、暗転表示(ブラックアウト表示)や枠LEDの消灯と同時に、プッシュボタン90120の振動動作を開始するように構成してもよく、様々な態様が考えられる。
また、この他の実施の形態によれば、可動体は、遊技者によって操作可能な操作手段(本例では、プッシュボタン90120)であり、特定演出が実行されるときに操作手段を振動動作させる(本例では、図62(3)に示すプッシュボタン90120の振動動作の後に、図62(5)に示す特定演出を実行する)。また、操作手段は、振動動作を視認可能な装飾部材(本例では、図27および図28に示す被振動部材90303)を含む。そのため、視覚および触覚により遊技者の視線を特定演出に誘導することができる。
なお、この他の実施の形態では、装飾部材(本例では、被振動部材90303)がプッシュボタン90120に含まれる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、必ずしもプッシュボタン90120に内蔵されている必要はなく、プッシュボタン90120の近傍に何らかの装飾部材が設けられているものであってもよい。そして、例えば、プッシュボタン90120の振動動作が伝わって、その近傍に設けられた装飾部材も振動動作するように構成すればよい。そのように何らかの形式でプッシュボタン90120の振動動作を強調できるものであればよい。
また、この他の実施の形態によれば、特定演出が実行されるときに表示手段を暗転表示させる(本例では、図62(2)に示すように、演出表示装置909の表示画面全体を暗転表示(ブラックアウト表示)させる)。また、演出用の発光体(本例では、枠LED9028)が消灯された状態で、可動体を動作可能である(本例では、図62(3)に示すように、演出表示装置909が暗転表示(ブラックアウト表示)されるとともに、枠LED9028が全て消灯された状態で、プッシュボタン90120を振動動作させる)。そのため、より効果的に遊技者の視線を特定演出に誘導することができる。具体的には、この他の実施の形態では、演出表示装置909が暗転表示(ブラックアウト表示)されて何も表示されない状態となり、遊技枠の枠LED9028も全て消灯されるので、プッシュボタン90120の振動動作をより目立たせることができ、効果的に遊技者の視線を特定演出に誘導することができる。
なお、この他の実施の形態では、演出用の発光体として、全ての枠LED9028を消灯する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、必ずしも遊技機に設けられた全てのランプ・LEDを消灯する必要はなく、一部の複数のランプ・LEDを消灯するように構成してもよく、1つのランプ・LED(例えば、発光領域が大きく特に目立つランプ・LED)のみを消灯するように構成してもよい。また、この他の実施の形態では、枠LED9028の消灯中であっても、示唆演出を実行する際にはプッシュボタン90120のボタンLED90360を点灯してプッシュボタン90120を強調するように構成する場合を示しているが、枠LED9028の消灯中はボタンLED90360も消灯するように構成してもよい。
また、この他の実施の形態によれば、少なくとも第1動作態様(例えば、振動時間1秒)と第2動作態様(例えば、振動時間3秒)とを含む複数種類の動作態様により可動体を動作させることが可能である(図58参照)。そして、第1動作態様により可動体が動作される場合と第2動作態様により可動体が動作される場合とで、特定演出の実行態様が異なる(例えば、図58に示すように、振動時間1秒のプッシュボタン90120の振動動作が行われた場合には特定演出Aが実行され、振動時間3秒のプッシュボタン90120の振動動作が行われた場合には特定演出Bが実行される)。そのため、可動体の動作態様にも注目させることができる。
なお、この他の実施の形態では、可動体の動作態様(本例では、プッシュボタン90120の振動時間)によって、実行される特定演出の種類が異なる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、可動体の動作態様(本例では、プッシュボタン90120の振動時間)によって、特定演出の実行の有無が異なるように構成されていてもよい。そのように、何らかの形式で可動体の動作態様によって特定演出の実行態様(実行の有無や種類)が異なっているものであればよい。
他の実施の形態2.
