実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるようにしてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行(この実施の形態では、時短状態に移行)する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28などの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図8参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図7(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図7(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図7(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図7(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの通常大当りや確変大当りとに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137〜S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
なお、突然確変大当りの態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや突然確変大当りと同じ15回(15ラウンド)とし、大入賞口の開放時間のみ0.1秒と極めて短くするようにしてもよい。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図8および図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図8および図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図8および図9に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図8および図9に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図10および図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図21参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図12(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図12(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図12(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214A)。なお、ステップS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図13は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図13に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1215A)。
次に、図12(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図13参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214B)。なお、ステップS1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1215B)。
図14および図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態や時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図7(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図7(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図7(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態や時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「通常大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば(この実施の形態では、確変状態に移行される場合には必ず時短状態にも移行されるので(ステップS169,S170参照)、ステップS95でYと判定された場合には、確変状態の場合と時短状態のみに制御されている場合とがある)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別が決定される場合があり、短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の変動パターンが決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、またははずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図17は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図8参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が「確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。また、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りのラウンド時間と同じ0.1秒が、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間としてセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図20は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」であった場合には大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「確変大当り」であった場合には大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当りが通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図21は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図22は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図23は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図8および図9参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図24は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した大当り開始指定コマンドに応じた大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。具体的には、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を受信した場合であれば大当り開始1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を受信した場合であれば大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットし、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を受信した場合であれば小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドがいずれかの大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、受信した大当り終了指定コマンドに応じた大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。具体的には、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を受信した場合であれば大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を受信した場合であれば大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットし、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))を受信した場合であれば小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS625)。そして、ステップS611に移行する。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンドを受信した場合には第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットし、第2図柄変動指定コマンドを受信した場合には第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする。
図25は、図22に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図26は、図22に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図26に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図27は、図25に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8001において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図28は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図28に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において各種予告演出を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8002)。この実施の形態では、後述するように、予告演出設定処理において、プッシュボタン120による操作を伴うボタン予告演出および連打予告演出の設定を行う。なお、ボタン予告演出や連打予告演出にかぎらず、ステップアップ予告演出や、ミニキャラ予告演出、可動部材を用いた可動物予告演出など他の予告演出を実行可能に構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8003)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8004)。
図29は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図29に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU101は、予告演出を実行することに決定されている場合には、ステップS8003において予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8005)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8006)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8007)。
図30は、演出図柄変動開始処理における予告演出設定処理(ステップS8002)を示すフローチャートである。予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、予告演出の有無および種類を決定するための予告演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、予告演出の有無および種類を決定する(ステップS6501)。
図31は、予告演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図31(A)は、はずれとなる場合に用いられる予告演出決定テーブルの具体例を示す。また、図31(B)は、大当りとなる場合に用いられる予告演出決定テーブルの具体例を示す。図31に示すように、予告演出決定テーブルには、「ボタン予告演出を実行」と、「連打予告演出を実行」と、「予告演出なし」とにそれぞれ判定値が割り振られている。
この実施の形態では、「ボタン予告演出」は、所定のボタン操作有効期間内にプッシュボタン120による1回の操作を検出したことにもとづいて、所定のボタン予告表示(本例では、「チャンス!」などの表示)を行う予告演出である。また、「連打予告演出」は、所定の連打操作有効期間内にプッシュボタン120による所定回数(本例では、10回)以上の操作を検出したことにもとづいて、所定の連打予告表示(本例では、「激熱!」などの表示)を行う予告演出である。
図31(A),(B)に示すように、この実施の形態では、連打予告演出が実行される場合の方が、ボタン予告演出が実行される場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高い。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、ボタン予告演出が実行される場合の方が大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるようにしてもよいし、ボタン予告演出と連打予告演出とで大当りに対する期待度(信頼度)が同じまたは同程度となるように構成してもよい。
ステップS6501では、演出制御用CPU101は、大当りとなる場合であるか否かを判定する。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域(ステップS618参照)に格納されている表示結果指定コマンドが通常大当りや確変大当りを示す表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドであるか否かを確認することにより、大当りとなる場合であるか否かを判定することができる。
はずれとなる場合であれば、演出制御用CPU101は、図31(A)に示すはずれ用の予告演出決定テーブルを選択する。また、大当りとなる場合であれば、演出制御用CPU101は、図31(B)に示す大当り用の予告演出決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した予告演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、予告演出の有無および種類を決定する。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りや小当りとなる場合には、図31(A)に示すはずれ用の予告演出決定テーブルを選択して、予告演出の有無および種類を決定するものとする。なお、突然確変大当りや小当りとなる場合に、図31(B)に示す大当り用の予告演出決定テーブルを選択するようにしてもよいし、突然確変大当りや小当り専用の予告演出決定テーブルを設けるようにしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6502のY)、決定した予告演出の種類(ボタン予告演出、連打予告演出)をRAMに設けられた予告種類記憶領域に記憶する(ステップS6503)
