まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、後述する演出ユニット300が設けられている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1の状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下操作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、図18〜図21に基づいて、演出ユニット300について説明する。図18は、(A)は第1可動体の第1動作を示す正面図、(B)は第1可動体の第2動作を示す正面図である。図19は、(A)は第1可動体ユニットを斜め前側から見た分解斜視図、(B)は第1可動体ユニットを斜め後ろ側から見た分解斜視図である。図20は、第1可動体の第1動作を側方から見た概念図である。図21は、図18(B)のA−A断面図である。
図1に示すように、演出ユニット300は、第1可動体302を備える第1可動体ユニットと、第2可動体402L,402Rを備える第2可動体ユニットと、第3可動体502を備える第3可動体ユニットと、から主に構成されている。尚、第2可動体402L,402Rは、例えば、図示しない駆動モータやギヤなどから成る第4駆動機構406(図2参照)により、演出表示装置5の前側に出現する演出状態と、演出表示装置5の前側から退避する退避状態に変化可能である(図示略)。尚、第3可動体502は、例えば、図示しない駆動モータやギヤなどから成る第5駆動機構505(図2参照)により、演出表示装置5の前側に出現する演出状態と、演出表示装置5の前側から退避する退避状態に変化可能である(図示略)。
図18に示すように、第1可動体ユニットは、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間に設けられ、正面視略下向きコ字形に形成されるベース部301と、第1可動体302と、から主に構成されている。第1可動体302は、第1駆動機構303(図2参照)により該ベース部301の上部の第1位置(図18(A)参照)と該第1位置よりも下方の第2位置(図18(B)参照)とに移動可能である。また、第1可動体302は、第2駆動機構304(図2参照)により後述する回動中心Pを中心に回動可能である(図20参照)。また、第1可動体302は、第3駆動機構305(図2参照)により突出体370を第1可動体302内に収納される収納状態と、第1可動体302から突出する突出状態と、に変化可能である(図20及び図21参照)。
第1可動体ユニットにおけるベース部301は、上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cにより下向き略コ字形に形成され、各上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cが演出表示装置5の表示画面の各辺に沿うように表示画面の外側に配設されている。
また、上辺部301aの前面側には、第1可動体302の背面側に配置される装飾体380が取付けられており、装飾体380は、第1可動体302が第1位置にある状態、及び突出体370が突出した突出状態(図18(B)及び図21)において、突出体370の背面側の周囲を装飾するようになっている。言い換えれば、装飾体380は、遊技者(前方側)から見て第1可動体302の奥側に設けられている。尚、図18(A)の実線部分は、第1可動体302が第1回動状態となっており、図18(A)の仮想線部分及び図18(B)は、第1可動体302が第2回動状態となっている。つまり、第1回動状態は、第1可動体302の回動状態における初期状態であり、第2回動状態は、第1可動体302の回動状態における展開状態である。
第1駆動機構303は、ベース部301の左側辺部301b及び右側辺部301cの前面に配設される案内軸306L,306R(図22〜図25参照)を有し、左側辺部301b及び右側辺部301cには、案内軸306L,306Rを前面側から覆うように固定されるカバー部材307L,307R(図18及び図19参照)が設けられており、案内軸306L,306Rが遊技者から視認し難くなっている。
案内軸306L,306Rは、左側辺部301b及び右側辺部301cの前面上部に固定される上軸受部と、カバー部材307L,307Rの後面下部に設けられる下軸受部と、により上下方向を向く軸心周りに回転可能に軸支されている。案内軸306L,306Rの周面には、凹状の溝部が螺旋状に形成されている。
また、図22〜図25に示すように、第1駆動機構303は、案内軸306L,306Rを図示しないギヤなどを介して回転駆動させる昇降用モータ308L,308Rを備えており、昇降用モータ308L,308Rを駆動させることにより案内軸306L,306Rが軸心周りに回転する。また、案内軸306L,306Rの溝部には、第1可動体302から左右方向に延びるアーム309L,309Rの凸部が嵌合しており、案内軸306L,306Rが回動することにより該案内軸306L,306Rに沿って第1可動体302が上下に昇降移動するようになっている。
尚、昇降用モータ308L,308Rは、パルス信号に応じて所定角度回転する所謂ステッピングモータであり、演出制御用CPU120は、昇降用モータ308L,308Rに送信するパルス信号により第1可動体302の位置制御を行う。具体的には、演出制御用CPU120は、第1可動体302を第1位置から第2位置まで移動するのに昇降用モータ308L,308Rを何ステップ分駆動させればよいかを把握している。つまり、駆動ステップ数により第1可動体302が第1位置または第2位置に移動したことを特定できるようになっている。尚、第1駆動機構303は、下方位置検出スイッチ313、中間位置検出スイッチ314、上方位置検出スイッチ315を備えているため、これらを用いて第1可動体302の位置を制御することもできる。
更に、第1駆動機構303は、左側辺部301b及び右側辺部301cの上部に設けられ、第1可動体302を装飾体380と前後方向に重畳する位置(第1位置)に保持するための演出用ソレノイド318L,318R(図2参照)を備えている。
尚、演出用ソレノイド318L,318Rは、オフの状態時には、演出用ソレノイド318L,318Rに設けられた係止部材がアーム309L,309R側に係止して第1可動体302を第1位置に保持でき、該第1位置での第1回動状態において振動等により落下及び回動してしまうことを抑制することができる。また、演出用ソレノイド318L,318Rがオンの状態時には、前記係止部材がアーム309L,309R側から退避するようになっており、第1可動体302と前記係止部材との係止状態を解いて第1可動体302を第2位置に移動可能な状態とすることができる。尚、第1可動体302は、例えば、定荷重バネ等により上方に付勢され、第1位置での保持状態や、第1位置及び第2位置間の昇降移動等が補助されるようになっていてもよい。
尚、ここでは、案内軸306L,306Rにより第1可動体302が昇降移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ラックピニオン等の他の昇降機構により第1可動体302が昇降移動するようにしてもよい。
図18及び図19に示すように、第1可動体302は、断面視略矩形状を成す箱状部302Aと、前述したアーム309L,309Rと、を有しており、アーム309L,309Rと箱状部302Aとは相対的に回動可能となっている。第1回動状態における箱状部302Aの背面は、第2回動状態において上方を向く回動面となっており、この回動面は、開閉可能な蓋部材319により構成されている(図21参照)。尚、蓋部材319は、左右方向に延びる軸部により回動可能に軸支されている。尚、蓋部材319の回動可能範囲は、箱状部302Aに設けられた図示しないストッパ部により90度未満となっている。
第2駆動機構304は、例えば、アーム309L,309Rのいずれか一方または両方に取付けられる回動用モータ350と、回動用モータ350の駆動力を箱状部302Aに伝えるギヤと、第1可動体302の第1回動状態を検知する初期位置スイッチ351と、第1可動体302の第2回動状態を検知する展開位置スイッチ352と、を備えており、回動用モータ350によりアーム309L,309Rに対して箱状部302Aが回動するようになっている。
尚、回動用モータ350は、パルス信号に応じて所定角度回転する所謂ステッピングモータであり、演出制御用CPU120は、回動用モータ350に送信するパルス信号により第1可動体302の回動制御を行う。尚、初期位置スイッチ351と展開位置スイッチ352とを備えているため、これらを用いて第1可動体302の回動状態を制御することもできる。
図21に示すように、箱状部302Aの内部には、突出体370が設置されている。この突出体370は、第1演出部材375と、第2演出部材376と、第3演出部材377と、を備えており、第1演出部材375、第2演出部材376、及び第3演出部材377は、箱状部302Aから外側に突出する方向にスライド可能となっている。
突出体370は、第3駆動機構305により収納状態と突出状態とに変化可能である。第3駆動機構305は、例えば、伸縮可能なパンタグラフ機構と、該パンタグラフ機構に対してギヤ等を介して駆動力を与える突出用モータ360と、突出体370が収納状態時に検知する収納位置スイッチ361と、突出体370が突出状態時に検知する突出位置スイッチ362と、突出用モータ360の駆動力を箱状部302Aの蓋部材319に伝える開閉機構(例えば、ラックギヤや回動アーム等)と、備えている。
第1可動体302は、突出用モータ360の駆動により開閉機構を介して箱状部302Aの蓋部材319が開放されるとともに、パンタグラフ機構が伸長して第1演出部材375、第2演出部材376、及び第3演出部材377を箱状部302Aから外側に突出するようにスライドさせるようになっている。
尚、突出用モータ360は、パルス信号に応じて所定角度回転する所謂ステッピングモータであり、演出制御用CPU120は、突出用モータ360に送信するパルス信号により突出体370の突出動作制御を行う。また、初期位置スイッチ351と展開位置スイッチ352とを備えているため、これらを用いて第1可動体302の回動状態を制御することもできる。
次いで、図20及び図21を用いて第1可動体302の第1動作と第2動作とを説明する。図20に示すように、第1可動体302を第1位置から第2位置に移動させる際には、下降途中において、蓋部材319が背面側に配置された第1回動状態から蓋部材319が上方に配置された第2回動状態へと変化させる。このときには、第1可動体302を前方側に約92度回転させる。すなわち、第2回動状態に変化した第1可動体302は、蓋部材319が前方側へ約2度傾くこととなる。尚、第2回動状態に変化した第1可動体302は、回動用モータ350が励磁され第1可動体302が回動停止状態に維持されることで、蓋部材319が前方側へ約2度傾いた状態が保持される。また、第1可動体302を第2回動状態に変化させた際には、回動中心Pよりも後方側に第1可動体302の重量部(例えば、第3駆動機構305等)が位置することとなる。
そして、図21に示すように、突出体370が収納状態から突出状態へ変化したとき(突出体370が箱状部302A内から突出したとき)には、突出した突出体370は、その一部(例えば、第2演出部材376及び第3演出部材377)が遊技者から見て装飾体380の前側に視認可能に重畳するとともに、突出体370が前方側に約2度傾倒するようになる。すなわち、突出体370は、装飾体380と反対側(装飾体380から離れる方向)に傾倒するため、突出体370が収納状態から突出状態へ突出した際に突出体370の先端側(上端側)が第1可動体302の回動方向に揺れ動くことがあっても装飾体380に接触しにくく、突出体370や装飾体380の破損等を抑制することができる。
さらに、第1可動体302は前方側に約2度傾倒することに加え、前述のように蓋部材319の回動可能範囲が90度未満となっているため、突出体370が突出状態へ変化する際に開放される蓋部材319が装飾体380に接触することを回避できる。
詳しくは、突出体370が収納状態から突出状態へ変化したときの箱状部302Aからの該突出体370の突出寸法L30は、突出状態における箱状部302Aの上下の寸法L20よりも長くなっている(L20<L30)。さらに、第1演出部材375、第2演出部材376及び第3演出部材377は、収納状態において前後に重畳して配置されているため、突出状態において漸次前方側に向かうように突出される。尚、突出体370は、突出しても前方側のガラス窓50aに該突出体370の先端が当接しないようになっている。すなわち、第1可動体302は、突出状態において重心バランスが不安定であり、回動中心Pを中心として前方側に回動し易くなっている。
しかしながら、前述のように、突出状態にあっては、回動用モータ350の励磁により第1可動体302が回動停止状態に維持されるとともに、第1可動体302の重量部が第1可動体302の回動中心Pよりも後方側に位置しているため、第1可動体302には、後方側に回転しようとする力が働き、突出体370が前方側へ傾倒しようとする力とバランスが取れ、第1可動体302の回動を抑制できる。