第1の他の実施の形態において、さらに、表示領域のうち遊技者が視認困難な所定領域に所定表示を表示可能に構成し、所定領域に遊技者の視線を誘導する視線誘導演出を表示領域にて実行可能に構成してもよい。以下、視線誘導演出を実行可能に構成した第2の他の実施の形態について説明する。
なお、この他の実施の形態において、第1の他の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の他の実施の形態と異なる部分について説明する。
まず、この他の実施の形態における演出表示装置909および役物9050の態様について説明する。遊技盤906には、役物9050が図示しないビス(ネジ)や接着剤などにより固定されている。役物9050は、遊技盤906から前方に突出した部分9050Aと、当該突出した部分の先端から下方に垂下する部分9050Bとを有する断面L字形状の部材である(図64などを参照)。役物9050は、部分9050Bにより、図63や図64に示すように、演出表示装置909の表示領域の下部領域905A以外の部分である上部領域905Bを前方から覆う。従って、上部領域905Bは、遊技者が演出表示装置909を正面から見たとき(椅子に座って遊技を行う通常の姿勢で見たとき)(第1の姿勢で見たとき)に部分9050Bの裏に隠れており視認できず、当該遊技者が下から覗き込まなければ(第2の姿勢を取らなければ)視認できない視認困難な領域となっている。なお、演出表示装置909の表示領域は、上部領域905Bと下部領域905A(演出表示装置909を正面から見たときに視認できる領域)とから構成されている。
また、この他の実施の形態では、演出制御プロセス処理の演出図柄変動開始処理(ステップS90801)において予告演出設定処理が実行され、予告演出を実行することに決定された場合には、演出図柄変動開始処理のステップS908003で予告演出に応じたプロセステーブルが選択され、その予告演出に応じたプロセステーブルに従って演出図柄変動開始処理のステップS908005の処理や演出図柄変動中処理(ステップS90802)が実行されることによって、演出図柄の変動表示中に、スーパーリーチが実行される期待度や、大当り期待度などを予告する予告演出が実行される(図65〜図67参照)。予告演出は、ミニ画像を表示する演出であり、表示したミニ画像の組合せにより、スーパーリーチが実行される期待度や大当り期待度を予告する。予告演出は、リーチ成立前に実行される。この他の実施の形態では、予告演出で表示されるミニ画像として、ミニ画像A〜Cが用意されている(図65など参照)。なお、各ミニ画像は、異なる経路を移動する(図65参照)。
演出表示装置909の表示領域には、ミニ画像を表示する領域として領域Z901〜Z903が設定されている(図66など参照)。各領域には、1つのミニ画像が表示され得る。ミニ画像は、表示されている領域が領域Z901であれば当該領域Z901内を移動し、表示されている領域が領域Z902であれば当該領域Z902内を移動し、表示されている領域が領域Z903であれば当該領域Z903内を移動する。
領域Z901は、下部領域905Aと上部領域905Bとの境界部分に配置されている(図66など参照)。従って、演出表示装置909を正面から見たとき、領域Z901に表示される(領域Z901内を移動する)ミニ画像は、役物9050(部分9050B)の裏に隠れたり、役物9050の裏から現れたりして見える。遊技者は、このようなミニ画像を見て、役物9050の裏(上部領域905B)に何かがあるかもしれないと思い、覗いてみようとする(ミニ画像によって、遊技者の視線を上部領域905Bに誘導している)。
領域Z902は、下部領域905Aの左下領域(向かって左下の領域)に配置されている(図66など参照)。領域Z902に表示される(領域Z902内を移動する)ミニ画像は、演出表示装置909を正面から見たときに常時視認できる。
領域Z903は、上部領域905Bの内の右領域(向かって右の領域)に配置されている(図66など参照)。上部領域905Bは役物9050により隠れた領域であるので、領域Z903は、演出表示装置909を正面から見たときには視認できない。領域Z903に表示される(領域Z903内を移動する)ミニ画像は、領域Z901に表示されたミニ画像によって視線が誘導されることで(遊技者が下から覗くことで)、視認される。
一種類のミニ画像のみが表示されるときには、スーパーリーチが実行される期待度(可能性)が予告される。具体的には、ミニ画像Aのみが1つ〜3つ表示されることで、スーパーリーチAが実行される期待度が予告される。同様に、ミニ画像Bのみが1つ〜3つ表示されることで、スーパーリーチBが実行される期待度が予告され、ミニ画像Cのみが1つ〜3つ表示されることで、スーパーリーチCが実行される期待度が予告される。ミニ画像の数が多いほど、期待度(対応するスーパーリーチの実行割合)が高い(3つで確定)。