図32および図33は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
次いで、演出制御用CPU101は、ボタン予告演出を実行することに決定されているか否かを確認する(ステップS8106)。なお、ボタン予告演出を実行することに決定されているか否かは、例えば、予告種類記憶領域(ステップS6503参照)に予告演出の種類としてボタン予告演出が記憶されているか否かを確認することにより判定できる。ボタン予告演出を実行することに決定されていれば、演出制御用CPU101は、ボタン予告演出におけるボタン操作有効期間中であることを示すボタン操作有効期間中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8107)。ボタン操作有効期間中フラグがセットされていなければ(すなわち、ボタン予告演出におけるボタン操作有効期間中でなければ)、演出制御用CPU101は、ボタン予告演出におけるボタン操作有効期間の開始タイミングとなったか否かを確認する(ステップS8108)。なお、ボタン操作有効期間の開始タイミングとなったか否かは、具体的には、演出図柄変動開始処理のステップS8006でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。ボタン操作有効期間の開始タイミングでなければ、ステップS8119に移行する。
ボタン操作有効期間の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9においてプッシュボタン120の操作を促すボタン操作促進表示の表示を開始する制御を行う(ステップS8109)。また、演出制御用CPU101は、ボタン操作有効期間中フラグをセットする(ステップS8110)。そして、ステップS8119に移行する。
ステップS8108〜S8110の処理が実行されることによって、ボタン予告演出におけるボタン操作有効期間の開始タイミングとなると、ボタン予告演出の実行が開始され、プッシュボタン120による操作の検出が開始される。
ボタン操作有効期間中フラグがセットされている場合には(すなわち、ボタン予告演出におけるボタン操作有効期間中である場合には)、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120の押圧操作を検出したか否かを確認する(ステップS8111)。なお、プッシュボタン120の押圧操作を検出したか否かは、具体的には、プッシュセンサ124から操作検出信号を入力したか否かを確認することにより判定できる。プッシュボタン120の押圧操作を検出していれば、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120の押圧操作を検出したことを示す操作検出フラグをセットする(ステップS8112)。
次いで、演出制御用CPU101は、ボタン予告演出におけるボタン操作有効期間の終了タイミングとなったか否かを確認する(ステップS8113)。なお、ボタン操作有効期間の終了タイミングとなったか否かは、具体的には、演出図柄変動開始処理のステップS8006でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。ボタン操作有効期間の終了タイミングでなければ、ステップS8119に移行する。
ボタン操作有効期間の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示されているボタン操作促進表示を消去する制御を行う(ステップS8114)。また、演出制御用CPU101は、ボタン操作有効期間中フラグをリセットする(ステップS8115)。
次いで、演出制御用CPU101は、操作検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8116)。操作検出フラグがセットされていなければ(すなわち、ボタン操作有効期間内にプッシュボタン120の押圧操作を検出しなかった場合には)、ステップS8119に移行する。操作検出フラグがセットされていれば(すなわち、ボタン操作有効期間内にプッシュボタン120の押圧操作を検出していれば)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において所定のボタン予告表示(本例では、「チャンス!」などの表示)の表示を開始する制御を行う(ステップS8117)。また、演出制御用CPU101は、操作検出フラグをリセットする(ステップS8118)。そして、ステップS8119に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、連打予告演出を実行することに決定されているか否かを確認する(ステップS8119)。なお、連打予告演出を実行することに決定されているか否かは、例えば、予告種類記憶領域(ステップS6503参照)に予告演出の種類として連打予告演出が記憶されているか否かを確認することにより判定できる。連打予告演出を実行することに決定されていれば、演出制御用CPU101は、連打予告演出における連打操作有効期間中であることを示す連打操作有効期間中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8120)。連打操作有効期間中フラグがセットされていなければ(すなわち、連打予告演出における連打操作有効期間中でなければ)、演出制御用CPU101は、連打予告演出における連打操作有効期間の開始タイミングとなったか否かを確認する(ステップS8121)。なお、連打操作有効期間の開始タイミングとなったか否かは、具体的には、演出図柄変動開始処理のステップS8006でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。連打操作有効期間の開始タイミングでなければ、ステップS8136に移行する。
連打操作有効期間の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9においてプッシュボタン120の連打操作を促す連打操作促進表示の表示を開始する制御を行う(ステップS8122)とともに、ゲージ表示の表示を開始する制御を行う(ステップS8123)。また、演出制御用CPU101は、連打操作有効期間中フラグをセットする(ステップS8124)。そして、ステップS8136に移行する。
ステップS8121〜S8124の処理が実行されることによって、連打予告演出における連打操作有効期間の開始タイミングとなると、連打予告演出の実行が開始され、プッシュボタン120による連打操作の検出が開始される。
連打操作有効期間中フラグがセットされている場合には(すなわち、連打予告演出における連打操作有効期間中である場合には)、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120の押圧操作を検出したか否かを確認する(ステップS8125)。なお、プッシュボタン120の押圧操作を検出したか否かは、具体的には、プッシュセンサ124から操作検出信号を入力したか否かを確認することにより判定できる。プッシュボタン120の押圧操作を検出していれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9においてゲージ表示のレベルを所定量増加させるようにゲージ表示を更新する制御を行う(ステップS8126)。
次いで、演出制御用CPU101は、所定の操作条件が成立したか否かを確認する(ステップS8127)。この実施の形態では、ステップS8126の処理が実行されることによって、プッシュボタン120の押圧操作を検出するごとにゲージ表示のレベルが徐々に増加していくような表示が行われるのであるが、連打操作有効期間内に10回以上のプッシュボタン120の押圧操作を検出すると、ゲージ表示のレベルが最大値まで到達したような表示が行われ、所定の操作条件が成立する。所定の操作条件が成立していれば、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120の連打操作により所定の操作条件が成立したことを示す連打操作検出フラグをセットする(ステップS8128)。
次いで、演出制御用CPU101は、連打予告演出における連打操作有効期間の終了タイミングとなったか否かを確認する(ステップS8129)。なお、連打操作有効期間の終了タイミングとなったか否かは、具体的には、演出図柄変動開始処理のステップS8006でセットされる変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。連打操作有効期間の終了タイミングでなければ、ステップS8136に移行する。
連打操作有効期間の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示されている連打操作促進表示を消去する制御を行う(ステップS8130)とともに、ゲージ表示を消去する制御を行う(ステップS8131)。また、演出制御用CPU101は、連打操作有効期間中フラグをリセットする(ステップS8132)。
次いで、演出制御用CPU101は、連打操作検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8133)。連打操作検出フラグがセットされていなければ(すなわち、連打操作有効期間内にプッシュボタン120の連打操作が行われなかったか、連打操作が行われても操作回数が10回に達せず所定の操作条件が成立しなかった場合には)、ステップS8136に移行する。連打操作検出フラグがセットされていれば(すなわち、連打操作有効期間内にプッシュボタン120の連打操作により所定の操作条件が成立していれば)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において所定の連打予告表示(本例では、「激熱!」などの表示)の表示を開始する制御を行う(ステップS8134)。また、演出制御用CPU101は、連打操作検出フラグをリセットする(ステップS8135)。そして、ステップS8136に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8136)、演出表示装置9において、表示されていれば、所定のボタン予告演出または所定の連打予告表示を消去して、ボタン予告演出または連打予告演出を終了する制御を行う(ステップS8137)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8138)。
図34は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。
次いで、ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8311に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8304)、大当り開始1指定コマンドを受信したことを示す大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンドを受信したことを示す大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8305)。大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8311)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図26のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8312)。
次に、ボタン予告演出の演出態様について説明する。図35は、ボタン予告演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図35において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
図35に示す例では、演出図柄の変動表示を開始するときにボタン予告演出の実行を決定したものとする。そして、図35(1)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているときに、ボタン予告演出のボタン操作有効期間の開始タイミングとなると(ステップS8108参照)、図35(2)に示すように、演出表示装置9においてボタン操作促進表示200の表示が開始される(ステップS8109参照)。本例では、図35(2)に示すように、ボタン操作促進表示200として、演出表示装置9の表示画面の略中央部分において、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像が表示されるとともに、その上方に「押せ!」の文字列が表示される。
なお、この実施の形態では、ボタン予告演出がプッシュボタン120の押圧操作を伴う演出であることから、図35(2)に示すように、ボタン操作促進表示200において「押せ!」の文字列を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、ボタン予告演出がスティックコントローラ122の傾倒操作を伴う演出である場合には、ボタン操作促進表示200において「引け!」の文字列を表示したりしてもよい。
また、図35(2)に示す例では、ボタン操作促進表示200においてプッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像が表示される場合を示しているが、この実施の形態では、ボタン予告演出がプッシュボタン120の押圧操作を伴う演出であることから、ボタン操作促進表示200においてプッシュボタン120の絵柄のみ含む画像を表示するようにしてもよい。
次いで、ボタン操作有効期間内に少なくともプッシュボタン120が1回押圧操作されたものとする。そして、ボタン予告演出のボタン操作有効期間の終了タイミングとなると、図35(3)に示すように、演出表示装置9においてボタン操作促進表示200が消去される(ステップS8114参照)とともに、所定のボタン予告表示201の表示が開始される(ステップS8117参照)。本例では、図35(3)に示すように、所定のボタン予告表示201として、「チャンス!」の文字列が表示される場合が示されている。
なお、この実施の形態では、図35(2),(3)に示すように、ボタン予告演出の実行中である場合には、演出図柄の変動表示は演出表示装置9の表示画面の左上端部において縮小表示されることによって継続表示されるものとする。
また、図35に示す例では、ボタン操作有効期間内に少なくともプッシュボタン120が1回押圧操作された場合を示しているが、ボタン操作有効期間内に1度もプッシュボタン120が操作されなかった場合には、ボタン操作有効期間の終了タイミングとなったときに所定のボタン予告表示201が表示されることなく、そのままボタン予告演出が終了する(ステップS8116のN参照)。
次に、連打予告演出の演出態様について説明する。図36および図37は、連打予告演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図36および図37において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