さらに、箱状部302Aが回動停止していてもパンタグラフ機構の先端側が揺動し易くなっているとともに、突出体370の突出寸法L30は、突出状態における箱状部302Aの上下の寸法L20よりも長くなっているため、突出体370の先端が前後に揺動しやすいが、突出体370の先端の前後には所定の空間が形成されているため、突出体370の先端が装飾体380やガラス窓50aに当接し難くなっている。
このように構成された第1可動体302は、第1動作により、第1位置と第2位置との間で移動可能、かつ、回動可能であるとともに、第2位置において、第2動作により突出体370を収納状態から突出状態に変化可能に設けられている。
ここで、図22〜図25に基づいて、後述するスーパーリーチβ大当り変動パターンに基づく変動表示において演出制御用CPU120が実行する可動体演出について説明する。
演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示において可動体演出を実行する場合、第1可動体302を下降動作(第1動作)により第1位置に位置する第1状態から第2位置に向けて移動し、下降途中で第1回動状態から第2回動状態に変化させながら第2位置に位置する第2状態に変化させた後、その状態で待機させる。そして、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、または、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bのいずれの操作も受付けることなく操作有効期間が経過したとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる第1動作制御を実行し(図22〜図24参照)、変動表示結果が大当りであることを報知する第1演出パターンに基づく可動体演出を実行可能である。
一方、はずれ変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させることなく第2状態を維持し、変動表示結果がはずれであることを報知する第2演出パターンに基づく可動体演出を実行可能である。その後、第1可動体302を上昇動作により第2位置から第1位置に復帰させる復帰動作制御を実行し、第1可動体302が第1位置に復帰した後、可動体演出を終了する。
また、演出制御用CPU120は、可動体演出を実行する場合において、救済演出を実行可能である(図25参照)。救済演出とは、一旦、変動表示結果がはずれであることを報知する第2演出パターンに基づく演出を実行した後、変動表示が終了するまでに変動表示結果が大当りであることを報知する第3演出パターンに基づく演出である。
具体的には、第1可動体302を第2位置まで移動させた後、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、または、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bのいずれの操作も受付けることなく操作有効期間が経過したときに、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態へ変化させることなく第2状態を維持し、変動表示結果がはずれであることを報知するが、復帰動作制御を実行しているときに救済演出の開始タイミング(以下、救済タイミングと言う)になった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御を実行することにより、変動表示結果が大当りであることを報知する。その後、復帰動作制御を実行し、第1可動体302を第1位置に復帰させて救済演出を終了する。
ここで、本実施例における可動体演出の演出態様の一例を図22〜図25に基づいて説明する。図22は、(A)〜(D)は第1可動体が第1位置から第2位置に移動する流れを示す説明図である。図23は、(A)〜(D)は突出体が収納状態〜突出状態、突出状態〜収納状態となる流れを示す説明図である。図24は、(A)〜(D)は第1可動体が第2位置から第1位置に移動する流れを示す説明図である。
先ず、図22(A)に示すように、演出制御用CPU120は、例えば、所定の変動表示中においてリーチ状態を成立させた後、スーパーリーチ演出を開始する。このとき、第1可動体302は、第1回動状態で第1位置に配置されている。尚、ここでは、理解を助けるために、第1回動状態において前方を向く面をA面とし、第1回動状態において上方を向く面をB面として説明する。
図22(B)に示すように、演出制御用CPU120は、スーパーリーチ演出の実行中における所定タイミングにおいて、第1可動体302を第1位置から第2位置に向けて下降移動させる第1動作を開始する(可動体演出開始)。このとき、第1可動体302は、A面が遊技者(正面側)を向くように励磁されながら第2位置に下降移動する。
第1可動体302が第1位置から第2位置に向けて所定距離移動すると、図22(C)に示すように、第1位置と第2位置との途中位置にて、下降しながら第1回動状態から第2回動状態に変化する。このときには、第1可動体302が装飾体380よりも下方に位置しているため、第1可動体302が回動しても装飾体380に接触することが無い。
そして、図22(D)に示すように、第1可動体302は、第2位置に到達すると下降移動が停止されるとともに、第2回動状態となり回動が停止される。すなわち、第1可動体302の第1動作が完了する。このとき、第1可動体302は、A面が下側を向き、B面が遊技者(正面側)を向いた状態を維持するように励磁されるとともに、B面は2度程度前方に傾斜している。
次いで、図23(A)に示すように、演出制御用CPU120は、演出表示装置5にスティックコントローラ31Aの操作を促す操作促進画像を表示して操作有効期間を開始する。詳しくは、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の表示画面において、該表示画面の前面側である第2位置に配置されている第1可動体302と、該第1可動体302の原点位置に対応する位置である演出表示装置5の上部に配置された装飾体380と、の間から遊技者が視認可能な表示位置に操作促進画像を表示する。尚、本実施例では、第1可動体302と装飾体380との間に操作促進画像を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5の表示画面において、表示画面の前面側に配置されている第1可動体302との重畳する重畳領域以外の領域(非重畳領域)に表示させるようにしてもよい。
そして、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作受付期間中に該スティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付ける(検出する)と、図23(B)に示すように、蓋部材319を開放状態とし、図23(C)に示すように、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる。このとき、突出体370は前方側に2度程度傾斜した状態で突出する。そのため、突出体370と装飾体380との間の空間を大きくとれるため、突出した勢いなどで第1可動体302が後方側に傾斜したとしても、突出体370と装飾体380とが接触することを抑制できる。
その後、図23(D)に示すように、突出体370が突出状態に変化してから所定期間が経過したときに、収納動作(復帰動作)により突出体370を突出状態から収納状態に変化させ、突出体370を第1可動体302内に収納し、蓋部材319を閉塞状態とする。
次いで、図24(A)に示すように、第1可動体302を復帰動作により第2回動状態から第1回動状態となるように回動させながら第2位置から第1位置に向けて上昇移動させる。第1可動体302が第1回動状態となると、その回動の勢いや蓋部材319の自重により後方側に傾斜するようになる。このとき、傾斜した蓋部材319の端部319bは、装飾体380の下方側の位置で該装飾体380よりも後方側に位置する(第3回動状態)。蓋部材319の端部319bは、また、第1可動体302のA面が遊技者(正面側)を向き、A面が遊技者(正面側)を向いた状態を維持するように励磁される。
次いで、第1可動体302の蓋部材319が装飾体380に到達する前に前方側に所定角度傾斜させ、少なくとも傾斜した蓋部材319の端部319bが装飾体380よりも前方側に位置させる(第4回動状態)。このとき、蓋部材319は、第1可動体302の回動の勢いにより閉塞状態となる。そして、図24(B)に示すように、第1可動体302が装飾体380の下端部を越えて第1位置の近傍に到達すると、第1可動体302が第1回動状態に復帰する。これにより、第1可動体302が第1回動状態に復帰時に蓋部材319が後方側に傾斜したとしても、装飾体380によりそれ以上の後方側への傾斜が規制される。そして、演出表示装置5に揃い図柄を表示し、可動体演出を終了する。
次に、可動体演出における救済演出の一例を図25に基づいて説明する。図25は、(A)〜(G)は救済演出の一例を示す説明図である。
図25(A)に示すように、演出制御用CPU120は、第1可動体302の第1動作を実行した後、演出表示装置5にスティックコントローラ31Aの操作を促す操作促進表示画面を表示して操作有効期間を開始する。そして、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、または、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bのいずれの操作も受付けることなく操作有効期間が経過したとき、図25(B)に示すように、突出体370を突出状態に変化させることなく、演出表示装置5にはずれを示す画像(残念…)を表示する。
次いで、図25(C)に示すように、第1可動体302を第2回動状態から第1回動状態となるように回動させながら第2位置から第1位置に上昇移動させる。そして、第1可動体302が第2位置から第1位置に上昇移動している途中で救済タイミングになった場合、図25(D)に示すように、第2位置と第1位置の間の途中位置で第1可動体302の上昇を停止する。
次いで、図25(E)に示すように、途中位置から第1可動体302を第1対応動作により、第1回動状態から第2回動状態となるように回動させながら第2位置に向けて再び下降動作させる。そして、第1可動体302が第2位置に到達したときに下降を停止して、図25(F)に示すように、蓋部材319を開放状態とし、突出体370を第2動作により収納状態から突出状態に変化させる。その後、突出体370を第1可動体302内に収納し、図25(G)に示すように、第1可動体302を第2回動状態から第1回動状態となるように回動させながら第2位置から第1位置に向けて上昇させて第1位置において停止するとともに、演出表示装置5に揃い図柄を表示し、救済演出を終了する。尚、可動体演出における演出制御用CPU120の詳細な制御内容については後述する。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9、後述する昇降用モータ308L,308R、回動用モータ350、突出用モータ360、下方位置検出スイッチ313、中間位置検出スイッチ314、上方位置検出スイッチ315、演出用ソレノイド318L,318R、初期位置スイッチ351、展開位置スイッチ352、収納位置スイッチ361、突出位置スイッチ362といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5の表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。
また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、制御を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。各種演出制御パターンテーブルに記憶されているように、大当り遊技状態などに制御されている期間における各種の演出制御の内容を示すパターンデータに加えて、演出制御用CPU120が各種の演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを構成するパターンデータが、予め複数種類記憶されている。こうした演出制御パターンとしては、例えば、図柄変動制御パターンテーブル(図示略)に示す図柄変動制御パターンや、予告演出制御パターンテーブル(図示略)に示す予告演出制御パターン(図示略)などが含まれていればよい。