複数種類のミニ画像が表示されるときには、大当り期待度が予告される。具体的には、ミニ画像Aとミニ画像Bとが表示されたり、ミニ画像Aとミニ画像Cとが表示されたり、ミニ画像Bとミニ画像Cとが表示されたり、ミニ画像A〜Cが全て表示されたりして、各組合せにより大当り期待度を予告する。ミニ画像A〜Cを表示したときには「大当り」が確定で、ミニ画像B+ミニ画像C>ミニ画像A+ミニ画像C>ミニ画像A+ミニ画像Cの順で大当り期待度が高い。
(演出画面例)
次に、この他の実施の形態における演出画面例を図65〜図67を参照して説明する。なお、図66などにおいて、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて描かれている下向き矢印は、飾り図柄が変動中であることを示す。
(ミニ画像の動き)
領域Z901〜Z903に表示されるミニ画像A〜Cは、図65に示すような動きをする。例えば、ミニ画像Aは、斜め方向に往復移動する(図65(A))。ミニ画像Bは、四角の軌跡を描くように移動する(図65(B))。ミニ画像Cは、略三角形の軌跡を描くように移動する(図65(C))。このように、ミニ画像A〜Cは、異なる動きをする。なお、ミニ画像A〜Cそれぞれは、領域Z901〜Z903のいずれを表示位置としても同じ動きをする。
(スーパーリーチが実行される期待度を予告対象とする予告演出の演出画面例)
図66(A)は、領域Z901〜Z903それぞれにミニ画像Aを表示する予告演出が実行されたときの演出画面である。図66(B)は、領域Z901〜Z903それぞれにミニ画像Bを表示する予告演出が実行されたときの演出画面である。図66(C)は、領域Z901〜Z903それぞれにミニ画像Cを表示する予告演出が実行されたときの演出画面である。図66(A)〜(C)の予告演出では、それぞれ、ミニ画像が3つ表示されているので、対応するスーパーリーチの実行の確定が予告されている。
演出表示装置909を正面から見たとき(以下、単に正面視したときともいう。)、領域Z901の下部およびZ902は視認可能であるが、領域Z901の上部および領域Z903は上部領域905B内にあり役物9050に隠れて視認できない。領域Z901に表示されるミニ画像は、視認できない上部と視認できる下部とにわたって移動するので、役物9050(下方に延びる部分9050B)の裏に隠れたり、現れたりする。遊技者は、このようなミニ画像の動きを見て、演出表示装置909の表示領域のうち役物9050に隠れた上部領域905B(特に領域Z903)を下から覗いて見ようとする(遊技者の視線がミニ画像の動きにより誘導されている)。このため、遊技の興趣が向上している。
また、正面視したときには領域Z903を視認できないので、ミニ画像が領域Z901〜Z903それぞれに1つずつ表示される予告演出と、ミニ画像が領域Z901およびZ902それぞれに1つずつ表示される予告演出とは、正面視における予告演出の見た目が同じになる(領域Z901および領域Z902にミニ画像が表示されている)。このため、ミニ画像が2つ表示されているか3つ表示されているか(つまり、3つ目のミニ画像が表示されているか否か)は判別困難であり、遊技者は、領域Z903を役物9050の下から覗いて確認することで、ミニ画像が3つ表示されているか否かを(つまり、対応するスーパーリーチの実行が確定であるか否か)を確認する。このため、遊技の興趣が向上している。
上記説明と同様に、ミニ画像が領域Z901およびZ3それぞれに1つずつ表示される予告演出と、ミニ画像が領域Z901に1つ表示される予告演出とも、正面視したときの見た目が同じになるので、遊技者は、領域Z903を役物9050の下から覗いて確認することで、ミニ画像が2つ表示されているか否かを(つまり、対応するスーパーリーチが実行される可能性が高いか)を確認する。このため、遊技の興趣が向上している。
(大当り期待度を予告対象とする予告演出の演出画面例)
図67(A)は、領域Z901にミニ画像Aを表示し、領域Z902にミニ画像Bを表示する予告演出が実行されたときの演出画面である。図66(B)は、領域Z901にミニ画像Aを表示し、領域Z902にミニ画像Bを表示し、領域Z903にミニ画像Cを表示する予告演出が実行されたときの演出画面である。なお、図67の予告演出では、ミニ画像A〜Cが表示されているので、大当り確定となっている。
図66のときと同様、領域Z901に表示されるミニ画像は、視認できない上部と視認できる下部とにわたって移動するので、役物9050(下方に延びる部分9050B)の裏に隠れたり、現れたりする。遊技者は、このようなミニ画像の動きを見て、演出表示装置909の表示領域のうち役物9050に隠れた上部領域905B(特に領域Z903)を下から覗いて見ようとする(遊技者の視線がミニ画像の動きにより誘導されている)。このため、遊技の興趣が向上している。