図36および図37に示す例では、演出図柄の変動表示を開始するときに連打予告演出の実行を決定したものとする。そして、図36(1)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているときに、連打予告演出の連打操作有効期間の開始タイミングとなると(ステップS8121参照)、図36(2)に示すように、演出表示装置9において連打操作促進表示202の表示が開始される(ステップS8122参照)とともに、ゲージ表示203の表示が開始される(ステップS8123参照)。本例では、図36(2)に示すように、連打操作促進表示202として、演出表示装置9の表示画面の右方端部において、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像が表示されるとともに、それと重複して「押せ!」の文字列が表示される。また、図36(2)に示すように、この実施の形態では、連打操作促進表示202において表示されるプッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像は、ボタン操作促進表示200において表示されるプッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像(図35(2)参照)と比較して表示サイズが小さい。従って、連打操作促進表示202は、ボタン操作促進表示200と比較して表示サイズが小さい。
なお、この実施の形態では、連打操作促進表示202は、ボタン操作促進表示200と比較して、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像の部分の表示サイズが小さい場合を示しているが、「押せ!」の文字列の部分の表示サイズも小さくしてもよい。
また、この実施の形態では、連打操作促進表示202において「押せ!」の文字列を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、「連打!」などの文字列を重畳表示するようにしてもよい。
次いで、連打操作有効期間内にプッシュボタン120の押圧操作がされるごとに、図36(3)および図37(4)に示すように、ゲージ表示203のレベルが徐々に増加していくような表示が行われる(ステップS8125,S8126参照)。そして、プッシュボタン120が10回以上押圧操作され、図37(5)に示すように、ゲージ表示203のレベルが最大値まで達して、所定の操作条件が成立したものとする。
そして、連打予告演出の連打操作有効期間の終了タイミングとなると、図37(6)に示すように、演出表示装置9において連打操作促進表示202が消去される(ステップS8130参照)とともに、ゲージ表示203が消去される(ステップS8131参照)。また、所定の操作条件が成立していることにもとづいて、図37(6)に示すように、演出表示装置9において所定の連打予告表示204の表示が開始される(ステップS8134参照)。本例では、図37(6)に示すように、所定の連打予告表示204として、「激熱!」の文字列が表示される場合が示されている。
なお、この実施の形態では、図36(2)〜図37(6)に示すように、連打予告演出の実行中である場合には、演出図柄の変動表示は演出表示装置9の表示画面の左上端部において縮小表示されることによって継続表示されるものとする。
また、図36および図37に示す例では、連打操作有効期間内にプッシュボタン120が10回以上押圧操作されて所定の操作条件が成立した場合を示しているが、連打操作有効期間内に1度もプッシュボタン120が操作されなかった場合や、プッシュボタン120が操作されても操作回数が10回に達せず所定の操作条件が成立しなかった場合には、連打操作有効期間の終了タイミングとなったときに所定の連打予告表示204が表示されることなく、そのまま連打予告演出が終了する(ステップS8133のN参照)。
なお、この実施の形態では、遊技者による連打操作を検出してゲージ表示を更新するとともに所定の操作条件が成立した場合に所定の連打予告表示を行う場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、連打予告演出に代えて、遊技者による長押し操作を検出してゲージ表示を更新し、所定期間(例えば、10秒)以上の長押し操作を検出したことを条件として所定の操作条件が成立したものとして、所定の予告表示を行う予告演出を実行するように構成してもよい。この場合、例えば、連打操作促進表示202に代えて、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像とともに「長押し!」などの文字列が重畳表示された長押し操作促進表示を行い、ゲージ表示とともに長押し操作促進表示を行うように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、検出手段(本例では、プッシュボタン120)に対する動作を促す動作促進報知(本例では、ボタン操作促進表示200、連打操作促進表示202)を実行可能である。また、動作促進報知として、少なくとも第1情報(本例では、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像)と第2情報(本例では、「押せ!」の文字列)とを含む情報を表示し、第1情報の近傍に第2情報を表示する第1態様(本例では、図35(2)に示すボタン操作促進表示200)と、第1情報と同一または類似の情報に重畳して第2情報と同一または類似の情報を表示する第2態様(本例では、図36(2)〜図37(5)に示す連打操作促進表示202)とのいずれかの態様によって、動作促進報知を実行可能である。そのため、第1態様と第2態様との2種類の態様により動作促進報知を実行することができ、動作促進報知のバリエーションを増やすことができる。
また、この実施の形態では、第1態様により動作促進報知を行う場合には、第1情報と第2情報とを近傍に表示するものの重畳しない状態で表示するので、第1情報と第2情報との視認性確保を重視することができる。一方、演出表示装置9の表示画面において動作促進報知を大きく表示してしまうと、演出表示装置9の表示画面において同時に他の演出が実行されるような場合に動作促進報知が邪魔になるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2態様により動作促進報知を行うことによって第1情報と同一または類似の情報に重畳して第2情報と同一または類似の情報を表示することにより、表示領域の省スペース化を図り、そのような他の演出の演出領域を確保できるようにしている。
なお、「他の演出の演出領域」とは動作促進報知の表示以外の演出を行う領域が対象であり、「他の演出」には、動作促進報知に促されて動作が行われたことにもとづいて表示態様が変化したり新たな表示が開始される演出に加えて、動作促進報知とは全く関連のない演出も含まれる。
なお、この実施の形態では、第1態様(本例では、ボタン操作促進表示200)と第2態様(本例では、連打操作促進表示202)とで、第1情報として、表示サイズが異なるのみで、同一のプッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122を簡易な絵柄に変更した画像を表示してもよいし、第1態様と第2態様とでプッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の表示色を異ならせてもよい。また、逆に、第1態様と第2態様とで表示サイズも全く同じとしてもよい。そのように、「第1情報と同一または類似」には、全く同じ画像などを表示する態様だけでなく、簡易な絵柄に変更した画像や、表示サイズや表示色を変更した画像も含まれ、少なくとも同じ操作手段などの絵柄の画像であることを観念できるものであればよい。
また、この実施の形態では、第1態様と第2態様とで、第2情報として、同一の「押せ!」の文字列を表示する場合を示したが、そのような内容にかぎられない。例えば、「押せ!」の文字列の表示色や表示サイズを異ならせてもよいし、「押せ!」の文字列を異なる文字フォントで表示するものであってもよい。また、例えば、「押せ!」の文字列に代えて、「PUSH!」や「連打!」など同様の操作を意味する別の文字列を表示するものであってもよい。また、例えば、文字列に代えて、ボタン押下や連打を指示できるようなイラスト表示を表示するものであってもよい。そのように、「第2情報と同一または類似」には、全く同じ文字列などを表示する態様だけでなく、表示色や表示サイズ、文字フォントが異なる文字列や、同様の操作を意味する別の文字列、イラスト表示も含まれ、少なくとも同じ操作であることを観念できるものであればよい。
また、この実施の形態では、第2態様(本例では、連打操作促進表示202)において、第1情報(本例では、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像)と第2情報(本例では、「押せ!」の文字列)とが重複して表示されるのであるが、第1情報と第2情報とは必ずしも全てが重複している必要はなく、少なくとも一部が重複しているものであればよい。
また、この実施の形態では、検出手段がプッシュボタン120である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、検出手段として、スティックコントローラ122を用いるようにしてもよい。また、例えば、タッチパネルや十字キー、ジョグダイヤルを備える遊技機であれば、検出手段として、タッチパネルや十字キー、ジョグダイヤルを用いるようにしてもよい。また、例えば、光センサや赤外線センサを備える遊技機であれば、検出手段として光センサや赤外線センサを用いるようにし、それら光センサや赤外線センサを用いて遊技者の何らかの動作を検出するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、動作促進報知の態様が第1態様(本例では、ボタン操作促進表示200)と第2態様(本例では、連打操作促進表示202)の2種類である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1情報と第2情報との重畳度合いが異なる複数種類の態様を設けることによって、3種類以上の態様により動作促進報知を実行可能に構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、第2態様によって動作促進報知を実行する場合に、第1態様よりも小さい表示サイズにより動作促進報知を実行する(本例では、図36(2)〜図37(5)に示す連打操作促進表示202は、図35(2)に示すボタン操作促進表示200と比較して表示サイズが小さい)。そのため、他の演出(本例では、連打予告演出において表示されるゲージ表示203)を邪魔しないように動作促進報知を実行することができる。
なお、この実施の形態では、第2態様による動作促進報知(本例では、連打操作促進表示202)が第1態様による動作促進報知(本例では、ボタン操作促進表示200)よりも表示サイズが小さい場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第2態様による動作促進報知を行う際に実行される演出が期待度の高い演出であるような場合には、逆に、第2態様による動作促進報知の方が画像や文字列の表示サイズが大きくなるように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、第2態様によって動作促進報知を実行する場合に、第1態様よりも表示画面の端部に近い位置に表示することにより動作促進報知を実行する。例えば、この実施の形態では、図35(2)に示すように、ボタン操作促進表示200は演出表示装置9の表示画面の略中央部分に表示しているのに対して、図36(2)〜図37(5)に示すように、連打操作促進表示202は演出表示装置9の表示画面の右方端部に表示される。そのため、第2態様によって動作促進報知を実行することにより、表示画面の中央部で実行される他の演出(本例では、連打予告演出において表示されるゲージ表示203)に対して演出スペースを確保することができる。
また、この実施の形態によれば、動作促進報知を終了した後に演出が実行される場合には、第1態様によって動作促進報知を実行し(本例では、プッシュボタン120による少なくとも1回の押圧操作を検出した後に図35(3)に示す所定のボタン予告表示201を表示するボタン予告演出を実行する場合には、図35(2)に示すボタン操作促進表示200を表示し)、動作促進報知を実行しつつ演出が実行される場合には、第2態様によって動作促進報知を実行する(本例では、図36(2)〜図37(5)に示すように、ゲージ表示203を表示しつつプッシュボタン120の連打操作を受け付ける連打予告演出を実行する場合には、連打操作促進表示202を表示する)。そのため、第2態様によって動作促進報知を実行することにより、遊技者が動作している間に実行される演出(本例では、連打予告演出において表示されるゲージ表示203)を見やすくすることができる。
なお、この実施の形態では、「他の演出」が連打予告演出において表示されるゲージ表示203など遊技者の操作に応じて実行される演出である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、ボタン予告演出や連打予告演出など操作に応じて実行される演出とは無関係に、偶然、ボタン操作促進表示200や連打操作促進表示202と同じタイミングで行われる演出(例えば、偶然同じタイミングで実行される他の予告演出やリーチ演出)が「他の演出」として実行されるものであってもよい。
また、この実施の形態では、ボタン予告演出では第1態様による動作促進報知(本例では、ボタン操作促進表示200)を行い、連打予告演出では第2態様による動作促進報知(本例では、連打操作促進表示202)を行う場合を示しているが、そのように予告演出の種類に応じて第1態様と第2態様とのいずれの態様により動作促進報知が行われるかが定まっているものにかぎられない。例えば、ボタン予告演出を実行する場合であっても、上記に説明したような演出表示装置9の表示画面の略中央領域など広い表示領域を用いる他の演出(例えば、他の予告演出や、リーチ演出)が同時に実行されるか否かを判断し、操作を伴うボタン予告演出と広い表示領域を用いる他の演出とが両方実行されると判断した場合に、第2態様により動作促進報知を行って、操作手段の画像と操作を促す文字列とを重畳表示するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1態様による動作促進報知が行われる演出の例としてボタン予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、リーチ中に実行されるボタン演出において第1態様による動作促進報知(例えば、図35(2)と同様の表示)を行い、そのボタン演出における勝敗結果に応じて大当り予告表示を行うように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第2態様による動作促進報知が行われる演出の例として連打予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、操作手段を操作するごとに、より期待度が高い演出の予告に切り替わっていくような演出を行い、その演出の実行中において第2態様による動作促進報知(例えば、図36(2)〜図37(5)と同様の表示)を行うようにしてもよい。また、例えば、操作手段を操作するごとに擬似連が実行されるような演出を行い、その演出の実行中において第2態様による動作促進報知(例えば、図36(2)〜図37(5)と同様の表示)を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ボタン予告演出や連打予告演出において動作促進報知を行う場合を示したが、そのような態様にかぎられない。予告演出以外の演出であっても、例えば、リーチ演出やミッション演出を実行する際に操作手段による操作を伴う場合に、この実施の形態で示した態様と同様の態様により動作促進報知を行うように構成してもよい。