図柄変動制御パターンは、演出図柄の変動表示が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置5の表示領域での演出図柄の変動表示動作に関する制御内容を示すパターンデータなどから構成され、演出図柄の変動パターンに対応して予め複数用意されたものであればよい。また、パチンコ遊技機1における昼モード、夕暮れモード、夜モード等の複数種類の演出モード(ステージ)に対応して、互いに異なる図柄変動制御パターンが用意されてもよい。こうした複数の図柄変動制御パターンはそれぞれ、最終停止図柄となる確定演出図柄や変動表示中に仮停止表示される仮停止図柄などを用いて行われる演出図柄の変動表示において、演出図柄の表示位置や大きさ、演出図柄の変動方向や変動速度などのタイムスケジュールを規定していればよい。ここで、最終停止図柄や仮停止図柄などは、主基板11から演出制御基板12へと伝送された変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンなどに基づいて、変動表示の開始時に決定されるものであればよい。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
音声制御基板13(または音声制御基板13に構成される音声合成用IC)は、デコーダ(図示略)、音声データROM(図示略)、出力I/F(インタフェース、図示略)等から構成される。この他、音声制御基板13は、各種の音を発生する音源回路や処理タイミングを決定するためのクロックを発生するタイミング発生回路等を備えてもよい。なお、スピーカ8L,8Rが音出力手段として機能するとともに、音声制御基板13が音制御手段として機能する例を説明したが、これに限られない。例えば、音制御手段の機能を演出制御基板12で構成しても、演出制御基板12と音声制御基板13とで構成してもよい。また、音声制御基板13をスピーカ8L,8Rに組込み、スピーカユニットとして構成してもよい。
デコーダ(図示略)は、演出制御基板12(演出制御用CPU120)からの命令(コマンド)により、圧縮された音声データを音声データ(図示略)から読み出し、読み出した音声データをデコード(復号化、伸張)する。デコーダ(図示略)は、音声の再生チャンネルとして32チャンネル(再生チャンネル0〜31)を備え、独立した32種類の音声を同時再生可能である。尚、この実施例では、ステレオ音声を出力するために2つずつチャンネルがペアになっており、16種類のステレオ音声を同時に再生可能になっている。つまり、演出制御基板12は、コマンドを音声制御基板13に送信するだけで、所定の再生設定(1回再生、リピート再生など)で音声を再生チャンネルで再生することが可能であり、音声制御基板13に音声データを送信する必要も、再生設定の情報を送信する必要がない。
音声データROM(図示略)は、演出等に使用する音声の音声データを圧縮して記憶する。尚、音声データは演出制御基板12のROMや他の記憶装置に記憶されていてもよい。出力インタフェース(図示略)は、デコーダ(図示略)の各チャンネルにおいてデコード・再生された音声データをミックスする。そして、ミックスした音声データ(デジタルデータ)をアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してスピーカ8L、8Rから出力する。スピーカ8L、8Rから出力される音量は、予め定められた音量設定によって決められている。
本実施例では、例えば、通常変動音やリーチ中背景音等の再生には再生チャンネル0,1が使用され、可動体の動作音(例えば、後述する第1演出音(第3演出音)、第2演出音など)等の再生には再生チャンネル2が使用され、先読み演出としての保留変化音の再生には再生チャンネル3が使用され、他の先読み音の再生には再生チャンネル4が使用され、リーチ中チャンスアップの再生には再生チャンネル5が使用され、予告演出音等の再生には再生チャンネル6が使用され、・・・エラー音の再生には再生チャンネル30、31が使用されている。
異なる再生チャンネルを使用する音声同士は同時に再生・出力が可能である。例えば、通常変動音の再生・出力中に、予告演出の音声の再生・出力が可能である。これにより、複数の音声が重畳した多彩な音声を出力することができる。また、音声の種類に応じて再生チャンネルを固定とすることで、当該音声同士が干渉することを防止できる。例えば、通常変動音を再生・出力するための再生チャンネル(1)を固定することで、通常変動音の干渉を防止できる。同様に、エラー音の再生・出力するための再生チャンネル(30、31)を固定することで、エラー音の干渉を防止できる。尚、一のチャンネルに設定された複数の音声を同時に再生することは不可能である。
また、同時に出力される可能性のある音声の再生には、異なる再生チャンネルを使用することが好ましい。例えば、実行中の可変表示の表示結果等を予告する変動中予告演出(SUやセリフ)と、実行中の可変表示よりも後に実行される可変表示の表示結果等を予告する先読み予告演出や、同じ先読み予告演出であっても始動入賞時に保留変化するもの先読み予告演出などと、は予告対象が異なるため同時に実行される可能性がある。従って、これらの音声の再生に使用される再生チャンネルは異ならせることが好ましい。このように、再生チャンネルを異ならせることで、変動中予告演出と先読み予告演出の演出音が干渉することを防止できる。そして、変動中予告演出と先読み予告演出とが重複して実行される場合であっても、それぞれの演出の音声を再生・出力することができる。
尚、再生チャンネル数は有限なので、同時に出力されない音声の再生には同一の再生チャンネルを使用する必要性が生じる。また、後述するように、可動体演出(第1演出音+第2演出音)のように、複数種類の音声を組合せた音声の音声データを一つにまとめ、一つの再生チャンネルにより再生することで、データ量の低減や処理負担の軽減を図ることができる。
LED制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9や各可動体に設けられた可動体LED(図示略)などの点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。尚、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。
コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aでの変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bでの変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドであり、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。尚、コマンド8C00Hは、「はずれ」となる旨の事前決定結果を示すコマンドである。コマンド8C01Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C02Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C03Hは、「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨を通知するコマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、その時点の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態となったこと及び大入賞口が開放状態である期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態から閉鎖状態となったこと及び大入賞口が閉鎖状態である期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
尚、大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態のラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」または「1」〜「5」)に対応したEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口への入賞によって第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口への入賞によって第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory 101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory 102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit 103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport 105)とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御するための各種処理が実行される。
主基板11では、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路104にてカウントしない乱数値については、CPU103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図4は、本実施例の変動パターンを示している。本実施例では、図4に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。具体的に、本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンである大当り変動パターンや、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合のリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図4に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
また、スーパーリーチαは、第1可動体302を用いた可動体演出を実行しない変動パターンとされ、スーパーリーチβは、可動体演出を実行する変動パターンとされている。また、後述するように、スーパーリーチβには、スーパーリーチ演出の後に救済演出が実行されないスーパーリーチβと、スーパーリーチ演出の後に救済演出が実行されるスーパーリーチβとがある。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図4に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図5は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bの特図ゲームにおいて確定特別図柄が導出表示される前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対して判定用データが割り当てられている。具体的に、本実施例では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、ROM101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3に基づいて変動パターンを、前述した図4に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
また、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
そして本実施例では、演出ユニット300の第1可動体302、第2可動体402L,402R、スピーカ8L,8R、演出用LED9等による可動体演出といった各種演出や前述した各種予告が実行可能とされている。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時の状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受付けると、図6のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図6に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S13)。
次に、乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、図7に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器20での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の傾動動作設定などを行う普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S17)。