図66のときと同様、正面視したときには領域Z903が視認できないので、図67(A)に示す予告演出と、図67(B)に示す予告演出とでは正面視における予告演出の見た目が同じになる(領域Z901にミニ画像A、領域Z902にミニ画像Bが表示されている)。このため、遊技者は、領域Z903を役物9050の下から覗いて確認することで、最後のミニ画像Cが表示されているか否かを(つまり、実行中の可変表示が「大当り」確定であるか否か)を確認する。このため、遊技の興趣が向上している。
(他の実施形態の効果など)
以上、他の実施の形態によれば、正面視したときに役物9050により隠れて視認できない上部領域905B(ここでは、領域Z903)にミニ画像が表示され得る(図66など)。そして、領域Z901に表示されるミニ画像の動き(役物9050の裏に隠れたり、役物9050の裏から現れたりする。図66など)により、遊技者は上部領域905Bを覗き込む。このように、この他の実施の形態では、ミニ画像(役物9050に隠れたり、役物9050から現れたりする)の動きにより、遊技者の視線を上部領域905B(ここでは、領域Z903)に誘導でき、遊技の興趣が向上している。なお、このような、遊技者の視線の誘導する演出(ここでは、ミニ画像の動きによる演出)を、視線誘導演出ともいう。
また、この他の実施の形態では、ミニ画像(特に、領域Z901や領域Z903に表示されるミニ画像)の種類が複数種類あり、さらに、当該ミニ画像の動きも複数種類ある(ここでは、ミニ画像の種類によりその動きが異なる)(図65など)。これにより、演出が多様化しており、遊技の興趣が向上している。また、この他の実施の形態では、領域Z901に表示されるミニ画像が予告演出を構成し、ミニ画像の種類等によりスーパーリーチが実行される期待度や大当り期待度が予告されるので、遊技者は当該ミニ画像の種類などに注目し(つまり、遊技者は、視線誘導演出の態様にも注目する)、遊技の興趣は向上する。
また、予告演出により、つまり、領域Z901〜Z903(上部領域905B内外)で表示されるミニ画像の組合せにより、スーパーリーチが実行される期待度や大当り期待度を予告するので、遊技者は、演出表示装置909の表示画面全体にわたってミニ画像を探す。これにより、遊技の興趣が向上している。
また、領域Z901の上部や領域Z903が含まれる上部領域905Bを役物9050で隠すことで、遊技者に下から覗く動作をさせるので、演出の幅が広がり遊技の興趣が向上する。
また、この他の実施の形態では、正面視したときの予告演出の見え方(領域Z901およびZ902にミニ画像が表示されているか否かなどであり、下部領域905Aでの予告演出の実行態様とも言える。)だけでは、実行中の予告演出が予告する予告内容(ここでは、スーパーリーチが実行される期待度や大当り期待度の高低)が分からないようになっており、遊技者が領域Z903を確認して初めて分かるようになっている。従って、予告演出の演出効果が高まっており、遊技の興趣が向上する。
なお、上記に示した第1の他の実施の形態および第2の他の実施の形態で示した構成を適宜組み合わせて遊技機を構成することも可能である。例えば、第2の他の実施の形態で示した構成に第1の他の実施の形態で示した構成を適用する場合、遊技領域907上に液晶表示装置(演出表示装置909)の一部を覆うように迫り出すように設けられた役物9050の裏側に、キャラクタ画像などのミニ画像を表示するとともに、その一部が役物9050の裏からはみ出すように表示(例えば、領域Z901でキャラクタ画像が見えたり消えたりするように移動表示)するように構成し、役物9050がガタガタと振動動作するように構成してもよい。この場合、(1)役物9050がガタガタと振動動作することによって役物9050に注目させ、(2)次いで、領域1においてはみ出して表示されているキャラクタ画像に注目させ、(3)次いで、役物9050の裏側に隠れた領域Z903に表示されているキャラクタ画像に注目させるという順で、段階的に遊技者の視線を誘導するように構成すればよい。
なお、上記の他の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ90100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定の期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の他の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の他の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の他の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の他の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の他の実施の形態で示した構成を適用することもできる。