また、この実施の形態では、演出図柄の変動表示中に実行される演出(本例では、ボタン予告演出、連打予告演出)において動作促進報知を行う場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当り遊技中や客待ちデモンストレーションなど変動表示中以外の期間に実行さる演出において、この実施の形態で示した構成を適用してもよい。例えば、大当り遊技中に実行される確変昇格演出やラウンド昇格演出などにおいて操作手段による操作を伴う演出を実行する場合に、演出表示装置9の表示画面の広い領域を用いて行われる他の演出が実行されるか否かに応じて、この実施の形態と同様の態様により第1態様または第2態様による動作促進報知を行うように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、動作促進報知の第1態様が第1情報の近傍に第2情報を表示するものであり、第1情報と第2情報とが全く重畳しない態様である場合(図35(2)参照)を示したが、第2態様とは重畳の度合いが異なるだけで第1態様についても第1情報と第2情報とが若干重畳して表示されるように構成してもよい。図38は、動作促進報知の第1態様についても第1情報と第2情報とが若干重畳して表示される場合のボタン予告演出の演出態様の変形例を示す説明図である。
図38に示す変形例では、図38(2)に示すように、ボタン操作促進表示200Aとして、演出表示装置9の表示画面の略中央部分において、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像が表示されるとともに、その画像の上部に一部重畳するような態様で「押せ!」の文字列が表示される。すなわち、図38に示す変形例では、ボタン操作促進表示200Aにおいてもプッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像と「押せ!」の文字列とが重畳表示されるのであるが、図36(2)〜図37(5)に示す連打操作促進表示202の方がその重畳の度合いが大きい。なお、図38に示す変形例では、ボタン操作促進表示200Aの表示態様が図35に示したボタン操作促進表示200と異なるだけで、その他のボタン予告演出の演出態様は図35に示した演出態様と同様である。
図38に示す変形例によれば、検出手段(本例では、プッシュボタン120)に対する動作を促す動作促進報知(本例では、ボタン操作促進表示200A、連打操作促進表示202)を実行可能である。また、動作促進報知として、少なくとも第1情報(本例では、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像)と第2情報(本例では、「押せ!」の文字列)とを含む情報を表示し、第1情報に重畳して第2情報を表示する第1態様(本例では、図38(2)に示すボタン操作促進表示200A)と、該第1態様よりも大きい重畳度合いにより第1情報と同一または類似の情報に重畳して第2情報と同一または類似の情報を表示する第2態様(本例では、図36(2)〜図37(5)に示す連打操作促進表示202)とのいずれかの態様によって、動作促進報知を実行可能である。そのため、第1態様と第2態様との2種類の態様により動作促進報知を実行することができ、動作促進報知のバリエーションを増やすことができる。
図38に示す変形例においても、第1態様により動作促進報知を行う場合には、第1情報と第2情報とを重畳表示するものの重畳度合いが小さいので、第1情報と第2情報との視認性確保を重視することができる。一方、第2態様により動作促進報知を行うことによって第1情報と同一または類似の情報に大きい重畳度合いにより重畳して第2情報と同一または類似の情報を表示することにより、表示領域の省スペース化を図り、そのような他の演出の演出領域を確保できるようにしている。
なお、図38に示す変形例においても、第2態様(本例では、連打操作促進表示202)において、第1情報(本例では、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像)と第2情報(本例では、「押せ!」の文字列)とは必ずしも全てが重複している必要はなく、少なくとも一部が重複しているものであればよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態で示した遊技機において、さらに演出図柄の変動表示中などに音量調整などを行うための調整結果画像を表示するように構成してもよい。以下、調整結果画像を表示可能に構成する第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、例えば、演出制御メイン処理において、図22に示した処理に加えて、演出効果設定処理を実行する。図39は、第2の実施の形態における演出効果設定処理の一例を示すフローチャートである。
図39は、演出効果設定処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態では、以下に説明する演出効果設定処理を実行することで、遊技中や客待ちデモンストレーション表示中に、遊技者の調整操作により、演出効果としての音量を調整可能となっている。また、音量が調整されると、音量の調整結果を示す調整結果画像Rが、演出表示装置9の所定領域において演出画像やデモ画像と重畳した態様で表示される。調整結果画像Rは、例えば、左右方向に増減するバーグラフ表示の態様にて表示される。なお、調整結果画像Rの態様は、遊技者などに現在の音量を認識させることができれば任意であり、音量に対応した数値や文字を表示する態様や、円グラフ態様などであってもよい。 なお、この実施の形態では、メニューモード中においては、メニュー画面から「音量調整」の項目が選択されて音量調整モード選択中となったときにのみ音量の調整が可能となっている。音量調整モード選択中には、調整結果画像Rが常に表示される。また、後述するように、客待ちデモ表示中に所定操作を受け付けたことに応じて、客待デモ表示中からメニューモードへと移行する。
図39に示す演出効果設定処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、メニューモード実行中であるか否かを判定する(ステップS1701)。例えば、演出制御用CPU101は、メニューモードの実行中であることを示すメニューモード実行中フラグがオン状態であればメニューモード実行中と判定し、オフ状態であればメニューモード実行中でないと判定する。なお、メニューモード実行中フラグは、例えば、客待ちデモンストレーション表示中に遊技者小野操作に従ってメニューモードを開始するときにオン状態にセットされ、遊技者の操作に従ってメニューモードを終了するときにオフ状態にクリアされる。
メニューモード実行中でない場合(ステップS1701;No)、演出制御用CPU101は、調整結果画像Rの表示中であることを示す調整結果画像表示中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS1702)。なお、調整結果画像表示中フラグは、後述のステップS1708やS1715でオン状態にセットされ、ステップS1704、S1712でオフ状態にクリアされる。
調整結果画像表示中フラグがオン状態である場合(ステップS1702;Yes)、演出制御用CPU101は、調整操作受付時から予め定められた所定期間T1が経過したか否かを判定する(ステップS1703)。ここで、調整操作(調整動作)は、例えばスティックコントローラ122などの操作手段を用いて遊技者によってなされる操作であり、この実施の形態では、演出効果としての音量を調整するための操作である。遊技者は、例えば、スティックコントローラ122を左右に傾倒操作することにより、音量を予め定められた範囲内(例えば、1〜6の6段階)から調整し、傾倒操作を止めた時点での音量が調整結果としての音量として決定される。
なお、音量の決定操作は、調整操作とは別個にスティックコントローラ122のトリガボタンを押引操作したり、プッシュボタン120を押下操作したりすることによってなされてもよい。また、音量調整のための操作手段はスティックコントローラ122に限られず、図示しない十字キーやダイヤル式の操作手段などであってもよい。また、操作手段の代わりに、非接触型のセンサ(例えばフォトセンサなど)を用いて、当該センサによって検出される遊技者の調整動作によって演出効果の調整が可能であってもよい。
所定期間T1は、音量の調整結果を示す調整結果画像Rの表示期間として予め定められている。所定期間T1は、遊技者が調整結果を確認するのに適切な期間であれば任意であり、この実施形態では、数秒程度(例えば2〜10秒)に設定されている。なお、調整操作受付時から所定期間T1が経過したか否かは、例えば、後述のステップS1706で調整操作あり(ステップS1706;Yes)と判定したことに伴って、所定のタイマに所定期間T1に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを判定すればよい。
なお、調整操作(調整動作)は、演出効果としての演出表示装置9や演出効果ランプの表示輝度(光量)を調整するための操作であってもよい。そして、調整結果画像Rは輝度の調整結果を示すものであってもよい。また、調整操作に応じて、音量と輝度との少なくとも一方が調整可能であればよい。また、音量に応じた調整結果画像が表示される所定期間と、輝度に応じた調整結果画像が表示される所定期間とは、同じ長さに設定されていてもよいし、異なる長さに設定されていてもよい。
ステップS1703において、調整操作受付時から所定期間T1が経過していた場合(ステップS1703;Yes)、演出制御用CPU101は、調整結果画像Rを演出表示装置9から消去し、調整結果画像表示中フラグをオフ状態にクリアする(ステップS1704)。このステップS1704の処理により、遊技中や、デモ表示中の場合には、調整操作から所定期間T1が経過すると、調整結果画像Rが消去されることになる。ステップS1704の処理に続いて、演出制御用CPU101は、ステップS1706の処理を実行する。また、ステップS1702やS1703の処理でNo判定の場合にも、ステップS1706の処理を実行する。
ステップS1701において、メニューモード実行中である場合には(ステップS1701;Yes)、音量調整モード選択中であれば(ステップS1705;Yes)、ステップS1706の処理を実行する。例えば、演出制御用CPU101は、音量調整モード選択中フラグがオン状態であれば音量調整モード選択中であると判定し、オフ状態であれば音量調整モード選択中でないと判定する。なお、音量調整モード選択中フラグは、例えば、遊技者によって音量調整モード選択の操作がなされたときにオン状態にセットされ、所定の場合にオフ状態にクリアされる。例えば、メニューモード実行中に音量調整以外のモード選択がなされた場合や、メニューモード実行中フラグがオフされるのに伴って、音量調整モード選択中フラグはオフ状態にクリアされる。また、音量調整モードが選択されている場合には(ステップS1705;Yes)、ステップS1704の処理を経ず、調整結果画像Rが常に表示される。また、デモ表示中の場合にも調整結果画像Rは所定期間T1を経過しても消去されないようにしてもよい。メニューモード実行中であっても(ステップS1701;Yes)、音量調整モード選択中でない場合は(ステップS1705;No)、演出効果設定処理を終了する。
ステップS1706では、演出制御用CPU101は、調整操作があったか否かを判定する。演出制御用CPU101は、例えばスティックコントローラ122からの操作信号(例えば左右方向の傾倒操作を示す操作信号)が入力されている場合には、調整操作ありと判定し(ステップS1706;Yes)、調整操作に応じた音量設定値をRAMに設けられた設定値格納領域に格納する(ステップS1707)。なお、ステップS1707の処理においても、RAMに設けられた設定値格納領域に格納された、エラー音についての音量設定値は変更されず、初期設定値のままである。
続いて、演出制御用CPU101は、調整操作に応じた音量設定値を報知する調整結果画像Rを演出表示装置9に表示させ、調整結果画像表示中フラグをオン状態にセットする(ステップS1708)。なお、既に調整結果画像Rが表示中である場合(ステップS1702でYes、ステップS1703でNo、ステップS1706でYesと処理が推移した場合)は、今回の調整操作に応じた音量設定値を報知する調整結果画像Rを演出表示装置9に表示させ(前回の調整操作に応じた調整結果画像Rから更新表示し)、調整結果画像表示中フラグをオン状態のまま保つ。
ステップS1708の処理の実行後や、ステップS1706の処理で調整操作なしと判定した場合は(ステップS1706;No)、ステップS1710の処理を実行する。
ステップS1710では、演出制御用CPU101は、可変表示結果導出表示期間T2(以下、単に「導出表示期間」とも言う)であるか否かを判定する。例えば、演出制御用CPU101は、演出図柄変動中処理(ステップS802参照)において、演出図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定演出図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理を開始した際にオン状態にセットされ、当該処理を終了した際にオフ状態にクリアされるフラグにもとづいて、導出表示期間T2であるか否かを判定する。導出表示期間T2は、演出図柄の可変表示結果となる最終停止図柄の表示期間に相当するものであり、数秒程度(例えば、0.5〜1秒)に設定されている。したがって、この実施の形態では、導出表示期間T2は、前述の所定期間T1よりも短くなる。なお、導出表示期間T2は一定でなくともよく、例えば、通常状態のときよりも時短状態のときのほうが短くなるように設定するなどしてもよい。
可変表示結果の導出表示期間T2である場合(ステップS1710;Yes)、演出制御用CPU101は、調整結果画像表示中フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS1711)、オンであれば(ステップS1711;Yes)、調整結果画像Rを消去し、調整結果画像表示中フラグをオフ状態にクリアする(ステップS1712)。これにより、調整操作から所定期間T1が経過していなくとも、導出表示期間T2であれば、調整結果画像Rが消去されることになる。
一方で、可変表示結果の導出表示期間T2でない場合(ステップS1710;No)、演出制御用CPU101は、調整結果画像表示中フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS1713)、オフであれば(つまり、調整結果画像Rが表示されていなければ)(ステップS1713;No)、ステップS1714の処理を実行する。
ステップS1714の処理では、演出制御用CPU101は、可変表示の導出表示期間T2が経過し、且つ、所定期間T1内であるか否か(所定期間T1が経過していないか否か)を判定する。導出表示期間T2が経過し、且つ、所定期間T1内である場合(ステップS1714;Yes)、演出制御用CPU101は、調整結果画像Rを復帰表示(再び表示)し、調整結果画像表示中フラグをオン状態にセットする(ステップS1715)。これにより、ステップS1712の処理で調整結果画像Rが消去されていたとしても、導出表示期間T2でなく(ステップS1710;No)、導出表示期間T2が経過したが所定期間T1内である場合(ステップS1714;Yes)には、調整結果画像Rが復帰して表示される。
ステップS1713でYes判定であった場合や、ステップS1705、S1711、S1714でNo判定であった場合や、ステップS1712、S1715の実行後は、演出制御用CPU101は、演出効果設定処理を終了する。
なお、導出表示期間T2において調整結果画像Rが消去されている場合は、ステップS1706あるいはS1707の処理を経ないようにして、調整操作を無効としたり、調整操作に応じた音量設定を無効としたりしてもよい。また、RAMに設けられた設定値格納領域に格納された音量設定値を、所定のタイミングでデフォルト(初期設定値)に戻るように構成してもよい。当該所定のタイミングとしては、例えば、特定の変動後や、変動を特定回数実行後や、客待ちデモ表示復帰タイミングや、パチンコ遊技機1の再起動時などであればよい。また、所定期間T1は、互いに長さの異なる複数種類用意され、例えば遊技状態ごとに使い分けてもよい。例えば、時短状態では所定期間を10秒とし、通常状態では所定期間を5秒とするなどしてもよい。