図7は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞処理を実行する(S21)。その後、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、乱数値MR1、MR2、MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理では、保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、乱数値MR1を示す数値データに基づき、変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、変動表示結果に対応して確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。そして、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。そして、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。尚、特別図柄の変動経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態にてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。具体的には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定する。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定する。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理では、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」と「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、図8に示すメイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、コマンド解析処理を行う(S54)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図3参照)であるのか解析する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図9は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74)演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75)変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76)全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77)変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78)大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79)演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図10は、図9に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−0」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。尚、バッファ番号「1−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−0」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。尚、バッファ番号「2−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
S272またはS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、S275にて読み出した変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチβ救済大当り変動パターンであるか否かを判定する(S277)。変動パターンがスーパーリーチβ救済大当り変動パターンである場合は(S277;Y)、スーパーリーチβはずれ変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(S281)、救済演出の開始タイミングを設定するための救済演出開始待ちタイマに救済開始時までの期間に応じた値を設定して(S282)、S283に進む。S277において、S275にて読み出した変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチβ救済大当り変動パターンでなかった場合はS280に進む。
S280において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S283)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音を制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を検出するための操作検出制御実行データや、主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたこと(例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作を受付けたことなど)といった、所定の制御内容や処理内容に対応して演出制御の切換タイミング等を示す移行先データ(移行先のプロセスデータを特定するためのデータ)等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
図11(A)は、こうした各々の演出制御パターンの構成例を示している。図12(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、LED制御データ、操作検出制御データ、演出用役物(可動体)制御データ、移行先データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データとなるプロセスデータから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御タイマ設定部(図示略)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。尚、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば、演出図柄の変動表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば、演出図柄の変動表示中における演出図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L,8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作を指定するデータである。LED制御データには、例えば、演出用LED9といった発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、LED制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えば、スティックコントローラ31Aに対する指示操作やプッシュボタン31Bに対する指示操作を有効に検出する操作有効期間の設定や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
演出用役物制御データには、例えば、第1可動体302を動作させる第1駆動機構303、第2駆動機構304及び第3駆動機構305や、第2可動体402L,402Rを動作させる第4駆動機構406や、第3可動体502を動作させる第5駆動機構505の駆動制御内容を指定するデータといった、第1可動体302、第2可動体402L,402R及び第3可動体502を個別に動作させることが可能なデータが含まれていれば良い。
尚、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、LED制御データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば、第1可動体302、第2可動体402L,402R及び第3可動体502以外に演出用役物が備える他の可動部材を備える場合であれば、演出用役物制御データに加えて、該可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図11(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置5の表示領域に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L,8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、LED制御データにより指定される態様で演出用LED9等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aあるいはプッシュボタン31Bに対する操作を受付けて該操作に応じた演出内容を決定する制御を行い、演出用役物制御データにより指定される態様で第1駆動機構303、第2駆動機構304及び第3駆動機構305や、第4駆動機構406や第5駆動機構505を駆動して第1可動体302、第2可動体402L,402Rや第3可動体502を動作させる制御を行う。尚、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば、演出図柄の変動表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L,8R、第1駆動機構303、第2駆動機構304、第3駆動機構305、第4駆動機構406、第5駆動機構505、演出用LED9等の発光体など)の制御を進行させる。尚、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、LED制御データ#1〜LED制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#n、演出用役物制御データ#1〜演出用役物制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部や音声制御基板13や第1駆動機構303、第2駆動機構304、第3駆動機構305、第4駆動機構406、第5駆動機構505などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部では、例えば、所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令(駆動信号)を受けた第1駆動機構303、第2駆動機構304、第3駆動機構305、第4駆動機構406、第5駆動機構505は、第1可動体302、第2可動体402L,402R、第3可動体502を動作させる制御を行う。
ここで、図12〜図14に基づいて、スーパーリーチβ大当り変動パターンに基づいて演出制御用CPU120が実行する演出制御内容について説明する。
演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示を開始するとき、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じたプロセスデータをセットする。また、特にスーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4のいずれかである場合、各変動パターンに応じたプロセスデータをセットする。
具体的には、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3に応じたプロセスデータは、図柄の変動表示を開始した後、リーチ状態の成立に基づいてスーパーリーチ演出に発展させて可動体演出を実行し、最終的に突出動作制御を実行せずに表示結果がはずれであることを報知する制御内容とされている。スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3に応じたプロセスデータは、図柄の変動表示を開始した後、リーチ状態の成立に基づいてスーパーリーチ演出に発展させて可動体演出を実行し、最終的に突出動作制御を実行して表示結果が大当りであることを報知する制御内容とされている。スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に応じたプロセスデータは、図柄の変動表示を開始した後、リーチ状態の成立に基づいてスーパーリーチ演出に発展させて可動体演出を実行し、最終的に突出動作制御を実行せずに表示結果がはずれであることを報知した後、第1対応動作制御を実行し、突出動作制御を実行して表示結果が大当りであることを報知する制御内容とされている。よって、最初はスーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3に対応するプロセスデータを用いた後、救済タイミングにおいて救済演出用の救済演出プロセスデータに切り替える。
図12(A)には、演出制御用CPU120がスーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3に応じたプロセスデータに基づいて実行する第1可動体302の動作制御内容と演出表示装置5の表示制御内容が時系列的に示されており、図12(B)には、演出制御用CPU120がスーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に応じたプロセスデータに基づいて実行する第1可動体302の動作制御内容と演出表示装置5の表示制御内容が時系列的に示されている。尚、図12(B)においては、変動表示開始から救済タイミングまではスーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3に応じたプロセスデータが用いられ、救済タイミングから変動表示終了までは救済演出プロセスデータが用いられる。
演出図柄の変動表示の開始から終了までの変動表示期間は、図12(A)に示すスーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3は53000msであるのに対し、図12(B)に示すスーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4は63000msとされ、救済演出を実行する分だけ長くなっている。
また、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4それぞれに対応するプロセスデータには、スーパーリーチ演出、可動体演出、操作有効期間及び救済演出を、演出図柄の変動表示を開始してからそれぞれに対応する期間が経過したときに開始する制御データが設定されている。つまり、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4のいずれを実行する場合でも、スーパーリーチ演出、可動体演出、操作有効期間及び救済演出は、演出図柄の変動表示を開始してから常に一定の期間が経過したタイミングで開始するようになっている。
また、図13に示すように、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4各々にて可動体演出を実行するためのプロセスデータには、第1可動体302を下降動作(第1動作)により第2位置へ向けて移動させるとともに、途中位置からは下降させながら第1回動状態から第2回動状態に回動して第2位置まで移動させる第1動作を行う期間として第1動作期間T1が設定され、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作を有効に受付ける期間として操作有効期間T2が設定され、第1可動体302を突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させて維持する第2動作を行う期間として第2動作期間T3が設定され、第1可動体302を、突出体370を収納状態に戻してから上昇動作(復帰動作)により第2位置から第1位置へ復帰させ停止させる復帰動作を行う期間として復帰動作期間T4が設定されている。
可動体演出を実行するためのプロセスデータにおける演出用役物制御データには、第1動作期間T1において、昇降用モータ308L,308RをXステップ(Xは、第1可動体302を第1位置から第2位置へ移動するのに必要なステップ数)駆動して第1可動体302を第1位置から第2位置へ移動させるとともに第1回動状態から第2回動状態に回動した後に停止させ、操作有効期間T2が経過するまで待機させる下降動作制御データと、第2動作期間T3において、突出用モータ360を駆動して突出体370を収納状態から突出状態に変化させて維持する突出動作制御データと、復帰動作期間T4において、突出体370を収納状態に変化させてから昇降用モータ308L,308RをXステップ(Xは、第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動するのに必要なステップ数)駆動して第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動させた後に停止させる復帰動作制御データと、からなる一連の動作制御データが含まれているとともに、これら下降動作制御データ、突出動作制御データ、復帰動作制御データそれぞれに対応する表示制御データ、音声制御データ及びLED制御データが設定されている。
具体的には、下降動作制御に対応する制御データには、第1動作に対応する第1演出として、演出表示装置5にて第1エフェクトを表示させる表示制御データ、スピーカ8L,8Rにて第1演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を第1発光態様にて発光させるLED制御データ(図22(B)〜(D)参照)等が含まれる。
突出動作制御に対応する制御データには、第2動作に対応する第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示させる表示制御データ、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を第2発光態様にて発光させるLED制御データ(図23(A)〜(C)参照)等が含まれる。尚、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3に対応するプロセスデータの突出動作制御に対応する制御データには、演出表示装置5にて残念画面を表示させる表示制御データ、スピーカ8L,8Rにて演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を所定態様にて発光させるLED制御データ(図25(B)(C)参照)等が含まれる。
復帰動作制御に対応する制御データには、復帰動作に対応する復帰演出として、演出表示装置5にて図柄揃い(図柄非揃い)を表示、スーパーリーチ演出画面から通常図柄変動表示画面へ切替表示、図柄揺れ(図柄仮停止)を表示させる表示制御データ、スピーカ8L,8Rにて復帰用演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を復帰用発光態様にて発光させるLED制御データ(図23(D)、図24(A)(B)参照)等が含まれる。
このように演出制御用CPU120は、第1動作を実行するときに該第1動作に対応する第1演出として、演出表示装置5にて第1エフェクトを表示させ、スピーカ8L,8Rにて第1演出音を出力し、演出用LED9を第1発光態様にて発光させるとともに、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(後述する第1動作期間T1)が経過したことに基づき、該第1演出に続いて第2動作を実行するときに該第2動作に対応する第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第1演出制御を実行する。
また、救済演出を実行するためのプロセスデータには、第1動作に対応する救済演出用の第1対応動作、第2動作、復帰動作を実行するための演出用役物制御データと、第1対応動作に対応する第3演出として、スピーカ8L,8Rにて第3演出音を出力する音声制御データと、演出用LED9を第3発光態様にて発光させるLED制御データと(図25(E)〜(G)参照)が含まれる。
尚、本実施例では、第1対応動作に対応する第3演出音は、第1動作に対応する第1演出音と同じ演出音であるが、第1演出音は第1可動体302を第1位置から第2位置へ移動するまで再生される演出音であるのに対し、第3演出音は第1可動体302を途中位置から第2位置へ移動するまで再生される演出音、つまり、再生期間が不定な演出音とされている。
また、突出動作制御データ、復帰動作制御データ及びこれらに対応する表示制御データ、音声制御データ及びLED制御データについては、操作有効期間T2にて操作を受付けた場合、その時点のプロセスデータに記述されている移行先データに基づいて、操作有効期間T2が終了するまでのプロセスデータに基づく制御を省略して開始するようになっているため、操作受付けタイミングに応じて開始タイミングが変更する可能性がある。
具体的には、図12(A)に示すように、A−1.操作有効期間(例えば、4秒)が経過する直前で操作を受付けたあるいは操作を受付けないまま操作有効期間が経過した場合は、復帰動作の終了が救済タイミングよりも後になるのに対し、A−2.操作有効期間の開始から3秒後に操作を受付けた場合や、A−3.操作有効期間の開始直後(0秒後)に操作を受付けた場合などは、操作有効期間T2が短縮されることで、復帰動作の終了が救済タイミングよりも前になる。
つまり、操作有効期間が開始されてから所定期間(例えば、3秒)が経過するまでの第1有効期間は、操作を受付けた場合に救済タイミングになる前に可動体演出が終了することになる期間である。一方、第1有効期間が経過してから操作有効期間が終了するまでの第2有効期間(例えば、約1秒)は、可動体演出が終了する前に救済タイミングに到達する期間である。尚、第1有効期間に操作を受付けた場合、復帰動作の終了から変動表示が終了するまでの期間が長くなるため、図柄揺れ画面(演出図柄を仮停止表示させる画面)を変動表示が終了するまで継続して表示することになる。
よって、図14(A)に示すように、演出制御用CPU120は、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に基づく変動表示を実行する場合において、可動体演出を開始した後、図12(B)(C)のように第1有効期間にて操作を受付けた場合、可動体演出は救済タイミングに到達する前に終了する。つまり、救済タイミングに到達する前に第1可動体302は第1位置に復帰しているため、救済タイミングにて救済演出を開始する場合、下降動作制御データに基づいて第1可動体302を第2位置に向けて移動させるとともに第1回動状態から第2回動状態に変化させた後に第2位置にて停止させることができる。つまり、この救済演出における第1対応動作期間T5は第1動作期間T1と同じである(T5=T1)。
一方、図14(B)に示すように、演出制御用CPU120は、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に基づく変動表示を実行する場合において、可動体演出を開始した後、図12(A)のように第2有効期間にて操作を受付けた場合、可動体演出は救済タイミングに到達する前に終了しない。つまり、救済タイミングに到達したときに第1可動体302は第1位置に復帰していないため、復帰動作制御の実行中に救済タイミングに到達して救済演出を開始することになる。
また、第2有効期間における第1タイミングで操作を受付けた場合、第1可動体302は第1位置と第2位置との間の第1途中位置になり、第2有効期間における第1タイミングとは異なる第2タイミングで操作を受付けた場合、第1可動体302は第1位置と第2位置との間の第2途中位置になる。すなわち、第2有効期間は複数の操作タイミングがあるので、操作を受付けたタイミングに応じて救済タイミングにおける第1可動体302の途中位置は異なってくる。
また、途中位置から第2位置までの距離は、第1位置から第2位置までの距離よりも短く、かつ、操作タイミングに応じて異なるため、この救済演出における第1対応動作期間T6は不定な期間であり、かつ、第1動作期間T1よりも短い期間となる(T6<T1)。よって、演出制御用CPU120は、救済タイミングに到達したときに、プロセスデータを復帰動作制御データから下降動作制御データに切り替えて動作制御すると、昇降用モータ308L,308Rを第1位置から第2位置まで移動させるのに必要なXステップ数駆動させてから停止させる制御を実行するため、第1可動体302が第2位置に到達しても昇降用モータ308L,308Rの駆動を停止させることができず、昇降用モータ308L,308Rに負荷をかけてしまう虞がある。
ここで、第2有効期間における複数タイミングそれぞれに応じた複数の動作制御データを用意しておくことも考えられるが、RAMの記憶容量が増大するばかりか、操作タイミングに応じたプロセステーブルをセットするための制御が複雑になるため、演出制御用CPU120の制御負荷が増大することになる。
また、操作有効期間にて操作を受付けた場合、第2動作させずにはずれの報知を行った後、復帰動作の開始タイミングになっても復帰動作させないで救済タイミングまで待機させておくことも考えられるが、はずれの報知をしているにも関わらず第1可動体302を演出表示装置5の表示画面の手前略中央位置である第2位置に待機させておくのは遊技者に違和感を与えてしまう。
さらに、操作有効期間にて操作を受付けたタイミングに応じて、第2動作制御を実行しないで済むように救済タイミングを変更することも考えられるが、変動表示期間を延ばすことはできないし、操作を受付けたタイミングに応じて救済タイミングを変更する制御が必要となるため、制御負荷が増大してしまう。
よって、演出制御用CPU120は、救済タイミングになったときに、プロセスデータを救済演出プロセスデータに切り替え、該切り替えた救済演出プロセスデータに基づいて動作制御を行う。