次に、図40を参照して、所定の演出中に調整結果画像Rが表示される場合の一例を説明する。図40は、スーパーリーチ変動パターンであると判定され、カットイン演出の種別が決定された場合の実行例を示している。
演出図柄の可変表示(変動)が実行され、図40(A)に示すように演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となると、ノーマルリーチにおける所定のリーチ演出が実行され、その後、図40(B)に示すような発展報知画像(図示例では「スーパーリーチ!」)を演出表示装置9に表示することにより、スーパーリーチへの発展報知が行われる。変動中において、遊技者による調整操作がなされると、図40(B)に示すように演出表示装置9の右下端に調整結果画像Rが表示される(ステップS1710に相当)。
このような発展報知に続いて、図40(C)に示すようなスーパーリーチにおけるリーチ演出の実行中に操作促進画像Pが表示される(操作促進表示の開始)。そして、プッシュボタン120による操作がなされると、図40(D)に示すように、所定のカットイン演出が実行される。なお、操作促進画像Pの表示期間中にプッシュボタン120による操作がなされない場合には、カットイン演出は実行されない。その後、図40(E)に示すように、例えば大当り組み合わせの最終停止図柄が導出表示される。
調整操作がなされてから所定期間T1が経過するまでは、図40(B)〜(D)に示すように、調整結果画像Rは演出表示装置9に表示されたままである。この場合、調整結果画像Rは、発展報知画像や操作促進画像P(特定演出画像の一例)とは重畳しない位置に表示される。しかし、可変表示結果導出期間T2においては、所定期間T1が経過していなくとも、図40(E)に示すように調整結果画像Rは消去される(ステップS1712に相当)。これにより、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、少なくとも可変表示の実行中に、遊技者による調整動作に応じて演出効果(本例では、音量)を調整可能である(図40(B)〜(D)参照)。また、調整に対応する調整画像(本例では、調整結果画像R)を所定期間(本例では、所定期間T1)表示する。そして、所定期間内に可変表示の表示結果が導出表示される場合に、該所定期間のうち、可変表示の表示結果が導出表示される期間(本例では、可変表示結果導出期間T2)において調整画像を視認不可または視認困難とする(図40(E)参照)。そのため、導出表示される可変表示の表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
なお、この実施の形態では、演出効果の調整として、音量の調整を行う場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出効果の調整として、演出表示装置9の表示画面やランプ・LEDの輝度を調整可能に構成してもよい。
なお、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技を行うことが可能な遊技機であって、装飾手段(例えば、ロゴパネル90400)と、画像を表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置905)と、表示手段に装飾手段に関連する態様の特定画像を移動表示させる特定演出を実行可能な特定演出実行手段(例えば、図45(D)に示すように、演出制御用CPU90120が、演出表示装置905の表示領域905Aに、ロゴパネル90400に関連する態様の画像としてパネル画像Zを下方へ向けて移動表示させるパネル表示演出を実行可能である部分)と、遊技者の動作を検出する検出手段(例えば、プッシュボタン120)と、検出手段に対する動作を促す動作促進報知(例えば、ボタン操作促進表示200、連打操作促進表示202)を実行可能な動作促進報知実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS8109,S8122を実行する部分)とを備え、動作促進報知実行手段は、動作促進報知として、少なくとも第1情報(例えば、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像)と第2情報(例えば、「押せ!」の文字列)とを含む情報を表示し、第1情報の近傍に第2情報を表示する第1態様(例えば、図35(2)に示すボタン操作促進表示200)と、第1情報と同一または類似の情報に重畳して第2情報と同一または類似の情報を表示する第2態様(例えば、図36(2)〜図37(5)に示す連打操作促進表示202)とのいずれかの態様によって、動作促進報知を実行可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS8109を実行することによって図35(2)に示すボタン操作促進表示200を表示し、ステップS8122を実行することによって図36(2)〜図37(5)に示す連打操作促進表示202を表示する)遊技機が挙げられる。また、遊技を行うことが可能な遊技機であって、装飾手段(例えば、ロゴパネル90400)と、画像を表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置905)と、表示手段に装飾手段に関連する態様の特定画像を移動表示させる特定演出を実行可能な特定演出実行手段(例えば、図45(D)に示すように、演出制御用CPU90120が、演出表示装置905の表示領域905Aに、ロゴパネル90400に関連する態様の画像としてパネル画像Zを下方へ向けて移動表示させるパネル表示演出を実行可能である部分)と、遊技者の動作を検出する検出手段(例えば、プッシュボタン120)と、検出手段に対する動作を促す動作促進報知(例えば、ボタン操作促進表示200A、連打操作促進表示202)を実行可能な動作促進報知実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS8109,S8122を実行する部分)とを備え、動作促進報知実行手段は、動作促進報知として、少なくとも第1情報(例えば、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の絵柄の画像)と第2情報(例えば、「押せ!」の文字列)とを含む情報を表示し、第1情報に重畳して第2情報を表示する第1態様(例えば、図38(2)に示すボタン操作促進表示200A)と、該第1態様よりも大きい重畳度合いにより第1情報と同一または類似の情報に重畳して第2情報と同一または類似の情報を表示する第2態様(例えば、図36(2)〜図37(5)に示す連打操作促進表示202)とのいずれかの態様によって、動作促進報知を実行可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS8109を実行することによって図38(2)に示すボタン操作促進表示200を表示し、ステップS8122を実行することによって図36(2)〜図37(5)に示す連打操作促進表示202を表示する)遊技機が挙げられる。
上記遊技機によれば、動作促進報知のバリエーションを増やすことができる。また、装飾手段と表示手段とを用いた演出の演出効果を向上させることができる。さらに、遊技者の動作が検出されたことにより、特定演出を実行することで、遊技者の動作や動作促進報知、特定演出とが連動し演出効果を向上させることができる。
また、上記遊技機では、複数種類の特定演出を実行可能としてもよい。このときに、何れの種類の特定演出が実行されるかに応じて大当りとなる期待度が異なるようにしてもよい。さらに、動作促進報知を第1態様と第2態様の何れで実行するかに応じて、遊技者の動作が検出されたときに、複数の特定演出のうち何れの特定演出が実行されるかの割合が異なるようにしてもよい。もしくは、動作促進報知を第1態様と第2態様の何れで実行するかに応じて、遊技者の動作が検出されたときに、装飾手段が移動する演出が実行されるか特定演出が実行されるかの割合が異なるようにしてもよい。このような構成によれば、動作促進報知や特定演出により注目させることができる。
さらに、装飾手段と表示手段とを用いた演出の演出効果を向上させることができる遊技機の形態の一例として、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、装飾手段(例えば、ロゴパネル90400)と、画像を表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置905)と、表示手段に装飾手段に関連する態様の特定画像を移動表示させる特定演出を実行可能な特定演出実行手段(例えば、図45(D)に示すように、演出制御用CPU90120が、演出表示装置905の表示領域905Aに、ロゴパネル90400に関連する態様の画像としてパネル画像Zを下方へ向けて移動表示させるパネル表示演出を実行可能である部分)と、を備える遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図41は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図42は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図41の手前側をパチンコ遊技機901の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機901を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、この実施例におけるパチンコ遊技機901の前面とは、該パチンコ遊技機901にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図41は、この実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤902(ゲージ盤ともいう)と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレール902bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域9010が形成されている。この遊技領域9010には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠903には、ガラス窓9050aを有するガラス扉枠9050が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠9050により遊技領域9010を開閉できるようになっており、ガラス扉枠9050を閉鎖したときにガラス窓9050aを通して遊技領域9010を透視できるようになっている。
図41に示すように、遊技盤902は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール902b等が設けられた盤面板にて構成されている。
遊技盤902の所定位置(図41に示す例では、遊技領域9010の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器904Aと、第2特別図柄表示器904Bとが設けられている。第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器904Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器904Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤902における遊技領域9010の中央付近には、演出表示装置905が設けられている。演出表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置905の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器904Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器904Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置905は、遊技盤902よりも背面側に配設され、該遊技盤902に形成された開口902cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤902における開口902cには枠状のセンター飾り枠9051が設けられている。遊技盤902の背面と演出表示装置905との間には、後述する可動演出装置90300が設けられている。また、演出表示装置905の上方位置には、前面に「FEVER」なる文字が表示された装飾手段の一例であるロゴパネル90400が、遊技者が視認可能に固定されている。
演出表示装置905の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア905D、第2保留記憶表示エリア905Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア905D、第2保留記憶表示エリア905Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器904A及び第2特別図柄表示器904Bの上方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図42に示す普通電動役物用となるソレノイド9081によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ9022Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ9022Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方位置には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図42に示すソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図42に示すカウントスイッチ9023によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置907において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器9025Bの上方位置には、普通図柄表示器9020が設けられている。普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域9010の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L,908Rが設けられており、さらに遊技領域9010の周辺部には、演出用LED909が設けられている。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域9010に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域9010の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿9090(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿9090から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿9091が設けられている。下皿9091を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ9031Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット9035Aにて検出され、上皿9090を形成する部材に設けられたプッシュボタン9031Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ9035Bにて検出される。