救済演出プロセスデータは、第1可動体302を第1位置に向けて上昇させている昇降用モータ308L,308Rの駆動を一旦停止させた後、逆駆動させて第2位置に向けて移動させながら第1回動状態から第2回動状態へ変化させるとともに、下方位置検出スイッチ313がオン状態になったときに昇降用モータ308L,308Rの駆動を停止させる救済用下降動作制御データと、操作有効期間を経ずに第1動作に続いて突出用モータ360を駆動し、突出体370を収納状態から突出状態に変化させて維持する突出動作制御データと、突出体370を収納状態に変化させてから昇降用モータ308L,308RをXステップ(Xは、第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動するのに必要なステップ数)駆動して第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動させた後に停止させる復帰動作制御データと、を含む演出用役物制御データ、第1対応動作に対応する第3演出としてスピーカ8L,8Rにて第3演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を第3発光態様にて発光させるLED制御データを含む。
このように救済用下降動作制御データは、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したときに昇降用モータ308L,308Rの駆動を停止させる制御データであるため、途中位置から第2位置まで移動させるために必要なステップ数や動作制御の実行期間をその都度特定することができなくても、下降している第1可動体302を第2位置にて停止させることができる。
尚、救済用下降動作制御データに基づいて第1可動体302を下降させている間、演出表示装置5では図柄非揃い画像から通常変動表示画面に戻すとともに、スピーカ8L,8Rから第1演出音に対応する第3演出音を出力するとともに、演出用LED9を第3発光態様にて発光させる。
また、救済演出では、第1可動体302を第2位置にて停止させた後、遊技者の操作を待たずに下降動作制御に続いて突出動作制御により突出状態に変化させることで、変動表示結果が大当りであったことを報知する。その後、復帰動作制御にて第1位置に復帰させて、救済演出とともに可動体演出を終了する。
このように演出制御用CPU120は、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する第1対応動作により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御において、第1対応動作(下降)を実行しているときに第1演出音に対応する第3演出音をスピーカ8L,8Rから出力するとともに、第1発光態様に対応する第3発光態様にて演出用LED9を発光させ、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したこと、つまり、第2位置に到達したと判定したことに基づいて、第2演出として演出表示装置5にて第2エフェクトを表示するとともに、スピーカ8L,8Rから出力している第3演出音の出力を停止して第2演出音を出力し、第3発光態様にて発光している演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第2演出制御を実行する。
また、本実施例では、第1演出音(第3演出音)と第2演出音をスピーカ8L,8Rから出力可能に設定されている。具体的には、これら第1演出音と第2演出音の再生には、同一の再生チャンネル2が使用されるように設定されている。より詳しくは、第1演出音を再生する音声データ1と、第2演出音を再生する音声データ2と、第1演出音と第2演出音とを組合せた第3音声データと、を同一の再生チャンネル2により再生できるようになっている。
尚、本実施例では、第3演出音は、第1演出音と同一の音声データとされている。そして第1演出音を再生する音声データ1は、第3演出音として再生される、つまり、後述するように再生途中で強制的に停止されることがある音声データであるため、再生途中で強制的に停止されても違和感を与えにくい楽曲データ等であることが好ましい。
演出制御用CPU120は、第1演出制御において、第1可動体302の第1動作を実行するときに、第3音声データに基づいて第1演出音を再生チャンネル2にて再生し、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(第1動作期間T1)が経過したときに、第3音声データに基づいて第1演出音に続いて第2演出音を再生チャンネル2にて再生する制御を行う。尚、第3音声データは、特に再生期間を監視することなく再生することが可能な一連の音声データである。
一方、演出制御用CPU120が、第2演出制御において、救済タイミングになったときに、再生チャンネル2により音声データ1に基づく第1演出音の再生を開始した後、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したこと、つまり、第2位置に到達したと判定したときに、同じく再生チャンネル2により音声データ2に基づく第2演出音(第3演出音)の再生を開始する。
ここで、救済タイミングにおいて第1可動体302の第1対応動作制御を実行する場合、第1可動体302が第2位置に到達するまでに要する期間が不定であるため、音声データ1は、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(第1動作期間T1)にわたり再生可能な長さの音声データとする必要がある。よって、第1可動体302が第2位置に到達したときに音声の再生を途中で停止するか、途中位置から第2位置までの移動期間に対応した長さの音声データを複数用意する必要がある。
しかし、第1可動体302が第2位置に到達したときに音声の再生を停止する場合や、途中位置から第2位置までの移動期間に対応した長さの音声データを複数用意する場合において、音声データ1に基づく第1演出音の再生と音声データ2に基づく第2演出音の再生とを異なる再生チャンネルにより再生するように設定すると、第1演出音から第2演出音への切替の際に、第1演出音の停止タイミングと第2演出音の再生開始タイミングとにずれが生じると、一時的に第1演出音と第2演出音とが重複して再生されてしまったり、第1演出音の再生を停止してから第2演出音の再生を開始するまでの時間が生じてしまう虞があるため、制御が困難となる。
そこで、演出制御用CPU120は、第2演出制御において救済タイミングになったときに、再生チャンネル2により音声データ1に基づく第1演出音(第3演出音)の再生を開始した後、下方位置検出スイッチ313が第1可動体302を検出したときに、同一の再生チャンネル2により音声データ2に基づく第2演出音の再生を開始することで、第1演出音の再生が強制的に停止されて第2演出音の再生が開始されることになる。
このように、第1可動体302の第1動作から第2動作への切替タイミングに合わせて、第1演出音から第2演出音の再生に好適に切り替えることができるため、第1演出音の再生期間を監視するといった複雑な制御を行うことがないばかりか、切り替えタイミングがずれて第1演出音と第2演出音とが一時的に重複して出力されてしまったり、第1演出音の再生を停止してから第2演出音の再生を開始するまでの時間が生じてしまったりすることを防止できる。
図10に戻って、S284において、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、音制御実行データ1、LED制御実行データ1、操作検出制御実行データ1、演出用役物制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、各種LED、スピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等)、演出用役物(第1可動体302、第2可動体402L,402R))の制御を実行する(S284)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S285)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S286)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S287)。
図15は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301)。また、救済演出開始待ちタイマがセットされている場合は、救済演出開始待ちタイマの値を−1して(S302)、救済演出開始待ちタイマがタイマアップしたか否か、つまり、救済演出の開始タイミングになったか否かを判定する(S303)。
救済演出開始待ちタイマがタイマアップしていなければ(S303;N)、第1対応動作フラグがセットされているか否かを判定する(S304)。S304において第1対応動作制御フラグがセットされていない場合(S304;N)、操作有効期間であることを示す操作受付け中フラグがセットされているか否かを判定する(S305)。S305において操作受付け中フラグがセットされていない場合(S305;N)、操作有効期間の開始タイミングか否かを判定する(S306)。
操作有効期間の開始タイミングである場合(S306;Y)、第1有効期間タイマに第1有効期間に対応する値をセットするとともに、操作有効期間タイマに操作有効期間に対応する値をセットしてタイマをスタートし(S307)、操作受付け中フラグをセットし(S308)、S309に進む。操作有効期間の開始タイミングではない場合は(S306;N)、そのままS309に進む。
S309において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら(S309;Y)、プロセスデータの切り替えを行う(S310)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S311)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更し(S312)、S314に進む。一方、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は(S309;N)、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行し(S313)、S314に進む。
S303において、救済演出開始待ちタイマがタイマアップしていれば、救済演出の開始タイミングであるため、図16のS350に進み、プロセステーブルを救済演出用の救済演出プロセステーブルに変更し(S350)、変更した救済演出プロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S351)。次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31Aの検出等)の制御を実行する(S352)。これにより救済演出が実行される。
次いで、第2有効期間に操作があったことを示す第2有効期間受付フラグがセットされているか否かを判定し(S353)、第2有効期間受付フラグがセットされていれば(S353;Y)、救済演出において第1対応動作を実行するための第1対応動作制御フラグをセットして(S354)、図15のS314に進む。第2有効期間受付フラグがセットされていなければ(S353;N)、救済演出において第1対応動作を実行しないので、そのまま図15のS314に進む。
図15に戻って、S303において第1対応動作フラグがセットされていれば(S304;Y)、図17のS360に進む。S360において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S361)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによって次のプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S362)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、音制御実行データ、LED制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S363)。一方、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ、LED制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S364)。
次いで、演出制御用CPU120は、下方位置検出スイッチ313がオン状態であるか否か、つまり、第1可動体302が下方位置に到達したか否かを判定する(S365)。下方位置検出スイッチ313がオン状態である場合は、第1可動体302が第2位置に到達したとして第1対応動作フラグをクリアし(S366)、救済演出プロセステーブルにおける第2位置到達時に対応するプロセスデータ(突出動作制御データ)を移行先データから特定する(S367)。そして、プロセスデータを特定したプロセスデータに切り替えて(S368)、次のプロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ、LED制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S369)。これにより、救済演出において第1可動体302の突出体370を突出させる第2動作が行われることで表示結果が大当りであることが報知される。
図15に戻って、S305において操作受付け中フラグがセットされている場合は(S305;Y)、第1有効期間を計時するための第1有効期間タイマと操作有効期間を計時するための操作有効期間タイマのそれぞれの値を−1する(S320)。次いで、操作有効期間タイマがタイマアップしているか否かを判定し(S321)、操作有効期間タイマがタイマアップしていない場合は(S321;N)、操作受付けがあるか否か、つまり、スティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bが操作されたか否かを判定する(S322)。S321において操作有効期間タイマがタイマアップしている場合は(S321;Y)、操作受付けがないまま操作有効期間が経過したとして、操作受付け中フラグをクリアして(S326)、S327に進む。
S322において操作受付けがあった場合は(S322;Y)、操作受付け中フラグをクリアして(S323)、第1有効期間タイマがタイマアップしているか否かを判定する(S324)。第1有効期間タイマがタイマアップしていなければ(S324;N)、第1有効期間に操作受付けがあったとして、第1有効期間受付けフラグをセットし(S325)、S328に進む。第1有効期間タイマがタイマアップしていれば(S324;Y)、第2有効期間に操作受付けがあったとみなして、第2有効期間受付けフラグをセットし(S327)、S328に進む。また、S322において操作受付けがない場合は(S322;N)、そのまま処理を終了する。
尚、本実施例では、操作有効期間において操作受付けがなかった場合、第2有効期間に操作を受付けたとみなして第2有効期間受付けフラグをセットするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作有効期間において操作受付けがなかった場合に第2有効期間受付けフラグをセットせず、以後の可動体演出を実行しないようにしてもよい。
S328においては、プロセステーブルにおける操作有効期間終了後の最初のプロセスデータ(突出動作制御データ)を移行先データから特定する(S328)。そして、プロセスデータを特定したプロセスデータに切り替え(S329)、次のプロセスタイマをスタートさせた後(S330)、次のプロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ、LED制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行し(S331)、S314に進む。これにより、大当り変動パターンの場合は可動体302の突出体370を突出させる第2動作が行われることで表示結果が大当りであることが報知され、はずれ変動パターンの場合は第1可動体302の突出体370を突出させる第2動作が行われないことで表示結果がはずれであることが報知される。
S314では、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S314)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S314;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S315)。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S316)。
また、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合は(S314;N)、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S317)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば(S317;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S319)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても(S317;N)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S318;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新し(S319)、処理を終了する。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。また、確定コマンド受信フラグがセットされてなければ(S318;N)、処理を終了する。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
以上、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示において可動体演出を実行する場合、第1可動体302を下降動作(第1動作)により第1位置に位置する第1状態から第2位置に向けて移動し、下降途中で第1回動状態から第2回動状態に変化させながら第2位置に位置する第2状態に変化させた後、その状態で待機させ、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる第1動作制御と、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御と、第1動作を実行するときに該第1動作に対応する第1演出として、演出表示装置5にて第1エフェクトを表示させ、スピーカ8L,8Rにて第1演出音を出力し、演出用LED9を第1発光態様にて発光させるとともに、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(第1動作期間T1)が経過したことに基づき、該第1演出に続いて第2動作を実行するときに該第2動作に対応する第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第1演出制御と、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御において、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したこと、つまり、第2位置に到達したと判定したことに基づいて、第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第2演出制御と、を実行可能である。
このようにすることで、第1動作制御においては、第1可動体302が第1位置から第2位置まで移動するのに要する第1動作期間T1が経過したタイミング(昇降用モータ308L,308RをXステップ駆動させたタイミング)で第1演出を終了することで、第2動作及び第2演出を好適なタイミングで開始できる一方、第2動作制御においては、第1可動体302が第2位置に到達したと判定されたことに基づいて第2演出を実行することで、第1可動体302を途中位置から第2位置まで移動させる場合でも、第2動作及び第2演出への切り替えを好適なタイミングで実行できるため、演出を好適に行うことができる。
具体的には、演出制御用CPU120は、可動体演出において第1可動体302を第1位置から第2位置まで移動させる場合、第1位置から第2位置へ移動するのに要する第1動作期間T1は一定であるため、第1動作制御を実行するためのプロセスデータに基づいて演出を実行すればよいが、救済演出において第1可動体302を途中位置から第2位置まで移動させる場合、遊技者によるスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作受付けタイミングによって途中位置から第2位置へ移動するのに要する期間(移動距離)は不定になる。
よって、第1動作制御を実行するためのプロセスデータとは別に、第2動作制御を実行するための救済演出プロセスデータに基づいて演出を実行することで、第1対応動作により第1可動体302が第2位置に到達したと判定したことに基づいて、下降動作(第1対応動作)と第1演出に対応する演出(第3演出音の出力と第3発光態様での発光)を停止して、突出動作(第2動作)と第2演出(第2演出音の出力と第2発光態様での発光)に切り替えることができるため、複数の操作受付けタイミングそれぞれに応じた複数の制御データを用意したり、操作タイミングに応じたプロセステーブルをセットする必要がないので、演出制御用CPU120の制御負荷の増大を回避することができる。
また、演出制御用CPU120は、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる。このようにすることで、遊技者の操作に応じて第1可動体302が動作するため、遊技の興趣が向上する。
詳しくは、本実施例では、第1可動体302は、第1位置と第2位置との間を昇降可能であるだけでなく、箱状部302A内に、突出体370が収容されているとともに、第1回動状態と第2回動状態とに回動させるための回動用モータ350や、突出体370を突出状態や収納状態に変化させるための突出用モータ360といった駆動機構や駆動源を搭載しているため、これらを搭載していない可動体に比べて重い。
よって、第1位置から第2位置までの下降動作を早くするのに限界があるため、遊技者の操作を受付けたタイミングで下降動作制御を開始し、該可動動作制御に続けて突出動作制御を実行しようとすると、操作を受付けたときから突出動作制御を開始するまでの時間が長くなり、遊技者に違和感を与える虞がある。
そこで本実施例では、下降動作制御により第1可動体302を第2位置まで移動させてから操作有効期間が開始し、該操作有効期間内に操作を受付けたタイミングで突出動作制御を行うため、操作を受付けたときから突出動作制御を開始するまでの時間を短くすることができる。
また、演出制御用CPU120は、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させるとともに、第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる。
このようにすることで、遊技者の操作に応じて第1可動体302が第2動作するとともに第2演出が実行されるため、遊技の興趣が向上する。
また、演出制御用CPU120は、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御を実行する。このようにすることで、第1可動体302が第2位置から第1位置へ復帰する途中で第1対応動作が再開されるため、遊技者に意外性を与えることができる。
詳しくは、救済演出は、図13(A)に示すように、第1有効期間内に操作を受付けた場合、第1可動体302が第1位置に復帰した状態から開始されることになるが、図13(B)に示すように、第2有効期間内に操作を受付けた場合、第1可動体302が第1位置に復帰する前に開始される。このように、復帰動作の途中で昇降用モータ308L,308Rの逆駆動により第1対応動作が開始されることで、はずれの報知が行われた場合でも第1対応動作が開始されることを期待するようになるので、興趣が向上する。
また、演出制御用CPU120は、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3である場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる第1動作制御を実行し(図22〜図24参照)、変動表示結果が大当りであることを報知する第1演出パターンと、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3である場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させることなく第2状態を維持し、変動表示結果がはずれであることを報知する第2演出パターンと、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−4である場合、変動表示結果がはずれであることを報知する第2演出パターンに基づく演出を実行した後、変動表示が終了するまでに変動表示結果が大当りであることを報知する第3演出パターンと、を実行可能であり、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第2動作制御を実行する。
このようにすることで、操作を受付けたタイミングに応じて第2動作制御の実行タイミングを変更する必要がないので、演出制御用CPU120の制御負荷を軽減できる。