また、上皿を形成する部材には、スピーカ908L,908Rから出力される音量を調整するための2つの音量調整ボタン9042A,9042Bが設けられている。この音量調整ボタン9042A,9042Bは、左右に並んで配置され、右側に配置された音量調整ボタン9042Aを押下操作するとスピーカ908L,908Rから出力される音量が大きくなり、左側に配置された音量調整ボタン9042Bを押下操作するとスピーカ908L,908Rから出力される音量が小さくなる。この音量調整ボタン9042A,9042Bを操作することで、遊技者が適宜音量を調整することができる。尚、上皿を形成する部材の内部において、音量調整ボタン9042A,9042Bの部分に対応する位置には、音量調整ボタン9042A,9042Bに対する押下操作を検出するボタンスイッチユニット9043(図42参照)が設けられていればよい。ボタンスイッチユニット9043は、音量調整ボタン9042Aに対応する透過形フォトセンサと音量調整ボタン9042Bに対応する透過形フォトセンサとを含んで構成され、これら透過形フォトセンサにてどちらの音量調整ボタンが押下操作されたかを検知可能であればよい。
次に、パチンコ遊技機901の回路構成について説明する。パチンコ遊技機901には、例えば図42に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、LED制御基板9014、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、スイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などが搭載されている。
図42に示すように、主基板9011には、通過ゲート9041を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器904A、第2特別図柄表示器904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90101(ReadOnlyMemory90101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM90102(RandomAccessMemory90102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU90103(CentralProcessingUnit90103)と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O90105(Input/Outputport90105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図42に示すように、演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置905、スピーカ908L,908R、演出用LED909、演出用モータ90311L,90311R、パネル用LED90401A,90401B,90401Cといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、スティックコントローラ9031A、プッシュボタン9031B、音量調整ボタン9042A,9042Bといった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、演出表示装置905における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
次に、パチンコ遊技機901における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機901では、遊技領域9010に設けられた通過ゲート9041を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置906Bの拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器904Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器904Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置907の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤902の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置905の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置905の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置906Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
次に、この実施例におけるパチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置907における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU90103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU90103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板9012の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU90120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理、音量調整処理を実行する。
図43は、演出制御用CPUが行う演出制御プロセス処理の内容を示すフローチャートである。図43に示すように、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセス処理において、まず、演出表示装置905の第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(ステップS9072)。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS9073)、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理(ステップS9074)、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、演出表示装置905の表示制御、スピーカ908L,908Rからの音出力、演出用LED909、パネル用LED90401A,90401B,90401Cの発光及び可動演出装置90300の駆動制御等を行う演出図柄変動中処理(ステップS9075)、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理(ステップS9076)を行う。
大当り表示処理(ステップS9077)においては、変動時間の終了後、演出表示装置905に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理(ステップS9078)においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理(ステップS9079)においては、演出表示装置905において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
このように演出制御用CPU90120は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU90120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
この実施例では、以下に説明する可動演出装置90300の可動体90301L,90301Rによる可動体演出や、演出表示装置905にロゴパネル90400に関連する態様の画像を移動表示させるパネル表示演出(特定演出)や、遊技者がスティックコントローラ9031Aまたはプッシュボタン9031Bを操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能とされている。また、演出制御用CPU90120は、上記したステップS9074の演出図柄変動開始処理において、上記した各種演出の実行の有無及び実行する演出の演出パターンや実行タイミングなどを決定する処理を実行する。
次に、図44〜図49に基づいて、可動演出装置90300、ロゴパネル90400及び演出表示装置905について説明する。図44は、(A)は可動演出装置の可動態様及び演出表示装置と装飾パネルを示す概略正面図、(B)は演出表示装置にロゴパネルを模したパネル画像を表示した状態を示す正面図である。図45は、(A)はロゴパネルを示す正面図、(B)〜(E)はパネル表示演出の流れを示す説明図である。図46は、(A)〜(C)は、パネル表示演出における演出用LEDの点灯態様を示す説明図である。図47は、パネル表示演出におけるパネル画像の移動表示速度を示す説明図である。図48は、各種演出の実行条件を示す説明図である。図49は、(A)〜(F)は図柄の変動表示に伴い実行される演出の流れの一例を示す説明図である。
図44(A)に示すように、可動演出装置90300は、演出表示装置905の下方左側に設けられた前後方向を向く回動軸90302Lを中心として、演出表示装置905の左方に起立姿勢で配置される退避位置と演出表示装置905の表示領域905Aに重なるように傾倒姿勢で配置される演出位置との間で回動可能に設けられた可動体90301Lと、演出表示装置905の下方右側に設けられた前後方向を向く回動軸90302Rを中心として、演出表示装置905の左方に起立姿勢で配置される退避位置と演出表示装置905の表示領域905Aに重なるように傾倒姿勢で配置される演出位置との間で回動可能に設けられた可動体90301Rと、可動体90301L,90301Rを駆動するステッピングモータからなる演出用モータ90311L,90311Rと、演出用モータ90311L,90311Rの駆動軸に固着されたピニオンギヤ90312L,90312R及び可動体90301L,90301Rに形成されピニオンギヤ90312L,90312Rに噛合するラックギヤ90313L,90313Rを有し、演出用モータ90311L,90311Rの駆動力を可動体90301L,90301Rに伝達する駆動力伝達手段と、を有している。尚、可動体90301L,90301Rは、それぞれの演出位置において左側の可動体90301Lの背面側に右側の可動体90301Rが重なるように前後に配設されている。
また、この実施例では、退避位置において可動体90301L,90301Rの一部が演出表示装置905と重畳しているが、演出表示装置905と重畳していなくてもよい。また、演出位置において可動体90301L,90301Rの一部は演出表示装置905と重畳していないが、全体が演出表示装置905と重畳していてもよい。つまり、退避位置では、演出位置にあるときよりも演出表示装置905との重畳面積が小さければよい。
図44及び図45(A)に示すように、ロゴパネル90400は、演出表示装置905の上方位置、つまり、演出表示装置905の表示領域905A外に遊技者から視認可能に固定され、前面に複数のパネル用LED90401A,90401B,90401Cが設けられたLED基板(図示略)と、LED基板(図示略)を収容するベース部材(図示略)と、LED基板の前面側を覆うレンズカバー90402と、を有する。
尚、ロゴパネル90400は、遊技盤902に直接または遊技盤902に取付けられるセンター飾り枠9051や遊技盤902の背面に取付けられる部材等を介して間接的に取付けられて固定されていればよい。
レンズカバー90402は、所定の色に着色された透光性を有する合成樹脂材にて形成され、前面に「FEVER」なる文字が表示されている。特に図示しないが、前面は各文字の部位が前方に突出して形成されている。また、内部にはパネル用LED90401A,90401B,90401Cからの光を拡散して出射する加工が施されている。
パネル用LED90401A,90401B,90401Cは、複数色(例えば、7色)にて発光させることが可能な発光ダイオードからなり、様々な発光態様にて発光させることができるようになっており、前方へ向けて光を照射可能に設けられている。また、上段のパネル用LED90401Aは、各文字の上部に配置されるように左右方向に複数並設され、中段のパネル用LED90401Bは、各文字の中部及び文字の周辺に配置されるように左右方向に複数並設され、下段のパネル用LED90401Cは、各文字の下部及び文字の周辺に配置されるように左右方向に複数並設されている。
これらパネル用LED90401A,90401B,90401Cが点灯することにより、レンズカバー90402を透して光が前方へ出射され、各文字部及びその周辺が発光する。つまり、ロゴパネル90400は、文字が表示され、また、パネル用LED90401A,90401B,90401Cの点灯により前面部が発光することにより装飾される装飾パネルを構成している。
尚、この実施例では、ロゴパネル90400の前面に「FEVER」なる文字が表示されていたが、これに限定されるものではなく、「FEVER」とは異なる文字(例えば、パチンコ遊技機901の機種名など)が表示されていてもよい。また、文字ではなく、記号、数字、図柄、絵柄が表示されていてもよい。さらに、このような文字や柄等が表示されていなくても、例えば、レンズカバー90402の前面形状を立体状にすることや、色で着色することにより所定の装飾が施されていてもよい。
尚、この実施例では、ロゴパネル90400は移動不能に固定されているが、上下左右方向に移動可能に設けられていてもよいし、回動可能または振動といった動作が可能に設けられていてもよい。
図45(D)に示すように、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の表示領域905Aに、ロゴパネル90400に関連する態様の画像としてパネル画像Zを下方へ向けて移動表示させるパネル表示演出を実行可能である。この実施例では、ロゴパネル90400に関連する態様の画像の一例であるパネル画像Zは、ロゴパネル90400全体を正面から見たときの外観意匠(「FEVER」なる文字も含む)を模した画像であり、大きさもほぼ同じとされている。また、特に図示しないが、パネル用LED90401A,90401B,90401Cの発光態様(例えば、発光色や点灯態様など)と同様の態様で表示される。
ここで、演出制御用CPU90120が行うパネル表示演出の一例を、図45(B)〜図45(E)に基づいて説明する。
演出制御用CPU90120は、図45(B)に示すように、通常時、つまり、初期状態においては、全てのパネル用LED90401A,90401B,90401Cを消灯しておく。そして、図45(C)に示すように、例えば、図柄の変動表示がリーチ状態となったタイミングでパネル表示演出を実行する場合、全てのパネル用LED90401A,90401B,90401Cを所定の発光色で点灯させるパネル発光演出を実行する。
次いで、図45(D)に示すように、パネル用LED90401A,90401B,90401Cを点灯させてから所定期間(例えば、2秒)が経過した後、パネル画像Zを表示領域905Aの上辺から下方へ向けて移動表示させ、表示領域905Aの略中央位置で停止表示させるパネル表示演出を実行する。
ここで、パネル画像Zを表示領域905Aの上辺から下方へ向けて落下移動表示させるとき、図45(C)に示すように表示領域905Aにパネル画像Zを表示していない状態から、図46(A)(B)に示すように表示領域905Aの上辺からパネル画像Zを漸次出現させて、下方へ向けて移動表示(スクロール表示)させる。つまり、表示領域905Aの周縁において、ロゴパネル90400に対応する表示領域905Aの上辺から、ロゴパネル90400から離れる方向である下方へ向けて移動表示させることで、ロゴパネル90400が擬似的に移動するような演出を実現でき、あたかもロゴパネル90400が落下しているような錯覚を遊技者に起こさせることができる。