また、演出制御用CPU120は、第2演出制御において救済タイミングになったときに、再生チャンネル2により音声データ1に基づく第1演出音(第3演出音)の再生を開始した後、下方位置検出スイッチ313が第1可動体302を検出したときに、同一の再生チャンネル2により音声データ2に基づく第2演出音の再生を開始することで、第1演出音の再生が強制的に停止されて第2演出音の再生が開始される。このようにすることで、第2演出音から第1演出音に対応する演出音への切り替えを好適に行うことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、第1状態と該第1状態とは異なる第2状態とに変化可能な可動体として、第1位置と第2位置との間で移動可能、かつ、移動しながら第1回動状態から第2回動状態に変化可能な第1可動体302を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1位置と第2位置との間で移動可能するだけで、移動途中で第1回動状態から第2回動状態に変化しない可動体でもよいし、あるいは、第1回動状態(第1状態)から第2回動状態(第2状態)に変化可能であれば、第1位置と第2位置との間で移動しない可動体でもよい。また、第2動作のように、非突出状態(第1状態)から突出状態(第2状態)に変化可能な可動体でもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302が第1位置と第2位置との間を上下移動可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1位置と第2位置との間で左右方向または前後方向に移動するものでもよい。また、第1状態と該第1状態とは異なる第2状態とに変化可能な可動体として、第1可動体302を適用したが、例えば、第2可動体402L,402Rや第3可動体502、あるいは、これらとは別個の可動体(例えば、ロゴパネル)などを適用してもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302は、第1位置から第2位置へ移動しながら第1回動状態から第2回動状態に回動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1位置から第2位置へ移動した後に、第1回動状態から第2回動状態に回動するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302の第1動作は、第1位置から第2位置への移動動作と、移動しながら第1回動状態から第2回動状態に回動する動作とを含み、第2動作は突出体370の突出動作である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302の第1動作は、第1位置から第2位置への移動動作を含み、第2動作は、第1回動状態から第2回動状態への回動動作と突出体370の突出動作とを含むものであってもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302の第2動作は、移動及び回動を含む第1動作とは動作態様が異なる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1動作を一旦停止した後に実行するものであれば、動作態様が第1動作と同じであってもよい。例えば、第2動作は、第2位置から第2位置とは異なる第3位置へ移動するものでもよいし、第2位置から第1位置へ向けて逆駆動する動作でもよいし、突出動作のように、第1動作の動作態様とは異なる動作態様でもよい。
あるいは、第2動作は、第1動作にて動作する第1動作対象物とは異なる第2動作対象物の動作でもよいし、動作対象物が同一でも、第1動作に対応する第1動作態様とは異なる第2動作態様での動作でもよい。前記実施例では、第1動作では箱状部302A(第1動作対象物)を動作させ、第2動作では突出体370(第2動作対象物)を動作させるものであるが、第1動作では箱状部302A(第1動作対象物)を第1動作態様で動作させ、第2動作では箱状部302A(第1動作対象物)を第2動作態様で動作させるものでもよい。
また、前記実施例では、可動体とは異なる演出手段の一例として、画像を表示可能な演出表示装置5、音を出力可能なスピーカ8L,8R、発光可能な演出用LED9を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出手段は、導光板により発光演出が可能な導光板装置や、第1可動体302とは異なる可動体(例えば、第2可動体402L,402Rや第3可動体502、あるいは、これらとは別個の可動体(例えば、ロゴパネル)など)を含んでいてもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302が第1位置から第2位置に移動したか否かを判定可能な判定手段の一例として、下方位置検出スイッチ313の検出結果に基づいて第2位置に移動したことを判定する演出制御用CPU120を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1可動体302が第1回動状態から第2回動状態に変化したときに第2位置に到達するのであれば、演出制御用CPU120は、第2回動状態に変化したことを検出する展開位置スイッチ352など、他の検出手段の検出結果に基づいて第1可動体302が第2位置に移動したことを判定するようにしてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は、これら下方位置検出スイッチ313と展開位置スイッチ352の双方の検出結果に基づいて第1可動体302が第2位置に移動したことを判定するようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、第1可動体302の第1動作の実行に応じて第1演出を開始し、第2動作の実行に応じて第2演出を開始し、第1対応動作の実行に応じて第3演出を開始する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302の各動作の開始タイミングと、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9による各演出の開始タイミングとは完全に同一でなくてもよく、例えば、第1可動体302の動作の開始タイミングより前のタイミングまたは後のタイミングにて各演出が開始されるものであってもよい。
また、前記実施例では、遊技者の操作を受付ける操作手段の一例として、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の操作手段(例えば、タッチセンサなど)を適用してもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、可動体演出における操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたことに基づいて第1可動体302を突出動作(第2動作)させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スティックコントローラ31Aの操作促進画面を表示したときはプッシュボタン31Bの操作の受付けを無効とし、プッシュボタン31Bの操作促進画面を表示したときはスティックコントローラ31Aの操作の受付けを無効とするようにしてもよい。
さらにこの場合、変動表示結果が大当りになることが決定されている場合、変動表示結果が大当りになることが決定されていない場合(はずれの場合)よりも高い割合で、操作有効期間においてスティックコントローラ31Aの操作促進画面を表示し、変動表示結果が大当りになることが決定されていない場合(はずれの場合)、変動表示結果が大当りになることが決定されている場合よりも高い割合で、操作有効期間においてプッシュボタン31Bの操作促進画面を表示するようにしてもよい。つまり、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bのうち一方の操作を受付けた場合、他方の操作を受付けた場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、復帰動作制御の実行中に救済タイミングに到達した場合、昇降用モータ308L,308Rの駆動を一旦停止してから逆回転駆動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、救済タイミングに到達したときに、昇降用モータ308L,308Rの駆動を一旦停止させることなく、逆回転駆動させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120が実行する第2動作制御は、第2有効期間に遊技者の操作を受付けたとき、または遊技者の操作を受付けることなく操作有効期間が終了したときに実行する救済演出に対応する動作制御である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2動作制御は、救済演出における操作有効期間のいずれのタイミングで遊技者の操作を受付けた場合においても実行されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、可動体演出の第2有効期間には複数の操作受付けタイミングが存在し、演出制御用CPU120は操作を受付けたタイミングで第2動作を開始するため、第1対応動作において第1可動体302を第2位置まで移動させる第1対応動作期間T6(移動距離)が不定になる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1動作により第1可動体302を第2位置まで移動した後、第1待機期間が経過した後に第2動作を開始する演出パターンと、第1待機期間とは異なる第2待機期間が経過した後に第2動作を開始する演出パターンと、を実行可能とすることで、第1対応動作期間T6(移動距離)が不定になるものであってもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120が実行する第2動作制御は、変動表示結果がはずれになることを報知した後に大当りになることを報知する救済演出において実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2動作制御は、各種予告演出や、大当り終了後に低確率状態に移行することを報知した後に高確率状態に移行することを報知する昇格演出や、はずれ停止図柄を再変動して大当り図柄に変更する再変動演出等の他の演出においても実行可能である。
また、前記実施例では、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4のいずれにおいても、変動表示を開始してから救済タイミングまでの期間は同じとされる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示を開始してから救済タイミングまでの期間は、全ての変動パターンにて同じでなくてもよい。
また、前記実施例では、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3に基づく可動体演出にて実行される第2動作と、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に基づく可動体演出にて実行される第2動作と、は動作態様が同じ形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも一部の動作態様が同じであれば、一部の動作態様が異なっていてもよい。また、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3に基づく可動体演出にて実行される第2動作に対応する第2演出と、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に基づく可動体演出にて実行される第2動作に対応する第2演出とは、少なくとも一部の演出態様が同じであれば、一部の演出態様が異なっていてもよい。
また、前記実施例では、第2位置において、第1可動体302を第1回動状態から第2可動状態に変化させる際に、第1可動体302が略92度回動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、先ず、第1可動体302を略90度回転させた後、突出体370を収納状態から突出状態に変化させる際に略2度程度更に第1可動体302を回動させてもよい。尚、第1可動体302が回動する回動角度は、本実施例に記載の角度に限定されるものではなく、第1可動体302の重量部の位置や重さ、突出体370の重さや突出角度等に応じて自由に変更してもよい。
また、前記実施例では、突出体370を収納状態と突出状態とに変化させる機構としてパンタグラフ機構を用いた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ラックピニオン機構などの種々の機構に変更してもよい。
さらに、所定部としての装飾体380は、遊技者から見て第1可動体302より奥側に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302の回動方向に設けられていれば、第1可動体302の前側等であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。