また、演出制御用CPU90120は、図46(A)〜(C)に示すように、パネル画像Zを下方へ向けて移動表示させるとともに、該移動表示に対応するようにパネル用LED90401A,90401B,90401Cを消灯させる。具体的には、図46(A)に示すように、パネル画像Zの下側の約1/3の部分が出現した段階で、上段のパネル用LED90401Aを消灯して前面の上側の約1/3の部分を暗くし、図46(B)に示すように、パネル画像Zの下側の約2/3の部分が出現した段階で、中段のパネル用LED90401Bを消灯して前面の上側の約2/3の部分を暗くし、図46(C)に示すように、パネル画像Zの全体が出現した段階で、下段のパネル用LED90401Cを消灯して前面全域を暗くする。
このように、ロゴパネル90400の発光領域において、表示領域905Aに出現したパネル画像Zの領域とほぼ同じ面積の発光領域が、移動表示方向と反対側である上方から漸次消灯されていくため、ロゴパネル90400が落下しているような錯覚を強く遊技者に起こさせることができる。
尚、この実施例では、ロゴパネル90400の発光領域において、表示領域905Aに出現したパネル画像Zの領域とほぼ同じ面積の発光領域が、移動表示方向と反対側である上方から漸次消灯されていくようになっているが、これに限定されるものではなく、ロゴパネル90400の発光領域において、表示領域905Aに出現したパネル画像Zの領域とほぼ同じ面積の発光領域の発光態様が移動表示方向と反対側である上方から漸次変化するようにしてもよい。例えば、輝度を低くしたり、LEDの点灯数を減少させたり、発光色を変化させたり、点灯から点滅に変化させたり、点滅速度を低下させたりすればよい。
また、演出制御用CPU90120は、図46(C)に示すように、表示領域905Aの略中央位置にパネル画像Zを停止表示させた後、所定期間(例えば、約5秒)が経過したとき、パネル画像Zを上方へ向けて移動表示させる。そして、図45(E)に示すように、パネル画像Zを表示領域905Aの上辺から上方へ向けて漸次消去(フレームアウト)させていく。
このとき、パネル画像Zを上方へ向けて移動表示させるとともに、該移動表示に対応するようにパネル用LED90401A,90401B,90401Cを点灯させる。具体的には、パネル画像Zの上側の約1/3の部分がフレームアウトした段階で、下段のパネル用LED90401Cを点灯して前面の下側の約1/3の部分を明るくし、パネル画像Zの上側の約2/3の部分がフレームアウトした段階で、中段のパネル用LED90401Bを点灯して前面の下側の約2/3の部分を明るくし、パネル画像Zの全体がフレームアウトした段階で、上段のパネル用LED90401Aを点灯して前面全域を明るくする。
このように、ロゴパネル90400の発光領域において、表示領域905Aに出現したパネル画像Zの領域とほぼ同じ面積の発光領域が、移動表示方向と反対側である下方から漸次点灯されていくため、ロゴパネル90400が上昇しているような錯覚を強く遊技者に起こさせることができる。
また、演出制御用CPU90120は、パネル画像Zを下方へ移動表示させるときと、パネル画像Zを上方へ移動表示させるときとで、パネル画像Zの移動表示速度及びパネル用LED90401A,90401B,90401Cの発光態様が異なるようにしている。
図47に示すように、パネル画像Zを下方へ移動表示させるときは、パネル画像Zを高速で移動表示させ、パネル画像Zを上方へ移動表示させるときは、パネル画像Zを低速で移動表示させる。例えば、パネル画像Zを高速で下方へ移動表示させる場合、ロゴパネル90400を自重で落下させるときとほぼ同じ速度で移動表示させる一方、パネル画像Zを上方へ移動表示させる場合、下方へ移動表示させるときの速度よりも遅い速度で移動表示させる。
このように、パネル画像Zの落下時と上昇時とで移動表示させる速度を異ならせることで、重量を有する構造物であるロゴパネル90400を落下させたり上昇させたりしているように見せることができるため、より現実味のある演出を実現でき、興趣をより一層向上できる。
また、パネル画像Zを下方へ移動表示させるときは、図46にて説明したように、パネル用LED90401A,90401B,90401Cを上段、中段、下段の順に消灯させ、パネル画像Zを上方へ移動表示させるときは、パネル用LED90401A,90401B,90401Cを下段、中段、上段の順に点灯させていく。つまり、パネル画像Zの移動表示の方向に対応するようにパネル用LED90401A,90401B,90401Cを漸次消灯または点灯するだけでなく、パネル画像Zの落下時と上昇時とで、パネル用LED90401A,90401B,90401Cの発光態様を異ならせることで、より現実味のある演出を実現でき、興趣をより一層向上できる。
図48(A)に示すように、演出制御用CPU90120は、遊技における様々なタイミングで、ロゴパネル90400のパネル用LED90401A,90401B,90401Cを点灯することにより前面部を発光させるパネル発光演出(例えば、図45(C)参照)と、演出表示装置905の表示領域905Aにパネル画像Zを移動表示させるパネル表示演出(例えば、図45(D)(E)参照)と、可動演出装置90300の可動体90301L,90301Rを退避位置と演出位置との間で移動させる可動体演出(例えば、図44参照)と、その他の各種演出とを含む複数種類の演出を実行可能であり、上記パネル発光演出、パネル表示演出、可動体演出はそれぞれ単独で実行可能であるとともに、他の演出と一緒に実行する(複合演出)ことも可能である。
ここで、図44(B)及び図45(D)(E)に示すように、パネル表示演出において、パネル画像Zは表示領域905Aの上辺と上下方向の略中央位置との間で移動表示するとともに、可動体演出において、可動体90301L,90301Rは表示領域905Aの左右側から中央位置へ向けて移動する。つまり、パネル画像Zの移動表示領域と可動体90301L,90301Rの移動領域とが重なっているため、パネル表示演出においてパネル画像Zを移動表示させる際に、可動体90301L,90301Rを退避位置から演出位置へ移動させると、パネル画像Zの前面側に可動体90301L,90301Rが配置されることで、パネル画像Zの視認が可動体90301L,90301Rにより阻害されてしまう。よって、この実施例では、パネル表示演出と可動体演出とに関しては、複合演出として一緒に実行することを禁止している。
例えば、図48(B)に示すように、演出制御用CPU90120は、パネル表示演出の実行期間(例えば、ta1〜ta2やta5〜ta6)と、可動体演出の実行期間(例えば、ta3〜ta4やta7〜ta8)とが重ならないように、それぞれ変動表示中における別個のタイミングで単独で実行する。
また、この実施例では、パネル表示演出と可動体演出とを複合演出として一緒に実行しないだけでなく、パネル表示演出の実行期間中において、可動体90301L,90301Rが何らかの要因(例えば、パチンコ遊技機901に生じた振動など)により意図しないタイミングで退避位置から演出位置へ向けて移動したと判定したときや、前回の可動体演出の際に退避位置まで完全に戻らなかったとき等において、少なくともパネル表示演出の実行前に、演出用モータ90311L,90311Rを駆動して退避位置へ戻す制御を実行する。このように、演出制御用CPU90120は、パネル表示演出を実行するときに、パネル画像Zの表示を阻害し得る可動体演出の実行を制限することで、より現実味のある演出を実現でき、興趣をより一層向上できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から受信した変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチ変動パターンであった場合に演出制御用CPU90120が実行する演出の一例を、図49に基づいて説明する。図49は、(A)はパネル発光演出を実行している状態、(B)(C)はパネル発光演出を実行している状態、(D)は操作促進演出が実行されている状態、(E)は可動体演出が実行されている状態、(F)はスーパーリーチに発展した状態を示す説明図である。
図49(A)に示すように、演出制御用CPU90120は、前述したステップS9073の変動パターン指定コマンド受信待ち処理にて、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から変動パターン指定コマンドを受信したことに基づいて、前述したステップS9074の演出図柄変動開始処理において、パネル発光演出、パネル表示演出及び可動体演出といった演出の実行の有無及び演出パターン等を決定し、演出表示装置905において演出図柄の変動表示を開始する。また、演出図柄の変動表示の開始とともに、パネル発光演出を実行する。このように、パネル発光演出によりロゴパネル90400が発光することで、遊技者をロゴパネル90400に注目させることができる。
図49(B)に示すように、パネル発光演出を実行してから所定期間(例えば、2秒)が経過したときに、パネル画像Zを表示領域905Aの上辺から下方へ向けて高速で移動表示させ、表示領域905Aの略中央位置で停止表示させるパネル表示演出を実行するとともに、パネル画像Zの移動表示に応じて、上段のパネル用LED90401A、中段のパネル用LED90401B、下段のパネル用LED90401Cの順に消灯させる。そして、このパネル表示演出の実行により、リーチ状態になることが示唆される。
図49(C)に示すように、パネル画像Zを表示領域905Aの略中央位置で停止表示させた後、所定期間(例えば、約5秒)が経過したとき、パネル画像Zを上方へ向けて移動表示させて表示領域905Aの上辺から漸次消去(フレームアウト)させてパネル表示演出を終了する。これに応じて演出図柄の変動表示状態をリーチ状態にする。
図49(D)に示すように、リーチ状態とした後、プッシュボタン9031Bの操作を促進する画像を表示して操作促進演出を実行し、スーパーリーチへの発展を示唆する。そして、操作促進演出を実行している期間においてプッシュボタン9031Bの操作を受付けたときまたはプッシュボタン9031Bの操作を受付けずに操作有効期間が終了したときに、可動体90301L,90301Rを退避位置から演出位置へ移動させる可動体演出を実行し(図49(E)参照)、可動体90301L,90301Rを演出位置から退避位置へ移動させた後、表示領域905Aに「スーパーリーチ!」なる文字を表示して、スーパーリーチへ発展したことを報知する。
このように、図49では、演出図柄の変動表示を開始したタイミングでパネル表示演出を実行し、リーチ状態になることを示唆するリーチ予告として用いた形態を例示したが、これに限定されるものではなく、リーチ状態が成立したとき、スーパーリーチへ発展するとき、擬似連再変動を実行するときなど、図柄の変動表示中における他のタイミングにて実行するようにしてもよい。また、大当り図柄を揃えた後に再変動させて確率変動大当りであることを報知するとき、大当り中において確率変動大当りに昇格したことを報知するとき、大当り中において保留内連荘大当りがあることを報知するときなど、その他の種々のタイミングにて実行するようにしてもよい。
次に、音量調整処理における演出表示装置905の表示態様について図50及び図51にもとづいて説明する。
演出制御用CPU90120は、変動表示や大当り遊技の実行中に遊技者から音量調整ボタン9042A,9042Bの操作を受付けることで音量の調整を行う音量調整処理を実行する。尚、この実施例における演出表示装置905の右上部には、後述するようにスーパーリーチ演出の実行中や大当り遊技中以外の状態において、ゲージ状の音量状況表示VL(図50参照)が常に表示されており、遊技者は、該音量状況表示VLの表示態様によって現在設定されている音量を把握することが可能となっている。
図50(A)及び図50(B)に示すように、変動表示中に遊技者が音量調整ボタン9042A,9042Bを操作した場合、スピーカ908L,908Rから出力される音量が調整されるとともに、該音量の調整に応じて音量状況表示VLの表示態様が変化する。また、図50(B)に示すように、音量状況表示VLは、演出表示装置905においてスーパーリーチ演出が開始されることに応じて演出表示装置905の右上部から消去される。尚、このように音量状況表示VLが消去されている状態においても、遊技者が音量調整ボタン9042A,9042Bを操作することによって、スピーカ908L,908Rから出力される音量は変更可能となっている。尚、スーパーリーチ演出が終了して変動表示が終了した後は、演出表示装置905の右上部において再び音量状況表示VLの表示が開始される。
次に、変動表示結果が大当りとなった場合、音量状況表示VLは、図51(A)及び図51(B)に示すように、大当り遊技の演出(大当り演出)が開始されることによって再び演出表示装置905の右上部から消去される。大当り演出中は、遊技者が音量調整ボタン9042A,9042Bを操作することによってスピーカ908L,908Rから出力される音量を調整可能となっており、このように大当り演出中にスピーカ908L,908Rから出力される音量を調整した場合は、図51(C)及び図51(D)に示すように、演出表示装置905の右上部において該音量の調整に応じた音量状況表示VLの表示が実行される。尚、大当り演出中における音量状況表示VLは、表示開始から所定時間(例えば、3秒)経過することによって再び演出表示装置905の右上部から消去される。
また、図51(B)に示す大当り演出の実行中は、遊技者による音量調整ボタン9042A,9042Bの操作が実行されるまでは演出表示装置905の右上部から音量状況表示VLを消去し、遊技者による音量調整ボタン9042A,9042Bの操作が実行されてから所定時間(例えば、3秒間)経過するまで演出表示装置905の右上部において音量状況表示VLの表示を維持することで、大当り演出の演出効果の低下を抑制しつつ、遊技者の要望に応じてスピーカ908L,908Rから出力される音の音量の調整状況を表示することができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、前記実施例では、スーパーリーチ演出が実行された場合は、演出表示装置905から音量状況表示VLを消去し、スーパーリーチ演出が終了して変動表示が終了したことを条件に演出表示装置905に音量状況表示VLを再び表示する形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、変形例1として図52(A)〜図52(D)に示すように、音量状況表示VLは、スーパーリーチ演出の実行開始時から当該変動表示が終了して新たな変動表示が開始されるまでの期間に亘って演出表示装置905から消去されても良い。
また、前記実施例では、スーパーリーチ演出が実行された場合は、演出表示装置905から音量状況表示VLを消去し、スーパーリーチ演出が終了して変動表示が終了したことを条件に演出表示装置905に音量状況表示VLを再び表示するとともに、大当り演出の実行中は再び演出表示装置905から音量状況表示VLを消去する形態を例示しているが、これに限定されるものではなく、スーパーリーチ演出の開始時点から大当り演出が終了するまでの期間に亘って演出表示装置905から音量状況表示VLを消去しても良い。尚、このようにスーパーリーチ演出の開始時点から大当り演出が終了するまでの期間に亘って演出表示装置905から音量状況表示VLを消去する場合においても、遊技者が音量調整ボタン9042A,9042Bを操作してスピーカ908L,908Rから出力する音の音量を変更(調整)した場合は、該変更した音量に応じた表示態様にて音量状況表示VLを所定期間(例えば、3秒間)に亘って表示しても良い。
また、前記実施例では、演出表示装置905の右上部においてゲージ状の音量状況表示VLを表示する形態を例示したが、これに限定されるものではなく、演出表示装置905の右上部の箇所にて音量状況表示VLを表示しても良い。また、音量状況表示VLは、ゲージ状に限らず、設定されている音量に応じた数値表示等であっても良い。
また、前記実施例では、遊技者が設定可能な演出設定として、スピーカ908L,908Rから出力される音の音量、演出用LED909の光量、遊技中に表示されるミニキャラクタ、大当り中BGM、リーチ演出の実行時や大当り時等にスピーカ908L,908Rから出力されるボイス(効果音)等を変更可能な形態を例示したが、これに限定されるものではなく、特定の演出の実行頻度等を変更可能としても良い。
以上説明したように、他の形態例としてのパチンコ遊技機901にあっては、装飾手段としてのロゴパネル90400と、画像を表示可能な表示手段としての演出表示装置905と、を備え、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の表示領域905Aに、ロゴパネル90400に関連する態様の画像としてパネル画像Zを下方(または上方)へ向けて移動表示させるパネル表示演出を実行可能である。このようにすることで、ロゴパネル90400と演出表示装置905とを用いたパネル表示演出の演出効果を向上させることができる。
また、ロゴパネル90400は、演出表示装置905の上方位置、つまり、演出表示装置905の表示領域905A外に遊技者から視認可能に固定され、内部には複数のパネル用LED90401A,90401B,90401Cが設けられ、演出制御用CPU90120は、演出図柄の変動表示の開始とともにパネル発光演出を実行した後、該パネル発光演出を実行してから所定期間(例えば、2秒)が経過したときに、パネル画像Zを表示領域905Aの上辺から下方へ向けて高速で移動表示させ、表示領域905Aの略中央位置で停止表示させた後、上方へ向けて低速で移動表示させるパネル表示演出を実行する。このようにすることで、ロゴパネル90400が擬似的に移動するような演出を実現でき、ロゴパネル90400が移動しているような錯覚を遊技者に起こさせることにより、興趣を向上できる。
また、ロゴパネル90400の発光制御を行う演出制御用CPU90120は、パネル画像Zを下方へ移動表示させるときは、パネル用LED90401A,90401B,90401Cを上段、中段、下段の順に消灯させ、パネル画像Zを上方へ移動表示させるときは、パネル用LED90401A,90401B,90401Cを下段、中段、上段の順に点灯させていく。このようにすることで、ロゴパネル90400が移動しているような錯覚をより強く遊技者に起こさせることができる。
また、演出制御用CPU90120は、パネル画像Zを下方へ移動表示させるときは、パネル画像Zを高速で移動表示させ、パネル画像Zを上方へ移動表示させるときは、パネル画像Zを低速で移動表示させる。このようにすることで、より現実味のある演出を実現でき、興趣をより一層向上できる。
また、特定画像であるパネル画像Zの態様は、ロゴパネル90400に表示された文字を含むことで、ロゴパネル90400のデザイン上の制約を受けずに多種の演出を実現することができる。また、構造物であるロゴパネル90400を高速で移動させるための駆動機構を搭載したり、所定態様で発光させるために複数のLEDを搭載することなく、演出表示装置905にパネル画像Zを表示させることにより、高速移動表示や発光表示など様々な演出を実現することが可能となる。
また、動作可能に設けられた可動体としての可動演出装置90300の可動体90301L,90301Rを備え、演出制御用CPU90120は、パネル表示演出と可動体演出とを複合演出として一緒に実行しないだけでなく、パネル表示演出の実行期間中において、可動体90301L,90301Rが何らかの要因(例えば、遊技機用枠903に生じた振動など)により退避位置から演出位置へ向けて移動したと判定したとき、演出用モータ90311L,90311Rを駆動して退避位置へ戻す制御を実行することで、より現実味のある演出を実現でき、興趣をより一層向上できる。
また、CPU90103は、特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後に、遊技者にとって有利なラウンドを所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御するものであり、演出制御用CPU90120は、第1実行タイミング(例えば、演出図柄の変動を開始するとき)と該第1実行タイミングとは異なる第2実行タイミング(例えば、スーパーリーチへ発展するとき)とでパネル表示演出を実行可能であり、第1実行タイミングでパネル表示演出を実行したときと第2実行タイミングでパネル表示演出を実行したときとで、大当り遊技状態に制御される割合が異なるようにパネル発光演出の実行タイミング等を決定することで、パネル表示演出の実行タイミングに注目させることができる。
また、演出制御用CPU90120は、大当り演出の実行中は、遊技者による音量調整ボタン9042A,9042Bの操作が実行されるまでは演出表示装置905の右上部から音量状況表示VLを消去し、遊技者による音量調整ボタン9042A,9042Bの操作が実行されてから所定時間(例えば、3秒間)経過するまで演出表示装置905の右上部において音量状況表示VLの表示を維持することで、大当り演出の演出効果の低下を抑制しつつ、遊技者の要望に応じて演出設定の調整状況を表示することができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
以上、他の形態例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもよい。
ここで、他の形態例の変形例2〜7について、図53〜図55に基づいて説明する。図53は、変形例2としてのパネル表示演出の実行タイミング別の大当り期待度を示す図である。図54は、変形例3としてのパチンコ遊技機を示す正面図である。図55は、(A)(B)は図54のパチンコ遊技機におけるパネル表示演出の一例を示す説明図、(C)は変形例4としてのパネル表示演出の一例を示す説明図、(D)は変形例5としてのパネル表示演出の一例を示す説明図、(E)は変形例6としてのパネル表示演出の一例を示す説明図、(F)は変形例7としてのパネル表示演出の一例を示す説明図である。
前記実施例では、前述したステップS9074の演出図柄変動開始処理において、パネル発光演出の実行の有無及び演出パターン等を決定するようになっていたが、例えば、図53の変形例2に示すように、演出制御用CPU90120は、演出図柄の変動を開始するとき、擬似連再変動を実行するとき、スーパーリーチへ発展するとき、スーパーリーチ演出において大当りか否かを煽るとき、はずれ表示結果の導出後に演出図柄を再変動して大当りを報知する復活演出を行うとき、といった複数タイミングで実行可能としてもよい。
また、この場合、パネル表示演出を実行したタイミングにより大当り期待度が異なるようにしてもよい。例えば、図53に示すように、大当り期待度は、パネル表示演出が演出図柄の変動を開始するときに実行されたときは15%、擬似連再変動を実行するときは30%、スーパーリーチへ発展するときは50%、スーパーリーチ演出において大当りか否かを煽るときは60%、はずれ表示結果の導出後に演出図柄を再変動して大当りを報知する復活演出を行うときは100%としてもよい。尚、各実行タイミングにおける大当り期待度は、上記以外の値に種々に変更可能である。
また、この場合、第2実行タイミング(例えば、スーパーリーチへ発展するとき)で実行されたとき、該第2実行タイミングよりも変動表示の開始からの経過時間が短い第1タイミング(例えば、演出図柄の変動を開始するとき)で実行されたときよりも大当り期待度が大きくなるようにすることで、遊技者は変動表示の後半でパネル表示演出が実行されることを期待するようになるため、遊技の興趣が向上する。
このように演出制御用CPU90120は、第1実行タイミング(例えば、演出図柄の変動を開始するとき)と該第1実行タイミングとは異なる第2実行タイミング(例えば、スーパーリーチへ発展するとき)とでパネル表示演出を実行可能であり、第1実行タイミングでパネル表示演出を実行したときと第2実行タイミングでパネル表示演出を実行したときとで大当り遊技状態に制御される割合が異なるように、パネル発光演出の実行タイミングを複数のうちからいずれかに決定すればよい。
また、前記実施例では、ロゴパネル90400は、演出表示装置905の上方位置に配置されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、図54に示すように、演出表示装置905の下方位置に配置してもよい。尚、この場合、遊技盤902を、非透光性のベニヤ板に代えて、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材からなる盤面板(図示略)と該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)とにより構成し、盤面板を透してロゴパネル90400を視認できるようにしてもよい。また、特に図示しないが、演出表示装置905の左側方または右側方に配置してもよい。
また、前記実施例及び変形例3では、ロゴパネル90400を遊技盤902に設ける形態を例示したが、これに限定されるものではなく、図54中の2点鎖線で示すように、遊技機用枠903に設けてもよい。この場合、例えば、遊技機用枠903における遊技盤902の上方位置E1、左側方位置E2、右側方位置E3等を含む任意の個所に遊技者が視認可能に配置してもよい。
また、図54に示すように、ロゴパネル90400を演出表示装置905の下方位置に配置した場合におけるパネル表示演出では、図55(A)に示すように、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905にパネル画像Zをロゴパネル90400から離れる方向である上方へ移動表示させたり、図55(B)に示すように、演出表示装置905にパネル画像Zをロゴパネル90400に近づく方向である下方へ移動表示させたりすればよい。また、上方へ移動表示するときに高速で移動表示させ、下方へ移動表示するときに低速で移動表示させてもよいし、上方へ移動表示するときに低速で移動表示させ、下方へ移動表示するときに高速で移動表示させてもよい。
また、前記実施例及び変形例3では、パネル画像Zは、ロゴパネル90400全体を正面から見たときの外観意匠(「FEVER」なる文字も含む)を模した画像であり、大きさもほぼ同じパネル画像Zとした形態を例示したが、これに限定されるものではなく、ロゴパネル90400に関連する態様の画像であれば、必ずしも外観意匠(「FEVER」なる文字も含む)を模した画像でなくてもよい。
具体的には、図55(C)に示すように、ロゴパネル90400と相似する画像、つまり、ロゴパネル90400の一定点を中心として一定の比に拡大あるいは縮小してできる図形画像としてもよい。また、ロゴパネル90400と外観意匠や大きさが同じでなくてもよく、例えば、ロゴパネル90400の外観意匠が近似または類似する画像や、デフォルメした画像、全体意匠のうち一部を切り出した画像等としてもよい。さらに、ロゴパネル90400の発光態様(例えば、発光色や点灯態様など)と相似する画像としてもよい。また、ロゴパネル90400の発光態様(例えば、発光色や点灯態様など)と大きさが一致(合同)する画像としてもよい。
また、前記実施例及び変形例3では、パネル画像Zの移動表示中において、パネル画像Zの視認態様(例えば、大きさや形状等)が変化しない形態を例示したが、これに限定されるものではなく、移動表示中にパネル画像Zの視認態様が変化する(例えば、図55(C)の変形例4に示すように、パネル画像Zが拡大表示または縮小表示されるなど)ようにしてもよい。
また、前記実施例及び変形例3、4では、パネル画像Zをロゴパネル90400から離れる方向へ向けて直線的に移動表示させる形態を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、図55(D)の変形例5に示すように、パネル画像Zをロゴパネル90400から離れる方向へ向けて曲線的に移動表示させてもよい。つまり、移動表示の態様は種々に変更可能であり、上記した形態に限定されるものではない。
また、前記実施例及び変形例3〜5では、パネル画像Zを、ロゴパネル90400の全体意匠を模した画像とした形態を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、図55(E)の変形例6に示すように、ロゴパネル90400の正面部の一部の領域(例えば、背景領域を除く文字部のみなど)に対応する画像を移動表示させるようにしてもよい。
さらに、図55(F)の変形例7に示すように、パネル画像Zを構成する各文字部の配置態様を、ロゴパネル90400の配置態様とは異なる態様にして移動表示させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU90120は、パネル画像Zを装飾手段としてのロゴパネル90400から離れる方向や近づく方向へ移動表示させる形態を例示したが、これに限定されるものではなく、上記以外の方向へ移動表示させてもよい。また、表示領域905Aにおけるロゴパネル90400の配置位置に対応しない位置(例えば、ロゴパネル90400が上方にある場合は、左右側方や下方から出現またはフレームアウトさせるなど)からパネル画像Zを出現またはフレームアウトさせるようにしてもよい。
また、前記実施例では、装飾手段の一例として、表面に文字が表示されたロゴパネル90400とした形態を例示したが、これに限定されるものではなく、表面に文字が表示されていない装飾体など、パチンコ遊技機901に設けられた他の構造体としてもよい。
また、装飾手段としてのロゴパネル90400は、複数のパネル用LED90401A,90401B,90401Cにより発光可能に設けられていたが、これに限定されるものではなく、装飾手段は、パネル用LED90401A,90401B,90401Cのような発光体を必ずしも有していなくてもよい。
また、装飾手段としてロゴパネル90400が1つのみ設けられていたが、装飾手段が複数設けられていてもよい。尚、複数の装飾手段が設けられた場合、演出制御用CPU90120は、演出表示手段に複数の装飾手段のうち少なくとも一の装飾手段に関連する態様の特定画像を移動表示させる特定演出を実行可能であればよい。
また、前記実施例では、装飾手段としてロゴパネル90400は、演出表示装置905の表示領域905A外である上方位置に配置されていたが、これに限定されるものではなく、表示領域905Aに少なくとも一部が重なるように配置されるものとしてもよい。
また、前記実施例では、ロゴパネル90400は移動不能に固定されているが、上下方向、左右方向、前後方向に変位可能に設けられていてもよいし、回動可能または振動といった動作が可能に設けられていてもよい。また、装飾手段を変位可能とした場合、装飾手段を変位させながら装飾手段に関連する態様の特定画像を移動表示させてもよい。さらにこの場合、装飾手段と特定画像とで異なる方向へ変位させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、表示手段の一例として、演出表示装置905を適用した形態を例示したが、これに限定されるものではなく、演出表示装置905とは別個に設けられた表示手段であってもよいし、液晶表示器とは別の表示装置(例えば、導光板表示装置やEL表示装置など)を適用してもよい。
また、表示手段としての演出表示装置905とは別個に、画像を表示可能なサブ演出表示装置(図示略)を設け、該サブ演出表示装置に、装飾手段に関連する態様の特定画像を移動表示させるようにしてもよい。つまり、表示手段を複数備えていてもよい。さらに、演出表示装置905とは別個にサブ演出表示装置を変位可能に設け、該サブ演出表示装置に、装飾手段に関連する態様の特定画像を表示した状態で該サブ演出表示装置を変位させることにより、特定画像を移動表示させてもよい。
また、前記実施例では、可動体としての可動体90301L,90301Rは回動可能に設けられていたが、前後方向や左右方向や斜め方向へ移動可能に設けられていてもよい。また、このような可動体を装飾手段として適用してもよい。
遊技機の一例としてパチンコ遊技機901を例示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。